JP2017201257A - 光断層像撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】サンプルクロック(k−clock)の周波数を逓倍化することなく、簡易な方法で取得した干渉信号を倍の周波数でサンプリング可能な光断層像撮影装置を提供する。【解決手段】周期的に光の周波数を掃引する光源10の一部の光を入力光とするk−clock発生部110と測定用干渉信号をサンプリングする2つのA/Dコンバータ202および203を備えて、A/Dコンバータ202ではk−clock信号の立ち上がりでサンプリングし、A/Dコンバータ203ではk−clock信号の立ち下がりでサンプリングして、元のk−clock信号の周波数の倍で測定用干渉信号をサンプリングできるようにした。【選択図】図4
Description
光断層画像撮影装置に関し、特に眼科医療等に用いられる波長掃引型の光源を用いた光周波数掃引型OCT(SS−OCT)や偏光感受型OCT(PS−OCT)に関する。
光干渉断層計(Optical Coherence Tomography、以下「OCT」と表記する。)は、生体の断層画像を光の干渉を利用して計測するものであり、特に眼科において角膜や網膜などの2次元・3次元断層画像を得るために広く用いられている手法である。上述のOCTにはいくつかの基本方式が存在しており、その中でも光周波数掃引型OCT(swept−source OCT、以下「SS−OCT」と表記する)と呼ばれる手法が注目されている。
SS−OCTでは、光源から光周波数が高速に掃引された光が出射され、その光を眼球などの被測定物に照射している。被測定物からは散乱光が反射し、干渉計を用いて散乱光を検出している。検出される生の信号(干渉信号)は干渉スペクトルであり、この干渉信号をフーリエ解析することで被測定物の深さ方向に分解された光散乱強度分布を得ることができる。この被測定物の深さ方向に分解された光散乱強度分布を一般にA−scanのOCT信号と呼んでいる。さらに被測定物に照射するビームを横方向にスキャンすることで、2次元の光散乱強度分布、または3次元の光散乱強度分布を得ることができる。
一般にSS−OCTでは、干渉信号のサンプリングが高速に行われている。このサンプリングは等光周波数間隔で行われることが望ましい。例えば、サンプリングが等光周波数間隔(光の周波数に対して均等な周波数間隔)に行われないと、A−scanのOCT信号に歪みが生じて分解能が大きく悪化することが知られている。
サンプリングを等光周波数間隔で行う方法として、光学的に生成したサンプルクロックを利用する方法が知られている。この方法では、OCTで用いられる干渉計とは別に、例えばマッハツェンダー(Mach−Zehnder)干渉計やマイケルソン(Michelson)干渉計が構築されている(例えば、特許文献1から3参照)。マッハツェンダー干渉計やマイケルソン干渉計の出力は、入力される光の周波数に対して等間隔な正弦波となる。そのため、マッハツェンダー干渉計やマイケルソン干渉計の出力(クロック用の干渉信号)は、上述のサンプルクロックとして利用することができる。このようなサンプルクロックはk−clockと呼ばれることが多い。
特許文献1に開示されているように、SS−OCTでは光周波数を掃引する波長掃引光源から出射された光を用いて、k−clockの元となるクロック用の干渉信号が生成される。そのため、k−clockは、波長掃引光源の性能の影響を直接的に受けることとなる。一般にSS−OCTの波長掃引光源を用いた場合、干渉計における光路長差が大きくなると干渉縞の振幅が小さくなるという性質がある。この性質はk−clockに入力されるクロック用の信号を生成する干渉計でも同様である。そのため、高周波のk−clockを生成しようとすると干渉縞の振幅が小さくなり、高周波のk−clock生成が難しくなる。また、可能な光路長差の大きさは光源である光のコヒーレント長の長さで制限を受けるため、この理由にもより、高周波のk−clockを生成することが難しいという問題がある。
上記の問題を解決するものとして、特許文献2や特許文献3に開示されているように、電気的位相シフタまたは光学的位相シフタを用いてk−clockの周波数を倍にする方法が提案されている。これらの方法ではk−clock信号を2つに分岐し、一方のk−clock信号を電気的位相シフタや光学的位相シフタを用いて位相をずらして、位相がずれた2つのk−clockを論理回路で処理することにより、所定の周波数または所定範囲の周波数についてk−clockの周波数を倍にすることができる。
しかしながら、クロック用干渉信号の干渉縞には上述の特定範囲を超えた広範囲の周波数が含まれている。特許文献2に開示された電気的位相シフタに用いた方法では、電気的位相シフタによる位相シフト量は、クロック用干渉信号の周波数に依存するため、上述のように特定範囲を超えた広範囲の周波数を含む場合、電気的位相シフタでは、すべての周波数成分について同じ位相シフト量を与えることが困難となる。その結果、電気的位相シフタを用いてk−clockの周波数を倍にした場合、等間隔なk−clock周波数を生成することが難しいという問題がある。
特許文献3に開示された光学的位相シフタに用いた方法では、光源から出射された周波数が掃引された入力光の一部が導かれる第1の光路と、入力光の別の一部が導かれる第2の光路と、第1の光路で導かれる入力光の位相をシフトさせる光学位相シフタ(例えば、1/4波長板)とを備えて、第1の光路で導かれ位相シフトされた入力光および第2の光路に導かれた入力光とを合成して生成した干渉光を分離して位相の異なる2つのサンプルクロック用干渉信号(k−clock)を生成し、論理回路を用いてk−clockの周波数を逓倍する。このように、第1の光路で導かれる入力光の位相を1/4波長板などの光学位相シフタでシフトさせることにより、特許文献2のように電気的位相シフタを用いた場合の問題が解決され、周波数に対して等間隔であり、かつ、周波数を倍にしたk−clockが生成できる。
しかしながら、特許文献3に開示されたサンプルクロック用干渉光生成部は構成が複雑であり、使用する光学部品も増えて、高コストになりやすい。また、光学系が複雑なため、光学調整も難しいという問題がある。
さらに、特許文献2や特許文献3で開示された方法では、サンプリングクロック(k−clock)の周波数を2倍にするため、サンプリングに用いるA/Dコンバータもそれに応じて高速サンプリング可能なものを採用する必要があり、A/Dコンバータが高価になりやすい。また、サンプリングの周波数によっては対応するA/Dコンバータが入手できない可能性もある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、サンプルクロック(k−clock)の周波数を逓倍化することなく、簡易な方法で取得した干渉信号を倍の周波数でサンプリング可能な光断層像撮影装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係る光断層像撮影装置は、周期的に光の周波数を掃引する光源と、光源からの光から分岐された第1分岐光を被検物の内部に照射すると共にその反射光を導く測定光学系と、光源からの光から第1分岐光とは別に分岐された第2分岐光を案内して参照光とする参照光学系と、測定光学系により導かれた反射光と参照光学系により案内された参照光とが合成された干渉光を受光して干渉信号を出力する受光部と、干渉信号をサンプリングする少なくとも2つのA/Dコンバータとを備え、少なくとも2つのA/Dコンバータの各々は、サンプルクロックの異なるエッジでのタイミングにより順次サンプリングを行うことを特徴とする。
請求項2に係る光断層像撮影装置は、請求項1に記載の光断層像撮影装置であって、少なくとも2つのA/Dコンバータとして、第1A/Dコンバータと第2A/Dコンバータとを備え、第1A/Dコンバータは、サンプルクロックの立ち上りのタイミングでサンプリングを行い、第2A/Dコンバータは、サンプルクロックの立ち下りのタイミングでサンプリングを行うことを特徴とする。
請求項3に係る光断層像撮影装置は、請求項2に記載の光断層像撮影装置であって、サンプルクロックは、デューティ比が50:50であることを特徴とする。
請求項4に係る光断層像撮影装置は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の光断層像撮影装置であって、サンプリングクロックは、光源の一部の光を入力光とするサンプルクロック干渉光学系で発生するサンプルクロック用干渉光を用いて生成することを特徴とする。
請求項5に係る光断層像撮影装置は、請求項4に記載の光断層像撮影装置であって、サンプルクロック干渉光学系は、マッハツェンダー干渉光学系であることを特徴とする。
請求項6に係る光断層像撮影装置は、請求項4に記載の光断層像撮影装置であって、サンプルクロック干渉光学系は、マイケルソン干渉光学系であることを特徴とする。
請求項1に係る光断層像撮影装置では、取得された干渉信号を少なくとも2つのA/Dコンバータを用いてサンプリングする。そして、各々のA/Dコンバータではサンプルクロックの異なるエッジのタイミングでサンプリングする。例えば、サンプルクロックの各エッジを順番に使用し、2つ以上のA/Dコンバータの各々を順次サンプリングすることにより、干渉信号を多くのタイミングでサンプリングできるため、サンプルクロックを逓倍することなく、より高い周波数で干渉信号をサンプリングすることができる。
請求項2に係る光断層像撮影装置では、少なくとも2つのA/Dコンバータの内、1つのA/Dコンバータ(第1A/Dコンバータ)は、サンプルクロックの立ち上りのタイミングでサンプリングを行い、他の1つのA/Dコンバータ(第2A/Dコンバータ)は、サンプルクロックの立ち下りのタイミングでサンプリングを行う。これにより、元のサンプルクロックの周波数より高い周波数で干渉信号をサンプリングすることができる。
請求項3に係る光断層像撮影装置では、サンプルクロックのデューティ比を50:50にする。これにより、第1および第2A/Dコンバータで交互にサンプリングする際に、各々のサンプリングの時間間隔は均等になり、第1および第2A/Dコンバータの各々に対して均等な処理時間を確保することができる。
また、1つのA/Dコンバータではサンプリングクロックの立ち上がりのタイミングで、他の1つのA/Dコンバータではサンプルクロック立ち下がりのタイミングで干渉信号をサンプルリングすることにより、サンプルクロックを逓倍することなく、元のサンプルクロックの2倍の周波数で干渉信号をサンプリングすることができる。
また、1つのA/Dコンバータではサンプリングクロックの立ち上がりのタイミングで、他の1つのA/Dコンバータではサンプルクロック立ち下がりのタイミングで干渉信号をサンプルリングすることにより、サンプルクロックを逓倍することなく、元のサンプルクロックの2倍の周波数で干渉信号をサンプリングすることができる。
また、使用するA/Dコンバータは必要なサンプリング周波数の半分のサンプリング周波数のA/Dコンバータが採用できることやサンプリング周波数を倍にする際、特許文献3に開示されたような光学的位相シフタを用いた複雑な光学系は必要がないことから、コストを削減することができる。さらに、光学調整も容易になることから、光学調整の不具合などで生じるサンプリングの不具合も防止することができる。
請求項4に係る光断層像撮影装置では、A/Dコンバータのサンプルクロックは、光源の一部の光を入力光とするサンプルクロック干渉光学系で生成するサンプルクロック用干渉光を用いて生成する。周期的に光の周波数を掃引する光源を入力光とする干渉光学系から得られるサンプルクロック干渉光は、周波数的に等間隔な正弦波であることから、容易に周波数的に等間隔であり、かつ、デューティ比が50:50の矩形波であるサンプルクロック(k−clock)を生成することができる。
また、サンプリングクロックが周波数的に等間隔であるため、A/Dコンバータでサンプリングされた干渉信号は、光源の非直線性(時間に対して波長変化が直線的ではない)の影響を排除することができる。また、光源が光の周波数を掃引する周期に揺らぎが生じても、サンプリングクロックは同じ光源から生成したものであるため、サンプリングクロック(k−clock)も光の周波数を掃引する周期の揺らぎに応じて変調するため、A/Dコンバータでサンプリングされた干渉信号は、光の周波数を掃引する周期の揺らぎの影響も排除することができる。これにより、光源を要因とする不具合に関する補正処理が不要になり、簡易な構成により、高品質で、かつ、深いレンジの断層像が撮影することができる。
ここで、サンプルクロック干渉光学系は、請求項5に記載のマッハツェンダー干渉光学系を採用してもよいし、請求項6に記載のマイケルソン干渉光学系を採用してもよい。このような干渉光学系を採用することにより、効率的に周波数的に等間隔であり、かつ、デューティ比が50:50の矩形波であるサンプルクロック(k−clock)を生成することができる。
ここで、サンプルクロック干渉光学系は、請求項5に記載のマッハツェンダー干渉光学系を採用してもよいし、請求項6に記載のマイケルソン干渉光学系を採用してもよい。このような干渉光学系を採用することにより、効率的に周波数的に等間隔であり、かつ、デューティ比が50:50の矩形波であるサンプルクロック(k−clock)を生成することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るSS−OCTついて図1および図2を参照して説明する。本実施形態では、本願発明の光断層画像装置をSS−OCT1に適用し、本願発明の光断層像撮影装置用サンプルクロック発生部を、マッハツェンダー干渉計を用いたk−clock発生部110(以下、「k−clock発生部110」とも表記する。)で構成した場合について説明する。本実施形態のSS−OCT1は、例えば、眼科医療等においてサンプル(被検物)60の断層像を撮影に用いて好適なものである。
SS−OCT1には、図1に示すように、周波数が掃引された入力光を出射する光源10と、サンプル60における断層像の撮影に用いられるOCT干渉系20と、断層像を取得するサンプリング周期を規定するサンプルクロック信号(以下、「k−clock信号」とも表記する。)を生成するk−clock発生部110と、信号処理部200が主に設けられている。尚、光源10およびOCT干渉系20、k−clock発生部110をまとめて断層像取得部(OCTシステム)100とここでは記載する。
光源10から出射される入力光は、例えば、単一モードファイバ(Single mode fiber)などの光ファイバにより導かれ、サンプル60の断層像撮影に利用されるとともに、サンプルクロック信号の生成にも利用されるものである。光源10とOCT干渉系20およびk−clock発生部110との間には、出射された入力光を分岐させるSMFC(単一モードファイバカプラ、Single mode fiber coupler)11が設けられ、SMFC11により入力光は、OCT干渉系20およびk−clock発生部110に向けて分岐される。
なお、光源10における入力光の周波数を掃引する方法は、公知の方法を用いることができ特に限定するものではない。また、周波数の掃引は時間に対して、周波数が線形に増減するものであってもよいし、非線形に増減するものであってもよい。
OCT干渉系20には、分岐された入力光を更に分岐させるSMFC21と、更に分岐された一方の入力光を用いてサンプル60の測定を行う測定光学系31と、更に分岐された他方の入力光を参照光とする参照光学系41と、サンプル60の反射光および参照光が構成した測定用干渉光を受光して測定用干渉信号を出力する受光部51と、が主に設けられている。そして、受光部51から出力する測定用干渉信号は信号処理部200に入力し、信号処理部200にて演算処理を実施して測定用干渉信号に基づいたサンプル60の断層像を求めることができる。
SMFC21は、SMFC11により分岐された入力光の一方が入射されるものであり、入射された入力光を更に測定光学系31に導かれるものと、参照光学系41に導かれるものに分岐するものである。
測定光学系31には、入力光をサンプル60に照射するとともにサンプル60から反射した反射光が入射する照射光学系32と、入力光を照射光学系32に導くとともに反射光を受光部51に導く測定側サーキュレータ(Circlator)33と、が主に設けられている。
照射光学系32は、サンプル60に入力光を照射するとともに、サンプル60からの反射光を導くための光学系である。照射光学系32は、レンズや反射ミラーやサンプル60の奥行き方向に対して垂直方向に入力光を走査可能なガルバノミラーなどの光学素子の組み合わせにより構成されるものであり、特にその構成を限定するものではない。
測定側サーキュレータ33は、SMFC21と照射光学系32と受光部51との間に配置された光学素子である。測定側サーキュレータ33により、SMFC21から導かれた入力光は照射光学系32へ導かれ、照射光学系32から導かれた反射光は受光部51へ導かれる。
参照光学系41には、入力光を参照光に変換する参照部42と、入力光を参照部42に導くとともに参照光を受光部51に導く参照側サーキュレータ43と、が主に設けられている。本実施形態において参照部42は、入射された入力光を参照光として出射するプリズムである。参照部42は、サンプル60を測定する前に測定光学系の光路長と参照光学系の光路長とを一致させるために移動可能とされている。サンプル60の測定中は、参照部42の位置は固定される。
参照側サーキュレータ43は、SMFC21と参照部42と受光部51との間に配置された光学素子である。参照側サーキュレータ43により、SMFC21から導かれた入力光は参照部42へ導かれ、参照部42から導かれた参照光は受光部51へ導かれる。
受光部51は、測定光学系31から導かれた反射光、および参照光学系41から導かれた参照光を合成した測定用干渉光を受光する光検出器であり、本実施形態ではバランス型光検出器が用いられたものである。測定光学系31および参照光学系41と、受光部51との間にはSMFC52が配置され、参照光学系41とSMFC52との間には偏光制御部である偏光コントローラ(Polarization controller)53が配置されている。
SMFC52は、測定光学系31から導かれた反射光と、参照光学系41から導かれた参照光とを合成して測定用干渉光を生成するものであり、かつ、合成された測定用干渉光を180°位相が異なる2つの測定用干渉光に分岐させて受光部51に導くものでもある。そして、受光部51により、180°位相が異なる2つの測定用干渉用光を差動増幅することにより、コモンノイズがキャンセルされ、高いS/N比の測定用干渉信号(電気信号)が受光部51から出力される。受光部51は、本実施形態ではバランス型光検出器を採用したが、コモンノイズなどのノイズ成分の影響が低い場合は簡易な1入力の検出器などを採用してもよい。
偏光コントローラ53は、参照光学系41からSMFC52に導かれる参照光の偏光を制御する素子である。偏光コントローラ53としては、インライン型やパドル型など、公知の形式のものを用いることができ特に限定するものではない。
次に、k−clock発生部110について説明する。k−clock発生部110は、上述のように、SS−OCT1におけるサンプリング周期を規定するk−clock信号を生成するものである。本実施形態では、マッハツェンダー干渉計を用いたk−clock発生部110の例を適用して説明する。
k−clock発生部110は、SMFC11により分岐された光源10からの入力光を2つの光路に分岐するSMFC101と、分岐した一方の光路に配置されるディレイラインDと、分岐した2つの光を合成してサンプルクロック用干渉光を生成するSMFC102と、SMFC102で生成したサンプルクロック用干渉光を受光するバランス型検出器104とで構成される。上述のように、ディレイラインDはSMFC101で分岐した2つの光路の一方に配置され、分岐した2つの光路長に光路長差dを設けるものである。ディレイラインDは、所定の長さのファイバであってもよいし、または、ミラーとプリズムとで構成した光学系であってもよい。ここで設定した光路長差dに基づいて、SMFC102で生成するサンプルクロック用干渉光の周波数が設定される。そして、このように生成されるサンプルクロック用干渉光は、バランス型検出器104を介してサンプルクロック(k−clock)用干渉信号として周波数的に等間隔な正弦波となり、後述のように、測定用干渉信号をサンプリングするサンプリングクロック(k−clock信号)として用いる。
ここで、本実施形態ではマッハツェンダー干渉計を採用したが、これに限定するものではなく、ミラーやプリズムなどを用いたマイケルソン干渉計など他の公知の干渉計を採用してもよい。
次に、信号処理部200について、図2を参照して説明する。断層像取得部(OCTシステム)100で生成された測定用干渉信号およびサンプルクロック用干渉信号(k−clock信号)は信号処理部200に入力される。
信号処理部200は、主に、k−clock信号を矩形波に変換するコンバータ201と、測定用干渉信号をデジタル信号に変換する2つのA/Dコンバータ202および203と、デジタル信号としてサンプリングされた測定用干渉信号を演算処理する演算部204と、演算部204で測定用干渉信号を断層像に処理されたデータなどを記憶する記憶部205とで構成されている。そして、外部には、モニタやキーボード、マウスなどが接続されている。演算部204は、受光部51から出力される測定用干渉信号に基づいてサンプル60の断層像を演算処理により求めるものであり、求められた断層像はモニタにより表示される。なお、演算部204において行われる処理としては、公知の処理を用いることができ、処理の内容を特に限定するものではない。
次に、本実施形態の光源10の周波数掃引、k−clock信号および測定用干渉信号の関係について図3を参照して説明する。
図3(a)は時間tに対して光源10の周波数(k)の掃引の様子を示した図である。光源10から出射される入力光は時間t1からt2の間に周波数(波数)がk1からk2に掃引される。そして、光源10から出射される入力光の一部がk−clock発生部110に入力して、図3(b)に示すようなk−clock信号が生成される。尚、図3(b)に示すk−clock信号はサンプルクロック(k−clock)用干渉信号をコンバータ201により矩形波に変換したものであり、周波数的に等間隔であり、かつ、Duty比が50:50の矩形波である。図3(c)は測定用干渉信号であり、後述のように、図3(b)に示すk−clock信号をサンプリングクロックとして、2つのA/Dコンバータ202および203によりサンプリングされ、デジタル信号として演算部204に入力され、演算部204にて演算処理を実施してサンプル60の断層像を求める。
次に、本実施形態の特徴である測定用干渉信号を、k−clock信号をサンプリングクロックとして、2つのA/Dコンバータ202および203によりサンプリングする方法について図4および図5を参照して説明する。
図4(a)は、2つのA/Dコンバータ202および203に入力される測定用干渉信号を示す。測定用干渉信号は、サンプル60のいろいろな深さ位置からの反射光に基づいた干渉光信号であり、深さ位置に基づいた複数の周波数を持つ干渉信号が重なり合った信号である。一般に深い位置からの干渉光(干渉信号)ほど周波数が大きい。SS−OCT1ではこのような測定用干渉信号をフーリエ変換して周波数毎の強度信号を取得してサンプル60の深さ方向に対する断層像を求める。
図4(b)は、A/Dコンバータ202による測定用干渉信号のサンプリングを示したものである。A/Dコンバータ202では、サンプリングクロックであるk−clock信号の立ち上がりのタイミングで測定用干渉信号をサンプリングする。サンプリングしたデータは印「●」で示す。
図4(c)は、A/Dコンバータ203による測定用干渉信号のサンプリングを示したものである。A/Dコンバータ203では、サンプリングクロックであるk−clock信号の立ち下がりのタイミングで測定用干渉信号をサンプリングする。サンプリングしたデータは印「×」で示す。
2つのA/Dコンバータ202および203でサンプリングされたデータは記憶部205に保存される。
A/Dコンバータは一般にサンプリングクロックの立ち上がりのタイミング或いは立下りのタイミングで入力されたアナログ信号をサンプリングする。サンプリングクロックの立ち上がりのタイミングでサンプリングするか、或いは立下りのタイミングでサンプリングするかは、採用するA/Dコンバータの機能設定により設定できる。
サンプリングクロックであるk−clock信号は、上述のようにDuty比が50:50の矩形波であることから、本実施形態のように、A/Dコンバータ202では「立ち上がり」のタイミングで、A/Dコンバータ203では「立ち下がり」のタイミングで測定用干渉信号をサンプリングするように予め設定しておくことにより、A/Dコンバータ202における隣接する2つのサンプリングのちょうど中間点のタイミングでA/Dコンバータ203のサンプリングが実施される。これにより、記憶部205に保存された2つのA/Dコンバータ202および203でサンプリングされたデータを用いて、測定用干渉信号をサンプリングクロックであるk−clock信号の周波数の倍でサンプリングすることができるのである。
図5は、本実施形態に係る2つのA/Dコンバータ202および203でサンプリングしたサンプリングデータから測定用干渉信号を再構築する方法を説明する図である。
図5(a)は、A/Dコンバータ202のサンプリングデータとA/Dコンバータ203のサンプリングデータを示した図であり、図5(b)は、A/Dコンバータ202のサンプリングデータとA/Dコンバータ203のサンプリングデータとを重ねた図である。図5(a)のように、各A/Dコンバータ202、203でサンプリングしたデータでは、測定用干渉信号が正確に取得できないが、A/Dコンバータ202とA/Dコンバータ203とのデータを重ねてサンプリングクロックであるk−clock信号の周波数の倍で測定用干渉信号をサンプリングすることにより、図5(c)に示すように測定用干渉信号を精度よく再構築することができるのである。
上記のように、本実施形態にかかるSS−OCT1によれば、特許文献2や特許文献3のようにサンプリングクロック(k−clock信号)の周波数を逓倍化することなく、簡易な構成および方法で取得した測定用干渉信号を倍の周波数でサンプリングすることができるのである。そのため、必要とする周波数の半分のサンプリング周波数のA/Dコンバータを採用することができるため、コストが低減できる。また、特許文献3に開示されたk−clock信号を倍にするための複雑な光学系の代わりに簡易な干渉計が採用可能である。
また、本実施形態にかかるSS−OCT1では、光源10から出射される入力光から生成したk−clock信号をA/Dコンバータ202および203のサンプリングクロックとして用いている。そのため、サンプリングクロックは周波数的に等間隔であるため、A/Dコンバータ202および203でサンプリングされた測定用干渉信号は、光源10の非直線性(時間に対して周波数変化が直線的ではない)の影響を排除することができる。また、光源10の周波数の掃引の周期に揺らぎが生じても、サンプリングクロックは同じ光源から生成したものであるため、サンプリングクロック(k−clock信号)も光源10の周波数の掃引の周期の揺らぎに応じて変調するため、A/Dコンバータ202および203でサンプリングされた測定用干渉信号は、光源10の周波数の掃引の周期の揺らぎの影響も排除することができる。
ここで、SS−OCT1は光断層像撮影装置の一例であり、光源10は光源の一例であり、受光部51は受光部の一例であり、A/Dコンバータ202および203はA/Dコンバータの一例であり、k−clock発生部110はサンプルクロック干渉光学系の一例である。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本発明を上記の実施形態に適用したものに限られることなく、これらの実施形態を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定するものではない。
測定用干渉信号をサンプリングするA/Dコンバータは2つに限定されるものではない。例えば、A/Dコンバータを3つ以上備え、k−clock信号の異なるエッジで個々のA/Dコンバータを順次サンプリングを行うことも可能である。これにより、A/Dコンバータの数だけ異なったタイミングで多くのデータがサンプリングできるため、高い精度で測定干渉信号をサンプリングすることができる。
また、k−clock発生部110を特許文献3の図2に開示されたように、1/4波長板を用いて互いに1/4波長位相差を持つ2つのk−clock信号を生成するk−clock発生部と4つのA/Dコンバータを採用し、1つのk−clock信号を上記実施形態のように、2つのA/Dコンバータのサンプリングクロックとし、1/4波長位相差を持つ他の1つのk−clock信号で上記実施形態のように他の2つのA/Dコンバータのサンプリングクロックとすることにより、k−clock信号の周波数を逓倍化することなく、測定用干渉信号を元のk−clock信号の4倍の周波数でサンプリングすることができる。
さらに、1/8波長板も採用して、元のk−clock信号対して1/8波長位相差を持つk−clock信号を生成し、測定用干渉信号を8つのA/Dコンバータで上記実施形態のようにサンプリングすることにより、測定用干渉信号を元のk−clock信号の8倍の周波数でサンプリングすることも可能である。すなわち、上記実施形態に限定されることなく、k−clock発生部の構成やA/Dコンバータの数を適宜設定することにより、k−clock信号の周波数を逓倍化することなく、測定用干渉信号を高い周波数でサンプリングできるため、高い周波数の測定用干渉信号もサンプリングすることができる。これにより、サンプル60に対して、深さ方向のレンジが大きな断層像が取得できるのである。
1・・SS−OCT(光断層像撮影装置)
10・・光源
31・・測定光学系
41・・参照光学系
51・・受光部
60・・サンプル(被検物)
100・・断層像取得部(OCTシステム)
200・・信号処理部
202、203・・A/Dコンバータ
10・・光源
31・・測定光学系
41・・参照光学系
51・・受光部
60・・サンプル(被検物)
100・・断層像取得部(OCTシステム)
200・・信号処理部
202、203・・A/Dコンバータ
Claims (6)
- 周期的に光の周波数を掃引する光源と、
前記光源からの光から分岐された第1分岐光を被検物の内部に照射すると共にその反射光を導く測定光学系と、
前記光源からの光から前記第1分岐光とは別に分岐された第2分岐光を案内して参照光とする参照光学系と、
前記測定光学系により導かれた反射光と前記参照光学系により案内された参照光とが合成された干渉光を受光して干渉信号を出力する受光部と、
前記干渉信号をサンプリングする少なくとも2つのA/Dコンバータとを備え、
前記少なくとも2つのA/Dコンバータの各々は、サンプルクロックの異なるエッジでのタイミングにより順次サンプリングを行うことを特徴とする光断層像撮影装置。 - 前記少なくとも2つのA/Dコンバータとして、第1A/Dコンバータと第2A/Dコンバータとを備え、
前記第1A/Dコンバータは、前記サンプルクロックの立ち上りのタイミングでサンプリングを行い、
前記第2A/Dコンバータは、前記サンプルクロックの立ち下りのタイミングでサンプリングを行うことを特徴とする請求項1に記載の光断層像撮影装置。 - 前記サンプルクロックは、デューティ比が50:50であることを特徴とする請求項2に記載の光断層像撮影装置。
- 前記サンプリングクロックは、前記光源の一部の光を入力光とするサンプルクロック干渉光学系で発生するサンプルクロック用干渉光を用いて生成することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光断層像撮影装置。
- 前記サンプルクロック干渉光学系は、マッハツェンダー干渉光学系であることを特徴とする請求項4記載の光断層像撮影装置。
- 前記サンプルクロック干渉光学系は、マイケルソン干渉光学系であることを特徴とする請求項4記載の光断層像撮影装置。
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