1.遊技機の構造
本発明の各実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。また、「チェックサムを行う(チェックサムの実行)」とは、データを数値とみなして総計を算出することを指す。そして、チェックサムを行って得られる算出値を「チェックサム値」という。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、および、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51のうち、打球供給皿61の前側(図1中、手前側)の上部中央には、遊技に関する画像を表示可能な枠側画像表示装置(第2演出手段に相当)68が設けられている。また、この枠側画像表示装置68の右方には、図2に示す4つの方向ボタン63U,63D,63L,63Rからなる十字ボタン63Aが設けられている。さらに前面枠51には、装飾用の枠ランプ(第1演出手段の一例)66およびスピーカ(第1演出手段の一例)67が設けられている(図1参照)。
枠側画像表示装置68は、矩形形状の表示画面68aを有する液晶表示装置である。枠側画像表示装置68の表示画面68aには、例えば、後述の第1特別図柄(特図1)又は第2特別図柄(特図2)の可変表示中における演出用の画像や、後述する大当たり遊技中に実行される遊技演出用の画像が表示され得る。また、このような演出用の画像の他に、パチンコ遊技機1の各種設定の確認や変更に用いられる操作画像が表示され得る。なお、画像には静止画像および動画像が含まれる。
具体的には例えば、特図1又は特図2の可変表示中において、盤側画像表示装置7による演出図柄8L,8C,8Rを用いた後述の演出図柄可変表示演出に併せて、示唆演出(当該可変表示中の特図1又は特図2の大当たり当選の期待度を示唆する演出)用の画像が枠側画像表示装置68の表示画面68a上に表示され得る(図19(a)参照)。また例えば、いわゆる「客待ち状態」のときに、十字ボタン63Aの操作に伴って、図示しない操作画像が表示され得る。この操作画像の表示によって、遊技者は、パチンコ遊技機1に関する情報(例えば、パチンコ遊技機1の遊び方を示すガイダンス情報や当該パチンコ遊技機1に登場するキャラクタの詳細情報など)を確認したり、パチンコ遊技機1の各種設定(例えば、盤側画像表示装置7の表示画面7aおよび枠側画像表示装置68の表示画面68aの明るさや、スピーカ67が出力する音の設定音量)の確認および変更をしたりすることが可能となっている。
なお本形態では、枠側画像表示装置68は、後述の枠側演出制御部CEに制御されている。
また、スピーカ67は、前面枠51の左上部および右上部に位置し、後述の音声制御基板106からの信号を音として出力する。出力する音としては、例えば、遊技中やメンテナンス中における、音声、効果音、報知音(エラー音)、調整用音等が挙げられる。スピーカ67は、例えば、本パチンコ遊技機1の遊技中に、上記枠側画像表示装置68や後述する盤側画像表示装置7による表示演出とともに、楽曲(BGM等)を含む効果音や音声を出力し得る。また例えば、枠ランプ66や盤ランプ5(図6参照)による点灯(又は点滅)演出、或いは、後述の装飾可動体15による演出とともに、上記効果音や音声を出力し得る。また例えば、盤側画像表示装置7、枠側画像表示装置68、盤ランプ5、枠ランプ66又は装飾可動体15による各演出を伴わずに単独で上記効果音や音声を出力し得る。なお本形態では、スピーカ67は、このスピーカ67に信号を出力する音声制御基板106とともに、後述の盤側演出制御部CBに制御されている。つまり本形態では、スピーカ67は音声制御基板106とともに、第1制御手段の一例をなしている。
また、枠ランプ66は、様々な態様(パターン)で点灯又は点滅し得る。またその際には、多彩な色で点灯し得る。なお本形態では、枠ランプ66は、後述の盤側演出制御部CBに制御されている。
また、十字ボタン63Aは、図2に示すように、後側(遊技盤2側)に配されている上方向ボタン63U、前側(遊技者側)に配されている下方向ボタン63D、左側に配されている左方向ボタン63L、および、右側に配されている右方向ボタン63Rからなる。この十字ボタン63Aには、後述する十字ボタン検出スイッチ63xが接続されている(図6参照)。この十字ボタン63Aは、例えば、枠側画像表示装置68に上述した選択画面を表示する際や、当該選択画面の表示中にパチンコ遊技機1に関する情報の確認や設定の確認および変更を行う際に用いられる。
図1に戻って、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ(第1演出手段の一例)5(図6参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ29が突設されている。
盤ランプ5は、上述の枠ランプ66と同じく、様々な態様(パターン)で点灯又は点滅し得る。またその際には、多彩な色で点灯し得る。なお本形態では、盤ランプ5は、後述の盤側演出制御部CBに制御されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である盤側画像表示装置(第1演出手段の一例)7が設けられている。盤側画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの可変表示および停止表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄可変表示演出(演出図柄変動演出,変動演出)という。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。盤側画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば「大当たり」に当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、「ハズレ」であった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、盤側画像表示装置7にて一般的には把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
盤側画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄可変表示演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また、盤側画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図3参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
なお本形態では、盤側画像表示装置7は、後述の盤側演出制御部CBに制御されている。
遊技領域3の中央付近であって盤側画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下方には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左下方には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。またセンター装飾体10の上方には、文字や図形を表した装飾部材13が配されていて、装飾部材13の後方には装飾可動体(第1演出手段の一例)15が配されている。
装飾可動体15とは、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆる「ギミック」のことである。この装飾可動体15は、所定の態様で動作し得る。なお本形態では、装飾可動体15は、後述の盤側演出制御部CBに制御されている。
遊技領域3における盤側画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口,固定始動口,第1入球部)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、即ち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
本形態では、固定入賞装置19よりも右方の遊技領域3、即ち遊技盤2の右斜め下方に入球ユニットUNが配されている(図1参照)。入球ユニットUNは、第1大入賞装置31と、第2大入賞装置36と、普通可変入賞装置22と、ゲート28とを有しており、これら各装置31,36,22およびゲート28をユニット化したものである。
図1に示すように、入球ユニットUNの右側部には、普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が配されている。電チュー22は、第2始動口(第2始動入賞口,第2入球部,可変始動口)21と、本体部材25とを備えている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、遊技盤2に対して前後方向に進退可能な進退部材23を備え、進退部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。進退部材23は、電チューソレノイド24(図5参照)により駆動される。
そのため第2始動口21は、進退部材23が後方に退避した退避状態であるときにのみ遊技球が入球可能となっている。なお、電チュー22において、第2始動口21の下流には、第2始動口21への遊技球の入球を検知する第2始動口センサ21a(図5参照)が配されている。
一方第2始動口21は、進退部材23が前方に進出した進出状態であるときには、遊技球が入球不可能となっている。このとき、第2始動口21の上側に到達した遊技球は、進退部材23の左方へ転動して、後述する第2大入賞口35および第1大入賞口30へ向かう。
また第2始動口21の上方にはゲート28が配されている。ゲート28は、遊技球が上下方向に通過可能な通過領域28bを有し、通過領域28bへの遊技球の通過を検知するゲートセンサ28a(図5参照)を組付けている。ゲート28(通過領域28b)への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄の抽選(即ち、普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また電チュー22の左下方には、第1大入賞口(上側特別入球部)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置,上側特別入球手段)31が配されている。第1大入賞装置31は、開閉部材(第1特別入賞口開閉部材,上側開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。なお、第1大入賞装置31において、第1大入賞口30への遊技球の入球を検知する第1大入賞口センサ30aが配されている(図5参照)。
また電チュー22の左方、即ち第1大入賞装置31の上方には、第2大入賞口(下側特別入球部)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置,下側特別入球手段)36が配されている。第2大入賞装置36は、開閉部材(第2特別入賞口開閉部材,下側開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。なお、第2大入賞装置36において、第2大入賞口35への遊技球の入球を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている(図5参照)。
第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域ともいう)39および非特定領域(非V領域ともいう)70が形成されている(図1参照)。なお、第2大入賞装置36には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39a(図5参照)、および、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70a(図5参照)が配されている。また第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73(図5参照)とを備えている。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。即ち非特定領域しか設けられていない。
さらに遊技領域3の下部には、普通入賞口27や、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある(図1参照)。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。なお遊技盤2には、右打ちされた遊技球をゲート28の上方に向かわせる右打ちガイド部材150が設けられている。
また図1および図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類(報知手段)40が配置されている。表示器類40には、図3に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、および、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留,第1保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留,第2保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄、即ち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
本形態の特別図柄表示器41は、具体的には横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選(大当たりの抽選)の結果に応じた特別図柄を表示するものである。大当たりに当選した場合には、例えば「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄(特別報知態様)を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、この変動表示の態様としては、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様など、各LEDが停止表示する態様以外の態様が挙げられる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報に相当する値)は、特図保留記憶部85(図5参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図5参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図5参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における第1特図保留の上限数および第2特図保留の上限数はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、即ち、特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄、即ち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。
本形態の普通図柄表示器42は、具体的には2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たり(普通当たり)である場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。なおハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、例えば全LEDが一斉に点滅するなど、各LEDが停止表示する態様以外のいずれでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図5参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における普図保留の上限数は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、即ち、普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており(図3参照)、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
また図4に示すように、本パチンコ遊技機1の裏側(機裏側)には、遊技を制御するための各種制御基板および装置が設けられている。具体的には、遊技機枠50に取り付けられた遊技盤2の中央に位置する盤側画像表示装置7の背面には、後述の主制御基板80、サブ制御基板90、盤側画像制御基板100およびランプ制御基板107が配置されている。一方、遊技機枠50の背面には、後述の電源基板108および払出制御基板110に加えて枠側画像制御基板140が配置されている(図4参照)。
即ち本形態では、枠側画像制御基板140は遊技盤2ではなく遊技機枠50に設けられている。よって例えば、パチンコ遊技機1の機種を変更するべく遊技盤2を交換するのに、遊技機枠50から遊技盤2を取り外したとしても、枠側画像制御基板140は枠側画像表示装置68とともに遊技機枠50に残っている。
2.遊技機の電気的構成
次に図5〜図7に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図5〜図7に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板ともいう)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する盤側画像制御基板100、枠側画像制御基板140、音声制御基板106およびランプ制御基板107とともにサブ制御部を構成する。
なお本形態では、図6に示すように、サブ制御基板90と盤側画像制御基板100とが盤側演出制御部(第1制御部に相当)CBを構成し、枠側画像制御基板140が枠側演出制御部(第2制御部に相当)CEを構成する。なお、盤側演出制御部CBによる盤側画像表示装置7の制御、および、枠側演出制御部CEによる枠側画像表示装置68の制御に関しては、後に詳述する。
また、上記の各種基板には、電源基板108から電力が供給されている(図5および図6参照)。なお、電源基板108にはバックアップ電源回路108Bがあるので、パチンコ遊技機1の電源がオフの場合でも各種基板のRAMには電力が供給されている。例えば、枠側画像制御基板140のRAM144にも電力が常時供給されており、このRAM144に格納された各種データ(例えば、後述する第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データ)が消えてしまうのを防ぐことが可能となっている。
図5に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンともいう)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するための制御用プログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、および、ROM83に記憶(格納)された制御用プログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70aおよび普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の進退部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43bおよび普図保留表示器44が接続されている。即ち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。
なお、遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また、主制御基板80は、RAMクリアスイッチ89を備えている(図5参照)。RAMクリアスイッチ89は、主制御基板80を保護する保護カバー(主基板ケース)から露出しており、本パチンコ遊技機1の機裏側に操作可能な状態で配置されている(図4参照)。このため、主制御基板80から保護カバーを外すことなく、機裏側からRAMクリアスイッチ89を操作(押圧)して、主制御基板80のRAM84から遊技に関する遊技情報を消去(クリア)することが可能となっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。即ち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、サブ制御基板90には、制御用プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンともいう)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、各種データを記憶(格納)しているROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、および、ROM93に記憶されている制御用プログラムを実行するCPU92(第1処理手段に相当)が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。
また、サブ制御基板90には、DMA(ダイレクトメモリアクセス)コントローラ(転送手段に相当)96が実装されている。DMAコントローラ96は、CPU92の指令により、サブ制御基板90のROM93から後述する枠側画像制御基板140のRAM144にデータを直接転送することが可能である。なお、DMAコントローラ96によるデータの転送については、後に詳述する。
なお、本形態のROM93は、図7に示すように、第1盤側ROM制御記憶部93Dと第1盤側ROM演出記憶部93Eと第2盤側ROM制御記憶部93Bと第2盤側ROM演出記憶部93Cとを含んでいる。ROM93の第1盤側ROM制御記憶部93Dには、盤側画像表示装置7と、盤ランプ5と、枠ランプ66と、装飾可動体15と、音声制御基板106およびスピーカ67とを制御するための第1制御用プログラムが記憶されている。この第1制御用プログラムには、上記CPU92が処理するためのプログラム、および、後述する盤側画像制御基板100のCPU102が処理するためのプログラムが含まれている。
また、本形態のROM93の第1盤側ROM演出記憶部93Eには、盤側画像表示装置7の表示画面7aにて表示され得る第1表示演出用データ(第1演出用データの一例)が記憶されている。第1表示演出用データは、具体的には、キャラクタ、キャラクタ以外の物体ならびに図形などの画像であるオブジェクト画像や、文字、数字ならびに記号などの画像である文字画像や、背景画像といった画像データ、および、一連のストーリーを有する動画(映像)といった画像データである。また、後述するランプ類(盤ランプ5,枠ランプ66)の発光パターンデータの元になるランプ点灯用データ、後述する装飾可動体15の動作パターンデータの元になる可動体用データ、および、スピーカ67から出力する各種の音に関する音データが記憶されている。なお、これらランプ点灯用データ、可動体用データおよび音データはいずれも、第1演出用データの一例である。
また、本形態のROM93の第2盤側ROM制御記憶部93Bには、枠側画像表示装置68を制御するための第2制御用プログラムが記憶されている。つまり、第2制御用プログラムは、後述する枠側画像制御基板140のCPU142が処理を行うためのプログラムである。この第2制御用プログラムは、具体的には、後述する枠側画像制御メイン処理以外の処理(例えば、後述の受信割り込み処理(S9012)やタイマ割り込み処理(S9013))に用いるためのプログラムである。この第2制御用プログラムは、上記DMAコントローラ96によって転送される転送用データである。
また、本形態のROM93の第2盤側ROM演出記憶部93Cには、枠側画像表示装置68の表示画面68aにて表示され得る第2表示演出用データが記憶されている。この第2表示演出用データは、具体的には、第1表示演出用データと同じように、キャラクタ、キャラクタ以外の物体ならびに図形などの画像であるオブジェクト画像や、文字、数字ならびに記号などの画像である文字画像や、背景画像といった画像データ、および、一連のストーリーを有する動画(映像)といった画像データである。この第2表示演出用データは、上記DMAコントローラ96によって転送される転送用データである。
サブ制御基板90には、盤側画像制御基板100、枠側画像制御基板140、音声制御基板106およびランプ制御基板107が接続されている。
盤側画像制御基板100には、画像データを展開するためのワークメモリとして使用されるRAM104、ROM93に記憶されている制御用プログラムを実行するCPU102、および、盤側画像表示装置7に画像を表示するVDP(Video Display Processor)105が実装されている。
なお、盤側画像表示装置7の表示制御についてみると、盤側画像表示装置7を制御するための第1制御用プログラムは、盤側演出制御部CBをなしている上記サブ制御基板90のROM93(第1盤側ROM制御記憶部93D)に、また、盤側画像表示装置7が用いる第1表示演出用データは、盤側演出制御部CBをなしている上記サブ制御基板90のROM93(第1盤側ROM演出記憶部93E)にそれぞれ格納されている。そして、上記サブ制御基板90のCPU92、および、このCPU92から表示演出に関するコマンド(例えば、後述の変動演出開始コマンド)を受信する盤側画像制御基板100のCPU102が盤側画像表示装置7の表示制御を行う。つまり本形態では、盤側演出制御部CBが盤側画像表示装置7の表示制御を行う構成となっている。
また、枠側画像制御基板140には、RAM144(第2記憶手段に相当)、ROM143、RAM144とROM143とに記憶されている制御用プログラムを実行するCPU142(第2処理手段に相当)、および、枠側画像表示装置68に画像を表示するVDP(Video Display Processor)145が実装されている。RAM144は、画像データを展開したり、第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データを格納したりするためのメモリである。またROM143には各種データが記憶(格納)されている。
ROM143には、枠側ROM制御記憶部143Bがある(図7参照)。枠側ROM制御記憶部143Bには、枠側画像表示装置68を制御するための制御プログラムのうち、上述した第2制御用プログラムとは異なるメイン処理用プログラムが記憶されている。このメイン処理用プログラムは、後述する枠側画像制御メイン処理に用いるプログラムである。
またRAM144には、枠側RAM制御記憶部144Bおよび枠側RAM演出記憶部144Cがある(図7参照)。枠側RAM制御記憶部144Bは、上述の第2制御用プログラムを記憶(格納)するための記憶領域である。また、枠側RAM演出記憶部144Cは、上述の第2演出用プログラムを記憶(格納)するための記憶領域である。
またRAM144には、バックアップ電源回路108Bを含む電源基板108によって電力が常時供給されている。このため、RAM144に格納されている各種データ(第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データ)は消去されずに維持可能となっている。
なお、枠側画像表示装置68の表示制御についてみると、この枠側画像表示装置68を制御するための第2制御用プログラム、および、枠側画像表示装置68が用いる第2表示演出用データはいずれも、枠側演出制御部CEをなしている枠側画像制御基板140のRAM144に格納されている。そして、上述したように、上記枠側画像制御基板140のCPU142が枠側画像表示装置68の表示制御を行う。つまり本形態では、枠側演出制御部CEが枠側画像表示装置68の表示制御を行う構成となっている。
また、音声制御基板106は、音声、楽曲、効果音等の各種の音についての音データに基づいてスピーカ67に信号を出力する。なお、音データは、第1盤側ROM演出記憶部93Eに格納されている。スピーカ67は、音声制御基板106からの出力信号に応じた音を出力する。盤側演出制御部CBのCPU92は、上記音声制御基板106およびスピーカ67を用いて、音声、楽曲、効果音等の各種の音に関する演出を実行可能である。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音データを格納してもよい。
また、盤側演出制御部CBのCPU92は、ランプ制御基板107を介して、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプを用いた点灯演出を実行可能である。点灯演出を実行する場合には、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。発光パターンデータの作成には、第1盤側ROM演出記憶部93Eに格納されているランプ点灯用データを用いる。
さらに、盤側演出制御部CBのCPU92は、ランプ制御基板107に接続された装飾可動体15を用いた動作演出を実行可能である。動作演出を実行する場合には、盤側演出制御部CBのCPU92は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成には、第1盤側ROM演出記憶部93Eに格納されている可動体用データを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、十字ボタン検出スイッチ63xが接続されている。十字ボタン検出スイッチ63xは、4つの方向ボタン63U,63D,63L,63Rに各々対応した4つの検出スイッチ(図示しない)からなる。このため、各方向ボタン63U,63D,63L,63Rのいずれかが押下されると、十字ボタン検出スイッチ63xからサブ制御基板90に対して、押下された方向ボタンに関する信号が出力される。
ここで、図7を用いて、盤側演出制御部CBおよび枠側演出制御部CEの処理について説明する。盤側演出制御部CBのCPU92は、ROM93(第1盤側ROM制御記憶部93D)から第1制御用プログラムを読み出す(図7中の第1盤側ROM制御記憶部93DからCPU92に向かう実線矢印)。そして、主制御基板80から演出の実行に関するコマンド(例えば、後述の変動開始コマンド)を受信して、盤側画像表示装置7を用いる表示演出を実行する場合には、盤側画像制御基板100のCPU102に盤側画像表示装置7を用いる表示演出に関するコマンド(例えば、後述の変動演出開始コマンド)を出力する(図7中のCPU92からCPU102に向かう破線矢印)。上記コマンドを受信した盤側画像制御基板100のCPU102は、第1制御用プログラムに基づき、盤側画像表示装置7に表示させる画像の詳細情報を含んだ情報をVDP105に出力する(図中のCPU102からVDP105に向かう破線矢印)。VDP105は、その情報に基づいてROM93(第1盤側ROM演出記憶部93E)から第1表示演出用データを読み出す。そして、読み出した第1表示演出用データに基づき、画像に関するデータを盤側画像表示装置7に送信する(図中のVDP105から盤側画像表示装置7に向かう破線矢印)。これにより、盤側画像表示装置7が表示画面7a上に画像を表示する。
また、盤側演出制御部CBのCPU92は、主制御基板80から演出の実行に関するコマンドを受信して、盤ランプ5および枠ランプ66の少なくとも一方を用いた点灯演出を実行する場合には、上記第1制御用プログラムに基づき、第1盤側ROM演出記憶部93Eから上記ランプ点灯用データを読み出す(図7中の第1盤側ROM演出記憶部93EからCPU92に向かう実線矢印)。そして、読み出したランプ点灯用データに基づき、ランプ制御基板107に発光パターンデータを送信する(図中のCPU92からランプ制御基板107に向かう破線矢印)。これにより、盤ランプ5および枠ランプ66の少なくとも一方が発光パターンデータに応じた点灯態様で点灯する。
また、盤側演出制御部CBのCPU92は、主制御基板80から演出の実行に関するコマンドを受信して、装飾可動体15を用いた動作演出を実行する場合には、上記第1制御用プログラムに基づき、第1盤側ROM演出記憶部93Eから上記可動体用データを読み出す。そして、読み出した可動体用データに基づき、ランプ制御基板107に動作パターンデータを送信する。これにより、装飾可動体15が動作パターンデータに応じた動作態様で動作する。
また、盤側演出制御部CBのCPU92は、主制御基板80から演出の実行に関するコマンドを受信して、音演出を実行する場合には、上記第1制御用プログラムに基づき、第1盤側ROM演出記憶部93Eから上記音データを読み出す。そして、読み出した音データを音声制御基板106に送信する(図7中のCPU92から音声制御基板106に向かう破線矢印)。これにより、音声制御基板106およびスピーカ67による音演出がなされる。
また、盤側演出制御部CBのCPU92は、上記第1制御用プログラムに基づき、枠側演出制御部CEのRAM144(枠側RAM制御記憶部144B,枠側RAM演出記憶部144C)に枠側第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データを転送開始する場合には、DMAコントローラ96にデータ転送の開始を指示する(図7中のCPU92からDMAコントローラ96に向かう破線矢印)。これにより、ROM93の第2盤側ROM制御記憶部93BからRAM144の枠側RAM制御記憶部144Bに第2制御用プログラムが、また、ROM93の第2盤側ROM演出記憶部93CからRAM144の枠側RAM演出記憶部144Cに第2演出用プログラムが直接転送される(図中の第2盤側ROM制御記憶部93Bおよび第2盤側ROM演出記憶部93Cから、枠側RAM制御記憶部144Bおよび枠側RAM演出記憶部144Cに向かう太線矢印)。
なおこのとき、盤側演出制御部CBのCPU92は、枠側演出制御部CEのCPU142に停止を指示する(図7中のCPU92からCPU142に向かう破線矢印)。これにより、枠側画像制御基板140のCPU142は、盤側演出制御部CBのCPU92から動作開始の指示がくるまで、実質的に動作を停止する。
データ転送が完了したら、DMAコントローラ96は、盤側演出制御部CBのCPU92に転送完了についての信号を出力する(図7中のDMAコントローラ96からCPU92に向かう破線矢印)。これにより、上記CPU92は、枠側演出制御部CEのCPU142に動作開始を指示する。そして、この指示を受けた枠側演出制御部CEのCPU142は、処理(動作)を開始する。なお、データ転送に関する処理については、後ほど詳述する。
また、枠側演出制御部CEのCPU142は、ROM143(枠側ROM制御記憶部143B)およびRAM144(枠側RAM制御記憶部144B)から第2制御用プログラムを読み出す(図7中の枠側ROM制御記憶部143Bおよび枠側RAM制御記憶部144BからCPU142に向かう実線矢印)。そして、盤側演出制御部CBのCPU92が主制御基板80から演出の実行に関するコマンドを受信して、枠側画像表示装置68を用いる表示演出を実行する場合には、盤側演出制御部CBのCPU92は、枠側演出制御部CEのCPU142に枠側画像表示装置68を用いる表示演出に関するコマンド(例えば、後述の変動演出開始コマンド)を出力する(図7中のCPU92からCPU142に向かう破線矢印)。上記コマンドを受信した枠側画像制御基板140のCPU142は、読み出した第2制御用プログラムに基づき、枠側画像表示装置68に表示させる画像の詳細情報を含んだ情報を枠側演出制御部CEのVDP145に出力する(図中のCPU142からVDP145に向かう破線矢印)。
上記VDP145は、その情報に基づいてRAM144の枠側RAM演出記憶部144Cから第2表示演出用データを読み出す(図7中の枠側RAM演出記憶部144CからVDP145に向かう実線矢印)。そして、読み出した第2表示演出用データに基づき、画像に関するデータを枠側画像表示装置68に送信する(図中のVDP145から枠側画像表示装置68に向かう破線矢印)。これにより、枠側画像表示装置68が表示画面68a上に画像を表示する。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「ハズレ」とがある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図8および図9に示す通りである。図8および図9に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で第1大入賞装置31の開閉部材32、および、第2大入賞装置36の開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32および開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、図9に示すように、「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rである。1R目から13R目までの各ラウンドおよび15R目は、1R当たり最大25.0秒にわたって第1大入賞口30を開放する。また14R目および16R目の各ラウンドは、1R当たり最大25.0秒にわたって第2大入賞口35を開放する。なお振分部材71は後述するように、大当たり遊技(又はラウンド遊技)の開始から一定の周期で変動しているので、14R目および16R目の各ラウンドでは、第2大入賞口35を通過した遊技球を第2大入賞口35内の特定領域39へ通過させることが可能である。
これに対して、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1R目から13R目までの各ラウンドは、1R当たり最大25.0秒にわたって第1大入賞口30を開放するが、15R目は、1R当たり0.08秒しか第1大入賞口30を開放しない。また14R目および16R目の各ラウンドは、1R当たり0.08秒しか第2大入賞口35を開放しない。従って、このVショート大当たりでは14R目から16R目までの各ラウンドは、各大入賞口30,35の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける14R目および16R目の各ラウンドでは、後述するように、仮に遊技球が第2大入賞口35を通過してもその遊技球が特定領域39を通過することができないタイミングで、第2大入賞装置36の開閉部材37を開放する。このため、Vショート大当たりにおける14R目および16R目の各ラウンドでは、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図8に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが60%、Vショート大当たりが40%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。即ち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「特図変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、例えば、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。
また、特図変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、普通図柄乱数(当たり乱数)および普図変動パターン乱数がある。このうち普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普図変動パターン乱数は、普通図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。即ち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(即ち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。即ち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことが可能である。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。即ち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。即ち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う。つまり、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。
また時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。即ち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。一方、本形態では、時短状態でも非時短状態でも、補助遊技における電チュー22の開放回数は同じである。即ち、時短状態では電チュー22の開放回数増加機能が作動していない。なお時短状態では、電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしても良い。
かくして、普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および、電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことが可能となっている。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
なお高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記した複数の機能が作動するものでなくてもよい。即ち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および、電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態、即ち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に「低確低ベース状態」(あるいは「通常遊技状態」)という。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進めることが可能である。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放され易くなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることが可能である。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進めることが可能である。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることが可能である。
5.遊技制御用マイコン81の動作
次に図10〜図12に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。
[主制御メイン処理]主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず後述する電源投入時処理を行う(ステップS001)。この電源投入時処理(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
次いで割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、種々の上記乱数に応じた乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、後述するメイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。即ち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[電源投入時処理]図11に示すように、電源投入時処理(S001)ではまず、CPU82に内蔵されたウォッチドッグタイマを有効に設定する(S011)。このウォッチドッグタイマは、CPU82の動作(システム)を監視するためのものであり、一定期間にクリアされないときにはCPU82にリセットがかかる。
続いて、主制御基板80のRAMクリアスイッチ89が操作されているか否かを判定する(S012)。この判定は、主制御基板80のRAMクリアスイッチ89が操作され、その操作信号(検出信号)がCPU82に入力されているか否かにより行われる。検出信号が入力されているときにはRAMクリアスイッチ89が操作されていると判定し、一方、検出信号が入力されていないときにはRAMクリアスイッチ89が操作されていないと判定する。
ステップS012で、RAMクリアスイッチ89が操作されていると判定した場合には(S012でYES)、RAMクリアフラグをONにセットして(S013)、ステップS014に進む。一方、RAMクリアスイッチ89が操作されていない場合には(S012でNO)、そのままステップS014に進む。RAMクリアフラグは、主制御基板80のRAM84に記憶されている遊技情報を消去するか否かを示すフラグであり、遊技情報を消去するときに「ON」、遊技情報を消去しないときに「OFF」がそれぞれセットされる。
ステップS014では、RAM84へのアクセスを許可する設定を行う。この設定によりRAM84へのアクセス、例えば遊技情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができるようになる。
続いて、RAMクリアフラグがONか否かを判定する(S015)。RAMクリアフラグがONの場合、つまり遊技情報を消去する場合には(S015でYES)、RAM84の全領域を消去(クリア)し(S016)、初期設定としてRAM84の作業領域を設定する(S017)。具体的には、ROM83から読み出された初期情報がRAM84の作業領域にセットされる。続いて、RAMクリアコマンドの作成を行う(S018)。このRAMクリアコマンドは、RAM84をクリアして初期設定を行った旨をサブ制御基板90に報知するためのコマンドである。作成したRAMクリアコマンドは、送信情報としてRAM84の出力バッファにセットされる。その後、RAMクリアフラグをOFFして(S019)、本処理を終了する。
一方、ステップS015でRAMクリアフラグがONではない場合、つまり遊技情報を消去しない場合には(S015でNO)、チェックサムの実行によるチェックサム値や電源断信号を用いた異常診断などを含むその他の処理を行って(S020)、本処理を終了する。なお、その他の処理(S020)にて異常と診断した場合には、上述したステップS016〜S018を行うようにしてもよい。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン81は、図12に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン81は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種類を決めるための大当たり種別乱数、演出図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。
次に、遊技制御用マイコン81は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図5参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ20a又は第2始動口センサ21aがONしていれば、ONした始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数)を取得する。また、ゲートセンサ28aがONしていれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ処理にて取得した大当たり乱数等の乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を報知するための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種類に応じた所定の開放パターン(図9に示す開放回数や開放時間)に従って第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通図柄当たりに当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターンに従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板90等に出力する出力処理(S106)を行う。
6.盤側演出制御部CBの動作
[サブ制御メイン処理]次に図13〜図17に基づいて盤側演出制御部CBの動作について説明する。なお、盤側演出制御部CBの動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。盤側演出制御部CBのCPU92は、パチンコ遊技機1の電源がONされると、ROM93の第1盤側ROM制御記憶部93Dから図13および図14に示したサブ制御メイン処理の第1制御用プログラムを読み出して実行する。サブ制御メイン処理ではまず図13に示すCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定などを行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94の内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化する(S4003)。一方、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94の内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なおRAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタの値はリセットされる。
次いで、盤側演出制御部CBのROM93に格納されている転送用データ(第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データ)に関する第1チェックサム値を算出する(S4004)。具体的には、ROM93の第2盤側ROM制御記憶部93Bに格納されている第2制御用プログラムを対象としてチェックサムを行い、それにより算出した算出値を第1チェックサム値とする。なお本形態の「チェックサムを行う」とは、第2制御用プログラムを数値とみなしてその総計を算出することをいう。CPU92は、算出した第1チェックサム値をRAM94の所定の記憶領域に格納する。
続いて、CPU92は、第2チェックサム値を盤側演出制御部CBに出力するよう枠側演出制御部CEに要求する(S4005)。具体的には、そのような要求を示す要求信号を枠側演出制御部CEに出力する。なお、その要求信号を受信した場合の枠側演出制御部CEのCPU142の処理については、後に詳述する。
続いて、ステップS4006では、枠側演出制御部CEから第2チェックサム値を受信したかどうかの判定を受信まで繰り返し、第2チェックサム値を受信したら(S4006でYES)、ステップS4007に進む。
ステップS4007では、受信した第2チェックサム値と上記の第1チェックサム値とが一致するか否かを判定する。第1チェックサム値と第2チェックサム値とが一致している場合には(S4007でYES)、CPU92は、一連の初期設定を完了して後述する枠側画像制御メイン処理のステップS9008に進むことを枠側演出制御部CEに指示する信号(初期設定完了指示信号)を出力して(S4008)、後述するステップS4015に進む。なお、その信号を受信した場合の枠側演出制御部CEのCPU142の処理については、後に詳述する。
一方、第1チェックサム値と第2チェックサム値とが一致しない場合には(S4007でNO)、後述のステップS4009に進む。なお、第1チェックサム値と第2チェックサム値とが一致しない場合としては、例えば、遊技盤2の交換(機種の変更)によって、交換後の遊技盤2に設置されている盤側演出制御部CBのROM93(第2盤側ROM制御記憶部93B)に格納されている第2制御用プログラムと、枠側演出制御部CEのRAM144に格納されている第2制御用プログラムとが互いに異なっている場合が挙げられる。このような場合、交換後の盤側演出制御部CBのROM93に格納されている第2制御用プログラムを対象とした上記チェックサムによる結果と、枠側演出制御部CEのRAM144に格納されている第2制御用プログラムを対象とした上記チェックサムによる結果とは異なることになる。また例えば、枠側演出制御部CEのRAM144に格納されている第2制御用プログラムが、外的要因(例えば、ノイズの発生)によって一部破損してしまった場合が挙げられる。このような場合でも、盤側演出制御部CBのROM93に格納されている第2制御用プログラムを対象とした上記チェックサムによる結果と、枠側演出制御部CEのRAM144に格納されている第2制御用プログラムを対象とした上記チェックサムによる結果とは異なることになる。
ステップS4009では、CPU92は、枠側演出制御部CEのCPU142に動作の停止を指示する。具体的には、そのような指示に関する信号を枠側演出制御部CEに出力する。なお、その信号を受信した場合の枠側演出制御部CEのCPU142の処理については、後に詳述する。
続いて、CPU92は、盤側画像表示装置7を用いて、DMAコントローラ96によって転送用データ(第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データ)が転送中である旨の表示を開始して(S4010)、転送用データの転送の開始をDMAコントローラ96に指示する(S4011)。これにより、盤側画像表示装置7の表示画面7a上に「転送中」の文字列画像(図示しない)が表示されて、DMAコントローラ96が、図7の太字矢印に示すように、盤側演出制御部CBのROM93から枠側演出制御部CEのRAM144に上記転送用データを直接転送する。つまり本形態では、転送用データは、図7に示すように、盤側演出制御部CBのCPU92、CPU102、および、枠側演出制御部CEのCPU142を介さずに、ROM93からRAM144に転送される。
ステップS4012では、転送データの転送が完了したことを示す信号をDMAコントローラ96から受信したかどうかの判定を、当該信号を受信するまで繰り返す。そして、当該信号を受信したら(S4012でYES)、続いて、枠側画像制御基板140のCPU142に動作の開始を指示する(S4013)。具体的には、そのような指示に関する信号を枠側演出制御部CEに出力する。なお、その信号を受信した場合の枠側演出制御部CEのCPU142の処理については、後に詳述する。
その後、盤側画像表示装置7を用いた転送中の表示を終了して(S4014)、後述するステップS4015に進む。
図14に示すステップS4015では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4016)。この乱数シード更新処理(S4016)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。また乱数の更新方法としては、1回の更新に際して乱数値を1加算する方法を行う。なお、1回の更新に際して乱数値を1加算するのではなく、2加算するなどしてもよい。
乱数シード更新処理(S4016)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4017)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、同じ盤側演出制御部CB内の盤側画像制御基板100や枠側演出制御部CEに送信する。コマンドを受信した盤側画像制御基板100のCPU102は、コマンドに従い盤側画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出およびエンディング演出)等)を実行する。枠側演出制御部CEのCPU142は、受信したコマンドに従い枠側画像表示装置68を用いて各種の演出を実行する。
続いて、演出制御用マイコン91は割り込みを許可する(S4018)。以降、ステップS4015〜S4018をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4019)、2msタイマ割り込み処理(S4020)、および、後述する10msタイマ割り込み処理(S4021)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4019)では、主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力された場合には、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94に格納する。なお、この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4020,S4021)に優先して実行される。また、2msタイマ割り込み処理(S4020)は、CPU92に2msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。この2msタイマ割り込み処理では、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力したり、装飾可動体15を駆動するための駆動データの作成および出力を行ったり、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行ったりする。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4021)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図15に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4021)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。
続いて、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成するランプ処理(S4302)、および、音声制御基板106およびスピーカ67を用いて音を出力する音声制御処理(S4303)を行う。そして、演出決定用乱数を更新するなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図16に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、CPU92は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行う。次に、主制御基板80から変動停止コマンド(特別図柄の変動時間が経過したときに生成されるコマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば(S4403でYES)変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、盤側画像表示装置7の表示画面7aに示す演出図柄可変表示演出を終了して演出図柄を停止表示させたり、枠側画像表示装置68の表示画面68aに示す演出を終了させたりする。
続いて、主制御基板80からオープニングコマンド(大当たり遊技の開始の際に生成されるコマンド)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば(S4405でYES)、大当たり遊技演出選択処理(S4406)を行う。大当たり遊技演出選択処理(S4406)では、オープニングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出と、大入賞口30の開放中および開放間のインターバル中に実行する開放遊技演出とを含む大当たり遊技演出の演出パターン(演出内容)を選択する。そして、選択した演出パターンにて大当たり遊技演出を開始するための大当たり遊技演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
次に、主制御基板80からエンディングコマンド(大当たり終了処理の際に生成されるコマンド)を受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば(S4407でYES)エンディング演出選択処理を行う(S4408)。そしてステップS4409では、その他の処理として上記コマンド以外のコマンド(例えば、普通図柄の変動開始時又は変動停止時に生成される各コマンド)の受信に基づく処理を行って、本処理を終える。
[変動演出開始処理]図17に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、変動開始コマンドを解析する(S4601)。変動開始コマンドには、メイン側タイマ割り込み処理の特別動作処理(S104)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。この変動パターンの情報には、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての演出図柄を指定する図柄情報等が含まれている。
続いて、変動演出パターンの選択を行う(S4602)。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動パターンの種類などに応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、変動演出の演出時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
次いで演出制御用マイコン91は、選択した演出図柄および変動演出パターンにて演出図柄変動演出を開始するための、盤側画像制御基板100用の変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4603)。また、枠側画像制御基板140用の変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4604)。そして、本処理を終了する。
7.枠側演出制御部CEの動作
[枠側画像制御メイン処理]次に、図18に基づいて枠側演出制御部CEの動作について説明する。枠側演出制御部CEのCPU142は、図18に示す枠側画像制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。なお、枠側演出制御部CEは、この枠側画像制御メイン処理の制御用プログラムをROM143の枠側ROM制御記憶部143Bに格納している。
枠側画像制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S9001)。CPU初期化処理(S9001)では、スタックの設定、定数設定、CPU142の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定などを行う。
続いて、RAM144に格納されている第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データに関する第2チェックサム値を算出する(S9002)。具体的には、RAM144の枠側RAM制御記憶部144Bに格納されている第2制御用プログラムを対象としてチェックサムを行い、それにより算出した算出値を第2チェックサム値とする。CPU142は、算出した第2チェックサム値をRAM144の所定の記憶領域に格納する。
続いて、ステップS9003では、盤側演出制御部CBから第2チェックサム値を要求する上記要求信号を受信したかどうかの判定を、当該要求信号の受信まで繰り返す。そして、当該要求信号を受信したら(S9003でYES)、第2チェックサム値を盤側演出制御部CBに出力する(S9004)。
続いて、ステップS9005では、盤側演出制御部CBから、CPU142を停止する指示に関する信号を受信したかどうかを判定する。CPU停止指示に関する信号を受信していない場合には(S9005でNO)、続いて、盤側演出制御部CBから上記初期設定完了指示信号を受信したかどうかを判定する(S9006)。初期設定完了指示信号を受信していない場合には(S9006でNO)、盤側演出制御部CBからCPU停止指示に関する信号又は初期設定完了指示信号を受信するまで上記ステップS9005およびステップS9006を順に繰り返す。CPU停止指示に関する信号を受信した場合には(S9005でYES)、ステップS9007に進む。また、初期設定完了指示信号を受信した場合には(S9006でYES)、後述するステップS9008に進む。
ステップS9007では、サブ制御基板90からCPU動作開始指示に関する信号を受信したかどうかの判定を、当該信号を受信するまで繰り返す。そして、CPU動作開始指示に関する信号を受信したら(S9007でYES)、後述するステップS9008に進む。なお本形態では、図18に示すように、サブ制御基板90からCPU停止指示があってから(具体的には、CPU停止指示に関する信号を受信してから)、CPU動作開始指示があるまで(具体的には、CPU動作開始指示に関する信号を受信するまで)の間、枠側演出制御部CEのCPU142は、上記ステップS9007の処理を繰り返している。即ち、CPU142は、CPU停止指示を受けたら、CPU動作開始指示を待機している状態となり、それ以外の処理、例えば、後述するステップS9008に進んでステップS9008〜S9013の処理を行う様な動作を実質上停止している。
ステップS9008では、割り込みを禁止して、乱数シード更新処理を実行する(S9009)。続いて、コマンド送信処理を実行して(S9010)、割り込みを許可する(S9011)。以降、ステップS9008〜S9011をループさせる。割り込み許可中においては、サブ制御メイン処理と同じような受信割り込み処理(S9012)、および、サブ制御基板90から受信した各種コマンドに応じて、枠側画像表示装置68を用いた画像演出を実行する受信コマンド解析処理を含むタイマ割り込み処理(S9013)の実行が可能となっている。
8.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技盤2に設けられた盤側演出制御部CBは、上記ステップS4007の処理における判定結果に基づいて、上記転送用データ(枠側画像表示装置68用の第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データ)を、盤側演出制御部CBのROM93から枠側演出制御部CEのRAM144に転送する。このため、遊技盤2が別の機種の遊技盤2に交換された場合であっても、転送用データを転送した後のパチンコ遊技機1においては、遊技機枠50の枠側画像表示装置68を用いて、交換後の遊技盤2に対応する機種の演出を実行することが可能である。
具体的には例えば、遊技盤2を交換する前の本パチンコ遊技機1が、サルを模したキャラクタを主人公とした機種の遊技機であるとする。即ち、図19(a)に示すような、特別図柄の可変表示中、盤側画像表示装置7の表示画面7a上に、サルを模したキャラクタを含む背景画像G1が表示されるとともに、枠側画像表示装置68の表示画面68a上に、サルのキャラクタと文字列「チャンス!」とを含むオブジェクト画像G2が表示され得る遊技機であるとする。つまり、図19(a)に示すように、遊技盤2を交換する前の本パチンコ遊技機1は、盤側画像表示装置7でも枠側画像表示装置68でも、同じキャラクタが表示され得る遊技機となっている。
このようなパチンコ遊技機1において、例えば、遊技盤2を、宇宙をモチーフとした機種の遊技盤2に交換しても、図19(b)に示すような、宇宙空間を示す背景画像H1が盤側画像表示装置7の表示画面7a上に表示されるとともに、UFOと文字列「チャンス!」とを含むオブジェクト画像H2が枠側画像表示装置68の表示画面68a上に表示され得る。即ち、本パチンコ遊技機1では、遊技盤2の交換後に電源をオンすると、盤側演出制御部CBのCPU92は上述したステップS4007の処理でNOと判定する。さらに、盤側演出制御部CBのCPU92は、上述したステップS4011の処理で、遊技盤2側のROM93に格納されている転送用データをDMAコントローラ96に転送させる。このため本パチンコ遊技機1では、遊技盤2の交換があったとしても、枠側画像表示装置68の表示画面68a上に遊技盤2の機種に応じた画像が表示される。
かくして、遊技機枠50に設けられた枠側演出制御部CEをなす枠側画像制御基板140(或いはRAM144単体)の交換作業を伴うことなく、枠側画像表示装置68を用いた演出を交換後の遊技盤2に対応する機種の演出に変えることが可能である。即ち、枠側演出制御部CEのRAM144等の部品を交換することなく、遊技機枠50を別の機種に流用し得るパチンコ遊技機1とすることが可能となっている。
また、例えばノイズの発生といった外的要因に伴って、RAM144に格納されている第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データの一部が破損した場合に、その後の転送によって、正常な第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データをRAM144に格納させることが可能となっている。
以上により、遊技機枠50側の枠側演出制御部CEのCPU142に利用される第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データが適当なものでなくなるのを抑制可能となっている。
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、転送の際に、DMAコントローラ96を用いて、盤側演出制御部CBのROM93から枠側演出制御部CEのRAM144に第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データを直接転送することが可能である。よって、盤側演出制御部CBのCPU92,CPU102や枠側演出制御部CEのCPU142を介して転送するよりも、第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データの転送時間を短縮することが可能である。また、盤側演出制御部CBのCPU92は、CPU停止指示、DMAコントローラ96を用いた転送処理、および、CPU開始指示によって、DMAコントローラ96によるデータ転送中に、枠側演出制御部CEのCPU142の処理を実質的に停止することが可能となっている。よって、第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データの転送中に、枠側演出制御部CEのCPU142による処理エラーが発生するのを防ぐことが可能である。
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、ステップS4007の処理で、チェックサムの実行による上記第1チェックサム値と上記第2チェックサム値とが一致するか否かを判定する。このため、遊技盤2の交換時やRAM144に格納されているデータの破損があった場合に、第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データを転送することが可能である。
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈第2形態〉
図20および図21に基づいて本発明に係る第2形態のパチンコ遊技機201について説明する。上記の第1形態では、第1チェックサム値と第2チェックサム値とが一致するか否かを判定する処理を盤側演出制御部CBのCPU92が実行する構成とした。これに対して第2形態では、第1チェックサム値と第2チェックサム値とが一致するか否かを判定する処理を枠側演出制御部CEのCPU142が行う構成としている点で第1形態とは異なる。
[サブ制御メイン処理]まず、図14および図20を用いて、第2形態のサブ制御メイン処理について説明する。盤側演出制御部CBのCPU92は、図20に示すように、第1形態のサブ制御メイン処理と同様の上記ステップS4001〜S4004に続いて、ステップS4041では、枠側演出制御部CEから第1チェックサム値を要求する要求信号を受信するまで繰り返す。そして、枠側演出制御部CEから当該要求信号を受信したら(S4041でYES)、第1チェックサム値を出力する(S4042)。
続いて、ステップS4043では、ステップS4015に進むことを指示する初期設定完了指示が枠側演出制御部CEからあったかどうか(具体的には、そのような信号(初期設定完了指示信号)を受信したかどうか)を判定する。初期設定完了指示がない場合には(S4043でNO)、続いて、転送用データ(第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データ)を転送する要求(転送要求)が枠側演出制御部CEからあったかどうかを判定する(S4044)。具体的には、そのような転送要求に関する信号が枠側演出制御部CEから受信したかどうかを判定する。上記転送要求がない場合には(S4044でNO)、枠側演出制御部CEから初期設定完了指示又は転送要求があるまで繰り返す。初期設定完了指示があった場合には(S4043でYES)、上述した図14のステップS4015に進む。また、転送要求があった場合には(S4044でYES)、上述したステップS4009に進む。
かくして、第2形態のサブ制御メイン処理では、第1形態とは異なり、第1チェックサム値と第2チェックサム値とが一致するか否かを判定する処理を実行しない構成となっている。
[枠側画像制御メイン処理]また本形態では、枠側演出制御部CEのCPU142は、図21に示す枠側画像制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。図21に示すように、第1形態の枠側画像制御メイン処理と同様の上記ステップS9001, S9002に続いて、ステップS9041では、盤側演出制御部CBに第1チェックサム値を要求する要求信号を出力する。
続いて、ステップS9042では、盤側演出制御部CBから第1チェックサム値を受信したかどうかの判定を、第1チェックサム値を受信するまで繰り返す。そして、第1チェックサム値を受信したら(S9042でYES)、受信した第1チェックサム値と上記の第2チェックサム値とが一致するか否かを判定する(S9043)。第1チェックサム値と第2チェックサム値とが一致した場合には(S9043でYES)、盤側演出制御部CBに初期設定完了指示を出して(S9044)、上述したステップS9008に進む。一方、第1チェックサム値と第2チェックサム値とが一致しない場合には(S9043でNO)、転送用データの転送を要求する転送要求をサブ制御基板90に出力する。その後、上述したステップS9005に進み、盤側演出制御部CBからCPU停止指示があれば(S9005でYES)、上述したステップS9007に進む。
かくして、第2形態の枠側画像制御メイン処理では、第1形態とは異なり、上記のステップS9043にて、第1チェックサム値と第2チェックサム値とが一致するか否かを判定する構成となっている。
〈第3形態〉
図22および図23に基づいて本発明に係る第3形態のパチンコ遊技機301について説明する。上記の第1形態および第2形態では、チェックサムによる算出値(第1チェックサム値,第2チェックサム値)を用いた判定結果に基づいて転送用データを転送する構成とした。これに対して第3形態では、上記チェックサム値に代えて、遊技盤2に関するID情報を用いる点で第1形態および第2形態とは異なる。
[サブ制御メイン処理]まず、図14および図22を用いて、第3形態のサブ制御メイン処理について説明する。盤側演出制御部CBのCPU92は、図22に示すように、第1形態のサブ制御メイン処理と同様の上記ステップS4001〜S4003に続いて、ステップS4081では、枠側演出制御部CEに第2ID情報(旧遊技盤情報に相当)を要求する要求信号を出力する。第2ID情報とは、後述の枠側画像制御メイン処理(図23)のステップS9083で、枠側演出制御部CEのRAM144に格納した、先回の通電時における遊技盤2についてのID情報である。なお本形態では、ID情報とは、盤側演出制御部CBのCPU92のシリアルナンバである。
続いてステップS4082では、枠側演出制御部CEから第2ID情報を受信するまで繰り返して、その第2ID情報を受信したら(S4082でYES)、受信した第2ID情報と、盤側演出制御部CBのCPU92のシリアルナンバである第1ID情報(新遊技盤情報に相当)とが一致するか否かを判定する(S4083)。
第1ID情報と第2ID情報とが一致する場合には(S4083でYES)、遊技盤2の交換、つまり機種の変更がないので、上述したステップS4008に進む。そして、上記第1ID情報を枠側演出制御部CEに出力して(S4084)、上述したステップS4015に進む。
一方、第1ID情報と第2ID情報とが一致しない場合には(S4083でNO)、上述したステップS4009に進む。但し、ステップS4013とステップS4014との間に、上記第1ID情報を枠側演出制御部CEに出力するステップS4085を行う。
遊技盤2を交換した場合には、RAM144に格納されている第2ID情報(先回の通電時に格納した第1ID情報)と、今回の通電時における第1ID情報とは互いに異なることになる。従って、本形態では、ステップS4083にて第1ID情報と第2ID情報とが一致しない場合には、遊技盤2の交換があったものと判定して、転送用データ(第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データ)の転送を行うようにしている。即ち、遊技盤2を交換した遊技機301では、交換初回にあたる通電時に、枠側演出制御部CEのRAM144に転送用データを自動的に転送することが可能となっている。
[枠側画像制御メイン処理]また本形態では、枠側演出制御部CEのCPU142は、図23に示す枠側画像制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。図23に示すように、第1形態の枠側画像制御メイン処理と同様の上記ステップS9001に続いて、ステップS9081では、盤側演出制御部CBから第2ID情報についての要求信号を受信するまで繰り返す。そして、その要求信号を受信したら(S9081でYES)、第2ID情報を盤側演出制御部CBに出力する(S9082)。その後は、上述したステップS9005に進む。但し、ステップS9006,S9007とステップS9008との間に、盤側演出制御部CBから受信した上記第1ID情報を枠側演出制御部CEのRAM144における所定の記憶領域に格納する処理を行う(S9083)。なお、ここで格納した第1ID情報は、次の通電時には第2ID情報となる。
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機301によれば、上記ステップS4083において、先回の通電時に枠側演出制御部CEのRAM144に格納した盤側演出制御部CBのCPU92に関する第2ID情報と、今回の通電時における盤側演出制御部CBのCPU92に関する第1ID情報とを比較して、遊技盤2の交換の有無を判定する。即ち、第1ID情報と第2ID情報とが一致しない場合には、遊技盤2の交換があったものとし、第1ID情報と第2ID情報とが一致する場合には、遊技盤2の交換があったものとする。このため、遊技盤2を交換した遊技機301では、人為的な操作を伴わずに、上記のDMAコントローラ96による転送用データ(第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データ)の転送を行うことが可能となっている。なお、本形態の第2ID情報が示す「交換前の遊技盤に関する旧遊技盤情報」とは、「交換前の遊技盤に固有の旧固有識別情報」とも言い換えることが可能である。また、本形態の第1ID情報が示す「交換後の遊技盤に関する新遊技盤情報」とは、「交換後の遊技盤に固有の新固有識別情報」とも言い換えることが可能である。
〈その他の変更例〉
上記第1形態〜第3形態では、枠側演出制御部CEの記憶手段(第2記憶手段)として揮発性メモリであるRAM144を用いた形態とした。しかしながら、第2記憶手段は転送される第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データを格納可能な記憶手段であればよく、例えば、不揮発性メモリでもフラッシュメモリやEEPROMといった書き換え可能なものを用いてもよい。なお、第2記憶手段に不揮発性メモリを用いる場合には、当該第2記憶手段に電力を常時供給する必要がない。また、サブ制御基板90の記憶手段(第1記憶手段)として、書き換えが不可能なROM93を用いた形態とした。しかしながら、第1記憶手段として、書き換えが可能な記憶手段(RAM等の揮発性メモリや、フラッシュメモリ、EEPROMといった書き換え可能な不揮発性メモリ)を用いてもよい。このような場合には、例えば、第1制御部、第2制御部とは異なる制御部(基板)から転送されたデータ(第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データを少なくとも含む)を第1記憶手段に格納(記憶)した上で、その第1記憶手段から第2記憶手段に第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データを転送することが可能となる。
また上記第1形態〜第3形態では、第1処理手段として、2つのCPU92,CPU102を用いた形態を示した。しかしながら、1又は3つ以上のCPU(処理装置)を用いてもよい。また、第1処理手段として、1つのCPU142を用いた形態を示した。しかしながら、複数のCPU(処理装置)を用いてもよい。また、第1記憶手段として1つのROM93を用いた形態を示した。しかしながら、複数のROM(記憶装置)を用いてもよい。また、第2記憶手段として1つのRAM144を用いた形態を示した。しかしながら、複数のRAM(記憶装置)を用いてもよい。また、第1制御部を、2つの基板(サブ制御基板90および盤側画像制御基板100)で構成した盤側演出制御部CBを示した。しかしながら、第1制御部を1つの基板としてもよいし、3つ以上の基板で構成してもよい。また、第2制御部を、1つの基板(枠側画像制御基板140)からなる枠側演出制御部CEを示した。しかしながら、第2制御部を複数の基板で構成してもよい。
また上記第1形態,第2形態では、第1チェックサム値(第1算出値)および第2チェックサム値(第2算出値)を、上記転送用データのうち、第2制御用プログラムのみを対象としたチェックサムの算出値とした。しかしながら、第2表示演出用データのみを対象としたチェックサムの算出値や、第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データの両方を対象としたチェックサムの算出値としてもよい。
但しこのような場合、上記第1形態,第2形態と同様、第1算出値を算出するためのチェックサムの対象データと、第2算出値を算出するためのチェックサムの対象データとを同じにする。即ち、第1算出値が第1記憶手段に格納されている第2表示演出用データのみを対象としたチェックサムの算出値であれば、第2算出値は、第1算出値と同じく、第2記憶手段に格納されている第2制御用プログラムのみを対象としたチェックサムの算出値とする。また、第1算出値が第1記憶手段に格納されている第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データを対象としたチェックサムの算出値であれば、第2算出値は、第1算出値と同じく、第2記憶手段に格納されている第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データを対象としたチェックサムの算出値とする。
また、上記第1形態,第2形態では、第2制御用プログラムのみを対象としたチェックサムの算出値(第1チェックサム値,第2チェックサム値)を用いて、第1チェックサム値と第2チェックサム値とが一致しない場合には、第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データの両方を転送する構成を示した。しかしながら、上記第1チェックサム値および第2チェックサム値に加えて、第1記憶手段に格納されている第2表示演出用データ(第2演出用データ)を対象としたチェックサムの算出値(第3チェックサム値)、および、第2記憶手段に格納されている第2表示演出用データ(第2演出用データ)を対象としたチェックサムの算出値(第4チェックサム値)を算出する。そして、第1チェックサム値と第2チェックサム値とが一致しない場合には、転送用データのうち第2制御用プログラムのみを転送し、第3チェックサム値と第4チェックサム値とが一致しない場合には、転送用データのうち第2演出用データのみを転送する構成としてもよい。
また上記第1形態,第2形態では、チェックサムによる算出値(第1チェックサム値,第2チェックサム値)を用いた判定結果に基づき、また第3形態では、新遊技盤情報に該当する第1ID情報、および、旧遊技盤情報に該当する第2ID情報を用いた判定結果に基づき、データの転送を実行する構成を示した。しかしながら、例えば、遊技制御基板80におけるラムクリア処理が実行されたときに、転送を行うような構成としてもよい。この場合、具体的には、図5に示すRAMクリアスイッチ89の操作があった場合に、RAMクリアスイッチの操作に関するコマンドを遊技制御基板80が盤側演出制御部CBに出力する。盤側演出制御部CBは、そのコマンドを受信した場合には、上記第1形態に示すステップS4009以降の処理を実行するようにすればよい。なお、このような形態の場合には、電源投入から転送用データの転送までの間に、盤側演出制御部CBと枠側演出制御部CEとの間で信号の授受を必要としない。つまり、枠側演出制御部CEが電源投入時に盤側演出制御部CBのサブ制御メイン処理と同時に枠側画像制御メイン処理を行う必要がない。従って、このような場合には、ROM143が枠側演出制御部CEになく、枠側画像制御メイン処理に用いるプログラム(上記メイン処理用プログラム)を第2制御用プログラムに含む構成としてもよい。
また例えば、遊技者による操作ができないように機裏側に設けたスイッチを用いて、盤側演出制御部CB(第1制御部)が転送を行うような構成としてもよい。即ち、例えばホール関係者が上記スイッチを操作した場合には、その操作に基づいて、盤側演出制御部CB(第1制御部)が上記転送用データ(第2制御用プログラムおよび第2演出用データ)の転送を行うようにしてもよい。
また、タイマやRTC(Real Time Clock)といった計時手段を用いて、盤側演出制御部CB(第1制御部)が転送を行うような構成としてもよい。このような構成の場合、例えば、上記計時手段を用いて、所定の期間(具体的には、1日や2日や7日(1週間)や15日など)が経過する毎に、盤側演出制御部CB(第1制御部)が上記転送用データ(第2制御用プログラムおよび第2演出用データ)の転送を行うようにする。
また上記第1形態〜第3形態では、盤側演出制御部CBに設けたDMAコントローラ96によって転送を行う形態を示した。しかしながら、例えば、図24に示すように、盤側演出制御部CBにDMAコントローラ96を実装しない形態でもよい。このような形態の場合、盤側演出制御部CBのCPU92によって転送を行うようにすればよい。つまり、CPU92を介して転送用データ(第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データ)を転送する。
また上記第3形態では、盤側演出制御部CBにて第1ID情報と第2ID情報とを比較して遊技盤2の交換の有無を判定する構成を示した。しかしながら、枠側演出制御部CEで交換の有無を判定する構成としてもよい。
また上記第1形態〜第3形態では、第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データを一度に転送する形態を示した。しかしながら、第2制御用プログラムおよび第2表示演出用データの一方を転送したら、そのデータの転送完了後に、転送の完了を確認した上で、他方を転送する形態としてもよい。
また上記第1形態〜第3形態では、第2制御部を、遊技機枠50に設けた枠側画像表示装置68を制御する制御部(枠側演出制御部CE)とした。しかしながら、第2制御部を、スピーカ67および音声制御基板106を遊技機枠50に設けて、これらを制御する制御部としてもよい。この場合、スピーカ67および音声制御基板106が第2演出手段に当たる。また例えば、遊技機枠50に設けた枠ランプ66を制御する制御部としてもよい。この場合、枠ランプ66が第2演出手段に当たる。
また、第2制御部である枠側演出制御部CEが、スピーカ67および音声制御基板106を制御する制御部、および、枠ランプ66を制御する制御部の少なくとも一方を兼ねた形態でもよい。
また、遊技機枠に装飾可動体を設けた遊技機において、当該装飾可動体を制御する制御部が上記第2制御部であってもよい。この場合、遊技機枠に設けた装飾可動体が第2演出手段にあたる。
また上記第3形態では、ID情報として、盤側演出制御部CBのCPU92のシリアルナンバを用いた。しかしながら例えば、CPU92のシリアルナンバ以外に、遊技盤2に配置している盤側演出制御部CBにある装置(ハードウェア)に関する情報や、盤側演出制御部CBの記憶手段に格納されているデータIDを用いてもよい。また、上記第1形態で示した第1チェックサム値を用いてもよい。また、上記第3形態では、パチンコ遊技機301の電源をオンしたときの処理(具体的には、上記ステップS9083)で第1ID情報を記憶(格納)する構成を示した。しかしながら、遊技機の電源をオフするとき(電源断時)に、第1ID情報を記憶する構成としてもよい。
また上記第1形態〜第3形態では、特定領域39への遊技球の通過に基づいて高確率状態に移行させるパチンコ遊技機を例示したが、特別図柄の種類に応じて高確率状態に移行させるパチンコ遊技機や、いわゆる1種2種混合機、2種タイプの遊技機(羽根物タイプの遊技機)等、他の種類の遊技機としてもよい。
なお、上記した実施の形態には、以下の〈A〉,〈B〉,〈C〉および〈D〉の発明が示されている。以下に記す発明の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
〈A〉本発明に係る遊技機は、
枠状の遊技機枠(50)と、前記遊技機枠に取り付けられた遊技盤(2)と、を備え、
前記遊技盤は、遊技に関する演出に用いられる第1演出手段(例えば盤側画像表示装置7)、および、前記第1演出手段を制御するための第1制御部(盤側演出制御部CB)を備え、
前記遊技機枠は、前記第1演出手段とは別の第2演出手段(枠側画像表示装置68)、および、前記第2演出手段を制御するための第2制御部(枠側演出制御部CE)を備えている遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記第1制御部は、
前記第1演出手段を用いた演出のための第1制御用プログラムおよび第1演出用データと、前記第2演出手段を用いた演出のための第2制御用プログラムおよび第2演出用データ(第2表示演出用データ)とを格納している第1記憶手段(ROM93)と、
前記第1制御用プログラムを実行する第1処理手段(例えばCPU92)と、を有し、
前記第2制御部は、
前記第2制御用プログラムおよび前記第2演出用データを格納可能な第2記憶手段(RAM144)と、
前記第2記憶手段に格納された第2制御用プログラムを実行可能な第2処理手段(CPU142)と、を有し、
前記第1制御部および前記第2制御部の少なくとも一方は、
所定の転送条件が成立したか否かを判定する転送条件判定手段(S4007を実行するCPU92)を備え、
前記第1制御部は、
前記転送条件判定手段による判定結果に基づいて、前記第1記憶手段に格納されている前記第2制御用プログラムおよび前記第2演出用データを前記第2記憶手段に転送する転送手段(DMAコントローラ96)を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の発明によれば、遊技盤に設けられた第1制御部は、転送条件判定手段による判定結果に基づいて、遊技機枠側の第2演出手段用の第2制御用プログラムおよび第2演出用データを第1記憶手段から第2記憶手段に転送する。このため、遊技盤が別の機種の遊技盤に交換された場合であっても、データ転送後の遊技機においては、遊技機枠の第2演出手段を用いて、交換後の遊技盤に対応する機種の演出を実行することが可能となる。つまり、遊技機枠に設けられた第2制御部(第2記憶手段)の交換作業を伴うことなく、第2演出手段を用いた演出を交換後の遊技盤に対応する機種の演出に変えることが可能である。即ち、第2記憶手段等の部品を交換することなく、遊技機枠を別の機種に流用し得る遊技機とすることが可能である。また、例えばノイズの発生といった外的要因に伴って、第2記憶手段に格納されている第2制御用プログラムおよび第2演出用データの一部が破損した場合に、その後の転送によって、正常な第2制御用プログラムおよび第2演出用データを第2記憶手段に格納させることが可能である。かくして、遊技機枠側の処理手段に利用される第2制御用プログラムおよび第2演出用データが適当なものでなくなるのを抑制可能である。
〈B〉上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
前記転送手段は、ダイレクトメモリアクセスコントローラ(96)であり、
前記第1処理手段は、
前記第2処理手段による処理を停止させる処理停止手段(S4009を実行するCPU92)と、
前記転送条件判定手段による判定結果に基づいて、前記ダイレクトメモリアクセスコントローラに前記第2制御用プログラムおよび前記第2演出用データを転送させる転送指示手段(S4011を実行するCPU92)と、
前記第2処理手段による処理を開始させる処理開始手段(S4013を実行するCPU92)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
この構成の発明によれば、転送の際に、ダイレクトメモリアクセスコントローラ(DMAコントローラ)を用いて、第1記憶手段から第2記憶手段に第2制御用プログラムおよび第2演出用データを直接転送することが可能である。よって、第1処理手段や第2処理手段を介して転送するよりも、第2制御用プログラムおよび第2演出用データの転送時間を短縮することが可能である。また、第1処理手段は、上記の処理停止手段、転送指示手段および処理開始手段を備えるので、第2制御用プログラムおよび第2演出用データの転送中に、第2処理手段による処理エラーが発生するのを防ぐことが可能である。
〈C〉上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
前記転送条件判定手段は、
前記遊技盤の前記第1記憶手段に格納されている前記第2制御用プログラムおよび前記第2演出用データの少なくとも一方を対象データとするチェックサムの算出値である第1算出値(第1チェックサム値)と、前記遊技機枠の前記第2記憶手段に格納されている前記第2制御用プログラムおよび前記第2演出用データの少なくとも一方を対象データとするチェックサムの算出値である第2算出値(第2チェックサム値)とが一致するか否かを判定するものであることを特徴とする遊技機。
この構成の発明によれば、チェックサムの実行による上記第1算出値と上記第2算出値とが一致するか否かを判定するため、遊技盤の交換時や第2記憶手段に格納されているデータの破損があった場合に、第2制御用プログラムおよび第2演出用データを転送することが可能である。
〈D〉上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
前記転送条件判定手段は、前記遊技盤の交換を判定可能な盤交換判定手段(S4083を実行するCPU92)であり、
前記盤交換判定手段は、交換前の遊技盤に関する旧遊技盤情報(第2ID情報)と、交換後の遊技盤に関する新遊技盤情報(第1ID情報)とを比較して前記遊技盤の交換の有無を判定するものであることを特徴とする遊技機。
この構成の発明によれば、旧遊技盤情報と新遊技盤情報とを比較して遊技盤の交換の有無を判定するので、人為的な操作を伴わずに、第2制御用プログラムおよび第2演出用データを転送することが可能である。