JP2017003321A - 超音波探触子の走査装置 - Google Patents

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和也 江原
秀孝 小室
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秀孝 小室
正浩 小池
Masahiro Koike
正浩 小池
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Abstract

【課題】保持部材の小型化による探触子の走査範囲の拡大化を可能とし、かつ超音波の送受信方向を安定させることができる超音波探触子の走査装置を提供する。【解決手段】超音波探触子2を配管1の表面に沿って移動させる走査装置において、超音波探触子2を保持するホルダ3と、ホルダ3を介し超音波探触子2を回転可能に支持する球面軸受4と、ホルダ3及び球面軸受4を介し超音波探触子2を配管1の表面に沿って移動させる移動装置5とを備える。球面軸受4は、配管1の表面に対する超音波探触子2のロール回転及びピッチ回転を許容するもののヨー回転を制限する回転規制機構17を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、超音波探触子を被検査体の表面に沿って移動させる走査装置に関する。
超音波探傷試験では、走査装置を用いて、超音波探触子を被検査体の表面に沿って移動させる場合がある(例えば特許文献1参照)。
特許文献1の走査装置は、超音波探触子を有する超音波探傷ヘッドを被検査体(特許文献1では、丸棒体)の表面に追従させるために、超音波探傷ヘッドを回転可能に支持する1軸のジンバル機構を備えている。1軸のジンバル機構は、超音波探傷ヘッドの外側に設けられて被検体の表面に沿うように一方向に(特許文献1では、丸棒体の軸方向に)延在する一対の可動軸で構成されている。また、特許文献1の走査装置は、ジンバル機構を介し超音波探傷ヘッドを保持する保持部材として、枠状の部材を備えている。そして、バネ部材によって保持部材等を押圧することにより、被検査体の表面と超音波探傷ヘッドの接触面が均一に接触するようになっている。
なお、走査装置においては、2軸のジンバル機構を備えたものも知られている。2軸のジンバル機構は、超音波探触子の外側に設けられて被検体の表面に沿うように第1方向に延在する一対の第1可動軸と、これら第1可動軸の外側に接続された枠と、この枠の外側に接続されて被検体の表面に沿うように第1方向に対して直交する第2方向に延在する一対の第2可動軸とで構成されている。
特開2015−1499号公報
上記従来の走査装置においては、次のような課題が存在する。超音波探触子と保持部材の間にジンバル機構を介在させることから、保持部材の大型化が免れない。そして、被検査体の表面上に干渉物が存在する場合は、保持部材が大きいぶん、探触子の走査範囲(移動範囲)が制限されてしまう。具体的には、例えば被検査体が配管であり、配管の表面上に配管のサポート部材等が存在する場合に、探触子の走査範囲が制限されてしまう。
そこで、例えば、ジンバル機構が介在しないように、超音波探触子を保持部材で直接保持し、ジンバル機構の代わりに、保持部材を介し超音波探触子を回転可能に支持する球面軸受を設けることが考えられる。これにより、ジンバル機構を設けた場合と比べ、保持部材の小型化が可能となって、探触子の走査範囲の拡大化が可能となる。
しかし、1軸又は2軸のジンバル機構は、1軸又は2軸の回転自由度を有するのに対し、球面軸受は、3軸以上の回転自由度を有している。すなわち、ジンバル機構は、被検査体の表面に対する超音波探触子のロール回転又は/及びピッチ回転を許容するものの、ヨー回転を制限する。一方、球面軸受は、被検査体の表面に対する超音波探触子のロール回転及びピッチ回転を許容するだけでなく、ヨー回転も許容する。そして、超音波探触子のヨー回転により、超音波の送受信方向を変化させてしまう。
本発明の目的は、保持部材の小型化による探触子の走査範囲の拡大化を可能とし、かつ超音波の送受信方向を安定させることができる超音波探触子の走査装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、超音波探触子を被検査体の表面に沿って移動させる走査装置において、超音波探触子を保持する保持部材と、前記保持部材を介し前記超音波探触子を回転可能に支持する球面軸受と、前記保持部材及び前記球面軸受を介し前記超音波探触子を前記被検査体の表面に沿って移動させる移動装置とを備え、前記球面軸受は、前記被検査体の表面に対する前記超音波探触子のロール回転及びピッチ回転を許容するもののヨー回転を制限する回転規制機構を有する。
本発明によれば、保持部材の小型化による探触子の走査範囲の拡大化を可能とし、かつ超音波の送受信方向を安定させることができる。
本発明の一実施形態における走査装置の構造を配管の断面とともに表す図である。 図1中断面矢視II−IIによる断面図である。 本発明の一実施形態における球面軸受の構造を表す図である。 図3中断面矢視IV−IVによる断面図である。 比較例における走査装置の構造を配管の断面とともに表す図である。 図5中断面矢視VI−VIによる断面図である。 図5中断面矢視VII−VIIによる断面図である。 比較例及び本発明の一実施形態における探触子の走査範囲を説明するための図である。 本発明の一変形例における球面軸受の構造を表す図である。 図9中断面矢視X−Xによる断面図である。 本発明の他の変形例における走査装置の構造を配管の断面とともに表す図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態における走査装置の構造を配管の断面とともに表す図である。図2は、図1中断面矢視II−IIによる断面図である。図3は、本実施形態における球面軸受の構造を表す図である。図4は、図3中断面矢視IV−IVによる断面図である。
本実施形態の超音波検査では、被検査体が配管1であり、超音波探触子2を配管1の表面に沿って移動させる場合を例にとって説明する。なお、図中、配管1の軸方向をX軸方向、配管1の周方向(接線方向)をY軸方向、配管1の径方向をZ軸方向として示す。
本実施形態の走査装置は、超音波探触子2を保持するホルダ3と、ホルダ3を介し超音波探触子2を回転可能に支持する球面軸受4と、ホルダ3及び球面軸受4を介し超音波探触子2を配管1の表面に沿って移動させる移動装置5とを備えている。
超音波探触子2は、配管1の軸方向への向きを規定する必要があるものである。具体例の一つとしては、斜角探触子であって、図1中点線矢印で示すように配管1の軸方向に斜角で超音波を送信し、その反射波を受信するものである。
ホルダ3は、例えば、略Uの字形状であって、配管1の周方向にて超音波探触子2を挟むような形状となっている。ホルダ3の先端部に形成された雌ネジにはイモネジ6が螺合されており、イモネジ6の締め付けによって超音波探触子2が固定されている。
移動装置5は、配管1の外周側に設置された円環状の軌道7と、軌道7に沿って(すなわち、配管1の周方向に)移動する周方向移動体8と、周方向移動体8に設けられ、配管1の軸方向に延在する例えば2つのスライダ軸9と、スライダ軸9に沿って(すなわち、配管1の軸方向に)移動可能に設けられた軸方向移動体10と、周方向移動体8に設けられ、ボールねじ11を回転させて軸方向移動体10を移動させる駆動機構12とを備えている。そして、周方向移動体8の移動によって超音波探触子2を配管1の周方向に移動させ、軸方向移動体10の移動によって超音波探触子2を配管1の軸方向に移動させるようになっている。
球面軸受4は、互いに球面接触する内輪13及び外輪14で構成されている。内輪13にはホルダ3の基端部が接続されている。外輪14には例えば4つのシャフト15が接続されており、これらシャフト15がスライダ10の貫通穴に挿入されている。これにより、球面軸受4(ひいては、超音波探触子1)が配管1の径方向に移動可能としている。また、球面軸受4と軸方向移動体10の間にはバネ部材16が設けられている。そして、バネ部材16によって球面軸受4等を均一に押圧することにより、配管1の表面と超音波探触子2の接触面が均一に接触するようになっている。
また、本実施形態の大きな特徴として、球面軸受4は、回転規制機構17を有している。回転規制機構17は、玉18と、外輪14の球面に形成されて玉18を回転可能に保持する玉保持溝19と、内輪13の球面に配管1の径方向(言い換えれば、配管1の表面に対するヨー軸方向)に延在するように形成されて玉18に係合する玉係合溝20とで構成されている。
そして、内輪13の中心と玉18の中心を結ぶ直線が回転軸となるので、配管1の表面に対する超音波探触子2のロール回転(言い換えれば、X軸まわりの回転)を許容する。また、玉係合溝20の延在方向への玉18の相対的な移動により、配管1の表面に対する超音波探触子2のピッチ回転(言い換えれば、Y軸まわりの回転)を許容する。また、玉係合溝20の幅方向への玉18の相対的な移動を制限するので、超音波探触子のヨー回転(言い換えれば、Z軸まわりの回転)を制限する。したがって、本実施形態では、超音波の送受信方向を安定させることができる。
また、本実施形態では、球面軸受4を採用することにより、ホルダ3を小型化して、探触子2の走査範囲を拡大することができる。このような効果を、比較例を用いて説明する。
図5は、比較例における走査装置の構造を配管の断面とともに表す図である。図6は、図5中断面矢視VI−VIによる断面図であり、図7は、図5中断面矢視VII−VIIによる断面図である。図8(a)は、比較例における探触子の走査範囲を説明するための図であり、図8(b)は、本実施形態における探触子の走査範囲を説明するための図である。
比較例の走査装置は、2軸のジンバル機構21と、ジンバル機構21を介し超音波探触子2を保持するホルダ22と、ジンバル機構21及びホルダ22を介し超音波探触子2を配管1の表面に沿って移動させる移動装置5とを備えている。2軸のジンバル機構21は、超音波探触子2の外側に設けられて配管1の周方向に延在する一対の可動軸23と、可動軸23の外側に接続された枠24と、枠24の外側に接続されて配管1の軸方向に延在する一対の可動軸25とで構成されている。そして、図示しないバネ部材によってホルダ22等を均一に押圧することにより、配管1の表面と超音波探触子2の接触面が均一に接触するようになっている。
比較例の走査装置では、超音波探触子2とホルダ22の間にジンバル機構21を介在させることから、ホルダ22が大型化する。そして、図8(a)で示すように、配管1の表面上に干渉物26(詳細には、例えば配管のサポート部材等)が存在する場合は、ホルダ22が大きいぶん(図中のΔXのぶん)、探触子2の走査範囲X1(移動範囲)が制限されてしまう。
一方、本実施形態の走査装置では、超音波探触子2をホルダ3で直接保持し、ホルダ3を介し超音波探触子2を回転可能に支持する球面軸受4を設けている。これにより、ホルダ3を小型化して、探触子2の走査範囲X2を大きくすることができる。
なお、上記一実施形態において、回転規制機構17は、内輪13の中心と玉18の中心を結ぶ直線の方向が配管1の軸方向となるように玉保持溝19及び玉係合溝20が配置された場合、すなわち、内輪13の中心と玉18の中心を結ぶ直線が回転軸となって超音波探触子2のロール回転を許容し、玉係合溝20の延在方向への玉18の相対的な移動によって超音波探触子2のピッチ回転を許容し、玉係合溝20の幅方向への玉18の相対的な移動を制限して超音波探触子2のヨー回転を制限するように構成された場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。
具体的には、例えば図9及び図10で示す一変形例のように、回転規制機構17は、内輪13の中心と玉18の中心を結ぶ直線の方向が配管1の周方向となるように玉保持溝19及び玉係合溝20が配置されてもよい。すなわち、内輪13の中心と玉18の中心を結ぶ直線が回転軸となって超音波探触子2のピッチ回転を許容し、玉係合溝20の延在方向への玉18の相対的な移動によって超音波探触子2のロール回転を許容し、玉係合溝20の幅方向への玉18の相対的な移動を制限して超音波探触子2のヨー回転を制限するように構成されてもよい。このような変形例においても、上記同様の効果を得ることができる。
また、図示を省略するが、回転規制機構17は、上記一実施形態の玉18、玉保持溝19、及び玉係合溝20と上記一変形例の玉18、玉保持溝19、及び玉係合溝20を両方とも有していてもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記一実施形態及び上記変形例においては、外輪14に玉保持溝19を形成し、内輪13に玉係合溝20を形成した場合を例にとって説明したが、これに限られず、内輪13に玉保持溝を形成し、外輪14に玉係合溝を形成してもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記一実施形態等においては、保持部材として、イモネジ6を介して超音波探触子2を保持するホルダ3を備えた場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。具体的には、例えば図11で示す変形例のように、超音波探触子2の上側に形成された雌ネジに螺合する棒ネジ27を備えてもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記一実施形態等においては、被検査体が配管1であり、超音波探触子2を配管1の表面に沿って移動させる場合を例にとって説明したが、これに限られず、他の被検査体に適用してもよいことは言うまでもない。
1 配管(被検査体)
2 超音波探触子
3 ホルダ(保持部材)
4 球面軸受
5 移動装置
13 内輪
14 外輪
17 回転規制機構
18 玉
19 玉保持溝
20 玉係合溝
27 棒ネジ(保持部材)

Claims (3)

  1. 超音波探触子を被検査体の表面に沿って移動させる走査装置において、
    超音波探触子を保持する保持部材と、
    前記保持部材を介し前記超音波探触子を回転可能に支持する球面軸受と、
    前記保持部材及び前記球面軸受を介し前記超音波探触子を前記被検査体の表面に沿って移動させる移動装置とを備え、
    前記球面軸受は、前記被検査体の表面に対する前記超音波探触子のロール回転及びピッチ回転を許容するもののヨー回転を制限する回転規制機構を有することを特徴とする超音波探触子の走査装置。
  2. 請求項1に記載の超音波探触子の走査装置において、
    前記球面軸受は、互いに球面接触する内輪及び外輪で構成され、
    前記回転規制機構は、玉と、前記内輪及び前記外輪のうちの一方の球面に形成されて前記玉を回転可能に保持する玉保持溝と、前記内輪及び前記外輪のうちの他方の球面にヨー軸方向に延在するように形成されて前記玉に係合する玉係合溝とで構成されたことを特徴とする超音波探触子の走査装置。
  3. 請求項2に記載の超音波探触子の走査装置において、
    前記回転規制機構は、前記内輪の中心と前記玉の中心を結ぶ直線が回転軸となって前記超音波探触子のロール回転及びピッチ回転のうちの一方を許容し、前記玉係合溝の延在方向への前記玉の相対的な移動によって前記超音波探触子のロール回転及びピッチ回転のうちの他方を許容し、前記玉係合溝の幅方向への前記玉の相対的な移動を制限して前記超音波探触子のヨー回転を制限するように構成されたことを特徴とする超音波探触子の走査装置。
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