JP2017010828A - 金属空気電池 - Google Patents

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裕也 鈴木
努 高原
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努 高原
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Yoshinobu Taira
芳延 平
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Abstract

【課題】折り曲げて溶着される箇所の隙間を無くし、電解液の漏れを抑えることができる金属空気電池を提供する。【解決手段】金属空気電池の外装体11は、この外装体11の少なくとも内面に相当する面にフィルムを装着したシート材(ブランクス100)を折り曲げて形成されている。このシート材は、180度折り曲げられて溶着される溶着部100Cを有し、この溶着部100Cにおける180度の折り曲げ箇所(折罫線24Xの位置に相当)には内側折罫線が形成され、他の折り曲げ箇所には外側折罫線が形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、空気極と金属極とが配置される外装体を備え、外装体に電解液が注入される金属空気電池に関する。
天災時や風水害時、及びAC電源の入手困難な環境でも、食塩水などの電解液を注入すれば発電できる金属空気電池が注目されている。この種の金属空気電池の外装体には、熱融着性樹脂でラミネート加工された紙からなるシートを折り曲げて袋状に形成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、パウチや液体用複合紙容器などのパッケージ分野では、樹脂のフィルムと紙基材とを積層した包装シートを用いること、及び、この種の包装シートを用いてヒートシールによりパウチを作成することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第5687795号公報 特許第4296771号公報
ところで、特許文献1の外装体は、シート材を上下に分割するように二つ折りし、二つ折りにより左右に開放する部分を塞ぐように左右の端部を重ねて溶着して上方が開口する袋状に形成されるので、180度折り曲げて溶着される溶着部が左右に存在する。これらの溶着部では、180度折り曲げた箇所の間にシート材の一部が挟まり、溶着の際に圧力がかかりにくい箇所が生じて隙間があいてしまうおそれがあった。隙間があくと、電解液の漏れが発生してしまう。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、折り曲げて溶着される箇所の隙間を無くし、電解液の漏れを抑えることができる金属空気電池を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、空気極と金属極とが配置される外装体を備え、前記外装体に電解液が注入される金属空気電池において、前記外装体は、この外装体の少なくとも内面に相当する面にフィルムを装着したシート材を折り曲げて形成され、前記シート材は、180度折り曲げられて溶着される溶着部を有し、前記溶着部における前記180度の折り曲げ箇所には、折れ曲がる内側に設けられる内側折罫線が形成され、他の折り曲げ箇所には、折れ曲がる外側に設けられる外側折罫線が形成されることを特徴とする。
上記構成において、前記外装体は、前記シート材を上下に分割するように二つ折りされ、前記溶着部として、二つ折りにより左右に開放する部分を塞ぐように左右の端部を重ねて溶着されることにより、上方が開口する袋状に形成され、前記二つ折りの折り曲げ箇所の左右端部に、前記内側折罫線が形成されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記内側折罫線は、前記外側折罫線から離間しているようにしても良い。また、上記構成において、前記シート材は、ラミネート紙であっても良い。また、上記構成において、前記シート材の基材の坪量は、230〜310g/mの範囲内であっても良い。
本発明では、金属空気電池の外装体は、この外装体の少なくとも内面に相当する面にフィルムを装着したシート材を折り曲げて形成され、前記シート材は、180度折り曲げられて溶着される溶着部を有し、前記溶着部における前記180度の折り曲げ箇所には、折れ曲がる内側に設けられる内側折罫線が形成され、他の折り曲げ箇所には、折れ曲がる外側に設けられる外側折罫線が形成されるので、折り曲げられて溶着される箇所の隙間を無くし、電解液の漏れを抑えることができる。
本発明の実施形態に係る金属空気電池の正面図である。 図1のA−A断面図である。 ブランクスを示した図である。 外側折罫線を形成したときの溶着部の断面を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る金属空気電池10を前面から見た正面図であり、図2は図1のA−A断面図である。
金属空気電池10は、中空箱形状の外装体11(電槽、電池ケースとも称する)と、外装体11外に露出する空気極13と、外装体11内に収容される金属極15(図2)とを備えている。この金属空気電池10は、外装体11内に水系の電解液が注液されることによって、空気極13が正極として作用し、金属極15が負極として作用する一次電池である。
なお、図1及び図2に示す上下左右などの各方向は、金属空気電池10を電池(セル)として使用するときの各方向に対応している。但し、使用状況などによっては設置方向を適宜に変更しても良い。
外装体11は、外装体11の底面を構成する底板部21と、前面を構成する前壁部22と、後面を構成する後壁部23(図2)と、左右側面を構成する左右の側壁部(左壁部、右壁部)24と、上面を構成する上板部25とを一体に有している。前壁部22及び後壁部23は、上下方向よりも左右方向に長い同一形状の面(横長面)であって、互いに平行に配置され、外装体11の中で最大の面を構成している。前壁部22には、空気極13で覆われる矩形状の開口部22Kが設けられている。
空気極13は、集電体を構成する矩形状の銅メッシュの両面に、触媒層を構成する触媒シートを圧迫(プレス)等により一体化して形成されている。また、空気極13は、外部の空気を外装体11内に通気可能にする通気性、及び、電解液を漏らさない非透水性を有している。なお、非透水性については、非透水性を有するシートを別途設けて確保するようにしても良い。この空気極13は上記構成に限らず、公知の構成を広く適用可能である。
金属極15は、空気極13と対向するように外装体11の内部に支持されている。本実施形態の金属極15には、マグネシウム合金が用いられ、空気極13と平行に配置される。この金属空気電池10の電解液には、塩化ナトリウム水溶液が使用されるので、電解液に海水を用いたり、水道水に塩を混合した液体を用いたりすることができる。従って、電解液の調達が容易である。
なお、外装体11の内部に、電解質である塩化ナトリウムを収容した袋体を配置し、水道水などの水を注液すれば発電するように構成しても良い。本構成の金属空気電池10では、空気極13及び金属極15が鉛直に配置されている。
底板部21は、図2に示すように、側面視で下方凸のV字形状に形成されている。金属極15の下端は、底板部21の傾斜に案内されて下方凸の部分21Tに嵌り、金属極15の下端が位置決めされる。
前壁部22及び後壁部23の上端は折り曲げられて上板部25を形成する。この上板部25は、前壁部22と後壁部23と左右の側壁部24との間に形成された内部空間の上方を覆う覆い部材として機能している。本実施形態の上板部25は、前壁部22、及び後壁部23側から金属極15の上部を挟持するように交互に金属極15の手前で或いは金属極15を超えて下方に折り曲げられた折り曲げ部25A、25B、25C、25Dを有し、これら折り曲げ部25A〜25Dによって金属極15の上部を支持している。これによって、上板部25は、金属極15を支持する支持部材を兼ねている。
なお、折り曲げ部25A、25Cが前壁部22側を折り曲げた部分であり、折り曲げ部25B、25Dが後壁部23側を折り曲げた部分である。金属極15の両側には、同一幅の隙間SF、SRが設けられ、これら隙間SF、SRに対応する空間内に電解液が満たされる。
上板部25には、電解液の注入口となる左右一対の孔部25H(後述する図3)が設けられている。各孔部25Hは、円弧に沿った切れ目の内周部分に相当し、電解液を注入する注入ボトルの先端が切れ目の内側に突き当てられることによって各孔部25Hが開口し、電解液を内部に注入させることができる。このとき、電解液はいずれか一つの孔部から注入され、それ以外の孔部は空気孔となる。また、各孔部25Hにより電池反応時に内部に発生したガスを効率良く外に抜くことができる。
なお、孔部25Hは2個を超える複数でも良く、また、孔部25Hの形状は円弧のみならず、三角形状や四角形状など、特に限定されるものではない。孔部25Hを複数個設ける場合には、少なくとも一箇所を空気孔として構成していれば良く、例えば孔部25Hを3個設ける場合には、2個を注液口、1個を空気孔とすることで、注液時間を短縮することが可能である。
外装体11は、紙を含有したシート材を折り曲げることによって形成される。このシート材は、基材を構成する紙の表面にフィルムを設けたシート材(以下、「積層シート材料」と表記する)に対し、打抜半裁工程、及びむしり工程などを順に実施することによって形成され、一般にブランクス、ブランクシート又は打ち抜きシートと称される。以下、説明を判りやすくするため、「ブランクス100」と表記する。
図3は、ブランクス100を示した図である。外装体11は、このブランクス100を上下に分割するように二つ折りし、二つ折りにより左右に開放する部分を塞ぐように左右の端部を重ねて溶着することによって、上方が開口する袋状に形成される。この左右の溶着箇所(図3に符号100Cを付して示す箇所であり、以下、「溶着部100C」と言う)の溶着は熱溶着(ヒートシール)によって行われる。図3には、溶着部100Cをハッチングを付して示している。
ブランクス100の素材となる積層シート材料には、熱融着性樹脂(例えば、ポリエチレン(PE))で少なくとも内面がラミネート加工された紙、つまり、ラミネート紙が用いられる。外装体11にラミネート紙を用いることで、電解液が外部に染み出すことがなく、金属缶や樹脂製容器を使用する場合に比して、軽量かつ安価であり、紙ゴミとして容易に廃棄である。本構成で採用するラミネート紙は、中性紙からなる基材(紙層とも称する)の表裏両面にフィルムを設けた両面ラミネート紙である。なお、両面ラミネート紙に限らず、片面ラミネート紙でも良い。
このブランクス100は、いわゆる紙のコシの強さ(紙の強度に相当)によって、組立後に外装体11に必要とされる強度を満足している。言い換えれば、ブランクス100の厚さ、含有する紙繊維の長さ、及び、紙繊維の材料などを調整することによって所望の強度を有するように製作される。また、紙のコシの強さの調整により、折り曲げた状態に保持させることができ、上板部25による金属極15の保持に必要な強度も得ている。
発明者等の検討によれば、ブランクス100の基材(紙層)の坪量を230〜310g/mの範囲に設定することで、金属空気電池10に必要な強度、及び加工の容易性などを満足することを確認している。なお、ブランクス100には、さらに必要に応じて他のフィルムなどを積層しても良い。例えば、強度を付与する目的、又は、ブランクス100に優れた印刷適性を付与する目的で他のフィルムを積層しても良い。
このブランクス100には、折り目に相当する箇所に折罫線(図3中、一点鎖線を付した箇所)が設けられている。なお、折罫線は、罫線刃による加工などによって付加される溝である。
図3に示すように、このブランクス100は、矩形の底板部21と、底板部21の前縁(折罫線21Aの位置に相当)に連なる矩形の前壁部22と、底板部21の後縁(折罫線21Bの位置に相当)に連なる矩形の後壁部23とを一体に備えている。そして、底板部21の前縁(折罫線21A)と後縁(折罫線21B)とを基準にして、前壁部22と後壁部23とをそれぞれ折り曲げることによって、図2に示すように、底板部21から前壁部22と後壁部23とを容易に立設させることができる。空気極13が装着される開口部22Kは、ブランクス100を打ち抜く際に同時に打ち抜かれ、又は、ブランクス100を打ち抜く前後いずれかのタイミングで打ち抜かれる。
底板部21は、底板部21を前後に二分割(本構成は等分割)する折り目(折罫線21Cの位置に相当)を基準にして、側面視で下方凸のV字形状に形成される。この底板部21の上に金属極15が載置されることによって、金属極15の下端が底板部21の傾斜に案内されて下方凸の部分21Tに嵌り、金属極15の下端が容易に位置決めされる。また、下方凸の部分21Tと後述する第1折り曲げ部25F1、25R1によって金属極15と空気極13との離間距離を適正に保つことが可能であり、前記離間距離は、折罫線21C、22C、23Cで示される折り目の位置を変化させることで容易に調整可能である。
同図3に示すように、ブランクス100は、前壁部22の左右の側縁(折罫線22Sの位置に相当)に連なる左右一対の側壁部構成片24Fと、後壁部23の左右の側縁(折罫線23Sの位置に相当)に連なる左右一対の側壁部構成片24Rとを一体に有している。これらの側壁部構成片24F、24Rによって、左右の側壁部24が形成される。
詳述すると、各側壁部構成片24F、24Rは、前壁部22及び後壁部23の上下に渡って各々延在する縦長の矩形形状に形成され、前壁部22及び後壁部23の左右の側縁(折罫線22S、23Sの位置に相当)を基準にして内側(外装体11の内側に相当)に折り曲げられる。また、各側壁部構成片24F、24Rは、各構成片24F、24Rを左右に二分割(本構成は等分割)する折り目(折罫線24C、24Dの位置に相当)を基準にして、外側(外装体11の外側)に折り曲げられ、外側に折り曲げられた外側折り曲げ片24FS、24RS同士が熱融着により接合される。
外側折り曲げ片24FS、24RS同士が接合された後は、外側折り曲げ片24FS、24RSは、内側に折り曲げられた内側折り曲げ片24FU、24RUに密着するように折り曲げられ、これによって、側壁部24が形成される。
すなわち、外側折り曲げ片24FS、24RSは、上下中央の折り目(折罫線24Xの位置に相当)を基準にして180度折り曲げられて溶着される溶着部100Cを構成している。なお、図3中、符号24J、24Kは、内側折り曲げ片24FU、24RUの折り目に設けられた折罫線である。
ところで、本構成のブランクス100は、各折り目に折罫線をそれぞれ有するので、各折り目を折り曲げし易い。
しかし、発明者等が溶着部100Cの液漏れ検査を行ったところ、溶着部100Cの折り目(図3の折罫線24Xの位置に相当)に、折れ曲がる外側に設けられる折罫線(以下、「外側折罫線」と記載する)を形成した場合、微細な隙間があき、電解液の漏れが発生するおそれがあることが判った。
ここで、図4は外側折罫線を形成したときの溶着部100Cの断面を示した図である。この断面は、ブランクス100が、坪量が270g/mの基材(紙層)を用いた両面ラミネート紙であり、このシート材に対し、折れ曲がる外側に相当する表側から折罫線を形成する加工(表抜き工程)を行った後、十分な温度、圧力、及び時間をかけて溶着部100Cを熱溶着したときのものである。
この図4においては、符号αで示す領域に隙間が出来ており、この隙間は、高さ(紙面上下方向に沿う長さ)94.9μm、長さ(紙面左右方向に沿う長さ)331μmの孔であった。
発明者等は、外側折罫線を設けた場合には折り目の内側に一つの筋山(図4中、符号SMを付して示す)ができ、180度折り返した際に紙の反発力が大きくなることから、熱溶着での樹脂埋まりがしづらい状態になることが判った。
そこで、発明者等は、溶着部100Cの折り目には、折れ曲がる内側に設けられる折罫線(以下、「内側折罫線」と記載する)を形成し、残り全ての折り曲げ箇所には外側折罫線を形成するようにした。
すなわち、図3に示す左右の折罫線24Xは内側折罫線とし、残りの折罫線21A〜22D、22A、22C、23A〜23C、23S、24Dは、全て外側折罫線としている。以下、折罫線24Xについては、特に外側折罫線と区別する場合に内側折罫線24Xと表記する。
発明者等の検討によれば、溶着部100Cの折り目に内側折罫線24Xを形成することにより、180度折り返した際に押される箇所に筋山SM(図4)がなくなり、紙の反発が少なくなる。これにより、溶着部100Cの内側折り曲げ片24FU、24RUを、隙間無く接合することが可能になり、溶着部100Cからの電解液の漏れを抑えることが可能になった。
しかも、他の折り曲げ箇所については外側折罫線を形成することにより、内側折罫線を形成した場合と比べて、折れ曲がる内側へのストレスを低減することが可能になる。これにより、内側のフィルムの割れや基材の割れを低減することが可能になった。
なお、残りの折り曲げ箇所は、180度未満の折り曲げ箇所であり、折り曲げる箇所にSM(図4)があっても問題とならない。これらにより、溶着部100C、及び他の折り曲げ箇所からの電解液の漏れを抑えるのに好適な罫線構造を得ることができた。
また、本実施形態では、図3に示すように、溶着部100Cの内側折罫線24Xを、この内側折罫線24X近傍の外側折罫線(折罫線21C、24C24J、24Kに相当)から離間させている。これにより、溶着部100Cを180度折り返して溶着する際に、溶着部100C近傍の外側折罫線(21C、24C、24J、24K)の影響を回避することができる。従って、溶着部100Cを隙間無く接合するのにより有利となる。
なお、図3中、符号SAは、溶着部100Cの内側折罫線24Xと溶着部100C近傍の外側折罫線(折罫線21C、24C、24J、24Kに相当)との間の隙間を示している。すなわち、隙間SAは、内側折罫線24Xの逃げ寸法である。
次に、本発明の実施例を比較例とともに説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例、及び比較例には、ブランクス100のシート材として、坪量が270g/mの基材(紙層)の両面にフィルムを装着した両面ラミネート紙を使用した。
このシート材に対し、溶着部100Cの折り目(折罫線24Xの位置に相当)には内側折罫線を形成し、残り全ての折り曲げ箇所には外側折罫線(折罫線21A〜22D、22A、22C、23A〜23C、23S、24Dなどで示す折罫線))を形成するように、一面ビク抜き機を用いて、折れ曲がる外側に相当する表側から折罫線(つまり、外側折罫線)を形成する加工(表抜き工程)と、折れ曲がる内側に相当する裏側から折罫線(つまり、内側折罫線)を形成する加工(裏抜き工程)とを行った。
この加工方法を用いて、上記隙間SAが異なる第1実施例−第3実施例のテストサンプルをそれぞれ製作した。隙間SAについては、第1実施例では1.5mmに設定し、第2実施例では2.0mmに設定し、第3実施例では3.0mmに設定した。
比較例として、同材料のシート材に対し、表抜き工程だけを行うことにより、溶着部100Cの折り目(折罫線24Xの位置に相当)を含む全ての折り目に外側折罫線を形成したテストサンプルを製作した。
これらのテストサンプルの溶着部100Cを作業者が手で折り曲げ、3回手でしごいた後にインパルスシーラーを用いて十分な温度、及び圧力をかけて熱溶着した。この熱溶着の時間(後述する表1中、「シール時間」)は、一般的な時間(表1中、「基準時間」)と、基準時間より約10%短い時間(表1中、「短時間」)と、基準時間より約30%長い時間(表1中、「長時間」)との3種類を用意した。
その後、染色したエタノールの染み込みを確認することで隙間や割れを確認した。その確認結果を表1、表2に示した。表1は「漏れ数/サンプル数」を示している。
表1に示すように、隙間SA(逃げ寸法)が1.5mm、及び2.0mmの場合、熱溶着の時間に関係なく漏れが認められなかった。また、隙間SAが3.0mmの場合、熱溶着が「短時間」の場合に2サンプル中1個に漏れが認められたが、「基準時間」及び「長時間」では漏れが認められなかった。一方、比較例では、「短時間」の場合に全て漏れが認められ、「基準時間」でも4サンプル中2個に漏れが認められた。
これらにより、溶着部100Cの折り目に外側折罫線を設けた場合(比較例)と比べて、溶着部100Cの折り目に内側折罫線を形成した第1実施例−第3実施例の方が、電解液の漏れ防止に有利であることが判る。
なお、表1では、隙間SA(逃げ寸法)が1.5mm以上の場合しか示していないが、隙間SAが1.5mm未満、或いは、隙間SAが零の場合であっても、図4に示した、折り目内側の大きなSM(図4)は出来にくいので、比較例と比べて電解液の漏れ防止に有効である。
表2は、フィルム及び紙の割れの確認結果(ピンホールチェック)を示している。なお、表2の「染み込み有り」がフィルムの割れを示している。
表2に示すように、内面に関しては全てフィルム及び紙の割れが認められなかった。外面に関しては、割れ方に差が殆ど認められなかった。また、外面に割れが発生しても電解液の染み出しには関与しないと判断する。
隙間SAは広い方が、溶着部100C近傍の外側折罫線(図3に示す折罫線21C、24C、24J、24Kに相当)の影響による紙の反発力の増大を回避できる点、及び、表裏一度抜きの際の圧力の一極集中を回避できる点で有利である。隙間SAが広すぎると、折り難くなることが考えられるが、3.0mm程度の隙間SAを開けても体感できるほどの差はなかった。
本実施形態では、熱溶着の時間を「短時間」にしなければ、2.0mm、及び3.0mmの隙間SAでも電解液の漏れ防止に問題がないことを確認した。従って、例えば、隙間SAは2.5mmを基準とすることで、抜きずれが+0.5mm及び−0.5mm生じても問題が生じないようにすることが可能である。
また、発明者等は、基材(紙層)の坪量が270g/mのラミネート紙に限らず、基材の坪量が230〜310g/mの範囲のラミネート紙について同様の検討を行い、電解液の漏れや染み込みを低減できることを確認した。
一方、基材の坪量が230g/m未満のシート材を用いた場合、つまり、薄いシート材を用いた場合には、溶着部100Cの折り目に外側折罫線を形成しても折り目内側の筋山SM(図4)は比較的小さく、電解液の漏れや染み込みは殆ど発生しなかった。
すなわち、本実施形態の罫線構造は、上記筋山SM(図4)が問題となるような厚いシート材(基材の坪量が230〜310g/mの範囲のシート材)を用いた場合に特に有効である。なお、上記厚さ未満であっても本実施形態の罫線構造を適用しても良いことは勿論である。また、上記範囲以上の厚いシート材であっても本実施形態の罫線構造を適用しても良いが、外装体11としては厚すぎ、軽量且つ安価というメリットの観点からは不利である。
以上説明したように、本実施の形態では、金属空気電池10の外装体11が、この外装体11の少なくとも内面に相当する面にフィルムを装着したシート材(ブランクス100)を折り曲げて形成されている。そして、このシート材は、180度折り曲げられて溶着される溶着部100Cを有しており、溶着部100Cにおける180度の折り曲げ箇所(折罫線24Xの位置に相当)には内側折罫線が形成され、他の折り曲げ箇所には外側折罫線が形成されているので、180度折り曲げられて溶着される箇所の隙間を無くし、電解液の漏れを抑えることが可能になる。
また、この外装体11は、シート材を上下に分割するように二つ折りされ、前記溶着部100Cとして、二つ折りにより左右に開放する部分を塞ぐように左右の端部を重ねて溶着されることにより、上方が開口する袋状に形成され、二つ折りの折り曲げ箇所の左右端部に、内側折罫線(折罫線24Xに相当)が形成されるので、簡易な折り曲げ構造で外装体11を組み立てできると共に、溶着の箇所が左右の2箇所で済み、内側折罫線の箇所も2箇所で済む。
また、内側折罫線(折罫線24Xに相当)は、外側折罫線から離間しているので、溶着部100Cを180度折り返す際に、溶着部100C近傍の外側折罫線(折罫線21C、24C、24J、24Kに相当)の影響による紙の反発力の増大を回避でき、電解液の漏れ防止に有利となる。また、仮に表裏一度抜きで外側折罫線、及び内側折罫線を加工する場合でも圧力の一極集中を回避できるので、これによっても、電解液も漏れ防止に有利である。
また、シート材にラミネート紙を用いるので、紙を用いたことによる軽量化及び廃棄性などを確保しながら、紙への電解液の染み込みを防止することができる。しかも、広く流通するラミネート紙を使用できるので、低コスト化を図り易い、といったメリットも得られる。
さらに、シート材の基材の坪量は230〜310g/mであるので、溶着部100Cの折り目に外側折罫線を形成すると溶着不良が生じるおそれのあるシート材を用いた場合に、溶着部100Cの隙間を無くし、電解液の漏れを効率良く抑えることができる。
以上、本発明を実施するための形態について述べたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では、溶着部100Cの溶着方法は熱溶着に限らず、超音波シールなどの他の接合方法を適用しても良い。また、外装体11の形状は適宜に変更しても良く、空気極13及び金属極15の形状を適宜に変更しても良い。また、外装体11に用いるシート材は、ラミネート紙以外のシート材を用いても良い。
また、金属極15はマグネシウム合金に限らず、他の素材を用いても良い。他の素材としては、例えば、亜鉛、鉄、アルミニウムなどの金属、又はこれらのいずれかを含む合金を挙げることができる。金属極15に亜鉛を用いる場合には、電解液に水酸化カリウム水溶液を用いるようにすれば良く、金属極15に鉄を用いる場合には、電解液にアルカリ系水溶液を用いるようにすれば良い。また、金属極15にアルミニウムを用いる場合には、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウムを含む電解液を用いるようにすれば良い。
10 金属空気電池
11 外装体
13 空気極
15 金属極
100 ブランクス(シート材)
100C 溶着部
21A〜22D、22A、22C、23A〜23C、23S、24D 折罫線(外側折罫線)
24X 折罫線(内側折罫線)

Claims (5)

  1. 空気極と金属極とが配置される外装体を備え、前記外装体に電解液が注入される金属空気電池において、
    前記外装体は、この外装体の少なくとも内面に相当する面にフィルムを装着したシート材を折り曲げて形成され、
    前記シート材は、180度折り曲げられて溶着される溶着部を有し、前記溶着部における前記180度の折り曲げ箇所には、折れ曲がる内側に設けられる内側折罫線が形成され、他の折り曲げ箇所には、折れ曲がる外側に設けられる外側折罫線が形成されることを特徴とする金属空気電池。
  2. 前記外装体は、前記シート材を上下に分割するように二つ折りされ、前記溶着部として、二つ折りにより左右に開放する部分を塞ぐように左右の端部を重ねて溶着されることにより、上方が開口する袋状に形成され、
    前記二つ折りの折り曲げ箇所の左右端部に、前記内側折罫線が形成されることを特徴とする請求項1に記載の金属空気電池。
  3. 前記内側折罫線は、前記外側折罫線から離間していることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属空気電池。
  4. 前記シート材は、ラミネート紙であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金属空気電池。
  5. 前記シート材の基材の坪量は、230〜310g/mの範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の金属空気電池。
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