JP2017011270A - 荷電粒子ビーム描画装置およびその制御方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画装置およびその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マルチビームのブランキング密度が変化しても微小ビームが正しく整列したマルチビームを基板上に照射する。【解決手段】荷電粒子ビーム描画装置の制御装置は、描画データからマルチビームのブランキング密度マップを取得する工程と、予め求められたブランキング密度マップと、マルチビームの位置ずれ量と、電子レンズの最適制御パラメータとの関係を示すパラメータリストに基づいて、描画データのブランキング密度マップから電子レンズの最適制御パラメータを求める工程を実行する。制御装置は次にこの最適制御パラメータに基づいて、電子レンズを制御する。【選択図】図4

Description

本発明は、露光段階において荷電粒子ビームを利用して被照射体の表面にパターンを形成するための荷電粒子描画装置およびその制御方法に関する。
マルチビームを利用するマルチビームリソグラフィは、従来から開発されてきた。マルチビームリソグラフィは、例えばシリコンウエハやフォトマスクなどの被照射体上にパターンを形成するために利用される。
マルチビームリソグラフィを実現するため、マルチビームを用いた電子線描画装置が用いられている。この電子線描画装置は電子線を生成する電子線生成部と、電子線から複数の微小ビームを含むマルチビームを生成するアパーチャ装置と、マルチビームを偏向させて被照射体へ照射する偏向装置とを備え、アパーチャ装置と偏向装置との間にブランキング装置が設けられている。
このうちブランキング装置はアパーチャ装置で生成されたマルチビームのうち、所望の微小ビームを外方へ放出し、他の微小ビームを偏向装置へ導くものであり、このブランキング装置によってマルチビームのブランキング密度(微小ビームのオン/オフ密度)を0%〜100%へ変化させることができる。
ここで、本願発明者は、鋭意研究を重ねた結果、各微少ビーム間に生じるクーロン力や、偏向装置に設けられた吸収プレートにより吸収される微少ビームが起因となる電磁場の変動により吸収プレートを通過する微少ビームが歪んでしまうことを発見した。ここで、微少ビームの被照射物への照射量は、被照射物への描画パターンに応じて変動するため、マルチビームのブランキング密度に応じても変動し、微少ビーム間に生じるクーロン力や、吸収プレートが起因となる電磁場もその都度変動する。そのため、微少ビームの歪みは、荷電粒子ビームの照射処理中において荷電粒子ビームのショット毎に変動することとなり、これによって被照射物に対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができなくなる場合がある、ことも新たに発見した。
しかしながら従来より電子線描画装置の描画中にマルチビームのブランキング密度の変化に合わせてマルチビームの位置を調整する技術は開発されていない。
特開2010−123966号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、描画中にマルチビームのブランキング密度が変化した場合、この変化に対応してマルチビームの位置を調整することができる荷電粒子ビーム描画装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、荷電粒子ビームを生成する荷電粒子ビーム生成部と、前記荷電粒子ビームを通過させて複数の微小ビームを含むマルチビームを生成するとともに、複数の開口を有するアパーチャを含むアパーチャ装置と、前記マルチビームを偏向させて被照射体へ照射する電子レンズを含む偏向装置と、前記アパーチャ装置と前記偏向装置との間に介在され、所定の微小ビームを外方へ除去し、他の微小ビームを前記偏向装置へ導くブランキング装置と、これら電子ビーム生成部、前記アパーチャ装置、前記偏向装置および前記ブランキング装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は描画データから前記マルチビームのブランキング密度の分布を含むブランキング密度マップを取得し、予め求められたブランキング密度マップと、前記偏向装置の前記電子レンズの最適制御パラメータとの関係を示すパラメータリストに基づいて、前記描画データのブランキング密度マップから前記電子レンズの最適制御パラメータを選択して前記電子レンズを制御することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置である。
本発明は、前記ブランキング密度マップは、前記マルチビームを複数領域に区画し、各領域が割り当てられたブランキング割合をもつマップであることを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置である。
本発明は、前記電子レンズは多極をもった静電偏向器を含み、最適制御パラメータは各極に付与される偏向電圧であることを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置である。
本発明は、前記電子レンズは多極をもった静電偏向器を含み、最適制御パラメータは各極に付与される偏向電圧であることを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の制御方法である。
本発明は、前記電極レンズの前記制御パラメータに基づいて前記電極レンズを制御して、歪んだマルチビームアレイを理想格子状に補正することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置である。
本発明は、前記パラメータリストは、ブランキング密度マップに対応するマルチビームの位置ずれ量を含むことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置である。
本発明は、前記荷電粒子ビームを生成する荷電粒子ビーム生成部と、荷電粒子ビームを通過させて複数の微小ビームを含むマルチビームを生成するとともに、複数の開口を有するアパーチャを含むアパーチャ装置と、前記マルチビームを偏向させて被照射体へ照射する電子レンズを含む偏向装置と、前記アパーチャ装置と前記偏向装置との間に介在され、所定の微小ビームを外方へ除去し、他の微小ビームを前記偏向装置へ導くブランキング装置と、これら電子ビーム生成部、前記アパーチャ装置、前記偏向装置およびブランキング装置を制御する制御装置とを備えた荷電粒子ビーム描画装置の制御方法において、描画データから前記マルチビームのブランキング密度の分布を含むブランキング密度マップを取得する工程と、予め求められたブランキング密度マップと、前記偏向装置の前記電子レンズの最適制御パラメータとの関係を示すパラメータリストに基づいて、前記描画データのブランキング密度マップから前記電子レンズの最適制御パラメータを選択して前記電子レンズを制御する工程とを備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の制御方法である。
本発明は、前記ブランキング密度マップは、前記マルチビームを複数領域に区画し、各領域が割り当てられたブランキング割合をもつマップであることを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の制御方法である。
本発明は、前記電子レンズは多極をもった静電偏向器を含み、最適制御パラメータは各極に付与される偏向電圧であることを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の制御方法である。
本発明は、前記電子レンズの最適制御パラメータに基づいて前記電子レンズを制御して、歪んだマルチビームアレイを理想格子状に補正することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の制御方法である。
本発明は、前記パラメータリストは、ブランキング密度マップに対応するマルチビームの位置ずれ量を含むことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の制御方法である。
以上のように本発明によれば、マルチビームのブランキング密度に応じてマルチビームの位置を調整することができ、これによりマルチビームを用いて所望の荷電粒子ビーム描画を実現することができる。
図1は本発明による荷電粒子ビーム描画装置を示す概略図。 図2はアパーチャ装置とブランキング装置を示す断面図。 図3はアパーチャ装置を示す平面図。 図4は荷電粒子ビーム描画装置の制御方法を示すフローチャート。 図5はマルチビームのブランキング密度マップを示す図。 図6はブランキング密度マップと、位置ずれ量と、電子レンズの最適制御パラメータとの関係を示す図。 図7(a)(b)はマルチビームの位置ずれ量を示す図。 図8(a)(b)は補正前のマルチビームの位置と、補正後のマルチビームの位置を示す図。 図9(a)(b)(c)(d)(e)は、補正後のマルチビームの形状を示す図。
<本発明の実施の形態>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本発明による荷電粒子ビーム描画装置1は、シリコンウエハやフォトマスク等の被照射体を露光してパターンを形成するために用いられるものであり、照明系2と、PD(Pattern Definition 、パターン決定)系3と、投影系4と、基板(被照射体)13を保持する基板ステージ14を含む基板ステーション5とを備えている。そして荷電粒子ビーム描画装置1の全体は、ビーム1a、1b、1cが、装置の光学軸cxに沿って妨げられずに確実に伝播するように、高真空に保持された真空筐体(図示せず)の中に収容される。
荷電粒子ビーム描画装置1のうち、照明系2は、例えば電子線等の荷電粒子ビーム1aを生成する電子銃(荷電粒子ビーム生成部)7と、抽出系8と、集光レンズ系9とを含む。荷電粒子ビーム描画装置1は一般的なブランキング偏光器9aを含んでいてもよい。しかしながら、荷電粒子ビームとして、電子線の代わりに、一般に、他の電荷を帯びた粒子を同様に使用することができる。例えば電子線以外に、これらは、例えば水素イオンまたは重イオン、荷電原子クラスタ、または荷電分子を用いてもよく、「重イオン」とは、O、NなどCより重いイオン要素、またはNe、Ar、Kr、Xeなどの希ガスを称する。
集光レンズ系9により照明系2から放出された荷電粒子ビーム1bは、幅広の、実質的にテレセントリックな粒子ビームとなっている。この荷電粒子ビーム1bは、次いで、PD系3内に入る。
図2は、PD系3の断面の詳細をより詳細に記載する。これは、パターン形成ビームに構造化されるビーム1bを示すが、簡素化のために、複数のビームの代わりに、2つのビーム20のみが記載される。ビームがその経路から外れて偏向される可能な場合に関して、偏向されたビーム21は、点線で示される。
図2のPD系3は、連続して配置されたアパーチャプレート16を含むアパーチャ装置30と、ブランキングプレート17を含むブランキング装置17Aとを備える。
アパーチャプレート16は、衝突するエネルギー粒子からプレートを保護する任意選択の保護層15と、複数の開口22、23とを有する(図3参照)。
ブランキングプレート17も同様に、アパーチャプレート16の開口22,23に対応するいくつかの開口部17aを有する。各開口部17aは、領域を超えるビームレットに作用する1セットのブランキング手段を備える。図2において、これらのブランキング手段は、一組の電極、すなわち接地電極18および偏向電極19を含む。これらの電極18,19を通電させることによって、開口部17aを「スイッチオフさせる」ことができ、これにより、ビームが偏向され(点線の矢印21によって示される経路)、その結果、基板13に達することはない。電極が通電されないとき、開口部17aは「スイッチオンされ」、ビームは、その経路から偏向されない(矢印20)。通電は、非通電状態におけるデフォルト電圧と十分に異なる電圧を電極18、19の間に付加することによって行われ、通常、デフォルト電圧は、ゼロであり、すなわち電極は、同一の電位にある(通電電圧と比較して小さい公差内)。通電電圧は典型的には、数ボルトの範囲内となっている。
そしてPD系3を通過した荷電粒子ビーム1bは、このPD系3のアパーチャ装置30により複数の微小ビームを含むマルチビーム1cとなり、かつブランキング装置17Aにより所定の微小ビームが外方へ除去され、他の微小ビームのみを含むマルチビーム1cが照明系4へ照射される。ここでブランキング装置17Aによりオン/オフ(ON/OFF)されることにより、マルチビーム1cは所望のブランキング密度を有することになる。このマルチビームのブランキング密度については、後述する。
図1に示される実施の形態において、投影系4は、静電気または電子レンズ、あるいは他の偏向手段から成る複数の連続する粒体−光学投影装置の段で構成される。これらのレンズおよび手段は、その用途が従来技術からよく知られているため象徴的な形態でのみ示される。投影系4は、クロスオーバc1、c2による縮小結像を形成する。両段に関する縮小率は、全体の縮小が数百、例えば200xとなるように選択される(図1は、縮尺されていない)。
投影系4全体において、レンズおよび/または偏向手段を色および幾何学的収差に対して広範に補償するための措置が施される。像を全体的に横方向に、すなわち光学軸cxに対して直角の方向に沿ってシフトさせるための手段として、投影系4はいずれも電子レンズからなる偏向手段11および12が設けられる。偏向手段は、例えば、第1の偏向手段11で図1に示されるようにクロスオーバ付近に、または図1に示す第2段偏向手段12の場合のように、投影装置の最終レンズの後のいずれかに配置される多極電極系として実現することができる。この装置において、多極電極は、段の動きに関連して像をシフトさせる。さらにアライメント系と共に結像系を補正する2つの目的の偏向手段として使用される。また投影系4は第1の偏向手段11と第2の偏向手段12との間に設けられた吸収プレート10とを有する。
また投影系4は、PD系3と偏向手段11との間、第1の偏光手段11と吸収プレート10との間、および吸収プレート10と第2の偏光手段12との間に各々設けられた集光レンズ6を含む。さらに基板13を保持する基板ステージ14は図1において、左右方向(水平方向)へ移動可能となっている。
なお、上記の荷電粒子ビーム描画装置1を構成する各構成要素、例えば電子銃7、ブランキング装置17A、第1の偏向手段11、第2の偏向手段12および基板ステージ14はいずれも制御装置35により駆動制御される。
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用、すなわち荷電粒子ビーム描画装置1の制御方法について説明する。
まず、制御装置35に対して基板13上に描画すべき描画データが入力されるが、この描画データは基板13上に照射されるマルチビーム1cのブランキング密度の情報を含む。
ここでブランキング密度について以下、簡単に説明する。ブランキング密度とは、例えば図5に示すように、マルチビーム1cのうちアパーチャプレート16に対応する領域を左上部、右上部、左下部および右下部の4つの領域に区画した場合に、各領域毎に存在する微細ビームの密度を言う。このようなマルチビーム1cのブランキング密度は、アパーチャ装置30によって生成された複数の微小ビームを含むマルチビーム1cのうち、所定の微小ビームを外方へ除去し、他の微小ビームを照明系4へ導くブランキング装置17Aにより生成される。
図5において、マルチビーム1cの左上の領域A1、右上の領域A2はそのブランキング密度が100%となっており、ほとんどの微小ビームが照明系4へ導かれる。
一方、マルチビーム1cの左下の領域A3はそのブランキング密度が20%となっており、多数の微小ビームが外方へ除去され、右下の領域A4はそのブランキング密度が0%となっており、ほとんどの微小ビームが外方へ除去される。ここで、ブランキング密度の数値は便宜上、20%毎に0%、20%、40%、60%、80%、100%と定められ、各数値はある程度の幅をもっている。
ところで、本願発明者は、鋭意研究を重ねた結果、複数の微小ビームを含むマルチビーム1cは、各微小ビーム間において互いにクーロン力が働いたり、ブランキング装置17Aにより外方へ除去された微小ビームが吸収プレートに吸収され流れる電流から生じる電磁場の変化等により、マルチビーム1cのブランキング密度に対応して各微小ビームの方向が変化することを発見した。マルチビーム1cのブランキング密度は、荷電粒子ビームの照射処理中において荷電粒子ビームのショット毎に変動しており、これによって被照射物に対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができなくなる場合がある。
例えば図7(a)に示すように、マルチビーム1cの全域において微小ビーム1dが略格子状に欠けることなく配置される場合、すなわちマルチビーム1cがその全域において100%のブランキング密度を有する場合、第1の偏向手段11内において、各微小ビーム1dは各々格子状に沿って配置される。
図7(a)において、第1の偏向手段11は8つの極11aをもつ電子レンズ11Aからなっている。
一方、図7(b)に示すように、マルチビーム1cの左上の領域において微小ビーム1dが欠けている場合、左上の領域においてブランキング密度は0%となり、他の領域ではブランキング密度は100%となる。
この場合、8つの極11aをもつ電子レンズ11A内において微小ビーム1d相互間に働くクーロン力等の力にアンバランスが生じ、このため、例えば中央の上方から下方へ向って配置された微小ビーム1dを結ぶ線L1は直線状とならず、歪んだ線となる。
このような場合、図8(a)(b)に示すように電子レンズ11Aを構成する各極11aの偏向電圧(パラメータ)を最適な値に定めることにより、マルチビーム1cの微小ビーム1dをマルチビーム1cの全域において略格子状に整列させることができる。
例えばマルチビーム1cの左上の領域において微小ビーム1dが欠けている場合、左上の領域においてブランキング密度は0%となり、その他の領域においてブランキング密度が100%の場合、上述のように中央の上方から下方に向って配置された微小ビーム1dを結ぶ線L1は歪んだ線となる(図8(a))。
ここで図8(a)は補正前のマルチビーム1cを示す。これに対して、電子レンズ11Aを構成する各極11aの偏向電圧(パラメータ)を最適な値に定める(補正する)ことにより、補正後のマルチビーム1cの中央の上方から下方へ向って配置された微小ビーム1dを結ぶ線は直線L2となり、各微小ビーム1dは格子状に整列する(図8(b))。
例えば、偏向電圧を最適な値に定める場合、各極11aのうち極X3に付与する偏向電圧をX3=−bVx−aVyからX3=−(b+c)Vx−aVyに変更する。 ここでVxはX方向の電場を作るための電圧でVyはY方向の電場を作るための電圧で、aとbは一様な電場を得るための任意の係数で、cはマルチビーム1cの位置を補正する任意の係数となる。
また極Y2に付与する偏向電圧をY2=bVx−aVyからY2=bVx−(a+d)Vyに変更する。 ここでdはマルチビーム1cの位置を補正する任意の係数となる。
このようにしてマルチビーム1cの位置を補正して、マルチビーム1cの微小ビーム1dを格子状に整列させることができる(図8(b)参照)。
上述のようにマルチビーム1cのブランキング密度に応じて、マルチビーム1cの各微小ビーム1dを格子状に整列させるため、電子レンズ11Aを構成する各極11aは、各々偏向電圧の最適値をもつ。
本実施の形態においては、図4に示すように予めマルチビーム1cのブランキング密度に応じて、マルチビーム1cの各微小ビームの位置を測定しておく。そしてこのマルチビーム1cの微小ビーム1dが補正され格子状に正しく整列するための電子レンズ11Aの各極11aの偏向電圧を実測により、あるいはシミュレーションにより求めておき、この偏向電圧を電子レンズ11Aの最適パラメータとする。
次にマルチビーム1cのブランキング密度を種々変化させ、このブランキング密度に応じた電子レンズ11Aの最適パラメータを求めておく。
この場合、マルチビーム1cをアパーチャプレート16の左上部、右上部、左下部および右下部に対応する領域A1、A2、A3,A4毎にブランキング密度を変え、例えば4つの領域A1、A2、A3、A4に対して、0%、20%、40%、60%、80%、100%のうちいずれかのブランキング密度を与える。
このようにして4つの領域A1、A2、A3、A4毎に、各々のブランキング密度を有する異なるブランキング密度マップが得られる。そして各ブランキング密度マップ1、2、3、…について、マルチビーム1cの微小ビーム1dの位置ずれ量(A、B、C、…)が求められ、この位置ずれ量をなくしてマルチビーム1cの微小ビーム1dが格子状に正しく整列するための電子レンズの最適制御パラメータが求められる。
このようにしてブランキング密度マップと、位置ずれ量と、電子レンズの最適制御パラメータとの関係を示すパラメータリストが得られる(図6参照)。この場合、電子レンズの最適制御パラメータは、第1の偏向手段11の電子レンズ11Aの最適制御パラメータおよび第2の偏向手段12の電子レンズの最適制御パラメータを含む。
本実施の形態においては、図4に示すように制御装置35に対して描画データが入力されると、制御装置35は描画データ中のブランキング密度を取得し、描画データのブランキング密度マップを得る。
次に制御装置35は照射に用いられる描画データ内のブランキング密度マップと、パラメータリスト中のブランキング密度マップとを比較し、パラメータリスト中のブランキング密度マップの中から描画データのブランキング密度マップに近似したブランキング密度マップおよび電子レンズの最適制御パラメータを選択する。
次に制御装置35は第1の偏向手段11の電子レンズ11Aおよび第2の偏向手段12の電子レンズの制御パラメータを上述の最適制御パラメータに補正する。
その後、制御装置35は、実際の描画作用を実行する。具体的には電子銃7から荷電粒子ビーム1aが生成され、この荷電粒子ビーム1aは照明装置2を通ってビーム1bとなってPD系3に入る。次にビーム1bは、PD系3のアパーチャ装置30により複数の微小ビーム1dを含むマルチビーム1cとなり、ブランキング装置17Aによりマルチビーム1cは所望のブランキング密度をもつ。
その後、マルチビーム1cはPD系3から投影系4に入り、その後基板ステーション5の基板ステージ14に保持された基板13上に照射される。
この間、制御装置35は上述のように第1の偏向手段11の電子レンズ11Aおよび第2の偏向手段12の電子レンズを、マルチビーム1cのブランキング密度マップに応じて最適な値に定められた最適制御パラメータ(偏向電圧)を用いて制御する。このため、基板13上において、マルチビーム1cの位置を調整し、格子状に正しく整列した微小ビーム1dを含むマルチビーム1cを照射することができる。
この場合、第1の偏向手段11および第2の偏向手段12は最適制御パラメータ(偏向電圧)を用いて、歪んだマルチビームアレイ11cを理想格子状に配置できるように、平行移動して調整するか(図9(a))、または拡大または縮小するように調整するか(図9(b))、または回転成分を補正するか(図9(c))、または直行成分を除去するように補正するか(図9(d))、台形成分を除去するように補正してマルチビーム1cの位置を調整することができる。
以上のように本実施の形態によれば、マルチビーム1cのブランキング密度マップに応じて最適な値に定められた最適制御パラメータを求め、この最適制御パラメータにより第1の偏向手段11および第2の偏向手段12を制御することができる。このため基板13上において微小ビーム1dが正しく整列したマルチビーム1cを照射することができる。
1 荷電粒子ビーム描画装置
1a ビーム
1b ビーム
1c マルチビーム
1d 微小ビーム
2 照明系
3 PD系
4 投影系
5 基板ステーション
6 集光レンズ
7 電子銃
9 集光レンズ系
10 吸収プレート
11 第1の偏向手段
12 第2の偏向手段
13 基板
14 基板ステージ
16 アパーチャプレート
17 ブランキングプレート
17A ブランキング装置
17a 開口部
22、23 開口
30 アパーチャ装置
35 制御装置

Claims (10)

  1. 荷電粒子ビームを生成する荷電粒子ビーム生成部と、
    前記荷電粒子ビームを通過させて複数の微小ビームを含むマルチビームを生成するとともに、複数の開口を有するアパーチャを含むアパーチャ装置と、
    前記マルチビームを偏向させて被照射体へ照射する電子レンズを含む偏向装置と、
    前記アパーチャ装置と前記偏向装置との間に介在され、所定の微小ビームを外方へ除去し、他の微小ビームを前記偏向装置へ導くブランキング装置と、
    これら電子ビーム生成部、前記アパーチャ装置、前記偏向装置および前記ブランキング装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は描画データから前記マルチビームのブランキング密度の分布を含むブランキング密度マップを取得し、予め求められたブランキング密度マップと、前記偏向装置の前記電子レンズの最適制御パラメータとの関係を示すパラメータリストに基づいて、前記描画データのブランキング密度マップから前記電子レンズの最適制御パラメータを選択して前記電子レンズを制御することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 前記ブランキング密度マップは、前記マルチビームを複数領域に区画し、各領域が割り当てられたブランキング割合をもつマップであることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 前記電子レンズは多極をもった静電偏向器を含み、最適制御パラメータは各極に付与される偏向電圧であることを特徴とする請求項1または2記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 前記電極レンズの前記制御パラメータに基づいて前記電極レンズを制御して、歪んだマルチビームアレイを理想格子状に補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 前記パラメータリストは、ブランキング密度マップに対応するマルチビームの位置ずれ量を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  6. 前記荷電粒子ビームを生成する荷電粒子ビーム生成部と、
    荷電粒子ビームを通過させて複数の微小ビームを含むマルチビームを生成するとともに、複数の開口を有するアパーチャを含むアパーチャ装置と、
    前記マルチビームを偏向させて被照射体へ照射する電子レンズを含む偏向装置と、
    前記アパーチャ装置と前記偏向装置との間に介在され、所定の微小ビームを外方へ除去し、他の微小ビームを前記偏向装置へ導くブランキング装置と、
    これら電子ビーム生成部、前記アパーチャ装置、前記偏向装置および前記ブランキング装置を制御する制御装置とを備えた荷電粒子ビーム描画装置の制御方法において、
    描画データから前記マルチビームのブランキング密度の分布を含むブランキング密度マップを取得する工程と、
    予め求められたブランキング密度マップと、前記偏向装置の前記電子レンズの最適制御パラメータとの関係を示すパラメータリストに基づいて、前記描画データのブランキング密度マップから前記電子レンズの最適制御パラメータを選択して前記電子レンズを制御する工程と、を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の制御方法。
  7. 前記ブランキング密度マップは、前記マルチビームを複数領域に区画し、各領域が割り当てられたブランキング割合をもつマップであることを特徴とする請求項6記載の荷電粒子ビーム描画装置の制御方法。
  8. 前記電子レンズは多極をもった静電偏向器を含み、最適制御パラメータは各極に付与される偏向電圧であることを特徴とする請求項6または7記載の荷電粒子ビーム描画装置の制御方法。
  9. 前記電子レンズの最適制御パラメータに基づいて前記電子レンズを制御して、歪んだマルチビームアレイを理想格子状に補正することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか記載の荷電粒子ビーム描画装置の制御方法。
  10. 前記パラメータリストは、ブランキング密度マップに対応するマルチビームの位置ずれ量を含むことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか記載の荷電粒子ビーム描画装置の制御方法。
JP2016121093A 2015-06-23 2016-06-17 荷電粒子ビーム描画装置およびその制御方法 Active JP6951673B2 (ja)

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