JP2017013237A - インクジェット印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェットヘッドのメンテナンスに要する時間の増大を抑えつつ、印刷媒体のインクジェットヘッドへの接触を低減できるインクジェット印刷装置を提供する。【解決手段】インクジェット印刷装置1は、連続的に搬送される帯状のウェブWにインクを吐出するインクジェットヘッド31A,31Bと、インクジェットヘッド31A,31Bを挟んで互いに離間して配置され、メンテナンス部5をインクジェットヘッド31A,31Bの直下に配置する空間を形成するためにウェブWのインクジェットヘッド31A,31Bに対向する部分を下降させるとともに、ウェブWの下降させた部分をメンテナンス後に上昇させて元に戻すよう昇降移動する一対の昇降ローラ22A,22Bと、ヘッドギャップが閾値以下のときは、ヘッドギャップが閾値を超えているときよりも昇降ローラ22A,22Bの移動速さを遅くするよう制御する制御部とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェットヘッドからインクを吐出して印刷するインクジェット印刷装置に関する。
紙、フィルム、金属箔等からなる帯状のウェブを印刷媒体として連続的に搬送しつつ、インクジェットヘッドからインクを吐出して印刷するインクジェット印刷装置が知られている。
この種のものを含め、インクジェット印刷装置では、インクジェットヘッドの吐出不良を防止するために、インクジェットヘッドのメンテナンスが行われる。メンテナンス時には、インクジェットヘッドとそのメンテナンスを行うメンテナンス部とを対向させる必要がある。
これに関し、特許文献1には、メンテナンスを行う際、連続紙であるウェブの一部を下降させることで、メンテナンス部(吐出回復処理部)をヘッド部の直下に配置するための空間を形成するインクジェット印刷装置が開示されている。
このインクジェット印刷装置では、ヘッド部の上流側および下流側にそれぞれ1対ずつ配置された、ウェブをニップしつつ搬送するためのガイドローラ、またはガイドローラとは異なる退避ローラを下降させることで、ヘッド部の直下の部分のウェブを下降させる。これにより形成された空間にメンテナンス部が配置され、インクジェットヘッドのメンテナンスが行われる。メンテナンス後は、ガイドローラまたは退避ローラが上昇し、下降していたウェブが上昇して元の位置に戻される。
特開2003−165205号公報
特許文献1のインクジェット印刷装置において、ガイドローラでウェブを下降、上昇させる場合では、ガイドローラの下降開始時および上昇停止時にウェブにバタツキが発生することがある。また、退避ローラでウェブを下降、上昇させる場合では、退避ローラが下降してウェブに接触したとき、および退避ローラが上昇してウェブから離れたときにウェブにバタツキが発生することがある。ウェブにバタツキが発生すると、ウェブがインクジェットヘッドに接触するおそれがある。ウェブのインクジェットヘッドへの接触は、ウェブの汚れやインクジェットヘッドの破損を招く。
ガイドローラまたは退避ローラを常に低速で動かせば、上述したウェブのバタツキは小さくなる。しかし、この場合、インクジェットヘッドのメンテナンスに要する時間が増大する。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、インクジェットヘッドのメンテナンスに要する時間の増大を抑えつつ、印刷媒体のインクジェットヘッドへの接触を低減できるインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴は、連続的に搬送される帯状の印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドを挟んで互いに離間して配置され、前記インクジェットヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス部を前記インクジェットヘッドの直下に配置する空間を形成するために印刷媒体の前記インクジェットヘッドに対向する部分を下降させるとともに、印刷媒体の下降させた部分をメンテナンス後に上昇させて元に戻すよう昇降移動する一対の昇降部材と、前記インクジェットヘッドと印刷媒体との間隔であるヘッドギャップが閾値以下のときは、ヘッドギャップが閾値を超えているときよりも前記昇降部材の移動速さを遅くするよう制御する制御部とを備えることにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴は、印刷媒体の張力を調整する張力調整部をさらに備え、前記制御部は、前記昇降部材の昇降移動時において、ヘッドギャップが閾値以下のときは、ヘッドギャップが閾値を超えているときよりも印刷媒体の張力を大きくするよう前記張力調整部を制御することにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第3の特徴は、連続的に搬送される帯状の印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドを挟んで互いに離間して配置され、前記インクジェットヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス部を前記インクジェットヘッドの直下に配置する空間を形成するために印刷媒体の前記インクジェットヘッドに対向する部分を下降させるとともに、印刷媒体の下降させた部分をメンテナンス後に上昇させて元に戻すよう昇降移動する一対の昇降部材と、印刷媒体の張力を調整する張力調整部と、前記昇降部材により印刷媒体の前記インクジェットヘッドに対向する部分を昇降させるとともに、ヘッドギャップが閾値以下のときは、ヘッドギャップが閾値を超えているときよりも印刷媒体の張力を大きくするよう前記張力調整部を制御する制御部とを備えることにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴によれば、制御部は、ヘッドギャップが閾値以下のときは、ヘッドギャップが閾値を超えているときよりも昇降部材の移動速さを遅くするよう制御する。これにより、印刷媒体の下降が開始する際、および印刷媒体の上昇が終了する際における昇降部材の移動速さを抑えることができるので、印刷媒体のバタツキを低減できる。この結果、印刷媒体のインクジェットヘッドへの接触を低減できる。
一方、ヘッドギャップが閾値を超えているときは、閾値以下のときよりも昇降部材の移動速さが速くなるので、インクジェットヘッドのメンテナンスに要する時間の増大を抑えることができる。
したがって、本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴によれば、インクジェットヘッドのメンテナンスに要する時間の増大を抑えつつ、印刷媒体のインクジェットヘッドへの接触を低減できる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴によれば、制御部は、昇降部材の昇降移動時において、ヘッドギャップが閾値以下のときは、ヘッドギャップが閾値を超えているときよりも印刷媒体の張力を大きくするよう張力調整部を制御する。これにより、印刷媒体の下降が開始する際、および印刷媒体の上昇が終了する際における印刷媒体の張力を高めることができ、印刷媒体のバタツキをより低減できる。
また、ヘッドギャップが閾値を超えているときは、ヘッドギャップが閾値以下のときよりも張力が小さいので、昇降部材の移動時の負荷の増大を抑え、消費電力の増大を抑えることができる。
したがって、本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴によれば、消費電力の増大を抑えつつ、印刷媒体のバタツキをより低減できる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第3の特徴によれば、制御部は、昇降部材により印刷媒体のインクジェットヘッドに対向する部分を昇降させるとともに、ヘッドギャップが閾値以下のときは、ヘッドギャップが閾値を超えているときよりも印刷媒体の張力を大きくするよう張力調整部を制御する。
これにより、印刷媒体の下降が開始する際、および印刷媒体の上昇が終了する際における印刷媒体の張力を高めることができ、印刷媒体のバタツキを低減できる。このため、昇降部材の移動速さを抑制することなく、印刷媒体のインクジェットヘッドへの接触を低減できる。したがって、インクジェットヘッドのメンテナンスに要する時間の増大を抑えつつ、印刷媒体のインクジェットヘッドへの接触を低減できる。
また、ヘッドギャップが閾値を超えているときは、ヘッドギャップが閾値以下のときよりも張力が小さいので、昇降部材の移動時の負荷の増大を抑え、消費電力の増大を抑えることができる。
第1実施形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。 図1に示すインクジェット印刷装置の送り出し部、印刷部、巻き取り部、およびメンテナンス部の概略構成を示す正面図である。 図1に示すインクジェット印刷装置の送り出し部、印刷部、巻き取り部、およびメンテナンス部の概略構成を示す斜視図である。 ヘッドギャップの説明図である。 図1に示すインクジェット印刷装置においてインクジェットヘッドのメンテナンスを行う際の動作を説明するためのフローチャートである。 図1に示すインクジェット印刷装置においてヘッドギャップがメンテナンス用ヘッドギャップとなった状態を示す図である。 図1に示すインクジェット印刷装置においてメンテナンス部がメンテナンス位置に配置された状態を示す図である。 図1に示すインクジェット印刷装置における昇降ローラの移動速度の推移を示す図である。 第2実施形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。 図9に示すインクジェット印刷装置の送り出し部、印刷部、巻き取り部、およびメンテナンス部の概略構成を示す斜視図である。 図9に示すインクジェット印刷装置においてインクジェットヘッドのメンテナンスを行う際の動作を説明するためのフローチャートである。 図9に示すインクジェット印刷装置において昇降ローラが昇降移動する際のウェブの張力の推移を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示すインクジェット印刷装置の送り出し部、印刷部、巻き取り部、およびメンテナンス部の概略構成を示す正面図である。図3は、図1に示すインクジェット印刷装置の送り出し部、印刷部、巻き取り部、およびメンテナンス部の概略構成を示す斜視図である。以下の説明において、図2の紙面に直交する方向を前後方向とし、紙面表方向を前方とする。また、図2における紙面の上下左右を上下左右方向とする。
図1に示すように、第1実施形態に係るインクジェット印刷装置1は、送り出し部2と、印刷部3と、巻き取り部4と、メンテナンス部5と、制御部6とを備える。
送り出し部2は、図2、図3に示すウェブロール10からウェブ(請求項の印刷媒体に相当)Wを送り出す。ウェブロール10は、紙、フィルム、金属箔等からなる帯状のウェブWがロールされたものである。送り出し部2は、ウェブロール支持軸11と、送り出しモータ12とを備える。
ウェブロール支持軸11は、ウェブロール10を回転可能に支持する。ウェブロール支持軸11は、前後方向に延びる長尺状に形成されている。
送り出しモータ12は、ウェブWの送り出し時において、ウェブロール支持軸11を図2における時計回りに回転させる。ウェブロール支持軸11の回転によりウェブロール10が同方向に回転し、ウェブWが印刷部3へ送り出される。
印刷部3は、送り出し部2と巻き取り部4との間で連続的に搬送されるウェブWに印刷する。図1〜図3に示すように、印刷部3は、支持ローラ16〜19と、ダンサーローラ20と、ダンサーローラ位置センサ21と、一対の昇降ローラ(請求項の昇降部材に相当)22A,22Bと、昇降駆動部23と、ヘッドユニット24とを備える。
支持ローラ16〜19は、送り出し部2と巻き取り部4との間でウェブWを支持する。支持ローラ16,17は、ウェブWの搬送方向(左右方向)において、送り出し部2とヘッドユニット24との間に配置されている。支持ローラ16,17は、互いに左右方向に離間して、同じ高さに配置されている。支持ローラ18,19は、左右方向において、ヘッドユニット24と巻き取り部4との間に配置されている。支持ローラ18は、支持ローラ16,17と同じ高さに配置されている。支持ローラ19は、支持ローラ18の右側(下流側)のやや下方に配置されている。
ダンサーローラ20は、支持ローラ16,17の間において、自重によりウェブWを押し下げる。これにより、ダンサーローラ20は、ウェブWのたるみを吸収する。ダンサーローラ20は、ウェブWのたるみ量に応じて上下動する。
ダンサーローラ位置センサ21は、ダンサーローラ20の上下方向における位置(高さ位置)を検出する。
昇降ローラ22A,22Bは、ウェブWの一部を昇降させる。具体的には、昇降ローラ22A,22Bは、後述のインクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスが行われる際に、ウェブWのインクジェットヘッド31A,31Bに対向する部分を下降させるとともに、ウェブWの下降させた部分をメンテナンス後に上昇させて元に戻すよう昇降移動する。ウェブWのインクジェットヘッド31A,31Bに対向する部分を下降させるのは、メンテナンス部5をインクジェットヘッド31A,31Bの直下のメンテナンス位置に配置する空間を形成するためである。
昇降ローラ22A,22Bは、インクジェットヘッド31A,31Bを挟んで、互いにウェブWの搬送方向(左右方向)に離間して配置されている。昇降ローラ22A,22Bは、インクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンス時以外は、支持ローラ16〜19より上方の位置に退避している。昇降ローラ22A,22Bは、同期して互いに同じ高さを保ちつつ昇降移動する。
昇降駆動部23は、昇降ローラ22A,22Bを昇降移動させる。昇降駆動部23は、ガイドねじ26A,26Bと、スライダ27A,27Bと、昇降モータ28A,28Bとを備える。
ガイドねじ26A,26Bは、回転することにより、それぞれスライダ27A,27Bを昇降させる。ガイドねじ26A,26Bは、それぞれ昇降ローラ22A,22Bの前側に隣接して、軸方向が上下方向に沿うように設置されている。
スライダ27A,27Bは、それぞれガイドねじ26A,26Bの回転により昇降することで、昇降ローラ22A,22Bを昇降させる。スライダ27A,27Bには、それぞれ昇降ローラ22A,22Bが接続されている。スライダ27A,27Bには、上下方向に沿って貫通する雌ねじ孔が形成されている。この雌ねじ孔にガイドねじ26A,26Bが螺合されている。
昇降モータ28A,28Bは、それぞれガイドねじ26A,26Bを回転させる。昇降モータ28A,28Bは、ステッピングモータからなる。
ヘッドユニット24は、ウェブWにインクを吐出して印刷する。ヘッドユニット24は、インクジェットヘッド31A,31Bを有する。
インクジェットヘッド31A,31Bは、左右方向に並列して配置されている。インクジェットヘッド31A,31Bは、それぞれヘッドモジュール36を6個ずつ有する。
インクジェットヘッド31A,31Bにおいて、ヘッドモジュール36は、千鳥配置されている。すなわち、各インクジェットヘッド31A,31Bは、それぞれ前後方向に沿って等間隔で配置された3つのヘッドモジュール36からなる2列のヘッド列が、前後方向に半ピッチ分だけずれるように配置されて形成されている。
ヘッドモジュール36は、ウェブWに対向するノズル面36aに開口する複数のノズル(図示せず)を有し、ノズルからインクを吐出する。
巻き取り部4は、印刷されたウェブWを巻き取る。巻き取り部4は、巻き取り軸41と、巻き取りモータ42とを備える。
巻き取り軸41は、ウェブWを巻き取って保持する。巻き取り軸41は、前後方向に延びる長尺状に形成されている。
巻き取りモータ42は、巻き取り軸41を図2における時計回りに回転させる。巻き取り軸41の回転により、ウェブWが巻き取り軸41に巻き取られる。
メンテナンス部5は、インクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスを行う。メンテナンス部5は、インク受け部46と、ワイパユニット47と、ワイパ駆動モータ48と、メンテナンス移動機構部49とを備える。
インク受け部46は、インクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンス時にヘッドモジュール36のノズル面36aから除去されて落下するインク等を受けるものである。インク受け部46は、平面視にて矩形のトレー形状を有する。インク受け部46内には、ガイドねじ51A,51Bが配置されている。ガイドねじ51A,51Bは、軸方向が前後方向に沿うように設置されている。ガイドねじ51A,51Bは、回転することによりワイパユニット47を前後方向に移動させる。
ワイパユニット47は、ヘッドモジュール36のノズル面36aをワイプして、ノズル面36a上のインク等を除去する。ワイパユニット47は、ワイパ支持部材56と、4枚のワイパ57とを備える。
ワイパ支持部材56は、ワイパ57が取り付けられるものである。ワイパ支持部材56には、前後方向に貫通する2つの雌ねじ孔が形成されている。これらの雌ねじ孔にガイドねじ51A,51Bが螺合されている。
ワイパ57は、ヘッドモジュール36のノズル面36aをワイプする部材である。ワイパ57は、弾性変形可能なゴム等の材料により板状に形成されている。4枚のワイパ57は、それぞれヘッドユニット24における前後方向に沿う4列のヘッド列のヘッドモジュール36のノズル面36aをワイプする。
ワイパ駆動モータ48は、ガイドねじ51A,51Bを回転させることによりワイパユニット47を前後方向に移動させる。
メンテナンス移動機構部49は、メンテナンス部5を待機位置とメンテナンス位置との間で移動させる。メンテナンス移動機構部49は、モータ等を有する。待機位置は、インクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンス時以外においてメンテナンス部5が待機する位置であり、図3に示すメンテナンス部5の位置である。待機位置は、メンテナンス位置の後方にある。メンテナンス位置は、インクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンス時におけるメンテナンス部5の位置であり、インクジェットヘッド31A,31Bの直下の位置である(図7参照)。
制御部6は、インクジェット印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部6は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。
制御部6は、インクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスを行う際、昇降ローラ22A,22Bを下降させることで、ウェブWのインクジェットヘッド31A,31Bに対向する部分を下降させる。これにより、メンテナンス部5をメンテナンス位置に配置する空間が形成される。また、制御部6は、メンテナンス後には、昇降ローラ22A,22Bを上昇させることで、ウェブWの下降させていた部分を上昇させて元に戻す。
制御部6は、昇降ローラ22A,22Bを昇降移動させる際、ヘッドギャップHが閾値Hth以下のときは、ヘッドギャップHが閾値Hthを超えているときよりも昇降ローラ22A,22Bの移動速さを遅くするよう制御する。ここで、ヘッドギャップHは、図4に示すように、ヘッドモジュール36のノズル面36aとウェブWとの間隔である。
次に、インクジェット印刷装置1の印刷時の動作について説明する。
印刷ジョブが入力されると、制御部6は、送り出しモータ12および巻き取りモータ42を起動させる。これにより、送り出し部2と巻き取り部4との間でウェブWが連続的に搬送され始める。
ウェブWの搬送速度が所定速度に達すると、制御部6は、印刷ジョブに基づきインクジェットヘッド31A,31Bを制御してインクを吐出させる。これにより、ウェブWに画像が印刷される。
印刷が終了すると、制御部6は、送り出しモータ12および巻き取りモータ42を停止させる。これにより、ウェブWの搬送が停止し、一連の動作が終了となる。
次に、インクジェット印刷装置1においてインクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスを行う際の動作について説明する。
図5は、インクジェット印刷装置1においてインクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスを行う際の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、図5のステップS1において、制御部6は、昇降ローラ22A,22Bの下降を開始し、下降する昇降ローラ22A,22Bの移動速さがV1になるまで加速するよう昇降モータ28A,28Bを制御する。制御部6は、下降する昇降ローラ22A,22Bの移動速さがV1に達すると、その移動速さV1を維持させる。また、制御部6は、ウェブ調整制御を開始する。
ここで、下降開始前の昇降ローラ22A,22Bは、図4に示すように、ウェブWより上方にあり、ウェブWには接していない。また、送り出しモータ12および巻き取りモータ42によるウェブWの搬送は停止されている。昇降ローラ22A,22Bの下降開始前におけるヘッドギャップHは、印刷用ヘッドギャップHpになっている。印刷用ヘッドギャップHpは、印刷時におけるヘッドギャップHであり、図4のように昇降ローラ22A,22BがウェブWを押し下げていない状態でのヘッドギャップHである。印刷用ヘッドギャップHpは、インクジェットヘッド31A,31Bおよび支持ローラ16〜18の上下方向の位置関係によって決まっている。
移動速さV1は、昇降ローラ22A,22Bが下降してウェブWに接触したとき、およびメンテナンス後に昇降ローラ22A,22Bが上昇してウェブWから離れたときに、ウェブWにインクジェットヘッド31A,31Bに接触するほどのバタツキが発生しない程度の昇降ローラ22A,22Bの移動速さとして予め設定されたものである。
ウェブ調整制御は、昇降ローラ22A,22Bの昇降によりインクジェットヘッド31A,31Bに対向する部分のウェブWが昇降するのに応じて、送り出し部2によりウェブWを送り出しおよび巻き戻しする制御である。
具体的には、制御部6は、昇降ローラ22A,22Bの下降時にダンサーローラ位置センサ21によりダンサーローラ20の上昇が検出されると、その上昇分を打ち消すように、ウェブロール10を図2における時計回りに回転させてウェブWを送り出すよう送り出し部2を制御する。これにより、ウェブWのインクジェットヘッド31A,31Bに対向する部分を下降させるために必要なウェブWが印刷部3へ送り出される。また、制御部6は、昇降ローラ22A,22Bの上昇時にダンサーローラ位置センサ21によりダンサーローラ20の下降が検出されると、その下降分を打ち消すように、ウェブロール10を図2の反時計回りに回転させてウェブWを巻き戻すよう送り出し部2を制御する。これにより、ウェブWの上昇時に過剰なたるみ部分が送り出し部2に戻される。
このようなウェブ調整制御が、昇降ローラ22A,22Bの下降中、およびメンテナンス後の昇降ローラ22A,22Bの上昇中に行われる。
昇降ローラ22A,22Bの下降が開始された後、昇降ローラ22A,22BがウェブWに接触すると、ウェブWが押し下げられ始める。これにより、ヘッドギャップHが徐々に拡大する。
次いで、図5のステップS2において、制御部6は、加速開始タイミングになったか否かを判断する。加速開始タイミングは、ヘッドギャップHが閾値Hthに達したタイミングである。制御部6は、昇降モータ28A,28Bの駆動パルス数に基づき、加速開始タイミングになったか否かを判断する。加速開始タイミングになっていないと判断した場合(ステップS2:NO)、制御部6は、ステップS2を繰り返す。
加速開始タイミングになったと判断した場合(ステップS2:YES)、ステップS3において、制御部6は、下降する昇降ローラ22A,22Bの移動速さをV1より速いV2へ加速するよう昇降モータ28A,28Bを制御する。制御部6は、昇降ローラ22A,22Bの移動速さがV2に達すると、その移動速さV2を維持させる。
次いで、ステップS4において、制御部6は、下降停止制御タイミングになったか否かを判断する。下降停止制御タイミングは、ヘッドギャップHがメンテナンス用ヘッドギャップHmになった状態で昇降ローラ22A,22Bの下降を停止させるための昇降モータ28A,28Bの停止制御を行うタイミングである。制御部6は、昇降モータ28A,28Bの駆動パルス数に基づき、下降停止制御タイミングになったか否かを判断する。下降停止制御タイミングになっていないと判断した場合(ステップS4:NO)、制御部6は、ステップS4を繰り返す。
下降停止制御タイミングになったと判断した場合(ステップS4:YES)、ステップS5において、制御部6は、昇降モータ28A,28Bの停止制御を行う。これにより、下降する昇降ローラ22A,22Bの移動速さがV2から減速して停止する。また、制御部6は、ウェブ調整制御を終了する。
昇降ローラ22A,22Bの下降停止により、図6に示すように、ヘッドギャップHがメンテナンス用ヘッドギャップHmとなった状態でウェブWの下降が停止する。メンテナンス用ヘッドギャップHmは、メンテナンス時のヘッドギャップHとして予め設定されたものである。図6のようにウェブWのインクジェットヘッド31A,31Bに対向する部分が下降することで、インクジェットヘッド31A,31Bの直下のメンテナンス位置にメンテナンス部5を配置する空間が形成される。
図5に戻り、ステップS5に続いて、ステップS6において、制御部6は、インクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスを開始する。
具体的には、まず、制御部6は、メンテナンス移動機構部49を制御して、図7に示すように、メンテナンス部5を待機位置からメンテナンス位置へ移動させる。
次いで、制御部6は、図示しないインク供給機構によりパージ動作を行わせる。これにより、各ヘッドモジュール36のノズルからインクが押し出され、ノズル面36aにインクが付着する。
次いで、制御部6は、ワイパ駆動モータ48を駆動させてワイパユニット47を移動させる。これにより、ワイパ57がヘッドモジュール36のノズル面36aをワイプする。この結果、ノズル面36aに付着したインクとともに、ノズル面36a上のゴミ等が除去される。
この後、制御部6は、メンテナンス移動機構部49を制御して、メンテナンス部5をメンテナンス位置から待機位置へ移動させる。これにより、インクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスが終了となる。
図5に戻り、ステップS6に続いて、ステップS7において、制御部6は、インクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスが終了したか否かを判断する。メンテナンスが終了していないと判断した場合(ステップS7:NO)、制御部6は、ステップS7を繰り返す。
メンテナンスが終了したと判断した場合(ステップS7:YES)、ステップS8において、制御部6は、昇降ローラ22A,22Bの上昇を開始し、上昇する昇降ローラ22A,22Bの移動速さがV2になるまで加速するよう昇降モータ28A,28Bを制御する。制御部6は、上昇する昇降ローラ22A,22Bの移動速さがV2に達すると、その移動速さV2を維持させる。また、制御部6は、ウェブ調整制御を開始する。
昇降ローラ22A,22Bの上昇が開始されると、ウェブWが上昇し始める。これにより、ヘッドギャップHが徐々に縮小する。
次いで、ステップS9において、制御部6は、減速開始タイミングになったか否かを判断する。減速開始タイミングは、ヘッドギャップHが閾値Hthになるタイミングで昇降ローラ22A,22Bの移動速さがV1となるように、昇降ローラ22A,22Bの減速を開始するタイミングである。制御部6は、昇降モータ28A,28Bの駆動パルス数に基づき、減速開始タイミングになったか否かを判断する。減速開始タイミングになっていないと判断した場合(ステップS9:NO)、制御部6は、ステップS9を繰り返す。
減速開始タイミングになったと判断した場合(ステップS9:YES)、ステップS10において、制御部6は、上昇する昇降ローラ22A,22Bの移動速さをV1へ減速するよう昇降モータ28A,28Bを制御する。制御部6は、昇降ローラ22A,22Bの移動速さがV1になると、その移動速さV1を維持させる。
次いで、ステップS11において、制御部6は、上昇停止制御タイミングになったか否かを判断する。上昇停止制御タイミングは、昇降ローラ22A,22Bを元の位置(図4に示す下降開始前の位置)で停止させるための昇降モータ28A,28Bの停止制御を行うタイミングである。制御部6は、昇降モータ28A,28Bの駆動パルス数に基づき、上昇停止制御タイミングになったか否かを判断する。上昇停止制御タイミングになっていないと判断した場合(ステップS11:NO)、制御部6は、ステップS11を繰り返す。
上昇停止制御タイミングになったと判断した場合(ステップS11:YES)、ステップS12において、制御部6は、昇降モータ28A,28Bの停止制御を行う。これにより、上昇する昇降ローラ22A,22Bの移動速さがV1から減速して停止する。また、制御部6は、ウェブ調整制御を終了する。
昇降ローラ22A,22Bの移動速さがV1になってから昇降ローラ22A,22Bの上昇が停止するまでの間において、上昇する昇降ローラ22A,22BがウェブWから離れる。これにより、ヘッドギャップHが印刷用ヘッドギャップHpに戻る。昇降ローラ22A,22Bの上昇が停止すると、一連の動作が終了となる。
上述のように昇降移動する昇降ローラ22A,22Bの移動速度の推移を図8に示す。図8における移動速度は、上向きの移動速度である。
図8に示すように、昇降ローラ22A,22Bは、時刻t1で下降を開始した後、まず、移動速度が−V1(下降の移動速さV1)とされる。時刻t2でヘッドギャップHが閾値Hthに達すると、移動速度が−V2(下降の移動速さV2)へ変更される。その後、時刻t3において、昇降ローラ22A,22Bは下降を停止する。これにより、ヘッドギャップHがメンテナンス用ヘッドギャップHmとなった状態でウェブWの下降が停止する。この後、インクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスが行われる。
メンテナンス終了後、昇降ローラ22A,22Bは、時刻t4で上昇を開始した後、まず、移動速度がV2(上昇の移動速さV2)とされる。その後、昇降ローラ22A,22Bは、移動速度がV1(上昇の移動速さV1)となるまで減速する。移動速度がV1になる時刻t5において、ヘッドギャップHが閾値Hthとなる。そして、時刻t6において、昇降ローラ22A,22Bは、元の位置で停止する。
以上説明したように、インクジェット印刷装置1では、制御部6は、インクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスの際に、昇降ローラ22A,22Bを昇降移動させる。この際、制御部6は、ヘッドギャップHが閾値Hth以下のときは、閾値Hthを超えているときよりも昇降の移動速さを遅くするよう制御する。具体的には、制御部6は、ヘッドギャップHが閾値Hth以下のときは移動速さをV1とし、ヘッドギャップHが閾値Hthを超えているときは移動速さをV1より速いV2とするよう制御する。
これにより、ウェブWの下降が開始する際、およびウェブWの上昇が終了する際における昇降ローラ22A,22Bの移動速さを抑えることができるので、ウェブWのバタツキを低減できる。この結果、ウェブWのインクジェットヘッド31A,31Bへの接触を低減できる。
一方、ヘッドギャップHが閾値Hthを超えているときは、閾値Hth以下のときよりも昇降ローラ22A,22Bの移動速さが速くなるので、インクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスに要する時間の増大を抑えることができる。
したがって、インクジェット印刷装置1によれば、インクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスに要する時間の増大を抑えつつ、ウェブWのインクジェットヘッド31A,31Bへの接触を低減できる。
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。図10は、図9に示すインクジェット印刷装置の送り出し部、印刷部、巻き取り部、およびメンテナンス部の概略構成を示す斜視図である。
図9、図10に示すように、第2実施形態に係るインクジェット印刷装置1Aは、上述した第1実施形態のインクジェット印刷装置1に対し、張力調整部61を追加した構成である。
張力調整部61は、ウェブWの張力を調整するものである。張力調整部61は、バネを有し、バネによりダンサーローラ20に下向きの押圧力を付与する。張力調整部61は、バネ長を切り替えることにより、ダンサーローラ20に付与する押圧力を調整できる。張力調整部61は、この押圧力の調整により、ウェブWの張力を調整する。
なお、張力調整部61は、空圧によりダンサーローラ20に下向きの押圧力を付与するものであってもよい。
制御部6は、昇降ローラ22A,22Bを昇降移動させる際、ヘッドギャップHが閾値Hth以下のときは、ヘッドギャップHが閾値Hthを超えているときよりもウェブWの張力を大きくするよう張力調整部61を制御する。
次に、インクジェット印刷装置1Aにおいてインクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスを行う際の動作について説明する。
図11は、インクジェット印刷装置1Aにおいてインクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスを行う際の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、図11のステップS21において、制御部6は、昇降ローラ22A,22Bの下降を開始するよう昇降モータ28A,28Bを制御する。また、制御部6は、ウェブWの張力を印刷時における張力T0から張力T1へ変更するよう張力調整部61を制御する。また、制御部6は、ウェブ調整制御を開始する。制御部6は、下降する昇降ローラ22A,22Bが所定の移動速さに達すると、その移動速さを維持させる。
ここで、第2実施形態では、昇降ローラ22A,22Bの下降時および上昇時の移動速さは、移動開始時の加速区間および停止時の減速区間を除いて一定とする。
昇降ローラ22A,22Bの下降が開始された後、昇降ローラ22A,22BがウェブWに接触すると、ウェブWが押し下げられ始める。昇降ローラ22A,22BがウェブWに接触するまでに、ウェブWの張力はT1になっている。
張力T1は、昇降ローラ22A,22Bが下降してウェブWに接触したとき、およびメンテナンス後に昇降ローラ22A,22Bが上昇してウェブWから離れたときに、ウェブWにインクジェットヘッド31A,31Bに接触するほどのバタツキが発生しないような張力として予め設定されたものである。張力T1は、印刷時におけるウェブWの張力T0より大きい。
次いで、ステップS22において、制御部6は、下降時張力変更タイミングになったか否かを判断する。下降時張力変更タイミングは、ヘッドギャップHが閾値Hthに達したタイミングである。制御部6は、昇降モータ28A,28Bの駆動パルス数に基づき、下降時張力変更タイミングになったか否かを判断する。下降時張力変更タイミングになっていないと判断した場合(ステップS22:NO)、制御部6は、ステップS22を繰り返す。
下降時張力変更タイミングになったと判断した場合(ステップS22:YES)、ステップS23において、制御部6は、ウェブWの張力をT1より小さいT2へ変更するよう張力調整部61を制御する。
次いで、ステップS24において、制御部6は、下降停止制御タイミングになったか否かを判断する。下降停止制御タイミングは、ヘッドギャップHがメンテナンス用ヘッドギャップHmになった状態で昇降ローラ22A,22Bの下降を停止させるための昇降モータ28A,28Bの停止制御を行うタイミングである。制御部6は、昇降モータ28A,28Bの駆動パルス数に基づき、下降停止制御タイミングになったか否かを判断する。下降停止制御タイミングになっていないと判断した場合(ステップS24:NO)、制御部6は、ステップS24を繰り返す。
下降停止制御タイミングになったと判断した場合(ステップS24:YES)、ステップS25において、制御部6は、昇降モータ28A,28Bの停止制御を行う。これにより、下降する昇降ローラ22A,22Bが減速して停止する。また、制御部6は、ウェブ調整制御を終了する。
昇降ローラ22A,22Bの下降停止により、ヘッドギャップHがメンテナンス用ヘッドギャップHmとなった状態でウェブWの下降が停止する。
ステップS25の後、制御部6は、ステップS26へ進む。ステップS26,S27の処理は、前述した図5のステップS6,S7の処理と同様である。
ステップS27において、メンテナンスが終了したと判断した場合(ステップS27:YES)、ステップS28において、制御部6は、昇降ローラ22A,22Bの上昇を開始するよう昇降モータ28A,28Bを制御する。制御部6は、上昇する昇降ローラ22A,22Bが所定の移動速さに達すると、その移動速さを維持させる。また、制御部6は、ウェブ調整制御を開始する。
昇降ローラ22A,22Bの上昇が開始されると、ウェブWが上昇し始める。これにより、ヘッドギャップHが徐々に縮小する。
次いで、ステップS29において、制御部6は、上昇時張力変更タイミングになったか否かを判断する。上昇時張力変更タイミングは、ヘッドギャップHが閾値HthになるタイミングでウェブWの張力がT1となるように、張力変更を開始するタイミングである。制御部6は、昇降モータ28A,28Bの駆動パルス数に基づき、上昇時張力変更タイミングになったか否かを判断する。上昇時張力変更タイミングになっていないと判断した場合(ステップS29:NO)、制御部6は、ステップS29を繰り返す。
上昇時張力変更タイミングになったと判断した場合(ステップS29:YES)、ステップS30において、制御部6は、ウェブWの張力をT2からT1へ変更するよう張力調整部61を制御する。
次いで、ステップS31において、制御部6は、上昇停止制御タイミングになったか否かを判断する。上昇停止制御タイミングは、昇降ローラ22A,22Bを元の位置(図4に示す下降開始前の位置)で停止させるための昇降モータ28A,28Bの停止制御を行うタイミングである。制御部6は、昇降モータ28A,28Bの駆動パルス数に基づき、上昇停止制御タイミングになったか否かを判断する。上昇停止制御タイミングになっていないと判断した場合(ステップS31:NO)、制御部6は、ステップS31を繰り返す。
上昇停止制御タイミングになったと判断した場合(ステップS31:YES)、ステップS32において、制御部6は、昇降モータ28A,28Bの停止制御を行う。これにより、上昇する昇降ローラ22A,22Bが減速して停止する。また、制御部6は、ウェブWの張力を印刷時における張力T0に戻すよう張力調整部61を制御する。また、制御部6は、ウェブ調整制御を終了する。
ウェブWの張力がT1になってから昇降ローラ22A,22Bの上昇が停止するまでの間において、上昇する昇降ローラ22A,22BがウェブWから離れる。これにより、ヘッドギャップHが印刷用ヘッドギャップHpに戻る。昇降ローラ22A,22Bの上昇が停止し、ウェブWの張力がT0に戻ると、一連の動作が終了となる。
上述のように昇降ローラ22A,22Bが昇降移動する際のウェブWの張力の推移を図12に示す。
図12に示すように、昇降ローラ22A,22Bの下降が開始される時刻t11において、印刷時における張力T0から張力T1への変更が開始される。ウェブWの張力がT1になった後、時刻t12でヘッドギャップHが閾値Hthに達すると、張力T1からの変更が開始され、時刻t13において張力T2となる。この後、昇降ローラ22A,22Bの下降が停止され、インクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスが行われる。
メンテナンスが終了し、昇降ローラ22A,22Bの上昇が開始された後、時刻t14において張力T2からの変更が開始され、ヘッドギャップHが閾値Hthになる時刻t15において、張力がT1となる。昇降ローラ22A,22BがウェブWから離れた後、張力T1からの変更が開始され、時刻t16において張力T0に戻る。
以上説明したように、インクジェット印刷装置1では、制御部6は、昇降ローラ22A,22Bを昇降移動させる際、ヘッドギャップHが閾値Hth以下のときは、閾値Hthを超えているときよりもウェブWの張力を大きくするよう張力調整部61を制御する。具体的には、制御部6は、ヘッドギャップHが閾値Hth以下のときはウェブWの張力をT1とし、ヘッドギャップHが閾値Hthを超えているときは張力をT1より小さいT2とするよう張力調整部61を制御する。
これにより、ウェブWの下降が開始する際、およびウェブWの上昇が終了する際におけるウェブWの張力を高めることができ、ウェブWのバタツキを低減できる。このため、昇降ローラ22A,22Bの移動速さを抑制することなく、ウェブWのインクジェットヘッド31A,31Bへの接触を低減できる。したがって、インクジェットヘッド31A,31Bのメンテナンスに要する時間の増大を抑えつつ、ウェブWのインクジェットヘッド31A,31Bへの接触を低減できる。
また、ヘッドギャップHが閾値Hthを超えているときは、閾値Hth以下のときよりもウェブWの張力が小さいので、昇降ローラ22A,22Bの移動時の負荷の増大を抑え、消費電力の増大を抑えることができる。
(その他の実施形態)
上述のように、本発明は第1および第2実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
第1実施形態において、第2実施形態の張力調整部61を追加し、第2実施形態と同様の張力制御を行うようにしてもよい。これにより、ウェブWの下降が開始する際、およびウェブWの上昇が終了する際におけるウェブWの張力を高めることができ、ウェブWのバタツキをより低減できる。また、ヘッドギャップHが閾値Hthを超えているときは、閾値Hth以下のときよりもウェブWの張力が小さいので、昇降ローラ22A,22Bの移動時の負荷の増大を抑え、消費電力の増大を抑えることができる。したがって、消費電力の増大を抑えつつ、ウェブWのバタツキをより低減できる。
上述した第1および第2実施形態では、送り出し部2および巻き取り部4によるウェブWの搬送を停止した状態でウェブWの昇降を行ったが、ウェブWの搬送を行いながらウェブWの昇降を行うようにしてもよい。
上述した第1および第2実施形態では、昇降ローラ22A,22BによりウェブWを昇降させたが、昇降ローラ22A,22Bのかわりにそれぞれ一対のニップローラを用い、ウェブWをニップしつつ昇降させる構成でも本発明は適用可能である。
上述した第2実施形態では、ダンサーローラ20に押圧力を付与する張力調整部61によりウェブWの張力を調整したが、他の方法でウェブWの張力を調整する構成でもよい。例えば、送り出しモータ12をパウダーブレーキに置き換え、巻き取り部4によりウェブWを巻き取りつつ、パウダーブレーキの電圧制御によりウェブWの張力を調整する構成でもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1,1A インクジェット印刷装置
2 送り出し部
3 印刷部
4 巻き取り部
5 メンテナンス部
6 制御部
10 ウェブロール
20 ダンサーローラ
21 ダンサーローラ位置センサ
22A,22B 昇降ローラ
23 昇降駆動部
24 ヘッドユニット
31A,31B インクジェットヘッド
36 ヘッドモジュール
36a ノズル面
61 張力調整部

Claims (3)

  1. 連続的に搬送される帯状の印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドを挟んで互いに離間して配置され、前記インクジェットヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス部を前記インクジェットヘッドの直下に配置する空間を形成するために印刷媒体の前記インクジェットヘッドに対向する部分を下降させるとともに、印刷媒体の下降させた部分をメンテナンス後に上昇させて元に戻すよう昇降移動する一対の昇降部材と、
    前記インクジェットヘッドと印刷媒体との間隔であるヘッドギャップが閾値以下のときは、ヘッドギャップが閾値を超えているときよりも前記昇降部材の移動速さを遅くするよう制御する制御部と
    を備えることを特徴とするインクジェット印刷装置。
  2. 印刷媒体の張力を調整する張力調整部をさらに備え、
    前記制御部は、前記昇降部材の昇降移動時において、ヘッドギャップが閾値以下のときは、ヘッドギャップが閾値を超えているときよりも印刷媒体の張力を大きくするよう前記張力調整部を制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  3. 連続的に搬送される帯状の印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドを挟んで互いに離間して配置され、前記インクジェットヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス部を前記インクジェットヘッドの直下に配置する空間を形成するために印刷媒体の前記インクジェットヘッドに対向する部分を下降させるとともに、印刷媒体の下降させた部分をメンテナンス後に上昇させて元に戻すよう昇降移動する一対の昇降部材と、
    印刷媒体の張力を調整する張力調整部と、
    前記昇降部材により印刷媒体の前記インクジェットヘッドに対向する部分を昇降させるとともに、ヘッドギャップが閾値以下のときは、ヘッドギャップが閾値を超えているときよりも印刷媒体の張力を大きくするよう前記張力調整部を制御する制御部と
    を備えることを特徴とするインクジェット印刷装置。
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