JP2017007959A - 農薬用効力増強剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】農薬の効力を効果的に増強でき、かつ農薬組成物に配合した時の保存安定性に優れる農薬用効力増強剤組成物及びこれを含有する農薬組成物、並びに該農薬組成物を用いた農薬の使用方法を提供する。【解決手段】炭素数が8以上22以下である内部オレフィンスルホン酸塩(A)を含有する農薬用効力増強剤組成物であって、前記内部オレフィンスルホン酸塩(A)中のスルホン酸基が1位に存在するオレフィンスルホン酸塩の、前記内部オレフィンスルホン酸塩(A)全体に対する質量比が0以上0.1以下である、農薬用効力増強剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、農薬用効力増強剤組成物、農薬組成物、及び農薬の使用方法に関する。
従来、農薬の効果を十分に引き出すために、農薬含有組成物に各種界面活性剤が利用さ
れている。除草剤として最も多く使用されている原体の一つであるグリホサート塩の様なアミノ酸系農薬においては、他の農薬で良く用いられるノニオン界面活性剤やアニオン界面活性剤の適用はアミノ酸系農薬との相溶性が低いことから困難であるが、四級化された、あるいはポリオキシエチレン化された長鎖アミンがこの目的のために有効であることが知られている。グリホサート塩の様なアミノ酸系農薬においては、特にポリオキシエチレン化されたタローアミンが、その優れたコストパフォーマンス性から幅広く利用されている。しかし、このポリオキシエチレン化されたタローアミンは生分解性が極めて低いこと、魚毒性が強いことなどから、近年、その環境への影響性が懸念され、代替品が望まれている。
一方、アニオン界面活性剤の中でも、α-オレフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩型のアニオン界面活性剤は、アルキル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩型の界面活性剤に比べて、加水分解及び熱に対する安定性が、より高いことが知られている。
特許文献1には、除草剤、農薬、殺虫剤、殺卵剤、及び殺真菌剤と共に使用するためのアジュバント組成物中における使用に対して許容可能なスルホン酸塩型のアニオン界面活性剤として、オレフィンスルホネート及びドデシルベンゼンスルホネートが例示されている。
特許文献2には、水面浮上性農薬製剤が開示されており、製剤の水中での分散性を高めるために配合されるスルホン酸塩型界面活性剤として、オレフィンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸及びジアルキルスルホサクシネートが開示されている。
特許文献3には、放出制御された農薬粒剤が開示されており、造粒促進剤として配合されるα-オレフィンスルホン酸ナトリウム及びリグニンスルホン酸ナトリウムが開示されている。
特表2008−519072号公報 特開2002−53405号公報 特開2001−55303号公報
しかし、これらの従来技術では、十分な農薬の効力増強効果が得られていない。
本発明は、農薬の効力を効果的に増強でき、かつ農薬組成物に配合した時の保存安定性に優れる農薬用効力増強剤組成物及びこれを含有する農薬組成物、並びに前記農薬組成物を用いた農薬の使用方法を提供する。
本発明は、炭素数が8以上22以下である内部オレフィンスルホン酸塩(A)を含有する農薬用効力増強剤組成物であって、
前記内部オレフィンスルホン酸塩(A)中のスルホン酸基が1位に存在するオレフィンスルホン酸塩の、前記内部オレフィンスルホン酸塩(A)全体に対する質量比が0以上0.1以下である、
農薬用効力増強剤組成物(以下、第1の農薬用効力増強剤組成物という。)に関する。
また本発明は、炭素数が8以上22以下である内部オレフィンスルホン酸塩(A)を含有する農薬用効力増強剤組成物であって、
前記内部オレフィンスルホン酸塩(A)が、内部オレフィンのスルホン化により得られたものであり、
前記内部オレフィン中の二重結合が1位に存在するオレフィンの、前記内部オレフィン全体に対する質量比が0以上0.1以下である、
農薬用効力増強剤組成物(以下、第2の農薬用効力増強剤組成物という。)に関する。
また、本発明は、前記本発明の農薬用効力増強剤組成物、農薬原体(B)及び水を含有する農薬組成物に関する。
また、本発明は、前記本発明の農薬組成物から調製した農薬散布液を植物に散布する農薬の使用方法に関する。
本発明によれば、農薬と相溶性に優れ、安定で、農薬の効力を効果的に増強でき、かつ農薬組成物に配合した時の保存安定性に優れる農薬用効力増強剤組成物及びこれを含有する農薬組成物が提供される。
また、本発明の農薬組成物を用いることで、防除効果に優れた農薬の使用方法を提供することができる。
農薬の効力の増強効果の原因は必ずしも明らかではないが、本発明の農薬用効力増強剤が、二重結合をオレフィン鎖の末端ではなく内部に有する内部オレフィンを原料として得られる内部オレフィンスルホン酸塩を含有するため、農薬との相溶性に優れるためであると考えられる。
<農薬用効力増強剤組成物>
本明細書において、農薬用効力増強剤組成物をいう場合、特記しない限り、第1の農薬用効力増強剤組成物、若しくは第2の農薬用効力増強剤組成物又はその両方を意味するものとする。
本発明の農薬用効力増強剤組成物は、炭素数8以上22以下の内部オレフィンスルホン酸塩(A)を含有する。
本発明において、内部オレフィンスルホン酸塩(A)は、二重結合をオレフィン鎖の内部に有するオレフィンをスルホン化し、得られたスルホン化物を中和及び加水分解することにより得られるスルホン酸塩である。なお、かかる内部オレフィンとは、二重結合の位置が炭素鎖の1位に存在する、いわゆるα−オレフィンを微量含有する場合も含む広義の意味である。すなわち、内部オレフィンをスルホン化すると、β−サルトンが生成し、β−サルトンの一部は、γ−サルトン、オレフィンスルホン酸へと変化し、更にこれらは中和・加水分解工程においてヒドロキシアルカンスルホン酸塩と、オレフィンスルホン酸塩へと転換する(例えば、J. Am. Oil Chem. Soc. 69, 39(1992))。ここで、得られるヒドロキシアルカンスルホン酸塩のヒドロキシ基は、アルカン鎖の内部にあり、オレフィンスルホン酸塩の二重結合はオレフィン鎖の内部にある。また、得られる生成物は、主にこれらの混合物であり、またその一部には、微量の炭素鎖の末端にヒドロキシ基を有するヒドロキシアルカンスルホン酸塩、又は炭素鎖の末端に二重結合を有するオレフィンスルホン酸塩が含まれる場合もある。本明細書では、これらの各生成物及びそれらの混合物を総称して内部オレフィンスルホン酸塩という。また、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩を内部オレフィンスルホン酸塩のヒドロキシ体(以下、HASということがある)、オレフィンスルホン酸塩を内部オレフィンスルホン酸塩のオレフィン体(以下、IOSということがある)という。
内部オレフィンスルホン酸塩(A)の炭素数は、農薬の効力を増強する観点から、8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上であり、そして、農薬効力増強剤の水溶性の確保の観点から、22以下、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。更に農薬の効力を増強する観点及び農薬効力増強剤の水溶性の確保の観点から、内部オレフィンスルホン酸塩(A)の炭素数は、好ましくは12、14、16又は18である。
内部オレフィンスルホン酸塩(A)中のスルホン酸基が1位に存在するオレフィンスルホン酸塩の、前記内部オレフィンスルホン酸塩(A)全体に対する質量比は、農薬効力増強剤の生産コストの低減の観点及び生産性向上の観点から、好ましくは0以上、より好ましくは0.001以上であり、そして、農薬の効力を増強する観点から、好ましくは0.1以下、より好ましくは0.03以下である。
内部オレフィンスルホン酸塩(A)中のスルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の、前記内部オレフィンスルホン酸塩(A)全体に対する質量比は、農薬の効力を増強する観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上であり、そして、農薬の効力を増強する観点から、好ましくは0.4%以下、より好ましくは0.3以下、更に好ましくは0.25以下、より更に好ましくは0.2以下である。
内部オレフィンスルホン酸塩(A)中のHASの含有量のIOSの含有量に対するモル比(以下、HAS/IOSと記載する。)は、農薬の効力を増強する観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは7以下である。
内部オレフィンスルホン酸塩(A)中における、スルホン酸基が1位に存在するHAS、スルホン酸基が1位に存在するIOS、スルホン酸基が2位に存在するHAS及びスルホン酸基が2位に存在するIOSの含有量は、高速液体クロマログラフィー質量分析計(以下、HPLC−MSと省略)を用いて実施例に記載した方法により測定することができる。具体的には、高速液体クロマトグラフ分析計(以下、HPLCと省略)によりHAS及びIOSを正確に分離し、それぞれを質量分析計(以下、MSと省略)にかけることで、それぞれのスルホン酸基の結合位置を同定することができ、そのピーク面積から各々の割合を求めることができる。
本発明において、農薬用効力増強剤組成物が含有する内部オレフィンスルホン酸塩(A)は、1種単独でもよく、2種以上組み合わせでもよい。
内部オレフィンスルホン酸塩(A)は、炭素数が8以上22以下の原料内部オレフィンをスルホン化し、中和し、加水分解して得ることができる。スルホン化、中和、加水分解の条件には特に制限はなく、例えば、特許第1633184号公報、特許第2625150号公報、Tenside Surf.Det.31(5)299(1994)に記載の条件を参照することができる。
本発明において原料内部オレフィンとは、二重結合をオレフィン鎖の内部に有するオレフィンをいう。
原料内部オレフィンの炭素数は、農薬の効力を増強する観点から、8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上であり、そして、農薬効力増強剤の水溶性の確保の観点から、22以下、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。更に農薬の効力を増強する観点及び農薬効力増強剤の水溶性の確保の観点から、原料内部オレフィンの炭素数は、好ましくは12、14、16又は18である。
原料内部オレフィン中の二重結合が1位に存在するオレフィン、いわゆるα−オレフィンの、前記内部オレフィン全体に対する質量比は、農薬効力増強剤の生産コストの低減の観点及び生産性向上の観点から、0以上、好ましくは0.0001以上であり、そして、農薬の効力を増強する観点から、0.1以下、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.02以下、更に好ましくは0.015以下、より更に好ましくは0.01以下である。
原料内部オレフィン中の二重結合が2位に存在する内部オレフィンの、前記内部オレフィン全体に対する質量比は、農薬の効力を増強する観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.35以下、更に好ましくは0.3以下、より更に好ましくは0.25以下、より更に好ましくは0.2以下である。
原料内部オレフィン中の二重結合が2位より内部に存在する原料内部オレフィンの合計の、前記内部オレフィン全体に対する質量比は、農薬の効力を増強する観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.65以上である。
原料内部オレフィン中の二重結合の分布は、ガスクロマトグラフ質量分析計(以下、GC−MSと省略)を用いて実施例に記載した方法により測定することができる。具体的には、ガスクロマトグラフ分析計(以下、GCと省略)により炭素鎖長及び二重結合位置の異なる各成分を正確に分離し、それぞれを質量分析計にかけることで、それぞれの二重結合位置を同定することができ、そのGCピーク面積から各々の割合を求めることができる。
原料として使用される内部オレフィンは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記スルホン化反応は、原料内部オレフィン1モルに対し三酸化硫黄ガスを1.0モル以上1.2モル以下反応させることにより行うことができる。反応温度は、20℃以上40℃以下で行うことが好ましい。
前記中和は、スルホン酸基の理論値に対し1.0モル以上1.5モル以下倍量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、2−アミノエタノール等のアルカリ剤を反応させることにより行なわれる。
前記加水分解反応は、水の存在下90℃以上200℃以下で、30分以上3時間以下で反応を行えばよい。これらの反応は、連続して行うことができる。また反応終了後に得られる内部オレフィンスルホン酸塩は、抽出、洗浄等により精製することができる。
なお、内部オレフィンスルホン酸塩(A)を製造するにあたり、炭素数が8以上22以下の原料内部オレフィンの混合物を用いてスルホン化、中和、加水分解の処理を行ってもよい。単一の炭素数を有する原料内部オレフィンを用いてスルホン化、中和、加水分解の処理を行ってもよく、また必要に応じて予め製造した異なる炭素数を有する複数種の内部オレフィンスルホン酸塩を混合してもよい。
本発明の内部オレフィンスルホン酸塩(A)は未反応の原料内部オレフィン及び無機化合物を含有する可能性がある。これらの成分の含有量は少ないほうが好ましい。
本発明の内部オレフィンスルホン酸塩(A)中における原料内部オレフィンの含有量は、農薬の効力を増強する観点から、成分(A)中に、好ましくは5.0質量%未満、より好ましくは3.0質量%未満、更に好ましくは1.5質量%未満、より更に好ましくは1.0質量%未満である。
未反応の内部オレフィンの含有量は、後記実施例に記載の方法により測定できる。
本発明の内部オレフィンスルホン酸塩(A)中における無機化合物の含有量は、農薬の効力を増強する観点から、成分(A)中に、好ましくは7.5質量%未満、より好ましくは5.0質量%未満、更に好ましくは3.0質量%未満、より更に好ましくは2.0質量%未満、より更に好ましくは1.6質量%未満、より更に好ましくは1質量%以下である。
本発明の内部オレフィンスルホン酸塩(A)が含有する無機化合物としては、前記中和で残存した水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水酸化物、前記中和で副生する硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、2−アミノエタノール硫酸塩等の硫酸塩が挙げられる。
本発明の農薬用効力増強剤組成物は、取扱い易さの観点から、液体組成物であっても良い。また、水を含有する液体組成物であることが好ましい。
水としては、本発明の農薬用効力増強剤組成物の効果を阻害しない範囲で、水道水、蒸留水、脱イオン水などを使用することができ、安定性の観点から、好ましくは脱イオン水である。
本発明の農薬用効力増強剤組成物が水を含有する液体組成物である場合の、本発明の農薬用効力増強剤組成物中の内部オレフィンスルホン酸塩(A)の含有量は、輸送コスト等の経済性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上、そして、農薬用効力増強剤を液体とする観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。
本発明の農薬用効力増強剤組成物中の水の含有量は、農薬用効力増強剤を液体とする観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、そして、輸送コスト等の経済性の観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。
本発明の農薬用効力増強剤組成物は、農薬用効力増強剤を液体とする観点から、水以外の溶剤(C)を含有しても良い。
水以外の溶剤(C)は、取り扱い易さの観点から、有機溶剤から選択されるものであり、好ましくは、アルコール系,有機酸エステル系及びアミン系の有機溶剤から選択される1種又は2種以上である。アルコール系の有機溶剤は同様の観点から、好ましくはエタノール,ジプロピレングリコール及び1,2−ブチレングリコールから選択される1種又は2種以上であり、更に好ましくはエタノール,ジプロピレングリコール又は1,2−ブチレングリコールである。有機酸エステル系の有機溶剤は同様の観点から、好ましくは乳酸メチルである。アミン系の有機溶媒は同様の観点から、好ましくはN,N―ジメチルホルムアミドである。
本発明の農薬用効力増強剤組成物中の水以外の溶剤(C)の含有量は、取扱い易さの観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは12質量%以上であり、輸送コスト等の経済性の観点から、好ましく50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
本発明の農薬用効力増強剤組成物中、内部オレフィンスルホン酸塩(A)の含有量の水以外の溶剤(C)の含有量に対する質量比(A)/(C)は、農薬の効力を増強する観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上であり、低温保存安定性を向上させる観点から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは2以下である。
本発明の農薬用効力増強剤組成物は、任意に、これらの成分以外の化合物、例えば、油や界面活性剤として使用される化合物を含有することができる。
本発明の農薬用効力増強剤組成物は、例えば、内部オレフィンスルホン酸塩(A)、及び水を混合し、撹拌することによって作製することができる。また、各成分の混合は、各成分を一括に添加して行う、或いは、各成分を別々に添加して行う、の何れでもよく、別々に添加する場合、各成分を添加する順序は問わない。
本発明の農薬用効力増強剤組成物は、アミノ酸系、スルホニルウレア系又はフェノキシ系の農薬効力増強剤として使用される。その中でもアミノ酸系農薬用効力増強剤として使用されるのが好適である。
なお、本発明の農薬用効力増強剤組成物に配合される成分からは農薬原体は除かれる。また農薬原体を含有しない農薬用効力増強剤組成物も本発明の農薬用効力増強剤組成物に含まれる。
<農薬組成物>
本発明の農薬組成物は、本発明の農薬用効力増強剤組成物、農薬原体(B)、及び水を含有する。
また、内部オレフィンスルホン酸塩(A)、農薬原体(B)、及び水を含有する農薬組成物も本発明の農薬組成物である。
また、内部オレフィンスルホン酸塩(A)、農薬原体(B)、水以外の溶剤(C)、及び水を含有する農薬組成物も本発明の組成物である。
本発明の農薬用効力増強剤組成物は、農薬原体(B)として、アミノ酸系農薬原体を用いた場合に、効果がより顕著である。かかるアミノ酸系農薬原体としては、アミノ酸系除草剤の農薬原体(有効成分)が挙げられる。アミノ酸系除草剤の農薬原体(有効成分)としては、グリホサート〔N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩〕、ビアラホス[ソディウム・ソルト・オブL−2−アミノ−4−〔(ヒドロキシ)(メチル)=ホスフィノイル〕ブチリル−L−アラニル−L−アラニン]、及びグルホシネート〔アンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスフィネート〕が挙げられ、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性に優れる観点から、好ましくは、グリホサート又はグルホシネートであり、より好ましくは、グルホシネートである。これらは農業的に許容できる塩であってもよい。また、農薬組成物に配合するにあたり、これらを含有する水溶液、液剤、水和剤等として使用することもできる。
本発明の農薬組成物は、農薬原体(B)を、輸送コスト等の経済性の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは35質量%以上含有し、そして、農薬組成物の配合安定性の観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、更により好ましくは40質量%以下含有する。
本発明の農薬組成物は、内部オレフィンスルホン酸塩(A)を、農薬の効力を増強する観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上含有し、そして、経済性の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下含有する。
本発明の農薬組成物は、取扱い易さの観点から、水を含有する。水を含有する液体組成物であることが好ましい。本発明の農薬組成物は、水を、取扱い易さの観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上含有し、そして、輸送コスト等の経済性の観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下含有する。
本発明の農薬組成物は、低温保存安定性を向上させる観点から、好ましくは、水以外の溶剤(C)を含有する。
水以外の溶剤(C)は、低温保存安定性を向上させる観点から、有機溶剤から選択されるものであり、好ましくは、アルコール系,有機酸エステル系及びアミン系の有機溶剤から選択される1種又は2種以上である。アルコール系の有機溶剤は同様の観点から、好ましくはエタノール,ジプロピレングリコール及び1,2−ブチレングリコールから選択される1種又は2種以上であり、更に好ましくはエタノール,ジプロピレングリコール又は1,2−ブチレングリコールである。有機酸エステル系の有機溶剤は同様の観点から、好ましくは乳酸メチルである。アミン系の有機溶媒は同様の観点から、好ましくはN,N―ジメチルホルムアミドである。
本発明の農薬組成物は、水以外の溶剤(C)を、低温保存安定性を向上させる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上含有し、そして、農薬組成物中の農薬原体量とアジュバント量を確保する観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下含有する。
本発明の農薬組成物は、内部オレフィンスルホン酸塩(A)の含有量の農薬原体(B)の含有量に対する質量比(A)/(B)が、農薬の効力を向上させる観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上であり、そして、同様の観点から好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下、更に好ましくは1以下である。
水以外の溶剤(C)を含有する場合、本発明の農薬組成物は、内部オレフィンスルホン酸塩(A)の含有量の水以外の溶剤(C)の含有量に対する質量比(A)/(C)が、農薬の効力を増強する観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上であり、そして、低温保存安定性を向上させる観点から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは2以下である。
本発明の農薬組成物は、農薬原体(B)の含有量の内部オレフィンスルホン酸塩(A)と水以外の溶剤(C)の含有量の和に対する質量比(B)/〔(A)+(C)〕が、農薬の効力を向上させる観点及び低温保存安定性を向上させる観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.7以上であり、そして、低温保存安定性を向上させる観点から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは2以下である。
本発明の農薬組成物は、任意に、内部オレフィンスルホン酸塩(A)、農薬原体(B)、水以外の溶剤(C)、及び水以外の化合物、例えば、キレート剤、pH調節剤、無機塩類、及び増粘剤等を含有することができる。
<農薬の使用方法>
本発明の農薬の使用方法は、本発明の農薬組成物から調製した農薬散布液を植物に散布する。
本発明の農薬の使用方法では、前記農薬散布液中の内部オレフィンスルホン酸塩(A)の濃度は、農薬の効力を増強する観点から、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.06質量%以上であり、そして、経済性の観点から、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下である。
本発明の農薬の使用方法では、前記農薬散布液中の農薬原体(B)の濃度は、農薬の効力を得る観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上であり、そして、経済性の観点及び環境負荷の低減の観点から、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下である。
本発明の農薬の使用方法では、前記農薬散布液を、農薬の効力を得る観点から、好ましくは50L/ha以上、より好ましくは200L/ha以上、更に好ましくは400L/ha以上、より更に好ましくは500L/ha以上の割合で散布し、そして、経済性の観点及び環境負荷の低減の観点から、好ましくは2000L/ha以下、より好ましくは1500L/ha以下、より好ましくは1200L/ha以下、より更に好ましくは1000L/ha以下の割合で散布する。
前記農薬組成物が含む農薬原体(B)は、本発明の農薬用効力増強剤組成物による農薬の効力を増強する効果が顕著な観点から、好ましくは除草剤、好ましくはアミノ酸系除草剤の農薬原体である。
本発明の農薬の使用方法は、本発明の農薬用効力増強剤組成物による農薬の効力を増強する効果が顕著な観点から、好ましくは除草方法である。
本発明の除草方法は、駆除対象となる植物である雑草に所定の散布液を施すものである。雑草は、農業分野では農耕地やその周辺に生育して作物生産に害を与える草本として認識される。また、農業以外の分野では、例えば、農耕地に限らず道路、線路敷、堤防、工場敷地、造成地、芝生地、庭園などの非農耕地に自然に生育し、その土地の機能を妨害したり、防災上、景観上の問題を発生させたりする草本として認識される。本発明では、これらいずれの草本をも雑草として包含する。雑草には、広葉雑草、イネ科雑草などがある。広葉雑草は、イネ科雑草のように線形葉をもつ雑草や葉脈が平行になっている雑草とは異なり、葉脈が網目状になっている。
本発明の除草方法の対象となる雑草としては、イネ科雑草が挙げられる。イネ科雑草としては、イヌビエ、エノコログサ、キンエノコロ、ムラサキエノコロ、スズメノカタビラ、スズメノテッポウ、ニワホコリ、アキメヒシバ、メヒシバ、カゼクサ、カモガヤ(オーチャードグラス)、ススキ、スズメノヒエ、チガヤ、チカラシバ、ヨシ、ササ類が挙げられ、農薬の効力の観点から、好ましくはイヌビエである。
本発明の除草方法は、広葉雑草及びイネ科雑草から選ばれる雑草を対象とすることがで
きる。更に、本発明の除草方法は、イヌビエを対象とすることができる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、以下の実施例及び比較例において、特記しない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。
1.各種物性の測定条件
(i)原料内部オレフィンの二重結合位置の測定方法
原料内部オレフィンの二重結合位置は、GCにより測定した。具体的には、内部オレフィンに対しジメチルジスルフィドを反応させることでジチオ化誘導体とした後、各成分をGCで分離した。得られたそれぞれのピーク面積より内部オレフィンの二重結合位置を求めた。
測定に使用した装置及び分析条件は次の通りである。
GC装置:アジレントテクノロジー6890(アジレントテクノロジー社製)
カラム:Ultra−Alloy−1HTキャピラリーカラム(30m×250μm×0.15μm,フロンティア・ラボ社製)
検出器:水素炎イオン検出器、インジェクション温度:300℃、検出器温度:350℃、He流量4.6mL/分
(ii)HAS/IOS、並びにスルホン酸基が1位に存在するオレフィンスルホン酸塩の含有量及びスルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量の測定方法
スルホン酸基が1位に存在するオレフィンスルホン酸塩の含有量及びスルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量は、HPLC−MSにより測定した。具体的には、HPLCによりHAS及びIOSを分離し、それぞれのピーク面積の合計の比からHAS/IOSを求めた。
HASをMSにかけることでスルホン酸基が1位に存在するオレフィンスルホン酸塩及びスルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩を同定した。得られたHPLC−MSピーク面積から質量比を求め、モル比に換算した。
測定に使用した装置および条件は次の通りである。
HPLC装置:HPLC Prominence(島津製作所社製)
MS装置:Q−Exactive(Thermo Scientific社製)
カラム:Hypersil ODS(C18)(250mm、4.6mm id、粒子径3μm、アジレントテクノロジー社製)
カラム温度:40℃
MS検出条件:陰イオン検出 m/z60−1600、UV240nm
測定試料:メタノールで測定対象のオレフィンスルホン酸ナトリウムをメタノールで1000質量倍希釈したものを用いた。
溶離液A(10mM酢酸アンモニウム水溶液)及び溶離液B(10mM酢酸アンモニウムメタノール溶液)を、グラジェントをかけて、HPLC装置に送液した。
(iii)原料内部オレフィンの含有量の測定方法
内部オレフィンスルホン酸ナトリウムの原料内部オレフィンの含有量は、GCにより測定した。具体的には、内部オレフィンスルホンナトリウムにエタノールと石油エーテルを添加した後、抽出し石油エーテル層にオレフィンを得た。得られたGCピーク面積からオレフィン量を定量した。測定に使用した装置および分析条件は次の通りである。
GC装置:アジレントテクノロジー6850(アジレントテクノロジー社製)
カラム:Ultra−Alloy−1HTキャピラリーカラム(15m×250μm×0.15μm,フロンティア・ラボ社製)
検出器:水素炎イオン検出器、インジェクション温度:300℃、検出器温度:350℃、He流量:3.8mL/分
(iv)無機化合物の含有量の測定方法
内部オレフィンスルホン酸ナトリウム中の無機化合物の含有量は、電位差滴定及び中和滴定により測定した。具体的には、内部オレフィンスルホン酸ナトリウム中のNaSOの含有量は、硫酸根を電位差滴定によって求めることで定量した。また、内部オレフィンスルホン酸ナトリウム中のNaOHの含有量は、希塩酸で中和滴定することで定量した。
2.内部オレフィンの製造
<製造例A>
攪拌装置付きフラスコに1−ヘキサデカノール「カルコール6098」(花王社製)7000g(28.9モル)、γ―アルミナ(STREM Chemicals社製)700g(原料アルコールに対して10%)を投入し、攪拌下、280℃にて系内に窒素(7000mL/分)を流通させながら5時間、反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、得られた粗内部オレフィン中のC16内部オレフィンの含有量は99.7%であった。得られた粗内部オレフィンを蒸留用フラスコに移し、136〜160℃/4.0mmHg(絶対圧力)で蒸留することでオレフィン含有量が100%の炭素数16の内部オレフィン(以下、内部オレフィン(1)と記す。)を得た。得られた内部オレフィンの二重結合分布の結果を表1に示す。
<製造例B>
反応時間を3時間とした以外は、製造例Aと同様の条件で、反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、得られた粗内部オレフィン中のC16内部オレフィンの含有量は99.6%であった。得られた粗内部オレフィンを蒸留用フラスコに移し、136〜160℃/4.0mmHg(絶対圧力)で蒸留することでオレフィン含有量が100%の炭素数16の内部オレフィン(以下、内部オレフィン(2)と記す。)を得た。得られた内部オレフィンの二重結合分布を表1に示す。
<製造例C>
攪拌装置付きフラスコに1−オクタデカノール「カルコール8098」(花王社製)7000g(25.9モル)、γ―アルミナ(STREM Chemicals社製)1050g(原料アルコールに対して15%)を投入し、攪拌下、285℃にて系内に窒素(7000mL/分)を流通させながら13時間、反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、得られた粗内部オレフィン中のC18内部オレフィン含有量は98.5%であった。得られた粗内部オレフィンを蒸留用フラスコに移し、148〜158℃/0.5mmHg(絶対圧力)で蒸留することでオレフィン含有量が100%の炭素数18の内部オレフィン(以下、内部オレフィン(3)と記す。)を得た。得られた内部オレフィンの二重結合分布の結果を表1に示す。
<製造例D>
攪拌装置付きフラスコに1−ドデセン「リニアレン12」(出光興産社製)7000g(41.6モル)、CP814E HY Zeolite(ZEOLYST社製)70g(原料α‐オレフィンに対して1%)を投入し、攪拌下、165℃にて系内に窒素(7000mL/min.)を流通させながら5時間、反応を行った。反応終了後のα―オレフィン転化率は100%、得られた粗内部オレフィン中のC12内部オレフィンの含有量は95.2%であった。得られた粗内部オレフィンを蒸留用フラスコに移し、148−158℃/0.5mmHg(絶対圧力)で蒸留することでオレフィンの含有量が100%の炭素数12の内部オレフィン(以下、内部オレフィン(4)と記す。)を得た。得られた内部オレフィンの二重結合分布を表1に示す。
<製造例E>
製造例Bと同様の方法にて、オレフィンの含有量が100%の炭素数16の内部オレフィンを得た。また、攪拌装置付きフラスコに1−オクタデカノール「カルコール8098」(花王社製)7000g(25.9モル)、γ―アルミナ(STREM Chemicals社製)700g(原料アルコールに対して10%)を仕込み、攪拌下、280℃にて系内に窒素(7000mL/分)を流通させながら10時間、反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、得られた粗内部オレフィン中のC18内部オレフィンの含有量は98.2%であった。得られた粗内部オレフィンを蒸留用フラスコに移し、内温148〜158℃/0.5mmHg(絶対圧力)で蒸留することでオレフィンの含有量が100%の炭素数18の内部オレフィンを得た。
これら、炭素数16の内部オレフィン11.9kgと炭素数18の内部オレフィン3.1kg(質量比79/21)とを混合することで、炭素数16の内部オレフィンと炭素数18の内部オレフィンの混合物(以下、内部オレフィン(5)と記す。)15.0kgを得た。この内部オレフィンの二重結合分布を表1に示す。
Figure 2017007959
3.内部オレフィンスルホン酸ナトリウムの製造
<製造例1>
前記の内部オレフィン(1)及びSO3濃度2.8容量%の三酸化硫黄ガスを、薄膜式スルホン化反応器(内径14mmφ、長さ4m)に供給し、前記薄膜式スルホン化反応器の外部ジャケットに20℃の冷却水を通液することで冷却を行いながら、スルホン化反応を行った。SO3の内部オレフィンに対するモル比が1.09になるように原料の流量を設定した。
得られたスルホン化物を、40℃で10分間撹拌(以下、熟成と記す。)した後、理論酸価(AV)に対し1.2モル倍の水酸化ナトリウムを含有するアルカリ水溶液へ添加し、攪拌しながら30℃, 1時間中和した。中和物をオートクレーブ中で密閉条件下、160℃, 1時間加熱することで加水分解を行い、C16内部オレフィンスルホン酸ナトリウム粗生成物を得た。
得られた粗生成物300gを分液漏斗に移し、エタノール300mL及び石油エーテル300mLを加え、振とうし、その後静置し分層させ、油溶性の不純物を油層に抽出除去した。この際、油水界面に析出した無機化合物も、油水分離操作により水層から分離除去し、この操作を3回おこなった。水層側を蒸発乾固して、内部オレフィンスルホン酸ナトリウム(1)を得た。分析結果を表2に示す。
<製造例1´>
前記内部オレフィン(1)を、得られたスルホン化物を中和前に、40℃、10分間の熟成をしなかった以外は製造例1と同様の条件で、内部オレフィンスルホン酸ナトリウム(1´)を得た。得られた内部スルホン酸ナトリウム中のスルホン酸基が1位に存在するオレフィンスルホン酸ナトリウムの、得られた内部スルホン酸ナトリウム全体に対する質量比は0.014であった。得られた内部スルホン酸ナトリウム中のスルホン酸基が2位に存在するオレフィンスルホン酸ナトリウムの、得られた内部スルホン酸ナトリウム全体に対する質量比は0.13であった。その他の分析結果を表2に示す。
<製造例2>
製造例Bで製造した内部オレフィン(2)を用いた以外は、製造例1と同様の条件で、内部オレフィンスルホン酸ナトリウム(2)を得た。分析結果を表2に示す。
<製造例3>
製造例Cで製造した内部オレフィン(3)を用いた以外は、製造例1´と同様の条件で、内部オレフィンスルホン酸ナトリウム(3)を得た。得られた内部スルホン酸ナトリウム中のスルホン酸基が1位に存在するオレフィンスルホン酸ナトリウムの、得られた内部スルホン酸ナトリウム全体に対する質量比は0.012であった。得られた内部スルホン酸ナトリウム中のスルホン酸基が2位に存在するオレフィンスルホン酸ナトリウムの、得られた内部スルホン酸ナトリウム全体に対する質量比は0.13であった。その他の分析結果を表2に示す。
<製造例4>
製造例Dで製造した内部オレフィン(4)を用いた以外は、製造例1´と同様の条件で、内部オレフィンスルホン酸ナトリウム(4)を得た。得られた内部スルホン酸ナトリウム中のスルホン酸基が1位に存在するオレフィンスルホン酸ナトリウムの、得られた内部スルホン酸ナトリウム全体に対する質量比は0.024であった。得られた内部スルホン酸ナトリウム中のスルホン酸基が2位に存在するオレフィンスルホン酸ナトリウムの、得られた内部スルホン酸ナトリウム全体に対する質量比は0.16であった。その他の分析結果を表2に示す。
<製造例5>
製造例Eで製造した内部オレフィン(5)を用いた以外は、製造例1´と同様の条件で、内部オレフィンスルホン酸ナトリウム(5)を得た。得られた内部スルホン酸ナトリウム中のスルホン酸基が1位に存在するオレフィンスルホン酸ナトリウムの、得られた内部スルホン酸ナトリウム全体に対する質量比は0.010であった。得られた内部スルホン酸ナトリウム中のスルホン酸基が2位に存在するオレフィンスルホン酸ナトリウムの、得られた内部スルホン酸ナトリウム全体に対する質量比は0.11であった。その他の分析結果を表2に示す。
Figure 2017007959
<実施例1、比較例1>
12cmポットにイヌビエを生育させ、草丈が30cm程度の植物体を試験に供した。表3に示す量の内部オレフィンスルホン酸ナトリウム又はα−オレフィン(C16)スルホン酸ナトリウム、農薬原体及び水を混合し、農薬散布液とした。この農薬散布液を、表3に示す散布量で前記植物体全体にかかるように葉面散布し、殺草効力を評価した。殺草効力の評価は散布後、表3に示す期間の経過後に植物外観を目視で観察し、無処理区の外観を0、完全枯死の外観を10として、1試験区3反復平均で評価した。ここで無処理区とは農薬原体及び界面活性剤を散布していない区のことである。
希釈液散布量と観察期間は散布した農薬原体毎にそれぞれ下記の通りである。
なお、前記α−オレフィン(C16)スルホン酸ナトリウムとしては、「リボラン PB−800CJ」(ライオン社製、平均炭素数:16、α−オレフィン(C16)スルホン酸ナトリウム中のスルホン酸基が1位に存在するオレフィンスルホン酸ナトリウムのα−オレフィン(C16)スルホン酸ナトリウム全体に対する質量比:0.81、α−オレフィン(C16)スルホン酸ナトリウム中のスルホン酸基が2位に存在するオレフィンスルホン酸ナトリウムのα−オレフィン(C16)スルホン酸ナトリウム全体に対する質量比:0.0060、HAS/IOS(モル比):0.30)を用いた。
Figure 2017007959
<実施例2、比較例2>
調製直後の均一透明液体の農薬組成物10gをガラス製透明容器(容量20ml)中に入れ、−5℃の恒温器に10日間保存し、外観の変化を目視により確認した。
均一透明のものを合格、すなわち○とし、分離物若しくは析出物が生じたもの、又は組成物が凝固若しくはゲル化したものは不合格、すなわち×とした。結果を表4に示す。
Figure 2017007959

Claims (14)

  1. 炭素数が8以上22以下である内部オレフィンスルホン酸塩(A)を含有する農薬用効力増強剤組成物であって、
    前記内部オレフィンスルホン酸塩(A)中のスルホン酸基が1位に存在するオレフィンスルホン酸塩の、前記内部オレフィンスルホン酸塩(A)全体に対する質量比が0以上0.1以下である、
    農薬用効力増強剤組成物。
  2. 前記内部オレフィンスルホン酸塩(A)中のスルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の、前記内部オレフィンスルホン酸塩(A)全体に対する質量比が0.05以上0.4以下である、請求項1に記載の農薬用効力増強剤組成物。
  3. 炭素数が8以上22以下である内部オレフィンスルホン酸塩(A)を含有する農薬用効力増強剤組成物であって、
    前記内部オレフィンスルホン酸塩(A)が、内部オレフィンのスルホン化により得られたものであり、
    前記内部オレフィン中の二重結合が1位に存在するオレフィンの、前記内部オレフィン全体に対する質量比が0以上0.1以下である、
    農薬用効力増強剤組成物。
  4. 前記内部オレフィンスルホン酸塩(A)が、内部オレフィンのスルホン化により得られたものであり、前記内部オレフィン中の二重結合が2位に存在する内部オレフィンの、前記内部オレフィン全体に対する質量比が0.05以上0.4以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の農薬用効力増強剤組成物。
  5. 前記内部オレフィンスルホン酸塩(A)が、内部オレフィンスルホン酸塩のヒドロキシ体(以下、HASという)と内部オレフィンスルホン酸塩のオレフィン体(以下、IOSという)とを含み、HASの含有量のIOSの含有量に対するモル比(HAS/IOS)が0.1以上10以下である請求項1〜4のいずれかに記載の農薬用効力増強剤組成物。
  6. アミノ酸系農薬用効力増強剤である、請求項1〜5のいずれかに記載の農薬用効力増強剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の農薬用効力増強剤組成物及び農薬原体(B)を含有する農薬組成物。
  8. 水以外の溶剤(C)及び水を含有する請求項7に記載の農薬組成物。
  9. 内部オレフィンスルホン酸塩(A)の含有量の水以外の溶剤(C)の含有量に対する質量比(A)/(C)が0.1以上10以下である、請求項8に記載の農薬組成物。
  10. 内部オレフィンスルホン酸塩(A)の含有量の農薬原体(B)の含有量に対する質量比(A)/(B)が0.01以上1.5以下である、請求項8又は9に記載の農薬組成物。
  11. 農薬原体(B)の含有量の内部オレフィンスルホン酸塩(A)と水以外の溶剤(C)の含有量の和に対する質量比(B)/〔(A)+(C)〕が0.1以上10以下である、請求項8〜10のいずれかに記載の農薬組成物。
  12. 農薬原体(B)がアミノ酸系農薬原体である請求項7〜11のいずれかに記載の農薬組成物。
  13. 請求項7〜12のいずれかに記載の農薬組成物から調製した農薬散布液を植物に散布する農薬の使用方法。
  14. 農薬原体(B)が除草剤である、請求項7〜12のいずれかに記載の農薬組成物から調製した農薬散布液を植物に散布する除草方法。

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