JP2017010616A - 基板用スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】 接点の接触抵抗を安定させた、薄型の基板用スイッチを提供する。【解決手段】 可動接点体3と、基板2とを備えてなる基板用スイッチであって、前記可動接点体3が、銅もしくは銅合金を主成分とする金属ドーム30の可動接点に、少なくとも第1のめっき層31と、第2のめっき層32とが順に積層されてなり、前記基板2が、基板基材23上に設けられた銅もしくは銅合金を主成分とする固定接点20に、少なくとも第1のめっき層21と、第2のめっき層22とが順に積層されてなり、前記可動接点の第1のめっき層31を構成する材料と、前記固定接点の第1のめっき層21を構成する成分の標準電極電位が実質的に同一であり、かつ、前記可動接点の第2のめっき層32を構成する材料と前記固定接点の第2のめっき層33を構成する材料との標準電極電位が実質的に同一である、基板用スイッチ。【選択図】 図2

Description

本発明は、基板用スイッチに関する。本発明は、特には、耐食性に優れ、長期信頼性に優れる薄型の基板用スイッチに関する。
従来、基板用スイッチにおいては、ドーム形状をした金属接点にステンレス系合金を使用し、さらにそのステンレス系合金にニッケル、銀、金などのめっきを施している。一方、基板側は銅材の薄板表面に、一般的に用いられるめっきを施している。
金属接点ドームのめっき磨耗防止のために、鉄合金等からなる導電性基材上にニッケル下地層が設けられ、さらにパラジウム合金を中間層として、最表面に銀メッキを施した、可動接点部品用銀被覆材が知られている(特許文献1を参照)。また、ステンレス鋼に、ニッケル、コバルト、もしくはこれらの合金を下地めっきとし、さらに銀めっきを施してなるドーム型可動接点と、黄銅に銀めっきした固定接点とから構成されるスイッチも知られている(特許文献2を参照)。他に、ステンレス鋼からなる薄板基板表面に、ニッケル、銅、銀のめっき層を順に形成してなる、皿バネとして機能しうる金属板が知られている(特許文献3を参照)。
特開2008-270193号公報 特開2011-127225号公報 特開2004-263274号公報
ステンレス系合金を使用した金属ドームにおいては、ハードクロームめっきでは接触抵抗が高いという問題があった。特許文献1に開示された技術は、パラジウム合金めっきを必須として課題を解決するものであり、高価であるという問題がある。一方、安価な通常の金めっき、銀めっきでは、継続使用でめっきが磨り減ったときに、ステンレス系合金から、空気中の水分を介在して、基板の電極に鉄が転移するという問題があった。転移した鉄は直ちに酸化鉄となり、接触不良の原因となり得る。特許文献3に開示された技術では、皿バネに三層のめっきを設けているが、磨り減りとともに、同様の問題が懸念される。
この現象を、金属の標準電極電位を用いて考察すると、最終的に摺り合う、鉄(-0.447V)、銅(+0.342V)と空気中の湿気とが介在し、錆が発生することが考えられる。錆を構成する具体的な化合物としては、酸化鉄(II、III)や水酸化鉄(II、III)が含まれるほか、様々な化合物が他にも含まれることが推測される。錆はイオン的に非常に安定な絶縁物となり、接触不良を促進させる。
上記課題を解決するために、本発明者らは、金属の標準電極電位に基づいて、めっき材料を選定すること、特には、接触部を構成する二つの材料の標準電極電位を揃えることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、一実施形態によれば、基板用スイッチであって、可動接点体と、基板とを備えてなり、前記可動接点体が、銅もしくは銅合金を主成分とする金属ドームの可動接点に、少なくとも第1のめっき層と、第2のめっき層とが順に積層されてなり、前記基板が、基板基材上に設けられた銅もしくは銅合金を主成分とする固定接点に、少なくとも第1のめっき層と、第2のめっき層とが順に積層されてなり、前記可動接点の第1のめっき層を構成する成分と、前記固定接点の第1のめっき層を構成する成分の標準電極電位が実質的に同一であり、かつ、前記可動接点の第2のめっき層を構成する成分と前記固定接点の第2のめっき層を構成する成分との標準電極電位が実質的に同一である。
前述の基板用スイッチにおいて、前記可動接点の第1のめっき層と、前記固定接点の第1のめっき層が、ニッケルめっきもしくは銀めっきであり、前記可動接点の第2のめっき層と、前記固定接点の第2のめっき層が、金めっきであることが好ましい。
前述のいずれかの基板用スイッチにおいて、前記可動接点の第2のめっき層と、前記固定接点の第2のめっき層とが、実質的に同一の厚みであることが好ましい。
前述のいずれかの基板用スイッチにおいて、前記可動接点の第1のめっき層と、前記固定接点の第1のめっき層とが、実質的に同一の厚みであることが好ましい。
本発明に係る基板用スイッチによれば、スイッチを構成する可動接点体と基板の接点における腐食が防止され、スイッチの接触不良を防ぐことができる。特に、上記構成とすることにより、継続使用により、可動接点体と基板との接点のめっき層が磨り減った場合であっても、可動接点体と基板との間の金属材料の間に流れる、極微小な電流を抑えることができ、材料金属間に電流が流れることによる腐食を抑えることができる。従来、可動接点体を構成する材料については、多層めっきなどによる特性向上が図られてきたが、固定接点を構成する材料について、可動接点体材料との関係で検討はなされなかった。本発明においては、材料間の相互の特性及び作用を検討することにより、耐腐食性に優れ、接触抵抗が長期にわたって安定した、製品寿命が長い基板用スイッチを提供することができる。
図1は、可動接点体と、基板とを備えてなる基板用スイッチの概念的な断面図である。 図2は、図1中、Xで示される接点部位の拡大図である。 図3は、図1中、Yで示される接点部位の、長期使用後の概念的な拡大図である。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。ただし、図示する形態は一例であって、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
本発明は、一実施形態によれば、基板用スイッチに関する。図1は、本発明のある実施形態に係る基板用スイッチの概念的な断面図である。基板用スイッチは、可動接点体3と、基板2と、スペーサ4と、カバーフィルム5から主として構成される。図1を参照すると、基板2上に可動接点体3が載置され、可動接点体3はスペーサ4により、基板面と平行な方向に固定されている。可動接点体3の上方には、可動接点体3の固定、及び接点部の防塵を目的として接点部位を覆うカバーフィルム5が設けられている。さらに、カバーフィルム5の上方には、基板面と垂直な方向に可動に押し子7が設けられる。押し子7は、ケース6により基板面と平行な方向に固定されて、シール(印刷物)8により密閉される。図1に示す実施形態は、スイッチ表面をフラット化する目的で、デザインが印刷されたシール8を貼った例を示す。
図1に示す基板スイッチの作動機構について説明すると、可動接点体3が押し子7により押されると、押された可動接点体3が、基板2の中央電極である銅箔20aと端電極である銅箔20b、20cを導通させて、スイッチとして機能する。
図1を参照すると、可動接点体3は、ドーム状の金属バネから構成される金属ドームの内側の中央部と側部に、基板2との可動接点を有する。可動接点は、基板2側の固定接点となる銅箔20a、b、cと接触する位置にある。図示する態様においては、中央部の可動接点は、ドーム内部に設けられた凸状部材であり、側部の可動接点は、ドーム側端を外側に屈曲させることにより設けている。なお、金属ドームの形状は、スイッチに用いられる任意の従来既知の形状であってよく、図1に示す実施形態には限定されない。
図1のXは、可動接点体3の可動接点と、基板2の固定接点である銅箔20aとの接触部位を示す。Xにおける拡大図である図2を参照すると、可動接点には、第1のめっき層31と、第2のめっき層32とが、母材である金属ドーム30に順に積層して設けられる。基板スイッチの製造当初(使用前)は、第2のめっき層32が、基板2と接触する接点となる。
一方、基板2はプリント基板であってよく、通常、ガラスエポキシなどから構成される基板基材23に、回路パターンを構成する銅箔20bが形成されている。この銅箔20bが、固定接点として機能する。銅箔20b上には、第1のめっき層21と、第2のめっき層22とがこの順に積層される。基板スイッチの製造当初(使用前)は、第2のめっき層22が、可動接点体3の第2のめっき層32との接点となる。なお、本実施形態において、固定接点は銅箔を例示して説明しているが、固定接点は、銅もしくは銅合金を主成分とする材料であればよい。
本発明において、可動接点体3を構成する母材である金属ドーム30は、銅もしくは銅合金を主成分として構成され、好ましくは銅もしくは銅合金からなる。基板2の固定接点材料である、銅箔20と、標準電極電位を揃えるためである。銅もしくは銅合金としては、ばね用りん青銅や、ベリリウム銅が好ましく用いられるが、これには限定されない。
可動接点体3の第1のめっき層31の構成成分と、銅箔20b上の第1のめっき層21の構成成分とは、標準電極電位が実質的に同一である。本明細書において、標準電極電位が実質的に同一であるとは、可動接点体3の第1のめっき層31の構成成分の標準電極電位と、銅箔20b上の第1のめっき層21の構成成分の標準電極電位の差の絶対値が0.1V以内であり、好ましくは、0.05V以内であり、最も好ましくは同一であることをいう。
また、可動接点体3の第2のめっき層32の構成成分と、銅箔20b上の第2のめっき層22の構成成分とも、実質的に同一である。
より好ましくは、可動接点体3の第1のめっき層31の構成成分と、銅箔20b上の第1のめっき層21の構成成分とは、同一の金属からなり、かつ、可動接点体3の第2のめっき層32の構成成分と、銅箔20b上の第2のめっき層22の構成成分とも、同一の金属からなる。ここで、金属は単体であってもよく、金属合金であってもよく、めっき層の構成成分は、金属以外の構成元素、例えば、C(炭素)、P(リン)などをさらに備えるものであってもよい。
好ましい組み合わせとしては、第1のめっき層21、31が、銀であり、第2のめっき層22、32が金である態様が挙げられる。かかる態様においては、金属ドーム30の材料である母材の銅もしくは銅合金、銀、金はいずれも水素より標準電極電位が高いため、腐食に強いという利点がある。また、銀めっき、及び金めっきは銅母材に析出する際に純度が高く質が良いため、磨耗後も腐食しにくいという利点もある。さらに、安価に実施できるため、経済的な利点もある。銀めっきを、第2のめっき層22、32に被覆される第1のめっき層21とすることが好ましい理由として、銀は安価で高い電気伝導性を有する一方、空気中に排ガスなどの硫化物があると簡単に黒化、あるいは空気中で酸化しやすいことが挙げられる。
他には、第1のめっき層21、31が、ニッケルであり、第2のめっき層22、32が金である態様が挙げられる。一般的なめっき方法で製造しやすく、安価であるという利点がある。
さらに、第1のめっき層21、31が、パラジウムであり、第2のめっき層22、32が金である態様が挙げられる。この態様の利点としては、耐硫化特性、耐酸化特性、耐摩耗性に特に優れることが挙げられる。
また、可動接点体3の第1のめっき層31のめっき厚みと、銅箔20b上の第1のめっき層21のめっき厚みとは、実質的に同一であることが好ましい。使用する際、摩耗により、層が削れて内側の層が露出するタイミングを揃え、内側の層が露出した場合でも、接触する部位間で標準電極電位を揃えることが可能になるためである。めっき厚みが実質的に同一であるとは、可動接点体3に設けられた第1のめっき層31の厚みと、銅箔20b上の第1のめっき層21の厚みの差の絶対値が、厚いほうのめっき層の厚みの20%以内であり、好ましくは、10%以内であり、最も好ましくは可動接点体3に設けられた第1のめっき層31の厚みと銅箔20b上の第1のめっき層21の厚みとが同一であることをいう。
一例として、第1のめっき層21、31が、銀であり、第2のめっき層22、32が金である場合には、第1のめっき層21、31が、1〜2μmであることが好ましく、1〜1.5μmであることがさらに好ましい。第2のめっき層21、31が、0.15〜1μmであることが好ましく、0.15〜0.5μmであることがさらに好ましい。めっきが厚すぎる場合、皿バネの動作を妨げる場合があり、薄すぎる場合、めっきとしての役割を十分に果たすことができない場合があるためである。
第1のめっき層21、31が、ニッケルであり、第2のめっき層22、32が金である場合には、第1のめっき層21、31が、1〜4μmであることが好ましく、1〜2μmであることがさらに好ましい。第2のめっき層21、31が、0.15〜1μmであることが好ましく、0.15〜0.2μmであることがさらに好ましい。理由は上記と同一である。
第1のめっき層21、31が、パラジウムであり、第2のめっき層22、32が金である場合には、第1のめっき層21、31が、0.3〜0.9μmであることが好ましく、0.3〜0.5μmであることがさらに好ましい。第2のめっき層21、31が、0.15〜1μmであることが好ましく、0.15〜0.5μmであることがさらに好ましい。理由は上記と同一である。
可動接点体3において、このような第1のめっき層31及び第2のめっき層32は、母材である金属ドーム30の内側表面全体に設けられていてもよく、可動接点部位に局部的に設けられてもよい。局部的に設けられる場合は、いずれの可動接点部位においても、実質的に同一の層構成、実質的に同一のめっき厚でめっき層31、32を積層することが好ましい。基板2においては、第1のめっき層21及び第2のめっき層22は、固定接点となる銅箔20a、b、c上に形成される。この場合も、いずれの固定接点においても、実質的に同一の層構成、実質的に同一のめっき厚でめっき層21、22を積層することが好ましい。
なお、図示はしないが、可動接点、固定接点ともに3層、4層、あるいは5層以上の、それぞれ同じ層数のめっき層が設けられていても良い。この場合も、可動接点、固定接点における対応するめっき層を構成する成分の標準電極電位は実質的に同一であり、好ましくは、対応するめっき層を構成する成分は同一である。さらに、可動接点、固定接点における対応するめっき層の厚みは実質的に同一であることが好ましい。なお、対応するめっき層とは、母材に近いほうから、第1のめっき層、第2のめっき層とした場合に同じ数番号を付しためっき層である。接点を中心にして、同じ数番号を付しためっき層は、同程度に摩耗すると考えられるため、同じ数番号を付しためっき層を実質的に同一の標準電極電位からなる材料で構成することにより、上記実施形態で説明したのと同様の効果を得ることができる。
次に、本発明に係る可動接点体3及び基板2を製造方法の観点から説明する。可動接点体3および基板2への第1のめっき層21、31、第2のめっき層22、32の形成法は、一般的な方法により実施することができる。また、特に銅もしくは銅合金からなる母材に、第1のめっき層として銀あるいはニッケルを設けたものは、標準品の帯鋼として市販されている。このような標準品の帯鋼を、例えば、フープめっきすることにより、銅もしくは銅合金上に第1のめっき層及び第2のめっき層を順に積層してなる部材を得ることができる。
可動接点体3を図1の所定の形状に加工する方法は既知であるが、加工は、めっき層の積層後に実施することが好ましい。基板2の製造においては、基板基材23に銅箔20を形成した後、銅箔20にめっき層21、22を積層することによって製造することができる。
スイッチは、図1を参照して説明したとおりに、従来の構成に従って各構成部材を組み立てることにより製造することができる。このようにして製造された本発明に係る基板用スイッチの、可動接点体3と基板2との接触部位は、製造後、使用前には、図2に示すように、基板2側に第1のめっき層21、第2のめっき層22がこの順に、可動接点体3側に第1のめっき層31、第2のめっき層32がこの順に積層されており、スイッチが押下されない状態において、自然腐食することはない。接触する第2のめっき層22、32を構成する金属材料の標準電極電位を揃えているためである。
スイッチを使用開始後、使用回数が増加するにつれ、接点の接触回数が増加し、接点が摩耗することが予測される。図3は、基板スイッチを相当回数使用後の図1の部位Yの概念的な拡大図である。基板2側のめっき層21、22、可動接点体3側のめっき層31、32とも、摩耗して、接点における層が剥離し、周囲に摩耗金属粉24、34が付着している。しかし、例えば、第1のめっき層、第2のめっき層の構成材料とも、銀、金、パラジウムのいずれかである場合には、金属摩耗粉24、34が酸化により腐食することはない。これらの金属の標準電極電位は、それぞれ、+0.799 V、+0.987 V、+1.520 Vであり、水素(H)の標準電極電位よりも還元側にあるためである。
なお、図1に示す基板用スイッチの構成は、一例であり、本発明は、図示する実施形態には限定されない。例えば、フィルムで密閉された押し子に代えて、カバーフィルム上方にストローク延長バネを設け、その上方に、ケースから突出した押し子を備える構成であってもよい。このようなスイッチの動作ストロークを稼ぐ構成は、図1に示す基板用スイッチと比較して、多少厚みは増す場合があるものの、クリック感が必要な用途において好ましく用いられる。この場合でも、可動接点体と基板は、図1に示す実施形態と同様に構成することができる。そして、押し子が、ストローク延長バネを介して、可動接点体を押下することで、図示する実施形態と同様に基板スイッチとして機能させることができる。
以下に、本発明を、実施例を参照してより詳細に説明する。しかし、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
[実施例]
厚さ70μmのばね用りん青銅からなる母材を用い、直径が8.4mm、ドーム高さが0.6mmの金属ドームを製造した。母材に1μmの銀めっきを施し、次いで、銀めっき上に、0.15μmの金めっき(純度99%)を積層して、図1に示す所定の形状に加工し、可動接点体を得た。プリント基板用のガラスエポキシ基材上に、18μmの銅箔で回路パターンを形成した。次いで、固定接点となる銅箔上に、1μmの銀めっきを施し、銀めっき上に、0.15μmの金めっき(純度99%)を積層して、基板を得た。
上記のようにして得た可動接点体及び基板を、他の部材とともに組み立て、図1に示す構造を備える実施例の基板スイッチを製造した。同一材料、同一構造のスイッチを4つ製造し、これらをサンプルNo.1〜4とした。このスイッチを用いて打鍵試験を行った。試験は、基板を垂直に立てて水平方向にスイッチを押下する方式により行った。具体的には、エアーシリンダーにて、0.5秒押下し、0.5秒離すことを1回として、3600回/hで押下を繰り返した。押下力は、3Nとし、接点に電圧は印加しなかった。100万回、および300万回打鍵後のスイッチの接触抵抗を、ACミリオームテスター3550(日置電機株式会社製)を用いて測定した。
[比較例1]
厚さ80μmのSUS301を母材として、実施例と同じ形状の金属ドームを製造し、可動接点部位に、2μmのニッケルめっきを施し、比較例1の可動接点体を得た。プリント基板用のガラスエポキシ基材上に銅箔で回路パターンを形成し、銅箔に、0.02μmの金めっき(純度99%)を施して比較例1の基板を得た。これらを実施例と同様にして組み立て、比較例のスイッチを製造した。比較例1においても、同一材料、同一構造のスイッチを4つ製造し、これらをサンプルNo.5〜8とした。次いで、比較例1のスイッチを用いて打鍵試験を行った。試験条件は実施例と同じとし、100万回打鍵後のスイッチの接触抵抗を、実施例と同じ装置を用いて測定した。
[比較例2]
実施例のスイッチの構成における金めっきを行わず、可動接点体の皿ばね側、固定接点体の銅箔側とも、1μmの銀めっき1層のみとし、その他の条件を同一として得られたスイッチを2つ製造し、これらをサンプルNo.9、10とした。次いで、比較例2のスイッチを用いて打鍵試験を行った。試験条件は実施例と同じとし、100万回、および300万回打鍵後のスイッチの接触抵抗を、実施例と同じ装置を用いて測定した。
実施例、比較例1、および比較例2の結果を下記の表1に示す。実施例のスイッチについて、100万回打鍵後の接触抵抗を測定したところ、いずれのサンプルも15mΩ以下であり、100万回打鍵後の接触抵抗を測定したところ、いずれのサンプルも150mΩ以下であった。電子回路によりスイッチのオン・オフを読み取る場合の判定基準が1Ω程度であることから、本発明の実施例に係る基板用スイッチは、300万回の打鍵後であっても、スイッチの作動特性に支障がないことがわかった。
比較例1のスイッチについて、100万回打鍵後の接触抵抗を測定したところ、24,000mΩ以上となり、明らかな接触抵抗の差が認められた。比較例2のスイッチは、100万回打鍵の段階では接触抵抗に有意な差は認められなかった。しかし、比較例2のスイッチでは、300万回の打鍵後の接触抵抗が70,000mΩ以上となり、実施例のスイッチとの間で、明らかな接触抵抗の差が認められた。
比較例1においては、可動接点体の皿ばね側、固定接点体の銅箔側のめっき材料が異なるため、標準電極電位の差により発生した錆が接触抵抗増大の要因となっていると考えられる。比較例2では、可動接点体の皿ばね側、固定接点体の銅箔側の両方を銀めっきとしているため標準電極電位の差による錆の発生は防止されるが、銀1層のみのめっきであるため、実施例の金めっきと比べて耐摩耗性に劣り、長期使用による耐久性も実施例と比べて劣ることがわかった。
Figure 2017010616
本発明による基板用スイッチは、工業用キーボードにおけるスイッチとして有用である。特に、組立済みのタクトスイッチが利用できないほど薄さが必要な場合、すなわちケース外装を含めて概ね10mm以下、例えば3.5mm程度となる基板用スイッチに有用である。また、薄型スイッチの中でも、フィルム状の基板に銀ペーストなどの印刷接点から構成されるスイッチでは、接触抵抗が許容できない場合に使用することができる。
2 基板
20 銅箔(固定接点)
21 第1のめっき層
22 第2のめっき層
23 基板基材
24 金属摩耗粉
3 可動接点体
30 金属ドーム
31 第1のめっき層
32 第2のめっき層
34 金属摩耗粉
4 スペーサ
5 カバーフィルム
6 ケース
7 押し子
8 シール(印刷物)

Claims (4)

  1. 可動接点体と、基板とを備えてなる基板用スイッチであって、
    前記可動接点体が、銅もしくは銅合金を主成分とする金属ドームの可動接点に、少なくとも第1のめっき層と、第2のめっき層とが順に積層されてなり、
    前記基板が、基板基材上に設けられた銅もしくは銅合金を主成分とする固定接点に、少なくとも第1のめっき層と、第2のめっき層とが順に積層されてなり、
    前記可動接点の第1のめっき層を構成する成分と、前記固定接点の第1のめっき層を構成する成分の標準電極電位が実質的に同一であり、かつ、前記可動接点の第2のめっき層を構成する材料と前記固定接点の第2のめっき層を構成する成分との標準電極電位が実質的に同一である、基板用スイッチ。
  2. 前記可動接点の第1のめっき層と、前記固定接点の第1のめっき層が、ニッケルめっきもしくは銀めっきであり、前記可動接点の第2のめっき層と、前記固定接点の第2のめっき層が、金めっきである、請求項1に記載のスイッチ。
  3. 前記可動接点の第2のめっき層と、前記固定接点の第2のめっき層とが、実質的に同一の厚みである、請求項1または2に記載の基板用スイッチ。
  4. 前記可動接点の第1のめっき層と、前記固定接点の第1のめっき層とが、実質的に同一の厚みである、請求項1〜3のいずれかに記載の基板用スイッチ。
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