JP2017002410A - 蒸着マスク - Google Patents

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武田 利彦
Toshihiko Takeda
利彦 武田
小幡 勝也
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勝也 小幡
祐行 西村
Sukeyuki Nishimura
祐行 西村
美秋 鶴岡
Yoshiaki Tsuruoka
美秋 鶴岡
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Abstract

【課題】大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たすことができる蒸着マスクの製造方法を提供すること。
【解決手段】スリットが設けられた金属マスクと、蒸着作製するパターンに対応した開口部が設けられた樹脂マスクと、が積層されてなる蒸着マスクの製造方法であって、支持体と、該支持体から剥離可能に設けられた金属層と、樹脂層と、がこの順で積層された積層体を準備する工程と、樹脂層上に、めっき法を用いて金属を析出させることでスリットが設けられた金属マスクを形成する工程と、前記樹脂層に、蒸着作製するパターンに対応し、かつ金属マスクに設けられたスリットと重なる開口部を形成することで樹脂マスクを形成する工程と、開口部に対応する貫通孔を、金属層に形成する工程と、貫通孔が形成された金属層から支持体を剥離する工程と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸着マスクに関する。
従来、有機EL素子の製造において、有機EL素子の有機層或いはカソード電極の形成には、例えば、蒸着すべき領域に多数の微細なスリットを微小間隔で平行に配列してなる金属から構成される蒸着マスクが使用されていた。この蒸着マスクを用いる場合、蒸着すべき基板表面に蒸着マスクを載置し、裏面から磁石を用いて保持させているが、スリットの剛性は極めて小さいことから、蒸着マスクを基板表面に保持する際にスリットにゆがみが生じやすく、高精細化或いはスリット長さが大となる製品の大型化の障害となっていた。
スリットのゆがみを防止するための蒸着マスクについては、種々の検討がなされており、例えば、特許文献1には、複数の開口部を備えた第一金属マスクを兼ねるベースプレートと、前記開口部を覆う領域に多数の微細なスリットを備えた第二金属マスクと、第二金属マスクをスリットの長手方向に引っ張った状態でベースプレート上に位置させるマスク引張保持手段を備えた蒸着マスクが提案されている。すなわち、2種の金属マスクを組合せた蒸着マスクが提案されている。この蒸着マスクによれば、スリットにゆがみを生じさせることなくスリット精度を確保できるとされている。
ところで近時、有機EL素子を用いた製品の大型化或いは基板サイズの大型化にともない、蒸着マスクに対しても大型化の要請が高まりつつあり、金属から構成される蒸着マスクの製造に用いられる金属板も大型化している。しかしながら、現在の金属加工技術では、大型の金属板に、微細パターンを精度よく形成することは困難であり、たとえ上記特許文献1に提案されている方法などによってスリット部のゆがみを防止できたとしても、高精細化への対応はできない。また、金属のみからなる蒸着マスクとした場合には、大型化に伴いその質量も増大しフレームを含めた総質量も増大することから取り扱いに支障をきたすこととなる。
特開2003−332057号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たすことができる蒸着マスクや、蒸着マスクの製造方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、スリットが設けられた金属マスクと、蒸着作製するパターンに対応した開口部が設けられた樹脂マスクと、が積層されてなる蒸着マスクであって、前記樹脂マスクの前記金属マスクと接しない側の面であって、前記蒸着マスクの厚み方向おいて前記樹脂マスクの前記開口部と重ならない位置に、金属層が設けられている。
また、上記の蒸着マスクにおいて、前記金属層の厚みが0.05μm以上5μm以下であってもよい。
また、前記樹脂マスクの厚みが、3μm以上25μm未満の範囲内であってもよい。
また、前記金属マスクの厚みが、5μm以上50μm以下の範囲内であってもよい。また、前記金属マスクの前記スリットを断面視したときの断面形状が、前記金属マスクの前記樹脂マスクと接する側の面から、前記金属マスクの前記樹脂マスクと接しない側の面に向かって広がりを持つ形状であってもよい。
また、前記樹脂マスクの前記開口部を断面視したときの断面形状が、前記樹脂マスクの前記金属マスクと接しない側の面から、前記樹脂マスクの前記金属マスクと接する側の面に向かって広がりを持つ形状であってもよい。
また、一実施形態の蒸着マスクの製造方法は、スリットが設けられた金属マスクと、蒸着作製するパターンに対応した開口部が設けられた樹脂マスクと、が積層されてなる蒸着マスクの製造方法であって、樹脂層上に、金属を析出させることでスリットが設けられた金属マスクを形成する工程と、前記樹脂層に、蒸着作製するパターンに対応し、かつ前記金属マスクに設けられた前記スリットと重なる開口部を形成することで樹脂マスクを形成する工程と、を備え、前記樹脂マスクを形成する工程では、前記樹脂マスクの前記開口部を断面視したときの断面形状が、前記樹脂マスクの前記金属マスクと接しない側の面から、前記樹脂マスクの前記金属マスクと接する側の面に向かって広がりを持つ形状となるように、前記開口部の形成を行う。
また、前記金属マスクを形成する工程が、無電解めっき法により金属マスクを形成する工程であってもよい。
また、前記樹脂マスクを形成する工程が、レーザー加工法により、前記樹脂層に前記開口部を形成する工程であってもよい。
また、前記樹脂マスクを形成する工程が、エッチング加工法により、前記樹脂層に前記開口部を形成する工程であってもよい。
また、一実施形態の蒸着マスクは、スリットが設けられた金属マスクと、蒸着作製するパターンに対応した開口部が設けられた樹脂マスクと、が積層されてなる蒸着マスクであって、前記金属マスクと前記樹脂マスクとの間に、金属を析出させるための層が設けられ、前記樹脂マスクの前記開口部を断面視したときの断面形状が、前記樹脂マスクの前記金属マスクと接しない側の面から、前記樹脂マスクの前記金属マスクと接する側の面に向かって広がりを持つ形状である。
また、上記の蒸着マスクにおいて、前記金属を析出させるための層が、触媒層であってもよい。
また、上記の蒸着マスクにおいて、前記金属マスクの厚みが、5μm以上50μm以下の範囲内であってもよい。
また、上記の蒸着マスクにおいて、前記金属マスクの前記スリットを断面視したときの断面形状が、前記金属マスクの前記樹脂マスクと接する側の面から、前記金属マスクの前記樹脂マスクと接しない側の面に向かって広がりを持つ形状であってもよい。
また、上記の蒸着マスクにおいて、前記樹脂マスクの厚みが、3μm以上25μm未満の範囲内であってもよい。
また、上記の蒸着マスクにおいて、前記樹脂マスクの熱膨張係数が、16ppm/℃以下であってもよい。
また、上記の蒸着マスクにおいて、前記樹脂マスクを構成する材料が、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セロファン、アイオノマー樹脂の何れかであってもよい。
また、上記の蒸着マスクにおいて、前記スリットを複数有していてもよい。
また、一実施形態の蒸着マスクの製造方法は、スリットが設けられた金属マスクと、前記金属マスクの表面に位置し、蒸着作製するパターンに対応した開口部が設けられた樹脂マスクと、が積層されてなる蒸着マスクの製造方法であって、支持体と、該支持体から剥離可能に設けられた金属層と、樹脂層とがこの順で積層された積層体を準備する工程と、前記樹脂層上に、めっき法を用いて金属を析出させることでスリットが設けられた金属マスクを形成する工程と、前記樹脂層に、蒸着作製するパターンに対応し、かつ前記金属マスクに設けられた前記スリットと重なる開口部を形成することで樹脂マスクを形成する工程と、前記開口部に対応する貫通孔を、前記金属層に形成する工程と、前記貫通孔が形成された前記金属層から前記支持体を剥離する工程と、を備えることを特徴とする。
また、一実施形態の蒸着マスクの製造方法において、前記支持体と樹脂層との間に設けられた金属層が、銀鏡反応によって形成された金属層であってもよい。
また、一実施形態の蒸着マスクの製造方法において、前記貫通孔を形成する工程が、レーザー加工法を用いて貫通孔を形成する工程であってもよい。また、一実施形態の蒸着マスクの製造方法において、前記貫通孔を形成する工程が、フォトリソグラフィー法を用いて貫通孔を形成する工程であってもよい。
また、一実施形態の蒸着マスクは、スリットが設けられた金属マスクと、蒸着作製するパターンに対応した開口部が設けられた樹脂マスクと、が積層されてなる蒸着マスクであって、前記金属マスクと前記樹脂マスクとの間に、さらに触媒層が設けられていることを特徴とする。
本発明の蒸着マスクの製造方法によれば、大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たすことができる蒸着マスクを製造することができる。
本発明の蒸着マスクの製造方法を説明するための工程図である。 本発明の製造方法で製造した蒸着マスクの一例を示す正面図であり、金属マスク側から見た正面図である。 樹脂マスクを形成する工程の一例を示す概略断面図である。 シャドウと、金属マスクの厚みとの関係を示す概略断面図である。
以下に、本発明の蒸着マスクの製造方法について図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明の蒸着マスクの製造方法を説明するための工程図である。なお(a)〜(f)はすべて断面図である。
(積層体を準備する工程)
本工程は、図1(a)に示すように、支持体3と、該支持体3から剥離可能に設けられた金属層4と、樹脂層20と、がこの順で積層された積層体5を準備する工程である。
<支持体>
積層体5を構成する金属層4や樹脂層20はその厚みが数μm〜数十μm程度である。したがって、支持体3を設けずに、単に金属層4と樹脂層20を積層したものを用いた場合には、金属層4や樹脂層20の強度が不足し、製造工程中、たとえば搬送時に該金属層4や樹脂層20に撓みや破断が生ずる場合がある。
そこで、本工程では、金属層4や樹脂層20の撓みや破断を防止するため、支持体3、金属層4、樹脂層20と、がこの順で積層された積層体5が用いられる。当該支持体を用いることで、製造工程中、たとえば搬送時に該金属層4や樹脂層20に撓みや破断を生じさせることなく蒸着マスクを製造することができる。なお、支持体3は、将来的には、貫通孔32が設けられた金属層4から剥離される。したがって、本発明の製造方法によって得られる蒸着マスク100に支持体3は含まれない。
支持体3を構成する材料について特に限定はなく、金属層4や樹脂層20に撓みや破断を生じさせない程度の強度を付与するものであればよい。たとえば、支持体3の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルム、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、ガラス基板等を挙げることができる。
支持体3の厚みについて特に限定はないが、支持体3の厚みが、金属層4や樹脂層20の厚みよりも薄い場合には、積層体5に強度を付与することができない場合が生じうる。したがって、支持体3の厚みは、少なくとも金属層4や樹脂層20の厚みよりも厚いことが好ましく、金属層4と樹脂層20との合計の厚みよりも厚いことがさらに好ましい。好ましい厚みとしては、たとえば、20μm〜200μm程度である。
<樹脂層>
積層体5を構成する樹脂層20は、将来的には、蒸着作製するパターンに対応した開口部50が設けられ、蒸着マスク100を構成する樹脂マスク25となる層である。樹脂層20を構成する樹脂材料は、金属材料と比較して高精細な加工を行うことができる性質を有する。したがって、本発明の蒸着マスクの製造方法によれば、樹脂層20に蒸着作製するパターンに対応した高精細な開口部を設けることができ、これにより、本発明の蒸着マスクの製造方法によって製造される蒸着マスクを用いて、蒸着加工対象物(以下、単に加工対象物という場合がある。)に高精細な蒸着パターンを形成することができる。なお、本願明細書において蒸着作製するパターンとは、本発明の蒸着マスクを用いて作製しようとするパターンを意味し、例えば、当該蒸着マスクを有機EL素子の有機層の形成に用いる場合には、蒸着パターンは当該有機層の形状である。
また、本発明の蒸着マスクの製造方法によって製造される蒸着マスクは、スリット16が設けられた金属マスク15と、開口部50が設けられた樹脂マスク25とが組み合された構成をとる。ここで、本発明の製造方法によって製造される蒸着マスク100の質量と、従来公知の金属のみから構成される蒸着マスクの質量とを、蒸着マスク全体の厚みが同一であると仮定して比較すると、従来公知の蒸着マスクの金属材料の一部を樹脂材料に置き換えた分だけ、本発明の製造方法によって製造される蒸着マスク100の質量は軽くなる。また、金属のみから構成される蒸着マスクを用いて、軽量化を図るためには、当該蒸着マスクの厚みを薄くする必要などがあるが、蒸着マスクの厚みを薄くした場合には、蒸着マスクを大型化した際に、蒸着マスクに歪みが発生する場合や、耐久性が低下する場合が起こる。一方、本発明の製造方法によれば、大型化したときの歪みや、耐久性を満足させるべく、蒸着マスク全体の厚みを厚くしていった場合であっても、樹脂マスク25の存在によって、金属のみから形成される蒸着マスクよりも軽量化を図ることができる蒸着マスクを製造することができる。
樹脂層20の材料について特に限定されないが、レーザー加工法やエッチング加工法によって高精細な開口部50の形成が可能であり、熱や経時での寸法変化率や吸湿率が小さく、軽量な材料を用いることが好ましい。このような材料としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セロファン、アイオノマー樹脂等を挙げることができる。上記に例示した材料の中でも、その熱膨張係数が16ppm/℃以下である樹脂材料が好ましく、吸湿率が1.0%以下である樹脂材料が好ましく、この双方の条件を備える樹脂材料が特に好ましい。
樹脂層20の厚みについても特に限定はないが、樹脂層20は将来的には樹脂マスク25となる。そうすると、本発明の製造方法で得られる蒸着マスクを用いて蒸着を行ったときに、蒸着作成するパターンに不充分な蒸着部分、つまり目的とする蒸着膜厚よりも薄い膜厚となる蒸着部分、所謂シャドウが生じることを防止するためには、樹脂層20は可能な限り薄いことが好ましい。しかしながら、金属マスク15の厚みによっては、樹脂層20の厚みが3μm未満である場合には、ピンホール等の欠陥が生じやすくなる。一方で、25μmを超えるとシャドウの発生が生じ得る。この点を考慮すると樹脂層20の厚みは3μm以上25μm以下であることが好ましい。樹脂層20の厚みをこの範囲内とすることで、ピンホール等の欠陥が発生するリスクを低減でき、かつシャドウの発生を効果的に防止することができる。
本願明細書でいうシャドウとは、本発明の製造方法によって製造される蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンの形成を行ったときに、蒸着対象物上に蒸着形成されるパターンに不十分な蒸着部分、つまり目的とする蒸着膜厚よりも薄い膜厚となる蒸着部分が生ずる現象のことを言う。
<金属層>
積層体5を構成する金属層4は、将来的には開口部50に対応する貫通孔32が設けられ、本発明の製造方法で得られる蒸着マスク100を構成する層である。
本発明の製造方法で得られた蒸着マスク100は、樹脂マスク25の蒸着対象物側の表面が金属層4によって覆われることから、該蒸着マスク100を用いて蒸着を行ったときに、樹脂マスク25から発生し得るアウトガスの放出を防止できる。つまり、積層体5を構成する金属層4は、蒸着マスク100におけるバリア層としての役割を果たす層である。
金属層4の材料は金属元素を含むものであればよく、その材料について特に限定はない。金属元素の酸化物や窒化物、たとえば、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム等の酸化物や、窒化物等は、ガスバリア性に優れる点で金属層4の材料として好適に使用することができる。なお、金属層4は、金属元素を含む層であることから、金属層4の材料がいかなるものであっても、樹脂マスク25の表面が露出している場合、すなわち樹脂マスク25の表面が金属層4で覆われていない場合と比較して、ガスバリア性に優れることはいうまでもない。
金属層4の厚みについて特に限定はなく、ガスバリア性を発現できる程度の厚みであればよい。たとえば、0.05μm〜5μm程度の厚みの金属層4は、ガスバリア性が高く、かつ後述する貫通孔32の加工性能に優れる点で好ましい。
また、金属層4は支持体3から剥離可能に設けられている。金属層4を支持体3から剥離可能に設ける方法としては、従来公知の種々の方法を用いることができ、積層体5の形成方法について特に限定はない。例えば、以下に例示する方法によって、金属層4から支持体3が剥離可能に設けられた積層体5を形成することができる。
(積層体の形成方法(1))
第1の形成方法は、銀鏡反応を用いて支持体3から剥離可能に設けられた金属層4を含む積層体5を形成する方法である。具体的には、金属層4の厚みとなるような間隔を配して設けられた支持体3と樹脂層20とを、たとえば、アンモニア性硝酸銀水溶液中に浸漬させることで、支持体3と樹脂層20とが銀めっき層としての金属層4を介して密着された積層体5を形成する方法である。この方法は1回の工程で積層体5を形成できる点で好ましい。なお、この場合、支持体3の樹脂層20と接しない側の表面や樹脂層20の支持体3と接しない側の表面にマスキング等を行い、支持体3と樹脂層20との間以外に、金属層4が形成されることを防止しておくことが好ましい。
銀鏡反応によって形成される金属層4を支持体3から剥離可能な構成とするためには、積層体5において、金属層4と支持体3との密着力よりも、金属層4と樹脂層20との密着力を高くしておくことが必要である。密着力の関係をこのようにする方法について特に限定はなく、例えば、銀鏡反応を行う前に、樹脂層20の金属層4と接する側の表面に、前処理を施す方法等を挙げることができる。前処理としては、例えば、プラズマ処理や、コロナ処理によって樹脂層20の表面張力をコントロールする表面前処理や、ブラスト等を用いて樹脂層20の表面を粗面化させる方法等を挙げることができる。なお、このような前処理を行わない状態において、金属層4と支持体3との密着力よりも、金属層4と樹脂層20との密着性が高い場合には、当該処理は不要である。
(積層体の形成方法(2))
第2の形成方法は、金属層4と樹脂層20とを接合した接合体を形成し、次いで、接合体の金属層4上に、該金属層4から剥離可能となるように支持体3を形成する方法である。
金属層4と樹脂層20とを接合した接合体は、金属層4上に上記で例示した樹脂層20の材料を含むシート等を接着剤層や粘着剤層を介して接合する、或いは、接着剤層や粘着剤層を介さず、金属層4上に、上記で例示した樹脂層20の材料を含むシート等を融着させる方法等によって形成することができる。また、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、各種CVD法等によって樹脂層20上に金属層4を形成することによっても接合体を形成することができる。スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、各種CVD法は、樹脂層20上に、ガスバリア性の高い薄膜の金属層4を形成できる点で好ましい。
上記のようにして形成された接合体の金属層4と支持体3とを、金属層4から支持体3が剥離可能となるように接合する方法としては、接合体と支持体3との間に、該接合体から支持体3を剥離させることができる機能を有する剥離層を設ける方法が挙げられる。
剥離層は、接合体と支持体3とを接合させる機能を有するとともに、所定の条件によって支持体3と剥離層との密着力が弱まり、接合体から支持体3を剥離できる機能を有するものであればよい。たとえば、紫外線を照射することで密着力が弱まる材料、所定以上の温度負荷によって密着力が弱まる材料、所定の温度以下まで冷却することで密着力が弱まる材料、特定の溶剤に浸漬させることにより密着力が弱まる材料等を使用することができる。紫外線を照射することで粘着力が弱まる材料としては、例えば、UV剥離シート等を挙げることができる。また、所定以上の温度負荷によって密着力が弱まる材料としては、例えば、ワックス、感温性粘着シート等を挙げることができる。
また、これ以外にも、天然ゴム系の粘着剤等も使用可能である。これらの天然ゴム系の粘着剤は、加圧処理を行うことで粘着性を発現させることができ、粘着後には粘着部分を手で剥離することができる。
なお、この剥離層は、金属層4から支持体を剥離するときに、接合体側に残存せず、支持体3とともに剥離されることが望ましい。接合体側に剥離層が残存した場合には、該剥離層からアウトガスが発生するおそれが生じるからである。したがって、剥離層を設ける場合にはこの点を考慮して、金属層4と剥離層との密着性が、支持体と剥離層との密着性よりも弱くなるように、金属層4や支持体3の材料を適宜選択することが必要である。
(積層体の形成方法(3))
第3の形成方法は、支持体3が金属層4から剥離可能となるように、支持体3上に金属層4を設け、次いで、金属層4上に樹脂層20を設ける方法である。支持体3が金属層4から剥離可能となるように支持体3と金属層4とを接合する方法としては、たとえば、上記で説明した剥離層を設ければよい。
金属層4上に樹脂層20を設ける方法としては、上記積層体の形成方法(2)で説明した各種の方法を用いることができる。
(金属マスクを形成する工程)
本工程では、図1(b)に示すように、樹脂層20上の所定の位置に、無電解めっき用触媒を含む触媒層12を形成し、次いで、めっき液を用いて該触媒層12上に無電解めっきを選択的に析出・成長させることで図1(c)に示すように、樹脂層20上に、スリット16が設けられた金属マスク15を形成する工程である。
無電解めっき用触媒を含む触媒層12は、樹脂層20上の所定の領域上、具体的には、めっき法によってめっきを析出・成長させる領域に、無電解めっき用触媒とバインダー樹脂とを含む塗工液を、塗工・乾燥することで形成される層である。
無電解めっき用触媒とは、無電解めっきを選択的に析出・成長させることができる核を意味し、無電解めっき用触媒としては、たとえば、貴金属コロイド粒子等を用いることができる。貴金属コロイド粒子としては、パラジウム、金、銀、白金等の微粒子等を挙げることができる。
バインダー樹脂としては、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂等の一種または二種以上からなる樹脂等を挙げることができる。
無電解めっきを行う溶液としては、銅、鉄、ニッケル、クロム、銀、金、白金、コバルト等の無電解めっき液を使用することができる。無電解めっきは、各々の無電解めっき液固有のめっき条件に設定することによって、触媒層12上に、金属または合金を析出・成長させ、スリット16を有する金属マスク15が形成される。
めっきの密着性を向上させるために、積層体5を洗浄する工程を本工程の前に行うこととしてもよい。洗浄方法としては、溶剤洗浄、アルカリ洗浄、電解洗浄、酸洗浄等の従来公知の洗浄方法を適宜選択して用いることができる。
本工程で形成される金属マスク15は、図2(a)、図2(b)に示すように、本発明の製造方法で得られる蒸着マスク100を金属マスク15の正面からみたときに、樹脂マスク25に設けられた全ての開口部50がみえるような位置に、縦方向或いは横方向に延びるスリット16が配置されている。
本工程で形成される金属マスク15が有するスリット16の幅Wについて特に限定はないが、後述する工程で形成される樹脂マスク25が有する開口部50間のピッチよりも短くなるように設計されたものであることが好ましい。具体的には、図2(a)に示すように、スリット16が縦方向に延びる場合には、スリット16の横方向の幅Wは、横方向に隣接する開口部50のピッチP1よりも短くすることが好ましい。同様に、図示はしないが、スリット16が横方向に伸びている場合には、スリット16の縦方向の幅は、縦方向に隣接する開口部50のピッチP2よりも短くすることが好ましい。一方で、スリット16が縦方向に延びる場合の縦方向の長さLについては、特に限定されることはなく、金属マスク15の縦の長さおよび樹脂マスク25に設けられている開口部50の位置に応じて適宜設計すればよい。なお、金属マスク15が有するスリット16の幅Wとは、金属マスク15の樹脂マスク25と接しない側、換言すれば、金属マスク15の樹脂マスク25が設けられていない側の開口寸法を意味する。
また、図2(b)に示すように、スリット16が縦方向に延びる場合に、当該スリット16と重なる開口部50は横方向に2つ以上設けられていてもよい。また、縦方向、或いは横方向に延びるスリットは、図2に示すように複数列配置されていてもよく、1列のみ配置されていてもよい。また、図2に示す形態では、1つのスリット16と重なる開口部50として複数の開口部50が設けられているが、1つのスリット16と重なる位置に設けられる開口部50は、1つであってもよく、図2に示すように縦方向、或いは横方向に複数あってもよい。
したがって、めっき法によって金属マスク15を形成するにあたっては、スリット16の幅や、その形成位置が上記の範囲となるように、触媒層12を形成しておくことが好ましい。
本工程で形成される金属マスク15の厚みについても特に限定はないが、その厚みは5μm〜100μm程度であることが好ましい。蒸着時におけるシャドウの防止を考慮した場合、金属板10の厚さは薄い方が好ましいが、1μmよりも薄くした場合、破断や変形のリスクが高まるとともにハンドリングが困難となる可能性がある。ただし、本発明の製造方法では、支持体3を含む積層体5を用いて金属マスク15が形成されることから、金属マスク15の厚みが1μmと非常に薄い場合であっても、ハンドリング性能に優れ、破断や変形のリスクを低減させることができる。なお、100μmより厚くした場合にはシャドウの発生が生じうるため好ましくない。これらの点を考慮すると、金属マスク15の厚みは5μm以上50μm以下程度であることが好ましい。以下、図4を参照して、シャドウと金属マスク15の厚みとの関係について説明する。
図4(a)に示すように、金属マスク15の厚みが薄い場合には、蒸着源から蒸着対象物に向かって放出される蒸着材は、金属マスク15のスリット16の内壁面や、金属マスク15の樹脂マスク25が設けられていない側の表面に衝突することなく金属マスク15のスリット16、及び樹脂マスク25の開口部50を通過して蒸着対象物へ到達する。これにより、蒸着対象物上へ、均一な膜厚での蒸着パターンの形成が可能となる。つまりシャドウの発生を防止することができる。一方、図4(b)に示すように、金属マスク15の厚みが厚い場合、例えば、金属マスク15の厚みが100μmを超える厚みである場合には、蒸着源から放出された蒸着材の一部は、金属マスク15のスリット16の内壁面や、金属マスク15の樹脂マスク25が形成されていない側の表面に衝突し、蒸着対象物へ到達することができない。蒸着対象物へ到達することができない蒸着材が多くなるほど、蒸着対象物に目的とする蒸着膜厚よりも薄い膜厚となる未蒸着部分が生ずるシャドウが発生しやすくなる。
シャドウ発生を十分に防止するには、図4(c)に示すように、スリット16の断面形状を、蒸着源に向かって広がりをもつような形状とすることが好ましい。このような断面形状とすることで、蒸着マスク100に生じうる歪みの防止、或いは耐久性の向上を目的として、金属マスク15の厚みを比較的厚くした場合であっても、蒸着源から放出された蒸着材が、スリット16の当該表面や、内壁面に衝突等することなく、蒸着材を蒸着対象物へ到達させることができる。これにより、シャドウ発生をより効果的に防止することができる。なお、図4は、シャドウの発生と金属マスク15のスリット16との関係を説明するための部分概略断面図である。
したがって、めっき法によって金属マスク15を形成するにあたっては、厚みが上記好ましい範囲となるように、用いるめっき液やめっき時間等を適宜設定することが好ましい。また、スリット16の断面形状は、上記で説明したように、図4(c)に示すように蒸着源側に向かって広がりをもつ断面形状とすることが好ましい。例えば、樹脂層上の、金属マスクに設けられるスリット16に対応する領域に、換言すれば、めっきを析出・成長をさせない領域に、蒸着源側に向かって狭くなるテーパー形状の絶縁層を設けることで、図4(c)に示す断面形状のスリット16を形成することができる。
(樹脂マスクを形成する工程)
本工程では、樹脂層20に、蒸着作製するパターンに対応し、かつ金属マスク15に設けられたスリット16と重なる開口部50を形成することで樹脂マスクを形成する工程である。本工程では、図1(d)に示すように、樹脂層20に開口部50が形成された樹脂マスク25が得られる。なお、図1(d)は、エッチング加工法によって開口部50が形成された樹脂マスク25の例を示す概略断面図である。
蒸着作製するパターンに対応した開口部50(以下、単に開口部という)を樹脂層20に形成する方法について特に限定はない。例えば、レーザー加工法によって開口部50を形成してもよく、エッチング加工法によって開口部50を形成してもよい。
レーザー加工法は、例えば、図3(a)に示すように、樹脂層20の金属層4が設けられていない側から、開口部50の開口寸法に対応する領域の樹脂層20上にレーザー光を照射し、当該領域の樹脂層20を除去しながら開口部50を形成する方法である。これにより、樹脂層20にレーザー加工法によって開口部50が設けられた樹脂マスク25が形成される。また、レーザー加工法によれば、樹脂層20に開口部50を形成しつつ、金属層4に貫通孔32を同時に形成することができる点で好ましい。すなわち、レーザー加工法によれば、本工程の樹脂マスク25を形成する工程と、後述する貫通孔32を形成する工程とを同時に行うことができる。
本実施形態で用いるレーザー装置については特に限定されることはなく、従来公知のレーザー装置を用いればよい。
エッチング加工法は、例えば、図3(b)に示すように、スリット16内の樹脂層20上にレジスト材を塗工し、開口部50を形成するための開口形状を有するマスクを用いて当該レジスト材をマスキングし、露光、現像してレジストパターン31を形成する。そして、当該レジストパターン31を耐エッチングマスクとして用いて、樹脂層20をエッチング加工し開口部50を形成した後に、レジストパターンを洗浄除去する方法である。
レジスト材について特に限定はないが、処理性が良く、所望の解像性があるものを用いることが好ましい。エッチング加工法によって開口部50を形成する際に用いられるレジスト材は、ポジ型のレジスト材であっても、ネガ型のレジスト材であってもよい。ポジ型のレジスト材としては、東京応化工業(株)製のOFPR800、TFR−H、TFR−790等を用いることができる。ここで説明するエッチング加工法は、ポジ型のレジスト材を用いてレジストパターンを形成しているが、ネガ型のレジスト材を用いてレジストパターンを形成してもよい。また、レジストパターンを形成するための現像液についても特に限定はなく、露光された領域のレジスト材を除去できるものであればよい。例えば、レジスト材として東京応化工業(株)製のレジスト材OFPR800等を用いる場合には、現像液として東京応化工業(株)製のNMD−3等を用いることで、露光された領域のレジスト材を除去できる。
樹脂層20をエッチング加工するためのエッチング材についても限定はなく、樹脂層20の材料をエッチング加工可能なものであればよい。たとえば、樹脂層20としてポリイミド樹脂を用いる場合には、エッチング材として、たとえば水酸化ナトリウムを溶解させたアルカリ水溶液、ヒドラジン等を用いることができる。エッチング材は市販品をそのまま使用することもでき、ポリイミド樹脂のエッチング材としては、東レエンジニアリング(株)製のTPE3000などが使用可能である。
本工程で形成される樹脂マスク25が有する開口部50の断面形状についても特に限定はなく、開口部50を形成する樹脂マスクの向かいあう端面同士が略平行であってもよいが、図1(d)に示すように、開口部50は、その断面形状が蒸着源に向かって広がりをもつような形状であることが好ましい。樹脂マスク25の開口部50における下底先端と、同じく樹脂マスクの開口部における上底先端を結んだ直線と樹脂マスク25の底面とのなす角度が25°〜65°の範囲内であることが好ましい。特には、この範囲内の中でも、使用する蒸着機の蒸着角度よりも小さい角度であることが好ましい。開口部50の断面形状をこのような断面形状とすることで、蒸着源から放出された蒸着材が、開口部50の内壁面に衝突等することなく、蒸着材を蒸着対象物へ到達させることができる。これにより、シャドウを効果的に防止することができる。なお、以下で説明するように、レーザー加工法や、エッチング加工法によれば、開口部50の断面形状を蒸着源側に向かって広がりをもつ断面形状とすることができる。
エッチング加工法は、エッチング材の進行方向に向かって、換言すればエッチングの深さ方向に向かって、幅方向のエッチング量が減少していくといった性質を有する。したがって、樹脂層20の金属層4が設けられていない側からエッチング加工を行うことで、形成される開口部50の断面形状は、図1(d)に示すように金属マスク15側に向かって、換言すれば、蒸着源側に向かって広がりをもつ断面形状となる。本願明細書において、蒸着作製するパターンに対応した開口部50とは、金属層4側の開口部50の開口寸法を意味する。したがって、開口部50を形成するためのレジストパターン31を形成するにあたっては、この点を考慮してマスクや、使用するエッチング材等を適宜設定することが必要である。
図3(a)では開口部50の向かいあう内壁面同士が略平行となっているが、樹脂層20の金属層4が設けられていない側からレーザー光を照射する本発明では、レーザー光のエネルギーの減衰を利用して、開口部50の断面形状を蒸着源側に向かって広がりをもつ形状とすることができる。これ以外にも、レーザー光の照射領域を段階的に狭くするような処理を施すことで、開口部50の断面形状を、金属マスク15側にむかって広がりをもつ断面形状とすることもできる。
なお、図1(d)では、開口部50を形成する端面は直線形状を呈しているが、これに限定されることはなく、外に凸の湾曲形状となっている、つまり開口部50の全体の形状がお椀形状となっていてもよい。
また、上記の一実施形態では、レジストパターンを耐エッチングマスクとして用いて開口部50を形成しているが、たとえば、図3(c)に示すように、上記金属マスクを形成する工程で形成された金属マスク自体を耐エッチングマスクとして用いて、樹脂層20に開口部を形成してもよい。
この方法によれば、レジストパターンを形成することなく樹脂層20に開口部50が形成された樹脂マスク25を得ることができ、工程上有利である。また、本発明の製造方法では、金属マスク15はめっき法を用いて形成されることから、金属マスク15のスリット16を高精細に形成することができる。したがって、金属マスク15自体を耐エッチングマスクとして用いた場合であっても、高精細な開口部50を形成することができる。なお、この場合、金属マスク15を形成する工程において、開口部50の樹脂層4側の開口寸法が、蒸着作製すべきパターンに対応した開口寸法となるように、適宜、めっき法によって析出させる金属の領域、換言すればスリット16が設けられる領域を設定する必要がある。
(貫通孔を形成する工程)
本工程では、図1(e)に示すように、金属層4に、開口部50に対応する貫通孔32が形成される。
貫通孔を形成する方法について特に限定はなく、レーザー加工法によって貫通孔32を形成してもよく、エッチング加工法を用いて貫通孔32を形成してもよい。
レーザー加工法によって貫通孔32を形成する場合には、上記開口部50と同時に貫通孔32を形成してもよく、開口部50を形成した後に、該開口部50を通してレーザー光を照射することで貫通孔32を形成してもよい。
エッチング加工法によって貫通孔32を形成する場合には、上記樹脂マスク25を耐エッチングマスクとして用い、金属層4をエッチング加工可能なエッチング材を用いて金属層4をエッチング加工すればよい。
なお、金属層4は、本発明の製造方法で得られる蒸着マスク100においてバリア層としての役割を果たすことから、その好ましい厚みは上記で説明したように、金属マスク15や樹脂マスク25と比較して非常に薄いものである。したがって、貫通孔32の開口寸法は、ほぼ開口部50の金属層4側の開口寸法と同じ開口寸法となる。
(支持体を剥離する工程)
本工程では、貫通孔32が形成された金属層4から、支持体3を剥離する工程である。本工程によれば、図1(f)に示すように、貫通孔32が設けられた金属層4、開口部50が設けられた樹脂マスク25、スリット16が設けられた金属マスク15がこの順で積層された蒸着マスク100が得られる。
上記積層体5で説明したように、支持体3は、金属層4から剥離可能に設けられていることから、支持体3と金属層4との接合態様に応じた剥離処理を施すことで支持体3を金属層4から剥離することができる。たとえば、手で支持体3を引きはがすことによって支持体3を剥離してもよく、所定の条件で支持体3が剥離される態様である場合には、所定の条件を付与して支持体3を剥離することができる。
以上説明した本発明の製造方法によれば、めっき法によって高精細な金属マスク15が形成されるとともに、樹脂マスク25の金属マスク15が設けられていない側の面には、樹脂マスク25の開口部50に対応する貫通孔32が設けられた樹脂層4が形成されていることから、本発明の製造方法によって得られる蒸着マスク100を用いて蒸着を行ったときに、樹脂マスク25からのアウトガスの発生を防止することができる。
以上、本発明の製造方法について説明を行ったが、本発明の製造方法は上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。上記実施形態では、スリット16、開口部50が蒸着源方向に向かって広がりをもつ形状である場合を中心に説明したが、スリット16及び開口部50の断面形状が略平行となるように形成されていてもよい。また、これ以外の形状であってもよい。
また、本発明の製造方法によって製造される蒸着マスク100を用いて、有機EL基板等の基板上へ蒸着を行うにあたり、基板後方に磁石等を配置して基板前方の蒸着マスク100を磁力によって引きつける、換言すれば、蒸着マスク100と基板とを固定することが必要な場合には、金属マスク15、及び金属層4の何れか一方、又は双方の層は、磁性を有していることが好ましい。なお、金属マスク15、及び金属層4の何れか一方、又は双方の層が磁性を有している場合であっても、これらの層の厚みが薄い場合には、磁性を十分に発揮させることができない場合がある。したがって、このような場合には、金属層4上に、さらに磁性を有する磁性層を設けることが好ましい。磁性層を設けることで、蒸着マスク100全体としての磁性を向上させることができ、蒸着マスク100と基板とを十分な強度をもって固定することができる。磁性層の厚みについて特に限定はないが、5μm未満である場合には十分な磁性を発揮させることができない場合があることから、磁性層の厚みは5μm以上であることが好ましい。一方で、磁性層の厚みが厚くなりすぎた場合には、シャドウの発生が懸念されることから、樹脂マスク25、金属マスク15、金属層4の厚み等を考慮して、磁性層の厚みを決定することが好ましい。
上記では、磁石等を用いて蒸着マスク100と基板とを固定する方法について説明を行ったが、例えば、静電吸着等の方法を用いて蒸着マスク100と基板とを固定する場合には、金属マスク15や金属層4は磁性を有していなくともよい。
以上説明した本発明の製造方法によって製造される蒸着マスクの用途について限定されることはないが、高精細な蒸着膜の形成が要求される分野、例えば、有機EL素子の有機層や、カソード電極の形成、有機半導体の形成等の用途に用いられる蒸着マスクとして好適である。
100・・・蒸着マスク
3・・・支持体
4・・・金属層
5・・・積層体
12・・・触媒層
15・・・金属マスク
16・・・スリット
20・・・樹脂層
25・・・樹脂マスク
30・・・レジスト材
31・・・レジストパターン
32・・・貫通孔
50・・・開口部

Claims (6)

  1. スリットが設けられた金属マスクと、蒸着作製するパターンに対応した開口部が設けられた樹脂マスクと、が積層されてなる蒸着マスクであって、
    前記樹脂マスクの前記金属マスクと接しない側の面であって、前記蒸着マスクの厚み方向おいて前記樹脂マスクの前記開口部と重ならない位置に、金属層が設けられている蒸着マスク。
  2. 前記金属層の厚みが0.05μm以上5μm以下である請求項1に記載の蒸着マスク。
  3. 前記樹脂マスクの厚みが、3μm以上25μm未満の範囲内である請求項1又は2に記載の蒸着マスク。
  4. 前記金属マスクの厚みが、5μm以上50μm以下の範囲内である請求項1乃至3の何れか1項に記載の蒸着マスク。
  5. 前記金属マスクの前記スリットを断面視したときの断面形状が、前記金属マスクの前記樹脂マスクと接する側の面から、前記金属マスクの前記樹脂マスクと接しない側の面に向かって広がりを持つ形状である請求項1乃至4の何れか1項に記載の蒸着マスク。
  6. 前記樹脂マスクの前記開口部を断面視したときの断面形状が、前記樹脂マスクの前記金属マスクと接しない側の面から、前記樹脂マスクの前記金属マスクと接する側の面に向かって広がりを持つ形状である請求項1乃至5の何れか1項に記載の蒸着マスク。
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