JP2017006315A - ドライヤー - Google Patents

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裕一 佐久間
Yuichi Sakuma
裕一 佐久間
村上 淳
Atsushi Murakami
村上  淳
栄蔵 八木
Eizo Yagi
栄蔵 八木
隆正 山下
Takamasa Yamashita
隆正 山下
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Abstract

【課題】振動を抑制することで使用者の快適性を向上させたドライヤーを提供する。【解決手段】前後に延びる中心軸に沿って前方へ風を送り出すドライヤーであって、中心軸を中心とするシャフトを含むロータを有するモータと、シャフトの後側に取り付けられるインペラと、モータの径方向外側に位置し、モータを保持する筒状のモータ装着部と、モータをモータ装着部に取り付ける取付部と、モータ装着部の径方向外側を周方向に囲む筒状のドライヤーケースと、を備える。モータ装着部は、ドライヤーケースに固定される静翼を有する。取付部は、モータの前側の端部とインペラとの前後方向の間でモータ装着部に固定され、モータは、モータの前側の端部がモータ装着部に対して径方向に揺動可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、ドライヤーに関するものである。
例えば、下記特許文献1に示すように、ドライヤーに対するインナーロータ式のモータの固定構造が提案されている。
ドライヤーにおいて、インペラを回転させるためのモータとしてインナーロータ式のものを用いた場合、通常、ドライヤーのケースに対してステータの外周が固定される。このとき、ドライヤーの風量を増すために、例えば、モータを高速回転させると、モータの発熱を冷却しづらくなる。
そこで、例えば、下記特許文献2に示すようなアウターロータ方式のモータを用いることで、モータの発熱を冷却しやすくすることが考えられる。
特許第4674769号公報 特開2015−095920号公報
例えば、特許文献2に記載のモータにインペラを取り付けた場合、モータが片持ち支持された構造となる。ここで、インペラに動的アンバランスがある場合、モータのシャフトが振れ回る動き(以下、振れ回り運動という)をする。モータを片持ち支持した場合、インペラ及びモータを含むアッセンブリーには片持ちによる支持部を支点とし、インペラ側が径方向外側に変位した状態で回転する振れ回り運動が生じる。
ところで、一般にドライヤーでは使用状況によって風量を多くすることがある。風量を多くするには、ファン(モータ)の回転数を高くする必要がある。ファンの回転数を高くすると、インペラの動的アンバランスの影響が大きくなる。動的アンバランスの影響が大きくなると、振れ回り運動に起因した振動も大きくなる。このような振れ回り運動に起因する振動は、モータ固定部を介してドライヤーケースへと伝わる。そして、ドライヤーケースを介してドライヤーの使用者へと伝わり、使用者の快適性を損なわせるおそれがあった。
一般的に、片持ち支持の固定部を柔らかく支持する構造を採用することも考えられるが、この場合、モータ全体の振動がより大きく激しくなってしまう。つまり、片持ちで支持した構造を単純に柔らかくしても振動及び騒音を低減することが難しかった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、振動を抑制することで使用者の快適性を向上させたドライヤーを提供することを目的とする。
本願のドライヤーの例示的な一実施形態は、前後に延びる中心軸に沿って前方へ風を送り出すドライヤーであって、中心軸を中心とするシャフトを含むロータを有するモータと、シャフトの後側に取り付けられるインペラと、モータの径方向外側に位置し、モータを保持する筒状のモータ装着部と、モータをモータ装着部に取り付ける取付部と、モータ装着部の径方向外側を周方向に囲む筒状のドライヤーケースと、を備える。モータ装着部は、ドライヤーケースに固定される静翼を有する。取付部は、モータの前側の端部とインペラとの前後方向の間でモータ装着部に固定される。モータは、モータの前側の端部がモータ装着部に対して径方向に揺動可能である。
本発明によれば、振動を抑制することで使用者の快適性を向上させたドライヤーが提供される。
図1は、第1実施形態のドライヤーを示す断面図である。 図2は、第1実施形態のモータを示す断面図である。 図3は、本実施形態の振れ回り運動を説明するための図である。 図4は、第2実施形態のドライヤーを示す断面図である。 図5は、第2実施形態の内筒部を周方向に展開した展開図である。 図6は、第2実施形態の第1変形例におけるモータ装着部を示す展開図である。 図7は、第2実施形態の第2変形例におけるモータ装着部を示す展開図である。 図8は、第2実施形態の第3変形例におけるモータ装着部を示す展開図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態におけるドライヤーについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数等を、実際の構造における縮尺および数等と異ならせる場合がある。
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、X軸方向は、図1乃至8に示す中心軸Oの軸方向と平行な方向とする。Z軸方向は、X軸方向と直交する方向であって図1乃至8における紙面貫通方向とする。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向とする。
また、以下の説明においては、中心軸Oの延びる方向(X軸方向)を前後方向とする。X軸方向の負の方向(−X方向)を「前側方向」、「前側」または「前方」と呼び、X軸方向の正の方向(+X方向)を「後側方向」、「後側」または「後方」と呼ぶ。なお、前後方向、前側および後側とは、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係や方向を限定しない。また、特に断りのない限り、中心軸Oに平行な方向(X軸方向)を単に「前後方向」と呼び、中心軸Oを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Oを中心とする周方向(θZ方向)、すなわち、中心軸Oの軸周りを単に「周方向」と呼ぶ。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のドライヤー100を示す断面図である。また、図2は、モータ1を示す断面図である。本実施形態のモータ1は、アウターロータ式のブラシレスモータである。
図1に示すように、本実施形態のドライヤー100は、中心軸Oに沿って前方へ風を送り出すヘヤードライヤーである。ドライヤー100は、ドライヤーケース7と、該ドライヤーケース7内に空気を取り込むファン90とを備える。なお、本実施形態のドライヤー100は、ドライヤーケース7内のファン90よりも前側の空間に配置された加熱装置(不図示)を有し、ファン90によってケース内部に取り込んだ空気を加熱して温風として送り出す。ドライヤー100は、モータ1と、インペラ3と、モータ装着部50と、取付部6と、ドライヤーケース7と、を有する。
(ドライヤーケース)
ドライヤーケース7は、前側ケース7aと、中間ケース7bと、後側ケース7cとを有する。これら前側ケース7a、中間ケース7b及び後側ケース7cは、例えば、互いが嵌合することで一体化し、ドライヤー100の外装を構成する。
前側ケース7aは、前側ケース7aの前側に位置する温風を吹き出す吹出部110を有する。吹出部110は、温風を吹き出す吹出口110aを有する。前側ケース7aは、後側から前側(吹出部110側)に向かうにつれて内径が狭まる略筒状の部材である。
中間ケース7bは前側ケース7aの後側に配置され、ファン90の後側を覆う部材である。中間ケース7bは、ファン90に空気を導く導風口7b1を有する。
後側ケース7cは、中間ケース7bの後側に配置され、ドライヤーケース7の後側からドライヤーケース7の内部に空気を吸い込む吸込部111を有する。吸込部111は、空気を吸い込む吸込口111aを有する。
なお、ドライヤーケース7は、Z軸方向の負側の面にドライヤー100の使用者が把持するためのグリップ部を有する。
(ファン)
ファン90は、モータ1と、インペラ3と、モータ装着部50と、取付部6と、ドライヤーケース7の一部を構成する中間ケース7bと、を含む。
<モータ>
図2に示すように、モータ1は、ロータ2と、ステータ11と、ステータ支持部12と、軸受部13、14と、を備える。
ロータ2は、シャフト10と、シャフト10に固定される筒状のロータホルダ60と、ロータホルダ60に固定されたロータマグネット61とを有する。
シャフト10は、中心軸Oに沿って配置された円柱状の軸である。シャフト10の中心は、中心軸Oに一致する。
ロータホルダ60は、前後方向に延びる円筒形状の筒部60aと、筒部60aの後側端部から径方向内側に延びる天板部60bとを有する。シャフト10は、天板部60bの中央に位置するシャフト保持部60cに圧入されることで保持される。
ロータマグネット61は、筒部60aの内周面60a1に直接又はヨークを介して保持される。ロータマグネット61は、ロータホルダ60の周方向に異なる磁極を配列する永久磁石である。
ステータ11は、ステータコア11aと、コイル11bとを有する。ステータ11は、ステータ支持部12の径方向外側かつロータマグネット61の径方向内側において、周方向に等間隔で配列される。コイル11bは回路部(不図示)に搭載される電気回路と電気的に接続される。
ステータ支持部12は、前後方向に延びる略円筒状の部材である。ステータ支持部12の外周面12aに、ステータ11が支持される。ステータ支持部12は、内周面12bの前側に軸受部13を保持し、内周面12bの後側に軸受部14を保持する。本実施形態において、ステータ支持部12の前側の端部12cは、モータ1の前側の端部1aに相当する。
軸受部13および軸受部14は、シャフト10を回転可能に支持する。そして、ロータ2は、シャフト10とともに中心軸Oを中心として回転可能である。したがって、ロータ2がステータ11の径方向外側において、中心軸Oを中心として回転している。そのため、本実施形態におけるモータ1は、アウターロータ式のモータである。
<インペラ>
図1に示したように、インペラ3は、シャフト10の後側に取り付けられる。インペラ3は、ロータ2の回転に伴ってシャフト10とともに中心軸Oを中心として回転する。インペラ3は、本体部3aと、該本体部3aに取り付けられた複数の羽根3bとを有する。複数の羽根3bは、本体部3aの周方向に配置される。
本実施形態のインペラ3は遠心式のインペラである。遠心式のインペラ3は、シャフト10の回転に伴って前後方向に沿って吸気した空気を径方向外側へと排出することでドライヤーケース7の内部に位置する流路Rへと導く。
<モータ装着部>
モータ装着部50は、モータ1の径方向外側に位置し、モータ1を保持する筒状の部材である。モータ装着部50は、有底筒状のモータケース20と、該モータケース20の径方向外側に位置する複数の静翼5とを含む。モータ装着部50は、静翼5がドライヤーケース7(前側ケース7a)にネジ32で固定される。
モータケース20は、前後方向に延びる略筒状の筒部20bと、筒部20bの後側端部から径方向内側に延びる底板部20aとを有する。
筒部20bは、筒部20bの外周面20b2から径方向外側へ延びる複数の静翼5と、筒部20bの内周面20b1から径方向内側に突出する凸部21とを有する。
底板部20aは、中央にシャフト10を挿通させるための貫通孔29を有する。すなわち、モータ装着部50は、モータ装着部50の内周面から径方向内側に突出する凸部21を有する。
凸部21は、筒部20bの内周面20b1において、モータ1の前側の端部1aよりも後側に位置する。凸部21は、筒部20bの内周面20b1に接続される基部21bと、基部21bから径方向内側へ延びる先端部21aとを含む。凸部21において、基部21bの周囲が窪んでおり、先端部21aよりも基部21bの方が細い。これにより、凸部21では、基部21bの剛性が先端部21aの剛性よりも相対的に低い。
<取付部>
取付部6は、モータ1をモータ装着部50に取り付ける部分である。取付部6は、モータ1の前側の端部1aとインペラ3との前後方向の間でモータ装着部50(モータケース20)に固定される。取付部6は、少なくともモータ1を支持した状態において撓まない程度の剛性を有する。取付部6は、第1取付部6aと、第2取付部6bとを含む。
第1取付部6aは、プラスチック材料から構成された柱状の部材であり、モータ装着部50(筒部20b)の凸部21に固定される。第1取付部6aは、凸部21に対して嵌合或いはネジ止め等により強固に固定される。
第2取付部6bは、モータ1の前側の端部1a(ステータ支持部12の前側の端部12c)にネジ止めで固定される。第2取付部6bは、端部1aから径方向外側に向かって延びる金属製の部材である。第2取付部6bは、第2取付部6bの径方向外側において、端部6b1が第1取付部6aの前側の端部6a1とネジ31により固定される。なお、第1取付部6aの前側の端部6a1にネジ31を締結するためのネジ穴(不図示)が位置する。
取付部6は、所定の剛性を有した状態でモータ1を凸部21に固定する。本実施形態において、凸部21は、基部21bの剛性が先端部21aの剛性よりも相対的に低い。そのため、取付部6は凸部21を支点として微小に揺動可能である。
したがって、取付部6により凸部21に固定されたモータ1の側の端部1aが、モータ装着部50に対して径方向に揺動可能である。
以上のような構成に基づき、本実施形態のドライヤー100は、取付部6およびモータ装着部50を介してモータ1をドライヤーケース7に支持する。
一般にドライヤーでは使用状況によって風量を多くすることがある。風量を多くするには、ファン(モータ)の回転数を高くする必要がある。ここで、インペラ3に動的アンバランスがある場合、モータ1のシャフト10が振れ回る動き(以下、振れ回り運動という)をする。ファン90の回転数を高くすると、インペラ3の動的アンバランスの影響が大きくなる。
動的アンバランスの影響が大きくなると、振れ回り運動に起因した振動も大きくなる。このような振れ回り運動に起因する振動は、モータ装着部を介してドライヤーケースへと伝わる。そして、ドライヤーケースを介してドライヤーの使用者へと伝わり、使用者の快適性を損なわせる要因となる。
まず、本実施形態との比較例としてモータを片持ちで支持した場合において生じる振れ回り運動を考える。片持ち支持構造を採用した場合、振れ回り運動に起因する振動や騒音によってドライヤーの使用者の快適性を大きく損なわれてしまう。
本実施形態のモータ1の支持構造は振動の節に着目したものである。
物体の振動モードは様々であるが、いずれの振動モードにも必ず振動の大きい位置(腹)と振動が小さくほぼゼロに近い位置(節)とが存在する。
図3は本実施形態のモータ1に生じる振れ回り運動を示した概念図である。
図3に示されるインペラ3及びモータ1を含むアッセンブリーAの全体を柔らかく支持したと仮定した場合、アッセンブリーAは自由な振動をする。
ここで、アッセンブリーAは、該アッセンブリーAの重心に近い位置が動かず、モータ1の前側の端部1aとインペラ3側とが径方向の逆向きに変位しながら回転する振れ回り運動を行う。この場合、アッセンブリーAの重心に近い位置が節Fに相当する。なお、アッセンブリーAの重心に近い位置が節Fに相当すると表現したのは、振動の節Fの位置が質量分布とインペラ3の回転による反力発生分布とが合わさった結果に基づいて決定され、節Fの位置と重心の位置とは必ずしも一致しないためである。
モータ装着部50を介してドライヤーケース7側に伝わる振動を抑制するには、節Fにおいてモータ1を支持するのが有効である。なぜなら、上述のように、節Fの位置において、振動幅が小さいからである。しかし、モータ1は、節Fに相当する位置にロータ2が配置される。本実施形態におけるロータ2は、アウターロータであるため、該節Fの位置でモータ1をドライヤーケース7に直接支持することはできない。
本実施形態のドライヤー100では、節Fの近傍の位置P1でモータ1をドライヤーケース7に固定する。具体的には、節Fの近傍の位置P1に凸部21を配置し、取付部6によりモータ1を上記位置P1で支持する支持構造を構成する。
なお、節Fの近傍の位置P1においても節Fの位置から僅かにずれるため、微小な振動が発生する。本実施形態では、上述のように凸部21において、基部21bの剛性を先端部21aの剛性よりも相対的に低くすることで、取付部6がモータ装着部50の径方向に揺動することを許容する。
そのため、取付部6により凸部21に固定されたモータ1は、上述のように前側の端部1aがモータ装着部50に対して径方向に揺動することで上記微小な振動を吸収できる。したがって、モータ装着部50を介してドライヤーケース7側へ伝わる振動を低減することができる。
このように本実施形態のモータ1の支持構造は、振動の節Fの位置でモータ1をドライヤーケース7に固定した場合とほぼ等価の構造となる。そのため、ファン90を高速で回転させた際に、インペラ3及びモータ1を含むアッセンブリーAが振れ回り運動をした場合でも、モータ1の振動がドライヤーケース7に伝わり難くなる。また、ドライヤーケース7に伝わる振動が抑えられるため、振動に伴う騒音の発生も抑制することができる。
以上のように本実施形態のドライヤー100によれば、振動及び騒音が低減されることで使用者の快適性を向上させることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態に対して、取付部とモータ装着部との接続構造が異なる。なお、第1実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。
図4は、本実施形態のドライヤー101を示す断面図である。図4に示すように、ドライヤー101は、ドライヤーケース7と、該ドライヤーケース7内に空気を取り込むファン91とを備える。ドライヤー101は、モータ1と、インペラ3と、モータ装着部51と、取付部16と、ドライヤーケース7と、を有する。
(ファン)
ファン91は、モータ1と、インペラ3と、モータ装着部51と、取付部16と、ドライヤーケース7の一部を構成する中間ケース7bと、を含む。
<モータ装着部及び取付部>
モータ装着部51は、モータ1の径方向外側に位置する有底筒状の外筒ケース23と、外筒ケース23の径方向外側の外面に位置する複数の静翼5とを含む。モータ装着部51は、静翼5がドライヤーケース7(前側ケース7a)にネジ32で固定される。
外筒ケース23は、前後方向に延びる略筒状の外筒部23bと、外筒部23bの後側端部から径方向内側に延びる底板部23aと、該外筒部23bの径方向内側に位置し、底板部23aから前側に延びる略筒状の内筒部22とを有する。内筒部22の径方向の厚さは、外筒部23bの径方向の厚さよりも薄い。複数の静翼5は、外筒部23bの外周面23b2の径方向外側に位置する。底板部23aは前後方向に貫通する貫通孔29を有する。シャフト10は貫通孔29を挿通することで底板部23aの前後方向における両側に位置する。
貫通孔29は、内筒部22よりも径方向内側、具体的には底板部23aの中央に位置する。この構成にすれば、本実施形態のように、遠心式のインペラ3を採用した場合に、騒音の原因となる渦を発生させる通風路として貫通孔29が機能することが無い。よって、渦による騒音の発生を抑制することができる。
外筒ケース23の前後方向に沿った断面形状において、外筒ケース23の外形は拡径部分41と縮径部分42とを有する。拡径部分41は、底板部23aから前方に向かって外径が漸次拡大する部位である。縮径部分42は、拡径部分41から前方に向かって外径が漸次縮小する部位である。
これにより、外筒ケース23は、インペラ3により流路Rに送り込んだ空気を外周面23b2に沿って前方側へスムーズに送り出すことができる。
取付部16は、モータ1をモータ装着部51に取り付ける部分である。取付部16は、モータ1の前側の端部1aとインペラ3との前後方向の間でモータ装着部51に固定される。本実施形態において、取付部16は底板部23aに固定される。
具体的に、取付部16は、第1取付部16aと、第2取付部16bとを含む。
第1取付部16aにおける後側の端部16a2が、底板部23aに固定される。第1取付部16aは、外筒ケース23の内筒部22の内壁22aに沿って前側に延びる。第1取付部16aは、内筒部22の内壁22aに接着固定される。
なお、第1取付部16aは、底板部23a及び内筒部22と同一部材から構成されていても良い。この場合、第1取付部16aの後側の端部が底板部23aとの接続部分となる。
第2取付部16bは、モータ1の端部1aから径方向外側に向かって延びる金属製の部材である。第2取付部16bは、モータ1の前側の端部1a(ステータ支持部12の前側の端部12c)にネジ止め固定される。第2取付部16bは、径方向外側の端部16b1において、第1取付部16aの前側の端部16a1とネジ31により固定される。なお、第1取付部16aの前側の端部16a1にネジ31を締結するためのネジ穴(不図示)が位置する。すなわち、第1取付部16aは、底板部23aから内筒部22の内壁に沿って前側に延びる。第2取付部16bは、モータ1の前側の端部1aと第1取付部16aとを接続する。
図5は内筒部22を周方向に展開した展開図である。図5に示すように、内筒部22は、径方向に貫通するスリット25を有する。内筒部22は、スリット25により前側端部の剛性が後側端部の剛性よりも低い。
具体的に、スリット25は内筒部22の内壁22aに沿って延びる第1取付部16aの前側の端部16a2よりも前側および周方向両側に位置する。内筒部22の内壁22aのうち上記スリット25で囲まれた部分は外筒部23bに対して径方向に揺動可能である。つまり、第1取付部16aの前側は、内筒部22とともに外筒部23bに対して径方向に揺動可能である。
モータ1の前側の端部1aを支持する第2取付部16bは第1取付部16aに固定される。そのため、第2取付部16bは、該第1取付部16aとともに外筒部23bに対して径方向に揺動可能である。したがって、本実施形態のモータ1は、取付部16により、前側の端部1aがモータ装着部51に対して径方向に揺動可能である。
本実施形態のドライヤー101においてファン91を高速回転させた際、第1実施形態と同様、インペラ3及びモータ1を含むアッセンブリーAはモータ1の前側の端部1aとインペラ3側とが径方向の逆向きに変位しながら回転する振れ回り運動をする(図3(b)参照)。
本実施形態によれば、モータ1の前側の端部1aとインペラ3との前後方向の間(具体的には、底板部23a)でモータ装着部51に対してモータ1が取付部16によって固定される。つまり、第1実施形態と同様、振動の節の近傍でモータ1及びインペラ3を含むアッセンブリーをモータ装着部51に固定することができる。
底板部23aは振動の節の位置と多少異なるため、モータ1側から微小な振動が伝達するおそれがある。これに対し、本実施形態では、取付部16によりモータ装着部51の径方向にモータ1の前側の端部1aが揺動することで上記微小な振動を吸収することができる。
したがって、本実施形態においても、第1実施形態と同様、振動の節の位置でモータ1をドライヤーケース7に支持した支持構造とほぼ等価の支持構造を実現することができる。よって、ファン91を高速で回転させた際に振れ回り運動が生じた場合でも、モータ1の振動がドライヤーケース7に伝わり難くなる。また、ドライヤーケース7に伝わる振動が抑えられるため、振動に伴う騒音の発生も抑制することができる。
以上のように、本実施形態のドライヤー101においても振動及び騒音を低減することで使用者の快適性を向上させることができる。
また、本実施形態においては、図6から図8に示す構成を変形例として採用できる。なお、以下の説明においては、上記説明と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
(第2実施形態の第1変形例)
図6は、本実施形態の第1変形例である内筒部22を周方向に展開した展開図である。図6においては、底板部23a及び外筒部23bの図示を省略する。
図6に示すように、内筒部22は、前側に開口する切欠26を有する。切欠26は、第1取付部16aと周方向で異なる位置にある。内筒部22は、切欠26により前側の剛性が後側の剛性よりも低い。
内筒部22の内壁22aのうち第1取付部16aの前側の剛性は、上記切欠26によって、後側の剛性よりも低い。そのため、第1取付部16aの前側は、内筒部22とともに外筒部23bに対して径方向に揺動可能である。これにより、モータ1は、前側の端部1aがモータ装着部51の径方向に揺動可能となる。
その他の構成は、第2実施形態のドライヤー101の構成と同様である。
(第2実施形態の第2変形例)
図7は、本実施形態の第2変形例である内筒部22を周方向に展開した展開図である。図7においては、底板部23a及び外筒部23bの図示を省略する。
図7に示すように、内筒部22は内壁22aを径方向に貫通する開口30を有する。開口30は、第1取付部16aと周方向で異なる位置にある。内筒部22は、開口30により前側端部の剛性が後側端部の剛性よりも低い。
具体的に、開口30は少なくとも一部が第1取付部16aよりも前側に位置する。また、開口30の前側の端部が第1取付部16aの前側の端部と前後方向に同じ位置でも良い。
内筒部22の内壁22aのうち第1取付部16aの前側の剛性は、上記開口30によって、後側の剛性よりも低い。そのため、第1取付部16aの前側は、内筒部22とともに外筒部23bに対して径方向に揺動可能である。これにより、モータ1は、前側の端部1aがモータ装着部51の径方向に揺動可能となる。
その他の構成は、第2実施形態のドライヤー101の構成と同様である。
(第2実施形態の第3変形例)
図8は、本実施形態の第3変形例である外筒ケース123を周方向に展開した展開図である。
図8に示すように、外筒ケース123は、前後方向に延びる略筒状の外筒部123bと、外筒部123bの後側端部から径方向内側に延びる底板部123aと、該外筒部123bの径方向内側に位置し、底板部23aから前側に延びる内壁部124とを有する。内壁部124の径方向の厚さは、外筒部123bの径方向の厚さよりも薄い。
内壁部124は、底板部123aに固定される第1取付部16aの後側の端部16a2を支持する複数の支持部124aと、複数の支持部124a間を接続する接続部124bとを含む。支持部124aの前後方向の高さは、接続部124bの前後方向の高さよりも大きい。支持部124aの前後方向の高さは、第1取付部16aの前後方向の高さのほぼ半分(1/2)である。
複数の第1取付部16aと底板部123aとの固定位置は、例えば、内壁部124の周方向において均等に配置される。なお、複数の第1取付部16aと底板部123aとの固定位置の少なくとも1つは内壁部124の周方向において均等な配置からずれた位置に配置されても良い。
このようにすれば、モータ装着部51に対する取付部16の組み付け方向が一義的に決まるため、モータ1の組み付け方向の間違いを無くすことができる。
第1取付部16aは前側が内壁部124に支持されないため、外筒部23bに対して径方向に揺動可能である。プラスチックから構成される第1取付部16aは、内壁部124に支持されていない前側が撓むことで適度な柔軟性が得られる。
このように本変形例においても、モータ1の前側の端部1aがモータ装着部50に対して径方向に揺動可能となる。
なお、上記実施形態および変形例ではスリット25、切欠26及び開口30により内筒部22の前側の剛性を後側の剛性よりも低くする場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、外筒ケース23の材料の中で内筒部22の材料を柔らかくするようにしても良い。すなわち、内筒部22の材料として、底板部23a及び外筒部23bの材料とは別の柔らかい材料を用いても良い。これにより、内筒部22に可撓性を付与することができるので、内筒部22が外筒部23bの径方向に揺動可能な構成を容易に実現できる。
本変形例では、外筒ケース123が内壁部124を有する場合を例に挙げたが、内壁部124を有さず、底板部123aから前側に向かって複数の第1取付部16aが延びる構成であっても良い。
なお、本実施形態においては、ドライヤーケース7の一部(中間ケース7b)がファン90の外装面と一体の場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、前側ケース7aが2重構造を有しており、径方向内側のケースがファン90の外装ケースを構成していて良い。
また、上記実施形態においては、取付部6,16が第1取付部6a,16a及び第2取付部6b,16bの2部材から構成される場合を例に挙げたが、取付部6,16が1つの部材から構成されていても良い。
また、上記実施形態においては、取付部6,16がモータ1と別体から構成される場合を例に挙げたが、取付部6,16がモータ1の一部(例えば、ステータ支持部12)であっても良い。
また、上記実施形態においては、インペラ3として遠心式のインペラを用いる場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、インペラ3として斜流式のインペラを用いても良い。
なお、上記説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
1…モータ、1a…端部、2…ロータ、3…インペラ、5…静翼、6,16…取付部、6a,16a…第1取付部、6b,16b…第2取付部、7…ドライヤーケース、10…シャフト、21…凸部、22…内筒部、23,123…外筒ケース、23a,123a…底板部、25…スリット、26…切欠、30…開口、50,51…モータ装着部、100,101…ドライヤー、O…中心軸。

Claims (10)

  1. 前後に延びる中心軸に沿って前方へ風を送り出すドライヤーであって、
    前記中心軸を中心とするシャフトを含むロータを有するモータと、
    前記シャフトの後側に取り付けられるインペラと、
    前記モータの径方向外側に位置し、前記モータを保持する筒状のモータ装着部と、
    前記モータを前記モータ装着部に取り付ける取付部と、
    前記モータ装着部の径方向外側を周方向に囲む筒状のドライヤーケースと、を備え、
    前記モータ装着部は、前記ドライヤーケースに固定される静翼を有し、
    前記取付部は、前記モータの前側の端部と前記インペラとの前後方向の間で前記モータ装着部に固定され、
    前記モータは、モータの前記前側の端部が前記モータ装着部に対して径方向に揺動可能である、
    ドライヤー。
  2. 前記モータ装着部は、該モータ装着部の内周面から径方向内側に突出する凸部を有し、
    前記取付部は、前記凸部に固定される、
    請求項1に記載のドライヤー。
  3. 前記モータ装着部は、前記モータの径方向外側に位置する有底筒状の外筒ケースを含み、
    前記外筒ケースは、前後方向に延びる筒状の外筒部と、
    前記外筒部の後側端部から径方向内側に延びる底板部と、
    前記外筒部の径方向内側に位置し、前記底板部から前側に延びる内筒部と、
    を有し、
    前記取付部は、
    前記底板部から前記内筒部の内壁に沿って前側に延びる第1取付部と、
    前記モータの前側の端部と前記第1取付部とを接続する第2取付部と、を含む、
    請求項1に記載のドライヤー。
  4. 前記内筒部は、前側の剛性が後側の剛性よりも低い、
    請求項3に記載のドライヤー。
  5. 前記内筒部の内壁は、径方向に貫通するスリットを有し、
    前記スリットは、前記第1取付部の前側の端部よりも前側および周方向両側に位置する
    請求項3又は4に記載のドライヤー。
  6. 前記内筒部の内壁は、前側に開口する切欠を有し、
    前記切欠は、前記第1取付部材と周方向に異なる位置にある、
    請求項3又は4に記載のドライヤー。
  7. 前記内筒部の内壁は、少なくとも一部が前記第1取付部よりも前側に位置し前記内壁を径方向に貫通する開口を有し、
    前記開口は、前記第1取付部材と周方向に異なる位置にある、
    請求項3又は4に記載のドライヤー。
  8. 前記モータ装着部は、前記モータの径方向外側に位置する有底筒状の外筒ケースを含み、
    前記外筒ケースは、後側に底板部を有し、
    前記取付部は、前記底板部から前側に延びる複数の第1取付部を含み、
    前記複数の第1取付部材と前記底板部との固定位置は、周方向において均等に配置される、
    請求項1に記載のドライヤー。
  9. 前記モータ装着部は、前記モータの径方向外側に位置する有底筒状の外筒ケースを含み、
    前記外筒ケースは、後側に底板部を有し、
    前記取付部は、前記底板部から前側に延びる複数の第1取付部を含み、
    前記複数の第1取付部と前記底板部との固定位置の少なくともひとつは、周方向において均等な配置からずれた位置に配置される、
    請求項1に記載のドライヤー。
  10. 前記内筒部の材料は、前記外筒部の材料よりも柔らかい、
    請求項3〜6のいずれか一項に記載のドライヤー。
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