JP2017007142A - 強化プラスチック及び強化プラスチックの製造方法 - Google Patents

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秀雄 勅使川原
Hideo Teshigahara
秀雄 勅使川原
黒田 真一
Shinichi Kuroda
真一 黒田
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Abstract

【課題】生産性向上及びコストアップの抑制が可能な強化プラスチック及び強化プラスチックの製造方法を提供する。
【解決手段】強化プラスチックシート10は、金属線材13と樹脂線材17とが束ねられて網状部材18が編まれ、樹脂線材17を溶融させることで、溶融された樹脂によって、金属線材13が樹脂被覆されるとともに網状部材18の網目が樹脂で埋められている。金属線材13と樹脂線材17とから、高生産性・低コストで、補強され且つ柔軟性の高い強化プラスチックシート10が形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、金網で強化された強化プラスチック及び強化プラスチックの製造方法に関する。
従来、成形型を構成する上型と下型との間にキャビティが形成され、このキャビティ内に、繊維強化プラスチック基材と金網とを配置し、成形型を閉じて加熱・加圧することにより、繊維強化プラスチック基材及び金網から形成される複合材が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−1226号公報
特許文献1では、成形型のキャビティ内に、繊維強化プラスチック基材と金網とを重ねて配置する、あるいは、予め、繊維強化プラスチック基材と金網とを重ねておき、重ねられた繊維強化プラスチック基材及び金網をキャビティ内に配置する工程を経ることになり、生産性の向上のために、工程の工数削減が望まれる。
また、コストアップの抑制のために、使用する金網については製造容易であることが望まれる。
本発明の目的は、生産性向上及びコストアップの抑制が可能な強化プラスチック及び強化プラスチックの製造方法を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、金属線材と樹脂線材とが束ねられて網状部材が編まれ、前記樹脂線材を溶融させることで、溶融された樹脂によって、前記金属線材が樹脂被覆されるとともに前記網状部材の網目が前記樹脂で埋められたことを特徴とする。
この構成によれば、金属線材と樹脂線材とから、補強され且つ柔軟性の高い強化プラスチックを形成する上で、従来のような繊維強化プラスチック基材を使用せず、金網に繊維強化プラスチック基材を重ねる工程が不要になって工数削減による生産性を高めることができ、また、金属線材と樹脂線材とを束ねて編むことで、網状部材を一般の金網と同じように容易に形成することができるため、コストアップを抑制することができる。
上記構成において、前記網状部材は、メリヤス編みにて形成されるようにしても良い。この構成によれば、柔軟性、伸縮性、クッション性に富むメリヤス編みを採用することで、強化プラスチックを対象物の表面形状に応じて容易に変形させることが可能になる。
また、上記構成において、前記網状部材は、波状に形成される、又はエンボス加工が施されるようにしても良い。この構成によれば、強化プラスチックの柔軟性、伸縮性、クッション性をより一層向上させたり、所定方向の剛性を高めたりすることができる。
また、上記構成において、前記網状部材が熱プレスされて、前記樹脂線材が溶融されるとともに成形されるようにしても良い。この構成によれば、熱プレスによって強化プラスチックの外形の成形自由度を増すことができる。
本発明は、金属線材と樹脂線材とを束ねて網状部材を編む網形成工程と、前記網状部材を加熱して前記樹脂線材を溶融させ、溶融された樹脂によって前記金属線材を樹脂被覆するとともに前記網状部材の網目を樹脂で埋める樹脂溶融工程と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、補強され且つ柔軟性の高い強化プラスチックを形成する上で、従来のような繊維強化プラスチック基材を使用せず、金網に繊維強化プラスチック基材を重ねる工程が不要になって工数削減による生産性を高めることができ、また、金属線材と樹脂線材とを束ねて編むことで、網状部材を一般の金網と同じように容易に形成することができるため、コストアップを抑制することができる。
上記構成において、前記網形成工程の後に、前記網状部材に波形状を形成する、又は前記網状部材にエンボス加工を施すようにしても良い。この構成によれば、強化プラスチックの柔軟性、伸縮性、クッション性をより一層向上させたり、所定方向の剛性を高めたりすることができる。
また、上記構成において、前記樹脂溶融工程では、前記網状部材が熱プレスされて、前記樹脂線材が溶融されるとともに成形されるようにしても良い。この構成によれば、熱プレスによって強化プラスチックの外形の成形自由度を増すことができる。
本発明は、金属線材と樹脂線材とが束ねられて網状部材が編まれ、樹脂線材を溶融させることで、溶融された樹脂によって、金属線材が樹脂被覆されるとともに網状部材の網目が樹脂で埋められたので、金属線材と樹脂線材とから、補強され且つ柔軟性の高い強化プラスチックを形成する上で、従来のような繊維強化プラスチック基材を使用せず、金網に繊維強化プラスチック基材を重ねる工程が不要になって工数削減による生産性を高めることができ、また、金属線材と樹脂線材とを束ねて編むことで、網状部材を一般の金網と同じように容易に形成することができるため、コストアップを抑制することができる。
本発明に係る第1実施形態の強化プラスチックシートを示す説明図であり、図1(A)は強化プラスチックシートの正面図、図1(B)は金網の一部の正面図である。 強化プラスチックシートの製造方法を示す作用図であり、図2(A)は網状部材の製造要領を示す図、図2(B)は金網を樹脂材で覆った状態を示す図である。 第2実施形態の強化プラスチックシートを示す説明図であり、図3(A)は強化プラスチックシートを示す斜視図、図3(B)は図3(A)の強化プラスチックシートの変形例を示す斜視図である。 第3実施形態の強化プラスチックシートを示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る第1実施形態の強化プラスチックシート10を示す説明図である。図1(A)は強化プラスチックシート10の正面図であり、内部構造の理解を容易にするために強化プラスチックシート10の表面を含む部分を剥いで内部の金網11を露出させている。図1(B)は金網11の一部の正面図である。
図1(A)に示すように、強化プラスチックシート10は、金属線材が編まれて形成された金網11と、金網11の表面を覆うように金網11と一体的に成形された樹脂材12とからなり、シート状に形成されている。即ち、樹脂材12に金網11が埋め込まれている。
なお、樹脂材12には、便宜上、ドットを描いている。また、ここでは、強化プラスチックシート10の外形を矩形とし、矩形の長さ方向をL、矩形の幅方向をWとして矢印で示している。なお、強化プラスチックシート10の外形は、図示したものに限らない。正方形、三角形、円形、平行四辺形、菱形、多角形等である。
強化プラスチックシート10は、樹脂材12に金網11が埋め込まれた複合材であり、一般的なFRP(繊維強化プラスチック)よりも等方的に強度が高く、且つ柔軟性、伸縮性、クッション性を有している。
図1(B)に示すように、金網11は、金属線材13がメリヤス編みされて形成されている。金属線材13の材質としては、ステンレス鋼、鉄鋼、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、あるいは、これらの合金が好適である。金属線材13の線径は、0.1〜5.0mm、好ましくは、0.1〜3mm、より好ましくは、0.1〜1mmである。
上記したように、金網11を編構造とすることで、平織金網等の織構造とした金網に比べて柔軟性、伸縮性、クッション性を高めることができ、強化プラスチックシート10の柔軟性、伸縮性、クッション性を向上させることができる。
メリヤス編みは、1本の金属線材13が複数の輪に曲げられて形成され、輪の中に別の輪が通され、これが順次繰り返されて袋状に形成される。袋は、そのまま平らにされ、あるいは開いて1枚にされて、金網11が出来上がる。
金網11は、大きな網目15と小さな網目16とが、それぞれ長さ方向Lに並ぶとともに幅方向Wに交互に配置されている。
金網11の網目15の大きさは、縦(金網11の長さ方向Lの輪と輪の間隔)がM1、横(金網11の幅方向Wの輪と輪の間隔)がM2である。また、金網11の網目16の大きさは、縦がM3、横がM4である。
ここで、M1とM3とは等しいか又は略等しく、M2は、M4と等しいか又はM4より大きい。
網目15,16の大きさは、金属線材13の線径が大きくなるにつれて大きくなる。
例えば、金属線材13の線径が0.1mmの場合は、M1、M2は、2.0〜3.5mm、線径が0.2mmの場合は、M1、M2は、3.0〜4.0mm、線径が0.3mmの場合は、M1、M2は、3.5〜5.0mmとなる。即ち、線径が0.1〜0.3の場合は、M1、M2は、2.0〜5.0mmとなる。また、線径が0.3〜0.7mmの場合は、M1、M2は、5.0〜9.0mm、線径が0.7〜1mmの場合は、M1、M2は、9.0〜12.0mmとなる。
上記したように、金属線材13の線径をより小さくすることで、強化プラスチックシート10の柔軟性、伸縮性、クッション性をより一層向上させることができ、また、金属線材13の線径をより大きくすることで、強化プラスチックシート10の柔軟性、伸縮性、クッション性を有しながら、強化プラスチックシート10の強度をより高めることができる。
上記した網目の大きさは、線径が大きくなるにつれて大きくなるが、上記の線径と網目の大きさとの関係を変更しても良い。例えば、上記線径に対して、網目の大きさを上記網目の大きさより小さく、又は大きくしても良い。
強化プラスチックシート10の用途としては、バスタブ、バスユニット、浄化槽、園芸用容器、車両用部品、船舶・航空機用部品、電化製品や通信機器の部品、金属線材の電気伝導性・熱伝導性を利用した電磁波シールド材等の機能性部品、緩衝材が挙げられる。
以上の図1(A)、図2(A),(B)に示したように、強化プラスチックシート10は、金属線材13と樹脂線材17とが束ねられて網状部材18が編まれ、樹脂線材17を溶融させることで、溶融された樹脂によって、金属線材13が樹脂被覆されるとともに網状部材18の網目が樹脂で埋められている。
また、強化プラスチックシート10の製造方法は、金属線材13と樹脂線材17とを束ねて網状部材18を編む網形成工程と、網状部材18を加熱して樹脂線材17を溶融させ、溶融された樹脂によって金属線材13を樹脂被覆するとともに網状部材18の網目を樹脂で埋める樹脂溶融工程と、を備える。
上記構成によれば、金属線材13と樹脂線材17とから、補強され且つ柔軟性の高い強化プラスチックシート10を形成する上で、強化プラスチックシート10を、成形型を用いずに容易に成形することができる。また、従来のような繊維強化プラスチック基材を使用せず、金網に繊維強化プラスチック基材を重ねる工程が不要になって強化プラスチックシート10の工数削減による生産性を高めることができる。
更に、金属線材13と樹脂線材17とを束ねて編むことで、網状部材18を、一般の金網(金属線材13だけのメリヤス編みの金網)を編むのと同じ工程で容易に形成することができるため、コストアップを抑制することができる。
また、網状部材18は、メリヤス編みにて形成されるので、柔軟性、伸縮性、クッション性に富むメリヤス編みを採用することで、強化プラスチックシート10を対象物の表面形状に応じて容易に変形させることが可能になる。
次に強化プラスチックシート10の製造方法を説明する。
図2は、強化プラスチックシート10の製造方法を示す作用図であり、図1(B)に示した金網11について、その一部を拡大して示している。図2(A)は網状部材18の製造要領を示す図、図2(B)は金網11を樹脂材12で覆った状態を示す図である。なお、図2(A)に示す樹脂線材17と、図2(B)に示す樹脂材12とにはドットを描いている。
図2(A)に示すように、金属線材13と樹脂線材17とをそれぞれ1本ずつ準備し、1本に束ねてメリヤス編みを行う。即ち、金属線材13と樹脂線材17とを2本取りでメリヤス編みする。これにより、網状部材18が出来上がる。
樹脂線材17の材質としては、熱可塑性樹脂が好適である。詳しくは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ酢酸ビニル(PVAC)、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂(ABS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、フッ素樹脂(PTFE)、ポリウレタン(PUR)である。
次に、網状部材18を加熱する。これにより、樹脂線材17が溶融し、図2(B)に示すように、溶融した樹脂で金属線材13の表面が覆われる(樹脂被覆される)とともに、網目15,16にそれぞれ樹脂膜12a,12bが形成されて網目15,16が塞がれる。
金網11の全体が溶融した樹脂で覆われた後、加熱を終了し、自然冷却又は強制冷却する。樹脂が硬化すれば、強化プラスチックシート10が出来上がる。硬化した樹脂材12は、金網11の全体を覆っている。
図2(A),(B)において、樹脂線材17の線径は、金属線材13の表面積と、網目15,16の大きさとに応じて設定される。
樹脂線材17の線径が小さければ、樹脂による金属線材13の被覆厚さや、網目15,16に形成される樹脂膜12a,12bの厚さが小さくなる。従って、出来上がった強化プラスチックシート10の厚さが小さくなり、強化プラスチックシート10の表面形状は、金網11の表面形状に近い凹凸を有する形状になる。この結果、強化プラスチックシート10の伸縮性、柔軟性及びクッション性が増す。
また、樹脂線材17の線径が大きければ、金属線材13の被覆厚さや、網目15,16に形成される樹脂膜12a,12bの厚さが大きくなる。従って、出来上がった強化プラスチックシート10の厚さが大きくなり、強化プラスチックシート10の表面形状は、より平坦な形状になる。この結果、強化プラスチックシート10では、伸縮性、柔軟性及びクッション性を備えながら、強度・剛性が高くなる。
なお、上記では、1本の樹脂線材17を金属線材13と2本取りにて編んだが、これに限らず、複数本の樹脂線材17を1本の金属線材13と束ねて編んでも良い。この場合、複数本の樹脂線材17については、異なる材質の樹脂線材17を用いても良い。
また、樹脂線材17については、樹脂繊維をそのまま複数本束ねて1本の樹脂線材にしたり、複数本の樹脂繊維から1本の樹脂糸を作って樹脂線材にしたりしても良い。
また、樹脂線材17については、樹脂繊維に、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維を混ぜて1本にしても良い。
また、金網11及び網状部材18は、金属線材13が1本用いられるが、これに限らず、金網11及び網状部材18を形成する際に、金属線材13を複数本束ねて用いても良い。この場合、1本の金属線材13を用いるときよりも各金属線材13の線径を小径にしても良い。例えば、1本の金属線材13の断面積と、複数本使用する金属線材13の合計断面積とを同じにしても、複数本の金属線材13の撓みを大きくすることができ、伸縮性、柔軟性、クッション性を向上させることができる。
また、強化プラスチックシート10を形成するために1枚の網状部材18を用いたが、これに限らず、複数枚の網状部材18を重ねるようにして用いても良い。この場合、出来上がった強化プラスチックシートには、複数枚重ねの金網11が埋め込まれるため、強化プラスチックシートの強度をより一層高めることができる。
また、1枚の網状部材18を1回又は複数回折って重ねたものから強化プラスチックシートを形成しても良い。
また、網状部材18が出来た後、樹脂線材17を溶融させるときに、熱プレスを行っても良い。
即ち、網状部材18を上型と下型との間に挟み込んで、加圧及び加熱することにより、樹脂線材17が溶融し、溶融した樹脂で金属線材13の表面が被覆されるとともに、網目15,16にそれぞれ樹脂膜12a,12bが形成されて網目15,16が塞がれる。更に、上型及び下型の形状によって、強化プラスチックシート10を所望の外形形状に成形することができる。即ち、熱プレスによって強化プラスチック10の外形の成形自由度を増すことができる。
上記した網状部材18は、熱プレスの前駆体となる。
<第2実施形態>
図3は、第2実施形態の強化プラスチックシート30,40を示す説明図である。図3(A)は強化プラスチックシート30を示す斜視図、図3(B)は図3(A)の強化プラスチックシート30の変形例(強化プラスチックシート40)を示す斜視図である。
図3(A)に示すように、強化プラスチックシート30は、金属線材が編まれて形成された金網(不図示)と、金網の表面を覆うように金網と一体的に成形された樹脂材32とからシート状に形成された部材である。金網11は、メリヤス編みされている。
強化プラスチックシート30には、W方向に延びる複数の山部33a及び複数の谷部33bからなる波形状とされた波部33が形成されている。
波形状の強化プラスチックシート30を形成するには、まず、第1実施形態の網状部材18(図2(A)参照)に、W方向に延びる複数の山部及び複数の谷部からなる波形状とされた波部をプレス成形等により形成する。そして、次に、波形状の網状部材を加熱する。この結果、波形状の網状部材の樹脂線材が溶融し、溶融した樹脂で金属線材の表面が覆われる(樹脂被覆される)とともに、網目に樹脂膜が形成されて網目が塞がれる。金網の全体が、溶融した樹脂で覆われた後、加熱を終了し、自然冷却又は強制冷却する。樹脂が硬化すれば、強化プラスチックシート30が出来上がる。
図3(B)に示すように、強化プラスチックシート40は、金属線材が編まれて形成された金網(不図示)と、金網の表面を覆うように金網と一体的に成形された樹脂材42とからシート状に形成された部材である。
強化プラスチックシート40には、L方向に延びる複数の山部43a及び複数の谷部43bからなる波形状とされた波部43が形成されている。
波形状の強化プラスチックシート40を形成するには、まず、第1実施形態の網状部材18(図2(A)参照)に、L方向に延びる複数の山部及び複数の谷部からなる波形状とされた波部を形成する。この後は、強化プラスチックシート30と同じように製造する。
図3(A),(B)において、強化プラスチックシート30,40に波部33,43をそれぞれ形成することで、強化プラスチックシート30ではL方向、強化プラスチックシート40ではW方向の伸縮性を高めることができるとともに、強化プラスチックシート30ではW方向、強化プラスチックシート40ではL方向の剛性を高めることができる。更に、強化プラスチックシート30,40では、平板状の強化プラスチックシートに比べて曲げ剛性を高めることができる。
<第3実施形態>
図4は、第3実施形態の強化プラスチックシート50を示す斜視図である。
強化プラスチックシート50は、金属線材が編まれて形成された金網(不図示)と、金網の表面を覆うように金網と一体的に成形された樹脂材52とからシート状に形成された部材であり、強化プラスチックシート50の一方の面(図では、強化プラスチックシート50の下側の面)から突出する複数の凸部53が形成されている、即ちエンボス加工されている。なお、符号54は、一方の面に凸部53を形成することで他方の面52cに出来た凹部である。
複数の凸部53は、千鳥配置されているが、この配置に限定されない。例えば、並列に配置されたり、不規則に配置されたりしていても良い。また、凸部53は、図示した形状に限らない。
強化プラスチックシート50を形成するには、まず、第1実施形態の網状部材18(図2(A)参照)に、その一方の面から突出する複数の凸部をプレス成形等により形成する。この後は、強化プラスチックシート30,40(図3(A),(B)参照)と同じように製造する。
このように、強化プラスチックシート50にエンボス加工を施すことで、強化プラスチックシート50のクッション性や衝撃吸収性を高めることができる。
また、強化プラスチックシート50にエンボス加工を施すことで、例えば、複数枚の網状部材を重ねたり、1枚の網状部材を折って重ねたものから強化プラスチックシートを形成したりする場合に、重なった複数層からなる金網に凸部を形成して金網の各層のずれを防止することができる。
以上の図2(A)、図3(A),(B)及び図4に示したように、網状部材18は、波状に形成される、又はエンボス加工が施される。また、網状部材18を編む網形成工程の後に、網状部材18に波形状を形成する、又は網状部材18にエンボス加工を施す。この構成によれば、強化プラスチックシート30,40,50の柔軟性、伸縮性、クッション性をより一層向上させたり、所定方向の剛性を高めたりすることができる。
上記した第2実施形態の網状部材が波形状に形成された後、及び第3実施形態の網状部材に複数の凸部が形成された後に、網状部材の樹脂線材を溶融させるときに、第1実施形態で説明した熱プレスを行っても良い。
あるいは、第2実施形態の波形状の網状部材、第3実施形態の複数の凸部を備える網状部材を形成すると同時に樹脂線材を溶融させるときに、第1実施形態の熱プレスを行っても良い。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
本実施形態の金網、網状部材は、編んだ金網、網状部材であり、縦糸、横糸相当の金属線材を織った金網とは異なる。また、本発明の金網、網状部材は、実施形態に示したメリヤス編みのものに限らない。要は編んであれば良い。ここで、「編む」とは、毛糸を「編む」と同義である。1本の毛糸からセーターなどを編むのと同じように、1本の金属線材又は線材の束から金網、網状部材を編むのである。
上記では、金網、網状部材は、金属線材の線径等によって強度と共に、柔軟性、伸縮性、クッション性を確保可能であれば、織った金網でも良い。即ち、金属線材に樹脂線材を束ねた線材を縦及び横に配置して織った網状部材とする。後は、編んだ網状部材の製造工程と同じ工程を経て強化プラスチックシートを形成する。
上記した金属線材を、樹脂線材よりも融点の高いガラス繊維、カーボン繊維等の繊維又はこれらの繊維から形成されたガラス糸、カーボン糸等に代えても良い。
また、図1(A)に示したように、強化プラスチックシート10を平面的なシート状としたが、これに限らず、立体的に形成しても良い。例えば、箱形、舟形、筒形、球形、樋形、棒形、袋形や、これらに類似する形状、これらを組み合わせた形状、立体的な対象物に沿わせた形状にしても良い。
10,30,40,50 強化プラスチックシート
13 金属線材
15,16 網目
17 樹脂線材
18 網状部材

Claims (7)

  1. 金属線材と樹脂線材とが束ねられて網状部材が編まれ、前記樹脂線材を溶融させることで、溶融された樹脂によって、前記金属線材が樹脂被覆されるとともに前記網状部材の網目が前記樹脂で埋められたことを特徴とする強化プラスチック。
  2. 前記網状部材は、メリヤス編みにて形成されることを特徴とする請求項1に記載の強化プラスチック。
  3. 前記網状部材は、波状に形成される、又はエンボス加工が施されることを特徴とする請求項1又は2に記載の強化プラスチック。
  4. 前記網状部材が熱プレスされて、前記樹脂線材が溶融されるとともに成形されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の強化プラスチック。
  5. 金属線材と樹脂線材とを束ねて網状部材を編む網形成工程と、
    前記網状部材を加熱して前記樹脂線材を溶融させ、溶融された樹脂によって前記金属線材を樹脂被覆するとともに前記網状部材の網目を樹脂で埋める樹脂溶融工程と、を備えることを特徴とする強化プラスチックの製造方法。
  6. 前記網形成工程の後に、前記網状部材に波形状を形成する、又は前記網状部材にエンボス加工を施すことを特徴とする請求項5に記載の強化プラスチックの製造方法。
  7. 前記樹脂溶融工程では、前記網状部材が熱プレスされて、前記樹脂線材が溶融されるとともに成形されることを特徴とする請求項5又は6に記載の強化プラスチックの製造方法。
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