JP2017000094A - シート張り構造物の断熱施工法、シート張り構造物、シート張り構造物の断熱施工用スペーサ部材、及び構造物の断熱施工用中空板 - Google Patents

シート張り構造物の断熱施工法、シート張り構造物、シート張り構造物の断熱施工用スペーサ部材、及び構造物の断熱施工用中空板 Download PDF

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Abstract

【課題】 厚みのある空気層によって優れた断熱効果が得られるシート張り構造物の断熱施工法、及び断熱施工されたシート張り構造物、及びその断熱施工に用いられるスペーサ部材、及び構造物の断熱施工用中空板を提供すること。
【解決手段】 第一気密シート材1と;この第一気密シート材1上に重ねて張設される立体編地から成るスペーサ部材2と;このスペーサ部材2上に重ねて張設される第二気密シート材3とを含む構成を採用することによって、前記第一気密シート材1と第二気密シート材3の間にスペーサ部材2の厚みに応じた任意厚さの空気層を作出できるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シート張り構造物の断熱施工法の改良、詳しくは、厚みのある空気層によって優れた断熱効果が得られるだけでなく、シート張り部分の強度も向上でき、しかも、施工作業も効率的に行えるシート張り構造物の断熱施工法、及び断熱施工されたシート張り構造物、及びその断熱施工に用いられるスペーサ部材、及び構造物の断熱施工用中空板に関するものである。
周知のとおり、農作物を栽培する際には、保温や遮光により温度や日射量を作物に適するように調整するため、雨風から作物を守るため、または害虫や病気による悪影響を防ぐためにビニルハウスを構築してハウス内で栽培を行うことが多い。また一般的に、ビニルハウスは金属管で組まれた枠体上に樹脂フィルムを張って構築されるが、それだけだとハウス内の室温が外気温に影響され易いという問題がある。
そこで、従来においては、ビニルハウスの遮熱効果を上げるために、気密シート材である樹脂フィルムを二重に張設し、更にこれらのフィルム間に所定厚さの空気層を形成して断熱効果を増大させる方法が採られている。この際、所定厚さの空気層を形成する方法としては、二重の樹脂フィルム間に送風機で空気を送り込んで空気圧を調整することにより空気層の厚さを保つ方法が知られている。
しかしながら、上記送風機を用いる方法では、空気層の厚さを維持し続けるために、常時、送風機を稼働させる必要があったため、電気代が高く付くコスト上の問題があった。しかも、上記送風機を用いる方法では、強風等で小石や折れた木の枝などがシート張り部分に当たったときに、表側の樹脂フィルムが破れて空気圧が低下し、空気層の厚さを維持できなくなる問題も生じ易かった。
一方、従来においては、二枚の気密シート材の間にメッシュ状の織物を挟み込んで空気層を形成する技術も公知となっているが(特許文献1参照)、この技術に関しては、数ミリ程度の厚さの空気層しか形成できなかったため、断熱効果に乏しいという欠点があった。また、シート張り部分の強度を高めるためにメッシュ織物の糸密度を大きくすると、網目が小さくなって採光性が低下する問題もあった。
また、従来においては、二枚の気密シート材の間に波状に加工した金網を挟み込んで厚みのある空気層を形成する技術も公知となっているが(特許文献2参照)、この技術では、日射で高温になった金網によって熱せられた気密シート材が短期間で劣化する問題があった。また、波型に立体加工された金網は、圧縮してコンパクト化することができなかったため、不使用時の収納や運搬も面倒であった。
他方また、最近では、二枚の気密シート材の間に発泡樹脂体や空気袋をスペーサとして挟み込む技術も提案されているが(特許文献3,4参照)、これらの技術は、発泡樹脂体や空気袋を挟み込んだ二重シート材を工場等で予め製造する必要があったため、既存のビニルハウス等への適用が難しかった。またこのシート材も、不使用時にコンパクト化することができなかったため、収納や運搬に不便であった。
実開昭58−89508号 実開昭54−16862号 特開2010−68780号 特開2014−217377号
本発明は、上記の問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、厚みのある空気層によって優れた断熱効果が得られるだけでなく、必要に応じて採光性を保持したままシート張り部分の強度を向上することもでき、しかも、使用時の不都合もなく、不使用時の取り扱いも容易で施工作業も効率的に行えるシート張り構造物の断熱施工法、及び断熱施工されたシート張り構造物、及びその断熱施工に用いられるスペーサ部材、及び構造物の断熱施工用中空板を提供することにある。
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
即ち、本発明は、天井部分や側壁部分が気密シート材によって形成されるシート張り構造物の断熱施工法において、
構造物の骨組みとなる枠体Fを組み上げた後、この枠体F上に第一気密シート材1を張設する工程と;当該工程後、前記第一気密シート材1上に、立体編地から成るスペーサ部材2を重ねて張設する工程と;当該工程後、前記スペーサ部材2上に第二気密シート材3を更に重ねて張設する工程とを採用することによって、前記第一気密シート材1と第二気密シート材3の間にスペーサ部材2の厚みに応じた任意厚さの空気層を作出できるようにした点に特徴がある。
また、上記スペーサ部材2に関しては、編組織から成る紐体が網状を成すように編成された表裏の地編組織21・21’と、これら表裏の地編組織21・21’を繋ぐモノフィラメントから成る連結糸22とから構成された立体編地を使用するのがコスト面や軽量性、光透過性、形態安定性、弾力性の面で好ましい。
また更に、上記スペーサ部材2に、表裏の地編組織21・21’が六角形状または菱形状の網目が並んだ網状に編成された立体編地を使用すれば、不使用時に網目を閉じてコンパクトな形態とすることができるため、スペーサ部材2の収納や保管、運搬を容易に行える。なお使用時には、立体編地を引き伸ばすだけで網目を開くことができるため、施工性が損なわれることもない。なお上記「六角形状または菱形状の網目」には、蛇行する紐体間に形成された丸みを帯びた形状の網目も含まれる
そして更に、上記スペーサ部材2に関しては、表裏の地編組織21・21’が同一形状の網状に編成されると共に、表裏の地編組織21・21’を網目位置が合致するように平行に配置した状態で、各地編組織21・21’の対向する紐体同士が連結糸22によって帯状に一体編成された立体編地を使用することによって、低コスト化及び軽量化を図ることができる。
一方、上記スペーサ部材2に、表裏の地編組織21・21’が両地編組織の対面方向に対し斜めにハの字またはV字型に掛け渡された、或いはクロスするように掛け渡された連結糸22により一体編成された立体編地を使用して、形態安定性や遮光性を高めることもできる。
そしてまた、本発明では、上記気密シート材を3つ以上使用すると共に、これらの気密シート材とスペーサ部材2を交互に積層して、各気密シート材の間にスペーサ部材2の厚みに応じた任意厚さの空気層を作出することもでき、これによってより大きな断熱効果を得ることができる。
他方、本発明は、天井部分や側壁部分が気密シート材によって形成されるシート張り構造物において、
構造物の骨組みとなる枠体Fと;この枠体F上に張設される第一気密シート材1と;この第一気密シート材1上に重ねて張設される立体編地から成るスペーサ部材2と;このスペーサ部材2上に重ねて張設される第二気密シート材3とを含む構成を採用することによって、前記第一気密シート材1と第二気密シート材3の間にスペーサ部材2の厚みに応じた任意厚さの空気層を作出できるようにした点にも特徴がある。
また、本発明は、構造物の骨組みとなる枠体F上において二重の気密シート材間に配置して張設されるシート張り構造物の断熱施工用スペーサ部材を、編組織から成る紐体が網状を成すように編成された表裏の地編組織21・21’と、これら表裏の地編組織21・21’を繋ぐモノフィラメントから成る連結糸22とを一体編成して構成した点にも特徴がある。
また更に本発明は、構造物の断熱施工時に使用する中空板を、第一気密シート材1と;この第一気密シート材1上に積層一体化される立体編地から成るスペーサ部材2と;このスペーサ部材2上に積層一体化される第二気密シート材3とを含んで構成することによって、前記第一気密シート材1と第二気密シート材3の間にスペーサ部材2の厚みに応じた任意厚さの空気層を作出することもできる。
本発明では、シート張り構造物において、気密シート材の間にスペーサ部材として立体編地を挟み込んでシート張り部分を構成したことにより、使用する立体編地の厚みに応じて、断熱効果が得られる充分な厚さの空気層を形成することができる。また立体編地の厚さは編成時に自由に変更することができるため、通常の編地や織地よりも空気層の厚さ調整が容易に行える。
しかも、本発明では、スペーサである立体編地の弾力性を利用してシート張り部分の強度を向上させることもできる。また本発明では、地編組織の糸密度を変えずに連結糸の太さや使用量等により弾力性を調整できるため、採光性を下げずにシート張り部分の強度を向上させることもできる。もちろん、遮光性を上げたい場合には、地編組織の糸密度を大きくすることもできる。
また本発明では、立体編地をスペーサとして用いたことにより、気密シート材間の空気圧に関係なく空気層の厚さを維持できるため、送風機等の電気代が嵩むこともなく、また表面側の気密シート材が破れる等のアクシデントが生じた場合でも急激に断熱性能が低下することもない。また、立体編地は金網のように日射で高温になることもないため、気密シート材の劣化が早く進む心配もない。
また更に、上記スペーサとして使用する立体編地は、不使用時に圧縮してコンパクト化することができるため、保管や運搬等の取り扱いも容易に行える。加えて、上記立体編地と二枚の気密シート材は、工場等で予め一体化しておく必要もないため、既存のシート張り構造物(ビニルハウス等)に立体編地と表面側の気密シート材を張設して容易に断熱施工を行うことができる。
したがって、本発明により、スペーサとして使用する立体編地の編成条件によって、空気層の厚さを調整できるだけでなく、作物の育成環境に合った採光量に調整することもでき、しかも、シート張り部分の強度や施工の容易性、ランニングコストの面でも有利なシート張り構造物の断熱施工法を提供できることから、実用的利用価値は非常に高い。
本発明の実施例1におけるシート張り構造物を表わす断面図である。 本発明の実施例1における気密シート材とスペーサ部材の積層構造を表わす斜視図である。 本発明の実施例1におけるスペーサ部材をコンパクト化した状態を表わす拡大斜視図である。 本発明の実施例2における気密シート材とスペーサ部材の積層構造を表わす斜視図である。 本発明の実施例2におけるスペーサ部材をコンパクト化した状態を表わす拡大平面図である。 本発明の変形例におけるスペーサ部材の形態を表わす拡大平面図である。 本発明の実施例3におけるネシート張り構造物を表わす拡大断面図である。
『実施例1』
本発明の実施例1を図1〜図3に基づいて以下に説明する。なお図中、符号Fで指示するものは、構造物の枠体であり、符号1で指示するものは、第一気密シート材である。また符号2で指示するものは、スペーサ部材であり、符号3で指示するものは、第二気密シート材である。
「シート張り構造物の基本構成」
まずシート張り構造物Sの基本構成について説明する。本実施例では、図1及び図2に示すように、構造物の骨組みとなる枠体F上に、気密性を有する第一気密シート材1を張設すると共に、その第一気密シート材1上に立体編地から成るスペーサ部材2、及び気密性を有する第二気密シート材3を順に積層・張設してビニルハウス型のシート張り構造物Sを構成している。
これにより、シート張り構造物Sの天井部分や側壁部分を二重の気密シート材によって形成できるだけでなく、これら第一気密シート材1と第二気密シート材3の間に張設されたスペーサ部材2の厚みに応じて任意厚さの空気層を作出することができるため、構造物の天井部分や側壁部分の断熱性を高めることができる。またスペーサ部材2によって、シート張り部分の強度を向上させることもできる。
「枠体」
次に上記シート張り構造物Sの各構成要素について別個に説明する。まず枠体Fに関しては、本実施例では、図1に示すアーチパイプF1(曲管)を奥行き方向に複数並べて設置すると共に、これらのアーチパイプF1を直管から成る母屋パイプF2(直管)で連結し、更に両端に設置されたアーチパイプF1の内側に直管から成る支柱F3(直管)や水平梁F4(直管)を組んで小屋サイズの構造物を構築している。
なお、サイズが小さいシート張り構造物S(トンネル型ビニルハウス等)を構築する場合には、枠体Fをアーチパイプのみで構成することもできる。また、テント型やドーム型のシート張り構造物Sを構築する場合には、直管やアーチパイプを組み合わせてその形状に応じた枠体Fを構成することができる。また、シート張り構造物Sを建築物とする場合には、枠体Fに鉄骨等を使用することもできる。
「気密シート材」
次に上記気密シート材(第一気密シート材1及び第二気密シート材3)に関しては、本実施例では、耐候性に優れた農業用のポリオレフィン系フィルムを使用している。但し、気密性を有する合成樹脂フィルムであれば、ビニルハウスに好適に使用することができ、例えば、安価なポリ塩化ビニルフィルムや硬質なフッ素樹脂フィルム等を第一気密シート材1や第二気密シート材3として使用することもできる。
また本実施例では、上記気密シート材に採光が可能な白色の半透明フィルムを使用しているが、全波長域または特定波長域の光透過性を考慮して透明度や色を変更することもできる。また、上記気密シート材に関しては、気密性を有するシート材であれば、非通気加工を施した布帛や不織布を使用することもできる。そしてまた、上記第一気密シート材1及び第二気密シート材3に異なるシート材料を使用することもできる。
「スペーサ部材」
次に上記スペーサ部材2に関しては、本実施例では、ダブルラッセル編機で編成された立体編地を使用している。なお「立体編地」とは、表裏の地編組織21・21’とこれらを繋ぐ連結糸22とから成る編地のことをいう。また本実施例では、図2及び図3に示すように、立体編地の表裏の地編組織21・21’を、編組織から成る紐体が網状を成すように編成し、連結糸22にモノフィラメント糸を使用している。
これにより、網目サイズが大きくなるように地編組織21・21’を編成すれば、その分だけ立体編地の糸使用量を抑えることができるため、スペーサ部材2の面積当たりのコストや重量を低減できる。また大きい網目が形成されることで、スペーサ部材2の光透過性を高めることもできる。また網目サイズを大きくした場合でも、連結糸22に比較的剛性の大きいモノフィラメント糸を使用することで、充分な形態安定性や弾力性が得られる。
また本実施例では、スペーサ部材2に、表裏の地編組織21・21’が六角形状及び菱形状の網目が並んだ網状に編成された立体編地を使用しているため、図3に示すように、不使用時には立体編地の網目を閉じてスペーサ部材2をコンパクトに収納、保管または運搬することができる。なお、コンパクト化した立体編地は、引き伸ばすだけで簡単に網目を開くことができるため、張設時の作業性も良好となる。
また更に、本実施例では、図2及び図3に示すように、立体編地の表裏の地編組織21・21’を同一形状の網状に編成すると共に、表裏の地編組織21・21’を網目位置が合致するように平行に配置した状態で、各地編組織21・21’の対向する紐体同士を、両地編組織の対面方向に掛け渡された連結糸22によって帯状に一体編成しているため、連結糸22の糸使用量を最低限に抑えることができる。
「シート張り構造物の断熱施工方法」
次に、上記シート張り構造物Sの断熱施工法について説明する。本実施例では、まず構造物の骨組みとなる枠体Fを組み上げた後、この枠体F上に第一気密シート材1を張設する。具体的には、アーチパイプF1と母屋パイプF2を組み上げた後、第一気密シート材1を複数並べて設置したアーチパイプF1上に張り、ピンと張った状態で第一気密シート材1を枠体Fに固定する。
そして、上記第一気密シート材1を張設した後は、第一気密シート材1上に、スペーサ部材2を重ねて張設する。この際、スペーサ部材2の張設作業は、立体編地の片方の縁部をアーチパイプF1の一方の下部に固定した状態で、立体編地の反対側の縁部に付けた紐をアーチパイプF1の他方側から引っ張り、引き延ばされた立体編地の紐付きの縁部をアーチパイプF1の他方側の下部に固定して行うことができる。
そして最後に、上記スペーサ部材2上に、第一気密シート材1と同じように第二気密シート材3を重ねて張設する。これにより、上記第一気密シート材1と第二気密シート材3の間にスペーサ部材2の厚みに応じた任意厚さの空気層を作出することができる。
なお、上記気密シート材やスペーサ部材2の張り方や固定手段については、枠体Fの形状に合った方法を自由に選択することができるが、具体的には、農業用ハウスのバンド状のシート押さえ具(ハウスバンド)を使用して、気密シート材やスペーサ部材2をアーチパイプ上に安定して固定することができる。
『実施例2』
次に、本発明の実施例2について図4及び図5に基いて以下に説明する。この実施例2では、スペーサ部材2に、表裏の地編組織21・21’が両地編組織の対面方向に対し斜めにハの字またはV字型に掛け渡された連結糸22によって一体編成された立体編地を使用している。具体的には、表側の地編組織21の網目サイズよりも裏側の地編組織21’の網目サイズを小さくして、双方の地編組織21・21’の紐体同士を連結糸22で繋いでいる。
これにより、立体編地に厚さ方向の圧力が掛かった場合でも、連結糸22が倒れ難くなるため、スペーサ部材2の形態安定性を高めることができる。加えて、地編組織21・21’の網目の内側に連結糸22が無数に配置されるため、遮光性を高めることもできる。また本実施例のスペーサ部材2も、表裏の地編組織21・21’を六角形状の網目が並んだ網状に編成しているため、図5に示すように、網目を閉じてコンパクトに収納できる。
なお、上記立体編地の連結糸22を倒れ難くするためには、図6に示すように、表裏の地編組織21・21’の対面方向に対し斜めにクロスするように掛け渡された連結糸22によって両組織を一体編成してもよい。なお図6に示すスペーサ部材2では、同じ網目サイズで形成した表側と裏側の地編組織21・21’を、網目位置がズレるように平行に配置した状態で、両組織の紐体を連結糸22で繋ぐことにより連結糸22が斜めにクロスするようにしている。
また、図6に示すスペーサ部材2に関しても、表裏の地編組織21・21’を、蛇行する紐体が並ぶ網状とすることによって、各地編組織21・21’の紐体間に丸みを帯びた六角形状の網目を連続的に形成しているため、図5に示すスペーサ部材2と同様に網目を閉じてコンパクト化することができる。
『実施例3』
次に、本発明の実施例3について図7に基いて以下に説明する。この実施例3では、第一気密シート材1と第二気密シート材3に加え、第三気密シート材4を使用して気密シート材を三重に張設している。具体的には、枠体F上に第一気密シート材1を張設した後、スペーサ部材2及び第二気密シート材3を順に張設し、更にその後、スペーサ部材2と第三気密シート材4を順に張設している。
このように各気密シート材とスペーサ部材2を交互に積層して、各気密シート材の間にスペーサ部材2・2の厚みに応じた任意厚さの空気層を作出することによって、二層の空気層を形成することができるため、より大きな断熱効果が得られる。なお図示しないが、気密シート材を4つ以上使用してスペーサ部材2と交互に積層することにより、空気層を三層以上形成することもできる。
『実施例4』
次に、本発明の実施例4について以下に説明する。この実施例4では、構造物の断熱施工に用いる中空板を、第一気密シート材1上に立体編地から成るスペーサ部材2を積層一体化し、更にこのスペーサ部材2上に第二気密シート材3を積層一体化して構成している(図示せず)。これにより、第一気密シート材1と第二気密シート材3の間にスペーサ部材2の厚みに応じた任意厚さの空気層を作出した中空板を作製できる。
また本実施例では、上記中空板に、所定形状の枠材(金属パイプを所定形状に組んだものや所定形状の板材)を使用して、気密シート材とスペーサ部材2を枠材に取り付けて一体化しているが、熱プレス成形やインジェクション成形により気密シート材とスペーサ部材を一体化することもできる。
また、上記中空板に関しては、構造物(例えば農業用ハウスやテントハウス)の壁材や天井材、ドア材、換気口等に好適に使用できる他、構造物内に敷設するマット材や断熱用具として使用することもできる。また中空板の気密シート材には、柔軟な樹脂フィルムや布帛だけでなく硬い薄板材を使用することもできる。
本発明は、概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、スペーサ部材2の立体編地に関しては、地編組織21・21’の地編糸に、連結糸22とは異なるモノフィラメント糸やマルチフィラメント糸を使用することでき、また地編組織21・21'を網目のない網組織とすることもできる。
また、立体編地の連結糸22に使用する糸材に関しては、比較的剛性の高いモノフィラメントや炭素繊維が好ましいが、これらを複数本引き揃えて使用することもできる。また、モノフィラメント糸の材質には、要求される強度や張力、弾性等を考慮してナイロンやポリエステル、ポリウレタン、炭素繊維、アラミド繊維等の素材を選択することができる。
また更に、ダブルラッセル機を使用する場合には、上記表裏の地編組織21・21’に太さが30〜6000デニール、より好ましくは100〜12000デニールの糸材を使用するのが望ましい。また連結糸3には、太さが30〜10000デニール、より好ましくは50〜6000デニールの糸材が好適に使用される。
そしてまた、立体編地の編組織に関しても、表裏の地編組織21・21'と連結糸22から成る組織であれば、自由に変更することができ、表裏の地編組織21・21'の間隔も、形成する空気層の厚さに応じて自由に変更することができる。なお断熱効果のある空気層を形成するためには、スペーサ部材2に使用する立体編地の厚さを少なくとも3mm以上とすることが望ましい。
他方また、シート張り構造物Sの断熱工法に関しては、新規に構造物を構築する際に採用する以外にも、既設の構造物(ビニルハウス等)に適用することもできる。また本発明に係る断熱構造は、農業用ビニルハウス以外にも、遮光性が求められるテントや大型のドーム状建築物等にも幅広く利用でき、上記何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
近年、立体編地は、樹脂発泡体よりも通気性に優れたクッション材として多くの製品で利用されている。そのような中で、本発明のシート張り構造物の断熱施工法は、立体編地の軽量性や柔軟性、光透過性、弾力性、形態安定性、設計自由度の高さを活かして、立体編地を気密シート材間のスペーサ部材として利用する画期的な技術であるため、その産業上の利用価値は非常に高い。
1 第一気密シート材
2 スペーサ部材
21 地編組織
22 連結糸
3 第二気密シート材
4 第三気密シート材
F 枠体
S シート張り構造物

Claims (9)

  1. 天井部分や側壁部分が気密シート材によって形成されるシート張り構造物の断熱施工法であって、
    構造物の骨組みとなる枠体(F)を組み上げた後、この枠体(F)上に第一気密シート材(1)を張設する工程と;この工程後、前記第一気密シート材(1)上に、立体編地から成るスペーサ部材(2)を重ねて張設する工程と;この工程後、前記スペーサ部材(2)上に第二気密シート材(3)を更に重ねて張設する工程とを含み、前記第一気密シート材(1)と第二気密シート材(3)の間にスペーサ部材(2)の厚みに応じた任意厚さの空気層を作出することを特徴とするシート張り構造物の断熱施工法。
  2. スペーサ部材(2)として使用する立体編地が、編組織から成る紐体が網状を成すように編成された表裏の地編組織(21)(21’)と、これら表裏の地編組織(21)(21’)を繋ぐモノフィラメントから成る連結糸(22)とから構成されていることを特徴とする請求項1記載のシート張り構造物の断熱施工法。
  3. スペーサ部材(2)の表裏の地編組織(21)(21’)が、六角形状又は菱形状の網目が並んだ網状に編成されていることを特徴とする請求項2記載のシート張り構造物の断熱施工法。
  4. スペーサ部材(2)の表裏の地編組織(21)(21’)が、同一形状の網状に編成されるとともに、表裏の地編組織(21)(21’)を網目位置が合致するように平行に配置した状態で、各地編組織(21)(21)の対向する紐体同士が連結糸(22)によって帯状に一体編成されていることを特徴とする請求項2または3記載のシート張り構造物の断熱施工法。
  5. スペーサ部材(2)の表裏の地編組織(21)(21’)が、両地編組織の対面方向に対し斜めにハの字またはV字型に掛け渡された、或いはクロスするように掛け渡された連結糸(22)により一体編成されていることを特徴とする請求項2または3記載のシート張り構造物の断熱施工法。
  6. 気密シート材を3つ以上使用するとともに、これらの気密シート材とスペーサ部材(2)を交互に積層して、各気密シート材の間にスペーサ部材(2)の厚みに応じた任意厚さの空気層を作出することを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載のシート張り構造物の断熱施工法。
  7. 天井部分や側壁部分が気密シート材によって形成されるシート張り構造物であって、
    構造物の骨組みとなる枠体(F)と;この枠体(F)上に張設される第一気密シート材(1)と;この第一気密シート材(1)上に重ねて張設される立体編地から成るスペーサ部材(2)と;このスペーサ部材(2)上に重ねて張設される第二気密シート材(3)とを含んで成り、
    前記第一気密シート材(1)と第二気密シート材(3)の間にスペーサ部材(2)の厚みに応じた任意厚さの空気層が作出されていることを特徴とするシート張り構造物。
  8. 構造物の骨組みとなる枠体(F)上において二重の気密シート材間に配置して張設されるシート張り構造物の断熱施工用スペーサ部材であって、
    編組織から成る紐体が網状を成すように編成された表裏の地編組織(21)(21)と、これら表裏の地編組織(21)(21’)を繋ぐモノフィラメントから成る連結糸(22)とを一体編成して構成されていることを特徴とするシート張り構造物の断熱施工用スペーサ部材。
  9. 構造物の断熱施工時に使用される中空板であって、第一気密シート材(1)と;この第一気密シート材(1)上に積層一体化される立体編地から成るスペーサ部材(2)と;このスペーサ部材(2)上に積層一体化される第二気密シート材(3)とを含んで成り、
    前記第一気密シート材(1)と第二気密シート材(3)の間にスペーサ部材(2)の厚みに応じた任意厚さの空気層が作出されていることを特徴とする構造物の断熱施工用中空板。
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