JP2017000643A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】変化に富んだ演出およびインパクトがある演出を実行可能とする遊技機を提供する。
【解決手段】回転可動体102を、第1演出位置および第2演出位置の間を姿勢変位させることで、第1表示装置の演出を反射表示するハーフミラー部105が移動する。ハーフミラー部105の移動領域の後側に、ハーフミラー部105の移動方向に沿って配列された複数の発光表示部276は、明輝した発光状態と、発光状態よりも暗い減光状態または消灯状態とに個別に切替えることができる。回転可動体102を移動させながらハーフミラー部105で演出を行う演出表示では、移動するハーフミラー部105の後方に位置する発光表示部276を、減光状態または消灯状態に制御する。
【選択図】図12

Description

本発明は、所定の開始条件の成立を契機として当り判定を実行する当り判定手段と、演出表示が行われる演出表示部が配設された可動手段とを備え、前記当り判定手段の判定結果が当りである場合に遊技者に有利な特別遊技が生起させる遊技機に関するものである。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機は、図柄の組合わせ演出や、画像や映像による演出が行われる液晶式の表示装置等の表示手段を備えている。このような遊技機は、所定の開始条件の成立を契機として制御手段(当り判定手段)が当りと判定すると共に、表示手段において特定の図柄組合わせが成立したことを契機として、遊技者に有利な特定遊技(大当り等)が生起されるよう構成されている(特許文献1)。
特開2003−236086号公報
ところで、従来の遊技機では、特許文献1のように、前記表示手段が、当該遊技機の前側における所定位置に移動不能に固定したものが殆どである。このため、通常状態および該通常状態よりも遊技者に有利な特定状態となっても、図柄組合わせ演出や、画像や映像による演出が、常に定位置でかつ同じ向きで表示される。また、表示手段の近傍に発光演出手段が配設されているものの、表示手段と発光演出手段とを関連付けた演出がなされない。従って、表示手段により変化に富んだ演出やインパクトがある演出を実行するには限界があり、遊技の興趣の向上を図り難い。
すなわち、本発明は、従来技術に係る遊技機に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、移動可能な演出表示部により演出位置を切替え可能として、変化に富んだ演出およびインパクトがある演出を実行可能とした遊技機を提供することを
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、
所定の開始条件の成立を契機として当り判定を実行する当り判定手段(290)と、演出表示が行われる演出表示部(105)が配設された可動手段(102)とを備え、前記当り判定手段(290)の判定結果が当りである場合に遊技者に有利な特別遊技が生起させる遊技機において、
前記可動手段(102)は、作動制御手段(291)の制御に基づいて、第1演出位置および該第1演出位置から離れた第2演出位置の間を姿勢変位可能に構成され、
前記演出表示部(105)は、表示制御手段(292)の制御に基づいて、前記第1演出位置に停止時、前記第2演出位置に停止時、第1演出位置および第2演出位置の間の移動時に演出表示が可能に構成され、
前記演出表示部(105)の移動領域の後側に、該演出表示部(105)の移動領域に沿って配列された複数の発光演出手段(276)を備え、
前記各発光演出手段(276)は、発光制御手段(291)の制御に基づいて、明輝した発光状態と、該発光状態よりも暗い減光状態または消灯状態とに個別に切替え可能に構成され、
前記可動手段(102)の姿勢変位に基づいて前記演出表示部(105)を前記第1演出位置および第2演出位置の間で移動させながら該演出表示部(105)で演出を行う演出表示では、移動する該演出表示部(105)の後方に位置する発光演出手段(276)を、前記減光状態または消灯状態に制御可能に構成されたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、可動手段の姿勢変位により第1演出位置および第2演出位置の間を移動する演出表示部において演出表示を行うことで、演出位置が移動して変化に富んだ演出を行うことができる。また、演出表示部に移動領域に沿って配列された発光演出手段を発光状態とする制御を行うことで、インパクトがある演出を行うことができる。そして、演出表示部が第1演出位置および第2演出位置の間を移動する際に該演出表示部で演出を行う演出表示では、移動する該演出表示部の後方に位置する発光演出手段を減光状態または消灯状態に制御することで、該演出表示部における演出表示が見え難くならず、該演出表示の視認性を高めることができる。
請求項2に係る発明では、
前記可動手段(102)が、前後方向に延在する回転軸線(L)を中心として回転するように配設され、
環状に配列された前記発光演出手段(276)を、前記演出表示部(105)の移動に伴って順次減光状態または消灯状態に制御可能に構成されたことを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、回転軸線を中心とする可動手段の回転に伴って演出表示部が第1演出位置および第2演出位置の間を環状に移動するので、変化に富んだ演出表示を行うことができる。そして、環状に配列された発光演出手段を発光状態に制御することで、インパクトがある演出を実行することができる。また、演出表示部の移動領域に沿って環状に配列された各発光演出手段を、演出表示部の移動に伴って順次減光状態または消灯状態とすることで、環状に移動する該演出表示部での演出表示の視認性を高めつつ、発光演出手段による演出効果を高めることもできる。
請求項3に係る発明では、
前記第2演出位置は、前記第1演出位置に対して前記回転軸線(L)を挟んだ反対に設定され、
前記演出表示部(105)は、前記回転軸線(L)を中心として、前記第1演出位置での該演出表示部(105)と反対向きとなる姿勢で前記第2演出位置に保持され、
前記演出表示部(105)が前記第1演出位置に保持されている場合は、該演出表示部(105)において正位置表示となる演出表示を実行可能に構成され、
前記演出表示部(105)が前記第2演出位置に保持されている場合は、該演出表示部(105)において、正位置表示となる演出表示および該正位置表示に対し反対向きの逆位置表示となる演出表示を実行可能に構成されたことを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、第1演出位置に保持した演出表示部での演出表示と、該第1演出位置に対して回転軸線を挟んだ反対に位置する第2演出位置に保持した演出表示部での演出表示とを異ならせることができ、演出表示部における演出表示の多様化が図られる。
請求項4に係る発明では、
前記可動手段(102)に配設されて該可動手段(102)の変位に追従して姿勢変位する第1表示手段(103)と、前記第1演出位置に位置する前記演出表示部(105)の後方に固定された第2表示手段(104)とを備え、
前記演出表示部(105)は、前記第1表示手段(103)の演出を反射して表示し得ると共に、前記第2表示手段(104)の演出を透過し得るよう構成され、
前記第1表示手段(103)の演出および第2表示手段(104)の演出を重ねて表示する場合には、前記演出表示部(105)を、前記第2表示手段(104)と前後に重なる前記第1演出位置に移動させる一方、
前記第1表示手段(103)の演出および第2表示手段(104)の演出を重ねずに表示する場合には、前記演出表示部(105)を、前記第2表示手段(104)と前後に重ならない位置に移動させるを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、演出表示部を第1演出位置に保持した場合には、第1表示手段の演出および第2表示手段の演出を重ねて表示することができ、該演出表示部を第2演出位置に保持した場合には、第1表示手段の演出および第2表示手段の演出を別々の位置で表示することができるので、複雑で多彩な演出表示が可能である。
本発明に係る遊技機によれば、移動可能な演出表示部により演出位置を切替えるようにしたことで、変化に富んだ演出およびインパクトがある演出を実行可能である。
実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。 実施例に係る遊技盤の正面図であって、可動演出装置の可動体を第1演出位置とすると共に、遊技情報表示部を拡大して示している。 (a)は、第1特図始動保留情報に基づく大当り遊技の種類を示す説明図であり、(b)は、第2特図始動保留情報に基づく大当り遊技の種類を示す説明図である。 特図入力処理の流れを示すフローチャートである。 特図開始処理の流れを示すフローチャートである。 図5のステップB15に続く処理の流れを示すフローチャートである。 実施例に係るパチンコ機の制御構成を示すブロック図である。 特定状態に付与される付与特典の種類を示す説明図である。 (a)は、設置部材に取付けた可動演出装置の第1演出状態で示す実施例の遊技盤を前方右斜め上方から見た斜視図であり、(b)は、(a)の遊技盤を後方左斜め上方から見た斜視図である。 図2のX1−X1線断面図である。 設置部材と可動演出装置とを分離した状態で示す斜視図である。 回転可動体が第1演出位置にある状態の可動演出装置および発光演出装置を前方右斜め上方から見た斜視図である。 実施例の可動演出装置および発光演出装置を、カバー部材を分離した状態で後方左斜め上方から見た斜視図である。 図12のX2−X2線断面図である。 図14のX3−X3線で破断した可動演出装置および発光演出装置の断面図である。 回転接続ユニット、第1および第2検出センサおよびカバー部材等を、ベース体のベース部材から分離した状態を示す斜視図である。 可動接続ユニットの配線および各検出センサに接続される配線の配線状態を示すベース体の背面図である。 回転接続ユニットの回転体に設けられた第1連係部と、回転可動体の支持部材に設けられた第2連係部との連係構成を示す斜視図である。 回転接続ユニットの回転体に設けられた第1連係部と、回転可動体の支持部材に設けられた第2連係部との連係態様を示す断面図である。 回転可動体を第2演出位置とした第2演出状態の可動演出装置および発光演出装置を示す正面図である。 (a)は、第2演出位置にある回転可動体、駆動機構および第2表示装置を示す左側面図であり、(b)は、第2演出位置にある回転可動体、駆動機構および第2表示装置を示す背面図である。 前方右斜め上方から見た可動演出装置の分解斜視図である。 前方右斜め上方から見た発光演出装置の分解斜視図である。 前方右斜め上方から見た第2表示装置の分解斜視図である。 前方右斜め上方から見た支持部材、第1表示装置、フード、上部カバー部材および前部カバー体の分解斜視図である。 (a)は、回転可動体の回転動作態様を示す説明図であり、(b)は、回転可動体の回転変位に基づく第1表示装置の表示演出態様を示す説明図である。 (a)は、演出制御基板の演出制御ROMに記憶された演出動作パターンの種類を示す図であり、(b)は、発光演出装置による発光演出態様の種類とその内容との関係を示す説明図である。 (a)は、演出制御CPUが実行する演出動作実行処理を示すフローチャートであり、(b)は、演出動作実行処理におけるモータ処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御基板の表示制御CPUが実行する連動表示演出実行処理を示すフローチャートであり、(b)は、ランプ制御基板が実行する連動発光演出実行処理を示すフローチャートである。 (a)は、回転可動体の第1演出位置において、第1表示装置による演出をハーフミラー部で反射表示した状態を示し、(b)は、回転可動体の第1演出位置において、第2表示装置による演出をハーフミラー部で透過表示した状態を示す説明図であり、(c)は、回転可動体の第1演出位置において、第1表示装置による演出をハーフミラー部で反射表示すると共に第2表示装置による演出をハーフミラー部で透過表示した状態を示す説明図である。 (a)は、発光演出装置による連動演出態様の説明図であって、図32(a)に示す第1演出位置から(b)に示す第2演出位置に向けて左回転する途中の状態を示し、(b)は、回転可動体の第2演出位置において、第1表示装置による演出を正位置表示でハーフミラー部で反射表示した状態を示し、(c)は、(b)に示す第2演出位置から図30(a)に示す第1演出位置に向けて左回転する途中の状態を示す説明図である。 回転可動体が左回転する際に、駆動モータのステップ数に対して、各発光表示部とハーフミラー部とが前後に重なるタイミングを示すタイミングチャートである。 回転可動体が右回転する際に、駆動モータのステップ数に対して、各発光表示部がハーフミラー部と前後に重なるタイミングを示すタイミングチャートである。
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技機として、遊技媒体としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に説明がなければ、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2、図9参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板等の透視保護体13aを備えた装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。また、中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられており、該操作ハンドル16の操作により打球発射装置が作動することで、上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が遊技盤20に向けて発射されるようになっている。なお、上球受け皿14は、前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよく、また上下の球受け皿の一方を省略して1つの球受け皿のみ設ける構成であってもよい。
(中枠)
前記中枠12は、図1に示すように、上縁をなす上枠部と、下縁をなして打球発射装置等が設置された下枠部と、左側縁をなす左枠部と、右側縁をなす右枠部とから構成され、全体が外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。中枠12には、遊技盤20を前側から着脱可能に設置し得る遊技盤保持部が設けられている。そして中枠12は、外枠11の左上および左下に設けられたヒンジ17,17を介して該外枠11に枢支され、該外枠11に対して左側端部を中心として開閉し得るようになっている。なお中枠12は、上下左右の各枠部が一体成形されたものであってもよい。
(前枠)
前記前枠13は、図1に示すように、中枠12の外郭形状に略合致する板状に形成されると共に前後方向に開口する窓口18が開設された枠本体の前側に、該窓口18を囲むように複数の装飾部材19が取付けられている。装飾部材19内には、LEDチップを実装し発光基板(図示せず)が配設され、該発光基板のLEDチップが発光制御されることで装飾部材19の光透過部分が明輝されるようになっている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図9〜図10に示すように、ベニア等を貼り合わせた木製合板を材質とし、中枠12に設けられた遊技盤保持部の内縁形状に整合する外形形状に形成された略矩形の平板状の部材である。遊技盤20の前側には、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール21と、この外レール21の内側に中央下部から左上部にかけて並べて配置された内レール22と、外レール21の右上部から内レール22の下部までの間に右方へ凹む湾曲形状に構成された盤面飾り部材23等が配設されており、両レール21,22および盤面飾り部材23で囲まれた内側が遊技領域24として構成されている。遊技盤20には、前後に貫通する装着口が遊技領域24内に複数開設されて、各装着口に対して各種の遊技盤構成部品が前側から取付けられる。また、遊技領域24の最下部位置には、該遊技領域24に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口33が開設されている。更に、遊技盤20には、遊技領域24内に多数の遊技釘31が配設されており、遊技領域24を流下するパチンコ球が、遊技釘31に接触することで流下方向を不規則に変化したり誘導されるようになっている。なお、遊技盤20に開設される装着口の形成数や大きさは、遊技盤20に対して取付けられる各種部品の個数や配設位置等に応じて適宜決定される。
図2および図9(a)に示すように、前記遊技盤20に開設された装着口には、後述する枠状装飾体35、遊技領域24を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置(始動入賞手段)25、第1特別入賞装置(特別入賞手段)28、第2特別入賞装置(特別入賞手段)29、第1普通入賞部材69、第2普通入賞部材70、第1ゲート部材65および第2ゲート部材66などが取付けられている。枠状装飾体35は、遊技領域24の中央において略円形状に開口形成された装着口20aに配設され(図10参照)、左側の第1遊技領域24aおよび右側の第2遊技領域24bに遊技領域24を分けている。始動入賞装置25は、枠状装飾体35が配設された装着口20aの下方に開口形成された装着口20bに配設される(図10参照)。第1特別入賞装置28は、始動入賞装置25が配設された装着口20bの左側に開口形成された装着口に配設され、第2特別入賞装置29は、該装着口20bの右側に開口形成された装着口に配設されている。また、第1普通入賞部材69は、第1特別入賞装置28が配設された装着口に配設されると共に、第2普通入賞部材70は、第2特別入賞装置29が配設された装着口に配設されている。
(始動入賞装置25について)
前記始動入賞装置25は、図2および図9(a)に示すように、上方に設けられた第1始動入賞口26と、該第1始動入賞口26の下方に設けられた第2始動入賞口27とを備えている。第1始動入賞口26は、該始動入賞口26に入賞したパチンコ球(入賞球)を検出すると共に検出信号をメイン制御手段としてのメイン制御基板290(図7参照)へ送信する第1始動入賞検出センサ45(図7参照)を備えている。すなわち、第1始動入賞口26は、遊技領域24内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口であり、該遊技領域24を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成されている。そして、第1始動入賞検出センサ45からの検出信号を受信したメイン制御基板290は、前述したように、球払出装置が所定数の賞球を払い出させるように球払出制御基板に制御信号を送信すると共に、入賞時情報(各種乱数情報)を取得して、該入賞時情報に基づいて大当り(当り)抽選(当り判定)を行うようになる。
前記第2始動入賞口27は、図2に示すように、該第2始動入賞口27に入ったパチンコ球(入賞球)を検出すると共に検出信号をメイン制御基板290へ送信する第2始動入賞検出センサ46(図7参照)を備えている。また、第2始動入賞口27は、前後方向へ揺動して該第2始動入賞口27を開閉するフラップ形態の開閉扉27aと、開閉扉27aを開閉動作させる作動手段としての始動ソレノイド73(図7参照)とを備え、該開閉扉27aは、該始動ソレノイド73の作動により第2始動入賞口27を閉鎖する閉鎖位置および開放する開放位置に変位するよう構成されている。すなわち、実施例の第2始動入賞口27は、開閉扉27aが変位することで、第2始動入賞口27に対するパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。そして、第2始動入賞検出センサ46からの検出信号を受信したメイン制御基板290は、前述したように、球払出装置が所定数の賞球を払い出させるように球払出制御基板に制御信号を送信すると共に、入賞時情報(各種乱数情報)を取得して、該入賞時情報に基づいて大当り(当り)抽選(大当り判定)を行うようになる。
(第1特別入賞装置28について)
第1遊技領域24aの下流部に配設された第1特別入賞装置28は、図2および図9(a)に示すように、第1遊技領域24aに横長に開口する特別入賞口28aが上側に設けられた本体と、該特別入賞口28aを開閉自在に閉成するシャッタ形態の開閉部材28bと、特別入賞口28aに入賞したパチンコ球(入賞球)を検出すると共に検出信号をメイン制御基板290へ送信する第1特別入賞検出センサ47と、開閉部材28bを開閉する開閉手段としての第1特別入賞ソレノイド74とを備えている(図7参照)。開閉部材28bは、特別入賞口28aに対して前後方向へスライド移動が可能に配設され、第1特別入賞ソレノイド74の作動に伴って、特別入賞口28aが閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置とにスライド移動する。そして、第1特別入賞検出センサ47からの検出信号を受信したメイン制御基板290は、前述したように、球払出装置が所定数の賞球を払い出させるように球払出制御基板に制御信号を送信する。ここで、第1特別入賞装置28は、第1始動入賞口26へパチンコ球が入賞して第1特別入賞検出センサ45から検出信号がメイン制御基板290へ送信されたことを契機として、メイン制御基板290が行う大当り抽選の結果として所定の大当り遊技(例えば、確変大当り遊技や非確変大当り遊技等の特別遊技)が生起された場合に、該大当りのラウンド演出に基づいて開閉部材28bを動作させて特別入賞口28aを所定の回数で開放するよう制御される。すなわち、メイン制御基板290は、所定の判定条件の成立を契機として当り判定を実行する当り判定手段としての機能を備えている。
(第2特別入賞装置29について)
第2遊技領域24bの下流部に配設された第2特別入賞装置29は、図2および図9(a)に示すように、基本構成は第1特別入賞装置28と同じである。すなわち、第2特別入賞装置29は、第2遊技領域24bに横長に開口する特別入賞口29aが上側に設けられた本体と、該特別入賞口29aを開閉自在に閉成するシャッタ形態の開閉部材29bと、特別入賞口29aに入賞したパチンコ球(入賞球)を検出すると共に検出信号をメイン制御基板290へ送信する第2特別入賞検出センサ48と、開閉部材29bを開閉する開閉手段としての第2特別入賞ソレノイド75とを備えている(図7参照)。開閉部材29bは、特別入賞口29aに対して前後方向へスライド移動が可能に配設され、第2特別入賞ソレノイド75の作動に伴って、特別入賞口29aが閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置とにスライド移動する。そして、第2特別入賞検出センサ48からの検出信号を受信したメイン制御基板290は、前述したように、球払出装置が所定数の賞球を払い出させるように球払出制御基板に制御信号を送信する。ここで、第2特別入賞装置29は、第2始動入賞口27へパチンコ球が入賞して第2特別入賞検出センサ46から検出信号がメイン制御基板290へ送信されたことを契機として、メイン制御基板290が行う大当り抽選の結果として所定の大当り遊技(例えば、確変大当り遊技や非確変大当り遊技等の特別遊技)が生起された場合に、該大当りのラウンド演出に基づいて開閉部材29bを動作させて特別入賞口29aを所定の回数で開放するよう制御される。
前述のように構成された遊技盤20では、打球発射装置から発射されたパチンコ球が外レール21と内レール22との間を通って遊技領域24の左側上部に打ち出された際に、該打球発射装置による打球力を弱く調整した所謂左打ちの場合は、主に遊技領域24の第1遊技領域24aを流下し、該打球発射装置による打球力を強く調整した所謂右打ちの場合は、主に遊技領域24の第2遊技領域24bを流下するようになっている。そして、遊技領域24に打ち出されたパチンコ球が始動入賞装置25の第1始動入賞口26または第2始動入賞口27に入賞して第1始動入賞検出センサ45または第2始動入賞検出センサ46が検出すると、当該パチンコ機10を総合的に制御するメイン制御基板290に対して該始動入賞検出センサ45,46から検出信号が送信される。これに基づいてメイン制御基板290は、大当り抽選を行なうと共に、当該大当り抽選の結果に基づいてサブ制御手段としての演出制御基板291に制御信号を出力して、後述する第2表示装置104の表示部104aにおいて図柄変動演出を行わせるようになっている。そして、第2表示装置104での図柄変動演出の結果、表示部104aに所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で図柄が確定的に停止表示されると所謂大当り遊技が生起される。ここで、第1始動入賞口26への入賞に基づいて大当り遊技が生起された場合には、第1特別入賞装置28の特別入賞口28aが開放し、遊技者が多数の賞球を獲得可能な機会が与えられる。また、第2始動入賞口27への入賞に基づいて大当り遊技が生起した場合には、第2特別入賞装置29の特別入賞口29aが開放し、遊技者が多数の賞球を獲得可能な機会が与えられる。なお、前述した各始動入賞口26,27、特別入賞口28a,29aおよび普通入賞口69a,70aの何れにも入賞することなく遊技領域24の下部まで流下したパチンコ球は、アウト口33を介して遊技盤20の裏側へ回収される。
(第1ゲート部材65について)
前記第1ゲート部材65は、該第1ゲート部65を通過するパチンコ球を検出する第1ゲートセンサ67が設けられている。この第1ゲートセンサ67は、前記メイン制御基板290(メイン制御CPU290a)に配線接続されており(図7参照)、該第1ゲートセンサ67からメイン制御基板290への球検出信号の入力(すなわち第1ゲートセンサ67のパチンコ球の検出)に伴って各種情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記第2始動入賞口27の始動入賞ソレノイド73が駆動制御されて開閉扉27aが開閉動作するようになっている。
(第2ゲート部材66について)
前記第2ゲート部材66は、該第2ゲート部66を通過するパチンコ球を検出する第2ゲートセンサ68が設けられている。この第2ゲートセンサ68は、前記メイン制御基板290(メイン制御CPU290a)に配線接続されており(図7参照)、該第2ゲートセンサ68からメイン制御基板290への球検出信号の入力(すなわち第2ゲートセンサ68のパチンコ球の検出)に伴って各種情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記第2始動入賞口27の始動入賞ソレノイド73が駆動制御されて始動用開閉部材29bが開閉動作するようになっている。
(第1および第2普通入賞部材69,70について)
前記第1普通入賞部材69の第1普通入賞口69aは、前記遊技領域49(第1遊技領域24a)内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされ、遊技領域24を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成されている。また、前記第2普通入賞部材70の第2普通入賞口70aは、前記遊技領域24(第2遊技領域24b)内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされ、遊技領域24を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成されている。パチンコ機10は、第1普通入賞口69aに入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出手段としての第1普通入賞検出センサ71および第2普通入賞口70aに入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出手段としての第2普通入賞検出センサ72を備えている。各普通入賞検出センサ71,72は、前記メイン制御基板290(メイン制御CPU290a)に配線接続されており(図7参照)、普通入賞検出センサ71,72がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板290に出力し、該メイン制御基板290の制御下に予め設定された数の賞球が払い出されるようになっている。なお、実施例では、第1普通入賞部材69の第1普通入賞口69aへパチンコ球が入球した際の賞球数が10個に設定されるのに対し、第2普通入賞部材70の第2普通入賞口70aへパチンコ球が入球した際の賞球数が5個に設定されている。
(枠状装飾体35について)
図2、図9(a)および図10に示すように、前記枠状装飾体35は、複数の枠状装飾部材を組付けて構成されている。すなわち枠状装飾体35は、環状に形成された枠部材36と、枠部材36に組付けられた複数(実施例では3つ)の装飾部材37(37a〜37c)と、枠部材36の内側下部に配設されたステージ部材38とを備えている。また、枠状装飾体35の枠部材36には、「右打ち」および「左打ち」を表示可能な発光表示装置40が組付けられている。
前記枠部材36は、図10に示すように、遊技盤20の前面に当接するフランジ部36aと、該フランジ部36aから前方に設けられて遊技盤20の前面から前方に突出する枠部36bと、該フランジ部36aから後方に設けられて装着口20aの内側に位置する本体部36cとを備えている。フランジ部36aは、装着口20aの開口縁より一回り大きい外縁形状に形成されており、枠状装飾体35を遊技盤20の前側から装着口20aへ装着した際に、該遊技盤20の前面に当接するようになる。また、フランジ部36aには、前後に貫通した複数のネジ孔が形成されており、該ネジ孔を介してネジを遊技盤20に締結することで、枠状装飾体35が該遊技盤20に固定される。枠部36bは、フランジ部36aにおけるステージ部材38の配設部分を除く左側部から上部および右側部に亘って円弧状に延在し、第1遊技領域24aおよび第2遊技領域24bを流下するパチンコ球が、枠状装飾体35の内側へ移動することを規制する区画壁である。また、枠状装飾体35の右側部には、パチンコ球の直径より僅かに大きい間隔(パチンコ球の直径以上でかつ直径の2倍以下)で枠部36bから離間すると共に該枠部36bに沿って延在する壁部36dが形成され、該枠部36bと壁部36dとの間に、第2遊技領域24bを流下するパチンコ球が通過する球通路39が形成されている。本体部36cには、枠状装飾体35の開口部35a内へ延出した取付部が設けられ、該取付部に前記発光表示装置40が取付けられる。
枠状装飾体35の左側上部に取付けられた装飾部材37aおよび該枠状装飾体35の右側下部に取付けられた装飾部材37bは、透光性を有する透明部材であり、枠部36bの前側に位置する前壁部の一部には、メッキや塗装等により適宜の模様が形成されている。また、枠状装飾体35の右側下部に取付けられた装飾部材37cは、装飾部材37bに隣接しており、マイクを模したデザインに形成されている。なお、装飾部材37bおよび装飾部材37cの後側には、演出制御基板291により発光制御される発光基板(図示せず)が配設されている。
前記ステージ部材38は、図2および図10に示すように、第1遊技領域24aに開口した球流入口38aと、該球流入口38aに連通すると共に左右方向に延在し、該球流入口38aから流入したパチンコ球が転動可能な転動面38bとを備えている。そして、ステージ部材38における転動面38bの前側は遊技領域24に開口しており、該転動面38b上を左右に移動したパチンコ球は、適宜位置から前側へ落下可能に構成されている。なお、ステージ部材38における転動面38bの上方には、左右方向に延在する隔壁38cが設けられており、転動面38b上を転動するパチンコ球が枠状装飾体35の開口部35aから後方へ移動することを規制するよう構成されている。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域24外の左下部位置)には、前記メイン制御CPU290aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを目視することで、遊技に必要な遊技情報を遊技者が適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Mには、図2に示す如く、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部80A,80B、特図保留表示部82,83、普図表示部85、普図保留表示部86、ラウンド表示部87、状態表示部88、右打ち表示部89等が設けられている。なお、前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体Maにより覆蓋保護されており、カバー体Maを介して遊技情報表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部80A,80Bについて)
前記特図表示部80A,80Bは、前記始動入賞口26,27への入賞を契機として作動するものであって、実施例では、前記第1始動入賞口26への入賞(第1始動入賞検出センサ45の検出)を契機として変動表示を開始する第1特図表示部80Aと、第2始動入賞口27への入賞(第2始動入賞検出センサ46の検出)を契機として変動表示を開始する第2特図表示部80Bとからなる。そして、前記第1始動入賞口26へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部80Aの変動表示(以下、特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に複数種類の特別図柄(以下、特図という)の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動入賞口27へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部80Bの変動表示(以下、特図変動表示という場合がある)が行われて、最終的に複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。
ここで、前記特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされ、前記各特図表示部80A,80Bでは複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示部80A,80Bにおいて表示し得る特図としては、大当りを認識し得る大当り表示(大当り図柄)としての100種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部80A,80Bに対応して夫々設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示部80A,80Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部80A,80Bにおいて表示し得る大当り図柄およびはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部80A,80Bの何れかに、大当り表示(当り表示)としての特図が表示されることで、大当り表示に対応した大当り遊技(当り遊技)が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技については後述する。なお、以下の説明では、第1特図表示部80Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部80Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部80Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部80Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留表示部82,83について)
前記第1始動入賞口26にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM290c)に第1特図始動保留情報(第1始動保留情報)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動入賞口27にパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)は機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM290c)に第2特図始動保留情報(第2始動保留情報)として記憶されるようになっている。そして、前記遊技情報表示部Mに、第1特図始動保留情報の保留数を表示する第1特図保留表示部82および第2特図始動保留情報の保留数を表示する第2特図保留表示部83が設けられている(図2参照)。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部82,83の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部82で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口26へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部83で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口27へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(例えば「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。また、実施例では、後述するように、前記第1始動入賞口26および第2始動入賞口27に入賞した順で特図始動保留情報を読み出して大当り判定等を行うよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、第1および第2始動入賞口26,27への入賞の何れかを優先することなく始動入賞口26,27への入賞順通りに特図始動保留情報を読み出して大当り判定等を行うよう構成されており、前記メイン制御RAM290cには、特図始動保留情報の入賞順を認識し得る状態で該特図始動保留情報(第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報)が記憶されるようになっている。
(ラウンド表示部87について)
実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、後述する複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定される。この大当り遊技には、規定ラウンド数が異なる複数種類のものが設定されており、当選した大当り遊技の規定ラウンド数を報知するラウンド表示部87(図2参照)が、前記遊技情報表示部Mに設けられている。本実施例では、大当り遊技の規定ラウンド数として、「2回」の1種類が設定されており、該ラウンド表示部87で規定ラウンド数を識別可能に報知するようになっている。なお、実施例のように、パチンコ機10に設定されている大当り遊技の全ての規定ラウンド数が同一である場合には、当該ラウンド表示部87を省略することができる。
(状態表示部88について)
実施例のパチンコ機10では、後述するように、大当り遊技終了後に付与される遊技状態として、確変状態および変短状態が設けられており、これらの遊技状態を報知する状態表示部88(図2,図7参照)が、前記遊技情報表示部Mに設けられている。
(右打ち表示部89について)
前記遊技情報表示部Mに設けられた右打ち表示部89は、前記第2遊技領域24bへパチンコ球を打ち出して遊技を実行する右打ち遊技状態であることを特定可能に表示する表示部である。すなわち、右打ち遊技状態では、第2遊技領域24bへパチンコ球を打ち出して遊技を行うことで、第1遊技領域24aへパチンコ球を打ち出して遊技を行う場合と比べて、遊技者により多くの特典が付与される状態であり、右打ち表示部89が右打ち遊技状態であることを報知するようになっている。具体的に、前述のように第2遊技領域24bに、第1特別入賞装置28より有利な第2特別入賞装置29が配置された実施例のパチンコ機10では、後述する変短状態が付与された状態および第2特別入賞装置29が開放する大当り遊技が付与された状態等が右打ち遊技状態に該当する。なお、前記右打ち表示部89は、前記第2特図表示部80Bに特図が確定停止されて右打ち遊技状態に移行した後に右打ち遊技状態の報知を開始し、右打ち遊技状態が終了するのに伴い報知を終了するようになっている。
(第2表示装置104について)
前記第2表示装置104には、図2および図20に示すように、前記飾図を変動表示可能な左図柄列L,中図柄列C,右図柄列Rの3列の図柄列が左右横並び状に設定されており、前記第1始動入賞口26または第2始動入賞口27への入賞を契機として、各図柄列L,C,Rの飾図が変動開始されるようになっている。実施例の第2表示装置104には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な有効停止位置が設定されており、図柄変動演出により、各図柄列L,C,Rの有効停止位置を組み合わせた停止図柄有効ラインに確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。すなわち、実施例の第2表示装置104には、1つの停止図柄有効ラインが設定されている。また、第2表示装置104は、始動入賞口26,27への入賞(具体的には、始動入賞検出センサ45,46による球検出)を始動条件として、該始動条件の成立を契機として図柄変動演出を実行するよう構成されている。
また、前記第2表示装置104では、図柄変動演出が終了する前に各図柄列L,C,Rの有効停止位置に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列L,C,Rの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの特図始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄列L,C,Rにおいて、有効停止位置に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列L,C,Rにおいて有効停止位置に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列L,C,Rにおいて有効停止位置に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示部80Aと第2表示装置104では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部80Bと第2表示装置104では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示部80A,80Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部80A,80Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM290cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
実施例に係る第2表示装置104には、各図柄列L,C,Rに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該基本の飾図が各図柄列L,C,Rで順番に変動表示されるようになっている。なお、実施例では、中図柄列Cに、前記10種類の基本飾図とは別に特殊飾図(特殊図柄)として「J」が設定されている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。
そして、前記第2表示装置104における各図柄列L,C,Rの有効停止位置(停止図柄有効ライン)に確定停止表示された各図柄列L,C,Rの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、大当り遊技(当り遊技)が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄列の有効停止位置に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、第2表示装置104に表示される大当り表示となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。また、実施例では、前記中図柄列Cの有効停止位置に特殊飾図(特殊図柄)である「J」が確定停止表示されることで、所定の大当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この大当り遊技が発生する可能性を認識できる飾図の図柄組み合わせが、第2表示装置104に表示される大当り示唆表示となる。なお、特殊飾図の「J」を含む大当り示唆表示の図柄組み合わせは、例えば「2J2」、「7J7」等のように、左右の図柄列L,Rの飾図は同じとなる組み合わせに設定されている。実施例では、特殊飾図の「J」を含む大当り示唆表示の図柄組み合わせについて、「特殊大当り(当り)図柄組み合わせ」と指称して他の大当り図柄組み合わせと区別する場合がある。一方で、第2表示装置104の有効停止位置に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、第2表示装置104のはずれ表示となる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列Lおよび右図柄列R)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列C)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列Lおよび右図柄列Rに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列Lおよび右図柄列R)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列C)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
前記第2表示装置104には、第1特図表示部80Aおよび第2特図表示部80Bでの特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示部80Aおよび第2特図表示部80Bに表示される特図と、第2表示装置104に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示部80Aおよび第2特図表示部80Bに特図が確定停止されると共に、第2表示装置104の各図柄列L,C,Rに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(普図表示部85について)
前記遊技情報表示部Mには、前記ゲートセンサ42,44のパチンコ球の検出を契機として作動する普図表示部85が設けられている(図2参照)。この普図表示部85では、ゲートセンサ42,44のパチンコ球の検出(ゲート部材65,66のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われる。そして、普図表示部85の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。すなわち、普図表示部85は、普図当り判定の判定結果を示す普通図柄を変動および停止表示する普通図柄表示手段である。実施例では、普図表示部85で2種類の普図当りを表示すると共に、1種類の普図はずれを表示し得るよう構成されている。なお、2種類の普図当りを認識させる普図について、以後の説明において第1当り普図、第2当り普図と区別する場合がある。
(普図保留表示部86について)
また、前記遊技情報表示部Mには、前記ゲート部材65,66をパチンコ球が通過した際に取得される情報(後述する各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM290c)で始動保留情報として記憶された際に、該普図保留情報の保留数を表示する普図保留表示部86が配設されており(図2参照)、該普図保留表示部86の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部86で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部材65,66をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。
ここで、前記特図表示部80A,80B、ラウンド表示部87および状態表示部88の表示領域は、前記第2表示装置104で実行される演出等の表示領域に比較して極めて小さく設定されており、第2表示装置104で実行されている各種演出に注目している遊技者にとっては、特図表示部80A,80B、ラウンド表示部87および状態表示部88に表示される各情報を簡単には認識し難くなっている。なお、前記特図表示部80A,80B、特図保留表示部82,83、普図表示部85、普図保留表示部86、ラウンド表示部87、状態表示部88、右打ち表示部89等は、対応する情報を表示乃至報知し得るものであれば、個別に点灯制御可能な複数のLEDからなる発光表示部で構成したり、または7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他の表示手段を採用できる。
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口28a,29aへのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口28a,29aへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、2521/65536)から高確率(実施例では、2522/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当り遊技が生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。また、実施例では、確変状態が付与される大当り遊技の場合には、大当り遊技終了後、所定回数の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与される。実施例では、大当り遊技終了後、65回の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもでき、また次回の大当り遊技が生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるようにすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞装置25へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
ここで、後述するように大当り遊技の終了後に確変状態が付与される場合は、メイン制御RAM290cの記憶領域に設定された確変フラグに「1」が設定されると共に、確変状態が付与されない場合は該確変フラグは「0」に設定される。また、前記確変回数は、メイン制御RAM290cの記憶領域に設定された確変回数カウンタに設定され、該カウンタの値は、図柄変動演出毎(特図変動表示毎)に1減算され、「0」になった場合は確変フラグが「0」に設定されるようになっている。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口27へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する(入賞し易くなる)入賞容易状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口27を開放する始動用開閉部材29bの開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口27へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての第2始動入賞口27を開放する開閉扉27aの開放時間を増やすに際しては、開閉扉27aの開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉扉27aの開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称するものとし、実施例の変短状態は上記(1)〜(3)を組み合わせて設定されている。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口27へパチンコ球が入賞し易くなった入賞容易状態である。
実施例では、非変短状態において普図表示部85で行われる普図変動表示の変動時間が2000msに設定され、変短状態において普図表示部85で行われる普図変動表示の変動時間が非変短状態よりも短い240msに設定されており、変短状態の付与に伴い普図表示部85で行われる普図変動表示の変動時間が短縮されるようになっている。また、非変短状態における普図当り確率が低確率(実施例では、1/65536)に設定されると共に、変短状態における普図当り確率が高確率(実施例では、65535/65536)に設定されており、変短状態の付与に伴い普図当り確率が低確率から高確率に変動するようになっている。なお、実施例において、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、500msに設定されている。
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで開閉扉27aが開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示において第1当り普図で当選した場合(普図当りの場合)に、開閉扉27aが開放してから所定時間(実施例では300ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行い、普図変動表示において第2当り普図で当選した場合(普図当りの場合)に、開閉扉27aが開放してから所定時間(実施例では320ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示において第1当り普図および第2当り普図で当選した場合(普図当りの場合)に、開閉扉27aは開放してから所定時間が経過するまで開放状態を維持する開放動作を3回行うようになっている。なお、実施例では、変短状態が付与されている状態で第1当り普図で当選した場合は、1回目の開放時間が1520ms、2回目の開放時間が1780ms、3回目の開放時間が2040msと夫々異なるように設定されているのに対し、第2当り普図で当選した場合の各開放時間は1780msと共通にしてある。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、開閉扉27aの合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口27への入賞を許容する入賞上限数(実施例では10個)が設定されており、前記開閉扉27aを開放してからの入賞数が入賞上限個数(閉鎖条件)に達することで、開閉扉27aを閉鎖させるようになっている。
実施例では、大当り判定に当選した時点における遊技状態および大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される変動回数(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。なお、遊技状態および大当り図柄の種類による変短回数の違いについては、後述大当り遊技の説明に関連して説明する。
ここで、後述するように大当り遊技の終了後に変短状態が付与される場合は、メイン制御RAM290cの記憶領域に設定された変短フラグに「1」が設定されると共に、変短状態が付与されない場合は該変短フラグは「0」に設定される。また、前記変短回数は、メイン制御RAM290cの記憶領域に設定された変短回数カウンタに設定され、該カウンタの値は、図柄変動演出毎(特図変動表示毎)に1減算され、「0」になった場合は変短フラグが「0」に設定されるようになっている。
ここで、前述したように、前記確変状態および変短状態は、遊技者にとっての有利度合が、これら確変状態および変短状態が付与されていない状態より高い状態であり、実施例のパチンコ機10では、該確変状態および変短状態が遊技者に付与可能な付与特典として設定される。また、確変回数や変短回数の違いによって、有利度合が異なるようになっており、実施例のパチンコ機10では、大当り遊技に関して後述するように、変短回数が異なる(有利度合が異なる)複数の付与特典が設定されている。また、実施例では、変短状態を含む付与特典について、他の付与特典と区別して特定の付与特典と指称する。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技(当り遊技)について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として第1特図表示部80Aまたは第2特図表示部80Bに大当り図柄が確定停止表示された後(図柄変動演出の終了後)に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて特別入賞装置28,29の開閉部材28b,29bが開閉動作される。すなわち、大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示部80A,80Bに大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、大当り遊技の開始を示すオープニング演出と、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(実施例では2ラウンド)だけラウンド間インターバル時間を挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出とにより構成されている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口28a,29aに規定個数(例えば、8個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、ラウンド間インターバル時間の間は、前記開閉部材28b,29bが閉鎖状態で保持される。ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置28,29の開閉部材28b,29bの開閉態様(開閉パターン)には、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数(例えば、8個)のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作を行う態様と、該長時間開放動作よりも開閉部材28b,29bの開放時間が短く設定された短時間開放動作を行う態様とが設定されている。なお、実施例では、長時間開放動作において開閉部材28b,29bが最大で25秒間開放するよう設定されると共に、短時間放動作において開閉部材28b,29bが最大で0.04秒間開放するよう設定される。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図3に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部80Aに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄B、図柄Cの3つのグループに分類されており、第1特図表示部80Aに確定停止表示された大当り図柄としての特図1に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示部80Bに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄b、図柄cの3つのグループに分類されており、第2特図表示部80Bに確定停止表示された大当り図柄としての特図2に応じた大当り遊技が付与される。ここで、100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄Aに5種類、図柄Bに35種類、図柄Cに60種類が夫々振り分けられている。また、100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄aに5種類、図柄bに35種類、図柄cに60種類が夫々振り分けられている。
(第1特図始動保留情報に基づく大当り遊技について)
前記第1特図始動保留情報(第1始動入賞口26へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU290aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図3(a)に示すように、第1始動入賞口26へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、3種類の大当り図柄(図柄A〜図柄C)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第1特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、5%の割合で大当り図柄としての図柄Aが選択され、35%の割合で大当り図柄としての図柄Bが選択され、60%の割合で大当り図柄としての図柄Cが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
(第1〜第3の大当り遊技の共通部分について)
図3(a)に示す第1特図始動保留情報に基づく第1の大当り遊技〜第3の大当り遊技について、先ず共通部分について説明し、各大当り遊技で異なる部分については個別に説明する。前記図柄Aに対応した第1の大当り遊技、前記図柄Bに対応した第2の大当り遊技、前記図柄Cに対応した第3の大当り遊技の夫々は、当該第1〜第3の大当り遊技をメイン制御CPU290aが決定した際に、第1〜第3の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される可能性のある大当り遊技として設定されている。実施例では、第1〜第3の大当り遊技は、当該第1〜第3の大当り遊技(図柄A〜図柄C)が決定された時点の遊技状態(非確変状態、確変状態、非変短状態、変短状態)に関係なく、65回の確変状態が付与されるように設定されている。
また、実施例における第1〜第3の大当り遊技は、当該第1〜第3の大当り遊技(図柄A〜図柄C)が決定された時点の遊技状態(非確変状態、確変状態、非変短状態、変短状態)に関わりなく、前記第1特別入賞装置28の第1特別入賞口28aが同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第1〜第3の大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「8個」に設定されている。また第1〜第3の大当り遊技では、1ラウンド目のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されており、1ラウンド目のラウンド遊技において前記第1特別用開閉部材34が最大で「0.04(秒)」に亘って開放動作(短時間開放動作)すると共に、2ラウンド目のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、2ラウンド目のラウンド遊技において前記第1特別用開閉部材34が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作(長時間開放動作)するようになっている。すなわち、第1〜第3の大当り遊技における1ラウンド目のラウンド遊技時間(0.04(秒))は、1回のラウンド遊技において、第1特別入賞口28aに入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。なお、第1〜第3の大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。
(第1の大当り遊技について)
前記図柄Aに対応した第1の大当り遊技は、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間(変短回数)は、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(非変短状態および変短状態)に関係なく、65回の変短状態が付与されるように設定されている。また、第1の大当り遊技におけるオープニング演出が実行されるオープニング演出時間およびエンディング演出が実行されるエンディング演出時間は、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(非変短状態および変短状態)に応じて異なるよう設定されている。具体的に、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非変短状態である場合には、オープニング演出時間として「3.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「35.0(秒)」が設定されている。また、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が変短状態である場合には、オープニング演出時間として「8.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「1.0(秒)」が設定されている。
(第2の大当り遊技について)
前記図柄Bに対応した第2の大当り遊技は、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(非変短状態および変短状態)に応じて異なるよう設定されている。具体的に、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非変短状態である場合には、当該第2の大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として25回が設定されている。また、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が変短状態である場合には、当該第2の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として65回が設定されている。
また、前記第2の大当り遊技におけるオープニング演出が実行されるオープニング演出時間およびエンディング演出が実行されるエンディング演出時間は、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(非変短状態および変短状態)に応じて異なるよう設定されている。具体的に、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非変短状態である場合には、オープニング演出時間として「3.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「6.0(秒)」が設定されている。また、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が変短状態である場合には、オープニング演出時間として「8.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「1.0(秒)」が設定されている。
(第3の大当り遊技について)
前記図柄Cに対応した第3の大当り遊技は、図柄C(第3の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄C(第3の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(非変短状態および変短状態)に応じて異なるよう設定されている。具体的に、図柄C(第3の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非変短状態である場合には、当該第3の大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として0回が設定されている。また、図柄C(第3の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が変短状態である場合には、当該第3の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として65回が設定されている。すなわち、第3の大当り遊技は、当該第3の大当り遊技が決定された時点の遊技状態が非変短状態である場合には変短状態を付与しない大当り遊技として設定されている。
また、前記第3の大当り遊技におけるオープニング演出が実行されるオープニング演出時間およびエンディング演出が実行されるエンディング演出時間は、図柄C(第3の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(非変短状態および変短状態)に応じて異なるよう設定されている。具体的に、図柄C(第3の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非変短状態である場合には、オープニング演出時間として「5.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「5.0(秒)」が設定されている。また、図柄C(第3の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が変短状態である場合には、オープニング演出時間として「8.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「1.0(秒)」が設定されている。
(第2特図始動保留情報に基づく大当り遊技について)
前記第2特図始動保留情報(第2始動入賞口27へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU290aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図3(b)に示すように、第2始動入賞口27へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、3種類の大当り図柄(図柄a〜図柄c)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第2特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、5%の割合で大当り図柄としての図柄aが選択され、35%の割合で大当り図柄としての図柄bが選択され、60%の割合で大当り図柄としての図柄cが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
(第4〜第6の大当り遊技の共通部分について)
図3(b)に示す第2特図始動保留情報に基づく第4の大当り遊技〜第6の大当り遊技について、先ず共通部分について説明し、各大当り遊技で異なる部分については個別に説明する。前記図柄aに対応した第4の大当り遊技、前記図柄bに対応した第5の大当り遊技、前記図柄cに対応した第6の大当り遊技の夫々は、当該第4〜第6の大当り遊技をメイン制御CPU290aが決定した際に、第4〜第6の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される可能性のある大当り遊技として設定されている。実施例では、第4〜第6の大当り遊技は、当該第4〜第6の大当り遊技(図柄a〜図柄c)が決定された時点の遊技状態(非確変状態、確変状態、非変短状態、変短状態)に関係なく、65回の確変状態が付与されるように設定されている。
また、実施例における第4〜第6の大当り遊技は、当該第4〜第6の大当り遊技(図柄a〜図柄c)が決定された時点の遊技状態(非確変状態、確変状態、非変短状態、変短状態)に関わりなく、前記第2特別入賞装置29の第2特別入賞口29aが同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第4〜第6の大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「8個」に設定されている。また第10〜第18の大当り遊技では、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記第2特別用開閉部材37が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作(長時間開放動作)するようになっている。すなわち、第2特図始動保留情報に基づく第4〜第6の大当り遊技は、前記第1特図始動保留情報に基づく第1〜第3の大当り遊技に比べて、獲得可能な賞球数の点で有利な(獲得可能な利益が大きな)大当り遊技として設定されている。なお、第4〜第6の大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。
(第4の大当り遊技について)
前記図柄aに対応した第4の大当り遊技は、図柄a(第4の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間(変短回数)は、図柄a(第4の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(非変短状態および変短状態)に関係なく、65回の変短状態が付与されるように設定されている。また、第4の大当り遊技におけるオープニング演出が実行されるオープニング演出時間およびエンディング演出が実行されるエンディング演出時間は、図柄a(第4の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(非変短状態および変短状態)に応じて異なるよう設定されている。具体的に、図柄a(第4の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非変短状態である場合には、オープニング演出時間として「5.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「25.0(秒)」が設定されている。また、図柄a(第4の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が変短状態である場合には、オープニング演出時間として「1.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「1.0(秒)」が設定されている。
(第5の大当り遊技について)
前記図柄bに対応した第5の大当り遊技は、図柄b(第5の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄b(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(非変短状態および変短状態)に応じて異なるよう設定されている。具体的に、図柄b(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非変短状態である場合には、当該第5の大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として25回が設定されている。また、図柄b(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が変短状態である場合には、当該第5の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として65回が設定されている。
また、前記第5の大当り遊技におけるオープニング演出が実行されるオープニング演出時間およびエンディング演出が実行されるエンディング演出時間は、図柄b(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(非変短状態および変短状態)に応じて異なるよう設定されている。具体的に、図柄b(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非変短状態である場合には、オープニング演出時間として「1.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「1.0(秒)」が設定されている。また、図柄b(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が変短状態である場合には、オープニング演出時間として「1.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「1.0(秒)」が設定されている。
(第6の大当り遊技について)
前記図柄cに対応した第6の大当り遊技は、図柄c(第6の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄c(第6の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(非変短状態および変短状態)に応じて異なるよう設定されている。具体的に、図柄c(第6の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非変短状態である場合には、当該第6の大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として0回が設定されている。また、図柄c(第6の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が変短状態である場合には、当該第6の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として65回が設定されている。すなわち、第6の大当り遊技は、前記第17の大当り遊技と同様に当該第6の大当り遊技が決定された時点の遊技状態が非変短状態である場合には変短状態を付与しない大当り遊技として設定されている。
また、前記第6の大当り遊技におけるオープニング演出が実行されるオープニング演出時間およびエンディング演出が実行されるエンディング演出時間は、図柄c(第6の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(非変短状態および変短状態)に応じて異なるよう設定されている。具体的に、図柄c(第6の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非変短状態である場合には、オープニング演出時間として「5.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「5.0(秒)」が設定されている。また、図柄c(第6の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が変短状態である場合には、オープニング演出時間として「1.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「1.0(秒)」が設定されている。
ここで、非変短状態で大当りに当選した大当り遊技の終了後の特定状態に付与可能な付与特典について具体的に説明する。実施例では、前述した如く、付与特典として確変状態と変短状態とが設定されている。また、大当り遊技の種類によって変短状態を付与する変短回数が異なるようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、確変状態のみを付与する付与特典と、確変状態および変短状態を付与する付与特典とが設定されている。すなわち、図8に示す如く、付与特典として「確変状態が65回」、「確変状態が65回+変短状態が25回」、「確変状態が65回+変短状態が65回」の3種類が設定されている。以後の説明において、「確変状態が65回」の付与特典を第1付与特典K1、「確変状態が65回+変短状態が25回」の付与特典を第2付与特典K2、「確変状態が65回+変短状態が65回」の付与特典を第3付与特典K3と指称する。なお、実施例では、前記大当り遊技が決定された場合に、全ての大当り遊技の終了後に65回の確変回数の確変状態が付与されるよう設定されているが、付与される確変回数が異なる複数種類の大当り遊技を設定した場合は、付与特典として、確変状態について付与される確変回数が異なる複数種類を設定することができる。
前記第1〜第3付与特典K1〜K3における遊技者にとっての有利度合いの大小関係は、確変状態および変短状態の有・無および変短回数に基づいて判断すると、第1付与特典K<第2付与特典K2<第3付与特典K3という関係となる。すなわち、第1〜第3付与特典K1〜K3の中で、第3付与特典K3が遊技者にとって有利度合いが最も高い有利な付与特典として設定されている。そして、実施例のパチンコ機10では、図3に示す如く、当該パチンコ機10に設定されている大当り遊技が決定された時点の遊技状態が変短状態である場合は、大当り遊技の終了後に第3付与特典K3が付与されるよう構成されている。すなわち、変短状態で大当り判定で当りと判定された場合は、実施例のパチンコ機10に設定されている遊技者にとって有利度合いが最も高い第3付与特典K3が付与されるよう構成されている。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図7に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段、遊技制御手段)290と、該メイン制御基板290からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段、演出制御手段)291,292とが設けられている。すなわち、メイン制御基板290では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板291,292に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板291と、後述する第1表示装置103および前記第2表示装置104での表示内容を制御する表示制御基板292と、パチンコ機10が備える各種ランプ装置や後述する発光演出装置270等の発光演出手段の発光制御を行う発光制御手段としてのランプ制御基板293と、パチンコ機10が備えるスピーカ64(図1参照)の音出力制御を行う音制御手段としての音制御基板294とを備えている。すなわち、メイン制御基板290が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板291が表示制御基板292、ランプ制御基板293および音制御基板294を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板292は、演出制御基板291から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、第1表示装置103および第2表示装置104に表示される飾図(図柄)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板293は、演出制御基板291から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度、発光態様等を制御する発光制御プログラムが記憶されている。そして、音制御基板294は、演出制御基板291から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ64からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
(メイン制御基板290について)
前記メイン制御基板290は、図7に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU(遊技制御手段)290a、該メイン制御CPU290aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM290b、当該メイン制御CPU290aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM290c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ45,46、特別入賞検出センサ47,48、ゲートセンサ67,68等の各種センサが前記メイン制御CPU290aに接続されている。また、メイン制御CPU290aには、第1および第2特図表示部80A,80B、第1および第2特図保留表示部82,83、普図表示部85、普図保留表示部86、ラウンド表示部87、状態表示部88、右打ち表示部89等の各表示部が接続されて、各検出センサ45,46,47,48の検出を契機としてメイン制御CPU290aで実行された制御処理に基づいて、各表示部50A,50B,52,53,55,56の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU290aには、前記第2始動入賞口27および特別入賞装置28,29に設けられたソレノイド73,74,75が接続されており、該メイン制御CPU290aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド73,74,75を駆動させることで、対応する開閉扉27aおよび開閉部材28a,29aが開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU290aは、当り遊技の種類に応じた開閉態様で開閉部材28b,29bが開閉するよう前記特別入賞ソレノイド74,75を駆動制御し、開閉部材28b,29bを長時間開放動作させる長時間開放制御および開閉部材28b,29bを短時間開放動作させる短時間開放制御を実行するよう構成される。
メイン制御CPU290aは、第1始動入賞口26または第2始動入賞口27へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ45または第2始動入賞検出センサ46がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての判定用乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU290aが取得する判定用乱数(入賞情報)としては、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、特図変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数、普図決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU290aがこれらの値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM290cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサ45,46の検出信号がメイン制御CPU290aに入力されたタイミングに応じた判定用乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU290aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM290cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
前記特図当り判定用乱数は、特図変動表示(図柄変動演出)の結果として大当り遊技(当り遊技)を発生するか否かの大当り判定(当り判定)で用いる乱数である。実施例では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示部80Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部80Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りの当選を示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部80Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部80Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサ45の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部80Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサ46の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部80Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が大当り遊技(当り遊技)の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与される可能性が定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与することが可能な乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した大当り判定(当り判定)における判定結果が否定となった場合に(大当り遊技に当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
前記特図変動パターン振分用乱数は、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される特図変動表示(図柄変動演出)の内容および該特図変動表示(図柄変動演出)の変動時間を特定する複数の特図変動パターン(変動パターン)から1つの特図変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。実施例では、特図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「250」の全251通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機では、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数および特図変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口26または第2始動入賞口27へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ45または第2始動入賞検出センサ46がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM290cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU290aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口26へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口27へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口26,27への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU290aが取得するようになっている。
また、前記メイン制御CPU290aは、前記ゲート部材65,66をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ67,68がパチンコ球を検出したこと)を契機として通過検出情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU290aがゲートセンサ67,68の検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU290aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM290cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサ67,68の検出信号がメイン制御CPU290aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU290aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM290cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記ゲートセンサ67,68をパチンコ球が通過した際に取得される通過(入球)検出情報(各種乱数値,入球情報)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM290cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM290cに記憶する順序で記憶する普図記憶領域が定まっており、普図始動保留情報に基づいて前記普図表示部85で普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM290cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU290aにより読み出されるようになっている。
前記普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として第2始動入賞口27の開閉扉27aを開放して第2始動入賞口27へのパチンコ球の入賞を可能とする普図当り(普通当り)かを判定する普図当り判定(普通当り判定)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記普図変動パターン決定用乱数は、普図変動表示における普図変動の変動時間を定めた普図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、普図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「8」の全9通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。そして、ゲート部材65,66をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ67,68がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM290cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図変動パターン決定用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU290aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、前記メイン制御ROM290bには、特図変動表示(図柄変動演出)の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では2522個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では2521個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当りが発生し易くなっている。
また、前記メイン制御ROM290bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示部80Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部80Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した100種類の特図決定用乱数に対応した「0」〜「99」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROM290bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、大当り判定(当り判定)の結果が否定の場合に、当り表示が第2表示装置104に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された演出実行判定用乱数の値が、設定された演出実行判定値と一致する場合に、リーチ演出等の演出を実行させることをメイン制御CPU290aが決定するようになっている。
また、前記メイン制御ROM290bには、普図変動表示の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
更にまた、前記メイン制御ROM290bには、変動内容を特定する複数種類の特図変動パターン(変動パターン)が記憶されており、各特図変動パターンに対応して特図変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される表示内容(特図変動表示の内容、図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(特図変動表示および図柄変動演出の時間)を特定している。特図変動パターン振分判定値は、前記特図変動パターン振分用乱数を用いて特図変動パターンの決定に用いる判定値であり、特図変動パターン毎に所定の判定値が割当てられており、取得された特図変動パターン振分用乱数に対応する特図変動パターン振分判定値が割り当てられた特図変動パターンが特定されるようになっている。
前記メイン制御ROM290bに記憶される特図変動パターンには、当り用の特図変動パターンと、はずれ用の特図変動パターンとに分類されており、遊技演出モードに応じて特図変動パターン毎に特定の特図変動パターン振分判定値が定められている。なお、当り用の特図変動パターンは、大当り判定の結果が肯定の場合に決定可能な特図変動パターンである。また、はずれ用の特図変動パターンは、当り判定(大当り判定)の結果が否定の場合に選択される特図変動パターンである。そして、はずれ用の特図変動パターンには、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとするリーチはずれ特図変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするはずれ特図変動パターンとがある。なお、リーチ演出は、図柄変動演出においてリーチ表示となる有効図柄の図柄組み合わせが第2表示装置104に表示されてから、当り表示(大当り表示)またははずれ表示となる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
ここで、前記リーチ演出は、当り表示が表示される可能性を示唆する演出であって、第2表示装置104に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われる。なお、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、リーチ演出以外に、1回の図柄組み合わせ演出において各図柄列L,C,Rの飾図を複数回連続的に仮停止させる擬似連続予告演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、第2表示装置104に当り表示される可能性を示唆する予告演出や、発光演出装置270の光やスピーカ64から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出がある。
(演出制御基板291について)
前記演出制御基板291には、演出制御CPU(演出実行制御手段)291aが備えられている。該演出制御CPU291aには、図7に示す如く、演出制御ROM291bおよび演出制御RAM291cが接続されている。また、演出制御CPU291aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM291cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ここで、前記演出制御ROM291bには、図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。前記演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU290aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを演出制御CPU65aが決定するようになっている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して複数の演出パターンが対応付けられている。また、演出パターンには、図柄変動演出において各図柄列L,C,Rの飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列L,C,Rに飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ64から適宜の効果音が出力されたり、発光演出装置270が適宜の発光を行ったりするようになっている。
前記演出制御ROM291bには、表示制御基板292、ランプ制御基板293および音制御基板294を統括的に制御するための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御CPU291aは、メイン制御基板290から各種制御コマンドが入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
また、前記演出制御基板291は、前記可動演出装置100の回転可動体102を回転動作させるパルスモータである駆動モータ135(図7参照)に対して、該駆動モータ135を駆動するためのパルス信号を出力する駆動動作部を備えている。演出制御CPU291aは、演出制御ROM291bに記憶された演出制御プログラムに基づいてパルス信号を前記駆動モータ135に出力することで、該駆動モータ135が駆動して回転可動体102が回転動作するようになる。なお、実施例では、演出制御基板291に備えられた駆動制御部から出力されるパルス信号に基づいて、駆動モータ135が1440ステップすることで、回転可動体102が第1演出位置から該第1演出位置まで1回転するよう設定されている。すなわち、駆動モータ135が720ステップすることで、回転可動体102が第1演出位置から1/2回転して第2演出位置となる。
(表示制御基板292について)
次に、図7に基づき表示制御基板292について説明する。表示制御基板292には、表示制御CPU292aが備えられている。この表示制御CPU292aには、表示制御ROM292bおよび表示制御RAM292cが接続されている。また、表示制御基板292(表示制御CPU292a)には、第1表示装置103および第2表示装置104が接続されている。表示制御ROM292bには、第1表示装置103および第2表示装置104の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM292bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM292cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
すなわち、前記第1始動入賞口26または第2始動入賞口27への入賞(始動条件の成立)を契機として乱数等の入賞情報を取得する入賞情報取得手段としての機能を前記メイン制御CPU290aが備えている。また、第1始動入賞口26または第2始動入賞口27への入賞(始動条件の成立)を契機として当り判定(大当り判定)を実行する当り判定手段、複数種類の当り遊技(大当り遊技)の中から付与する当り遊技(大当り遊技)の種類を決定する当り遊技決定手段および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU290aが備えている。具体的に、実施例のメイン制御CPU290aは、第1始動入賞口26または第2始動入賞口27への入賞を契機として大当り判定する大当り判定手段としての機能を備えている。メイン制御CPU290aは、当り判定手段としてのメイン制御CPU290aが当りと判定した場合に、前記メイン制御ROM290bが記憶する複数種類の図柄(特図)から図柄(特図)を決定する図柄決定手段としての機能を備えている。メイン制御CPU290aは、前記第1始動入賞口26または第2始動入賞口27への入賞に基づいて、前記メイン制御ROM290bが記憶する複数種類の特図変動パターン(変動パターン)から特図変動パターンを決定する特図変動パターン決定手段(変動パターン決定手段)としての機能を備えている。具体的には、特図変動パターン決定手段としてのメイン制御CPU290aは、特図変動パターンテーブルに定められた複数の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定するよう構成される。また、特図変動パターンは、大当り遊技における変動時間を特定するものであるから、該特図変動パターン決定することで、大当り遊技の遊了を示すエンディング演出が実行されるエンディング演出時間が決定される。また、前述した如く、大当り遊技には、エンディング演出時間が異なる大当り遊技が設定されて、該大当り遊技を複数種類の中からメイン制御CPU290aが決定することから、該メイン制御CPU290aは、エンディング演出時間を決定するエンディング演出時間決定手段としての機能を備えている。
前記メイン制御CPU290aは、大当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が大当りとなる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するかを決定する確変決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU290aは、大当りが発生する場合(大当り判定手段の判定結果が大当りの場合)にのみ、確変状態を付与するかを判定するようになっている。また、前記メイン制御CPU290aは、大当りが発生する場合(大当り判定手段の判定結果が大当りの場合)に、通常の遊技状態より第2始動入賞口27へパチンコ球が入賞し易くなる(高確率となる)特典状態(付与特典)としての入賞容易状態(変短状態)を付与するかを判定する入賞容易状態判定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に、決定された入賞容易状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU290aは、大当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間の期間を、入賞容易状態付与期間として決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU290aは、当り判定の判定結果が当りの場合に、第1始動入賞口26または第2始動入賞口27への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態や変短状態)を付与するかを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。
実施例では、大当り遊技として、大当り遊技後に変短状態を付与する変短回数(付与特典)が異なる複数種類が設定されており、当りを契機として大当り遊技を決定するメイン制御CPU290aは、当りを契機として有利度合が異なる付与特典の中から付与特典を付与可能な特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM290cは、第2表示装置104で図柄変動演出が行われている間(すなわち第1および第2特図表示部80A,80Bで特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報を特図始動保留情報として複数記憶可能な特図保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(第2表示装置104や第1特図表示部80A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサ45の検出を契機として取得される入賞情報を第1特図始動保留情報として記憶する第1特図保留記憶手段および表示手段(第2表示装置104や第2特図表示部80B)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサ46の検出を契機として取得される入賞情報を第2特図始動保留情報として記憶する第2特図保留記憶手段として機能する。
次に、前記メイン制御基板290のメイン制御CPU290aが制御プログラムに基づき実行する特図入力処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、始動入賞装置25の第1始動入賞口26にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU290aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU290aは、第1始動入賞口26に対応する第1始動入賞検出センサ45がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU290aは、メイン制御RAM290cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU290aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM290cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM290cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図決定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU290aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM290cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、始動入賞装置25の第2始動入賞口27にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU290aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU290aは、第2始動入賞口27に対応する第2始動入賞検出センサ46がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU290aは、メイン制御RAM290cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU290aは、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM290cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM290cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図決定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU290aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM290cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。これにより、特図入力処理が終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。実施例では、前記第1始動入賞口26および第2始動入賞口27に入賞した順で特図始動保留情報を読み出して大当り判定等を行うよう構成されている。すなわち、第1および第2始動入賞口26,27に入賞した際に前記メイン制御RAM290cに記憶される第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報に関し、メイン制御CPU290aは始動入賞口26,27への入賞順を認識し得るよう構成されている。
前記メイン制御CPU290aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU290aは、特図表示部80A,80Bおよび第2表示装置104において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU290aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU290aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU290aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM290cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU290aが特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM290cの所定の記憶領域に記憶されている当該特図始動保留情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU290aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU290aは、最も早く記憶した特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU290aは、特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU290aは、第3特図記憶領域の特図始動保留情報を第2特図記憶領域に記憶させ、第4特図記憶領域の特図始動保留情報を第3特図記憶領域に記憶させ、第5特図記憶領域の特図始動保留情報を第4特図記憶領域に記憶させ、第6特図記憶領域の特図始動保留情報を第5特図記憶領域に記憶させ、第7特図記憶領域の特図始動保留情報を第6特図記憶領域に記憶させ、第8特図記憶領域の特図始動保留情報(最も新しい特図始動保留情報)を第7特図記憶領域に記憶させる。このようにして、始動入賞口26,27への入賞順で記憶した特図始動保留情報(第1および第2特図始動保留情報)を若い特図記憶領域に順にシフトして記憶させる。すなわち、特図始動保留情報は、メイン制御RAM290cに記憶された順序でメイン制御CPU290aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU290aは、減算後の特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部82または第2特図保留表示部83の表示を変更させる。すなわち、読み出された特図始動保留情報が第1特図始動保留情報であれば、対応する第1特図保留表示部82の表示を変更させ、読み出された特図始動保留情報が第2特図始動保留情報であれば、対応する第2特図保留表示部83の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU290aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM290bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB18)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、2521/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、2522/65536に設定されている。そして、ステップB18における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB19)。そして、メイン制御CPU290aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1または第2特図表示部80A,80Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1または特図2)を決定する(ステップB20)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1または特図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU290aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1または特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU290aは、大当り図柄が確変状態を付与する大当り図柄の場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄の場合に確変フラグを「0」に設定する。また、大当り図柄が変短状態を付与する大当り図柄の場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄の場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされると、変短フラグが「0」に設定される。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU290aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB21)。
一方、ステップB18の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU290aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB23)。実施例では、メイン制御CPU290aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM290cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB23の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU290aは、第1または第2特図表示部80A,80Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1または特図2)として決定する(ステップB24)。次に、メイン制御CPU290aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
また、ステップB23での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU290aは、第1または第2特図表示部80A,80Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1または特図2)として決定する(ステップB26)。次に、メイン制御CPU290aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB27)。
ここで、ステップB21,B25,B27において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1または特図2)を決定したメイン制御CPU290aは、演出制御基板291に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB22)。具体的には、メイン制御CPU290aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力すると共に、特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU290aは、第1または第2特図変動表示を開始させるように第1または第2特図表示部80A,80Bを制御する。また、メイン制御CPU290aは、最終停止図柄となる特図1または特図2を指示するための特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU290aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU290aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1または第2特図表示部80A,80Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU290aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU290aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB16)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB17)。また、ステップB16の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU290aは、特図開始処理を終了する。
(演出制御について)
次に、演出制御基板291で実行される処理について説明する。演出制御基板291の演出制御CPU291aは、前記メイン制御CPU290aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板292やランプ制御基板293、音制御基板294等に出力する。演出制御CPU291aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて第2表示装置104に最終停止表示させる各図柄列L,C,Rの飾図を決定する。すなわち、演出制御CPU291aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列L,C,Rの飾図が決定される。
また、メイン制御CPU290aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、確変フラグおよび変短フラグを演出制御CPU291aが設定するようになっている。具体的には、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、確変状態を付与する大当り図柄に対応する場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に確変フラグを「0」に設定する。また、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、変短状態を付与する大当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に変短フラグを「0」に設定する。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列L,C,Rの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板292やランプ制御基板293、音制御基板294等に出力する。具体的には、演出制御CPU60aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列Lの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列Rの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列Cの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記演出制御CPU291aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、演出制御CPU291aは、はずれリーチ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、演出制御CPU291aは、はずれ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、演出制御CPU291aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板292やランプ制御基板293、音制御基板294等に出力する。
(表示制御について)
前記表示制御基板292では、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU292aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように第2表示装置104を制御する。そして、表示制御CPU292aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう第2表示装置104に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU292aは、各図柄列L,C,Rの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄列L,C,Rの有効停止位置に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列L,C,Rの有効停止位置に飾図指定コマンドで指示された飾図を第2表示装置104に確定停止表示させるように第2表示装置104の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。
ここで、前記第2表示装置104で実行される図柄変動演出の内容は、メイン制御CPU290aから出力される特図変動パターン指定コマンドまたは演出制御CPU291aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、メイン制御CPU290aおよび演出制御CPU291aが図柄変動演出の内容を特定する演出内容を決定する図柄変動演出決定手段としての機能を有している。
また、前記表示制御基板292は、演出制御基板291からの演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU292aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で第2表示装置104を制御する。
(設置部材50について)
遊技盤20の後側に取付けられる設置部材(遊技機構成部材)50は、図9(b)、図10および図11に示すように、前方に開放する略矩形のケース状に形成された部材であって、前側の開放端を遊技盤20の後面に突き合わせた状態で該遊技盤20に取付けられる。設置部材50は、遊技盤20の後面に対して所要の間隔で略平行に対向する設置壁部(壁部)51と、この設置壁部51の周縁から前方へ延出形成された外周壁部52と、この外周壁部52の前端から外方に向けて屈曲した形状に形成された取付板部53とを備えている。すなわち設置部材50は、外周壁部52で囲われて遊技盤20側に開放する前部開口が略矩形状に形成されると共に、取付板部53の外周縁が、遊技盤20の外周縁より一回り小さい形状および大きさで形成されている。そして設置部材50は、取付板部53を遊技盤20の後面にネジ止めすることで該遊技盤20に取付けられ、遊技盤20の後面と該後面から離間した設置壁部51の前側との間に空間を画成する。
図9(b)、図10および図11に示すように、設置壁部51は、上下中央よりも下方となる位置に段差が設けられて、該段差より上側の上壁部51aが、該段差より下側の下壁部51bよりも後方に位置している。設置壁部51の上壁部51aの前側には、可動演出装置100および発光演出装置270等を取付けるための設置部が設けられている。また、上壁部51aの後側には、当該パチンコ機10の遊技演出を統括的に制御する演出制御基板291の設置部と、可動演出装置100に配設された第1表示装置103および第2表示装置104の表示演出を制御するサブ制御手段としての表示制御基板(表示制御手段)292(図7参照)の設置部が設けられている。実施例では、設置壁部51の後側から見て、上壁部51aの右側領域が演出制御基板291の基板ケースの設置部とされ、該上壁部51aの左側領域が表示制御基板292の基板ケースの設置部とされている。
図10に示すように、設置壁部51の下壁部51bの後側には、中継基板57を設置する中継基板設置部55が設けられている。実施例の中継基板設置部55は、複数の中継基板57を、左右に並べて設置可能に構成されている。また、図9(b)および図10に示すように、下壁部51bの後側には、中継基板設置部55に設置された中継基板57を挟んだ後方に、前述したメイン制御基板290を取り付けるための基板保持部材58が取付けられている。ここで、中継基板57としては、演出制御基板291と、該演出制御基板291により制御される各装置とを電気的に接続するものと、メイン制御基板290のメイン制御基板と、該メイン制御基板290により制御される各装置とを電気的に接続するものと、表示制御基板292と、第1表示装置103および第2表示装置104とを電気的に接続するもの等がある。
また、図9(b)、図10および図11に示すように、設置壁部51には、前後に開口する開口部54が形成されている。この開口部54には、設置壁部51の上壁部51aの前側に可動演出装置100を配設した際に、該可動演出装置100のベース体(取付部)101により塞がれる形状に形成されている。そして、設置壁部51の前側に可動演出装置100を取付けた状態では、該可動演出装置100のベース体101の後面が、開口部54を介して設置部材50の後側へ露出されるよう構成されている。そして、可動演出装置100のベース体101の後面にユニット収容設置部119が設けられており、該ユニット収容設置部119が開口部54を介して設置部材50の後側に露出するように構成されている()。これにより実施例では、ユニット収容設置部119に配設される回転接続ユニット160の着脱作業が、開口部54を介して行うことが可能に構成されている。
(可動演出装置100について)
次に、可動演出装置100について、図面を引用して説明する。なお、以降の可動演出装置100の構成に関連する説明においては、該可動演出装置100の第1演出状態に対応する第1演出位置(図2、図10、図12、図14、図30)にある場合を基準として、上下、左右および前後を指称する。
実施例の可動演出装置100は、図2、図10、図12および図14に示すように、設置部材50に取付けられるベース体101と、このベース体101に回転自在に配設される回転可動体(可動手段)102とを備えている。そして、可動演出装置100は、回転可動体102に配設されて該回転可動体102の回転に伴って姿勢変位する第1表示装置103と、ベース体101に固定されて姿勢変位しない前記第2表示装置104とを備えている。また、回転可動体102には、第1表示装置103の表示部103aに表示された演出内容を反射可能で、かつ第2表示装置104の表示部104aに表示された演出内容を透過可能なハーフミラー部(演出表示部)105が設けられている。そして、実施例の可動演出装置100は、駆動機構106による回転可動体102の回転に伴って、ハーフミラー部105が第2表示装置104の前側を移動するようになり、該ハーフミラー部105と第2表示装置104とが前後方向で重なった状態(図2、図10、図12、図14、図30参照)(以降「第1演出状態」という)と、該ハーフミラー部105を該第2表示装置104の前側から外れて位置させて、該ハーフミラー部105と第2表示装置104とが前後で重ならない状態(以降「第2演出状態」という)(図20、図31参照)とに変更することが可能である。これにより、第1演出状態とした場合には、第1表示装置103の表示部103aでの演出および第2表示装置104の表示部104aでの演出を重ねて表示可能となり、第2演出状態とした場合には、第1表示装置103の表示部103aでの演出および第2表示装置104の表示部104aでの演出を、異なる位置で表示可能となるよう構成されている。
(ベース体101について)
前記ベース体101は、図10、図12〜図14に示すように、縦長の矩形状を基本として適宜部位を凹凸させた外縁輪郭形状の板状に構成されている。ベース体101の上下幅は、設置部材50の設置壁部51における上壁部51aの上下幅と略同じく、該ベース体101の左右幅は、該上壁部51aの左右幅の略1/2程度となっている(図10、図11参照)。そしてベース体101は、前述したサイズに形成されたベース部材110と、該ベース部材110の上部前側に組付けられたカバー部材111とを備えている。ベース部材110は、図22に示すように、ベース板部112と、このベース板部112から前方へ突出すると共に該ベース板部112の外縁に沿って延在する外縁リブ113とを備えている。またベース部材110は、ベース板部112の前面に、前方へ突出すると共に上下方向へ延在する補強リブ114や、前方へ延出すると共に左右方向へ延在する補強リブ114が、複数形成されている。これによりベース部材110は、外縁リブ113および補強リブ114により剛性の向上が図られており、撓み変形や捻れ変形が発現し難く構成されている。そして、外縁リブ113の外側には、ネジ挿通孔が形成された複数(実施例では6個)の取付片115が設けられている。各取付片115は、設置部材50の設置壁部51の前面に突設された各固定ボス61(図11参照)と個別に対応しており、ネジ挿通孔に挿通させたネジを固定ボス61のネジ締結孔へ締結することで、設置壁部51の上壁部51aの前面にベース体101が取付けられる。
図14および図22に示すように、前記ベース体101の前面における上下中央部に、回転可動体102が回転可能に配設される。また、ベース体101の前面における回転可動体102の配設部位の上方に、該回転可動体102を回転させる駆動機構106が配設されると共に、該ベース体101の前面における該回転可動体102の配設部位の下方に、前述した第2表示装置104が配設される。すなわち、ベース体101の前側には、駆動機構106、回転可動体102および第2表示装置104が、上下に並んで配設されるようになっている。なお、以降の説明においては、回転可動体102の配設部を第1配設部116、駆動機構106の配設部を第2配設部117、第2表示装置104の配設部を第3配設部118と指称する。一方、図14に示すように、ベース体101の後側において、回転可動体102の配設部位の後ろとなる位置に、後述する回転接続ユニット160を設置するためのユニット収容設置部119が設けられている。
(回転可動体102の支持構造について)
前記ベース体101の第1配設部116には、図15および図22に示すように、回転可動体102を回転可能に支持する回転支持手段としての回転支持ホイール121,122,123が設けられている。回転支持ホイール121,122,123は、前後方向に延在する回転軸線L(図10、図14、図15および図21参照)を中心とした回転可動体102の回転を許容しながら該回転可動体102を支持するよう構成したものである。回転支持ホイール121,122,123は、回転軸線Lを中心とする円の周方向へ所要間隔毎に複数設けられている。実施例では、回転軸線Lを中心する円上において、3つの回転支持ホイール121,122,123が周方向へ等間隔で配設されており、これにより回転可動体102は120°の間隔で3点支持されている。ここで、第1回転支持ホイール121は、回転軸線Lの垂直上方に設けられた支持軸124に回転自在に配設されている。第2回転支持ホイール122は、回転軸線Lの左斜め下方に設けられた支持軸125に回転自在に配設されていると共に、第3回転支持ホイール123は、該回転軸線Lの右斜め下方に設けられた支持軸126に回転自在に配設されている。すなわち、第2回転支持ホイール122および第3回転支持ホイール123は、第1回転支持ホイール121の回転軸124を通る垂直線に対して左右対称となる位置に配設されている。これにより、第2回転支持ホイール122および第3回転支持ホイール123が、回転可動体102の重量を実質的に受けるよう構成されている。
前記第1回転支持ホイール121は、図15、図21(a)および図22に示すように、回転可動体102における後述するフランジ部185の前側に位置して該フランジ部185の前面に接触可能な第1前回転体121aと、フランジ部185の後側に位置して該フランジ部185の後面に接触可能な第1後回転体121bとからなる。第1前回転体121aと第1後回転体121bとの間には、回転可動体102のフランジ部185が嵌合する嵌合溝121cが形成されている。これにより、第1回転支持ホイール121は、第1前回転体121aおよび第1後回転体121bにより、該フランジ部185の周方向への回転を許容すると共に、で該フランジ部185の前後方向の移動を規制可能に構成されている。なお、実施例では、第1後回転体121bを、前述した駆動機構106を構成する従動ギア139が兼用している。
前記第2回転支持ホイール122および第3回転支持ホイール123は、図15、図21(a)および図22に示すように、同じ構成となっている。第2回転支持ホイール122および第3回転支持ホイール123は、回転可動体102のフランジ部185の前側に位置して該フランジ部185の前面に接触可能な円板状の第2前回転体122a,123aと、フランジ部185の後側に位置して該フランジ部185の後面に接触可能な円板状の第2後回転体122b,123bと、両回転体122a,122b/123a,123bより小径に形成されて両回転体122a,122b/123a,123bの間に介挿された第2中間回転体122c,123cとから構成されている。従って、第2回転支持ホイール122および第3回転支持ホイール123は、フランジ部185が嵌合する嵌合溝122d,123dが第2前回転体122a,123aおよび第2後回転体122b,123bの間に形成されており、該第2前回転体122a,123aおよび第2後回転体122b,123bで該フランジ部185の前後方向の移動を規制すると共に、第2中間回転体122c,123cで該フランジ部185の外周端を当て受けるよう構成されている。そして、第2回転支持ホイール122を回転自在に支持する支持軸125の前端が、ベース部材110のベース板部112に固定される左支持部材127により保持されると共に、第3回転支持ホイール123を回転自在に支持する支持軸126の前端が、ベース体101のベース板部112に固定される右支持部材128により保持されている。
(第2配設部117について)
前記第2配設部117は、図12、図14および図22に示すように、ベース部材110のベース板部112と、該ベース板部112と間隔をおいて該ベース板部112の前側に取付けられた前述のカバー部材111とで構成されている。ベース部材110のベース板部112とカバー部材111との間には、駆動機構106のギア列136を収容可能な空間が形成されている。そしてカバー部材111には、駆動機構106を構成する駆動手段としての駆動モータ135が設置されるモータ設置部130が設けられている。モータ設置部130には、駆動モータ135の駆動軸135aが挿通可能な軸挿通口130aが形成されている。また、ベース板部112には、中間ギア138を回転自在に支持するギア支持軸131が設けられている
(駆動機構106について)
前記第2配設部117に配設される前記駆動機構106は、図21および図22に示すように、駆動手段としての駆動モータ135と、該駆動モータ135と回転可動体102とを連係する連係手段としてのギア列136とを備えている。駆動モータ135は、演出制御基板291に備えられた駆動制御部から出力されるパルス信号に基づいて、該パルス信号の1パルスに対してモータ回転子が所定のステップ角で回転変位することで、回転方向および回転速度が制御可能なパルスモータ(ステッピングモータ)である。そして、駆動モータ135は、駆動軸135aを後側に向けた姿勢でカバー部材111のモータ設置部130に対して前側から固定され、カバー部材111とベース板部112との間の空間へ駆動軸135aが突出するようになる。また、ギア列136は、駆動モータ135の駆動軸135aに固定された駆動ギア137と、該駆動ギア137に噛み合う中間ギア138と、該中間ギア138に噛み合うと共に、回転可動体102に設けられた回転ギア186に噛み合う従動ギア139とを備えている。駆動ギア137、中間ギア138および従動ギア139は、何れも平歯車である。中間ギア138は、ベース板部112に設けられた前述のギア支持軸131に回転自在に支持されている。また、従動ギア139は、前述したように、第1回転支持ホイール121の第1後回転体121bを兼用している。従って、駆動機構106は、演出制御基板291により駆動モータ135を正逆回転するよう駆動制御すると、駆動ギア137、中間ギア138および従動ギア139が正逆回転することで、回転ギア186が回転して回転可動体102を正逆回転させ得る。
(第3配設部118について)
前記第3配設部118は、図14および図22に示すように、横長に構成された第2表示装置104を固定する一対の固定ステー140,140が、ベース部材110のベース板部112に取付けられている。各固定ステー140,140は、ベース体101に固定される取付部141と、該取付部141に一体に設けられた支持部142とを備えている。そして、各固定ステー140,140は、第2表示装置104の表示部104aが前方斜め上方を向いた傾斜姿勢で、該第2表示装置104をベース体101に固定するようになっている。
(ユニット収容設置部119について)
前記ユニット収容設置部119は、図13、図14、図16および図19に示すように、ベース体101における前記回転可動体102の配設側と反対側に、回転接続ユニット160を収容状態で設置可能な凹状に形成されている。このユニット収容設置部119は、ベース部材110のベース板部112において、回転可動体102の回転軸線Lを中心とした円形状をなして、該ベース板部112の前面よりも前側へ突出すると共に、該ベース板部112の後面よりも前側へ凹んだ凹部である。そして、ベース板部112の前面よりも前方(回転可動体102側)に位置するユニット収容設置部119の取付壁部145に、回転接続ユニット160が取付けられるようになっている。ここで、ユニット収容設置部119の前方への深さ(ベース板部112の後面から取付壁部145までの段差)は、回転接続ユニット160のケース体161の厚みH(図18参照)よりも大きく設定されている。これにより、ユニット収容設置部119の取付壁部145に回転接続ユニット160を設置した際には、該回転接続ユニット160がベース部材110の後面から後方へ突出しないようになっている(図14参照)。
図16および図22に示すように、前記ユニット収容設置部119の取付壁部145には、回転接続ユニット160と回転可動体102とを連結するための開口部146が設けられている。この開口部146は、回転接続ユニット160を構成する回転部材162と、回転可動体102の回転ベース体101とを連結可能な大きさに開口している。実施例では、開口部146が、回転可動体102の回転軸線Lを中心とした円形に開口すると共に、回転接続ユニット160の円形の回転部材162の外径よりも大径に形成されている。
また、図13、図16および図17に示すように、前記ユニット収容設置部119の取付壁部145には、回転接続ユニット160を保持する保持手段としての保持ボス147,147が設けられている。各保持ボス147,147は、前述した開口部146を挟んで、回転軸線Lを通る直線上に設けられている。各保持ボス147,147は、取付壁部145の外面から後方へ突出した円柱状のボスであって、該保持ボス147の突出端には、ネジが締結可能なネジ締結孔が形成されている。各保持ボス147,147は、回転接続ユニット160に設けられた貫通孔169a,169a(図16、図18参照)に挿通すると共に、該貫通孔169a,169aから突出する長さおよび太さに形成されている。なお、各保持ボス147,147のネジ締結孔には、ユニット収容設置部119の取付壁部145にセットした回転接続ユニット160をカバーするカバー部材150を取付けるネジが締結される(図16参照)。また、図13における符号148は、ユニット収容設置部119の取付壁部145に設置された回転接続ユニット160の側面に当接可能な保持リブである。
(センサ配設口149について)
実施例の可動演出装置100では、図13および図15〜図17に示すように、回転可動体102の回転位置を検出可能な検出手段としての検出センサ(第1検出センサ155および第2検出センサ156)を備えている。第1検出センサ155および第2検出センサ156は、演出制御基板291と電気的に接続されており、該検出センサ155,156の検出信号が該演出制御基板291に送信される。第1検出センサ155および第2検出センサ156は、ユニット収容設置部119の取付壁部145に着脱可能に設けられて、回転可動体102の回転ベース体101に設けられた検出片(検出部)196(図15、図18参照)を検出する。ユニット収容設置部119の取付壁部145にはセンサ配設口(検出手段配設部)149,149が設けられ、該センサ配設口149,149に設置した各検出センサ155,156が、該取付壁部145における回転可動体102の配設側(取付壁部145の前面側)へ臨むよう構成されている。各センサ配設口149,149は、前述した開口部146を挟んで、回転軸線Lを通る直線上に設けられている(図15参照)。また、各センサ配設口149,149の開口縁には、各検出センサ155,156の基板が嵌合する凹部149aが設けられている。ここで、第1検出センサ155が設置されるセンサ配設口149は、回転可動体102が前述の第1演出状態に対応する第1演出位置(図2、図12および図15参照)において、該第1検出センサ155が検出片196を検出可能な位置に設けられている。また、第2検出センサ156が設置されるセンサ配設口149は、前述の第2演出状態において、回転可動体102が第1演出位置から180度回転して上下逆向きとなった第2演出位置(図20、図31(b)参照)において、該第2検出センサ156が検出片196を検出可能な位置に設けられている。従って、実施例の可動演出装置100は、回転可動体102の第1演出位置および第2演出位置を認識可能となっている。
(カバー部材150について)
前記カバー部材150は、図13、図14、図16、図17および図22に示すように、ユニット収容設置部119の取付壁部145に突設された保持ボス147,147のネジ締結孔に対して図示しないネジを締結することで、回転接続ユニット160の略全体を被覆した状態で該ユニット収容設置部119に配設される。カバー部材150は、回転接続ユニット160の略全体を被覆可能なカバー部151を備えている。カバー部151は、回転接続ユニット160のケース体161の裏面に当接可能な当接部151aと、該当接部151aの外縁から前方へ突出した囲い部151bとを備えている。また、カバー部151の当接部151aには、各保持ボス147,147の先端に整合する位置に、前述した保持ボス147,147に締結されるネジを挿通するネジ挿通孔151cが形成されると共に、回転接続ユニット160に挿通された支持ピン192の先端が突入する開口151dが設けられている。また、カバー部材150のカバー部151には、センサ配設口149に配設した第1検出センサ155に当接する第1センサ保持部(検出手段保持部)152と、センサ配設口149に配設した第2検出センサ156に当接する第2センサ保持部(検出手段保持部)153とが一体に形成されている。
前述のように構成されたカバー部材150は、保持ボス147,147にネジ固定してユニット収容設置部119に配設することで、該ユニット収容設置部119に対して回転接続ユニット160を安定的に保持し得ると共に、該回転接続ユニット160を保護するようになっている。また、カバー部材150をユニット収容設置部119に配設することで、第1検出センサ155および第2検出センサ156を、各センサ配設口149,149に安定的に保持することができる。なお、ユニット収容設置部119に配設したカバー部材150は、ベース部材110のベース板部112の後面より後方へ突出しないようになっている(図14参照)。
(回転接続ユニット)
前記回転接続ユニット160は、ベース体101側に位置する制御部である前述の表示制御基板292と、回転可動体102に配設された電気部品である第1表示装置103とを電気的に接続するものである。回転接続ユニット160は、図16〜図18に示すように、ケース体161と、該ケース体161に回転可能に配設された回転部材162とを備えており、ケース体161がベース体101のユニット収容設置部119に取付けられると共に、回転部材162が回転可動体102と連係されるよう構成されている。従って、駆動機構106の駆動モータ135の駆動に伴って回転可動体102が回転することにより、ベース体101に取付けられたケース体161に対して回転部材162が回転するようになっている。ここで、回転接続ユニット160の回転部材162には、回転可動体102に設けられた第2連係部195,195に連係する第1連係部163,163が設けられている。なお、第1連係部163および第2連係部195の連係態様については、後で説明する。
前記回転接続ユニット160は、ケース体161側に、表示制御基板292に電気的に接続される第1導通部164が配設されると共に、回転部材162側に、第1表示装置103に電気的に接続される第2導通部165が配設されている。第1導通部164および第2導通部165は、電気が導通可能な金属製の端子部材であり、回転部材162の回転時には該第1導通部164および第2導通部165が常に接触した状態に維持されることで、電気的に導通が図られるよう構成されている。すなわち、回転接続ユニット160は、回転可動体102に回転時において表示制御基板292と第1表示装置103との電気的な接続状態を維持可能であるから、該回転可動体102の回転時においても表示制御基板292から第1表示装置103への電気の供給および信号の送信が可能となっている。
回転接続ユニット160の前記ケース体161は、図16〜図18に示すように、回転部材162が配設されると共に、第1導通部164および第2導通部165が収容された収容部166と、該収容部166の外側に設けられた取付部167,167とを備えている。収容部166は、有底の円形筒状に形成されて、円形の開口部に回転部材162が位置している。また、収容部166の側面166aには、第1導通部164に電気的に導通する第1コネクタ168が、該側面166aから外方へ突出した状態に配設されている。また、収容部166の中心には、前方へ延在すると共に前後に開口した筒部166bが設けられており、回転可動体102から回転軸線Lに沿って後方へ延出した支持ピン192が挿通するようになっている。
前記取付部167,167は、収容部166の側面から外方へ延出した板状に形成され、該取付部167の延出端側に、保持部材169が配設されている。保持部材169は、弾力性を有する弾性部材であり、前述した保持ボス147が挿通可能な貫通孔169aが形成されている。ここで、すなわち保持部材169は、ウレタンゴムや天然ゴム等から円形状に形成されて、取付部167に形成された円形凹部167aに係合した状態で配設されている。従って、該保持部材169,169の貫通孔169aに保持ボス147を挿通させて、ユニット収容設置部119の取付壁部145にケース体161を取付けた際には、各保持部材169,169の弾力性により、該ケース体161が取付壁部145に対して弾力的に支持されるようになっている。これにより、例えば回転する回転可動体102に振動が発生した場合には、回転接続ユニット160が取付壁部145に対して適宜姿勢変位することが可能となり、振動による負荷がケース体161と回転部材162とに加わることを防止し得るように構成されている。
前記回転接続ユニット160の回転部材162は、図18および図19に示すように、円板状に形成されており、該回転部材162の外面(前面)162aに、第2導通部165に電気的に接続された第2コネクタ170が、該外面162aから外方に向けて突出した状態に配設されている。また、回転部材162の中心には、前後方向へ貫通する貫通孔171が形成されており、回転可動体102に設けられた前述の支持ピン192が挿通するようになっている。そして、回転部材162の外面162aに、前述した第1連係部163,163が設けられている。ここで、実施例では、第1連係部163が、回転部材162の外面162aから前方へ突出した突条部である。そして、第1連係部163は、複数(実施例では2つ)が設けられている。各第1連係部163,163は、図19に示すように、支持ピン192が挿通する貫通孔171を通過する直線上から外れた位置において、該貫通孔171から半径方向外方へ離間した位置に突設されている。
(配線挿通部173について)
図13、図16および図17に示すように、ベース体101におけるベース部材110の後面には、配線挿通部173が設けられている。この配線挿通部173は、ベース部材110のベース板部112の後面から前側へ凹み、ユニット収容設置部119とベース部材110の外縁との間に亘って延在する凹状部174と、該凹状部174におけるベース部材110の後面への開口部分を塞ぐ蓋部材175とにより画成されている。すなわち、配線挿通部173は、ユニット収容設置部119の壁部とベース部材110の外縁との間に亘って延在する空間である。配線挿通部173には、回転接続ユニット160の第1導通部164と表示制御基板292側とを電気的に接続する配線(第2の配線)WH1を通すことが可能となっている。また、配線挿通部173は、前述した第1検出センサ155と演出制御基板291とを電気的に接続する配線WH3や、第2検出センサ156と該演出制御基板291とを電気的に接続する配線WH4を通すことが可能となっている。
実施例では、図13、図16および図17に示すように、前記配線挿通部173が複数(実施例では2つ)設けられている。このうち、一方の配線挿通部173は、回転接続ユニット160のケース体161の側面(収容部166の側面166b)に設けられた第1コネクタ168と近接する部位において、ユニット収容設置部119に開口するように設けられている。すなわち、一方の配線挿通部173は、ユニット収容設置部119の周壁左縁(図17では右側)に開口すると共に、該開口部分から上方へ延在して、ベース部材110の上縁に開口している。これにより、表示制御基板292側に接続されると共に第1コネクタ168に接続される前記配線WH1が、配線挿通部173に通し易くなると共に、該配線WH1におけるユニット収容設置部119内に配設される部分を少なくすることが可能となっている。なお、一方の配線挿通部173には、第1検出センサ155の上方でユニット収容設置部119に開口しており、該第1検出センサ155の配線WH3も通し易い。また、他方の配線挿通部173は、ユニット収容設置部119の周壁右縁(図17では左側)に開口すると共に、該開口部分から右方(図13では左方)へ延在して、ベース部材110の右縁に開口している。なお、他方の配線挿通部173には、第2検出センサ156の上方でユニット収容設置部119に開口しており、該第2検出センサ156の配線WH4を通し易い。
(回転可動体102について)
前記回転可動体102は、図12、図14および図20に示すように、ベース体101に対して、前後に延在する回転軸線Lを中心として回転可能に配設され、駆動機構106における駆動モータ135の駆動に伴って、回転軸線Lを中心として回転するよう構成されている。回転可動体102は、ベース部材110の第1配設部116に配設された前述の第1〜第3回転支持ホイール121,122,123により回転可能に支持された回転ベース体180と、該回転ベース体180に配設された第1表示装置103と、該回転ベース体180に配設されたハーフミラー部105とを備えている。また、回転可動体102には、第1表示装置103およびハーフミラー部105を囲むように構成されたフード181を備えている。
(回転ベース体180について)
前記回転ベース体180は、図13、図14および図22に示すように、第1〜第3回転支持ホイール121,122,123に支持される円板部材182と、該円板部材182の前側に固定された支持部材183とを備えている。円板部材182は、円形のリング状部材であり、支持部材183が取付けられる取付部184と、該取付部184の半径方向外側に設けられた前述のフランジ部185と、該フランジ部185の後側に設けられた前述の回転ギア186とを備えている。取付部184の内径は、ベース部材110に設けられたユニット収容設置部119の外径よりも僅かに大きく、該取付部184の内側にユニット収容設置部119が収容され得るようになっている。また、取付部184には、支持部材183に設けられたネジ締結孔に整合する複数(実施例では5個)のネジ挿通孔187が形成されており、後側から各ネジ挿通孔187に挿通したネジを支持部材183に締結することで、該支持部材183と円板部材182とが組付けられる。フランジ部185は、回転ギア186よりも大径であり、該回転ギア186よりも半径方向外側へ延出している。このフランジ部185は、第1〜第3回転支持ホイール121,122,123の嵌合溝121c,122d,123dに夫々嵌合することで3点支持され、円板部材182が前後方向への移動が規制された状態で回転可能に支持される。
前記支持部材183は、図14、図18および図22に示すように、円形の台座部190と、該台座部190の前面から前方へ突出した保持突部191とを備えている。台座部190の中心には、後方へ延出する支持ピン192が設けられている。この支持ピン192は、前述した回転接続ユニット160の貫通孔171および筒部168bに、前側から挿通されるようになっている。台座部190の後側には、円板部材182の取付部184に設けられた各ネジ挿通孔187に整合するネジ締結孔193が設けられている。また、台座部190の後側には、ユニット収容設置部119の取付壁部145に形成された開口部146に臨む位置に、該開口部146を囲む環状リブ194が、後方へ突出するように円形に形成されている。そして、台座部190の後側における環状リブ194で囲まれた内側には、第2連係部195,195が設けられている。この第2連係部195,195は、回転接続ユニット160の回転部材162に設けられた前述の第1連係部163,163と連係するようになっている。更に、台座部190の後側には、前述した第1検出センサ155および第2検出センサ156により検出可能な検出片196が設けられている。この検出片196は、回転可動体102が第1演出位置(図2、図30参照)の場合に第1検出センサ155で検出されると共に、該回転可動体102が第2演出位置(図20、図31(b)参照)の場合に第2検出センサ156で検出される位置に設けられている。すなわち、第1検出センサ155からの検出信号が演出制御基板291に送信された場合には、回転可動体102が第1演出位置にあることを演出制御基板291が認識可能であり、また第2検出センサ156からの検出信号が演出制御基板291に送信された場合には、回転可動体102が第2演出位置にあることを演出制御基板291が認識可能となっている。
前記台座部190の前側に突設された保持突部191は、図14および図22に示すように、後述する上部カバー部材240が取付けられるようになっている。また、台座部190には、第1表示装置103に係止する係止部としての係止片197が、複数(実施例では2つ)設けられている。係止片197,197は、台座部190の中心を挟んで両側に位置すると共に、該台座部190の外縁に隣接する位置に夫々設けられている。各係止片197,197は、台座部190の前面から前方へ突出した鉤状に形成され、前端には上方へ突出した係止部が形成されている。これら係止部197,197は、第1表示装置103のケース体230に設けられた係止凹部235,235に係止するよう構成されている。また、各係止片197の上方には、ネジ締結孔が形成されたネジ締結ボス198,198が、前方へ突出するように形成され、第1表示装置103のケース体161に設けられた取付片236,236(図22参照)に挿通したネジが、該ネジ締結ボス198,198に締結されるようになっている。更に、台座部190には、前述した環状リブ194の内側において前後に開口する配線挿通口199が形成されている(図18参照)。
(ハーフミラー部105について)
前記ハーフミラー部105は、図12、図14および図22に示すように、透明板201と、該透明板201の一面に配設されたミラーフィルム202とを備えており、該ミラーフィルム202が反射面203を構成している。このハーフミラー部105は、第1表示装置103の表示部103aより大きく、かつ第2表示装置104の表示部104aよりも大きく、回転可動体102の第1演出位置においては該第2表示装置104の表示部104aの全体を隠し得るサイズとなっている(図2、図14参照)。そして、ハーフミラー部105の左側縁部105aに、フード181を構成する第1側壁部材(第1壁部)211に連結される左連結部204が設けられると共に、該ハーフミラー部105の右側縁部105bに、該フード181を構成する第2側壁部材(第1壁部)212に連結される右連結部205が設けられている。左連結部204および右連結部205の夫々は、ハーフミラー部105の側端部から突出した複数(実施例では2つ)のボスであり、左右の連結部204,205の突出端にはネジ締結孔が設けられている。
そして、ハーフミラー部105は、フード181の第1側壁部材211および第2側壁部材212で左、右側縁部204,205が支持された状態で、第1表示装置103の表示部103aに対向すると共に、回転可動体102の第1演出位置において前下がりに傾斜した姿勢で回転ベース体180に配設されている。ここで、実施例では、ハーフミラー部105の傾斜角度が、水平に対して約30〜40°の範囲で所定角度となるように設定されている。なお、ハーフミラー部105の前縁部105cは、前方へ凸となる曲線状に形成されている。また、透明板201の他面(ミラーフィルム202が配設された反射面203と反対側)には、左側縁部105a、後縁部および右側縁部105bに亘って延在するリブ244が形成されており(図14参照)、該透明板201の捻れや撓みが発現し難く構成されている。
(フード181について)
前記フード181は、図2、図10、図12、図14、図22および図25に示すように、筒体状に構成されて、第1表示装置103とハーフミラー部105の間に配設されている。フード181の第1表示装置103側は、該第1表示装置103の表示部103aを四方から囲んでおり、ハーフミラー部105側は、該ハーフミラー105の三方(左縁、後縁および右縁)を囲んでいる。また、フード181のハーフミラー部105側は、該ハーフミラー部105の前側部分が開口している。従って、フード181は、パチンコ機10の前側から、第1表示装置103を直接視認不能とすると共に、ハーフミラー部105を常に直接視認可能に構成されている。すなわちフード181は、第1表示装置103の表示部103aとハーフミラー部105との間の領域を囲んで、外部からの光が該表示部103aに直接当たるのを防止する。これによりフード181は、第1表示装置103の表示部103aの表示を鮮明にすると共に、該表示部103aの表示がハーフミラー部105で好適に反射表示されるように機能する。このようなフード181は、回転可動体102の第1演出位置において、左側に位置する第1側壁部材211と、右側に位置する第2側壁部材212と、後側に位置する後壁部材213と、前側に位置する前壁部材(第2壁部)214を備え、各壁部材211,212,213,214を筒状になるよう配置することで第1表示装置103およびハーフミラー部105を囲んでいる。なお、フード181は、第1表示装置103側からハーフミラー部105に近づくにつれて徐々に拡大する角筒形状となっている。
(第1側壁部材211および第2側壁部材212について)
前記第1側壁部材211および第2側壁部材212は、図12、図14、図22および図25に示すように、左右対称の略台形状に形成されている。第1側壁部材211および第2側壁部材212は、略平行に延在する2つの縁部が前後に位置し、該平行な縁部における相対的に短い縁部が、後側(回転ベース体180側)に位置して後縁部211a,212aとなると共に、後縁部211a,212aより長い縁部が前側に位置して前縁部211b,212bとなり、前縁部211b,212bの下端が後縁部211a,212aの下端よりも下方に位置している。そして、後縁部211a,212aの下端と前縁部211b,212bの下端とを繋ぐ斜縁部が、前方に行くにつれて斜め下方に延在する下縁部211c,212cとなっている。また、後縁部211a,212aの上端と前縁部211b,212bの上端とを繋ぐ縁部が、略水平に延在する上縁部211d,212dとなっている。ここで、第1側壁部材211および第2側壁部材212の上部に、上縁部211d,212dから上方へ延出すると共に前後に延在する取付部215,215が連設されており、該取付部215,215は、第1表示装置103のケース体230の側部に組付けられるよう構成されている(図22参照)。
図22および図25に示すように、第1側壁部材211および第2側壁部材212に設けられた取付部215,215の内面側には、第1凹部216が複数(実施例では2つ)形成されている。各第1凹部216は、第1表示装置103のケース体230に設けられた各第1固定ボス233が夫々嵌合するようになり、該第1凹部216には、該第1固定ボス233に締結されるネジの挿通孔が設けられている。また、第1側壁部材211の後縁部211aおよび第2側壁部材212の内面側における後縁部212aに沿う部位には、第2凹部217が複数(実施例では2つ)形成されている。各第2凹部217には、後壁部材213に設けられた第1後連結ボス220または第2後連結ボス221が嵌合するようになり、該第2凹部217には、該第1後連結ボス220または第2後連結ボス221に締結されるネジの挿通孔が設けられている。更に、第1側壁部材211の内面側における下縁部211cに沿う部位、および第2側壁部材212の内面側における下縁部212cに沿う部位には、第3凹部218が複数(実施例では2つ)形成されている。第1側壁部材211の各第3凹部218には、ハーフミラー部105の左側縁部105aに設けられた左連結部204,204が嵌合するようになり、該第3凹部218には、該左連結部204に締結されるネジの挿通孔が設けられている。また、第2側壁部材212の各第3凹部218には、ハーフミラー部105の右側縁部105bに設けられた右連結部205,205が嵌合するようになり、該第3凹部218には、該右連結部205に締結されるネジの挿通孔が設けられている。なお、第1側壁部材211および第2側壁部材212は、フード181の外側となる外面に、所要の意匠模様が形成されていると共に(図12参照)、該フード181の内側となる内面には、上下方向に延在する補強リブ222が形成されている(図12、図14参照)。
(後壁部材213について)
前記後壁部材213は、図22および図25に示すように、左右方向が長手となる横長の略台形状に形成されている。後壁部材213は、略平行に延在する2つの縁部が上下に位置し、該平行な縁部における相対的に短い縁部が上側(第1表示装置103側)に位置して上縁部213aとなると共に、上縁部213aよりも長い下側の縁部が下縁部213bとなっている。そして、上縁部213aの左端と下縁部213bの左端とを繋ぐ左縁部213cが、下方に行くにつれて斜め左下方に延在すると共に、上縁部213aの右端と下縁部213bの右端とを繋ぐ右縁部213dが、下方に行くにつれて斜め右下方に延在している。後壁部材213は、その上縁部213aから下縁部213bまでの上下幅が、第1側壁部材211および第2側壁部材212の後縁部211a,212aの上下長と略同じ長さに設定されている。また、後壁部材213の左縁部213cに、2つの第1後連結ボス220が、上下に離間した位置で左外方へ突出するよう形成されている。各第1後連結ボス220,220は、第1側壁部材211の後縁部211aに沿う部位に形成された前述の第2凹部217,217に夫々嵌合する。更に、後壁部材213の右縁部213dに、2つの第2後連結ボス221が、上下に離間した位置で右外方へ突出するよう形成されている。各第2後連結ボス221,221は、第2側壁部材212の後縁部212aに沿う部位に形成された前述の第2凹部217,217に夫々嵌合する。
(前壁部材214について)
前記前壁部材214は、図14、図22および図25に示すように、左右方向が長手となる横長の略台形状に形成されている。前壁部材214は、前部カバー体250の後側に取付けられ、回転ベース体180に取付けた第1表示装置103に該前部カバー体250を取付けることで、第1側壁部材211の前縁部211b,212bおよび第2側壁部材212の前縁部211b,212bに当接するようになっている。前壁部材214は、略平行に延在する2つの縁部が上下に位置し、該平行な縁部における相対的に長い縁部が上側(第1表示装置103側)に位置して上縁部214aとなると共に、該上縁部214aよりも短い下側の縁部が下縁部214bとなっている。そして、上縁部214aの左端と下縁部214bの左端とを繋ぐ左縁部214cが、下方に行くにつれて斜め右下方に延在すると共に、左方へ凸となる円弧状になっている。また、上縁部214aの右端と下縁部214bの右端とを繋ぐ右縁部214dが、下方に行くにつれて斜め左下方に延在すると共に、右方へ凸となる円弧状になっている。そして、前壁部材214は、その上縁部214aから下縁部214bまでの上下幅が、後壁部材213の上下幅よりも小さく設定されている(図14参照)。更に、前壁部材214の前面には、前部カバー体250に嵌合する嵌合部225が、複数(実施例では3つ)設けられている(図22参照)。各嵌合部225には、前後に貫通したネジ挿通孔が形成されており、該ネジ挿通孔に対して後側から挿入したネジを前部カバー体250に締結することで、当該前壁部材214が前部カバー体250の後側に取付けられる。
(第1表示装置103について)
前記第1表示装置103は、演出制御基板291から各種の制御コマンドを受信する表示制御手段としての表示制御基板292(図7参照)により制御される。実施例では、表示部103aとして、液晶タイプの表示ディスプレイ(以降「液晶ディスプレイ」という)229が採用されている。すなわち、第1表示装置103は、液晶ディスプレイ229からなる表示部103aにおいて、該第1表示装置103に配設された液晶制御基板239により、各種の画像(イラスト、文字、記号等)や、動画および映像等の表示が可能となっている。また、表示部103aにおいては、各種の画像、動画および映像等を、回転させながら表示させることも可能である。第1表示装置103は、図14および図25に示すように、表側に長方形の表示面が設けられた液晶ディスプレイ229と、該液晶ディスプレイ229を収容して保持するケース体230とを備えている。また、第1表示装置103は、液晶ディスプレイ229を駆動する液晶制御基板239をケース体230内に備えていると共に、該液晶制御基板239に接続された配線WH5と表示制御基板292側に接続された配線(第1の配線)WH2とが接続される中継基板238を備えている。
前記第1表示装置103のケース体230は、図14および図25に示すように、第1ケース部材231および第2ケース部材232を備え、該第1ケース部材231と第2ケース部材232とを組付けることで、液晶ディスプレイ229および液晶制御基板239を収容する空間が内部に画成される。第1ケース部材231には、液晶ディスプレイ229の表示面を外方へ露出させて表示部103aを画成する表示開口231aが形成されている。また、第1ケース部材231の外縁には、外方に開口した係止凹部235,235が設けられ、回転ベース体180の支持部材183に設けられた前述の係止片197,197が、各係止凹部235,235に係止可能となっている。一方、第2ケース部材232の外面には、中継基板238が取付けられるボス232aが形成されていると共に、該中継基板238と液晶制御基板239とを接続する配線WH5を挿通する開口232bが形成されている。また、第2ケース部材232の外縁には、ネジ挿通孔が形成された取付片236,236が設けられ、該取付片236,236のネジ挿通孔に挿通したネジを、回転ベース体180の支持部材183に形成されたネジ締結ボス198,198に締結するようになっている。
また、図22および図25に示すように、第1表示装置103のケース体230には、フード181を取付けて固定する固定手段としての第1固定ボス233が設けられている。実施例では、長矩形状のケース体230における第2ケース部材232の長手方向の両側面に、複数(実施例では2つずつ)の第1固定ボス233が設けられている。各第1固定ボス233の先端には、ネジ締結孔が設けられている。また、第1表示装置103のケース体230には、前部カバー体250を取付けて固定する固定手段としての第2固定ボス234が設けられている。実施例では、ケース体230の第2ケース部材232における長手方向の両側面において、第1固定ボス233から離間した位置に、第2固定ボス234が夫々1つずつ設けられている。各第2固定ボス234の先端には、ネジ締結孔が設けられている。
前述のように構成された第1表示装置103は、図10、図14、図22および図25に示すように、回転ベース体180の支持部材183の前面に対して、ケース体230における短手方向の一側面である底部を当接させた姿勢で、該支持部材183に配設される。すなわち、ケース体230に設けられた各係止凹部235,235に、支持部材183に設けられた各係止片197,197を係止させると共に、ネジにより各取付片236,236をネジ締結ボス198,198に締結することで、第1表示装置103が支持部材183に取付けられる。これにより、第1表示装置103は、支持部材183の前面に対して垂直に起立して前方へ延出した状態に取付けられ、演出が行われる表示部103aが、回転軸線Lが延在する前後方向と交差する方向(実施例では直交方向)に向いた姿勢で配設されている。また、第1表示装置103は、図14に示すように、回転可動体102の回転軸線Lに位置する支持ピン192と前後方向で重なる位置に配設されている。そして、図10および図14に示す第1演出位置では、第1表示装置103の表示部103aが下方に向き、図20および図21に示す第2演出位置では、該表示部103aが上方に向くように構成され、該表示部103aが回転軸線Lと直交する方向に向いた姿勢に維持された状態で、回転ベース体180の回転に伴って姿勢変位が可能となっている。
(上部カバー部材240について)
前記上部カバー部材240は、図12、図14、図22および図25に示すように、外壁部241と、該外壁部241に一体的に形成された取付壁部242とを備えている。この上部カバー部材240は、回転ベース体180の支持部材183の前側において、第1表示装置103を挟んでフード181と反対側に配設される。外壁部241は、円形の支持部材183の外周縁に沿って延在する曲率で湾曲した半樋状に形成されており、湾曲方向における一方の縁部は、フード181における第1側壁部材211の上縁部211dと整合すると共に、湾曲方向における他方の縁部は、該フード181における第2側壁部材212の上縁部212dと整合するようになっている。そして、外壁部241の外面には、フード181の第1側壁部材211の外面および第2側壁部材212の外面に形成された意匠と連続性のある意匠が形成されている。
図14および図25に示すように、前記上部カバー部材240の取付壁部242は、湾曲した外壁部241の内面側において、該外壁部241に一体に形成されている。取付壁部242には、回転ベース体180の支持部材183に設けられた保持突部191が嵌合する保持凹部243が、後方へ開口した状態に形成されている。従って、保持凹部243を保持突部191に嵌合させると共に、ネジにより該保持凹部243を保持突部191に固定することにより、上部カバー部材240が回転ベース体180の前側に配設される。また、保持凹部243の側部には、第1表示装置103側へ突出するリブ244,244が設けられている。これらリブ244,244は、取付部材183に設けられた配設挿通口199を挟んだ両側に位置している。これにより、回転ベース体180の回転時に、配線挿通口199に挿通されて中継基板238に接続される配線WH2(図14参照)がリブ244に接触した場合に、該リブ244により該配線WH2の動きを規制可能となっている。
(前部カバー体250について)
前記前部カバー体250は、図12、図14、図22および図25に示すように、回転ベース体180の支持部材183に取付けられた第1表示装置103、フード181および上部カバー部材240の前側に配設されている。この前部カバー体250は、第1表示装置103と、フード181の前壁部材214と、上部カバー部材240の取付壁部242とを、前側から視認不能に覆うようになっている。具体的に、前部カバー体250は、リング状に形成された第1前装飾部材251と、該第1前装飾部材251の開口部分に装着される第2前装飾部材252とを備えている。第1前装飾部材251は、前面に所要の意匠が形成されていると共に、後方へ突出した取付突部251a,251aが左縁部および右縁部に形成されている。これら取付突部251a,251aには、第1表示装置103のケース体230における両側部に設けられた前述の第2固定ボス234,234に締結されるネジのネジ挿通孔が形成されている。すなわち、前部カバー体250は、第1前装飾部材251の取付突部251a,251aを第1表示装置103のケース体230に固定することで、該第1表示装置103および上部カバー部材240の前側に配設される。また、第1前装飾部材251は、フード181に取付けられたハーフミラー部105の前側となる部分が切り欠かれており、該第1前装飾部材251の下縁251bは略直線となっている(図3、図14、図25参照)。これにより、第1前装飾部材251の下縁251bは、ハーフミラー部105の後縁よりも上方に位置しており、前部カバー体250とハーフミラー部105とは前後方向において重ならないよう構成されている。
前記第2前装飾部材252は、図14、図22および図25に示すように、前後に組合わされる複数(実施例では3つ)からなり、組合わせた状態で略円形に構成されている。第2前装飾部材252は、各部材が異なる色に形成されており、夫々の部材の一部が、第1前装飾部材251の開口から露出して視認されるように構成されている。各部材を組合わせた第2前装飾部材252は、第1前装飾部材251の後側にネジにより取付けられ、該第1前装飾部材251の開口を介して前方に露出して、所定の意匠模様が形成されている。また、第2前装飾部材252の後側下部に、前述したフード181の前壁部材214が取付けられている(図14参照)。
(第2表示装置104について)
前記第2表示装置104は、図14および図20に示すように、表示制御基板292により制御される表示部104aを備えている。実施例では、表示部104aとして、複数(実施例では7個)のセグメント256が組となるセグメントタイプの表示ディスプレイ(以降「7セグメントディスプレイ」という)255を備え、該7セグメントディスプレイ255がケース体261内に収容されている。7セグメントディスプレイ255は、7個のセグメント256を1組として十進のアラビア数字等を表示可能であり、7個のセグメント256からなる組が左右に並んで複数(実施例では3組)が配列されている。従って、第2表示装置104の表示部104aは、3列(左列、中列、右列)の「0」〜「9」の数字を図柄として、各列の図柄を変動表示すると共に停止表示する図柄変動演出を実行することが可能となっている。
前記7セグメントディスプレイ255は、図14および図24に示すように、3組の各セグメント256を画成する区画部材258と、該区画部材258の後側に配設される発光表示基板257と、該区画部材258の前側に配設されるレンズ部材259とを備えている。また、7セグメントディスプレイ255は、区画部材258と発光表示基板257との間に、光拡散シート260が配設されている。区画部材258は、板状の部材であり、長六角形状をなす各セグメント256の形状を規定する開口258aが、厚み方向に複数(実施例では、3組×7個=21個)形成されている。
前記発光表示基板257は、図15および図24に示すように、区画部材258に対向する表面に、各セグメント256毎に対応するLEDチップ257aが実装されている。各LEDチップ257aは、表示制御基板292により個別に発光制御される。実施例では、各セグメント256毎に1個ずつのLEDチップ257aが実装されており、各LEDチップ257aは、区画部材258の各開口258aの長手方向の中央において、当該開口258aの後側開口に位置するようになっている。従って、LEDチップ257aが発光すると、対応する開口258a内だけが明るくなり、長六角形状のセグメント256が明輝ようになる。なお、発光表示基板257の前側に光拡散シート260が配設されていることで、LEDチップ257aの発光した際に光が拡散されるようになり、区画部材258の前側において、LEDチップ257aが点状に発光しても、開口258aの後側開口の全体を略均一に明輝させ得る。
前記レンズ部材259は、半透明またはスモークの成形部材であって、表面が磨りガラス状に処理されていると共に、裏面が凹凸状に形成されている。従って、レンズ部材259は、区画部材258および発光表示基板257のLEDチップ257aを透視不能に構成されている。また、発光した発光表示基板257のLEDチップ257aの光は、好適に透過させ得る。
前記第2表示装置104のケース体261は、図14、図21および図24に示すように、第1ケース部材262および第2ケース部材263を備え、該第1ケース部材262と第2ケース部材263とを組付けることで、7セグメントディスプレイ255の発光表示基板257、区画部材258およびレンズ部材259を収容する空間が内部に画成される。第1ケース部材262は、レンズ部材259を前方へ露出させる表示開口262aが前側に形成されている。一方、第2ケース部材263の後面は、発光表示基板257の裏面を外方へ露出させる開口263aが形成されており、該発光表示基板257の裏面に配設されたコネクタ257bを、ケース体261の後側へ露出させ得る。
また、図21、図22および図24に示すように、第2表示装置104のケース体261には、ベース体101のベース部材110における第3配設部118に配設される左右一対の各固定ステー140,140に連結される連結ボス264が設けられている。実施例では、第2ケース部材263における左右両側面に、連結ボス264が夫々2つずつ設けられている。各連結ボス264は、固定ステー140,140の支持部142に連結され、ネジ締結孔が先端に設けられている。従って、第2表示装置104は、第2ケース部材263の左側面に設けられた各連結ボス264を、左の固定ステー140の支持部142にネジで固定すると共に、該第2ケース部材263の右側面に設けられた各連結ボス264を、右の固定ステー140の支持部142にネジで固定することで、表示部104aが前方斜め上方を向いた傾斜姿勢でベース体101に配設される。
(第1連係部163および第2連係部195について)
次に、ベース体101のユニット収容設置部119に配設された回転接続ユニット160の回転部材162と、該ベース体101の前側に配設された回転可動体102との連係態様について、図18および図19を引用して説明する。実施例の可動演出装置100は、前述したように、回転接続ユニット160の回転部材162に設けられた第1連係部163,163と、回転可動体102の回転ベース体180の支持部材183に設けられた第2連係部195,195とが係合することで、該回転部材162と回転可動体102とが連係している。そして、第1連係部163,163と第2連係部195,195との係合により、回転可動体102の回転に連動して回転部材162がケース体161に対して回転するよう構成されている。そして、第1連係部163,163と第2連係部195,195は、回転軸線Lで回転する回転可動体102および回転部材162の回転方向において、該回転可動体102および回転部材162の相対的な位置変位を規制するように係合可能に構成されている。また、第1連係部163,163と第2連係部195,195は、回転軸線Lに沿う前後方向の相対的な位置変位が許容されると共に、該回転軸線Lと交差する方向の相対的な位置変位が許容されるように係合可能に校正されている。
前記第1連係部163は、図18および図19に示すように、回転部材162における前側を指向する外面162aに、該外面162aから、対応する第2連係部195に向けて突出した突条部である。具体的に、第1連係部163は、回転部材162の外面162aに対して鉛直に突出したボス状に形成されている。そして、第1連係部163は、回転部材162の外面に対する突出方向と直交する方向の断面形状が、円形となった丸ボス状に構成されている。また、2つの第1連係部163,163は、回転部材162の直径方向において、支持ピン192が挿通する貫通孔171を通過する直線上から外れた位置において、該貫通孔171から半径方向外方へ離間した位置に突設されている。すなわち、2つの第1連係部163,163は、回転部材162の直径方向において、貫通孔171を通過する直線上には位置していない。
前記第2連係部195は、図18および図19に示すように、第1連係部163の差し込みを許容する凹状に構成されている。すなわち、第2連係部195は、回転ベース体180の支持部材183の後面から後方へ突出したリブ195aにより、回転部材162側へ開口すると共に、該回転部材162から離間する方向(前方)へ凹んだ形状となっている。そして、図19に示すように、第2連係部195は、回転部材162の直径方向(回転軸線Lと直交方向)での開口幅W2が、直径方向での第1連係部163の突出幅W1より幅広に形成されている。すなわち、第2連係部195は、回転部材162の直径方向が長手となる長溝状をなしている。そして、2つの第2連係部195,195は、回転部材162の直径方向(支持部材183の直径方向)において、支持ピン192を通過する直線上から外れた位置において、該支持ピン192から半径方向外方へ離間した位置に突設されている。すなわち、2つの第2連係部195,195は、回転部材162の直径方向において、支持ピン192を通過する直線上には位置していない。これにより、各第2連係部195,195の長手方向は、一直線になっていない(図19参照)
これにより、第1連係部163および第2連係部195は、回転部材162の直径方向において、相対的な位置変位が可能に嵌合している。すなわち、回転接続ユニット160および回転可動体102は、回転部材162の直径方向における相対的な位置変位が可能に連係されている。また、第1連係部163および第2連係部195により連係された回転接続ユニット160および回転可動体102は、回転部材162の回転方向(回転可動体102の回転方向)における相対的な位置変位が不能に連係される。更に、各第2連係部195.195の長手方向が一致していないことにより、該第2連係部195.195に対して第1連係部163,163が移動した際には、回転接続ユニット160および回転可動体102は、回転部材162の外面162aの面方向(回転軸線Lと直交方向)へ相対位置が変位可能に連係されている。
従って、実施例の可動演出装置100は、例えば、回転する回転可動体102が回転部材162の直径方向へ振れて振動が発生した場合に、第1連係部163と第2連係部195との相対位置が変位することで、回転接続ユニット160に負荷がかかることを防止し得るようになっている。すなわち、回転可動体102の振動等を原因として、回転接続ユニット160の回転部材162がケース体161に対してずれること等が防止されるので、該回転接続ユニット160の第1導通部164と第2導通部165との接続不良や、該回転接続ユニット160の故障等を誘発し難く構成されている。
(発光演出装置270について)
前記発光演出装置270は、演出制御基板291から各種の制御コマンド(制御信号)を受信するサブ制御基板としての前記ランプ制御基板293(図7参照)の制御による各種発光態様が設定されている。この発光演出装置270は、図2、図10および図11に示すように、設置部材50における設置壁部51の前側において、回転可動体102における回転ベース体180の周囲に位置するように配設されている。そして、発光演出装置270は、回転可動体102に配設されたハーフミラー部105の後側において、該回転可動体102が回転する際に該ハーフミラー部105が移動する領域と前後方向において重なる装置である。実施例の発光演出装置270は、図23に示すように、回転可動体102の回転軸線Lを中心とした環状に湾曲すると共に、下側部分が開口した所謂倒伏「C」形に構成されている。そして、発光演出装置270は、設置部材50における設置壁部51の前側に回転可動体102が配設された状態で該設置壁部51に取付けられ、回転可動体102とベース体101と一部が前後に重なると共に、下側の開口部分に第2表示装置104が整合する。
前記発光演出装置270は、図2、図12〜図14および図23に示すように、円弧状に形成された本体部材271と、該本体部材271の内部に配設された発光演出基板272と、該本体部材271の前側に配設されたレンズ部材273とを備えている。本体部材271は、円弧状に湾曲すると共に前方へ延出した外壁部274と、該外壁部274の前縁から半径方向内側へ延出した前壁部275とを備えている。前壁部275は、外壁部274の前縁から、半径方向内側にいくにつれて後方へ変位する傾斜状に形成されており、該前壁部275の内縁が、回転可動体102における回転ベース体180の外側に位置している。すなわち、外壁部274は、所謂すり鉢状に形成されている。前壁部275には、複数(実施例では10個)の発光表示部(発光手段)276が、ハーフミラー部105の移動方向へ並んで配列されている。また、前壁部275には、周方向に隣接する発光表示部276,276の間に装飾部材277が配設され、隣接する発光表示部276,276は、該装飾部材277により区切られている。また、本体部材271の外壁部274には、該外壁部274と一体または別体の取付片279が複数設けられており、当該本体部材271は、取付片279を設置部材50の設置壁部51の前側にネジにより固定することで、該設置部材50に取付けられる。また、本体部材271内には、発光演出基板272の前側に、各発光表示部276を区画する区画部材278が配設されている。
(発光表示部276について)
前記本体部材271の前壁部275に設けられた各発光表示部276は、図12、図14および図20に示すように、半径方向に並んだ複数(実施例では4つ)の発光部(以降、半径方向内側から第1〜第4発光部276a,276b,276c,276d)に区画されている。各発光表示部276の第1発光部276aは、回転軸線Lを中心とする同一円周上において、該円周方向が長手となると共に、当該円に沿って湾曲している。また、夫々の発光表示部276における各第2発光部276b、各第3発光部276cおよび各第4発光部276dの夫々は、回転軸線Lを中心とする同一円周上において、該円周方向が長手となると共に、当該円に沿って湾曲している。そして、図14および図20に示すように、前壁部275の傾斜に基づいて、各発光表示部276においては、第1発光部276aが最も後側に位置し、第2発光部276bは第1発光部276aより前側に位置し、第3発光部276cは第2発光部276bより前側に位置すると共に、第4発光部276dは第3発光部276cより前側に位置している。
(発光演出基板272について)
前記発光演出基板272は、図13および図23に示すように、本体部材271の内部に収容可能な円弧状に形成されている。発光演出基板272の前面には、前述した各発光表示部276における第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dの後側に対向する位置に、様々な発光色で発光可能なカラータイプのLEDチップ272aが実装されている。ここで、実施例の発光演出基板272は、各発光表示部276における第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dの個別に対応して、複数(実施例では3〜4個)のLEDチップ272aが、周方向へ所要間隔毎に実装されている。そして、発光演出基板272のLEDチップ272aは、前記ランプ制御基板293により発光制御され、各発光表示部276が個別に発光表示したり、各発光表示部276においては、第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dが個別に発光表示することが可能となっている。なお、実施例の発光演出基板272は、周方向において2つに分割されているが、1つに構成されたものや、3つ以上に分割されたものであってもよい。
(レンズ部材273について)
前記レンズ部材273は、図14、図23に示すように、本体部材271の前壁部275に対して前側から取付けられ、発光表示部276の前側に位置する。レンズ部材273は、湾曲した透明部材であり、発光表示部276における第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dの前側部分は、前方へ膨出して厚くなっている。レンズ部材273は、各装飾部材277と共に、本体部材271に対してネジで固定されるようになっている。なお、実施例のレンズ部材273は、周方向において3つに分割されているが、1つに構成されたものや、3つ以上に分割されたものや、各発光表示部276毎に個別に分割されたものであってもよい。
(区画部材278について)
前記区画部材278は、図14および図23に示すように、本体部材271の内部に対して後側から取付けられ、前壁部275の後側に位置する。区画部材278は、各発光表示部276を区画すると共に、各発光表示部276における第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dを区画する。すなわち区画部材278は、本体部材271の内部空間を略埋めるブロック状に構成され、各発光表示部276における円弧状をなす第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dの形状を規定よう前後に開口する筒状部278aが形成されている。すなわち、各筒状部278aの後側開口は、発光演出基板272の前面に臨むと共に、該筒状部278aの前側開口は、本体部材271の前壁部275の後面に臨んでいる。従って、各発光表示部276における各第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dに対応するLEDチップ272aが発光した際には、該LEDチップ272aの光により対応する筒状部278a内のみが明るくなり、これにより発光した当該LEDチップ272aが対応する発光部276a,276b,276c,276dのみが明輝するようになる。なお、実施例の区画部材278は、周方向において3つに分割されているが、1つに構成されたものや、3つ以上に分割されたものや、各発光表示部276毎に個別に分割されたものであってもよい。
前述のように構成された発光演出装置270は、図27(b)に示すように、演出制御基板291から各種の制御コマンド(制御信号)を受信するランプ制御基板293の制御に基づいて、各発光表示部276による複数(実施例では4種類)の発光演出態様を実行可能に構成されている。実施例では、全発光演出態様、第1部分発光演出態様、第2部分発光演出態様および連動発光演出態様の4種類が設定されており、遊技内容に応じて演出制御基板291からランプ制御基板293に送信された制御コマンド(制御信号)により、該ランプ制御基板293において何れかの発光演出態様が選択されるように構成されている。全発光演出態様は、図30(a)に示すように、10個の各発光表示部276における第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dを同時に発光状態とした発光演出態様である。この全発光演出態様では、発光演出装置270の前面が全体的に明輝されるようになり、迫力ある発光演出を実行することが可能である。第1部分発光演出態様は、図30(b)に示すように、10個の発光表示部276における任意の発光表示部276を、ランプ制御基板293の制御により減光または消灯すると共に、発光する発光表示部276においては、第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dの全LEDチップ272aを発光状態とした発光演出態様である。この第1部分発光演出態様では、発光する発光表示部276と消灯する発光表示部276を変更することで、回転軸線Lを中心とした周方向への動きがある発光演出を実行することが可能である。また、第2部分発光演出態様は、図30(c)に示すように、各発光表示部276において、第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dの一部のみを発光状態とした発光演出態様である。この第2部分発光演出態様では、発光する第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dと、減光または消灯する第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dとを変更することで、回転軸線Lを中心とした径方向への動きがある発光演出を実行することが可能である。
更に、連動発光演出態様は、図31(a)〜図31(c)に示すように、(1)可動演出装置100の回転可動体102が第1演出位置から第2演出位置へ回転変位する際、(2)回転可動体102が第2演出位置から第1演出位置へ回転変位する際、(3)回転可動体102が第1演出位置から該第1演出位置まで1回転する際、該回転可動体102の回転変位に伴って移動する当該ハーフミラー部105と少なくとも前後に重なった発光表示部276を、減光状態または消灯状態とする発光演出態様である。この連動発光演出態様では、移動するハーフミラー部105と前後に重なった発光表示部276を減光状態または消灯状態とすることで、重なった発光表示部276の光が該ハーフミラー部105を透過して視認されるのを抑制して、該ハーフミラー部105に反射される第1表示装置103の表示の視認性が低下するのを防止し得る。なお、発光表示部276の減光状態とは、該発光表示部276の発光状態に比べて、第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dのLEDチップ272aの輝度を下げた状態であり、全発光状態よりも暗い発光状態である。また、図31(b)に示すように、回転可動体102が第2演出位置にある場合には、発光演出装置270における上部に位置する4つの発光表示部276が、ハーフミラー部105と前後に重なるようになることから、ランプ制御基板293の発光制御CPUは、該ハーフミラー部105と重なる当該4つの発光表示部276を、減光状態または消灯状態に制御するようになっている(図31(b)参照)。
(連動発光演出態様におけるステップ数について)
前記演出制御基板291から駆動モータ135に出力されるパルス信号のパルス数と回転可動体102の回転変位(回転角度)とが相関関係にある。従って、パルス信号のパルス数(駆動モータ135のステップ数)に基づいて、発光演出装置270により連動発光演出態様を実行することが可能である。発光演出装置270は、図20および図30に示すように、回転可動体102を囲む約270°の範囲内に、10個の発光表示部276が、円弧状に均等に配列されている。ここで、説明の便宜上、正面視において右下に位置する発光表示部276を第1発光表示部276Aとし、反時計回りの順で、第2〜第10発光表示部276B,276C,276D,276E,276F,276G,276H,276I,276Jとする(図30参照)。
実施例の可動演出装置100は、第1演出位置に停止した回転可動体102が左回転する際には、該回転可動体102の回転途中において、第1→第2→第3→・・・→第10の順で発光表示部276(276A〜276J)とハーフミラー部105とが前後に順次重なると共に、また第1→第2→第3→・・・→第10の順で、発光表示部276(276A〜276J)とハーフミラー部105との重なりが順次解除される。また、第1演出位置に停止した回転可動体102が右回転する際には、第10→第9→第8→・・・→第1の順で発光表示部276(276A〜276J)とハーフミラー部105とが前後に順次重なると共に、第10→第9→第8→・・・→第1の順で、発光表示部276(276A〜276J)とハーフミラー部105との重なりが順次解除される。
ここで、第1〜第10の発光表示部276A〜276Jとハーフミラー部105とが前後に重なるタイミングおよび前後の重なりが解消されるタイミングは、該ハーフミラー部105の移動方向における幅サイズと、該ハーフミラー部105の移動方向における各発光表示部276A〜276Jの幅サイズに依存する。図32および図33に示すように、回転可動体102の回転変位に伴って一周するハーフミラー部105と第1〜第10の各発光表示部276A〜276Jとが前後に重なっているタイミングを、駆動モータ135のステップ数(パルス信号のパルス出力数)に基づいて規定可能である。図32は、第1演出位置から回転可動体102が左回転する場合に、第1〜第10の発光表示部276A〜276Jとハーフミラー部105とが前後に重なっているタイミングを、駆動モータ135のステップ数に基づいて示した説明図である。また、図33は、第1演出位置から回転可動体102が右回転する場合に、第1〜第10の発光表示部276A〜276Jとハーフミラー部105とが前後に重なっているタイミングを、駆動モータ135のステップ数に基づいて示した説明図である。なお、図32および図33では、各発光表示部276A〜276Jが、当該図で網掛け表示したタイミングにおいて、移動するハーフミラー部105と前後に重なるようになる。
例えば第1の発光表示部276Aについて説明すると、回転可動体102が第1演出位置から左回転する場合には、図32に示すように、該回転可動体102の回転開始からの駆動モータ135のステップ数が、70〜470ステップの間(回転可動体102の回転角度基準では、17.5〜117.5°の間)において、当該第1の発光表示部276Aとハーフミラー部105とが前後に重なった状態となる。一方、回転可動体102が第1演出位置から右回転する場合には、図33に示すように、該回転可動体102の回転開始からの駆動モータ135のステップ数が、970〜1370ステップの間(回転可動体102の回転角度基準では、242.5〜342.5°の間)において、当該第1の発光表示部276Aとハーフミラー部105とが前後に重なった状態となる。すなわち、回転可動体102の回転方向と、演出制御基板291から出力されるパルス信号のパルス数に基づく駆動モータ135のステップ数とにより、ハーフミラー部105と前後に重なっている発光表示部276を把握可能である。なお、回転可動体102が第2演出位置にある場合(ステップ数=720)には、第4〜第7の発光表示部276D,276E,276F,276Gが、ハーフミラー部105と前後に重なっている(図31(b)参照)。
(発光装飾体285について)
図12、図14、図20および図23に示すように、前記発光演出装置270の内縁部と回転可動体102の支持部材183との間に、発光装飾体285が配設されている。この発光装飾体285は、回転可動体102の回転ベース体180を囲み、回転可動体102の回転軸線Lを中心とした環状に構成されている。具体的に、発光装飾体285は、環状に形成された装飾部材286と、該装飾部材286の後側に配設されたレンズ部材287と、該レンズ部材287の後側に配設された発光装飾基板288とを備えている。装飾部材286は、周方向へ所要間隔ごとに複数(実施例では15個)の開口286aが前面に形成されると共に、該前面は所要の意匠模様が形成されている。レンズ部材287は、円弧状に形成されると共に、前方へ膨出したレンズ部が、装飾部材286の各開口286aに対応して設けられている。また、発光装飾基板288は、円弧状に形成されると共に、装飾部材286の各開口286aと前後に対向する位置に、LEDチップ288aが実装されている。発光装飾基板288は、演出制御基板291により発光制御され、発光したLEDチップ288aに対応する開口286aが明輝することで発光演出が行われる。また、発光装飾体285は、可動演出装置100を設置部材50の設置壁部51に取付けた後、発光演出装置270を取付ける前に該設置壁部51に取付けられる。そして、発光装飾体285を設置壁部51に取付けることで、可動演出装置100の回転可動体102における円板部材182を隠すようになる(図14参照)。
(パルス信号と回転可動体102の回転位置との関係について)
実施例の前記駆動モータ135は、前述したように、演出制御基板291から出力されるパルス信号に基づいて回転方向および回転速度が制御可能なパルスモータである。また、駆動モータ135の駆動軸135aに固定された駆動ギア137と回転可動体102に配設された回転ギア186とのギア比により、演出制御基板291から出力されるパルス信号に基づいて駆動モータ135が1440ステップすることで(演出制御基板291から1440回のパルスを出力することで)、回転可動体102が1回転するよう構成されている。従って、回転可動体102が第1演出位置に停止した状態から、駆動モータ135が720ステップすることで、該回転可動体102を第2演出位置まで回転変位する。すなわち、演出制御基板291から駆動モータ135へ出力されるパルス信号の出力パルス数と、回転可動体102の回転角度とは、相関関係にある。従って実施例では、演出制御基板291の駆動制御部から駆動モータ135に出力したパルス信号のパルス出力数に基づいて、回転可動体102の回転角度を識別することが可能となっている。
(連動演出について)
前記演出制御基板291の演出制御CPU291aは、演出制御プログラムに基づいて、ランプ制御基板293、表示制御基板292および前記可動演出装置100を統括的に制御するようになっていることで、実施例では、可動演出装置100の回転可動体102を回転動作と、第1表示装置103の表示部103aでの表示演出および発光演出装置270での発光演出とを連動させた連動演出が設定されている。そして、演出制御基板291の演出制御ROM292bには、連動演出において実行される内容(回転可動体102の動作態様、第1表示装置103の演出態様、発光演出装置270の発光態様)を特定する演出動作パターンが記憶されている。この演出動作パターンとして、可動演出装置100の回転可動体102を回転変位させながら表示制御基板292およびランプ制御基板293を制御することを特定した演出動作パターンと、回転可動体102を第1演出位置に停止させた状態で表示制御基板292およびランプ制御基板293を制御することを特定した演出動作パターンとが設定されている。
(回転可動体102の回転動作態様について)
ここで、実施例では、図26(a)に示すように、回転可動体102の回転動作態様が複数(実施例では4種類)設定されている。第1回転動作態様は、第1演出位置に停止している回転可動体102が、第1演出位置から第2演出位置に向けて右回転した後に該第2演出位置で停止する態様である。第2回転動作態様は、第1演出位置に停止している回転可動体102が、第1演出位置から第2演出位置に向けて左回転した後に該第2演出位置に停止する態様である。また、第3回転動作態様は、第1演出位置に停止している回転可動体102が、右回りで1回転した後に元の第1演出位置で停止する態様である。第4回転動作態様は、第1演出位置に停止している回転可動体102が、左回りで1回転した後に元の第1演出位置で停止する態様である。
(第1表示装置103の表示演出態様について)
また、実施例では、図26(b)に示すように、第1表示装置103の表示部103aにおける演出として、回転可動体102の回転動作態様に連動するようにした表示演出態様が複数(実施例では2種類)設定されている。ここで、回転可動体102が第1停止位置に停止した状態において、ハーフミラー部105に反射表示される演出(図26(b)では「ABC」を例示)の姿勢を「初期表示姿勢」として説明する。第1表示演出態様は、回転可動体102が回転変位する際に、円弧状に移動するハーフミラー部105には、常に前記初期表示姿勢が維持される演出を表示する態様である。すなわち、第1表示演出態様では、第1表示装置103の表示部103aに表示される演出を、回転可動体102の回転変位に連動して回転させながら表示する。また、第2表示演出態様は、回転可動体102が回転変位する際に、円弧状に移動するハーフミラー部105には、初期表示姿勢から徐々に姿勢が変位するように演出を表示する態様である。すなわち、第2表示演出態様は、第1表示装置103の表示部103aに表示される演出を、回転可動体102の回転変位に連動させずに固定した向きで表示する。従って、第2演出位置においては、初期表示姿勢から180°回転した「逆位置表示」により演出が表示される。なお、以降の説明では、初期表示姿勢の状態を「正位置表示」、該初期表示姿勢から180°回転した姿勢を「逆位置表示」という場合がある。
(演出動作パターンについて)
実施例では、回転可動体102の回転動作態様および第1表示装置103の表示演出態様の組合わせにより、該回転可動体102の回転変位を伴う連動演出を特定した演出動作パターンとして、複数種類(実施例では8種類(第1〜第8))が演出制御基板291の演出制御ROM291bに記憶されている(図27(a)参照)。また、回転可動体102の回転変位を伴わない演出を特定した演出動作パターンとして、複数種類(実施例では2種類(第9〜第10))が、演出制御基板291の演出制御ROM291bに記憶されている。これにより、演出制御CPU291aは、所定のタイミング(図柄変動演出前、大当り遊技終了後の特定状態前等)においてメイン制御基板290から送信された指定コマンドに基づいて、次に示す第1〜第10の演出動作パターンの何れかを決定する。そして、演出制御CPU291aは、前記演出制御プログラムを実行して、決定された演出動作パターンに基づいた各種の制御コマンド(制御信号)を表示制御基板292およびランプ制御基板293に送信することで、第1表示装置103、第1表示装置103および発光演出装置270を連動させた演出を実行し得る。
図27(a)に示すように、第1の演出動作パターンは、前記第1回転動作態様および第1表示演出態様を組合わせたもので、回転可動体102を第1演出位置から第2演出位置まで右回転で回転変位させながら、ハーフミラー部105においては、常に初期表示姿勢に維持された演出を反射表示する連動演出を特定するものである。第2の演出動作パターンは、前記第1回転動作態様および第2表示演出態様を組合わせたもので、回転可動体102を第1演出位置から第2演出位置まで右回転で回転変位させながら、ハーフミラー部105においては、初期表示姿勢から姿勢変位する演出を反射表示する連動演出を特定するものである。
第3の演出動作パターンは、第2回転動作態様および第1表示演出態様を組合わせたもので、回転可動体102を第1演出位置から第2演出位置まで左回転で回転変位させながら、ハーフミラー部105においては、常に初期表示姿勢に維持された演出を反射表示する連動演出を特定するものである。第4の演出動作パターンは、第2回転動作態様および第2表示演出態様を組合わせたもので、回転可動体102を第1演出位置から第2演出位置まで左回転で回転変位させながら、ハーフミラー部105においては、初期表示姿勢から姿勢変位する演出を反射表示する連動演出を特定するものである。
第5の演出動作パターンは、第3回転動作態様および第1表示演出態様を組合わせたもので、回転可動体102を第1演出位置から該第1演出位置まで右回転で1回転させながら、ハーフミラー部105においては、常に初期表示姿勢に維持された演出を反射表示する連動演出を特定するものである。第6の演出動作パターンは、第3回転動作態様および第2表示演出態様を組合わせたもので、回転可動体102を第1演出位置から該第1演出位置まで右回転で1回転させながら、ハーフミラー部105においては、初期表示姿勢から姿勢変位する演出を反射表示する連動演出を特定するものである。
第7の演出動作パターンは、第4回転動作態様および第1表示演出態様を組合わせたもので、回転可動体102を第1演出位置から該第1演出位置まで左回転で1回転させながら、ハーフミラー部105においては、常に初期表示姿勢に維持された演出を反射表示する連動演出を特定するものである。第8の演出動作パターンは、第4転動作態様および第2表示演出態様を組合わせたもので、回転可動体102を第1演出位置から該第1演出位置まで左回転で1回転させながら、ハーフミラー部105においては、初期表示姿勢から姿勢変位する演出を反射表示する連動演出をを特定するものである。
また、回転可動体102の回転変位を伴わない演出動作パターンとして、実施例では複数(2種類)の演出動作パターンが、演出制御基板291の演出制御ROM291bに記憶されている(図27(a)参照)。第9の演出動作パターンは、回転可動体102を第1演出位置に停止させた状態で、第1表示演出態様による演出を実行するものであって、停止しているハーフミラー部105においては、正表示位置から逆表示位置に向けて徐々に回転する演出を反射表示することをを特定するものである。また、第10の演出動作パターンは、回転可動体102を第1演出位置に停止させた状態で、第2表示演出態様による演出を実行するものであって、停止しているハーフミラー部105においては、常に正表示位置(初期表示姿勢)の演出が維持されるよう反射表示することをを特定するものである。
(第1表示装置103の連動表示演出態様について)
前記表示制御基板292の表示制御ROM292bには、前記第1、第3、第5および第7の演出動作パターンに対応した連動表示演出パターンが複数(実施例では4種類)記憶されている。第1連動表示演出パターンは、第1の演出動作パターンが演出制御CPU291aで決定された場合に選択され、回転可動体102が1/2右回転する間に、ハーフミラー部105に反射される演出が1/2左回転するよう表示することを特定するものである。第2連動表示演出パターンは、第3の演出動作パターンが演出制御CPU291aで決定された場合に選択され、回転可動体102が1/2左回転する間に、ハーフミラー部105に反射される演出が1/2右回転するよう表示することを特定するものである。第3連動表示演出パターンは、第5の演出動作パターンが演出制御CPU291aで決定された場合に選択され、回転可動体102が右回りに1回転する間に、ハーフミラー部105に反射される演出を左回りに1回転するよう表示することを特定するものである。更に、第4連動表示演出パターンは、第7の演出動作パターンが演出制御CPU291aで決定された場合に選択され、回転可動体102が左回りに1回転する間に、ハーフミラー部105に反射される演出が右回りに1回転するよう表示することを特定するものである。なお、前記第2、第4、第6および第8の演出動作パターンでは、第1表示装置103の表示部103aに表示される演出を回転させないので、該第2、第4、第6および第8の演出動作パターンに対応する連動表示演出パターンは設定されていない。
(発光演出装置270の連動発光演出態様について)
前記ランプ制御基板293には、前記第1〜第8の演出動作パターンに対応した連動発光演出パターンが複数(実施例では4種類)記憶されている。各連動発光演出パターンは、発光演出装置270の各発光表示部276について、回転可動体102の回転変位に基づいて移動する前記ハーフミラー部105と前後に重なるタイミングにおいて減光または消灯することを特定したものである。すなわち、前記第1〜第8の演出動作パターンに基づいて回転可動体102が回転変位する際に、各発光表示部276毎に、どのタイミングでハーフミラー部105と前後に重なるかは設計時に解析可能であり、この解析結果に基づいて各連動発光演出パターンが設定されている。なお、第1および第3の演出動作パターンの実行時における回転可動体102の回転変位が同じであるから、連動発光演出パターンを兼用することが可能である。同様に、第2および第4の演出動作パターンの実行時、第5および第7の演出動作パターンの実行時、第6および第8の演出動作パターンの実行時では、回転可動体102の回転変位が同じであるから、連動発光演出パターンを兼用することが可能である。
(演出動作実行処理について)
次に、演出制御基板291の演出制御CPU291aにおいて、前記演出制御プログラムに基づいて実行される演出動作実行処理について、図面を引用して説明する。図28(a)に示すように、演出制御CPU291aは、演出制御プログラムの実行により、演出動作パターンの抽選を行う契機となる指定コマンドをメイン制御基板290から受信したことを確認すると、該指定コマンドに基づいて演出動作パターンを抽選により決定する処理を行う(ステップS1)。そして、演出制御CPU291aは、決定した演出動作パターンに基づいて、表示制御基板292およびランプ制御基板293に送信する制御コマンド(制御信号)を作成し(ステップS2)、該表示制御基板292およびランプ制御基板293に該制御コマンド(制御信号)を送信する(ステップS3)。次いで、決定された演出動作パターンが、第1〜第8の演出動作パターンの何れかであるか否かを判定する(ステップS4)。ここで、第1〜第8の演出動作パターンではない場合(第9または第10の演出動作パターン)である場合には、当該演出動作実行処理を終了する。
(演出動作実行処理について)
一方、前記ステップS4において、第1〜第8の演出動作パターンであると判定した場合には、演出制御CPU291aは、決定した演出動作パターンに基づいて、モータ処理を実行する(ステップS5)。このモータ処理では、図28(b)に示すように、決定した演出動作パターンに基づいて、可動演出装置100の駆動モータ135に対し、駆動制御部からのパルス信号の出力を開始する(ステップS5a)。ここで、演出制御CPU291aは、第1〜第4の演出動作パターンが決定された際に、720パルスを送信するまでパルス信号の出力を継続する。また、演出制御CPU291aは、第5〜第8の演出動作パターンが決定された際に、1440パルスを送信するまでパルス信号の出力を継続する。そして、パルス信号の送信が完了したら(ステップS5b)、パルス信号の出力を停止してモータ処理を終了する(ステップS4c)。このモータ処理の完了により、演出動作実行処理が終了する。
(連動表示演出実行処理について)
次に、表示制御基板292において実行される連動表示演出実行処理について、図29(a)を引用して説明する。表示制御基板292の表示制御CPU292aは、前記表示制御プログラムの実行により、演出制御基板291の演出制御CPU291aから送信された制御コマンド(制御信号)の受信が確認されると、該制御コマンド(制御信号)の情報に基づいて、所定の連動表示演出パターンを選択する(ステップS21)。そして、表示制御CPU292aは、選択された連動表示演出パターンに基づいて、第1表示装置103の表示部103aに演出を表示する制御を行う(ステップS22)。
(連動発光演出実行処理について)
次に、ランプ制御基板293において実行される連動表示演出実行処理について、図29(b)を引用して説明する。ランプ制御基板293は、前記発光制御プログラムの実行により、演出制御基板291の演出制御CPU291aから送信される制御コマンド(制御信号)の受信が確認されると、該制御コマンド(制御信号)の情報に基づいて、所定の連動発光演出パターンを選択する(ステップS31)。そして、ランプ制御基板293は、選択された連動発光演出パターンに応じて、発光演出装置270の各発光表示部276の減光または消灯する制御を行う(ステップS32)。
実施例では、大当り遊技終了後の特定状態として付与される付与特典の有利度合いの違いにより、異なる演出動作パターンを決定するように設定されている。すなわち、付与特典として、前記第1付与特典K1および第2付与特典K2の何れかの付与が決定された場合には、前記第9および第10の演出動作パターンの何れかを決定するよう設定されている。これにより、第1付与特典K1または第2付与特典K2が付与された特定状態の期間中は、回転可動体102を、第1演出状態である第1演出位置に保持するようになっている。一方、付与特典として、前記第3付与特典K3の付与が決定された場合には、第1〜4の演出動作パターンを決定するように設定されている。これにより、第3付与特典K3が付与された特定状態の期間中は、回転可動体102を、第2演出状態である第2演出位置に保持するようになっている。
(実施例の作用)
前述のように構成された実施例の可動演出装置100は、第1表示装置103、ハーフミラー部105を組付けたフード181、上部カバー部材240および前部カバー体250等を、回転ベース体180の支持部材183に配設することで、回転可動体102が組立てられる。そして、ベース体101のベース部材110に設けられた第1〜第3回転支持ホイール121,122,123により、回転可動体102のフランジ部185を支持することで、当該回転可動体102がベース体101の前側における第1配設部116に回転可能に配設される。また、駆動機構106を構成する駆動モータ135および中間ギア138を、ベース体101の前側の第2配設部117に配設すると共に、第2表示装置104を、該ベース体101の前側の第3配設部118に配設する。
また、ベース体101の後側に設けられたユニット収容設置部119に、回転接続ユニット160を配設する。この際に、回転可動体102の回転ベース体180に設けられた第2連係部195,195と、回転接続ユニット160の回転部材162に設けられた第1連係部163,163とを夫々嵌合させることで、回転可動体102と回転接続ユニット160の回転部材162とが連係される。また、各センサ配設口149,149に第1検出センサ155および第2検出センサ156をセットしたもとで、カバー部材150をユニット収容設置部119に取付けることで、回転接続ユニット160、第1検出センサ155および第2検出センサ156が保持される。そして、第1表示装置103に配設した中継基板238に接続されて、回転ベース体180に設けた配線挿通口199を介してユニット収容設置部119内へ引き出した配線WH2を、回転接続ユニット160の回転部材162に配設した第2コネクタ170に接続する。更に、回転接続ユニット160の第1コネクタ168に接続された配線WH1と、第1検出センサ155に接続された配線WH3を、ベース部材110の後側に設けられた一方の配線挿通部173に通して、ベース体101の上方へ引き出す。また、第2検出センサ156に接続された配線WH4を、ベース部材110の後側に設けられた他方の配線挿通部173に通して、ベース体101の側方へ引き出す。
前述のように組立てられた可動演出装置100は、ベース体101のベース部材110を、設置部材50の設置壁部51の前側にネジで取付ける。これにより、ベース体101のユニット収容設置部119が、設置壁部51の開口部54を介して、設置部材50の後側に臨むようになる。なお、演出制御基板291および表示制御基板292を設置壁部51の後側に設置することで、ユニット収容設置部119に配設された回転接続ユニット160は、これら演出制御基板291および表示制御基板292で覆われ、通常状態においては設置部材50の後側へ露出しない。
前記設置部材50の設置壁部51に対する可動演出装置100の取付け後に、発光装飾体285を該設置壁部51に取付ける。更に、発光演出装置270を、可動演出装置100のベース体101と一部が重なった状態で、設置壁部51の前側にネジで取付ける。これにより、発光演出装置270は、回転可動体102が回転する際のハーフミラー部105の移動領域の後側に位置する。そして、可動演出装置100、発光演出装置270および発光装飾体285等を組付けた設置部材50を、遊技盤20の後側に取付けることで、可動演出装置100、発光演出装置270および発光装飾体285が、枠状装飾体35の開口35a内に位置してパチンコ機10の前側から視認可能となる。
実施例のパチンコ機10は、メインスイッチのON操作により起動して、初期設定が完了した状態において、可動演出装置100は、回転可動体102が図30に示す第1演出位置に停止保持され、該可動演出装置100は第1演出状態となる。そして、操作ハンドル16の操作に基づいて遊技が開始されて、遊技盤20の遊技領域24へ打ち出された遊技球が、始動入賞装置25の第1始動入賞口26または第2始動入賞口27に入賞すると、第1始動入賞検出センサ45または第2始動入賞検出センサ46から検出信号がメイン制御基板290に送信される。これによりメイン制御基板290では、大当り抽選が行われると共に、演出制御基板291に所定の制御信号を送信する。そして、演出制御基板291は、メイン制御基板290から送信された制御信号に基づく所定の処理を行い、表示制御基板292に制御信号を送信すると共に、可動演出装置100の、発光演出装置270、発光装飾体285等を制御する。また、表示制御基板292は、演出制御基板291から送信された制御信号に基づいて、第1表示装置103の表示部103aで所定の演出表示を行うように制御すると共に、第2表示装置104の表示部104aにおいて3列の図柄列における図柄の変動演出を行わせる。
ここで、前記始動入賞装置25の第1始動入賞口26への遊技球の入球を契機として、メイン制御基板290において大当り抽選の結果として大当りが発生すると、演出制御基板291に所定の制御信号を送信し、これに基づいて演出制御基板291から表示制御基板292に所定の制御信号が送信される。これにより表示制御基板292は、第1表示装置103の表示部103aに所定の画像や映像を表示させると共に、第2表示装置104の表示部104aに所定図柄(「0」〜「9」)の組合せで図柄を停止表示させる。また、メイン制御基板290は、第1特別入賞装置28の開閉部材28bを開放動作させて特別入賞口28aを開放させ、該特別入賞口28aへのパチンコ球の入球を可能とする。
また、前記始動入賞装置25の第2始動入賞口27への遊技球の入球を契機として、メイン制御基板290において大当り抽選の結果として大当りが発生すると、演出制御基板291に所定の制御信号を送信し、これに基づいて演出制御基板291から表示制御基板292に所定の制御信号が送信される。これにより表示制御基板292は、第1表示装置103の表示部103aに所定の画像や映像を表示させると共に、第2表示装置104の表示部104aに所定図柄(「0」〜「9」)の組合せで図柄を停止表示させる。また、メイン制御基板290は、第2特別入賞装置29の開閉部材29bを開放動作させて特別入賞口29aを開放させ、該特別入賞口29aへのパチンコ球の入球を可能とする。
(第1演出状態での演出)
実施例のパチンコ機10は、演出動作パターンの抽選を実行する契機となる指定コマンドが、メイン制御基板290から演出制御CPU291aに送信されると、該演出制御CPU291aが、前記演出動作実行処理を実行することで演出動作パターンを決定する。これに基づいて、前記第9または第10の演出動作パターンが決定された場合には、可動演出装置100の回転可動体102が、図30に示す第1演出位置に停止した第1演出状態となる。回転可動体102が第1演出位置に停止した状態では、枠状装飾体35の開口部35a内の下部において、ハーフミラー部105が第2表示装置104と前後に重なっている。従って、回転可動体102が第1演出位置となっている第1演出状態(図30(a)〜図30(c)参照)において、表示制御基板292の表示制御CPU292aの制御により第1表示装置103および第2表示装置104を同時に作動させた場合には、図30(c)に示すように、枠状装飾体35の開口部35a内の下部において、第1表示装置103の表示部103aでの演出がハーフミラー部105の反射面203で反射して表示されると共に、第2表示装置104の表示部104aでの演出がハーフミラー部105を透過して表示される。すなわち、第1演出状態では、第1表示装置103の遊技演出と第2表示装置104の遊技演出とを、枠状装飾体35の開口部35a内の下部において、当該ハーフミラー部105の範囲内で重ねて表示することができ、複雑で多彩かつ変化に富んだ演出表示が可能である。
また、第1演出状態において、表示制御基板292の表示制御CPU292aの制御により、第1表示装置103を作動させると共に第2表示装置104を作動させない場合には、図30(a)に示すように、枠状装飾体35の開口部35a内の下部において、第1表示装置103の表示部103aでの演出がハーフミラー部105の反射面203で反射して表示される。また、第1演出状態において、表示制御基板292の表示制御CPU292aの制御により、第2表示装置104を作動させると共に第1表示装置103を作動させない場合には、図30(b)に示すように、枠状装飾体35の開口部35a内の下部において、第2表示装置104の表示部104aでの演出がハーフミラー部105を透過して表示される。従って、第1表示装置103の演出と第2表示装置104の演出とを、同じ位置において単独で表示することができる。
(第2演出状態での演出)
前記演出制御CPU291aにおける演出動作実行処理により、前記第1〜第4の演出動作パターンが決定された場合には、可動演出装置100の回転可動体102が、ハーフミラー部105と第2表示装置104とが前後方向で重ならない第2演出状態における第2演出位置(図31(b))となる。この第2演出位置では、第2表示装置104の演出は第1演出状態の場合と同じ位置で行われ、第1表示装置103の演出は第1演出状態の場合とは異なる位置で行われる。しかも、回転可動体102の第2演出位置への回転変位に伴ってハーフミラー部105が環状に移動するので、第1表示装置103の演出は、枠状装飾体35の開口部35a内において、該ハーフミラー部105の移動に伴って環状に移動するようになる。そして、回転可動体102が図20および図21に示す第2演出位置では、枠状装飾体35の開口部35a内の上部にハーフミラー部105が位置すると共に、第2表示装置104の表示部104aが、該枠状装飾体35の開口部35a内の下部に位置する。
前記第2演出位置において、表示制御基板292の表示制御CPU292aの制御により、第1表示装置103および第2表示装置104を同時に作動した場合には、ハーフミラー部105の位置において第1表示装置103の表示部103aでの演出が反射表示されると共に、第2表示装置104の表示部104aでの演出が、枠状装飾体35の開口部35a内の下部において直接視認される。すなわち、第2演出状態では、第1表示装置103の演出と第2表示装置104の演出とが異なる位置で同時に表示される。そして、第2演出状態において、表示制御基板292の表示制御CPU292aの制御により、第1表示装置103を作動させると共に第2表示装置104を作動させない場合(図31(b)参照)には、枠状装飾体35の開口部35a内の適宜位置において、第1表示装置103の表示部103aでの演出が、ハーフミラー部105の反射面203で反射して表示される。また、第2演出状態において、表示制御基板292の制御により、第2表示装置104を作動させると共に第1表示装置103を作動させない場合(図示省略)には、枠状装飾体35の開口部35a内の下部において、第2表示装置104の表示部104aの演出が直接視認される。従って、第1表示装置103および演出と第2表示装置104の演出が、上下に離間した別々の位置で同時に表示されるため、遊技の興趣の向上を図り得る。
また、演出制御CPU291aにおける演出動作実行処理により、前記第5〜第8の演出動作パターンが決定された場合には、可動演出装置100の回転可動体102が、回転動作開始直後および回転動作終了直前以外において、ハーフミラー部105と第2表示装置104とが前後方向で重ならない第2演出状態となる(図31(a)、図31(b)、図31(c))となる。この第2演出状態では、第2表示装置104の演出は第1演出状態の場合と同じ位置で行われ、第1表示装置103の演出は第1演出状態の場合とは異なる位置で行われる。しかも、回転可動体102の回転変位に伴ってハーフミラー部105が環状に移動するので、第1表示装置103の演出は、枠状装飾体35の開口部35a内において、該ハーフミラー部105の移動に伴って環状に移動するようになる。
そして、前記第5および第7の演出動作パターンが決定された際には、回転可動体102を第2演出位置に停止させずに第1演出位置から該第1演出位置まで連続して1回転させると共に、環状に移動するハーフミラー部105には、常に初期表示姿勢(正位置表示)の演出が表示される。また、前記第6および第8の演出動作パターンが決定された際には、回転可動体102を第2演出位置に停止させずに第1演出位置から該第1演出位置まで連続して1回転させると共に、環状に移動するハーフミラー部105には、初期表示姿勢から姿勢変位すると共に第2演出位置を通過する際に逆位置表示となるように演出が表示される。従って、第1表示装置103の表示部103aで飛行体やジェットコースター等を表示した場合に、該飛行体が宙返りする演出やジェットコースターが1回転する演出が実行可能となる。すなわち、回転軸線Lを中心とする円周上を移動するハーフミラー部105で演出表示を行うことで、遊技盤20の枠状装飾体35内における広い範囲で演出表示がなされるようになり、変化に富む多彩な演出およびインパクトがある演出が可能となって遊技の興趣の向上を図り得る。
実施例のパチンコ機10では、前記演出動作パターンの抽選を実行する契機となる指定コマンドがメイン制御基板290から演出制御CPU291aに送信されるタイミングに応じて、回転可動体102の回転変位を伴う連動演出を、遊技中の様々なタイミングで実行することが可能である。例えば、演出動作パターンの抽選を実行する契機となる指定コマンドが、図柄変動演出の開始前においてメイン制御CPU290aから演出制御CPU291aに送信された場合には、該図柄変動演出の実行中において、回転可動体102を回転変位させる連動演出を実行することが可能である。また、演出動作パターンの抽選を実行する契機となる指定コマンドが、大当り遊技の終了時にメイン制御CPU290aから演出制御CPU291aに送信された場合には、該大当り遊技の終了後に前記特定状態が開始される際に、回転可動体102を回転変位させる連動演出を実行することが可能である。すなわち、実施例では、メイン制御基板290から送信される指定コマンドの送信タイミングに応じて、回転可動体102の回転変位を伴う連動演出の実行タイミングを、様々に設定し得る。
(発光演出装置270の発光制御について)
前記回転可動体102が第1演出状態(図10、図30(a)〜図30(c)参照)の場合には、回転可動体102が第1演出位置となり、ハーフミラー部105が第2表示装置104の前側に位置しており、該ハーフミラー部105が発光演出装置270と前後方向で重なっていない。従って、発光演出装置270を制御する演出制御基板291の演出制御CPU291aは、前記全発光演出態様(図30(a))、第1部分発光演出態様(図30(b))および第2部分発光演出態様(図30(c))の何れかを実行することで、演出効果を高めることが可能である。一方、回転可動体102が第2演出状態(図31(a)、図31(b)、図31(c))の場合には、ハーフミラー部105が発光演出装置270と前後方向で重なっている。すなわち、ハーフミラー部105は、前後方向において、発光演出装置270における発光表示部276(第1〜第10の発光表示部276A〜276J)の何れかと重なった状態となる。このため、発光演出装置270を制御するランプ制御基板293は、前記連動発光演出パターンに基づいて、ハーフミラー部105と前後に重なっている発光表示部276を減光状態または消灯状態に制御する。また、ハーフミラー部105と前後に重なっていない発光表示部276により、前記全発光演出態様(図30(a))、第1部分発光演出態様(図30(b))および第2部分発光演出態様(図30(c))の何れかを実行することで、演出効果を高めることが可能である。
そして、前記第5〜第8の演出動作パターンに基づいて、前記可動体102を第1演出位置から該第1演出位置まで連続して1回転させる演出を実行する場合(図30(a)→図31(a)→図31(b)→29(c))には、移動するハーフミラー部105と前後に重なった発光演出部276を、順次減光状態または消灯状態にする前記連動発光演出態様により制御する。すなわち、ハーフミラー部105の移動に連動して、発光演出装置270の各発光表示部276(276A〜276J)を順次減光状態または消灯状態とすることで、移動するハーフミラー部105に反射表示される第1表示装置103の演出を好適に視認することができる。また、ハーフミラー部105と前後に重なっていない(重なりが解消された)発光表示部276によって、前記全発光演出態様(図30(a))、第1部分発光演出態様(図30(b))および第2部分発光演出態様(図30(c))の何れかを実行することで、演出効果を高めることが可能である。
従って、実施例のパチンコ機10では、可動演出装置100の回転可動体102を回転させて、ハーフミラー部105を回転軸線Lを中心として回転移動させることで、該ハーフミラー部105が第2表示装置104と前後に重なった第1演出状態および該ハーフミラー部105が第2表示装置104と前後に重ならない第2演出状態に適切に切り換え可能である。すなわち、第1演出状態において第1表示装置103および第2表示装置104の両方を作動させて演出状態とすることで、第1表示装置103の演出および第2表示装置104の演出がハーフミラー部105で重ねて表示されるので、ハーフミラー部105の領域内において複雑かつ変化に富んだ演出を実行し得る。また、第1演出状態において第1表示装置103のみを演出状態とすることで、該第1表示装置103での演出がハーフミラー部105の領域内で表示される一方、第1演出状態において第2表示装置104のみを演出状態とすることで、該第2表示装置104での演出がハーフミラー部105の領域内で表示されるので、多様な演出を一箇所で実行することが可能である。一方、第2演出状態において第1表示装置103および第2表示装置104の両方を演出状態とすることで、第1表示装置103の演出および第2表示装置104の演出が別々の位置で表示されるので、広い範囲において迫力ある演出を実行し得る。従って、多彩でかつ迫力ある演出が実行可能となり、遊技の興趣の向上を図り得る。
また、実施例の可動演出装置100では、第1表示装置103の表示部103aが、バックライトを備えた液晶ディスプレイ299であり、表示部103aの表示領域が全体的に明輝するようになる。これにより、バックライトにより全体が一様に明輝した表示部103aを、ハーフミラー部の反射面203で好適に反射させることができる。また、第2表示装置104の表示部104aが、発光表示基板257のLEDチップ257aが発する照射光により対応のセグメント256のみが明輝する7セグメントディスプレイ255である。これにより、発光表示基板257のLEDチップ257aが発する照射光がハーフミラー部105で反射されることなく透過するようになり、第2表示装置104の前側にハーフミラー部105が位置していても、該第2表示装置104の演出が好適に透視されるようになる。
また、実施例の可動演出装置100では、ハーフミラー部105の両側部や第1表示装置103の周囲を、フード181で囲むように構成されている。これにより、第1表示装置103の表示部103aに外光が当り難く、該表示部103aの周囲を暗くすることができるので、第1表示装置103の演出が明瞭になる。また、ハーフミラー部105にも外光が直接に当り難いので、該ハーフミラー部105の周囲を暗くすることができ、反射面203で反射した第1表示装置103の演出が明瞭になると共に、第2表示装置104の演出も明瞭になり、第1表示装置103の演出および第2表示装置104の演出の視認性を高めることができる。更に、フード181の前壁部材214とハーフミラー部105とが前後方向で重ならないので、該ハーフミラー部105の一部が前壁部材214で隠れて見えなくなることが防止され、ハーフミラー部105に反射表示される第1表示装置103の表示部103aの演出に対する視認性が低下することを防止し得る。
一方、発光演出装置270は、回転可動体102の回転に伴って環状に移動するハーフミラー部105の移動領域に沿って並んで配列された複数の発光表示部276を点灯制御することで、枠状装飾体35の開口部35a内における広い範囲が照明されるようになり、迫力ある演出を実行することができる。そして、回転可動体102の回転に伴って環状に移動するハーフミラー部105に合せて、該ハーフミラー部105と前後に重なった発光表示部276を減光状態または消灯状態とすることで、回転可動体102を回転させながら第1表示装置103の演出を実行する際に、ハーフミラー部105に反射した該第1表示装置103の演出が、発光した発光表示部276と重ならない。従って、回転可動体102の回転中において、ハーフミラー部105に反射表示された第1表示装置103の演出を好適に表示することができる。
また、第1表示装置103は、表示部103aでの演出を、回転させたり上下逆転して表示することが可能であるから、回転可動体102が第2演出位置となることで上下逆向きの姿勢となったハーフミラー部105においては、該第1表示装置103の表示部103aの演出を、上下が正常な向きである正位置表示または上下が逆向きである逆位置表示で表示することができる。従って、回転可動体102が第2演出位置においては、ハーフミラー部105において多彩な演出を表示することができる。また、大当り遊技遊技後の特定状態において付与される付与特典の種類に応じて、ハーフミラー部105に反射表示される第1演出装置103の演出位置および演出内容を異ならせることで、付与特典の種類に基づいた演出表示の多様化が図られて遊技の興趣の向上を図り得る。
(回転可動体102と回転接続ユニット160との連係について)
回転接続ユニット160の回転部材162に設けられた第1連係部163と、回転可動体102に設けられた第2連係部195とが、該回転部材162の回転軸線Lに沿う方向および該回転軸線Lと直交する直径方向において相対的な位置が変位が許容されるように連係されている。これにより、回転中の回転可動体102に振動が発生した場合や、駆動機構106を起因とした振動が発生した場合に、各第1連係部163と各第2連係部195との相対位置が変位することで、該回転可動体102に発生する振動や位置ずれを第1連係部163および第2連係部195で吸収し得るようになり、回転部材162に振動や負荷がかかることを防止し得る。これにより、回転可動体102の回転に伴う回転部材162の回転時に、ケース体161に配設された第1導通部164と回転部材162に配設された第2導通部165との摺接状態が安定的に維持され、演出制御基板291から該回転可動体102に設けられた第1表示装置103への電気供給や信号送信の安定化が図られる。
また、第1連係部163は、突出方向と直交する交差方向での断面形状が円形をなしているので、第2係合部195との接触面積を小さくすることができる。これにより、第1連係部163と第2連係部195との相対的な位置変位がスムーズになり、回転可動体102に発生する振動を適切に吸収することができる。更に、複数組の対をなす第1連係部163,163および第2連係部195,195が、回転部材162の回転軸線Lと直交する直径方向で該回転軸線Lから離間した位置に設けられているので、回転部材162と回転可動体102との安定した連係を図ることができる。そして、対をなす第1連係部163および第2連係部195と、別の対をなす第1連係部163および第2連係部195とは、回転部材162の回転軸線Lを通る直線上から外れた位置に設けられることで、第2連係部195の長手の向きが各第2連係部195毎に異なる。これにより、回転部材162の外面162aの面方向において、回転可動体102が該回転部材162に対して相対的な位置変位が可能となり、該回転可動体102の振動をより一層吸収し易い。
更に、回転接続ユニット160は、ケース体161が、図13および図17に示すように、弾性変形が可能な保持部材169,169を介してベース体101のユニット収容設置部119の取付壁部145に取付けられている。従って、回転可動体102の回転時に発生した振動が回転接続ユニット160に伝達された場合に、ケース体161が取付壁部145に対して僅かに動くことが許容されると共に保持部材169,169が振動を吸収し得るので、ケース体161と回転部材162との間に負荷がかかることを軽減し得る。
(回転接続ユニット160の脱着について)
実施例のパチンコ機10では、演出制御基板291および表示制御基板292を設置部材50から取り外すことで、設置壁部51に形成された開口部54を介してユニット収容設置部119が設置部材50の後側へ露出する(図9(b)参照)。これにより、ユニット収容設置部119に対するカバー部材150の脱着が可能であると共に、回転接続ユニット160の脱着や、第1検出センサ155および第2検出センサ156の脱着も可能である。すなわち、実施例のパチンコ機10では、設置部材50を遊技盤20から取り外したり、該設置部材50から可動演出装置100を取り外したり、可動演出装置100の回転可動体102をベース体101から取り外すことなく、回転接続ユニット160や、第1および第2検出センサ155,156の脱着が可能である。従って、回転接続ユニット160のメンテナンスおよび交換作業や、第1および第2検出センサ155,156のメンテナンスおよび交換作業を、迅速かつ容易に行うことができる。特に、回転接続ユニット160は、第1導通部164と第2導通部165との接触状態を適切に維持するために定期的なメンテナンスが必要とされるユニットであり、該回転接続ユニット160のメンテナンス作業の迅速化および容易化に顕著な効果を奏する。
(変更例)
本発明に係る遊技機は、実施例に例示の形態に限らず種々の変更が可能である。
(1)第1演出位置および第2演出位置の間を姿勢変位しながら移動する可動手段と連動する表示演出を演出表示部で実行する連動表示演出は、制御手段から駆動手段に出力されるパルス信号の出力パルス数に基づいて、可動手段の姿勢変位をリアルタイムで算出して、該演出表示部に表示される演出の角度を決定するようにしてもよい。
(2)第1演出位置および第2演出位置の間を姿勢変位しながら移動する可動手段と連動する発光演出を発光演出手段で実行する連動発光演出は、制御手段から駆動モータに出力されるパルス信号の出力パルス数に基づいて、可動手段の姿勢変位をリアルタイムで算出して、減光または消灯する発光演出手段を決定するようにしてもよい。
(3)可動手段にエンコーダやセンサ等の位置検出手段を配設し、該位置検出手段から送信される検出信号により把握される可動手段の位置に基づいて、演出表示部に表示される演出の表示角度やを決定したり、減光または消灯する発光演出手段を決定するようにしてもよい。
(4)実施例では、可動体が回転変位する構造とすることで、ハーフミラー部が第2表示装置と前後に重なる第1演出状態および該ハーフミラー部が第2表示装置の前側から外れた第2演出状態に変更可能な可動演出装置を例示したが、可動体が直線状またはスプライン曲線状に往復移動することで、第1演出状態および第2演出状態に変更する構造であってもよい。
(5)回転可動体に配設される第1表示手段を、表示部が7セグメントディスプレイから構成されたものとし、ベース体に配設される第2表示手段を、表示部が液晶ディスプレイから構成されたものとしてもよい。
(6)第1表示手段および第2表示手段は、表示部が、液晶タイプの表示ディスプレイやセグメントタイプの表示ディスプレイから構成されたものに限らず、ドッドマトリックスタイプの表示ディスプレイ、ドラムタイプの表示装置、ベルトタイプの表示装置等から構成されたものであってもよい。また、セグメントタイプの表示ディスプレイは、7セグメントディスプレイに限らず、14セグメントディスプレイや16セグメントディスプレイとしていもよい。
(7)可動演出装置の回転ベース体に配設される第1表示手段の配設姿勢は、実施例に例示した前後方向と直交する方向に表示部が向いた姿勢に限定されず、前後方向に対して斜めに交差する方向に表示部が向いた姿勢であってもよい。
(8)可動演出装置の回転ベース体に配設されるハーフミラー部の配設姿勢は、実施例に例示した傾斜角度に限定されず、反射表示する第1表示手段の配設姿勢との関係で、様々に設定することが可能である。
(9)可動演出装置は、回転可動体に複数の表示装置を配設すると共に複数のハーフミラー部を配設したり、ベース体に複数の表示装置を配設した構成としてもよい。
(10)回転可動体の第1演出位置および第2演出位置は、実施例で例示した位置に限るものではなく、様々な位置に設定可能である。また、第2演出位置は、第1演出位置から180°回転した位置に限るものではなく、ハーフミラー部と第2表示装置とが重ならない状態であれば、第1演出位置から180°未満の所要角度に回転した位置(例えば、図31(a)に示す位置、図31(c)に示す位置、図31(a)と図31(b)との間の位置、図31(b)と図31(c)との間の位置)を第2演出位置としてもよい。また、第2演出位置は、ハーフミラー部と第2表示装置とが重ならない状態で複数の位置を設定してもよい。
(11)回転接続ユニットに設けられた第1連係部を、回転部材の外面から凹んだ凹状部とすると共に、回転可動体に設けられた第2連係部を、該第1連係部に嵌合可能な凸状部として、第2嵌合部より第1連係部を幅広に形成することで、相対位置が変位可能に第1連係部と第2連係部とが嵌合するよう構成してもよい。
(12)第1連係部または第2連係部において、回転接続ユニットまたは回転可動体から突出した凸状部の連係部は、突出方向と交差する方向の断面積は円形状に限らず、楕円形状や、多角形状であってもよい。
(13)第1連係部および第2連係部からなる組の数は、実施例に例示した2組に限らず、1組または3組以上であってもよい。
(14)ユニット収容設置部に配設した回転接続ユニットを保持するカバー部材は、該ユニット収容設置部の開口を塞ぐ形状としてもよい。
(15)遊技盤の盤面構成は、実施例に示すものに限られるものでなく、特別入賞装置は1つであってもよく、また第1始動入賞口と第2始動入賞口とが別々に遊技盤に取着される構成であってもよい。更に、ゲート部材も1つであってもよい。
(16)実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(17)実施例において演出制御手段(演出制御CPU)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を演出制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、演出制御基板(演出制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における演出制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、演出制御手段が兼用することができる。
(18)実施例では、演出制御基板に備えられた駆動制御部から出力したパルス信号に基づいて駆動モータを駆動制御する構成となっているが、駆動制御部は、演出制御基板とは別に構成してもよい。この場合には、演出制御基板と駆動制御部とが配線により接続されて、該演出制御基板の演出制御CPUから駆動制御部へ制御信号が送信されることで、該駆動制御部が該制御信号に基づいて駆動モータに対してパルス信号を出力するよう構成される。
(19)遊技機としては、実施例で例示したパチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機や、スロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
ここで、前記スロットマシンは、前方に開口する矩形箱状に形成された本体としての筐体と、該筐体の前側に開閉可能に取り付けられた前側部材としての前面扉とを備えており、複数列のリールユニットを備えた図柄表示装置が、前面扉に設けられた窓口に臨むように配設されている。また、前面扉には、イラストや動画等の各種演出情報を表示可能な液晶式の演出表示装置、初期位置および移動位置の間を姿勢変位する可動演出装置および装飾装置等が配設されている。そして、スロットマシンは、主制御手段から送信される各種指示情報に基づいて、前記図柄表示装置、演出表示装置、可動演出装置(可動手段)および装飾装置による遊技演出の制御を行う演出制御手段や、所定の開始条件の成立を契機として当り判定を実行する当り判定手段を備え、前記当り判定手段の判定結果が当りである場合に遊技者に有利な特別遊技が生起されるよう構成されている。
102 回転可動体(可動手段)
103 第1表示装置(第1表示手段)
104 第2表示装置(第2表示手段)
105 ハーフミラー部(演出表示部)
276 発光表示部(発光演出手段)
290 メイン制御基板(メイン制御手段、当り判定手段)
291 演出制御基板(作動制御手段、発光制御手段)
292 表示制御基板(表示制御手段)
L 回転軸線

Claims (4)

  1. 所定の開始条件の成立を契機として当り判定を実行する当り判定手段と、演出表示が行われる演出表示部が配設された可動手段とを備え、前記当り判定手段の判定結果が当りである場合に遊技者に有利な特別遊技が生起させる遊技機において、
    前記可動手段は、作動制御手段の制御に基づいて、第1演出位置および該第1演出位置から離れた第2演出位置の間を姿勢変位可能に構成され、
    前記演出表示部は、表示制御手段の制御に基づいて、前記第1演出位置に停止時、前記第2演出位置に停止時、第1演出位置および第2演出位置の間の移動時に演出表示が可能に構成され、
    前記演出表示部の移動領域の後側に、該演出表示部(105)の移動領域に沿って配列された複数の発光演出手段を備え、
    前記各発光演出手段は、発光制御手段の制御に基づいて、明輝した発光状態と、該発光状態よりも暗い減光状態または消灯状態とに個別に切替え可能に構成され、
    前記可動手段の姿勢変位に基づいて前記演出表示部を前記第1演出位置および第2演出位置の間で移動させながら該演出表示部で演出を行う演出表示では、移動する該演出表示部の後方に位置する発光演出手段を、前記減光状態または消灯状態に制御可能に構成された
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記可動手段が、前後方向に延在する回転軸線を中心として回転するように配設され、
    環状に配列された前記発光演出手段を、前記演出表示部の移動に伴って順次減光状態または消灯状態に制御可能に構成された請求項1記載の遊技機。
  3. 前記第2演出位置は、前記第1演出位置に対して前記回転軸線を挟んだ反対に設定され、
    前記演出表示部は、前記回転軸線を中心として、前記第1演出位置での該演出表示部と反対向きとなる姿勢で前記第2演出位置に保持され、
    前記演出表示部が前記第1演出位置に保持されている場合は、該演出表示部において正位置表示となる演出表示を実行可能に構成され、
    前記演出表示部が前記第2演出位置に保持されている場合は、該演出表示部において、正位置表示となる演出表示および該正位置表示に対し反対向きの逆位置表示となる演出表示を実行可能に構成された請求項2記載の遊技機。
  4. 前記可動手段に配設されて該可動手段の変位に追従して姿勢変位する第1表示手段と、前記第1演出位置に位置する前記演出表示部の後方に固定された第2表示手段とを備え、
    前記演出表示部は、前記第1表示手段の演出を反射して表示し得ると共に、前記第2表示手段の演出を透過し得るよう構成され、
    前記第1表示手段の演出および第2表示手段の演出を重ねて表示する場合には、前記演出表示部を、前記第2表示手段と前後に重なる前記第1演出位置に移動させる一方、
    前記第1表示手段の演出および第2表示手段の演出を重ねずに表示する場合には、前記演出表示部を、前記第2表示手段と前後に重ならない位置に移動させる請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
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