JP2017013174A - 往復動工具 - Google Patents

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祥吾 柴田
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Abstract

【課題】
往復動工具において、運転中に堅いものを噛み込んで刃部がロックした際に、各駆動部に伝わる衝撃を緩和してカムやブレード、ギヤなどの破損を防止する。
【解決手段】
上ブレード31は、往復運動方向と略直交する方向に設けられる複数の切刃を形成して成る刃部37と、カムの偏心部と当接し往復運動方向と直交方向に伸びる長円穴32を有するカム係合部33と、刃部とカム係合部を接続する接続部34を有し、接続部に山状に湾曲させた湾曲部35を設けることにより、上ブレードのカム係合部の軸方向の高さが山部の頂面部35bの高さより低くし、刃部の高さがカム係合部及び頂面部よりも低くなるような形状にした。
【選択図】図3

Description

本発明は、往復駆動される作業具を備えた往復動工具に関するものである。
往復駆動される作業工具を備えた各種往復動工具が知られており、作業工具として長手方向と直交する幅方向両端縁に沿って複数の切刃が形成された刃部と、カムに係合するカム係合部とこれらを接続する接続部が形成された上ブレードと下ブレードを上下に重ね、モータの回転をカムによって上ブレードと下ブレードの往復直線運動に変換し、これらの上ブレードと下ブレードを互いに逆方向に交互に往復運動させて所要の刈込作業を行うヘッジトリマはその一例である。一般的なヘッジトリマは、特許文献1に記載のように駆動源としてのモータと、モータから出力される回転駆動力を上ブレードと下ブレードの往復駆動力に変換する動力伝達機構部と、動力伝達機構部の出力たる往復駆動力によって往復駆動される作業工具(上ブレードと下ブレード)を備え、樹木の剪定、生垣の整形、芝等の刈り込み等に用いられる。
ここで、ヘッジトリマによって太い枝葉や堅い枝葉を切断しようとした際、又は、鉄柵等の切断できないものを噛みこんだ場合は、ブレードの移動が停止してしまい、モータがロックしてしまう恐れがある。そこで、作業者には、ヘッジトリマを用いた剪定作業に先立って、太い枝葉や堅い枝葉を剪定鋏みや鋸などによって予め切断しておくことが推奨され、鉄柵等を噛み込まないように注意喚起されている。
特開2014−233778号公報
従来のヘッジトリマにおいて、上ブレードと下ブレードは互いに逆方向に交互に往復運動させて切断対象を切断するため、運転中に鉄柵等の堅いものを噛みこんだ際、特に上ブレードの引っ張り時に噛み込むとブレードとカムはより噛み合う方向へと移動することがあり、その衝撃力によって各駆動部に更に大きな衝撃が加わって、カムやブレード、ギヤなどを破損する恐れがあった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、運転中に堅いものを噛みこんだ際に、各駆動部に伝わる衝撃を緩和して、カムやブレード、ギヤなどの破損を防止できるようにした往復動工具を提供することにある。
本発明の他の目的は、運転中に堅いものを噛みこんだ際に、動力伝達機構部とブレードとの係合状態を一時的に解除するようにして、カムを空回りさせることにより各駆動部や作業工具の破損を防止するとともに、安価で耐久性の高い往復動工具を実現することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、電気モータ等の駆動源と、逆位相に設けられた2つの偏心部を有するカムと、上下に重ね合わせられ相対移動させる上ブレード及び下ブレードを有し、駆動源によってカムを回転させ、カムに係合される上ブレードと下ブレードを往復運動させる往復動工具において、上ブレードと下ブレードは、往復運動方向と略直交する方向に設けられる複数の切刃を形成して成る刃部と、カムの偏心部と当接し往復運動方向と直交方向に伸びる長円穴を有するカム係合部と、刃部とカム係合部を接続する接続部を有する。そして、上ブレードの接続部に山状に湾曲させた湾曲部を設けて、上ブレードのカム係合部の軸方向の高さが湾曲部の高さより低くし、刃部の高さがカム係合部及び湾曲部よりも低くなるようにした。一方、下ブレードは、刃部とカム係合部と接続部が同一面状に位置するように、高低差を付けないように構成した。上ブレードと下ブレードは、金属の一体品にて製造すると良い。
本発明の他の特徴によれば、上ブレードと下ブレードのそれぞれの刃部の移動がロックした際に、偏心部が上ブレードを前進方向に移動させることで湾曲部が撓んで上ブレードのカム係合部の移動する方向を上側とした。また、偏心部が上ブレードを後進方向に移動させることで湾曲部が撓んで上ブレードのカム係合部の移動する方向を上側とした。これらの移動方向は同一方向となるように構成され、いずれもカムから軸方向に離れる方向となる。このため、上ブレードと下ブレードがロックした際には、上ブレードのカム係合部がカムから軸方向ギヤ側に離脱するので、駆動源から上ブレードへの動力伝達経路が遮断されることになる。この動力伝達経路は、駆動源の回転力が伝達されて回転するギヤと、ギヤと隣接して設けられるカムと、ギヤとカムを軸支する固定軸を有する。このギヤは上ブレードに近い側に隣接して設けられ、ギヤとカムは連結部により固定軸回りに連動して回転し、ギヤはカムに対して軸方向に離合可能なように構成される。このようにギヤがカムに対して軸方向に離合するように移動可能としたので、この離合した隙間に上ブレードのカム係合部を落とし込ませることができ、落とし込んだ際にはカムからカム係合部への動力伝達は遮断され、カムは上ブレードに対して空回りすることになる。
本発明のさらに他の特徴によれば、上ブレードのカム係合部がカムから軸方向に離れて、離反したギヤとカムの間に位置することによりカムの偏心部とカム係合部との係合状態が一時的に解除される。解除された係合状態は、カムが約180度回転した後に偏心部とカム係合部との係合状態が復帰する。また、湾曲部は接続部のカム係合部と隣接する部分に形成され、側面視で略台形状であって、略平面状の頂面部と、頂面部からカム係合部に接続される第一の斜面部と、頂面部から刃部側に伸びる第二の斜面部を有し、第一の斜面部の下側位置が第二の斜面部の下側位置よりも高くなるように形成される。尚、湾曲部は側面視で略半円形となるように構成し、カム係合部側の下側位置が刃部側の下側位置よりも高くなるように形成しても良い。
本発明によれば、往復動工具の運転中に、鉄柵等の堅いものを噛み込み、衝撃的にブレードがロックした時、上ブレードが本体後側へと引っ張り込んでロックした際は、上ブレードの山部が下向きにカム結合部は上に離れる方向へと動く。また、上ブレードが本体前側へ押し込んで衝撃的にロックした際は、上ブレードの山部が上向きにカム結合部は上に離れる方向へと動く。このように、いずれの場合も上ブレードのカム穴はカムから上に離れる方向へと動き、上ブレードとカムの係合が外れて力の伝達が解除される。この構成によりブレードやギヤの破損を効果的に回避することができ、安価で耐久性の高い往復動工具を提供できる。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
本発明の実施例に係るヘッジトリマ1の全体構造を示す縦断面図である。 図1の動力伝達機構部の部分拡大断面図である。 図1の上ブレード31の形状を示す図(部分拡大図)であり、(1)は上面図であり、(2)は側面図である。 ヘッジトリマ1による作業時にブレードがロックした時の上ブレード31の変形状況を説明するための図である。 図1の動力伝達機構部の部分拡大断面図であって、上ブレード31とカム24の係合状態が外れた状態を示す図である。 図1の上ブレード31の湾曲部(山部35)の具体的形状を説明するための図である。 本発明の変形例に係る上ブレードの形状を説明するための縦断面図である。 従来のヘッジトリマにおける動力伝達機構部の部分拡大断面図である。 従来のヘッジトリマで用いられる上ブレード131の形状を示す部分拡大図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、往復動工具の一例としてヘッジトリマ1を用いるものとし、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後左右、上下の方向は図中に示す方向であるとして説明する。
図1に示されるヘッジトリマ1は、ハウジング2と、ハウジング2の前面から前方に向かって突出するブレードアッセンブリ3を含んで構成される。ハウジング2はプラスチック等の合成樹脂の一体成形により左右分割式に形成され、その後方側にはメインハンドル(リアハンドル4)が構成される。ハウジング2の先端近傍には、逆U字状であって、ハウジング2の両側側面に両側端部が固定され、上方において横方向に延びる部分を有するサブハンドル(フロントハンドル5)が設けられる。フロントハンドル5の更に前方には、切断した枝葉から作業者の手を守るための透明な合成樹脂製のプロテクタ6が設けられる。ヘッジトリマ1を使用する作業者は、一方の手でリアハンドル4を把持し、他方の手でフロントハンドル5を把持してヘッジトリマ1を保持しながら作業を行う。リアハンドル4の後端付近からは、商用電源を供給するための電源コード16が設けられる。
ハウジング2の内部には、電源コード16から供給された電力により回転するモータ10が収容される。ここでは駆動源たるモータ10としてユニバーサルモータを用いているが、使用されるモータの種類は任意であり、インバータ回路を用いてブラシレスDCモータを駆動するように構成しても良い。モータ10の回転軸11は、上下方向(鉛直方向)に伸びるように配置され、その上側端部と下側の一部が軸受12a、12bによって軸支される。下側の軸受12aとモータ10本体の間の回転軸11にはモータ10を冷却するための冷却ファン13が設けられる。回転軸11の軸受12aよりも下側の先端部分には、削りだし加工によって形成されたピニオン11aが形成される。
ブレードアッセンブリ3は、作業用の工具としての一対のブレード、即ち上ブレード31と下ブレード41と、これらを固定するブレードホルダ25とガイドバー51を含んで構成される。ブレードホルダ25とガイドバー51は複数のボルト52a、53aとナット52b、53bによって固定され、ブレードホルダ25の本体側がボルト54a、55aによってハウジング2に固定されることによりブレードアッセンブリ3がハウジング2に固定される。上ブレード31と下ブレード41は互いに重ね合わされており、モータ10の駆動力を用いて互いに逆位相にて前後方向に直線往復移動する。すなわち、上ブレード31がハウジング2から離間する方向に前進移動するとき、下ブレード41はハウジング2に近接する方向に後退移動する。一方、上ブレード31がハウジング2に近接する方向に後退移動するとき、下ブレード41はハウジング2から離間する方向に前進移動する。上ブレード31と下ブレード41への動力伝達機構部の構造については図2を用いて後述する。
リアハンドル4にはモータ10のオン又はオフを行うためのスイッチ8が設けられ、リアハンドル4の下側にスイッチ8を操作するためのトリガ7が突出する。作業者によってトリガ7が操作されると、スイッチ8がONとなり電源コード16から供給される電力がモータ10に供給されることによりモータ10が回転して上ブレード31と下ブレード41が往復方向に駆動される。
図2はヘッジトリマ1の動力伝達機構部の部分拡大断面図である。動力伝達機構部は、ピニオン11aとギヤ22による減速機構と、ギヤ22と連動して回転するカム24とブレード(31、41)による動力変換機構により主に構成される。モータ10の駆動により回転軸11が回転すると、回転軸11に形成されたピニオン11aと噛合するギヤ22が所定の減速比にて減速された状態で回転する。ギヤ22は外周側に歯部23が形成されたハスバ歯車であって、歯部23の上側23aと下側23bは、角部がカットされて斜めに形成されている。一方、ピニオン11aは、回転軸11の外径とほぼ同じ部分から徐々に歯の溝が深くなる切り上がり部を有し、その下側に歯の溝の深さがほぼ一定となる有効歯車領域が形成される。このように、ピニオン11aは全体的に見てハスバになっているため、ピニオン11aが回転するとギヤ22には軸方向下方に移動するような力が加わる。
ギヤ22が回転するとギヤ22と隣接するカム24が回転する。カム24は固定軸たるシャフト21を回転中心として回転する。ギヤ22は、例えば燒結金属により製造され、シャフト21に対して回転自在に設けられる。カム24も同様に燒結金属により製造され、シャフト21に対して回転自在に設けられる。ギヤ22とカム24は、回転方向に対しては一体に回転することによってギヤ22からカム24に動力を伝えるが、動力伝達中にもスラスト方向には乖離可能に構成される。この乖離する際にもギヤ22からカム24への回転力を伝達するために、ギヤ22にキー溝22cを形成し、カム24側にギヤ22の内側部分にまで延在するキー24cを形成した。カム24の上側には、回転中心とは所定距離を離れた位置に中心点を有する薄い円柱状の第一偏心部24aが形成される。カム24の下側には、回転中心とは所定距離を離れた位置に中心点を有する薄い円柱状の第二偏心部24bが形成される。第一偏心部24aと第二偏心部24bは偏心した中心点が、シャフト21の回転中心を基準として180度隔てた位置に配置される。この配置により、第一偏心部24a及び第二偏心部24bは、回転の位相が相互に180°異なる位置関係となる。シャフト21はハウジング2に固定され、ブレードホルダ25は複数のボルト54a、55a等(図1参照)によりシャフト21と嵌合する位置でハウジング2に固定される。ブレードホルダ25とカム24の間にはカム24の摺動性を良くするためにワッシャ27が設けられる。ワッシャ27はシャフト21に対して回転自在に設けられる。
カム24にはヘッジトリマ1の前後の所定距離内で往復移動可能な上ブレード31と下ブレード41が接続され、カム24の回転力が上ブレード31と下ブレード41の往復直線運動に変換される。上ブレード31は第一偏心部24aと係合するように配置され、下ブレード41は第二偏心部24bと係合するように配置される。このため、第一偏心部24aと係合する上ブレード31と、第二偏心部24bと係合する下ブレード41の往復駆動の位相は、180°異なることになる。シャフト21は軸受ホルダ14(図1参照)に圧入等により固定される固定軸であって、下側端部はブレードホルダ25に固定される。本実施例では、カム24に連結される上ブレード31の形状に特に工夫を凝らしたものである。ここで理解を助けるために、本実施例の上ブレード31の説明の前に、従来のヘッジトリマにおける上ブレード131の形状を図8及び図9を用いて説明する。
図8は従来のヘッジトリマにおける動力伝達機構部の部分拡大断面図である。上ブレード131は、カム24の第一偏心部24aに係合するカム係合部133から、一つの斜面部135を介して刃部側へ接続される。そして、カム係合部133の軸方向(シャフト21の回転軸方向)の高さは、カム係合部133が高くなり、刃部側が低くなる。この従来の上ブレード131と下ブレード41が切断時にロックした際の上ブレード131の変形状況を示すのが図9である。
図9において(1)は上ブレード131と下ブレード41の刃部においてロック状態が発生した場合に、カム24の第一偏心部24aが回転を継続することによって上ブレード131のカム係合部133を矢印161に示すように引くような力が発生する。すると、上ブレード131は斜面部135からカム係合部133側だけが矢印161aの方向に変形し、カム係合部133が軸方向下側に移動する。平面部136はほとんど変形しない。一方、ロック状態が発生した場合に、カム24の第一偏心部24aが回転を継続することによって上ブレード131のカム係合部133に対して矢印162に示すように押す力が発生した場合は、上ブレード131は斜面部135からカム係合部133側だけが矢印162aの方向に変形し、カム係合部133が軸方向上側に移動する。このように従来の上ブレード131は、カム24の回転位置に応じて矢印161a又は矢印162aのいずれかの方向に変形(移動)するが、これらの移動方向が逆となる。このため刃部におけるロック状態が(2)の状態で発生したら、上ブレード131はカム24の第一偏心部24aから外れる状態となるが、逆に(1)の引っ張り時の状態で発生したら上ブレード131はカム24の第一偏心部24aから外れないため、上ブレード131とカム24はより噛み合う方向へと移動し、その衝撃力に各駆動部に更に大きな衝撃が加わって、カムやブレード、ギヤなどを破損する恐れがあった。
そこで、上ブレードの形状を改良したのが図2で示す本実施例の形状である。上ブレード31は、刃部(図3にて後述)が形成される面よりも上側に位置するようにカム係合部33が形成され、刃部とカム係合部33との間に、側面視で山状であって上側に曲げられた山部35が形成される。一方、下ブレード41は従来のヘッジトリマで用いられている形状と同様であって、カム係合部から接続部、刃部に至る部分が同一面状に位置するように水平に形成される。下ブレード41にも同様に山部又は折り曲げ部を設けることも考えられるが、偏心カムと、該偏心カムと係合する長円穴を備えるブレードで構成されたヘッジトリマにおいては、動力伝達機構部の底面部分と下ブレードの底面が平らに近い方が切断対象との接触が抑制され使いやすいので、下ブレード41は直線状に形成した。上下方向に見て第一偏心部24aと第二偏心部24bの間の位置にスペーサ26が設けられ、上ブレード31と下ブレード41の互いに近接する方向へのカム24からの外れを抑制し、上ブレード31と下ブレード41のカム係合部における分離を確実にして互いの往復移動が干渉しないように分離している。尚、本実施例ではスペーサ26はカム24とは別体式であるが、カムの第一偏心部24aと第二偏心部24bの間に、径方向外側に延在するようなフランジ状の部分を一体に形成するものであっても良い。
図3は、上ブレード31の形状を示す図(部分拡大図)であり、(1)は上面図であり、(2)は側面図である。上ブレード31はモータ10に近い側の端部に、カム24の第一偏心部24aに当接させるためのカム穴32が形成された環状のカム係合部33が形成される。カム穴32は上ブレード31の往復運動方向と直交方向に伸びる長円状に形成される。カム係合部33から刃部37側(モータ10とは反対側)には、側面視でその形状が山状に湾曲させた部分たる山部35が形成される。山部35の形成はプレス加工を行う従来の上ブレード31の製造工程の一部を変更するだけで容易に実現できる。
山部35は、カム係合部33に接続される部分であって上方向に隆起する斜面となる第一斜面部35aと、平面部36と接続される部分であってカム係合部33に近づく側が隆起する斜面となる第二斜面部35cと、第一斜面部35aと第二斜面部35cを略平面にて接続する頂面部35bにより形成される。ここでは、第一斜面部35aと第二斜面部35cの上側位置は同じ高さであるが、第一斜面部35aの下側位置が第二斜面部35cの下側位置よりも高くなるように、即ち、第二斜面部35cの方が斜面の下から上までの長さが長い様に構成した。この結果、第二斜面部35cに接続される平面部36の高さが、カム係合部33の高さよりも低くなり、刃部37を対向する下ブレード41の刃部に密接させることができる。
刃部37は往復運動方向(長手方向)と略直交する方向に設けられる複数の切刃を配置した部分で、交互に右刃38と左刃39が設けられる。刃部37においては点線で示す下ブレード41の刃部と上ブレード31の刃部によって枝葉等の切断を行う。右刃38は先端形状が上面視で円形に形成され、その前後縁に刃先38a、38bが形成される。左刃39は先端が平面状に切り落とされたもので、その前後縁と側方縁に刃先39a、39b、39cが形成される。上ブレード31の右刃38と左刃39の配置は、下ブレード41の右刃と左刃の配置と回転対称となるように配置され、長手方向中心軸を軸に刃部37を180度回転、即ち裏返しした位置に下ブレード41の右刃と下刃が位置するような位置関係となる。
次に図4を用いて何らかの理由でブレードがロックした時の上ブレード31の変形状況を説明する。ヘッジトリマの運転中に、枝葉等を切断している際には上ブレード31と下ブレード41は逆位相で往復移動し、上ブレード31と下ブレード41の右刃と左刃を用いて切断を行う。しかしながら、切断作業中に鉄柵や太い枝等の堅いものを噛み込んでしまうと、切断できないために上ブレード31と下ブレード41が衝撃的にロックしてしまう。この時の上ブレード31にカム24から加わる力による変形状況を示すが図4である。(1)はカム24の第一偏心部24aが矢印61のようにモータ側に移動(後進方向に移動)する際の変形状況である。この前提としては、図中で(1)の右側(図示を省略している刃部)にて移動が阻止される状態となり(ロック状態)、上ブレード31もその移動が阻止される。このロック状態においても第一偏心部24aは回転を継続するため、第一偏心部24aがモータ側に近づく方向に移動する際には、上ブレード31には矢印61のような力が加わる。点線で示す上ブレード31’は、ロック発生前の正常時の位置を示すものである。ここで、矢印61のような力が加わると、山部35は全体的に下向きに反って第一斜面部35aも移動するため、この反動でカム係合部33のモータ側は矢印61aのようにカム24から上側に離れる方向(ギヤ22に近づく方向)へと動く。同様に、カム係合部33の反モータ側も矢印61bのように上に離れる方向へと動く。この移動の結果、カム24と上ブレード31の力の作用点(矢印61付近)において矢印61aの方向の移動が大きいため、カム係合部33がカム24の第一偏心部24aから離脱する。
一方、ブレードのロック状態において、第一偏心部24aがモータ側から離れる方向に移動(前進方向に移動)する際には、(2)のように上ブレード31には矢印62のような力が加わる。すると点線で示すロック発生前の正常時の上ブレード31’に比べて、山部35は全体的に上向きに反ってカム係合部33のモータ側は矢印62aのように上に離れる方向に動く。同様に、カム係合部33の反モータ側も矢印62bのように上に離れる方向へと動く。この移動の結果、カム24と上ブレード31の力の作用点(矢印62付近)において矢印62bの方向の移動が大きいため、カム係合部33がカム24の第一偏心部24aから離脱する。以上、(1)と(2)の図から理解できるように、ブレードがロックした際には、移動中の上ブレード31の移動方向にかかわらずにカム係合部33を上向きに移動させる力が加わることになる。よって、衝撃的にロックした場合に、いずれも上ブレード31のカム穴32がカム24の第一偏心部24aから上に離れる方向へと動き、上ブレード31とカム24の係合状態が外れて力の伝達が解除される。この解除される状態を図5でさらに説明する。
図5はヘッジトリマ1の動力伝達機構部の部分拡大断面図であって、上ブレード31とカム24の係合状態が外れた状態を示す図である。ロック状態により上ブレード31のカム係合部33が上向きに動く(撓む)ために、カム24の第一偏心部24aから上側にずれることになる。ここでギヤ22はシャフト21に対して相対回転が可能であって、カム24に対して回転方向には共回りするように固定されるが、軸方向には固定されない構成としたため、ギヤ22は矢印55のように上方向に僅かに移動可能である。この移動があっても、ギヤ22の歯部23はピニオン11aの有効歯車領域内(図2参照)に位置するため、モータ10の回転軸11からギヤ22への動力伝達状況は変わらない。一方、ギヤ22とカム24は、連結部(キー24cとキー溝22c)による回転方向の係合状況が保たれるため、ギヤ22からカム24への動力伝達状況は変わらずに、カム24は回転し続ける。この際、上ブレード31のカム係合部33は、図中に示すようにカム24から脱落してギヤ22とカム24の間に位置するので、カム24は上ブレード31に対して空転することになる。また、ギヤ22には軽量化のために減厚部22a、22bが形成され、円周方向に連続した半ドーナッツ状の減厚部22bの内部に山部35が入り込むために、ギヤ22と山部35の非接触状態が保たれる。このように本実施例では、刃部のロックが生じた時に空転現象をあえて発生させるようにして、上ブレード31とカム24との力の伝達を解除して、ブレードやギヤ22の破損を回避することができた。また、ギヤ22に減肉部22bを形成したので、上ブレード31とカム24が外れる動きを阻害しないように構成できた。外れた上ブレード31は、カム24から受ける力(図4の矢印61又は62の力)が消失するため、31’で示す元の形状に戻るため、外れた時点からカム24が約180度、またはその倍数だけ回転した後に再び嵌まり込んで係合状態が復帰する。よって、ロック状態の解消後には再び作業を継続することが可能となる。
次に図6を用いて上ブレード31の山部35の形状について説明する。図6は上ブレード31の側面図である。側面図からわかるように山部35は側面視で略台形状であって、略平面状の頂面部35bと、頂面部35bからカム係合部33に接続される第一斜面部35aと、頂面部35bから刃部側に伸びる第二斜面部35cを有する。上ブレード31には山部35が形成されるが、その高さは、B>A>Cの関係になるように形成される。この位置関係を保つことによって、上ブレード31と下ブレード41の相対移動がロックした状態でカム24が回転を続けると、図4で説明したように上ブレード31のカム係合部33が矢印63の方向(上方)に変形することになる。
以上、本実施例によれば上ブレード31の接続部34の一部に湾曲部分たる山部35を形成することによって、上ブレード31と下ブレード41がロックした際に、上ブレード31のカム係合部33を上向きに変形させることができ、上ブレード31をカム24(第一偏心部24a)から外れるように構成できた。しかもこのカム24から外れる現象は、上ブレード31が後退(回転軸11側に接近)する方向への移動中でも、前進する(回転軸11から離れる)方向への移動中でも同様に起こるので、上ブレード31とカム24の相対回転位置によらずに上ブレード31をカム24との係合状態を一時的に解除することにより各駆動部や作業工具の破損を防止することができた。
次に図7を用いて上ブレードの形状、特に山部の形状の変形例を説明する。図7の上ブレード81は、第一の実施例の山部35に相当する部分を、側面視で略半円形状、又は円弧状に形成した湾曲部85に置き換えただけである。上ブレード81のカム係合部33、カム穴32と、接合部のうち平面部36及び図示しない刃部の形状は図3で示した上ブレード31の形状と同一である。上ブレード81では、湾曲部85のカム係合部33側の下側位置(A位置)が、刃部側の下側位置(C位置)よりも高くなるように形成される。また、湾曲部85の最上部の下面位置(B位置)が、A位置及びC位置のいずれよりも高くなる。このように形成しても第一の実施例と同様の効果が得られる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施例では上ブレードと下ブレードの双方が往復移動するヘッジトリマの例で説明したが、下ブレードが固定で上ブレードだけが動くようにしたヘッジトリマであっても同様に適用できる。また、山部や湾曲部を上ブレード側に設けるのでは無くて、下ブレード側だけに設けることも可能である。
1 ヘッジトリマ 2 ハウジング
3 ブレードアッセンブリ 4 リアハンドル
5 フロントハンドル 6 プロテクタ
7 トリガ 8 スイッチ
10 モータ 11 回転軸
11a ピニオン 12a、12b 軸受
13 冷却ファン 14 軸受ホルダ
16 電源コード 21 シャフト
22 ギヤ 22a、22b 減厚部
22c キー溝 23 歯部
24 カム 24a 第一偏心部
24b 第二偏心部 24c キー
25 ブレードホルダ 26 スペーサ
27 ワッシャ 31 上ブレード
32 カム穴 33 カム係合部
34 接続部 35 山部
35a 第一斜面部 35b 頂面部
35c 第二斜面部 36 平面部
37 刃部 38 右刃
38a、38b 刃先 39 左刃
39a〜39c 刃先 41 下ブレード
51 ガイドバー 52a、53a ボルト
52b、53b ナット 54a、55a ボルト
81 上ブレード 85 湾曲部
122 ギヤ 123 歯部
131 上ブレード 133 カム係合部
135 斜面部 136 平面部

Claims (8)

  1. 駆動源と、逆位相に設けられた2つの偏心部を有するカムと、上下に重ね合わせられ相対移動させる上ブレード及び下ブレードを有し、前記駆動源によって前記カムを回転させ、前記カムに係合される前記上ブレードと下ブレードを往復運動させる往復動工具において、
    前記上ブレードと下ブレードは、往復運動方向と略直交する方向に設けられる複数の切刃を形成して成る刃部と、前記カムの前記偏心部と当接し前記往復運動方向と直交方向に伸びる長円穴を有するカム係合部と、前記刃部と前記カム係合部を接続する接続部を有し、
    前記上ブレードの前記接続部に山状に湾曲させた湾曲部を設けることにより、前記上ブレードの前記カム係合部の軸方向の高さが前記湾曲部の高さより低くし、前記刃部の高さが前記カム係合部及び前記湾曲部よりも低くなるようにしたことを特徴とする往復動工具。
  2. 前記下ブレードは、前記刃部と前記カム係合部と前記接続部が同一面状に位置するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の往復動工具。
  3. 前記上ブレードと前記下ブレードのそれぞれの刃部の移動がロックした際に、
    前記偏心部が前記上ブレードを前進方向に移動させることで前記湾曲部が撓んで前記上ブレードの前記カム係合部の移動する方向と、前記偏心部が前記上ブレードを後進方向に移動させることで前記湾曲部が撓んで前記上ブレードの前記カム係合部の移動する方向が軸方向で同一となることを特徴とする請求項1又は2に記載の往復動工具。
  4. 前記駆動源の回転力が伝達されて回転するギヤと、前記ギヤと隣接して設けられる前記カムと、
    前記ギヤと前記カムを軸支する固定軸を有し、
    前記ギヤは前記上ブレードに近い側に隣接して設けられ、前記ギヤと前記カムは連結部により前記固定軸回りに連動して回転し、
    前記ギヤは前記カムに対して軸方向に離合可能なように構成されることを特徴とする請求項3に記載の往復動工具。
  5. 前記上ブレードの前記カム係合部が前記カムから軸方向に離れることにより、離反した前記ギヤと前記カムの間に位置することにより、前記カムの前記偏心部と前記カム係合部との係合状態が一時的に解除され、前記カムが約180度回転した後に前記偏心部と前記カム係合部との係合状態が復帰することを特徴とする請求項4に記載の往復動工具。
  6. 前記湾曲部は前記接続部の前記カム係合部と隣接する部分に形成され、側面視で略台形状であって、略平面状の頂面部と、前記頂面部から前記カム係合部に接続される第一の斜面部と、前記頂面部から前記刃部側に伸びる第二の斜面部を有し、
    前記第一の斜面部の下側位置が前記第二の斜面部の下側位置よりも高くなるように形成されることを特徴とする請求項5に記載の往復動工具。
  7. 前記湾曲部は前記接続部の前記カム係合部と隣接する部分に形成され、側面視で略半円形であって、前記カム係合部側の下側位置が、前記刃部側の下側位置よりも高くなるように形成されることを特徴とする請求項5に記載の往復動工具。
  8. 前記上ブレードは、金属の一体品にて製造されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の往復動工具。
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