JP2017011836A - 電力変換装置用モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】電力変換装置に用いられているモジュールで、スイッチング素子の動作時に発生する高周波ノイズがグランドラインを経由して近接する他の機器に悪影響を及ぼす。【解決手段】モジュールのスイッチング素子およびダイオードが配置される面とは反対面で、主要な接合容量を形成する絶縁基板に対向するベース部分を電位毎に分離する。ベースの分離位置は、正極電位、負極電位および交流電位とし、ベースの分離した正極電位と交流電位の間、負極電位と交流電位の間にそれぞれインピーダンス調節用部材が介挿される。インピーダンス調節用部材としては、0.1μH〜10μHのインダクタンスとして寄与するインダクタ等が用いられる。【選択図】 図1

Description

本発明は、電力変換装置用モジュールに係わり、特にモジュールが発する高周波ノイズ信号を低減する電力変換装置用モジュールに関するものである。
各種産業に用いられる電力変換装置のスイッチング素子としてパワーモジュールが使用されている。このパワーモジュールは、半導体素子の動作時には高周波電圧、電流振幅ノイズを発生して周辺機器へ伝導、放射して周辺機器に対し悪影響を与える。
近年、パワーモジュール内で使用されるパワー半導体素子は、ゲート制御の高速化、SiCやGaN等ワイドバンドギャップ材料からなる新デバイスの採用により、ますますスイッチング時間の短縮化、スイッチング時の電圧波形の急峻化が進んでいる。これに伴い、スイッチング時の瞬間的な電圧振動(サージ電圧)、ダイオードが発する逆回復電流、ノイズ源での発生レベルが増大している。ノイズは、インピーダンスの低いループ、特に対地容量の大きい箇所を介してグランドに漏れ、グランドラインを経由して近接する他の機器に影響を与える。
インバータ装置等の電力変換装置からグランドに漏れるノイズ電流を低減する技術として、使用されるパワーモジュールの絶縁基板のインピーダンスを高めるために、特許文献1では誘電損失が大きくなる材料からなる絶縁基板を用いることを提案している。また、特許文献2では、パワーモジュールの絶縁基板を2層構造にし、そのうち1層には絶縁基板に対し並列にインダクタンスとして寄与する配線層等を設け、LCによる並列共振によって特定周波数でのインピーダンスを高め、グランドへの漏れ電流を軽減することを提案している。
一方、特許文献3では、インバータの出力ケーブルとグランドパターン間の容量(電気的結合)を高めることで、入力ケーブルと出力ケーブル間の電気的結合を低減し、出力ケーブルに重畳する高周波ノイズが入力ケーブル、電源側に伝達、誘導され難い構成を提案している。また、特許文献4では、主なノイズ源であるインバータのスイッチング素子とグランド電位のヒートシンク間の電気的結合を広い周波数で高めるために、コンデンサとして働く容量素子(インピーダンス回路)をヒートシンク上に作成し、高周波ノイズ電流をグランドに積極的に逃がすことで、電源側に高周波電流が流れにくくした構成を提案している。
特開2008−35657 特開2011−172329 特開2012−110092 特開2012−196113
特許文献2で提案されている技術では、パワーモジュールの絶縁基板を従来の1層の絶縁層ではなく多層基板にしているため、パワーモジュールの製造コストアップに繋がり、且つ絶縁層内に配線パターンを設けること及びチップインダクタを配置すること等、製造工程も複雑化するという問題がある。また、所望のインピーダンス特性を得るには、配線パターンの長さ、太さ、位置等に詳細な制約が生じる。また、IGBT等スイッチング素子のゲート制御条件により発生するノイズの周波数も異なり、スイッチング素子の使用条件ごとにインピーダンスを高めるべき周波数帯も変動する。すなわち、絶縁基板での回路設計を、スイッチング素子の特性、及びゲート制御、動作温度条件等の使用条件ごとに設計しなおすことが必要になる。
特許文献3,4は、システムの大型化、コストアップに繋がるノイズ部品(フェライトコアやノイズ抑制シート、LCフィルタ)の使用を最小限にするため、システム内の各部位間の電気的,磁気的結合を制御することで、ノイズの伝搬ルートを制御するものである。各制御方法では、以下のような問題が生じる。
特許文献3においては、出力ケーブルとグランド間の容量は、U相,V相,W相の出力電線とグランド電位パターン間の絶縁部材の厚み、ケーブル内の対向表面積(最接近で向かい合った部位の表面積)等で決まるが、比誘電率が3程度以下の通常の絶縁材料を用いた場合、両者間の結合容量は大きくても100pF以下であり、10MHz以下の周波数のノイズ成分を逃がす伝搬ルートとしては十分に低いインピーダンスにはならない。
特許文献4においては、スイッチング素子前後の各主回路電位(P電位,N電位,U相,V相,W相)とグランド間の容量は各電位で異なるため、各電位からグランドへ漏れるルート間でインピーダンス特性(インピーダンスが低下する共振周波数)が異なる。すなわち、広い周波数帯において全電位からグランドまでのインピーダンスを低下させるには、各電位と容量のバラツキを考慮した上で、最適な定数を持つ複数の要領素子を設けなければならない。また、ノイズの伝搬ルートを制御するという観点とは別に、スイッチング時の放射ノイズを抑制するという観点からは、高周波電流が循環するループをできるだけ狭い領域に制限する必要がある。
本発明が目的とするところは、高周波ノイズ電流を、ノイズ発生源近傍に閉じ込めることでモジュール外部へ伝導するノイズ、放射するノイズを低減した電力変換装置用モジュールを提供することにある。
本発明は、それぞれスイッチング素子と逆並列にダイオードを接続した回路を直列に接続構成した回路を有するモジュールであって、絶縁基板の一方の面に電極パターンを介してスイッチング素子およびダイオードが配置され、他方の面に金属よりなるベースが配置されるものにおいて、
前記ベースを該ベースと対向する電極の電位毎に分離し、分離した正極電位と対向するベースと交流電位と対向するベースとの間、負極電位と対向するベースと交流電位と対向するベースとの間にそれぞれインピーダンス調節用の部材を介挿することを特徴としたものである。
本発明におけるインピーダンス調節用の部材は、前記ベースを経由するノイズ電流が伝搬するループのLC直列共振周波数が10MHz以下になるようインピーダンスが調節されたものであることを特徴としたものである。
本発明におけるインピーダンス調節用の部材は、0.1〜10μHのインダクタンスとして寄与することを特徴としたものである。
本発明におけるインダクタンスとして寄与する部材のLC並列共振周波数は、30MHz以上であることを特徴としたものである。
本発明におけるインダクタンスとして寄与する部材は、チップインダクタであることを特徴としたものである。
本発明におけるインダクタンスとして寄与する部材は、極細の線をコイル状に巻いたばね形状であることを特徴としたものである。
本発明におけるインダクタンスとして寄与する部材のインダクタンス値は、直流配線部のスナバコンデンサを経由するノイズ電流が伝搬するループのLC直列共振周波数より、前記ベースを経由するノイズ電流が伝搬するループのLC直列共振周波数が小さくなるように選定されることを特徴としたものである。
本発明は、モジュールは樹脂よりなるケースに収納された両面冷却カード型であって、前記ベースに前記絶縁基板と対向位置の分離部分を形成し、分離部分にインダクタンスとして寄与する部材を配置したことを特徴としたものである。
本発明は、インダクタンスとして寄与する部材のサイズ、数量及び前記絶縁基板と対向する位置の何れかにより、前記絶縁基板と対向する前記ベースの面積を調節して正極電位と対向するベース間の容量CP-G、負極電位と対向するベース間の容量CN-Gを可変することを特徴としたものである。
本発明におけるベースは、低インピーダンスを介して電力変換装置のグランド電位と接続されることを特徴としたものである。
以上のとおり、本発明によれば、以下のような効果が得られるものである。
(1)電力変換装置内のスイッチング素子の電圧変動が原因で生ずる高周波ノイズ電流を低周波から高周波にわたり、ノイズ源近傍のモジュール内で周波数毎に分離して閉じ込める複数のループができるため、EMC(電磁両立性)性能が向上し、モジュールの外部に伝導するノイズ、放射ノイズが低減する。
(2)スイッチング中に、高周波電流が複数の低インピーダンスループを同時に流れることがなくなるため、スイッチング中の任意のタイミングにおいて瞬間的に伝導ノイズ、放射ノイズが増大することが低減する。これにより、スイッチング中でのスイッチング素子の誤動作が防止される。
(3)モジュールの信頼性が向上する。モジュールのベースを電位毎に分離するため、例えば活性金属ろう付け法や銅直接接合法等で作成したセラミックス基板の表面側(回路パターン側)と裏面側(ベース側)の金属の面積比が近くなるため、セラミックス基板・金属の界面にかかる応力が低減され、セラミックス基板の熱サイクルに対する信頼性が向上する。また、セラミックス間に設置するインダクタや極細のばねはセラミックス基板間の応力を緩和する役目をする。
本発明の実施形態を示すインバータのモジュール断面図。 本発明の他の実施形態を示すインバータのモジュール断面図。 本発明のモジュール等価回路でのノイズ伝搬ルート図。 本発明のノイズ伝搬ルートの共振周波数−電圧特性図。 本発明の他の実施形態を示すインバータのモジュール断面図。 絶縁基板とベース配置の平面図。 インバータ装置の基本的な構成図。 インバータ装置のノイズ伝搬ルート図。 従来のインバータのモジュール断面図。 従来の両面冷却カード型モジュール断面図。 従来のモジュール等価回路でのノイズ伝搬ルート図。 従来のノイズ伝搬ルートの共振周波数−電圧特性図。
本発明は、電力変換装置に使用されるモジュールのP(正極)電位、N(負極)電位およびAC(交流)電位の電極パターンと絶縁基板を介して主要な容量を形成する金属部(ベース)を、対向する電位毎に分離し、P電位と対向するベースとAC電位と対向するベースとの間、N電位と対向するベースとAC電位と対向するベースとの間にそれぞれ0.1μH〜10μHのインダクタンスとして寄与する部材を介挿するものである。具体的な実施例の説明に先立って、本発明に至る考え方について説明する。
図7は電力変換装置の例として一般的なインバータ装置の構成を示したものである。コンバータ3は入力配線部2を介し商用電源1に接続されて交流入力電圧を直流電圧に変換する。変換された直流電圧は平滑コンデンサやスナバコンデンサを有する直流(DC)配線部4を通してインバータ5に印加され、このインバータ5において所定の交流電圧に逆変換されて出力配線部6を介して誘導機7に印加される。
インバータ5として、IGBTやMOSFETのスイッチング素子とダイオードをモジュール化したものが使用され、スイッチング中の電圧変化dv/dtが大きいほど、またスイッチング時の電圧の跳ね上がり、電圧のリンギングが大きいほど発するノイズレベルは増大する。すなわち、高速にスイッチングすればするほどスイッチング損失は減少し変換効率向上が図れるが、ノイズレベルは増大するという問題がある。
図8は、図7で示すインバータ装置の各部の浮遊容量の等価回路を示したもので、矢印で示す方向に漏れ電流が流れ、各構成部品の対地容量を介したグランドへの漏れ電流が主なノイズ伝搬ルートになる。伝導ノイズの規格を満たすためには、ノイズ源(図7では例としてW相のみを表示)のノイズ発生量の絶対値を低減すると同時に、入力配線部側、商用電源側にノイズが回り込まないよう高周波電流が伝搬する経路のインピーダンスの制御が重要となる。特に商用電源側に高周波のノイズ信号が伝搬されないように、また、空間にノイズが放射されないようにするためには、ノイズ源のできるだけ近傍で、意図的に低いインピーダンスの伝導ループを作成し、高周波の電流を狭い流域に閉じ込めることが有用である。
図9は一般的なインバータの2in1モジュールの断面図、図10は両面冷却型2in1モジュールの断面図を示したものである。モジュールは、Al2O3などの絶縁基板10を介して一方の面にはCuなどよりなるベース11を配置し、他方の面にはCuなどよりなる配線層12、スイッチング素子(IGBT又はMOSFET)13およびダイオード14が配設されている。15は例えばAlなどの配線である。
図11はこれら2in1モジュールの等価回路を示したもので、例としてインバータの下アームスイッチング素子のターンオフ時をノイズ発生源とし、そのときの伝搬ルートを示したものである。何れも、モジュールの絶縁基板10を介してP電位、N電位、AC電位と、グランド電位に落とされることの多いベース11の間に容量CP-G,CN-G,CAC-Gが形成される。
また、スイッチング素子としてIGBTを用いた場合、コレクタ−エミッタ間の接合容量Cce(MOSFETの場合にはドレイン−ソース間の接合容量Cds)と、直流配線部4のスナバコンデンサ(フィルムコンデンサ)の容量Cfilmとし、スナバコンデンサを含む循環ループ(以下、この循環ループをノイズ伝搬ルート1という)の寄生インダクタンスをL、寄生抵抗をRとすると、(1)式で示される周波数fでLC直列共振が発生し、その周波数でインピーダンスが寄生抵抗Rに低下する。このため、ノイズ伝搬ルート1で示されるループでは、ノイズ源が発生するノイズスペクトルのうち、共振周波数f前後の高周波振動電流が優先的に流れる。
Figure 2017011836
ノイズ伝搬ルート1とは別の高周波ノイズ電流のループとして、コレクタ−エミッタ間の接合容量Cce、N電位、N電位とベース間の容量CNG、AC電位とベース間の容量CAC-G、AC電位を介してベースを循環するノイズ伝搬ルート2と、スイッチング素子と逆並列に配置されるダイオードの容量CAK、AC電位、コレクタ−エミッタ間の接合容量Cce、配線15を循環するノイズ伝搬ルート3が存在する。
それぞれのループを流れるノイズ電流は、LC直列共振によりインピーダンスが低下する周波数前後となるが、その共振周波数は図11に示すように、スイッチング中のIGBT(図11では下アームのIGBT)のコレクタ−エミッタ電圧Vceに依存する。これはスイッチング中のIGBTやダイオードの接合容量がコレクタ−エミッタ電圧Vce、或いはダイオードのアノード−カソード電圧が大きいほど接合容量Cceが低下することで変化するためである。
ここで問題となるのは、電圧Vceによる依存性が図12に示すように、ノイズ伝搬ルート2と3の共振周波数がある電圧Vceで非常に接近し、場合によっては一致するため、この電圧Vceではノイズ信号が両ルートに流れて伝導ノイズ、放射ノイズが大きくなる。
また、ノイズ伝搬ルート1〜3において、共振周波数が最も低いルート1の場合でも、通常10MHz以上であり、伝導ノイズの主要な成分である10MHz以下の成分を循環させるループにはなっていない。10MHz以下の低周波のノイズ信号は、図11で示すループより外部の、すなわち、図7で示す出力配線部6、直流配線部4、コンバータ3及び入力配線部2まで広がる広い領域(空間)の低インピーダンスのルートを伝搬することになる。これはインバータ装置のEMCを高めるために各種ノイズフィルタの設置、放射ノイズを抑えるための各種シールド対策が追加的に必要となり好ましくない。
よって、本発明では、ノイズ伝搬ルート1〜3等のノイズ源近傍のループのインピーダンス(共振周波数)を適切に調節設定することでノイズ信号を閉じ込めるものである。
図1は、例としてスイッチング素子をIGBTとし、U相の直列接続された上アーム用のIGBT-u1と下アーム用のIGBT-u2とを有するインバータの2in1モジュールの断面図を示したものである。各IGBTは、図8と同様に絶縁基板10を挟んで一方の面にベース11を配置し、他方の面に配線層12を介してスイッチング素子13-u1,13- u2とダイオード14-u1,14-u2を配置している。図8と異なる部分は、モジュール内におけるベース11が、IGBT-u1とIGBT-u2が直列接続されて交流を出力するAC部分と、IGBT-u2とN電位の部分で分離されている。
すなわち、ベース11は電位的には、対向するP電位、N電位、AC電位で分離し、その分離した位置にインピーダンス調整用の部材であるインダクタ21,22が介挿される。介挿されるインダクタ21,22は、容量数100nH〜10μH程度のインダクタンスとして機能する部材が用いられる。このインダクタとしては、例えば表面実装タイプのチップコイルとし、IGBT-u1とIGBT-u2のベース間およびIGBT-u2とN電位のベース間においてそれぞれ半田付けなどの手法で接続される。なお、インダクタ21,22としては、図2で示すようにSUS製のピアノ線をコイル状に巻いた極細のスプリングを配置してもよく、要はインダクタンス値が100nH〜10μHの範囲で作用すればよい。
図3はインダクタ21,22を接続したときの等価回路において、IGBT-u2のターンオフ時で、IGBT-u2がノイズ源となったときのノイズ伝搬ルートを示したものである。また、図4はノイズ伝搬ルート毎の共振周波数を示したもので、インダクタンスとして動作するインダクタ21,22を配設したことで、ノイズ伝搬ルート2の共振周波数が低周波側に移動している。
例えば、モジュールをIGBTで構成し、インダクタ21,22として10μH定格のチップインダクタンスを配設した場合、ノイズ伝搬ルート2の循環インダクタンスが10μH、容量CP-G=200pF,CAC-G=200pF,IGBT-u2のCce(Vce=0V時の)=20nF,IGBT-u1のCce(Vce=600V時の)=1nFの場合、ノイズ伝搬ルート2の共振周波数は、IGBTのドレイン−ソース間の接合容量Cceによらず5MHzとなる。
一方、ノイズ伝搬ルート1の共振周波数は、ルート1のループインダクタンスが30nHの場合、エミッタ−コレクタ間Vce=0Vで6.5MHz、Vce=600Vで30MHzとなる。すなわち、図4に示すようにノイズ伝搬ルート2の共振周波数は、IGBTのエミッタ−コレクタ間の接合容量Cceによらずノイズ伝搬ルート1の共振周波数に比べて低くなる。
この結果、図12で見られるような複数のノイズ伝搬ルートでの共振周波数の接近や一致による伝導ノイズ、放射ノイズの増大がなくなり、さらに周波数10MHz以下の伝導ノイズの主要成分を、ノイズ源(スイッチング素子13)近傍の循環ルート(ノイズ伝搬ルート2)に高強度で閉じ込めることができる。
なお、インダクタ21,22のインダクタンス値が大きいものを用いれば用いるほどインダクタの抵抗Rが大きくなり、共振時のインピーダンスが大きくなってノイズ電流が外部の低インピーダンスのルートを通る可能性が高まる。すなわち、インダクタ21,22のインダクタンス値は可能な限り小さな部品を用いることが望ましい。また、図1の構成とすることで、ベース11の電圧振動は図8で示す従来よりも大きくなるが、ベース11をインバータ装置のグランドに落とす方が良いか否かは系により考慮され、グランドに落とす場合は低インピーダンスを介して落とされる。
図3では、下アームのスイッチング素子のターンオフ時について説明してきたが、上アームの場合も下アームと同様に、P電位とAC電位間で形成されたインダクタンスにより、ベース電位を介するループの共振周波数を10MHz以下に低下するため、スイッチング時のノイズ閉じ込めルートが形成される。
図5は両面冷却カード型2in1モジュールに本発明を適用した場合の実施例である。両面冷却カード型2in1モジュールは、樹脂よりなるケース16によりベース11の左右一部を挟んだ状態で収納体を構成し、その内部にスイッチング素子およびダイオード等の各部品が配置されている。すなわち、P電位の配線層12Pと交流出力部(AC端子)17間にはスイッチング素子13-u1とダイオード14-u1が配置され、N電位の配線層12NとAC端子17間にはスイッチング素子13-u2とダイオード14-u2が配置されている。また、配線層12P,12Nとケース16にはそれぞれ積層された状態の絶縁基板10とベース11が配置されている。
上記のように構成されたモジュールにおいて、ベース11は図面左右でそれぞれに絶縁基板10と分離され、その分離された部分にそれぞれインダクタ21,22が配置されている。これにより、実施例1と同様にベース11に形成される電位部において、AC電位(AC端子17)と主要な容量CAC-Gを形成するベース電位と、P電位と主要な容量CP-Gを形成しているベース電位との間、およびN電位と主要な容量CN-Gを形成しているベース電位と、AC電位と主要な容量CAC-Gを形成するベース電位との間に、それぞれ0.1〜10μHのインダクタンスとして機能する部材を配置した構成になっている。
図6は、絶縁基板10と対向配置されるベース11とインダクタ配置の他の例の平面図を示したものである。すなわち、インダクタは図面左右位置に21a(22a)を配置し、図面上下位置に21b(22b)を配置したものである。これは、絶縁基板10(或いはケース16)に接触するベース11の面積の大小で容量CP-G,CN-Gが決まることに基づく。例えば容量CP-Gは(2)式で決まる。
P-G=絶縁基板の誘電率(ε)×S(絶縁基板に接触する面積)/絶縁基板の厚み(d) …… (2)
そのため、図6で示すようにベース11をスプリング等で刻む数(図6では4箇所)を増やすか、或いは長いスプリング等で刻むことにより、絶縁基板10と対向(接触)するベース11の面積を減少させる。その結果、(2)式にしたがって容量CP-Gが減少する。図6(a)(b)ではその面積S1,S2を図6(a)>図6(b)とした例で、この大小関係でN電位とベーイ間容量CN-Gを例にすると、S1>S2では、CN-G1>CN-G2となる。このように、インダクタのサイズ、数量及び絶縁基板に10に対向する位置により、容量CP-G,CN-Gを可変することができる。
したがって、実施例2においても、実施例1と同様にノイズ源からベース電位を経由するループの共振周波数を低周波側にシフトさせることができ、伝導ノイズの主要な成分である10MHz以下の成分を循環させるためのループを形成すると共に、両面冷却カード型2in1モジュールにおいては、容量CP-G,CN-Gを任意に可変することができる。これにより、インバータのモジュール外部、すなわち出力配線部6、直流配線部4および入力配線部2等に漏れる伝導ノイズ、放射ノイズの低減が可能になる。
3… コンバータ
4… インバータ
10… 絶縁基板
11… 金属部(ベース)
12… 配線層
13… スイッチング素子
14… ダイオード
15… 配線
16… ケース
17… 交流出力部
18… バスバー
21,22… 部材(インダクタ)

Claims (10)

  1. それぞれスイッチング素子と逆並列にダイオードを接続した回路を直列に接続構成した回路を有するモジュールであって、絶縁基板の一方の面に電極パターンを介してスイッチング素子およびダイオードが配置され、他方の面に金属よりなるベースが配置されるものにおいて、
    前記ベースを該ベースと対向する電極の電位毎に分離し、分離した正極電位と対向するベースと交流電位と対向するベースとの間、負極電位と対向するベースと交流電位と対向するベースとの間にそれぞれインピーダンス調節用の部材を介挿することを特徴とした電力変換装置用モジュール。
  2. 前記インピーダンス調節用の部材は、前記ベースを経由するノイズ電流が伝搬するループのLC直列共振周波数が10MHz以下になるようインピーダンスが調節されたものであることを特徴とした請求項1に記載の電力変換装置用モジュール。
  3. 前記部材は、0.1〜10μHのインダクタンスとして寄与することを特徴とした請求項1又は2に記載の電力変換装置用モジュール。
  4. 前記インダクタンスとして寄与する部材のLC並列共振周波数は、30MHz以上であることを特徴とした請求項3に記載の電力変換装置用モジュール。
  5. 前記インダクタンスとして寄与する部材は、チップインダクタであることを特徴とした請求項3又は4に記載の電力変換装置用モジュール。
  6. 前記インダクタンスとして寄与する部材は、極細の線をコイル状に巻いたばね形状であることを特徴とした請求項3又は4に記載の電力変換装置用モジュール。
  7. 前記インダクタンスとして寄与する部材のインダクタンス値は、直流配線部のスナバコンデンサを経由するノイズ電流が伝搬するループのLC直列共振周波数より、前記ベースを経由するノイズ電流が伝搬するループのLC直列共振周波数が小さくなるように選定されることを特徴とした請求項3乃至6の何れか1項に記載の電力変換装置用モジュール。
  8. 前記モジュールは樹脂よりなるケースに収納された両面冷却カード型であって、前記ベースに前記絶縁基板と対向位置の分離部分を形成し、分離部分に前記インダクタンスとして寄与する部材を配置したことを特徴とした請求項3乃至7の何れか1項に記載の電力変換装置用モジュール。
  9. 前記インダクタンスとして寄与する部材のサイズ、数量及び前記絶縁基板と対向する位置の何れかにより、前記絶縁基板と対向する前記ベースの面積を調節して正極電位と対向するベース間の容量CP-G、負極電位と対向するベース間の容量CN-Gを可変することを特徴とした請求項8記載の電力変換装置用モジュール。
  10. 前記ベースは、低インピーダンスを介して電力変換装置のグランド電位と接続されることを特徴とした請求項1乃至9の何れか1項に記載の電力変換装置用モジュール。
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