JP2017004054A - 支援システム、支援方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】検討対象となる建物について、建替えを実施するのに適した期間を提示する支援システム、支援方法、及びプログラムを提供する。【解決手段】支援システム100では、検討対象の建物について検討する期間として予め定めた所定の検討期間が複数の単位期間に分割され、検討期間内の何れかの単位期間に検討対象の建物の建替えを実施すると仮定する建替シナリオが定義されている。建替シナリオのもとで検討対象の建物の維持および建替えに掛る費用を含む費用の検討期間内に見込まれる累計額を、建替シナリオにおいて建物の建て替えを実施すると仮定した単位期間に対応させて算出する費用算定部120と、検討期間内の単位期間ごとに算出された費用の累計額に基づいて、累計額の最大値と累計額の最小値との差額から求めた値から閾値を定め、閾値に基づく判定により、建替えを実施する候補の期間を算定する推奨期間算定部130と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、既存の建物の建替に適した期間を提示する支援システム、支援方法、及びプログラムに関する。
建物の劣化状況の調査を行うと、内装や設備等に多くの不具合が見つかり、多額の修繕や更新コストが必要であることが判明する場合がある。その場合、修繕や更新コストを負担して建物を継続使用すべきか、新たに建替えるべきかについて、建物所有者等は決断を迫られることになる。
現状のファシリティマネジメントの考え方では、既存の建物を延命させる場合のライフサイクルコスト(LCC)と、建替えを行う場合のライフサイクルコストとを比較することにより、延命又は建替えの優劣を判定する。このため、現状のファシリティマネジメントの考え方では、建物の建替えを何時行うと効率的であるかの判定ができなかった。
なお、関連する資産運用管理支援システムがある(特許文献1を参照)。この特許文献1に記載の資産運用管理支援システムは、橋梁等の複数の構造物について、維持管理に伴う補修・改修対策や更新対策を、各構造物にとって最適な時期に、かつ、短期、中期および長期予算を満たすように実行するための計画作成を支援する。
特開2006−323741号公報
上記特許文献1に記載の建築物評価システムでは、各橋梁について、健全度の許容レベルと回復レベルとを指標にした複数のシナリオを選定する。そして、特許文献1の建築物評価システムは、橋梁の劣化予測式に基づいて健全度の将来予測を行い、上記複数のシナリオ毎にLCCの累積額の算出処理を実行し、このLCCが最小になるシナリオを選択する。この選択されたシナリオは、予算計画に基づいて実施時期が変更されることがあり、また、他のシナリオに変更されることがある。
しかしながら、特許文献1の建築物評価システムでは、ビル等の建物について、所定の検討期間内においてコスト的に有利である建替えの期間を提示する方法については開示されていない。
本発明は、斯かる実情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、検討対象となる1又は複数の建物について、所定の検討期間内において建替えを実施するのに適した期間を提示できる、支援システム、支援方法、及びプログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の支援システムは、検討対象の建物について検討する期間として予め定めた所定の検討期間が複数の単位期間に分割され、前記検討期間内の何れかの前記単位期間に検討対象の建物の建替えを実施すると仮定する建替シナリオが定義されており、前記建替シナリオのもとで前記検討対象の建物の維持および建替えに掛る費用を含む費用の前記検討期間内に見込まれる累計額を、前記建替シナリオにおいて前記建物の建替えを実施すると仮定した単位期間に対応させて算出する費用算定部と、前記検討期間内の前記単位期間ごとに前記算出された費用の累計額に基づいて、当該累計額の最大値と当該累計額の最小値との差額から求めた値から閾値を定め、前記閾値に基づく判定により、前記建替えを実施する候補の期間を算定する推奨期間算定部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の支援システムは、検討対象の複数の建物について検討する期間として予め定めた所定の検討期間が複数の単位期間に分割され、前記建物毎に前記検討期間内の何れかの前記単位期間に検討対象の建物の建替えを実施すると仮定する建替シナリオが定義されており、前記建物毎の前記建替シナリオのもとで前記検討対象の建物の維持および建替えに掛る費用を含む費用の前記検討期間内に見込まれる累計額を、前記建物毎の前記建替シナリオにおいて前記建物の建て替えを実施すると仮定した単位期間に対応させて前記建物毎に算出する費用算定部と、前記検討期間内の前記単位期間ごとに前記算出された費用の前記建物毎の累計額に基づいて、当該建物毎の累計額の最大値と当該建物毎の累計額の最小値との差額から求めた値から閾値を定め、前記閾値に基づく判定により、前記建物毎に建替えを実施する候補の期間を算定する推奨期間算定部と、を備えることを特徴とする。
また、上記支援システムにおいて、前記推奨期間算定部は、当該累計額の最大値と当該累計額の最小値との差額から求めた値を前記最小値に加えて閾値にして、前記閾値に基づく判定により、前記建替えを実施する候補の期間を算定することを特徴とする。
また、上記支援システムにおいて、前記推奨期間算定部は、当該累計額の最大値と当該累計額の最小値との差額から求めた値を前記最小値に加えて閾値にして、前記閾値に基づく判定の結果から得られた前記単位期間を、前記建替えを実施する候補の期間として算定することを特徴とする。
また、本発明の支援システムは、検討対象の複数の建物について検討する期間として予め定めた所定の検討期間が複数の単位期間に分割され、前記建物毎に前記検討期間内の何れかの前記単位期間に検討対象の建物の建替えを実施すると仮定する建替シナリオが定義されており、前記建物毎の前記建替シナリオのもとで前記検討対象の建物の維持および建替えに掛る費用を含む費用の前記検討期間内に見込まれる累計額を、前記建物毎の前記建替シナリオにおいて前記建物の建替えを実施すると仮定した単位期間に対応させて前記建物毎に算出する費用算定部と、前記検討期間内の前記単位期間ごとに前記算出された費用の前記建物毎の累計額に基づいて、当該建物毎の累計額の最大値と当該建物毎の累計額の最小値との差額から値を求め、前記複数の建物の前記差額から求めた値から代表値を定め、前記定めた代表値を基準にした判定により、前記建物毎に建替えを実施する候補の期間を算定する推奨期間算定部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の支援方法は、検討対象の建物について検討する期間として予め定めた所定の検討期間が複数の単位期間に分割され、前記検討期間内の何れかの前記単位期間に検討対象の建物の建替えを実施すると仮定する建替シナリオが定義されており、前記建替シナリオのもとで前記検討対象の建物の維持および建替えに掛る費用を含む費用の前記検討期間内に見込まれる累計額を、前記建替シナリオにおいて前記建物の建替えを実施すると仮定した単位期間に対応させて算出するステップと、前記検討期間内の前記単位期間ごとに前記算出された費用の累計額に基づいて、当該累計額の最大値と当該累計額の最小値との差額から求めた値から閾値を定め、前記閾値に基づく判定により、前記建替えを実施する候補の期間を算定するステップと、を含む処理をコンピュータに実施させることを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、検討対象の建物について検討する期間として予め定めた所定の検討期間が複数の単位期間に分割され、前記検討期間内の何れかの前記単位期間に検討対象の建物の建替えを実施すると仮定する建替シナリオが定義されており、前記建替シナリオのもとで前記検討対象の建物の維持および建替えに掛る費用を含む費用の前記検討期間内に見込まれる累計額を、前記建替シナリオにおいて前記建物の建替えを実施すると仮定した単位期間に対応させて算出するステップと、前記検討期間内の前記単位期間ごとに前記算出された費用の累計額に基づいて、当該累計額の最大値と当該累計額の最小値との差額から求めた値から閾値を定め、前記閾値に基づく判定により、前記建替えを実施する候補の期間を算定するステップと、を支援システムのコンピュータに実施させるためのプログラムである。
本発明によれば、検討対象となる1又は複数の建物について、所定の検討期間内において建替えを実施するのに適した期間を提示できる。
本発明の第1実施形態に係わる支援システムの動作の概要を示す説明図である。 支援システム100の構成例を示すブロック図である。 第1実施形態の支援システム100における処理の流れを示すフローチャートである。 検討期間の例を示す説明図である。 既存の建物の維持コストの例を示す説明図である。 建替え後の建物の維持コストの例を示す説明図である。 30年の検討期間において10年目に建替えを実施する建替シナリオの例を示す説明図である。 建替シナリオ毎の累計額T(y)の第1の例を示す説明図である。 建替シナリオ毎の累計額T(y)の第2の例を示す説明図である。 候補期間の第1の算定例を示す説明図である。 候補期間の第2の算定例を示す説明図である。 第2実施形態における候補期間の算定例を示す説明図である。 複数の建物のそれぞれの候補期間の例を示す説明図である。 第2実施形態の支援システム100における処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態における候補期間の算定例を示す説明図である。 建物10−3自身の累計額T(y)の差額Δを用いた候補期間の算定例を示す説明図である。 建物10−1の累計額T(y)の差額Δmaxを用いる場合と建物10−3自身の累計額T(y)の差額Δを用いる場合との候補期間の算定結果の違いを示す説明図である。 第3実施形態の支援システム100における処理の流れを示すフローチャートである。 ファシリティ機能、性能、品質のレベル向上に掛るコスト情報の設定例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
(概要)
図1は、本発明の第1実施形態に係わる支援システム100の動作の概要を示す説明図である。建替えの検討対象となる建物10は、例えば、オフィスビル等である。支援システム100は、検討対象の建物10について、所定の検討期間(例えば、現在から)30年間の検討期間を設定する。そして、支援システム100は、初年度に建替えを実施すると仮定した場合の建替シナリオから、30年目(現在から30年後)の最終年度に建替えを実施すると仮定した場合の建替シナリオまでの、それぞれの建替シナリオを作成する。つまり、支援システム100は、建物10について、建替えを実施する時期(以下、「建替時期」とも記載)を変化させた場合の複数の建替シナリオを作成する。
なお、以下の説明において、検討期間内の「初年度から数えてy年後」を、「y年目」と記載することがある。
支援システム100において、費用算定部120は、建替時期が異なる建替シナリオ毎に、建物10の維持コスト(維持費用)と、建替えに掛る建替コスト(建替費用)とを含むコスト(費用)の累計額T(y)を算出する。
推奨期間算定部130は、検討対象の建物10について、累計額T(y)が最も少ないTminの年度(例えば、8年目)を、建替えを実施するのに最も適した「推奨年度」として算定する。また、推奨期間算定部130は、累計額T(y)の最大値Tmaxと最小値との差額Δに基づいて、累計額T(y)が比較的少ない年度(例えば、6年目、7年目、9年目、10年目)を、建替えを実施するのに適した候補となる年度(以下、「候補年度」とも記載)を算出する。
そして、推奨期間算定部130は、推奨年度と候補年度とを含む期間を、建替えを実施するのに適した候補となる期間(以下、「候補期間」とも記載)として算定する。支援システム100は、推奨年度と候補年度とを含む候補期間201を提示する。
これにより、支援システム100は、検討対象となる建物10について、所定の検討期間内において建替えを実施するのに適した候補となる期間を提示できる。
なお、図1に示す例では、1つの建物10の候補期間201を算定する例を示しているが、これに限定されない。後述する第2実施形態及び第3実施形態で示すように、支援システム100は、複数の建物のそれぞれについての候補期間を算定して提示することができる。
(支援システム100の構成例)
次に、支援システム100の構成例について説明する。
図2は、支援システム100の構成例を示すブロック図である。この図2に示すように、支援システム100は、制御部101と、入出力インタフェース102と、建替シナリオ生成部110と、記憶部150と、を備える。また、この支援システム100には、入出力端末装置161が接続される。この入出力端末装置161は、液晶表示ディスプレイ等の表示部162と、マウスやキーボード等の入力装置163とを備えている。
制御部101は、支援システム100内の各部を制御し、支援システム100の全体を統括して制御することにより、支援システム100に必要とされる処理機能を実現する。入出力インタフェース102は、支援システム100に接続される入出力端末装置161とのインタフェースとなる処理部である。
入力装置163は、例えば、建物10の建替シナリオ毎の累計額T(y)を算出する際に必要となるデータの入力に使用される。支援システム100は、入力装置163から入力されたデータを、入出力インタフェース102を介して取得して記憶部150に記憶する。また、支援システム100は、推奨期間算定部130により算定された候補期間201の情報を、入出力インタフェース102を介して入出力端末装置161に出力して、表示部162に表示させる。
建替シナリオ生成部110は、費用算定部120と、推奨期間算定部130と、作図部140と、を含んでいる。
建替シナリオ生成部110は、予め設定された検討期間(例えば、30年)の初年度から最終年度までの間において、建替えを実施する年度を変化させた複数の建替シナリオを作成する。つまり、建替シナリオ生成部110は、建替時期の異なる複数の建替シナリオを作成する。
費用算定部120は、建替時期の異なる建替シナリオ毎に、検討期間内における建物10の維持コストと建替コストとのコストの累計額T(y)を算出する。この建替シナリオ毎の累計額T(y)の算出方法の詳細については、後述する。
推奨期間算定部130は、検討対象の建物10について、累計額T(y)が最も少ないTminの年度を、建替えを実施するのに最も適した「推奨年度」として算定する。また、推奨期間算定部130は、累計額T(y)が比較的少ない年度を、建替えを実施するのに適した候補年度として算定する。この候補年度を算定する場合、推奨期間算定部130は、累計額T(y)の最大値Tmaxと最小値Tminとの差額Δ(=Tmax−Tmin)に基づいて候補年度を算定する。また、推奨期間算定部130は、推奨年度と候補年度とを含む期間を、候補期間として算定する。この候補年度及び候補期間の算定方法の詳細については、後述する。
作図部140は、推奨年度、候補年度、及び候補期間等を表示する図表を生成する。支援システム100は、この図表を表示部162に表示する。例えば、作図部140は、建替シナリオ毎のコストの累計額T(y)を、建替時期に対応させて、累計額T(y)を年度別に比較することが可能な図表を生成するとともに、推奨年度、候補年度、及び候補期間を示す情報を含む図表を生成する。
また、記憶部150には、建物属性情報151、劣化診断情報152、耐震診断情報153、長期修繕計画情報154、建物の建替えに掛かるコスト情報155、既存の建物の維持に掛かるコスト情報156、建替え後の建物の維持に掛かるコスト情報157、及びファシリティ機能、性能、品質のレベル向上に掛るコスト情報158等が記憶されている。
なお、上記の建物属性情報151からコスト情報158までの各情報は、入出力端末装置161の入力装置163から予め入力される情報である。支援システム100は、入力装置163から入力された建物属性情報151からコスト情報158までの各情報を、記憶部150に記憶する。
上記の建物属性情報151は、建物10の現況情報、例えば、土地面積、延床面積、建築後の経過年数、建物の耐用年数、及び土地や建物の所有権の情報等である。
劣化診断情報152は、建物10について定期的に行われる劣化診断(例えば、現地調査等)の診断結果の情報である。この劣化診断情報152には、例えば、耐久性診断、外壁等劣化診断、設備劣化診断、配管劣化診断などの建物劣化診断の情報が含まれる。
耐震診断情報153は、建物10についての耐震性能の診断結果の情報である。この耐震診断は、建物10について定期的に行われる劣化診断と合わせて行うことができる。
長期修繕計画情報154は、建物の劣化診断情報152と、耐震診断情報153とに基づいて設定される建物10の整備計画の情報である。なお、この長期修繕計画情報154は、劣化診断情報152と、耐震診断情報153とに基づいて、建物10の将来の劣化状態を予測して設定することができる。
建物の建替えに掛かるコスト情報155は、建物10の撤去、設計、新築に掛るコストの情報である。
既存の建物の維持に掛るコスト情報156は、上記の長期修繕計画情報154に基づいて、建物10の修繕・改修を行う際に必要となるコストの情報である。
建替え後の建物の維持に掛るコスト情報157は、建物10の建替え後に新たに建てた建物の維持コストの情報である。この建替え後の建物の維持に掛るコスト情報157の例については、後述する。
前段までに説明した各コスト情報は、ファシリティ機能、性能、品質を維持することを前提にして、建物10の修繕・改修並びに建替えを実施する際に掛るコストの情報であった。一方、建物10の修繕・改修並びに建替えを実施する際に、ファシリティ機能、性能、品質を部分的に向上させる場合がある。そこで、ファシリティ機能、性能、品質のレベルを部分的に向上させる場合についても、ファシリティ機能、性能、品質のレベルをコスト化することにより、統合して検討することができる。ファシリティ機能、性能、品質のレベル向上に掛るコスト情報158は、建物10のファシリティ機能、性能、品質のレベルを向上させる場合に、この向上の程度を金額に変換した情報である。このファシリティ機能、性能、品質のレベル向上に掛るコスト情報158の詳細については、後述する。
図3は、第1実施形態の支援システム100における処理の流れを示す説明図である。以下、図3を参照して、本実施形態の支援システム100における処理の流れについて説明する。
この支援システム100において、検討対象の建物10についての処理が開始される(ステップS10)。
検討対象の建物10についての処理が開始されると、建替シナリオ生成部110は、検討対象の建物10についての検討期間を設定する。この検討期間は、建物10の機能を維持する期間として設定される。例えば、検討期間は、現在から将来に向けての30年間として年単位で設定される(ステップS20)。
続いて、建替シナリオ生成部110は、30年間の検討期間において、初年度に建替えを実施すると仮定した場合の建替シナリオから、30年目の最終年度に建替えを実施すると仮定した場合の建替シナリオまでの、それぞれの建替シナリオを作成する。つまり、建替シナリオ生成部110は、建物10について、建替えを実施する時期を変化させた場合の複数の建替シナリオを作成する(ステップS30)。
続いて、費用算定部120は、建替時期が異なる建替シナリオ毎に、建物10の維持コスト(維持費用)と、建替えに掛る建替コスト(建替費用)とを含むコスト(費用)の累計額T(y)を算出する(ステップS40)。
続いて、推奨期間算定部130は、累計額T(y)が最小値Tminになる年度を、建替えを実施するのに最も適した「推奨年度」として算定する(ステップS50)。
続いて、推奨期間算定部130は、累計額T(y)の最大値Tmaxと最小値Tminとの差額Δ(=Tmax−Tmin)を算出する(ステップS60)。
続いて、推奨期間算定部130は、差額Δ(=Tmax−Tmin)から、
閾値「Tmin+(Tmax−Tmin)×p」、を算出する。
ここで、pは、例えば、「p=0.2」等の1以下の正の値である(ステップS70)。
続いて、推奨期間算定部130は、閾値「Tmin+(Tmax−Tmin)×p」に基づいて、累計額T(y)が閾値よりも少ない年度を候補年度として算定する(ステップS80)。
続いて、推奨期間算定部130は、推奨年度と候補年度とを含む期間を、候補期間として算定する(ステップS90)。
続いて、作図部140は、候補期間等を提示する図表を生成する。支援システム100は、この図表を表示部162に表示する(ステップS100)。
上記ステップS100において図表を表示部162に表示した後に、支援システム100は、処理を終了する(ステップS110)。
これにより、支援システム100は、検討対象となる建物10について、所定の検討期間内において建替えを実施するのに適した期間を提示できる。
(検討期間の例)
支援システム100において、検討期間は、事業等に供するための「建物10の目的機能を維持する期間」として設定される。この検討期間nは、「現在」から「現在+n」までの期間として定義される。例えば、検討期間nは、30年である。
図4は、検討期間の例を示す説明図である。この図4では、横方向に、時間の経過を年単位で示し、縦方向に、検討対象となる建物Aの例と、検討対象となる建物Bの例と、検討対象とならない建物Cの例と、を並べて示している。
図4に示す例は、検討対象とする建物10を、検討期間n内に築40年を超える建物と、現在の時点で築40年を超えている建物とする例である。このため、建替時期の検討対象となる建物は、検討期間n内に築40年を超える建物Aと、現在の時点で築40年を超えている建物Bとなる。
一方、建物Cは、検討期間nの後に築40年を迎えるため、検討対象外とする。つまり、現在の時点で新築されたばかりの新しい建物Cについては、建替時期の検討対象から除外するのが合理的であるからである。
(建替シナリオのコストの累計額Tの算定方法)
次に、費用算定部120により行われる建替シナリオのコストの累計額Tの算出方法について説明する。
費用算定部120は、現在から検討期間nの間に発生する修繕・改修・建替に要するコストの累計額Tを算出する。この累計額Tの算出において、既存の建物10のk年目における維持コスト(修繕・改修コスト)をM1、建物の建替後のj年目における維持コストをM2、建替コストをA(y)と定義する。
そして、検討期間n内のy年目に建替えると仮定し、現在(k=1)から建替前年度(k=y−1) までに発生する維持コストの累計額を、
Figure 2017004054
とする。
また、建替えに要するコストA(y)は、建替年度(1年間と仮定)に発生するものとする。
また、建替後の建物において建替の翌年度(j=1)から検討期間の最終年度(j=n−y)までに発生する維持コストの累計額を、
Figure 2017004054
とする。
そして、費用算定部120は、下記式(3)により、建替シナリオ毎のコストの累計額T(y)を算出する。
Figure 2017004054
ここで、「n:検討期間(年)」、「M1:k年目の既存の建物の維持コスト」、「y:建替時期」、「M2:建替後のj年目の建物の維持コスト」、である。
また、「T(y):y年目に建替えを実施する建替シナリオにおけるコストの累計額」、「A(y):y年目に建替えを実施する建替シナリオにおける建替(撤去、設計、新築)に必要なコスト」、である。
例えば、図5は、既存の建物の維持コストの例を示す説明図である。この図5に示す例は、ケーススタディとして築46年の既存の建物を対象とし、対象建物の劣化診断を行い、既存建物の維持コストの累計額ΣM1を算出する例である。
費用算定部120は、記憶部150に記憶された長期修繕計画情報154に基づいて、「ΣM1:現在からk年目までに発生する既存建物の維持コストの累計額」を算出する。
図5において、横軸は、現在から30年目までの検討期間を年単位のkで示し、縦軸は、維持コストの累計額ΣM1を「千円/m」の単位で示している。そして、図5では、30年間の検討期間の各年度kに対応させて、維持コストの累計額ΣM1をヒストグラムで示している。
この図5に示すように、ヒストグラムの網掛けされた部分で示す「各年毎に発生する維持コストM1」が、毎年発生する。この「各年毎に発生する維持コストM1は、ヒストグラムの網掛けされていない部分で示す「前年度までの累計額ΣM1k−1」に加算されて、当該年度における新たな「累計額ΣM1」になる。このように、各年毎に発生する維持コストM1が累積されることにより、既存の建物10の維持コストの累計額ΣM1が年々増加する。そして、維持コストの累計額ΣM1は、検討期間の30年目の最終年度において、最大になる。
また、図6は、建替え後の建物の維持コストの例を示す説明図である。この図6に示す建替え後の建物の維持コストは、文献(「平成17年版 建築物のライフサイクルコスト」、一般財団法人建築保全センター)の概算システムで定められる事務所3000型case2の値を用いている。この概算システムで定められる維持コストは、新築から65年目までとなっており、この値が検討期間の最大値となる。なお、図6では、修繕のグレードとして上記文献の概算システムで定められる事務所3000型case2の値を用いているが、事務所3000型にはcase2の他に、グレードの要求レベルを比較的高く設定することを条件にするのに適したcase1と、グレードの要求レベルを比較的低く設定することを条件にするのに適したcase3がある。修繕のグレードに適したcaseを選択することにより、目的に応じたコストを算出できる。また、上述した建替コストA(y)は、上記概算システムで定められる値の中から建物用途および規模に合わせた値を用いている。
図6において、横軸は、建替え後の初年度から30年の期間を年単位のjで示し、縦軸は、維持コストの累計額ΣM2を「千円/m」の単位で示している。そして、図6では、建替え後の30年間の期間の各年度jに対応させて、維持コストの累計額ΣM2をヒストグラムで示している。
この図6に示すように、ヒストグラムの網掛けされた部分で示す「各年毎に発生する維持コストM2」が、毎年発生する。この「各年毎に発生する維持コストM2」は、ヒストグラムの網掛けされていない部分で示す「前年度までの累計額ΣM2j−1」に加算されて、当該年度における新たな「累計額ΣM2」になる。このように、各年毎に発生する維持コストM2が累積されることにより、建替後の建物10の維持コストの累計額ΣM2が年々増加する。そして、維持コストの累計額ΣM2は、建替後の30年目において、最大になる。
次に、上記築46年の建物についての建替シナリオの事例について説明する。
図7は、30年の検討期間において10年目に建替えを実施する建替シナリオの例を示す説明図である。この図7において、1年目から9年目までは、図5の「既存の建物の維持コスト」の1年目から9年目までの累計額ΣM1を示している。
また、10年目は、1年目から9年目までの維持コストの累計額ΣM1(k=1〜9)と、建物の建替コストA(10)と、を加算した金額、
ΣM1(k=1〜9)+A(10)、
を示している。上記式における変数kは、検討期間の開始年度から建替え実施までの経過年数を示す。
また、11年目から30年目までは、10年目におけるコストの累計額「ΣM1(k=1〜9)+A(10)」に、図6の「建替え後の建物の維持に掛るコストの累計額ΣM2(j=1〜20)」を加算した値を示している。変数jは、建替え後の初年度から経過した期間を年単位で示す。換言すれば、変数jは、建替え実施年度からの経過年数を示す。例えば、10年目に建替えを実施して、変数jの値が5である年は、検討期間の開始から15年経過した年になる。
そして、検討期間の30年目における累計額T(10)は、
ΣM1(k=1〜9)+A(10)+ΣM2(j=1〜20)、
となる。
そして、図7の例では、累計額T(10)が約「500千円/m」になっており、この金額が、10年目の建替シナリオにおけるコストの累計額T(10)となる。
以上、10年目に建替えを実施する建替シナリオの例について説明したが、建替時期yは、1年目から30年目まで変化する。この建替時期yの変化に伴い、「既存の建物の維持に掛るコストM1」の発生期間と、「建替え後の建物の維持に掛るコストM2」の発生期間とが、それぞれ変動する。このため、建替シナリオ毎の累計額T(y)が変動することになる。
次に、一定の整備が行われている建物10について、建替時期yを1年目から30年目まで変化させた場合の建替シナリオ毎の累計額T(y)の変動の例を示す。
図8は、建替シナリオ毎の累計額T(y)の第1の例を示す説明図である。
図8において、グラフの横軸は、1年目から30年目までの建替時期(y年後)を示し、縦軸は、累計額Tを「千円/m」の単位で示している。そして、図8で示す例では、建替えをy年目に行うと仮定した場合の建替シナリオ毎の累計額T(y)を、建替えを行うそれぞれ年度に対応させてヒストグラムにより示している。なお、図8に示す例では、建替コストA(y)として固定値を用いているが、建替コストA(y)を建替えを行う年度yに対応して変化させるようにしてもよい。
図8に示す第1の例では、1年目、7年目、11年目に建替えるシナリオの累計額T(y)が最小になり、1年目、7年目、11年目に建替えを実施するとコストを抑制できるという結果を示している。また、17年目後以降、緩やかに累計額T(y)が増加していくことが読み取れる。このため、図8に示す第1の例では、建替えを行うのであれば16年以内に行うと効果的であることが分かる。このことから一定の整備が行われている施設については、現時点では施設寿命の延命化を図ることが有効であるが、中期的に建替えを視野に入れた建物整備計画を立案するべきという結果が示されている。
このようにして、支援システム100は、無駄を省いた建物整備計画の立案を支援する。また、支援システム100は、建物10についての最適な建替時期を提示するので、建物10の長期整備計画を立案する際の精度が向上する。
(候補期間の算定)
ところで、図8に示す第1の例の場合、支援システム100は、建物の建替えを行うのに最も適した年度は、1年目と、7年目と、11年目とであり、また、16年目以前に建替えを実施するのであれば、コストを抑制できるという結果を提示している。つまり、図8の例の場合、建物の建替えを行うのに適した年度は、30年間の検討期間中の比較的広い範囲に分散している。このため、建物10の建替えを実施する年度は、建物整備計画や予算計画等に応じて、柔軟に選択することができる。
しかしながら、建物の建替えを行うのに適した年度は、狭い範囲の期間に限定される場合がある。例えば、図9は、建替シナリオ毎の累計額T(y)の第2の例を示す説明図である。この図9に示す例は、建替えを実施するに最も適した年度(推奨年度)が8年目の例である。
この図9に示す例の場合、建物の建替えは、累計額T(y)が最小になる8年目に実施されること望まれるが、予算計画の都合等により実施できない場合もある。このため、支援システム100の推奨期間算定部130は、建替えを実施するのに適する候補の期間(候補期間)を算定して提示する。
図10は、候補期間の第1の算定例を示す説明図である。
この図10に示す例において、支援システム100は、建物10の建て替え実施の推奨年度として、累計額T(y)が最小値Tminとなる8年目を算定する。また、支援システム100は、建替えを実施するのに適する候補期間を算定する。
この候補期間の算定は、累計額T(y)の最大値Tmaxと最小値Tminとの差額Δ(=Tmax1−Tmin1)に基づいて、下記の式(4)に基づいて行われる。
T(y)−Tmin<(Tmax−Tmin)×p ・・・(4)、
ここで、「T(y):y年目に建替えを実施する建替シナリオにおけるコストの累計額」、「Tmin:累計額T(y)の最少値」、「Tmax:累計額T(y)の最大値」、「p:定数(「p=0.2」等の1以下の正の値)」、である。
つまり、「Tmin+(Tmax−Tmin)×p」が、候補期間を算定する閾値になる。支援システム100の推奨期間算定部130は、累計額T(y)が閾値よりも小さい年度を候補年度と算定する。また、支援システム100は、候補年度と推奨年度とを含む期間を候補期間として算定する。
図10に示す例では、斜線で網掛けして示す「8年目の建替シナリオの累計額T(8)」が最小になり、この8年目が建替えを行う推奨年度になる。そして、点々模様で網掛けして示す「6年目、7年目、9年目、10年目の累計額T(y)」が式(4)の関係を満たし、この「6年目、7年目、9年目、10年目」が候補年度となる。そして、推奨期間算定部130は、推奨年度(8年目)と、候補年度(6年目、7年目、9年目、10年目)とを含む期間を、建替えを実施するのに適した推奨する候補期間201として算定する。
そして、支援システム100は、例えば、建替シナリオ毎の累計額T(y)のヒストグラムを表示部162に表示する。このヒストグラムを表示する際に、支援システム100は、推奨年度の累計額T(y)の部分と、候補年度の累計額T(y)の部分と、その他の年度の累計額T(y)の部分と、を区別できるよう表示する。例えば、支援システム100は、推奨年度(8年目)の累計額T(y)の部分を濃青色で表示し、候補年度(6年目、7年目、9年目、10年目)の累計額T(y)の部分を薄い青色で表示する。また、支援システム100は、例えば、推奨年度と候補年度とを除くその他の年度における累計額T(y)の部分を黄色(或いは灰色)で表示する。また、候補年度(6年目、7年目、9年目、10年目)の累計額T(y)の部分は、累計額T(y)が小さいほど色を濃くする等、累計額T(y)の大きさに応じて色の濃淡を変えて表示してもよい。
これにより、支援システム100は、所定の検討期間内において建替えを実施するのに適した候補期間を分かり易く提示できる。
また、例えば、支援システム100は、候補期間201を表示する場合、推奨年度(8年目)を示す数字「8」と、候補年度(6年目、7年目、9年目、10年目)を示す数字「6、7、9、10」とを、青色の数字で表示するとともに、他の年度の数字を黒色で表示する。また、例えば、支援システム100は、候補期間201の数字「6、7、8、9、10」を方形の枠線により囲んで表示し、推奨年度の数字「8」を赤丸で囲んで表示する。
なお、推奨年度の累計額T(y)と、候補年度の累計額T(y)、その他の年度の累計額T(y)を区別して表示する方法は、ヒストグラムを色分けして表示する他に種々の方法により表示することができる。候補期間201の表示方法についても同様である。
また、推奨年度と、候補年度と、候補期間とは、必ずしもヒストグラムの形式で表示する必要はなく、例えば、後述する図13に示すように、検討期間nに対応させて年度で表示するようにしてもよい。
また、図10に示す例は、30年の検討期間内において、1つの候補期間201のみが算定された例であるが、複数の候補期間が算定される場合もある。
例えば、図11は、候補期間の第2の算定例を示す説明図である。この図11に示す例は、候補期間201と候補期間202との2つの候補期間が算定された例である。このように、候補期間は、2以上に分かれて算定されることがある。
これにより、支援システム100は、検討対象となる建物10について、所定の検討期間n内において建替えを実施するのに適した期間を候補期間201として提示できる。このため、建物10の所有者は、施設整備計画や予算計画の都合等により、建物10の建替えを実施するのに最も適した推奨年度に実施することができない場合においても、建替えを実施するのに適した候補期間201を確認して、建替えを実施する時期を柔軟に選択することができる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、1つの建物について、検討期間nにおいて建替えを実施するのに適した候補期間を算定する例について説明したが、本発明の第2実施形態では、複数の建物について、候補期間を算定する例について説明する。
なお、第2実施形態の支援システムの構成は、図2に示す第1実施形態の支援システム100と基本的に同じ構成である。但し、第2実施形態の支援システム100は、費用算定部120が複数の建物のそれぞれについて建替シナリオ毎の累計額T(y)の算出を行う点が異なる。また、第2実施形態の支援システム100は、推奨期間算定部130が複数の建物のそれぞれについて建替えを実施するのに適した候補期間の算定を行う点が異なる。
このように、複数の建物についての候補期間を算定する理由は、各建物について累計額T(y)が最も少ない年度を最適な推奨年度として算定すると、推奨年度が重なることが有るためである。これに対処するため、第2実施形態の支援システム100では、複数の建物のそれぞれに対して、建替えに適する候補期間を算定する。
図12は、第2実施形態における候補期間の算定例を示す説明図である。この図12において、図12(A)は、建物10−1に対する候補期間の算定例を示し、図12(B)は、建物10−2における候補期間の算定例を示している。
なお、図12では、2つの建物10−1と建物10−2とを例にして、それぞれの候補期間を算定する例を示しているが、3つ以上の複数の建物である建物10−1から建物10−N(Nは3以上の整数)のそれぞれに対して、候補期間を算定する場合がある。
図12(A)に示す建物10−1において、建替シナリオ毎の累計額T(y)は、検討期間の開始年から8年目(y=8)に建替えを行う建替シナリオの場合に、最小値Tmin1になる。また、累計額T(y)は、30年目(y=30)に建替えを行う建替シナリオの場合に、最大値Tmax1になる。そして、建物10−1における建替シナリオ毎の累計額T(y)の差額Δは、「Δ=Tmax1−Tmin1」になる。
そして、図12(A)に示す建物10−1についての候補の年(候補期間)の算定は、下記の式(5)に基づいて行われる。
T(y)−Tmin1<(Tmax1−Tmin1)×p ・・・(5)、
ここで、pは、例えば、「p=0.2」等の1以下の正の値である。
そして、上記式(5)により、建物10−1の候補期間211は、6年目から10年目までとなる。また、最も累計額T(y)が少ない8年目が推奨年度になる。
そして、図12(B)に示す建物10−2において、建替シナリオ毎の累計額T(y)は、検討期間の開始年から10年目(y=10)に建替えを行う建替シナリオの場合に、最小値Tmin2になる。また、累計額T(y)は、30年目(y=30)に建替えを行う建替シナリオの場合に、最大値Tmax2になる。そして、建物10−2における累計額T(y)の差額Δは、「Δ=Tmax2−Tmin2」になる。
そして、図12(B)に示す建物10−2についての候補の年(候補期間)の算定は、下記の式(6)に基づいて行われる。
T(y)−Tmin2<(Tmax2−Tmin2)×p ・・・(6)、
ここで、pは、例えば、「p=0.2」等の1以下の正の値である。
そして、上記式(6)により、建物10−2の候補期間212は、7年目から13年目までとなる。また、最も累計額T(y)が少ない10年目が推奨年度になる。
そして、図13は、複数の建物のそれぞれの候補期間の例を示す説明図である。なお、この図13では、建物10−Nにおける候補期間213を、仮に「11年目から16年目」であるものとして示している。
この図13に示すように、建物10−1の候補期間211は、6年目から10年目となる。また、最も累計額T(y)が少ない8年目が推奨年度になる。
また、建物10−2の候補期間212は、7年目から13年目となる。また、最も累計額T(y)が少ない10年目が推奨年度になる。
また、建物10−Nの候補期間213は、11年目から16年目となる。また、最も累計額T(y)が少ない14年目が推奨年度になる。
例えば、支援システム100は、この図13に示す候補期間の情報を表示部162に表示する。これにより、支援システム100は、建物10−1、建物10−2、・・・、建物10−Nのそれぞれについて、建替えを実施するのに適した候補期間を分かり易く提示することができる。このため、支援システム100は、建物10−1から建物10−Nの複数の建物の建替えを含む施設整備計画の立案を支援することができる。
また、図14は、第2実施形態の支援システム100における処理の流れを示すフローチャートである。以下、図14を参照して、第2実施形態の支援システム100における処理の流れについて説明する。
本第2実施形態の支援システム100において、検討対象の建物10−1から建物10−Nについての処理が開始される(ステップS200)。
続いて、建替シナリオ生成部110は、建物10−1から建物10−Nの複数の建物に共通する検討期間を設定する。この検討期間は、建物10−1から建物10−Nについての機能を維持する期間として設定される。例えば、検討期間は、現在から将来に向けての30年間として年単位で設定される(ステップS210)。
続いて、建替シナリオ生成部110は、30年間の検討期間において、建物10−1から建物10−Nのそれぞれに対して、建替時期を変化させた場合の建替シナリオを作成する。つまり、建替シナリオ生成部110は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれ対して、初年度に建替えを実施する建替シナリオから、30年目の最終年度に建替えを実施する建替シナリオまでの、それぞれの建替シナリオを作成する(ステップS220)。
続いて、費用算定部120は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおいて、建替時期が異なる建替シナリオ毎に、建物10の維持コストと、建替えに掛る建替コストとを含むコスト(費用)の累計額T(y)を算出する(ステップS230)。
続いて、推奨期間算定部130は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおいて、累計額T(y)が最も少ない最小値Tminになる年度を、建替えを実施するのに最も適した推奨年度として算定する(ステップS240)。
続いて、推奨期間算定部130は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおいて、累計額T(y)の最大値Tmaxと最小値Tminとの差額Δ(=Tmax−Tmin)を算出する(ステップS250)。
続いて、推奨期間算定部130は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおいて、それぞれの累計額T(y)の最小値Tminと差額Δ(=Tmax−Tmin)とから、
閾値「Tmin+(Tmax−Tmin)×p」、を算出する。
ここで、pは、例えば、「p=0.2」等の1以下の正の値である(ステップS260)。
続いて、推奨期間算定部130は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおいて、それぞれの閾値「Tmin+(Tmax−Tmin)×p」に基づいて、累計額T(y)が閾値よりも小さい年度を候補年度として算定する(ステップS270)。
続いて、推奨期間算定部130は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおいて、推奨年度と候補年度とを含む期間を、候補期間として算定する(ステップS280)。
続いて、作図部140は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおける候補期間等を表示する図表を生成する。支援システム100は、この図表を表示部162に表示する(ステップS290)。
上記ステップS290において図表を表示部162に表示した後に、支援システム100は、処理を終了する(ステップS300)。
これにより、支援システム100は、建物10−1から建物10−Nの複数の建物のそれぞれについて、所定の検討期間内において建替えを実施するのに適した期間を分かり易く提示できる。
[第3実施形態]
第2実施形態の支援システム100では、建物10−1から建物10−Nの複数の建物のそれぞれにおいて、累計額T(y)の最大値Tmaxと最小値Tminとに基づいて閾値「Tmin+(Tmax−Tmin)×p」を定め、この閾値に基づいて建物毎に候補期間を算定している。しかしながら、各建物における累計額T(y)と累計額T(y)の最大値Tmaxと累計額T(y)の最小値Tminとについて、建物10−1から建物10−Nの建物毎に比較すると、対応する値であっても建物毎に大きく異なる場合がある。
この場合、建物の建替えの実施年度を推奨年度と異なる年度に実施する場合に、複数の建物の中でコスト的に大きな影響を与える建物は、累計額T(y)の最大値Tmaxと最小値Tminとの差額Δ(=Tmax−Tmin)が大きな建物である。一方、最大値Tmaxと最小値Tminとの差額Δが小さな建物は、建替えの実施年度を推奨年度と異なる年度に実施することにしてもコストに与える影響が小さい。
第3実施形態の支援システムでは、累計額T(y)の差額Δ(=Tmax−Tmin)が、検討対象の複数の建物の中で最大の値になった建物を基準にして、他の建物の候補期間を算定する例について説明する。
なお、第3実施形態の支援システムの構成は、図2に示す第1実施形態の支援システム100と基本的に同じ構成である。但し、第3実施形態の支援システム100では、費用算定部120が建物10−1から建物10−Nの複数の建物のそれぞれについて建替シナリオ毎の累計額T(y)の算出を行う点が異なる。また、推奨期間算定部130が、建物10−1から建物10−Nの複数の建物のそれぞれについて候補期間の算定を行う場合に、累計額T(y)の最大値Tmaxと最小値Tminとの差額Δ(=Tmax−Tmin)が最も大きな建物を基準として算定する点が異なる。
図15は、第3実施形態における候補期間の算定例を示す説明図である。この図15において、図15(A)は、例えば、6階建て等の比較的大きな建物10−1の例であり、図16(B)は、3階建て等の比較的小さい建物10−3の例である。
そして、図15(A)において、建物10−1の建替シナリオ毎の累計額T(y)の最大値がTmax1であり、最小値がTmin1であり、差額Δは、「Tmax1−Tmin1」になる。
一方、図15(B)において、建物10−3の建替シナリオ毎の累計額T(y)の最大値がTmax3であり、最小値がTmin3であり、差額Δは、「Tmax3−Tmin3」になる。
そして、建物10−1における累計額T(y)の差額Δ(=Tmax1−Tmin1)が、建物10−3における累計額T(y)の差額Δ(=Tmax3−Tmin3)よりも大きく、建物10−1の差額Δが、この例における最大の差額Δmaxになる。
なお、図15では、2つの建物10−1と建物10−2との候補期間を算定する例を示しているが、3つ以上の複数の建物である建物10−1から建物10−N(Nは3以上の整数)のそれぞれに対して、候補期間を算定する場合がある。
図15に示す例において、推奨期間算定部130は、建物10−1の累計額T(y)の差額Δmax(=Tmax1−Tmin1)に基づいて、「Δmax×p」を代表値に定める。ここで、pは、例えば、「p=0.2」等の1以下の正の値である。
つまり、Δmax×pは、「Δmax×p=(Tmax1−Tmin1)×p」である。
そして、図15(A)に示す建物10−1の候補期間を算定する場合、推奨期間算定部130は、建物10−1自身から算出した代表値「Δmax×p」に基づいて、閾値「Tmin1+Δmax×p」を定める。
推奨期間算定部130は、建物10−1について、累計額T(y)が閾値「Tmin1+Δmax×p」よりも小さい年度を候補期間221として算定する。この図15(A)に示す例では、建物10−1の建替えの候補期間221は、6年目から10年目までの5年間になる。
一方、図15(B)に示す建物10−3の場合、推奨期間算定部130は、建物10−1の候補期間の算定に用いた代表値「Δmax×p」を用いる。
そして、推奨期間算定部130は、建物10−3について、累計額T(y)が閾値「Tmin3+Δmax×p」よりも小さい年度を候補期間222として算定する。この図15(B)に示す例では、建物10−3の建替えの候補期間222は、2年目から16年目までの15年間になる。
なお、図16は、建物10−3自身の累計額T(y)の差額Δを用いた候補期間の算定例を示す説明図である。この図16に示す例は、建物10−3の候補期間を算定する際に、建物10−3自身の累計額T(y)の差額Δ(=Tmax3−Tmin3)から算出した閾値「Tmin3+(Tmax3−Tmin3)×p」を用いて、候補期間223を算定した例である。
この図16に示す例では、建物10−3の建替の候補期間223は、7年目から13年目までの7年間となる。
そして、図17は、建物10−1の累計額T(y)の差額Δmaxを用いる場合と建物10−3自身の累計額T(y)の差額Δを用いる場合との候補期間の算定結果の違いを示す説明図である。
図17(A)に示すように、建物10−1の累計額T(y)の差額Δmax(=Tmax1−Tmin1)から算出される代表値「Δmax×p」を用いて、建物10−3の候補期間222を算定する場合、候補期間222は、2年目から16年目の15年間になる。
一方、建物10−3自身の累計額T(y)の差額Δ(=Tmax3−Tmin3)から算出される数値「(Tmax3−Tmin3)×p」を用いる場合、候補期間223は、7年目から13年目の7年間になる。
このように、第3実施形態の支援システム100は、建物10−1の累計額T(y)の差額Δmaxから得られる代表値「Δmax×p」を用いて、建物10−3の候補期間を算出する。これにより、支援システム100は、建物10−3の候補期間を広い範囲の期間に設定することができる。3つ以上の建物10−1から建物10−Nがある場合についても同様である。
なお、建物10−1から建物10−Nの複数の建物がある場合、建物10−1から建物10−Nの建物毎の累計額T(y)の差額Δ(Tmax−Tmin)が異なるため、場合によっては、ある建物の累計額T(y)の差額Δが、代表値「Δmax×p」以下になることもある。このような場合であれば、当該建物の建替えはいつ実施してもよいことになる。
また、図18は、第3実施形態の支援システム100における処理の流れを示すフローチャートである。この図18に示すフローチャートにおいて、ステップS210からステップS240まで処理と、ステップS280からステップS300までの処理とは、図14に示す第2実施形態のフローチャートと同じである。このため、同じ処理内容のステップには同じステップ番号を付して重複する説明は省略する。
ステップS240において、推奨期間算定部130は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおいて、累計額T(y)が最も少ない最小値Tminになる年度を、建替えを実施するのに最も適した推奨年度として算定する(ステップS240)。
続いて、推奨期間算定部130は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおいて、累計額T(y)の最大値Tmaxと最小値Tminとの差額Δ(=Tmax−Tmin)を算出する。そして、推奨期間算定部130は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおける累計額T(y)の差額Δから、最も大きな差額Δを判定し、この最も大きな差額Δを「差額Δmax」として算定する(ステップS250A)。
続いて、推奨期間算定部130は、最も大きな差額Δmaxから、代表値「Δmax×p」を算出する(ステップS255A)。
続いて、推奨期間算定部130は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおいて、それぞれの建物自身の累計額T(y)の最小値Tminと、上記の代表値「Δmax×p」とから、閾値「Tmin+Δmax×p」、を算出する(ステップS260A)。
続いて、推奨期間算定部130は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおいて、それぞれの閾値「Tmin+Δmax×p」に基づいて、累計額T(y)が閾値よりも小さい年度を候補年度として算定する(ステップS270A)。
続いて、推奨期間算定部130は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおいて、推奨年度と候補年度とを含む期間を、候補期間として算定する(ステップS280)。
続いて、作図部140は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおける候補期間等を表示する図表を生成する。支援システム100は、この図表を表示部162に表示する(ステップS290)。
上記ステップS290において図表を表示部162に表示した後に、支援システム100は、処理を終了する(ステップS300)。
これにより、支援システム100は、累計額T(y)の差額Δが小さな建物の建替えの候補期間を算定する場合、当該建物自身の累計額T(y)の差額Δに基づいて候補期間を算定する場合と比較して、より広い範囲の候補期間を算定することができる。
(ファシリティ機能、性能、品質のレベル向上の例)
なお、上述の支援システム100の例では、建物10の維持コストと建替コストとに基づいて、建替シナリオ毎の累計額T(y)を算出する例について説明したが、これに限定されない。例えば、費用算定部120は、建物のファシリティ機能、性能、品質のレベルを向上させる場合、この向上の程度を金額に変換して、建替シナリオ毎のコストの累計額T(y)の内数にして算出してもよい。
図19は、ファシリティ機能、性能、品質のレベル向上に掛るコスト情報の設定例を示す説明図である。例えば、支援システム100は、この図19に示す表300を表示部162に表示する。支援システム100は、この表300上の各項目について、修繕・改修により実施するか、建物の建替え時に実施するか、或いは、実施しないかを選択できるように表示する。
また、支援システム100は、建替えにより実施しようとする項目について、当該項目を実施する際に必要となる建替コストの増加分の金額の情報を、この表300の該当する位置に入力装置163により入力できるように表示する。或いは、支援システム100は、修繕・改修により実施しようとする項目について、当該項目を実施する際に必要となる維持コストの増加分の金額の情報と、実施時期の情報とを、この表300の該当する位置に入力できるように表示する。
そして、例えば、支援システム100は、ある項目についてのコストの増加分の金額が入力された場合に、当該項目が実施される項目であると判定し、増加分の金額が入力されなかった項目については、当該項目が実施されない項目であると判定する。
この図19の表300に入力された金額の情報と、実施時期の情報とは、記憶部150に、「ファシリティ機能、性能、品質に掛るコスト情報158」として記憶される。
図19において、項目1−1の「省エネ機器(LED照明等)の導入」は、例えば、蛍光灯照明をLED照明に変更する際に必要となるコストの情報である。
項目1−2の「リフレッシュルームの設置」は、オフィスワーカの福利厚生のための休憩ルームを新たに設置する際に必要となる設備や什器に掛るコストの情報である。
項目1−3の「収納スペースの増加」は、例えば、1部屋毎に、或いは、複数の部屋毎に収納スペースを増加させる際に必要となるコストの情報である。
また、項目2−1の「電気設備容量の増加」は、例えば、電力会社からの受電電力を増加する際に必要となる受電設備の変更や配電線の変更に掛るコストの情報である。項目2−2の「照明の個別制御の導入」は、照明装置を個別にON/OFFさせる(或いは、調光制御をさせる)際に必要となるコストの情報である。また、項目2−3の「冷暖房設備の個別制御の導入」は、例えば、1部屋毎に、別々に温湿度制御を行う際に必要になるコストの情報である。
なお、上記各項目の内容及び個数は、固定的なものではなく、検討対象となる建物10の態様や建物所有者の経営方針等に応じて柔軟に設定されるものである。
この図19に示す例では、項目1−1の「省エネ機器(LED照明等)の導入」は、修繕・改修により実施されることが選択され、この「省エネ機器(LED照明等)の導入」に必要となる金額312と、その実施時期313とが表300の該当する位置に入力されている。
また、項目1−2の「リフレッシュルームの設置」は、修繕・改修により実施されることが選択され、この「リフレッシュルームの設置」に必要となる金額314と、その実施時期315とが表300の該当する位置に入力されている。
なお、項目1−3の「収納スペースの増加」は、実施されないため、金額等の情報が入力されていない。
そして、項目1−1の「省エネ機器(LED照明等)の導入」に必要となる金額312は、その実施時期313に対応する年度の維持コストの内数として加算される。同様にして、項目1−2の「リフレッシュルームの設置」に必要となる金額314は、その実施時期315に対応する年度の維持コストの内数として加算される。
また、項目2−1の「電気設備容量の増加」と、項目2−2の「照明の個別制御の導入」と、項目2−3の「冷暖房の個別制御の導入」とは、修繕・改修により行うことが選択され、それらを実施する際に必要となる金額と、実施時期とのそれぞれが、表300の該当する位置に入力されている。
そして、項目2−1の「電気設備容量の増加」と、項目2−2の「照明の個別制御の導入」と、項目2−3の「冷暖房の個別制御の導入」とを実施する際に必要となるそれぞれの金額は、それぞれの実施時期に対応する年度の維持コストの内数として加算される。
これにより、費用算定部120は、建替シナリオ毎の累計額T(y)を算出する際に、ファシリティ機能、性能、品質のレベルを向上させるために必要な維持コストの増加分と、建替コストの増加分とを含めて累計額T(y)を算出することができる。
このため、支援システム100は、建替シナリオ毎の累計額T(y)を算出する際に、ファシリティ機能、性能、品質のレベル向上に掛るコストを累計額T(y)に盛り込み、コスト化して一元的に評価することができる。
また、建替シナリオ毎の累計額T(y)を算出する際に、ファシリティ機能、性能、品質のレベル向上に掛るコストを累計額T(y)に盛り込むことにより、長期整備計画を立案する際の選択肢を増やすことができる。
なお、支援システム100は、ファシリティ機能、性能、品質のレベル向上の程度をコスト化して評価するだけでなく、建替えに関する他の要素もコスト化して評価することもできる。例えば、支援システム100は、施設仮設費用、施設の統廃合等の要素をコスト化して評価することもできる。また、例えば、支援システム100は、建物10を建替える場合に、自社単独で建替える場合や、他社と共同で建替える場合等について、それぞれの場合における建替費用の要素や経営的な要素をコスト化して評価することもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、図2に示す支援システム100は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した処理に関する一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。また、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS等も含むものとする。
つまり、支援システム100内の制御部101、入出力インタフェース102、建替シナリオ生成部110における各処理の全部又は一部の処理は、CPU等の中央演算処理装置がROMやRAM等の主記憶装置に上記プログラムを読み出して、情報の加工、演算処理を実行することにより、実現されるものである。勿論、図2に示す支援システム100を構成する各処理部は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。
以上説明したように、上記実施形態の支援システム100においては、検討対象の建物10について検討する期間として予め定めた所定の検討期間nが年単位(複数の単位期間)に分割され、検討期間n内の何れかの年度(単位期間)に検討対象の建物10の建替えを実施すると仮定する建替シナリオが定義されている。
そして、費用算定部120は、建替シナリオのもとで検討対象の建物10の維持および建替えに掛る費用を含むコスト(費用)の検討期間n内に見込まれる累計額T(y)を、建替シナリオにおいて建物10の建替えを実施すると仮定した年度(単位期間)に対応させて算出する。
推奨期間算定部130は、検討期間n内の年度(単位期間)ごとに算出されたコストの累計額T(y)に基づいて、当該累計額T(y)の最大値Tmaxと当該累計額T(y)の最小値Tminとの差額Δ(=Tmax−Tmin)から求めた値から閾値「Tmin+(Tmax−Tmin)×p」を定め、この閾値に基づく判定により、建替えを実施する候補の期間を算定する。
このような構成の支援システム100であれば、支援システム100は、建物10について検討期間nの初年度に建替えを行うと仮定した場合から最終年度に建替えを行うと仮定した場合までの複数の建替シナリオを作成する。つまり、支援システム100は、建物10に対して建替を実施する年度が異なる複数の建替シナリオを作成する。
費用算定部120は、建替を実施する年度が異なる複数の建替シナリオ毎に、建物10の維持に掛るコスト(費用)と建替えに掛るコスト(費用)との累計額T(y)を算出する。
推奨期間算定部130は、建替シナリオ毎に算定されたコストの累計額T(y)に基づいて、累計額T(y)の最大値Tmaxと最小値Tminとの差額Δ(=Tmax−Tmin)から求めた値から閾値「Tmin+(Tmax−Tmin)×p」を定め、累計額T(y)が閾値よりも小さい年度を候補期間として算定する。
これにより、支援システム100は、検討対象となる建物10について、所定の検討期間内において建替えを実施するのに適した期間を提示できる。
また、上記実施形態の支援システム100においては、検討対象の建物10−1から建物10−N(Nは正の整数)について検討する期間として予め定めた所定の検討期間nが年単位(複数の単位期間)に分割され、建物10−1から建物10−Nの建物毎に検討期間n内の何れかの年度(単位期間)に検討対象の建物の建替えを実施すると仮定する建替シナリオが定義されている。
そして、費用算定部120は、建物10−1から建物10−Nの建物毎の建替シナリオのもとで検討対象の建物の維持および建替えに掛る費用を含む費用の検討期間n内に見込まれる累計額T(y)を、建物10−1から建物10−Nの建物毎の建替シナリオにおいて建物の建替えを実施すると仮定した年度(単位期間)に対応させて建物10−1から建物10−Nの建物毎に算出する。
推奨期間算定部130は、検討期間n内の年度(単位期間)ごとに算出されたコスト(費用)の建物毎の累計額T(y)に基づいて、当該建物毎の累計額T(y)の最大値Tmaxと当該建物毎の累計額T(y)の最小値Tminとの差額Δ(=Tmax−Tmin)から求めた値から閾値「Tmin+(Tmax−Tmin)×p」を定め、閾値に基づく判定により、建物10−1から建物10−Nの建物毎に建替えを実施する候補の期間を算定する。
このような構成の支援システム100であれば、建替シナリオ生成部110は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれに対して、検討期間nの初年度に建替えを行うと仮定した場合から最終年度に建替えを行うと仮定した場合までの複数の建替シナリオを作成する。つまり、支援システム100は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれに対して、複数の建替シナリオを作成する。
そして、費用算定部120は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれに対して、建替を実施する年度が異なる複数の建替シナリオ毎に、建物の維持に掛るコスト(費用)と建替えに掛るコスト(費用)との累計額T(y)を算出する。
推奨期間算定部130は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおいて、累計額T(y)の最大値Tmaxと最小値Tminとの差額Δ(=Tmax−Tmin)を算出する。そして、推奨期間算定部130は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおいて、差額Δから求めた値から閾値「Tmin+(Tmax−Tmin)×p」を算出し、累計額T(y)が閾値よりも小さい年度を、建替えを実施する候補の期間として算定する。
これにより、支援システム100は、建物10−1から建物10−Nのそれぞれについて、所定の検討期間内において建替えを実施するのに適した期間を提示できる。
また、上記実施形態において、推奨期間算定部130は、当該累計額T(y)の最大値Tmaxと当該累計額T(y)の最小値Tminとの差額Δ(=Tmax−Tmin)から求めた値「(Tmax−Tmin)×p」を最小値Tminに加えて閾値「Tmin+(Tmax−Tmin)×p」にして、閾値に基づく判定により、建替えを実施する候補の期間を算定する。
これにより、支援システム100は、累計額T(y)の差額Δ(=Tmax−Tmin)と、最小値Tminと、に基づいて、建替えを実施する候補の期間を算定することができる。
また、上記実施形態において、推奨期間算定部130は、当該累計額T(y)の最大値Tmaxと当該累計額T(y)の最小値Tminとの差額Δ(=Tmax−Tmin)から求めた値「(Tmax−Tmin)×p」を最小値Tminに加えて閾値「Tmin+(Tmax−Tmin)×p」にして、閾値に基づく判定の結果から得られた年度(単位期間)を、建替えを実施する候補の期間として算定する。
これにより、支援システム100は、累計額T(y)の差額Δ(=Tmax−Tmin)と、最小値Tminと、に基づいて、建替えを実施する候補の年度(単位期間)を算定し、この候補の年度を含む期間を、建替えを実施する候補の期間とすることができる。
また、上記実施形態の支援システム100においては、検討対象の建物10−1から建物10−N(Nは正の整数)について検討する期間として予め定めた所定の検討期間nが年単位(複数の単位期間)に分割され、建物10−1から建物10−Nの建物毎に検討期間n内の何れかの年度(単位期間)に検討対象の建物の建替えを実施すると仮定する建替シナリオが定義されている。
そして、費用算定部120は、建物10−1から建物10−Nの建物毎の建替シナリオのもとで検討対象の建物の維持および建替えに掛る費用を含む費用の検討期間n内に見込まれる累計額T(y)を、建物10−1から建物10−Nの建物毎の建替シナリオにおいて建物の建替えを実施すると仮定した年度(単位期間)に対応させて建物10−1から建物10−Nの建物毎に算出する。
推奨期間算定部130は、検討期間n内の年度(単位期間)ごとに算出されたコスト(費用)の建物毎の累計額T(y)に基づいて、当該建物毎の累計額T(y)の最大値Tmaxと当該建物毎の累計額T(y)の最小値Tminとの差額Δ(=Tmax−Tmin)から値を求め、複数の建物の差額Δから求めた値から代表値を定め、この定めた代表値を基準にした判定により、建物10−1から建物10−Nの建物毎に建替えを実施する候補の期間を算定する。
このような構成の支援システム100であれば、推奨期間算定部130は、複数の建物10−1から建物10−Nのそれぞれにおける建替シナリオ毎の累計額T(y)の差額Δ(=Tmax−Tmin)から最大値を判定し、この最大値を「Δmax」とする。そして、推奨期間算定部130は、この差額Δmaxから代表値「Δmax×p」を算出し、この代表値「Δmax×p」を基準にした判定により、建物10−1から建物10−Nの建物毎に建替えを実施する候補の期間を算定する。
これにより、支援システム100は、累計額T(y)の差額Δが小さな建物の建替えを実施する候補の期間を算定する場合、累計額T(y)の差額Δが大きな建物を基準にして、建替えを実施する候補の期間を算定することができる。このため、支援システム100は、累計額T(y)の差額Δが小さな建物の建替えの候補の期間を算定する場合、当該建物自身の累計額T(y)の差額Δに基づいて算定する場合と比較して、より広い範囲の候補の期間を算定することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の支援システム100は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記支援システム100では、検討期間nを年単位で設定し、建替シナリオの累計額T(y)の算出や候補期間の算定等を年単位で行う例を示したが、これに限定されない。例えば、検討期間nの設定や、建替シナリオの累計額T(y)の算出や、候補期間の算定等は、月単位、半年単位、或いは、複数年単位で行うようにしてもよい。
なお、上記支援システム100では、検討期間nとして定めた期間を通して、予め定めた共通の条件のもとで検討と判定とを行うものとして説明したが、検討期間nとして定めた期間内を複数の期間に分割して、分割された期間毎に判定の条件を変えるようにしてもよい。例えば、中期計画の対象期間と中期計画終了後の期間とに分割する場合が挙げられる。この場合、中期計画の対象期間では、計画実行に当たり建替え候補期間と建替えに関係する事項を具体化させた条件で判定し、中期計画終了後の期間では、建替え候補期間として選択する範囲に幅を持たせて選択できるように条件を設定する。より具体的な例を挙げるとすれば、中期計画の対象期間として設定した5年間は、建替え候補期間を具体的な年度で示し、中期計画終了後の期間では、5年を単位とする期間の何れに、建替え候補期間が含まれるかを選定できるように設定する。なお、上記の例も一例である。
10,10−1,10−2,10−3,10−N・・・建物、
100・・・支援システム、110・・・建替シナリオ生成部、
120・・・費用算定部、130・・・推奨期間算定部、140・・・作図部、
150・・・記憶部、161・・・入出力端末装置、162・・・表示部

Claims (7)

  1. 検討対象の建物について検討する期間として予め定めた所定の検討期間が複数の単位期間に分割され、前記検討期間内の何れかの前記単位期間に検討対象の建物の建替えを実施すると仮定する建替シナリオが定義されており、前記建替シナリオのもとで前記検討対象の建物の維持および建替えに掛る費用を含む費用の前記検討期間内に見込まれる累計額を、前記建替シナリオにおいて前記建物の建替えを実施すると仮定した単位期間に対応させて算出する費用算定部と、
    前記検討期間内の前記単位期間ごとに前記算出された費用の累計額に基づいて、当該累計額の最大値と当該累計額の最小値との差額から求めた値から閾値を定め、前記閾値に基づく判定により、前記建替えを実施する候補の期間を算定する推奨期間算定部と、
    を備えることを特徴とする支援システム。
  2. 検討対象の複数の建物について検討する期間として予め定めた所定の検討期間が複数の単位期間に分割され、前記建物毎に前記検討期間内の何れかの前記単位期間に検討対象の建物の建替えを実施すると仮定する建替シナリオが定義されており、前記建物毎の前記建替シナリオのもとで前記検討対象の建物の維持および建替えに掛る費用を含む費用の前記検討期間内に見込まれる累計額を、前記建物毎の前記建替シナリオにおいて前記建物の建て替えを実施すると仮定した単位期間に対応させて前記建物毎に算出する費用算定部と、
    前記検討期間内の前記単位期間ごとに前記算出された費用の前記建物毎の累計額に基づいて、当該建物毎の累計額の最大値と当該建物毎の累計額の最小値との差額から求めた値から閾値を定め、前記閾値に基づく判定により、前記建物毎に建替えを実施する候補の期間を算定する推奨期間算定部と、
    を備えることを特徴とする支援システム。
  3. 前記推奨期間算定部は、
    当該累計額の最大値と当該累計額の最小値との差額から求めた値を前記最小値に加えて閾値にして、前記閾値に基づく判定により、前記建替えを実施する候補の期間を算定する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の支援システム。
  4. 前記推奨期間算定部は、
    当該累計額の最大値と当該累計額の最小値との差額から求めた値を前記最小値に加えて閾値にして、前記閾値に基づく判定の結果から得られた前記単位期間を、前記建替えを実施する候補の期間として算定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の支援システム。
  5. 検討対象の複数の建物について検討する期間として予め定めた所定の検討期間が複数の単位期間に分割され、前記建物毎に前記検討期間内の何れかの前記単位期間に検討対象の建物の建替えを実施すると仮定する建替シナリオが定義されており、前記建物毎の前記建替シナリオのもとで前記検討対象の建物の維持および建替えに掛る費用を含む費用の前記検討期間内に見込まれる累計額を、前記建物毎の前記建替シナリオにおいて前記建物の建替えを実施すると仮定した単位期間に対応させて前記建物毎に算出する費用算定部と、
    前記検討期間内の前記単位期間ごとに前記算出された費用の前記建物毎の累計額に基づいて、当該建物毎の累計額の最大値と当該建物毎の累計額の最小値との差額から値を求め、前記複数の建物の前記差額から求めた値から代表値を定め、前記定めた代表値を基準にした判定により、前記建物毎に建替えを実施する候補の期間を算定する推奨期間算定部と、
    を備えることを特徴とする支援システム。
  6. 検討対象の建物について検討する期間として予め定めた所定の検討期間が複数の単位期間に分割され、前記検討期間内の何れかの前記単位期間に検討対象の建物の建替えを実施すると仮定する建替シナリオが定義されており、前記建替シナリオのもとで前記検討対象の建物の維持および建替えに掛る費用を含む費用の前記検討期間内に見込まれる累計額を、前記建替シナリオにおいて前記建物の建替えを実施すると仮定した単位期間に対応させて算出するステップと、
    前記検討期間内の前記単位期間ごとに前記算出された費用の累計額に基づいて、当該累計額の最大値と当該累計額の最小値との差額から求めた値から閾値を定め、前記閾値に基づく判定により、前記建替えを実施する候補の期間を算定するステップと、
    を含む処理をコンピュータに実施させることを特徴とする支援方法。
  7. 検討対象の建物について検討する期間として予め定めた所定の検討期間が複数の単位期間に分割され、前記検討期間内の何れかの前記単位期間に検討対象の建物の建替えを実施すると仮定する建替シナリオが定義されており、前記建替シナリオのもとで前記検討対象の建物の維持および建替えに掛る費用を含む費用の前記検討期間内に見込まれる累計額を、前記建替シナリオにおいて前記建物の建替えを実施すると仮定した単位期間に対応させて算出するステップと、
    前記検討期間内の前記単位期間ごとに前記算出された費用の累計額に基づいて、当該累計額の最大値と当該累計額の最小値との差額から求めた値から閾値を定め、前記閾値に基づく判定により、前記建替えを実施する候補の期間を算定するステップと、
    を支援システムのコンピュータに実施させるためのプログラム。
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