JP2017009330A - き裂進展解析装置およびき裂進展解析方法 - Google Patents

き裂進展解析装置およびき裂進展解析方法 Download PDF

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板谷 雅雄
Masao Itaya
雅雄 板谷
陽平 大野
Yohei Ono
陽平 大野
利之 斎藤
Toshiyuki Saito
利之 斎藤
阿部 友紀
Tomonori Abe
友紀 阿部
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Abstract

【課題】異材継手部を有する構造物において,き裂進展寿命を精度良く予測する。【解決手段】実施形態によれば、き裂進展解析装置100は、き裂の先端から所定の距離における第1材料中の最大応力とその方向、第2材料中の最大応力とその方向とを導出する応力解析部12と、応力拡大係数と材料とに基づいて、第1材料および第2材料におけるき裂進展速度を導出するき裂進展速度導出部13と、最大応力とき裂進展速度との関数として第1材料における環境感受性指標、第2材料における環境感受性指標を算出する環境感受性指標算出部14と、第1材料における環境感受性指標と第2材料における環境感受性指標とからき裂進展方向を決定するき裂進展方向決定部15と、き裂進展方向決定部15で決定されたき裂進展方向の材料についてのき裂進展速度を用いてき裂進展量を算出するき裂進展量算出部16を有する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、き裂進展解析装置およびき裂進展解析方法に関する。
構造物のき裂進展寿命を予測する方法として、一般に、き裂先端の応力拡大係数を解析し,接線応力が最大となる方向にき裂が進展するとして、き裂進展挙動を解析する方法が用いられる。溶接部等において異材境界部近傍の応力腐食割れ等によるき裂の進展を解析する際に、力学的条件のみに基づいてき裂の進展を解析すると、必ずしも試験により得られるき裂進展挙動と一致しないことがある。
特開2006−105673号公報
腐食環境中におけるき裂進展挙動は、材料と環境の組合せに依存する。しかしながら、従来のき裂進展解析方法は、力学条件のみによってき裂進展方向を決定するため、必ずしも環境感受性の高い材料にき裂が進展しない。すなわち、環境感受性は低いが接線応力が高い材料へき裂が進展するといったような誤った予測を与えるという課題がある。
このような背景をもとに,本発明の実施形態は、溶接継手部など異材継手部を有する構造物において、き裂進展寿命を精度良く予測することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態は、構造物の第1材料と第2材料との異材継手部近傍におけるき裂の進展を解析するき裂進展解析装置において、前記き裂の先端部周辺についての応力解析により、応力拡大係数と、前記き裂の先端から所定の距離における前記第1材料中の最大応力およびその方向ならびに前記所定の距離における前記第2材料中の最大応力およびその方向を導出する応力解析部と、前記応力拡大係数と前記第1材料および前記第2材料とに基づいて、前記第1材料におけるき裂進展速度および前記第2材料におけるき裂進展速度を導出するき裂進展速度導出部と、前記第1材料における最大応力と前記第1材料におけるき裂進展速度との関数として前記第1材料における環境感受性指標を、また前記第2材料における最大応力と前記第2材料におけるき裂進展速度との関数として前記第2材料における環境感受性指標を、それぞれ算出する環境感受性指標算出部と、前記第1材料における環境感受性指標および前記第2材料における環境感受性指標とからき裂進展方向を決定するき裂進展方向決定部と、前記き裂進展方向決定部で決定された前記き裂進展方向の材料についてのき裂進展速度を用いてき裂進展量を算出するき裂進展量算出部と、を備えることを特徴とする。
また、本実施形態は、構造物の第1材料と第2材料との異材継手部近傍におけるき裂の進展を解析するき裂進展解析方法において、応力解析部が、前記き裂の先端部周辺についての応力解析により、応力拡大係数と、前記第1材料中の最大応力およびその方向ならびに前記第2材料中の最大応力およびその方向とを導出する応力解析ステップと、き裂進展速度導出部が、前記応力拡大係数と前記第1材料および前記第2材料とに基づいて、前記第1材料におけるき裂進展速度および前記第2材料におけるき裂進展速度を導出するき裂進展速度導出ステップと、環境感受性指標算出部が、前記第1材料における最大応力と前記第1材料中のき裂進展速度との関数として前記第1材料における環境感受性指標を、また前記第2材料中の最大応力と前記第2材料におけるき裂進展速度との関数として前記第2材料における環境感受性指標を、それぞれ算出する環境感受性指標算出ステップと、き裂進展方向決定部が、前記第1材料における環境感受性指標および前記第2材料における環境感受性指標とからき裂進展方向を決定するき裂進展方向決定ステップと、き裂進展量算出部が、前記き裂進展方向決定ステップで決定された前記き裂進展方向の材料に関するき裂進展速度を用いてき裂進展量を算出するき裂進展量算出ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、溶接継手部など異材継手部を有する構造物において,き裂進展寿命を精度良く予測することができる。
実施形態に係るき裂進展解析装置の構成を示すブロック図である。 異材継手部を有する構造物のき裂の状態を示す断面図である。 き裂先端部分を示す詳細図である。 き裂先端のき裂拡大方向を説明するための断面図である。 き裂進展速度と応力拡大係数の関係を示すグラフである。 新たなき裂寸法の設定を説明する断面図である。 実施形態に係るき裂進展解析方法の手順を示すフロー図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るき裂進展解析装置およびき裂進展解析方法について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。本発明の実施形態に係るき裂進展解析装置およびき裂進展解析方法は、異材継手部近傍のように、溶接継手部など複数の異種材料が近接する場合のき裂の進展に関するものである。
図1は、実施形態に係るき裂進展解析装置の構成を示すブロック図である。き裂進展解析装置100は、計算機システムによって実現される。き裂進展解析装置100は、CPU80内の演算部10および制御部20を有する。また、き裂進展解析装置100は、記憶部30、入力部40および出力部50を有する。
演算部10は、初期条件設定部11、応力解析部12、き裂進展速度導出部13、環境感受性指標算出部14、き裂進展方向決定部15、き裂進展量算出部16、き裂寸法更新部17および終了判定部18を有する。記憶部30は、き裂進展速度データベース31を有する。
初期条件設定部11は、入力部40に外部入力された初期条件を受け入れる。初期条件としては、たとえば、解析対象物の寸法、初期き裂寸法、および荷重すなわち構造物にとっての負荷条件などがある。き裂は、溶接部等の異材境界部近傍にあるとする。
応力解析部12は、き裂先端周辺の応力解析を行う。応力解析は、有限要素法(FEM)や粒子法等の数値解析手法により実施する。なお、応力解析の手法は、これらに限定されない。き裂先端の応力場を解析可能な手法であれば、これ以外の手法でもよい。
図2は、異材継手部を有する構造物のき裂の状態を示す断面図である。また、図3は、き裂先端部分を示す詳細図である。構造物の、材料Aと材料Bの2つの異なる材料の異材継手を含む部分に、マクロな応力σが付加されている。ここで、マクロな応力とは、図2に示すように、き裂近傍を除く領域で生じている応力であり、き裂進展解析装置100内の主に応力解析部12によって算出される。
図2に示すように、異材継手部の近傍で、長さaのき裂が生じている。き裂先端は、図3に示すように、曲率ρを有する。
今、き裂長さをa、き裂先端の曲率半径をρとし、ρ<r≪aなるrを半径とする円周をとる。すなわち、き裂先端の曲率ρよりは十分に長く、き裂長さaよりは小さい距離rで、き裂先端Pを中心とした、き裂先端P付近の円周を考える。ここで、図2、図3の奥行き方向の分布を考慮すれば、半径rの球面を考えることになるが、以下、円で説明する。
このような距離をとれば、マクロな応力が分布している状態とは異なり、き裂によって生じたき裂近傍への応力集中、き裂近傍の応力分布が生じている状態である。すなわち、rは、応力分布が生じているき裂先端の近傍となる距離をとるものとする。
図4は、き裂先端のき裂拡大方向を説明するための断面図である。き裂先端Pが2種類の材料、すなわち、第1の材料である材料Aと第2の材料である材料Bの異材境界近傍にある場合、半径rの円上には、材料A中の部分と、材料B中の部分とが存在する。半径rの円上では、先に説明したように、応力分布が生じている。
応力解析部12では、構造物における応力分を算出する。この結果、半径rの円周上の応力分布も求められる。応力解析部12では、この半径rの円周上の応力分布にもとづいて、材料Aおよび材料Bそれぞれにおける応力の最大値および最大値を生じている箇所を確認し、その箇所を選択する。すなわち、材料Aの範囲で半径rの円上において円の接線方向の最大応力の発生箇所Mと、材料Bの範囲で半径rの円上において円の接線方向の応力が最大の箇所Mとを選択する。
応力解析部12は、き裂先端Pから最大応力の発生箇所Mへの方向の直線Lとき裂の延長線Lとの角度Θ、き裂先端Pから最大応力の発生箇所Mへの方向の直線Lとき裂の延長線Lとの角度Θを導出する。き裂の進展方向は、この両者の内のいずれかとなる。
応力解析部12は、さらに、き裂先端Pにおける応力拡大係数Kを算出する。ここで、応力拡大係数Kは、モードIすなわち材料Aと材料Bとを引き離す荷重が作用する場合には、この荷重によるマクロな応力σと、き裂長さaとから、次の式(1)により算出される。
K=σ・√(πa) …(1)
なお、応力拡大係数Kが、破壊靱性値Kに至ると脆性破壊が発生するので、応力拡大係数Kが、破壊靱性値K未満であることも確認する。
き裂進展速度導出部13は、き裂進展速度データベース31のデータを用い、応力拡大係数Kにもとづいて、材料Aおよび材料Bのそれぞれについてのき裂進展速度CS(=da/dt)を導出する。
図5は、記憶部30のき裂進展速度データベース31に格納されているき裂進展速度da/dtと応力拡大係数Kとの関係を示すグラフである。横軸は応力拡大係数Kの対数値、縦軸はき裂進展速度da/dtの対数値である。実線Aは材料Aの場合、破線Bは材料Bの場合を示す。
き裂が定常的に進展するような状態の領域においては、応力拡大係数Kとき裂進展速度CS(=da/dt)とは、一般に次の式(2)で関係づけられる。
CS=da/dt=K …(2)
したがって、図5のような両対数のグラフでは、関数のグラフはほぼ直線的となる。実線Aと破線Bのそれぞれは、材料の種類、および材料の置かれる周囲の水質などの環境により決まる。
図5は、特に、応力腐食割れ(SCC:Stress Corrosion Cracking)に注目したSCCき裂進展速度線図である。このSCCき裂進展速度線図は、使用者が試験あるいは文献による値や各種の規格基準に記載の内容に基づいて決定してもよい。あるいは、文献や各種の規格基準に記載の線図を用いてもよい。
き裂進展速度導出部13は、応力解析部12で算出した応力拡大係数Kから、図5に基づいて、材料Aのき裂進展速度CS、および材料Bのき裂進展速度CSを導出する。
今、式(1)から、マクロな応力σおよびき裂長さaは、材料Aについても材料Bについても共通である。したがって、材料Aにおける応力拡大係数と、材料Bにおける応力拡大係数とは、同じKである。この応力拡大係数Kから、材料Aのき裂進展速度CS、および材料Bのき裂進展速度CSが決まる。
環境感受性指標算出部14は、材料Aについての環境感受性指標SF、および材料Bについての環境感受性指標SFを算出する。ここで、環境感受性指標SFおよび環境感受性指標SFを求めるSFは、次の式(3)のように、最大応力σと、材料および環境条件に依存するき裂進展速度CSの関数である。
SF=f(CS、σ) …(3)
すなわち、SFは、最大応力σのみでなく、材料および環境条件も考慮して導出される。
関数f(CS、σ)は、具体的には、次の式(4)のように、最大応力σとき裂進展速度CSとの積としてもよい。
f(CS、σ)=CS・σ …(4)
あるいは、関数f(CS、σ)は、次の式(5)のように、最大応力σとき裂進展速度CSとの線形結合としてもよい。ここで、hは、重み係数であり、最大応力σとき裂進展速度CSそれぞれの寄与の重みを反映するものである。
f(CS、σ)=CS+h・σ …(5)
あるいは、関数f(CS、σ)は、次の式(6)のように、最大応力σとき裂進展速度CSとのベクトル的な和の二乗としてもよい。ここで、hは、重み係数である。
f(CS、σ)=(CS)+h・σ …(6)
関数f(CS、σ)の形状は、以上に限定されない。最大応力σとき裂進展速度CSのそれぞれの寄与が適切に反映されるものであればよい。試験結果により関数形状および係数等を調整することにより決定することでもよい。
き裂進展方向決定部15は、材料Aについての環境感受性指標SF、および材料Bについての環境感受性指標SFとを比較し、大きい方を選択することにより、最大応力σおよびき裂進展の方向Θを決定する。
すなわち、図4において、き裂先端Pの近傍における最大応力の発生箇所Mについての環境感受性指標SF、および最大応力の発生箇所Mについての環境感受性指標SFとを比較した結果、たとえば、環境感受性指標SFの方が大きい場合を考える。この場合は、最大応力の発生箇所Mの方が選択される。したがって、き裂進展方向は、発生箇所Mの方向であり、角度Θの方向である。また、き裂進展速度CSは、材料Bのき裂進展速度CSとなる。
き裂進展量算出部16は、き裂進展方向決定部15で決定されたき裂進展方向の材料についてのき裂進展速度を用いて、き裂進展量を算出する。たとえば、き裂進展方向決定部15で材料B側が選択された場合、次の式(7)でき裂進展量ΔCを算出する。
ΔC=CS・Δt=da/dt・Δt …(7)
き裂寸法更新部17は、き裂進展量算出部16により算出されるき裂進展量ΔCに基づいて、新たなき裂寸法を設定する。図6は、新たなき裂寸法の設定を説明する断面図である。
たとえば、き裂進展方向決定部15で材料B側が選択された場合、直線L上で、前回のき裂先端PからΔCだけ離れた点P’が新たなき裂先端となる。この結果、き裂長さa’は、図6のように、き裂の表面からき裂先端P’までの距離となる。き裂寸法更新部17は、この新たなき裂長さa’を求め出力する。
終了判定部18は、き裂の進展の繰り返しが終了か否かを判定する。具体的には、更新したき裂先端の位置が、当該構造物の厚さを貫通した場合や、き裂先端の応力拡大係数Kが当該材料の破壊靭性値KICに達する等、あらかじめ設定した終了条件となったか否かを判定する。
なお、以上は、時間領域でのき裂進展速度da/dtの場合を示した。これに代えて、応力解析部12が応力拡大係数範囲ΔKを算出し、き裂進展方向決定部15が、横軸に応力拡大係数範囲ΔKを、縦軸に繰り返し回数領域での腐食疲労き裂進展速度da/dNをとった関係により、き裂の進展を評価してもよい。ただし、応力拡大係数範囲ΔKは荷重に対する応力拡大係数Kの変動幅、Nは疲労の繰り返しの回数である。
この場合は、環境感受性指標算出部14での演算は、式(3)の関数に代えて、SF’=f(da/dN、σ)を用いることになる。また、き裂進展量算出部16では、式(7)に代えて、ΔC=da/dN・ΔNによりき裂進展量ΔCを算出することになる。
図7は、実施形態に係るき裂進展解析方法の手順を示すフロー図である。
まず、初期条件設定部11が、解析対象物の寸法、初期き裂寸法、および荷重などの初期条件を設定する。これらの条件は、入力部40への外部入力により受け入れる(ステップS01)。
次に、応力解析部12が、応力解析を実施し、材料Aの範囲で所定の半径rの円上において円の接線方向の最大応力の発生箇所Mとその方向、材料Bの範囲で半径rの円上において円の接線方向の最大応力の発生箇所Mとその方向を選択する。また、き裂先端Pにおける応力拡大係数Kを算出する(ステップS02)。
次に、き裂進展速度導出部13が、き裂進展速度データベース31のデータを用い、応力拡大係数Kにもとづいて、材料Aについてのき裂進展速度CSおよび材料Bについてのき裂進展速度CSを導出する。環境感受性指標算出部14は、材料Aについての最大応力σθAとき裂進展速度CSとから材料Aについての環境感受性指標SFを、また材料Bについての最大応力σθBとき裂進展速度CSとから材料Bについての環境感受性指標SFを算出する(ステップS03)。
次に、き裂進展方向決定部15は、材料Aについての環境感受性指標SF、および材料Bについての環境感受性指標SFとを比較し、大きい方を選択することにより、最大応力σおよびき裂進展の方向Θを決定する(ステップS04)。
次に、き裂進展量算出部16は、ステップS04にて、き裂進展方向決定部15で決定されたき裂進展方向の材料についてのき裂進展速度を用いて、き裂進展量ΔCを算出する(ステップS05)。き裂寸法更新部17は、き裂進展量算出部16により算出されるき裂進展量ΔCに基づいて、新たなき裂先端P’の位置を求め、新たなき裂寸法a’を導出する(ステップS06)。
次に、終了判定部18が、き裂進展解析が終了したか否かを判定する(ステップS07)。終了と判定されない場合(ステップS07 NO)、ステップS02以下を繰り返す。終了と判定された場合(ステップS07 YES)、き裂進展解析を終了する。
このように、異材継手部近傍において、それぞれの材料領域での最大応力と、材料および環境に依存するき裂進展速度との関数として環境感受性指標を定義することにより、き裂先端におけるき裂進展方向として環境感受性指標の大きい方の材料側を選択しながら、き列の進展を評価することができる。これにより、最大応力のみでなく、材料及び環境因子を考慮した評価を可能となる。
以上のように、本実施形態によれば、溶接継手部など複数の異種材料が近接する場合において、き裂進展寿命を精度良く予測することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、き裂進展解析装置は、実施形態では、1つの計算機による場合を示しているが、これに限定されない。たとえば、応力解析は、別の計算機で実施する、すなわち、応力解析部は別の計算機に収納され、その内容、結果に関する情報を、オンラインで、演算部の他の要素と共有することでもよい。
また、実施形態では、2種類の材料が近接する場合について示したが、本発明は、3種類以上の材料が近接する場合についても、同様の手順で実施することができる。すなわち、所定の円上の各材料の領域における接線方向の最大応力を生ずる個所をそれぞれ求め、環境感受性指標算出部14にてそれぞれの箇所における関数値を算出し、この関数値が最大の方向をき裂進展方向として選択する。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…演算部、11…初期条件設定部、12…応力解析部、13…き裂進展速度導出部、14…環境感受性指標算出部、15…き裂進展方向決定部、16…き裂進展量算出部、17…き裂寸法更新部、18…終了判定部、20…制御部、30…記憶部、31…き裂進展速度データベース、40…入力部、50…出力部、80…CPU、100…き裂進展解析装置

Claims (7)

  1. 構造物の第1材料と第2材料との異材継手部近傍におけるき裂の進展を解析するき裂進展解析装置において、
    前記き裂の先端部周辺についての応力解析により、応力拡大係数と、前記き裂の先端から所定の距離における前記第1材料中の最大応力およびその方向ならびに前記所定の距離における前記第2材料中の最大応力およびその方向を導出する応力解析部と、
    前記応力拡大係数と前記第1材料および前記第2材料とに基づいて、前記第1材料におけるき裂進展速度および前記第2材料におけるき裂進展速度を導出するき裂進展速度導出部と、
    前記第1材料における最大応力と前記第1材料におけるき裂進展速度との関数として前記第1材料における環境感受性指標を、また前記第2材料における最大応力と前記第2材料におけるき裂進展速度との関数として前記第2材料における環境感受性指標を、それぞれ算出する環境感受性指標算出部と、
    前記第1材料における環境感受性指標および前記第2材料における環境感受性指標とからき裂進展方向を決定するき裂進展方向決定部と、
    前記き裂進展方向決定部で決定された前記き裂進展方向の材料についてのき裂進展速度を用いてき裂進展量を算出するき裂進展量算出部と、
    を備えることを特徴とするき裂進展解析装置。
  2. 前記環境感受性指標算出部は、前記第1材料における前記最大応力と前記き裂進展速度の積として前記第1材料における環境感受性指標を算出するとともに、前記第2材料における前記最大応力と前記き裂進展速度の積として前記第2材料における環境感受性指標を算出し、
    前記き裂進展方向決定部は、前記第1材料における環境感受性指標と前記第2材料における環境感受性指標のうち大きい側の材料の最大応力の方向をき裂進展方向として選択することを特徴とする請求項1に記載のき裂進展解析装置。
  3. 前記第1材料についてのき裂進展速度および前記第2材料についてのき裂進展速度は、前記第1材料および前記第2材料のそれぞれに関する応力拡大係数の関数としての時間領域での応力腐食割れき裂進展速度データを用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のき裂進展解析装置。
  4. 前記第1材料についてのき裂進展速度および前記第2材料についてのき裂進展速度は、前記第1材料および前記第2材料のそれぞれに関する応力拡大係数変動幅の関数としての繰り返し回数領域での応力腐食割れき裂進展速度データを用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のき裂進展解析装置。
  5. 構造物の第1材料と第2材料との異材継手部近傍におけるき裂の進展を解析するき裂進展解析方法において、
    応力解析部が、前記き裂の先端部周辺についての応力解析により、応力拡大係数と、前記第1材料中の最大応力およびその方向ならびに前記第2材料中の最大応力およびその方向とを導出する応力解析ステップと、
    き裂進展速度導出部が、前記応力拡大係数と前記第1材料および前記第2材料とに基づいて、前記第1材料におけるき裂進展速度および前記第2材料におけるき裂進展速度を導出するき裂進展速度導出ステップと、
    環境感受性指標算出部が、前記第1材料における最大応力と前記第1材料中のき裂進展速度との関数として前記第1材料における環境感受性指標を、また前記第2材料中の最大応力と前記第2材料におけるき裂進展速度との関数として前記第2材料における環境感受性指標を、それぞれ算出する環境感受性指標算出ステップと、
    き裂進展方向決定部が、前記第1材料における環境感受性指標および前記第2材料における環境感受性指標とからき裂進展方向を決定するき裂進展方向決定ステップと、
    き裂進展量算出部が、前記き裂進展方向決定ステップで決定された前記き裂進展方向の材料に関するき裂進展速度を用いてき裂進展量を算出するき裂進展量算出ステップと、
    を有することを特徴とするき裂進展解析方法。
  6. 前記環境感受性指標算出ステップは、前記第1材料における前記最大応力と前記き裂進展速度の積として前記第1材料における環境感受性指標を算出するとともに、前記第2材料における前記最大応力と前記き裂進展速度の積として前記第2材料における環境感受性指標を算出し、
    前記き裂進展方向決定ステップは、前記第1材料における環境感受性指標と前記第2材料における環境感受性指標のうち大きい側の材料の最大応力の方向をき裂進展方向として選択することを特徴とする請求項5に記載のき裂進展解析方法。
  7. 前記き裂進展速度導出ステップは、前記第1材料および前記第2材料のそれぞれに関する応力拡大係数の関数としての応力腐食割れき裂進展速度データを用いて、それぞれについてのき裂進展速度を導出することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のき裂進展解析方法。
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