JP2017012057A - 制御装置及び農業用ハウス - Google Patents
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Abstract
【課題】複数個のセンサのうちいずれかのセンサに故障等の異常があった場合でも、環境悪化を緊急改善するとともに多観点的な環境制御を実施できる制御装置及び農業用ハウスを提供する。
【解決手段】制御装置は、複数個の温度センサのうち、異常値を出力する温度センサを検出した場合には、異常な状態の温度センサが存在することを報知する(ステップ50)。さらに制御装置は、異常値を出力する温度センサを除いた残りの温度センサによって測定される温度環境値を用いて制御指標を求め、この制御指標に応じてハウス内における温度環境を制御する(ステップ14、15、25、26、27)。
【選択図】図3
【解決手段】制御装置は、複数個の温度センサのうち、異常値を出力する温度センサを検出した場合には、異常な状態の温度センサが存在することを報知する(ステップ50)。さらに制御装置は、異常値を出力する温度センサを除いた残りの温度センサによって測定される温度環境値を用いて制御指標を求め、この制御指標に応じてハウス内における温度環境を制御する(ステップ14、15、25、26、27)。
【選択図】図3
Description
本発明は、作物を栽培するハウス内の環境を制御する制御装置及び農業用ハウスに関する。
農業用ハウスにおいては、その大きさや形状、また各種の環境調整機器やセンサの設置場所に応じて、ハウス内の温度、湿度、風速等の環境が場所によって異なることがある。言い換えれば、栽培される作物の設置環境は、ハウス内において均一ではない場合がある。したがって、ハウス内の環境を適正に保つには、場所によって異なる温度等の環境値を十分に考慮した環境制御が求められる。例えば、ハウス内の複数の場所において複数個のセンサを用いた環境値を取得し、取得した複数の環境値を用いて、多観点的でハウス全体を考慮した大局的な環境制御を実施することが望まれる。
特許文献1には、特定の温度センサが検出する温度を、基準温度として用いて環境制御を実施するハウス用暖房機の制御方法が開示されている。
特許文献1によれば、例えば、特定の温度センサによって検出される基準温度が送風機及びバーナまたはポンプ及びボイラを運転するか否かの重要なデータとなる。さらに、特許文献1には、基準温度を検出する温度センサが作動不良になった場合には、残りの温度センサのいずれか一つを、作動不良状態の温度センサに代わってハウス内の基準温度を検出するためのセンサとして用いることが開示されている。
このように特許文献1で開示されている発明は、特定の温度センサが故障した場合に、他の温度センサが代わりに基準温度を検出するものにすぎない。したがって、特許文献1の開示発明によれば、複数個のセンサによる検出値を用いて、ハウス内の異なる場所の環境を考慮した多観点的な環境制御を実施することはできない。
本発明は、前述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数個のセンサのうちいずれかのセンサに故障等の異常があった場合でも、環境悪化を緊急改善するとともに多観点的な環境制御を実施できる制御装置及び農業用ハウスを提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示された発明のひとつは、作物(4)を生育するための農業用ハウス(1)において、複数個のセンサ(56,57,58)によって測定されるハウス内の複数箇所の環境値を用いて求めた制御指標に応じて、ハウス内における温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御する制御装置(2)の発明であって、
複数個のセンサのうち、異常値を出力するセンサを検出した場合には、異常な状態のセンサが存在することを報知するとともに、異常値を出力するセンサを除いた残りのセンサによって測定される環境値を用いて制御指標を求め、この制御指標に応じてハウス内における温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御することを特徴とする。
複数個のセンサのうち、異常値を出力するセンサを検出した場合には、異常な状態のセンサが存在することを報知するとともに、異常値を出力するセンサを除いた残りのセンサによって測定される環境値を用いて制御指標を求め、この制御指標に応じてハウス内における温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御することを特徴とする。
この発明によれば、ハウス内の複数の場所における環境値を測定する複数個のセンサのうち異常なセンサを検出した場合に、異常の報知を行うとともに、残りの正常なセンサを用いて制御指標を求め、多観点的で大局的な環境制御を継続できる。これにより、異常の報知から修理完了までの間の作物に及ぼしうる悪影響を抑制する制御装置を提供できる。したがって、この発明の制御装置によれば、複数個のセンサのうちいずれかのセンサに故障等の異常があった場合でも、環境悪化を緊急改善するとともに多観点的な環境制御を実施できる。
開示された農業用ハウスに係る発明のひとつは、作物(4)を生育するためのハウス内においてそれぞれ環境値を測定することによりハウス内における複数箇所の環境値を測定する複数個のセンサ(56、57,58)と、複数個のセンサによって測定されるハウス内の複数箇所の環境値を用いて求めた制御指標に応じて、ハウス内における温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御する制御装置(2)と、を備え、
制御装置は、複数個のセンサのうち、異常値を出力するセンサを検出した場合には、異常な状態のセンサが存在することを報知するとともに、異常値を出力するセンサを除いた残りのセンサによって測定される環境値を用いて制御指標を求め、制御指標に応じてハウス内における温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御することを特徴とする。
制御装置は、複数個のセンサのうち、異常値を出力するセンサを検出した場合には、異常な状態のセンサが存在することを報知するとともに、異常値を出力するセンサを除いた残りのセンサによって測定される環境値を用いて制御指標を求め、制御指標に応じてハウス内における温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御することを特徴とする。
この発明によれば、ハウス内の複数場所の環境値を測定する複数個のセンサのうち異常なセンサを検出した場合に、異常の報知を行うとともに、残りの正常なセンサを用いて制御指標を求め、多観点的で大局的な環境制御を継続できる農業用ハウスを提供できる。これにより、農業用ハウスは、異常の報知から修理までの間の作物への悪影響を抑制することができる。したがって、この発明の農業用ハウスによれば、複数個のセンサのうちいずれかのセンサに故障等の異常があった場合でも、環境悪化を緊急改善するとともに多観点的な環境制御を実施できる。
(第1実施形態)
第1実施形態に一形態としての農業用ハウス1を開示する。農業用ハウス1は、ハウス内で所定の作物4を生長させることを目的として、制御装置2によって、ハウス内を生長に適正な環境に制御する。制御される環境因子は、例えば、ハウス内における室温、湿度、二酸化炭素濃度、日射量等である。制御装置2は、これらの環境因子を適正に制御するために、各種の温度調整機器、湿度調整機器、風量調整機器、炭酸濃度調整機器、給水調整機器、日射量調整機器等の作動を制御することができる環境制御コントローラである。
第1実施形態に一形態としての農業用ハウス1を開示する。農業用ハウス1は、ハウス内で所定の作物4を生長させることを目的として、制御装置2によって、ハウス内を生長に適正な環境に制御する。制御される環境因子は、例えば、ハウス内における室温、湿度、二酸化炭素濃度、日射量等である。制御装置2は、これらの環境因子を適正に制御するために、各種の温度調整機器、湿度調整機器、風量調整機器、炭酸濃度調整機器、給水調整機器、日射量調整機器等の作動を制御することができる環境制御コントローラである。
第1実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。農業用ハウス1は、風向き、風速、日照、降水の有無、ハウス内の温度、湿度、二酸化炭素濃度等を計測する各種センサと、ハウスの天窓やカーテンの開閉、空調装置の制御、ミストの発生、二酸化炭素の発生等を行う各種調整機器と、制御装置2とを備える。制御装置2は、ハウス本体3内における複数箇所の測定値(例えば、温度、湿度、二酸化炭素濃度)から求めた制御指標に応じた制御信号を各種調整機器に出力して、ハウス内外の状況に応じて作物4の生育環境が最適となるよう自動的に制御する。例えば作物4がトマトである場合には、農業用ハウス1は、トマトの温室栽培において温度、二酸化炭素濃度等を自動制御することで光合成を促進して収穫量を増加できる空調管理システムでもある。
ハウス本体3は、例えば、構造材としての金属製部材を組み合わせて構成されたフレームと、フレームにより支持された被覆材とを備える。被覆材は、透光性を有する合成樹脂フィルムやガラスが用いられる。図1に図示するハウス本体3は、切妻状の屋根部と、屋根部を支持し各組互いに対向する二組の側壁部と、を一体に備えるが、この形態は一例であって、ハウス本体3の構成を限定する趣旨ではない。また、ハウス本体3に他の材料を用いることや他の形状に形成することを妨げるものではない。
作物4は、ハウス本体3内に設けられたベッド38等の所定の容器内の用土において栽培されている。給水機37によって、水と肥料とを含んだ養液がパイプを通じて用土に供給されることにより、作物4は用土から栄養分を吸収して生育する。ベッド38は、ハウス内において所定の個数、均等の間隔をあけて列をなすように設置されている。
給水機37は、制御装置2によって制御される給水ポンプである。制御装置2は、1日のうち所定の時間帯に給水機37を運転して目標量の養液を用土に供給する。また、制御装置2は、日射センサ52によって検出された日射量に応じて、目標量に対して養液の供給量を加減するように給水機37を制御する。
循環扇33は、ハウス本体3内の上部において、作物4、湿度センサ57、側窓31よりも高い位置に設置された送風装置である。循環扇33は、制御装置2によって制御され、ハウス本体3内の気体を循環させて全体に行き渡らせる。このように循環扇33は、ハウス本体3内や作物4の周囲に気流を形成する気流形成装置を構成し、ハウス内における湿度、温度、二酸化炭素濃度等の調整を促し、また、作物4の生育を促すことにも寄与する。
制御装置2は、それぞれ複数個設けられる、温度センサ56、湿度センサ57、二酸化炭素センサ58の各測定値を用いて制御指標を求める。制御装置2は、ハウス本体3内における複数箇所の測定値から求めた制御指標に応じて循環扇33を運転することで、ハウス内の室温を上昇または低下させたり、二酸化炭素濃度や湿度をハウス内において均一化させたりする制御を行う。制御装置2は、例えば、複数の測定値についての最大値、最小値、平均値等を求める演算によって制御指標を決定する。
図2は、複数個のセンサによる、ハウス本体3内の環境値検出箇所の一例を示している。図2に示す一例では、温度センサ56は、平面視したハウス本体3内において、複数個のベッド38が並ぶ配列方向に等間隔をあけて3個、各ベッド38が延びる方向の両方の端と中央とに3個の計9個設置される室温検出手段である。このように複数個の温度センサ56は、ハウス内の四隅、側壁近傍など、気流が形成されにくく空気の流れがよどみやすい場所と、中央などの比較的気流が形成されやすい場所との両方に設置されるため、多観点的で大局的な環境制御の実施に寄与する。制御装置2は、これら複数個の温度センサ56の各測定値を用いて、前述した演算によって制御指標を決定する。また、図2に図示する各温度センサ56は、湿度センサ57や二酸化炭素センサ58に置き換えてもよい。この場合も温度センサ56の場合と同様に前述する作用効果を奏し、制御装置2は、これら複数個の湿度センサ57または二酸化炭素センサ58の各測定値を用いて、前述した演算によって制御指標を決定する。
また、循環扇33は、ハウス内において気流を形成する場所を選択可能な形態で設置されることが好ましく、例えば、ハウス内において横または縦に延びるレール等に固定されることによって可動式であることが好ましい。
ミスト発生器34は、ハウス内の上部において、作物4、湿度センサ57、側窓31よりも高い位置に設置されたミストチューブを備える。ミストチューブは、通水されるチューブの管壁に取り付けられた複数個のノズルを備え、ポンプ等によってチューブに通水される圧力を調節することによりノズルから水が噴霧されるように構成されている。したがって、ミストチューブは水を霧状に噴出させるため、霧はハウス内の上部から比較的時間をかけて落下し、ハウス内の湿度を徐々に上昇させることができる。また、ミスト発生器34による霧の噴出とともに循環扇33を運転することにより、ハウス内に霧を早く行き渡らせることができ、湿度の上昇を早めることもできる。
ミスト発生器34は、制御装置2によって制御される。制御装置2は、例えば1日のうち所定の時間帯にミスト発生器34を運転して目標量の霧を噴出し、ハウス内の湿度環境を目標範囲にするように制御する。制御装置2は、ハウス本体3内の複数箇所における湿度の測定値から求めた制御指標に応じてミスト発生器34による霧の噴出量を調整して、ハウス内の湿度環境を目標範囲に制御する。
また、制御装置2は、日射センサ52によって検出された日射量に応じて、目標量に対して霧の供給量を加減するようにミスト発生器34を制御する。また、制御装置2は、湿度センサ57によって測定されたハウス内の相対湿度が低い場合に、ミスト発生器34を運転してハウス内に霧を供給し、相対湿度を上昇させる制御を行う。また、ミスト発生器34は、主に加湿を行う場合に運転されるが、ハウス内にミストを供給することにより気化熱作用を促して室温を低下させる温度低下装置として運転することもできる。
ハウス本体3には、屋根部から入射する外光を遮光させる閉状態と、屋根部から入射する外光を遮光しないで作物4に照射させる開状態との間で開閉可能なカーテン32が設けられている。また、カーテン32は、冷房装置や暖房装置と併用されて、ハウス内を保冷したり保温したりする際に、活用される。さらにハウス本体3の屋根部には、開閉可能な天窓30が設けられ、天窓30の開量が調節されることにより、ハウス内に外気を取り込む際の空気の通気抵抗や換気量を調節できる。また、ハウス本体3の側壁部には、開閉可能な側窓31が設けられ、側窓31の開量が調節されることにより、ハウス内に外気を取り込む際の空気の通気抵抗や換気量を調節できる。つまり、天窓30や側窓31は、ハウスの内外を行き来する気流を制御可能な窓である。
カーテン32、天窓30、側窓31のそれぞれは、モータ等の動力源により駆動され、制御装置2によって制御される。カーテン32が開閉されると、外部からハウス内に流入する日射量を調節することになり、ハウス内の室温について温度上昇の速度を調節することができる。したがって、制御装置2は、ハウス内の温度を低下させる場合には、カーテン32を閉じる方向に駆動し、ハウス内の温度を上昇させる場合には、カーテン32を開く方向に駆動するように制御する。ただし、暖房装置と併用する場合や外気温度が室温よりも低い場合は、制御装置2はカーテン32を閉じるように制御して保温を行う。天窓30や側窓31は、例えば、昼間にはハウス内の室温を目標温度に近づけるように開閉され、夜間や冬季には閉じられる。制御装置2は、ハウス本体3内の複数箇所における温度の測定値から求めた制御指標に応じて天窓30、側窓31、カーテン32等の開閉量を調整して、ハウス内の温度環境を目標範囲に制御する。
天窓30や側窓31の開量を調節することにより、ハウス本体3の中に外気を取り入れる速度を調節することができる。また、天窓30や側窓31は、ハウス本体3の内部空間に外気を取り込むことにより、ハウス本体3の内外の温度差を利用して温度を調節することができる。例えば、夏季や晴天の日中には、カーテン32を閉じ、かつ天窓30や側窓31の開量を大きく制御することにより、ハウス本体3の室温の上昇を抑制することに寄与する。
循環扇33と天窓30や側窓31とは、農業用ハウス1における気流形成装置を構成する。また、天窓30や側窓31は、循環扇33が運転していない状態でも単独で気流形成装置を構成することもできる。つまり、循環扇33が運転され、天窓30や側窓31が開いている場合には、ハウス本体3の内部に外気を強制的に取り込むことができ、ハウス内に外気流入を含む気流を形成できる。また、天窓30や側窓31が開いている場合には、外部の風向によってはハウス本体3の内部に一定以上の流速をもつ外気を取り込むことができ、ハウス内に外気流入を含む気流を形成できる。循環扇33は、このように気流形成装置として使用されて、室温の調整や湿度の調節だけでなく、ハウス内の二酸化炭素を拡散させることにも使用できる。
農業用ハウス1は、暖気や冷気をハウス内に供給可能な空調装置として機能するヒートポンプ装置35を備える。ヒートポンプ装置35は、その本体がハウスの屋外に設置され、本体から延びるダクトを介して、作物4の周囲などの所定の位置に空調風を吹き出すことができる。ヒートポンプ装置35の空調風により、作物4の周囲の温度を制御することができる。
ヒートポンプ装置35は、複数個の熱交換器、圧縮機、及び減圧装置等を環状に配管で接続した回路において冷媒が循環するサイクルを構成する。ヒートポンプ装置35は、冷媒の放熱作用により放熱用熱交換器で加熱された外気を暖気として送風する場合は、温度上昇装置として機能し、冷媒の吸熱作用により冷却用熱交換器で冷却された外気を冷気として送風する場合は、温度低下装置として機能する。制御装置2は、作物4の周囲における室温を生育に適した目標温度に保つようにヒートポンプ装置35を制御する。
農業用ハウス1は、暖気をハウス内に供給可能な暖房機36を備える。暖房機36は、作物4の周囲などの所定の位置に暖気を吹き出すことができる空調装置である。暖房機36は、暖房風により、作物4の周囲の温度を上昇させることができる温度上昇装置として機能する。暖房機36は、例えば、電気ヒータ、温水式ヒータ、燃焼式ヒータ等により暖めた空気をハウス内に供給する。制御装置2は、作物4の周囲における室温を生育に適した目標温度に保つように暖房機36を制御する。制御装置2は、ハウス本体3内の複数箇所における温度の測定値から求めた制御指標に応じてヒートポンプ装置35、暖房機36等の運転を制御して、ハウス内の温度環境を目標範囲に制御する。
農業用ハウス1は、ハウス内に二酸化炭素を供給する炭酸ガス発生機39を備える。制御装置2は、光合成を促進するために、ハウス内、特に作物4の周囲における炭酸ガス濃度を適切に保つように炭酸ガス発生機39を制御する。制御装置2は、例えば、1日のうち所定の時間帯に炭酸ガス発生機39を運転してハウス内の二酸化炭素濃度を目標値となるように調整する。したがって、炭酸ガス発生機39は、光合成促進装置である。制御装置2は、ハウス本体3内の複数箇所における二酸化炭素濃度の測定値から求めた制御指標に応じて炭酸ガス発生機39の運転を制御して、ハウス内の二酸化炭素濃度環境を目標範囲に制御する。
農業用ハウス1は、作物4の生育に関わる環境情報を測定する複数個の各種センサを備える。各種センサは、例えば、風向センサ50、風速センサ51、日射センサ52、雨滴センサ53、屋外の温度センサ54、屋外の湿度センサ55、室内の温度センサ56、室内の湿度センサ57、二酸化炭素センサ58等を含む農業用ハウス1における環境センサである。
風向センサ50は、ハウス本体3の屋外における風向を検出する。風向センサ50により検出された風向情報は、制御装置2に入力されて、天窓30や側窓31に対する風向としてこれらの窓の開度制御に用いられる。風速センサ51は、ハウス本体3の屋外における風速を検出する。風速センサ51により検出された風速情報は、制御装置2に入力されて、天窓30や側窓31に対する風速としてこれらの窓の開度制御に用いられる。
日射センサ52は、ハウス本体3に降り注ぐ日射量を検出する。日射センサ52により検出された日射量情報は、制御装置2に入力されてハウス内に流入する熱量の見積もりに用いられ、カーテン32の開閉制御、室温制御に用いられる。また、検出された日射量は、雨天や夜間と、晴天の日中とを判断することにも用いることができる。
雨滴センサ53は、ハウス本体3の屋外に設けられた降雨の有無を検出可能な雨センサである。雨滴センサ53は、例えば、パネル上に付着した雨を水分として検出するセンサであり、所定の電極間の電気抵抗を検出する。電気抵抗の検出値は制御装置2に入力され、制御装置2は、検出値がある抵抗値以下の場合は雨が現在降っていると判定する。また、雨滴センサ53は、パネル上に付着した雨を水圧として検出するセンサであってもよい。この場合、雨滴センサ53が検出する圧力は制御装置2に入力され、制御装置2は、検出値がある圧力値以上の場合は雨が現在降っていると判定する。
温度センサ54は、ハウス本体3の屋外における外気の温度を検出し、制御装置2に送る。湿度センサ55は、ハウス本体3の屋外における外気の湿度を検出し、制御装置2に送る。複数個の温度センサ56は、ハウス本体3の室内における温度、例えば作物4の周囲の温度を検出してこの温度環境値を制御装置2に送る。複数個の湿度センサ57は、ハウス本体3の室内における湿度、例えば作物4の周囲の湿度を検出する湿度検出手段であり、この湿度環境値を制御装置2に送る。複数個の二酸化炭素センサ58は、ハウス本体3の室内における二酸化炭素濃度、例えば作物4の周囲の二酸化炭素濃度を検出する二酸化炭素濃度検出手段であり、二酸化炭素環境値を制御装置2に送る。
ハウス本体3の中で作物4が生長する環境は、各種の温度調整機器、湿度調整機器、風量調整機器、炭酸濃度調整機器、給水調整機器、日射量調整機器等を制御することによって変化する。前述のように、温度調整機器は、ハウス内の室温を調整するように制御可能な天窓30、側窓31、カーテン32、循環扇33、ミスト発生器34、ヒートポンプ装置35、暖房機36等により構成することができる。また、湿度調整機器は、ハウス内の相対湿度を調整するように制御可能なミスト発生器34、ヒートポンプ装置35等により構成することができる。また、風量調整機器は、ハウス内の気流を形成するように制御可能な天窓30、側窓31、循環扇33等により構成することができる。
また、炭酸濃度調整機器は、ハウス内の二酸化炭素濃度を調整するために制御される炭酸ガス発生機39等により構成することができる。また、給水調整機器は、作物4への給水を調整するために制御される給水機37等により構成することができる。また、日射量調整機器は、ハウス内に流入する日射量を調整するように制御可能なカーテン32等により構成することができる。
制御装置2は、給水機37の送水圧の調節、カーテン32の開閉、天窓30及び側窓31の開量の調節、循環扇33、ミスト発生器34、炭酸ガス発生機39、暖房機36、及びヒートポンプ装置35のそれぞれの運転と停止などを制御する。各調整機器への通電開始及び通電停止には、各装置への給電を入切する電磁リレーが用いられる。制御装置2は、ハウス本体3内またはハウス本体3の外部に設置された筐体に収納される。
制御装置2は、プログラムに従って動作するマイコンのようなデバイスを主なハードウェア要素として備える。制御装置2は、前述した各調整機器と各種センサとが接続されるインターフェイス部(以下、I/F部ともいう)20と、演算処理部21と、各種データを記憶する記憶部22と、を備える。演算処理部21は、I/F部20を通して各種センサから取得した環境情報と、記憶部22に格納した各種データとを用いて所定のプログラムにしたがった演算を行う。
I/F部20は、演算処理部21による演算結果に基づいて各調整機器を操作する。I/F部20には、ユーザインターフェイスとなる端末装置、例えば、パーソナルコンピュータ23、コントロールパネル、携帯用端末機等が接続される。使用者は、制御装置2の操作盤、パーソナルコンピュータ23の操作部、コントロールパネル、端末装置等を使用してハウス内における室温等の環境設定、時刻合わせ等を行うことができ、端末装置の表示画面を通じて現在の運転状態を確認することができる。
次に、制御装置2が実行するセンサ異常時制御の一例について図3のフローチャートを参照して説明する。この制御は、作物4の生育促進のために常時実施するハウス内の環境制御と同時並行に行われる。すなわち、制御装置2は、温度、湿度、二酸化炭素濃度等の環境値を測定する各種の複数個のセンサが異常であるか否かを常に監視し、異常判定した場合には、この状態を緊急的に改善するためのフェイルセーフ処理を実行する。
各種のセンサが異常判定される場合とは、複数個のセンサのうち、明らかに異常であると認められる測定値を出力するセンサを検出した場合である。このようなセンサが存在すると、前述のようにハウス内の複数箇所の環境値を用いて制御指標を求めた場合に、制御指標が適正値から乖離するため、ハウス内の適正な環境制御を実施できない。したがって、作物4の生育を阻害するような環境制御を行ってしまうことがある。例えば、センサの異常は、センサ自体の故障、通信線の断線、短絡、センサの検知部における異物の付着等により、起こりうる。
センサの異常状態が長引くと、作物4が適正に生長できない、あるいは商品にならない等の大きな損失が発生しうる。特に使用者が短時間でセンサの異常に気がつかない場合、例えば、留守にしている場合、農業用ハウスから離れた場所にいる場合、就寝中である場合等には、異常を報知するための警報が発せられても、深刻な事態に至ってしまうことがある。
図3に示す制御は、このような事態を回避するために、農業用ハウス1が作物4を生育している状態であれば、常時実行される。図3に示すフローチャートの処理は、制御装置2によって実行される。また、図3のフローチャートは、複数個のセンサの例を代表して、室温を測定する温度センサが3個以下である場合についての処理手順を示している。
まずステップ10では、制御指標の決定に用いられる温度センサ56の個数が2個であるか否かを判定する。温度センサ56が2個である場合はステップ10で「YES」と判定され、次のステップ11で2個の温度センサ56のうち特定の第1センサが故障しているか否かを判定する。第1センサの測定値が通常の室温でないことが明らかである低値や高値である場合には、第1センサのセンサ異常条件が成立することになる。あらかじめ上限許容値及び下限許容値を定め、ステップ11では、上限許容値を超える場合や下限許容値未満である場合にセンサ異常条件が成立すると判定してもよい。
ステップ11で第1センサについてセンサ異常条件が成立していると判定すると、2個のセンサのうち第1センサが異常であるため、第1センサの測定値を制御指標の決定に用いることはできない。したがって、ステップ15で、もう一つの第2センサの測定値を制御指標を決定するために採用し、この測定値を用いて制御指標を求める処理を実行する。そして、農業用ハウス1では、この制御指標に応じた温度制御が行われる。さらにステップ50に進み、特定の第1センサが異常状態であることを使用者等に報知する異常警報を発して、本フローチャートを終了する。この異常状態の報知は、点灯、点滅などの表示、音声、または制御装置2による携帯端末等への情報送信によって実施することもできる。ステップ50の異常警報処理により、使用者等は、異常状態であるセンサを改善するための修理を依頼することができる。
このステップ11、ステップ15、ステップ50の処理により、センサの異常状態を外部に知らせて修理等の対策を促すとともに、修理実施までの間に不適切な制御指標によって環境制御してしまう状態を解消することが可能になる。また、本フローチャートは、所定時間間隔、例えば30秒間隔で実行する。したがって、終了後、所定時間経過するとステップ10の処理から再開することになり、本フローチャートは、所定時間毎に常時実行される。
ステップ50の処理によってセンサ異常を認識した使用者等は、自身で修理を試みたり、他者に修理の手配をしたりすることができる。修理が完了するまでの間は、制御装置2は、ステップ11、ステップ15、ステップ50の処理を実行することで、異常な測定値を除いた制御指標に基づいた緊急改善制御を実施し続ける。
ステップ11で第1センサについてセンサ異常条件が不成立であると判定すると、ステップ12でもう一つの第2センサが故障しているか否かを判定する。第2センサの測定値が通常の室温でないことが明らかである低値や高値である場合には、第2センサのセンサ異常条件が成立することになる。第2センサについて、あらかじめ上限許容値及び下限許容値を定め、ステップ21では、上限許容値を超える場合や下限許容値未満である場合にセンサ異常条件が成立すると判定してもよい。
ステップ12で第2センサについてセンサ異常条件が成立していると判定すると、2個のセンサのうち第2センサが異常であるため、第2センサの測定値を制御指標の決定に用いることはできない。したがって、ステップ14で、もう一つの第1センサの測定値を制御指標を決定するために採用し、この測定値を用いて制御指標を求める処理を実行する。そして、農業用ハウス1では、この制御指標に応じた温度制御が行われるとともに、前述のステップ50に進み、特定の第2センサが異常状態であることを使用者等に報知する異常警報を発して、本フローチャートを終了する。このステップ11、ステップ12、ステップ14、ステップ50の処理により、センサの異常状態を外部に知らせて修理等の対策を促すとともに、修理までの間に不適切な制御指標によって環境制御してしまう状態を解消することが可能になる。
ステップ12で第2センサについてセンサ異常条件が不成立であると判定すると、2個のセンサのすべてが正常ということになる。そしてステップ13で第1センサ及び第2センサの測定値を制御指標を決定するために採用し、二つの測定値を用いて制御指標を求める処理を実行する。農業用ハウス1では、この制御指標に応じた温度制御が行われるとともに、ステップ70で異常警報を解除する処理を実行し、本フローチャートを終了する。
一方、温度センサ56が2個でない場合はステップ10で「NO」と判定され、次のステップ20で制御指標の決定に用いられる温度センサ56の個数が3個であるか否かを判定する。温度センサ56が3個である場合はステップ20で「YES」と判定され、次のステップ21で3個の温度センサ56のうち特定の第1センサが故障しているか否かを判定する。
ステップ21で第1センサについてセンサ異常条件が成立していると判定すると、3個のセンサのうち第1センサが異常であるため、第1センサの測定値を制御指標の決定に用いることはできない。したがって、ステップ27で、残りの二つの第2センサ及び第3センサの測定値を制御指標を決定するために採用し、この測定値を用いて制御指標を求める処理を実行する。農業用ハウス1では、二つの測定値を用いて制御指標が決定され、この制御指標に応じた温度制御が行われる。さらに前述のステップ50に進み、特定の第1センサが異常状態であることを使用者等に報知する異常警報を発して本フローチャートを終了する。このステップ21、ステップ27、ステップ50の処理により、センサの異常状態を外部に知らせて修理等の対策を促すとともに、修理までの間に不適切な制御指標によって環境制御してしまう状態を解消することができる。
ステップ21で第1センサについてセンサ異常条件が不成立であると判定すると、ステップ22で特定の第2センサが故障しているか否かを判定する。ステップ22で第2センサについてセンサ異常条件が成立していると判定すると、3個のセンサのうち第2センサが異常であるため、第2センサの測定値を制御指標の決定に用いることはできない。したがって、ステップ26で、第1センサ及び第3センサの測定値を制御指標を決定するために採用し、この測定値を用いて制御指標を求める処理を実行する。そして、農業用ハウス1では、この制御指標に応じた温度制御が行われるとともに、前述のステップ50に進み、第2センサが異常状態であることを使用者等に報知する異常警報を発して、本フローチャートを終了する。このステップ21、ステップ22、ステップ26、ステップ50の処理により、センサの異常状態を外部に知らせて修理等の対策を促すとともに、修理までの間に不適切な制御指標によって環境制御してしまう状態を解消することができる。
一方、ステップ22で第2センサについてセンサ異常条件が不成立であると判定すると、ステップ23で特定の第3センサが故障しているか否かを判定する。ステップ23で第3センサについてセンサ異常条件が成立していると判定すると、3個のセンサのうち第3センサが異常であるため、第3センサの測定値を制御指標の決定に用いることはできない。したがって、ステップ25で、第1センサ及び第2センサの測定値を制御指標を決定するために採用し、この測定値を用いて制御指標を求める処理を実行する。そして、農業用ハウス1では、この制御指標に応じた温度制御が行われるとともに、前述のステップ50に進み、第3センサが異常状態であることを使用者等に報知する異常警報を発して、本フローチャートを終了する。このステップ21、ステップ22、ステップ23、ステップ25、ステップ50の処理により、センサの異常状態を外部に知らせて修理等の対策を促すとともに、修理までの間に不適切な制御指標によって環境制御してしまう状態を解消することができる。
ステップ23で第3センサについてセンサ異常条件が不成立であると判定すると、3個のセンサのすべてが正常ということになる。そしてステップ24で第1センサ、第2センサ及び第3センサの測定値を制御指標を決定するために採用し、三つの測定値を用いて制御指標を求める処理を実行する。さらに農業用ハウス1では、この制御指標に応じた温度制御が行われるとともに、ステップ70で異常警報を解除する処理を実行し、本フローチャートを終了する。
一方、温度センサ56が3個でない場合はステップ20で「NO」と判定され、次のステップ30で1個の温度センサ56が故障しているか否かを判定する。ステップ30でセンサ異常条件が成立していると判定すると、1個しかないセンサが異常であるため、室温を測定することができない。そしてステップ40で、制御装置2は、室温の代用値の一例として25℃を設定し、この設定温度を制御指標とする処理を実行する。この所定温度は、作物4の生育に悪影響を与えにくい温度に設定される。また、この所定温度は、現在の季節、時刻等に応じた温度に設定されるようにしてもよい。また、過去の所定の数日間における実績に基づいて求められる温度を所定温度に採用するようにしてもよい。
また、ステップ30でセンサ異常条件が不成立であると判定すると、1個しかないセンサが正常であるため、ステップ70で異常警報を解除する処理を実行し、本フローチャートを終了する。
次に、第1実施形態の制御装置2がもたらす作用効果について説明する。制御装置2は、複数個のセンサのうち、異常値を出力するセンサを検出した場合には、異常な状態のセンサが存在することを報知する(ステップ50)。さらに制御装置2は、異常値を出力するセンサを除いた残りのセンサによって測定される環境値を用いて制御指標を求め(ステップ14、15、25、26、27)、この制御指標に応じてハウス内における温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御する。
これによれば、複数の場所の環境値を測定する複数個のセンサのうち異常なセンサを検出した場合に、異常の報知を行うとともに、残りの正常なセンサを用いて制御指標を求める。この処理によれば、センサに異常が発生した場合であっても多観点的で大局的なハウス内の環境制御を継続できる。このため、異常の報知から修理までの間の作物4への悪影響を抑制する制御装置2を提供できる。したがって、制御装置2によれば、複数個のセンサのうちいずれかのセンサに故障等の異常があった場合でも、環境悪化を緊急改善するとともに多観点的な環境制御を提供できる。
制御装置2は、異常なセンサを除いた残りのセンサによって測定される環境値について、最大値、最小値及び平均値のいずれか一つを算出することにより制御指標を求める。これによれば、ハウス内において場所によって環境値が異なる場合に、ハウス内のすべての作物4について生育を阻害しない制御指標を決定することができる。したがって、制御装置2は、複数個のうちいずれかのセンサに異常があった場合でも、環境悪化を緊急改善する制御指標を決定することができる。
制御装置2は、複数個のセンサのすべてについて、異常値を出力することを検出した場合には、異常な状態のセンサが存在することを報知する。さらに制御装置2は、作物4の生育に悪影響を与えにくいあらかじめ定めた制御指標に応じてハウス内における温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御する。あらかじめ定めた制御指標は、作物4の生育に悪影響を与えにくい温度、湿度、二酸化炭素濃度に設定される。また、この所定の制御指標は、現在の季節、時刻等に応じた指標に設定されるようにしてもよい。また、過去の所定の数日間における実績に基づいて求められる指標を所定の制御指標に採用するようにしてもよい。
これによれば、ハウス内の環境値を測定するすべてのセンサが故障した場合でも、ハウス内のすべての作物4について生育を阻害しない所定の制御指標を代用値として用いて、環境悪化を緊急改善する環境制御を継続することができる。
また、農業用ハウス1は、ハウス内の複数箇所の環境値を測定する複数個のセンサと、複数個のセンサによって測定される複数箇所の環境値を用いて求めた制御指標に応じて温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御する制御装置2と、を備える。制御装置2は、複数個のセンサのうち、異常値を出力するセンサを検出した場合には、異常な状態のセンサが存在することを報知する。さらに制御装置2は、異常値を出力するセンサを除いた残りのセンサによって測定される環境値を用いて制御指標を求め、制御指標に応じてハウス内における温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御する。
この農業用ハウス1によれば、複数場所の環境値を測定する複数個のセンサのうち異常なセンサを検出した場合に、異常の報知を行うとともに、残りの正常なセンサを用いて制御指標を求める。この処理によれば、センサに異常が発生した場合であっても多観点的で大局的なハウス内の環境制御を継続できるので、異常の報知から修理までの間の作物4への悪影響を抑制する農業用ハウス1を提供できる。したがって、農業用ハウス1によれば、複数個のセンサのうちいずれかのセンサに故障等の異常があった場合でも、環境悪化を緊急改善するとともに多観点的な環境制御を提供できる。
(他の実施形態)
以上、開示された発明の好ましい実施形態について説明したが、開示された発明は前述した実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。前述の実施形態の構造は、あくまで例示であって、開示された発明の技術的範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。開示された発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
以上、開示された発明の好ましい実施形態について説明したが、開示された発明は前述した実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。前述の実施形態の構造は、あくまで例示であって、開示された発明の技術的範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。開示された発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
前述の実施形態では、温度センサ56が3個以下である場合のセンサ異常時制御について説明しているが、制御指標の決定に用いられるセンサの個数は2個以上であれば、3個以下に限定されない。センサの個数が4個以上である場合は、前述するフローチャートは、制御指標の決定に用いられるセンサ個数に適合するようにステップ10、20のセンサ個数に係る判定処理が変更され、故障したセンサを特定するための前述の処理が順次実行されることになる。
前述の実施形態において、制御装置2は、パーソナルコンピュータが備えるインターフェイス部あるいはパーソナルコンピュータに追加されるインターフェイス部を通して、各種センサの出力を受け取り、また各調整機器への指示を与えるように構成してもよい。すなわち、パーソナルコンピュータでプログラムを実行することによって、パーソナルコンピュータを制御装置2として機能させることができる。
前述の実施形態において、制御装置2のI/F部20に、天気予報の情報を外部から取得する通信インターフェイス部を備えるようにしてもよい。この場合、制御装置2は、I/F部20を通して取得した天気予報の情報から、作物4の周囲湿度を予測し、予測結果に基づいて、給水機37によるベッド38への給水量を調整することができる。
前述の実施形態において、作物4の一例としてトマトであることを記載しているが、作物4は、トマトに限定されるものではなく、その他の野菜や果物であってもよい。
1…農業用ハウス
2…制御装置
4…作物
56…温度センサ(センサ)
57…湿度センサ(センサ)
58…二酸化炭素センサ(センサ)
2…制御装置
4…作物
56…温度センサ(センサ)
57…湿度センサ(センサ)
58…二酸化炭素センサ(センサ)
Claims (9)
- 作物(4)を生育するための農業用ハウス(1)において、複数個のセンサ(56,57,58)によって測定されるハウス内の複数箇所の環境値を用いて求めた制御指標に応じて、前記ハウス内における温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御する制御装置(2)であって、
前記複数個のセンサのうち、異常値を出力するセンサを検出した場合には、異常な状態のセンサが存在することを報知するとともに、前記異常値を出力するセンサを除いた残りのセンサによって測定される環境値を用いて前記制御指標を求め、前記制御指標に応じて前記ハウス内における温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御することを特徴とする制御装置。 - 前記制御指標は、前記残りのセンサによって測定される環境値について、最大値、最小値及び平均値のいずれか一つを算出することにより求められることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
- 前記複数個のセンサのすべてについて、前記異常値を出力することを検出した場合には、異常な状態のセンサが存在することを報知するとともに、前記作物の生育に悪影響を与えにくいあらかじめ定めた前記制御指標に応じて前記ハウス内における温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制御装置。
- 作物(4)を生育するためのハウス内においてそれぞれ環境値を測定することにより前記ハウス内における複数箇所の環境値を測定する複数個のセンサ(56,57,58)と、
前記複数個のセンサによって測定される前記ハウス内の複数箇所の環境値を用いて求めた制御指標に応じて、前記ハウス内における温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御する制御装置(2)と、
を備え、
前記制御装置は、前記複数個のセンサのうち、異常値を出力するセンサを検出した場合には、異常な状態のセンサが存在することを報知するとともに、前記異常値を出力するセンサを除いた残りのセンサによって測定される環境値を用いて前記制御指標を求め、前記制御指標に応じて前記ハウス内における温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御することを特徴とする農業用ハウス。 - 前記制御装置は、前記残りのセンサによって測定される環境値について、最大値、最小値及び平均値のいずれか一つを算出することにより前記制御指標を求めることを特徴とする請求項4に記載の農業用ハウス。
- 前記制御装置は、前記複数個のセンサのすべてについて、前記異常値を出力することを検出した場合には、異常な状態のセンサが存在することを報知するとともに、前記作物の生育に悪影響を与えにくいあらかじめ定めた前記制御指標に応じて前記ハウス内における温度環境、湿度環境または二酸化炭素環境を制御することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の農業用ハウス。
- 前記複数個のセンサは、前記ハウス内における複数箇所の温度環境値を測定する温度センサ(56)であり、
前記制御装置は、前記異常値を出力する前記温度センサを除いた残りの前記温度センサによって測定される温度環境値を用いて前記制御指標を求め、前記制御指標に応じて前記ハウス内における温度環境を制御することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の農業用ハウス。 - 前記複数個のセンサは、前記ハウス内における複数箇所の湿度環境値を測定する湿度センサ(57)であり、
前記制御装置は、前記異常値を出力する前記湿度センサを除いた残りの前記湿度センサによって測定される湿度環境値を用いて前記制御指標を求め、前記制御指標に応じて前記ハウス内における湿度環境を制御することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の農業用ハウス。 - 前記複数個のセンサは、前記ハウス内における複数箇所の二酸化炭素環境値を測定する二酸化炭素センサ(58)であり、
前記制御装置は、前記異常値を出力する前記二酸化炭素センサを除いた残りの前記二酸化炭素センサによって測定される二酸化炭素環境値を用いて前記制御指標を求め、前記制御指標に応じて前記ハウス内における二酸化炭素環境を制御することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の農業用ハウス。
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