JP2017009060A - 遊星歯車装置及び該遊星歯車装置を用いた無段変速装置 - Google Patents

遊星歯車装置及び該遊星歯車装置を用いた無段変速装置 Download PDF

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Abstract

【課題】使用中に遊星歯車機構を構成している太陽歯車と各遊星歯車、遊星歯車同士、及び遊星歯車と内歯車との距離を一定に保つことができる遊星歯車機構及び該遊星歯車機構を用いた無段変速装置を提供すること。【解決手段】第1太陽歯車と複数の第1遊星歯車と第1内歯車を備えた第1遊星歯車機構と、第2太陽歯車と複数の第2遊星歯車と第2内歯車を備えた第2遊星歯車機構を備えた遊星歯車装置であって、前記第1及び第2遊星歯車の両端に、前記第1及び第2遊星歯車の歯先円より大きいか又は歯底円より小さい環状体がそれぞれ同軸状に設けられ、前記第1及び第2遊星歯車と前記第1及び第2内歯車が噛合わされたときに、該環状体が転動する軌道が前記複数の第1及び第2内歯車に設けられてなることを特徴としている。【選択図】図1

Description

本発明は、遊星歯車装置及び該遊星歯車装置を用いた無段変速装置に関する。
電気自動車に搭載されて、モータから入力する回転力を高速及び低速の二段階に切り換えて出力する二段変速装置として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1の二段変速装置は、モータに連結された入力軸と、駆動輪に連結された出力軸と、入力軸と出力軸の両方に連結された遊星歯車機構を備えている。
特許文献1の遊星歯車機構は、入力軸に連結された太陽歯車と、該太陽歯車を取り囲むように配置された内歯車と、出力軸に連結されたキャリアと、該キャリアに回転自在に支持され、太陽歯車と内歯車の両方と噛み合う遊星歯車を備えている。
また、特許文献1の二段変速装置は、入力軸と遊星歯車機構の内歯車とを連結・遮断する変速クラッチと、入力軸と一体的に回転する摩擦要素と、変速クラッチによる入力軸と内歯車との連結状態において摩擦要素の回転方向と同の一方向に内歯車の回転を許しつつ変速クラッチによる入力軸と内歯車との遮断状態において摩擦要素の回転方向と逆の方向に内歯車の回転を阻止する2方向クラッチを備えている。
要するに、特許文献1の二段変速装置の場合、変速クラッチにより入力軸と内歯車とを連結・遮断すると共に、摩擦要素及び2方向クラッチによって内歯車の回転を阻止して遊星歯車機構を動作させて、入力軸の回転を低速にして出力軸に伝達する。
一方、変速クラッチにより入力軸と内歯車とを連結しつつ、摩擦要素及び2方向クラッチによって内歯車の回転を許して、内歯車と太陽歯車とを同一の回転数で回転させて、入力軸の回転を高速のまま出力軸に伝達する。
特許文献1の二段変速装置の場合、2方向クラッチと、変速クラッチ及び摩擦要素とを必須の構成要件としているため重量が増大するという問題がある。
さらに特許文献1の二段変速装置においては、入力軸の回転をそのまま出力軸に伝達する場合(高速回転出力時)には、遊星歯車機構を構成する全歯車(とりわけ、回転が許された内歯車)が入出力軸と一体的に回転するので、慣性負荷が大きくなるという問題がある。
特許文献2に開示された二段変速装置は、特許文献1の発明の問題点に着目してなされたもので、小型軽量化を実現することができると共に、高速回転出力時における慣性負荷を小さくすることが可能である二段変速装置を提供することを目的とし、動力源の回転出力軸に連結された入力軸と、出力軸と、該入力軸に連結された太陽歯車と、該太陽歯車を取り囲むように配置された内歯車と、該太陽歯車と内歯車の両方と噛み合う複数の遊星歯車と、該遊星歯車が回転自在に支持されたキャリアであって、前記入力軸に付与された前記動力源からの回転出力を落として出力するキャリアを備えた遊星歯車機構を備えた二段変速装置において、前記遊星歯車機構の内歯車を固定状態とし、この内歯車に対して回転するキャリア及び前記入力軸のいずれかを選択して前記出力軸に接続するクラッチ機構を設けた構成としたことを特徴としている。
また、特許文献2の二段変速装置において、前記クラッチ機構は、内歯車に対して回転するキャリアに形成されて入力軸に嵌装する筒部と、該キャリアの筒部の内側で入力軸に回転自在かつ軸方向に移動可能に嵌装され、端部が出力軸に軸方向に移動可能かつ回転不能に嵌合されたスリーブと、当該スリーブの入力軸に嵌装された部分に保持されたトルク伝達用ボールと、キャリアの筒部及び入力軸に互いに軸方向にずらせてそれぞれ形成され、スリーブのトルク伝達用ボールと係合して各々の回転をスリーブに伝達する係合部と、スリーブに保持されたトルク伝達用ボールがキャリアの係合部と係合する位置と入力軸の係合部と係合する位置との間で当該スリーブを移動させる駆動部を備えている。
特許文献2の二段変速装置は、摩擦要素(摩擦クラッチ)を要件としていないので軽量化し得るが、クラッチ機構の構造が複雑であるという問題がある。
一方、ガソリン/電気ハイブリット車に応用可能な無段変速装置は、例えば、特許文献3に開示されている。
特許文献3には、太陽歯車と複数の遊星歯車と内歯車からなる遊星歯車機構を設け、太陽歯車にエンジンの駆動軸を連結し、前記複数の遊星歯車を装着する遊星歯車ホルダにモータの回転軸を連結し、前記内歯車に出力軸を連結し、前記エンジンの回転数に対する前記モータの回転数を制御することにより、ギア比を広範囲に変化させ、車両の前進、後退、停止がギア比で出力可能なことを特徴とする無段変速装置が開示されている。また、太陽歯車と複数の遊星歯車と内歯車からなる遊星歯車機構を設け、前記太陽歯車にモータの回転軸を連結し、前記複数の遊星歯車を装着する遊星歯車ホルダにエンジンの駆動軸を連結し、前記内歯車に出力軸を連結し、前記エンジンの回転数に対する前記モータの回転数を制御することにより、ギア比を広範囲に変化させ、車両の前進、後退、停止がギア比で出力可能なことを特徴とする無段変速装置も開示されている。
しかしながら遊星歯車機構には、使用中に遊星歯車機構を構成している太陽歯車と各遊星歯車、遊星歯車同士、及び遊星歯車と内歯車との距離を一定に保つことができず、最悪の場合、歯先が折損するという問題がある。
また特許文献4には、トロイダル型無段変速機に遊星歯車装置を組み合わせた無段変速装置の問題点が指摘されている。すなわち、動力循環や動力分流を行なうと、クラッチレス化や高効率化を図ることができるものの、外側に配置された入力側ディスクとキャリアとの動力の受け渡しが、歯車を介して行なわれ、あるいは、爪を介して行なわれているため、外側に配置された入力側ディスクとキャリアとの動力の受け渡しを歯車や爪等を介して行なう場合には、歯車や爪を入力側ディスクまたはキャリアに加工する必要がある。そのため、製造工程が増え、製造に要する時間が長くかかるという問題が指摘されている。
特許文献4には、このような部材間の動力伝達に関連する製造上の問題は、トロイダル型無段変速機と遊星歯車装置との組み合わせ構造のみならず、トロイダル型無段変速機それ単体においても生じることも指摘されている。また変速装置の場合、クラッチは、容量上の制約により、ケーシング内に組み込まれた入力軸とディスクとパワーローラとから成るバリエータ部よりも動力的に上流側に配置されるのが一般的であるが、かかる構成の場合、バリエータ部の下流側に滑り要素が無いため、何らかのトラブルにより出力側ディスクが破損すると、破片が回転部分に噛み込むなどして、車両においては、最悪の場合、車輪がロックする懸念がある。高速走行中の車輪のロックは重大な事故を引き起こす危険があり確実に防止しなければならず、そのため、従来にあっては、バリエータ部の下流側にわざわざ細径の軸を配置するなどしてトラブル時の危険を回避するようにしているが、逆に、この細径軸の部分が耐久信頼性を制限しているという問題が指摘されている。
特開2005−30430号公報 特開2011−220484号公報 特開平11−82649号公報 特開2008−032211号公報
本発明は叙上の従来技術の問題点を解消し、使用中に遊星歯車機構を構成している太陽歯車と各遊星歯車、遊星歯車同士、及び遊星歯車と内歯車との距離を一定に保つことができる遊星歯車機構及び該遊星歯車機構を用いた無段変速装置を提供することを目的とするものである。
本発明の第1の態様に係る遊星歯車装置は、第1入力軸に直接又は間接に設けられた第1太陽歯車と、該第1太陽歯車と噛合う複数の第1遊星歯車と、該複数の第1遊星歯車と噛合う第1内歯車を備えた第1遊星歯車機構と、
第2入力軸に直接又は間接に設けられた第2太陽歯車と、該第2太陽歯車と噛合う複数の第2遊星歯車と、該複数の遊星歯車と噛合う第2内歯車を備えた第2遊星歯車機構
を備え、
前記第1内歯車と前記第2内歯車が同期して回転自在であり、
前記複数の第1遊星歯車が筐体に回転自在に支持され、
前記複数の第2遊星歯車がそれぞれ回転自在にキャリアに支持され、かつ当該キャリアは出力軸に連結され、
前記第1及び第2入力軸が前記筐体に回転自在に支持され、
前記出力軸が前記筐体に回転自在に支持され、
前記第1及び第2遊星歯車の両端に、前記第1及び第2遊星歯車の歯先円より大きいか又は歯底円より小さい環状体がそれぞれ同軸状に設けられ、前記第1及び第2遊星歯車と前記第1及び第2内歯車が噛合わされたときに、該環状体が転動する軌道が前記複数の第1及び第2内歯車に設けられてなる
ことを特徴とする遊星歯車装置。
前記第1及び第2遊星歯車の前記第1及び第2入力軸の遠位端側に前記第1及び第2遊星歯車の歯先円より大きい環状体がそれぞれ同軸状に設けられ、前記第1及び第2遊星歯車の前記第1及び第2入力軸の近位端側に前記第1及び第2遊星歯車の歯底円より小さい環状体がそれぞれ同軸状に設けられてなることが好ましい。
また、前記第1及び第2遊星歯車の前記第1及び第2入力軸の遠位端側及び近位端側の両方に前記第1及び第2遊星歯車の歯先円より大きい環状体がそれぞれ同軸状に設けられ得る。
本発明の第2の態様にかかる無段変速装置は、上述の第1の態様の遊星歯車装置を備えた無段変速装置であって、
前記第1及び第2内歯車の外側に外歯車が形成され、
前記第1内歯車の外側歯車と前記第2内歯車の外側歯車が互いに噛合わされ、
前記第1入力軸と前記第2入力軸とが平行に配置され、前記第1入力軸及び前記第2入力軸はそれぞれ第1動力源の出力軸及び第2動力源の出力軸と一体的に形成されるか又は別体として形成されて前記第1入力軸が第1動力源の出力軸に連結され、前記第2入力軸が第2動力源の出力軸に連結されてなる
ことを特徴としている。
本発明においては、第1動力源及び第2動力源とは、内燃エンジン、蒸気又はガスタービン、電動モータなど動力を発生する装置や、動力を電気エネルギーに変換する発電機などを含む概念である。
前記第1内歯車の外側歯車と前記第2内歯車の外側歯車の間に1つ以上の小歯車が介装されてなることが好ましい。
本発明の第3の態様に係る無段変速装置は、上述の遊星歯車装置を備えた無段変速装置であって、
前記第1入力軸及び前記第2入力軸はそれぞれ第1動力源の出力軸及び第2動力源の出力軸と一体的に形成されるか又は別体として形成されて互いに連結され、かつ前記第1入力軸及び第1動力源の出力軸が中空円筒状を呈し前記第2入力軸及び第2動力源の出力軸を挿通し、
前記第1内歯車が、前記第2内歯車と同一の歯が刻設された小径部と前記第2内歯車の外歯車と噛合う歯が刻設された大径部とを備え、
前記第1入力軸と前記第2入力軸が互いに同軸状に配置されてなる
ことを特徴としている。
また、本発明の第4の態様に係る無段変速装置は、上述の遊星歯車装置を備えた無段変速装置であって、
前記第1入力軸及び前記第2入力軸はそれぞれ第1動力源の出力軸及び第2動力源の出力軸と一体的に形成されるか又は別体として形成されて互いに連結され、かつ前記第1入力軸及び第1動力源の出力軸が中空円筒状を呈し前記第2入力軸及び第2動力源の出力軸を挿通し、
前記第1内歯車と前記第2内歯車とが一体的に形成され、
前記第1入力軸と前記第2入力軸が互いに同軸状に配置されてなる
ことを特徴としている。
本発明の第1の態様に係る遊星歯車装置は、前記第1及び第2遊星歯車の両端に、前記第1及び第2遊星歯車の歯先円より大きいか又は歯底円より小さい環状体がそれぞれ同軸状に設けられ、前記第1及び第2遊星歯車と前記第1及び第2内歯車が噛合わされたときに、該環状体が転動する軌道が前記複数の第1及び第2内歯車に設けられている構成を具備しているので、使用中に遊星歯車機構を構成している太陽歯車と各遊星歯車、遊星歯車同士、及び遊星歯車と内歯車との距離を一定に保つことができるという優れた効果を奏する。
本発明の第2の態様にかかる無段変速装置は、上述の第1の態様に係る遊星歯車装置を備えた無段変速装置であって、前記第1及び第2内歯車の外側に外歯車が形成され、
前記第1内歯車の外側歯車と前記第2内歯車が互いに噛合わされ、
前記第1入力軸と前記第2入力軸とが平行に配置され、前記第1入力軸及び前記第2入力軸はそれぞれ第1動力源の出力軸及び第2動力源の出力軸と一体的に形成されるか又は別体として形成されて前記第1入力軸が第1動力源の出力軸に連結され、前記第2入力軸が第2動力源の出力軸に連結されてなる構成を具備しているので、減速比を広範囲に変化させ、例えば車両の前進、後退、停止が減速比で出力可能にし得る無段変速装置をクラッチレスかつ互いに平行な二つの遊星歯車機構によって達成することができる。
本発明の第3の態様に係る無段変速装置は、上述の第1の遊星歯車装置を備えた無段変速装置であって、
前記第1入力軸及び前記第2入力軸はそれぞれ第1動力源の出力軸及び第2動力源の出力軸と一体的に形成されるか又は別体として形成されて互いに連結され、かつ前記第1入力軸及び第1動力源の出力軸が中空円筒状を呈し
前記第2入力軸及び第2動力源の出力軸を挿通し、前記第1内歯車が、前記第2内歯車と同一の歯が刻設された小径部と前記第2内歯車の外歯車と噛合う歯が刻設された大径部とを備え、前記第1入力軸と前記第2入力軸が互いに同軸状に配置されてなる構成を具備しているので、減速比を広範囲に変化させ、例えば車両の前進、後退、停止が減速比で出力可能にし得るコンパクトな構成の無段変速装置をクラッチレスかつ同軸状に配された二つの遊星歯車機構によって達成することができる。
本発明の第4の態様に係る無段変速装置は、上述の遊星歯車装置を備えた無段変速装置であって、
前記第1入力軸及び前記第2入力軸はそれぞれ第1動力源の出力軸及び第2動力源の出力軸と一体的に形成されるか又は別体として形成されて互いに連結され、かつ前記第1入力軸及び第1動力源の出力軸が中空円筒状を呈し
前記第2入力軸及び第2動力源の出力軸を挿通し、前記第1内歯車と前記第2内歯車とが一体的に形成され、
前記第1入力軸と前記第2入力軸が互いに同軸状に配置されてなる
構成を具備しているので、減速比を広範囲に変化させ、例えば車両の前進、後退、停止が減速比で出力可能にし得るコンパクトな構成の無段変速装置をクラッチレスかつ同軸状に配された二つの遊星歯車機構によって達成することができる。
本発明の一実施形態に係る遊星歯車装置の一例を示す分解斜視図である。 図1の遊星歯車装置の断面説明図である。 図1の遊星歯車装置の要部を示す一部省略断面説明図である。 (a)は図2の遊星歯車装置のA−A線断面図であり、(b)は図2の遊星歯車装置のB−B線断面図であり、(c)は図2の遊星歯車装置のC−C線断面図である。 本発明の他の実施形態に係る遊星歯車装置の一例を示す分解斜視図である。
[実施形態1]
本実施形態に係る遊星歯車装置について、添付図面を参照しつつ以下に詳細に説明する。
図1〜4を参照すると、本実施形態に係る遊星歯車装置(1)は、第1入力軸(18a)に直接又は間接に設けられた第1太陽歯車(11)と、該第1太陽歯車(11)と噛合う3つの第1遊星歯車(12)と、該3つの第1遊星歯車(12)と噛合う第1内歯車(13)を備えた第1遊星歯車機構(10)(図2及び3参照)と、第2入力軸(28a)に直接又は間接に設けられた第2太陽歯車(21)と、該第2太陽歯車(21)と噛合う3つの第2遊星歯車(22)と、該3つの遊星歯車(22)と噛合う第2内歯車(23)を備えた第2遊星歯車機構(20)を備えている。
ここで、第1入力軸(18a)に直接設けられた第1太陽歯車(11)とは、第1入力軸(18a)自体の一端に第1太陽歯車(11)を構成する歯が刻設されることを言い、第1入力軸(18a)に間接に設けられた第1太陽歯車(11)とは、第1入力軸(18a)にキー(18k)やスプラインなど当業者に自明な連結手段によって連結された軸の一端に第1太陽歯車(11)を構成する歯が刻設されることを言う。第2入力軸(28a)に直接設けられた第2太陽歯車(21)も同様に、第1入力軸(28a)自体の一端に第2太陽歯車(21)を構成する歯が刻設されることを言い、第2入力軸(28a)に間接に設けられた第2太陽歯車(21)とは、第2入力軸(28a)にキー(28k)やスプラインなど当業者に自明な連結手段によって連結された軸の一端に第2太陽歯車(21)を構成する歯が刻設されることを言う。
該第1太陽歯車(11)と噛合う第1遊星歯車(12)は3つに限られることはなく4つでも5つでもよく、負荷容量やトルクに応じた歯数によって適宜最適な個数が決められる。第2太陽歯車(21)と噛合う第2遊星歯車(22)の数も同様に、3つに限られることはなく4つでも5つでもよく、負荷容量やトルクに応じた歯数によって適宜最適な個数が決められる。また、第1遊星歯車機構(10)に使用される遊星歯車(12)と第2遊星歯車機構(20)に使用される遊星歯車(22)の個数は、同一の個数、異なった個数のいずれでもよい。
前記3つの第1遊星歯車(12)と噛合う第1内歯車(13)とは、第1内歯車(13)のピッチ円が3つの第1遊星歯車(12)それぞれのピッチ円の包絡円であることを意味する。前記3つの遊星歯車(22)と噛合う第2内歯車(23)も同様に、第2内歯車(23)のピッチ円が3つの第2遊星歯車(22)それぞれのピッチ円の包絡円であることを意味する。
図1〜4を参照すると、本実施形態においては、第1内歯車(13)と第2内歯車(23)は、第1内歯車(13)と第2内歯車(23)の間に2つの小歯車(17)が並列して介在される構成を具備している。このため、第1遊星歯車機構(10)と第2遊星歯車機構(20)との距離が予め決まっている場合には、配置上の観点から第1遊星歯車機構(10)又は第2遊星歯車機構(20)のいずれかを大きくする必要性が生じることがあるが、第1遊星歯車機構(10)と第2遊星歯車機構(20)との間に小歯車(17)を介在させることによってそのような事を回避することができる。小歯車(17)の数は2つに限られることはなく、1つ以上であればよく、配置の仕方も並列に限られることはなく、直列であってもよい。
図1を参照すると、本実施形態においては、3つの第1遊星歯車(12)は、第1遊星歯車(12)の長さ方向に挿通して回転(自転)軸として機能する管状のピン(P)の一端には筐体(C)に穿設された穴(図示されず)を通してネジ(16t)を管状のピン(P)の内腔に形成された雌ネジ(Pf)に螺着することにより筐体(C)と管状のピン(P)の間に環状体(15a)を介装し、管状のピン(P)の他端にはキャリア(16)の孔(16h)を通してネジ(16t)を、管状のピン(P)の内腔に形成された雌ネジ(Pf)に螺着することにより、キャリア(16)と管状のピン(P)の間に環状体(15b)を介装する(図4参照)。キャリア(16)の中央には孔(16b)が穿設されていて第1太陽歯車(11)を挿通している。
一方、3つの第2遊星歯車(22)それぞれの一端にはネジ(26t)を、キャリア(26x)を挿通して管状のピン(P)の内腔に形成された雌ネジ(Pf)に螺着することによってキャリア(26x)と管状のピン(P)の一端の間に環状体(25a)を介装し、また3つの第2遊星歯車(22)それぞれの他端にはネジ(26t)を、キャリア(26y)を挿通して管状のピン(P)の内腔に形成された雌ネジ(Pf)に螺着することによってキャリア(26x)と管状のピン(P)の他端の間に環状体(25b)を介装し、3つの第2遊星歯車(22)それぞれの他端にはネジ(26t)を、キャリア(26y)を挿通して管状のピン(P)の内腔に形成された雌ネジ(Pf)に螺着することによってキャリア(26y)と管状のピン(P)の一端の間に環状体(25a)を介装する。キャリア(26)の中央には孔(26b)が穿設されていて第2太陽歯車(21)を挿通している。
前述のとおりに、第1遊星歯車(12)及び第2遊星歯車(22)の両端に設けられた環状体(15a)、(15b)及び(25a)、(25b)は、それぞれ、前記第1及び第2遊星歯車の歯先円より大きく、かつ歯底円より小さい。第1遊星歯車(12)及び第2遊星歯車(22)の遠位端側に設けられる環状体(15a)、(15b)は、前記第1及び第2遊星歯車(12、22)の歯先円より0乃至2モジュール大きいことが好ましく、第1遊星歯車(12)及び第2遊星歯車(22)の近位端側に設けられる環状体(25a)、(25b)は、前記第1及び第2遊星歯車の歯底円より0乃至2モジュール小さいことが好しい。環状体(15a)、(15b)及び(25a)、(25b)の大きさをこのようにすることによって、第1遊星歯車(12)及び第2遊星歯車(22)を組み付けた後に、キャリア(16)の中央の孔(16b)と、キャリア(26)の中央の孔(26b)を通して、第1太陽歯車(11)及び第2太陽歯車(21)を組み付けることができるという利点がある。
これに伴い、前記第1遊星歯車(12)及び第2遊星歯車(22)と前記第1内歯車(13)及び第2内歯車(23)が噛合わされたときに、該環状体(15a)、(15b)及び(25a)、(25b)が転動する軌道(15R)が前記3つの第1内歯車(13)及び第2内歯車(23)に設けられている。
変形例として、第1遊星歯車(12)及び第2遊星歯車(22)の遠位端側及び近位端側の両方に設けられる環状体(15a)、(15b)を前記第1及び第2遊星歯車(12、22)の歯先円より0乃至2モジュール大きいものを採用することも可能である。この場合、環状体(15a)、(15b)によって、第1太陽歯車(11)及び第2太陽歯車(21)の挿通空間の一部が塞がれるため、第1遊星歯車(12)及び第2遊星歯車(22)を組み付けた後に、キャリア(16)の中央の孔(16b)と、キャリア(26)の中央の孔(26b)を通して、第1太陽歯車(11)及び第2太陽歯車(21)を組み付けることはできないので、予め、第1及び第2太陽歯車(12、22)を第1遊星歯車(12)及び第2遊星歯車(22)に組み付けた後に、第1及び第2太陽歯車(12、22)と第1及び第2入力軸(18a、28a)を、例えば、スプラインやキーなどの公知の連結手段を用いて連結すればよい。
一方、環状体(15a)、(15b)及び(25a)、(25b)の両方を前記第1及び第2遊星歯車(12、22)の歯底円より小さくすることも可能である。
すなわち、図1を参照すると、叙上のとおり、前記第1遊星歯車(12)及び第2遊星歯車(22)のそれぞれ前記第1及び第2入力軸(18a、28a)の遠位端側に前記第1及び第2遊星歯車(12、22)の歯先円より大きい環状体(15a)、(25a)がそれぞれ同軸状に設けられ、前記第1及び第2遊星歯車(12、22)の前記第1及び第2入力軸(18a、28a)の近位端側に前記第1及び第2遊星歯車の歯底円より小さい環状体(15b)、(25b)がそれぞれ同軸状に設けられている。
また、図1を参照すると、前記第1入力軸(18a)及び第2入力軸(28a)は前記筐体(C)に軸受(B)を介して回転自在に支持されている。また、前記出力軸(29)も前記筐体(C)に軸受(B)を介して回転自在に支持されている。
[実施形態2]
図5を参照すると、本実施形態に係る遊星歯車装置(1)は、第1入力軸(18a)に直接又は間接に設けられた第1太陽歯車(11)と、該第1太陽歯車(11)と噛合う3つの第1遊星歯車(12)と、該3つの第1遊星歯車(12)と噛合う第1内歯車(13)を備えた第1遊星歯車機構(10)と、第2入力軸(28a)に直接又は間接に設けられた第2太陽歯車(21)と、該第2太陽歯車(21)と噛合う3つの第2遊星歯車(22)と、該3つの遊星歯車(22)と噛合う第2内歯車(23)を備えた第2遊星歯車機構(20)を備えている。
ここで、第1入力軸(18a)に直接設けられた第1太陽歯車(11)とは、第1入力軸(18a)自体の一端に第1太陽歯車(11)を構成する歯が刻設されることを言い、第1入力軸(18a)に間接に設けられた第1太陽歯車(11)とは、第1入力軸(18a)にキー(18k)やスプラインなど当業者に自明な連結手段によって連結された軸の一端に第1太陽歯車(11)を構成する歯が刻設されることを言う。第2入力軸(28a)に直接又は間接に設けられた第2太陽歯車(21)も同様に、第1入力軸(28a)自体の一端に第2太陽歯車(21)を構成する歯が刻設されることを言い、第2入力軸(28a)に間接に設けられた第2太陽歯車(21)とは、第2入力軸(28a)にキー(28k)やスプラインなど当業者に自明な連結手段によって連結された軸の一端に第2太陽歯車(21)を構成する歯が刻設されることを言う。
該第1太陽歯車(11)と噛合う第1遊星歯車(12)は3つに限られることはなく4つでも5つでもよく、負荷容量やトルクに応じた歯数によって適宜最適な個数が決められる。第2太陽歯車(21)と噛合う第2遊星歯車(22)の数も同様に、3つに限られることはなく4つでも5つでもよく、負荷容量やトルクに応じた歯数によって適宜最適な個数が決められる。また、第1遊星歯車機構(10)に使用される第1遊星歯車(12)と第2遊星歯車機構(20)に使用される第2遊星歯車(22)の個数は、同一の個数、異なった個数のいずれでもよい。
前記3つの第1遊星歯車(12)と噛合う第1内歯車(13)とは、第1内歯車(13)のピッチ円が3つの第1遊星歯車(12)それぞれのピッチ円の包絡円であることを意味する。前記3つの遊星歯車(22)と噛合う第2内歯車(23)も同様に、第2内歯車(23)のピッチ円が3つの第2遊星歯車(22)それぞれのピッチ円の包絡円であることを意味する。
第1遊星歯車(12)及び第2遊星歯車(22)の両端に設けられた環状体(15)及び(25)は、それぞれ、前記第1及び第2遊星歯車の歯先円より大きく、前記第1遊星歯車(12)及び第2遊星歯車(22)と前記第1内歯車(13)及び第2内歯車(23)が噛合わされたときに、該環状体(15)及び(25)が転動する軌道(15R)が第1内歯車(13)及び第2内歯車(23)に設けられている。本実施形態の第1遊星歯車(12)及び第2遊星歯車(22)の両端に設けられた環状体(15)及び(25)として、前述の実施形態1の第1遊星歯車(12)及び第2遊星歯車(22)の遠位端側及び近位端側の両方に設けられる環状体(15a)、(15b)を採用できる。これに伴い、前述の実施形態1に記載されたとおり前記第1遊星歯車(12)及び第2遊星歯車(22)と前記第1内歯車(13)及び第2内歯車(23)が噛合わされたときに、該環状体(15a)、(15b)及び(25a)、(25b)が転動する軌道(15R)が第1内歯車(13)及び第2内歯車(23)に設けられ得る。
さらに本実施形態においては第1入力軸(18a)及び第1動力源(M1)の出力軸(18a)は一体的に形成されており、かつ中空円筒状を呈し、第2入力軸(28a)及び第2動力源(M2)の出力軸(28a)を挿通し(本実施形態においては第1入力軸(18a)及び第1動力源(M1)の出力軸(18a)は一体的に形成されている)、第1内歯車(13)が、第2内歯車(23)と同一の歯が刻設された小径部(SD)と前記第2内歯車の外歯車(24)と噛合う歯(14)が刻設された大径部(LD)とを備え、第1入力軸(18a)と第2入力軸(28a)が互いに同軸状に配置されている。図示された実施例は、小径部(SD)と大径部(LD)とは別体として形成されたものが示されているが、一体的に形成されたものも採用することができる。いうまでもなく、第1入力軸(18a)及び第1動力源(M1)の出力軸(18a)と、第2入力軸(28a)及び第2動力源(M2)の出力軸(28a)は、それぞれ別体として形成することも可能であり、その場合は、スプラインやキーなど当業者に自明な連結手段によって連結される。本実施形態においては、第1動力源(M1)及び第2動力源(M2)として内燃エンジン、蒸気又はガスタービン、電動モータなど動力を発生する装置や、動力を電気エネルギーに変換する発電機などに好適に採用され得る。
[実施形態3]
本実施形態にかかる無段変速装置は、上述の実施形態1および実施形態2の遊星歯車装置(1)を使用するものであり、第1入力軸(18a)と第2入力軸(28a)に、それぞれ第1動力源(M1)及び第2動力源(M2)の出力軸(M1i)及び(M2i)に連結されている(図2参照)。
図1及び2を参照しつつ本実施形態にかかる無段変速装置の動作について説明する。
(i)第1動力源(M1)を起動して出力軸(M1i)を回転数N1で正転させると、この回転力が第1遊星歯車機構(10)の第1入力軸(18a)を介して第1太陽歯車(11)に伝達される。図1に示された遊星歯車装置(1)の場合、キャリア(16)が筐体(C)に固定されているので、第1太陽歯車(11)の回転力は3つの第1遊星歯車(12)に伝達されると、3つの第1遊星歯車(12)はそれぞれピン(P)の周りを自転する。然る後に、第1遊星歯車(12)の回転力が第1内歯車(13)に伝達される。第1内歯車(13)の回転力は第1内歯車(13)の外側に刻設された歯によって構成された外側歯車(14)と同期手段として機能している二つの小歯車(17)を介して第2遊星歯車機構(20)の第2内歯車(23)の外側に刻設された歯によって構成された外側歯車(24)に伝達される。
(ii)第1遊星歯車機構(10)と第2遊星歯車機構(20)を構成しているそれぞれの第1及び第2太陽歯車(11、21)、第1及び第2遊星歯車(12、22)及び第1及び第2内歯車(13、23)並びに第1及び第2内歯車(13、23)の外側に刻設された外側歯車(14、24)の歯の数は同一であるものが図示されているが、第1遊星歯車機構(10)と第2遊星歯車機構(20)を構成しているそれぞれの第1及び第2太陽歯車(11、21)、遊星歯車及び内歯車並びに内歯車の外側に刻設された歯の数を異なるようにすることも可能である。
本実施形態では第1遊星歯車機構(10)と第2遊星歯車機構(20)を構成しているそれぞれの太陽歯車、第1及び第2遊星歯車(12、22)及び第1及び第2内歯車(13、23)並びに第1及び第2内歯車(13、23)の外側に刻設された第1及び第2歯の数は同一であるので、第2内歯車(23)の回転数は第1内歯車(13)の回転数と同一である。
(iii)ここで、第2動力源(M2)を停止し、第2遊星歯車機構(20)の第2入力軸(28a)の回転を拘束すると、第2内歯車(23)の回転力は第2太陽歯車(21)が停止しているので、第2内歯車(23)の回転に伴い、3つの第2遊星歯車(22)が第2太陽歯車(21)の周りを公転し、キャリア(26)に伝達され、キャリア(26)を介して出力軸(29)に伝達される。
(iv)ついで、第2動力源(M2)を起動し、出力軸(M2i)及び第2遊星歯車機構(20)の第2入力軸(28a)の回転数N1で正転させると、この回転力が第2遊星歯車機構(20)の第2入力軸(28a)を介して第2太陽歯車(21)に伝達される。そして、第2太陽歯車(21)の回転力が3つの第2遊星歯車(22)に伝達されると、3つの第2遊星歯車(22)は自転しつつ第2太陽歯車(21)の周りを公転する。しかし、第1動力源(M1)によって得られ、第2内歯車(23)に伝達された回転力の方向と、3つの第2遊星歯車(22)は自転しつつ第2太陽歯車(21)の周りを公転することによって得られた回転力の向きは逆であるので、第2動力源(M2)の回転数を適宜選択することで出力軸(29)の回転数を減速或いは零にすることができる。
(v)ついで、第2動力源(M2)を起動し、出力軸(M2i)及び第2遊星歯車機構(20)の第2入力軸(28a)の回転数N1で逆転させると、この回転力が第2遊星歯車機構(20)の第1入力軸(28a)を介して第1太陽歯車(21)に伝達される。そして、第2太陽歯車(21)の回転力が3つの第2遊星歯車(22)に伝達されると、3つの第2遊星歯車(22)は自転しつつ第2太陽歯車(21)の周りを公転する。しかし、第1動力源(M1)によって得られ、第2内歯車(23)に伝達された回転力の方向と、3つの第2遊星歯車(22)は自転しつつ第2太陽歯車(21)の周りを公転することによって得られた回転力の向きは同一であるので、第2動力源(M2)の回転数を適宜選択することで出力軸(29)の回転数を倍速、2倍速等に増速することができる。本実施形態においては、第1動力源(M1)及び第2動力源(M2)として内燃エンジン、蒸気又はガスタービン、電動モータなど動力を発生する装置や、動力を電気エネルギーに変換する発電機などに好適に採用され得る。
本発明の第1の態様にかかる遊星歯車装置は、第1及び第2遊星歯車の両端に、第1及び第2遊星歯車の歯先円より大きいか、或いは歯底円より小さい環状体がそれぞれ同軸状に設けられ、第1及び第2遊星歯車と第1及び第2内歯車が噛合わされたときに、該環状体が転動する軌道が複数の第1及び第2内歯車に設けられている構成を具備しているので、使用中に遊星歯車機構を構成している太陽歯車と各遊星歯車、遊星歯車同士、及び遊星歯車と内歯車との距離を一定に保つことができるという優れた効果を奏する。
本発明の第2の態様にかかる無段変速装置は、上述の第1の態様に係る遊星歯車装置を備えた無段変速装置であって、前記第1及び第2内歯車の外側に外歯車が形成され、前記第1内歯車の外側歯車と前記第2内歯車が互いに噛合わされ、前記第1入力軸と前記第2入力軸とが平行に配置され、前記第1入力軸及び前記第2入力軸はそれぞれ第1動力源の出力軸及び第2動力源の出力軸と一体的に形成されるか又は別体として形成されて前記第1入力軸が第1動力源の出力軸に連結され、前記第2入力軸が第2動力源の出力軸に連結されてなる構成を具備しているので、減速比を広範囲に変化させ、例えば車両の前進、後退、停止が減速比で出力可能にし得る無段変速装置をクラッチレスかつ互いに平行な二つの遊星歯車機構によって達成することができる。
本発明の第3の態様に係る無段変速装置は、上述の第1の遊星歯車装置を備えた無段変速装置であって、前記第1入力軸及び前記第2入力軸はそれぞれ第1動力源の出力軸及び第2動力源の出力軸と一体的に形成されるか又は別体として形成されて互いに連結され、かつ前記第1入力軸及び第1動力源の出力軸が中空円筒状を呈し、前記第2入力軸及び第2動力源の出力軸を挿通し、前記第1内歯車が、前記第2内歯車と同一の歯が刻設された小径部と前記第2内歯車の外歯車と噛合う歯が刻設された大径部とを備え、前記第1入力軸と前記第2入力軸が互いに同軸状に配置されてなる構成を具備しているので、減速比を広範囲に変化させ、例えば車両の前進、後退、停止が減速比で出力可能にし得るコンパクトな構成の無段変速装置をクラッチレスかつ同軸状に配された二つの遊星歯車機構によって達成することができる。
本発明の第4の態様に係る無段変速装置は、上述の遊星歯車装置を備えた無段変速装置であって、前記第1入力軸及び前記第2入力軸はそれぞれ第1動力源の出力軸及び第2動力源の出力軸と一体的に形成されるか又は別体として形成されて互いに連結され、かつ前記第1入力軸及び第1動力源の出力軸が中空円筒状を呈し前記第2入力軸及び第2動力源の出力軸を挿通し、前記第1内歯車と前記第2内歯車とが一体的に形成され、前記第1入力軸と前記第2入力軸が互いに同軸状に配置されてなる構成を具備しているので、減速比を広範囲に変化させ、例えば車両の前進、後退、停止が減速比で出力可能にし得るコンパクトな構成の無段変速装置をクラッチレスかつ同軸状に配された二つの遊星歯車機構によって達成することができる。
1 遊星歯車装置
10 第1遊星歯車機構
11 第1太陽歯車
12 第1遊星歯車
13 第1内歯車
14、24 外側歯車
14i 第2内歯車の外側歯車と噛合う内歯車
15、15a,15b 環状体
15h 孔
15R 軌道
16 キャリア
16b 孔
16h 孔
16t ネジ
17 小歯車
17b 穴
17p、27p ピン
18a 第1入力軸
18k、28k キー
20 第2遊星歯車機構
21 第2太陽歯車
22 第2遊星歯車
23 第2内歯車
25、25a、25b 環状体
25h 孔
25R 軌道
26、26x、26y キャリア
26t ネジ
26b 孔
26h 孔
28a 第2入力軸
29 出力軸
B 軸受
C 筐体
P 管状のピン
Pf 雌ネジ
SD 小径部
LD 大径部
M1 第1動力源
M2 第2動力源
M1i、M2i 出力軸

Claims (7)

  1. 第1入力軸に直接又は間接に設けられた第1太陽歯車と、該第1太陽歯車と噛合う複数の第1遊星歯車と、該複数の第1遊星歯車と噛合う第1内歯車を備えた第1遊星歯車機構と、
    第2入力軸に直接又は間接に設けられた第2太陽歯車と、該第2太陽歯車と噛合う複数の第2遊星歯車と、該複数の遊星歯車と噛合う第2内歯車を備えた第2遊星歯車機構
    を備え、
    前記第1内歯車と前記第2内歯車が同期して回転自在であり、
    前記複数の第1遊星歯車が筐体に回転自在に支持され、
    前記複数の第2遊星歯車がそれぞれ回転自在にキャリアに支持され、かつ当該キャリアは出力軸に連結され、
    前記第1及び第2入力軸が前記筐体に回転自在に支持され、
    前記出力軸が前記筐体に回転自在に支持され、
    前記第1及び第2遊星歯車の両端に、前記第1及び第2遊星歯車の歯先円より大きいか又は歯底円より小さい環状体がそれぞれ同軸状に設けられ、前記第1及び第2遊星歯車と前記第1及び第2内歯車が噛合わされたときに、該環状体が転動する軌道が前記第1及び第2内歯車に設けられてなる
    ことを特徴とする遊星歯車装置。
  2. 前記第1及び第2遊星歯車の前記第1及び第2入力軸の遠位端側に前記第1及び第2遊星歯車の歯先円より大きい環状体がそれぞれ同軸状に設けられ、前記第1及び第2遊星歯車の前記第1及び第2入力軸の近位端側に前記第1及び第2遊星歯車の歯底円より小さい環状体がそれぞれ同軸状に設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の遊星歯車装置。
  3. 前記第1及び第2遊星歯車の前記第1及び第2入力軸の遠位端側及び近位端側の両方に前記第1及び第2遊星歯車の歯先円より大きい環状体がそれぞれ同軸状に設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の遊星歯車装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の遊星歯車装置を備えた無段変速装置であって、
    前記第1及び第2内歯車の外側に外歯車が形成され、
    前記第1内歯車の外側歯車と前記第2内歯車の外側歯車が互いに噛合わされ、
    前記第1入力軸と前記第2入力軸とが平行に配置され、前記第1入力軸及び前記第2入力軸はそれぞれ第1動力源の出力軸及び第2動力源の出力軸と一体的に形成されるか又は別体として形成されて前記第1入力軸が第1動力源の出力軸に連結され、前記第2入力軸が第2動力源の出力軸に連結されてなることを特徴とする無段変速装置。
  5. 前記第1内歯車の外側歯車と前記第2内歯車の外側歯車の間に1つ以上の小歯車が介装されてなる請求項4に記載の無段変速装置。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載の遊星歯車装置を備えた無段変速装置であって、
    前記第1入力軸及び前記第2入力軸はそれぞれ第1動力源の出力軸及び第2動力源の出力軸と一体的に形成されるか又は別体として形成されて互いに連結され、かつ前記第1入力軸及び第1動力源の出力軸が中空円筒状を呈し前記第2入力軸及び第2動力源の出力軸を挿通し、
    前記第1内歯車が、前記第2内歯車と同一の歯が刻設された小径部と前記第2内歯車の外歯車と噛合う歯が刻設された大径部とを備え、
    前記第1入力軸と前記第2入力軸が互いに同軸状に配置されてなる
    ことを特徴とする無段変速装置。
  7. 請求項1乃至3のいずれかに記載の遊星歯車装置を備えた無段変速装置であって、
    前記第1入力軸及び前記第2入力軸はそれぞれ第1動力源の出力軸及び第2動力源の出力軸と一体的に形成されるか又は別体として形成されて互いに連結され、かつ前記第1入力軸及び第1動力源の出力軸が中空円筒状を呈し前記第2入力軸及び第2動力源の出力軸を挿通し、
    前記第1内歯車と前記第2内歯車とが一体的に形成され、
    前記第1入力軸と前記第2入力軸が互いに同軸状に配置されてなる
    ことを特徴とする無段変速装置。
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