[パチスロ機の機能フロー]
まず、図1を参照して、本実施形態におけるパチスロ機1の主要な構成について説明する。図1は、本実施形態におけるパチスロ機1の機能フローを示す図である。パチスロ機1では、図1に示した各手段が必要な処理を実行し、各々が担う機能が発揮されることにより、遊技者による遊技の実行を可能としている。
<投入操作検出手段>
投入操作検出手段は、遊技者によるメダルやコイン等の遊技媒体の投入操作を検出する。所定数の遊技媒体(例えば、3枚のメダル)の投入操作が検出されると、後述する開始操作検出手段による開始操作の検出が許可される。また、後述する図柄表示手段において、予め定められた入賞ラインが有効化される(以下、有効化された入賞ラインを「有効ライン」という。)。本実施形態において、遊技者によるメダルの投入を検出するセレクタ66は、投入操作検出手段を構成する。なお、検出可能な遊技媒体の種類は、メダルに限られるものはなく、コインやトークン、遊技球、若しくはこれらと同等の価値を有する電磁的遊技媒体等を含むものとする。
<開始操作検出手段>
開始操作検出手段は、遊技者による開始操作を検出する。開始操作が検出されると、後述する図柄表示手段による図柄の変動表示が開始される。また、後述する内部当籤役決定手段が内部当籤役を決定する際に用いられる乱数値が、予め定められた数値範囲内(例えば、0〜65535)から抽出される。また、後述する演出制御手段が演出を決定する際に用いられる演出用乱数値が、予め定められた数値範囲内(例えば、0〜32767)から抽出される。本実施形態において、遊技者によるスタートレバー23の操作を検出するスタートスイッチ79は、開始操作検出手段を構成する。なお、抽出される乱数値の種類、個数、数値範囲については、これに限られるものではなく、遊技において必要となる個数の乱数値を、所定の数値範囲内から抽出することができるものとする。
<内部当籤役決定手段>
内部当籤役決定手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、予め定められた複数の役の中から内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役の決定により、有効ラインに表示されることが許可される図柄の組合せが決定される。本実施形態において、各種のテーブルを参照し、抽出された乱数値に基づいて内部抽籤処理を実行する主制御回路91は、内部当籤役決定手段を構成する。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払出、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、パチスロ機は、遊技の進行が停止される制御を行いうる。このような制御は、「ロック」(又は、「フリーズ」)と称される。なお、便宜上、遊技開始時に実行される遊技の進行が停止される制御を「遊技開始時ロック」と呼び、遊技終了時に実行される遊技の進行が停止される制御を「遊技終了時ロック」と呼ぶ。すなわち、「遊技開始時ロック」とは、スタートレバーが操作された後、予め定められた期間においては、ストップボタンへの操作が有効とならないという意味で遊技の進行が停止される制御であり、「遊技終了時ロック」とは、ストップボタンが操作された後、予め定められた期間においては、ベットボタンへの操作、若しくはスタートレバーへの操作が有効とならないという意味で遊技の進行が停止される制御である。もちろん、「ロック」の契機は、上記に限られるものではなく、例えば、スタートレバーが操作され、ストップボタンのいずれかが操作された後、予め定められた期間においては、その後の操作が有効とならない制御を行うこととしてもよい。
ここで、内部当籤役決定手段は、抽出した乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役に替えて、あるいは内部当籤役とともに、「ロック」を行うか否かを決定することができる。この場合、複数の乱数値を抽出しておき、そのうちの1つの乱数値に基づいて内部当籤役を決定し、他の1つの乱数値に基づいて「ロック」を行うか否かを決定することとしてもよい。
<図柄表示手段>
図柄表示手段は、複数の図柄を複数列に変動表示する。すなわち、開始操作検出手段により開始操作が検出されると、図柄の変動表示を開始し、後述する停止制御手段により停止制御が実行されると、図柄の変動表示を終了する。本実施形態において、複数のリール3L,3C,3R、及びリール表示窓4は、図柄表示手段を構成する。なお、図柄表示手段は、これに限られるものではなく、例えば、複数の図柄画像を複数列に変動表示する図柄画像表示手段(例えば、画像表示装置)等であってもよい。
<停止操作検出手段>
停止操作検出手段は、遊技者による停止操作を検出する。停止操作が検出されると、後述する停止制御手段により図柄表示手段による図柄の変動表示が停止される。本実施形態において、遊技者によるストップボタン19L,19C,19Rの操作を検出するストップスイッチ基板80は、停止操作検出手段を構成する。
なお、全てのリールが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
<停止制御手段>
停止制御手段は、図柄表示手段における図柄の変動表示の停止を制御する。すなわち、停止操作検出手段により停止操作が検出されると、内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役に応じて設定された停止制御情報に基づいて、図柄表示手段における図柄の変動表示を停止制御する。本実施形態において、遊技者によりストップボタン19L,19C,19Rが操作されると、各種の停止制御情報を参照し、対応するリール3L,3C,3Rの回転を停止制御するリール停止制御処理を実行する主制御回路91は、停止制御手段を構成する。
ここで、パチスロ機では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定め、規定期間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1個分に定める。なお、滑り駒数の最大数はこれらに限られるものではなく、適宜設定することができる。
停止制御手段は、内部当籤役の決定結果に応じて、表示が許可されている図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが有効ラインに沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリールの回転を停止する。
その一方で、内部当籤役の決定結果に応じて、表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、有効ラインに沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリールの回転を停止する。
また、停止制御手段は、決定されている内部当籤役が、予め定められた停止操作順序(例えば、複数のストップボタンが操作された順番)に応じて表示される図柄の組合せを変動させるものであるときには、その予め定められた停止操作順序も参照して、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
<入賞判定手段>
入賞判定手段は、図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じて、入賞があるか否かの判定を行う。すなわち、停止制御手段により図柄の変動表示が停止された場合に、有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する。本実施形態において、図柄組合せテーブル等を参照し、図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて入賞検索処理を実行する主制御回路91は、入賞判定手段を構成する。
<利益付与手段>
利益付与手段は、入賞判定手段により入賞があると判定されると、入賞した図柄の組合せに応じた利益を付与する。すなわち、図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じて、対応する利益を遊技者に付与する。本実施形態において、入賞検索処理の結果に基づいてメダル払出処理等を実行する主制御回路91は、利益付与手段を構成する。なお、付与される利益が、副制御回路101の制御によって付与されるものである場合には、副制御回路101が、利益付与手段を構成する。
ここで、利益付与手段により付与される利益としては、メダルの払出、今回の遊技と同じ数量の遊技媒体が自動で投入され、再度遊技を行えることとなる再遊技の作動、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率が高くなる再遊技高確率状態(リプレイタイム)の作動、メダルの払出に係る内部当籤役の当籤確率が高くなる特別遊技状態(ボーナス)の作動、遊技者に適切な停止操作の情報を報知することにより、メダルの払出に係る内部当籤役の入賞確率が高くなる特定遊技状態(アシストタイム)の作動等を挙げることができる。なお、利益付与手段が付与する利益はこれに限られるものではない。
このように、パチスロ機においては、投入操作検出手段によって遊技者の投入操作が検出され、開始操作検出手段によって遊技者の開始操作が検出されると、内部当籤役決定手段によって内部当籤役等が決定されるとともに、図柄表示手段による図柄の変動表示が開始される。そして、停止操作検出手段によって遊技者の停止操作が検出されると、停止制御手段によって図柄表示手段による図柄の変動表示が停止制御され、図柄表示手段に表示された図柄の組合せが、入賞判定手段によって入賞に係る図柄の組合せであると判定されると、利益付与手段によってその図柄の組合せに応じた利益が付与される。以上のような一連の流れがパチスロ機における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
<演出制御手段>
演出制御手段は、抽出された演出用乱数値と、その他の情報(例えば、内部当籤役に関する情報)とに基づいて抽籤を行い、複数種類の演出の中から今回実行するものを決定する。また、演出制御手段は、決定された演出が適切に実行されるように、後述する演出実行手段を制御する。本実施形態において、各種のテーブルを参照し、少なくとも抽出された演出用乱数値に基づいて演出内容を決定するとともに、決定された演出内容にしたがった演出を実行させる副制御回路101は、演出制御手段を構成する。なお、上述の「ロック」も演出の一態様であるとすることができる。この場合には、主制御回路91が、演出制御手段を構成する。
また、演出制御手段は、所定の報知条件が満たされると、遊技者に対して遊技に必要な情報(例えば、停止操作順序に関する情報や遊技履歴に関する情報)を報知するための演出を決定する。この場合、演出制御手段は、報知制御手段とも言いうる。
<演出実行手段>
演出実行手段は、演出制御手段により決定された演出を実行する。すなわち、視覚に訴える演出を実行する表示装置やランプ、聴覚に訴える演出を実行するスピーカ、触覚に訴える演出を実行する演出ボタン等の演出に用いられる各種のデバイスを意味する。本実施形態において、液晶表示装置11、LED85、スピーカ42,58,64,65L,65Rは、演出実行手段を構成する。なお、演出実行手段は、これらに限られるものではなく、例えば、パチスロ機の前面側から視認可能な位置に設けられる可動体(役物)であってもよいし、複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を通常の図柄の変動表示態様とは異なる演出態様で変動表示させることによって演出を実行するものであってもよい。
また、演出実行手段は、演出制御手段によって、遊技者に対して遊技に必要な情報(例えば、停止操作順序に関する情報や遊技履歴に関する情報)を報知するための演出が決定された場合には、遊技者に対してその情報の報知を実行する。この場合、演出実行手段は、報知手段とも言いうる。
[パチスロ機の構造]
次に、図2〜図5を参照して、本実施形態におけるパチスロ機1の構造について説明する。
<外観構造>
図2は、パチスロ機1の外部構造を示す斜視図である。
パチスロ機1の外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。また、キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている。この把手7は、パチスロ機1を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って等間隔に描かれている。
フロントドア2bの中央よりも上側には、上パネルユニット10と、液晶表示装置11が設けられている。上パネルユニット10は、フロントドア2bの上部を形成している。この上パネルユニット10は、光源を有しており、光源から出射される光による演出を実行する。液晶表示装置11は、上パネルユニット10の下側に配置されており、映像の表示による演出を実行する。
フロントドア2bの中央には、台座部12が形成されている。この台座部12には、図柄表示領域4と、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。
図柄表示領域4は、正面から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する手前側に配置されており、3つのリール3L,3C,3Rに対応して設けられている。この図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L,3C,3Rを透過することが可能な構成になっている。以下、図柄表示領域4を、リール表示窓4という。
リール表示窓4は、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、各リール3L,3C,3Rの複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。本実施形態では、リール表示窓4の各リール3L,3C,3Rに対向する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められたいずれかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
リール表示窓4は、台座部12に設けられた枠部材13により形成されている。この枠部材13は、リール表示窓4と、情報表示窓14と、ストップボタン取付部15を有している。
情報表示窓14は、リール表示窓4の下部に連続して設けられており、上方に向かって開口している。すなわち、リール表示窓4と情報表示窓14は、連続する1つの開口部として形成されている。この情報表示窓14及びリール表示窓4は、透明の窓カバー16によって覆われている。
窓カバー16は、枠部材13の内面側に配置されており、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能になっている。また、枠部材13は、窓カバー16を挟んで情報表示窓14の開口に対向するシート載置部17を有している。そして、シート載置部17と窓カバー16との間には、遊技に関する情報が記載されたシート部材(情報シート)が配置されている。したがって、情報シートは、凹凸や隙間の無い滑らかな表面を有する窓カバー16により覆われている。
情報シートの取付部を構成する窓カバー16は、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能であり、凹凸や隙間の無い滑らかな表面であるため、情報シートの取付部を利用して、パチスロ機1の内部にアクセスする不正行為を防ぐことができる。なお、情報シートの交換については、後で図4を参照して説明する。
本実施形態では、リール表示窓4と情報表示窓14を、連続する1つの開口部として形成した。しかし、本発明の遊技機に係る情報表示窓は、リール表示窓の下方に設けられていればよく、リール表示窓に連続していなくてもよい。すなわち、本発明の遊技機に係るリール表示窓と情報表示窓は、上下方向に並ぶ2つの開口部として形成してもよい。
ストップボタン取付部15は、情報表示窓14の下方に設けられており、正面を向いた平面に形成されている。このストップボタン取付部15には、ストップボタン19L,19C,19Rが貫通する貫通孔が設けられている。ストップボタン19L,19C,19Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン19L,19C,19Rを、それぞれ左ストップボタン19L、中ストップボタン19C、右ストップボタン19Rという。
ストップボタン19L,19C,19Rは、遊技者による操作の対象となる各種装置の一例を示す。また、台座部12には、遊技者による操作の対象となる各種装置として、メダル投入口21、BETボタン22、スタートレバー23が設けられている。
メダル投入口21は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口21に受け入れられたメダルは、予め定められた規定数を上限として1回の遊技に投入されることとなり、規定数を超えた分はパチスロ機1の内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
BETボタン22は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。スタートレバー23は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。
また、正面から見てリール表示窓4の左側方には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器24が設けられている。この7セグ表示器24は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
台座部12の両側には、サイドパネルユニット26L,26Rが設けられている。このサイドパネルユニット26L,26Rは、それぞれ光源を有しており、光源から出射される光による演出を実行する。また、サイドパネルユニット26Lの下方には、精算ボタン27が設けられている。この精算ボタン27は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
台座部12の下方には、腰部パネルユニット31が設けられている。腰部パネルユニット31は、任意の画像が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源を有している。
腰部パネルユニット31の下方には、メダル払出口32と、スピーカ用孔33L,33Rと、メダルトレイユニット34が設けられている。メダル払出口32は、後述のメダル払出装置51の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口32から排出されたメダルは、メダルトレイユニット34に貯められる。スピーカ用孔33L,33Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力するために設けられている。
<内部構造>
図3及び図4は、パチスロ機1の内部構造を示す斜視図である。この図3では、フロントドア2bが開放され、フロントドア2bの裏面側に設けられたミドルドア41がフロントドア2bに対して閉じた状態を示している。また、図4では、フロントドア2bが開放され、ミドルドア41がフロントドア2bに対して開いた状態を示している。また、図5は、キャビネット2aの内部を示す説明図である。図6は、フロントドア2bの裏面側を示す説明図である。
キャビネット2aは、上面板20aと、底面板20bと、左右の側面板20c,20dと、背面板20eを有している(図5参照)。キャビネット2a内部の上側には、キャビネット側スピーカ42が配設されている。このキャビネット側スピーカ42は、取付ブラケット43L,43Rを介してキャビネット2aの背面板20eに取り付けられている。キャビネット側スピーカ42は、例えば、効果音を出力するためのスピーカである。
キャビネット2a内部を正面から見て、キャビネット側スピーカ42の左側方には、キャビネット側中継基板44が配設されている。このキャビネット側中継基板44は、キャビネット2aの左側面板20cに取り付けられている。キャビネット側中継基板44は、ミドルドア41(図3及び図4参照)に取り付けられた後述する主制御基板71(図7参照)と、ホッパー装置51、遊技メダル補助収納庫スイッチ(不図示)、メダル払出カウントスイッチ(不図示)とを接続する配線の中継を行う。
キャビネット2a内部の中央部には、キャビネット側スピーカ42による音の出力を制御するアンプ基板45が配設されている。このアンプ基板45は、左右の側面板20c,20dに固定された取付棚46に取り付けられている。
また、キャビネット2a内部を正面から見て、アンプ基板45の右側には、外部集中端子板47が配設されている。この外部集中端子板47は、キャビネット2aの右側面板20dに取り付けられている。外部集中端子板47は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティー信号などの信号をパチスロ機1の外部へ出力するために設けられている。
キャビネット2a内部を正面から見て、アンプ基板45の左側には、サブ電源装置48が配設されている。このサブ電源装置48は、キャビネット2aの左側面板20cに取り付けられている。サブ電源装置48は、交流電圧100Vの電力を後述する電源装置53に供給する。また、交流電圧100Vの電力を直流電圧の電力に変換して、アンプ基板45に供給する。
キャビネット2aの内部の下側には、メダル払出装置(以下、ホッパー装置)51と、メダル補助収納庫52と、電源装置53が配設されている。
ホッパー装置51は、キャビネット2aにおける底面板20bの中央部に取り付けられている。このホッパー装置51は、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。ホッパー装置51は、貯留されたメダルが例えば50枚を超えたとき、又は精算ボタンが押圧されてメダルの精算を行うときに、メダルを払い出す。ホッパー装置51によって払い出されたメダルは、メダル払出口32(図2参照)から排出される。
メダル補助収納庫52は、ホッパー装置51から溢れ出たメダルを収納する。このメダル補助収納庫52は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の右側に配置されている。メダル補助収納庫52は、キャビネット2aの底面板20bに係合されており、底面板20bに対して着脱可能に構成されている。
電源装置53は、電源スイッチ53aと、電源基板53bを有している(図7参照)。この電源装置53は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の左側に配置されており、左側面板20cに取り付けられている。電源装置53は、サブ電源装置48から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。
図3,図4及び図6に示すように、ミドルドア41は、フロントドア2bの裏面における中央部に配置され、リール表示窓4(図4参照)を裏側から開閉可能に構成されている。ミドルドア41の上部と下部には、ドアストッパ41a,41b,41cが設けられている。このドアストッパ41a,41b,41cは、リール表示窓4を裏側から閉じた状態のミドルドア41の開動作を固定(禁止)する。すなわち、ミドルドア41を開くには、ドアストッパ41a,41b,41cを回転させてミドルドア41の固定を解除する必要がある。
ミドルドア41には、主制御基板71(図7参照)を収納した主制御基板ケース55と、3つのリール3L,3C,3Rが取り付けられている。3つのリール3L,3C,3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
図4に示すように、ミドルドア41を開くと、窓カバー16の裏面とシート載置部17が露出される。上述したように、窓カバー16の裏面とシート載置部17との間には、遊技に関する情報が記載された情報シートが配置されている。この情報シートは、ミドルドア41を開いて窓カバー16の裏面とシート載置部17を露出させた状態で、窓カバー16の裏面とシート載置部17との間に形成された間隙に挿入される。また、情報シートを交換する場合も、ミドルドア41を開いてから情報シートの交換作業が行われる。
主制御基板ケース55には、設定用鍵型スイッチ56が設けられている。この設定用鍵型スイッチ56は、パチスロ機1の設定を変更もしくはパチスロ機1の設定の確認を行うときに使用する。本実施形態では、主制御基板ケース55と、この主制御基板ケース55に収納された主制御基板71により、主制御基板ユニットが構成されている。
主制御基板ケース55に収納された主制御基板71は、後述する主制御回路91(図8参照)を構成する。主制御回路91は、内部当籤役の決定、リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ機1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路91の具体的な構成は後述する。
ミドルドア41の上方には、副制御基板72(図7参照)を収容する副制御基板ケース57が配設されている。副制御基板ケース57に収納された副制御基板72は、副制御回路101(図9参照)を構成する。この副制御回路101は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路101の具体的な構成は後述する。
副制御基板ケース57の上方には、センタースピーカ58が配設されている。そして、フロントドア2bを裏面側から見て、センタースピーカ58の左側方には、ファン59が配設されている。つまり、ファン59は、フロントドア2bの裏面側における上部に配設されている。このファン59は、下向きに空気を送風し、パチスロ機1の内部を空冷する。
フロントドア2bを裏面側から見て、副制御基板ケース57の右側方には、副中継基板61が配設されている。この副中継基板61は、副制御基板72と主制御基板71とを接続する配線を中継する。また、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された基板とを接続する配線を中継する基板である。なお、副制御基板72の周辺に配設される基板としては、後述するLED基板62A,62Bが挙げられる。
LED基板62A,62Bは、フロントドア2bの裏面側から見て、副制御基板ケース57の上方に配設されている。これらLED基板62A,62Bは、副制御回路101(図8参照)の制御により実行される演出に応じて、光源の一具体例を示すLED(Light Emitting Diode)85(図7参照)を発光させて、点滅パターンを表示する。なお、本実施形態のパチスロ機1には、LED基板62A,62B以外に複数のLED基板を備えている。
副中継基板61の下方には、24hドア開閉監視ユニット63が配設されている。この24hドア開閉監視ユニット63は、ミドルドア41の開閉の履歴を保存する。また、ミドルドア41を開放したときに、液晶表示装置11にエラー表示を行うための信号を副制御基板72(副制御回路101)に出力する。
ミドルドア41の下方には、ボードスピーカ64と、下部スピーカ65L,65Rが配設されている。ボードスピーカ64は、腰部パネルユニット31(図2参照)に対向しており、下部スピーカ65L,65Rは、それぞれスピーカ用孔33L,33R(図2参照)に対向している。
下部スピーカ65Lの上方には、セレクタ66と、ドア開閉監視スイッチ67が配設されている。セレクタ66は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口21に投入された適正なメダルをホッパー装置51へ案内する。セレクタ66内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(不図示)が設けられている。
ドア開閉監視スイッチ67は、フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ66の左側方に配置されている。このドア開閉監視スイッチ67は、パチスロ機1の外部へ、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。
また、リール表示窓4の下方であってミドルドア41により開閉される領域には、ドア中継端子板68が配設されている(図4参照)。このドア中継端子板68は、主制御基板ケース55内の主制御基板71(図7参照)と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板72(図7参照)、セレクタ66及び遊技動作表示基板81(図7参照)との配線を中継する基板である。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、BETボタン22、精算ボタン27、ドア開閉監視スイッチ67、後述するBETスイッチ77、スタートスイッチ79等を挙げることができる。
[パチスロ機が備える制御系]
次に、パチスロ機1が備える制御系について、図7を参照して説明する。図7は、パチスロ機1の制御系を示すブロック図である。
パチスロ機1は、ミドルドア41に配設された主制御基板71と、フロントドア2bに配設された副制御基板72を有している。主制御基板71には、リール中継端子板74と、設定用鍵型スイッチ56と、外部集中端子板47と、ホッパー装置51と、メダル補助収納庫スイッチ75と、電源装置53の電源基板53bが接続されている。設定用鍵型スイッチ56、外部集中端子板47、ホッパー装置51及びメダル補助収納庫スイッチ75は、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続されている。外部集中端子板47及びホッパー装置51については、上述したため、説明を省略する。
リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
メダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52の後述するスイッチ貫通孔を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置53の電源基板53bには、電源スイッチ53aが接続されている。この電源スイッチ53aは、パチスロ機1に必要な電源を供給するときにONにする。
また、主制御基板71には、ドア中継端子板68を介して、セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67、BETスイッチ77、精算スイッチ78、スタートスイッチ79、ストップスイッチ基板80、遊技動作表示基板81及び副中継基板61が接続されている。セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67及び副中継基板61については、上述したため、説明を省略する。
BETスイッチ77は、BETボタン22が遊技者により押されたことを検出する。精算スイッチ78は、精算ボタン27が遊技者により押されたことを検出する。スタートスイッチ79は、スタートレバー23が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板80は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板80には、ストップスイッチが設けられている。ストップスイッチは、各ストップボタン19L,19C,19Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板81は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器24に表示させるための基板である。この遊技動作表示基板81には、7セグ表示器24とLED82が接続されている。LED82は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板72は、ドア中継端子板68と副中継基板61を介して主制御基板71に接続されている。この副制御基板72には、副中継基板61を介して、サウンドI/O基板84、LED基板62A,62B、24hドア開閉監視ユニット63が接続されている。これらLED基板62A,62B及び24hドア開閉監視ユニット63については、上述したため、説明を省略する。
サウンドI/O基板84は、センタースピーカ58、ボードスピーカ64、下部スピーカ65L,65R及びフロントドア2bに設けられた不図示のスピーカへの音声の出力を行う。
また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板86と、液晶中継基板87が接続されている。これらロムカートリッジ基板86及び液晶中継基板87は、副制御基板72と共に副制御基板ケース57に収納されている。ロムカートリッジ基板86は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板62A,62B及びその他のLED基板(不図示)、通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板87は、副制御基板72と液晶表示装置11とを接続する配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板71により構成される主制御回路91について、図8を参照して説明する。図8は、パチスロ機1の主制御回路91の構成例を示すブロック図である。
主制御回路91は、主制御基板71上に設置されたマイクロコンピュータ92を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ92は、メインCPU93、メインROM94及びメインRAM95により構成される。
メインROM94には、メインCPU93により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96、分周器97、乱数発生器98及びサンプリング回路99が接続されている。クロックパルス発生回路96及び分周器97は、クロックパルスを発生する。メインCPU93は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路99は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU93は、リールインデックスを検出してから各リール3L,3C,3Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU93は、各リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リール3L,3C,3Rの所定の位置に設けられ、各リール3L,3C,3Rの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リール3L,3C,3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM95に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L,3C,3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L,3C,3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
上述したように、本実施形態では、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、左ストップボタン19Lが押されたときにリール表示窓4の中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、リール表示窓4の中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板72により構成される副制御回路101について、図9を参照して説明する。図9は、パチスロ機1の副制御回路101の構成例を示すブロック図である。
副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続されており、主制御回路91から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路101は、基本的に、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM105、ドライバ106を含んで構成されている。
サブCPU102は、主制御回路91から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板86に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板86は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路91との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11(図6参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED85等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ58,64,65L,65R等のスピーカによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM103は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置11に表示させる。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ58,64,65L,65R等のスピーカにより出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED85等の光源の点灯及び消灯を制御する。
[主制御基板ケースの構成]
次に、主制御基板ユニットを構成する主制御基板ケース55の構成について、図10〜図22を参照して説明する。まず、図10〜図14を参照して、本実施形態の第1の実施形態に係る主制御基板ユニットについて説明し、次に、図15〜図22を参照して、本実施形態の第2の実施形態に係る主制御基板ユニットについて説明する。
<第1の実施形態>
図10〜図14を参照して、本実施形態の第1の実施形態に係る主制御基板ユニットについて説明する。図10は、主制御基板ユニットの斜視図である。図11は、主制御基板ユニットの拡大図であり、カバー部材262が取り付けられた状態を示す斜視図である。図12は、主制御基板ユニットの拡大図であり、カバー部材262が取り外された状態を示す斜視図である。図13の(a)及び(b)は、主制御基板ユニットのカバー部材262を示す分解図である。図14は、主制御基板ユニットの模式断面図である。
主制御基板ユニットは、主制御基板ケース55と、主制御基板ケース55に収納された主制御基板71から構成されている。図10〜図14に示すように、主制御基板ケース55は、ケース本体261と、カバー部材262と、第1封印部263と、第2封印部264と、第3封印部265と、封印シール266とを備えている。ここで、ケース本体261及びカバー部材262は、透過性を有する樹脂によって形成されている。
図10に示すように、ケース本体261は、略矩形の直方体状に形成されており、上下方向に重ね合わされる上ケース部材261a及び下ケース部材261bから構成されている。また、上ケース部材261aと下ケース部材261bは、第1封印部263と、第2封印部264と、第3封印部265によって固着され、その開放が規制される。
第1封印部263には、複数の第1封印部263a,263bが設けられており、初期状態(例えば、パチスロ機1の設置時)においては、そのいずれか一方(例えば、第1封印部263a)を使用して、上ケース部材261aと下ケース部材261bとが封印される。そして、その後の検査等の実施に伴って、ケース本体261が開放された場合には、使用されていない他方の第1封印部(例えば、第1封印部263b)を使用して、上ケース部材261aと下ケース部材261bとが再度封印されることとなる。なお、第1封印部263は、例えば、上ケース部材261aの一部と下ケース部材261bの一部とを嵌合させた状態で、図11及び図12に示すZ方向(あるいは、その反対方向)から、先端及び後端に抜止部を有する抜止部材(図示せず)を上ケース部材261aの一部と下ケース部材261bの嵌合部に挿入することで、上ケース部材261aと下ケース部材261bとを封印するものであり、一度封印されると、その嵌合部を破壊するか、あるいは上ケース部材261aに設けられた複数の破断部(符号省略)をすべて破断しない限り、上ケース部材261aと下ケース部材261bとの封印が解除されない(すなわち、ケース本体261が開放されない)ように構成されている。したがって、ケース本体261を開放しようとすれば、第1封印部263によりその痕跡が確実に残ることとなる。
第2封印部264には、複数の第2封印部264a,264bが設けられており、初期状態(例えば、パチスロ機1の設置時)においては、そのいずれか一方(例えば、第2封印部264a)を使用して、上ケース部材261aと下ケース部材261bとが封印される。そして、その後の検査等の実施に伴って、ケース本体261が開放された場合には、使用されていない他方の第2封印部(例えば、第2封印部264b)を使用して、上ケース部材261aと下ケース部材261bとが再度封印されることとなる。なお、第2封印部264も第1封印部263と同様に構成されているため、説明は省略する。
第3封印部265は、上ケース部材261aに設けられたネジ穴にケース間固定ネジ267を螺挿することによって、上ケース部材261aと下ケース部材261bとを封印する(図14参照)。なお、ケース間固定ネジ267は、そのネジ山が上ケース部材261aの上面側よりも下方に位置するように、上ケース部材261aと下ケース部材261bとを固着する。
図12に示すように、封印シール266は、略長方形に形成されたシールであり、上ケース部材261aの上面側の少なくとも第3封印部265を覆う位置に貼り付けられている。すなわち、第3封印部265にアクセスしようとすれば、第3封印部265を覆う封印シール266を剥がし、あるいは破らなければならない。したがって、ケース本体261を開放しようとすれば、封印シール266によりその痕跡が確実に残ることとなる。また、この封印シール266には、一方の対角線に沿って延びるインレット部(図示せず)が形成されている。また、このインレット部は、ICチップに金属製のアンテナを取り付けて形成されている。このインレット部により、上ケース部材261aに貼り付けられた封印シール266が、真正のシールであるか否かを外部機器(例えば、ICリーダー)によって判定することが可能となっている。なお、封印シール266を、第3封印部265を覆う位置であって、カバー部材262のカバー面の裏面側に貼り付けることとしてもよい。
上ケース部材261aには、図11及び図12に示すX方向からケース本体261内に向かって、第1固定ピン307(図14参照)を挿入するための上ケース側ピン挿入孔301が設けられ、下ケース部材261bには、図11及び図12に示すY方向からケース本体261内に向かって、第2固定ピン308(図14参照)を挿入するための下ケース側ピン挿入孔302が設けられている。
なお、上ケース側ピン挿入孔301を、下ケース側ピン挿入孔302と同様に下ケース部材261bに設けることとしてもよく、下ケース側ピン挿入孔302を、上ケース側ピン挿入孔301と同様に上ケース部材261aに設けることとしてもよい。また、上ケース側ピン挿入孔301及び上ケース側ピン挿入孔302のいずれか一方のみを設けることとしてもよい。この場合、ケース側ピン挿入孔が設けられない側では、カバー部材262と、上ケース部材261a又は下ケース部材261bとが何らかの方法で固定されることとすればよい。
図11及び図13に示すように、カバー部材262は、そのカバー面の上面側の周囲に側壁が立設され、断面コの字の略直方体状に形成されており、封印シール266全体を覆う。このカバー部材262により、第3封印部265及び封印シール266へのアクセスが規制される。また、このカバー部材262は、第1破断部303と、第2破断部304と、カバー側ピン挿入孔305(305a,305b)と、位置決めピン306とから構成されている。
第1破断部303は、凸状の複数の第1破断部303a,303bから構成されている。これらの第1破断部303a,303bは、カバー部材262のカバー面の上ケース側ピン挿入孔301側の端部に設けられており、カバー部材262の側壁(あるいは、カバー部材262のカバー面)に対して、第1カバー側ピン挿入孔305aが設けられる面を支持している。なお、複数の第1破断部303a,303bを設けることなく、単一の第1破断部303を設けることとしてもよい。また、第1破断部303を平板状に形成することとしてもよい。
第2破断部304は、凸状の複数の第2破断部304a,304bから構成されている。これらの第2破断部304a,304bは、カバー部材262のカバー面の下ケース側ピン挿入孔302側の端部に設けられており、カバー部材262の側壁(あるいは、カバー部材262のカバー面)に対して、第2カバー側ピン挿入孔305bが設けられる面を支持している。なお、複数の第2破断部304a,304bを設けることなく、単一の第2破断部304を設けることとしてもよい。また、第2破断部304を平板状に形成することとしてもよい。
カバー側ピン挿入孔305は、上ケース側ピン挿入孔301側の第1カバー側ピン挿入孔305aと、下ケース側ピン挿入孔302側の第2カバー側ピン挿入孔305bとから構成され、第1カバー側ピン挿入孔305aは、カバー部材262のカバー面の上ケース側ピン挿入孔301側の端部(すなわち、第1破断部303が設けられている端部)からケース本体261内に向かって鉛直方向(すなわち、下方向)に向かって延設された面に設けられている。また、第2カバー側ピン挿入孔305bは、カバー部材262のカバー面の下ケース側ピン挿入孔302側の端部(すなわち、第2破断部304が設けられている端部)からケース本体261内に向かって鉛直方向(すなわち、下方向)に向かって延設された面に設けられている。
位置決めピン306は、カバー部材262のカバー面の裏面側の所定位置(例えば、カバー面の角部)から上ケース部材261aに向かって立設され、上ケース部材261aに設けられた位置決めピン挿入孔(図示せず)に挿入される。この位置決めピン306により、カバー部材262をケース本体261に取り付ける場合に、カバー部材262の位置が正しく位置決めされる。
続いて、図14を参照して、第1の実施形態に係る主制御基板ユニットを構成する主制御基板ケース55の組み立て工程(特に、カバー部材262の取り付け)について説明する。図14は、主制御基板ユニットの模式断面図であって、より詳細には、図11及び図12に示すZ方向から見た場合の断面図を示す図である。なお、図14において、縦線で囲まれた部分は上ケース部材261aの断面を示し、横線で囲まれた部分は下ケース部材261bの断面を示し、斜線で囲まれた部分はカバー部材262の断面を示している。
第1の実施形態に係る主制御基板ユニットでは、まず、主制御基板71を収容した状態で、上ケース部材261aと下ケース部材261bとを嵌め合わせ、第3封印部265にケース間固定ネジ267を螺挿して、上ケース部材261aと下ケース部材261bとを固着し、次に、封印シール266を、少なくとも第3封印部265を覆うように上ケース部材261aに貼り付ける。
次に、位置決めピン306によって位置決めされたカバー部材262を、封印シール266を覆うようにケース本体261に取り付ける。このとき、カバー部材262は、ケース本体261に対して未だ着脱可能な状態となっている。
次に、第1固定ピン307を、上ケース側ピン挿入孔301及び第1カバー側ピン挿入孔305aを介してケース本体261内に挿入するとともに、第2固定ピン308を、下ケース側ピン挿入孔302及び第2カバー側ピン挿入孔305bを介してケース本体261内に挿入する。これにより、上ケース部材261aとカバー部材262、下ケース部材261bとカバー部材262の各々が固定される。
ここで、第1固定ピン307は、上ケース側ピン挿入孔301及び第1カバー側ピン挿入孔305aを介してケース本体261内に挿入された状態では、上ケース側ピン挿入孔301からはその端部が露出しない長さに設定されており、また、第2固定ピン308も、下ケース側ピン挿入孔302及び第2カバー側ピン挿入孔305bを介してケース本体261内に挿入された状態では、下ケース側ピン挿入孔302からはその端部が露出しない長さに設定されている。すなわち、第1固定ピン307及び第2固定ピン308は、一度ケース本体261内に挿入されると、ケース本体261内から取り出すことが極めて困難な状態で留置されることとなる。
したがって、その後にケース本体261を開放しようとする場合には、第1破断部303(303a,303b)と、第2破断部304(304a,304b)を破断して、カバー部材262のカバー面のみを取り外す必要があることから、カバー部材262を取り外してケース本体261を開放しようとすれば、第1破断部303及び第2破断部304によりその痕跡が確実に残ることとなる。
なお、図14においては、上ケース部材261aと下ケース部材261bとが図11及び図12に示すZ方向から見て段差を有する(すなわち、下ケース部材261bにおいて、下ケース側ピン挿入孔302が設けられている側(左側)の高さが、下ケース側ピン挿入孔302が設けられていない側(右側)の高さよりも高い)ものであることから、当該段差に応じて、上ケース側ピン挿入孔301と下ケース側ピン挿入孔302、及び第1カバー側ピン挿入孔305aと第2カバー側ピン挿入孔305bが同じ高さ位置に設けられることとしているが、これに限られるものではない。例えば、上ケース部材261aと下ケース部材261bとが図11及び図12に示すZ方向から見て段差を有しない(すなわち、下ケース部材261bにおいて、下ケース側ピン挿入孔302が設けられている側(左側)の高さが、下ケース側ピン挿入孔302が設けられていない側(右側)の高さと略同じ)ものである場合には、上ケース側ピン挿入孔301と下ケース側ピン挿入孔302、及び第1カバー側ピン挿入孔305aと第2カバー側ピン挿入孔305bを異なる高さ位置に設けることとしてもよい。
具体的には、上ケース側ピン挿入孔301と第1カバー側ピン挿入孔305aの位置はそのままに、下ケース側ピン挿入孔302と第2カバー側ピン挿入孔305bがより下方に位置するように設けられることとしてもよい。もっとも、上ケース部材261aと下ケース部材261bとが図11及び図12に示すZ方向から見て段差を有するものであっても、上ケース側ピン挿入孔301と下ケース側ピン挿入孔302、及び第1カバー側ピン挿入孔305aと第2カバー側ピン挿入孔305bを異なる高さ位置に設けることとしてもよい。
このように、第1の実施形態に係る基板ケースによれば、固定ピン307,308を挿入するだけで、カバー部材262をケース本体261に固定することができるため、封印シール266を覆うカバー部材262を設ける場合であっても、その組み立てを容易に行うことができる。
また、第1の実施形態に係る基板ケースによれば、破断部303,304を工具等で破断してカバー部材262を取り外した場合には、その痕跡が確実に残ることとなるため、封印シール266にアクセスされたとしてもそれを容易に発見することができる。
また、第1の実施形態に係る基板ケースによれば、固定ピン307,308が一度ケース本体261内に挿入されると、ケース本体261内から取り出すことが極めて困難な状態で留置されることとなる。その結果、カバー部材262の取り外しも極めて困難となるため、封印シール266へのアクセスをより困難とすることができる。
<第2の実施形態>
図15〜図22を参照して、本実施形態における第2の実施形態に係る主制御基板ユニットについて説明する。図15は、主制御基板ユニットの拡大図であり、カバー部材400が取り付けられた状態を示す斜視図である。図16は、主制御基板ユニットの拡大図であり、カバー部材400が取り外された状態を示す斜視図である。図17は、主制御基板ユニットの拡大図であり、カバー部材400及び封印シール266が取り外された状態を示す斜視図である。図18は、主制御基板ユニットのカバー部材400を示す分解図である。図19の(a)及び(b)は、主制御基板ユニットの摺動部材500を示す分解図である。図20は、主制御基板ユニットの摺動部材500が第2位置にある状態を示す分解図である。図21は、主制御基板ユニットの模式断面図であり、摺動部材500が第1位置にある状態を示す図である。図22は、主制御基板ユニットの模式断面図であり、摺動部材500が第2位置にある状態を示す図である。
なお、第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様の機能を有する構成部品については、第1の実施形態における各構成部品と同一の符号を付し、説明を省略している。例えば、第1の実施形態における上ケース部材261a及び下ケース部材261bと、第2の実施形態における上ケース部材261a及び下ケース部材261bとは、厳密にはカバー部材262又はカバー部材400の周辺において形状等が異なるものであるが、ともにケース本体261を構成するという同様の機能を有するものである。
図15〜図17に示すように、下ケース部材261bには、上ケース部材261aに設けられた開口を介して、図15〜図17に示すX方向からケース本体261内に向かって、摺動用ネジ404(図22参照)を挿入するためのネジ挿入孔311が設けられるとともに、図15〜図17に示すY方向からケース本体261内に向かって、摺動用ネジ405(図22参照)を挿入するためのネジ挿入孔312が設けられている。
図15及び図18に示すように、カバー部材400は、そのカバー面の上面側の周囲に側壁が立設され、断面コの字の略直方体状に形成されており、一部を除いて封印シール266全体を覆う。このカバー部材400により、封印シール266へのアクセスが規制される。また、このカバー部材400は、貫通孔401と、規制部402(402a,402b)と、挿通部403(403a,403b)とから構成されている。なお、第2の実施形態において、封印シール266は、第3封印部265を覆う位置であって、カバー部材400のカバー面の裏面側に貼り付けられる構成を採る。もっとも、第1の実施形態と同様に、上ケース部材261aの上面側の少なくとも第3封印部265を覆う位置に貼り付けられることとしてもよい。
貫通孔401は、カバー部材400がケース本体261に取り付けられたときに、第3封印部265に対向する位置となるようにカバー部材400のカバー面に設けられている。この貫通孔401により、カバー部材400がケース本体261に取り付けられた後であっても、封印シール266の一部を破ることによって第3封印部265にアクセスすることが可能となっている。ただし、カバー部材400は、一度ケース本体261に取り付けられると、その後は上ケース部材261aと一体でなければ取り外すことができなくなるため、貫通孔401から第3封印部265にアクセスした場合には、封印シール266の破れによってアクセスの痕跡を確実に残すことができる。
規制部402は、断面が下方向に向かう銛型矢印状に形成されており、ネジ挿入孔311側の規制部402aと、ネジ挿入孔312側の規制部402bとから構成されている。規制部402(402a,402b)は、カバー部材400のカバー面の端部からケース本体内261に向かって鉛直方向に延設された面に設けられ、この面がケース本体261内に挿入されたときに、上ケース部材261aの端面に係止してカバー部材400の上方向への移動を規制する(図21及び図22参照)。なお、下ケース部材261bに係止リブを設けて、この係止リブに規制部402を係止させることによって、カバー部材400の上方向への移動を規制することとしてもよい。また、規制部402が、上ケース部材261aの端面と、下ケース部材261bに設けられた係止リブの両方に係止することとしてもよい。
挿通部403は、後述する摺動部材500の突出片504を挿通可能に形成された略矩形の開口であり、ネジ挿入孔311側の挿通部403aと、ネジ挿入孔312側の挿通部403bとから構成されている。挿通部403は、摺動部材500の突出片504が挿通されることにより、カバー部材400と摺動部材500とを係合し、カバー部材400の上方向への移動を規制する(図20及び図22参照)。
図19及び図20に示すように、摺動部材500は、ケース本体261内において、ネジ挿入孔311又は312側から見たときに奥側である第1位置から、ネジ挿入孔311又は312側から見たときに手前側である第2位置に摺動することが可能となるように形成されている。この摺動部材500は、ネジ螺挿部501と、舌片502(502a,502b,502c,502d)と、係止部503(503a,503b,503c,503d)と、突出片504と、摺動案内部505,506とから構成されている。なお、図20において矢線は、摺動部材500が第1位置から第2位置に移動したことを表すものである。
ネジ螺挿部501は、下ケース部材261bに設けられたネジ挿入孔311又は312を介して、図15〜図17に示すX方向又はY方向からケース本体261内に向かって挿入された摺動用ネジ404又は405(図22参照)が螺挿されるネジ穴であり、ネジ螺挿部501に摺動用ネジ404又は405が螺挿されると、それにしたがって摺動部材500が第1位置から第2位置までケース本体261内を摺動していくこととなる。そして、最終的には、摺動用ネジ404又は405によって、ネジ挿入孔311又は312とネジ螺挿部501が固定されることなり、これによって、下ケース部材261bに対して摺動部材500が固定されることとなる。
舌片502は、摺動部材500におけるネジ螺挿部501が設けられる側の反対側(すなわち、摺動用ネジ404又は405の挿入方向と反対側)から、ケース本体261の奥側に向かって放射状に伸びる複数の舌片502a,502b,502c,502dから構成されている。複数の舌片502a,502b,502c,502dは、各々が外向き(例えば、舌片502aにあっては上向き)に付勢されており、先端に設けられた後述する係止部503(503a,503b,503c,503d)が所定の付勢力をもってケース本体261内の摺動面を摺動するようになっている。
係止部503は、複数の係止部503a,503b,503c,503dから構成されており、係止部503aは舌片502aの先端に設けられ、係止部503bは舌片502bの先端に設けられ、係止部503cは舌片502cの先端に設けられ、係止部503dは舌片502dの先端に設けられている。
ここで、複数の係止部503a,503b,503c,503dは、各々が舌片502a,502b,502c,502dの外側の面から延設された外向き(例えば、舌片502aにあっては上向き)に傾斜する斜面と、この斜面の終端から内向き(例えば、舌片502aにあっては下向き)に折れ曲がり、舌片502a,502b,502c,502dの外側の面に対して略鉛直方向に形成された鉛直面と、この鉛直面の終端からケース本体261の奥側に向かって、舌片502a,502b,502c,502dの外側の面に対して略水平方向に延設されたリブとにより形成されている。
突出片504は、カバー部材400のカバー面の端部からケース本体261内に向かって鉛直方向に延設された面に設けられた略矩形の開口である挿通部403の形状に応じて形成された略直方体状の突起であり、ネジ螺挿部501に摺動用ネジ404又は405が螺挿されることにより、摺動部材500がケース本体261内の第2位置に位置することとなったときに、挿通部403に挿通され、カバー部材400の上方向への移動を規制する(図20及び図22参照)。第2の実施形態において、突出片504は、摺動部材500が第2位置にあるときに、摺動部材500とカバー部材400と係合する係合部を構成する。
摺動案内部505は、摺動部材500の摺動方向に沿って凸面状に形成されており、突出片504からみて上方に配置され、上ケース部材261a内側の摺動面に形成されたガイド溝(図示せず)上を摺動することにより、摺動部材500の摺動を案内する。また、摺動案内部506は、摺動部材500の摺動方向に沿って凸面状に形成されており、突出片504からみて下方に配置され、下ケース部材261b内側の摺動面に形成されたガイド溝(図示せず)上を摺動することにより、摺動案内部505とともに摺動部材500の摺動を案内する。
続いて、図21及び図22を参照して、第2の実施形態に係る主制御基板ユニットを構成する主制御基板ケース55の組み立て工程(特に、カバー部材400の取り付け)について説明する。図21は、主制御基板ユニットの模式断面図であって、摺動部材500が第1位置にある状態を示す図であり、より詳細には、図15〜図17に示すZ方向から見た場合の断面図を示す図である。図22は、主制御基板ユニットの模式断面図であって、摺動部材500が第2位置にある状態を示す図であり、図21と同一の方向から見た場合の断面図を示す図である。なお、図21及び図22において、縦線で囲まれた部分は上ケース部材261aの断面を示し、横線で囲まれた部分は下ケース部材261bの断面を示し、斜線で囲まれた部分はカバー部材400の断面を示し、黒色で塗りつぶされた部分は摺動部材500の断面を示している。また、図22において矢線は、摺動部材500が第1位置から第2位置に移動したことを表すものである。
第2の実施形態に係る主制御基板ユニットでは、まず、主制御基板71及び摺動部材500を収容した状態で、上ケース部材261aと下ケース部材261bとを嵌め合わせ、第3封印部265にケース間固定ネジ267を螺挿して、上ケース部材261aと下ケース部材261bとを固着し、次に、封印シール266を、少なくとも第3封印部265を覆うようにカバー部材400のカバー面の裏面側に貼り付ける。
次に、封印シール266が貼り付けられたカバー部材400をケース本体261に取り付ける。このとき、規制部402(402a,402b)が上ケース部材261aに係止し、カバー部材400の上方向への移動が一応規制されるものの、カバー部材400の弾性によって、カバー部材400は、ケース本体261に対して未だ着脱可能な状態となっている。
次に、摺動用ネジ404を、ネジ挿入孔311を介してネジ挿入孔311側のネジ螺挿部501に螺挿してネジ止めするとともに、摺動用ネジ405を、ネジ挿入孔312を介してネジ挿入孔312側のネジ螺挿部501に螺挿してネジ止めする。これにより、摺動部材500が第1位置から第2位置に移動し、下ケース部材261bと摺動部材500とが固定される。
ここで、上方に位置する上ケース部材261a内側の摺動面には、図15〜図17に示すZ方向(すなわち、X方向又はY方向から見た場合の横方向)にわたって、上ケース側凹部601(601a,601b)が設けられており、摺動部材500が第2位置に移動すると、係止部503aの斜面部分が上ケース側凹部601に入り込むとともに、上ケース側凹部601の角が係止部503aの鉛直面とリブとにより形成された内角に入り込むことで、係止部503aが上ケース側凹部601(601a,601b)に係止される。
また、下方に位置する下ケース部材261b内側の摺動面には、図15〜図17に示すZ方向(すなわち、X方向又はY方向から見た場合の横方向)にわたって、下ケース側凹部602(602a,602b)が設けられており、摺動部材500が第2位置に移動すると、係止部503cの斜面部分が下ケース側凹部602に入り込むとともに、下ケース側凹部602の角が係止部503cの鉛直面とリブとにより形成された内角に入り込むことで、係止部503cが下ケース側凹部602(602a,602b)に係止される。
また、図21及び図22においては図示を省略しているが、側方に位置する下ケース部材261b内側の摺動面には、図15〜図17に示すZ方向に対して鉛直方向(すなわち、X方向又はY方向から見た場合の縦方向)にわたって、下ケース側凹部が設けられており(以下、便宜上、X方向からみて左側方の摺動面に設けられる下ケース側凹部を下ケース側凹部603とし、X方向からみて右側方の摺動面に設けられる下ケース側凹部を下ケース側凹部604とする。)、摺動部材500が第2位置に移動すると、係止部503bの斜面部分が下ケース側凹部603に入り込むとともに、下ケース側凹部603の角が係止部503bの鉛直面とリブとにより形成された内角に入り込むことで、係止部503bが下ケース側凹部603に係止される。また、係止部503dの斜面部分が下ケース側凹部604に入り込むとともに、下ケース側凹部604の角が係止部503dの鉛直面とリブとにより形成された内角に入り込むことで、係止部503dが下ケース側凹部604に係止される。
すなわち、摺動部材500が第2位置に移動すると、係止部503a,503b,503c,503dの各々が、上ケース側凹部601、下ケース側凹部602、下ケース側凹部603及び下ケース側凹部604に係止されることとなり、摺動部材500が第2位置から移動不能となる。
なお、摺動部材500の側方に位置するのが上ケース部材261aであってもよく、この場合には、上ケース部材261a内側の摺動面に、下ケース側凹部603及び下ケース側凹部604(換言すれば、上ケース側凹部603及び上ケース側凹部604)を設けることとしてもよい。
また、係止部503a,503b,503c,503dの形状は上述したものに限られず、上ケース側凹部601、下ケース側凹部602、下ケース側凹部603及び下ケース側凹部604に対して、摺動部材500が第2位置から移動不能となるように係止される形状であればいずれの形状を採ることもできる。
また、上ケース側凹部601、下ケース側凹部602、下ケース側凹部603及び下ケース側凹部604に替えて、上ケース部材261a内側の摺動面に上ケース側凸部を設け、下ケース部材261b内側の摺動面の各々に下ケース側凸部を設けることとしてもよい。この場合には、係止部503a,503b,503c,503dの形状を、上ケース側凸部及び下ケース側凸部に対して、摺動部材500が第2位置から移動不能となるように係止される形状とすればよい。
また、図21及び図22においては、ネジ挿入孔311及び312が、各々下ケース部材261bの左側及び右側に設けられることとしているが、これに限られるものではない。例えば、ネジ挿入孔311及び312を、図21及び図22における下ケース部材261bの下側に設けることとしてもよい。この場合、ネジ挿入孔311及び312の位置に応じてネジ螺挿部501の配置を変更するとともに、摺動部材500の構成も適宜変更することとしてもよい。また、この場合、図21及び図22における上方側(すなわち、カバー部材400側)が摺動部材500の第1位置となり、図21及び図22における下方側(すなわち、ネジ挿入孔311及び312が設けられる側)が摺動部材500の第2位置となるように構成してもよい。
また、摺動部材500が第2位置に移動すると、突出片504が挿通部403に挿通され、カバー部材400と摺動部材500とが係合される。ここで、摺動部材500は、係止部503によって第2位置から移動不能となるように係止されているため、仮に、摺動用ネジ404又は405を緩めたとしても、カバー部材400と摺動部材500との係合は解除されないこととなる。
また、このとき、カバー部材400の規制部402(402a,402b)及び挿通部403(403a,403b)が設けられた面が、摺動部材500の突出片504が設けられた面によって外側(すなわち、規制部402a及び挿通部403aが設けられた側にあってはY方向、規制部402b及び挿通部403bが設けられた側にあってはX方向)に付勢される。このため、規制部402(402a,402b)が上ケース部材261aに完全に係止し、カバー部材400の上方向への移動が規制される。
したがって、その後にケース本体261を開放しようとする場合には、貫通孔401から封印シール266の一部を破ってケース間固定ネジ267を取り、上ケース部材261aをカバー部材400ごと下ケース部材261bから分離させる必要があることから、ケース本体261を開放しようとすれば、封印シール266の破れによりその痕跡が確実に残ることとなる。
このように、第2の実施形態に係る基板ケースによれば、摺動用ネジ404及び405を螺挿するだけで、カバー部材400をケース本体261に固定することができるため、封印シール266を覆うカバー部材400を設ける場合であっても、その組み立てを容易に行うことができる。
また、第2の実施形態に係る基板ケースによれば、摺動用ネジ404及び405が螺挿されると、摺動部材500が第1位置から第2位置に移動した後、第2位置から移動不能となる。その結果、カバー部材400の取り外しが極めて困難となるため、封印シール266へのアクセスをより困難とすることができる。
また、第2の実施形態に係る基板ケースによれば、摺動部材500が第2位置に移動すると、それに伴って突出片504が挿通部403に挿通され、カバー部材400と摺動部材500とが係合される。したがって、簡易な構成でカバー部材400の取り外し(移動)を規制することができる。
また、第2の実施形態に係る基板ケースによれば、少なくとも摺動部材500が第2位置にあるとき、規制部402によっても、カバー部材400の取り外し(移動)が規制される。したがって、より強固にカバー部材400の取り外し(移動)を規制することができる。
また、第2の実施形態に係る基板ケースによれば、摺動部材500が第2位置に移動すると、貫通孔401を介さずして第3封印部265にアクセスすることが極めて困難となる。したがって、封印シール266の破れによりその痕跡が確実に残ることとなるため、第3封印部265にアクセスされたとしてもそれを容易に発見することができる。
以上、本実施形態に係る遊技機、並びにこの遊技機が備える本実施形態の第1の実施形態及び第2の実施形態に係る基板ケースについて説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、組み合わせ、置き換え、変更を行うことができる。
例えば、本実施形態においては、遊技機としてパチスロ機1を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、遊技機としてパチンコ機を採用することとしてもよい。パチンコ機は、枠体に遊技盤が取り付けられるとともに、その前面側には透過性を有する素材で形成された前面ドアが開閉自在に取り付けられている。これらは遊技機の外装体であるから、本実施形態に係る主制御基板ケース55をその内部に配置させることとすればよい。一例として、本実施形態に係る主制御基板ケース55を遊技盤の裏面側(すなわち、遊技盤における前面ドアの反対側)に取り付けることとすればよい。
また、例えば、本実施形態においては、主制御基板ケース55がミドルドア41に取り付けられることとしているが、これに限られるものではなく、主制御基板ケース55がキャビネット2aの内部に取り付けられることとしてもよい。この場合、キャビネット側スピーカ42の位置に主制御基板ケース55を取り付けることとしてもよいし、キャビネット2a内に棚板が設けられる場合には、その棚板の上側又は下側に取り付けられることとしてもよい。
また、例えば、本実施形態においては、封印シール266にインレット部を形成することとしているが、これに限られるものではなく、封印シール266にコード部(例えば、バーコード部や二次元コード部)を形成することとしてもよい。この場合、貼り付けられた封印シール266が、真正のシールであるか否かを外部機器(例えば、バーコードリーダー、二次元コードリーダー、あるいはそれらの機能を有する携帯機)によって判定することが可能となるようにすればよい。また、インレット部やコード部が形成されないシールを封印シール266として採用することとしてもよい。このようなシールであっても、破られた痕跡を確実に残すことができるという点において、目的は達成しうる。もっとも、安易に複製ができないように適切なコピーガード処理(例えば、ホログラム印刷)が施されたシールであることが望ましい。
また、例えば、第1の実施形態に係る基板ケースにおいては、さらに、上ケース側ピン挿入孔301内及び下ケース側ピン挿入孔302内を被覆するキャップを備えることとし、より第1固定ピン307及び第2固定ピン308へのアクセスが困難となるようにしてもよい。
また、例えば、第1の実施形態に係る基板ケースにおいては、さらに、第1固定ピン307及び第2固定ピン308が、その挿入方向側の先端、あるいは周面に抜け止め防止機構を備えることとし、第1固定ピン307及び第2固定ピン308をケース本体261内から取り出すことがより困難となるようにしてもよい。
また、例えば、第1の実施形態に係る基板ケースにおいては、さらに、第1固定ピン307及び第2固定ピン308がケース本体261内に挿入される場合に、その周面に接着剤あるいは溶剤を塗布しておき、第1固定ピン307及び第2固定ピン308がケース本体261内に挿入されると、接着あるいは溶着するように構成することにより、第1固定ピン307及び第2固定ピン308をケース本体261内から取り出すことがより困難となるようにしてもよい。
また、例えば、第1の実施形態に係る基板ケースにおいては、さらに、第1固定ピン307及び第2固定ピン308の断面径を、上ケース側ピン挿入孔301及び下ケース側ピン挿入孔302(あるいは、第1固定ピン307及び第2固定ピン308が留置されるケース本体261内のスペース)の断面径よりも若干大きくしておき、第1固定ピン307及び第2固定ピン308をケース本体261内に圧入させることで、上ケース部材261aとカバー部材262、下ケース部材261bとカバー部材262の各々が固定されるように構成することとしてもよい。
また、例えば、第1の実施形態に係る基板ケースにおいては、第1固定ピン307及び第2固定ピン308に替えて、ネジ(例えば、摺動用ネジ404,405と同様のネジ)を上ケース側ピン挿入孔301内及び下ケース側ピン挿入孔302内に螺挿して、上ケース部材261aとカバー部材262、下ケース部材261bとカバー部材262の各々が固定されるように構成することとしてもよい。
また、例えば、第2の実施形態に係る基板ケースにおいては、さらに、ネジ挿入孔311及び312を被覆するキャップを備えることとし、ネジ挿入孔311及び312へのアクセス自体が困難となるようにしてもよい。
また、例えば、第2の実施形態に係る基板ケースにおいては、摺動用ネジ404,405に替えて、ピン(例えば、第1固定ピン307及び第2固定ピン308と同様のピン)をネジ螺挿部501に挿入して、下ケース部材261bと摺動部材500とが固定されるように構成することとしてもよい。この場合、少なくとも摺動部材500における係止部503及び突出片504が、ピンが挿入されるにしたがって上述した第2位置に対応する位置に移動するように、摺動部材500を形成することとすればよい。