JP2017014167A - 化粧用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、保湿効果の持続性に優れ、肌のハリ及びすべすべ感を向上させることができる化粧用組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、アグリカン及び柚子抽出物を含有する化粧用組成物に関する。上記アグリカンの純度は、高速液体クロマトグラフィーを用いた分析により95.0%以上であることが好ましい。更に、上記アグリカンは、サケ軟骨由来であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、化粧用組成物に関する。
プロテオグリカンは、コアのタンパク質に長鎖の硫酸化グリコサミノグリカンが結合した複合糖質の一つである。コラーゲン、ヒアルロン酸とともに、細胞と細胞の間にある細胞外マトリックスの主成分として存在し、保水性に優れるといった作用を持つことが古くから知られている。糖タンパクでは、アスパラギンに結合したN型糖鎖、スレオニン又はセリンに結合したO型糖鎖がタンパクの糖鎖修飾として代表的なものであるのに対して、プロテオグリカンでは、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸等のグリコサミノグリカン糖鎖がタンパクに結合している。
プロテオグリカンが持つ作用効果としては、上記の保水性に加えて、皮膚線維芽細胞の増殖促進効果、皮膚線維芽細胞のヒアルロン酸合成促進効果等が知られている(特許文献1:特開2008−247803号公報)。また、プロテオグリカンは天然由来の成分であり、安全性も高いことから、このような作用を示すプロテオグリカンを含有する化粧品組成物も開発されている(特許文献2:国際公開公報2011−007885号、特許文献3:特開平4−210614)。しかし、これらの化粧品組成物の保湿効果は、その持続性の点で十分とは言い難いという不都合がある。
一方、柚子抽出物(ゆずエキス)は、ペクチン類を多く含むことから、保湿効果、角質を柔らかくして古い角質を取り除く効果、収斂効果等を有することが知られている。
なお、プロテオグリカンは広い概念であり、従来の組成物等に使用されているプロテオグリカンは、複数の種類を含み、夾雑タンパク等も多く含まれ、その精製度も十分とは言えない。また、プロテオグリカンの中でも、アグリカンのような特定のプロテオグリカンのみを分離精製して高純度としたものを化粧品等に使用した例はない。
特開2008−247803号公報 国際公開公報2011/007885号 特開平4−210614号公報
このような情況の中、本発明は、保湿効果の持続性に優れ、肌のハリ及びすべすべ感を向上させることができる、天然成分であるプロテオグリカンを含む化粧用組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、本発明者らは、数多くの種類が存在するプロテオグリカンの一つであるアグリカンと、柚子抽出物とを含む化粧用組成物が、高い保湿効果を有するだけでなく、それを長時間に渡って持続させることができることを見出した。さらに、この化粧用組成物は、肌のハリやすべすべ感を向上させることもできるため、各種の化粧品に好適に用いることができることもわかった。
すなわち上記課題を解決するための本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]アグリカン及び柚子抽出物を含有する、化粧用組成物。
[2]上記アグリカンの純度が、高速液体クロマトグラフィーを用いた分析により95.0%以上である、[1]記載の化粧用組成物。
[3]上記アグリカンが、サケ軟骨由来である、[1]又は[2]記載の化粧用組成物。
[4]上記柚子抽出物が、柚子種子の抽出物である、[1]〜[3]のいずれか記載の化粧用組成物。
[5]上記アグリカンの含有量が、化粧用組成物全体に対して、0.05重量%以上10重量%以下である、[1]〜[4]のいずれか記載の化粧用組成物。
[6]美容液として用いられる、[1]〜[5]のいずれか記載の化粧用組成物。
[7]指先保護剤として用いられる、[1]〜[5]のいずれか記載の化粧用組成物。
本発明の化粧用組成物は、アグリカンと柚子抽出物とを含むことにより、保湿効果の持続性に優れ、肌のハリ及びすべすべ感を向上させることができる。これらの優れた効果は、アグリカン単独、又は柚子抽出物を単独で含む化粧用組成物では得ることができないものである。さらに、本発明の化粧用組成物は、指先保護剤としても用いることができ、ネイルアートの形成時や除去時に爪や指先に与える損傷を低減し、健康な爪、指の状態を維持することができる。特に、ネイル除去用のアセトンを含む除光液から肌を十分に保護することができる。また、花粉症の状態を緩和させるという予想もできない効果を奏するものである。
図1は、本発明の化粧用組成物に用いられるアグリカンのHPLCチャートを示す図である。 図2は、本発明の化粧用組成物に用いられるアグリカンのセルローズアセテート膜電気泳動の結果を示す図である。 図3は、本発明の化粧用組成物に用いられるアグリカンの構造を模式的に示した図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
<化粧用組成物>
本発明の化粧用組成物は、アグリカン及び柚子抽出物を必須成分として含有する。本発明の化粧用組成物は、アグリカン及び柚子抽出物を含有することにより、保湿効果の持続性に優れ、肌のハリ及びすべすべ感を向上させることができる。なお、本発明の化粧用組成物は、アグリカン及び柚子抽出物以外に、溶媒や、本発明の効果を向上させる目的で、各種任意成分を含んでいてもよい。以下、アグリカン、柚子抽出物、溶媒及び任意成分について説明する。
[アグリカン]
アグリカンは、数多く存在するプロテオグリカンの一種で、分子量約2,500kDaの、骨組織に存在する大型のケラタン硫酸/コンドロイチン硫酸プロテオグリカンである。軟骨以外にも脳、大動脈、腱などの比較的局在した組織分布を示す。アグリカンのコアタンパク質は分子量210〜250kDaでヒアルロン酸結合能を持ち、リンクタンパクと共にヒアルロン酸と巨大な複合体を形成する。このコアタンパク質に結合した数多くのグリコサミノグリカン鎖によって、高度に水和したゲル体を形成し、それが空間を充たすことによって軟骨組織の力学的強度を生み出している。
本発明におけるアグリカンとしては、魚類、軟体動物、鳥類、哺乳類由来のものを用いることができ、例えば、サケ、サメ、クジラ、ウシ、ブタ等由来のものを用いることができる。中でも、化粧用組成物としての保湿性の観点から、サケ、サメ、クジラ由来であることが好ましく、サケ、サメ由来であることがより好ましい。また、これらの動物の、軟骨、脳、大動脈、腱由来のアグリカンを用いることができ、化粧用組成物の保湿性の観点から、サケの頭部、サメのヒレ部の軟骨由来のアグリカンがさらに好ましく、サケの鼻軟骨組織由来のアグリカンが特に好ましい。
本発明におけるアグリカンは、例えば以下のような工程を含む方法により調製することができる。
[抽出工程]
サケ鼻軟骨をスライスし、サケ軟骨組織の2〜100倍溶のクエン酸水溶液を添加し、2時間〜72時間浸漬することでアグリカンを抽出することができる。
上記サケ鼻軟骨のスライスの厚さは0.5mm〜5mmが好ましく、1mm〜2mmがより好ましい。サケ鼻軟骨をこのような厚さのスライスとすることで、アグリカンの高い抽出効率を維持しつつ、純度を向上させることができる。また、スライスの大きさは0.5cm〜2cmであることが好ましく、1cm前後がより好ましい。なお、サケ鼻軟骨等を細切したものを用いるより、上記厚さのスライスを用いることで、抽出後の組織片の除去等の処理が煩雑でなくなると共に、抽出液中の夾雑物を減らすことができるので、得られるアグリカンの純度を向上させることができる。
アグリカンの抽出に用いる上記クエン酸水溶液の濃度としては、通常0.01重量%〜5重量%であり、0.03重量%〜3重量%が好ましく、0.05重量%〜1重量%がより好ましく、0.1重量%〜0.5重量%がさらに好ましい。上記クエン酸水溶液の濃度を上記範囲とすることで、アグリカンの抽出時間を短縮できるので、抽出中のアグリカンのゲル化や腐敗臭の発生を抑制することができる。
アグリカンの抽出は、0℃〜30℃で可能であるが、10〜30℃が好ましく、15℃〜25℃がより好ましい。またアグリカンの抽出は、約40時間前後で飽和に達することから、得られるアグリカンの収量と、純度をバランスよく向上させる観点から、10時間〜50時間が好ましく、20時間〜30時間がより好ましく、24時間程度がさらに好ましい。さらに、抽出方法は、撹拌に伴い生ずる夾雑物を減らすため、撹拌法よりも浸漬法が好ましい。
[脂質除去工程]
次に、サケ軟骨組織を含む浸漬液を、ガーゼ等を重ねたもので濾過して組織片を除去する。得られる濾液を疎水性担体等に通して混在する脂質を除去する。
上記脂質を除去するための疎水性担体等としては、疎水性担体、疎水プラスチックビーズを用いることができる。上記疎水性担体としては、例えば、ODS(オクタデシルシリル基)やオクチル基をシリカやポリマーに化学結合した樹脂が使用できる。担体の粒子径は、通常5μm〜10μmのものが好適に使用される。また、上記疎水性プラスチックビーズとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のプラスチックのビーズを使用でき、ビーズの大きさは、適宜選択できるが、一般には平均直径が0.5mmから3mmのものが好適に使用される。これらのうち、吸着効率や経済的な観点から、疎水性プラスチックビーズがより好ましい。
上記脂質を疎水性担体や疎水性ビーズにより吸着除去して濾過分離した濾液から得られるプロテオグリカン抽出液は、通常プロテオグリカンを2%〜4%程度含有し、その濃度が高いため、少量の食塩飽和アルコールで沈澱させることにより収率よく回収することができる。沈殿は、遠心分離を使用することにより効率的に行うことができる。
[分子量調整、濃縮工程]
上記回収工程の少なくとも後に、次の限外濾過による分子量調整、濃縮工程を有することが好ましい。即ち、上記脂質を吸着除去した疎水性担体や疎水性ビーズを濾過分離した濾液から得られるアグリカンは、分子サイズ選択メンブランを用いた限外濾過により分子量10万程度以上、100万程度以下とすることができる。具体的には、遠心分離によって沈澱したプロテオグリカンを蒸留水に溶解し、メンブランフィルター(分子量100万以上の分子を除去:1000kカット)を通して巨大プロテオグリカンおよび複合物などを除去する。次にこの濾液を10万カット(分子量10万以下の分子を除去:100kカット)のメンブランフィルターによって分子量10万以下のプロテオグリカンやタンパク質およびミネラルなどの塩類を除去する。
[沈殿、洗浄工程]
その後、メンブラン上に回収したアグリカンは、上記の食塩飽和エタノールにより選択的に沈殿回収される。なお、アグリカン、グリコサミノグリカン糖鎖は、糖鎖中に硫酸基やカルボキシル基の負電荷を持つため、お互いに反発し沈殿ができにくい。そこでエタノール沈殿を行う場合は塩化ナトリウム、酢酸ナトリウムなどをエタノールに加え、糖鎖の負電荷を中和することで、エタノール沈殿の効率を飛躍的に向上することが可能となる。 上記脂質を吸着除去して濃縮等して得られるアグリカン抽出液は、通常プロテオグリカンを2%〜4%程度含有し、その濃度が高いため、少量の食塩飽和エタノールで沈澱させることにより収率よく回収することができる。なお、沈殿は、遠心分離を使用することにより効率的に行うことができる。
このようにして得られたアグリカンは、エタノール(好ましくは、100%エタノール)で数回洗浄した後に乾燥させる。乾燥は、一般的な真空乾燥や加熱乾燥にて行われるが、加熱する場合は40℃位の温度が好適に用いられる。
上記アグリカンは、陰イオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィーやゲル濾過カラムを用いさらに精製することもできる。この陰イオンカラムクロマトグウフィーによる精製プロテオグリカンの調製は、均一な金属塩として調製することを可能にし、品質管理の方法として重要な意味を持つ。
上記のように、本発明において用いられるアグリカンは、上述のような極めて簡単な方法でサケ鼻軟骨等から高収率で抽出、精製できる。
この方法によるアグリカンの収率は1.0%〜2.0%である。なお、アグリカンの収率は、出発物質であるサケ鼻軟骨の総重量に対する、最終的に得られたアグリカンの重量の割合(%)で表すことができる。また、得られたアグリカンの純度は、HPLC及びセルロースアセテート膜電気泳動によって確認できる。HPLC(高速液体クロマトグラフィー)分析の条件は、例えば以下に示す通りである。
カラム:TOSOH TSK‐gel G5000P−WXLカラム + TSK guard column(東ソー社製)
溶出:0.2M NaCl
流速:0.5mL/min 30℃
検出:UV−VIS検出器(215nm)
本発明におけるアグリカンの純度は、HPLCを用いた分析により95.0%以上であることが好ましく、97.0%以上であることがより好ましく、99.0%以上であることがさらに好ましい。本発明におけるアグリカンの純度は、HPLCのピーク面積から算出することができる。なお、本発明のアグリカンは、例えば調製の際に、従来のように材料とする軟骨を細切したものを用いる代わりに、軟骨のスライスから抽出することで夾雑物の混入を減らしたり、抽出に用いるクエン酸濃度、抽出時間等を工夫して夾雑物を極限まで減らし、純度を高めたアグリカンを用いることで、本発明の化粧用組成物とした場合に、その保湿性を向上させ、かつ保湿性を長時間維持することができる。さらには、肌のハリ及びすべすべ感を向上させることができる。
本発明の化粧用組成物におけるアグリカンの含有割合は、0.01重量%〜20重量%であり、本発明の化粧用組成物の保湿性維持の観点から、0.05重量%〜10重量%が好ましく、0.1重量%〜5重量%がより好ましい。
[柚子抽出物]
本発明における柚子抽出物は、柚子の果実、種子、果皮等を特定の溶媒に浸漬して得られる抽出物であれば特に限定されないが、本発明の化粧用組成物の保湿性を向上させる観点から、柚子の種子の抽出物を少なくとも含むことが好ましい。
上記柚子は、化粧用組成物は使用者の肌に直接使用するものであるため、安全性の高いものであることが望ましいという観点から、無農薬栽培のものを用いることが好ましい。
上記抽出に用いる溶媒としては、水や、メチルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコール類、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール類、酢酸エチル、アセトン、ジエチルエーテル、ヘキサンなどの有機溶媒等を、単独あるいは二種以上組み合わせて用いることができる。好ましくは、抽出物の溶解性や安全性の点から水、低級アルコール類、液状多価アルコール類が好ましく、水、低級アルコール類又はこれらの混合物がより好ましく、エタノール又はエタノールと水の混合物がさらに好ましい。例えば20重量%〜70重量%エタノール水が好適に用いられる。
本発明における柚子抽出物は、例えば以下のような方法により調製することができる。
硝子容器中、柚子種子に40%〜80%エタノールを加えて充分振盪した後、室温で1時間程度浸漬させる。滅菌済み蒸留水を加えて充分振盪した後、暗所、室温にて1日〜7日間程度浸漬させて、柚子種子成分を抽出する。この操作を必要に応じて複数回繰り返し柚子種子成分を十分に抽出し、種子片を取り除いた濾液を柚子抽出物として使用する。
上記方法によって得られる柚子抽出物は、材料として使用する柚子の種類(産地)、栽培時期、収穫時期、熟し加減等により、粘性、色調、皮膚に対する感触等が変化し得る。そのため、本発明の化粧用組成物の成分として用いる際には、濃度、粘性、色調、皮膚に対する感触等を確認し、適切に濃度を調整する必要がある。例えば、上述のような複数回の抽出を行い、それぞれで得られる抽出液を適切に配合することで、本発明の化粧用組成物に適した柚子抽出液を得ることができる。通常は、1回目の抽出液及び2回目の抽出液を合わせたものを本発明における柚子(種子)抽出物として化粧用組成物に適切に配合することができる。本発明における柚子抽出物は、液量0.25mL〜0.3mLの滴の1滴が滴下するのに2〜5秒要する程度の粘度を有することが好ましい。このような粘度の柚子抽出物を配合することで、本発明の化粧用組成物は、保湿性及びその持続性、肌に塗布した後のすべすべ感に優れる。
本発明における柚子抽出物は、リモネン含有量が1ng/mL〜10mg/mLであり、10ng/mL〜5mg/mLであることが好ましく、100ng/mL〜2mg/mLであることがより好ましく、1μg/mL〜200μg/mLであることがさらに好ましい。
本発明における柚子抽出物は、ペクチン含有量が1ng/mL〜100mg/mLであり、10ng/mL〜50mg/mLであることが好ましく、100ng/mL〜10mg/mLであることがより好ましく、1μg/mL〜1mg/mLであることがさらに好ましい。
本発明の化粧用組成物における柚子抽出物の含有割合は、本発明の化粧用組成物の保湿性維持の観点から、1重量%〜70重量%が好ましく、5重量%〜50重量%がより好ましく、10重量%〜40重量%がさらに好ましい。
[溶媒]
本発明の化粧用組成物は、上記必須成分に加えて、水、アルコール、親水性有機溶媒、脂肪酸、高級脂肪酸エステル類、グリセライド又は疎水性有機溶媒、或いは、これらの混和し得る混合溶媒を含んでもよい。
上記溶媒は、化粧用組成物において基剤又は担体としての機能するものが好ましく、水等の水系溶媒、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベース等)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジンのようなシリコーン油;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールのような高級アルコール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、ホホバ油のようなエステル類;デキストリン、マルトデキストリンのような多糖類;エタノール、イソプロパノールのようなアルコール、等が挙げられる。これらのうち、水系溶媒が好ましく、水が特に好ましい。本発明の化粧用組成物が水を含有する場合、その配合量は、皮膚への使用感や本発明の効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の化粧用組成物の全体に対して例えば0.001〜99.5重量%、好ましくは0.01〜90重量%、より好ましくは0.1〜60重量%であり、最も好ましくは1〜20重量%である。なお、本発明の化粧用組成物中の溶媒の含有量には、柚子抽出物中のエタノール等の抽出液成分は含めないものとする。
[任意成分]
本発明の化粧用組成物は、本発明の効果を向上させる目的で、ビタミン類をさらに含んでもよい。なお、ビタミン類は、それぞれ1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。また、これら以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で任意成分として、殺菌剤、多価アルコール、グリコールエーテル、増粘剤等を使用してもよい。なお、各成分として具体的に例示されている化合物が重複している場合には、いずれかの成分として含まれていればよい。
(ビタミン類)
上記ビタミン類としては、例えば、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のレチノール誘導体、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、d−δ−トコフェリルレチノエート、α−トコフェリルレチノエート、β−トコフェリルレチノエート等のビタミンA類;β−カロチン、α−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノン等のプロビタミンA類;δ−トコフェロール、α−トコフェロール、β−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、δ−トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール等のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸メチル、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類;ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸グルコシド等のビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類;ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテテイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、ビオシチン等のビオチン類;そのほか、カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸、γ−オリザノール等のビタミン様作用因子等が挙げられる。これらのうち、本発明の化粧用組成物の保湿効果の持続性を増強する効果が高いという観点から、ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸グルコシド等のビタミンC類が好ましく、L−アスコルビン酸がより好ましい。
ビタミン類を配合する場合、その使用量は、保湿性、皮膚への使用感等を考慮して適宜選択できるが、本発明の化粧用組成物の全体に対して、例えば0.0001〜30重量%、好ましくは0.0005〜25重量%、より好ましくは0.001〜20重量%である。
上記抗菌成分としては、例えば、テルビナフィン及びその塩、ブテナフィン及びその塩、硝酸スルコナゾール、ルリコナゾール、ミコナゾール、塩酸アモロルフィン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ビホナゾール、塩酸ネチコナゾール、ラノコナゾール、リラナフタート、エフィナコナゾール、クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、並びに塩酸アルキルジアミノグリシンなどが挙げられる。これらの中でも、テルビナフィン及びその塩、ブテナフィン及びその塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸及びその誘導体、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、並びに塩酸アルキルジアミノグリシンが好ましく、テルビナフィン及びその塩、ブテナフィン及びその塩、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸及びその誘導体、塩化ベンゼトニウム、並びにイソプロピルメチルフェノールがより好ましい。
(多価アルコール)
本発明の化粧用組成物は、多価アルコールを含むことができる。本発明の化粧用組成物が含むことができる多価アルコールとしては、化粧品、医薬部外品又は医薬品に使用されるものを制限なく使用できる。例えば、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール等)、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、アルカンジオール(プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、ペンタンジオール等)等が挙げられる。これらのうち、使用感等も考慮した製剤化の観点から、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、アルカンジオール(プロパンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール)等が好ましく、グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコールがより好ましく、植物性のグリセリンがさらに好ましい。これらの多価アルコールは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の化粧用組成物における多価アルコールの含有量は、本発明の化粧用組成物全体中(100重量%中)、0.01重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、0.5重量%以上がさらにより好ましい。また、本発明の化粧用組成物全体中(100重量%中)、97重量%以下が好ましく、50重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、本発明の効果に加え、化粧用組成物に保湿力と良好な使用感を付与できる。
(グリコールエーテル)
本発明の化粧用組成物は、グリコールエーテルを含むことができる。本発明の化粧用組成物に用いるグリコールエーテルとしては、化粧品、医薬部外品又は医薬品に使用されるものを制限なく使用できる。例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、及びエチレングリコールモノプロピルエーテルのようなエチレングリコール系のグリコールエーテル;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びジエチレングリコールモノプロピルエーテルのようなジエチレングリコール系のグリコールエーテル;プロピレングリコールモノエチルエーテル、及びプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなプロピレングリコール系のグリコールエーテル;並びにジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなジプロピレングリコール系のグリコールエーテルなどが挙げられる。中でも、エチレングリコール系、及びジエチレングリコール系のグリコールエーテルが好ましく、エチレングリコールモノメチルエーテル、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルがより好ましく、ジエチレングリコールモノエチルエーテルが特に好ましい。これらの多価アルコールは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の化粧用組成物におけるグリコールエーテルの含有量は、本発明の化粧用組成物全体中(100重量%中)、0.01重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、0.5重量%以上がさらに好ましい。また、本発明の化粧用組成物全体中(100重量%中)、97重量%以下が好ましく、50重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。上記範囲であれば、本発明の効果に加え、化粧用組成物に保湿力と良好な使用感を付与できる。
(増粘剤)
本発明の化粧用組成物は、増粘剤を含むことができる。これにより、肌なじみがよく、使用感に優れる化粧用組成物とすることができる。
このような増粘剤として、化粧品、医薬部外品又は医薬品の増粘剤として使用されるものを制限なく使用できる。例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト、デキストリン脂肪酸エステル、ペクチン、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムメタクリル酸ベヘネス−25)クロスコポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス−25)クロスポリマー、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、トリイソステアリン酸エチレングリコール、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)メチルグルコシド等が挙げられる。これらのうち、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、キサンタンガム、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、及び(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーがより好ましい。これらの増粘剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の化粧用組成物における増粘剤の含有量は、本発明の化粧用組成物全体中(100重量%中)、0.0001〜20重量%が好ましく、0.001〜10重量%がより好ましく、0.05〜5重量%がさらに好ましい。増粘剤の含有量が上記範囲であれば、肌なじみがよく、使用感に優れる化粧用組成物とすることができる。
(その他の成分)
本発明の化粧用組成物には、任意成分として、上述の成分以外にも、他の有用な作用を付加するため、紫外線散乱成分、紫外線吸収成分、DNA損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分、美白成分、抗炎症成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分、保湿成分、角質柔軟成分、血行促進成分、皮脂吸着成分等の各種成分を、1種又は2種以上組み合わせて配合してもよい。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、化粧品分野等において使用され得るものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。また、以下の複数の成分に該当するものは、それらのうちの任意の効能の成分として添加できるものとする。
上記紫外線散乱成分としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム、含水ケイ酸等の無機化合物や、それらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したもの等が挙げられる。中でも、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄等の無機化合物や、これらの無機化合物を水酸化アルミニウム、含水ケイ酸、マイカやタルク等の無機粉体やシリコン油で被覆したものが好ましい。紫外線散乱成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の化粧用組成物の全体に対して例えば0.001〜35重量%、好ましくは0.1〜25重量%である。
上記紫外線吸収成分としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4,6−トリス[4−(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。紫外線吸収成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の化粧用組成物の全体に対して例えば0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%である。
上記美白成分としては、例えば、プラセンタ;アルブチン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;トラネキサム酸;ルシノール;カモミラET;ビタミンA又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類等が挙げられる。更に、美白作用を有する植物成分を美白成分として用いてもよく、かかる植物成分としては、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、ゴバイシコムギ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ニンニク、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、トウキ、アメジスト、アセンヤク、アセビワラビ、イヌマキ、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、サルサ、サヤインゲンショクマ、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、マルバハギ、チョウジ、カンゾウ等に由来する成分が挙げられる。好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、サルサ、サヤインゲン、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、チョウジ、カンゾウ及びトウキ由来成分であり、より好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、エイジツ、オゴン、オウレン、オトギリソウ、クチナシ、クジン、コメ、コメヌカ、サイシン、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、セージ、ダイコン、ツツジ、パセリ、ホップ、カンゾウ及びヨクイニン由来成分が挙げられる。これらの植物成分を本発明の化粧用組成物に用いる場合、植物成分の形態は特に制限されないが、通常は植物エキス(植物抽出物)や精油等の態様で使用することができる。なお、上記植物成分中に記載の( )内は、その植物の学名、別名または生薬名である。本発明の化粧用組成物に以上説明した美白成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、化粧用組成物の全体に対して例えば0.0003〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。植物エキスを用いる場合の使用量は、エキス等の抽出物換算で、化粧用組成物の全体に対して、0.00001〜20重量%、好ましくは0.0001〜15重量%、より好ましくは0.001〜10重量%である。
上記抗炎症成分としては、例えば、アラントイン、カラミン、トラネキサム酸、グリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、グリチルレチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、酸化亜鉛、グアイアズレン、酢酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体等が挙げられる。好ましくはグリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、グリチルリチン酸ジカリウム等)、グリチルレチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、または酸化亜鉛である。抗炎症成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の化粧用組成物の全体に対して例えば0.0003〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
上記細胞賦活化成分としては、例えば、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸等のアミノ酸類:グリコール酸、乳酸等のα-ヒドロキシ酸類:タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号等が挙げられる。細胞賦活化成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の化粧用組成物の全体に対して例えば0.0003〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
上記収斂成分としては、例えば、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸等の有機酸を挙げることができる。収斂成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の化粧用組成物の全体に対して例えば0.0003〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
上記抗酸化成分としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、アスコルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリン等が挙げられる。抗酸化成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の化粧用組成物の全体に対して例えば0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%、より好ましくは0.001〜5重量%である。
上記老化防止成分としては、例えば、パンガミン酸、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトン等が挙げられる。老化防止成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の化粧用組成物の全体に対して例えば0.0003〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
上記保湿成分としては、例えば、セラミド成分、コレステロール、リン脂質等の脂質;アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニン等のアミノ酸及びその誘導体;グリセリン等の多価アルコール;ソルビトール等の糖アルコール;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素等のNMF由来成分等が挙げられる。これらのうち、本発明の化粧用組成物の肌や爪に対する保護作用を向上させるという観点から、セラミド成分がより好ましく、中でもスフィンゴミエリンが更に好ましい。保湿成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の化粧用組成物の全体に対して例えば0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。
上記角質柔軟成分としては、例えば、ラノリン、尿素、フィチン酸、乳酸、乳酸塩、グリコール酸、サリチル酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。角質柔軟成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の化粧用組成物の全体に対して、例えば0.0001〜50重量%、好ましくは0.001〜50重量%、より好ましくは0.05〜25重量%である。
上記血行促進成分としては、例えば、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、トウモロコシ)に由来する成分;ニコチン酸トコフェロール、グルコシルヘスペリジン、ヘスペリジンが挙げられる。血行促進成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の化粧用組成物の全体に対して例えば0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%、より好ましくは0.001〜5重量%である。植物由来成分を用いる場合の使用量は、エキス等の抽出物換算で、化粧用組成物の全体に対して、0.00001〜20重量%、好ましくは0.0001〜15重量%、より好ましくは0.001〜10重量%である。
上記皮脂吸着成分としては、例えば、タルク、マイカ、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。なかでも、好ましくは、マイカ、ヒドロキシアパタイト、及び酸化亜鉛であり、特に好ましくはマイカである。皮脂吸着成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の化粧用組成物の全体に対して例えば0.001〜35重量%、好ましくは0.1〜25重量%である。
また本発明の化粧用組成物には、上記各成分に加えてその用途あるいは剤形に応じて、医薬品、医薬部外品、又は化粧品等の分野に通常使用される成分を適宜配合してもよい。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、界面活性剤、前述した以外の増粘剤、酸化防止剤、保存剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減剤、着色剤、分散剤、香料等の添加剤を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、または2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。またこれらの使用量は、従来公知の範囲から本発明の効果を損なわない範囲で、適宜決定することができる。
上記界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート及びソルビタンモノラウレート等のソルビタンエステル;POE−ソルビタンモノオレエート;グリセリンモノオレエート、グリセリンモノステアレート、及びグリセリンモノミリステート等のグリセリン脂肪酸エステル;モノイソステアリルグリセリルエーテルやモノミリスチルグリセリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカステアレート、デカグリセリルデカイソステアレート、及びジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル等の各種非イオン界面活性剤:あるいはレシチン、水素添加レシチン、サポニン、サーファクチンナトリウム、コレステロール、胆汁酸等の天然由来の界面活性剤等を例示することができる。
上記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコフェロール誘導体、エリソルビン酸、L−システイン塩酸塩等が挙げられる。
上記pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸等)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム等)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)等が挙げられる。
上記キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA−2Na等)、カリウム塩等)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、メタリン酸等が挙げられる。中でも、エデト酸ナトリウムが好ましい。
上記安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
上記刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
[pH]
本発明の化粧用組成物は、通常pH2.0〜9.0の液性を備えていればよいが、皮膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくはpH3.0〜8.5、より好ましくはpH3.5〜8.0である。
[性状・製剤]
本発明の化粧用組成物の性状は、特に限定されず、液体状、流動状、又は半固形状とすることができる。また製剤形態としては、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、乳液、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、不織布に薬液を含浸させたシート剤等の製剤とすることができる。中でも、乳剤、クリーム剤、乳液、軟膏剤、ゲル剤、ローション剤が好適であり、ローション剤、クリーム剤、乳液、軟膏剤、ゲル剤が特に好適である。
なお、本発明の化粧用組成物を充填する容器としては、公知の形状の容器を制限なく使用できる。容器の素材も特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなプラスチック製やガラス製等の素材の容器に充填して提供されることもできる。容器としては、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、又はポリアリレートを素材とする容器が好ましい。
<化粧用組成物の製造方法>
本発明の化粧用組成物の製造方法は特に制限されず、アグリカン、柚子抽出物、上述した任意成分、その他の成分を適宜選択し、溶媒中で混合することにより製造することができる。アグリカンを溶媒に溶解した溶液を先に調製してから、柚子抽出物と、その他の成分とを混合して製造してもよい。
本発明の化粧用組成物は、アグリカンと柚子抽出物とを含むことにより、保湿効果の持続性に優れ、肌のハリ及びすべすべ感を向上させることができる。さらに、本発明の化粧用組成物は、指先保護剤として、ネイルアートの形成時や、除去時に爪や指先に与える損傷を低減し、健康な爪、指の状態を維持することができる。特に、ネイルオフ用の除光液から肌を保護することができるという予想もできない効果を奏する。また、花粉症の状態を緩和させる効果も有する。このような特性を有するため、本発明の化粧用組成物は、化粧品、医薬部外品や医薬品分野において好適に用いることができる。
<指先保護剤>
本発明の化粧用組成物は、指先保護剤として使用することができる。特に、爪から、ネイルアートを除去する際に、リムーバーや除光液等に含まれるアセトン等の有機溶媒に数分程度以上の長時間曝されることもあるため、爪を含めた指先に本発明の化粧用組成物を指先保護剤として塗布しておくと、指先の荒れや傷み、乾燥から保護することができる。この指先保護剤を指先に塗布した後、乾燥させてからリムーバー、除光液等を使用することで、さらに効果を向上させることができる。指先保護剤としての本発明の化粧用組成物は、アグリカン及び柚子抽出物に加えて、皮膚と親和性の高いセラミド類、コラーゲン、ヒアルロン酸、グリカン、マンナン等を適宜添加して調製してもよい。
以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[化粧用組成物の調製]
<アグリカンの単離と調製>
サケ鼻軟骨をスライスし、サケ軟骨組織の約10倍溶の0.1%クエン酸水溶液を添加し、室温にて24時間浸漬してアグリカンを抽出した。その後、サケ軟骨組織を含む浸漬液を、ガーゼを7枚重ねたもので濾過し、組織片を除去した。得られた濾液をプラスチックビーズカラムに通して混在する脂質を除去した。カラムからの溶出液を回収し、分子量100万カットのメンブランを装着した限外濾過装置にかけ、分子量100万以下の分子を濾液として回収した。得られた濾液を分子量10万カットのメンブランを装着した限外濾過装置にかけ、分子量10万以下の分子を除去した。必要に応じて、上記の工程を繰り返した。得られた濃縮液に食塩飽和エタノールを加えてアグリカンを沈殿させた。この方法によるアグリカンの収量は1.0%〜2.0%であった。なお、アグリカンの収量は、出発物質であるサケ鼻軟骨の総重量に対する、最終的に得られたアグリカンの重量の割合(%)で表した。
得られたアグリカンの精製度は、HPLC及びセルロースアセテート膜電気泳動によって確認した。HPLC分析の条件を以下に示す。
顕著
カラム:TOSOH TSK‐gel G5000P−WXLカラム + TSK guard column(東ソー社製)
溶出:0.2M NaCl
流速:0.5mL/min 30℃
検出:UV−VIS検出器(215nm)
分析結果を図1(HPLC)及び図2(セルローズアセテート膜電気泳動)に示す。また、得られたアグリカンの特徴を下記表1及び図3に示す。これらの図及び表に示す通り、得られたアグリカンには、コラーゲンの混入は見られず(検出限界以下)、HPLCのピーク面積から、99%以上の純度であると評価された。
<柚子抽出液の調製>
以下の操作は全て無菌的に行った。柚子種子1kgを4Lの硝子容器に移し、60%エタノール200mLを加えて充分振盪した後、室温で1時間浸漬した。滅菌済み蒸留水を300mL加えて充分振盪した後、室温にて1日浸漬させた。この時のエタノール濃度は約24%である。その後、濾過して種子を除き、濾液を回収した(濾液1)。残った種子に、24%アルコールを500mL添加し、充分振盪した後、1日室温にて浸漬した。その後、濾過して種子片を除き、濾液を回収した(濾液2)。濾液1及び2を合わせて柚子(種子)抽出液とし、4℃で保存した。残った種子片に対して、10〜20%エタノール500mLを添加し、3度目の抽出行った。3〜7日間、暗所、室温にて時々振盪しながら抽出を行った。その後、濾過して種子片を除き、濾液を回収し4℃で保存した(約500mL:濾液3)。
3回の抽出で得られた濾液1〜3については、それぞれの濃度、粘性、色調、皮膚に対する感触を確認し、適切に配合することにより、柚子抽出液を調製した。柚子の収穫時期、産地によって得られる抽出液の粘性や色調、肌への感触が異なるため、複数回の抽出を行い、それらを適切に配合することで、本発明の化粧用組成物に適した柚子抽出液を得ることができる。通常は、上記濾液1及び2を合わせて本発明における柚子(種子)抽出液として化粧用組成物に適切に配合することができるが、使用する柚子の収穫時期等の違いにより濾液1及び2を合わせたものでは不十分な場合には、濾液3を適宜配合して調製することができる。
<化粧用組成物>
上記の方法により得られたアグリカン及び柚子抽出物、並びに下記表2〜6に示す種類の成分を各表に示す配合量で混合し、実施例及び比較例の各化粧用組成物を調製した。なお、アグリカンは、それぞれの表に記載の濃度になるように滅菌精製水に溶解し、ろ過滅菌したものを配合した。柚子エキスは抽出段階から無菌状態を保っている。グレープフルーツ種子エキス(リファレンス社製)、セラミド成分であるスフィンゴミエリン(リポイド社製、1mg/mL)は市販のものを使用した。全ての操作は無菌的、又はそれに準ずる条件で行った。
<モニター調査>
各化粧用組成物についてモニター調査を行った。各サンプルについて15人のモニターに、各サンプルを2〜3週間使用してもらい、アンケートに回答してもらった。アンケートの結果、各項目について、効果があると回答した人が80%以上の場合(◎)、50%〜79%の場合(○)、50%未満の場合(△)とし、各表に合わせて記載した。
アンケートの回答(コメント)としては、すべすべ感があって気持ちよい、肌にハリが出る、すべすべした感触が長く持続する、乾燥肌だったがしっとり感があってカサカサ感が無くなった、アグリカンと柚子エキスの配合ですべすべ感としっとり感がある、使用前よりキメが細かくなった感じがする、色が白くなった感じがする、化粧のノリが良くなった等が得られた。
上記ネイルオフ液のアルコール度は約5.6%になるが、指先に0.1mL(アルコールとして指先あたり5.6μL)程度を塗布するので十分なので、刺激性についての心配はない(消毒用アルコール噴霧の方が格段に高いアルコール量となる)。ネイルオフ液を指先に塗布すると、1分程度で体温と周囲の空気により容易に乾燥してフィルムを形成する。このネイルオフ液によるフィルムは、爪及び手指を保護し、ネイルオフの際に使用するアセトンからの侵襲を防ぐことができる。
本発明のネイルオフ液が、アセトンからの侵襲を防ぐことができることは、実験的にも証明することができた。即ち、指先に油性マジックで印をし、その印の一部にネイルオフ液を塗布した。ネイルオフケア液を塗布した部分は、マジックの印を除光液で消すことができなかった。すなわち、実施例のネイルオフ液に含まれる天然の柚子種子成分及びアグリカンにより、アセトンの侵襲を防ぐことができることがわかった。
ネイルアートの際に、実施例の指先保護剤を予め塗布しておくと、ネイルを硬化させる際に照射するUVやHEMA(架橋剤)によって、指先のしっとり感が失われたり、指先が荒れたりすることがなかった。実施例の指先保護剤は、これらの刺激に対する保護効果があることがわかった。
また、上記指先保護剤を、指先以外の乾燥肌に適用した場合の効果として、以下のような回答があった。これらの効果は、アグリカンのEGF作用によるものと考えられる。
・乾燥肌で腕の表面がカサカサになっている部分(腕の表面など)に噴霧した場合、2〜3日後には、肌のつやがよくなり、すべすべ感が得られた。
・かかと部分のひび割れに噴霧したところ、3週間後には、ひび割れた皮膚の表面はきれいに修復されていた(70歳代の女性)。
・洗剤の使用により皮膚がカサカサになった指に就寝前に噴霧した場合、24時間後には、荒れた皮膚の状態が改善され、滑らかな皮膚が観察された。
(予想外の効果)
予想していなかった効果として、実施例1又は2の美容液、実施例3又は4の化粧水を使用したモニターの回答中に、ひどかった鼻水、鼻づまり等の花粉症の症状が緩和された、というものがあったため、花粉症の人に0.3%アグリカン液を鼻に軽く噴霧する方法を試してもらった。その結果、以下のような回答が得られた。
・ひどかった鼻水、鼻づまりが、噴霧することで収まった。
・市販の薬のように鼻の奥が痛くならず、鼻水が止まった。飲み薬のように眠くならないのがいい。
・ハウスダストと飼い犬による鼻アレルギーが、収まった。
・花粉症の鼻づまりが収まった。
・鼻水が抑えられた。
本発明の化粧用組成物は、アグリカンと柚子抽出物とを含むことにより、保湿効果の持続性に優れ、肌のハリ及びすべすべ感を向上させることができる。これらの優れた効果は、アグリカン単独、又は柚子抽出物を単独で含む化粧用組成物では得ることができないものである。さらに、本発明の化粧用組成物は、指先保護剤として、ネイルアートの形成時や、除去時に爪や指先に与える損傷を低減し、健康な爪、指の状態を維持することができる。特に、ネイルオフ用の除光液から肌を保護することができるという予想もできない効果を奏する。また、花粉症の状態を緩和させる効果も有する。

Claims (7)

  1. アグリカン及び柚子抽出物を含有する、化粧用組成物。
  2. 上記アグリカンの純度が、高速液体クロマトグラフィーを用いた分析により95.0%以上である、請求項1記載の化粧用組成物。
  3. 上記アグリカンが、サケ軟骨由来である、請求項1又は2記載の化粧用組成物。
  4. 上記柚子抽出物が、柚子種子の抽出物である、請求項1〜3のいずれか1項記載の化粧用組成物。
  5. 上記アグリカンの含有量が、化粧用組成物全体に対して、0.05重量%以上10重量%以下である、請求項1〜4のいずれか1項記載の化粧用組成物。
  6. 美容液として用いられる、請求項1〜5のいずれか1項記載の化粧用組成物。
  7. 指先保護剤として用いられる、請求項1〜5のいずれか1項記載の化粧用組成物。
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