本発明の一実施形態を示す遊技機であるパチスロについて、図1〜図30を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、遊技機の実施の形態に係る機能フローについて説明する。
本実施の形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が担う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定時間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4コマ分に定め、規定時間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1コマ分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、例えば、第2種特別役物であるチャレンジボーナス(CB)及びCBを連続して作動させるミドルボーナス(MB)の動作時には、1つ以上のリールに対して、規定時間75msec(図柄1コマ分)内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。さらに、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞判定手段により入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れが1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置などの表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態におけるパチスロの構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
図2に示すように、パチスロ1は、外装体2を備えている。外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。
キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている(図2では一側面の把手7のみを示す)。この把手7は、パチスロ1を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bは、ドア本体9と、フロントパネル10と、表示装置の一具体例を示す液晶表示装置11とを備えている。ドア本体9は、ヒンジ200(図3参照)を用いてキャビネット2aに開閉可能に取り付けられている。ヒンジ200は、パチスロ1の前方からドア本体9を見た場合に、ドア本体9における左側の端部に設けられている。
液晶表示装置11は、ドア本体9の上部に取り付けられており、映像の表示による演出を実行する。この液晶表示装置11は、3つのリール3L,3C,3Rに描かれた図柄を表示する表示窓4を含む表示部(表示画面)11aを備える。本実施形態では、表示窓4を含む表示部11aの全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
表示窓4は、例えばアクリル板等の透明な部材で形成されている。この表示窓4は、正面(遊技者側)から見て、3つのリールの配置領域と重畳する位置に設けられ、かつ、3つのリールより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。したがって、遊技者は、表示窓4を介して、表示窓4の背後に設けられた3つのリールを視認することができる。
本実施形態では、表示窓4は、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、各リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できる大きさに設定されている。すなわち、表示窓4の枠内には、リール毎に上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄が表示される。そして、本実施形態では、左リール3Lの中段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの中段領域を結ぶラインを、入賞か否かの判定を行う入賞判定ラインとして定義する。
フロントパネル10は、ドア本体9の上部に取り付けられており、液晶表示装置11を覆う大きさに設定されている。このフロントパネル10は、液晶表示装置11の表示部11a側に重畳して配置され、液晶表示装置11の表示部11aを露出させる3つのパネル開口101a,101b,101cを有する装飾枠101と、装飾枠101のパネル開口101a,101b,101cを塞ぐ保護カバー102a,102b,102cとを有している。
装飾枠101は、パネル開口101aとパネル開口101bとを区画する仕切り片112と、パネル開口101bとパネル開口101cとを区画する仕切り片113とを有している。3つのパネル開口101a,101b,101cは、仕切り片112,113によって上下方向に並ぶように区画されている。装飾枠101のパネル開口101a,101cは、液晶表示装置11の表示部11aを露出させる。また、装飾枠101のパネル開口101bは、液晶表示装置11の表示部11a及び3つのリール3L,3C,3Rを露出させる。
装飾枠101には、ランプ群22が設けられている。ランプ群22は、例えば、図2中のランプ22a,22bを含む。このランプ群22は、LED(Light Emitting Diode)等で構成され、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。
保護カバー102aは、装飾枠101のパネル開口101aを塞ぐ。また、保護カバー102bは、装飾枠101のパネル開口101bを塞ぎ、保護カバー102cは、パネル開口101cを塞ぐ。これら保護カバー102a,102b,102cは、例えば、透明の合成樹脂によって板状に形成されている。したがって、遊技者は、液晶表示装置11を、保護カバー102a,102cを介して視認することができ、表示窓4の背後に設けられた3つのリールを、保護カバー102bを介して視認することができる。
さらに、装飾枠101には、第1のスピーカ用孔20L、20Rが設けられている。第1のスピーカ用孔20L、20Rは、演出内容に対応する効果音や音を出力するために設けられている。
ドア本体9の中央には、台座部12が形成されている。この台座部12には、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口13、MAXベットボタン14、1BETボタン15、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17R)が設けられている。
メダル投入口13は、遊技者によって外部からパチスロ1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口13から受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、所定枚数を超えた分は、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
MAXベットボタン14及び1BETボタン15は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。なお、図2には示さないが、台座部12には、精算ボタンが設けられる。この精算ボタンは、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。なお、MAXベットボタン14の詳細な構成は、後述する。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。ストップボタン17L,17C,17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
また、図2には示さないが、台座部12には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器6(図5参照)が設けられている。この7セグ表示器6は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
ドア本体9の下部には、メダル払出口18、メダル受皿19、第2のスピーカ用孔21L,21R等が設けられている。メダル払出口18は、後述のメダル払出装置34の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿19は、メダル払出口18から排出されたメダルを貯める。また、スピーカ用孔21L,21Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力するために設けられている。
[内部構造]
次に、パチスロ1の内部構造を、図3及び図4を参照しながら説明する。
図3は、パチスロ1の内部構造を示す斜視図である。この図3では、フロントドア2bが開放され、フロントドア2bの裏面側の構造及びキャビネット2aの内部構造が示されている。図4は、フロントドア2bの裏面側を示す正面図である。
図3に示すように、キャビネット2aは、正面側の一面が開口された略直方体状に形成されている。このキャビネット2a内の上部には、後述の主制御回路71(図6参照)を構成する主制御基板31(図5参照)が設けられている。主制御回路71は、内部当籤役の決定、リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定等の、パチスロ1における遊技の主な動作及び該動作間の流れを制御する回路である。なお、主制御回路71の具体的な構成は後述する。
キャビネット2aの内部の中央には、3つのリール3L,3C,3Rが設けられている。3つのリール3L,3C,3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
キャビネット2a内部を正面から見て、右リール3Rの右側には、設定用鍵型スイッチ32と、外部集中端子板33(図5参照)が配設されている。設定用鍵型スイッチ32は、パチスロ1の設定を変更もしくは確認を行うときに使用する。
外部集中端子板33は、キャビネット2aの側板に取り付けられている。この外部集中端子板33は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティー信号などの信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられている。
キャビネット2aの内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置(以下、ホッパー装置)34が設けられている。このホッパー装置34は、貯留されたメダルが例えば50枚を超えたとき、又は精算ボタンが押圧されてメダルの精算を行うときに、メダルを払い出す。ホッパー装置34によって払い出されたメダルは、メダル払出口18(図2参照)から排出される。
キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置34の右側には、ホッパー装置34から溢れ出たメダルを収納するメダル補助庫35が配設されている。また、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置34の左側には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置36が設けられている。この電源装置36は、電源スイッチ36aと、電源基板36b(図5参照)を有している。
また、ホッパー装置34と3つのリール3L,3C,3Rとの間には、サブスピーカ37が配設されている。
図3及び図4に示すように、フロントドア2bの裏面における上側には、副制御基板41(図5参照)を収容する副制御基板ケース42が配設されている。副制御基板41は、副制御基板ケース42を介してキャビネット2aの内部の主制御基板に対向している。そして、副制御基板41は、副制御回路81(図7参照)を構成する。副制御回路81は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路81の具体的な構成は後述する。
フロントドア2bを裏面側から見て、副制御基板ケース42の右側方には、副中継基板43(図5参照)における電子部品が実装される基板平面の一面を覆う副中継基板カバー121が配設されている。また、副中継基板カバー121の詳細な構成は、後述する。
副中継基板43は、副制御基板41と、この副制御基板41の周辺に配設された基板との配線を中継する基板である。なお、副制御基板41の周辺に配設される基板としては、後述するLED基板45A,45B,45CやサウンドI/O基板46が挙げられる。副中継基板には、光ケーブルが挿入される光コネクタ43cが設けられている(図9参照)。そして、副中継基板43は、各種の基板と、光ケーブルを介して接続される。
LED基板45Aは、フロントドア2bの裏面側から見て、副制御基板ケース42の上方に配設されている。また、LED基板45Bは、フロントドア2bの裏面側から見て、副制御基板ケース42の左側方に配設されており、LED基板45Cは、副中継基板43の右側方に配設されている。これらLED基板45A,45B,45Cは、副制御回路81(図7参照)の制御により実行される演出に応じて、点滅パターンを表示する。
サウンドI/O基板46は、フロントドア2bの裏面における中央(表示窓4L,4C,4Rの下側)に配設されている。このサウンドI/O基板46は、後述するスピーカ48L,48R,49L,49Rへの音声の出力を行う。サウンドI/O基板46の下側には、遊技動作表示基板47が配設されている。
サウンドI/O基板46及び遊技動作表示基板47の左側及び右側には、上部スピーカ48L,48Rが配設されている。そして、フロントドア2bの裏面における下側には、下部スピーカ49L,49Rが配設されている。上部スピーカ48L,48Rは、それぞれ第1のスピーカ用孔20L,20Rに対向しており、下部スピーカ49L,49Rは、それぞれ第2のスピーカ用孔21L,21Rに対向している。
上部スピーカ48Rと下部スピーカ49Rとの間には、セレクタ51と、ドア開閉監視スイッチ52が配設されている。セレクタ51は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口13に受け入れられた適正なメダルをホッパー装置34へ案内する。セレクタ51内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(不図示)が設けられている。
ドア開閉監視スイッチ52は、フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ51の左側に配置されている。このドア開閉監視スイッチ52は、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。
フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ51の右側には、ドア中継基板53(図19参照)を収容するドア中継基板ケース151が配設されている。このドア中継基板53は、主制御基板31(図5参照)と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板41(図5参照)、遊技動作表示基板47及びセレクタ51との配線を中継する基板である。そして、このドア中継基板53は、光ケーブル、接続コネクタや各種配線(ハーネス)を介して各種の基板と接続される。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、MAXベットボタン14、ドア開閉監視スイッチ52、後述するBETスイッチ55及びスタートスイッチ57等を挙げることができる。また、ドア中継基板ケース151の詳細な構成は、後述する。
ドア中継基板ケース151の下側には、24hドア開閉監視ユニット54が配設されている。この24hドア開閉監視ユニット54は、フロントドア2bの開閉の履歴を保存する。また、フロントドア2bを開放したとき、又はセレクタ51を取り外したときに、液晶表示装置11にエラー表示を行うための信号を副制御基板41(副制御回路81)に出力する。
また、図4に示すように、フロントドア2bの裏面には、各種のハーネス(配線)を束ねて保持する複数のハーネスフック181が設けられている。このハーネスフック181は、ドア本体9を構成するベース部材9aと一体に成型されている。さらに、ドア中継基板ケース151とサウンドI/O基板46の間で、かつストップボタン17L,17C,17R(図2参照)と対向する位置に配置されたハーネスフックユニット180(図14参照)は、ハーネスフックカバー190によって覆われている。なお、ハーネスフック181及びハーネスフックカバー190の詳細な構成は、後述する。
<パチスロが備える制御系>
次に、パチスロ1が備える制御系について、図5を参照して説明する。
図5は、パチスロ1の制御系を示すブロック図である。
パチスロ1は、キャビネット2aに配設された主制御基板31と、フロントドア2bに配設された副制御基板41を有している。
主制御基板31には、設定用鍵型スイッチ32と、外部集中端子板33と、ホッパー装置34と、リール中継端子板38と、電源装置36の電源基板36bと、メダル補助庫スイッチ39が接続されている。設定用鍵型スイッチ32、外部集中端子板33及びホッパー装置34については、上述したため、説明を省略する。
電源装置36の電源基板36bには、電源スイッチ36aと電源プラグ36cが接続されている。電源プラグ36cと、この電源プラグ36cと電源基板36bを接続するコードは、キャビネット2aの背面部に設けられた貫通孔(不図示)から引き出される。そして、電源プラグ36cは、パチスロ1の外部に設けられた電源コンセントの差し込み口に差し込まれる。
リール中継端子板38は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板38は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板31からステッピングモータに出力される信号を中継する。
メダル補助庫スイッチ39は、メダル補助庫35に設けられている。このメダル補助庫スイッチ39は、メダル補助庫35がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
また、主制御基板31には、ドア中継基板53を介して、セレクタ51、ドア開閉監視スイッチ52、遊技動作表示基板47、BETスイッチ55、精算スイッチ56、スタートスイッチ57、ストップスイッチ基板58及び副中継基板43が接続されている。セレクタ51、ドア開閉監視スイッチ52及び遊技動作表示基板47については、上述したため、説明を省略する。
BETスイッチ55は、MAXベットボタン14又は1BETボタン15が遊技者により押されたことを検出する。精算スイッチ56は、精算ボタンが遊技者により押されたことを検出する。スタートスイッチ57は、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板58は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板58には、ストップスイッチが設けられている。このストップスイッチは、各ストップボタン17L,17C,17Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板47には、7セグ表示器6とLED59が接続されている。遊技動作表示基板47は、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器6に表示させる。LED59は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板41は、ドア中継基板53と副中継基板43を介して主制御基板31に接続されている。この副制御基板41には、副中継基板43を介して、LED基板45A,45B,45C、サウンドI/O基板46、24hドア開閉監視ユニット54が接続されている。これらLED基板45A,45B,45C、サウンドI/O基板46及び24hドア開閉監視ユニット54については、上述したため、説明を省略する。
また、副制御基板41には、ロムカートリッジ基板61と、液晶中継基板62が接続されている。これらロムカートリッジ基板61及び液晶中継基板62は、副制御基板41と共に副制御基板ケース42に収容されている。
ロムカートリッジ基板61は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板45A,45B,45C及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板62は、副制御基板41と液晶表示装置11との配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板31により構成される主制御回路71について、図6を参照して説明する。
図6は、パチスロ1の主制御回路71の構成例を示すブロック図である。
主制御回路71は、主制御基板31上に設置されたマイクロコンピュータ72を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ72は、メインCPU73、メインROM74及びメインRAM75により構成される。
メインROM74には、メインCPU73により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路81に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM75には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU73には、クロックパルス発生回路76、分周器77、乱数発生器78及びサンプリング回路79が接続されている。クロックパルス発生回路76及び分周器77は、クロックパルスを発生する。メインCPU73は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器78は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路79は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU73は、リールインデックスを検出してから各リール3L,3C,3Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU73は、各リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
ここで、各リール3L,3C,3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM75に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM75に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L,3C,3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L,3C,3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
上述したように、本実施の形態では、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、左ストップボタン17Lが押されたときに左表示窓4Lの中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、左表示窓4Lの中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板41により構成される副制御回路81について、図7を参照して説明する。
図7は、パチスロ1の副制御回路81の構成例を示すブロック図である。
副制御回路81は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路81は、基本的に、サブCPU82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ86を含んで構成されている。
サブCPU82は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板61に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板61は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU82が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路71との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11(図5参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ群22による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ48L,48R,49L,49Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU82、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM(フレームバッファを含む)85及びドライバ86は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置11に表示させる。
また、サブCPU82は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ48L,48R,49L,49Rにより出力させる。また、サブCPU82は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ群22の点灯及び消灯を制御する。
<副中継基板及び副中継基板カバーの構成>
次に、副中継基板43及び副中継基板カバー121の構成について、図8〜図13を参照して説明する。
図8は、副中継基板カバー121を外した状態を示す斜視図、図9は、副中継基板カバー121を取り付けた状態を示す斜視図、図10は、副中継基板カバー121を示す斜視図である。図11は、副制御基板ケース42及び副中継基板カバー121を示す断面図、図12及び図13は、副中継基板43及び副中継基板カバー121を示す断面図である。
図8に示すように、副中継基板43には、副制御基板接続コネクタ43aと、音量スイッチ43bと、光ケーブルが接続される光コネクタ43cと、不図示のコネクタとが設けられている。副制御基板接続コネクタ43aは、副中継基板43における一側、すなわち副制御基板ケース42側に配置され、不図示のコネクタは、副中継基板43における他側、すなわちLED基板45B側に配置されている。そして、副中継基板43と副制御基板41(図5参照)は、副制御基板接続コネクタ43aを介して接続される。また、副制御基板41は、副中継基板43の一面と略平行にスライドさせて接続される。なお、図13に示すように、副中継基板43は、ドア本体9を構成するベース部材9aに載置されて、ヒンジ200の近傍に配置される。
さらに、音量スイッチ43bと光コネクタ43cは、副中継基板43における副制御基板接続コネクタ43aと不図示のコネクタの間に配置されている。光コネクタ43cの接続向きは、副中継基板43の基板平面に対して略垂直な方向に向いている。そのため、本例では、光ケーブルは、副中継基板43の基板平面に対して略垂直な方向から接続される。
また、副中継基板43における光コネクタ43c及び音量スイッチ43b側の一面は、副中継基板ケース131によって覆われている。副中継基板ケース131には、音量スイッチ43bを外部に露出させるスイッチ開口部132と、光コネクタ43cを外部に露出させるコネクタ開口部133とが設けられている。コネクタ開口部133は、略四角形状に開口している。そして、コネクタ開口部133を形成する4辺のうちスイッチ開口部132から一番離れた一辺には、カバー片133a(図12参照)が形成されている。カバー片133aは、副中継基板ケース131の平面から副中継基板43と離反する方向に突出している。また、副中継基板ケース131は、固定用ボス孔134と、封印キャップ146(図9参照)が圧入されるキャップ圧入孔135とを有している。
さらに、副中継基板43の他側には、副中継基板ケース131におけるLED基板45B側の開口を塞ぐようにして、副中継基板シート141が配置されている。副中継基板シート141は、略長方形をなす平面部141aと、平面部141aの短手方向の一側から略垂直に連続する側面部141bと、平面部141aの長手方向の一側から略垂直に連続する上面部141cとを有している。平面部141aには、副中継基板シート141を配置した際に、光コネクタ43cと対応する位置に切り欠き141dが形成されている。副中継基板シート141を配置した際に、上面部141cは、副中継基板43と副中継基板ケース131におけるヒンジ200側の隙間、及び副中継基板43とベース部材9aにおけるヒンジ200側の一部を覆う。
また、図9に示すように、副中継基板シート141の平面部141aの一部と、副中継基板ケース131を覆うようにして、副中継基板カバー121が副中継基板ケース131に取り付けられている。図9及び図10に示すように、副中継基板カバー121は、主面部122と、接続カバー面部123と、コネクタガイド部124と、段差面部125と、側壁部126と、3つのカバー片127a,127b,127cとを有している。
主面部122は、略長方形に形成されており、副中継基板ケース131及び副中継基板シート141の平面部141aの一部を覆う。主面部122における短手方向の一側には、主面部122から所定の段差をもって連続する接続カバー面部123が設けられている。接続カバー面部123は、主面部122と略平行をなして形成されている。
図9及び図11に示すように、副中継基板カバー121を副中継基板ケース131に取り付けた際、接続カバー面部123は、副制御基板41と副中継基板43とを接続する副制御基板接続コネクタ43aに対向して配置される。そして、接続カバー面部123は、副制御基板41と副中継基板43との隙間を覆う。これにより、特殊な器具やワイヤが、副制御基板41と副中継基板43との隙間や、副制御基板接続コネクタ43aへ侵入することを防ぐことができ、不正行為を防止することが可能となる。
また、図9及び図10に示すように、コネクタガイド部124は、主面部122における長手方向の一側で、かつ短手方向の他側に配置されている。コネクタガイド部124は、中空の縦長のドーム状に形成されている。そして、コネクタガイド部124は、主面部122から接続カバー面部123と反対方向に向けて膨出している。
また、コネクタガイド部124は、第1のガイド面124aと、第1のガイド面124aに連続する第2のガイド面124bと、第2のガイド面124bに連続する第3のガイド面124cと、2つの対向面124e、124fとを有している。第2のガイド面124bは、湾曲しており、第1のガイド面124aと第3のガイド面124cは対向している。また、第1の対向面124eは、第1のガイド面124a、第2のガイド面124b及び第3のガイド面124cに略垂直に連続している。そして、第2の対向面124fは、第1の対向面124eと対向し、第1のガイド面124a、第2のガイド面124b及び第3のガイド面124cに略垂直に連続している。さらに、第2の対向面124fには、第1の対向面124e側へ凹んだ窪み部124gが形成されている。
また、第3のガイド面124cにおける第2のガイド面124bと反対側の端部には、挿通部124dが形成されている。挿通部124dは、第3のガイド面124cにおける第2のガイド面124bと反対側の端部を略U字状に切り欠くことで形成さていれる。さらに、第3のガイド面124cと挿通部124dとの間には、突部124hが形成されている。突部124hは、第3のガイド面124cから第1のガイド面124aと反対方向に向けて突出している。
また、図8及び図9に示すように、コネクタガイド部124は、副中継基板カバー121を副中継基板ケース131に取り付けた際に、副中継基板43における光コネクタ43cと対向する位置に配置される。そして、コネクタガイド部124は、副中継基板43における光コネクタ43c及び光コネクタ43cに接続された光ケーブルを覆う。
また、図10に示すように、第1のガイド面124aは、光コネクタ43cに接続された光ケーブルL1を、副中継基板43の基板平面に対して略垂直な方向に向けて略直線状にガイドする。第2のガイド面124bは、光ケーブルL1を緩やかに湾曲させてガイドする。そして、第3のガイド面124cは、第2のガイド面124bでガイドされた光ケーブルL1を、第1のガイド面124aと同様に、副中継基板43の基板平面に対して略垂直な方向に略直線状にガイドする。さらに、挿通部124dには、第1のガイド面124a、第2のガイド面124b及び第3のガイド面124cによってガイドされた光ケーブルL1が挿通する。光ケーブルL1は、第3のガイド面124cにおける第1のガイド面124aと対向する一面側から反対側の他面側に引き出される。これにより、光コネクタ43c(図8参照)に接続された光ケーブルL1は、図11に示すように、副中継基板カバー121から副中継基板シート141によって覆われた領域に引き出される。
また、3つのカバー片127a,127b,127cは、コネクタガイド部124に連続して形成されている。第1のカバー片127aは、第1のガイド面124aに連続し、第2のカバー片127bは、第1の対向面124eに連続し、第3のカバー片127cは、第2の対向面124fに連続している。そして、3つのカバー片127aは、主面部122から略垂直にコネクタガイド部124と反対方向に向けて突出している。また、3つのカバー片127a,127b,127cは、略コの字状に形成されている。
図12に示すように、副中継基板カバー121を副中継基板ケース131に取り付けた際に、3つのカバー片127a,127b,127cは、副中継基板ケース131のコネクタ開口部133におけるカバー片133aを設けた一辺を除く残りの3辺に配置される。これにより、副中継基板43の光コネクタ43cは、副中継基板ケース131のカバー片133aと、副中継基板カバー121の3つのカバー片127a(図10参照),127b,127cによって光ケーブルとの接続方向を除くその他の面が囲まれる。
光コネクタ43cは、コネクタガイド部124によって覆われる。これにより、特殊な器具やワイヤが光コネクタ43cへ侵入することを防ぐことができ、不正行為を防止することが可能となる。また、光ケーブルL1を伝って光コネクタ43cへ侵入するためには、湾曲した第2のガイド面124bを通る必要がある。そのため、器具やワイヤが光ケーブルL1の接続部まで到達することを困難にすることができ、より確実に不正行為を防止することができる。
また、光コネクタ43cは、コネクタガイド部124だけでなく、副中継基板ケース131のカバー片133aと、副中継基板カバー121の3つのカバー片127a,127b,127cによって周囲が囲まれる。そのため、副中継基板シート141と副中継基板カバー121の隙間から器具やワイヤを挿入しても、副中継基板ケース131のカバー片133aと、副中継基板カバー121の3つのカバー片127a,127b,127cに当接する。これにより、光コネクタ43cへの侵入をより確実に防ぐことができ、不正行為を防止することができる。
さらに、光ケーブルL1を通す挿通部124dは、副中継基板シート141によって覆われた領域内に配置される。また、挿通部124dの近傍には、突部124hを設けている。そのため、器具やワイヤは、副中継基板シート141や突部124hに当接する。したがって、不正行為を行うための器具やワイヤを挿通部124dから副中継基板カバー121内へ侵入させることも困難なものとなっており、より確実に不正行為を防止することができる。
また、図8及び図10に示すように、コネクタガイド部124における窪み部124gには、封印キャップ146(図9参照)が装着されるキャップ装着部128が設けられている。また、封印キャップ146(図9参照)の内側には、副中継基板カバー121を副中継基板ケース131に固定するための固定用ねじ(不図示)が配置される。そのため、封印キャップ146(図9参照)を破壊しない限り、固定用ねじに工具が到達できないようにしている。従って、封印キャップ146を破壊して固定用ねじを外し、副中継基板ケース121を取り外すと、その痕跡が残る。
さらに、接続カバー面部123とコネクタガイド部124の間には、段差面部125が設けられている。段差面部125は、接続カバー面部123から所定の段差をもって略平行に連続して形成されている。この段差面部125には、カバー側スイッチ開口部125aが設けられている。図9に示すように、副中継基板カバー121を副中継基板ケース131に固定した際に、カバー側スイッチ開口部125aからは、音量スイッチ43bが外部に露出する。
また、図8及び図10に示すように、コネクタガイド部124及び段差面部125における主面部122と反対側の端部からは、側壁部126が連続して形成されている。側壁部126は、コネクタガイド部124の突出方向と反対方向に向けて段差面部125から略垂直に連続している。図9、図12及び図13に示すように、側壁部126は、副中継基板43、副中継基板ケース131及びベース部材9aと、ヒンジ200の間に配置される。側壁部126は、副中継基板43と副中継基板ケース131におけるヒンジ200側の隙間、及び副中継基板43とベース部材9aにおけるヒンジ200側の隙間の残りを全て覆う。これにより、この隙間から、副中継基板43に器具やワイヤが侵入されることを防ぐことができる。
さらに、側壁部126には、ヒンジ200側に向けて突出するリブ126aが設けられている。リブ126aは、ヒンジ200と副制御基板ケース42及び副中継基板ケース131との間の隙間を埋めている。そのため、フロントドア2bのヒンジ200の隙間から器具やワイヤ等を挿入させても、側壁部126や、側壁部126のリブ126aに当接する。これにより、フロントドア2bのヒンジ200の隙間を用いて行われる不正行為を防ぐことができる。
また、図8に示すように、副中継基板カバー121は、複数の固定用ボス孔129を有している。そして、副中継基板カバー121の固定用ボス孔129及び副中継基板ケース131の固定用ボス孔134に固定用ねじ145を螺合する。これにより、副中継基板カバー121は、固定用ねじ145によって副中継基板ケース131に締結固定される。
なお、本例では、副中継基板カバー121が、副中継基板43における基板平面の一面を覆った例を説明したが、これに限定されるものではない。副中継基板カバー121は、副中継基板43の電子部品が実装される基板平面の一面だけでなく、副中継基板43の側方も覆い、副中継基板43を収容するように構成してもよい。
<ハーネスフックカバー及びハーネスフックユニットの構成>
次に、図14〜図17を参照して、ハーネスフックカバー190及びハーネスフックユニット180の構成について説明する。
図14は、ハーネスフックカバー190を外した状態を示す斜視図、図15は、ハーネスフックユニット180を示す分解斜視図、図16は、ハーネスフックユニット180を示す斜視図、である。図17は、ハーネスフックカバー190を示す斜視図である。
図14に示すように、ハーネスフックカバー190には、2つのハーネスフックユニット180,180が設けられている。上述したように、2つのハーネスフックユニット180,180は、ストップボタン17L,17C,17R(図2参照)と対向する位置に配置されている。ここで、ストップボタン17L,17C,17R等の遊技者の操作対象となる各種装置(MAXベットボタン14、1BETボタン15、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17R)は、不正行為を行うために外部から特殊な器具やワイヤが侵入されやすい箇所である。
図15に示すように、ハーネスフックユニット180は、ハーネスフック181と、穴埋め部材182とを有している。上述したように、ハーネスフック181は、ドア本体9を構成するベース部材9aと一体に成型されている。そのため、ベース部材9aにおけるハーネスフック181が設けられた箇所には、略四角形状に開口した成型孔183が形成される。
ハーネスフック181は、一対の係止爪184,184を有している。一対の係止爪184,184は、互いに対向して設けられている。係止爪184は、ベース部材9aから略垂直に立設する脚部184aと、脚部184aの先端部から略垂直に連続する爪部184bと、からなる。一対の係止爪184,184の脚部184aの間には、成型孔183が形成される。爪部184bは、対向する係止爪184の爪部184bに接近するようにして脚部184aから略垂直に屈曲している。これにより、ハーネスフック181は、一対の係止爪184,184のそれぞれの脚部184a,184a及び爪部184b,184bによって、一対の係止爪184,184が対向する方向と直交し、かつベース部材9aの平面と略平行をなす方向に開口188が形成される。そして、一対の係止爪184,184の間には、破線で示すハーネスH1が束ねられた状態で取り付けられる。
穴埋め部材182は、互いに対向する一対の対向片185,185と、一対の対向片185,185を接続する略長方形状の接続片186と、からなる。接続片186は、成型孔183の開口面積よりも大きく形成されている。また、接続片186における短手方向の長さは、ハーネスフック181における一対の係止爪184,184の脚部184a,184aの間隔と略等しく、あるいは若干大きく設定されている。接続片186における短手方向の両端からは、一対の対向片185、185が略垂直に設けられている。これにより、一対の対向片185,185の間には、所定の間隔が形成されている。
一対の対向片185には、互いに対向する面と反対側の一面に2つの係止突起185a,185aがそれぞれ設けられている。2つの係止突起185a,185aは、係止爪184における脚部184aの幅方向の長さと略等しい間隔を開けて対向片185の一面に形成されている。また、係止突起185aは、断面形状が略台形状に形成されている。図16に示すように、この一対の係止突起185a,185aには、係止爪184の脚部184aが係止される。
また、図15に示すように、対向片185における接続片186と反対側の一端部には、係止凹部185bが形成されている。係止凹部185bは、対向片185の一端部から接続片186に向けて所定の長さで凹んでいる。図16に示すように、この係止凹部185bには、係止爪184の爪部184bが係止される。
図15に示すように、上述した構成を有する穴埋め部材182は、ハーネスH1が延在する方向に沿って、ハーネスフック181の開口188から一対の係止爪184,184の間に嵌め込まれる。このとき、係止爪184の脚部184aが係止突起185aを乗り越える際に、係止爪184が弾性変形する。そして、さらに穴埋め部材182を挿入すると、図16に示すように、一対の係止突起185a,185aの間に、係止爪184の脚部184aが係止されると共に、係止凹部185bに係止爪184の爪部184bが係止される。これにより、穴埋め部材182がハーネスフック181に取り付けられ、穴埋め部材182における一対の対向片185,185の間にハーネスH1が挿通する。
また、一対の係止爪184,184の間に形成された成型孔183は、穴埋め部材182の接続片186によって塞がれる。これにより、ハーネスフック181の成型孔183から不正を行うための器具やワイヤが侵入することを防ぐことができ、不正行為を防止することができる。
さらに、穴埋め部材182をハーネスH1が延在する方向に沿って一対の係止爪184,184の間に挿入することで、ハーネスH1をハーネスフック181に取り付けた状態で、穴埋め部材182をハーネスフック181に取り付けることができる。これにより、ハーネスH1を傷つけることなく、ハーネスフック181と穴埋め部材182によってハーネスH1をより確実に保持することができる。
また、図17に示すように、ハーネスフックカバー190は、略長方形状の第1面部190aと、第1面部190aの短手方向の一端から略垂直に連続する第2面部190bと、第1面部190aの短手方向の他端から略垂直に連続する第3面部190cと、を有している。また、ハーネスフックカバー190は、2つのハーネスフックユニット180を覆う2つのカバー部191,191を有している。2つのカバー部191,191は、第1面部190aの長手方向の両端に設けられている。そして、カバー部191には、ハーネスH1が挿通するための切り欠き191aが形成されている。
また、ハーネスフックカバー190には、固定用ねじ197(図14参照)が螺合する固定用ボス孔195が設けられている。そして、ハーネスフックカバー190は、固定用ねじ197によってドア本体9に締結固定される。
このように、ハーネスフックカバー190によって、ハーネスフックユニット180及びハーネスH1を覆うことで、不正行為を行うために外部から特殊な器具やワイヤがキャビネット2a及びフロントドア2bの内部へ侵入されやすい箇所を確実に保護することができる。
なお、本例では、成型孔183を塞ぐ穴埋め部材182を、ストップボタン17L,17C,17R(図2参照)と対向する位置に配置されたハーネスフック181のみに取り付けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、全てのハーネスフック181に、成型孔183を塞ぐ穴埋め部材182を取り付けてもよい。
<ドア中継基板ケースの構成>
次に、ドア中継基板ケース151の構成について図18〜図21を参照して説明する。
図18は、ドア中継基板ケース151を示す斜視図、図19は、ドア中継基板53及びドア中継基板ケース151を示す分解斜視図である。図20は、上ケース部材152を外した状態を示す斜視図、図21は、ドア中継基板ケース151の要部を示す断面図である。
図18及び図19に示すように、ドア中継基板ケース151には、ドア中継基板53が収容されている。図19に示すように、ドア中継基板53は、略長方形状に形成されている。ドア中継基板53におけるベース部材9aと対向する一面と反対側の一面(実装面)53fには、光コネクタ53a及び各種の電子部品が実装されている。光コネクタ53aの接続向きは、ドア中継基板53の基板平面と略平行な方向に向いている。そのため、本例では、光ケーブルは、ドア中継基板の基板平面と略平行な方向から接続される。また、ドア中継基板53には、複数の位置決め孔53bと、固定孔53cが設けられている。
ドア中継基板ケース151は、中空の上ケース部材152と、下ベース部156と、2つの侵入防止部材162,163と、を有している。
上ケース部材152は、略長方形の上面板152aと、この上面板152aの4辺にそれぞれ略垂直に連続する側面板152b,152c,152d,152eと、を有している。上面板152aには、ドア中継基板53の実装面53fに実装された電子部品との干渉を避けるための複数の凹部が形成されている。この上面板152aは、ドア中継基板53における実装面53fの上方を覆う。
第1の側面板152bは、上面板152aの短手方向の一端から略垂直に連続し、第2の側面板152cは、上面板152aの短手方向の他端から略垂直に連続している。そして、第1の側面板152bと第2の側面板152cは、上面板152aを間に挟んで対向する。第3の側面板152dは、上面板152aの長手方向の一端から略垂直に連続し、第4の側面板152eは、上面板152aの長手方向の他端から略垂直に連続している。そして、第3の側面板152dと第4の側面板152eは、上面板152aを間に挟んで対向する。
第3の側面板152dには、不図示の固定用ねじが螺合する固定用ボス部155が設けられている。第1の側面板152bには、第1のコネクタカバー部153と、第2のコネクタカバー部154が形成されている。第1のコネクタカバー部153と第2のコネクタカバー部154は、第1の側面板152bの長手方向に所定の間隔を開けて配置されて、ドア中継基板53に実装された光コネクタ53aと対向する位置に形成されている。また、第1のコネクタカバー部153及び第2のコネクタカバー部154の一部は、第1の側面板152bから第2の側面板152cと反対側に向けて突出している。
第1のコネクタカバー部153及び第2のコネクタカバー部154は、上面板152aと反対側の一面が開口した中空の略矩形状に形成されている。第1のコネクタカバー部153は、略長方形状の上面153aと、上面153aの短手方向の両端から略垂直に連続する一対の側面153bと、上面の長手方向の一端から略垂直に連続する前面153cとを有している。上面153aは、上面板152aから略平行に所定の段差をもって凹んだ段差面である。前面153cには、略U字状に開口し、光ケーブルが挿通するケース側凹部153dが形成されている。また、前面153cにおけるケース側凹部153dの縁部には、前面153cから略垂直に突出するフランジ部153eが設けられている。
第2のコネクタカバー部154は、第1のコネクタカバー部153と同様に、上面154aと、一対の側面154bと、前面154cとを有している。そして、前面154cには、略U字状に開口するケース側凹部154d及びフランジ部154eが形成されている。
また、図19及び図20に示すように、下ベース部156は、ベース部材9aと一体に形成されている。なお、下ベース部156は、ドア本体9のベース部材9aと別体に形成してもよい。
下ベース部156は、一面が開口した略直方体状に形成されている。下ベース部156は、ドア中継基板53が載置する載置部156aと、ドア中継基板53の周囲を囲む4つの側面部156b,156c,156d,156eを有している。載置部156a及び4つの側面部156b,156c,156d,156eは、ベース部材9aの一面から略垂直に突出するリブ片である。
また、第1の側面部156bと第2の側面部156cは、ドア中継基板53の2つの長辺を覆い、第3の側面部156dと第4の側面部156eは、ドア中継基板53の2つの短辺を覆う。第1の側面部156bと第2の側面部156cは、互いに対向し、第3の側面部156dと第4の側面部156eは、互いに対向している。
第1の側面部156bには、2つのケーブル支持部160,161を有している。2つのケーブル支持部160,161は、第1の側面部156bの長手方向に所定の間隔を開けて配置されて、ドア中継基板53に実装された光コネクタ53aと対応する位置に形成されている。また、2つのケーブル支持部160,161は、第1の側面部156bから第2の側面部156cと反対方向に向けて突出している。また、2つのケーブル支持部160,161には、後述する侵入防止部材162,163が取り付けられる取付部160a,161aが設けられている。
また、下ベース部156には、複数の位置決めピン157と、固定用ボス孔158が設けられている。図20に示すように、複数の位置決めピン157は、ドア中継基板53に設けた位置決め孔53bに挿入する。これにより、下ベース部156に対するドア中継基板53の位置決めが行われる。また、固定用ボス孔158には、不図示の固定用ねじが螺合される。
図19及び図20に示すように、侵入防止部材162,163は、略直方体状に形成されている。また、侵入防止部材162,163には、それぞれ略U字状に開口し、かつ光ケーブルが挿通するケーブル用凹部162a,163bが設けられている。図21に示すように、ケーブル用凹部162a,163bは、侵入防止部材162,163における下ベース156のケーブル支持部160側の一面から、この一面と対向する他面にかけて連続して形成される。第1の侵入防止部材162には、取付部160aに装着される装着凹部162bが設けられている。第2の侵入防止部材163には、第1の侵入防止部材162と同様に、取付部161aに装着される不図示の装着凹部が設けられている。
図20及び図21に示すように、侵入防止部材162,163をそれぞれケーブル支持部160,161に取り付けた際、ケーブル用凹部162a,163bの開放部は、ベース部材9aと反対側を向いている。
図21に示すように、光コネクタ53aに光ケーブルL2を接続した際、下ベース部156に設けたケーブル支持部160によって光ケーブルL2の根本が支持される。また、このケーブル支持部160によって光ケーブルL2とベース部材9aとの隙間が塞がれる。さらに、侵入防止部材162のケーブル用凹部162aには、光ケーブルL2が挿通すると共に、光ケーブルL2の一部が嵌り込む。そして、上ケース部材152を下ベース部156に固定する。このとき、上ケース部材152の第1のコネクタカバー部153によってドア中継基板53に実装した光コネクタ53aが覆われる。これより、不正行為を行うための器具やワイヤが光コネクタ53aに侵入することを防ぐことができる。
さらに、第1のコネクタカバー部153における前面153c側の中空部に侵入防止部材162が嵌り込む。このとき、侵入防止部材162のケーブル用凹部162aと、ケース側凹部153dが対向する。そして、第1のコネクタカバー部153のケース側凹部153dに光ケーブルL2の一部が嵌り込む。そのため、ケース側凹部153d及びフランジ部153eの内壁が光ケーブルL2に接触する。すなわち、光ケーブルL2は、第1の侵入防止部材162のケーブル用凹部162aと第1のコネクタカバー部153のケース側凹部153dによって隙間なく挟持される。
さらに、図18に示すように、第1のコネクタカバー部153のケース側凹部153dにおけるベース部材9a側の開口の一部は、第1の侵入防止部材162によって塞がれる。同様に、第2のコネクタカバー部154のケース側凹部154dにおけるベース部材9a側の開口の一部は、第2の侵入防止部材163によって塞がれる。そのため、上ケース部材152を下ベース部156に重ね合わせた際に、光ケーブルL2の周囲に形成される隙間を確実に塞ぐことができる。これにより、不正行為を行うための器具やワイヤが光コネクタ53aに侵入することを防ぐことができる。
さらに、侵入防止部材162,163を略直方体に形成し、光ケーブルL2と接触するケーブル用凹部162a,162bに厚みを持たせている。そのため、侵入防止部材を平板状の部材で形成した場合に比べてケーブル用凹部が光ケーブルL2と接触する領域を増やすことができる。
また、この光ケーブルL2が挟持される箇所は、光コネクタ53aに接続される根本であるため、曲げ防止のために板金等からなる補強部材が巻回されている。そして、本例では、この光ケーブルL2の補強部材にケース側凹部153d、154dと、ケーブル用凹部162a,163aを圧接させている。これにより、光ケーブルL2を曲げて、光ケーブルL2の周囲に隙間を形成することができなくなるため、より確実に不正行為を防ぐことができる。
また、本例では、下ベース部156と侵入防止部材162,163を別部材として形成した例を説明したが、これに限定されるものではなく、下ベース部156と侵入防止部材162,163を一体に形成してもよい。
<MAXベットボタンの構成>
次に、MAXベットボタン14の構成について図22〜図27を参照して説明する。
図22及び図23は、MAXベットボタン14を示す斜視図、図24は、MAXベットボタン14を示す分解斜視図である。図25は、押圧部材303とボタンベース301を示す分解斜視図、図26は、押圧部材303と、ボタンベース301を示す斜視図、図27は、MAXベットボタン14を示す断面図である。
図22及び図23に示すように、MAXベットボタン14は、ボタンベース301と、ボタンカバー302と、押圧部材303と、弾性規制部材305とを有している。押圧部材303は、ボタンベース301に軸方向に移動可能に支持されている。そして、このMAXベットボタン14は、押圧部材303を台座部12(図2参照)から露出させた状態でドア本体9に取り付けられる。なお、MAXベットボタン14の詳細な取付方法については後述する。また、図24に示すように、MAXベットボタン14は、ボタンベース301に取り付けられるセンサ基板306及びLED基板307と、コイルばね308と、ボタンカバー302をボタンベース301へ締結固定する固定用ねじ309を有している。
[センサ基板]
センサ基板306は、平板状に形成されており、嵌合孔401と、固定孔402が設けられている。また、センサ基板306には、フォトセンサ410と、コネクタ403が実装されている。フォトセンサ410は、発光ダイオード411と、フォトダイオード412を有するフォトインタラプタである。発光ダイオード411とフォトダイオード412は、センサ基板306に固定された略U字状のブラケット413に支持されて、互いに対向するように配置されている。
発光ダイオード411は、所定の光量の光を常に発光する。フォトダイオード412が所定の光量以上の光を受光すると、フォトセンサ410は、ハイレベルの信号を出力する。一方、フォトダイオード412が受光する光量が所定の光量に満たないと、フォトセンサ410は、ローレベルの信号(押圧検知信号)を出力する。
[LED基板]
LED基板307は、平板状に形成されており、嵌合孔501が設けられている。また、LED基板307には、LED502と、コネクタ503が実装されている。
[ボタンベース]
次に、ボタンベース301について説明する。
図25及び図26に示すように、ボタンベース301は、押圧部材303を収容する略円筒状の収容部311と、フランジカバー部312と、第1の基板取付部313と、を有している。収容部311は、その軸方向の一端が開口している。また、図26に示すように、収容部311の軸方向の他端部には、他端側の開口を塞ぐ底部314が形成されている。この収容部311の筒孔内には、後述する押圧部材303の摺動部387が摺動可能に収容される。また、収容部311の軸方向と摺動部387が摺動する方向は、一致している。そして、摺動部387の摺動する方向が、押圧部材303を押圧する方向となる。
底部314には、底部314を軸方向に貫通する貫通孔315と、一対の係合孔316,316が形成されている。貫通孔315は、底部314の略中央に設けられている。一対の係合孔316,316は、貫通孔315を間に挟んで貫通孔315の左右両側に設けられている。
また、図27に示すように、底部314における押圧部材303を収容する側の一面には、円環状のばね係止部317が形成されている。ばね係止部317は、底部314の一面から収容部311の軸方向の一側に向けて突出している。ばね係止部317は、コイルばね308の軸方向の他端部を係止する。そして、コイルばね308は、押圧部材303と収容部311の底部314の間に介在される。
図25及び図26に示すように、収容部311の側周部には、螺合孔318と、本発明の係止部の一例を示す2つの第1の係止部319と、2つの係止リブ320と、LED基板307が取り付けられる第2の基板取付部321とが設けられている。
2つの第1の係止部319,319は、互いに対向して設けられている。第1の係止部319は、舌片状に形成されており、収容部311の外周面における軸方向の他側に固定されている。また、第1の係止部319は、収容部311の外周面から半径方向の外側に突出し、収容部311の軸方向の一側に向けて延出している。そして、第1の係止部319の先端部は、収容部311に固定されておらず、開放されている。そのため、第1の係止部319は、弾性が付与されており、収容部311へ接近及び/又は離反する方向に弾性変形可能に構成されている。また、第1の係止部319に先端部には、収容部311の半径方向の外側に曲折する係止片319aが形成されている。
螺合孔318は、収容部311の周方向において2つの第1の係止部319の間に設けられている。螺合孔318は、収容部311を外周面から内周面にかけて貫通している。また、螺合孔318における収容部311の外周面側の縁部は、ザグリ加工が施されており、略円錐台形状のザグリ穴318aが形成されている。
この螺合孔318には、抜出防止用ねじ601が螺合される。この抜出防止用ねじ601は、皿ねじであり、頭部601aの上面が平らで座面が円錐形に形成されている。また、螺合孔318には、円錐台形状のザグリ穴318aが形成されているため、図27に示すように、抜出防止用ねじ601の頭部601aは、収容部311の外周面から突出しない。
また、図25に示すように、螺合孔318における収容部311の周方向の両側には、2つの係止リブ320が設けられている。係止リブ320は、収容部311の外周面から半径方向の外側に向けて突出する突部である。
図26及び図27に示すように、第2の基板取付部321は、螺合孔318及び係止リブ320と対向して設けられている。第2の基板取付部321は、2つの突条322と、2つの突出部323と、突部324と、開口窓325とを有している。2つの突条322は、収容部311の周方向に所定の間隔を開けて配置されている。また、2つの突条322は、収容部311の軸方向に沿って延在している。2つの突条322には、LED基板307の一面が当接する。そして、2つの突条322の間には、2つの突出部323が形成されている。
2つの突出部323は、収容部311の周方向に所定の間隔を開けて配置されている。また、2つの突出部323は、収容部311の軸方向の一端部に形成されている。図27に示すように、突出部323は、LED基板307の長手方向の一端部に当接する。また、図26に示すように、2つの突出部323よりも収容部311の軸方向の他側には、開口窓325が形成されている。
開口窓325は、2つの突条の322の間に位置している。この開口窓325は、収容部311の外周面から内周面にかけて貫通し、かつ略四角形状に開口している。図27に示すように、第2の基板取付部321にLED基板307を取り付けた際、開口窓325には、LED502が挿入される。そして、開口窓325の開口の面積は、LED502から照射される光が開口窓325を介して収容部311の外へ光が漏れないように、LED502の発光面積よりもわずかに大きく設定される。
また、図26に示すように、開口窓325よりも収容部311の軸方向の他側には、突部324が形成されている。突部324は、収容部311の外周面から半径方向の外側に向けて突出している。また、図27に示すように、突部324は、LED基板307の嵌合孔501に挿入される。そして、2つの突出部323と突部324によって、第2の基板取付部321に対するLED基板307の取付位置が規制される。
また、収容部311における軸方向の一端部には、収容部311の半径方向の外側に向けて略垂直に連続する外フランジ部330が設けられている。外フランジ部330は、円環状に形成されている。図22に示すように、外フランジ部330は、2つの第1の係止部319の先端部、2つの係止リブ320及び後述する第2の係止部363と対向する。そして、外フランジ部330における収容部311側の一面には、2つの係止突起331と、挿入孔332が設けられている。
図22及び図26に示すように、2つの係止突起331は、外フランジ部330の周方向に所定の間隔を開けて設けられている。また、2つの係止突起331は、2つの第1の係止部319と同様に、互いに対向して配置される。2つの係止突起331は、外フランジ部330における収容部311側の一面から収容部311側に向けて突出している。この2つの係止突起331と、2つの第1の係止部319の先端部は、互いに対向している。
図26及び図27に示すように、挿入孔332は、外フランジ部330における収容部311側の一面から反対側の他面にかけて貫通している。挿入孔332は、外フランジ部330の周方向において2つの係止突起331の間に位置している。また、挿入孔332は、略長方形状に開口している。図22及び図27に示すように、挿入孔332には、後述するボタンカバー302の位置決め片364が挿入される。
図27に示すように、外フランジ部330における収容部311側と反対側の他面には、収容部311と反対方向に向けて突出する位置決めリング334が形成されている。位置決めリング334は、外フランジ部330の周方向に沿って連続するリング状の突部である。また、位置決めリング334は、外フランジ部330における半径方向の外端部の近傍に位置している。
また、外フランジ部330における位置決めリング334が形成された他面には、フランジカバー部312が例えば溶着や接着等の固定方法によって固定されている。
フランジカバー部312は、略円筒状の脚部341と、脚部341における軸方向の一端から連続する屈曲部342と、屈曲部342における脚部341と反対側の端部から連続する略円環状の外縁部343とを有している。屈曲部342は、脚部341から半径方向の外側で、かつ脚部341の軸方向の他方に向けて屈曲している。そのため、外縁部343は、脚部341の半径方向の外側に配置され、脚部341を覆う。また、外縁部343は、脚部341よりも薄く形成されている。さらに、外縁部343は、半径方向の外側に向かうにつれてその厚みが薄くなっている。これにより、外縁部343は、外部からの力によって壊れ易くなっている。
また、図25及び図26に示すように、収容部311における底部314に連続して、第1の基板取付部313が形成されている。第1の基板取付部313は、底部314の半径方向の外縁から、収容部311と反対側に向けて突出している。この第1の基板取付部313には、センサ基板306(図24参照)が取り付けられる。第1の基板取付部313は、略長方形をなす平板状に形成されている。また、図26に示すように、第1の基板取付部313は、2つの突条片351,351と、2つのピン352,352と、固定用ボス孔353が設けられている。
2つの突条片351,351は、第1の基板取付部313における収容部311の軸心側の一面に設けられている。また、2つの突条片351,351は、第1の基板取付部313の長手方向の両側に位置している。そして、2つの突条片351,351は、第1の基板取付部313の短手方向に沿って延在している。この2つの突条片351,351の間にセンサ基板306が配置される(図30参照)。
2つのピン352,352は、2つの突条片351,351と同様に、第1の基板取付部313の一面に設けられている。また、2つのピン352,352は、2つの突条片351,351の内側に位置している。2つのピン352,352は、センサ基板306に設けた嵌合孔401に挿入される(図30参照)。そして、2つの突条片351,351と2つのピン352,352によって、第1の基板取付部313に対するセンサ基板306の取付位置が規制される。
また、固定用ボス孔353は、第1の基板取付部313にセンサ基板306が取り付けられた際に、センサ基板306の固定孔402と対向する位置に設けられている。この固定用ボス孔353及びセンサ基板306の固定孔402には、固定用ねじ309が螺合される。
[ボタンカバー]
次に、ボタンカバー302について説明する。
図22及び図24に示すように、ボタンカバー302は、ボタンベース301に取り付けられたLED基板307を覆う第1カバー部361と、ボタンベース301における収容部311の底部314及びボタンベース301に取り付けられたセンサ基板306を
覆う第2カバー部362と、を有している。
第1カバー部361は、略長方形状の略平板状に形成されている。また、第1カバー部361におけるLED基板307と対向する面と反対側の一面には、第2の係止部363が設けられている。第2の係止部363は、ボタンカバー302をボタンベース301に取り付けた際に、ボタンベース301の周方向において2つの第1の係止部319,319の間に配置される。第2の係止部363は、第1カバー部361の一面から突出するリブである。また、第1カバー部361の長手方向の一端には、位置決め片364が設けられている。図27に示すように、位置決め片364は、外フランジ部330に設けた挿入孔332に挿入される。
また、図22及び24に示すように、第2カバー部362は、略L字型をなす容器状に形成されている。第2カバー部362には、LED基板307の一部及びLED基板307に設けたコネクタ503を露出させる第1の露出窓366と、センサ基板306に設けたコネクタ403を露出させる第2の露出窓367が設けられている。さらに、第2カバー部362には、固定用ボス孔368が設けられている。この固定用ボス孔368には、固定用ねじ309が螺合される。
ボタンカバー302は、固定用ねじ309によってボタンベース301に締結固定される。固定用ねじ309を用いて締結固定することで、ボタンカバー302とボタンベース301とを強固に固定することができる。
[押圧部材]
次に、押圧部材303について説明する。
図24に示すように、押圧部材303は、略円筒状に形成された筒部371と、筒部371の軸方向の一方の開口を塞ぐ押圧部372と、筒部371と押圧部372の間に介在される装飾シート373と、で構成されている。
押圧部372は、略円形の押圧面部381と、押圧面部381の周縁部から略垂直に連続する側周部382と、を有する。また、側周部382には、周方向に所定の間隔を開けて配置された2つの係止孔383が形成されている。係止孔383は、側周部382の外周面から内周面にかけて貫通している。また、側周部382における押圧面部381と反対側の端部には、突条部384が周方向に連続して形成されている。
押圧部372の内側には、装飾シート373が配置されている。装飾シート373は、筒部371の内部に配置されるLED502からの光を拡散させて押圧面部381を均一に照らす。さらに、この装飾シート373には、「MAXBET」等の絵柄が印刷されている。装飾シート373は、光を十分に透過させる薄膜を形成し、且つ光の拡散度が高いフィルムを形成し得る材料、例えば、ポリアセタール樹脂や塩化ビニル、によって形成されている。これにより、従来では、光を拡散させるプリズムシートと、絵柄が印刷されたシートの2枚のシートで形成されていたものを、1枚のシートで形成することで部品点数を削減することができる。
筒部371は、軸方向の両端が開口する略円筒状に形成されている。また、筒部371は、押圧部372が固定される略円筒状の装着部386と、収容部311の筒孔内を摺動する略円筒状の摺動部387とを有している。
装着部386の外周面には、係止孔383に係止する係止部386aが設けられている。また、押圧部372と装着部386は、係止孔383と係止部386aによって係止されると共に、溶着により固定される。これより、押圧部372と装着部386との隙間を埋めることができ、押圧部372と装着部386の隙間から器具やワイヤ等を侵入させて不正行為が行われることを防ぐことができる。
また、摺動部387は、装着部386の軸方向の他方で、その中心軸線X1が装着部386の中心軸線と同軸になるように形成されている。また、摺動部387の外径は、装着部386の外径よりも小さく設定される。また、図27に示すように、筒部371は、装着部386の軸方向の後端部と摺動部387の軸方向の一端部とを連結する連結部388を有している。連結部388は、中空の略円錐台形状に形成されている。そして、連結部388は、摺動部387に近づくにつれて、その外径が小さくなっている。
図24に示すように、摺動部387には、摺動部387を外周面から内周面にかけて貫通する貫通窓389が形成されている。貫通窓389における周方向の径は、軸方向の径よりも長く、かつ、筒部371の最大移動距離よりも長く設定されている。そして、図27に示すように、貫通窓389には、LED502が挿入される。
摺動部387における貫通窓389と対向する位置には、傾斜面部390が形成されている。さらに、摺動部387における軸方向の他側には、摺動部387の他側の開口を塞ぐ封止面部391が形成されている。傾斜面部390は、連結部388から、所定の角度で傾斜して封止面部391における軸方向の一端面にかけて形成されている。そして、傾斜面部390と封止面部391の一面には、反射率の高い塗料が塗布されており、貫通窓389を介して摺動部387内に挿入されたLED502の光を反射する。そして、傾斜面部390、封止面部391及び摺動部387の側周面で形成される空間を「光源用空間398」と称す。
また、傾斜面部390には、挿通窓390aが形成されている。挿通窓390aにおける軸方向の長さは、筒部371の最大移動距離よりも長く設定されている。この挿通窓390aには、収容部311に螺合された抜出防止用ねじ601の軸部601bが挿通する。そして、抜出防止用ねじ601の軸部601bは、押圧部材303が摺動する方向と交差する。
抜出防止用ねじ601の軸部601bは、挿通窓390aを介して光源用空間398まで挿入されている。また、抜出防止用ねじ601の軸部601bの長さは、光源用空間398内に挿入し、さらに摺動部387の中心軸線X1を超える長さに設定されている。
これにより、押圧部材303がボタンベース301の収容部311から抜け出ることを抜出防止用ねじ601で防ぐことができる。また、抜出防止用ねじ601が挿通した状態で、故意に押圧部材303を取り外そうとした場合、抜出防止用ねじ601の軸部601bの長さは、摺動部387の中心軸線X1を超える長さであるため、押圧部材303全体が抜出防止用ねじ601で破壊される。これにより、不正行為を行おうとした痕跡を残すことができる。
また、抜出防止用ねじ601として、上面が平らな皿ねじを用いている。さらに、抜出防止用ねじ601が螺合される螺合孔318には、頭部601aに対応した円錐台形状のザグリ穴318aを形成している。そのため、抜出防止用ねじ601の頭部601aは、ザグリ穴318a内に収容されて、収容部311の側周壁内に収まる。これにより、外部からワイヤ等を侵入させて抜出防止用ねじ601を取り外そうとしても、ワイヤが抜出防止用ねじ601に引っ掛かる場所がないため、抜出防止用ねじ601を取り外すことが困難なものとなる。その結果、不正行為を確実に防ぐことができる。
また、摺動部387は、円筒部392と、遮光片393を有している。円筒部392及び遮光片393は、封止面部391の他面から軸方向の他方に向けて突出している。また、封止面部391の他面には、コイルばね308の軸方向の一端部が当接する。このとき、円筒部392は、コイルばね308の半径方向の外側に位置し、コイルばね308の軸方向の一端部を係止する。これにより、コイルばね308は、摺動部387の封止面部391と、収容部311の底部314の間に介在される。
遮光片393は、コイルばね308の半径方向の内側を貫通し、さらに、収容部311の底部314に形成した貫通孔315を貫通する。また、図25に示すように、摺動部387の軸方向の他端部には、一対の係合片394,394が形成されている。一対の係合片394,394は、摺動部387の軸方向の他方へ延出する。また、一対の係合片394,394の先端部は、外側へ曲折する鉤部394aが形成されている。図26に示すように、一対の係合片394,394は、収容部311の底部314に形成した一対の係合孔316,316を貫通する。そして、一対の係合片394,394に設けた鉤部394a,394aが一対の係合孔316,316に係合する。係合片394の鉤部394aは、筒部371が、コイルばね308によって、筒部371の軸方向の一方へ付勢されて収容部311から抜け出ることを規制する。
図22及び図23に示すように、弾性規制部材305は、帯状に形成されたバンド305aと、バンド305aの両端部を固定するロック部305bとを有している。弾性規制部材305としては、例えば結束バンドが挙げられる。バンド305aは、第1の係止部319と収容部311の外周面の間を通過し、ボタンカバー302の第1カバー部361及びボタンベース301の収容部311の周りに巻き付けられている。そして、バンド305aの両端部は、ロック部305bによって固定されている。これにより、バンド305aは、ボタンカバー302をボタンベース301に固定し、ボタンカバー302がボタンベース301から取り外されることを規制している。
バンド305aを第1の係止部319と収容部311の間を通過することで、第1の係止部319における収容部311の外周面へ接近する向きの弾性変形が規制される。また、バンド305aは、抜出防止用ねじ601の頭部601aに被さるように巻き付けられている。そのため、バンド305aを切断しなければ、頭部601aに工具を挿入することができない。これにより、より確実に不正行為を防ぐことができる。さらに、抜出防止用ねじ601が取り外される際には、バンド305aが切断されるという痕跡が残ることになる。
<MAXベットボタン14の取付方法>
次に、上述した構成を有するMAXベットボタン14をフロントドア2bの台座部12への取付方法について図28〜図30を参照して説明する。
図28及び図29は、MAXベットボタン14の取付方法を示す斜視図である。図30は、MAXベットボタン14の取付状態を示す断面図である。なお、図30では、台座部12のみを断面した状態をしめしている。また、図28〜図30では、MAXベットボタン14及び台座部12以外の部材の図示は省略している。
ここで、図28に示すように、台座部12には、MAXベットボタン14が装着する装着孔12aが形成されている。装着孔12aの縁部には、第1の載置面部12bと、第2の載置面部12cが形成されている。第1の載置面部12bは、装着孔12aの外縁に装着孔12aの開口の径よりも大きく形成され、外フランジ部330の外形に対応した形状に開口している。また、第2の載置面部12cは、第1の載置面部12bの外縁に第1の載置面部12bの開口の径よりも大きく形成され、フランジカバー部312の外縁部343の外形に対応した形状に開口している。第2の載置面部12cは、台座部12の表面側の一面から所定の段差をもって略平行に形成された段差面である。第1の載置面部12bは、第2の載置面部12cにおける表面側の一面から所定の段差をもって略平行に形成された段差面である。
予め、ボタンベース301には、センサ基板306及びLED基板307が、その一部が露出した状態で取り付けられている。さらに、図に現れないコイルばね308をボタンベース301と押圧部材303の間に介在させた状態で、押圧部材303は、ボタンベース301に取り付けられている。すなわち、MAXベットボタン14は、ボタンカバー302と弾性規制部材305以外の部材が全て組み立てられている。
まず、センサ基板306、LED基板307及び押圧部材303を取り付けたボタンベース301を台座部12の表面側から装着孔12aに挿入する。このとき、ボタンベース301に設けられた第1の係止部319が装着孔12aの縁部に当接することで、第1の係止部319が弾性変形して収容部311側へ撓む。そして、ボタンベース301を装着孔12aへさらに挿入すると、第1の係止部319が装着孔12aを挿通する。
また、2つの第1の係止部319における収容部311の周方向の間には、係止リブ320が設けられている。そのため、ボタンベース301を挿入する際は、係止リブ320が装着孔12aに引っ掛からないように、係止リブ320が設けられていない側の側面を装着孔12aに接近させて挿入する。
図29に示すように、第1の係止部319が装着孔12aを挿通後、第1の係止部319は、初期状態に復帰し、第1の係止部319が装着孔12aの縁部に係止される。これにより、ボタンベース301は、センサ基板306及びLED基板307の一部が露出した状態で台座部12に仮固定される。
次に、ボタンカバー302を台座部12の裏面側からボタンベース301へ接近させ、ボタンベース301の挿入孔332(図27参照)にボタンカバー302の位置決め片364を挿入する。これにより、ボタンベース301に対するボタンカバー302の位置が決められ、ボタンベース301に取り付けられたセンサ基板306及びLED基板307がボタンカバー302によって覆われる。そして、ボタンカバー302をボタンベース301へ固定用ねじ309を用いて締結固定する。次に、弾性規制部材305を、ボタンベース301及びボタンカバー302に取り付ける。
図30に示すように、一対の第1の係止部319の係止片319aが装着孔12aに係止する。さらに、第1の係止部319の先端部と対向する2つの係止突起331,331が装着孔12aの縁部に当接する。また、第1の載置面部12bには、ボタンベース301の外フランジ部330が嵌り込み、第2の載置面部12cには、フランジカバー部312の外縁部343が載置される。これにより、MAXベットボタン14における装着孔12aの開口と平行な方向の移動が規制される。
なお、本例では、装着孔12aの外縁に段差面からなる第1の載置面部12b及び第2の載置面部12cを形成した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、装着孔12aの外縁に第2の載置面部12cを設けずに、フランジカバー部312の外縁部343を台座部12の表面側の一面に載置させてもよい。
また、ボタンベース301の第1の係止部319及びボタンカバー302の第2の係止部363が、台座部12の裏面側に当接する。さらに、第1の係止部319と収容部311の間には、バンド305aが配置されている。そのため、第1の係止部319における収容部311側への弾性変形が規制される。これにより、第1の係止部319が収容部311に接近する方向へ撓まなくなる。これらにより、MAXベットボタン14における台座部12の表面側への移動が規制されて、MAXベットボタン14が装着孔12aから台座部12の表面側へ抜け出ること防ぐことができる。
また、外フランジ部330が第1の載置面部12bに当接するため、台座部12を、外フランジ部330と、第1の係止部319及び第2の係止部363によって、挟持することできる。これにより、MAXベットボタン14が台座部12の表面側だけでなく、裏面側へ抜け落ちることを防ぐことができる。
第2の係止部363は、ボタンカバー302をボタンベース301に取り付けた際に、ボタンベース301の周方向において2つの第1の係止部319,319の間に配置される。そのため、2つの第1の係止部319,319と、第2の係止部363の3点でMAXベットボタン14を支持することができ、がたつきなくMAXベットボタン14を台座部12に装着することができる。
さらに、ボタンベース301には、ボタンカバー302の第2の係止部363と対向する位置に係止リブ320(図25参照)が設けられている。そして、係止リブ320は、台座部12の裏面側に対向し、MAXベットボタン14が装着孔12aから台座部12の表面側へ抜け出ることを規制している。また、第2の係止部363及び係止リブ320は、それぞれボタンカバー302及びボタンベース301から突出するリブである。そのため、外部からの力によって弾性変形することがなく、MAXベットボタン14が装着孔12aから台座部12の表面側へ抜け出ることを確実に防ぐことができる。
本例のMAXベットボタン14によれば、ボタンベース301を装着した後に、ボタンカバー302を取り付ける構成としたことで、部品点数を増加させずに、MAXベットボタン14が台座部12から抜け出ることを確実に防止することができる。また、ボタンカバー302を取り付ける工程は、従来では、ボタンベース301を台座部12へ取り付ける前に行われていたものを、ボタンベース301を台座12へ取り付けた後に行ったものである。そのため、本例のMAXベットボタン14の取付工程によれば、作業工程数が増加することもない。
さらに、第1の係止部319の弾性変形の規制を解除するには、弾性規制部材305のバンド305aを切断する必要がある。そのため、MAXベットボタン14が抜き出た際には、バンド305aが切断されるという痕跡が残ることになる。これにより、不正行為の痕跡を確実に残すことができる。また、バンド305aの切断だけでなく、第1の係止部319の塑性変形や、バンド305aの固定が解除される、ということ等でも不正行為の痕跡を発見することができる。
さらに、弾性規制部材305のバンド305aをボタンベース301及びボタンカバー302に巻き付けるだけで、第1の係止部319における台座部12との係止を解除する方向への弾性変形を規制することができる。そのため、ボタンベース301の構造を簡略化することができると共にボタンベース301及びボタンカバー302の抜け防止も図ることができる。
また、本例では、ボタンベース301とボタンカバー302の固定方法として、固定用ねじ309を用いて締結固定している。そのため、係合爪を用いた係合による固定方法と比較して、より強固にボタンベース301とボタンカバー302を固定することができる。その結果、ボタンベース301とボタンカバー302とを取り外すことが困難であるため、不正行為を防ぐことができる。また、固定用ねじ309を用いて締結固定した後に、封印キャップや封印シール等を用いて固定用ねじ309の頭部を覆ってもよい。これにより、固定用ねじ309が取り外された場合、封印キャップや封印シール等が破損するため、不正行為の痕跡を発見することができる。
さらに、弾性規制部材305のバンド305aをボタンベース301及びボタンカバー302に巻き付けて、ボタンカバー302がボタンベース301から取り外されることを規制している。したがって、本例では、固定用ねじ309を用いた固定と、バンド305aを用いた固定の2つの固定方法でボタンベース301とボタンカバー302を固定している。そのため、ボタンカバー302をボタンベース301から取り外すことを困難なものにすることができる。
第1の係止部319における収容部311側、すなわち内側への弾性変形は、弾性規制部材305のバンド305aによって規制されている。したがって、第1の係止部319が台座部12の裏面側に常に当接した状態となるため、MAXベットボタン14が装着孔12aから台座部12の表面側へ抜け出ることを防ぐことができる。
また、第2の載置面部12cにフランジカバー部312の外縁部343が載置されることで、MAXベットボタン14と台座部12との隙間を塞ぐことができる。上述したように、外縁部343は、脚部341(図27参照)の厚みよりも薄く、かつ半径方向の外側にむかうにつれてその厚みが薄く形成して、外部からの力によって外縁部343全体が破損し易くしている。これにより、外縁部343と第2の載置面部12cの僅かな隙間に、強引にワイヤ等を挿入しようとすると、外縁部343が破損する。これにより、不正行為の痕跡を確実に残すことができるとともに、不正行為の痕跡を台座部12の表面側から容易に発見することもできる。
以上、本発明の一実施形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明したが、本発明はここで説明した実施の形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の実施の形態を含むことは言うまでもない。
また、上述した実施の形態例では、本発明のボタンユニットとしてMAXベットボタン14に適用して例を説明したがこれに限定されるものではなく、ボタンユニットとしては、1BETボタン15やストップボタン17L,17C,17Rや演出用のボタン等その他各種のボタンに適用してもよい。
また、上述した実施の形態例では、遊技機としてパチスロ機を用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、パチンコ機等、その他各種の遊技機であってもよい。