JP6298901B1 - Cfrp部材及びラティス構造体 - Google Patents
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Abstract
Description
このような構造物として、炭素繊維を巻回した状態で樹脂に含浸させた管を長手方向に切断して複数の環状体に分割し、これら複数の環状体を外板に接合して形成したグリッドパネル構造体が知られている(例えば特許文献1参照)。
したがって、特許文献1に記載されたグリッドパネル構造体は、高さ方向の変動が小さい、すなわち2次元の平面構造を製造するのに適したものであり、3次元の曲面で構成される構造体を形成することは、高い剛性を備えるという元々の課題を考慮しても困難である。
このとき、前記複数の炭素繊維束は、それぞれ環状に形成されてもよい。
図1は、本発明の実施例1によるCFRP部材の構成を示す概要図であって、図1Aは、その斜視図であり、図1Bは、CFRP部材に内包される炭素繊維体の配置を示す斜視図であり、図1Cは、図1Aの矢印A方向からみたCFRP部材の部分透過側面図である。
図1Aに示すように、本発明の実施例1によるCFRP部材10は、同一の延在方向に延在する複数の炭素繊維束13、14、15を積層した炭素繊維体12が樹脂材料11の内部に包み込まれた(埋め込まれた)構造を有している。 また、実施例1によるCFRP部材10は、2つの側面部10aとこれらを屈曲しつつ接続する接続部10bとを含む形状をなしている。
また、複数の炭素繊維を束状にする、あるいは短尺の炭素繊維を延在方向に連続的に並べて配置するにあたり、樹脂材料等のバインダを介して帯状となるように形成してもよい。
炭素繊維束13、14、15は、1本あるいは複数本の炭素繊維を上記所定の延在方向に沿って配置したものであり、CFRP部材の側面部10a及び接続部10bの位置と対応して、側面部13a、14a、15aと、接続部13b、14b、15bと、をそれぞれ含む形状をなしている。
このように、最下層に位置する炭素繊維束13と最上層に位置する炭素繊維束15との延在方向の全長を異なる長さとすることにより、CFRP部材10の上面10cと下面10dとの長さ(図1Cにおける幅)も異なるものとなり、CFRP部材10は、上下面に任意の曲線あるいは曲面を形成する。
ここで、樹脂材料11としては、例えば一般的な熱可塑性樹脂等を例示することができ、熱間で射出成形することにより、金型内で所定の最終形状のCFRP部材10を製造することができる。
図2Aに示すように、図1で例示した実施例1によるCFRP部材10を複数個組み合わせてラティス構造(格子構造)を形成する。このとき、1つのCFRP部材10の側面部10aに他のCFRP部材10の側面部10aを接合し、さらに上記1つのCFRP部材10の接続部10bに上記他のCFRP部材10とは別のCFRP部材10の接続部10bを接合する。
このとき、ラティス構造100の交差点(交差部分)C1は、2つのCFRP部材10の接続部10bが接合された構造となるため、当該交差点C1では2つの炭素繊維体が互いに平行に存在することとなり、単体のCFRP部材10に比べてより高い剛性を得ることができる。
また、本発明の実施例1によるCFRP部材を複数接合してラティス構造とすることにより、交差部で炭素繊維体が交差することがなく、単体のCFRP部材に比べてより高い剛性を得ることが可能となる。
図3は、本発明の実施例2によるCFRP部材の概略を示す斜視図である。
図3に示すように、本発明の実施例2によるCFRP部材は、図1に示した2つの側面部10aを鈍角の配置で接続部10bで接続した第1のCFRP部材10に加えて、2つの側面部20aを鋭角の配置で接続部20bで接続した第2のCFRP部材20を用いる。
なお、第2のCFRP部材20は、実施例1の場合に対して角度配置の点以外は共通するため、再度の説明は省略する。
図4Aに示すように、図3で例示したCFRP部材10とCFRP部材20とを複数個組み合わせてラティス構造(格子構造)を形成する。このとき、CFRP部材10の側面部10aの一方の面にCFRP部材20の側面部20aを接合し、他方の面には別のCFRP部材10の接続部10bを接合する。
このとき、ラティス構造200の交差点(交差部分)C2は、一対のCFRP部材10の接続部10bと一対のCFRP部材20の接続部20bとが互いに対向する配置となり、単体のCFRP部材に比べてより高い剛性が得られるとともに、互いが接合されていないため、変形に対する裕度を確保できる。
図5は、本発明の実施例3によるCFRP部材の構成を示す概要図であって、図5Aは、その斜視図であり、図5Bは、CFRP部材に内包される炭素繊維体の配置を示す斜視図であり、図5Cは、図5Aの矢印B方向からみたCFRP部材の部分透過側面図である。
図5Aに示すように、本発明の実施例3によるCFRP部材30は、略ひし形の環状に形成された炭素繊維体32(図5B参照)を樹脂材料31の内部に含浸した構造を有している。
接続部30bは、隣り合う2つの側面部30aを鈍角で接続するように形成され、接続部30bは、隣り合う2つの側面部30aを鋭角で接続するように形成される。
環状炭素繊維束33、34、35は、1本あるいは複数本の炭素繊維を略ひし形の環状部材として形成したものであり、CFRP部材の側面部30a並びに接続部30b及び30cの位置と対応して、側面部33a、34a、35aと、接続部33b、33c、34b、34c、35b、35cと、をそれぞれ含む形状をなしている。
このように、最下層に位置する環状炭素繊維束33と最上層に位置する環状炭素繊維束35との長軸方向の全長を異なる長さとすることにより、CFRP部材30の上面30dにおける周長と下面30eにおける周長とが異なるものとなり、CFRP部材30は、上下面に任意の曲線あるいは曲面を形成する。
ここで、樹脂材料31としては、例えば一般的な熱可塑性樹脂等を例示することができ、熱間で射出成形することにより、金型内で所定の最終形状のCFRP部材30を製造することができる。
図6Aに示すように、図5で例示した実施例3によるCFRP部材30を複数個組み合わせてラティス構造(格子構造)を形成する際に、1つのCFRP部材30の側面部30aに他のCFRP部材30の側面部30aを接合し、さらに上記1つのCFRP部材10において接続部30bを挟んで隣り合う側面部30aに、上記他のCFRP部材30とは別のCFRP部材30の側面部30aを接合する。
このとき、ラティス構造300の交差点(交差部分)C3は、環状のCFRP部材30の接続部30b及び30cがそれぞれ一対で対向する配置となり、単体のCFRP部材に比べてより高い剛性が得られるとともに、互いが接合されていないため、変形に対する裕度を確保できる。
図7は、本発明の実施例4によるCFRP部材の概略を示す斜視図である。
図7に示すように、本発明の実施例4によるCFRP部材40は、複数の側面部40aとこれらを屈曲しつつ接続する複数の接続部40bとが交互かつ連続的に形成された波打ち形状(コルゲート形状)をなしている。
これらの炭素繊維体と樹脂材料との関係については、実施例1の図1において示したものを連続的に接続したものとして構成されるため改めての説明は省略するが、実施例1のCFRP部材10と同様に、CFRP部材40は、上下面に任意の曲線あるいは曲面を形成する。
図8Aに示すように、図7で例示した実施例3によるCFRP部材30を複数個組み合わせてラティス構造(格子構造)を形成する際に、1つのCFRP部材40に連続的に形成されている接続部40bと他のCFRP部材40に連続的に形成されている接続部40bとを接合し、これら接続部40bどうしの接合部(図8Bの交差点C4参照)をCFRP部材40の長手方向に千鳥状に配置する。
このとき、ラティス構造400の交差点(交差部分)C4は、環状のCFRP部材40の接続部40bがそれぞれ一対で対向する配置となり、単体のCFRP部材に比べてより高い剛性が得られるとともに、他の実施例に比べて接合部の範囲を極小化できるため、ラティス構造の製造工程が容易となる。
例えば、上記実施例1〜4では、炭素繊維体を形成するにあたり、複数の炭素繊維束を個別に積層することによって構成した場合を例示したが、1本の炭素繊維あるいは1つの帯状の炭素繊維束を連続的に折り曲げて長さを調整しつつ積層する構造としてもよい。
特に、実施例3で示した環状炭素繊維体を構成する際に、略螺旋状に炭素繊維束を形成して積層することも可能である。
さらに、上記実施例1〜4では、3層による炭素繊維体の場合を例示したが、その層数は複数であれば2層あるいは4層以上としてもよいことは当然である。
その他にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施例に種々の改変を施すことも可能である。
10a、20a、30a、40a 側面部
10b、20b、30b、30c、40b 接続部
11、21、31、41 樹脂材料
12、32 炭素繊維体
13 第1の炭素繊維束
14 第2の炭素繊維束
15 第3の炭素繊維束
33 第1の環状炭素繊維束
34 第2の環状炭素繊維束
35 第3の環状炭素繊維束
100、200、300、400 ラティス構造
100a、200a、300a、400a 開口部
Claims (3)
- 所定の延在方向に延在する複数の炭素繊維束を積層した炭素繊維体の外面を樹脂材料で被覆したCFRP部材であって、
前記炭素繊維体の最下層に位置する炭素繊維束の長さと最上層に位置する炭素繊維束の長さとを異ならせ、前記積層する方向の厚みを均一としつつ、その上下面に曲線あるいは曲面を形成し、そのうち少なくとも一方の面に形成された前記曲線あるいは前記曲面は3次元曲面の上にある
ことを特徴とするCFRP部材。 - 前記複数の炭素繊維束は、それぞれ環状に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のCFRP部材。 - 請求項1又は2に記載されたCFRP部材を複数個有し、前記CFRP部材の側面部の少なくとも一部が互いに接合されたラティス構造体。
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