JP2017001560A - アクティブスタビライザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクティブスタビライザ装置の応答遅れを効果的に低減することができない。【解決手段】車速V及び操舵角θに基づいて車両モデルを使用して車両の推定横加速度Gyhaを演算し、推定横加速度に基づいて目標アンチロールモーメントTastを演算し、目標アンチロールモーメントTastに基づく制御指令をアクティブスタビライザへ出力することによりアクティブスタビライザを制御する制御装置を有するアクティブスタビライザ装置。車両モデルは、車両の推定横加速度Gyhaの位相が車両の実際の横加速度Gyに対しアクティブスタビライザ装置の応答遅れ時間Tlagに相当する進み時間Tlead進むように設定されている。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車などの車両のアクティブスタビライザ装置に係る。
アクティブスタビライザ装置は、車両に付与されるアンチロールモーメントを変化させるアクティブスタビライザと、アクティブスタビライザを制御する制御装置とを有している。制御装置は、検出された車両の横加速度に基づいて目標アンチロールモーメントを演算し、目標アンチロールモーメントに基づく制御指令をアクティブスタビライザへ出力することによりアクティブスタビライザを制御する。
アクティブスタビライザ装置によるアンチロールモーメントの制御には応答遅れがある。即ち、アクティブスタビライザにより車両に付与される実際のアンチロールモーメントが目標アンチロールモーメントに対応する値になるのは、制御装置がアクティブスタビライザへ制御指令を出力してから応答遅れ時間が経過する時点である。応答遅れに起因するアンチロールモーメントの制御の遅れを低減すべく、検出された車速及び操舵角に基づいて車両モデルを使用して車両の推定横加速度を演算し、少なくとも推定横加速度に基づいて目標アンチロールモーメントを演算することが既に知られている。
例えば、下記の特許文献1には、検出された車両の横加速度に基づくフィードバックの目標アンチロールモーメントと、推定横加速度に基づくフィードフォワードの目標アンチロールモーメントとに基づいてアクティブスタビライザを制御することが記載されている。車速及び操舵角に基づいて演算される車両の推定横加速度の位相は、検出される車両の横加速度よりも進んでいる。よって、下記の特許文献1に記載されたアクティブスタビライザ装置によれば、フィードバックの目標アンチロールモーメントのみに基づいてアンチロールモーメントが制御される場合に比して、アンチロールモーメントの制御の遅れを低減することができる。
特開2012−116262号公報
〔発明が解決しようとする課題〕
一般に、アクティブスタビライザ装置の応答遅れの時間は、検出される車両の横加速度に対する車両の推定横加速度の位相の進み時間よりも長い。そのため、推定横加速度に基づくフィードフォワードの目標アンチロールモーメントに基づいてアクティブスタビライザが制御される場合にも、アクティブスタビライザ装置の応答遅れを効果的に低減することができない。
なお、アクティブスタビライザ装置の応答遅れを効果的に低減すべく、位相進みフィルタによって制御指令値の位相を進めることが考えられる。しかし、制御指令値の位相が位相進みフィルタによって進められると、車両の横加速度の周波数が高い領域における制御ゲインも大きくなるため、アンチロールモーメントが過大になる。また、検出される車速及び操舵角には高周波のノイズが含まれており、大きい制御ゲインによってノイズが増幅される。よって、車両に適正な大きさのアンチロールモーメントを付与することができない。
本発明の主要な課題は、位相進みフィルタを使用することなく車両の実際の横加速度に対し推定横加速度の位相を進めることにより、車両に適正な大きさのアンチロールモーメントを遅れなく付与し、アクティブスタビライザ装置の応答遅れをなくすことである。
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
本発明によれば、車両に付与されるアンチロールモーメントを変化させるアクティブスタビライザと、検出された車速及び操舵角に基づいて車両モデルを使用して車両の推定横加速度を演算し、少なくとも前記推定横加速度に基づいて目標アンチロールモーメントを演算し、前記目標アンチロールモーメントに基づく制御指令を前記アクティブスタビライザへ出力することにより前記アクティブスタビライザを制御する制御装置と、を有するアクティブスタビライザ装置が提供される。
前記制御装置が前記アクティブスタビライザへ制御指令を出力してから前記アクティブスタビライザにより車両に付与される実際のアンチロールモーメントが前記目標アンチロールモーメントに対応する値になるまでの時間を応答遅れ時間として、前記車両モデルは、前記車両の推定横加速度の位相が車両の実際の横加速度に対し前記応答遅れ時間に相当する進み時間進むように設定されている。
上記の構成によれば、車両の推定横加速度の位相が車両の実際の横加速度に対しアクティブスタビライザ装置の応答遅れ時間に相当する進み時間進むように設定された車両モデルを使用して車両の推定横加速度が演算される。そして、少なくとも推定横加速度に基づいて目標アンチロールモーメントが演算され、目標アンチロールモーメントに基づく制御指令がアクティブスタビライザへ出力される。
よって、位相が応答遅れ時間に相当する進み時間進んだ制御指令が出力され、アクティブスタビライザは、制御指令に対し応答遅れ時間遅れて制御指令に対応するアンチロールモーメントを発生する。従って、アクティブスタビライザは、車両の旋回時に、応答の遅れなく必要なアンチロールモーメントを発生することができるので、制御の遅れなく車両のロール角を制御することができる。
更に、上記の構成によれば、位相進みフィルタが使用されることなく制御指令の位相が応答遅れ時間に相当する進み時間進められる。よって、車両の横加速度の周波数が高い場合にも、位相進みフィルタを使用することに伴うゲインの増大及びノイズの増幅は生じない。従って、車両に付与されるアンチロールモーメントに過剰な過不足及びノイズの増幅に起因する不必要な変動が生じることはないので、車両の旋回時のロールを遅れなく適正に制御することができる。
本発明の実施形態にかかるアクティブスタビライザ装置を示す概略構成図である。 実施形態における前輪側及び後輪側のアクティブスタビライザの制御ルーチンを示すフローチャートである。 車両の実際の横加速度Gyの周波数と、制御指令値に対する制御出力の位相との関係を示すグラフである。 車両の実際の横加速度Gyの周波数と、実際の横加速度Gyに対する修正された推定横加速度Gyhaの位相との関係を示すグラフである。 車両の実際の横加速度Gyの周波数と、実際の横加速度Gyに対する制御出力の位相との関係を示すグラフである。
以下に添付の図を参照しつつ、好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかるアクティブスタビライザ装置10を示す概略構成図である。アクティブスタビライザ装置10は、左右の前輪12FL、12FR及び左右の後輪12RL、12RRを有する車両14に適用されている。図1には示されていないが、前輪12FL、12FR及び後輪12RL、12RRは、それぞれ車体に対し少なくとも上下方向に変位し得るよう、サスペンションによって車体から懸架されている。
アクティブスタビライザ装置10は、前輪側のアクティブスタビライザ16及び後輪側のアクティブスタビライザ18と、これらのアクティブスタビライザを制御する電子制御装置20とを有している。前輪側のアクティブスタビライザ16は、左右の前輪12FL及び12FRの間に跨って延在する状態にて設けられ、後輪側のアクティブスタビライザ18は、左右の後輪12RL及び12RRの間に跨って延在する状態にて設けられている。アクティブスタビライザ16及び18は、車両14に付与されるアンチロールモーメントを変化させる。
アクティブスタビライザ16は、車両14の横方向に互いに同軸に整合して延在する一対のトーションバー部分16TL及び16TRと、それぞれトーションバー部分16TL及び16TRの外端に一体に接続された一対のアーム部16AL及び16ARとを有している。トーションバー部分16TL及び16TRは、それぞれ図には示されていないブラケットを介して図には示されていない車体に自らの軸線の周りに回転可能に支持されている。アーム部16AL及び16ARは、それぞれトーションバー部分16TL及び16TRに対し交差するよう、車両横方向に対し車両前後方向に傾斜して延在している。アーム部16AL及び16ARの外端は、それぞれ図には示されていないゴムブッシュ装置を介して左右前輪12FL及び12FRのサスペンションアームの如きサスペンション部材22FL及び22FRに連結されている。
アクティブスタビライザ16は、トーションバー部分16TL及び16TRの間にアクチュエータ24Fを有し、アクチュエータ24Fは電動機を内蔵している。左右の前輪12FL及び12FRが互いに逆相にてバウンド、リバウンドすると、一対のトーションバー部分16TL及び16TRには車輪のバウンド、リバウンドを抑制する捩り応力が発生する。アクチュエータ24Fは、必要に応じて一対のトーションバー部分16TL及び16TRを相対的に回転させて捩り応力を変化させ、これにより前輪の位置において車両に付与されるアンチロールモーメントを増減し、前輪側の車両のロール剛性を変化させる。
同様に、アクティブスタビライザ18は、車両の横方向に互いに同軸に整合して延在する一対のトーションバー部分18TL及び18TRと、それぞれトーションバー部分18TL及び18TRの外端に一体に接続された一対のアーム部18AL及び18ARとを有している。トーションバー部分18TL及び18TRは、それぞれ図には示されていないブラケットを介して図には示されていない車体に自らの軸線の周りに回転可能に支持されている。アーム部18AL及び18ARは、それぞれトーションバー部分18TL及び18TRに対し交差するよう、車両横方向に対し車両前後方向に傾斜して延在している。アーム部18AL及び18ARの外端は、それぞれ図には示されていないゴムブッシュ装置を介して左右後輪12RL及び12RRのサスペンションアームの如きサスペンション部材22RL及び22RRに連結されている。
アクティブスタビライザ18は、トーションバー部分18TL及び18TRの間にアクチュエータ24Rを有し、アクチュエータ24Rは電動機を内蔵している。左右の後輪12RL及び12RRが互いに逆相にてバウンド、リバウンドすると、一対のトーションバー部分18TL及び18TRには車輪のバウンド、リバウンドを抑制する捩り応力が発生する。アクチュエータ24Rは、必要に応じて一対のトーションバー部分18TL及び18TRを相対的に回転させて捩り応力を変化させ、これにより後輪の位置において車両に付与されるアンチロールモーメントを増減し、後輪側の車両のロール剛性を変化させる。
なお、アクティブスタビライザ16及び18の構造自体は本発明の要旨をなすものではない。よって、アクティブスタビライザ16及び18は、車両に付与されるアンチロールモーメントを変化させることができる限り、当技術分野において公知の任意の構成のものであってよい。
アクティブスタビライザ16及び18のアクチュエータ24F及び24Rは、電子制御装置20によって電動機に対する制御電流が制御されることにより制御される。なお、図1には詳細に示されていないが、電子制御装置22は、CPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータ及び駆動回路よりなっていてよい。
図1に示されているように、前輪12FL及び12FRは操舵輪である。前輪12FL及び12FRは、運転者によるステアリングホイール26の操作に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン型のパワーステアリング装置28により、ラックバー30及びタイロッド32L、32Rを介して転舵される。ステアリングホイール26及びパワーステアリング装置28のピニオンシャフト34に連結されたステアリングシャフト36には、その回転角度として操舵角θを検出する操舵角センサ38が設けられている。
図1に示されているように、電子制御装置20には、操舵角センサ38により検出された操舵角θを示す信号に加えて、車速センサ40により検出された車速Vを示す信号が入力される。更に、電子制御装置20には、回転角度センサ44F、44Rにより検出されたアクチュエータ24F及び24Rの実際の回転角度ψf、ψrを示す信号が入力される。なお、操舵角センサ38は、車両の左旋回時に生じる値を正として操舵角θを検出する。
周知のように、車両モデルを使用することにより、車速V及び操舵角θに基づいて車両の推定横加速度Gyを演算することができる。車両モデルにおいて、車両の横方向及び重心を通る鉛直軸周りの運動方程式として、それぞれ下記の式(1)及び(2)が成立する。なお、下記の式(1)及び(2)について、必要ならば、「自動車の運動と制御」の第二版(安部正人著、株式会社山海堂)の第49頁〜第56頁を参照されたい。
Figure 2017001560
ここで、mは車両の質量であり、βは車両のスリップ角である。K及びKはそれぞれ前輪及び後輪のコーナリングパワーである。L及びLはそれぞれ前輪及び後輪の車軸と車両の重心との間の車両前後方向の距離である。更に、δは操舵輪である前輪の舵角であり、操舵角θをステアリングギヤ比Ksにて除算した値に等しい。
車速V及び操舵角θに基づいて推定されるヨーレートγの時間微分値として上記式(2)のdγ/dtを演算することができるので、上記式(2)から車両のスリップ角βを演算することができる。スリップ角βを上記式(1)に代入することにより、上記式(1)からスリップ角βの微分値dβ/dtを演算することができる。よって、下記の(3)から車両の推定横加速度Gyhを演算することができる。
Figure 2017001560
なお、ヨーレートγは、後述の諸元が修正された車両モデルを使用して推定されることが好ましいが、諸元が修正されていない車両モデルを使用して推定されてもよい。更に、ヨーレートγは、図1には示されていないヨーレートセンサにより検出された値であってもよい。
また、車両の重心を通る前後軸周りの運動方程式として下記の式(4)が成立する。よって、前輪側及び後輪側のアクティブスタビライザ16及び18により車両に与えられるべき合計のアンチロールモーメントTasは、下記の式(5)により表される。従って、車両のロール角φを0にするために前輪側及び後輪側のアクティブスタビライザ16及び18により車両に与えられるべきアンチロールモーメントTasは、下記の式(6)により表される。下記の式(6)から、車両の横加速度Gyに比例するアンチロールモーメントTasを発生させることにより車両のロール角φを0にすることができ、比例係数の設定によって、車両のロールを低減し又は車両を逆ロールさせることができることが解る。
Figure 2017001560
なお、上記式(4)及び(5)において、Iは車両のロール慣性モーメントであり、Hは車両の重心高さであり、hは車両のロールセンタ高さである。Kは車両のロール剛性であり、Cは車両のロール減衰係数であり、sはラプラス演算子である。
車両の制御において一般的に使用される上記式(1)及び(2)に於いては、距離L及びLなどは実際の車両14の値とできるだけ一致するように設定される。よって、上記式(3)に従って演算される車両の推定横加速度Gyhは、実際の車両14の横加速度Gyよりも位相は進んでいるが、大きさが車両14の実際の横加速度Gyの値になるように演算される。
この実施形態においては、後述のように、車両の推定横加速度を演算するための車両モデルの諸元を修正することにより、上記式(3)に従って演算される車両の推定横加速度Gyhよりも位相が進むよう修正された車両の推定横加速度Gyhaが演算される。更に、車両に与えられるアンチロールモーメントは、車両の推定横加速度Gyhに基づいて制御されるのではなく、修正された車両の推定横加速度Gyhaに基づいて制御される。以下、これらの点について説明する。
アクティブスタビライザ装置10には応答遅れがある。例えば上記(6)に従って演算される目標アンチロールモーメントをTastとする。電子制御装置22が目標アンチロールモーメントTastを発生させる指令信号をアクチュエータ24F及び24Rへ出力してから、アクティブスタビライザ16及び18が目標アンチロールモーメントTastに対応するアンチロールモーメントを発生するまでの遅れ時間Tlagが例えば実験的に求められる。遅れ時間Tlagは、車速Vが高いほど大きくなるので、複数の車速Vについて求められる。
次に、修正された車両の推定横加速度Gyhaの位相が車両の実際の横加速度Gyの位相よりも遅れ時間Tlagに相当する進み時間Tlead進むよう、上記複数の車速V毎に車両モデルの諸元が修正される。なお、進み時間Tleadは、実施形態において遅れ時間Tlagと同一であり、車両の実際の横加速度Gyの位相に対する車両の推定横加速度Gyh(上記式(3)に従って演算される値)の位相の進み時間よりも大きい。具体的には、例えば下記の(A)及び(B)の修正が行われる。
(A)車両モデルのホイールベースL(=Lf+Lr)が、車両14の実際の値よりも大きい値に修正される。但し、ホイールベースLが実際の値よりも大きい値に修正されると、アンチロールモーメントの制御の定常ゲインも大きくなるので、前輪のコーナリングパワーKfも車両14の実際の値よりも大きい値に修正され、定常ゲインが過大になることが防止される。
(B)上記(A)と同様に、車両モデルのホイールベースLが、車両14の実際の値よりも大きい値に修正される。但し、定常ゲインが過大にならないよう、前輪の車軸と車両の重心との間の車両前後方向の距離Lの値が調整される。
更に、上述のように修正された車両モデルの諸元を使用して、複数の車速域について上記式(1)及び(2)が設定される。各車速域の下限車速及び上限車速の間の中央値は、遅れ時間Tlagが求められたときの車速である。電子制御装置22のROMには、以上のように車速域毎に設定された上記式(1)及び(2)が格納されている。よって、修正された車両の推定横加速度Gyhaの演算の際には、車速Vに基づいて車速域が決定され、決定された車速域に基づいてROMに格納されている上記式(1)及び(2)が選択される。修正された車両の推定横加速度Gyhaは、選択された上記式(1)、(2)及び上記式(3)に対応する下記の式(7)を使用して車速V及び操舵角θに基づいて演算される。
Figure 2017001560
電子制御装置22は、図2に示されたフローチャートに従って、車速V及び操舵角θに基づいて修正された車両の推定横加速度Gyhaを演算し、推定横加速度Gyhaに基づいて目標アンチロールモーメントTastを演算する。更に、電子制御装置22は、車両に与えられるアンチロールモーメントが目標アンチロールモーメントTastになるように、前輪側及び後輪側のアクティブスタビライザ16及び18を制御する。
次に図2に示されたフローチャートを参照して、実施形態に於けるアクティブスタビライザ16及び18の制御について説明する。なお、図2に示されたフローチャートによる制御は、図には示されていないイグニッションスイッチがオンであるときに、所定の時間毎に繰返し実行される。
まず、ステップ10においては、車速Vを示す信号などの読み込みが行われる。ステップ20においては、車速Vが属する車速域が決定され、決定された車速域に基づいて上記式(1)及び(2)が選択される。
ステップ30においては、車速V及び操舵角θに基づいて、ステップ20において選択された式(1)、(2)及び上記式(7)を使用して、修正された車両の推定横加速度Gyhaが演算される。
ステップ40においては、推定横加速度Gyhaに基づき、上記式(6)に対応する下記の式(8)に従って、目標アンチロールモーメントTastが演算される。なお、下記の式(8)における係数αは、車両の旋回時の目標ロール角に応じて、上記式(6)における係数m(H−h)又はこれよりも小さい正の定数に設定される。
Figure 2017001560
ステップ50においては、車速Vが高いほど高くなるよう前輪の目標ロール剛性配分比Rmfが0よりも大きく1よりも小さい値として演算される。更に、それぞれ下記の式(9)及び(10)に従って、前輪の目標アンチロールモーメントTsatf及び後輪の目標アンチロールモーメントTsatrが演算される。なお、前輪の目標ロール剛性配分比Rmfは0よりも大きく1よりも小さい正の定数であってもよい。
Tsatf=Rmf・Tsat ……(9)
Tsatr=(1−Rmf)Tsat ……(10)
ステップ60においては、それぞれ前輪の目標アンチロールモーメントTsatf及び後輪の目標アンチロールモーメントTsatrに基づき、アクティブスタビライザ16及び18のアクチュエータ24F及び24Rの目標回転角ψft及びψrtが演算される。
ステップ70においては、アクティブスタビライザ16及び18の制御が実行される。即ち、アクチュエータ24F及び24Rの回転角ψf及びψrをそれぞれ目標回転角ψft及びψrtにするための制御指令が、それぞれアクチュエータ24F及び24Rへ出力される。
以上に説明した実施形態によれば、車速Vが属する車速域に基づいて上記式(1)及び(2)が選択され、選択された式(1)、(2)及び上記式(7)を使用して、車速V及び操舵角θに基づいて、修正された車両の推定横加速度Gyhaが演算される。修正された推定横加速度Gyhaの位相は、車両の実際の横加速度Gyに対しアクティブスタビライザ装置10の応答遅れ時間Tlagに相当する進み時間Tlead進んでいる。アクチュエータ24F及び24Rの目標回転角ψft及びψrtは、修正された推定横加速度Gyhaに基づいて演算されるので、車両の実際の横加速度Gyに基づいて演算される目標回転角に対し進み時間Tlead進んでいる。なお、修正された推定横加速度Gyhaの位相は、上記式(3)に従って演算される車両の推定横加速度Gyh、即ち諸元が実際の車両に基づいて設定された車両モデルを使用して推定される車両の推定横加速度よりも進んでいる。
よって、電子制御装置22は、位相が進み時間Tlead進んだ目標回転角ψft及びψrtに基づく指令信号を出力し、アクティブスタビライザ16及び18は、指令信号に対し応答遅れ時間Tlag遅れて指令信号に対応するアンチロールモーメントを発生する。従って、アクティブスタビライザ16及び18は、車両の旋回時に、応答の遅れなく必要なアンチロールモーメントを発生することができるので、制御の遅れなく車両のロール角を目標ロール角にすることができる。
また、修正された推定横加速度Gyhaの位相は、車両の実際の横加速度Gyに対し進み時間Tlead進められるが、位相を進める手段は位相進みフィルタではない。よって、車両の実際の横加速度Gyの周波数が高い場合にも、位相進みフィルタを使用することに伴うゲインの増大はなく、修正された推定横加速度Gyhaの大きさは対応する実際の横加速度Gyの大きさと実質的に同一である。従って、車両に付与されるアンチロールモーメントに過剰な過不足及びノイズの増幅に起因する不必要な変動が生じることはないので、車両の旋回時のロールを遅れなく適正に制御することができる。
更に、車速Vが属する車速域に基づいて上記式(1)及び(2)が選択され、選択された式(1)、(2)及び上記式(7)を使用して、修正された車両の推定横加速度Gyhaが演算される。よって、ある車速における応答遅れ時間Tlagに基づいて設定された上記式(1)及び(2)が使用される場合に比して、修正された推定横加速度Gyhaの進み時間Tleadを車速に関係なく応答遅れ時間Tlagに近い値にすることができる。従って、如何なる車速においても、過剰な遅れ及び進みを伴うことなく所要のアンチロールモーメントを車両に付与することができる。
以上においては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば、上述の実施形態においては、アンチロールモーメント発生の遅れ時間Tlagが複数の車速Vについて求められる。修正された車両の推定横加速度Gyhaの位相が車両の実際の横加速度Gyの位相よりも遅れ時間Tlagに相当する進み時間Tlead進むよう、複数の車速V毎に車両モデルの諸元が修正される。諸元が修正された車両モデルに基づいて、複数の車速域について上記式(1)及び(2)が設定される。そして、車速Vが属する車速域に基づいて上記式(1)及び(2)が選択され、選択された式(1)、(2)及び上記式(7)を使用して、車速V及び操舵角θに基づいて、修正された車両の推定横加速度Gyhaが演算される。しかし、複数の車速域について車速V及び操舵角θと修正された車両の推定横加速度Gyhaとの関係を示すマップが設定され、車速V及び操舵角θに基づいてマップが参照されることにより、修正された車両の推定横加速度Gyhaが演算されてもよい。
また、上記式(1)及び(2)はある車速についてのみ設定されてもよい。また、修正された車両の推定横加速度Gyhaがマップを参照することにより演算される場合には、マップはある車速について求められた操舵角θと修正された車両の推定横加速度Gyhaとの関係を示すマップであってもよい。
また、上述の実施形態においては、修正された推定横加速度Gyhaの位相は、車両の実際の横加速度Gyに対しアクティブスタビライザ装置10の応答遅れ時間Tlagと同一の進み時間Tlead進んでいる。しかし、上記式(3)に従って演算される車両の推定横加速度Gyhの位相が車両の実際の横加速度Gyに対し進む時間をTlead′として、進み時間Tleadは、Tlead′よりも大きく進み時間Tlead以下の任意の時間であってよい。
また、上述の実施形態においては、修正された車両の推定横加速度Gyhaが演算され、推定横加速度Gyhaに基づくフィードフォワード制御量として目標アンチロールモーメントTastが演算される。しかし、目標アンチロールモーメントTastは、推定横加速度Gyhaに基づくフィードフォワード制御量及び車両の実際の横加速度Gyに基づくフィードバック制御量の両者に基づいて演算されてもよい。
また、上述の実施形態においては、操舵輪は前輪のみであるが、本発明は前輪及び後輪が操舵される車両に適用されてもよい。その場合には、上記式(1)及び(2)は下記の式(11)及び(12)に置き換えられる。
Figure 2017001560
更に、上述の実施形態においては、アクティブスタビライザ装置10は、前輪側のアクティブスタビライザ16及び後輪側のアクティブスタビライザ18を有している。しかし、本発明は前輪側のアクティブスタビライザ16及び後輪側のアクティブスタビライザ18の一方しか有しない車両に適用されてもよい。
10…アクティブスタビライザ装置、12FL,12FR…前輪、12RL,12FR…後輪、14…車両、16,18…アクティブスタビライザ、20…電子制御装置、38…操舵角センサ、40…車速センサ

Claims (1)

  1. 車両に付与されるアンチロールモーメントを変化させるアクティブスタビライザと、検出された車速及び操舵角に基づいて車両モデルを使用して車両の推定横加速度を演算し、少なくとも前記推定横加速度に基づいて目標アンチロールモーメントを演算し、前記目標アンチロールモーメントに基づく制御指令を前記アクティブスタビライザへ出力することにより前記アクティブスタビライザを制御する制御装置と、を有するアクティブスタビライザ装置において、
    前記制御装置が前記アクティブスタビライザへ制御指令を出力してから前記アクティブスタビライザにより車両に付与される実際のアンチロールモーメントが前記目標アンチロールモーメントに対応する値になるまでの時間を応答遅れ時間として、前記車両モデルは、前記車両の推定横加速度の位相が車両の実際の横加速度に対し前記応答遅れ時間に相当する進み時間進むように設定されている、アクティブスタビライザ装置。

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