JP2017009327A - 波長走査型光干渉断層撮影装置及び断層撮影方法 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、第1の実施形態に係る光干渉断層撮影装置を、図1〜図4を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係る光干渉断層撮影装置の全体構成を示す図である。
図1に示すように、光干渉断層撮影装置1(波長走査型光干渉断層撮影装置)は、波長走査光源ユニット10と、光カプラ110〜111と、光サーキュレータ120〜121と、レンズ130〜133と、可動ミラー14と、基準ミラー15と、差動光検出器16と、コンピュータ20と、を備えている。
波長走査光源100は、波長が時間変化に応じて連続的に変化する(波長が走査されてなる)波長走査光Pを出力する。出力された波長走査光Pは、光ファイバを通じて光カプラ110に伝送される。波長走査光源100は、波長走査光Pを、“A−scan rate”と呼ばれる所定の繰り返しレート(例えば500kHz程度)で、繰り返し出力する。
波数等間隔クロック出力部101は、波長走査光Pの出力に応じたクロック信号であるk−clock信号Kを出力する。k−clock信号Kは、具体的には、波長の走査の過程において、波長走査光Pの波数kが所定の等しい変化量(波数変化量Δk)だけ変化したタイミングで立ち上り及び立ち下りを交互に繰り返してなるクロック信号である。
なお、波数等間隔クロック出力部101は、例えば、波長走査光源100から出力された波長走査光Pの一部を取り込んで、マッハツェンダー干渉計、光検出器等に入力することでk−clock信号Kを生成する(例えば、特許文献1等を参照)。
また、波長走査光源ユニット10は、波長走査光Pの波長走査が開始されるタイミングを示す開始信号T(トリガ信号)を出力する。
一方、光カプラ110から光サーキュレータ121に入力された波長走査光Pは、レンズ132、133を介して基準ミラー15に照射されるとともに、当該基準ミラー15で反射して戻ってきた波長走査光Pが光サーキュレータ121を介して光カプラ111に伝送される。
基準ミラー15で反射して戻ってきた波長走査光Pと、対象物反射光P’と、が光カプラ111で合波されることで、当該波長走査光Pと対象物反射光P’との干渉光が生成される。
A/D変換器21は、干渉信号C(干渉光の強度)をサンプリングしてサンプリングデータ(デジタルデータ)に変換する。本実施形態に係るA/D変換器21の具体的態様については後述する。
図2は、第1の実施形態に係るA/D変換器の構成を説明する図である。
図2に示すように、A/D変換器21は、第1サンプリング部210と、第2サンプリング部211と、を備えている。
第1サンプリング部211は、干渉信号C(干渉光の強度)を、k−clock信号Kの立ち上りのタイミングでサンプリングするとともに、得られたサンプリングデータをCPU22に出力する。
第2サンプリング部211は、干渉信号Cを、k−clock信号Kの立ち下りのタイミングでサンプリングするとともに、得られたサンプリングデータをCPU22に出力する。
また、第2サンプリング部211は、クロック入力ポートCLK及びインバータIを通じて入力されたk−clock信号Kの反転信号の立ち上がりのタイミングごとに、第2入力ポートCH2を通じて入力された干渉信号Cをサンプリングする。ここで、インバータIは、入力されたk−clock信号Kを反転させる回路素子である。
図3は、第1の実施形態に係るCPUの処理フローを示す図である。
図3に示す処理フローは、光干渉断層撮影装置1が撮影動作を開始してから、撮影対象物Xの断層画像データが取得されるまでの処理フローを示している。
なお、ステップS01〜S04までの1回の処理フローによって生成された断層画像データDGは、撮影対象物Xのうち波長走査光Pが照射された一つの位置における深さ方向の状態を示すものである。そこで、CPU22は、可動ミラー14(図1)を動かして撮影対象物Xにおける波長走査光Pの照射位置を変えながら、上述のステップS01〜ステップS04の処理を複数回繰り返す。
このようにすることで、CPU22は、撮影対象物Xの複数箇所に渡る断層画像データDGを蓄積するとともに、これらを組み合わせて、撮影対象物Xのうち所望する範囲の断層状態が示された断層画像を生成する。
図4は、第1の実施形態に係るCPUの各処理の具体的な処理を説明する図である。
ステップS01(図3)で波長走査光Pが出力されると、波数等間隔クロック出力部101は、図4に示すように、当該波長走査光Pの波数が波数変化量Δkだけ増加するごとに立ち上がり及び立ち下りを交互に繰り返すk−clock信号Kを出力する。
ここで、波長走査光源100(図1)から出力される波長走査光Pの波数k0、k1、k2・・・の各々の間隔は、いずれも等しい波数変化量Δkとされている。ここで、波長走査光Pの波数の経時的変化は、通常、時間軸に対して一定とはならない。したがって、図4に示すように、時間軸を横軸に取った場合におけるk−clock信号Kは、周期やDuty比等が不均一となっている。
以上の通り、第1の実施形態に係る光干渉断層撮影装置1は、波長が走査されてなる波長走査光Pを出力する波長走査光源100と、波長の走査の過程において、波長走査光Pの波数が波数変化量Δkだけ変化したタイミングで立ち上り及び立ち下りを交互に繰り返すk−clock信号Kを出力する波数等間隔クロック出力部101と、を備えている。
また、光干渉断層撮影装置1は、波長走査光Pと、当該波長走査光Pが撮影対象物Xにて反射してなる対象物反射光P’と、の干渉光の強度(干渉信号C)を、k−clock信号の立ち上りのタイミングでサンプリングする第1サンプリング部210と、干渉信号Cを、k−clock信号の立ち下がりのタイミングでサンプリングする第2サンプリング部211と、を備えている。
更に、光干渉断層撮影装置1は、第1サンプリング部210で取得された第1サンプリングデータ列D1と、第2サンプリング部211で取得された第2サンプリングデータ列D2と、の両方に基づいて一の断層画像データDTを生成する断層画像生成部(CPU22)を備えている。
即ち、第1の実施形態に係る光干渉断層撮影装置1によれば、サンプリング周波数の上昇や撮影時間の増加、複雑なデバイスの付加などを伴わずに、k−clockが内蔵された波長走査光源にて定められた計測可能距離を長くすることができる。
計測可能距離6mm用のk−clock信号Kの周波数は88MHz〜195MHzと幅を持っており、このk−clock信号Kを、例えば、特許文献2で示されている周波数逓倍器を用いて計測可能距離が2倍(12mm)のk−clock信号Kを生成したとする。このときのクロックの最大周波数は380MHz程度となり、分解能が14bitでサンプリングレートが400MS/sのA/D変換器でサンプリングすることは可能である。ただし、通常のA/D変換器ではサンプリング周波数が一定であるため、周波数可変クロックを許容するフラッシュADCやパイプラインADCを用いる必要がある。
しかし、第1の実施形態に係る光干渉断層撮影装置1を用いれば、A−scan rateを倍にすることができるため、複雑なデバイス(例えば、特許文献2で示されている周波数逓倍器等)を付加することなくより高速に断層画像を得ることができる。
しかし、計測可能距離を1.85mmにしたk−clock信号Kに変更すれば、k−clock信号Kに必要な最大周波数は0.85GHzとなる。したがって、第1の実施形態に係る光干渉断層撮影装置1において、1GS/sでサンプリング可能な2チャンネルのA/D変換器(第1サンプリング部210、第2サンプリング部211、ただし、上述と同様、周波数可変クロックを許容する特定のA/D変換器)を用いることにより、例えば、128×128×512の大きさの3次元立体画像を毎秒30ボリュームのビデオレートで高感度に取得することが可能となる。
以下、第2の実施形態に係る光干渉断層撮影装置を、図5及び図6を参照しながら説明する。第2の実施形態に係る光干渉断層撮影装置は、第1の実施形態に係る光干渉断層撮影装置に加え、更に、以下に説明する機能を備えていることを特徴とする。
なお、第2の実施形態に係る光感想断層撮影装置の全体構成、及び、A/D変換器の構成は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図5は、第2の実施形態に係るCPUの処理フローを示す図である。
第2の実施形態に係るCPU22は、オペレータによって選択された撮影モードによっては、図3に示した処理フローに替えて、図5に示す処理フローを実行する。
また、CPU22は、ステップS12bで得られた第2サンプリングデータ列D2に対し、離散フーリエ変換処理を施して、第2中間データDM2を生成する(ステップS13b)。ここで、第2中間データDM2は、第2サンプリングデータ列D2のみを基に生成された断層画像データに相当する。
なお、ステップS11〜S14までの1回の処理フローによって生成された断層画像データDG’は、撮影対象物Xのうち波長走査光Pが照射された一つの位置における深さ方向の状態を示すものである。そこで、CPU22は、第1の実施形態と同様に、可動ミラー14(図1)を動かして撮影対象物Xにおける波長走査光Pの照射位置を変えながら、上述のステップS11〜ステップS14の処理を複数回繰り返す。
図6は、第2の実施形態に係るCPUの各処理の具体的な処理を説明する図である。
第1の実施形態と同様に、ステップS11(図5)で波長走査光Pが出力されると、波数等間隔クロック出力部101は、図6に示すように、当該波長走査光Pの波数が波数変化量Δkだけ増加するごとに立ち上がり及び立ち下りを交互に繰り返すk−clock信号Kを出力する。
同様に、第2サンプリング部211は、k−clock信号Kの立ち下がりのタイミングで干渉信号Cのサンプリングを行う。これにより、第2サンプリング部211は、波長走査光Pの波長の走査の過程において、干渉信号Cを逐次サンプリングして取得したサンプリングデータb1、b2、b3・・・からなる第2サンプリングデータ列D2を取得する。
更に、CPU22は、ステップS13b(図5)において、上述のようにして得られた第2サンプリングデータ列D2に対して、高速フーリエ変換(離散フーリエ変換)を実施して第2中間データDM2を生成する。
以上の通り、第2の実施形態に係るCPU22は、少なくとも、第1サンプリングデータ列D1に対する離散フーリエ変換処理を経て得た第1中間データDM1と、第2サンプリングデータ列D2に対する離散フーリエ変換処理を経て得た第2中間データDM2と、の両方に対して加算平均処理を行い、断層画像データDG’を生成する。
しかし、第2の実施形態に係る光干渉断層撮影装置1によれば、2チャンネルのA/D変換器(第1サンプリング部210、第2サンプリング部211)を用いて同時に2つの断層画像データ(第1中間データDM1、第2中間データDM2)を生成するので、加算平均による高画質の断層画像を、従来の半分の撮影時間で得ることができる。
一方、第2の実施形態に係る光干渉断層撮影装置1によれば、第1中間データDM1の基礎となる第1サンプリングデータ列D1と、第2中間データDM2の基礎となる第2サンプリングデータ列D2とは、波長走査光Pの1回の照射中(1回の波長走査の過程中)において、異なるタイミングで(交互に)サンプリングされた2つのサンプリングデータ列である。そうすると、加算平均処理を伴う断層画像の撮影中に撮影対象物Xの状態変化が生じた場合であっても、第1中間データDM1と第2中間データDM2との整合性が維持される。したがって、断層画像の画質を一層向上させることができる。
しかし、他の実施形態に係る光干渉断層撮影装置1は、上述の態様に限定されることはなく、単に、図5に示す処理フローのみを実行する態様であってもよい。
また、第2の実施形態に係るCPU22は、波長走査光Pの1回の照射によって取得された第1中間データDM1及び第2サンプリングデータ列DM2に加え、更に、波長走査光Pの2回目以降の照射によって取得された第1中間データDM1、第2サンプリングデータ列DM2を逐次加算平均して、断層画像データDG’を生成してもよい。このようにすることで、より多くの断層画像データが加算平均されるため、スペックルノイズを一層低減させることができる。
第1、第2の実施形態では、A/D変換器21の外部で分岐された2つの干渉信号Cが、A/D変換器21が有する2つの入力ポート(第1入力ポートCH1、第2入力ポートCH2(図2))にそれぞれ入力されるものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
例えば、図7に示すように、A/D変換器21は、何れか一方の入力ポート(例えば、第1入力ポートCH1)のみから干渉信号Cを入力し、A/D変換器21の内部で分岐される態様であってもよい。なお、図7に示すA/D変換器21は、例えば、スイッチSの接続状態に応じて、単一の入力ポートから入力される信号を内部で分岐して2つのサンプリングでサンプリングする場合と、2つの入力ポートのそれぞれから別個の信号を入力してそれぞれをサンプリングする場合とを、使い分けることができる。
なお、この場合においては、抵抗素子R(図2)の図示を省略しているが、分岐させたときにも入力インピーダンスが50Ωとなるように調整されるものとする。
10 波長走査光源ユニット
100 波長走査光源
101 波数等間隔クロック出力部
110、111 光カプラ
120、121 光サーキュレータ
130、131、132、133 レンズ
14 可動ミラー
15 基準ミラー
16 差動光検出器
20 コンピュータ
21 A/D変換器
210 第1サンプリング部
211 第2サンプリング部
22 CPU(断層画像生成部)
23 操作部
X 撮影対象物
R 抵抗素子
I インバータ
CH1 第1入力ポート
CH2 第2入力ポート
CLK クロック入力ポート
Claims (4)
- 波長が走査されてなる波長走査光を出力する波長走査光源と、
前記波長の走査の過程において、前記波長走査光の波数が所定の変化量だけ変化したタイミングで立ち上り及び立ち下りを交互に繰り返すクロック信号を出力する波数等間隔クロック出力部と、
前記波長走査光と、当該波長走査光が撮影対象物にて反射してなる対象物反射光と、の干渉光の強度を、前記クロック信号の立ち上りのタイミングでサンプリングする第1サンプリング部と、
前記干渉光の強度を、前記クロック信号の立ち下りのタイミングでサンプリングする第2サンプリング部と、
前記第1サンプリング部で取得された第1サンプリングデータ列と、前記第2サンプリング部で取得された第2サンプリングデータ列と、の両方に基づいて断層画像データを生成する断層画像生成部と、
を備える波長走査型光干渉断層撮影装置。 - 前記断層画像生成部は、
前記第1サンプリング部で取得された第1サンプリングデータ列と、前記第2サンプリング部で取得された第2サンプリングデータ列と、を入れ子に並べてなる統合サンプリングデータ列を作成するとともに、当該統合サンプリングデータ列に対する離散フーリエ変換処理を経て前記断層画像データを生成する
請求項1に記載の波長走査型光干渉断層撮影装置。 - 前記断層画像生成部は、
少なくとも、前記第1サンプリングデータ列に対する離散フーリエ変換処理を経て得た第1中間データと、前記第2サンプリングデータ列に対する離散フーリエ変換処理を経て得た第2中間データと、の両方に対して加算平均処理を行い、前記断層画像データを生成する
請求項1又は請求項2に記載の波長走査型光干渉断層撮影装置。 - 波長が走査されてなる波長走査光を出力するステップと、
前記波長の走査の過程において、前記波長走査光の波数が所定の変化量だけ変化したタイミングで立ち上り及び立ち下りを交互に繰り返すクロック信号を出力するステップと、
第1サンプリング部が、前記波長走査光と、当該波長走査光が撮影対象物にて反射してなる対象物反射光と、の干渉光の強度を、前記クロック信号の立ち上りのタイミングでサンプリングするステップと、
第2サンプリング部が、前記干渉光の強度を、前記クロック信号の立ち下りのタイミングでサンプリングするステップと、
前記第1サンプリング部で取得された第1サンプリングデータ列と、前記第2サンプリング部で取得された第2サンプリングデータ列と、の両方に基づいて断層画像データを生成するステップと、
を有する断層撮影方法。
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