JP2016540593A - 空洞創傷を充填するための複合材料 - Google Patents

空洞創傷を充填するための複合材料 Download PDF

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Abstract

本発明の主題は、流体流路を形成する材料または材料のアセンブリを封入するケーシングを含む複合創傷充填材料であり、前記ケーシングは、バイコンポーネント高吸水性繊維と非吸収性熱接合繊維との混合物から形成される不織材料で構成され、前記バイコンポーネント高吸水性繊維はコア/シェルタイプであり、前記コアはポリアクリロニトリルで作られ、シェルはポリアクリレートで作られる。【選択図】図1A、図1B

Description

本発明の主題は、陰圧装置を用いる局所的創傷処置に使用され得る、特に空洞創傷を充填するための複合創傷充填材料である。
陰圧療法(negative pressure therapy:NPT)装置は、創傷治癒の時間および質を促進できることから、近年それらを用いた局所的創傷処置が創傷治癒の分野で多く開発されている。
NPT処置の基本原理は、創傷を囲む患者の皮膚に固着する薄い柔軟な封止フィルムによって、創傷の上に封止された空洞を作るというものである。加えて、この空洞は吸引チューブの一方端部を挿入することを可能にするものであり、このチューブはたとえば封止フィルムの上に封止されて、その他方端部は、空洞の内側に創傷を囲む環境大気圧よりも低い圧力を生じることを可能にする真空ポンプに接続される。空洞の内側に生じた陰圧は、たとえば特に血液循環の増加および組織の肉芽形成の加速など、創傷治癒のためのいくつかの有益な治療効果を提供する。現在、これらのNTP処置の異なる変形が存在する。
陰圧装置を用いる局所的創傷処置は、最も小さい損傷から最も大きい空洞創傷までの異なるタイプの創傷、またはその大きさに関わらず熱傷に対する処置を可能にする。これらの傷害は深いこともあり、したがって体積が大きいこともある。
創傷が治癒する態様を制御する必要がある。理想的には、損傷は最初に深いところから治癒し、次いで均一な態様で創傷の端縁が合わさることによって癒着するべきである。感染症を起こしやすい部位となる肉の中の空洞形成を避けるために、深い創傷の治癒が完了する前に表面の創傷が癒着しないようにすることが特に望ましい。NPTによる処置の際にこれらの空洞の形成を避けるために、一般的に創傷は、創傷内に生じる環境大気圧との圧力差に耐えられるようにする特性を有する、軟質または圧縮性の多孔性材料で充填される。この材料の目的は、創傷の端縁が伸びて合わさって望ましくない空洞を形成できないように、端縁を十分に離して保持することである。
加えてこの材料は、滲出液を創傷の外の、一般的には吸引チューブに接続されたリザーバとも呼ばれる排出容器内に効果的に吸引することを確実にするための、流体流路の提供を可能にする必要がある。
NPTシステムにおいて使用される材料は、小さくて実質的に平坦な損傷を表面的に保護することを目的とした、創傷内に導入されるように構成されず、創傷治癒が起こる間に創傷を外部環境から分離するように単に創傷の表面上に位置決めされるように構成された、従来の多層状包帯材とは区別されるべきである。特に、層状包帯材は、滲出液の効果的なドレナージを可能にするための流体流路を形成しない。加えて、これらの層状包帯材を構成する材料、特にこれらの包帯材の外層を構成する材料は、組織に対するある程度の接着性を有し、創傷と接触して置かれることは意図されていない。空洞創傷における使用は、必然的に包帯材の外層を構成する材料と創傷の組織との接触をもたらし、それによって包帯材の除去の際に、出芽組織の完全に許容できない引き裂きがもたらされる。
現在販売されているほとんどのNPTシステムは、創傷充填材料としてフォームまたはガーゼに基づく材料を使用する。しかし、このタイプの多孔性材料は、それらの細孔内での組織生育を促進し、その組織生育が前記細孔に付着して、材料の除去の際にそれが新たに形成された肉芽組織を損傷し、かつ患者に疼痛を与え得るという欠点を有する。加えて、こうした多孔性材料は滲出液を創傷に接触させたままにするために細菌の蓄積を引き起こし、感染症をもたらすおそれがある。
よって、フォームまたはガーゼタイプの多孔性材料を、非多孔性だがこれらの材料が適用されるときに接触する皮膚組織に固着しない材料によって包むための開発が提案されている。特に、スミス(Smith)およびネフュー(Nephew)の国際出願である特許文献1および特許文献2は、フォームまたはガーゼタイプの弾性材料を封入した非多孔性ケーシングを含む複合創傷充填材料を提案した。ケーシングは付加的に、たとえばハイドロゲルまたはシリコーンゲルなどの非固着性ゲルでコートされるか、またはそれに浸漬されてもよい。加えて、平面形状で創傷と接触させてゲル化繊維に基づく材料を適用することも公知の実践である。ゲル化繊維に基づく、非固着性という利点を有するこれらの材料は当業者に周知であり、たとえば特許出願である特許文献3などに記載されている。ゲル化繊維に基づくこれらの材料の例として、特にカルボキシメチルセルロース(carboxymethyl celluloses:CMC)もしくはその塩、アルギン酸塩、またはヒアルロン酸が言及され得る。これらの材料は、複合創傷充填材料のケーシングを構成し得る。しかし、特許文献3の出願において提案される材料は、NPTによって適用される圧力差の影響下で互いから分離または剥離するという欠点を有する。したがって、それを複合充填材料創傷として用いることは、創傷(would)にデブリを放出する危険性を伴い、その創傷は最終的に感染されるか、および/または創傷治癒機構の異なるステップの適切な進行を乱すおそれがある。
したがって、創傷の細胞に接着することなく滲出液の流れを確実にする一方で、圧縮性および弾性または変形性の所望の特性を有する、特に空洞創傷を充填するための複合創傷充填材料を生成することが真に求められており、前記複合材料はさらに、構造破壊されることなく、たとえばNPTによって適用される圧力のサイクルなどのさまざまな機械的応力に機械的に耐える能力を有する。
国際公開第2009/071928号公報 国際公開第2009/071938号公報 国際公開第2006/052839号公報
よって本発明の主題は、流体流路を形成する材料または材料のアセンブリを封入するケーシングを含む複合創傷充填材料であり、前記ケーシングは、バイコンポーネント高吸水性繊維と非吸収性熱接合繊維との混合物から形成される不織材料で構成され、前記バイコンポーネント高吸水性繊維はコア/シェルタイプであり、前記コアはポリアクリロニトリルで作られ、シェルはポリアクリレートで作られる。
本発明の文脈において、「複合創傷充填材料」という用語はコア/シェルタイプの構造を意味することが意図され、コアは流体流路を形成する材料または材料のアセンブリからなり、ケーシングとも呼ばれるシェルは、バイコンポーネント高吸水性繊維と非吸収性熱接合繊維との混合物から形成される不織材料で構成される。
流体流路を形成する材料を封入するケーシングを含む、本発明に従う創傷充填材料の実施形態を説明する図である(滲出液の流れを、純粋に例示的な態様で図中の矢印によって表している)。 流体流路を形成する材料のアセンブリを封入するケーシングを含む、本発明に従う創傷充填材料の実施形態を説明する図である(滲出液の流れを、純粋に例示的な態様で図中の矢印によって表している)。 本発明に従う実施例において用いられる機械的強度テストを行うために用いられる装置のアセンブリの写真を示す図である。 本発明に従う実施例において用いられる機械的強度テストを行うために用いられる組み立てられた装置の写真を示す図である。 機械的強度テストの「1サイクル」後の、水和状態のAlgosteril(登録商標)製品の写真を示す図である。 機械的強度テストの「1サイクル」後の、水和状態のAquacel(登録商標)製品の写真を示す図である。 機械的強度テストの「5サイクル」後の、水和状態の本発明の実施形態に従う複合材料のケーシングの写真を示す図である。 機械的強度テストの「1サイクル」後の、水和状態の本発明の実施形態に従う複合材料のケーシングの写真を示す図である。 機械的強度テストの「5サイクル」後の、水和状態の本発明の実施形態に従う複合材料のケーシングの写真を示す図である。 機械的強度テストの「1サイクル」後の、水和状態の本発明の実施形態に従う複合材料のケーシングの写真を示す図である。 機械的強度テストの「5サイクル」後の、水和状態の本発明の実施形態に従う複合材料のケーシングの写真を示す図である。
高吸水性繊維と非吸収性熱接合繊維との混合物から形成される不織ケーシング
本発明に従う複合創傷充填材料は、バイコンポーネント高吸水性繊維と非吸収性熱接合繊維との混合物から形成される不織材料で構成されるケーシングを含み、前記バイコンポーネント高吸水性繊維はコア/シェルタイプであり、前記コアはポリアクリロニトリルで作られ、シェルはポリアクリレートで作られる。
本発明の一変形に従うと、前記不織布は、コア/シェルタイプのバイコンポーネント高吸水性繊維であって、前記コアはポリアクリロニトリルで作られ、シェルはポリアクリレートで作られる、バイコンポーネント高吸水性繊維と、すべての繊維が好ましくは熱接合される非吸収性熱接合繊維との混合物からなっていてもよい。
不織材料は特に、ヒトの組織、より特定的には創傷に固着しない。よって、乾燥または湿潤環境、好ましくは湿潤環境におけるその除去の際に、前記不織布は、創傷または有害な影響を受けた病変周囲の皮膚の構造を伴わずに除去され得る。
本明細書において「高吸水性」という表現は、好ましくは1グラム当り10g以上の水(またはたとえば生理食塩水などの食塩溶液)、より好ましくは1グラム当り20gより多くの水、より好ましくは1グラム当り30gより多くの水といった、液体を吸収するための非常に大きい容量を有する繊維を示すことが意図される。
本発明に従うと、高吸水性繊維は2つの異なる材料からなる。これらの材料は並行した構成に分散されてもよいし、好ましくはコア/シェル構成であってもよい。
繊維の外側部分、好ましくはシェルを形成することが意図される第1の材料は、創傷滲出液によってゲルを形成できるべきであり、有利には1つまたはそれ以上の架橋および/または部分的に架橋されたポリマーから形成される。この第1の材料は、ポリアクリレートから形成される。
好ましくは高吸水性繊維のコアを形成する第2の成分は、第1の材料によるゲルの形成後の繊維の安定性を保証するために、好ましくはゲル化せず、かつ第1の材料と適合するものである。安定なバイコンポーネント繊維を生じさせるために、第2の成分は、水性媒質中で安定であり、かつシェルの材料と適合する任意のタイプのポリマーから形成されてもよい。
この第2の材料は、好ましくはポリアクリロニトリルから形成される。
高吸水性繊維は、有利には2から6デシテックス(dtex)のデシテックス(decitex)カウントを有する。
本発明の文脈において用いられ得る高吸水性繊維は、たとえば東洋紡社(TOYOBO CO LTD)によってランシール(LANSEAL)(登録商標)Fの名称で販売されている。
非吸収性繊維は、これらの繊維同士の接合および/またはこれらの繊維と高吸水性繊維との接合によってもたらされるフレームワークを形成することによって、不織布の3次元構造を強化および安定化できる熱接合繊維である。
これらの第2の繊維は、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、または低融点を有するポリエステルなどの単一の熱可塑性材料からなっていてもよい。
有利には、これらの第2の繊維も、並行した構成に分散されるか、または好ましくはコア/シェル構成である2つの異なる材料からなっていてもよい。
これらの繊維の長さは10mmから100mm、好ましくは25mmから75mmのオーダであってもよい。
本発明の文脈においては、コア/シェルタイプのバイコンポーネント非吸収性熱接合繊維であって、コアはたとえば特にポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルから形成され、シェルはポリエチレンから形成されるものが特に好ましい。
高吸水性繊維と非吸収性熱接合繊維との重量比は、20/80から80/20、好ましくは60/40から80/20であってもよい。
一般的に、本発明に従う複合材料のケーシングを構成する不織布は、50重量%より多く、好ましくは60重量%より多くの高吸水性繊維を取り込んだ混合物から得られる。
30重量%の非吸収性繊維および70重量%の高吸水性繊維を含む混合物によって、優れた結果が得られた。
本発明に従う複合材料のケーシングを構成するこの不織布は特に、繊維の混合物の熱接合、またはニードルパンチングおよび熱接合によって得られてもよい。
熱接合動作は、不織布の繊維の間に固着点を作製することによって、吸収後の不織布の引き裂き強度を改善することを可能にする。使用した複合材料を引き裂くことなく除去することを可能にするために、不織布の粘着を強化することが必要である。
繊維の組み立ては、0.3mmから3mm、好ましくは2mmの厚さと、30g/mから400g/m、好ましくは100g/mのオーダの基本重量とを有する不織布を得ることを可能にするような条件下で行われる。
本発明に従う複合材料のケーシングを構成する不織材料は、英国特許出願公開第2401879号の文献に記載される方法に従って製造されてもよい。
接触層
1つの特定の実施形態に従い、かつこれが本発明の複合材料の良好な粘着特性に悪影響を及ぼさない限り、不織ケーシングはケーシングの表面上が創傷と接触することを意図した接触層で部分的に覆われていてもよく、前記層は、創傷滲出液の通過を可能にする開口部を含む。
有利には、接触層はマイクロ接着剤と呼ばれ、すなわち接触層は前記コートされた不織布を創傷に一時的に付着させることを可能にする。次いで、アセンブリが再位置決め可能となって看護を容易にするように、前記アセンブリは創傷または有害な影響を受けた病変周囲の皮膚の構造を伴わずに除去されてもよい。加えて、この一時的付着は、看護者またはユーザが他の固定手段によって包帯材を固定すること、たとえば包帯材を支持手段または粘着テープで覆うことなどを助けることができる。この場合、接触層は鋼板上で0.5cN/cmから100cN/cm、好ましくは5cN/cmから40cN/cmの接着強度を有するように選択されてもよい。この接着強度は方法EN1939に従って測定され、ここでは幅20mm、長さ150mmの接触層のサンプルが鋼板の上に置かれ、10分後に動力計によって、90°の角度における引張り速度100mm/minにおける接着強度が測定される。
接触層は、好ましくはエラストマーマトリックスおよび親水コロイドを含む、特に親水コロイドが好ましくは均一に分散されたエラストマーマトリックスを含む組成物から形成される。
親水コロイドの割合は、好ましくは前記組成物の重量の2重量%から20重量%である。
接触層は特に、創傷と接触することを意図したケーシングの表面の55%から65%を覆ってもよい。
好ましくは、接触層は110g/mから500g/m、好ましくは150g/mから200g/mの範囲の基本重量を有する。
接触層は、有利には創傷に固着しないこと、および複合創傷充填材料の除去におけるあらゆる疼痛を回避することを可能にする。不織ケーシングとの接触を回避しながら創傷の表面の湿潤環境を維持することによって、接触層は創傷治癒を改善する。親水コロイドの取り込みによって、エラストマー組成物に親水性の性質が与えられ、創傷の処置を促進できる活性薬剤のベクトル化が促進される。
前記組成物は、ポリ(スチレン−オレフィン−スチレン)ブロックポリマーから選択される1つまたはそれ以上のエラストマーを含む。本発明の文脈において使用されるブロックコポリマーは、有利には2つのスチレン熱可塑性端部ブロックAと、オレフィンであるエラストマー中央ブロックBとを含むABAタイプのトリブロックコポリマーであり、それは任意にはスチレン熱可塑性ブロックAと、オレフィンであるエラストマーブロックBとを含むABタイプのジブロックコポリマーと組み合わされる。これらのコポリマーのオレフィンブロックBは、たとえばイソプレンもしくはブタジエンなどの不飽和オレフィン、またはたとえばエチレン−ブチレンもしくはエチレン−プロピレンなどの飽和オレフィンからなっていてもよい。
トリブロックコポリマーABAおよびジブロックコポリマーABの混合物の場合、すでに入手可能なトリブロックコポリマーABAおよびジブロックコポリマーABの市販混合物を使用することも、2つの独立に入手可能な製品からあらかじめ選択された任意の割合の混合物を生成することも可能である。
不飽和の中央ブロックを有するトリブロックコポリマーは当業者に周知であり、特にクレイトン・ポリマーズ(Kraton Polymers)によってKRATON(登録商標)Dの名称で販売されている。
ポリ(スチレン−イソプレン−スチレン(styrene−isoprene−styrene))(SISと略される)コポリマーの例として、KRATON(登録商標)D1107もしくはKRATON(登録商標)D1119BTの名称で販売される製品、またはエクソン・モービル・ケミカル(Exxon Mobil Chemical)によってVECTOR(登録商標)の名称で販売される製品、たとえばVECTOR(登録商標)4113の名称で販売される製品などが言及され得る。ポリ(スチレン−ブタジエン−スチレン)コポリマーの例は、KRATON(登録商標)D1102の名称で販売される製品である。
BがイソプレンであるトリブロックコポリマーABAおよびジブロックコポリマーABの市販混合物の例として、エクソン・モービル・ケミカルによってVECTOR(登録商標)4114の名称で販売される製品が言及され得る。
イソプレンまたはブタジエンに基づくこれらすべてのコポリマーは一般的に、前記コポリマーの総重量に対して10重量%から52重量%のスチレン含有量を有する。
本発明の文脈において、好ましくはポリ(SIS)の重量に対して14重量%から52重量%、好ましくは14重量%から30重量%のスチレン含有量を有する、ポリ(スチレン−イソプレン−スチレン)(SISと略される)トリブロックブロックコポリマーが用いられる。
好ましくは、本発明の組成物を生成するために、トリブロックブロックコポリマー、特にクレイトン・ポリマーズによってKRATON(登録商標)D1119BTの名称で販売される製品が用いられる。
飽和中央ブロックを有するトリブロックコポリマーも当業者に周知であり、たとえば以下のものなどが販売されている。
−クレイトン・ポリマーズより、名称KRATON(登録商標)G、特にポリ(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(styrene−ethylene−butylene−styrene))(SEBSと略される)ブロックコポリマーに対して、名称KRATON(登録商標)G1651、KRATON(登録商標)G1654、またはKRATON(登録商標)G1652、
−クラレ(Kuraray)より、ポリ(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(styrene−ethylene−propylene−styrene))(SEPSと略される)ブロックコポリマーに対して、名称セプトン(SEPTON)(登録商標)。
トリブロックおよびジブロックコポリマーの市販混合物の例として、クレイトン・ポリマーズによってKRATON(登録商標)G1657の名称で販売される、オレフィンブロックがエチレン−ブチレンである製品が言及され得る。
本発明の文脈において生成され得るトリブロックおよびジブロックコポリマーの特定の混合物の例として、以下の混合物が言及され得る。
−トリブロックSEBS、たとえば特にクレイトン・ポリマーズによってKRATON(登録商標)G1651の名称で販売される製品などの混合物、および
−ポリ(スチレン−オレフィン)ジブロックコポリマー、たとえば特にクレイトン・ポリマーズによってKRATON(登録商標)G1702の名称で販売されるポリ(スチレン−エチレン−プロピレン)などの混合物。
本発明の文脈において、SEBSまたはSEPSの重量に対して25重量%から45重量%のスチレン含有量を有する前記SEBSまたはSEPSトリブロックコポリマーが好ましい。好ましくは、トリブロックブロックコポリマー、特にクレイトン・ポリマーズ社によってKRATON(登録商標)G1651およびKRATON(登録商標)G1654の名称で販売される製品が用いられる。
一般的に、ブロックコポリマーのオレフィン中央ブロックの飽和または不飽和の性質によって、好適な量のエラストマーが用いられる。よって、不飽和中央ブロックを有するトリブロックコポリマーの場合には、組成物の総重量に対して10重量%から30重量%、好ましくは10重量%から20重量%のオーダの量のエラストマーが用いられる。飽和中央ブロックを有するトリブロックコポリマーの場合には、組成物の総重量に対して3重量%から10重量%、好ましくは4重量%から7重量%のオーダの量のエラストマーが用いられる。
本明細書において「親水コロイド」または「親水コロイド粒子」という用語は、たとえば水、生理食塩水または創傷滲出液などの水性の液体を吸収できることから当業者によって習慣的に使用される任意の化合物を意味することが意図される。
好適な親水コロイドとして、たとえばペクチン、アルギン酸塩、天然の植物性ゴム、たとえば特にカラヤゴムなど、セルロース誘導体、たとえばカルボキシメチルセルロース、およびそのアルカリ金属塩、たとえばそのナトリウムまたはカルシウム塩など、ならびに「高吸水性物質」という名称で公知であるアクリル酸塩に基づく合成ポリマー、たとえばBASFによってLUQUASORB(登録商標)1003の名称で販売される製品、またはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)によってSALCARE(登録商標)SC91の名称で販売される製品など、ならびにこれらの化合物の混合物などが言及され得る。
これらの高吸水性物質のうち、10マイクロメートル未満の粒径を有するために「マイクロコロイド」と記載されるものも、もちろんこの組成物の生成の文脈において使用され得る。
本発明の文脈において好ましい親水コロイドは、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、特にナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC)である。親水コロイド粒子のサイズはたとえば50ミクロンから100ミクロンなど、特に80ミクロンのオーダである。
エラストマー組成物に取り込まれる親水コロイドの量は、有利にはエラストマー組成物の総重量に対して2重量%から20重量%、好ましくは5重量%から18重量%、より好ましくは8重量%から18重量%、より好ましくは12重量%から16重量%のオーダである。穿孔接触層に多過ぎる量の親水コロイドを導入すると、ゲル形状としての高吸水性繊維に基づく不織布の吸収容量が低減する。実際に、親水コロイドの高吸収容量によって、あまりにも大きい接触層の膨張がもたらされるために、メッシュの孔が塞がれるおそれがある。不織布はもはや滲出液を直接吸収せずに、親水コロイド吸収層内に存在する滲出液を吸収するために、複合材料の吸収容量が低減し、浸軟の問題が生じる。
好ましい実施形態の1つに従うと、接触層は、伸張、柔軟性、押し出し成形性、または加工の特性を改善することが意図された1つまたはそれ以上の可塑化化合物と組み合わされたポリ(スチレン−オレフィン−スチレン)ブロックポリマーから選択される1つまたはそれ以上のエラストマーを含んでもよい。
それらの可塑化化合物は、好ましくは使用されるブロックコポリマーのオレフィン中央ブロックと適合する液体化合物である。
この目的のために使用できる可塑化化合物の中でも特に、中央ブロックの性質に関わらず可塑化鉱油が言及され得る。加えて、中央ブロックが不飽和であるときには、たとえばBPケミカルズ(BP Chemicals)によってNAPVIS(登録商標)10の名称で販売される製品などのポリブテン、またはたとえばジオクチルフタレートもしくはジオクチルアジペートなどのフタレート誘導体が言及され得る。
代替的には、飽和炭化水素の液体混合物に基づく合成製品を使用することも可能であり、それはたとえば、トータル(Total)によってGEMSEAL(登録商標)の名称で販売される製品、特に完全に水素化された石油カットに由来するイソパラフィン混合物である製品GEMSEAL(登録商標)60などである。好ましくはこれらの製品が、飽和中央ブロックを含むトリブロックコポリマーとともに使用される。
本発明の文脈において、好ましくは可塑化油、特にパラフィン、ナフテンもしくは芳香族の性質の化合物から形成される鉱油、またはそれらの変動可能な割合の混合物が使用される。
特に好適な可塑化油の中でも、以下のものが言及され得る。
−ナフテンおよびパラフィン化合物に基づく混合物からなる、シェル(Shell)によってONDINA(登録商標)およびRISELLA(登録商標)の名称で販売される製品、
−ナフテン、芳香族およびパラフィン化合物に基づく混合物からなる、CATENEX(登録商標)の名称で販売される製品。
特に好ましくは、ONDINA(登録商標)963およびONDINA(登録商標)919の名称で販売される製品から選択される鉱物可塑化油が使用される。
これらの可塑化化合物は、親水コロイドエラストマー組成物の総重量に対して20重量%から65重量%、好ましくは30重量%から50重量%のオーダの量で使用されてもよい。
一実施形態に従うと、これらの組成物は粘着性と呼ばれる。すなわち、それらは創傷に接着することなく皮膚に接着する特性を有する。これらの組成物は、たとえば当業者によってエラストマーベースの感圧性接着剤の調製に習慣的に用いられるものなどの、「粘着性付与剤」と呼ばれる1つまたはそれ以上の化合物を含む。これらの製品の詳細な説明については、ドナタス・サタス(Donatas Satas)の文献「感圧技術のハンドブック(Handbook of Pressure Sensitive Technology)」、第3版、1999、346頁から398頁が参照され得る。
一般的に、ケーシングに対する所望のマイクロ接着強度を達成するために、その性質および他の構成要素の相対的割合の関数として定められる、親水コロイドエラストマー組成物の総重量に対して1重量%から50重量%のオーダの割合でエラストマーマトリックスに取り込まれる、1つ(またはそれ以上)の粘着性付与製品を使用することが可能である。
好ましくは、粘着性付与製品(単数または複数)は親水コロイドエラストマー組成物の総重量の10重量%から45重量%、より好ましくは15重量%から40重量%を表す。
本発明の文脈において使用され得る粘着性付与製品は、粘着性付与樹脂、低分子量ポリイソブチレン、またはそれらの混合物から選択され得る。
本発明に従って使用され得る粘着性付与樹脂の中でも、修飾テルペンもしくはポリテルペン樹脂、ロジン樹脂、炭化水素樹脂、環式、芳香族および脂肪族樹脂の混合物、またはこれらの樹脂の混合物が言及され得る。
こうした製品は、たとえば以下のものなどが販売されている。
−水素化ポリシクロペンタジエン樹脂である、荒川化学工業株式会社(Arakawa Chemical Industries)による名称アルコン(ARKON)(登録商標)P、
−エクソン・ケミカルによる名称ESCOREZ(登録商標)、特に水素化された樹脂の5000シリーズ、
−グッドイヤー(Goodyear)による名称WINGTACK(登録商標)、特にC5/C9コポリマーから形成された合成樹脂であるWINGTACK(登録商標)86、または合成ポリテルペンに基づく樹脂であるWINGTACK(登録商標)10、
−ヘラクレス(Hercules)社による名称KRISTALEX(登録商標)、特にα−メチルスチレンに基づく樹脂であるKRISTALEX(登録商標)3085。
一般的に、不飽和樹脂の着色および安定性の問題を回避するために、水素化樹脂を、特に飽和中央ブロックを有するトリブロックコポリマーとともに使用することが好ましい。なぜなら水素化樹脂は、本質的に不飽和中央ブロックを有するトリブロックコポリマーとともに使用されるWINGTACK(登録商標)タイプの不飽和樹脂よりも、後者とかなり良く適合するからである。
後者の中でも、好ましくはESCOREZ(登録商標)樹脂の5000シリーズ、最も特定的にはESCOREZ(登録商標)5380樹脂が使用される。
粘着性付与樹脂は、単独または他の粘着性付与製品との混合物として、好ましくは組成物の総重量に対して10重量%から50重量%、より特定的には15重量%から40重量%の割合で用いられてもよい。
粘着性付与製品として使用され得る低分子量ポリイソブチレンの中でも、40 000ダルトンから80 000ダルトンのオーダの分子量を有するポリイソブチレン、たとえばBASFによってOPPANOL(登録商標)の名称で販売される製品、特にOPPANOL(登録商標)B12およびOPPANOL(登録商標)B15の名称で販売される製品、またはエクソン・ケミカルによってVistanex(登録商標)の名称で販売される製品、特にLM−MHグレードなどが言及され得る。
これらのポリイソブチレンは、単独または他の粘着性付与剤との混合物として、不飽和中央ブロックを有するトリブロックコポリマーと組み合わせて用いられ得る。それらの割合は、この場合には組成物の総重量に対して5重量%から30重量%、より特定的には8重量%から15重量%まで変動し得る。
こうした接触層は、たとえば仏国特許出願公開第2973223号の出願に示されている。
高吸水性繊維および非吸収性熱接合繊維の混合物から形成され、創傷と接触することが意図されるケーシングの表面上が接触層によって部分的に覆われている不織ケーシングは、特にウルゴ(Urgo)によってUrgoclean(登録商標)の名称で販売されている。
流体流路を形成する材料または材料のアセンブリ
本発明に従う複合創傷充填材料は、流体流路、より特定的には創傷滲出液流路を形成する材料または材料のアセンブリを封入する、上述のケーシングを含む。
本発明に従う複合材料のケーシング内に導入される材料は、本質的に、および/または互いに関して配列することによって、流体流路を形成するというそれらの機能を果たす限り、多孔性または非多孔性、圧縮性または非圧縮性、変形可能または変形不可能、弾性または非弾性であってもよい。
本出願の意味において、「多孔性材料」とは、流体流路を形成し得る空洞を有する構造を有する任意の材料を意味することが意図される。
「圧縮性材料」とは、外部の物理的応力の影響下で体積が減少し、かつ形状が変化する任意の材料を意味することが意図される。
「変形可能材料」とは、外部の物理的応力の影響下で形状が変化するが、体積は一定のままである任意の材料を意味することが意図される。
「弾性材料」とは、外部の物理的応力が除去されたときに最初の体積および/または最初の形状に戻る性質を有する、任意の圧縮性または変形可能材料を意味することが意図される。言い換えると、弾性材料とは、形状記憶を有する材料を意味することが意図される。
本発明の複合材料は「材料または材料のアセンブリを封入するケーシング」からなり、すなわちそれはコア/シェルタイプの構造の形であり、コアは流体流路を形成する材料または材料のアセンブリからなり、ケーシングとも呼ばれるシェルは、たとえば不織布単独の形であるか、または任意に上述の接触層と組み合わされた、バイコンポーネント高吸水性繊維および非吸収性熱接合繊維の混合物から形成される不織材料で構成される。なお、シェルは、流体流路を形成する材料または材料のアセンブリを完全に封入する。流体流路を形成する材料(単数または複数)は、ケーシング内の可動性が高くても低くてもよい。こうした構造が、図1Aおよび図1Bに概略的に示される。
第1の好ましい実施形態に従うと、ケーシングは流体流路を形成する(単一の)材料を封入する。この実施形態において、その材料は多孔性、圧縮性および弾性である。材料の多孔性は、自身の構造内に流体流路を有するという使用される材料の特性および性質によって、本質的に流体流路を形成する性質を材料に与える。
この第1の実施形態に従うと、ケーシングはさまざまな特性を組み合わせた(単一の)材料を封入してもよく、すなわちその材料は、本質的に流体流路を形成するというその機能を果たす限り、多孔性または非多孔性、圧縮性または非圧縮性、変形可能または変形不可能、弾性または非弾性であってもよい。
この第1の実施形態は図1Aにみることができ、ここでは図中の矢印によって概略的かつ純粋に例示的態様で示されるとおり、流体流路が滲出液の通過を可能にする。
第2の好ましい実施形態に従うと、ケーシングは流体流路を形成する材料のアセンブリを封入する。
この第2の実施形態において、これらの材料はケーシング内で互いに分離しており、流体流路を構成し得る1つまたはそれ以上の間隙によって分離されている。
この第2の実施形態において、第1の好ましい局面に従うと、これらの材料は多孔性、圧縮性および弾性であってもよい。次いで、アセンブリを構成する材料の本質的な多孔性と、異なる材料の間に存在する間隙との両方によって流体流路を形成してもよい。これらの材料は圧縮性および弾性であり、さらにケーシング内で互いに関して移動できるため、これらの材料のアセンブリも圧縮性および弾性である。
代替的に、この第2の実施形態において、第2の好ましい局面に従うと、これらの材料は非多孔性、非圧縮性および変形不可能であってもよい。次いで、異なる材料の間に存在する間隙のみによって流体流路を形成する。図1B中の矢印によって概略的かつ純粋に例示的態様で示されるとおり、流体流路が滲出液の通過を可能にする。この非圧縮性および変形不可能な材料はケーシング内で互いに関して移動してもよく、それによってこれらの材料のアセンブリに変形可能な特徴を与えてもよい。
この第2の実施形態は図1Bにみることができる。
1つの特定の代替形に従うと、上述の前記材料の組み合わせを提供することを想定することが完全に可能である。よって、本発明の一実施形態に従うと、多孔性または非多孔性、圧縮性または非圧縮性、弾性または非弾性、および変形可能または変形不可能である材料を組み合わせて、流体流路を形成する材料のアセンブリを構成することが可能である。自身の構造によって固有の流体流路を有する各多孔性材料の本質的な特性と、多孔性または非多孔性材料のアセンブリによって与えられる特性とは、このタイプの組み合わせにおいてもちろん保持される。よって、特に異なる材料が互いに関して移動できるとき、材料の本質的な多孔性と、アセンブリ内に配置される異なる材料を分離する間隙との両方によって、流体流路を形成してもよい。
ケーシングを充填するための多孔性、圧縮性および弾性の材料は、たとえば1つまたはそれ以上のフォームまたはガーゼを含んでもよいが、さらに、必要とされる物理的特徴を有するあらゆるその他の好適な材料が、ケーシングを充填するための材料として使用されてもよい。ケーシングを充填するための多孔性、圧縮性および弾性の材料の例として、ポリウレタンフォーム、ポリ(ビニルアルコール)に基づくフォーム、またはセルロースもしくはデンプンに基づくフォーム、あるいは特に綿、リネン、ウール、絹、クロロファイバー、ポリエステル、ポリオレフィン、好ましくはポリエチレン、またはポリアクリル酸もしくはポリアミド繊維からなる化合物の非限定的なリストから選択される合成もしくは天然繊維に基づく実にさまざまなテキスタイル製品が言及されてもよく、それらは糸、繊維、ニット、織布、不織布、またはファブリックなどの任意の形状であってもよい。
ケーシングを充填するためのこの材料は、圧縮性であると同時に、創傷床において組織に対して過度に攻撃的にならずに皮膚組織を離して保持するために十分に硬質である必要がある。
よって、ケーシングを充填するための多孔性材料は、5ショアAから100ショアA、好ましくは20ショアAから100ショアAの範囲の硬度を有してもよい。
ケーシングを充填するための非多孔性、非圧縮性および変形不可能な材料は、たとえばPMMA(ポリ(メチルメタクリレート)(poly(methyl methacrylate)))、ガラス、ポリスチレン、PVC、アクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylonitrile butadiene styrene:ABS)、シリコーン、SAN(スチレンアクリロニトリル(styrene acrylonitrile))、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエチレン、またはこれらの材料の混合物などから選択されてもよい。好ましい実施形態に従うと、ケーシングを充填するための非多孔性、非圧縮性および変形不可能な材料は、ガラスビーズ、ポリスチレンビーズ、シリコーンビーズ、またはポリエチレンビーズから選択されてもよい。
活性薬剤
本発明の複合材料のケーシングおよび/または充填材料には、たとえば特に創傷処置の分野または薬理学の分野において一般的に用いられる活性薬剤またはアジュバントなどの、さまざまな化合物がさらに加えられてもよい。
複合材料は、創傷処置における好都合な役割を有する活性成分を含有してもよい。これらの活性成分は、特に創傷治癒を誘導または加速してもよい。加えて、たとえば殺菌または静菌剤、消毒薬、鎮痛剤または局所麻酔剤、抗炎症薬、鎮痒薬、鎮静剤、水和剤、抗酸化剤、脱色剤、およびそれらの混合物など、他の活性薬剤を本発明の文脈において使用してもよい。
一般的に、これらの活性薬剤は、以下から選択されてもよい。
−創傷治癒を促進する活性薬剤、たとえばレチノール、ビタミンA、ビタミンE、N−アセチル−ヒドロキシプロリン、ツボクサ(Centella asiatica)抽出物、パパイン、シリコーン;タイム、ニアウリ、ローズマリー、およびセージの精油;ヒアルロン酸、アラントイン、−ヘマタイト(ガッテフォッセ(Gattefosse))、ビタミンC、TEGO Pep 4−17(エボニック(evonik))、Toniskin(登録商標)(シラブ(Silab))、Collageneer(登録商標)(エクスパンサイエンス(Expanscience))、Timecode(商標)(セピック(Seppic))、Gatuline(登録商標)スキンリペア(skin repair)(ガッテフォッセ)、パンテノール、PhytoCellTec(商標)アルプローゼ(Alp Rose)(ミベール・バイオケミストリー(Mibelle Biochemistry))、Erasyal(登録商標)(リブラジェン(Libragen))、Serilesine(登録商標)(リポテック(Lipotec))、タラペトラカ(Talapetraka)のヘテロシド(バイエル(Bayer))、ストエチオール(コディフ(Codif))、マカローズ(Macarose)(センシエント(Sensient))、ダーマヴェール(Dermaveil)(登録商標)(一丸ファルコス(Ichimaru Pharcos))、フィコサッカリドAI(コディフ)、増殖因子、メトホルミン、1から4の単糖単位を有する合成ポリ硫酸化オリゴ糖、たとえば特に、ラボラトワール・ウルゴ(Laboratoires Urgo)によって製品Urgotul(登録商標)スタート(Start)の形で販売されるスクロースオクタスルフェートカリウム塩(sucrose octasulfate potassium salt)(略称KSOSにより公知である)など、
−殺菌または静菌剤、たとえばポリミキシンB、ペニシリン(アモキシシリン)、クラブラン酸、テトラサイクリン、ミノサイクリン、クロールテトラサイクリン、アミノグリコシド、アミカシン、ゲンタマイシン、ネオマイシン、プロバイオティクス、銀塩、たとえば硫酸銀、塩化銀、硝酸銀、銀スルファジアジンなど、四級アンモニウム、ポリヘキサメチレンビグアナイド、およびクロルヘキシジンなど、
−消毒薬、たとえばチオメルサール、エオシン、クロルヘキシジン、ホウ酸フェニル水銀、過酸化水素水溶液、デーキン溶液、トリクロサン、ビグアニド、ヘキサミジン、チモール、ルゴール溶液、ヨウ化ポビドン、メルブロミン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、エタノール、またはイソプロパノールなど、
−鎮痛剤または局所麻酔剤、たとえばパラセタモール、コデイン、デキストロプロポキシフェン、トラマドール、モルヒネおよびその誘導体、またはコルチコイドおよび誘導体など、
−抗炎症薬、たとえばグルココルチコイド、非ステロイド系抗炎症薬、アスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ジクロフェナク、アセクロフェナク、ケトロラク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ナプロキセン、インドメタシン、ナプロキシノド、ニメスリド、セレコキシブ、エトリコキシブ、パレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、フェニルブタゾン、ニフルム酸、またはメフェナム酸など、
−脱色剤、たとえばコウジ酸(Kojic Acid SL(登録商標)−クイマッソ(Quimasso)(シノ・ライオン(Sino Lion)))、アルブチン(Olevatin(登録商標)−クイマッソ(シノ・ライオン))、ナトリウムパルミトイルプロリンおよびセイヨウスイレン抽出物の混合物(Sepicalm(登録商標)−セピック)またはウンデシレノイルフェニルアラニン(Sepiwhite(登録商標)−セピック)など、
−鎮痒薬:ヒドロコルチゾン、エノキソロン、ジフェンヒドラミン、局所的に適用される抗H1抗ヒスタミン剤、
−加湿する活性薬剤、たとえばXpermoist(登録商標)(リポテック)、ヒアルロン酸、尿素、脂肪酸、グリセロール、ワックス、またはExossine(商標)(ユニペックス(Unipex))など、
−UVスクリーニング剤、たとえばParsol(登録商標)MCXまたはParsol(登録商標)1789など、
−鎮静剤、たとえばカモミール、ビサボロール、キサンタレン(xanthalene)、グリチルレチン酸、タナクチン(tanactin)(CPN)、またはCalmiskin(登録商標)(シラブ)など、
−抗酸化剤、たとえばビタミンEなど。
好ましい実施形態に従うと、本発明に従う複合材料のケーシングおよび/または充填材料に導入され得る活性薬剤は、好ましくは創傷治癒を促進する活性薬剤、抗炎症薬、およびそれらの混合物から選択される。
「創傷治癒を促進する活性薬剤」とは、任意の種類の相互作用を介して、すなわち前記活性薬剤が適用されるものと接触する創傷との生物的、化学的または物理的性質の任意の相互作用を介して、創傷治癒プロセスの任意の段階で好都合に作用し得る任意の活性薬剤を意味することが意図される。
より特定的には、本発明に従う複合材料のケーシングおよび/または充填材料に導入され得る活性薬剤は、好ましくはメトホルミン、1から4の単糖単位を有する合成ポリ硫酸化オリゴ糖、たとえば特にスクロースオクタスルフェートカリウム塩など、アスピリン、硫酸銀、銀スルファジアジン、およびそれらの混合物から選択される。
一般的に、本発明に従う複合材料はケーシングおよび/または充填材料中に活性薬剤を、それらの活性薬剤を含有するケーシングおよび/または充填材料の総重量に対して0.01重量%から20重量%、好ましくは1重量%から15重量%、より好ましくは2重量%から10重量%の量を含んでもよい。
アジュバントとして、複合材料のゲル化速度、湿潤性、または活性薬剤の放出の最適化を可能にする、色素、フィラー、消臭剤または防臭剤、pH調整剤、任意に活性薬剤を含有し得るマイクロカプセルまたはミクロスフェア、ワセリン、ポリマーまたは界面活性剤が言及され得る。
本発明に従う複合創傷充填材料は、あらゆる所望の幾何学形状であってもよく、特に創傷の形状および深さに適合されてもよい。
ケーシングは好ましくは、流体流路を形成する充填材料または充填材料のアセンブリの周囲で、ヒートシーリング、スティッチング、またはケーシングのレベルでの1つもしくはそれ以上のノットによって閉じられ、好ましくはヒートシーリングによって閉じられる。
1つの特定の実施形態に従うと、1つまたはそれ以上の多孔性、圧縮性および弾性の充填材料を同じケーシング内に導入してもよい。
1つの特定の実施形態に従うと、流体流路を形成する材料のアセンブリは「真珠のネックレス」の形状であってもよく、すなわち、流体流路を形成するいくつかの充填材料が、ヒートシーリング、スティッチング、またはケーシングのレベルでの1つもしくはそれ以上のノットによって、好ましくは前記ケーシングのヒートシーリングによって、互いに分離されて不織ケーシングの多くの空洞中に個々に分散されてもよい。
以下の非限定的な実施例において、本発明をより詳細に示す。
目的:
テストするさまざまな材料のうちのどれが加えられた力に耐えて、どれが破壊するかを観察するために、さまざまな複合創傷充填材料の(特に構造破壊に関する)機械的強度を、NPTに近い条件下(すなわち125mmHgの減圧下)でテストした。
以下の装置および溶液を使用した。
−所望の材料と接触して26Nの力を加えることが可能な、MECA−004/SYN200動力計、
−動力計に隣接する100N/MECA−008センサ、
−直径25.3866mm、赤道における真円度が0.0093mmの、研磨鋼球形先端金属ロッド、
−内径44.4763mmの環状(グリッピング)クランプ、
−NaCl(8.298g+/−5%)およびCaCl(0.368g+−/5%)を含むNaCl/CaCl溶液。
本発明に従う複合材料のケーシングを構成する以下の材料をテストした。
−コア/シェルタイプのバイコンポーネント高吸水性繊維を含む、本発明に従う72g/mの基本重量を有する不織布であって、前記コアはポリアクリロニトリルで作られ、シェルはポリアクリレートで作られた、不織布、
−コア/シェルタイプのバイコンポーネント高吸水性繊維を含む、本発明に従う185g/mの基本重量を有する不織布であって、前記コアはポリアクリロニトリルで作られ、シェルはポリアクリレートで作られた、不織布、
−下に記載される方法に従って調製した接触層でコートした、コア/シェルタイプのバイコンポーネント高吸水性繊維を含む、本発明に従う72g/mの基本重量を有する不織布であって、前記コアはポリアクリロニトリルで作られ、シェルはポリアクリレートで作られた、不織布、
−下に記載される方法に従って調製した接触層でコートした、コア/シェルタイプのバイコンポーネント高吸水性繊維を含む、本発明に従う185g/mの基本重量を有する不織布であって、前記コアはポリアクリロニトリルで作られ、シェルはポリアクリレートで作られた、不織布、
−ナトリウムカルボキシメチルセルロースからなる100%ゲル化繊維で構成される、コンバテック(Convatec(登録商標))によってAquacel(登録商標)の名称で販売される製品、
−アルギン酸カルシウムタイプのゲル化繊維からなる、ラボラトワール・ブロティエ(Laboratoires Brothier(登録商標))によってAlgosteril(登録商標)の名称で販売される製品。
流体流路を形成する材料として、AQF(登録商標)によってPDQZ30の商品名で販売される疎水性架橋ポリウレタンフォームを用いた。
下記のプロトコルに従って、接触層を調製した。
さらに、MEL G−40ブレンダにおける混合によって、親水コロイドエラストマー組成物を調製した。
組成物の総重量に対する重量パーセンテージで表されるエラストマー組成物は、以下のとおりであった。
−シェルによってOndina(登録商標)919の名称で販売される鉱油:41.7%、
−アクアロン(AQUALON)によってCMC Blanose(登録商標)7H4XFの名称で販売される、(親水コロイド)カルボキシメチルセルロースナトリウム塩:14.8%、
−クレイトンによってKRATON(登録商標)G1651Eの名称で販売される、エラストマーポリ(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン)ブロックコポリマー:4.7%、
−チバ・スペシャルティ・ケミカルズによってIRGANOX(登録商標)1010の名称で販売される抗酸化剤:0.2%、
−エクソン・ケミカルズによってESCOREZ(登録商標)5380の名称で販売される粘着性付与樹脂:35.6%、
−セピックによってSEPINOV(登録商標)EMT10の名称で販売される、2−メチル−2[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸塩、およびプロペン酸の2−ヒドロキシエチルエステルのコポリマー:5%。
均一な混合物を得るように、撹拌しながら105℃から115℃の温度にてさまざまな構成要素を導入した。より特定的には、最初に鉱油、親水コロイド、およびエラストマーを、次いで抗酸化剤、放出剤を、最後に粘着性付与樹脂を導入した。
この接着剤で、正方形のメッシュを有するネットの形状の、72g/mの基本重量、および180g/m±40g/mの基本重量において185g/mの基本重量を有する不織布をコートした。エッチングシリンダーにおけるホットメルト転写によってコートを行う。スレッドの厚さは1.6mmである。
動作手順
サンプルに加える力
最も一般的なやり方では、125mmHgの減圧を適用するようにNPTシステムを調節する。これは、複合創傷充填材料に26Nの力を加えることに相当する。
サンプル調製
ケーシングを充填するための材料を構成するAQF(登録商標)PDQZ30フォームから、穿孔機を用いて80mmの側部長を有する3つの正方形のサンプルを切り出した。
テストするケーシングを構成する各不織布からも、穿孔機を用いて80mmの側部長の1つの正方形のサンプルを切り出した。
並行して、NaCl(8.298g+/−5%)およびCaCl(0.368g+−/5%)を含むテスト溶液を調製した。この溶液は、一方では創傷内に見出される水分条件をシミュレートすることを可能にし、他方では創傷内に見出される滲出液の塩分濃度をシミュレートすることを可能にする。
最後に、テストするケーシングを構成する正方形の材料を、37℃+2℃にて30分間テスト溶液に浸漬した。30分後に正方形を取り出し、約30秒間水切り乾燥した。
水和した正方形の各々を、次いで(水和していない)正方形のフォームの上に重ね、次いでこのやり方で得た複合材料をテスト装置に入れた。図2は、重なったフォームおよび不織布の正方形からなる複合材料のサンプルを置いたときのテスト装置を示す。
次いで、複合材料からなるサンプルに環状グリッピングクランプを付け、2つの材料間の完全な粘着を確実にするように4つのクランピングねじによって固定する。図3は、グリッピングクランプを設置した後の装置の写真を示す。
球形先端金属ロッドの鉛直落下スピードが(300+10)mm/minに相当するように、かつ球形先端金属ロッドがサンプルに接触後26Nの力を加えたときにこの落下が停止するように、動力計を調節する。サンプルへの接触および所望の圧力の印加後に、球形先端金属ロッドは停止して上に戻る。
次に、この第1のサイクルに対する複合サンプルの抵抗性を観察する。
もしサンプルがこの第1のサイクルに耐えていれば、球形先端金属ロッドの「上昇および落下」サイクルをサンプルに対して5回再現し、前記球形先端は各サイクルにおいてサンプルに26Nの力を加える。
結果:
下の表は、1または5テストサイクル後の複合材料のサンプルの状態をまとめたものである。
Figure 2016540593
図4は、1テストサイクル後の、Algosteril(登録商標)製品を用いたサンプルを示す。この製品は、NPTにおいて加えられる圧力をシミュレートした、装置の加える圧力の後に完全に構造破壊する。
図5は、1テストサイクル後の、Aquacel(登録商標)製品を用いたサンプルを示す。この製品は、NPTにおいて加えられる圧力をシミュレートした、装置の加える圧力の後に完全に構造破壊する。
図6は、5テストサイクル後の、本発明に従う接触層でコートした基本重量72g/mの不織布を用いたサンプル、すなわちコア/シェルタイプのバイコンポーネント高吸水性繊維を含む不織布であって、前記コアはポリアクリロニトリルで作られ、シェルはポリアクリレートで作られており、その全体を上記で定義した接触層でコートした、不織布を示す。この製品は非常にわずかな変形しか受けておらず、どの場合にも完全にも部分的にも構造破壊していないことを注記する。
図7は、それぞれ1(図7A)および5(図7B)テストサイクル後の、本発明に従う基本重量72g/mの不織布を用いたサンプル、すなわちコア/シェルタイプのバイコンポーネント高吸水性繊維を含む不織布であって、前記コアはポリアクリロニトリルで作られ、シェルはポリアクリレートで作られた、不織布を示す。この製品は非常にわずかな変形しか受けておらず、どの場合にも完全にも部分的にも構造破壊していないことを注記する。
図8Aおよび図8Bは、それぞれ1(図8A)および5(図8A)テストサイクル後の、本発明に従う不織布(185g/m)を用いたサンプル、すなわちコア/シェルタイプのバイコンポーネント高吸水性繊維を含む不織布であって、前記コアはポリアクリロニトリルで作られ、シェルはポリアクリレートで作られた、不織布を示す。この製品は完全にも部分的にも構造破壊していないことを注記する。
したがって、本発明に従う不織布を用いたサンプルは、創傷の細胞に接着することなく滲出液の流れを確実にする一方で、圧縮性および弾性または変形性の所望の特性を有する複合材料として使用され得る唯一のサンプルであり、前記複合材料はさらに、構造破壊することなく、たとえばNPTの際に加えられる圧力または圧力のサイクルなどのさまざまな機械的応力に機械的に耐える能力を有する。

Claims (9)

  1. 流体流路を形成する材料または複数の材料のアセンブリを封入するケーシングを含む複合創傷充填材料であって、前記ケーシングは、バイコンポーネント高吸水性繊維と非吸収性熱接合繊維との混合物から形成される不織材料で構成され、前記バイコンポーネント高吸水性繊維はコア/シェルタイプであり、前記コアはポリアクリロニトリルで作られ、前記シェルはポリアクリレートで作られる、複合創傷充填材料。
  2. 前記ケーシングの前記非吸収性熱接合繊維はバイコンポーネントであり、前記バイコンポーネントはコア/シェルタイプであり、前記コアは好ましくはポリエチレンテレフタレートで作られ、前記シェルは好ましくはポリエチレンで作られることを特徴とする、請求項1に記載の複合創傷充填材料。
  3. 前記不織材料は、30g/mから400g/mの範囲の基本重量を有することを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項に記載の複合創傷充填材料。
  4. 前記ケーシング内に導入される前記材料は、流体流路を形成するというそれらの機能を果たす限り、多孔性または非多孔性、圧縮性または非圧縮性、変形可能または変形不可能、弾性または非弾性であってもよいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合創傷充填材料。
  5. 前記ケーシングは流体流路を形成する材料を封入し、前記材料は多孔性、圧縮性および弾性であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合創傷充填材料。
  6. 前記ケーシングは流体流路を形成する複数の材料のアセンブリを封入することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の複合創傷充填材料。
  7. 前記材料は多孔性、圧縮性および弾性であることを特徴とする、請求項6に記載の複合創傷充填材料。
  8. 前記材料は非多孔性、非圧縮性および変形不可能であることを特徴とする、請求項6に記載の複合創傷充填材料。
  9. 前記ケーシングを充填するための前記多孔性、圧縮性および弾性の材料(単数または複数)は、1つもしくはそれ以上のフォームもしくはガーゼを含み、および/または5ショアAから100ショアA、好ましくは20ショアAから100ショアAの範囲の硬度を有することを特徴とする、請求項4から7のいずれか一項に記載の複合創傷充填材料。

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