JP2017002970A - 複列転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】分割輪を連結するための連結部材の取り付け部分に対して研磨等の仕上げ加工を不要とすることが可能であり、製造工数の増加を抑制することが可能となる複列転がり軸受を提供する。【解決手段】複列転がり軸受10は、内輪11と、外輪12と、二列の円すいころ転動体とを備え、外輪12が軸方向一方側の第1の分割外輪51と軸方向他方側の第2の分割外輪52とに分割されており、これら第1の分割外輪51と第2の分割外輪52とが軸方向に突き合わされている。一対の分割外輪51,52それぞれの突き合わせ部51b,52bにおける外周側に凹部53,54が形成されている。一対の分割外輪51,52の凹部53,54に跨って熱可塑性樹脂からなる連結部材が設けられ、一対の分割外輪51,52が連結されている。【選択図】 図2
Description
本発明は、複列転がり軸受に関する。
複列転がり軸受は、様々な回転装置に適用されており、例えば、トラック等の車両の車輪を支持する車輪支持装置に用いることができる。図8は、従来の複列転がり軸受90の断面図である。この複列転がり軸受90は、内輪91と、外輪92と、これら内輪91と外輪92との間に設けられている二列の円すいころ(転動体)93とを備えている。
この複列転がり軸受90では、内輪91が軸方向一方側の分割内輪95と軸方向他方側の分割内輪96とに分割されており、これら分割内輪95,96が軸方向に突き合わされた状態にある。更に、外輪92は軸方向一方側の分割外輪97と軸方向他方側の分割外輪98とに分割されており、これら分割外輪97,98が軸方向に突き合わされた状態にある。
このような内輪91及び外輪92を備えている複列転がり軸受90を、例えば前記車輪支持装置等の回転装置に組み込む場合、取り扱いが容易となるように、一対の分割内輪95,96を第1の連結部材94により連結した状態とし、一対の分割外輪97,98を第2の連結部材99により連結した状態としている。図8に示す複列転がり軸受90の場合、一対の分割外輪97,98の突き合わせ部97a,98aの内周面側に凹溝100a,100bが形成されており、これら凹溝100a,100bに対して、予め成形して得た樹脂リング99aを圧入して取り付けている。つまり、この樹脂リング99aが、前記第2の連結部材99となり、分割外輪97,98を連結している(例えば、特許文献1参照)。
図8に示す複列転がり軸受90では、樹脂リング99aを一対の分割外輪97,98の凹溝100a,100bに嵌合させるために、凹溝100a,100bの内面に対して例えば研磨等の仕上げ加工が必要となる。これは、仮に凹溝100a,100bの内面の寸法精度が低い場合、樹脂リング99aを取り付けても隙間が発生し、その隙間から、軸受内部空間に充填されていたグリースやグリースの基油が通過してしまうためである。
このように図8に示す複列転がり軸受90の場合、分割外輪97,98の凹溝100a,100bの内面に対して研磨等の仕上げ加工が必要となり、そして、仕上げ加工した凹溝100a,100bに対して樹脂リング99aを圧入する作業が発生し、製造工数が増加してコストアップの原因となる。
そこで、本発明では、分割輪を連結するための連結部材の取り付け部分に対して研磨等の仕上げ加工を不要とすることが可能であり、製造工数の増加を抑制することが可能となる複列転がり軸受を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための複列転がり軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に設けられている二列の転動体と、を備え、前記内輪と前記外輪との内の少なくも一方が軸方向一方側の第1の分割輪と軸方向他方側の第2の分割輪とに分割されており、当該第1の分割輪と当該第2の分割輪とが軸方向に突き合わされている、複列転がり軸受であって、前記一対の分割輪それぞれの突き合わせ部における内周側又は外周側に凹部が形成されており、前記一対の分割輪の前記凹部に跨って設けられ当該一対の分割輪を連結している熱可塑性樹脂からなる連結部材を備えている。
この複列転がり軸受によれば、溶融状態にある熱可塑性樹脂を用いて一対の分割輪の凹部に対して射出成形すればよく、そして、この熱可塑性樹脂が硬化することでこれら分割輪を連結することが可能となる。このため、従来のように連結部材の取り付け部分に対して行う研磨等の仕上げ加工を不要とすることが可能となり、製造工数の増加を抑制することができる。
つまり、前記連結部材は、前記一対の分割輪の前記凹部に対して射出成形することにより得られた射出成形品であり、これにより、一対の分割輪を連結する構成が簡単に得られる。
また、前記一対の分割輪それぞれの前記凹部は、前記分割輪の軸方向突き合わせ端面側に向かうにしたがって当該凹部の深さを小さくする横傾斜面を有しているのが好ましい。 この構成によれば、連結部材により一対の分割輪が軸方向に離れるのを阻止する機能が高まる。
また、前記一対の分割輪それぞれの前記凹部は、当該凹部の径方向奥側に向かうにしたがって当該凹部の軸方向寸法を大きくする縦傾斜面を有しているのが好ましい。
この構成によれば、連結部材により一対の分割輪が径方向に位置ずれするのを阻止する機能が高まる。
この構成によれば、連結部材により一対の分割輪が径方向に位置ずれするのを阻止する機能が高まる。
本発明によれば、分割輪を連結するための連結部材の取り付け部分に対して研磨等の仕上げ加工を不要とすることが可能となり、製造工数の増加を抑制することができ、コストアップを抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成について〕
図1は、本発明の複列転がり軸受を含む車輪支持装置の縦断面図である。図1に示す車輪支持装置1は、トラック(車両)のリアアクスル構造の一部であり、トラックの駆動輪(車輪)9を支持する。車輪支持装置1は、車軸管2と、この車軸管2の径方向外側に設けられているハブ輪3と、複列転がり軸受10と、図外のデファレンシャルと連結されている駆動軸5とを備えている。
〔全体構成について〕
図1は、本発明の複列転がり軸受を含む車輪支持装置の縦断面図である。図1に示す車輪支持装置1は、トラック(車両)のリアアクスル構造の一部であり、トラックの駆動輪(車輪)9を支持する。車輪支持装置1は、車軸管2と、この車軸管2の径方向外側に設けられているハブ輪3と、複列転がり軸受10と、図外のデファレンシャルと連結されている駆動軸5とを備えている。
複列転がり軸受10は、車軸管2の外周側に設けられている内輪11と、ハブ輪3の内周側に設けられている外輪12と、これら内輪11と外輪12との間に設けられている二列の転動体とを有している。本実施形態の複列転がり軸受10は、複列円すいころ軸受であり、前記転動体は円すいころ13である。更に、この複列転がり軸受10は、各列に含まれる複数の円すいころ13を保持する環状の保持器14を有している。また、複列転がり軸受10の内部、つまり、内輪11と外輪12との間に形成される環状空間への異物の浸入を防ぐために、この環状空間の軸方向一方側(図1では左側)及び軸方向他方側(図1では右側)それぞれにシール16が設けられている。なお、以下の説明において、軸方向一方側(図1では左側)をインナ側と呼ぶこともあり、軸方向他方側(図1では右側)をアウタ側と呼ぶこともある。
車軸管2は、円筒形状を有しており、直径の大きい大径部21と、直径の小さい小径部22とを有している。大径部21の外周面21aと小径部22の外周面22aとの間には、アウタ側に臨む環状の段付き側面24が形成されている。この段付き側面24に内輪11は突き当てられ、そして、内輪11は固定ナット23により車軸管2(小径部22)に締め付け固定されている。なお、小径部22の外周面22aに対して内輪11の内周面は密着嵌合していない(つまり、すきま嵌めでありタイトフィットしていない)。そして、この車軸管2を駆動軸5が挿通している。
ハブ輪3は、小径部22の径方向外側に位置する環状の部材である。このハブ輪3と駆動軸5とは、駆動軸5の先端に形成されているフランジ6及びボルト7により固定されており、一体回転可能である。そして、ハブ輪3の内周側に複列転がり軸受10の外輪12が密着嵌合し固定されている。また、ハブ輪3のインナ側にはブレーキロータ8が取り付けられており、また、ハブ輪3が有するフランジ部3aに駆動輪9が取り付けられている。
以上より、図1に示す車輪支持装置1はフルフローティングタイプであり、車軸管2に対してハブ輪3は複列転がり軸受10により回転可能となって支持される構成となる。そして、駆動軸5が回転すると、この駆動軸5と共に、ハブ輪3、駆動輪9、ブレーキロータ8、及び外輪12が回転する。
〔複列転がり軸受10について〕
図2は、複列転がり軸受10の断面図である。図2に示す複列転がり軸受10では、外輪12が、軸方向一方側の第1の分割外輪51と軸方向他方側の第2の分割外輪52とに分割されており、これら第1の分割外輪51と第2の分割外輪52とが軸方向に突き合わされた状態にある。一方の分割外輪51のうち、他方の分割外輪52と突き合わされている部分を、突き合わせ部51bと呼び、また、他方の分割外輪52のうち、一方の分割外輪51と付き合わされている部分を、突き合わせ部52bと呼ぶ。また、突き合わせ部51b,52b同士が接触する面を軸方向突き合わせ面51c,52cと呼ぶ。そして、これら軸方向に付き合わされている分割外輪51,52は、第1の連結部材55によって連結されて一体化されている。
図2は、複列転がり軸受10の断面図である。図2に示す複列転がり軸受10では、外輪12が、軸方向一方側の第1の分割外輪51と軸方向他方側の第2の分割外輪52とに分割されており、これら第1の分割外輪51と第2の分割外輪52とが軸方向に突き合わされた状態にある。一方の分割外輪51のうち、他方の分割外輪52と突き合わされている部分を、突き合わせ部51bと呼び、また、他方の分割外輪52のうち、一方の分割外輪51と付き合わされている部分を、突き合わせ部52bと呼ぶ。また、突き合わせ部51b,52b同士が接触する面を軸方向突き合わせ面51c,52cと呼ぶ。そして、これら軸方向に付き合わされている分割外輪51,52は、第1の連結部材55によって連結されて一体化されている。
また、内輪11は、軸方向一方側の第1の分割内輪41と軸方向他方側の第2の分割内輪42とに分割されており、これら第1の分割内輪41と第2の分割内輪42とが軸方向に突き合わされた状態にある。一方の分割内輪41のうち、他方の分割内輪42と付き合わされている部分を、突き合わせ部41bと呼び、また、他方の分割内輪42のうち、一方の分割内輪41と付き合わされている部分を、突き合わせ部42bと呼ぶ。そして、これら軸方向に付き合わされている分割外輪51,52は、第2の連結部材45によって連結されて一体化されている。
内輪11側において、一方の分割内輪41はその外周面に内軌道面11aを有しており、他方の分割内輪42はその外周面に内軌道面11bを有している。このように内輪11は二列の内軌道面11a,11bを有している。そして、外輪12側において、一方の分割外輪51はその内周面に外軌道面12aを有しており、他方の分割外輪52はその内周面に外軌道面12bを有している。このように外輪12は二列の外軌道面12a,12bを有している。
そして、軸方向一方側(図2では左側)の内軌道面11aと外軌道面12aとは対向した配置にあり、これらの間に複数の円すいころ13が設けられている。また、軸方向他方側(図2では右側)の内軌道面11bと外軌道面12bとは対向した配置にあり、これらの間に複数の円すいころ13が設けられている。このように、複列転がり軸受10は、二列の円すいころ13を有している。
そして、軸方向一方側(図2では左側)の内軌道面11aと外軌道面12aとは対向した配置にあり、これらの間に複数の円すいころ13が設けられている。また、軸方向他方側(図2では右側)の内軌道面11bと外軌道面12bとは対向した配置にあり、これらの間に複数の円すいころ13が設けられている。このように、複列転がり軸受10は、二列の円すいころ13を有している。
外輪12側において、第1の連結部材55を設けるために凹部53,54が形成されている。凹部53は、一方の分割外輪51の突き合わせ部51bの外周51a側に形成されており、凹部54は、他方の分割外輪52の突き合わせ部52bの外周52a側に形成されている。本実施形態の凹部53,54はそれぞれ周方向に連続した凹周溝からなる。そして、分割外輪51,52が突き合わされた状態で、凹部53と凹部54とにより、軸方向について連続した一つの凹部(凹周溝)が形成される。
第1の連結部材55は、二つの凹部53,54に跨って設けられており、一対の分割外輪51,52を連結している。そして、この連結部材55は熱可塑性樹脂からなり、分割外輪51,52の凹部53,54に対して、溶融させた熱可塑性樹脂を射出成形し、これを硬化させることにより連結部材55が形成される。つまり、分割外輪51,52が射出成形金型の一部として用いられ、凹部53,54が溶融させた熱可塑性樹脂を注入するキャビティとして用いられる。前記のとおり、凹部53,54は凹周溝からなるため、形成される連結部材55も環状となる。なお、熱可塑性樹脂として例えばポリアミド、ポリエチレン、ABS樹脂等を採用することができる。
また、内輪11側において、第2の連結部材45を設けるために凹部43,44が形成されている。凹部43は、一方の分割内輪41の突き合わせ部41bの内周41a側に形成されており、凹部44は、他方の分割内輪42の突き合わせ部42bの内周42a側に形成されている。本実施形態の凹部43,44はそれぞれ周方向に連続した凹溝からなる。そして、分割内輪41,42が突き合わされた状態で、凹部43と凹部44とにより、軸方向について連続した一つの凹部(凹溝)が形成される。
本実施形態の第2の連結部材45は、C形の金属製連結環(止め輪)であり、この連結部材45が凹部43,44に跨って取り付けられている。
本実施形態の第2の連結部材45は、C形の金属製連結環(止め輪)であり、この連結部材45が凹部43,44に跨って取り付けられている。
以上より、本実施形態の複列転がり軸受10では、外輪12側において、一対の分割外輪51,52の突き合わせ部51b,52bにおける外周51a,52a側に凹部53,54が形成されており、これら凹部53,54に跨って連結部材55が設けられ、これら一対の分割外輪51,52を連結している。そして、この連結部材55は熱可塑性樹脂からなる。このような構成を有する複列転がり軸受10によれば、溶融状態にある熱可塑性樹脂を用いて一対の分割外輪51,52の凹部53,54に対して射出成形すればよく、そして、この熱可塑性樹脂が硬化することでこれら分割外輪51,52を連結することが可能となる。
ここで、従来技術(図8参照)の場合、樹脂リング99aにより分割外輪97,98を連結させるためには、凹部100a,100bに対して研磨等の仕上げ加工を行う工程と、この凹部100a,100bに樹脂リング99aを圧入する工程とが必要である。
これに対して、本実施形態の場合、仕上げ加工を行っていない凹部53,54に対して溶融した熱可塑性樹脂を供給するという単一の工程で済む。
以上より、本実施形態によれば、従来技術の場合のように樹脂リング99aを取り付けるための凹部100a,100bに対して行う研磨等の仕上げ加工が不要となり、製造工数の増加を抑制することが可能となる。この結果、複列転がり軸受10、更には、この複列転がり軸受10を備えている車輪支持装置1のコストアップを抑えることができる。
これに対して、本実施形態の場合、仕上げ加工を行っていない凹部53,54に対して溶融した熱可塑性樹脂を供給するという単一の工程で済む。
以上より、本実施形態によれば、従来技術の場合のように樹脂リング99aを取り付けるための凹部100a,100bに対して行う研磨等の仕上げ加工が不要となり、製造工数の増加を抑制することが可能となる。この結果、複列転がり軸受10、更には、この複列転がり軸受10を備えている車輪支持装置1のコストアップを抑えることができる。
なお、本実施形態において、凹部53,54は、分割外輪51,52を切削により製造する際に併せて形成されており、凹部53,54の内面は切削面である。このように凹部53,54の内面は、切削面であり、研磨等の仕上げ加工を行う場合よりも粗面であるが、切削面である方が、硬化した熱可塑性樹脂(連結部材55)の凹部53,54に対する密着性が高くなり、強固な連結が可能となる。
そして、この連結部材55は、一対の分割外輪51,52の凹部53,54に対して射出成形することにより得られた射出成形品であるため、これら分割外輪51,52を連結する構成が簡単に得られる。また、このようにして連結部材55を構成することで、この連結部材55と凹部53,54の内面との密着性は高くなり、例えば、軸受内部空間に充填されていたグリースやグリースの基油が一対の分割外輪51,52の間を通過するのを確実に防ぐことが可能となる。
〔分割外輪51,52の凹部53,54の形態について〕
図3は、図2に示す凹部53,54を説明する断面図である。一方の分割外輪51の凹部53は、横傾斜面61及び縦傾斜面62の双方を有して構成されている。また、他方の分割外輪52の凹部54も、横傾斜面61及び縦傾斜面62の双方を有して構成されている。一方の凹部53の横傾斜面61及び縦傾斜面62と、他方の凹部54の横傾斜面61及び縦傾斜面62とは、断面において軸方向突き合わせ面51c,52cを軸(基準)として左右対称形状である。
図3は、図2に示す凹部53,54を説明する断面図である。一方の分割外輪51の凹部53は、横傾斜面61及び縦傾斜面62の双方を有して構成されている。また、他方の分割外輪52の凹部54も、横傾斜面61及び縦傾斜面62の双方を有して構成されている。一方の凹部53の横傾斜面61及び縦傾斜面62と、他方の凹部54の横傾斜面61及び縦傾斜面62とは、断面において軸方向突き合わせ面51c,52cを軸(基準)として左右対称形状である。
横傾斜面61は、環状に形成されている凹部53(54)の底面64を形成しており、図3に示すように、この横傾斜面61は、断面において、複列転がり軸受10の中心線C(図1)に平行な仮想線L1に対して傾斜している。更に説明すると、横傾斜面61は、凹部53(54)の断面において、軸方向突き合わせ面51c(52c)側に向かうにしたがって凹部53(54)の深さHを小さくする傾斜面である。
縦傾斜面62は、環状に形成されている凹部53(54)の側面63であり、図3に示すように、凹部53(54)の断面において、この縦傾斜面62は、複列転がり軸受10の中心線C(図1)に直交する仮想線L2に対して傾斜している。更に説明すると、縦傾斜面62は、凹部53(54)の断面において、凹部53(54)の径方向奥側(底面64側)に向かうにしたがってこの凹部53(54)の軸方向寸法Bを大きくする傾斜面である。
このように、一対の分割外輪51,52それぞれの凹部53,54は、横傾斜面61を有していることから、熱可塑性樹脂の射出成形によってこれら凹部53,54に跨って形成されている連結部材55によれば、一対の分割外輪51,52が軸方向(図3において矢印Y1,Y2方向)に離れるのを阻止する機能が高まる。
更に、一対の分割外輪51,52それぞれの凹部53,54は、縦傾斜面62を有していることから、熱可塑性樹脂の射出成形によってこれら凹部53,54に跨って形成されている連結部材55により、一対の分割外輪51,52が径方向(図3において矢印X1,X2方向)に位置ずれするのを阻止する機能が高まる。
すなわち、図3に示す凹部53,54の形態によれば、一対の分割外輪51,52が軸方向に離れるのを阻止する機能及び径方向に位置ずれするのを阻止する機能の双方を高めて、分割外輪51,52を連結部材55により連結することができる。
すなわち、図3に示す凹部53,54の形態によれば、一対の分割外輪51,52が軸方向に離れるのを阻止する機能及び径方向に位置ずれするのを阻止する機能の双方を高めて、分割外輪51,52を連結部材55により連結することができる。
図4は、凹部53,54の変形例を説明する断面図である。図4に示す形態では、一方の分割外輪51の凹部53は前記横傾斜面61を有しており、他方の分割外輪52の凹部54も前記横傾斜面61を有している。なお、凹部53,54それぞれは、図4に示すように、断面において、前記中心線C(図1)に直交する仮想線L2に一致する(又は平行)側面63を有している。そして、この図4に示す形態においても、断面において一方の凹部53と他方の凹部54とは左右対称形状である。
この図4に示す形態の場合、凹部53,54は、横傾斜面61を有していることから、熱可塑性樹脂の射出成形によってこれら凹部53,54に跨って形成されている連結部材55により、一対の分割外輪51,52が軸方向(図4において矢印Y1,Y2方向)に離れるのを阻止する機能が高まる。
図5は、凹部53,54の更に別の変形例を説明する断面図である。図5に示す形態では、一方の分割外輪51の凹部53は前記縦傾斜面62を有しており、他方の分割外輪52の凹部54も前記縦傾斜面62を有している。なお、凹部53,54それぞれは、図5に示すように、断面において、前記中心線C(図1)に平行な仮想線L1に一致する(又は平行)底面64を有している。そして、この図5に示す形態においても、断面において一方の凹部53と他方の凹部54とは左右対称形状である。
この図5に示す形態の場合、凹部53,54は、縦傾斜面62を有していることから、熱可塑性樹脂の射出成形によってこれら凹部53,54に跨って形成されている連結部材55により、一対の分割外輪51,52が径方向(図5において矢印X1,X2方向)に位置ずれするのを阻止する機能が高まる。
〔他の形態の複列転がり軸受10について〕
図2に示す複列転がり軸受10では、外輪12の外周側に凹部53,54が設けられ、これら凹部53,54に射出成形による連結部材55が設けられているが、図6に示すように、凹部53,54は、外輪12の内周側に設けられていてもよい。この場合、射出成形による連結部材55も、外輪12の内周側に設けられる。
図2に示す複列転がり軸受10では、外輪12の外周側に凹部53,54が設けられ、これら凹部53,54に射出成形による連結部材55が設けられているが、図6に示すように、凹部53,54は、外輪12の内周側に設けられていてもよい。この場合、射出成形による連結部材55も、外輪12の内周側に設けられる。
すなわち、この図6に示す複列転がり軸受10では、外輪12が軸方向一方側の第1の分割外輪51と軸方向他方側の第2の分割外輪52とに分割されており、これら分割外輪51,52が軸方向に突き合わされている。そして、一対の分割外輪51,52の突き合わせ部51b,52bにおける内周側に凹部53,54が形成されており、熱可塑性樹脂からなる連結部材55、つまり、射出成形により得られた連結部材55が、一対の凹部53,54に跨って設けられており、分割外輪51,52を連結している。
なお、図6に示す複列転がり軸受10の場合においても、凹部53,54について、(内周側と外周側とが反対となるが)図3、図4、及び図5に示す各形態を採用することができる。
なお、図6に示す複列転がり軸受10の場合においても、凹部53,54について、(内周側と外周側とが反対となるが)図3、図4、及び図5に示す各形態を採用することができる。
〔更に別の形態の複列転がり軸受10について〕
図2及び図6に示す複列転がり軸受10では、外輪12が軸方向に二分割されており、この外輪12に凹部53,54、及び射出成形による連結部材55が設けられている場合について説明したが、凹部53,54、及び射出成形による連結部材55を、内輪11側に適用してもよい。
すなわち、図7に示すように、内輪11が軸方向一方側の第1の分割内輪41と軸方向他方側の第2の分割内輪42とに分割されており、これら第1の分割内輪41と第2の分割内輪42とが軸方向に突き合わされている。そして、一対の分割内輪41,42の突き合わせ部41b,42bにおける内周41a、42a側に凹部43,44が形成されており、熱可塑性樹脂からなる連結部材45、つまり、射出成形により得られた連結部材45が、一対の凹部43,44に跨って設けられており、分割内輪41,42を連結している。
なお、図7に示す複列転がり軸受10の場合においても、凹部43,44について、(内周側と外周側とが反対となるが)図3、図4、及び図5に示す各形態を採用することができる。
図2及び図6に示す複列転がり軸受10では、外輪12が軸方向に二分割されており、この外輪12に凹部53,54、及び射出成形による連結部材55が設けられている場合について説明したが、凹部53,54、及び射出成形による連結部材55を、内輪11側に適用してもよい。
すなわち、図7に示すように、内輪11が軸方向一方側の第1の分割内輪41と軸方向他方側の第2の分割内輪42とに分割されており、これら第1の分割内輪41と第2の分割内輪42とが軸方向に突き合わされている。そして、一対の分割内輪41,42の突き合わせ部41b,42bにおける内周41a、42a側に凹部43,44が形成されており、熱可塑性樹脂からなる連結部材45、つまり、射出成形により得られた連結部材45が、一対の凹部43,44に跨って設けられており、分割内輪41,42を連結している。
なお、図7に示す複列転がり軸受10の場合においても、凹部43,44について、(内周側と外周側とが反対となるが)図3、図4、及び図5に示す各形態を採用することができる。
また、図7では、内輪11の内周側に凹部43,44が設けられ、これら凹部43,44に連結部材45が設けられているが、(図示しないが)凹部43,44は、内輪11の外周側に設けられていてもよい。この場合、射出成形による連結部材45も、外輪12の外周側に設けられる。
また、図7では、内輪11側の連結部材45、及び外輪12側の連結部材55の双方を、射出成形品としているが、外輪12側の連結部材55は、図2に示す連結部材45のようなC形の金属製連結環(止め輪)であってもよい。
なお、以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の複列転がり軸受10は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。
前記各形態では、内輪11及び外輪12がそれぞれ軸方向に分割されている場合について説明したが、一方のみであってもよい。
本発明の複列転がり軸受10は、いわゆる第1世代の車輪支持装置(ハブユニット)1に適用可能であり、また、本発明の複列転がり軸受10を含む車輪支持装置1の各部の形状は変更可能である。
前記各形態では、内輪11及び外輪12がそれぞれ軸方向に分割されている場合について説明したが、一方のみであってもよい。
本発明の複列転がり軸受10は、いわゆる第1世代の車輪支持装置(ハブユニット)1に適用可能であり、また、本発明の複列転がり軸受10を含む車輪支持装置1の各部の形状は変更可能である。
10:複列転がり軸受 11:内輪 12:外輪
13:円すいころ(転動体) 41:第1の分割内輪(第1の分割輪)
42:第2の分割内輪(第2の分割輪) 43,44:凹部
45:第2の連結部材 51:第1の分割外輪(第1の分割輪)
51b:突き合わせ部 51a:外周
52:第2の分割外輪(第2の分割輪) 52b:突き合わせ部
52a:外周 53,54:凹部 55:第1の連結部材
61:横傾斜面 62:縦傾斜面 H:凹部の深さ
B:凹部の軸方向寸法
13:円すいころ(転動体) 41:第1の分割内輪(第1の分割輪)
42:第2の分割内輪(第2の分割輪) 43,44:凹部
45:第2の連結部材 51:第1の分割外輪(第1の分割輪)
51b:突き合わせ部 51a:外周
52:第2の分割外輪(第2の分割輪) 52b:突き合わせ部
52a:外周 53,54:凹部 55:第1の連結部材
61:横傾斜面 62:縦傾斜面 H:凹部の深さ
B:凹部の軸方向寸法
Claims (4)
- 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に設けられている二列の転動体と、を備え、前記内輪と前記外輪との内の少なくも一方が軸方向一方側の第1の分割輪と軸方向他方側の第2の分割輪とに分割されており、当該第1の分割輪と当該第2の分割輪とが軸方向に突き合わされている、複列転がり軸受であって、
前記一対の分割輪それぞれの突き合わせ部における内周側又は外周側に凹部が形成されており、
前記一対の分割輪の前記凹部に跨って設けられ当該一対の分割輪を連結している熱可塑性樹脂からなる連結部材を備えている、複列転がり軸受。 - 前記連結部材は、前記一対の分割輪の前記凹部に対して射出成形することにより得られた射出成形品である請求項1に記載の複列転がり軸受。
- 前記一対の分割輪それぞれの前記凹部は、前記分割輪の軸方向突き合わせ端面側に向かうにしたがって当該凹部の深さを小さくする横傾斜面を有している請求項1又は2に記載の複列転がり軸受。
- 前記一対の分割輪それぞれの前記凹部は、当該凹部の径方向奥側に向かうにしたがって当該凹部の軸方向寸法を大きくする縦傾斜面を有している請求項1〜3のいずれか一項に記載の複列転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015116265A JP2017002970A (ja) | 2015-06-09 | 2015-06-09 | 複列転がり軸受 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3992482A1 (de) * | 2020-10-27 | 2022-05-04 | Aktiebolaget SKF | Lagereinheit |
-
2015
- 2015-06-09 JP JP2015116265A patent/JP2017002970A/ja active Pending
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