JP2017001505A - 車輪、走行装置、x線検査システム、及びx線検査方法 - Google Patents

車輪、走行装置、x線検査システム、及びx線検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼管に対して滑るのを抑えた車輪を提供する。【解決手段】車輪20は、磁力を発生させる第一円板部25と、弾性材料で第一円板部よりも大径に形成され、第一円板部の軸線C方向に第一円板部と並べて配置されるとともに、第一円板部と同軸に配置された第二円板部35と、を備え、第二円板部の外周面37aにおける静止摩擦係数は、第一円板部の外周面27dにおける静止摩擦係数よりも大きく、第二円板部の弾性率は、第一円板部の弾性率よりも小さい。【選択図】図4

Description

本発明は、車輪、走行装置、X線検査システム、及びX線検査方法に関する。
従来、強磁性体(磁性体)で形成された配管(鋼管)、タンク、壁面等をレール等を敷設することなく走行車輪(車輪)を用いた走行装置によって吸着、走行し、これらを点検及び検査することが行われている。
例えば特許文献1の走行装置は、4個の走行車輪を備えている。各走行車輪は、ディスク状の永久磁石(第一円板磁石体)の両端面に、適数のディスク状の磁性体ヨーク(第一円板磁性体)を配置して永久磁石を挟み込んでいる。さらに、磁性体ヨークの外側から適数のディスク状の非磁性体(第二円板部)で挟持し、走行車輪を多層構造に形成している。
永久磁石は焼結品なので衝撃に対して弱いために、走行面である磁性体面に永久磁石の外周面が直接接触しないように、磁性体ヨークや非磁性体の直径に比し、永久磁石の直径を小さくしている。また、磁性体ヨークと非磁性体との直径は等しくしておく。
この走行車輪は、走行装置の車体が有する支持脚部に備えられている。駆動モータを駆動させることにより、4個の走行車輪が回転する。
このように構成された走行装置は、走行車輪によって、磁性体面をレール等を敷設せずに吸着、走行させ、点検・検査を行うことができる。
特開昭62−23880号公報
しかしながら、特許文献1の走行装置を用いると、例えば、水平面に沿って延びるように配置された鋼管上を走行装置が周方向に移動するときに、走行装置に作用する重力等により鋼管に対して車輪が滑る可能性がある。
車輪が滑る場合、鋼管に対して走行装置を正確に位置決めしにくくなる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、鋼管に対して滑るのを抑えた車輪、この車輪を備える走行装置、この走行装置を備えるX線検査システム、及びX線検査システムを用いたX線検査方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の車輪は、磁力を発生させる第一円板部と、弾性材料で前記第一円板部よりも大径に形成され、前記第一円板部の軸線方向に前記第一円板部と並べて配置されるとともに、前記第一円板部と同軸に配置された第二円板部と、を備え、前記第二円板部の外周面における静止摩擦係数は、前記第一円板部の外周面における静止摩擦係数よりも大きく、前記第二円板部の弾性率は、前記第一円板部の弾性率よりも小さいことを特徴としている。
この発明によれば、両円板部の外径の大きさの違い、第二円板部の弾性率は第一円板部の弾性率よりも小さいこと、車輪に作用する重力や鋼管と車輪との間に作用する磁力等により、第一円板部よりも第二円板部の方が大きく変形する。鋼管に対する第一円板部の垂直抗力よりも第二円板部の垂直抗力の方が大きくなる。
静止摩擦力は静止摩擦係数と垂直抗力との積であるため、鋼管と第一円板部との間に作用する静止摩擦力よりも鋼管と第二円板部との間に作用する静止摩擦力の方が大きくなる。
また、上記の車輪において、前記第一円板部は、永久磁石で円板形に形成された第一円板磁石体と、強磁性体で形成され、前記第一円板磁石体に対する前記軸線方向に前記第一円板磁石体と同軸に配置された第一円板磁性体と、を有してもよい。
また、上記の車輪において、前記第一円板磁性体は、前記第一円板磁石体を前記軸線方向に挟むように一対配置されていてもよい。
この発明によれば、第一円板磁石体に対する軸線方向の両側の磁力が大きくなることで、車輪が受ける垂直抗力が軸線方向の両側でバランス良く大きくなる。
また、上記の車輪において、前記第二円板は、円板形に形成された第二円板支持体と、前記第二円板支持体よりも弾性率が小さい材料で円筒形に形成され、前記第二円板支持体の外周面を覆う第二円板弾性体と、を有してもよい。
また、上記の車輪において、前記第二円板は、前記第一円板を前記軸線方向に挟むように一対配置されていてもよい。
この発明によれば、車輪の軸線方向の両端部における静止摩擦力が大きくなる。
また、本発明の走行装置は、上記のいずれかに記載の車輪を備えることを特徴としている。
また、本発明のX線検査システムは、上記に記載の走行装置を備えることを特徴としている。
また、本発明のX線検査方法は、上記に記載のX線検査システムを用いて、鋼管を検査することを特徴としている。
本発明において、請求項1に記載の車輪によれば、第一円板部に比べて静止摩擦係数が大きな第二円板部により大きな垂直抗力が作用することで第二円板部における静止摩擦力が大きくなり、鋼管に対して車輪が滑るのを抑えることができる。
請求項2に記載の車輪によれば、第一円板磁石体により生じる磁力線が第一円板磁性体に集中するため、鋼管と車輪との間に作用する磁力を大きくすることができる。
請求項3に記載の車輪によれば、回転して走行する車輪の軌道が曲がりにくくなる。
請求項4に記載の車輪によれば、第二円板部における変形する部分を第二円板弾性体に集中させることで、第二円板部の垂直抗力を第一円板部の垂直抗力に比べてさらに確実に大きくすることができる。
請求項5に記載の車輪によれば、回転して走行する車輪の軌道が曲がりにくくなる。
請求項6に記載の走行装置によれば、鋼管に対して滑るのを抑えることができる。
請求項7に記載のX線検査システムによれば、鋼管に対して滑るのを抑えることができる。
請求項8に記載のX線検査方法によれば、鋼管に対して滑るのを抑えた状態でX線を用いて鋼管を検査することができる。
本発明の一実施形態のX線検査システムの平面図である。 同X線検査システムの背面図である。 同X線検査システムの車輪の正面図である。 同車輪の側面の断面図である。
以下、本発明に係るX線検査システムの一実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。
図1及び2に示すように、本実施形態のX線検査システム1は、一対の鋼管T1の溶接部T2に沿って鋼管T1の周方向に移動する本実施形態の走行装置2と、走行装置2に取付けられたX線検査ユニット3とを備えている。
溶接部T1は、例えば一対の鋼管T1の端部同士を突合わせ、これらの端部をアーク溶接して構成したものである。X線検査システム1が用いられる管材は、鋼管等の強磁性体(磁性体)で形成されたものであることが好ましい。
走行装置2は、フレーム11に設けられた一対の回転軸12に本実施形態の車輪20を回転可能に備えて構成されている。以下ではまず、車輪20について説明する。
図3及び4に示すように、本車輪20は、磁力を発生させる強磁性体で形成された第一円板部25と、第一円板部25の軸線C方向(軸線Cに沿う方向)に第一円板部25と並べて配置された一対の第二円板部35と、を備えている。
第一円板部25は、永久磁石で円板形に形成された第一円板磁石体26と、強磁性体で形成され、第一円板磁石体26に対する軸線C方向に第一円板磁石体26と同軸に配置された一対の第一円板磁性体27と、を有する。
第一円板磁石体26には、円筒状の軸受13を挿通させるための貫通孔26aが軸線C上に形成されている。この軸受13に回転軸12が挿通されるとともに、軸受13に回転軸12が固定される。第一円板磁石体26における貫通孔26aの径方向外側には、後述するボルトを挿通させるためのボルト孔26bが軸線C周りに等角度ごとに形成されている。ボルト孔26bは、軸線C方向に延びている。
第一円板磁石体26は、例えば強磁性体を磁化させて形成したものである。第一円板磁石体26には、公知のフェライト磁石やネオジム磁石等を用いることができる。
第一円板磁性体27は、円板形に形成されている。第一円板磁性体27には、第一円板磁石体26の貫通孔26aに連通する貫通孔27aが軸線C上に形成されている。貫通孔27aの内周面における周方向の一部には、貫通孔27aの内周面から凹んだキー溝27bが形成されている。第一円板磁性体27には、第一円板磁石体26の各ボルト孔26bと連通するボルト孔27cが形成されている。
第一円板磁性体27は、径方向外側の部分が軸線C方向に厚くなることで、軸線C方向の両側にそれぞれ段部(符号省略)が形成されている。段部は、第一円板磁性体27の全周にわたり形成されている。第一円板磁性体27の第一円板磁石体26側の段部に、第一円板磁石体26の外周面が係合している。
第一円板磁性体27は、鉄等の強磁性体で形成することができる。第一円板磁性体27の外径は、第一円板磁石体26の外径よりも大きい。
第一円板磁石体26の中心軸線、及び各第一円板磁性体27の中心軸線は、それぞれ第一円板部25の軸線Cに一致する。第一円板磁性体27は、第一円板磁石体26を軸線C方向に挟むように一対配置されている。
第一円板部25の径方向外側であって一対の第一円板磁性体27の間には、リング状の補助磁性体28が設けられている。補助磁性体28は、第一円板磁性体27と同一の材料で形成されている。補助磁性体28は、第一円板磁石体26と同軸に配置されている。補助磁性体28の外径は、第一円板磁性体27の外径よりもわずかに小さい。
第二円板部35は、円板形に形成された第二円板支持体36と、第二円板支持体36の外周面を覆う第二円板弾性体37と、を有している。
第二円板支持体36には、第一円板磁性体27の貫通孔27aに連通する貫通孔36aが軸線C上に形成されている。第二円板支持体36には、第一円板磁性体27の各ボルト孔27cと連通するボルト孔36bが形成されている。
ボルト孔36bにおける第一円板磁性体27とは反対側の端部には、内径が大きくなることで大径部36cが形成されている。
第二円板支持体36は、第一円板磁性体27側の面における径方向内側の部分が軸線C方向に厚くなることで、段部(符号省略)が形成されている。段部は、第二円板支持体36の全周にわたり形成されている。第二円板支持体36の段部に、第一円板磁性体27の第二円板支持体36の側の段部が係合している。
第二円板支持体36の外径は、第一円板磁性体27の外径よりも小さい。第二円板支持体36は、非磁性体である白アルマイト(アルマイト加工処理をしたアルミニウム)で形成されている。第二円板部35と第二円板支持体36とは、同軸に配置されている。
第二円板弾性体37は、第二円板支持体36よりも弾性率が小さい材料で円筒形に形成されている。第二円板弾性体37は、非磁性体である焼付けウレタンで形成されている。すなわち、第二円板弾性体37は、ウレタンゴムを第二円板支持体36に焼付け加工して構成されている。第二円板弾性体37の外径は、第一円板磁性体27の外径よりも大きい。すなわち、第二円板部35は第一円板部25よりも大径である。第二円板弾性体37は、焼付けウレタンに代えてゴム等でも形成することができる。
第二円板支持体36を構成する白アルマイト、及び第二円板弾性体37を構成する焼付けウレタンは、弾性を有する弾性材料である。
第二円板部35は、第一円板部25と同軸に配置されている。第二円板部35は、第一円板部25を軸線C方向に挟むように一対配置されている。
例えば、第二円板部35の外径L1が100mmの場合には、第二円板部35と第一円板部25との段差L2(第二円板部35の外径L1と第一円板部25の外径との差の半分)は、0.5mmである。
第二円板部35の外周面、すなわち第二円板弾性体37の外周面37aにおける静止摩擦係数μ2は、第一円板部25の外周面、すなわち第一円板磁性体27の外周面27dにおける静止摩擦係数μ1よりも大きい。言い換えると、第二円板弾性体37の外周面37aの算術表面粗さRaは、第一円板磁性体27の外周面27dの算術表面粗さRaよりも大きい。
第二円板部35の弾性率は、第一円板部25の弾性率よりも小さい。ここで、第一円板部が互いに弾性率の異なる材料1、及び材料2で形成されている場合には、第一円板部の弾性率は材料1の弾性率と材料2の弾性率との体積平均であるとする。具体的には、材料1の体積をV1、弾性率をE1、材料2の体積をV2、弾性率をE2とする。この場合、第一円板部の弾性率は(1)式で求められる。
(V1×E1+V2×E2)/(V1+V2) ・・(1)
第二円板部の弾性率についても同様である。
これら第一円板磁石体26、第一円板磁性体27、及び第二円板支持体36は、以下のように一体化される。すなわち、図示はしないが、第一円板磁石体26のボルト孔26b、第一円板磁性体27のボルト孔27c、及び第二円板支持体36のボルト孔36bに、ボルトを挿通させる。ボルトの頭部を一方の第二円板部35の大径部36cに係合させるとともに、ナットを他方の第二円板部35の大径部36c内に配置する。ボルトの軸部をナットに螺合させることで、第一円板磁石体26、第一円板磁性体27、及び第二円板支持体36を締め付け、一体化する。
このように、車輪20は積層させた第一円板磁石体26、第一円板磁性体27、及び第二円板支持体36をボルト及びナットで一体化して構成されている。
ボルト及びナットによる螺合を解除して、第一円板磁石体26又は第一円板磁性体27の厚さを変えることで、X線検査システム1の質量に合わせて車輪20が発生する磁力を調節することができる。ボルト及びナットで車輪20を一体化していることで、第一円板部25及び第二円板部35の取り換えが容易である。
軸受13の一方の端部の外周面には、フランジ13aが設けられている。軸受13の外周面には、軸線C方向において第一円板磁性体27のキー溝27bに対向する位置に凹部13bが形成されている。凹部13bは、軸受13の周方向の一部に形成されている。
第一円板磁性体27のキー溝27b及び軸受13の凹部13bに平行キー14を配置することで、軸受13に対して車輪20が軸線C周りに回転するのが規制される。
フランジ13aに挿通させた図示しないボルトを第二円板支持体36に形成したネジ孔36dに螺合させることで、第二円板支持体36に軸受13を固定している。軸受13と回転軸12とは、図示しない固定手段により固定されている。
このように構成されたX線検査システム1の車輪20は、鋼管T1の外周面上に車輪20が配置されると、第二円板部35は第一円板部25よりも大径であるため、まず鋼管T1に第二円板部35が接触する。鋼管T1と車輪20の第一円板磁石体26との間に作用する磁力により、鋼管T1と第一円板磁石体26とが引き合う。第二円板部35の弾性率は、第一円板部25の弾性率よりも小さい。鋼管T1と第一円板磁石体26とが引き合う力やX線検査システム1に作用する重力等により、第二円板部35の第二円板弾性体37が容易に変形し、例えば鋼管T1に第一円板部25の第一円板磁性体27が接触する形状P1まで、第二円板弾性体37が変形する。第二円板部35に比べて第一円板部25があまり変形していないことで、第一円板部25の垂直抗力N1よりも第二円板部35の垂直抗力N2の方が大きくなる。
第二円板弾性体37の外周面37aにおける静止摩擦係数μ2は第一円板磁性体27の外周面27dにおける静止摩擦係数μ1よりも大きく、第二円板部35の垂直抗力N2は第一円板部25の垂直抗力N1よりも大きい。このため、静止摩擦係数と垂直抗力との積として表される静止摩擦力は、鋼管T1と第一円板部25との間よりも鋼管T1と第二円板部35との間の方が大きくなる。
すなわち、鋼管T1と第一円板部25との間よりも鋼管T1と第二円板部35との間の方が滑りにくくなる。
図1及び2に示すように、走行装置2は、一方の回転軸12(以下、回転軸12Aとも称する)を回転させるための駆動用モータ41と、回転軸12Aの回転を停止させるための電磁ブレーキ42とを備えている。駆動用モータ41及び電磁ブレーキ42は、モータドライバを有する補助制御部43に接続され、補助制御部43により制御される。
回転軸12Aの回転は、タイミングベルト45を介して他方の回転軸12(以下、回転軸12Bとも称する)に伝達され、回転軸12Aと回転軸12Bとが同期して回転する。これにより回転軸12に固定された一対の車輪20が、同期して回転する。
回転軸12Bの回転速度及び回転の向きは、エンコーダ46により測定される。エンコーダ46は、測定結果を補助制御部43に送信する。フレーム11には、走行装置2、すなわちX線検査システム1を持ち運ぶための取っ手47が設けられている。
補助制御部43は、信号ケーブル49を介して主制御部50に接続されている。主制御部50には、キーボードやマウス等の入力部51、及び液晶モニタ等の表示部52が接続されている。主制御部50、入力部51、及び表示部52としては、公知のパーソナルコンピュータを用いることができる。
このように構成された走行装置2は、操作者が入力部51を操作して主制御部50に指示を出すと、主制御部50はこの指示に基づいて補助制御部43を介して駆動用モータ41及び電磁ブレーキ42を駆動させる。また、エンコーダ46による測定結果は、補助制御部43を介して主制御部50に送信される。
X線検査ユニット3は、X線を用いて溶接部T2中の傷やブローホール等の溶接不良を非接触で検査するものである。X線検査ユニット3は、走行装置2のフレーム11に取付けられている。本実施形態のX線検査ユニット3は、検査結果をデジタル画像として取得する。X線検査ユニット3は、信号ケーブル55を介して主制御部50に接続されている。
X線検査ユニット3で取得したデジタル画像は、信号に変換されて、信号ケーブル55を介して主制御部50に送信される。主制御部50は、送信された信号を適切に処理し、表示部52に表示する。
次に、以上のように構成されたX線検査システム1を用いて鋼管T1の溶接部T2を検査する本実施形態のX線検査方法について説明する。
例えば、一対の鋼管T1は水平面に沿って延びるように配置されている。操作者は、一対の鋼管T1の一方の外周面上であって鋼管T1の上部に、X線検査システム1を取付ける。このとき、一対の車輪20が鋼管T1の周方向に並ぶとともに、溶接部T2にX線検査ユニット3が対向するように取付ける。取っ手47を把持してX線検査システム1を持ち運ぶと、X線検査システム1を取付ける作業が容易になる。
前述のように車輪20に作用する重力や鋼管T1と車輪20との間に作用する磁力、円板部25、35の外径、弾性率及び静止摩擦係数の関係により、鋼管T1と第一円板部25との間に作用する静止摩擦力よりも鋼管T1と第二円板部35との間に作用する静止摩擦力の方が大きくなる。
第一円板部25が第一円板磁性体27を備えることで、第一円板磁石体26により生じる磁力線が第一円板磁性体27に集中する。
第一円板磁性体27が第一円板磁石体26を軸線C方向に挟むように一対配置されていることで、第一円板磁石体26に対する軸線C方向の両側の磁力が大きくなり、車輪20が受ける垂直抗力が軸線C方向の両側でバランス良く大きくなる。
第二円板部35が第二円板支持体36と第二円板弾性体37とを有することで、第二円板部35における変形する部分が第二円板弾性体37に集中する。
第二円板部35が第一円板部25を軸線C方向に挟むように一対配置されていることで、車輪20の軸線C方向の両端部における静止摩擦力が大きくなる。
入力部51を操作してX線検査システム1を起動すると、X線検査ユニット3は溶接部T2にX線を照射して溶接不良の検査を開始する。X線検査ユニット3は、鋼管T1を中心軸線C2周りに例えば数十区間に分割し、各区間ごとに検査を行う。
1つ目の区間の検査が終了したら、X線検査ユニット3は検査結果を主制御部50に送信する。検査結果は、表示部52に表示される。
主制御部50は、X線検査システム1を2つ目の区間に移動するように指示する信号を補助制御部43に送信する。
補助制御部43は、駆動用モータ41及び電磁ブレーキ42を駆動して一対の車輪20を回転させX線検査システム1を2つ目の区間に移動させる。
ここで、回転軸12Bに固定された車輪20(以下、車輪20Bとも称する)に作用する外力について説明する。なお、この例では、X線検査システム1における車輪20B以外に作用する重力及び磁力については考慮していない。
図2に示すように、鋼管T1と車輪20Bとが、力Fmで引き合うとする。車輪20Bの質量をMとし、重力加速度をgとする。鋼管T1の中心軸線C2を通る鉛直線L4と、車輪20Bの軸線Cと中心軸線C2とを通る直線L5とのなす角度を、θとする。
車輪20Bと鋼管T1との静止摩擦係数をμ4とする。第一円板部25の第一円板磁性体27が鋼管T1に接触しない場合には、静止摩擦係数μ4は第二円板弾性体37の静止摩擦係数μ2と等しくなる。第一円板部25の第一円板磁性体27が鋼管T1に接触する場合には、静止摩擦係数μ4は第一円板磁性体27の静止摩擦係数μ1の影響を受けて静止摩擦係数μ2よりも小さくなる。
この場合、車輪20Bに作用する垂直抗力N4は、(2)式のようになる。
N4=Fm+Mgcosθ ・・(2)
車輪20Bと鋼管T1との間の静止摩擦力F1は、(3)式のようになる。
F1=μ4×N4=μ4×(Fm+Mgcosθ) ・・(3)
車輪20Bが鋼管T1の外周面に沿って移動しようとする力F2は、車輪20Bに作用する重力の分力として(4)式のようになる。
F2=Mgsinθ ・・(4)
車輪20Bが鋼管T1の外周面に沿って滑らないためには、静止摩擦力F1が力F2以上であることが必要であり、(5)式及び(6)式が導かれる。
F2≦F1 ・・(5)
∴Mgsinθ≦μ4×(Fm+Mgcosθ) ・・(6)
X線検査システム1が鋼管T1の下方に移動して、角度θが0rad(ラジアン)からπ/2radに近づくにしたがって、車輪20が滑りやすくなる。
2つ目の区間の検査が終了したら、3つ目の区間以降も同様に検査を行う。鋼管T1を全周にわたり検査したことを主制御部50が検出したら、本X線検査方法を終了する。
このようにX線検査システム1は、操作者により検査開始の指示が出されるとX線検査システム1のみで検査可能である。このため、検査の作業性が向上する。
以上説明したように、本実施形態の車輪20、走行装置2、及びX線検査システム1によれば、両円板部25、35の外径の大きさの違い、第二円板部35の弾性率は第一円板部25の弾性率よりも小さいこと、車輪20に作用する重力や鋼管T1と車輪20との間に作用する磁力等により、第一円板部25よりも第二円板部35の方が大きく変形する。鋼管T1に対する第一円板部25の垂直抗力N1よりも第二円板部35の垂直抗力N2の方が大きくなる。静止摩擦力は静止摩擦係数と垂直抗力との積であるため、鋼管T1と第一円板部25との間に作用する静止摩擦力よりも鋼管T1と第二円板部35との間に作用する静止摩擦力の方が大きくなる。
第一円板部25に比べて静止摩擦係数が大きな第二円板部35により大きな垂直抗力N2が作用することで第二円板部35における静止摩擦力が大きくなり、鋼管T1に対して車輪20が滑るのを抑えることができる。
第二円板部35を厚くすることで、車輪20が鋼管T1に接触する接触面積を増加させることができる。X線検査システム1が重い場合でも、車輪20に安定した直進性を持たせることができる。
X線検査システム1を走行させるのに、鋼管T1にレール等を敷設する必要がなく、作業性が向上する。
第二円板部35が非磁性体で形成されているため、車輪20の軽量化を図ることができる。
第一円板部25は、第一円板磁石体26と第一円板磁性体27とを有する。第一円板磁石体26により生じる磁力線が第一円板磁性体27に集中するため、鋼管T1と車輪20との間に作用する磁力を大きくすることができる。
第一円板磁性体27は、第一円板磁石体26を軸線C方向に挟むように一対配置されている。第一円板磁石体26に対する軸線C方向の両側の磁力が大きくなることで、車輪20が受ける垂直抗力が軸線C方向の両側でバランス良く大きくなる。したがって、回転して走行する車輪20の軌道が曲がりにくくなり、車輪20の直進性が向上する。
第二円板部35は、第二円板支持体36と第二円板弾性体37とを有する。このため、第二円板部35における変形する部分を第二円板弾性体37に集中させることで、第二円板部35の垂直抗力N2を第一円板部25の垂直抗力N1に比べてさらに確実に大きくすることができる。
第二円板部35は、第一円板部25を軸C線方向に挟むように一対配置されている。車輪20の軸線C方向の両端部における静止摩擦力が大きくなることで、回転して走行する車輪20の軌道が曲がりにくくなる。
また、本実施形態のX線検査方法によれば、鋼管T1に対して滑るのを抑えた状態でX線を用いて鋼管T1を検査することができる。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
例えば、前記実施形態では、第一円板部25が一対の第一円板磁性体27を有するとした。しかし、第一円板部25が1つの第一円板磁性体27を有するように構成してもよい。
第一円板部25が、第一円板磁石体26及び一対の第一円板磁性体27を有するとした。しかし、例えば第一円板部が比較的小型の場合等には、第一円板部が第一円板磁性体を備えず第一円板磁石体のみで構成されているとしてもよい。
車輪20が一対の第二円板部35を有するとした。しかし、車輪が1つの第二円板部35を有するように構成してもよい。
第二円板部35は、第二円板支持体36及び第二円板弾性体37を有するとした。しかし、第二円板部35は弾性材料で一体に形成されていてもよい。
走行装置2及びX線検査ユニット3を備えて、X線検査システム1を構成するとした。しかし、走行装置2に加えて、溶接ワイヤを供給してアーク溶接する溶接トーチを備えることで溶接システムを構成してもよい。
1 X線検査システム
2 走行装置
20 車輪
25 第一円板部
26 第一円板磁石体
27 第一円板磁性体
27d、37a 外周面
35 第二円板部
36 第二円板支持体
37 第二円板弾性体
C 軸線
T1 鋼管
μ1、μ2 静止摩擦係数

Claims (8)

  1. 磁力を発生させる第一円板部と、
    弾性材料で前記第一円板部よりも大径に形成され、前記第一円板部の軸線方向に前記第一円板部と並べて配置されるとともに、前記第一円板部と同軸に配置された第二円板部と、
    を備え、
    前記第二円板部の外周面における静止摩擦係数は、前記第一円板部の外周面における静止摩擦係数よりも大きく、
    前記第二円板部の弾性率は、前記第一円板部の弾性率よりも小さいことを特徴とする車輪。
  2. 前記第一円板部は、
    永久磁石で円板形に形成された第一円板磁石体と、
    強磁性体で形成され、前記第一円板磁石体に対する前記軸線方向に前記第一円板磁石体と同軸に配置された第一円板磁性体と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の車輪。
  3. 前記第一円板磁性体は、前記第一円板磁石体を前記軸線方向に挟むように一対配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車輪。
  4. 前記第二円板部は、
    円板形に形成された第二円板支持体と、
    前記第二円板支持体よりも弾性率が小さい材料で円筒形に形成され、前記第二円板支持体の外周面を覆う第二円板弾性体と、
    を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車輪。
  5. 前記第二円板部は、前記第一円板部を前記軸線方向に挟むように一対配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車輪。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の車輪を備えることを特徴とする走行装置。
  7. 請求項6に記載の走行装置を備えることを特徴とするX線検査システム。
  8. 請求項7に記載のX線検査システムを用いて、鋼管を検査することを特徴とするX線検査方法。
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