JP2017005414A - 伝送線路−導波管変換器 - Google Patents

伝送線路−導波管変換器 Download PDF

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Abstract

【課題】 広帯域化を可能にする伝送線路−導波管変換器を提供する。【解決手段】 マイクロストリップライン−導波管変換器1は、矩形状の開口部2a1を有する導波管2と、導波管2を終端するバックショート3と、導波管2とバックショート3との間に介在している誘電体基板4、5、6と、各基板4、5、6に設けられたマイクロストリップライン9と、各基板4、5、6の表裏面に設けられたグランドパターン10とを備えている。各グランドパターン10は、導波管2の開口部2a1に対応する位置で開口した矩形状のパターン開口部11a、12a、13a、14aを有し、各パターン開口部11a、12a、13a、14aの隅部41、42、43、44が、バックショート3の開口部における隅部の曲線形状に対応した曲線形状とされている。【選択図】図6

Description

本発明は、例えば、マイクロストリップライン等の伝送線路と導波管とを接続する伝送線路−導波管変換器に関するものである。
ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)に用いられる車両感知器や、自動車等の車載センサに用いられるミリ波レーダには、導波管と基板上の伝送線路との間で信号を伝送するための伝送線路−導波管変換器が用いられる。
例えば、特許文献1には、導波管と、この導波管内に配置されるアンテナが設けられた誘電体基板とによって構成された伝送線路−導波管変換器が開示されている。
特開2007−214777号公報
上記伝送線路−導波管変換器は、当該伝送線路−導波管変換器が使用される使用周波数帯域において必要とされる要求性能を確保するために、使用周波数帯域を含んだより広い帯域で必要性能が得られるように設計することが一般的に行われている。使用周波数帯域よりも広帯域で要求性能を確保することによって、製造誤差等によって生じるばらつきを吸収することができるからである。
しかし、上記のように設計したとしても、伝送線路−導波管変換器は、誘電体基板や、これに実装される導波管、あるいはこの導波管を終端するバックショートと呼ばれる終端器等、多数の部品を組み合わせて製造されるため、各部品の加工精度や加工方法に起因するばらつき等が伝送線路−導波管変換器の性能に影響を与え、広帯域での要求性能を確保できず、結果として製造時の歩留まりを悪化させる要因となっている。
各部品の加工に伴うばらつきを抑えるためには、より高精度な加工方法を選択して各部の加工を行ったり、部品に追加工を行うことが考えられるが、製造に要する時間やコストの増大化を招くため好ましくない。
特に、バックショートには、矩形状に形成された導波管の開口部に対応して矩形状の孔部が形成されている。バックショートと、導波管とは、誘電体基板を介在した状態で、前記孔部と前記開口部とが一致するように設けられる。ここで、バックショートは、金属ブロック等から形成されているため、エンドミル等を用いて孔部が形成されることがある一方、導波管の開口部は、プレス成形等によって形成されることがある。このように前記開口部と、前記孔部との間で加工方法が異なる場合、加工方法の違いに起因して両者の形状にギャップが生じる場合がある。
前記開口部と、前記孔部との間で形状にギャップが生じると、導波管内部で不要な反射波を生じさせ、広帯域での要求性能を確保できず、製造時の歩留まりを悪化させる要因となる。
一方、前記開口部と、前記孔部との間で形状のギャップを解消するためには、加工方法の変更や追加工が必要となり、コストの増大化に繋がる。
このため、前記開口部と、前記孔部との間で形状のギャップを解消せずとも広帯域で要求性能を確保できる技術が望まれる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、広帯域化を可能にする伝送線路−導波管変換器を提供することを目的とする。
一実施形態である伝送線路−導波管変換器は、矩形状の第1開口部を有する導波管と、前記導波管を終端する終端部と、前記導波管と前記終端部との間に介在している基板と、前記基板に設けられ前記導波管に電磁的に結合される伝送線路と、前記基板の表裏面に設けられた接地導体パターンと、を備え、前記終端部は、前記導波管の第1開口部に対応して開口した矩形状の第2開口部を有し、前記第2開口部における4隅が、当該第2開口部において対角線上で対向している隅同士の間隔が前記第1開口部において対角線上で対向している隅同士の間隔よりも小さくなるような曲線形状とされ、前記接地導体パターンは、前記第1開口部に対応して開口した矩形状のパターン開口部を有し、前記パターン開口部の4隅が、前記第2開口部における4隅の曲線形状に対応した曲線形状とされている。
このように、ここでいう矩形状とは、その4隅が直角である場合の他、加工上又は設計上により4隅が曲線形状である場合を含むものとする。
本発明の伝送線路−導波管変換器によれば、広帯域化が可能になる。
一実施形態に係る、マイクロストリップライン−導波管変換器の外観図である。 マイクロストリップライン−導波管変換器をバックショート側から見たときの図である。 (a)は、図2中、A−A線の矢視断面図、(b)は、図2中、B−B線の矢視断面図である。 バックショートを端面側からみたときの外観斜視図である。 (a)は、導波管の端面の一部を示す図、(b)は、バックショートの端面の一部を示す図である。 変換器の要部をバックショート側から見たときの図であり、各グランドパターンのパターン開口部の形状を示す図である。 (a)は、図6中、C−C線の矢視断面図であり、(b)は、図6中、D−D線の矢視断面図である。 実施例及び比較例に係る変換器の通過特性を示すグラフである。 実施例及び比較例に係る変換器の反射特性を示すグラフである。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)一実施形態である伝送線路−導波管変換器は、矩形状の第1開口部を有する導波管と、前記導波管を終端する終端部と、前記導波管と前記終端部との間に介在している基板と、前記基板に設けられ前記導波管に電磁的に結合される伝送線路と、前記基板の表裏面に設けられた接地導体パターンと、を備え、前記終端部は、前記導波管の第1開口部に対応して開口した矩形状の第2開口部を有し、前記第2開口部における4隅が、当該第2開口部において対角線上で対向している隅同士の間隔が前記第1開口部において対角線上で対向している隅同士の間隔よりも小さくなるような曲線形状とされ、前記接地導体パターンは、前記第1開口部に対応して開口した矩形状のパターン開口部を有し、前記パターン開口部の4隅が、前記第2開口部における4隅の曲線形状に対応した曲線形状とされている。
上記構成の伝送線路−導波管変換器によれば、終端部の第2開口部の4隅が、当該第2開口部において対角線上で対向している隅同士の間隔が第1開口部において対角線上で対向している隅同士の間隔よりも小さくなるような曲線形状とされているので、第2開口部と、第1開口部との間で開口形状にギャップが生じる。その一方、接地導体パターンにおけるパターン開口部における4隅が、第2開口部における4隅の曲線形状に対応した曲線形状とされているので、擬似的な導体壁を構成して導波管と終端部とを繋ぐ接地導体パターンは、終端部の第2開口部に対して滑らかに繋がり、導波管と終端部とを繋げることができる。
また、接地導体パターンのパターン開口部と、導波管の第1開口部との間で、4隅の形状にギャップが生じるが、接地導体パターンは、導波管と終端部とを繋ぐ擬似的な導体壁を構成するため、形状にギャップが生じたとしても不要な反射が顕著に生じるのを抑制できる。このため、導波管の第1開口部と、終端部の第2開口部との間の形状的なギャップによって導波管内部で生じさせる可能性のある信号波の不要な反射を、接地導体パターンによって抑制することができ、伝送線路−導波管変換器の性能に与える影響を抑制することができる。
このように、上記構成の伝送線路−導波管変換器によれば、導波管の第1開口部と、終端部の第2開口部との間で形状にギャップがあったとしても、不要な反射を抑制することができ、広帯域化が可能となる。
(2)上記伝送線路−導波管変換器において、前記基板は複数であり、複数の前記基板、及び前記接地導体パターンは交互に配置されて互いに積層されていてもよい。
この場合であっても、導波管の第1開口部と、終端部の第2開口部との間で形状にギャップがあったとしても、接地導体パターンによって不要な反射を抑制でき、広帯域化することができる。
(3)前記伝送線路−導波管変換器において、複数の前記接地導体パターンは、前記パターン開口部の寸法が、前記第2開口部の寸法と同じ寸法、又は前記第2開口部の寸法よりも大きく設定されるとともに、配置される位置が前記終端部から遠ざかるに従って、前記パターン開口部の寸法が漸次大きくなるように設定されていることが好ましい。
この場合、複数の接地導体パターンのパターン開口部に寸法上のばらつきや、組み立て時に生じる複数の接地導体パターン同士の配置上のばらつきが生じたとしても、各パターン開口部の第2開口部に対する位置ずれを抑制でき、広帯域な特性を維持することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に記載する各実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔全体構成について〕
図1は、一実施形態に係る、マイクロストリップライン−導波管変換器の外観図である。図1中、マイクロストリップライン−導波管変換器1は、導波管2と、この導波管2を終端するバックショート3と、導波管2とバックショート3との間に介在している複数(図例では3枚)の誘電体基板(第1誘電体基板4、第2誘電体基板5、及び第3誘電体基板6)とを備えている。
マイクロストリップライン−導波管変換器1(以下、単に変換器1ともいう)は、複数の誘電体基板の内、バックショート3に最も近い位置に配置された第1誘電体基板4に形成されたマイクロストリップライン9からの信号を導波管2に伝送し、また、導波管2からの信号をマイクロストリップライン9に伝送する機能を有している。本実施形態の変換器1は、信号周波数が76GHzから81GHzの帯域の信号を処理対象とするシステムに用いられるものであり、当該変換器1の使用周波数帯域は、76GHzから81GHzとなるように各部が設定されている。
導波管2は、アルミニウム合金等によって形成された四角ブロック状の部材であり、中央部に断面矩形状の貫通孔2aが形成されている。貫通孔2aは、例えば、パンチ等を用いたプレス加工によって形成されている。
貫通孔2aは、導波管2の端面2bと端面2cとの間を直交して貫通しており、両端面2b,2cで開口している。よって、貫通孔2aが端面2bで開口する開口部2a1は矩形状となっている。
この導波管2はW帯用であり、貫通孔2aの内側断面寸法は、例えば、長手寸法が2.54mm、短手寸法が1.27mmに設定されている。
貫通孔2aは、4つの内壁面2dで構成されている。これら内壁面2dの内、互いに隣接する内壁面2d同士を繋いでいる内隅2eは、例えば、曲率半径が0.15mm以下の曲面形状となっている場合がある。
内隅2eは、設計上は内壁面2d同士が直交しており曲面形状ではないが、加工上の精度によって0.15mm以下の曲面形状となる場合がある。
図2は、マイクロストリップライン−導波管変換器1をバックショート3側から見たときの図、図3(a)は、図2中、A−A線の矢視断面図、図3(b)は、図2中、B−B線の矢視断面図である。なお、図2では、理解を容易とするためにバックショート3を省略して示している。また、図3(a)及び図3(b)では、理解を容易とするために第1誘電体基板4に設けられたマイクロストリップライン等の導体パターンの厚み寸法を誇張して示している。
図1から図3を参照して、複数の誘電体基板4、5、6は、導波管2の端面2bと、バックショート3との間に介在している。
各誘電体基板4は、例えば、エポキシ樹脂等から形成された、端面2bに一致する矩形板状の部材である。
各誘電体基板4,5,6の表裏面には、グランドパターン10(接地導体パターン)が設けられている。これにより、3枚の誘電体基板4,5,6、及びグランドパターン10は、交互に配置されて互いに積層されている。
よって、グランドパターン10は、第1誘電体基板4とバックショート3との間に介在している第1グランドパターン11と、第1誘電体基板4と第2誘電体基板5との間に介在している第2グランドパターン12と、第2誘電体基板5と第3誘電体基板6との間に介在している第3グランドパターン13と、第3誘電体基板6と導波管2との間に介在している第4グランドパターン14とを含んでいる。
グランドパターン10は、金属等からなる導体パターンであり、接地されている。グランドパターン10は、各誘電体基板4の表裏面に一致する矩形状に形成されている。
第1誘電体基板4の一面4aに設けられた第1グランドパターン11は、バックショート3に接触しており、複数のグランドパターン10の内、バックショート3に最も近い位置に配置されている。
第1グランドパターン11は、第1誘電体基板4を一面4a側からみたときの導波管2における貫通孔2aの開口部2a1に対応して開口している第1パターン開口部11aを有している。第1パターン開口部11aは、開口部2a1に対応する範囲で導体パターンが無く、導体パターンが無いことによって開口している。
また、第1グランドパターン11は、第1パターン開口部11aから第1誘電体基板4の外縁側まで導体パターンが無い無パターン部15を有している。無パターン部15は、第1パターン開口部11aと第1誘電体基板4の外縁とを繋ぐように、第1パターン開口部11aの端縁から第1誘電体基板4の外縁までの範囲で形成されている。
無パターン部15は、第1パターン開口部11aに繋がっている幅狭部15aと、幅狭部15aから第1誘電体基板4の外縁側に繋がっている、幅狭部15aよりも幅広に形成された幅広部15bとを有して構成されている。
第1誘電体基板4の一面4aには、さらに、マイクロストリップライン9が設けられている。
マイクロストリップライン9は、ミリ波等の高周波信号を伝送するための伝送線路であり、金属等の導体によって直線状に形成されている。マイクロストリップライン9は第1パターン開口部11aから無パターン部15に亘って設けられており、その先端が第1パターン開口部11aのほぼ中央に配置されている。つまり、マイクロストリップライン9は、第1パターン開口部11aから第1誘電体基板4の外縁側まで延ばされている。
マイクロストリップライン9は、第1パターン開口部11aに配置されているアンテナ部9aと、アンテナ部9aから第1誘電体基板4の外縁まで延びている本体部9bとを有して構成されている。マイクロストリップライン9は、このアンテナ部9aによって導波管2に電磁的に結合される。
マイクロストリップライン9は、無パターン部15の長手方向に沿って形成されている。無パターン部15は、マイクロストリップライン9を中心として線対称に形成されており、これによって、マイクロストリップライン9と、第1グランドパターン11との間には、一定の間隔が設けられている。
このようにして、無パターン部15は、マイクロストリップライン9を第1パターン開口部11aから第1誘電体基板4の外縁側まで導いている。
なお、無パターン部15の幅狭部15aは、当該幅狭部15aの端縁と、マイクロストリップライン9との位置関係が、マイクロストリップライン−導波管変換器1としてのロスができるだけ小さくなるように形成されている。
第1誘電体基板4と第2誘電体基板5との間に介在している第2グランドパターン12は、導波管2における貫通孔2aの開口に対応して開口している第2パターン開口部12aを有している。第2パターン開口部12aは、開口部2a1に対応する範囲で導体パターンが無く、導体パターンが無いことによって開口している。
また、第2誘電体基板5と第3誘電体基板6との間に介在している第3グランドパターン13は、導波管2における貫通孔2aの開口に対応して開口している第3パターン開口部13aを有している。第3パターン開口部13aは、開口部2a1に対応する範囲で導体パターンが無く、導体パターンが無いことによって開口している。
さらに、第3誘電体基板6と導波管2との間に介在している第4グランドパターン14も上記各パターン開口部と同様、導波管2における貫通孔2aの開口に対応して開口している第4パターン開口部14aを有している。第4パターン開口部14aは、開口部2a1に対応する範囲で導体パターンが無く、導体パターンが無いことによって開口している。
各グランドパターン11,12,13,14は、各誘電体基板4,5,6を貫通して設けられている複数の第1ビア20によって互いに接続されている。
複数の第1ビア20は、金属等の導体により形成された部材であり、各誘電体基板4,5,6を貫通して設けられている。複数の第1ビア20は、図2に示すように、変換器1をバックショート3側から見たときに、第1パターン開口部11a及び無パターン部15を包囲するように配置されている。
これにより、複数の第1ビア20は、後述するように、各グランドパターン11,12,13,14とともに、導波管2とバックショート3とを繋ぐ擬似的な導体壁を構成している。
また、第2グランドパターン12、及び第3グランドパターン13は、複数の第2ビア21によっても接続されている。
複数の第2ビア21は、金属等の導体により形成された部材であり、第2誘電体基板5のみを貫通して設けられている。複数の第2ビア21は、図2に示すように、変換器1をバックショート3側から見たときに、マイクロストリップライン9を包囲するように当該マイクロストリップライン9の両側に長手方向に沿って2列で直線状に配置されている。
さらに、第3グランドパターン13、及び第4グランドパターン14は、複数の第3ビア25によっても接続されている。
複数の第3ビア25は、金属等の導体により形成された部材であり、第3誘電体基板6のみを貫通して設けられている。複数の第3ビア25は、図2に示すように、変換器1をバックショート3側から見たときに、マイクロストリップライン9の直下に位置するように当該マイクロストリップライン9の長手方向に沿って1列で直線状に配置されている。
複数の第2ビア21の内、パターン開口部側に最も近い位置に形成されている第2ビア21は、第1ビア20と同様、導波管2とバックショート3とを繋ぐ擬似的な導体壁の構成に寄与している。また、他の第2ビア21は、マイクロストリップライン9直下のグランドを強化している。
また、複数の第3ビア25の内、パターン開口部側に最も近い位置に形成されている第3ビア25は、第1ビア20と同様、導波管2とバックショート3とを繋ぐ擬似的な導体壁の構成に寄与している。また、他の第3ビア25は、マイクロストリップライン9直下のグランドを強化している。
バックショート3は、導波管2の貫通孔2aの開口を塞ぐ導体壁として第1誘電体基板4に固定されており、導波管2を終端している。
バックショート3は、アルミニウム合金等によって形成された四角ブロック状の部材であり、第1誘電体基板4を一面4a側からみたときの貫通孔2aの開口部2a1に対応する位置を覆うように配置されている。バックショート3の第1誘電体基板4側に向く端面3aには、孔部3bが形成されている。
図4は、バックショート3を端面3a側からみたときの外観斜視図である。
図4及び図1から図3も参照して、孔部3bは、導波管2の貫通孔2aの軸線に沿って断面矩形状に凹んだ有底孔である。端面3aで開口する孔部3bの開口部3b1は、貫通孔2aの開口部2a1に対応して開口している。孔部3bは、例えば、エンドミル等を用いた切削加工によって形成されている。
孔部3bは、4つ内壁面3dによって構成されている。これら内壁面3dの内、互いに隣接する内壁面3d同士は、隅曲面部3eによって繋がっている。この隅曲面部3eの曲率半径は、例えば0.4mmに設定されている。
また、バックショート3において、第1グランドパターン11の無パターン部15に対応する位置には、バックショート3がマイクロストリップライン9に接触しないように切り欠かれている逃げ部3cが形成されている。
バックショート3は、端面3aを第1グランドパターン11に接触させた状態で半田実装されている。これによって、バックショート3は第1グランドパターン11に接続されることで接地されるとともに、第1誘電体基板4の一面4a側に固定されている。
〔各グランドパターンのパターン開口部について〕
図5(a)は、導波管2の端面2bの一部を示す図である。
貫通孔2aの開口部2a1は、上述のように、導波管2の端面2bで矩形状に開口している。導波管2の開口部2a1は、内壁面2d(図2)の端縁である直線状の縁部23と、開口部2a1の4隅を構成する隅部22とによって構成されている。
上述したように、貫通孔2aの内隅2e(図2)は、上述したように、加工上の精度によって曲率半径が0.15mm以下の曲面形状となっている。よって、開口部2a1の隅部22も、曲率半径が0.15mm以下の曲線形状とされている。
図5(b)は、バックショート3の端面3aの一部を示す図である。バックショート3の孔部3bの開口部3b1は、上述のように、バックショート3の端面3aで矩形状に開口している。バックショート3の開口部3b1は、内壁面3d(図4)の端縁である直線状の縁部33と、開口部3b1の4隅を構成する隅部32とによって構成されている。
上述したように、孔部3bの4隅に設けられた隅曲面部3eの曲率半径は、0.4mmに設定されている。よって、開口部3b1の隅部32も、曲線形状とされている。また、これら隅部32の曲率半径は、0.4mmに設定されている。
また、バックショート3の開口部3b1は、その長手方向及び短手方向の寸法が、導波管2の開口部2a1と同じに設定されている。バックショート3の開口部3b1は、導波管2の開口部2a1に対して長手方向及び短手方向にほぼ一致する位置に設けられている。
バックショート3の開口部3b1の形状と、導波管2の開口部2a1の形状とを比較すると、互いの隅部32、及び隅部22の曲線形状が異なっている。
図5(b)中の破線は、開口部3b1に対して貫通孔2aの開口部2a1の形状を長手方向及び短手方向の位置を一致させた上で重ね合わせたときの開口部2a1を示している。
このように、バックショート3の開口部3b1の隅部32は、導波管2の開口部2a1の隅部22よりも大きい曲率半径の曲線形状とされているので、図5(b)に示すように、バックショート3の開口部3b1において対角線T上で対向している隅部32同士の間隔Pが、貫通孔2aの開口部2a1において対角線上Tで対向している隅部22同士の間隔Qの間隔よりも小さくなっている。
このため、バックショート3の開口部3b1と、導波管2の開口部2a1との間で開口形状が4隅で異なっており、開口形状に部分的なギャップが生じている。
なお、上記間隔P(間隔Q)は、対向している隅部32(隅部22)それぞれが対角線Tと交差している点同士の間の距離である。
図6は、変換器1の要部をバックショート3側から見たときの図であり、各グランドパターンのパターン開口部の形状を示す図である。なお、図6では、バックショート3を省略して示している。また、図6では、理解を容易とするために上面に現れないパターン開口部の形状についても全て実線で示している。また、導波管2の開口部2a1の形状については破線で示している。
図6において、第1グランドパターン11において矩形状に開口している第1パターン開口部11aは、その長手方向の寸法L1及び短手方向の寸法S1が、導波管2の開口部2a1と同じに設定されている。よって、第1パターン開口部11aの長手方向の寸法L1は2.54mm、短手方向の寸法S1は1.27mmである。
また、第1パターン開口部11aは、図6に示すように、導波管2の開口部2a1に対して長手方向及び短手方向にほぼ一致する位置に設けられている。
一方、第1パターン開口部11aの4隅を構成する隅部41は、曲率半径が0.4mmの曲線状とされている。つまり、第1パターン開口部11aの隅部41は、バックショート3の開口部3b1の隅部32と同じ曲線形状とされており、開口部3b1の隅部32の曲線形状に対応した曲線形状とされている。
よって、バックショート3の開口部3b1と同様、第1パターン開口部11aは、導波管2の開口部2a1との間で開口形状が4隅で異なっており、開口形状に部分的なギャップが生じている。
なお、第1パターン開口部11aは、その長手方向の寸法L1及び短手方向の寸法S1が、導波管2の開口部2a1と同じであり、かつ隅部41がバックショート3の開口部3b1の隅部32と同じ曲線形状である。よって、第1パターン開口部11aは、バックショート3の開口部3b1と同じ開口形状でかつ同じ寸法となる。
図6中、第2グランドパターン12において矩形状に開口している第2パターン開口部12aは、その長手方向の寸法L2及び短手方向の寸法S2が、第1パターン開口部11a(バックショート3の開口部3b1)よりもやや大きくなるように設定されている。第2パターン開口部12aの長手方向の寸法L2は2.58mm、短手方向の寸法S2は1.31mmである。
第2パターン開口部12aは、第1パターン開口部11aの各辺に対して約0.2mmの間隔をおいて配置されており、互いの長手方向及び短手方向の中心がほぼ一致するように設けられている。
また、第2パターン開口部12aの4隅を構成する隅部42は、曲率半径が0.4mmの曲線状とされている。つまり、第2パターン開口部12aの隅部42も、第1パターン開口部11aの隅部41と同様、バックショート3の開口部3b1の隅部32と同じ曲線形状とされており、開口部3b1の隅部32の曲線形状に対応した曲線形状とされている。
図6中、第3グランドパターン13の第3パターン開口部13aは、その長手方向の寸法L3及び短手方向の寸法S3が、第2パターン開口部12aよりもやや大きくなるように設定されている。第3パターン開口部13aの長手方向の寸法L3は2.62mm、短手方向の寸法S3は1.35mmである。
また、第4グランドパターン14の第4パターン開口部14aは、その長手方向の寸法L4及び短手方向の寸法S4が、第3パターン開口部13aよりもやや大きくなるように設定されている。第4パターン開口部14aの長手方向の寸法L4は2.66mm、短手方向の寸法S3は1.39mmである。
第3パターン開口部13aは、第2パターン開口部12aの各辺に対して約0.2mmの間隔をおいて配置されており、互いの長手方向及び短手方向の中心がほぼ一致するように設けられている。
第4パターン開口部14aは、第3パターン開口部13aの各辺に対して約0.2mmの間隔をおいて配置されており、互いの長手方向及び短手方向の中心がほぼ一致するように設けられている。
また、第3パターン開口部13aの4隅を構成する隅部43は、曲率半径が0.4mmの曲線状とされている。つまり、第2パターン開口部12aの隅部42も、第1パターン開口部11aの隅部41と同様、バックショート3の開口部3b1の隅部32と同じ曲線形状とされており、開口部3b1の隅部32の曲線形状に対応した曲線形状とされている。
さらに、第4パターン開口部14aの4隅を構成する隅部44も、曲率半径が0.4mmの曲線状とされており、開口部3b1の隅部32の曲線形状に対応した曲線形状とされている。
図7(a)は、図6中、C−C線の矢視断面図であり、導波管2の開口部2a1における隅部22を通過する部分を示している。なお、図7(a)では、理解を容易とするために各パターン開口部等の寸法等を誇張して示している。
第1パターン開口部11aは、上述したように、バックショート3の開口部3b1と同じ開口形状でかつ同じ寸法とされており、図7(a)に示すように、バックショート3の開口部3b1にほぼ一致するように設けられている。
また、第1パターン開口部11a以外のパターン開口部12a、13a、14aの長手方向の寸法及び短手方向の寸法は、上述のように、バックショート3の開口部3b1の長手方向の寸法及び短手方向の寸法よりも大きく設定されている。
さらに、パターン開口部11a、12a、13a、14aの長手方向の寸法及び短手方向の寸法は、各グランドパターン11、12、13、14が配置されている位置がバックショート3から遠ざかるに従って、漸次大きくなるように設定されている。
すなわち、図7(a)に示すように、各グランドパターン12、13、14の内、バックショート3から最も離れた位置に配置されている第4グランドパターン14の第4パターン開口部14aは、最もその長手方向の寸法L4及び短手方向の寸法S4が大きく設定されているため、その開口領域が最も広くなっている。次いで、第3パターン開口部13a、第2パターン開口部12aの順にその開口領域が序々に狭くなっている。
つまり、各パターン開口部11a、12a、13a、14aは、バックショート3の開口部3b1から、導波管2の開口部2a1に向かって順にその開口領域が広がっている。
また、図7(a)に示すように、バックショート3の開口部3b1における隅部32と、導波管2の開口部2a1における隅部22との間には、互いの開口形状の部分的なギャップによって、段差Dが生じている。
図7(b)は、図6中、D−D線の矢視断面図であり、導波管2の開口部2a1における隅部22以外の部分を示している。なお、図7(b)では、理解を容易とするために各パターン開口部等の寸法を誇張して示している。
この部分においても、第1パターン開口部11aは、バックショート3の開口部3b1と同じ開口形状でかつ同じ寸法とされているので、バックショート3の開口部3b1にほぼ一致している。
一方、バックショート3の開口部3b1と、導波管2の開口部2a1との間には、図7(a)のように、隅部22と隅部32との間に段差は生じていない。
以上のように、第4パターン開口部14aは、その開口領域が第3パターン開口部13aの開口領域を含む大きさに形成されている。
また、第3パターン開口部13aは、その開口領域が第2パターン開口部12aの開口領域を含む大きさに形成されている。
第2パターン開口部12aは、その開口領域が第1パターン開口部11aの開口領域を含む大きさに形成されている。
このように、各パターン開口部11a、12a、13a、14aの大きさは、配置される位置がバックショート3から遠ざかるに従って、各パターン開口部11a、12a、13a、14aの大きさが漸次大きくなっている。
本実施形態の変換器1は、矩形状の開口部2a1(第1開口部)を有する導波管2と、導波管2を終端するバックショート3(終端部)と、導波管2とバックショート3との間に介在している誘電体基板4、5、6と、各基板4、5、6に設けられ導波管2に電磁的に結合されるマイクロストリップライン9(伝送線路)と、各基板4、5、6の表裏面に設けられたグランドパターン10と、を備え、バックショート3は、導波管2の開口部2a1に対応して開口した矩形状の開口部3b1(第2開口部)を有し、開口部3b1における隅部32が、当該開口部3b1において対角線上で対向している隅部32同士の間隔が開口部2a1において対角線上で対向している隅部22同士の間隔よりも小さくなるような曲線形状とされ、各グランドパターン10は、導波管2の開口部2a1に対応する位置で開口した矩形状のパターン開口部11a、12a、13a、14aを有し、各パターン開口部11a、12a、13a、14aの隅部41、42、43、44が、バックショート3の開口部3b1における隅部32の曲線形状に対応した曲線形状とされている。
上記構成の変換器1によれば、バックショート3の開口部3b1の隅部32が、当該開口部3b1において対角線上で対向している隅部32同士の間隔が開口部2a1において対角線上で対向している隅部22同士の間隔よりも小さくなるような曲線形状とされているので、開口部3b1と、開口部2a1との間で開口形状に段差D(図7(a))のようなギャップが生じる。その一方、各グランドパターン10におけるパターン開口部11a、12a、13a、14aにおける隅部41、42、43、44が、バックショート3の開口部3b1における隅部32の曲線形状に対応した曲線形状とされているので、擬似的な導体壁を構成して導波管2とバックショート3とを繋ぐ各グランドパターン10は、バックショート3の開口部3b1に対して滑らかに繋がり、導波管2とバックショート3とを繋げることができる。
また、各グランドパターン10のパターン開口部11a、12a、13a、14aと、導波管2の開口部2a1との間で、4隅の形状にギャップが生じるが、各グランドパターン10は、導波管2とバックショート3とを繋ぐ擬似的な導体壁を構成するため、形状にギャップが生じたとしても不要な反射を顕著に生じさせることがない。このため、導波管2の開口部2a1と、バックショート3の開口部3b1との間の形状的なギャップによって導波管2内部で生じさせる可能性のある信号波の不要な反射を、各グランドパターン10によって抑制することができ、変換器1の性能に与える影響を抑制することができる。
このように、上記変換器1によれば、導波管2の開口部2a1と、バックショート3の開口部3b1との間で形状にギャップがあったとしても、不要な反射を抑制することができ、広帯域化が可能となる。
また、導波管2の開口部2a1と、バックショート3の開口部3b1との間で形状にギャップがある場合、例えば、バックショート3の孔部3bに対して追加工を行うことで、形状的なギャップを無くすことも可能であるが、コスト増加に繋がってしまう。この点、本実施形態の変換器1によれば、バックショート3の開口部3b1に追加工したりすることなく、不要な反射を抑制することができ、この結果、コストを維持しつつ広帯域化が可能となる。
また、上記実施形態では、複数のグランドパターン10の内、バックショート3に最も近い位置に配置されている第1グランドパターン11は、第1パターン開口部11aの長手方向の寸法及び短手方向の寸法が、バックショート3の開口部3b1の長手方向の寸法及び短手方向の寸法と同じ寸法に設定されており、複数のグランドパターン10の内、バックショート3に最も近い位置に配置されている第1グランドパターン11以外のグランドパターン12、13、14は、各パターン開口部12a、13a、14aの長手方向の寸法及び短手方向の寸法が、バックショート3の開口部3b1の長手方向の寸法及び短手方向の寸法よりも大きく設定され、かつ、配置される位置がバックショート3から遠ざかるに従って、各パターン開口部12a、13a、14aの長手方向の寸法及び短手方向の寸法が漸次大きくなるように設定されている。
つまり、複数のグランドパターン10は、各パターン開口部11a、12a、13a、14aの大きさが、バックショート3の開口部3b1と同じ、又は開口部3b1よりも大きくなっているとともに、配置される位置がバックショート3から遠ざかるに従って、各パターン開口部11a、12a、13a、14aの大きさが漸次大きくなっている。
このため、各グランドパターン10のパターン開口部11a、12a、13a、14aに寸法上のばらつきや、組み立て時に生じる各グランドパターン10同士の配置上のばらつきが生じたとしても、各パターン開口部11a、12a、13a、14aのバックショート3の開口部3b1に対する位置ずれを抑制でき、広帯域な特性を維持することができる。
なお、本実施形態では、第1グランドパターン11の第1パターン開口部11aの大きさをバックショート3の開口部3b1と同じ大きさに設定したが、第1パターン開口部11aの大きさは、バックショート3の開口部3b1よりも僅かに小さくしてもよい。
第1グランドパターン11は、上述したように、バックショート3に最も近い位置に配置されることでバックショート3に接触しており、当該バックショート3が半田実装されている。
このため、第1グランドパターン11の第1パターン開口部11aの大きさをバックショート3の開口部3b1よりも僅かに小さくすれば、加工精度に伴う寸法誤差が生じたとしても、バックショート3の端面3aと、第1グランドパターン11との間の接触面積をできるだけ大きく確保することができ、バックショート3の接地をより確実にすることができる。
なお、第1パターン開口部11aの大きさは、当該第1パターン開口部11aの加工精度及びバックショート3の開口部3b1の加工精度に基づいて、バックショート3の端面3aの全面を第1グランドパターン11に接触させることができる値に設定される。
また、上記実施形態では、パターン開口部11a、12a、13a、14aの長手方向の寸法及び短手方向の寸法を、各グランドパターン11、12、13、14が配置されている位置がバックショート3から遠ざかるに従って漸次大きく設定することで、バックショート3から遠ざかるに従って、各パターン開口部11a、12a、13a、14aの大きさが漸次大きくなっている場合を例示した。
これに対して、例えば、第2パターン開口部12aは、その長手方向の寸法及び短手方向の寸法の少なくとも一方を大きくすることで、第1パターン開口部11aの大きさよりも大きくされていてもよい。また、第3パターン開口部13a(第4パターン開口部14a)も同様に、その長手方向の寸法及び短手方向の寸法の少なくとも一方を大きくすることで、第2パターン開口部12a(第3パターン開口部13a)の大きさよりも大きくされていてもよい。
〔実施形態に係る評価試験について〕
次に、本発明者が行った、上記実施形態の変換器1に関する評価試験について説明する。
本発明者は、上記実施形態に係る変換器1をコンピュータシミュレーションによってモデル化し解析を行うことで、その通過特性と反射特性とを求め、比較評価した。
モデル化した構成としては、図1から図7に示した変換器1を採用した。この変換器1は、上述したように、使用周波数帯域として、76GHzから81GHzに設定される。よって、変換器1は、76GHzから81GHzの間で減衰が小さく、反射特性が良好になるように設定される必要がある。
実施例としては、次の2つを用意した。実施例1としては、上記実施形態で示した寸法で形成されたパターン開口部を有するグランドパターン10を用いた変換器1を採用した。つまり、実施例1に係る変換器1の各パターン開口部の隅部は、バックショート3の開口部3b1の隅部32と同じ曲線形状とされている。また、各パターン開口部は、バックショート3の開口部3b1から、導波管2の開口部2a1に向かって順にその開口領域が広がるように設定されている。
実施例2としては、各パターン開口部をバックショート3の開口部3b1の寸法及び形状が同じとなるように設定したグランドパターン10を用いた変換器1を採用した。つまり、実施例2に係る変換器1の各パターン開口部の隅部は、バックショート3の開口部3b1の隅部32と同じ曲線形状とされている。
さらに、比較例として、各パターン開口部を導波管2の開口部2a1の寸法及び形状が同じとなるように設定したグランドパターン10を用いた変換器1を採用した。つまり、比較例に係る変換器1の各パターン開口部の隅部は、導波管2の開口部2a1の隅部22に対応する形状とされている。
以下、実施例1、実施例2及び比較例の寸法を示す。
実施例1:L1=2.54mm、S1=1.27mm、L2=2.58mm、S2=1.31mm、L3=2.62mm、S3=1.35mm、L4=2.66mm、S4=1.39mm、各隅部41、42、43、及び44の曲率半径=0.4mm
実施例2:L1=L2=L3=L4=2.54mm、S1=S2=S3=S4=1.27mm、各隅部41、42、43、及び44の曲率半径=0.4mm
比較例:L1=L2=L3=L4=2.54mm、S1=S2=S3=S4=1.27mm、各隅部41、42、43、及び44の曲率半径=0.15mm以下
図8は、実施例及び比較例に係る変換器の通過特性を示すグラフである。図中、横軸は入力信号の周波数(GHz)、縦軸は通過特性(SパラメータS21)(dB)を示している。
また、図中、線図E1(実線)は実施例1、線図E2(1点鎖線)は実施例2、及び線図C(破線)は比較例を示している。
図8中、比較例において、入力信号の周波数が76GHzであるマーカm1での値が−0.308dB、入力信号の周波数が81GHzであるマーカm2での値が−0.355dBであるのに対し、実施例2では、マーカm1での値が−0.307dBと比較例とほぼ同じであるが、マーカm2での値が−0.330dBと高い周波数帯域側で通過ロスが低減されており、使用周波数帯域に対してより高い周波数側に広帯域化が実現されていることが判る。
また、実施例1では、マーカm1での値が−0.268dB、マーカm2での値が−0.332dBと、比較例と比較してマーカm1、m2の両方で通過ロスが低減されており、使用周波数帯域に対してより高い周波数側だけでなくより低い周波数側においても広帯域化が実現されていることが判る。
図9は、実施例及び比較例に係る変換器の反射特性を示すグラフである。図中、横軸は入力信号の周波数(GHz)、縦軸は反射特性(SパラメータS11)(dB)を示している。
また、図中、線図E1(実線)は実施例1、線図E2(1点鎖線)は実施例2、及び線図C(破線)は比較例を示している。
図9中、比較例において、入力信号の周波数が76GHzであるマーカm3での値が−19.663dB、入力信号の周波数が81GHzであるマーカm4での値が−18.537dBであるのに対し、実施例2では、マーカm3での値が−19.672dBと比較例に対して低減量が僅かであるが、マーカm4での値が−20.625dBと高い周波数帯域側で値が大きく低減されており、使用周波数帯域に対してより高い周波数側に広帯域化が実現されていることが判る。
また、実施例1では、マーカm3での値が−24.184dB、マーカm4での値が−19.145dBと、比較例と比較してマーカm3、m4の両方で通過ロスが低減されており、使用周波数帯域に対してより高い周波数側だけでなくより低い周波数側においても広帯域化が実現されていることが判る。
以上の結果から、本実施形態の変換器1によれば、使用周波数帯域に対してより広帯域化が実現可能であることが明らかとなった。
〔その他の実施形態について〕
上記実施形態では、誘電体基板を複数用いることで多層基板とした場合を例示したが、誘電体基板を1枚だけ用いた単層基板で構成してもよい。この場合、1枚誘電体基板の表裏面にグランドパターンを設ける。さらに、これらグランドパターンに設けられるパターン開口部の隅部は、バックショート3の開口部3b1における隅部32の曲線形状に対応した曲線形状に形成する。
このような単層基板を用いて変換器を構成した場合においても、導波管2の開口部2a1と、バックショート3の開口部3b1との間で形状にギャップがあったとしても、不要な反射を抑制することができ、広帯域化が可能となる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 マイクロストリップライン−導波管変換器
2 導波管
2a 貫通孔
2a1 開口部
2b 端面
2c 端面
2d 内壁面
2e 内隅
3 バックショート
3a 端面
3b 孔部
3b1 開口部
3c 逃げ部
3d 内壁面
3e 隅曲面部
4 第1誘電体基板
4a 一面
5 第2誘電体基板
6 第3誘電体基板
9 マイクロストリップライン
9a アンテナ部
9b 本体部
10 グランドパターン
11 第1グランドパターン
11a 第1パターン開口部
12 第2グランドパターン
12a 第2パターン開口部
13 第3グランドパターン
13a 第3パターン開口部
14 第4グランドパターン
14a 第4パターン開口部
15 無パターン部
15a 幅狭部
15b 幅広部
20 第1ビア
21 第2ビア
22 隅部
23 縁部
32 隅部
33 縁部
41 隅部
42 隅部
43 隅部
44 隅部

Claims (3)

  1. 矩形状の第1開口部を有する導波管と、
    前記導波管を終端する終端部と、
    前記導波管と前記終端部との間に介在している基板と、
    前記基板に設けられ前記導波管に電磁的に結合される伝送線路と、
    前記基板の表裏面に設けられた接地導体パターンと、を備え、
    前記終端部は、前記導波管の第1開口部に対応して開口した矩形状の第2開口部を有し、
    前記第2開口部における4隅が、当該第2開口部において対角線上で対向している隅同士の間隔が前記第1開口部において対角線上で対向している隅同士の間隔よりも小さくなるような曲線形状とされ、
    前記接地導体パターンは、前記第1開口部に対応して開口した矩形状のパターン開口部を有し、
    前記パターン開口部の4隅が、前記第2開口部における4隅の曲線形状に対応した曲線形状とされている
    伝送線路−導波管変換器。
  2. 前記基板は複数であり、
    複数の前記基板、及び前記接地導体パターンは交互に配置されて互いに積層されている請求項1に記載の伝送線路−導波管変換器。
  3. 複数の前記接地導体パターンの内、前記終端部に最も近い位置に配置されることで前記終端部に接触している接地導体パターン以外の前記接地導体パターンは、前記パターン開口部の大きさが、前記第2開口部と同じ、又は前記第2開口部よりも大きくなっているとともに、配置される位置が前記終端部から遠ざかるに従って、前記パターン開口部の大きさが漸次大きくなっている請求項2に記載の伝送線路−導波管変換器。
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