JP2017008122A - ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いて得られる成形体 - Google Patents
ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いて得られる成形体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017008122A JP2017008122A JP2015121257A JP2015121257A JP2017008122A JP 2017008122 A JP2017008122 A JP 2017008122A JP 2015121257 A JP2015121257 A JP 2015121257A JP 2015121257 A JP2015121257 A JP 2015121257A JP 2017008122 A JP2017008122 A JP 2017008122A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyester resin
- acid
- resin composition
- polyester
- carbodiimide compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
Abstract
Description
PETフィルム等の製造においても、加水分解に対する耐久性を高めるために、カルボジイミド化合物を含有するマスターバッチペレットを用いることがあった。前記カルボジイミド化合物はハンドリング性を高めるため、ペレット状に押し固めたものを用いてきた。ところが、カルボジイミド化合物は単独ではポリエチレンテレフタレートに対する分散性や親和性が劣り、結果的に相溶せず、透明性を損ねたり、耐加水分解性を十分に高めることができなかった。また、ポリエステルフィルムにおいては延伸時に破断したり、ポリエステルボトルにおいてはゲルやブツ等の欠陥となることがあった。
すなわち、本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)ポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)及びカルボジイミド化合物(C)を含有するポリエステル樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂(A)はガラス転移温度が20〜130℃の非晶性ポリエステル樹脂であって、ポリエステル樹脂(A)とカルボジイミド化合物(C)の質量比(A/C)が10/90〜85/15であり、ポリエステル樹脂(A)とカルボジイミド化合物(C)の合計100質量部に対して、ポリエステル樹脂(B)を50〜300質量部含有してなることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
(2)ポリエステル樹脂(B)は融点を有し、融点が220℃以下である(1)記載のポリエステル樹脂組成物。
(3)ポリエステル樹脂(A)が、共重合成分として有機スルホン酸塩化合物を0.05〜10モル%含有する(1)又は(2)記載のポリエステル樹脂組成物。
(4)ポリエステル樹脂(B)樹脂が、共重合成分として有機スルホン酸金属塩化合物を0.1〜20モル%含有する(1)〜(3)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を含有することを特徴とする樹脂ペレット。
(6)(5)記載の樹脂ペレットを熱可塑性樹脂に含有させて溶融成形されたことを特徴とする成形体。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)及びカルボジイミド化合物(C)を含有するものであり、この樹脂組成物を含有する樹脂ペレットは、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂(以下、マトリックス樹脂ということがある)を成形する際に、カルボジイミド化合物のマスターバッチとして添加して、成形体の耐加水分解性を向上させることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物を構成するポリエステル樹脂(A)は、主として、ジカルボン酸成分、グリコール成分から構成されるものであり、これらの変性体を含むものである。
有機スルホン酸塩化合物としては、スルホン酸塩を有するジカルボン酸、スルホン酸塩を有するグリコ−ルが挙げられる。
中でも、粘度上昇抑制効果と耐加水分解性付与のバランスが良い点で、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジグリコールエステル等を原料として使用することが好ましく、粘度上昇抑制を効果的に付与できる点で5−ナトリウムスルホイソフタル酸を原料として使用することが特に好ましい。
ヒドロキシカルボン酸を共重合する場合、共重合量は、全ジカルボン酸成分の20モル%以下とすることが好ましい。
3官能以上のカルボン酸としては、トリメリット酸、無水トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。また、3官能以上のアルコールとしては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、α−メチルグルコース、マニトール、ソルビトールが挙げられる。
有機ジイソシアネート成分として、公知のイソシアネートを用いることができる。具体的には、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−キシリレンジイソシアネート、1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、4,4′−ジイソシアネートシクロヘキサン、4,4′−ジイソシアネートシクロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアネートなどのイソシアネートが挙げられる。中でも反応性、耐候性などの観点から、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートが好適に用いられる。
これらの有機ジイソシアネートは、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で用いるポリエステル樹脂(B)は、主として、ジカルボン酸成分、グリコール成分から構成されるものであり、これらの変性体を含むものである。
有機スルホン酸塩化合物としては、上記したポリエステル樹脂(A)と同様のものを用いることが好ましい。有機スルホン酸塩化合物の共重合量は、ポリエステル樹脂(B)の0.1〜20モル%であることが好ましく、0.3〜10モル%であることがより好ましく、0.5〜5モル%であることがさらに好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物を構成するカルボジイミド化合物(C)は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を分子内に有する化合物であり、分子内に有するカルボジイミド基の数により、モノカルボジイミド、ポリカルボジイミドに分類される。
末端のイソシアネート基の含有量が0質量%であるカルボジイミド化合物においては、ポリエステル樹脂の末端ヒドロキシル基とイソシアネート基の反応が起こらない。したがって、マスターバッチにこのカルボジイミド化合物を用いた場合、マトリックス樹脂との相溶性、分散性が低下するため、得られる成形体は、不均一で、強度が低下することがある。
一方、末端のイソシアネート基が15質量%以上であるカルボジイミド化合物においては、ポリエステル樹脂(A)の末端ヒドロキシル基とイソシアネート基が過剰に反応し、架橋密度が高くなることで、マスターバッチにこのカルボジイミド化合物を用いた場合、マトリックス樹脂への分散性が低下したり、フィルム成形時に延伸性などが低下することがある。
本発明のポリエステル樹脂組成物において、ポリエステル樹脂(A)とカルボジイミド化合物(C)の質量比(A/C)は、10/90〜85/15であることが必要であり、20/80〜80/20であることが好ましく、30/70〜75/25であることがより好ましい。両者の質量比が上記範囲内であると、ポリエステル樹脂組成物中のカルボジイミド化合物の分散性を向上させることができる。ポリエステル樹脂(A)の含有量が10未満であると、カルボジイミド化合物(C)の含有量が過多になるため、カルボジイミド化合物(C)の分散性が悪くなり、得られるポリエステル樹脂組成物を含有する樹脂ペレットを含有して成形された成形体は、延伸性などの加工性に劣るものとなり、耐加水分解性も低下することがある。一方、ポリエステル樹脂(A)の含有量が85を超えると、カルボジイミド化合物(C)の含有量が少なくなりすぎるため、成形体に十分な耐加水分解性を付与することができない。
本発明の樹脂ペレットは、上記した本発明のポリエステル樹脂組成物を含有するものである。前記二軸混練押出機等を用い溶融混練した後に、ダイの口金よりストランド状に引き取り、冷却した後、ペレタイズすることで製造することができる。
溶融混練を行う場合の混練温度は220℃以下であることが好ましい。混練温度を220℃以下に設定しても、溶融混練時のせん断発熱によって、樹脂温度が220℃を超える場合があるので、樹脂温度が220℃を超えないように、樹脂温度をモニターしながら、スクリュー回転数や吐出量を制御して、溶融混練を行うことが好ましい。また、用いるポリエステル樹脂(A)として、融点またはガラス転移温度が低めのものを用いることによって、溶融混練時のせん断発熱を低減することが可能となる。
得られた樹脂ペレットは、マスターバッチとして使用することができる。マスターバッチは必要に応じて乾燥などの熱処理を行ってもよい。
上記樹脂ペレットは、ポリエステル樹脂等の各種熱可塑性樹脂(マトリックス樹脂)に混合した後、溶融成形することで成形体とすることができる。なお、本発明の樹脂ペレットは、ポリエステル樹脂(A)、(B)を用いているため、ポリエチレンテレフタレート等ポリエステル系のマトリックス樹脂に対し、特に好適に用いることができるが、特にポリエステル系のマトリックス樹脂に限定されるものではなく、相溶性等、問題の起きない範囲で広範に用いることができる。
マトリックス樹脂の酸価は10mgKOH/g以下であることが好ましく、8mgKOH/g以下であることがより好ましく、6mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。マトリックス樹脂は、酸価が10mgKOH/gを超えると、混合するマスターバッチ中のカルボジイミド基が反応することで、耐加水分解性に寄与する有効カルボジイミド基濃度が低下し、期待する耐加水分解性が得られない場合がある。
本発明の成形体は、マトリックス樹脂として用いる熱可塑性樹脂に、樹脂ペレットを含有させて溶融成形したものであり、樹脂ペレットに含有するカルボジイミド化合物により、優れた耐加水分解性を有するものとなる。
このような効果は、特にマトリックス樹脂がポリエステル系樹脂である場合に有効的に発現する。耐加水分解性をさらに向上させるため、樹脂ペレットの添加量は、マトリックス樹脂のポリエステル樹脂のエステル基濃度(a当量/トン)と、マスターバッチを構成するポリエステル樹脂(A)のエステル基濃度(b当量/トン)の合計に対する、カルボジイミド化合物(B)のカルボジイミド基濃度(c当量/トン)との比(c/(a+b))は、0.1〜1.5であることが好ましく、0.2〜1.3であることがより好ましく、0.3〜1.1であることがさらに好ましく、0.5〜1.0であることが最も好ましい。比(c/(a+b))が0.1未満であると、期待する耐加水分解性が得られず、1.5を超えると、成形体におけるカルボジイミド基が過剰反応し、熱安定性の低下を引き起こしたり、ゲル化する場合があり、フィルムの製膜を行う場合に、延伸性が低下したり、破断することがある。
1.評価方法
(1)ポリエステル樹脂の数平均分子量
送液ユニット(島津製作所社製「LC−10ADvp型」)および紫外−可視分光光度計(島津製作所社製「SPD−6AV型」)を用い、GPC分析により求めた。なお、分析条件は検出波長が254nmであり、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、ポリスチレン換算により求めた。
NMR測定装置(日本電子社製「JNM−LA400型」)を用い、1H−NMR測定を行って、それぞれの共重合成分の組成を求めた。なお、測定溶媒としては、重水素化トリフルオロ酢酸を用いた。
JIS−K 7121に従って、入力補償型示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製「ダイヤモンドDSC」)を用い、20℃から300℃まで10℃/分で昇温させたチャートから、ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)を読み取った。
実施例、比較例で得られたフィルムの外観を目視観察した。下記評価基準にて判断をした。
〇:透明性に優れる。
△:透明ではあるが、混合したマスターバッチの分散が不均一であり、揺らぎ感を有する。
×:不透明または濁りが生じている。
実施例、比較例において、フィルムを製造する際の操業性で延伸性を評価した。
〇:操業上の問題がなく、膜厚が均一なフィルムを得ることができる。
△:延伸はできるが、得られるフィルムの膜厚等が不均一。
×:破断等を伴い延伸ができない。
得られたフィルムを、85℃×85%RH条件下、2000時間処理をした。処理前後のフィルムについて、引張破断強度を測定し、下記式より引張強度保持率を算出し、下記基準により耐加水分解性を判断した。評価結果は、◎または○であることが好ましく、特に◎であることが好ましい。
なお、フィルムを巾10mm、長さ150mmの短冊状に切り出したもの測定試料として使用し、引張破断強度は、23℃×50%RH、引張速度10mm/分の条件で測定した。
引張強度保持率(%)=(処理後のフィルムの引張破断強度)/(処理前のフィルムの引張破断強度)×100
◎:引張強度保持率が95%以上である。
〇:引張強度保持率が80%以上、95%未満である。
△:引張強度保持率が70%以上、80%未満である。
×:引張強度保持率が70%未満である。
得られたフィルムを、フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として溶解し、試料濃度0.5質量%、温度20℃の条件下、極限粘度(η)を測定した。
フィルム製造時にマトリックス樹脂として用いたポリエステル樹脂の極限粘度が0.60であるので、これと比較して、下記式より粘度変化率を算出し、下記基準により、粘度変化率を評価した。評価結果は、◎または○であることが好ましく、特に◎であることが好ましい。
粘度変化率(%)=η/0.60×100
◎:110%未満
○:110%以上、115%未満
△:115%以上、120%未満
×:120%以上
(1)カルボジイミド化合物(C)
C1:芳香族型ポリカルボジイミド(ラインケミー社製「スタバックゾールP」、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)カルボジイミド、数平均分子量約700)
C2:脂環族型ポリカルボジイミド(日清紡ケミカル社製「LA−1」、平均重合度15、末端イソシアネート基あり)
C3:芳香族型モノポリカルボジイミド(ラインケミー社製「スタバックゾールI」、N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド)
C4:脂環族型ポリカルボジイミド(日清紡社製「HMV−15CA」、平均重合度15、末端イソシアネート基なし)
X:EGMA(エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体)−g(グラフト)−AS(アクリロニトリルスチレン)共重合体(日油社製「モディパーA4400」、EGMA/AS=70/30(質量比)、E/GMA=85/15(質量比))
ユニチカ社製 ポリエチレンテレフタレート樹脂(極限粘度0.60、酸価2mgKOH/g)
調製例1
テレフタル酸50モル%、イソフタル酸48モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸2モル%、エチレングリコール75モル%、ネオペンチルグリコール60モル%および重合触媒としてテトラブチルチタネート0.1gを反応器に仕込み、系内を窒素に置換した。そして、これらの原料を1000rpmで撹拌しながら、反応器を245℃で加熱し、溶融させた。反応器内温度が245℃に到達してから、0.5時間エステル化反応を進行させた。0.5時間経過後、系内の温度を240℃にし、系内を減圧した。系内が高真空(圧力:0.1〜10−5Pa)に到達してから、さらに0.4時間重合反応を行って、ポリエステル樹脂(A1)を得た。その結果を表1に示す。
使用するモノマーの種類とその組成および重合反応時間を表1のように変更した以外は、調製例1と同様にし、ポリエステル樹脂(A2)〜(A11)を得た。
調製例12
調製例2で得られたポリエステル樹脂(A2)に有機ジイソシアネート成分を付与することによりポリエステルポリウレタン樹脂(A12)を得た。具体的には、ポリエステル樹脂(A2)に対して、同量のトルエンを仕込み、100℃にて樹脂を溶解した。その後130℃まで温度を上昇させ、ポリエステル樹脂とトルエンの合計量のうち30重量%を蒸留し、反応系の脱水を行った。その後、系内を60℃まで冷却し、メチルエチルケトンをポリエステル樹脂量に対して40重量%、ジメチロールブタン酸9重量%を仕込み60℃にて30分撹拌した。その後、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート6重量%を仕込み、60℃にて30分撹拌を行い、続いて触媒としてジブチルチンジラウレートを加え、80℃に昇温し反応させた後、メチルエチルケトンで固形分濃度が30%になるように調整し、目的とするポリエステルポリウレタン(A12)を得た。
調製例13
テレフタル酸80モル%、イソフタル酸18モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸2モル%、エチレングリコール135モル%および重合触媒としてテトラブチルチタネート0.1gを反応器に仕込み、系内を窒素に置換した。そして、これらの原料を1000rpmで撹拌しながら、反応器を245℃で加熱し、溶融させた。反応器内温度が245℃に到達してから、0.5時間エステル化反応を進行させた。0.5時間経過後、系内の温度を240℃にし、系内を減圧した。系内が高真空(圧力:0.1〜10−5Pa)に到達してから、さらに0.5時間重合反応を行って、ポリエステル樹脂(B1)を得た。その結果を表1に示す。
使用するモノマーの種類とその組成および重合反応時間を表1のように変更した以外は、調製例13と同様にし、ポリエステル樹脂(B2)〜(B11)を得た。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
SEA:セバシン酸
ADA:アジピン酸
SIPA:5−ナトリウムスルホイソフタル酸
EG:エチレングリコール
PG:プロパンジオール
BD:1,4−ブタンジオール
NPG:ネオペンチルグリコール
TCD:トリシクロデカンジメタノール
ISB:イソソルビド
HDI:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
ポリエステル樹脂(A)30質量部、カルボジイミド化合物(C1)70質量部を均一混合した後、総仕込み量3kgをロスインウェイト式連続定量供給装置(クボタ社製CE−W−1型)を用いて、スクリュー径26mmの二軸押出機(東芝機械社製TEM26SS型)の主供給口に供給し溶融混練を行った。途中、ベント減圧度−0.099MPa(ゲージ圧)で脱気を行い、ダイスからストランド状に引き取り水槽にて冷却固化し、ペレタイザでカッティングした後、ポリエステル樹脂組成物(1)ペレットを得た。溶融混練は、押出機のバレル温度設定150℃、吐出量20kg/h、スクリュー回転数300rpmの条件で行った。
上記溶融混練にて得られたポリエステル樹脂組成物(1)ペレットを十分に乾燥してから、ポリエステル樹脂組成物ペレット(1)100質量部に対してポリエステル樹脂(B)が150質量部となるように均一混合した後、総仕込み量3kgをロスインウェイト式連続定量供給装置(クボタ社製CE−W−1型)を用いて、スクリュー径26mmの二軸押出機(東芝機械社製TEM26SS型)の主供給口に供給し溶融混練を行った。途中、ベント減圧度−0.099MPa(ゲージ圧)で脱気を行い、ダイスからストランド状に引き取り水槽にて冷却固化し、ペレタイザでカッティングした後、ポリエステル樹脂組成物(2)ペレットを得た。溶融混練は、押出機のバレル温度設定200℃、吐出量20kg/h、スクリュー回転数300rpmの条件で行った。
マトリックス樹脂(ポリエステル樹脂)と得られたポリエステル樹脂組成物(2)ペレットを十分に乾燥してから混合した。このとき、ポリエステル樹脂組成物(2)ペレットが1質量%となるように混合した後、温度280℃で混練しTダイより押出した。これを35℃に温調した冷却ドラム上に静電印加法で密着させて急冷することで厚さ260μmのシートを得た。前記シートを90℃で縦方向に3倍に延伸し、120℃で横方向に4.0倍延伸し、さらに続いて230℃で5秒間熱処理を行ない、厚さ25μmであるポリエステルフィルムを得た。
使用するポリエステル樹脂(A)の種類とカルボジイミド化合物(C)の種類と配合比率、ポリエステル樹脂(B)の種類と配合比率などを表2、3に示すように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例2〜35および比較例1〜5のポリエステル樹脂組成物(2)ペレットを得た。
そして、実施例1と同様にして、得られたポリエステル樹脂組成物(2)ペレットとマトリックス樹脂(ポリエステル樹脂)とを用い、厚さ25μmであるポリエステルフィルムを得た。
Claims (6)
- ポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)及びカルボジイミド化合物(C)を含有するポリエステル樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂(A)はガラス転移温度が20〜130℃の非晶性ポリエステル樹脂であって、ポリエステル樹脂(A)とカルボジイミド化合物(C)の質量比(A/C)が10/90〜85/15であり、ポリエステル樹脂(A)とカルボジイミド化合物(C)の合計100質量部に対して、ポリエステル樹脂(B)を50〜300質量部含有してなることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂(B)は融点を有し、融点が220℃以下である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂(A)が、共重合成分として有機スルホン酸塩化合物を0.05〜10モル%含有する請求項1又は2記載のポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂(B)樹脂が、共重合成分として有機スルホン酸金属塩化合物を0.1〜20モル%含有する請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を含有することを特徴とする樹脂ペレット。
- 請求項5記載の樹脂ペレットを熱可塑性樹脂に含有させて溶融成形されたことを特徴とする成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015121257A JP6645755B2 (ja) | 2015-06-16 | 2015-06-16 | ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いて得られる成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015121257A JP6645755B2 (ja) | 2015-06-16 | 2015-06-16 | ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いて得られる成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017008122A true JP2017008122A (ja) | 2017-01-12 |
JP6645755B2 JP6645755B2 (ja) | 2020-02-14 |
Family
ID=57761263
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015121257A Active JP6645755B2 (ja) | 2015-06-16 | 2015-06-16 | ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いて得られる成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6645755B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019167500A (ja) * | 2018-03-26 | 2019-10-03 | 三菱ケミカル株式会社 | ポリエステル樹脂組成物、インキ用バインダー及びインキ組成物 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005238735A (ja) * | 2004-02-27 | 2005-09-08 | Unitika Ltd | 金属板ラミネート用フィルム、フィルムラミネート金属板、および金属缶体 |
WO2010110273A1 (ja) * | 2009-03-23 | 2010-09-30 | 三菱樹脂株式会社 | ポリエステル系熱収縮性チューブ |
JP2012224666A (ja) * | 2011-04-15 | 2012-11-15 | Mitsubishi Plastics Inc | ポリエステル系樹脂組成物及び樹脂成形体 |
JP2013049869A (ja) * | 2008-10-23 | 2013-03-14 | Hitachi Cable Ltd | ポリブチレンナフタレート系樹脂組成物及びポリブチレンナフタレート系樹脂組成物を用いた電線 |
JP2014208741A (ja) * | 2013-03-26 | 2014-11-06 | 東洋紡株式会社 | ポリエステル樹脂水性分散体およびこれを用いた接着剤組成物 |
WO2015093453A1 (ja) * | 2013-12-17 | 2015-06-25 | ユニチカ株式会社 | ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いて得られる成形体 |
-
2015
- 2015-06-16 JP JP2015121257A patent/JP6645755B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005238735A (ja) * | 2004-02-27 | 2005-09-08 | Unitika Ltd | 金属板ラミネート用フィルム、フィルムラミネート金属板、および金属缶体 |
JP2013049869A (ja) * | 2008-10-23 | 2013-03-14 | Hitachi Cable Ltd | ポリブチレンナフタレート系樹脂組成物及びポリブチレンナフタレート系樹脂組成物を用いた電線 |
WO2010110273A1 (ja) * | 2009-03-23 | 2010-09-30 | 三菱樹脂株式会社 | ポリエステル系熱収縮性チューブ |
JP2012224666A (ja) * | 2011-04-15 | 2012-11-15 | Mitsubishi Plastics Inc | ポリエステル系樹脂組成物及び樹脂成形体 |
JP2014208741A (ja) * | 2013-03-26 | 2014-11-06 | 東洋紡株式会社 | ポリエステル樹脂水性分散体およびこれを用いた接着剤組成物 |
WO2015093453A1 (ja) * | 2013-12-17 | 2015-06-25 | ユニチカ株式会社 | ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いて得られる成形体 |
JP2016065252A (ja) * | 2013-12-17 | 2016-04-28 | ユニチカ株式会社 | ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いて得られる成形体 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019167500A (ja) * | 2018-03-26 | 2019-10-03 | 三菱ケミカル株式会社 | ポリエステル樹脂組成物、インキ用バインダー及びインキ組成物 |
JP7069926B2 (ja) | 2018-03-26 | 2022-05-18 | 三菱ケミカル株式会社 | ポリエステル樹脂組成物、インキ用バインダー及びインキ組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6645755B2 (ja) | 2020-02-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5916963B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いて得られる成形体 | |
JP5867084B2 (ja) | ポリ乳酸系フィルム | |
JP5517276B2 (ja) | ポリエステルフィルム | |
KR20140048298A (ko) | 생분해성 필름 | |
JP4414415B2 (ja) | 生分解性樹脂組成物および生分解性フィルム | |
JPWO2019022008A1 (ja) | ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)樹脂組成物 | |
JPS61111318A (ja) | 熱可塑性エラストマーの製造法 | |
JP2003160202A (ja) | 生分解性ごみ袋 | |
EP3388475A1 (en) | Polylactic acid resin composition and polylactic acid resin molded article | |
JP6552290B2 (ja) | 樹脂ペレットおよびそれを用いて得られる成形体 | |
JP5332552B2 (ja) | ポリ乳酸系樹脂組成物からなるチップ状物 | |
JP6645755B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いて得られる成形体 | |
JP6645754B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いて得られる成形体 | |
JP4356372B2 (ja) | ポリエステル系樹脂組成物及びその成形体 | |
JP2007284595A (ja) | 脂肪族ポリエステルフィルム | |
JP2005139280A (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびフィルム | |
JP2008195784A (ja) | ポリエステル系樹脂組成物及びその成形体 | |
JP4246523B2 (ja) | 乳酸系樹脂組成物 | |
WO2021065094A1 (ja) | ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 | |
JP4696636B2 (ja) | 脂肪族ポリエステル系樹脂組成物の製造方法 | |
JPWO2020158903A1 (ja) | 粉末積層造形法用の樹脂組成物、ペレット、粉末、造形物の製造方法および造形物 | |
JP5122919B2 (ja) | 共重合ポリエステル樹脂ペレットおよびその製造方法 | |
JP5332221B2 (ja) | ポリ乳酸系樹脂組成物からなるチップ状物 | |
JP2010150384A (ja) | ポリ乳酸樹脂組成物 | |
Samaniego Aguilar et al. | Role of Plasticizers on PHB/bio-TPE Blends Compatibilized by Reactive Extrusion |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180612 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190218 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190226 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190424 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190806 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190926 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20191224 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200109 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6645755 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |