JP2017000927A - 微粒子除去処理装置及び微粒子除去処理方法 - Google Patents

微粒子除去処理装置及び微粒子除去処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 大気その他の気体中に浮遊する微粒子を、フィルター法によるろ過でなく高能率で除去する。【解決手段】 微粒子を含有する微粒子含有気体から当該微粒子を除去処理して清浄気体を得る微粒子除去処理を、一方の極性に帯電させた当該微粒子に、当該一方の極性と逆極性である他方の極性に帯電させた除去液ミストを出会わせることにより行う。この方法によれば、静電気のクーロン力を利用するので高効率で除去することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、大気その他の気体中に浮遊する微粒子を除去処理するための微粒子除去処理装置及び微粒子除去処理方法に関するものである。
2013年あたりから、中国北京市で、危機的な大気汚染の問題が大きく報道され、我が国においてもPM2.5の大気汚染問題が認識されてきた。大気中の有害物質であるPM2.5(微小粒子)の効果的かつ実用的な除去処理技術の開発は急務な研究課題である。これまで空気中の微小粒子の除去処理には、フィルター方式のろ過法が広く用いられてきた(以下、「フィルター法」という。)。
また、特許文献1は、帯電させたミストを噴霧し、クーロン力によって浮遊微粒子を吸着凝集させて除去させる技術を提案している(以下、「帯電ミスト法」という。)。特許文献1によれば、この帯電ミスト法では、高導電率の場合、水に含まれる不純物によりマイナスの帯電が中和されるが、低伝導率水のミストであれば帯電が保たれる、とされている。
特開2014−188283号公報(段落0005、0011)
しかしながら、フィルター法の課題は、効率良く微粒子を除去するにはフィルターの目を細かくするので、通気抵抗が大きくなり、目詰まりが起きやすくなることである。高性能なHEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)の使用寿命を長くするには、図8に示すように、あらかじめ、目の粗い複数のフィルターを使用して空気中の粒子を取り除く必要がある。また、粒子を除去したフィルターは使い捨てで廃棄物となり、高性能なHEPAフィルターを使用する空気中微小粒子の除去にかかるトータル的なランニングコストはかなり高価となることもフィルター法の課題である。更には、大気中の花粉、ディーゼル排気粒子、タバコ煙の有害物質をフィルターで除去処理した場合、これらの有害物質はフィルターでろ過後もそのままフィルターに残るので有害物質の再揮散の問題が発生する。これもフィルター法の課題である。
一方、帯電ミスト法では、除去効率が十分ではないおそれがある点に課題がある。つまり、低導電率水を用いてかろうじて帯電させたとしても、クーロン力で吸着除去しようとする微粒子の種類や浮遊する状態などによって帯電する極性も強さも一律ではないと考えられる。とすれば、いくらミストを帯電させたからといって、十分な吸着効率を得られるとは限らない。これが、除去効率が十分ではないおそれを抱く理由である。
本発明は、上述したフィルター法や帯電ミスト法の課題を解決することを目的とする。すなわち、大気その他の気体中に浮遊する微粒子を、フィルター法によるろ過でなく、また、静電気のクーロン力を利用するも高効率で除去することのできる微粒子除去処理装置及び微粒子除去処理方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、次の特徴を備えている。なお、いずれかの発明の構成について説明するにあたり行う用語の定義等は、発明のカテゴリーや記載順に関わらず、その性質上可能な範囲において他の発明にも適用されるものとする。
(請求項1記載の発明の特報)
請求項1記載の発明は、微粒子を含有する微粒子含有気体から当該微粒子を除去処理して清浄気体を得る微粒子除去処理装置に係るものである。ここで、微粒子含有気体を送風する送気口と清浄気体を排気する排気口を有する除去処理室と、当該送気口に微粒子含有気体を送風する送風装置と、当該微粒子含有気体が含有する微粒子を一方の極性に帯電させる微粒子帯電装置と、当該除去処理室内に除去液ミストを噴霧する噴霧装置と、当該噴霧される除去液を当該一方の極性と逆極性である他方の極性に帯電させる除去液帯電装置と、を含む、ことを特徴とする。なお、送風装置と微粒子帯電装置は、これらを一体化させ、1つの装置に送風と帯電を行わせてもよい。
請求項1記載の発明によれば、微粒子含有気体は除去処理室内に送風され、そこで微粒子が除去される。送風される微粒子含有気体に含まれる微粒子は一方の極性(たとえば、(+))に帯電させられる。一方、噴霧形成される除去液ミストは他方の極性(上記例で(−))に帯電させられる。互いに逆極性に帯電させられた微粒子と除去液ミストは、除去処理室内で出会うと、静電気力(クーロン力)によって互いに引き寄せられ除去液ミストが微粒子を捕獲する。この作用によって、微粒子が微粒子含有気体から除去され、清浄気体が除去室から排気される。クーロン力を利用して微粒子を除去液ミストへ吸着除去するので、クーロン力がなければ捕獲しきれない微粒子をも効率よく除去することができる。
(請求項2記載の発明の特徴)
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の好ましい態様として、前記噴霧装置は、前記除去処理室の外部に配された送液ポンプと、当該除去処理室の内部に配された噴霧ノズルと、使用済みの除去液ミストを捕獲して使用済み除去液を得る通気性ブロックと、を含み、前記除去処理室の内部もしくは外部に、当該通気性ブロックが捕捉した使用済み除去液を貯留するための貯留タンクを有し、当該貯留タンクに貯留されている当該処理済み除去液は、当該貯留タンクと当該送液ポンプとの間に配されたフィルターを通過する際にろ過され、当該送液ポンプによって当該噴霧ノズルに送液されることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、微粒子を捕獲した除去液ミストの回収・再利用ができる。つまり、微粒子を捕獲した除去液ミストは通気性ブロックによって捕獲される。除去液ミストは微粒子とともに捕獲されるが、通気性ブロックの通気性により清浄気体はそこを通過して除去処理室外へ排気される。通気性ブロックに捕獲された除去液ミストは微粒子とともに落下もしくは降下して凝集し使用済み除去液となる。フィルター通過により使用済み除去液から微粒子がろ過され、これで使用済み除去液の再利用が可能となる。微粒子含有気体(たとえば、大気)から微粒子を取り除こうとするとフィルターの目詰まりなどの問題が生じやすいが使用済み除去液という液体の中からの微粒子を取り除くので効率よく行うことができる。除去液の再生利用を可能にするので、環境対策上も好ましい。
(請求項3記載の発明の特徴)
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の好ましい態様として、前記噴霧ノズルは、前記除去液帯電装置の機能を兼ね備えた静電噴霧ノズルによって構成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、除去液ミストを効率よく帯電させることができる。ミストの粒径にもよるが、噴霧ノズルから噴霧されるミストは、いわゆるレナード効果により特段の仕掛けがなくても(−)に帯電する。しかし、微粒子の捕獲効率をより高めるためには、噴霧ノズルに高電圧を印加することのできる静電噴霧ノズルが好適である。
(請求項4記載の発明の特徴)
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明の好ましい態様として、前記通気性ブロックは、ポリウレタンフォームを含むことを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、通常のフィルターでは除去液ミストを当初は捕獲できてもフィルターに保持された水により、しだいに通気抵抗が高くなり浄化気体が流れづらくなる。一方、ポリウレタンフォーム(多孔体スポンジ)であれば軽く安価であり、一般に空隙率が97%と大きく通気抵抗が少ないと行った利点がある。このため、少量はもちろん大量の気体処理が可能になる。
(請求項5記載の発明の特徴)
請求項5記載の発明は、微粒子を含有する微粒子含有気体から当該微粒子を除去処理して清浄気体を得る微粒子除去処理方法にかかるものである。当該除去処理を、一方の極性に帯電させた当該微粒子に、当該一方の極性と逆極性である他方の極性に帯電させた除去液ミストを出会わせることにより行うことを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、微粒子含有気体に含まれる微粒子は一方の極性(たとえば、(+))に帯電させられる。一方、噴霧形成される除去液ミストは他方の極性(上記例で(−))に帯電させられる。互いに逆極性に帯電させられた微粒子と除去液ミストは、両者が出会うと、静電気力(クーロン力)によって互いに引き寄せられ除去液ミストが微粒子を捕獲する。この作用によって、微粒子が微粒子含有気体から除去される。クーロン力を利用して微粒子を除去液ミストへ吸着除去するので、クーロン力がなければ捕獲しきれない微粒子をも効率よく除去することができる。
(請求項6記載の発明の特徴)
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の好ましい態様として、使用済みの処理液ミストを捕獲して得た使用済み処理液を、フィルターろ過した後に静電噴霧ノズルから噴霧することにより前記除去液ミストを生成することを特徴とする。
請求項6の発明によれば、微粒子を捕獲した除去液ミストの回収・再利用ができる。フィルター通過により使用済み除去液から微粒子がろ過され、これで使用済み除去液の再利用が可能となる。微粒子含有気体(たとえば、大気)から微粒子を取り除こうとするとフィルターの目詰まりなどの問題が生じやすいが使用済み除去液という液体の中からの微粒子を取り除くので効率よく行うことができる。除去液の再生利用を可能にするので、環境対策上も好ましい。
(請求項7記載の発明の特徴)
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の好ましい態様として、前記処理液ミストの捕獲は、ポリウレタンフォームで行うことを特徴とする。
請求項7記載の発明によれば、通常のフィルターでは除去液ミストを当初は捕獲できてもフィルターに保持された水により、しだいに通気抵抗が高くなり浄化気体が流れづらくなる。一方、ポリウレタンフォーム(多孔体スポンジ)であれば軽く安価であり、一般に空隙率が97%と大きく通気抵抗が少ないと行った利点がある。このため、少量はもちろん大量の気体処理が可能になる。
本発明によれば、大気その他の気体中に浮遊する微粒子を、フィルター法によるろ過でなく、静電気のクーロン力を利用するので高効率で除去することができる。
本発明に係る第1実施形態の微粒子除去処理装置の概略図である。 図1に示す微粒子帯電装置の斜視図である。 図1に示す静電噴霧ノズルの部分拡大図である。 本発明に係る第2実施形態の微粒子除去処理装置の概略図である。 図2に示す微粒子除去処理装置が傾斜して支持された状態を示す図である。 線香の煙を用いた微小粒子発生装置から排気された粒子の粒径別重量濃度を示すグラフである。 微粒子除去効率を示すグラフである。 従来のフィルターを示す概略斜視図である。
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。ここでは、2つの形態があり、最初の形態を「第1の実施形態」、2番目の形態を「第2の実施の形態」と呼ぶことにする。以下、重要用語の定義、第1の実施形態、そして第2の実施形態の順で説明する。
(重要用語の定義)
本願において使用する重要用語の定義は、次のとおりである。まず「微粒子」とは、たとえば「大気」のような気体の中で浮遊可能な粒子の総称をいう。気体の性状との相対関係において浮遊可能であれば、形状や粒径を問わない。微粒子は1種類に限られず、複数種が混在している場合もある。たとえば、花粉、ホコリ、塵、砂塵、PM2.5などが含まれる。PM2.5は、2.5?以下の微粒子(微小粒子)の総称である。より小さな粒径を示す場合にはPM1.0、PM0.5およびPM0.1などと呼ばれることもある。粒径2.5?を超える微粒子も、本願における「微粒子」に含まれることはいうまでもない。「気体」は大気が一般的であるが、大気以外の気体を妨げるものではない。また、「除去液」は、他の液体を排除するものではないが、一般的に水を意味する。導電率の高低などは問わない。「清浄気体」は、本願発明に係る装置・方法を用いて微粒子含有気体から当該気体を除去した後の気体のことをいい、必ずしも微粒子が完全に除去されたものを意味しない。
(第1の実施の形態)
図1ないし3を参照しながら、第1の実施形態について説明する。図1の符号1は、微粒子pを含有する微粒子含有気体Gp(以下、「含有気体Gp」と略称する。)から当該微粒子pを除去処理して清浄気体Gcを得る微粒子除去処理方法に好適な微粒子除去処理装置を示す。この微粒子除去処理装置1のことを、以下において単に「処理装置1」と呼ぶことにする。なお、以下の説明は、含有気体Gpは大気を意味し、含有される微粒子はPM2.5を含む様々なものを意味することを前提とする。
(処理装置の概略構造)
図1に示すように、処理装置1は、除去処理室3と、送風装置5と、微粒子帯電装置6と、噴霧装置7と、を備えている。除去処理室3は、円筒形の筒体であって、上部も閉鎖されそこに排気口3bが設けられている。排気口3bは、浄化気体Gcを排気するための開口である。除去処理室3の底部は閉鎖され、そこには、使用済みの処理液Ldを貯留するための貯留タンク11となっている。つまり、貯留タンク11は除去処理室3と一体となっている。貯留タンク11の上方領域における除去処理室3の側方には、含有気体Gpを送風する送気口3aが開口されている。除去処理室3の底部には使用済み処理液Ldを取り出すための取水口が貫通形成されているが、図1では使用済み処理液に隠れて見えない。除去室3の中には、静電噴霧ノズル7cと通気性ブロック9が配されているが、これらについては後述する。
(送風装置の構造)
引き続き図1において、符号5は、含有気体Gpを取り込み除去処理室3の送気口3aに向かって送風する送風装置を示す。送風装置5と送気口3aとの間には、微粒子帯電装置6が配されている。微粒子帯電装置6は、いわゆるイオナイザーとも呼ばれるコロナ放電式帯電器を示す。図2に示す様に針状の電極針5aに電圧をかけ、針電極5aと接地面との間にコロナ放電を起こさせる。電極針5aに(−)を印加すれば(−)のイオン、(+)を印加すれば(+)のイオンが瞬時に発生する。本実施形態では、電極針を(+)に印加しておき含有気体(大気)Gp中の微粒子pは(+)に帯電させられ、ノズル先端から噴出される。通常、帯電装置として使用するイオナイザーは交流高圧電源を使用して(+)と(−)にイオン化した空気を調製するが、本実施形態では、大気中の微粒子pを(+)に帯電させるので、(+)のみに印加する直流高圧電源を使用する。
(噴霧装置の構造)
ここでは、図1および図3に基づいて説明する。噴霧装置7は、除去処理室3の外部に配された送液ポンプ7aと、除去処理室3の内部に配された静電噴霧ノズル7cと、送液ポンプ7aから噴霧ノズル7cへ除去液を送液する送液パイプ7bと、を備えている。噴霧ノズル7cは、微粒子pが帯電する極性(ここでは(+))と逆極性である極性(ここでは(−))に帯電させる機能を有する。この機能は、いわゆるレナード効果だけで果たさせることもできるが、より確実な帯電のため第1の実施形態では、ノズル先端にPS(電源)7pから供給される高電圧を印加する静電噴霧ノズル(図3)を使用する。
静電噴霧ノズル7cの先端に仮に(+)の高電圧を印加すると、中にある除去液はノズルの内表面で(−)に分極する。ノズル先端に臨む除去液は表面張力により丸くなるが、(−)に印加された除去液は(+)に帯電した誘電体により引っ張られ、静電気力(クーロン力)が表面張力より十分に大きいと除去液は引きちぎられ微小なミストとして噴霧される。通常の機械的な噴霧ノズルでは、噴霧されるミストの粒径は数十μm程度が限界である。しかしながら、静電噴霧ノズル7cの場合、数μmの極めて微小なミストを噴霧することが可能である。また、噴霧されるミスト(図1に符号wで示す)自身が同極に帯電しているので互いに反発し、噴霧後、ミストが凝縮せずに微小なミストのままで存在できる。なお、静電噴霧ノズル7cは、送気口3aと排気口3bとの間で含有気体Gpと効率的に出会えるように除去液ミストwを噴霧できる位置で、その噴霧方向を上向きとしてある。送気口3aと排気口3bとの相対位置を変えることにより、静電噴霧ノズル7cの噴霧方向その他を変更することを妨げないが、除去処理室3の下方部位の貯留タンク11に使用済み処理液Ldを貯留することとの関係から、上述した位置関係になっている。
(通気性ブロックの構造)
通気性ブロック9は、使用済みの除去液のミストを捕獲して使用済み除去液Ldを得るためのブロック(トラップ)である。図1に示すように、通気性ブロック9は、噴霧され微粒子pを吸着除去した除去液ミストwを捕獲して使用済み除去液Ldを生成する役目を担う。捕獲された使用済み除去液Ldは、重力により落下したり、除去室3の内壁をつたって降下したりして貯留タンク11内に回収貯留される。通気性ブロック9には、疎水性のテフロンフィルター(商標)なども使用可能であるが、ポリウレタンフォーム(多孔体スポンジ)を使用することが好ましい。テフロンフィルターは高価であるうえに通気抵抗が大きく大量の気体処理には適さないが、ポリウレタンフォームであれば軽く安価であり、空隙率が97%と大きく通気抵抗が少ないと行った利点を持つからである。なお、通気性を必要とするのは、清浄空気Gcを通過させて排気口3bから排気できるようにするためである。
(除去液の再利用)
貯留タンク11に貯留された使用済み除去液Ldの中には、含有ガスGpから除去され凝集された微粒子が浮遊している。この使用済み除去液Ldを貯留タンク11の底部の取水口(図示を省略)から取り出し、フィルター13でろ過してから再利用に供することができる。すなわち、処理済み除去液Ld、フィルター13で簡単にろ過処理することができ、除去した粒子の再揮散の問題が起こらないという利点がある。さらに、含有気体Gp(大気)と使用済み処理液Ldという2種類の微粒子媒体(気体/液体)の間において、同じ質量に対する体積が1000倍異なるので、大気から体積が1/1000と小さくなる除去液(液体)に微粒子を取り込む本発明のプロセスにより、微粒子のろ過処理が飛躍的に簡便になることが理解されよう。
(第2の実施の形態)
図4を参照しながら、第2の実施形態について説明を行う。微粒子の除去処理の原理に関し第2の実施形態は、先に説明した第1の実施形態と異ならない。構造的に異なるのは、第2の実施形態に係る処理装置51の処理室53は横置きの筒体であって、その長さ方向に沿って複数(ここでは3個)の静電噴霧ノズル57cが配されている点である。以下、詳細を説明する。ここでは、第1の実施形態の説明に用いた部材と同じ機能を持つ部材については、第2の実施形態でも同じ部材名を用いることにする。つまり、両実施形態間で用いられる共通の部材名は機能も異ならないので、第2の実施形態において、これら共通する部材の説明は可能な範囲で省略する。なお、図5および6に示す符号57pは、静電雲霧ノズル57cに印加する電圧を供給するPS(電源)を示す。
図4に示すように、処理装置51は、横長筒状の除去処理室53と、除去処理室53の一方側の送気口53aに配された送風装置55と、後述する噴霧装置57と、を備えている。送風装置55は、ブロア型イオナイザーを使用することで送風作用とともに帯電作用をも担っている。つまり、送風装置55は、微粒子pを帯電させる微粒子帯電装置の機能を兼ね備えている。除去処理室3の他方側の排気口53bの近傍内側には、好ましくはポリウレタンフォーム製の通気性ブロック59が設けられている。
噴霧装置57は、送液ポンプ57a、送液パイプ57bおよび3個の静電噴霧ノズル7cを備えている。3個の静電噴霧ノズル7cは除去室53の長さ方向にそって等間隔に配されている。これにより、送気口53aから通気性ブロック59を介して排気口53bへ向かって進行する含有気体Gpにむかって連続的に除去液ミストwを噴霧できるようになっている。つまり、微粒子pと除去液ミストとの出会いの機会・時間を拡大化することにより、除去効率を高めるためである。
除去室53の通気性ブロック59より僅かに内側の下端には、通気性ブロック59により捕獲された使用済み除去液Ldを取り出すための取水口53hが開口され、取り出された使用済み除去液Ldは排液パイプ61aを介して除去室53外部にある貯留タンク61に貯留されるようになっている。貯留タンク61に一旦貯留された使用済み除去液Ldは、送液パイプ61bとフィルター63を介して送液ポンプに取り込まれ、これによって、除去液の循環経路が完成する。なお、図5に示すように、送気口3a側を排気口3b側より高くなるように、図外の支持構造を用いて除去処理室53を支持すれば取水口53からの使用済み除去液Ldの取り出しを円滑にすることができる。さらに、図5に示す状態の取水口53の周囲に除去処理室63内部からみて外側に突き出す凹み(図示を省略)を設けるなど、使用済み処理液Ldをより集めやすくするための変形は適宜行ってよい。
(性能評価確認)
本発明に係る除去処理装置1(除去処理装置51)の除去性能を評価するには、微粒子の発生装置が必要不可欠である。大気を使用しても環境大気中粒子濃度と粒径分布は絶えず変化しており、除去処理装置の性能評価のために、安定した粒子濃度と粒径分布を保つことは困難である。しかしながら、安定した粒子濃度と粒径分布を保つ微粒子発生装置は市販されておらず、発明者ら自身により、微粒子発生装置を試作する必要がある。そこで、発明者らは、線香の煙を用いた微粒子発生装置を試作した。大気(通気流量:1L/min)を供給しながらろ過鐘容器内で線香を燃やし、その煙を送風ファン(通気流量750L/min)へ導入し希釈混合することで微粒子発生装置とした。送風装置から排気された空気中粒子をパーティクルカウンターで粒径別に粒子数を測定した結果を図5に示した。本微粒子発生装置により、粒径1μmを中心とした微小粒子を発生することが確認でき、粒子密度を2g/cm3と仮定すると全体の重量濃度は1200μg/m3となり、PM2.5除去処理装置の性能評価を行う上で十分な粒子濃度であることも確認できた。また、本微粒子発生装置により複数回微小粒子を発生させたが、粒子濃度と粒径分布の変動は小さく(10%程度)、微小粒子発生装置の再現性も得られた。以下に述べる2つの実施例では、本微粒子発生装置を用いた。
ここでは、除去装置1を使用して、線香粒子を導入した線香粒子の除去効率を測定した。線香粒子を(+)帯電させる微粒子帯電装置6としてブロア型イオナイザー(除電ブロアSJ-F010、キーエンス)、水ミストを(−)帯電させるために静電噴霧ノズル7c(5頭型静電噴口FS-301、みのる産業)を使用した。除去処理装置1の送気口(入口)/排気口(出口)の線香粒子数を電子式低圧インパクター(ELPS:Electrical Low Pressure Impactor、東京ダイレック社製)で測定した。送風空気流量600L/min、水(純水)噴霧量0.67L/minであった。図7に、0.1〜1.0μmの各粒径毎(Stage5〜Stage10)の線香粒子の入口/出口の粒子数と除去効率を示した。粒径0.4μm(Stage8)まで、ほぼ100%の除去効率が得られ、粒径0.06μm(Stage4)においても96.1%と言った高い除去効率が得られた。静電気力により(+)帯電させた微粒子を(−)帯電させた水液ミストによって効率的に捕獲できることが確認できた。
1 微粒子除去処理装置(除去処理装置)
3 除去処理室
3a 送気口
3b 排気口
5 送風装置
5a 電極針
6 微粒子帯電装置
7 噴霧装置
7a 送液ポンプ
7b 送液パイプ
7c 静電噴霧ノズル(噴霧ミスト帯電装置)
7p PS(電源)
9 通気性ブロック
11 貯留タンク
11a 排液パイプ(図示を省略)
11b 送液パイプ
13 フィルター(使用済み除去液中の微粒子ろ過)
51 微粒子除去処理装置(除去処理装置)
53 除去処理室
53a 送気口
53b 排気口
53h 取水口
55 送風装置(微粒子帯電装置)
57 噴霧装置
57a 送液ポンプ
57b 送液パイプ
57c 静電噴霧ノズル(噴霧ミスト帯電装置)
57p PS(電源)
59 通気性ブロック
61 貯留タンク
61a 排液パイプ
61b 送液パイプ
63 フィルター(使用済み除去液中の微粒子ろ過)
Gp 微粒子含有気体
Gc 清浄気体
p 微粒子(帯電したとき(+)を併記)
w 除去液ミスト

Claims (7)

  1. 微粒子を含有する微粒子含有気体から当該微粒子を除去処理して清浄気体を得る微粒子除去処理装置であって、
    微粒子含有気体を送風する送気口と清浄気体を排気する排気口を有する除去処理室と、
    当該送気口に微粒子含有気体を送風する送風装置と、
    当該微粒子含有気体が含有する微粒子を一方の極性に帯電させる微粒子帯電装置と、
    当該除去処理室内に除去液ミストを噴霧する噴霧装置と、
    当該噴霧される除去液を当該一方の極性と逆極性である他方の極性に帯電させる除去液帯電装置と、を含む、
    ことを特徴とする微粒子除去処理装置。
  2. 前記噴霧装置は、前記除去処理室の外部に配された送液ポンプと、当該除去処理室の内部に配された噴霧ノズルと、
    使用済みの除去液ミストを捕獲して使用済み除去液を得る通気性ブロックと、を含み、
    前記除去処理室の内部もしくは外部に、当該通気性ブロックが捕捉した使用済み除去液を貯留するための貯留タンクを有し、
    当該貯留タンクに貯留されている当該処理済み除去液は、当該貯留タンクと当該送液ポンプとの間に配されたフィルターを通過する際にろ過され、当該送液ポンプによって当該噴霧ノズルに送液される
    ことを特徴とする請求項1記載の微粒子除去処理装置。
  3. 前記噴霧ノズルは、前記除去液帯電装置の機能を兼ね備えた静電噴霧ノズルによって構成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の微粒子除去処理装置。
  4. 前記通気性ブロックは、ポリウレタンフォームを含む
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の微粒子除去処理装置。
  5. 微粒子を含有する微粒子含有気体から当該微粒子を除去処理して清浄気体を得る微粒子除去処理方法であって、
    当該除去処理を、一方の極性に帯電させた当該微粒子に、当該一方の極性と逆極性である他方の極性に帯電させた除去液ミストを出会わせることにより行う
    ことを特徴とする微粒子除去処理方法。
  6. 使用済みの処理液ミストを捕獲して得た使用済み処理液を、フィルターろ過した後に静電噴霧ノズルから噴霧することにより前記除去液ミストを生成する
    ことを特徴とする請求項5記載の微粒子除去処理方法。
  7. 前記処理液ミストの捕獲は、ポリウレタンフォームで行う
    ことを特徴とする請求項6記載の微粒子除去処理装置。
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