JP2017014816A - スラブ軌道の振動低減構造 - Google Patents

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渡辺 勉
Tsutomu Watanabe
勉 渡辺
宗正 徳永
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宗正 徳永
慎太郎 箕浦
Shintaro Minoura
慎太郎 箕浦
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【課題】スラブ軌道の振動を低減させて、構造物音を低減させることができるスラブ軌道の振動低減構造を提供する。【解決手段】スラブ3に支持されたレール締結具によってレール4,4がスラブ3に締結されたスラブ軌道1の振動を低減させるスラブ軌道の振動低減構造であって、レール締結具は、軌道の長さ方向にランダムな間隔Lで複数配置されている。軌道の長さ方向に隣り合うレール締結具の間隔Lは、いずれか一の間隔Lが他の間隔Lの整数倍とならないように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、スラブ軌道の振動低減構造に関する。
車両の車輪およびこの車輪が走行するレールの表面に存在する微細な凹凸に起因して発生する変動作用力は、車輪およびレールを振動させ要因となっている。この車輪およびレールの振動は、スラブ軌道などの軌道構造に伝わり、さらには高架橋などの構造物に伝播している。
構造物に伝播した振動により構造物の構成部材の振動が大きくなると、振動が構造物音として認識されるようになるため、構成部材の振動の増加は、沿線環境に悪影響を及ぼす虞がある。鉄筋コンクリート造の高架橋の場合、構造物音の特性は、数十〜200Hz程度の周波数成分が主成分となっている。
特に、車両の高速化による構造物音の増大が懸念されている。このため、様々な構造物音の低減対策が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、構造物音の低減対策としては、車輪やレールの表面の平滑化、車両の軽量化などによる変動作用力の低減や、定ばね定数軌道パッドや防振軌道を用いることによる振動伝播経路における振動の遮断・低減などが知られている。
特開2008−208530号公報
スラブ軌道の場合、一般にレール締結具がレールの破壊・疲労破壊に対する安全性、締結装置の安全性等から0.625m間隔で規則的に配置されていることにより、レール締結具の間隔毎にレールを走行する車輪の輪軸が周期的に加振され応答のピーク(共振)が発生する。
レール締結具の間隔に起因する応答のピークが発生する周波数fは、以下の式で示される。
Figure 2017014816
このように、レール締結具の間隔に起因する応答のピークが発生する周波数fを主成分とする構造物音が発生するため、構造物音の低減対策としてレールの表面を平滑化させても、構造物音を低減できないことがある。
そこで、本発明は、スラブ軌道の振動を低減させて、構造物音を低減させることができるスラブ軌道の振動低減構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るスラブ軌道の振動低減構造は、スラブに支持されたレール締結具によってレールが前記スラブに締結されたスラブ軌道の振動を低減させるスラブ軌道の振動低減構造であって、前記レール締結具は、軌道の長さ方向にランダムな間隔で複数配置されていることを特徴とする。
本発明では、レール締結具が軌道の長さ方向にランダムな間隔で複数配置されているため、レール締結具の間隔に起因する応答のピークの発生を防止することができる。これによりスラブ軌道の振動を低減させることができる。
また、本発明に係るスラブ軌道の振動低減構造では、前記間隔は、いずれか一の間隔が他の間隔の整数倍とならないことが好ましい。
このような構成とすることにより、レール締結具の間隔に起因する応答のピークの発生を防止することができる。
また、本発明に係るスラブ軌道の振動低減構造では、前記スラブは、軌道の長さ方向に配列された複数のスラブ板から構成され、該複数のスラブ板それぞれにおける前記レール締結具が取り付けられるレール締結具取付部が、軌道の長さ方向にランダムな間隔で配置されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、各スラブ板における振動を低減させることができるとともに、スラブ板の配列に起因する応答のピークの発生を防止することができる。
また、本発明に係るスラブ軌道の振動低減構造では、前記スラブ板は、一の列の前記レール締結具取付部と、他の列のレール締結具取付部との位置を軌道の長さ方向にずらして配置されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、一の列のレール締結具取付部の間隔と、他の列のレール締結具取付部の間隔とが異なるため、一の列のレール締結具取付部の間隔と、他の列のレール締結具取付部の間隔との間に周期性ができることを防止できる。
本発明によれば、スラブ軌道の振動を低減させることができるため、構造物音を低減させることができる。
本発明の実施形態によるスラブ軌道の一例を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態によるスラブ軌道の振動低減構造について、図1乃至図4に基づいて説明する。
図1に示す本実施形態によるスラブ軌道1は、鉄道高架橋2に設けられていて、スラブ3と、スラブ3に支持された複数のレール締結具(不図示)と、複数のレール締結具によってスラブに締結された一対のレール4,4と、を有している。
スラブ3は、軌道の長さ方向(図1の矢印Aの方向)に配列された複数のスラブ板31,31…から構成されている。
複数のレール締結具は、それぞれスラブ板31に支持された公知のもので構成されている。スラブ板31におけるレール締結具が取り付けられる部分をレール締結具取付部5,5…とする。
スラブ板31は、鉄筋コンクリートで構築され、平面視おける外形が略長方形状で平面視における略中央部に上下方向に貫通する孔部31aが形成されている。本実施形態では、スラブ板31の軌道の長さ方向の寸法が略5mに設定されている。
レール締結具取付部5,5…は、レール4,4の幅方向(図1の矢印Bの方向)の両側それぞれに軌道の長さ方向に沿って複数配置されている。レール締結具取付部5,5…は、取り付けられたレール締結具の埋込栓などがスラブ板31の配筋と干渉しない位置に配置されている。
軌道の長さ方向に隣り合うレール締結具取付部5,5の間隔Lは、それぞれランダムな寸法に設定されている。各レール締結具取付部5,5の間隔Lは、他のレール締結具取付部5,5の間隔Lの整数倍とならないように設定されている。
本実施形態では、1つのスラブ板31の軌道方向の長さ寸法(5m)に対して、8のレール締結具取付部5,5…が設けられている。
ここで、一対のレール4,4のうちの一方のレール4(4A)に対する8のレール締結具取付部5,5…のそれぞれ隣り合うレール締結具取付部5,5の間隔Lを間隔L1〜L7とし、他方のレール4(4B)に対する8のレール締結具取付部5,5…のそれぞれ隣り合うレール締結具取付部5,5の間隔LをL8〜L14とすると、間隔L1〜L7はそれぞれ異なる寸法に設定され、間隔L8〜14はそれぞれ異なる寸法に設定されている。間隔L1〜L7と、間隔L8〜14との中には同じ寸法が含まれていてもよいし、全て異なる寸法としてもよい。
本実施形態では、隣り合うレール締結具取付部5,5の間隔Lの最大値は、輪重変動、レール応力・変位、レール締結具発生応力の観点から、0.85mに設定されている。
一対のレール4,4のうちの一方のレール4Aに対するレール締結具取付部5,5…と、他方のレール4Bに対するレール締結具取付部5,5…との位置は、軌道の長さ方向にずらして配置されている。
本実施形態では、軌道の長さ方向に隣り合うスラブ板31,31は、それぞれのレール締結具取付部5,5の間隔Lが、一致せずにランダムな寸法となるように設定されている。
本実施形態では、レール締結具取付部5,5…の配置が互いに異なる2種類のスラブ板31,31…を軌道の長さ方向に交互に配列している。
次に、上述したスラブ軌道の振動低減構造の作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態によるスラブ軌道1の振動低減構造によれば、レール締結具取付部5,5…(レール締結具)が軌道の長さ方向にランダムな間隔Lで複数配置されているため、レール締結具取付部5,5の間隔Lに起因する応答のピークの発生を防止することができる。これによりスラブ軌道1の振動を低減させることができる。
また、各レール締結具取付部5,5の間隔Lは、他のレール締結具取付部5,5の間隔Lの整数倍とならないことにより、レール締結具取付部5,5の間隔Lに起因する応答のピークの発生を防止することができる。
また、軌道の長さ方向に隣り合うスラブ板31,31は、それぞれのレール締結具取付部5,5の間隔Lが、一致せずにランダムな寸法となるように設定されていることにより、軌道の長さ方向に隣り合うスラブ板31,31間におけるレール締結具取付部5,5の間隔Lに起因する応答のピークの発生を防止することができる。
また、スラブ板31は、一対のレール4,4のうちの一方のレール4Aに対するレール締結具取付部5,5…と、他方のレール4Bに対するレール締結具取付部5,5…との位置を軌道の長さ方向にずらして配置されていることにより、一方のレール4Aに対するレール締結具取付部5,5…の間隔Lと、他方のレール4Bに対するレール締結具取付部5,5…の間隔Lとが異なるため、一方のレール4Aに対するレール締結具取付部5,5…の間隔Lと、他方のレール4Bに対するレール締結具取付部5,5…の間隔Lとの間に周期性ができることを防止できる。
以上、本発明によるスラブ軌道の振動低減構造の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、スラブ板31は鉄筋コンクリート造としているが、他の構造としてもよい。また、スラブ板31の形状は適宜設定されてよい。
また、上記の実施形態では、軌道の長さ方向に隣り合うレール締結具取付部5,5の間隔Lは0.75mを超えないように設定されているが、軌道の長さ方向に隣り合うレール締結具取付部5,5の間隔Lの上限値は、レールの曲げ応力などから適宜設定されてよい。
また、上記の実施形態では、軌道の長さ方向に隣り合うスラブ板31,31は、それぞれのレール締結具取付部5,5の間隔Lが、一致せずにランダムな寸法となるように設定されているが、軌道の長さ方向に隣り合うスラブ板31,31は、レール締結具取付部5,5…の配置が同一であってもよい。
また、レール締結具取付部5,5…の配置が同一のスラブ板31,31…を、そのままの状態としたものと平面視において180°回転させた状態としたものとを軌道の長さ方向に交互に配列してもよい。
1 スラブ軌道
2 鉄道高架橋
3 スラブ
4,4A,4B レール
5 レール締結具取付部
31 スラブ板
L,L1〜L14 間隔

Claims (4)

  1. スラブに支持されたレール締結具によってレールが前記スラブに締結されたスラブ軌道の振動を低減させるスラブ軌道の振動低減構造であって、
    前記レール締結具は、軌道の長さ方向にランダムな間隔で複数配置されていることを特徴とするスラブ軌道の振動低減構造。
  2. 前記間隔は、いずれか一の間隔が他の間隔の整数倍とならないことを特徴とする請求項1に記載のスラブ軌道の振動低減構造。
  3. 前記スラブは、軌道の長さ方向に配列された複数のスラブ板から構成され、該複数のスラブ板それぞれにおける前記レール締結具が取り付けられるレール締結具取付部が、軌道の長さ方向にランダムな間隔で配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスラブ軌道の振動低減構造。
  4. 前記スラブ板は、一の列の前記レール締結具取付部と、他の列のレール締結具取付部との位置を軌道の長さ方向にずらして配置されていることを特徴とする請求項3に記載のスラブ軌道の振動低減構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110904744A (zh) * 2019-11-22 2020-03-24 华东交通大学 一种改良钢轨的吸振系统及改良吸振性能的方法

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