JP2017002008A - (3r,4s)‐1‐(4‐フルオロフェニル)‐[3(s)‐ヒドロキシ‐3‐(4‐フルオロフェニル)プロピル]‐[4‐(フェニルメトキシ)フェニル]‐2‐アゼチジノンの製造方法 - Google Patents
(3r,4s)‐1‐(4‐フルオロフェニル)‐[3(s)‐ヒドロキシ‐3‐(4‐フルオロフェニル)プロピル]‐[4‐(フェニルメトキシ)フェニル]‐2‐アゼチジノンの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
で示される化合物(以下、CBS触媒とも言う。)をテトラヒドロフラン(以下、THFとも言う。)に溶解させ、ボランジメチルスルフィド錯体を加えて反応させてベンジル保護体とする方法が記載されている。また、特許文献2には、CBS触媒とボランジメチルスルフィド錯体をTHFに溶解させ、ベンジル保護ケト体を後から添加して反応させてベンジル保護体とする方法が記載されている。そして、特許文献3には、微生物を用いて不斉還元反応を行う方法が記載されている。さらに特許文献4には、不斉配位子を有するルテニウム触媒と水素ガスを用いて不斉還元反応を行う方法が記載されている。
錯形成工程とは、反応溶媒中でCBS触媒とボランを混合し、反応活性種を含む溶液を得る工程である。
本発明で使用されるCBS触媒は、下記式(1)
で示される化合物であり、R体であれば良い。ホウ素原子上の置換基は特に制限されず、任意のアルキル基又はアリル基から選択され、好ましくは直鎖アルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
本発明においてボランとしては、THF錯体、ジメチルスルフィド錯体、ピリジン錯体を使用することができる。反応性を考慮すると、THF錯体及びジメチルスルフィド錯体を使用することが好ましく、安定性を考慮すると、ジメチルスルフィド錯体が特に好ましい。
本発明において反応溶媒は、非プロトン性極性溶媒、又はハロゲン化炭化水素が使用される。具体的には、非プロトン性極性溶媒としては、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、THF、1,4‐ジオキサン、ハロゲン化炭化水素としてはジクロロメタン、クロロホルム、1,2‐ジクロロエタンが挙げられ、操作性や反応性を考慮すると、THF、ジクロロメタンが好ましく、THFが特に好ましい。これらは単独で使用することも複数種混合して使用することもできる。
本錯形成工程において、CBS触媒、ボラン及び反応溶媒を混合して錯形成を行い、反応活性種を含む反応液を得る方法は、特に制限されず、反応溶媒中でCBS触媒とボランが混合されれば良い。具体的には、CBS触媒と反応溶媒とを混合し、撹拌させておいたところにボランを加えても良く、またボランと反応溶媒を混合し、撹拌させておいたところにCBS触媒を加えても良い。操作性及びボランの安定性を考慮すると、CBS触媒と反応溶媒を予め混合し、後からボランを加える方法が好ましい。ボランはそのまま添加しても良く、前記反応溶媒でボランを希釈して添加しても良い。ボランを反応溶媒で希釈して添加する場合、その濃度は特に制限されないが、操作性や反応性を考慮すると、ボラン1.0モルに対して、反応溶媒の量は0.01L以上10L以下であれば良く、0.05L以上1L以下であることが好ましい。錯形成工程において、錯形成温度は反応性やボランの安定性を考慮すると、−30℃以上30℃以下であればよく、−20℃以上25℃以下であることが好ましく、−15℃以上20℃以下であることがより好ましい。また、錯形成時間は、錯形成の進行状況に応じて適宜決定すれば良く、通常は15分以上2時間以下である。
一次反応工程とは、前記錯形成工程で得られた反応活性種を含む溶液にベンジル保護ケト体を投入し、不斉還元反応を行う工程である。本一次反応工程で得られた溶液を一次反応液とも言う。
本発明で使用されるベンジル保護ケト体は、特に制限されず、公知の方法で製造されたものを使用することができる。具体的には、特許文献1に記載された方法、すなわち、4−フルオロフェニルマグネシウムクロリド、塩化亜鉛を混合し、触媒量のテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを添加し、下記式(7)
本一次反応工程において、前記錯形成工程で得られた反応活性種を含む溶液にベンジル保護ケト体を添加する方法は特に制限されず、固体のベンジル保護ケト体を添加しても良く、本一次反応工程で使用する反応溶媒に溶解した溶液を滴下しても良い。ベンジル保護ケト体を溶液として用いる場合の反応溶媒の使用量は、使用する反応溶媒の種類や反応条件等によって適宜決定すれば良い。操作性や反応性を考慮すると、ベンジル保護ケト体1gに対して、1mL以上20mL以下であることが好ましく、2mL以上18mL以下であることがより好ましく、3mL以上15mL以下であることが特に好ましい。一次反応の温度は反応性や立体選択性を考慮すると、−30℃以上10℃以下であればよく、−20℃以上5℃以下であることが好ましく、−15℃以上0℃以下であることがより好ましい。
二次反応工程は、前記一次反応工程で得られた一次反応液にボランの残部を添加して、不斉還元反応を再進行させてベンジル保護体を含む溶液を得る工程である。本二次反応工程で得られた溶液を二次反応液とも言う。
本二次反応工程で用いられるボランは、前記錯形成工程と同様のものを使用することができる。本二次反応工程で添加するボランの使用量は、ボランの残部であり、前記錯形成工程において添加したボランの使用量を考慮して、本二次反応工程で用いるボランの量との合計が不斉還元反応で使用されるボランの総量となるように設定すれば良い。なお、不斉還元反応で使用されるボランの総量は、前記したようにベンジル保護ケト体1.0モルに対して、0.7モル以上1.2モル以下であれば良く、0.7モル以上1.1モル以下であることがより好ましく、0.75モル以上1.0モル以下であることがさらに好ましい。
本二次反応工程において、前記一次反応工程で得られた一次反応液にボランを添加してベンジル保護体を含む二次反応液を得る方法は特に制限されない。一次反応液に添加するボランは、前記錯形成工程と同様にそのまま添加しても良く、前記錯形成工程及び一次反応工程で使用した反応溶媒でボランを希釈して添加しても良く、ボランを反応溶媒で希釈して添加する場合、その濃度は前記錯形成工程と同じものを使用することができる。二次反応の温度は反応性や立体選択性を考慮すると、−30℃以上10℃以下であればよく、−20℃以上5℃以下であることが好ましく、−15℃以上0℃以下であることがより好ましい。また、反応時間は、所望の反応転化率に応じて適宜決定すれば良く、上記反応温度の範囲において反応転化率を99%以上とするには、通常は1時間以上12時間以下である。
抽出工程は、前記二次反応工程で得られた二次反応液にアルコール及び希酸を添加して反応を停止させ、抽出溶媒を添加し、ベンジル保護体が含有した有機層を抽出する工程である。
本抽出工程で使用するアルコールは、炭素数が1〜4で水と混和するものが使用することができ、具体的にはメタノール、エタノール、1‐プロパノール、2‐プロパノール、t‐ブチルアルコールが挙げられ、操作性を考慮すると、メタノール、エタノールが好ましく、メタノールが特に好ましい。本抽出工程で使用するアルコールの量は、使用するアルコールの種類や反応条件によって適宜決定すれば良く、操作性や反応性を考慮すると、用いたベンジル保護ケト体1.0gに対して0.1mL以上20mL以下であることが好ましく、0.2mL以上15mL以下であることがより好ましく、0.3mL以上10mL以下であることがさらに好ましい。
本抽出工程で使用する希酸は、水溶性の有機酸及び無機酸を水に溶解させたものを使用することができ、溶解させる酸としては、具体的にはギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、酒石酸等の有機酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。操作性を考慮すると、無機酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。本抽出工程で使用する希酸の濃度は、使用する酸の種類や反応条件によって適宜決定すれば良く、操作性や反応性を考慮すると、0.0001モル/L以上3.0モル/L以下であることが好ましく、0.005モル/L以上2.0モル/L以下であることがより好ましく、0.001モル/L以上1.5モル/L以下であることがさらに好ましい。本抽出工程で使用する希酸の量は、特に制限されないが、操作性を考慮すると、用いたベンジル保護ケト体1.0gに対して0.2mL以上30mL以下であることが好ましく、0.4mL以上25mL以下であることがより好ましく、0.5mL以上20mL以下であることがさらに好ましい。
本抽出工程において使用する抽出溶媒は、ベンジル保護体の溶解度が高く、水と混和しないものであればよく、具体的には酢酸エステルや芳香族炭化水素が挙げられ、操作性を考慮すると、酢酸エステルを使用することが好ましく、特に酢酸エチルを使用することが好ましい。
本抽出工程において、前記二次反応工程で得られた二次反応液にアルコールを添加する温度は、添加時に発生した水素で反応液が突沸しない範囲であれば良く、具体的には−30℃以上10℃以下であれば良く、−20℃以上5℃以下であることが好ましく、−15℃以上0℃以下であることがより好ましい。アルコールを添加してから撹拌させる時間は特に制限されないが、通常10分以上60分以下である。本抽出工程において、前記二次反応液にアルコールを添加し、反応を停止させた溶液に希酸を添加する温度は、反応液が突沸しない範囲であれば良く、具体的には−30℃以上20℃以下であれば良く、−20℃以上15℃以下であることが好ましく、−10℃以上10℃以下であることがより好ましい。希酸を添加してから撹拌する時間は特に制限されないが、通常10分以上60分以下である。二次反応液にアルコール及び希酸を添加した後、さらに抽出溶媒を添加、混合しベンジル保護体を有機層に抽出する。ベンジル保護体を含有した有機層を抽出する温度は、使用する抽出溶媒の種類や量等により適宜決定すれば良く、ベンジル保護体が結晶化しない温度であればよく、操作性を考慮すると10℃以上55℃以下であることが好ましく、15℃以上50℃以下であることがより好ましい。
析出工程は、前記抽出工程で得られたベンジル保護体を含有した有機層を適当な溶媒に交換した後、該溶媒に溶解したベンジル保護体を結晶化させる工程である。
本析出工程で使用する晶析溶媒は、炭素数1〜4のアルコールであれば良く、操作性や収率を考慮すると、エタノール及び2‐プロパノールが好ましく、2‐プロパノールが特に好ましい。
本析出工程において、脂肪族炭化水素を貧溶媒として晶析溶媒に添加しても良い。脂肪族炭化水素としては、炭素数5〜8のものを使用することができ、好ましくは直鎖脂肪族炭化水素であり、特に好ましくはヘキサン及びヘプタンである。
本析出工程において、溶媒交換を行う方法は、前記抽出工程で得た有機層の溶媒を留去した後、晶析溶媒を添加すれば良い。有機層の溶媒を留去する方法は特に制限されず、常圧で加熱して留去しても、減圧留去しても、良い。操作性やベンジル保護体の安定性を考慮すると、減圧留去を行うのが好ましい。減圧留去を行う場合、温度は0℃以上70℃以下であることが好ましく、3℃以上65℃以下であることがより好ましく、5℃以上60℃以下であることがさらに好ましい。有機層の溶媒の留去後、溶媒交換するために、残渣として得られたベンジル保護体に晶析溶媒を添加する。
装置:高速液体クロマトグラフ装置(ウォーターズ社製)。
検出器:紫外吸光光度検出器(ウォーターズ社製)。
測定波長:230nm。
カラム:ZORBAX SB‐C18、内径4.6mm、長さ150mm(アジレント・テクノロジー社製)。
カラム温度:25℃付近の一定温度。
緩衝液:リン酸二水素ナトリウム2.4gを水1000mLに溶解させた水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて液性をpH5.0としたもの。
移動相A:緩衝液/アセトニトリル=800/200(体積比)。
移動相B:緩衝液/アセトニトリル=200/800(体積比)。
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を表1のように変えて濃度勾配制御する。
流速:毎分1.0mL。
測定時間:65分。
装置:高速液体クロマトグラフ装置(ウォーターズ社製)。
検出器:紫外吸光光度検出器(ウォーターズ社製)。
測定波長:230nm。
カラム:CHIRALCEL OD‐H、内径4.6mm、長さ250mm(ダイセル社製)。
カラム温度:25℃付近の一定温度。
移動相:エタノール/ヘキサン=50/950(体積比)。
流速:毎分1.0mL
測定時間45分。
撹拌翼、温度計を取り付けた5L三つ口フラスコ内を窒素置換し、3‐[(3R,4S)‐[1‐(4‐フルオロフェニル)]‐[4‐(フェニルメトキシ)フェニル]‐2‐アゼチジノン‐3‐イル]プロピオン酸280g及びジクロロメタン3000mLを加え、撹拌混合し、溶解させた。反応液に塩化オキサリル126gを加え、25℃で8時間撹拌した後、濃縮乾固し、THF700mLに溶解させ、3‐[(3R,4S)‐[1‐(4‐フルオロフェニル)]‐[4‐(フェニルメトキシ)フェニル]‐2‐アゼチジノン‐3‐イル]プロピオニルクロリドのTHF溶液を取得した。10L三つ口フラスコに撹拌翼、温度計を取り付け、フラスコ内を窒素置換し、塩化亜鉛180g、4‐フルオロフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液(濃度1モル/L)1320mLを加え、撹拌混合し、0℃に冷却した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム76.1gを添加し、3‐[(3R,4S)‐[1‐(4‐フルオロフェニル)]‐[4‐(フェニルメトキシ)フェニル]‐2‐アゼチジノン‐3‐イル]プロピオニルクロリドのTHF溶液を滴下し、同温で3時間撹拌した。20℃付近に昇温した後、希塩酸1500mL及び酢酸エチル5000mLを加え、有機層を抽出した。得られた有機層を10%食塩水1000mLで洗浄し、有機層を減圧下濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、ベンジル保護ケト体883gを取得した。
撹拌翼、温度計を取り付けた500mL三つ口フラスコ内を窒素置換し、THF200mL及びCBS触媒1.11g(ベンジル保護ケト体に対して0.1当量)を投入し、撹拌混合した。反応液を−10℃まで冷却し、ジメチルスルフィドボラン1.83g(ベンジル保護ケト体に対して0.6当量)を加え、同温で30分間撹拌した。反応液にベンジル保護ケト体20.0gを添加し、同温で1時間撹拌した。反応液の温度を保ったままボラン0.37g(ベンジル保護ケト体に対して0.15当量)を加え、さらに2時間撹拌した。反応終点での反応液中のベンジル保護体含有量は83.42%、ジオール体含有量は6.52%であった。反応液にメタノール20mLを加え、30分間撹拌し、1M塩酸50mLを加え、さらに30分間撹拌した。反応液を25℃付近まで昇温し、酢酸エチル100mLを加え、有機層を抽出した。得られた有機層を10%食塩水200mLで洗浄し、有機層を減圧下濃縮した。残渣に2‐プロパノール100mLを加え、75℃に加熱し固体を溶解させ、反応液にヘプタン100mLを加えた。反応液を2℃付近まで冷却して固体を析出させ、析出した結晶を減圧濾過によって濾取し、2‐プロパノール20mLとヘプタン20mLの混合液で洗浄し、減圧乾燥して、ベンジル保護体16.71g(ベンジル保護体:純度98.8%、ジオール体含有量0.47%、光学異性体含有量0.99%)を得た(収率83.2%)。
実施例1において、錯形成工程で添加するジメチルスルフィドボランを1.98g(ベンジル保護ケト体に対して0.65当量)、二次反応工程で添加するジメチルスルフィドボランを0.47g(ベンジル保護ケト体に対して0.15当量)に変更した以外は同様の操作を行い、ベンジル保護体16.05g(ベンジル保護体:純度98.1%、ジオール体含有量0.59%、光学異性体含有量0.91%)を得た(収率79.6%)。尚、反応終了時点でのベンジル保護体の含有量は81.98%、ジオール体の含有量は7.14%であった。
実施例1において、錯形成工程で添加するジメチルスルフィドボランを1.22g(ベンジル保護ケト体に対して0.4当量)、二次反応工程で添加するジメチルスルフィドボランを1.22g(ベンジル保護ケト体に対して0.4当量)に変更した以外は同様の操作を行い、ベンジル保護体16.49g(ベンジル保護体:純度99.0%、ジオール体含有量0.30%、光学異性体含有量1.13%)を得た(収率82.1%)。尚、反応終了時点でのベンジル保護体の含有量は87.21%、ジオール体の含有量は4.94%であった。
攪拌翼、温度計、冷却器を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、実施例1で取得したベンジル保護体3.0gを投入し、2‐プロパノール30mLを加え撹拌混合し、パラジウム炭素0.15gを分散させた。反応液に、ギ酸1.11g及びギ酸アンモニウム0.38gを添加し、40℃付近で3時間撹拌した。反応液を濾過して不溶物を除去し、ろ液に水15mLを加えて固体を析出させた。得られたスラリーを3℃に冷却して8時間撹拌した後、析出した結晶を減圧濾過によって濾取し、2‐プロパノール2mLと水1mLの混合液で洗浄し、減圧乾燥して、エゼチミブ粗体の結晶2.0g(エゼチミブ:純度99.8%、光学異性体含有量0.22%)を得た。攪拌翼、温度計、冷却器を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、エゼチミブ粗体2.0gを投入し、エタノール20mL及び水10mLを加え撹拌混合し、60℃に加熱して固体を溶解させた。反応液を2℃付近に冷却して4時間撹拌した後、析出した結晶を減圧濾過によって濾取し、エタノール1.3mLと水0.7mLの混合液で洗浄し、減圧乾燥してエゼチミブ1.8g(エゼチミブ純度99.9%、光学異性体未検出)を得た(収率74.4%)。
撹拌翼、温度計を取り付けた500mL三つ口フラスコ内を窒素置換し、THF200mL、CBS触媒1.11g(ベンジル保護ケト体に対して0.1当量)及びベンジル保護ケト体20.0gを投入し、撹拌混合した。反応液を−10℃まで冷却し、ジメチルスルフィドボラン2.20g(ベンジル保護ケト体に対して0.75当量)を加え、同温で8時間撹拌した。反応終点での反応液中のベンジル保護体の含有量は83.05%、ジオール体含有量は5.59%であった。反応液にメタノール20mLを加え、30分間撹拌し、1M塩酸50mLを加え、さらに30分間撹拌した。反応液を25℃付近まで昇温し、酢酸エチル100mLを加え、有機層を抽出した。得られた有機層を10%食塩水200mLで洗浄し、有機層を減圧下濃縮した。残渣に2‐プロパノール100mLを加え、75℃に加熱し固体を溶解させ、反応液にヘプタン100mLを加えた。反応液を2℃付近まで冷却して固体を析出させ、析出した結晶を減圧濾過によって濾取し、2‐プロパノール20mLとヘプタン20mLの混合液で洗浄し、減圧乾燥して、ベンジル保護体16.39g(ベンジル保護体:純度97.9%、ジオール体含有量0.42%、光学異性体含有量13.99%)を得た(収率81.6%)。
撹拌翼、温度計を取り付けた500mL三つ口フラスコ内を窒素置換し、THF200mL及びCBS触媒1.11g(ベンジル保護ケト体に対して0.1当量)を投入し、撹拌混合した。反応液を−10℃まで冷却し、ジメチルスルフィドボラン2.20g(ベンジル保護ケト体に対して0.75当量)を加え、同温で30分間撹拌した。反応液にベンジル保護ケト体20.0gを添加し、同温で2時間撹拌した。反応終点での反応液中のベンジル保護体含有量は69.91%、ジオール体含有量は12.79%であった。反応液にメタノール20mLを加え、30分間撹拌し、1M塩酸50mLを加え、さらに30分間撹拌した。反応液を25℃付近まで昇温し、酢酸エチル100mLを加え、有機層を抽出した。得られた有機層を10%食塩水200mLで洗浄し、有機層を減圧下濃縮した。残渣に2‐プロパノール100mLを加え、75℃に加熱し固体を溶解させ、反応液にヘプタン100mLを加えた。反応液を2℃付近まで冷却して固体を析出させ、析出した結晶を減圧濾過によって濾取し、2‐プロパノール20mLとヘプタン20mLの混合液で洗浄し、減圧乾燥して、ベンジル保護体13.82g(ベンジル保護体:純度98.0%、ジオール体含有量0.69%、光学異性体含有量1.02%)を得た(収率68.8%)。
比較例1で取得したベンジル保護体を用いて、実施例4と同様の操作を行った。エゼチミブ粗体として1.8g(エゼチミブ純度99.2%、光学純度7.79%)を取得し、エゼチミブ1.4g(エゼチミブ純度99.7%、光学異性体含有量4.69%)を得た(収率57.9%)。
Claims (5)
- 触媒量の下記式(1)
で示される化合物の存在下、ボランを用いて下記式(2)
- 触媒量の下記式(1)
で示される化合物と使用するボランの量の一部を混合し、反応活性種を含む溶液を得る錯形成工程、反応活性種を含む溶液に(3R,4S)‐1‐(4‐フルオロフェニル)‐[3‐オキソ‐3‐(4‐フルオロフェニル)プロピル]‐[4‐(フェニルメトキシ)フェニル]‐2‐アゼチジノンを添加して不斉還元反応を行い、一次反応液を得る一次反応工程、一次反応液にボランの残部を添加し不斉還元反応を再進行させ、二次反応液を得る二次反応工程、二次反応液にアルコール及び希酸を加えて反応を停止させ、抽出溶媒を加えて(3R,4S)‐1‐(4‐フルオロフェニル)‐[3(S)‐ヒドロキシ‐3‐(4‐フルオロフェニル)プロピル]‐[4‐(フェニルメトキシ)フェニル]‐2‐アゼチジノンを含む有機層を得る抽出工程、(3R,4S)‐1‐(4‐フルオロフェニル)‐[3(S)‐ヒドロキシ‐3‐(4‐フルオロフェニル)プロピル]‐[4‐(フェニルメトキシ)フェニル]‐2‐アゼチジノンを含む有機層を溶媒交換した後、(3R,4S)‐1‐(4‐フルオロフェニル)‐[3(S)‐ヒドロキシ‐3‐(4‐フルオロフェニル)プロピル]‐[4‐(フェニルメトキシ)フェニル]‐2‐アゼチジノンを結晶化させる析出工程を含む、請求項1に記載の(3R,4S)‐1‐(4‐フルオロフェニル)‐[3(S)‐ヒドロキシ‐3‐(4‐フルオロフェニル)プロピル]‐[4‐(フェニルメトキシ)フェニル]‐2‐アゼチジノンの製造方法。 - 使用するボランの量が(3R,4S)‐1‐(4‐フルオロフェニル)‐[3‐オキソ‐3‐(4‐フルオロフェニル)プロピル]‐[4‐(フェニルメトキシ)フェニル]‐2‐アゼチジノン1.0モルに対して0.7モル以上1.2モル以下であり、使用するボランの量の一部が(3R,4S)‐1‐(4‐フルオロフェニル)‐[3‐オキソ‐3‐(4‐フルオロフェニル)プロピル]‐[4‐(フェニルメトキシ)フェニル]‐2‐アゼチジノン1.0モルに対して0.40モル以上0.65モル以下である請求項1又は2に記載の製造方法。
- 使用するボランの量の一部の存在下、不斉還元反応を行う際の反応時間が30分以上である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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