JP2016540114A - 粉末冶金による気密なコンポーネントを得るための方法 - Google Patents

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Abstract

方法は、鉄もしくはニッケルもしくは銅またはその2つもしくは3つの元素の混合物により定義された金属粉末を、その合計が製造されるコンポーネントの金属マトリックスの質量の少なくとも55%を定義する場合、3から30体積%の含有率を有する、高密度化剤としておよび固体潤滑剤としての二硫化モリブデン粉末と混合すること;金型を混合物で充填し、5から25体積%の間の一次細孔(P1)%を示す成形体を得ること;成形体を、二硫化モリブデンとマトリックスの反応、硫化鉄、硫化ニッケルまたは硫化銅の形成、マトリックス中へのモリブデンの拡散を可能にするのに十分な温度および時間に供すること;および成形体の焼結工程を終了する前に、成形体を、硫化物を液相へ転換し、一次細孔(P1)を充填するのに十分な温度に供することを含む。

Description

本発明は、コンポーネントの焼結後に後続の操作を必要とせず、低コストで、気体または液体の流れの制限に適用されるための、気密な材料のコンポーネントを生産する大規模容量を有する、圧縮および焼結によって粉末を成形するための改良された方法に言及する。
いくつかの用途については、粉末冶金方法は、鉄および非鉄材料の鋳造または機械加工のような従来の処理のための代替とすることができる。それは、基本的に、粉末形態の原料を使ってコンポーネントを得ることにある方法である。次いで、粉末は、混合され、成形された後、予め成形された粉末粒子の圧密によって、コンポーネントに物理的および機械的特性を提供するために、焼結としても知られる熱処理に供される。
粉末冶金方法は、利点として、また、例えば、鋳造または機械加工のような他の製造方法と比較して、精密制御、化学組成の柔軟性、材料の最小の損失、表面仕上げ、寸法精度および加工中の微細構造の制御を示す。
微細構造制御で定義された特性の中からはコンポーネントの密度を挙げることができる。密度は、粉末冶金によって得られたコンポーネントの特性に直接影響を与える要因である。気孔率が、例えば、濾過または流量制御のような、コンポーネントに対する特定の工学的機能を有さない場合には、それは通常、コンポーネントの特性に有害である。このように、いくつかの方法が、コンポーネントの最終密度を増大させることを目指して使用されてきた。
しかし、粉末冶金により製造されるコンポーネントの最終濃度の増加は、通常、加工コストの上昇をもたらし、その関係は、100%に近い最終的な密度を達成することを目指す場合(完全に緻密な物質であり、細孔を有さない)通常、非線形であり、指数関数的ですらある。細孔の種類に関連して、材料は、構造支持要素として適用することができる閉鎖細孔を有する材料、または、とりわけ、例えば、流量制御、濾過、触媒担体、断熱および防音、潤滑剤リザーバ中のように、流体の輸送が必要な場合に主に用途を見出す、開放された細孔を有する材料に分けることができる。
多孔質材料を製造するために使用される方法は、気孔率の種類(開放または閉鎖)、コンポーネント体積中の細孔の体積百分率、コンポーネントのサイズおよび形状、細孔の分布の均一性および相互接続性のような、多孔質材料の特性を定義する。
完全に緻密な材料は、全ての細孔が排除されたものである。しかし、コンポーネントから要求される構造的な耐性に応じて許容される程度の閉鎖細孔を示すが、開放され、つながっている細孔は完全に排除された、液体および気体流体に対し気密な材料を得ることができる。従って、その使用に対し要求される密度特性を示すコンポーネントを通る流体の通過は完全にブロックされており、即ち、コンポーネントを通る流体の流れは存在しない。図1は、組成物が供される圧縮力によって、粒状材料の異なる組成のグリーン密度の変動曲線を示す。
最終的なコンポーネントが気密なまたは完全に緻密になることを目的として、最終的なコンポーネントの密度を増加させるために使用される最も一般的な方法は、金属の浸透、鉄酸化、粉末鍛造および二重圧縮/二重焼結である。しかしながら、これらの方法はいくつかの欠点を示す。
金属の浸透および鉄酸化の場合には、部品を焼結した後に処理を行う必要があり、即ち、それは追加の操作である。これらの方法の両方は、開放され、部品またはコンポーネントの表面に連通する細孔にのみ作用する。第1の方法では、溶融金属がコンポーネントによって吸着されるようにするために、コンポーネントはキャピラリとして作用するための特定の幾何形状および寸法の細孔も示すべきである。第2の場合、表面上および細孔内に酸化物の層が形成される。コンポーネントに負荷がかかっているとき、この層は砕けるおそれがあり、他のコンポーネントとの接触中に研磨粒子を生じ、そのことはその操作の下で時期尚早の摩耗または故障すら引き起こし得る。さらに、この方法は厳密な制御変数を示す。炉の露点における小さな変化は、例えば、不適切な組成および形態を有する酸化物層を生じさせるおそれがあり、このためより脆弱なまたは一層多孔質である層を生成する。これらの2つの方法では材料は気密であるが、100%緻密ではない。
鍛造および二重圧縮/二重焼結方法は、処理と同時に行われ、即ち、追加の工程は必要としないが、第1の方法はコンポーネントの形状との関係で制限されるという事実に加え、常により高い処理コストを意味する。
第1の場合では、通常、高温で実施される予備焼結片の鍛造を行う必要があり、そのことは、大規模でコンポーネントを生産する際の難点によって引き起こされる、生産性に関連する工具および制限によるコストの増大を意味する。この同じ難点は、二重圧縮/二重焼結法によっても直面する。何故ならば、すべてのコンポーネントは、予備焼結された後、さらに圧縮した後、焼結されるべきだからである。両方の方法は、気密なコンポーネントを提供することができるが、細孔の量を減少させるために使用される原理が材料の塑性変形であるので、それらは容易に変形可能な材料にしか適用できない。
上記の欠点は、高いコストおよび大規模実施の難点、または幾何学的または寸法的制御の限界のいずれかに起因して、このような方法によって製造されるコンポーネントの適用を制限する。
既知の技術の限界および欠点のために、本発明は、その目的の1つに、追加の操作を必要とせずに、幾何学的および寸法の制御に関する望ましくない制約を受けることなく、粉末冶金を使用して、一般に化学組成、混合される粉末の特性および処理パラメータ、主に温度、時間、加熱速度および焼結雰囲気を制御することによって、流体の流れを完全に制限することが可能である気密なコンポーネントを製造するための方法を提供することを有する。
本発明の方法の目的は、例えば、流体圧縮システムおよび水力学軸受におけるように、気密性を要求する機械システムで使用される気密なコンポーネントを製造するように意図されている。
本発明の方法は、粉末冶金技術を用いて、以下の工程を含む:
i) コンポーネントの金属マトリックスの質量の少なくとも55%を確定する、鉄、ニッケル、銅によって定義される元素のいずれかおよびこれらの元素の2つまたは3つの混合物から選択された金属粉末、ならびに、3から30体積%の間で変化する含有率を有する、高密度化剤としておよび固体潤滑剤としての二硫化モリブデン粉末を混合する工程;
ii) 前工程で得られた混合物を均質化する工程;
iii) 取扱いに耐性があり、5から25体積%の間の一次細孔を示す成形体を達成するまで、均質化した混合物を圧縮することによって、金型の空洞を充填する工程;
iv) 成形体を、二硫化モリブデンとコンポーネントのマトリックスを形成する金属粉末との反応、硫化鉄、硫化ニッケルまたは硫化銅の形成、およびマトリックスを形成する金属粉末中へのモリブデンの拡散を可能にするのに十分な温度および期間に供する工程;
v) 成形体を、既に反応した二硫化モリブデンと共に、反応の間に形成された硫化物を液相へ転換するために十分な温度に供して、成形体の焼結工程を終了する前に一次細孔を充填する工程。
本発明の方法は、さらに以下の追加の工程:混合物を均質化する工程の前に、金属マトリックスを形成する元素と二硫化モリブデンの混合物に少なくとも1つの追加の粉末の固体潤滑剤を添加する工程;粉末表面に考えられる酸化物を除去するための還元雰囲気を使用して、成形体を単一の熱焼結サイクルに供し、追加の固体潤滑剤の完全な蒸発を引き起こすのに十分な温度を、追加の固体潤滑剤の抽出および成形体内のそれぞれの二次細孔の形成を促進するために必要な時間の間維持し、その後既に追加の固体潤滑剤を含まない成形体を、二硫化モリブデンの反応工程、硫化鉄、硫化銅または硫化ニッケルを一次および二次相互連絡細孔を充填する液相へ液化する工程、およびマトリックスの金属粉末を焼結する工程に供する工程を含むことができる。
鉄、ニッケルおよび銅から選択されるマトリックス元素の1つを含む金属粉末から、または2つもしくは3つの元素のいずれかのそれらの混合物から形成されたマトリックスを有する焼結コンポーネントを、圧縮および単一の熱サイクルの間の成形体の焼結という簡単な操作によって、焼結温度よりも低い温度から一次細孔およびもしあれば二次細孔を満たすことができる液相を形成する反応生成物を焼結時に形成するための高密度化剤を利用し、そのため高密度化剤を含まないサンプルと比較してその焼結終了時にコンポーネントのより高い密度を保証して得ることが可能であり、二硫化モリブデンとマトリックスの反応から出たモリブデンがマトリックス中に拡散され、金属間相を形成する。
提案される発明は、追加の操作を必要とせずに、気密なコンポーネントを得るための方法を提供する。試験は、本発明の方法が低コストで、広範な金属材料、例えば、鉄鋼材に適用することができる、高い最終密度および向上した機械的特性を有するコンポーネントを製造することを示す。この方法は、高い生産性で、容易に制御可能なパラメータで、大きなバッチの同じ部品を製造することができる。
本発明は、添付の図面を参照してより詳細に説明されるであろう。
純鉄、鉄と固体潤滑剤のステアリン酸亜鉛またはアミド、鉄と二硫化モリブデンにより定義される高密度化剤から形成された成形体の、それらが供される圧縮圧力の関数としてのグリーン密度変動曲線を有するグラフを表す; 圧縮され、純鉄、鉄と固体潤滑剤のステアリン酸亜鉛またはアミド、鉄と2つの異なる割合の二硫化モリブデンにより定義される高密度化剤から形成されたコンポーネントの、それらが供される圧縮圧力の関数としての気孔率変動曲線を有するグラフを表す; 図3Aは、依然として金属マトリックス、例示では鉄マトリックスによって定義された成形体の状態で形成され、高密度化剤の島を維持し、一次細孔を示すコンポーネントの構造の概略的金属組織図である。 図3Bは図3Aのそれと同様の金属組織図であるが、焼結熱サイクル下のコンポーネントを示し、高密度化剤が、例示において鉄マトリックスによって表される金属マトリックスとのその反応を開始する図である。 図3Cは図3Bのそれと同様の金属組織図であるが、高密度化剤と金属マトリックスの反応のより進んだ段階の間の焼結熱サイクル下のコンポーネントを示す。 図3Dは図3Cのそれと同様の金属組織図であるが、焼結熱サイクルおよび高密度化剤と金属マトリックスの反応の終了までのコンポーネントを示し、反応生成物が、それぞれの島において、その膨張が、互いに連通するおよび前記島と連通する一次細孔を満たす液相を形成する図である。 図4Aは、依然として金属マトリックス、例示では鉄マトリックスによって定義された成形体の状態で形成され、固体潤滑剤および高密度化剤の粒子の島を含み、一次細孔を示すコンポーネントの構造の概略的金属組織図である。 図4Bは図4Aのそれと同様の金属組織図であるが、固体潤滑剤の蒸発の終わりまでの焼結熱サイクル下のコンポーネントを示し、二次細孔が形成されている図である。 図4Cは図4Bのそれと同様の金属組織図であるが、焼結熱サイクル下のコンポーネントを示し、高密度化剤が金属マトリックスとのその反応を開始する図である。 図4Dは図4Cのそれと同様の金属組織図であるが、高密度化剤と金属マトリックスの反応のより進んだ段階における焼結熱サイクル下のコンポーネントを示す。 図4Eは図4Dのそれと同様の金属組織図であるが、焼結熱サイクルおよび高密度化剤と金属マトリックスの反応の終了までのコンポーネントを示し、反応生成物が、それぞれの島において、その膨張が、互いに連通するおよび前記島と連通する一次および二次細孔を満たす液相を形成する図である。 純鉄、酸化鉄(方法は気密な微細構造を得るためにも使用される)、鉄+ステアリン酸亜鉛、鉄+二硫化モリブデンから得られる焼結されたコンポーネントの、(同じ容積の窒素ガスおよび同じ圧力に対し)時間の関数としての、異なる気密性のレベルを示すグラフである。
図は、鉄、二硫化モリブデンにより定義された高密度化剤、および場合により、また特定の場合にのみ固体潤滑剤(ステアリン酸亜鉛またはアミド)を含む、可能性ある組成物の一例を示すことに留意することが重要である。しかし、図3Aから3Dで既に言及し、説明したように、蒸発および抽出による固体潤滑剤の除去がないので、二次細孔を生成することなく、(金属材料の一例として)鉄+高密度化剤(二硫化モリブデン)のみを含むコンポーネントを製造することも可能である。この場合には、二硫化モリブデンは均質化混合物の圧縮工程の間に固体潤滑剤としても機能し、それは金属マトリックスと反応して、マトリックスの金属材料(複数可)との反応の際に1つ以上の硫化物および硫化物の液相(成形体の焼結工程の終了前に一時細孔を充填する)を形成するので、焼結サイクル中にそれを抽出する必要がない。
Niのみによって、またはFeのみによって、またはCuのみによって形成された金属マトリックスを使用した場合、高密度化剤はマトリックスの材料と反応して、前記材料との硫化物を形成することが理解されるべきである。
しかし、Fe+CuもしくはFe+NiもしくはCu+Niで形成された二元金属マトリックス、またはFe+Cu+Niにより形成された三元金属マトリックスを使用する場合、高密度化剤とマトリックスの反応によって、より高い安定性を持っている元素(銅はニッケルよりも安定であり、ニッケルは鉄よりも安定である)の硫化物が形成されるであろう。従って、より高い安定性の要素が使い尽くされた(その含有量のすべてが高密度化剤と反応した)場合、全高密度化剤が消費されるまで、第二の安定性レベルを有する次の元素の硫化物も形成されるであろう。高密度化剤が消費される前にマトリックスの第2の材料も使い尽くされた場合、高密度化剤はマトリックスの第3の元素と反応して、第3の硫化物を形成するであろう。
例えば、鉄のみを含有するマトリックスを使用する場合、高密度化剤は硫化鉄のみを形成するであろう。マトリックスがFe+5重量%Niを含む場合は、ニッケルの全てが反応するまで、高密度化剤は、好ましくは、硫化ニッケルを形成するであろう。この後、MoSの全てが反応するまで、硫化鉄が形成されるであろう。マトリックスがNi+5%Feを含有する場合は、硫化ニッケルのみが形成されるであろう。何故ならば、この元素の硫化物は硫化鉄よりも安定であるからである。
(本発明の詳細な記述)
本発明の方法の目的は、圧縮された材料が焼結工程に供される前に、粉末の選択、粉末材料を金型に圧縮する既知の工程を含む。本発明の場合、方法は、焼結の終わりまでに、特定の意図される用途に要求される特性を示す気密な微細構造を得ることを可能にするために(即ち、液体または気体の流体の流れを抑制するために使用され、コンポーネントの異なる組立て条件でその通路を密封する気密なコンポーネントを得るために)最適化された一軸型の圧縮を使用する。
得られる気密なコンポーネントは、鉄、ニッケル、銅によって定義された元素のいずれかおよびそれらの二成分または三成分の混合物から選択された金属粉末を含む、成形体の金属マトリックスを形成する粉末材料から形成することができる(全混合物中のこれらの元素の含有量の合計が金属マトリックスの質量の55%よりも大きい限りにおいて、および他の合金元素を添加することも可能である)。
金属マトリックスを形成する粉末材料に、均質な混合物において、体積において3という最小容積で高密度化剤が添加され、都合に応じて、混合物の技術的特性を改善するためにおよび/またはまだ焼かれていない成形体を形成するための圧縮工程を容易にするために少なくとも1つの追加の固体潤滑剤を添加してもよい。
好ましくは、混合物は、高密度化剤に関連して、体積で95/05%および90/10%の比率を示すマトリックスを形成するための粉末を含む。
本発明の方法は、製造されるコンポーネントのマトリックスを形成し、鉄、ニッケル、銅によりまたは金属マトリックスを定義する元素の割合より低い割合を示す合金元素としての他のものの一方または両方を含むこれらのいずれかにより定義できる金属粉末(純粋または合金)を、上記で述べた体積割合に応じておよびコンポーネントのマトリックスの形成に関連した粉末材料の品質の定義を考慮して、二硫化モリブデンで定義された高密度化剤の粉末と混合する工程から始まる。
その後、マトリックスの粉末と高密度化剤(二硫化モリブデン)の粉末との混合物は、好ましくは、低剪断速度を有するミキサー、例えば、Y型混合機を使用して、均質化される。
高密度化剤のみ、または高密度化剤および1つ以上の追加の固体潤滑剤の添加が、粉末混合物の圧縮、および固体潤滑剤の特性を示す任意の成分を追加することなく金属マトリックスを形成する粉末のみを圧縮して得られたものと比較して、より高いグリーン密度を有する成形体を得ることを容易にする。
図面の図1に示した曲線は、鉄および高密度化剤(二硫化モリブデン)のみを含有する混合物、および鉄、ステアリン酸亜鉛またはアミド(追加の固体潤滑剤)を含む混合物の比較を示す。この場合、二硫化モリブデンは、200から690MPaの圧縮圧力範囲に対し、成形体のより高いグリーン密度の値を提供するものである。200MPa未満の圧力範囲に対しては、曲線は互いに同等である。このように、高密度化剤の二硫化モリブデンは焼結の間のみでなく、圧縮工程におけるのと同様に早期に作用し、粉末冶金に使用される他の従来の固体潤滑剤と比較してより高いグリーン密度値(コンポーネント内の細孔のより低い体積)を達成することを可能にする。
粉末混合物を均質化する工程に続いて、方法は、例えば、取扱いに耐性のある、5から25体積%の一次細孔P1を示す成形体を得るまで、300から800MPaの圧力下での均質化混合物の圧縮によって、金型の空洞を充填する工程を含む。図面の図2は、高密度化剤が成形体材料の体積の5%の割合の二硫化モリブデンである場合、同じ値の圧縮圧力に対し、より低い割合の一次細孔P1を得ることがより容易になることも示す。
金型内部の粉末混合物の圧縮成形は、通常、一軸強度の適用(周囲温度)で加圧することによって行われ、それはさらに冷間静水圧加圧(周囲温度)により、または熱間静水圧加圧を用いることにより行うことができる。この工程の終わりまでに、準備された材料は、それが圧縮された金型の形を示す多孔質のコンポーネントの形で圧縮される。
最後に、以下に記載されるように、一次細孔P1を含む多孔質成形体は焼結工程に供され、そこではそれが供される温度は通常は1050℃から1250℃の範囲に増加され、増加した値で、金属粉末またはマトリックスの粉末の焼結、前記粉末と高密度化剤の反応および前記反応生成物から生じた液相による成形体の連通し、開放された一次細孔P1の充填を引き起こすのに十分な時間維持される。方法のこの工程は、図3Aから3Dのシーケンスにおいて観察することができる。焼結時間は通常5から180分であり、粉末の初期混合物に添加される高密度化剤のより低いまたはより高い量(体積における%含有率)に依存して変化する。
成形体の金属マトリックスを形成する粉末材料の化学組成は、鉄、ニッケル、銅から選択されるマトリックス元素のうちの1つのみを含む、または金属マトリックスを特徴付けるマトリックス元素よりも低い割合で存在する合金元素として機能する残りのマトリックス元素の一方または両方に混合された、優勢量の前記マトリックス元素のいずれかを含む金属粉末によって定義することができる。それに加えて、ただ1つのマトリックス元素または優勢な量のマトリックス元素を含むように特徴付けられた金属マトリックスは、合金元素として、前記他の2つのマトリックス元素の少なくとも1つ;クロム;モリブデン;ニオブ;マンガン;リン;炭素;バナジウム;珪素;および硫黄から選択される元素の少なくとも1つも含むことができる。
本発明によれば、成形体の金属マトリックスを形成する粉末材料は、鉄、ニッケル、銅によって定義されるマトリックス元素のいずれか、またはそれらの2つもしくは3つの混合物を、質量で少なくとも55%含有し、場合により、金属マトリックスの材料の質量の0.01%から20%の間で変化する各含有率において、上述した他の合金元素の少なくとも1つを含む。金属マトリックスの材料の一例は、ステンレス鋼AISI 316 L粉末である。
既知の解決策の望ましくない手順の必要性および粉末の圧縮成形を用いることなく、高い気密性レベルを有するコンポーネントを得るためには、金属マトリックスを形成するために選択される粉末が、高い粒子充填、良好な圧縮性および圧縮工程で成形されるコンポーネントの形状の保持を助ける能力のような発明の特定の特徴を示すことが必要である。固体潤滑剤特性も示す高密度化剤の添加により、前記添加のないマトリックスと比較して充填性および圧縮性が改善される。
得られる気密なコンポーネントの最終的な微細構造に影響を与える要因の1つは、前記コンポーネントを形成するために使用される粉末の粒径である。
鉄、ニッケル、銅、またはこれらの2つもしくは3つの混合物から選択される粉末の形態のマトリックス元素によって定義される金属マトリックス(前述のように、純粋なまたは合金)、ならびに高密度化剤および固体潤滑剤としての二硫化モリブデンが使用される場合、10μmから180μmの間の粒径を有するマトリックス元素(金属粉末)および1.0μmから60μmの間の二硫化モリブデン粒子を使用することが望ましく、粒径はレーザー粒度分布によって測定されるd90粒径に対応する。
これまで記載した方法は、コンポーネントを得るための方法が図3Aから3Dのシーケンスに図示される焼結工程を示すことを可能にする固体潤滑剤としても二硫化モリブデンを使用する。
二硫化モリブデンの固体潤滑剤としての使用により、特定値の圧縮圧力に対し、より高い密度(一次細孔P1のより低い割合)を有する成形体を得ることが可能となり、高圧で作動する複雑で高価な圧縮設備を要求することなく、複雑な形状の成形体を得ることが容易になる(図2参照)。
しかし、二硫化モリブデンが潤滑特性を有する高密度化剤であるとしても、圧縮金型および形成される最後の部品の幾何学的特性、粉末の圧縮性要件および形態学的特徴、成形体の成形性ならびに形成される部品の機械的抵抗および気密性要件に応じて、圧縮圧力の特定の限度内で成形体を形成する粉末の混合物に追加の固体潤滑剤を含ませることが望ましい。
追加の固体潤滑剤を用いたこれらの場合には、本発明の方法は、前述した高密度化剤として機能するために、既に前記した体積の割合を配慮して、二硫化モリブデンの最終混合物含有率が粉末混合物の全体積の3%という最小値から30%という最大値の間にある限り、混合物を均質化する工程の前に、マトリックス元素および高密度化剤の混合物に固体潤滑剤粉末を添加する追加の工程を含む。3体積%というこの含有率は、材料を気密に作るために十分な液相を形成するための最小の含有率である。
次に、マトリックス粉末と高密度化剤および追加の固体潤滑剤の粉末との混合物は、好ましくは、低剪断速度のミキサー、例えば、Y型混合機を用いて均質化される。
本発明の方法に使用される追加の固体潤滑剤は、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、硫化マンガン、グラファイトおよび六方晶窒化ホウ素(h−BN)から選択することができる。
追加の固体潤滑剤を含む別の解決策では、本発明の方法は、取扱いに耐性のある、05体積%から25体積%の一次細孔P1を示す成形体を得るまで、例えば、300から800MPaの圧力下での均質化混合物の圧縮によって、金型の空洞を充填する工程も含む。
金型内部の粉末混合物の圧縮特性は、高密度化剤および唯一の固体潤滑剤を使用する場合に既に述べたとおりである。圧縮工程の後、成形体は、粉末の表面の考えられる酸化物を除去するために、還元性雰囲気を使用して、追加の固体潤滑剤(複数可)の蒸発を引き起こすのに十分な温度を、追加の固体潤滑剤(複数可)の抽出および成形体中のそれぞれの二次細孔P2の形成を促進するために必要な時間維持して、単一の焼結熱サイクルに供される。
ステアリン酸亜鉛および、大規模では、アミドは、成形体を形成する粉末混合物の圧縮の間に成形工程を支援するために業界で広く使用される追加の固体潤滑剤の種類を定義し、追加の固体潤滑剤は、約300℃から500℃の間の温度で約30分の抽出時間行われる焼結熱サイクルの初期段階中に後で抽出される。焼結工程において成形体を抽出すると、追加の固体潤滑剤は、成形体内に空の空間(従来の技術では、これは二次細孔P2を形成する)を形成し、コンポーネントの気孔率を増加させ、このため低い含量の残留気孔率を有する部品を得ることをより困難にする。
それでも同じ単一の焼結熱サイクルでは、一次細孔P1および二次細孔P2を含む多孔質成形体は焼結工程に供され、そこではそれが供される温度は通常は1050℃から1250℃の範囲に上げられ、前記高い値で、マトリックスの金属粉末の焼結、マトリックスの金属粉末の高密度化剤との反応および前記反応生成物から生じた液相による成形体の互いに連通し、開放された一次細孔P1および二次細孔P2の充填を引き起こすのに十分な時間維持される。方法のこの工程は、図4Aから4Eのシーケンスにおいて観察することができる。
焼結時間は通常5から180分であり、金属マトリックスを形成する粉末に添加される高密度化剤および固体潤滑剤のより低いまたはより高い量(%質量含有率)に依存して変化する。
純鉄のマトリックスおよび二硫化モリブデンを使用する本発明の特定の形態では、焼結工程自体は、マトリックスの金属粉末の焼結およびその鉄と高密度化剤(二硫化モリブデン)との反応を引き起こすのに十分な値まで成形体の温度を上昇させ、そえゆえ互いにおよび高密度化剤粉末と連通する、成形体の一次細孔P1を満たす硫化鉄の液相を生成することを含む。
それが観察できるように、焼結工程の間に成形体の高密度化剤、即ち、二硫化モリブデンを抽出する必要はない。何故ならば、高密度化剤は一次細孔P1を充填するために完全に使用され、気密な微細構造を有する成形体が得られることを保証するからである。
本発明は、以下のような粉末冶金技術を介する処理の典型的な利点を示し、即ち、最小の原料損失、材料の化学組成の容易かつ正確な制御、良好な表面仕上げ、容易な自動化の生産方法、高純度を有する最終製品および簡単な微細構造の制御に帰着する。
圧縮中に二硫化モリブデンの剪断が生じる。この剪断は、ステアリン酸亜鉛により、またはアミドにより定義された追加の固体潤滑剤に対してよりもこの要素に対してはより簡単な方法で起こる。このように、高密度化剤の存在により、粉末混合物の圧縮および主に純鉄粉の圧縮および、より低い程度で、この種類の潤滑剤(ステアリン酸亜鉛またはアミド)のみを含む混合物の圧縮と比較してより高いグリーン密度(g/cm)を有する成形体を得ることを容易にする。
鉄、ニッケルまたは銅のマトリックスに対しては、750℃より高い温度で二硫化モリブデンとマトリックスの間の反応工程が起こり、硫化鉄、硫化ニッケルまたは硫化銅および過剰モリブデンの金属マトリックス中の拡散をもたらす。
全二硫化モリブデンとマトリックス元素の反応に必要な時間を通過した後、焼結工程のシーケンスの間、硫化鉄、硫化ニッケルまたは硫化銅により液相を形成するように温度を十分に上昇させる。反応から生じる硫化物の液相は、得られた部品の焼結を完了する前に、一次細孔P1によってまたは二次細孔P2(圧縮工程に追加の固体潤滑剤が使用された場合)によって定義された空隙を埋める。金属マトリックス中に拡散した高密度化剤のモリブデンは焼結部品の機械的挙動に影響し、引張強さの増加した値を示すコンポーネントを得ることを可能にする。
図3C、3D、3E、4C、4Dおよび4Eに示されているように、二硫化モリブデンが750℃より高い、鉄、ニッケル、銅との反応温度を有し、金属マトリックスの焼結が、圧縮された粉末材料の焼結自体の間、通常1050℃よりも高い温度で起こることを考慮すると、それらが完全に消費されるまで、二硫化モリブデン粒子は徐々に鉄、ニッケルまたは銅マトリックスと反応し、この材料の形成を可能にする値まで温度を上昇させた後液相を形成する硫化鉄または硫化銅または硫化ニッケルにより定義された新しい相を形成し、このように材料の相互連通する細孔を満たし、それを気密にする。このように、成形体の焼結の間に、高密度化剤粒子は次第に消費されて、液相を形成する他の硫化物になり、液化方法の下で互いにおよび高密度化剤とマトリックスの間の反応生成物の各粒子と連通する一次細孔P1および二次細孔P2へのそれらの膨張的移行を可能にし、前記細孔の充填および成形体構造中に均質に分配された高密度化剤の粒子と直接的または間接的に連通する全ての気孔の内部密封を有する気密な微細構造を得ることをもたらす。
気密なコンポーネントを生じさせる微細構造の形成を保証するためには、コンポーネントが金属マトリックスと高密度化剤の間の反応から生じる硫化物の液相の形成温度よりも高温で焼結されることが必要である。
高密度化剤の二硫化モリブデンの均一な添加を含む純鉄粉末から形成される成形体の焼結工程の例は、1050℃から1200℃の範囲の温度で行うことができ、高密度化剤と純鉄マトリックスの反応は硫化鉄を生じ、850℃で開始し、得られた硫化物の液相の形成は約990℃で起こる。反応に残されたモリブデンはその後鉄系マトリックス中に拡散され、液化された硫化鉄は連通する表面的な細孔を密封し、材料を気密に、即ち、液体または気体流体の通過を完全に制限するようにする。前記サンプル中で実行された気密試験のそれぞれの曲線は図5で観察することができる。
既に述べたように、得られる気密なコンポーネントの最終的な微細構造に影響を与える要因の1つは、前記コンポーネントの形成に用いられる粉末の粒径である。
鉄を含む粉末ならびに高密度化剤および潤滑剤としての二硫化モリブデンの混合物の場合、10μmから180μmの間の粒径を有する、マトリックスを形成する鉄または鉄系合金粒子および1.0μmから60μmの間の固体潤滑剤および高密度化剤の粒子を使用することが望ましく、粒径はレーザー粒度分布によって測定される粒径d90に対応する。
圧縮圧力は、圧縮されたコンポーネントのグリーン密度に直接影響を与え、そのような密度は成形体の粉末粒子間の実在する接点に影響を与え、そのことはコンポーネントの焼結性に影響を与える。このように、コンポーネントの一軸圧縮の間に300から800MPaの間の圧縮圧力を使用することが好ましい。
典型的には、圧縮工程およびその後の焼結によって得られるコンポーネントの最終気孔は、熱的に活性化された物質移行に応じて、焼結自体から生じ、それらが圧縮されるまで、その合体による、体積の低下による、および細孔形状の変更による粒子間の接点の成長に起因して、特異自由表面の減少をもたらす。
本発明の焼結方法は、例えば、従来の抵抗炉中で、またはその内部では気密特性が達成された真空炉中で、プラズマの支援ありでまたはなしで実行されてもよい。
本発明の方法は、上述したように、従来の焼結方法のそれとは異なる結果を達成し、その後の操作を必要とせず単一の焼結工程を経て気密なコンポーネントを製造することを可能にし、エネルギー費用および処理時間の削減を可能にする。追加の利点としては、提案された方法は、処理中の最終的な微細構造の容易な制御に加えて、さらに中程度および高度な形状の複雑さを有する材料を製造する可能性を提示し、工業的実施および広い市場の利用を促進する。

Claims (11)

  1. 以下の工程:
    i) 鉄、ニッケル、銅によって規定される元素のいずれかおよびこれらの元素の2つまたは3つの混合物から選択された金属粉末を、元素またはその混合物の含有率がコンポーネントの金属マトリックスの質量の少なくとも55%を規定する限り、3から30体積%の間で変化する含有率を有する、高密度化剤としておよび固体潤滑剤としての二硫化モリブデン粉末と混合する工程;
    ii) 前工程で得られた混合物を均質化する工程;
    iii) 取扱いに耐性があり、5から25体積%の間の一次細孔(P1)%を示す成形体を達成するまで、均質化した混合物を圧縮することによって、金型の空洞を充填する工程;
    iv) 成形体を、二硫化モリブデンと製造されるコンポーネントのマトリックスを形成する金属粉末との反応、硫化鉄、硫化ニッケルおよび硫化銅の少なくとも1つの形成、マトリックスを形成する金属粉末中への、反応から出たモリブデンの拡散を可能にするのに十分な温度および期間に供する工程;
    v) 成形体の焼結工程を終了する前に、成形体を、既に反応した二硫化モリブデンと共に、硫化物を一次細孔(P1)を充填する液相へ転換するために十分な温度に供する工程
    を含むことを特徴とする、粉末冶金技術を用いる気密なコンポーネントを得るための方法。
  2. 成形体の金属マトリックスを形成する粉末材料は、鉄、ニッケル、銅、クロム、モリブデン、ニオブ、マンガン、リン、炭素、バナジウム、珪素および硫黄から選択される合金元素の少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 成形体の金属マトリックスを形成する粉末材料は、金属マトリックスの材料の質量の0.01から20%の間で変化する各含有率において合金元素の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 成形体の金属マトリックスを形成する粉末材料は、10から180μmの間の粒径(レーザー粒度分布によって測定されるd90)を示すことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 高密度化剤の粉末は、1.0から60μmの間の粒径(レーザー粒度分布によって測定されるd90)を示すことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 金型の内部の粉末混合物を圧縮する工程は、300から800MPaの圧力下で行われることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 二硫化モリブデンと金属マトリックスの元素の反応温度が750℃より高いが金属マトリックスの焼結温度より低いことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 焼結時間は、初期の粉末混合物に添加される高密度化剤のより低いまたはより高い量(質量における%含有率)に応じて、5から180分であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. さらに以下の追加の工程:混合物を均質化する工程の前に、金属マトリックスを形成する元素と二硫化モリブデンの混合物に少なくとも1つの追加の固体潤滑剤を添加する工程;粉末表面の考えられる酸化物を除去するために、還元雰囲気を使用して、成形体を単一の焼結熱サイクルに供し、追加の固体潤滑剤の蒸発を引き起こすのに十分な温度を、追加の固体潤滑剤の抽出および成形体内のそれぞれの二次細孔の形成を促進するために必要な時間の間維持し、その後既に追加の固体潤滑剤を含まない成形体を、二硫化モリブデンの反応工程、硫化鉄、硫化銅または硫化ニッケルを相互に連通する一次細孔(P1)および二次細孔(P2)を充填する液相へ液化する工程、およびマトリックスの金属粉末を焼結する工程に供する工程を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 固体潤滑剤の粉末は、1.0から60μmの間の粒径(レーザー粒度分布によって測定されるd90)を示すことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 成形体を形成するのに使用される追加の固体潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛、アミド、硫化マンガン、グラファイトおよび六方晶窒化ホウ素から選択される要素の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項9および10のいずれか一項に記載の方法。
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