JP2016539315A - 試料内の抗体の存在を検出する方法 - Google Patents
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Abstract
試料中の、第一の会合による第一の担体に会合する抗原の結合体に対する抗体の存在を検出する方法が開示されている。本方法は、抗体の抗原への結合を許容する条件下で、第二の会合による第二の担体に会合する抗原の結合体を前記試料と接触させる手順、および前記抗原に結合した抗体の存在を検出する薬剤を導入する手順を含む。第一の会合および前記第二の会合は共有結合性会合であり、前記第一の会合は前記第二の会合とは異なる。また、前記方法および前記方法のさらなる使用において有用なキット、マルチウェルプレートおよび結合体も提供されている。また、第一の会合による第一の担体に会合する抗原の結合体を含む、ワクチンのバッチを放出する方法および本方法で有用な抗体も提供されている。
Description
本発明は、試料中の抗体の存在を検出する方法に関する。本方法は、抗体が担体タンパク質に会合する抗原の結合体に結合する場合に、特に有用である。
数多くのワクチンは、担体に会合した抗原の結合体という形態をとっている。例えば、バクテリアに由来する糖類は、長年にわたりワクチンで使用されてきた。ところが、糖類はT細胞非依存性抗原であるため、免疫原性が低い。担体への結合がT細胞非依存性抗原をT細胞依存性抗原に変換することがあり、それによって記憶応答が高まり、防御免疫が発展する。よって、最も効果的な糖類ワクチンは複合糖質をベースにするもので、プロトタイプ結合体ワクチンは、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)B型(「Hib」)に対するものであった[例えば参考文献[1](非特許文献1)の14章を参照]。
候補の結合体ワクチンに対する被験者の免疫応答を評価するにあたり、被験者から採った試料中にある結合体に応答して産生される抗体の存在を検出する試験法を使用しうる。こうした試験法は通常、抗体に特異的に結合する固定化した物質(例えば、抗原それ自体)を含む。こうして、結合した抗体の検出は、例えば、化学的、生物学的または放射性な標識化の使用によって達成しうる。例えば、結合された抗体の検出は、例えばその試験法が酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)形式である、被験者からの抗体を認識する第二の抗体の使用により達成しうる。抗体に特異的に結合する物質が抗原の場合、タンパク質に会合する抗原の結合体を使用しうる。タンパク質は、例えば、マルチウェルプレートなどへの結合体の固定化を促進する。これにより、試験法での抗体の検出が促進される。
ワクチンにおけるタンパク質に会合した抗原の結合体の使用は、結合の産物である人工エピトープを露出することがある。例えば、こうした人工エピトープは、抗原とタンパク質の間の境界面に存在しうる。よって、候補の結合体ワクチンは、天然の抗原に対する抗体に加えて、この人工エピトープに対する抗体を増加させうる。試験法におけるタンパク質に会合した抗原の結合体の使用は、この人工エピトープを露出することにもなり、またその結果、試験法は、天然の抗原に対する抗体に加えて、この人工エピトープに対する抗体を検出する。これによって、検査の対象である試料中にある天然の抗原特異的抗体の量が不正確に表現されうる。その上、一部の場合には、固定化した結合体が他の抗原に対する抗体との交差反応をすることもある[2](非特許文献2)。
人工エピトープの検出を避けるために、単に抗原とタンパク質の物理的な混合物を使用することが可能である[2](非特許文献2)。ところが、例えば糖類など抗原が親水性の場合は、遊離した抗原を例えばプレートに固定化するのが困難なことがある。その結果、遊離した抗原が関与する試験法は、タンパク質との物理的混合物または単独のいずれでも不適切な感度レベルを持つ傾向にある[3](非特許文献3)。
試料中の抗体の存在を検出するための選択的で感応性の高い方法の開発は、これまで特にB群連鎖球菌(GBS、Streptococcus agalactiae)のケースで問題があった。例えば、糖類結合体ワクチンに対する抗体の存在を検出する試みにおいて、一部の研究者は、GBS糖類がヒト血清アルブミン(HSA)に共有結合的に連結されているELISA技術を調査してきた。HSA成分は、結合体のELISAプレートへの効果的な結合を許容し、試験法に対する十分な感度を与えることを目的とする[4](非特許文献4)。
ところが、他の研究者は、試験法での結合体の使用が結合の産物である人工エピトープ(結合体ワクチン成分内にも存在)を露出することを見出した。よって、ELISAは、天然の糖類に対する抗体ではないこのエピトープに対する抗体を検出すると考えられている。試験法で使用される結合体も、肺炎球菌の糖類に対する抗体との交差反応をすることがある[2](非特許文献2)。よって、こうした方法では、GBS糖類に対する抗体についての特異性が不十分である。この問題を解決する試みにおいて、研究者はHSAと糖類の混合物を使用してきた。ところが、これはマルチウェルプレートへの糖類の固定化に悪影響を及ぼし、よってその結果の試験法の感応性は不十分である[3](非特許文献3)。
GBS感染は、ヒトおよび動物に対して重大な健康上の脅威となる。特に懸念となるのは、出産時のGBS感染の発生である。この細菌の保菌者である妊婦は、産後の感染のリスクにさらされ、また子供が産道を通る時にその子供を感染させることもありうる。したがって、母親の抗体レベルが新生児の感染を防御するのに十分であるかどうかを判断できることが有用である。したがって、候補の結合体ワクチンの試験においてのみではなく、患者におけるワクチンの効果の監視において、またワクチン接種を必要としうる被験者を特定するための既存の抗体レベルについての被験者の試験においても方法が必要である。GBS感染はまた、動物に対する健康上の脅威である。例えば、これは酪農用家畜での乳腺炎の原因である。よって、獣医学の状況においても試験および監視のための方法が必要である。
結合体ワクチン、また特にGBS莢膜糖類をベースにした結合体ワクチンの開発を機に、所定のプロセスで製造されたワクチンの各バッチが、例えば効力(例えば免疫原性)の点で規制上の要件を満足するかどうかを評価する方法の必要性もある。ワクチンバッチがこれらの要件を満足する場合には、ワクチンは期待される免疫応答を提供するはずであり、理想的には、そのバッチからの試料での試験動物の免疫化など、さらなる試験は必要とならない。さらに要件は、ワクチン単独の物理的特性化よりも信頼性がより高い、効力の評価であるべきである。ワクチン放出のための規制上の要件は、典型的に米国の食品医薬品局(FDA)および欧州の欧州医薬品庁(EMEA)などの機関によって設定されている。よって、本発明のさらなる目的は、これらの標準を満足する結合体ワクチンの効力を評価する方法を提供することである。
したがって、試料中の抗体、特に担体に会合した抗原の結合体に対する抗体の存在を検出するためのさらなるより優れた方法に対する必要性が依然として存在する。
Jameson, BA et al. 1988, CABIOS 4(1):181−186.
Bushan et al. 1998 Infect. Immun. 66(12):5848−5853.
Kasper et al. 1999 Infect. Immun. 67(8): 4303−4305.
Wessels et al. (1990) J Clin Invest 86:1428−33.
本発明は、試料中にある、抗原および担体の結合体に結合する抗体、特に結合体内の抗原に結合する抗体の存在を検出するための従来技術の方法の代わりに使用可能な方法に基づく。これらの方法は、従来技術の方法よりも、問題の抗体について特異的および選択的である可能性がある。例えば、本発明の方法は、候補の結合体ワクチンにおける任意の人工エピトープに対する抗体の検出の問題を避けるため、特異性が改善されている可能性がある。また、本発明の方法は、抗原を表面に効果的に固定化する第二の担体を使用しうる時、より大きな感度を可能とし得る。これらの方法の開発において、発明者は、抗原と第一の担体の結合体内に存在しうる人工エピトープを露出しない、代替的な結合方法を利用してきた。したがって、本方法は、所定の担体に会合する所定の抗原の結合体に対する抗体を検出するために使用できる。
よって、本発明は、結合体に結合する試料中の抗体の存在を検出するための代替的または改善された方法を提供する。本発明はまた、本発明の方法において有用なキット、マルチウェルプレートおよび結合体を提供し、また例えば、ワクチンの効力を確立して医師による使用のために提供できるようにするため、被験者でのワクチンに対する免疫応答を監視するため、またはワクチン接種を必要としうる者を特定するために既存の抗体レベルについて被験者を検査するためのさらなる方法の使用を提供する。
したがって、第一の態様では、本発明は、試料中の第一の会合による第一の担体に会合する抗原の結合体に対する抗体の存在を検出する方法であって、前記方法が(i)抗体の抗原への結合を許容する条件下で、第二の会合による第二の担体に会合する抗原の結合体を前記試料と接触させる手順、および(ii)前記抗原に結合した抗体の存在を検出する薬剤を導入する手順を含む方法を提供するが、ここで、第一の会合は第二の会合とは異なる。一般に、第一の会合および第二の会合は共有結合性会合である。
本発明の第一の態様の方法は、医師による使用のために供給できるように、候補の結合体ワクチンの効力を確立するために適用できる。例えば、方法は、ワクチンの治験から得られた試料を試験するために使用できる。
したがって、第二の態様では、本発明は、医師による使用を目的として、第一の会合による第一の担体に会合する抗原の結合体を含むワクチンを提供する方法を提供するが、(a)ワクチンを複数の被験者に投与する手順、(b)被験者から試料を回収する手順、(c)本発明の第一の態様による方法を使用して、各試料で結合体に対する抗体の濃度を測定する手順、(d)濃度を、抗原に対する抗体保有率についての標準的な判定基準と比較する手順、および、被験者について所定の比率で、手順(d)での比較が抗体保有率の判定基準と等しいかそれを上回る濃度を示す場合に、(e)医師による使用の目的でワクチンを提供する手順といった手順を含む。一般に、第一の会合および第二の会合は共有結合性会合である。
本発明の第一の態様の方法はまた、ワクチンのバッチを患者での使用に放出できるように、規制上の要件を満足するかどうかの評価に適用できる。上述のような臨床試料(該試料は既知の抗体についてのものである)中の抗体の存在または不在を検出するため本方法を使用する代わりに、本方法はワクチンバッチによるこの抗体の結合の阻害を検出するために使用される。この阻害を既知の効力を持つ参照ワクチンを使用して得られた阻害と比較し、それによってワクチンバッチの効力の評価が行われる。
したがって、第三の態様では、本発明は、第一の会合による第一の担体に会合する抗原の結合体を含むワクチンを放出する方法を提供するが、(a)抗体の抗原への結合が許容される条件下で、ワクチンバッチの一部の存在下で、結合体に対する抗体と、第二の会合による第二の担体に会合する抗原の結合体を接触させる手順、(b)第二の会合による第二の担体に会合する抗原に結合された抗体の存在を検出する薬剤を導入する手順、(c)結合された抗体の量を決定する手順、(d)ワクチンバッチの部分を参照ワクチンで置き換えた手順(a)〜(c)を実施する手順、(e)各手順(c)の結果を比較する手順、および、手順(e)での比較でワクチンバッチが放出のために予め設定された要件を満足することが示された場合に、(f)ワクチンを放出する手順といった手順を含む。一般に、第一の会合は第二の会合とは異なる。ところが、本発明のこの第三の態様では、上記で考察した人工エピトープの問題は、任意の人工エピトープに結合されない抗体の選択によって避けることができ、よって、第一の会合が第二の会合と異なることの重要性は低い。また、一般に、第一の会合および第二の会合は共有結合性会合である。
本発明は、本書で描写した方法で使用するための結合体も提供する。また本発明には、本発明の第一および第二の態様の方法のためのキットも提供されている。特に、第一の会合による第一の担体に会合する抗原の結合体に対する抗体を検出するためのキットが提供されており、前記キットには、第二の会合による第二の担体に会合する抗原の結合体が含まれ、ここで第一の会合は第二の会合とは異なる。一般に、第一の会合および第二の会合は共有結合性会合である。また、本発明の第三の態様の方法のためのキットも提供されている。特に、キットには抗体および第二の会合による第二の担体に会合する抗原の結合体が含まれるが、ここで第一の会合は第二の会合とは異なる。キットはまた、抗体の存在を検出するための薬剤も含みうる。最後に、本発明の方法で使用するためのマルチウェルプレートも提供されている。
本発明はまた、本発明の第三の態様にとって有用な抗体を提供している。
試料
試料は、全血、血清および血漿、特に血清を含む群から選択されることが適切である。ところが、試料は任意の供給源からの試料としうる。こうして、試料は、ラボ内で生成することも被験者から得ることもできる。被験者は、哺乳動物または鳥など典型的に動物である。被験者は、ヒトなどの哺乳動物であることが適切である。例えば、被験者は、妊娠した哺乳動物、典型的に妊娠したヒトとしうる。試料は、例えば、乳、尿、または羊水など、流体(既知の方法による必要に応じて濃縮)としうる。代替的に、試料は、胃スワブ、泌尿生殖器スワブまたは胎盤スワブからの試料としうる。
抗原
抗原は糖類であり、典型的には細菌性の抗原である糖類、例えば細菌性の莢膜糖類であることが適切である。莢膜糖類は、特にB群連鎖球菌莢膜糖類としうる。莢膜糖類はGBSのペプチドグリカンバックボーンと共有結合的に会合し、ペプチドグリカンバックボーンに付着する別の糖類である、B群抗原とははっきり区別される。本書で使用するとき、糖類には多糖類またはオリゴ糖が含まれる。オリゴ糖は、精製した多糖類の断片化によって都合よく形成されており(例えば加水分解による)、通常は、この後に希望のサイズの断片の精製が続く。オリゴ糖は、典型的に結合の前にサイズが定まる。本発明に解重合された糖類が含まれる場合、解重合の前に結合があることが好ましい。
ただし、本発明は、天然の出所に由来する精製した糖類には限定されず、糖類は、全合成または部分的合成などのその他の方法により得ることができる。
上述のとおり、本発明にとって特に適切なのは、GBS、特にGBS莢膜糖類により生成された糖類である。GBS莢膜糖類は、化学的に関連するが抗原的には非常に異なる。全てのGBS莢膜糖類が、次の三糖コアを共有する:
(式1)
β−D−GlcpNAc(1→3)β−D−Galp(1→4)β−D−Glcp
(式1)
β−D−GlcpNAc(1→3)β−D−Galp(1→4)β−D−Glcp
様々なGBS血清型は、このコアが変性される方法によって異なる。例えば、血清型IaとIIIの違いは、連続的な三糖コアのリンクのためのこのコアでのGlcNAc(Ia)またはGal(III)のどちらを使用するかによって生じる。血清型IaおよびIbはどちらもコア内にGlcNAcに会合した[α−D−NeupNAc(2→3)β−D−Galp−(1→]二糖を持つが、会合は、1→4(Ia)または1→3(Ib)のいずれかである。
GBSに関連した病気は、主に血清型Ia、Ib、II、III、IV、V、VI、VII、VIIIおよびIXから発生し、85%を上回るものがIa、Ib、II、III、Vの5つの血清型に起因する。本発明は、望ましくは、これらの5つの血清型のうち一つ以上の糖類、特に血清型Ia、Ib、IIIのうち一つ以上の糖類を使用する。これらのそれぞれの血清型の莢膜糖類には、(a)全てのケースでガラクトース残基に対して2→3にリンクされる、末端のN−アセチル−ノイラミン酸(NeuNAc)残基(一般にシアル酸と呼ばれる)と、(b)三糖コア内のN−アセチル−グルコサミン残基(GlcNAc)とが含まれる。糖類には三糖コア内のガラクトース残基が含まれるが、血清型Ia、Ib、II、IIIにも各反復単位に追加的なガラクトース残基が含まれる。
糖類は、参考文献[4]および[5]など、本書の参考文献に記載のある既知の技術により精製できる。GBS莢膜糖類を精製する典型的なプロセスには、塩基抽出、遠心分離、ろ過、RNase/DNase処理、プロテアーゼ処理、濃縮、サイズ排除クロマトグラフィー、限外濾過、陰イオン交換クロマトグラフィー、およびさらなる限外濾過が関与する。バクテリアの細胞壁を切断して細胞壁成分を遊離させる、酵素ムタノリシンによるGBS細胞の処理も有用である。代替として、参考文献[6]に記載のある精製プロセスも使用しうる。これには、塩基抽出、エタノール/CaCl2処理、CTAB沈殿、および再可溶化が関与する。さらなる代替的なプロセスは、参考文献[7]に記載がある。
その他の糖類を本発明で使用しうる。特に、その他の細菌性の莢膜糖類を本発明で使用しうる。これらの細菌性の莢膜糖類は、N. meningitidis、特に血清型A、C、W135およびY、S. pneumoniae、特に血清型: 1、2、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fおよび33Fによるもの、S. agalactiae、特に血清型Ia、Ib、およびIII、Staphyloccocus aureus、特にS. aureus 5型および8型によるもの、H. influenzae b型、Salmonella enterica Vi型、Staphyloccocus epidermidisによる糖類抗原[例えば参考文献8、9および10に記載のある菌株ATCC−31432、SE−360およびSE−10から獲得可能なI、IIおよび/またはIII型莢膜糖類]、およびClostridium difficileに由来するものとしうる。本発明はまた、非莢膜細菌性の糖類も使用し得る。模範的な非莢膜細菌性の糖類は、化膿レンサ球菌GAS炭水化物である(GAS細胞壁多糖類、またはGASPとしても知られている)。本発明はまた、非細菌性の糖類も使用する。例えば、本発明はグルカン、例えば、真菌細胞壁に由来するものを使用しうる。代表的なグルカンには、ラミナリンおよびカードランが含まれる。
本発明の方法で使用しうる追加的な抗原には、細菌性、ウィルス性または寄生性の抗原が含まれる。
一部の実施形態において、第一の担体に会合する抗原は、例えば、構造および/または純度において、第二の担体に会合する抗原とは同一でない。例えば抗原が糖類であるとき、第一の担体に会合する抗原は、第二の担体に会合する抗原と比較して、異なる平均サイズおよび/またはサイズの範囲を持ちうる。各抗原は、異なる方法で調製する、および/または異なるレベルの純度で提供しうる。ところが、各抗原には、第二の担体に会合する抗原への結合が第一の担体に会合する抗原に結合する能力を示すような、抗体が結合している単数または複数のエピトープが含まれる。
担体
第一の担体および/または第二の担体は、タンパク質またはペプチドなどの担体分子としうる。一般に、第一および第二の担体は両方ともタンパク質である。一般に、第一の担体は第二の担体とは異なり、例えば、第一の担体はあるタンパク質(典型的にジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、CRM197またはタンパク質D)であり、第二の担体は異なるタンパク質(典型的にはヒト血清アルブミン)である。特に、第二の担体は、結合体内で担体に結合する結合体に対する抗体が本方法で検出されないように、第一の担体と共通の抗体−結合エピトープを含まないように選択されることが望ましい。
有用なタンパク質には、ジフテリアトキソイドまたは破傷風トキソイドなどの、細菌性の毒素またはトキソイドが含まれる。例えば、破傷風トキソイドの断片Cなど、毒素またはトキソイドの断片も使用できる[11]。ジフテリア毒素のCRM197突然変異体[12−14]は、本発明で特に有用である。その他の適切なタンパク質には、N. meningitidis外膜タンパク質[15]、合成ペプチド[16,17]、熱ショックタンパク質[18,19]、百日咳タンパク質[20、21]、サイトカイン[22]、リンホカイン[22]、ホルモン[22]、成長因子[22]、ヒト血清アルブミン(望ましくは組換え体)、各種の病原体由来の抗原からの複数のヒトCD4+T細胞エピトープを含む人工タンパク質[23](N19[24]など)、H. influenzaeからのタンパク質D [25、26]、肺炎球菌表面タンパク質PspA [27]、ニューモリシン[28]、鉄摂取タンパク質[29]、C.difficileからの毒素AまたはB [30]、組換えPseudomonas aeruginosa細胞外タンパク質A(rEPA)[31]、GBSタンパク質(特にGBS67)[32]などが含まれる。また担体として有用なのは、細菌性の線毛またはその断片、特にGBSに由来するものである。その他の適切なタンパク質には、N. meningitidis外膜タンパク質複合体[33]、合成ペプチド [34、35]、熱ショックタンパク質[36、37]、百日咳タンパク質[38、39]、サイトカイン[40]、リンホカイン[40]、ホルモン[40]、成長因子[40]、各種病原体由来の抗原からの複数のヒトCD4+T細胞エピトープを含む人工タンパク質 [41](N19 [42]など)、H. influenzaeからのタンパク質D [43−45]、ニューモリシン[46]またはその無毒性誘導体[47]、肺炎球菌表面タンパク質PspA [48]、鉄摂取タンパク質[49]、C. difficileからの毒素AまたはB [50]、組換えP. aeruginosa 細胞外タンパク質A(rEPA)[51]、などが含まれる。
タンパク質の混合物を使用することも可能である。単一のタンパク質は、複数の異なる糖類を保有しうる[52]。
ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、CRM197およびタンパク質Dは、第一の担体への抗原の結合体での使用に特に認識される。
本発明は、第二の担体に会合する抗原結合体の使用が関与する。第二の担体により抗原の固定化が促進され、試料中の抗体の適切な度合での検出が確保されうる。
第一の担体に会合する抗原の結合体での使用に適切なタンパク質は、第二の担体に会合する抗原の結合体での使用にも適切である。発明者は、血清アルブミン、特にヒト血清アルブミン、より具体的には組換えヒト血清アルブミンは、第二の担体に会合する抗原の結合体での使用に適切である。
会合
抗原および担体の間の多数のタイプの会合が当技術で知られているが、特に下記に詳述するとおり、抗原が糖類であり、かつ担体がタンパク質であるときにその点が当てはまる。会合は、共有結合または非共有結合のいずれでもよい。非共有結合性会合には、静電的相互作用および物理的混合物が含まれる。共有結合性会合は、一つ以上の原子リンカー基、および直接結合を含む群から選択しうる。
本発明において、本発明の第一および第二の態様において、および典型的に本発明の第三の態様において、抗原および第一の担体の間の会合(これを「第一の会合」ということもある)が、抗原および第二の担体の間の会合(これを「第二の会合」ということもある)と異なるという条件で、任意の会合を使用しうる。例えば:
I.第一および第二の会合はどちらも共有結合性会合であるが、それぞれが異なるリンカー基を含むか、または一方が直接結合で他方がリンカー基を含む。
II.第一および第二の会合はどちらも共有結合性会合であるが、それぞれが担体の異なる部分間に形成される(例えば、担体がタンパク質である場合にはタンパク質の異なる残基)。
III.第一および第二の会合はどちらも共有結合性会合であるが、それぞれが抗原の異なる部分間に形成される(例えば、抗原が糖類である場合には糖類の異なる残基)。
IV.第一または第二のいずれかの会合は共有結合性会合であり、他方の会合は非共有結合性会合である。
I.第一および第二の会合はどちらも共有結合性会合であるが、それぞれが異なるリンカー基を含むか、または一方が直接結合で他方がリンカー基を含む。
II.第一および第二の会合はどちらも共有結合性会合であるが、それぞれが担体の異なる部分間に形成される(例えば、担体がタンパク質である場合にはタンパク質の異なる残基)。
III.第一および第二の会合はどちらも共有結合性会合であるが、それぞれが抗原の異なる部分間に形成される(例えば、抗原が糖類である場合には糖類の異なる残基)。
IV.第一または第二のいずれかの会合は共有結合性会合であり、他方の会合は非共有結合性会合である。
これらのオプションは相互排除的なものではなく、組合せてもよい(例えば、上記のオプションI、IIおよびIII)。第一の会合および第二の会合は共有結合性会合であることが適切である。一般に、第一の会合はリンカー基を含む第一の共有結合性会合であり、第二の会合は第一の共有結合性会合とは異なるリンカー基を含む第二の共有結合性会合である。
抗原は糖類であり、かつ第一および/または第二の担体はタンパク質であることが適切である。糖類のタンパク質への結合には、様々な方法が知られている。本発明において、適切な任意の結合反応を、必要に応じて適切な任意のリンカーと共に使用することができる。本書で使用するとき、用語「リンカー」は、一つ以上の原子が抗原の残基および担体の残基に共有結合的に結合した二価の基を意味する。
抗原(ここで抗原が糖類)を担体タンパク質に結合するために一般に使用される方法には、糖類内のアルデヒド基とタンパク質中のアミノ酸残基(リシン残基が適切)の側鎖上にあるアミン基との間の会合の形成が関与する。会合は、例えば、参考文献[53]および[54]に記載のある還元的アミノ化によって形成しうる。糖類中のアルデヒド基は、例えば、過ヨウ素酸酸化などの酸化により生成されうる。GBS糖類の場合に、アルデヒド基は一つ以上のシアル酸残基の脂肪族側鎖上に形成しうる。この方法によって、結果的に担体(典型的には本発明の第一の担体)と会合する抗原の結合体が生じ得るが、ここで抗原と担体の間の会合は、リンカー−NHCH2−を含む、共有結合性会合である。このリンカーにおいて、第二のアミノ基は典型的に担体に起因し、炭素原子は典型的に還元的アミノ化の後でのアルデヒド基の残りである。
こうした結合体は、以下の手順を含む方法により生成されうる:
(i)ビシナルジオール、または酸化してアルデヒドを形成可能なその他の基を含む糖類を提供する手順、
(ii)例えば、過ヨウ素酸塩を使用してアルデヒド基を供給するなどの前記糖類を酸化する手順、
(iii)遊離アミン基を含むタンパク質を提供する手順、
(iv)タンパク質を、還元的アミノ化による手順(ii)の生成物にリンクする手順、
この第一の会合を使用する場合、本発明の方法の第二の会合は、当技術で既知のその他の任意の会合としうる。具体的には、これは、タンパク質上の異なる残基による、および/または異なるリンカー基による、タンパク質上の異なる残基による、および/または異なるリンカー基による、会合とすることができ、代替的には、実施例で例証するとおり、特に第二の担体が本書で定義したとおりリンカー前駆体により誘導体化したHSAなどのタンパク質であるときには、非共有結合性相互作用としうる。
(i)ビシナルジオール、または酸化してアルデヒドを形成可能なその他の基を含む糖類を提供する手順、
(ii)例えば、過ヨウ素酸塩を使用してアルデヒド基を供給するなどの前記糖類を酸化する手順、
(iii)遊離アミン基を含むタンパク質を提供する手順、
(iv)タンパク質を、還元的アミノ化による手順(ii)の生成物にリンクする手順、
この第一の会合を使用する場合、本発明の方法の第二の会合は、当技術で既知のその他の任意の会合としうる。具体的には、これは、タンパク質上の異なる残基による、および/または異なるリンカー基による、タンパク質上の異なる残基による、および/または異なるリンカー基による、会合とすることができ、代替的には、実施例で例証するとおり、特に第二の担体が本書で定義したとおりリンカー前駆体により誘導体化したHSAなどのタンパク質であるときには、非共有結合性相互作用としうる。
第二の担体に会合する抗原の結合体は、(および特に、第一の会合がリンカー−NHCH2−を含む共有結合性会合である場合)、リンカー−C(O)NHNHC(O)L1C(O)NHNHC(O)−またはリンカー−C(O)NHNHC(O)L1NHNHC(O)−を含む、共有結合性会合である会合を含みうることが適切である。一般に、第二の会合は、リンカーC(O)NHNHC(O)L1C(O)NHNHC(O)−を含む。これらのリンカーにおいて、リンカーのそれぞれの端にあるカルボニル基は、典型的には抗原および担体に起因する。L1は、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、アリールアルキレン、アルカリレン、またはアルキレンアリールアルキレンを含む群から選択される、二価のラジカルである。望ましくは、L1は、C4−8アルキレンまたはフェニレン(すなわち、パラ−フェニレン、メタ−フェニレンまたはオト−フェニレン)である。L1は、C4 アルキレンまたはC8アルキレンとしうる。L1はC4アルキレンであることが適切である。L1がC4アルキレンである場合、リンカー前駆体はADHである。
こうした結合体は、以下の手順を含む方法により生成されうる:
(i)遊離カルボキシル基を含むタンパク質を提供する手順、
(ii)前記タンパク質をカルボジイミドと反応させる手順、
(iii)遊離カルボキシル基を含む糖類を提供する手順、
(iv)前記糖類をさらなるカルボジイミドと反応させる手順、
次のいずれか
(v)手順(ii)で生成したO−アシルイソ尿素エステルを、式H2NHNC(O)L1C(O)NHNH2の化合物と反応させる手順、
(vi)手順(iv)で生成したO−アシルイソ尿素エステルを、手順(v)の生成物と反応させる手順、
または
(vii)手順(iv)で生成したO−アシルイソ尿素エステルを、式H2NHNC(O)L1C(O)NHNH2の化合物と反応させる手順、
(viii)手順(ii)で生成したO−アシルイソ尿素エステルを、手順(vii)の生成物と反応させる手順。
(i)遊離カルボキシル基を含むタンパク質を提供する手順、
(ii)前記タンパク質をカルボジイミドと反応させる手順、
(iii)遊離カルボキシル基を含む糖類を提供する手順、
(iv)前記糖類をさらなるカルボジイミドと反応させる手順、
次のいずれか
(v)手順(ii)で生成したO−アシルイソ尿素エステルを、式H2NHNC(O)L1C(O)NHNH2の化合物と反応させる手順、
(vi)手順(iv)で生成したO−アシルイソ尿素エステルを、手順(v)の生成物と反応させる手順、
または
(vii)手順(iv)で生成したO−アシルイソ尿素エステルを、式H2NHNC(O)L1C(O)NHNH2の化合物と反応させる手順、
(viii)手順(ii)で生成したO−アシルイソ尿素エステルを、手順(vii)の生成物と反応させる手順。
一般に、それぞれのカルボジイミドは、式RN=C=NRのものであってもよいが、式中、それぞれの置換基Rは、C1−8アルキル、C1−8アルケニル、C1−8アルケニル−NRa 2を含む群から独立的に選択され、またそれぞれのRaは、HおよびC1−4アルキルから選択される。それぞれのカルボジイミドは、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC)としうることが適切である。
代替的に、および特に、第一の会合がリンカー−NHCH2−を含む共有結合性会合である場合、および抗原が糖類である場合に、第二の会合は非共有結合性相互作用としうる。特に、第二のタンパク質に会合した抗原の結合体は、糖類と、遊離カルボキシル基を式C(O)NHNHC(O)L1C(O)NHNH2の基に変換することにより誘導体化したタンパク質との間の非共有結合性複合体としうるが、式中L1は上記に定義したとおりである。
こうした結合体は、以下の手順を含む方法により形成しうる:
(i)遊離カルボキシル基を含むタンパク質を提供する手順、
(ii)前記第二のタンパク質をカルボジイミドと反応させる手順、
(iii)結果として生じるO−アシルイソ尿素エステルを式H2NHNC(O)L1 C(O)NHNH2の化合物で反応させる手順、
(iv)手順(iii)の生成物を糖類と混合する手順、
(i)遊離カルボキシル基を含むタンパク質を提供する手順、
(ii)前記第二のタンパク質をカルボジイミドと反応させる手順、
(iii)結果として生じるO−アシルイソ尿素エステルを式H2NHNC(O)L1 C(O)NHNH2の化合物で反応させる手順、
(iv)手順(iii)の生成物を糖類と混合する手順、
一般に、糖類抗原のタンパク質への付着は、例えばタンパク質中のリシン残基の、またはアルギニン残基の側鎖内の、−NH2基を介したものとしうる。糖類が遊離アルデヒド基を持つ場合には、これはタンパク質中のアミンと反応して、還元的アミノ化による結合体を形成することができる。タンパク質への付着は、例えば、システイン残基の側鎖内のSH基を介するものでもよい。代替的に、糖類抗原は、一つ以上の原子のリンカー基を介してタンパク質に付着しうる。
糖類は、典型的に結合に先行して、活性化または官能基化される。活性化には、例えば、CDAP(例えば1−シアノ−4−ジメチルアミノ ピリジニウム テトラフルオロボラート [55、56、など])などのシアニル化試薬が関与しうる。その他の適切な技術では、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p−ニトロ安息香酸、N−ヒドロキシスクシンイミド、S−NHS、EDC、TSTUが使用される(参考文献[57]の序論も参照)。
リンカー基を介した連結は、既知の任意の手順、例えば、参考文献[58]および[59]に記載のある手順を用いて行われうる。好ましいタイプのリンカーは、アジピン酸リンカー前駆体を基にするもので、これは、遊離−NH2基(アミノ化により糖類に導入できる可能性がある)をアジピン酸(例えば、ジイミド活性化を使用)でカップリングして、その後でタンパク質を結果として生じる糖類−アジピン酸中間体とカップリングすることで形成されうる[60、61、62]。別の好ましいタイプのリンカーはカルボニルリンカーであり、これは、糖類の遊離ヒドロキシル基をカルボニルジイミダゾール(CDI)で反応させた後[63、64]、タンパク質で反応させて、カルバミン酸塩会合を形成することにより形成されうる。その他のリンカーおよびリンカー前駆体には、β−プロピオンアミド[65]、ニトロフェニル−エチルアミン[66]、ハロアシルハロゲン化物[67]、グリコシド会合[68]、6−アミノカプロン酸[69]、Nスクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオン酸塩(SPDP)[70]、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)[71]、C4‐C12部分[72]などが含まれ、カルボジイミド 縮合も使用できる[73]。
アミノ基の糖類への導入に関与するプロセス(例えば、末端の=O基を−NH2で置き換えることによる)の後に続き、アジピン酸ジエステル(例えばアジピン酸Nヒドロキシスクシンイミドジエステル)による誘導体化、およびタンパク質との反応が典型的である。
糖類中のアミン基へのカップリングのための第一の基、およびタンパク質へのカップリングのため(典型的に、タンパク質中のアミンへのカップリングのため)の第二の基を提供するために、二官能性リンカー前駆体を使用しうる。
こうして、二官能性リンカー前駆体内の第一の基は、糖類にあるアミン基(−NH2)と反応できるようになりうる。この反応は、典型的にアミンの水素の求電子置換が関与する。二官能性リンカー前駆体内の第二の基は、タンパク質にあるアミン基と反応することができる。この反応もまた、典型的にアミンの求電子置換が関与する。
糖類およびタンパク質の両方との反応にアミンが関与する場合には、二官能性リンカー前駆体を使用しうる。例えば、式X−L−Xのホモ二官能性リンカー前駆体を使用しうるが、式中、2つのX基は互いに同一でアミンと反応することができ、Lはリンカーのリンク部分である。同様に、式X−L−Xのヘテロ二官能性リンカー前駆体を使用しうるが、式中、2つのX基は異なり、アミンと反応することができ、Lはリンカーのリンク部分である。好ましいX基は、Nオキシスクシンイミドである。Lは、望ましくは、式−C(O)−L1−C−(O)−を持つ。好ましいL1基は、本書で定義している。
ホモ二官能性リンカー前駆体のさらなる例は、式Y−L−Yのリンカー前駆体であり、式中、それぞれのY基はカルボニル基と反応することができ、CDIによって活性化される可能性がある一級アミン基を含む。典型的なY基は、−NHNH2基である。Lは、典型的に式−C(O)−L1−C−(O)−を持ち、ここで、L1は本書で定義したとおりで、特に−(CH2)4−である。こうして、典型的な追加的なリンカー前駆体は、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)であり、発明者は、本発明のためのリンカー前駆体としてこの化合物が特に適切であることを見出した。ところが、短めの追加的なリンカー前駆体を使用することもでき、発明者は、本発明のためのリンカー前駆体として、カルボジヒドラジン(CDH、すなわち、Y−L−Y、ここでYは−NHNH2で、Lはカルボニル)も特に適切であることを見出した。
その他のX基は、ノルボラン、p−ニトロ安息香酸、およびスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドなど、HO−L1−OHと組み合わせたときにエステルを形成するものである。
本発明で使用するためのさらなる二官能性リンカー前駆体には、アクリロイルハロゲン化物(例えば、塩化物)、ハロアシルハロゲン化物およびジヒドラジドが含まれる。ジヒドラジドには、ADHおよびセバシン酸ジヒドラジドが含まれる。
リンカー前駆体は、一般にモル過剰で糖類に追加される。
結果としての結合体は、例えば、比率の範囲1:5〜5:1で、過剰なタンパク質(w/w)または過剰な糖類(w/w)を持ちうる。過剰なタンパク質との結合体は、典型的には例えば、0.2:1〜0.9:1の範囲、または同一の重量である。結合体には、少量の遊離(すなわち、非結合の)タンパク質が含まれうる[74]。所定のタンパク質が本発明の組成に遊離および結合の両方の形態で存在するとき、非結合の形態は全体としての組成中のタンパク質の合計量の5%以下であることが望ましく、2%(重量で)未満が存在することがより望ましい。
結果としての結合体は、例えば、比率の範囲1:5〜5:1で、過剰なタンパク質(w/w)または過剰な糖類(w/w)を持ちうる。過剰なタンパク質との結合体は、典型的には例えば、0.2:1〜0.9:1の範囲、または同一の重量である。結合体には、少量の遊離(すなわち、非結合の)タンパク質が含まれうる[74]。所定のタンパク質が本発明の組成に遊離および結合の両方の形態で存在するとき、非結合の形態は全体としての組成中のタンパク質の合計量の5%以下であることが望ましく、2%(重量で)未満が存在することがより望ましい。
GBS糖類の結合は、広く報告されてきた(例えば、参考文献[75]、[76]、[77]、[78]、[79]、[80]、[81]、[82]および[83]を参照)。典型的な従来の技術でのGBS糖類結合のためのプロセスには、典型的に、精製した糖類のタンパク質への還元的アミノ化が関与する。還元的アミノ化には、タンパク質中のアミノ酸の側鎖にあるアミン基、および糖類中のアルデヒド基が関与する。GBS莢膜糖類には、アルデヒド基はその天然の形態に含まれないため、これは、典型的に糖類のシアル酸残基の部分(例えば、5〜40%、特に10〜30%、望ましくは約20%)の酸化(例えば、過ヨウ素酸酸化)による結合の前に生成される[76、84]。この方法で調製された結合体ワクチンは、ヒトにおいて、それぞれのGBS血清型Ia、Ib、II、III、およびVについて、安全であり免疫原性であることが示されてきた[85]。ところが、本発明で脱シアル化された血清型V莢膜糖類を使用するときには、糖類のガラクトース残基の部分(例えば、5〜40%、特に10〜30%、望ましくは約20%)の酸化(例えば、過ヨウ素酸酸化)による結合の前に、アルデヒド基がこの糖類中で生成されうる[86]。代替的な結合プロセスには、糖類(脱Nアセチル化から、またはアミンの導入後のいずれか)中の−NH2基を、参考文献[87]に記載のある二官能性リンカーと関連して使用することが関与する。さらなる代替的なプロセスは、参考文献[88]および[89]に記載がある。このプロセスでは、末端の2,5−アンヒドロ−D−マンノース残基(軽い脱アミノ分解によるタイプIIまたはタイプIII莢膜糖類の脱重合により生成)の遊離アルデヒド基は、還元的アミノ化による結合に使用される。
抗体
本発明の第一および第二の態様では、抗体は免疫グロブリンA(IgA)または免疫グロブリンG(IgG)抗体、特にIgG抗体が適切である。適切なIgG抗体には、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4が含まれる。適切なIgA抗体には、IgA1およびIgA2が含まれる。一般に、抗体は例えば、試料がその結合体で免疫化した被験者からの血清であるときなど、結合体に結合する試料中の複数の抗体である。複数の抗体を、異なる特異性および/または親和性を持つ結合体中の抗原に結合しうる。本方法は、典型的に試料中での、結合体に対する複数の抗体の検出が関与する。このように、被験者の結合体に対する全体的抗体反応の測定が可能であり、反応中に抗原に対して産生される異なる抗体がこの方法で検出される。
本発明の第三の態様では、抗体は望ましくは単クローン抗体である。抗体は、第一の会合による第一の担体に会合する抗原の結合体、特に結合体内の抗原に結合する。抗体が結合する1つまたは複数のエピトープもまた、第二の担体に会合する抗原への結合がワクチンバッチ内の第一の担体に会合する抗原の存在により阻害されるように、第二の会合による第二の担体に会合する抗原の結合体内に存在する。抗体は、任意の供給源から獲得しうる。抗原が細菌性であるとき、抗体は殺菌性抗体であることが適切である。本開示の目的で、殺菌性抗体には、殺菌性抗体によって結合されるエピトープに結合する任意の抗体が含まれる。したがって、殺菌性抗体には、天然および合成の抗体(例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、相補性決定領域(CDR)移植抗体、べニア抗体(veneered antibodies)、ファージ−ディスプレー単離抗体、ミニボディー、その他の組換え足場タンパク質などの組換え抗体)が含まれる。一般に、殺菌性抗体は、交差反応しない(すなわち、関心の抗原にのみ結合し、ワクチン内に存在しうるその他の任意の抗原には結合しない)。当業者であれば、交差反応しない殺菌性抗体を簡単にスクリーニングできる。単クローン抗体が好ましいが、多クローン性抗体も使用しうる。当業者であれば、多クローン性抗体の試料内の交差反応する抗体を簡単に除去できるが、これには一例として、多クローン性抗体の試料をワクチン中のその他の成分からの固定化した抗原を有するクロマトグラフィーのカラムを通過させることによることを含む。
当業者であれば、任意の形態の関心のある抗原を、抗体、特に本発明で使用しうる殺菌性抗体の生成に使用しうることが理解される。体液性免疫系を有する動物の免疫化、関心のある抗原に対してスクリーニングした抗体ファージディスプレーなど、抗体の生成に使用できる任意の方法を使用しうる。一定の実施形態で、殺菌性抗体は、血清試料、多クローン性抗体、抗原精製した多クローン性抗体または単クローン抗体を含む抗体の形態としうる。
本発明の第三の態様での抗原がGBS III型莢膜糖類であるとき、抗体は、特に配列番号2内の可変領域または配列番号4内の可変領域に対して少なくとも約95%配列同一性、より望ましくは少なくとも約99%の配列同一性、および典型的には約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含む少なくとも一つの可変領域を含む抗体としうる。特に、抗体は、配列番号2内の可変領域に対して少なくとも約95%の配列同一性、より望ましくは少なくとも約99%の配列同一性、および典型的に約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)と、配列番号4内の可変領域に対して少なくとも約95%の配列同一性、より望ましくは少なくとも約99%の配列同一性、および典型的に約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)とを含みうる。特に、配列番号2内の可変領域は、配列番号13に示されたアミノ酸配列としうる。同様に、配列番号4内の可変領域は、配列番号14に示されたアミノ酸配列としうる。
これらの実施形態では、第三の態様での抗原がGBS III型莢膜糖類であるとき、抗体は、特に配列番号33に示されたアミノ酸配列を含む軽鎖の第三のCDR(LC−CDR3)、および/または配列番号24に示されたアミノ酸配列を含む重鎖の第三のCDR(HC−CDR3)を含む抗体としうる。一般に、抗体はこれらの両方のCDR3を含む。抗体が、配列番号33で示されたアミノ酸配列を含むLC−CDR3を含むとき、抗体はまた、典型的にそれぞれ配列番号31および32で示された軽鎖の第一のCDR(LC−CDR1)および軽鎖の第二のCDR(LC−CDR2)を含む。同様に抗体が、配列番号24で示されたアミノ酸配列を含むHC−CDR3を含むとき、抗体はまた、典型的にそれぞれ配列番号22および23で示された重鎖の第一のCDR(HC−CDR1)および重鎖の第二のCDR(HC−CDR2)を含む。一般に、抗体はこれら6つのCDRをすべて含む。それぞれのCDRは一つ以上の保存的アミノ酸置換を含みうるが、典型的にはこうした突然変異は存在しない。
2段落上の実施形態では、抗体は、典型的に親和性(KD)が≦10 nM、望ましくは≦5 nMおよび、より望ましくは、≦2.5 nMを有して、GBS III型莢膜糖類に特異的に結合する。親和性は、表面プラズモン共鳴により、例えば例13aのプロトコルに従い測定しうる。望ましくは、抗体は、例えば例13bのプロトコルに従い、オプソニン食菌試験(OPA)でGBS死滅により測定するとおりの機能的活性を示す。望ましくは、抗体は、OPA力価(50%の死滅を媒介する抗体希釈度)が≧50、より望ましくは≧150およびより望ましくは≧500を示す。
本発明の第三の態様での抗原がGBS Ib型莢膜糖類であるとき、抗体は、特に、配列番号6内の可変領域または配列番号8内の可変領域に対して、少なくとも約95%配列同一性、より望ましくは少なくとも約99%の配列同一性、および典型的に約100%の配列同一性を持つ、アミノ酸配列を含む少なくとも一つの可変領域を含む抗体としうる。特に、抗体は、配列番号6内の可変領域に対して、少なくとも約95%の配列同一性、より望ましくは少なくとも約99%の配列同一性、および典型的に約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)と、配列番号8内の可変領域に対して少なくとも約95%の配列同一性、より望ましくは少なくとも約99%の配列同一性、および典型的に約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)とを含みうる。特に、配列番号6内の可変領域は、配列番号15に示されたアミノ酸配列としうる。同様に、配列番号8内の可変領域は、配列番号16に示されたアミノ酸配列としうる。
これらの実施形態では、第三の態様での抗原がGBS Ib型莢膜糖類であるとき、抗体は、特に配列番号27に示されたアミノ酸配列を含む軽鎖の第三のCDR(LC−CDR3)、および/または配列番号30に示されたアミノ酸配列を含む重鎖の第三のCDR(HC−CDR3)を含む抗体としうる。一般に、抗体は、これらの両方のCDR3を含む。抗体が、配列番号27で示されたアミノ酸配列を含むLC−CDR3を含むとき、抗体はまた、典型的にそれぞれ配列ID番号25および26で示された軽鎖の第一のCDR(LC−CDR1)および軽鎖の第二のCDR(LC−CDR2)を含む。同様に抗体が配列番号30で示されたアミノ酸配列を含むHC−CDR3を含むとき、抗体はまた、典型的にそれぞれ配列ID番号28および29で示された重鎖の第一のCDR(HC−CDR1)および重鎖の第二のCDR(HC−CDR2)を含む。一般に、抗体はこれら6つのCDRをすべて含む。それぞれのCDRは、一つ以上の保存的アミノ酸置換を含みうるが、典型的にはこうした突然変異は存在しない。
2段落上の実施形態では、抗体は、典型的に親和性(KD)が≦1 nM、望ましくは≦0.5 nMおよび、より望ましくは、≦0.1 nMで、GBS Ib型莢膜糖類に特異的に結合する。親和性は、表面プラズモン共鳴により、例えば例13aのプロトコルに従い測定しうる。望ましくは、抗体は、例えば例13bのプロトコルに従い、OPA試験法でGBS死滅により測定するとおりの機能的活性を示す。望ましくは、抗体は、≧100、より望ましくは≧500およびより望ましくは≧900のOPA力価を示す。
本発明の第三の態様での抗原がGBS Ia型莢膜糖類であるとき、抗体は、特に配列番号10内の可変領域または配列番号12内の可変領域に対して少なくとも約95%配列同一性、より望ましくは少なくとも約99%の配列同一性、および典型的に約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含む少なくとも一つの可変領域を含む抗体としうる。特に、抗体は、配列番号10内の可変領域に対して少なくとも約95%の配列同一性、より望ましくは少なくとも約99%の配列同一性、および典型的に約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)と、配列番号12内の可変領域に対して少なくとも約95%の配列同一性、より望ましくは少なくとも約99%の配列同一性、および典型的に約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)とを含みうる。
これらの実施形態では、第三の態様での抗原がGBS Ia型莢膜糖類であるとき、抗体は、特に配列番号21に示されたアミノ酸配列を含む軽鎖の第三のCDR(LC−CDR3)、および/または配列番号36に示されたアミノ酸配列を含む重鎖の第三のCDR(HC−CDR3)を含む抗体としうる。一般に、抗体はこれらの両方のCDR3を含む。抗体が、配列番号21で示されたアミノ酸配列を含むLC−CDR3を含むとき、抗体はまた、典型的にそれぞれ配列ID番号19および20で示された軽鎖の第一のCDR(LC−CDR1)および軽鎖の第二のCDR(LC−CDR2)を含む。同様に抗体が、配列番号36で示されたアミノ酸配列を含むHC−CDR3を含むとき、抗体はまた、典型的にそれぞれ配列番号34および35で示された重鎖の第一のCDR(HCCDR1)および重鎖の第二のCDR(HC−CDR2)を含む。一般に、抗体はこれら6つのCDRをすべて含む。それぞれのCDRは、一つ以上の保存的アミノ酸置換を含みうるが、典型的にはこうした突然変異は存在しない。
2段落上の実施形態では、抗体は、典型的に親和性(KD)が≦5 nM、望ましくは≦2.5 nMおよび、より望ましくは、≦0.75 nMで、GBS Ia型莢膜糖類に特異的に結合する。親和性は、表面プラズモン共鳴により、例えば例13aのプロトコルに従い測定しうる。望ましくは、抗体は、例えば例13bのプロトコルに従い、OPA試験法でGBS死滅により測定するとおりの機能的活性を示す。望ましくは、抗体は、≧60、より望ましくは≧150およびより望ましくは≧500のOPA力価を示す。特に、配列番号10内の可変領域は、配列番号17に示されたアミノ酸配列としうる。同様に、配列番号12内の可変領域は、配列番号18に示されたアミノ酸配列としうる。
抗体は、望ましくは、シアル酸を含むGBS莢膜糖類内のエピトープに結合する。シアル酸を含むGBS莢膜糖類中のエピトープに結合する抗体の能力は、例えば、例13dにあるとおり、エピトープマッピングにより評価できる。GBS多糖類の反復単位の側鎖中のシアル酸の存在は、GBS結合体ワクチンの効力、特にGBS III型結合体ワクチンの効力に影響すると考えられる。具体的には、シアル酸のGBSバックボーンとの相互作用は、天然GBSの免疫優性の立体配置的エピトープの定義にとって重要であると考えられる。したがって、シアル酸の化学的に不安定なグリコシド結合の劣化が、効力の低いワクチンバッチを発生しうる。望ましくは、本発明の抗体はシアル酸を含むエピトープに結合し、その結果、こうした効力の弱いワクチンバッチをシアル酸が劣化していないものと区別するために使用できる。このように、本発明の第三の態様の方法は、効力の弱いワクチンバッチ、つまりシアル酸の含量が少ないワクチンバッチを区別する試験法に適用できる。
本発明は、本書で描写するとおり、単離した抗体も提供する。これらの抗体は、例えば、研究ツールとしての使用に適切である。特定の抗体分子は検出可能ラベルを保有しうるか、または酵素に(例えば、ペプチジル結合またはリンカーを介して)結合されうる。こうした抗体分子の組成は、本発明の追加的な側面を形成する。
関連性のある抗原に結合する能力を保持する抗体の断片を様々なフレームワークに挿入しうるが、これについては例えば、抗原の結合に基づき前もって選択された抗体ループを表示するために使用しうる様々な骨格について考察した参考文献90を参照のこと。さらに、組換え法を使用して、例えば、VLおよびVHの領域が対になり一価分子を形成する単一のタンパク質鎖(別名、単鎖Fv(ScFv))として作成されることを可能にする合成的リンカーを使用して、VLおよびVHをコードする遺伝子を連結することができる[91、92]。
具体的な実施形態では、可変の重ドメインは可変の軽ドメインと対をなし、抗原結合部位を提供する。代替的に、独立した領域(例えば、可変の重ドメイン単独)を抗原の結合に使用しうる。当業者であれば、Fv断片の2つのドメインVLおよびVHは、別個の遺伝子によりコードされているものの、組換え法を使用して単一のタンパク質鎖として作成されることを可能にする合成的リンカーにより連結しうるが、ここでVLおよびVH領域が対になり一価分子(scFvs)を形成することを承知している。
原型の抗体の特異性を保持するその他の抗体またはキメラ分子を生成するための単クローンおよびその他の抗体の操作も、当業者には知られている。開示された配列を挿入しうる、または別の方法ではその主要部分を形成する、特定の免疫グロブリンには、本発明の特定の実施形態を形成する、Fab(VLを有する1価断片)、VH、定常軽(CL)および定常重1(CH1)ドメインを持つ一価の断片)、F(ab’)2(ジスルフィド架橋により連結されているか、または代替的にヒンジ領域での2つのFab断片を含む二価の断片)、Fd(VHおよびCH1ドメイン)、Fv(VLおよびVHドメイン)、scFv(VLおよびVHがリンカー、例えばペプチドリンカーにより連結された単鎖Fv [91、92]、IgG、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgD、IgA、IgE、またはその任意の誘導体)といった抗体分子が含まれるが、これに限定されない。
本発明の特定の抗体は単クローン抗体であり、具体的な実施形態においては、IgD、IgA、IgE、IgM、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4またはその任意の誘導体の抗体の形式のうちのどれかである。特に、抗体はIgG抗体または誘導体としうる。「その誘導体」または「誘導体」という言葉には、とりわけ、(i)一方または両方の可変領域(すなわちVHおよび/またはVL)のフレームワークまたはCDR領域に修飾のある抗体および抗体分子、(ii)重鎖および/または軽鎖の定常部に操作のある抗体および抗体分子、および(iii)通常は免疫グロブリン分子の一部ではない追加的な化学的部分(例えば、ペグ化)を含む、抗体および抗体分子が含まれる。原型の抗体の特異性を保持するその他の抗体分子を組換えで生成するための、利用可能な技術が存在する。この具体的な例は、免疫グロブリン可変領域またはCDRをコードするDNAが、別の抗体分子の定常部に、または定常部およびフレームワーク領域に導入される場合である[93、94、95]。キメラ抗体を含めて、抗体分子のクローン化および発現については、文献[96、97]に記載されている。
また、上述の少なくとも一つの抗体または可変領域、またはその構成要素をコードする単離した核酸も提供されている。可変領域をコードする単離した核酸は、F(ab’)2、Fab、Fv、scFv、IgG、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgD、IgA、IgEまたはその任意の誘導体を含むが、これらに限定されない、希望する任意の抗体分子の形式で提供しうる。
望ましくは、核酸は、配列番号13、14、15、16、17または18から選択した少なくとも一つのアミノ酸配列をコードするが、例えば、配列番号1、3、5、7、9または11から選択した核酸配列を含む核酸である。特に、核酸は、(a)配列番号13および配列番号14、(b)配列番号15および配列番号16、または(c)配列番号17および配列番号18をコードしうる。例えば、核酸は、(a)配列番号1および配列番号3、(b)配列番号5および配列番号7、または(c)配列番号9および配列番号11を含みうる。代替的に、アミノ酸配列は別個の核酸によりコードでき、本発明はこれらの核酸を組み合わせで提供する。例えば、本発明は、(a)配列番号13をコードする核酸および配列番号14をコードする核酸、(b)配列番号15をコードする核酸および配列番号16をコードする核酸、および(c)配列番号17をコードする核酸および配列番号18をコードする核酸を提供する。また、本発明には、本書で描写したヌクレオチド配列と少なくとも約90%が同一、より望ましくは少なくとも約95%が同一なヌクレオチド配列を含む核酸も含まれ、このヌクレオチド配列は本発明の抗体または可変ドメインをコードする。
別の態様において、本発明は前記核酸を含むベクターを提供する。本発明によるベクターには、意図する目的で希望する抗体分子の相応しいレベルでの発現に適切なプラスミドおよびその他の発現構成物(例えば、場合によって、ファージまたはファージミド)が含まれるが、これに限定されない(例えば、参考文献[98]を参照のこと)。抗体軽鎖遺伝子および抗体重鎖遺伝子は別個のベクターに挿入することができ、あるいは、より典型的には両方の遺伝子は同一の発現ベクターに挿入される。抗体遺伝子は、標準的な方法(例えば、抗体遺伝子断片およびベクター上の相補性制限部位の連結、または制限部位が存在しない場合には平滑末端連結)により、発現ベクターに挿入される。本書で描写した抗体の軽鎖および重鎖可変領域は、希望するアイソタイプの重鎖定常および軽鎖定常部がすでにコードされている発現ベクターに、VHセグメントがベクター内のCHセグメントに操作できるように連結し、VLセグメントがベクター内のCLセグメントに操作できるように連結するよう、それらを挿入することにより、任意の抗体アイソタイプの完全長の抗体遺伝子を作成するのに使用できる。追加的に、または代替的に、組換え発現ベクターは、宿主細胞からの抗体鎖の分泌を促進するシグナルペプチドをコードできる。抗体鎖遺伝子は、シグナルペプチドが抗体鎖遺伝子のアミノ終端にフレーム単位で連結するよう、ベクターにクローン化できる。シグナルペプチドは、免疫グロブリンシグナルペプチドまたは異種組織シグナルペプチド(すなわち、非免疫グロブリンタンパク質からのシグナルペプチド)としうる。例えば、参考文献[99]に記載のあるものなど、当業者が利用可能な任意の技術を採用して、核酸を宿主細胞に導入しうる。
別の態様において、本発明は、前記核酸またはベクターによって形質転換した宿主細胞を提供する。様々な異なる株細胞を抗体分子の組換え製造に使用でき、これには、原核生物の生物体(例えば、大腸菌、バシラス属、およびストレプトマイセス属)から、また真核生物(例えば酵母、バキュロウイルス、および哺乳類(の))からのものを含むが、これに限定されない[100]。
別の態様において、本発明は、本発明のポリペプチドを含む単離した細胞を提供する。
別の態様において、本発明は、本発明の抗体分子を作製する方法を提供し、これには、前記の重鎖および/または軽鎖の発現および抗体分子内へのその組立、および前記抗体分子の細胞からの分離を許容する条件での、本発明の宿主細胞の培養が関与する。
本発明のさらなる特徴
第二の担体に会合する抗原の結合体は、表面上、特にマルチウェルプレート上に固定化されることが適切である。
抗体の存在を検出する薬剤は、抗体に対する標識抗体としうる。例えば、抗体に対する抗体は、検出可能な分光光度的、比色分析、蛍光定量的、発光(ルミネッセンス、輝度)的、電気化学的または放射性の信号を供給するために、指標と相互作用する部分(酵素など)で標識化しうる。薬剤はラッカーゼ(CotA酵素)、アルカリフォスファターゼ、p−ガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、緑蛍光タンパク質、ルシフェラーゼまたは西洋わさびペルオキシダーゼから構成される群から選択された酵素に結合される、抗体に対する抗体であることが適切である。薬剤は、抗体に対するアルカリフォスファターゼ結合した抗体であることが適切である。
本発明の第一の態様の方法は、試料中の抗体の濃度を、例えば、抗体力価として測定するための方法であることが適切である。濃度は、抗原に対する抗体保有率についての標準判定基準と比較しうる。例えば、標準判定基準は、症候性病気を生じる感染を阻止するのに適切な濃度としうる。濃度は、結合体の被験者への投与、および被験者からの試料の回収の後で、例えば、結合体の効果を確認するために測定しうる。方法はまた、既存の抗体レベルについて被験者を検査して、結合体のワクチン接種を必要とし得る者を識別するために使用しうる。
代替的な例では、標準判定基準は、出産時の新生児の感染を阻止するのに適切な濃度としうる。本発明の方法、キットおよび結合体は、医師による使用を目的として、第一の会合による第一の担体に会合する抗原の結合体を含むワクチンを提供する方法で有用であり、該方法は、(a)ワクチンを複数の被験者に投与する手順、(b)被験者から試料を回収する手順、(c)本発明の第一の態様による方法を使用して、各試料で結合体に対する抗体の濃度を測定する手順、(d)抗原に対する抗体保有率についての標準的な判定基準と濃度を比較する手順、および、被験者について所定の比率で、手順(d)での比較が抗体保有率の判定基準と等しいかそれを上回る濃度を示す場合に、(e)医師による使用の目的でワクチンを提供する手順といった手順を包含する。
抗原についての抗体保有率の判定基準は、典型的に関連する、それを超えると宿主が抗原に対して血清転換されたと見なされる抗体力価である。こうした力価は周知であり、WHOなどの組織から発行されている。例えば、研究では、母親の血液中で、血清型IaまたはIIIによる新生児の感染の確率を下げる原因となる特定の抗GBS免疫グロブリンG濃度が識別されている[101、102]。したがって、所定のGBS抗原に対する免疫グロブリンGの血清レベルが≧0.5 μg/mlまたは≧2 μg/ml、または特に≧5 μg/ml、またより特定には≧10 μg/mlである被験者は、その抗原に対して血清転換したとみなされうる。望ましくは、被験者の統計的に有意な試料のうち80%を超えるものが血清転換し、より望ましくは90%を超え、なおも望ましくは93%を超え、最も望ましくは96−100%である。
本発明の方法、キットおよび結合体は、第一の会合による第一の担体に会合する抗原の結合体に対する被験者の免疫応答を検査する方法で有用である。こうした方法は、以下の手順を含みうる。
(i)前記被験者に第一の会合による第一の担体に会合する抗原の前記結合体を投与する手順、
(ii)試料を前記被験者から獲得する手順、
(iii)前記抗体の前記抗原への結合を許容する条件下で、第二の会合による第二の担体に会合する前記抗原の結合体を前記試料と接触させる手順で、ここで前記結合体が表面に固定化されている、および
(iv)前記抗原に結合された前記抗体の存在を検出するための薬剤を導入する手順、
ここで第一の会合は第二の会合とは異なる。
(i)前記被験者に第一の会合による第一の担体に会合する抗原の前記結合体を投与する手順、
(ii)試料を前記被験者から獲得する手順、
(iii)前記抗体の前記抗原への結合を許容する条件下で、第二の会合による第二の担体に会合する前記抗原の結合体を前記試料と接触させる手順で、ここで前記結合体が表面に固定化されている、および
(iv)前記抗原に結合された前記抗体の存在を検出するための薬剤を導入する手順、
ここで第一の会合は第二の会合とは異なる。
本発明の第三の態様は、第一の会合による第一の担体に会合する抗原の結合体を含むワクチンのバッチの放出が関与する。この文脈での「放出」には、患者での使用のための放出、すなわち、医学的用途でバッチを提供することを含む。商業的および非商業的の両方での、任意の形態の放出が予見される。したがって、「放出」の概念には、医療サービス提供者および/または個人による購入のために、また慈善事業での用途でバッチを寄付するためにバッチを市場に出すことが含まれる。バッチは、典型的に、ワクチンの製造プロセスの一回の流れで作成されるワクチンの備蓄である。方法には、バッチ全体の代表として選択された、このバッチの一部分が関与する。
放出されるには、バッチは放出についての規制上の要件を満足しなければならない場合がある。規制上の要件は、最小効力(例えば、免疫原性)の要件および測定値の信頼性の要件を含みうる。測定値の信頼性の要件は、最大値に満たない測定値の変動(例えば、15%)としうる。規制上の要件は、例えば、米国食品医薬品局または欧州医薬品庁により決定されたものとしうる。方法は、効力(例えば、免疫原性)を評価するための代理として、ワクチンバッチへの抗体の結合を使用する。この結合は、バッチが抗体への結合について第二の会合による第二の担体に会合する抗原とどの程度競合するかを評価することにより、間接的に測定される。この競合は、ワクチンバッチの代わりに参照ワクチンで観察された競合と比較される。参照ワクチンは、第一の会合による第一の担体に会合する抗原の結合体を含み、放出のための規制上の要件を満たすことが判明済みのものとしうる。参照ワクチンは、結合体に加え、その他の抗原を含みうる。例えば、これは、上記に定義したとおり会合によって担体に会合した抗原の一つ以上のその他の結合体を含みうる。特に、これは、参考文献[103]に記載のある多価のGBS結合体ワクチンとすることができ、特に、その文書の請求項および実施例に記載のある多価のGBSワクチンである。
本発明の第三の態様による方法はさらに手順を含みうるが、ここで手順(a)〜(c)は、参照ワクチンおよび/またはワクチンバッチの部分の段階希釈物で反復される。一般に、こうした方法には、参照ワクチンおよび/またはワクチンバッチの部分の少なくとも2段、少なくとも3段、少なくとも4段または少なくとも5段の段階希釈物が含まれる。これにより、手順(e)の比較が促進される。
本発明の第三の態様による生体外での方法は、高い再現性、特異性および感度を持つワクチン効力を測定しうる。例えば、方法は、一般に使用される動物の免疫原性試験よりも高い再現性および感度を示す。高い特異性は、試験法が三価GBSワクチン(すなわち、GBS Ia、GBS IbおよびGBS IIIの結合体、およびCRM197を含むもの)の試料中に存在するGBS Ia、GBS IbまたはGBS IIIのうちいずれかの正確な量を可能にすることを意味する。
一般
本発明の実施では、別途に指図のない限り、当技術の技術範囲内の化学、生化学、分子生物学、免疫学および薬理学の従来的な方法を採用する。こうした技術は、文献に十分に説明されている。例えば、参考文献104−111などを参照。
本発明で「エピトープ」に関する場合、このエピトープは、B細胞エピトープおよび/またはT細胞エピトープでありうる。こうしたエピトープは経験的に特定されることができるか(例えばPEPSCAN [112、113]または類似した方法を使用)、または予測されることができる(例えばJameson−Wolf抗原指標の使用[114]、基質ベースのアプローチ[115]、MAPITOPE [116]、TEPITOPE [117、118]、神経回路網 [119]、OptiMer & エピマー [120、121]、ADEPT [122]、Tsites [123]、親水性 [124]、抗原指標 [125]または参考文献126−130などに開示されている方法)。エピトープ(epitope)は、抗体またはT−細胞受容体の抗原結合部位により認識され、それに結合される抗原の部分であり、「抗原決定基(antigenic determinant)」ともいう。
2つのアミノ酸配列間の配列同一性のパーセント値への言及は、アライメントしたとき、2つの配列を比較して、アミノ酸のパーセント値が同一であることを意味する。このアライメントおよび相同性パーセントまたは配列同一性は、例えば参考文献131のセクション7.7.18に記載のあるものなど、当技術で既知のソフトウェアプログラムを使用して判定できる。好ましいアラインメントは、ギャップ開始ペナルティを12、ギャップ伸長ペナルティを2、BLOSUM行列を62として、アフィンギャップ検索を使用して、Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムにより判定される。Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムは、参考文献132に開示されている。当業者が、本書で描写した可変配列に対して高い(すなわち、95%以上の)相同性を持つ可変配列を持つ抗体を獲得できる一つの方法は、配列番号2、4および6および/または配列番号8、10および12をコードする核酸分子の変異誘発(例えば、部位特異的または無作為な変異誘発)に続き、本書で描写した機能的試験法を使用して、コードされた変化した抗体を保持された機能について試験することによる。代替的に、相同的な抗体は、その他の抗体単離アプローチによって獲得しうる。
「保存的なアミノ酸置換」は、アミノ酸残基を、類似するか(意図する目的にとって)より優れた機能的および/または化学的特性を与えるものと置き換える置換である。例えば、保存的なアミノ酸置換は、アミノ酸残基が類似した側鎖を持つアミノ酸残基で置き換えられる置換であることが多い。類似した側鎖を持つアミノ酸残基の群は、当技術で知られている。これらのアミノ酸の群には、塩基性側鎖を持つもの(例えばリジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性の側鎖を持つもの(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、無電荷の極性側鎖を持つもの(例えばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖を持つもの(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、β分岐側鎖を持つもの(例えばスレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖を持つもの(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。抗体CDRのこうした修飾は、アミノ酸配列を含む抗体の結合または機能的特性を有意に低減または変化しないことがあり、また時にはこうした特性を改善しうる。こうした修飾は、部位特異的変異誘発およびPCR媒介の変異誘発など、当技術で既知の標準的な技術によって導入することができる。当業者が保存的なアミノ酸置換を実現できる一つの具体的な手段は、アラニンスキャニング変異誘発である。機能的試験法、特に本書で描写したものを使用して、保持されたまたはより優れた機能性について、変化した抗体分子が試験される。
別途特定的に定義されていない限り、本明細書で使用するとき、本書で考察する化学基は下記の意味を持つ。
用語「アルキル」は、以下を含む、飽和した炭化水素残基を含む:
最高10個の原子(C1−C10)、または最高6個の原子(C1−C6)、または最高4個の原子(C1−C4)の直鎖基。こうしたアルキル基の例には、C1 − メチル、C2 − エチル、C3 −プロピルおよびC4− n−ブチルが含まれるが、これに限定されない。
3〜10個の原子(C3−C10)、または最高7個の原子(C3−C7)、または最高4個の原子(C3−C4)の分岐基。こうしたアルキル基の例には、C3 − イソ−プロピル、C4 − sec−ブチル、C4 − イソ−ブチル、C4 − tert−ブチルおよびC5 − neo−ペンチルが含まれるが、これに限定されない。
最高10個の原子(C1−C10)、または最高6個の原子(C1−C6)、または最高4個の原子(C1−C4)の直鎖基。こうしたアルキル基の例には、C1 − メチル、C2 − エチル、C3 −プロピルおよびC4− n−ブチルが含まれるが、これに限定されない。
3〜10個の原子(C3−C10)、または最高7個の原子(C3−C7)、または最高4個の原子(C3−C4)の分岐基。こうしたアルキル基の例には、C3 − イソ−プロピル、C4 − sec−ブチル、C4 − イソ−ブチル、C4 − tert−ブチルおよびC5 − neo−ペンチルが含まれるが、これに限定されない。
用語「アルキレン」は、アルキル基に由来する二価の炭化水素ラジカルを意味し、上記の定義に従い構成されるものとする。
用語「シクロアルキル」は、3〜14個の炭素原子を持ち、ヘテロ原子を持たない、飽和した単環式、二環式、または三環式の炭化水素環系を意味する。
用語「シクロアルキレン」は、シクロアルキル基に由来する二価の炭化水素ラジカルを意味し、上記の定義に従い構成されるものとする。
用語「アルケニル」は、以下を含む、一不飽和の炭化水素残基を含む:
2〜6個の原子(C2−C6)の直鎖基。こうしたアルケニル基の例には、C2 − ビニル、C3 − 1−プロペニル、C3 − アリル、C4 − 2−ブテニルが含まれるが、これに限定されない。
3〜8個の原子(C3−C8)の分岐基。こうしたアルケニル基の例には、C4 − 2−メチル−2−プロペニルおよびC6 − 2,3−ジメチル−2−ブテニルが含まれるが、これに限定されない。
2〜6個の原子(C2−C6)の直鎖基。こうしたアルケニル基の例には、C2 − ビニル、C3 − 1−プロペニル、C3 − アリル、C4 − 2−ブテニルが含まれるが、これに限定されない。
3〜8個の原子(C3−C8)の分岐基。こうしたアルケニル基の例には、C4 − 2−メチル−2−プロペニルおよびC6 − 2,3−ジメチル−2−ブテニルが含まれるが、これに限定されない。
用語「アルケニレン」は、アルケニル基に由来する二価の炭化水素ラジカルを意味し、上記の定義に従い構成されるものとする。
用語「シクロアルケニル」は、3〜14個の炭素原子を持ち、ヘテロ原子を持たない、非芳香族、部分的不飽和の単環式、二環式、または三環式を意味する。
用語「シクロアルケニレン」は、シクロアルケニル基に由来する二価の炭化水素ラジカルを意味し、上記の定義に従い構成されるものとする。
用語「アリール」には、6個または10個の炭素原子を含む、単環または縮合環の芳香族環系が含まれ、ここで、別途記述のない限り、それぞれのアリールの存在は、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、OH、ハロ、CN、COOR14、CF3およびNR14R15から独立的に選択される最高5個の置換基で任意に置換されうるが、上記に定義したとおりである。一般に、アリールは1個、2個または3個の置換基で任意に置換される。オプションの置換基は、上述のものから選択される。適切なアリール基の例には、フェニルおよびナフチル(上述のとおり、それぞれ任意に置換される)が含まれる。アリーレンは、アリール基に由来する二価のラジカルを意味し、上記の定義に従い構成されるものとする。
用語「ヘテロアリール」には、1個または2個のN原子および、任意に、NR14原子、または1個のNR14原子およびS原子またはO原子、または1個のS原子、または1個のO原子を含む、5、6、9または10員の単環式または二環式の芳香環が含まれ、ここで、別途記述のない限り、前記ヘテロアリールは、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、OH、ハロ、CN、COOR14、CF3およびNR14R15から独立的に選択される、1個、2個または3個の置換基で任意に置換されうるが、下記に定義するとおりである。適切なヘテロアリール基の例には、チエニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾイル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリニルおよびイソキノリニル(上述のとおり、任意に置換)。ヘテロアリーレンは、ヘテロアリールに由来する二価のラジカルを意味し、上記の定義に従い構成されるものとする。
用語「アリールアルキル」は、1個、2個、または3個のアリール基で置換されたアルキル基を意味する。
用語「アリールアルキレン」は、親分子部分への一方の付着点が、アリール部分上にあり、他方がアルキル部分上にある、二価のアリールアルキル基を意味する。
用語「アルカリル」は、1個、2個、または3個のアルキル基で置換したアリール基を意味する。
用語「アルカリレン」は、親分子部分への一方の付着点がアルキル部分上にあり、他方がアリール部分上にある、二価のアルカリル基を意味する。
用語「アルキルアリールアルキル」は、アルキル基を通して親分子部分に付着したアルキルアリール基を意味する。
用語「アルキルアリールアルキレン」は、親分子部分への一方の付着点が一方のアルキル部分上にあり、他方が別のアルキル部分上にある、二価のアルキルアリールアルキル基を意味する。
上記の定義において、R14およびR15は、Hおよび(C1−C6)アルキルから独立的に選択される。
用語「comprising」(〜を含む)には、「including」(〜を含む)および「consisting」(〜構成される)が含まれ、例えば、Xを「含む(comprising)」組成は、Xで排他的に構成されることも、何か追加的なものが含まれることもある(例えばX+Y)。
数値x に関連して、用語「約」は、例えば、x±10%を意味する。
用語「実質的に」は、「完全に」を排除せず、例えば、Yが「実質的にない」組成は、Yが完全にないこともある。必要に応じて、用語「実質的に」は、本発明の定義から省略しうる。
本発明で複数の連続した手順が関与するプロセスが提供される場合、本発明は、手順の総数未満が関与するプロセスも提供できる。異なる手順は、非常に異なる時点で、異なる人物により、異なる場所で(例えば、異なる国で)実施することができる。
当然のことながら、糖環は開環および閉環の形態で存在でき、両方の形態が本発明に含まれる。同様に、当然のことながら、糖類はピラノースおよびフラノースの形態で存在でき、これも両方の形態が含まれる。糖類の異なるアノマーの形態も含まれる。
様々な発明の実施形態が、本書で描写されている。当然のことながら、それぞれの実施形態で指定された特徴は、特定の別の特徴と組み合わせて、さらなる実施形態を提供しうる。特に、適切な、典型的な、または好ましいものとして本書で強調された実施形態は、(相互に排他的である場合を除き)互いに組み合せうる。
ADHで誘導体化した多糖類の生成
GBS多糖類を、図1bの図式に従いADHで誘導体化した。
GBS多糖類を、図1bの図式に従いADHで誘導体化した。
GBS糖類Ib Lot TR19(液体、K+)およびLot TR8(固体、Ca2+)を、ADH(Sigma、ADHの多糖類反復単位に対するモル比率20:1)、EDAC(Sigma、EDACの多糖類反復単位に対するモル比率3:10または1:1)と、MES 100mM/NaCl 250mM(pH 5.0)中で混合し、室温で1時間撹拌した。精製は、H2O中でPD10カラムによるものであった。ADHによる誘導体化のパーセント値が決定されたが、これを表1に示す。
HSA−ADHの生成
図1cの図式に従い、HSAを異なるモル数のADHを導入する条件下でADHで誘導体化した。
図1cの図式に従い、HSAを異なるモル数のADHを導入する条件下でADHで誘導体化した。
例2a. 10〜12モルのADHの導入によるHSA−ADHの生成
HSA(10−12mg/ml)、ADH(molADH:molCOOHTOTHSA=13.4:1)およびEDAC(Sigma、molEDAC:molCOOHTOTHSA=1:2)を、100mM MES緩衝液(pH 6.0)中で、室温で1時間混合した。精製は、6〜8 kDaの薄膜による透析により、MES 10mM/NaCl 150mM(pH6.0)に対して行った後、MES 5mM(pH7.0)に対して4°Cでゆっくり撹拌しながら行った。結果としての結合体をSDS−PAGE(図2a)により分析した。
例2b. 26〜28モルのADHの導入によるHSA−ADHの生成
HSA(10−12mg/ml)、ADH(molADH:molCOOHTOTHSA=13.4:1)およびEDAC(molEDAC:molCOOHTOTHSA=2:1)を、100mM MES緩衝液(pH 5.0)中で、室温で3時間混合した。精製は、6〜8 kDaの薄膜による透析により、MES 5mM/NaCl 150mM(pH7.2)に対して行った後、MES 5mM(pH7.0)に対して4°Cでゆっくり撹拌しながら行った。結果としての結合体をSDS−PAGE(図2b)により分析した。
例2c. HSA−ADH結合体の特性付け
HSA−ADH結合体を、MS. ESI+ キャピラリー3kV試料コーン30V直接注入10μl/分の試料により、25%MeCN+0.1%HCOOH+75%AcNH4(1mg/ml)中で特性付けした。図3aは例2aの生成物を示し、図3bは例2bの生成物を示し、図3cは比較用にSigmaから入手したHSAを示す。
GBS−ADH−HSAの生成
例3a
例3a
GBS多糖類Ia、IbまたはIII(2mg/ml)、多糖類の、HSAに導入されたADH残基に対するモル比率が2:1となる量のHSA−ADH、および多糖類との1:1のモル比率でのEDACを、100mM MES緩衝液(pH 5.0)中で室温で3時間混合した。精製は、6〜8 kDaの薄膜による透析によりH2Oに対して行った後、NaPi 10mM(pH7.0)に対して4°Cでゆっくり撹拌しながら行った。次に、結合体をHAカラムに装填し、溶出緩衝液としてNaPi10mM(pH7.2)を、勾配緩衝液としてNaPi400mM(pH7.2)を使用した。結果としての結合体をSDS−PAGE(図4a)により分析した。
例3b
GBS多糖類Ib(5mg/ml)、多糖類の、HSAに導入されたADH残基に対するモル比率が(i)1:0.2、(ii)1:0.4、(iii)1:0.8または(IV)1:1.6である量のHSA−ADH、多糖類との1:1モル比率でのEDAC、および多糖類との1:1のモル比率でのN−ヒドロキシスルホスクシンイミドを、MES100mM/NaCl250mM(pH 5.0)中で室温で夜通し混合した。pH反応を中和するために、NaPi400mM(pH7.2)を加えて、反応をクエンチした。次に、結合体をS400カラムに装填し、溶出緩衝液としてNaPi10mM/NaCl250mM(pH7.2)を使用した。結果としての結合体をSDS−PAGE(図4b)により分析した。
GBS−ADH−HSAのさらなる精製および分析
例4a. クロマトグラフィー
例4a. クロマトグラフィー
数通りの方法を使用してGBS−ADH−HSA結合体をクロマトグラフィーで精製した:HAカラム10ml、溶出緩衝液:NaPi10 mM pH 7.2、勾配緩衝液:NaPi400 mM pH 7.2(図5)、Sephacryl S400カラム170ml、溶出緩衝液:NaPi10 mM/NaCl250mM pH7.2(図6)、およびSephacryl S400カラム170ml、溶出緩衝液:NaPi10 mM/NaCl250mM pH7.2、215nm(図7)。
結合体は、HSA−ADHおよび多糖類の混合物から容易には分離できなかった。これは、結合体と同じ極性で実行される多糖類とHSA−ADHの非共有結合性の複合体が存在する可能性があることを示唆する。
例4b. ウエスタンブロット分析
例3bの生成物を、抗GBS Ib CRM197を使用してウエスタンブロット(図8)により分析した。ブロットは、共有結合性結合体の存在を示す。
ADH誘導体化HSAとGBS糖類の物理的混合物中の非共有結合性相互作用の可能性をさらに調査した。GBS糖類Ib(PSIb)およびHSA−ADHを、1ml NaPi35mM pH7.2/Tween20 0.05%中で混合した。1mlのK2HPO4(8.6M、飽和溶液)を加えた。混合物を氷で30分間冷却してから、遠心分離にかけて、ペレットを分離した。ペレットを1 mlのNaPi10mM(pH7.2)に溶かして分析した。
これらの条件下に供した場合、糖類単独では沈殿しないことが示されたが、タンパク質単独では沈殿した。結果を[表2]に示す。
それぞれの方法について同じ標準血清を使用して、2つのELISA試験法の感度を比較した。同一の増大する濃度の血清を使用したそれぞれのELISA試験法についての光学濃度(OD)値を、以下に示す。
データは、PSIbおよびHSA−ADHの物理的な混合物と比較して、共有結合的に結合したGBS Ib−HSA−ADHでは高い値が得られたことを示す。物理的混合物の2つの成分間で結合が証明されたが、感度は低かった。
GBS−HSA−ADH試料の特性付け
例7a
例7a
糖類の含有量を比色分析シアル酸試験法で決定した。タンパク質の含有量をMicroBCAで決定した。遊離糖の含有量をキャピラリー電気泳動法で決定した。結果を[表3]および[表4]に示す。
例7b − キャピラリー電気泳動法
GBS Ib−HSA−ADH結合体も、キャピラリー電気泳動法により分析した。緩衝液H3BO3 100 mM、SDS pH 9.0、SDS 25 mM、実行時間15分、電圧 25 KV 温度20°C、キャピラリー50mm、50cm。以下の重量:重量比率での結合体を分析した:GBS Ib:HSA−ADH 1:1(図9a、遊離糖の割合は65.8 %)、GBS Ib:HSA−ADH 1:2(図9b、遊離糖の割合は90.1 %)、およびGBS Ib:HSA−ADH 1:4(図9c、遊離糖の割合は81.0 %)。
試験方法の例
マルチウェルプレートの被覆
マルチウェルプレートの被覆
Ia: HSA−ADHに共有結合的に結合した多糖類を1Xリン酸緩衝食塩水(PBS)に入れた1 μg/mL溶液100 μLを、プレートのそれぞれのウェルに分配した。プレートを室温で夜通し保温してから、洗浄用緩衝液(0.05% Tween 20、 1X PBS中)中で3回洗浄した。
Ib: HSA−ADHに共有結合的に結合した多糖類を1X PBSに入れた1 μg/mL溶液100 μLを、プレートのそれぞれのウェルに分配した。プレートを室温で夜通し保温してから、洗浄用緩衝液中で3回洗浄した。
III: HSA−ADH共有結合的に結合した多糖類を1X PBSに入れた1 μg/mL溶液100 μLを、プレートのそれぞれのウェルに分配した。プレートを室温で夜通し保温してから、洗浄用緩衝液中で3回洗浄した。
ポストコーティング
250 μLのポストコーティング溶液(2% BSA、0.05% Tween 20、PBS中)を、プレートのそれぞれのウェルに分配した。プレートを37°Cで90分間保温した後、ポストコーティング溶液を除去するために吸引した。
血清の保温
マウス血清を希釈緩衝液(2% BSA、0.05% Tween 20、PBS中)で希釈した。標準血清(適切な血清試料をプールすることにより、過免疫血清のプールを調製)を、405 nmで2.000を超えるODを得るために希釈した(開始希釈用)。プレートを37°Cで1時間保温してから、洗浄用緩衝液(0.05% Tween 20、 1X PBS中)中で3回洗浄した。
アルカリフォスファターゼ(AP)を結合した抗体の保温
APを結合した抗種(anti−species)を希釈緩衝液(2% BSA、0.05% Tween 20、 PBS中)に入れた溶液100 μLを、プレートのそれぞれのウェルに分配した。プレートを37°Cで90分間保温してから、洗浄用緩衝液(0.05% Tween 20、 1X PBS中)中で3回洗浄した。
色素生成反応および抗体力価の計算
色素生産性(p−ニトロフェニルリン酸)溶液100 μlを、それぞれのウェルに加えた。室温で25〜30分間保温した後、100μlのEDTA 溶液(7.0% pH 8.0)をそれぞれのウェルに加えて、酵素性の反応を停止させた。発現した色をプレートリーダーで波長を405 nmに設定して測定した。Reference Line試験法を使用することにより、GBS多糖類抗原(Ia、IbおよびIII)に対する合計IgG力価を計算し、結果を任意のELISA単位/ml(EU/ml)で表現した。3個のそれぞれの抗原について、標準血清IgG力価には1.0 EU/mlの値を任意に割り当てた。ODを標準プールの滴定曲線(バイアスおよび勾配)に内挿することにより、血清力価を推定した。標準血清の特定のIgGの濃度が既知の場合には、結果は特定のIgGのμg/mlとして表現した。
a)CRM197を結合したGBS Ia、IbおよびIII多糖類で免疫化した動物からの血清でのIgG応答を測定する、およびb)天然の多糖類での前保温によるIgG応答の阻害を測定することにより、ADH−HSAのELISAを古典的なHSAのELISAと比較した。阻害薬の不在時に得られた反応の割合として、天然の多糖類による阻害を図11a、11b(GBS Ia)、11c(GBS Ib)および11d(GBSIII)に示す。
濃度が高度、中度および低度の抗体を含む血清の3つのプールを試験した。多糖類の濃度を0.5 μg/ml、1.0 μg/ml、2.0 μg/mlおよび4.0 μg/mlで増加させつつ、血清を37°Cで30分間保温した。
IaおよびIIIの両方について測定した免疫グロブリン応答は、ADH−HSAに共有結合的に連結した糖類で被覆したプレートを使用したものが、HSAに共有結合的に連結した糖類で被覆したものよりも低かったが、古典的HSA方法はCRM197結合体内に存在する可能性があり天然の多糖類にはない追加的なエピトープを検出することを示唆している。
本発明の方法で結合することが見出された抗体は、天然のIa、IbまたはIII多糖類の前保温により完全に阻害することができる一方、従来の技術(HSAおよび糖類の混合物を使用)の方法で検出された抗体は、部分的にのみ阻害することができる。これは、従来の技術の方法が天然の糖類に対して特異的でない抗体を実際に検出する一方、本発明の方法は検出しないことを示唆する。
天然の多糖類による免疫グロブリン応答の阻害は、古典的なHSAと比較してADH−HSAを使用したものの方が高かった。この点は複数の血清で立証され、ここでも、古典的なHSA方法はCRM197結合体中に存在する可能性があり天然の多糖類には存在しない追加的なエピトープを検出することを示している。このことはIaについて特に明らかである(3つ全ての血清、特に「中度」で観察され、ADHで100%達成され、HSAでは50%にとどまっている)。Ibの場合も、ADHプレートでの遊離糖による阻害が改善された。IIIについては、ADHおよびHSAの差異を「低度の」血清で見出すことができ、他の血清では100%の阻害に急速に到達した。したがって、IIIについての処置はさらに最適化しうる。より一般的には、ADHはIII抗原についてIa抗原よりも少なめの量の抗体に結合する傾向があると思われ、より選択的であり特異的であることを示唆している。
従来の技術の方法とのさらなる比較
本発明の方法を、遊離莢膜多糖類に基づく従来の技術の方法と比較した。本発明の方法は、より低濃度の多糖類の使用を許容し、また短い保温時間で、それぞれのGBS多糖類について正確さ、精度、直線性および被覆の安定性という点で、明らかにより良い結果が得られた([表5] )。図12に示すとおり、比較研究は、全てのデータが信頼限界p< 0.05(外側の線)内に収まることから2つの異なるアプローチ間での容認できる一致を示しており、したがって遊離多糖類による方法は、本発明の方法で置き換えが可能である。
本発明の方法を、遊離莢膜多糖類に基づく従来の技術の方法と比較した。本発明の方法は、より低濃度の多糖類の使用を許容し、また短い保温時間で、それぞれのGBS多糖類について正確さ、精度、直線性および被覆の安定性という点で、明らかにより良い結果が得られた([表5] )。図12に示すとおり、比較研究は、全てのデータが信頼限界p< 0.05(外側の線)内に収まることから2つの異なるアプローチ間での容認できる一致を示しており、したがって遊離多糖類による方法は、本発明の方法で置き換えが可能である。
直線性の試験
GBSIa−ADH−HSA(マウス、図13a、ヒト、図13b)、GBS Ib−ADH−HSA(マウス、図13c、ヒト、図13d)、GBS Ia−ADH−HSA(マウス、図13e、ヒト、図13f)およびGBS IbとADH誘導体化HSAの物理的混合物についての検量線の11個の反復物を用いて、直線性の評価を実施した。
GBSIa−ADH−HSA(マウス、図13a、ヒト、図13b)、GBS Ib−ADH−HSA(マウス、図13c、ヒト、図13d)、GBS Ia−ADH−HSA(マウス、図13e、ヒト、図13f)およびGBS IbとADH誘導体化HSAの物理的混合物についての検量線の11個の反復物を用いて、直線性の評価を実施した。
効力の試験
本発明の第三の態様の一例は、GBS莢膜糖類結合体ワクチンの効力を評価する方法である。この方法の例を図14に概説する。手短にいえば、本方法は2つの競合ELISAの結果を比較するが、ここでは、(a)既知の効力の参照GBS莢膜糖類結合体ワクチンと、(b)未知の効力のGBS莢膜糖類結合体ワクチンのバッチが、単クローン抗体の糖類への結合について、ADH−HSAに会合した糖類の結合体と別々に競合する。本方法は、以下の方法で実施しうることが予見される。
本発明の第三の態様の一例は、GBS莢膜糖類結合体ワクチンの効力を評価する方法である。この方法の例を図14に概説する。手短にいえば、本方法は2つの競合ELISAの結果を比較するが、ここでは、(a)既知の効力の参照GBS莢膜糖類結合体ワクチンと、(b)未知の効力のGBS莢膜糖類結合体ワクチンのバッチが、単クローン抗体の糖類への結合について、ADH−HSAに会合した糖類の結合体と別々に競合する。本方法は、以下の方法で実施しうることが予見される。
マイクロタイタープレートが既知の最終濃度でPBS(pH 7.4)中で被覆され、ワクチン内に含まれるADH−HSAおよび糖類の共有結合性の結合体が試験の対象となる。プレートは密封され、2°〜8°Cで夜通し保温された後、遮断試薬として1%豚ゼラチンを含むPBS(pH 7.4)溶液で洗浄されて飽和状態にされ、37°Cで2時間保温される。次に、プレートが4%のポリビニル−ピロリドンおよび10%の蔗糖を含む生理食塩水で固定され、室温で2時間保温される。保温の後、固定溶液を吸引し、プレートを放置し、ベンチ上で夜通し乾燥させる。
異なるポリプロピレンマイクロタイタープレートでは、特定の競争相手(例えば、ヒト臨床試験で試験した参照ワクチン、および試験ワクチンバッチの一部分)が、緩衝液(0.01% TWEEN 20(TM)を含むPBS(pH 7.4)中での1%ウシ血清アルブミン)で適切に希釈される。次に、糖類に対して同じ体積の単クローン抗体を一定の希釈度でウェルに加えて、室温で競争相手と直接相互作用させる。この手順の後、被覆して飽和状態にされたプレートに混合物を移し、37°Cで2時間保温する。次にプレートを洗浄し、アルカリフォスファターゼに結合したヤギ抗マウスIgG抗体を加える。第二の抗体を37°Cで1.5時間保温し、洗浄した後、プレートを色素生産性基質溶液と共に室温で30分間放置する。プレートをNaOH溶液でブロックしてから、波長405−620 nmでの吸光度の値を読み取る。
ヨーロッパ薬局方6.0に記載されているParallel−Lineモデルを使用して、ワクチンバッチの反応曲線が、参照ワクチンに関する相対効力評価によって決定される。このモデルによれば、用量の対数変換と反応(ODまたは変換)との間の関係は使用する用量の範囲全体で直線として表現できるが、このモデルは、未知および参照のワクチン間での平行性の仮定(parallelism assumption)に基づいている。2つの線の間の水平距離は、参照バッチに対する未知のバッチの効力および免疫原性を示す。この値の評価に使用したプロットの例(この例で概説したものと類似したプロトコルにより作成)を、図15に示す。
抗体の生成
マウスの単クローン抗体(mAb)を、標準手順に従い生成した。B−細胞ハイブリドーマクローンを、特異的なグリコ結合体で免疫化したマウスの脾臓細胞から単離した。陽性のクローンをまずELISAによって選択し、次に培養の上澄みをGBS菌株の表面に結合させるために選別して、フローサイトメトリーおよび殺菌性抗体を選択するためのOPA試験法により、相同的な莢膜多糖類を発現させた。次に、陽性の一次ハイブリドーマクローンについて限界希釈法で、単細胞クローニングおよびサブクローニングを行った。抗体およびそれらをコードする核酸の配列を、標準的な方法で決定した。参考文献[133]に記載のあるプログラムを使用して、CDRを予測した。それぞれの配列の配列番号は、表6に示されており、また添付の配列表を参照のこと。
マウスの単クローン抗体(mAb)を、標準手順に従い生成した。B−細胞ハイブリドーマクローンを、特異的なグリコ結合体で免疫化したマウスの脾臓細胞から単離した。陽性のクローンをまずELISAによって選択し、次に培養の上澄みをGBS菌株の表面に結合させるために選別して、フローサイトメトリーおよび殺菌性抗体を選択するためのOPA試験法により、相同的な莢膜多糖類を発現させた。次に、陽性の一次ハイブリドーマクローンについて限界希釈法で、単細胞クローニングおよびサブクローニングを行った。抗体およびそれらをコードする核酸の配列を、標準的な方法で決定した。参考文献[133]に記載のあるプログラムを使用して、CDRを予測した。それぞれの配列の配列番号は、表6に示されており、また添付の配列表を参照のこと。
抗体の特性付け
例13a
例13a
表面プラズモン共鳴(SPR)により、Biacore X100装置(GE Healthcare)を使用して、関連性のある抗原についての抗体の親和性を測定した。
GBS莢膜多糖類Ia−HSA(10 μg/ml)、GBS莢膜多糖類Ib−HSA(2 μg/ml)およびGBS莢膜多糖類III−HSA(2 μg/ml)を、10 mM酢酸ナトリウムpH 4.5に入れて、CM5バイオセンサーチップ(GE Healthcare)上に固定化した。予備的なpHスカウティング試験によって、それぞれの複合糖質の固定化についてpH 4 − 5の範囲での最適なpHを決定した。標準一級アミンカップリング(アミンカップリングキット、GE Healthcare)を使用して、固定化をフローセル2で流量10 μl/分で9分間実施したが、ここで、同体積である0.4 MのN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)および0.1 MのN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を混合することにより、カルボキシメチル化CM5デキストラン層が、10 μL/minで7分間活性化された。1.0 Mのエタノールアミン塩酸塩(pH 8.5)の3回の注入(各4分)により、未反応のNHS−エステル基をブロックした。固定化の手順により、それぞれ約2300 RU、約550 RUおよび約1100 RUのCM5−HSA−PSIa、CM5−HSA−PSIbおよびCM5−HSA−PSIIIのバイオセンサーの入手ができるようになった。未処理のフローセル1は、参照として使用した。HBS−EPを、0.005%(v/v)Tween 20(pH 7.2〜7.4)と共に、結合体固定化のための実行用緩衝液として使用した。
SPR速度実験でそれぞれGBS莢膜多糖類Ia、IbおよびIIIに対するそれらの結合能力について、実施例12の3つのmAbを調査した。会合(ka)および解離(kd)速度定数、および結合親和性(KD = kd / ka)に関する相互作用パラメータを決定した。
泳動用緩衝液(GBS莢膜多糖類IaおよびIb特異的なmAbについて20 nMから、またGBS莢膜多糖類IIIに特異的なmAbについて50 nMから開始)中のmAbの5つの2倍段階希釈物を、それぞれの被覆したバイオセンサー上に45 μL/分で2分間注入した後、10分の解離時間を設けた。それぞれの濃縮サイクルの後、3.5 M MgCl2 (2分、10 μl/分)を使用してバイオセンサー再生を実施した。この処理では、異なる実行で結合リガンドの同等の信号でみられたとおりバイオセンサー表面の損傷はなかった。それぞれの速度実験は三つ揃いで実施し、検体としての緩衝液の同一の結合−再生サイクルがこれに先行した。このサイクルはブランクとして使用し、バックグラウンド効果を修正するために、アクティブな全ての曲線から差し引いた。
BIAevaluation X100ソフトウェアバージョン1.0(GE Healthcare)を使用して、速度曲線に等モル化学量論(1:1)モデルを同時に当てはめることにより、会合、解離および親和性の定数を決定した。速度定数を3つの独立した速度実験の平均結果として決定した。GBS莢膜多糖類IaおよびIb特異的なmAbについて、速度実験のための実行用緩衝液としてHBS−EPを0.005%(v/v)Tween 20(pH 7.2)と共に使用した一方、GBS莢膜多糖類III特異的なmAbについては、PBS緩衝液(pH 7.2)を0.005%(v/v)Tween 20と共に使用した。
結果(3回の実験の平均)を[表7]に示す。試験した抗体で、全て高い親和性が見られた。
例13b
これらの抗体の機能的活性を、OPA試験法でのGBS死滅により測定した。手短にいえば、GBS試料を免疫化したマウスからの予め希釈した血清とともに保温し(内在性の補体活性を不活性化するために試験の前に56°Cで30分間加熱)、HL−60細胞をDMF(0.8%)および補体(C3b)内で振盪させながら1時間分化させた。混合物の標本を採取して希釈し、T0(混合の後)およびT60(振盪の後)でプレートに配置した。プレートを夜通し保管した後、それぞれの希釈についてのコロニー形成単位数を数量化した。これらのデータを基に、OPA力価(抗体希釈を媒介とする50%の死滅)を決定した。
結果を[表8]に示す。試験した抗体で、全て高い機能的活性が見られた。
例13c
対応するHSA結合体に対するGBS多糖類およびCRM197の結合体に対する抗体の特異性を、実施例11に記載したELISA競合試験によって評価した。3つの全ての抗体はIgG1であった。濃度は、α−Ia、0.20 μg/ml、α−Ib、0.16 μg/ml、α−III、0.56 μg/mlであった。
それぞれのCRM197結合体は、その特異的な抗体の対応するHSA結合体に対する結合を、用量依存的な再現性のある方法で阻害した。それぞれの血清型からのGBS多糖類のCRM197結合体を含む三価ワクチンも、用量依存的な再現性のある方法で結合を阻害した。結合は、その他の血清型のCRM197結合体によっては阻害されなかった。結果を図16に示す。
例13d
飽和移動差NMRにより、本発明による抗体を使用して、エピトープマッピングを実施した。反復単位を構成するその他の残基に加えて、NeuNAc残基が全てのGBS多糖類についての抗体結合に関与していることが立証された。結果を図17に示す。
効力の弱いワクチンバッチの識別
GBS Ia、IbおよびIII多糖類結合体のバッチを、含有量が100〜<5%に減少するシアル酸を用いて調製した(50mM NaAc、pH 4.75、80°C、30kDa MWCOでろ過、10 mM NaPi pH 7.2、透析)。シアル酸の含有量は、NMRにより決定した。これらのバッチを用いた実施例11による試験の代表的な結果を図18に示す。これらは、32%を下回る(GBS IaおよびIII)および5%(GBS Ib)のシアル酸の濃度がこの試験法による効力の欠如につながることを示す。マウスでの致死的な負荷試験後のOPA力価および生存率は、シアル酸濃度が24%を下回る時に減少し、一方でELISA力価はシアル酸濃度がより低いときに高くなる。
GBS Ia、IbおよびIII多糖類結合体のバッチを、含有量が100〜<5%に減少するシアル酸を用いて調製した(50mM NaAc、pH 4.75、80°C、30kDa MWCOでろ過、10 mM NaPi pH 7.2、透析)。シアル酸の含有量は、NMRにより決定した。これらのバッチを用いた実施例11による試験の代表的な結果を図18に示す。これらは、32%を下回る(GBS IaおよびIII)および5%(GBS Ib)のシアル酸の濃度がこの試験法による効力の欠如につながることを示す。マウスでの致死的な負荷試験後のOPA力価および生存率は、シアル酸濃度が24%を下回る時に減少し、一方でELISA力価はシアル酸濃度がより低いときに高くなる。
実施例11による試験の特性付け
例15a
例15a
2つのワクチンバッチについて効力値を決定することにより、試験の再現性を試験した。結果を図19に示す。試験は、GBS Ia、IbおよびIIIのケースで異なる2つのワクチンバッチについて、15%を下回る効力値のCV%を示している。
例15b
GBS三価ワクチンの増加する濃度の相対的な効力値を決定するために、試験を使用した。結果は、図20に示すとおり、高いダイナミックレンジ(それぞれのGBS Ia、IbおよびIIIについて濃度0.25〜1.6 μg/mlについて分析)にわたり直線性を示した。したがって、試験によって、三価ワクチン内のそれぞれの単一抗原成分の正確な量の決定が許容される。
例15c
スパイク回収効果を測定することにより、試験法の特異性および選択性を評価した。三価GBSワクチンの組成を、単一成分:GBS Ia−CRM197結合体の量を増やして追加することで変化させた。結果は図21に示すとおりで、単一のGBS多糖類抗原(この場合ではGBS Ia多糖類)について試験法の選択性および特異性を立証している。
本発明は、例のみの目的で説明してきたが、本発明の範囲および精神を逸脱することなく修正を加えうることが理解される。
本発明はまた、本発明の第三の態様にとって有用な抗体を提供している。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
試料中の、第一の会合により第一の担体と会合する抗原の結合体に対する抗体の存在を検出するための方法であって、前記方法が以下の手順:
(i)前記抗体の前記抗原への結合を可能にする条件下で、第二の会合により第二の担体と会合する前記抗原の結合体を前記試料と接触させる手順、および
(ii)前記抗原に結合した前記抗体の存在を検出するための薬剤を導入する手順
を含み、
ここで、第一の会合および前記第二の会合は共有結合性会合であり、および前記第一の会合は前記第二の会合とは異なる、方法。
(項目2)
前記方法が前記試料における前記抗体の濃度を測定するためのものである、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記試料が全血、血清および血漿を含む群から選択される、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
前記試料が血清である、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記試料が妊娠した哺乳動物からの試料である、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
前記方法がさらに以下の手順:
(iii)前記濃度を、前記抗原に対する抗体保有率(例えば、出産の間の新生児の感染に対する)についての標準判定基準と比較する手順、
を含む、項目2に記載の方法。
(項目7)
前記抗体が免疫グロブリンG抗体である、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
前記第一の担体がタンパク質である、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
前記第一の担体がジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、CRM197またはタンパク質Dである、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記第二の担体がタンパク質である、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
前記第二の担体が血清アルブミンである、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記抗原が糖類である、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目13)
前記糖類が細菌性の抗原である、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記糖類がB群連鎖球菌莢膜糖類である、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記第二の担体に会合する前記抗原の前記結合体が表面上に固定化される、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目16)
第二の会合により前記第二の担体に会合する前記抗原の前記結合体がマルチウェルプレート上に固定化される、任意の項目15に記載の方法。
(項目17)
前記抗体の存在を検出する前記薬剤が前記抗体に対する標識化された抗体である、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目18)
前記抗体の存在を検出する前記薬剤が前記抗体に対するアルカリフォスファターゼを結合体化した抗体である、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記第一の会合が第一の共有結合性会合であり、また前記第二の会合が前記第一の共有結合性会合とは異なるリンカー基を含む第二の共有結合性会合である、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目20)
前記第一の会合が前記リンカー−NHCH 2 −を含む、項目1〜19のうちのいずれかに記載の方法。
(項目21)
前記第二の会合が前記リンカー−C(O)NHNHC(O)L 1 C(O)NHNHC(O)−を含み、L 1 がアルキレン、アルケニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、アリールアルキレン、アルカリレン、またはアルキレンアリールアルキレンを含む群から選択した二価のラジカルである、項目1〜20のうちのいずれかに記載の方法。
(項目22)
L 1 がC 4−8 アルキレンまたはフェニレンである、項目21に記載の方法。
(項目23)
L 1 がC 4 アルキレンである、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記抗原がB群連鎖球菌莢膜糖類であり、
前記第一の担体がCRM197であり、
前記第一の会合が前記リンカー−NHCH 2 −を含み、
前記第二の担体が血清アルブミンであり、
前記第二の会合が前記リンカー −C(O)NHNHC(O)(CH 2 ) 4 C(O)NHNHC(O)−を含み、L 1 がC 4 アルキレンである、項目1に記載の方法。
(項目25)
項目1、8〜14および19〜24のうちのいずれかに記載の結合体。
(項目26)
項目25に記載の結合体で被覆されたマルチウェルプレート。
(項目27)
第一の会合により第一の担体に会合する抗原の結合体に対する抗体を検出するためのキットであって、前記キットは第二の会合により第二の担体に会合する抗原の結合体を含み、ここで、前記第一の会合および前記第二の会合は共有結合性会合であり、前記第一の会合は前記第二の会合とは異なる、キット。
(項目28)
医師による使用のための、第一の会合により第一の担体に会合する抗原の結合体を含むワクチンを提供する方法であって、(a)前記ワクチンを複数の被験者に投与する手順と、(b)試料を前記被験者から回収する手順と、(c)項目1〜24のうちのいずれかに記載の方法を使用して各試料中の前記結合体に対する抗体の濃度を測定する手順と、(d)前記抗原に対する抗体保有率についての標準判定基準と前記濃度とを比較する手順と、前記被験者について所定の比率で、手順(d)での前記比較が抗体保有率についての前記判定基準を上回る濃度を示す場合に、(e)医師による使用のための前記ワクチンを提供する手順とを含む、方法。
(項目29)
前記所定の数の被験者が、統計的に有意な被験者の試料の80%である、項目28に記載の方法。
(項目30)
第一の会合により第一の担体に会合する抗原の結合体を含むワクチンのバッチを放出する方法であって、以下の手順:
(a)前記抗原に対する抗体の結合を可能にする条件下で第二の会合により第二の担体に会合する前記抗原の結合体を、前記ワクチンバッチの一部分の存在下で前記結合体に対する抗体と接触させる手順と、
(b)第二の会合により第二の担体と会合する前記抗原に結合された前記抗体の存在を検出するための薬剤を導入する手順と、
(c)前記結合された抗体の量を決定する手順と、
(d)参照ワクチンで置き換えた前記ワクチンバッチの前記部分で手順(a)〜(c)を実施する手順と、
(e)各手順(c)の結果を比較する手順と、手順(e)での前記比較が、前記ワクチンバッチが放出について予め定められた要件を満足することを示す場合に、
(f)前記ワクチンを放出する手順と
を含む、方法。
(項目31)
前記抗体が免疫グロブリンG抗体である、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記第一の担体がタンパク質である、項目30または項目31に記載の方法。
(項目33)
前記第一の担体がジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、CRM197またはタンパク質Dである、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記第二の担体がタンパク質である、項目30〜33のうちのいずれかに記載の方法。
(項目35)
前記第二の担体が血清アルブミンである、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記抗原が糖類である、項目30〜35のうちのいずれかに記載の方法。
(項目37)
前記糖類が細菌性の抗原である、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記糖類がB群連鎖球菌莢膜糖類である、項目36に記載の方法。
(項目39)
前記第二の担体に会合する前記抗原の前記結合体が表面上に固定化される、項目30〜38のうちのいずれかに記載の方法。
(項目40)
第二の会合により前記第二の担体に会合する前記抗原の前記結合体がマルチウェルプレート上に固定化される、任意の項目39に記載の方法。
(項目41)
前記抗体の存在を検出する前記薬剤が前記抗体に対する標識化された抗体である、項目30〜40のうちのいずれかに記載の方法。
(項目42)
前記抗体の存在を検出する前記薬剤が前記抗体に対するアルカリフォスファターゼを結合体化した抗体である、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記第一の会合が第一の共有結合性会合であり、また前記第二の会合が前記第一の共有結合性会合とは異なるリンカー基を含む第二の共有結合性会合である、項目30〜42のうちのいずれかに記載の方法。
(項目44)
前記第一の会合が前記リンカー−NHCH 2 −を含む、項目30〜43のうちのいずれかに記載の方法。
(項目45)
前記第二の会合が、前記リンカー−C(O)NHNHC(O)L 1 C(O)NHNHC(O)−を含み、L 1 がアルキレン、アルケニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、アリールアルキレン、アルカリレン、またはアルキレンアリールアルキレンを含む群から選択した二価のラジカルである、項目30〜44のうちのいずれかに記載の方法。
(項目46)
L 1 がC 4−8 アルキレンまたはフェニレンである、項目45に記載の方法。
(項目47)
L 1 がC 4 アルキレンである、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記抗原がB群連鎖球菌莢膜糖類であり、
前記第一の担体がCRM197であり、
前記第一の会合が前記リンカー−NHCH 2 −を含み、
前記第二の担体が血清アルブミンであり、
前記第二の会合が前記リンカー −C(O)NHNHC(O)(CH 2 ) 4 C(O)NHNHC(O)−を含み、L 1 がC 4 アルキレンである、項目30に記載の方法。
(項目49)
単離した抗体であって、(a)配列番号2内の可変領域または配列番号4の可変領域に対して少なくとも約95%の配列同一性を持つ、アミノ酸配列を含む、少なくとも一つの可変領域であるか、または(b)配列番号33で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖の第三のCDR(LC−CDR3)、および/または配列番号24で示されるアミノ酸配列を含む重鎖の第三のCDR(HC−CDR3)を含む、抗体。
(項目50)
配列番号2内の可変領域または配列番号4内の可変領域に対し約100%配列同一性を持つアミノ酸配列を含む、少なくとも一つの可変領域を含む、項目49に記載の単離した抗体。
(項目51)
配列番号2内の可変領域に対して少なくとも約95%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV L と、配列番号4内の可変領域に対して少なくとも約95%配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV H とを含む、項目49に記載の単離した抗体。
(項目52)
配列番号2内の可変領域に対して約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV L と、配列番号4内の可変領域に対して約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV H とを含む、項目51に記載の単離した抗体。
(項目53)
配列番号2内の前記可変領域が配列番号13で示されるアミノ酸配列である、項目49〜52のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
(項目54)
配列番号4内の前記可変領域が配列番号14で示されるアミノ酸配列である、項目49〜53のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
(項目55)
前記抗体が、≦5 nMのK D でGBSタイプIII莢膜糖類に結合する、項目49〜54のうちのいずれか1項に記載の単離した抗体。
(項目56)
単離した抗体であって、(a)配列番号6内の可変領域または配列番号8の可変領域に対して少なくとも約95%の配列同一性を持つ、アミノ酸配列を含む、少なくとも一つの可変領域であるか、または(b)配列番号27で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖の第三
のCDR(LC−CDR3)、および/または配列番号30で示されるアミノ酸配列を含む重鎖の第三のCDR(HC−CDR3)を含む、抗体。
(項目57)
配列番号6内の可変領域または配列番号8内の可変領域に対し約100%配列同一性を持つアミノ酸配列を含む、少なくとも一つの可変領域を含む、項目56に記載の単離した抗体。
(項目58)
配列番号6内の可変領域に対し少なくとも約95%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV L と、配列番号8内の可変領域に対し少なくとも約95%配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV H とを含む、項目56に記載の単離した抗体。
(項目59)
配列番号6内の可変領域に対し約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV L と、配列番号8内の可変領域に対して約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV H とを含む、項目58に記載の単離した抗体。
(項目60)
配列番号6内の前記可変領域が配列番号15で示されるアミノ酸配列である、項目56〜59のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
(項目61)
配列番号8内の前記可変領域が配列番号16で示されるアミノ酸配列である、項目56〜60のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
(項目62)
前記抗体が、≦0.5 nMのK D でGBSタイプIb莢膜糖類に結合する、項目56〜61のうちのいずれか1項に記載の単離した抗体。
(項目63)
単離した抗体であって、(a)配列番号10内の可変領域または配列番号12の可変領域に対し少なくとも約95%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含む、少なくとも一つの可変領域であるか、または(b)配列番号21で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖の第三のCDR(LC−CDR3)、および/または配列番号36で示されるアミノ酸配列を含む重鎖の第三のCDR(HC−CDR3)を含む、抗体。
(項目64)
配列番号10内の可変領域または配列番号12内の可変領域に対し約100%配列同一性を持つアミノ酸配列を含む少なくとも一つの可変領域を含む、項目63に記載の単離した抗体。
(項目65)
配列番号10内の可変領域に対し少なくとも約95%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV L と、配列番号12内の可変領域に対して少なくとも約95%配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV H とを含む、項目63に記載の単離した抗体。
(項目66)
配列番号10内の可変領域に対し約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV L と、配列番号12内の可変領域に対し約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV H とを含む、項目65に記載の単離した抗体。
(項目67)
配列番号10内の前記可変領域が配列番号17で示されるアミノ酸配列である、項目63〜66のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
(項目68)
配列番号11内の前記可変領域が配列番号18で示されるアミノ酸配列である、項目63〜67のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
(項目69)
前記抗体が、≦2.5 nMのK D でGBSタイプIa莢膜糖類に結合する、項目63〜68のうちのいずれか1項に記載の単離した抗体。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
試料中の、第一の会合により第一の担体と会合する抗原の結合体に対する抗体の存在を検出するための方法であって、前記方法が以下の手順:
(i)前記抗体の前記抗原への結合を可能にする条件下で、第二の会合により第二の担体と会合する前記抗原の結合体を前記試料と接触させる手順、および
(ii)前記抗原に結合した前記抗体の存在を検出するための薬剤を導入する手順
を含み、
ここで、第一の会合および前記第二の会合は共有結合性会合であり、および前記第一の会合は前記第二の会合とは異なる、方法。
(項目2)
前記方法が前記試料における前記抗体の濃度を測定するためのものである、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記試料が全血、血清および血漿を含む群から選択される、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
前記試料が血清である、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記試料が妊娠した哺乳動物からの試料である、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
前記方法がさらに以下の手順:
(iii)前記濃度を、前記抗原に対する抗体保有率(例えば、出産の間の新生児の感染に対する)についての標準判定基準と比較する手順、
を含む、項目2に記載の方法。
(項目7)
前記抗体が免疫グロブリンG抗体である、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
前記第一の担体がタンパク質である、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
前記第一の担体がジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、CRM197またはタンパク質Dである、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記第二の担体がタンパク質である、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
前記第二の担体が血清アルブミンである、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記抗原が糖類である、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目13)
前記糖類が細菌性の抗原である、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記糖類がB群連鎖球菌莢膜糖類である、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記第二の担体に会合する前記抗原の前記結合体が表面上に固定化される、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目16)
第二の会合により前記第二の担体に会合する前記抗原の前記結合体がマルチウェルプレート上に固定化される、任意の項目15に記載の方法。
(項目17)
前記抗体の存在を検出する前記薬剤が前記抗体に対する標識化された抗体である、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目18)
前記抗体の存在を検出する前記薬剤が前記抗体に対するアルカリフォスファターゼを結合体化した抗体である、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記第一の会合が第一の共有結合性会合であり、また前記第二の会合が前記第一の共有結合性会合とは異なるリンカー基を含む第二の共有結合性会合である、先行する項目のいずれかに記載の方法。
(項目20)
前記第一の会合が前記リンカー−NHCH 2 −を含む、項目1〜19のうちのいずれかに記載の方法。
(項目21)
前記第二の会合が前記リンカー−C(O)NHNHC(O)L 1 C(O)NHNHC(O)−を含み、L 1 がアルキレン、アルケニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、アリールアルキレン、アルカリレン、またはアルキレンアリールアルキレンを含む群から選択した二価のラジカルである、項目1〜20のうちのいずれかに記載の方法。
(項目22)
L 1 がC 4−8 アルキレンまたはフェニレンである、項目21に記載の方法。
(項目23)
L 1 がC 4 アルキレンである、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記抗原がB群連鎖球菌莢膜糖類であり、
前記第一の担体がCRM197であり、
前記第一の会合が前記リンカー−NHCH 2 −を含み、
前記第二の担体が血清アルブミンであり、
前記第二の会合が前記リンカー −C(O)NHNHC(O)(CH 2 ) 4 C(O)NHNHC(O)−を含み、L 1 がC 4 アルキレンである、項目1に記載の方法。
(項目25)
項目1、8〜14および19〜24のうちのいずれかに記載の結合体。
(項目26)
項目25に記載の結合体で被覆されたマルチウェルプレート。
(項目27)
第一の会合により第一の担体に会合する抗原の結合体に対する抗体を検出するためのキットであって、前記キットは第二の会合により第二の担体に会合する抗原の結合体を含み、ここで、前記第一の会合および前記第二の会合は共有結合性会合であり、前記第一の会合は前記第二の会合とは異なる、キット。
(項目28)
医師による使用のための、第一の会合により第一の担体に会合する抗原の結合体を含むワクチンを提供する方法であって、(a)前記ワクチンを複数の被験者に投与する手順と、(b)試料を前記被験者から回収する手順と、(c)項目1〜24のうちのいずれかに記載の方法を使用して各試料中の前記結合体に対する抗体の濃度を測定する手順と、(d)前記抗原に対する抗体保有率についての標準判定基準と前記濃度とを比較する手順と、前記被験者について所定の比率で、手順(d)での前記比較が抗体保有率についての前記判定基準を上回る濃度を示す場合に、(e)医師による使用のための前記ワクチンを提供する手順とを含む、方法。
(項目29)
前記所定の数の被験者が、統計的に有意な被験者の試料の80%である、項目28に記載の方法。
(項目30)
第一の会合により第一の担体に会合する抗原の結合体を含むワクチンのバッチを放出する方法であって、以下の手順:
(a)前記抗原に対する抗体の結合を可能にする条件下で第二の会合により第二の担体に会合する前記抗原の結合体を、前記ワクチンバッチの一部分の存在下で前記結合体に対する抗体と接触させる手順と、
(b)第二の会合により第二の担体と会合する前記抗原に結合された前記抗体の存在を検出するための薬剤を導入する手順と、
(c)前記結合された抗体の量を決定する手順と、
(d)参照ワクチンで置き換えた前記ワクチンバッチの前記部分で手順(a)〜(c)を実施する手順と、
(e)各手順(c)の結果を比較する手順と、手順(e)での前記比較が、前記ワクチンバッチが放出について予め定められた要件を満足することを示す場合に、
(f)前記ワクチンを放出する手順と
を含む、方法。
(項目31)
前記抗体が免疫グロブリンG抗体である、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記第一の担体がタンパク質である、項目30または項目31に記載の方法。
(項目33)
前記第一の担体がジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、CRM197またはタンパク質Dである、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記第二の担体がタンパク質である、項目30〜33のうちのいずれかに記載の方法。
(項目35)
前記第二の担体が血清アルブミンである、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記抗原が糖類である、項目30〜35のうちのいずれかに記載の方法。
(項目37)
前記糖類が細菌性の抗原である、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記糖類がB群連鎖球菌莢膜糖類である、項目36に記載の方法。
(項目39)
前記第二の担体に会合する前記抗原の前記結合体が表面上に固定化される、項目30〜38のうちのいずれかに記載の方法。
(項目40)
第二の会合により前記第二の担体に会合する前記抗原の前記結合体がマルチウェルプレート上に固定化される、任意の項目39に記載の方法。
(項目41)
前記抗体の存在を検出する前記薬剤が前記抗体に対する標識化された抗体である、項目30〜40のうちのいずれかに記載の方法。
(項目42)
前記抗体の存在を検出する前記薬剤が前記抗体に対するアルカリフォスファターゼを結合体化した抗体である、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記第一の会合が第一の共有結合性会合であり、また前記第二の会合が前記第一の共有結合性会合とは異なるリンカー基を含む第二の共有結合性会合である、項目30〜42のうちのいずれかに記載の方法。
(項目44)
前記第一の会合が前記リンカー−NHCH 2 −を含む、項目30〜43のうちのいずれかに記載の方法。
(項目45)
前記第二の会合が、前記リンカー−C(O)NHNHC(O)L 1 C(O)NHNHC(O)−を含み、L 1 がアルキレン、アルケニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、アリールアルキレン、アルカリレン、またはアルキレンアリールアルキレンを含む群から選択した二価のラジカルである、項目30〜44のうちのいずれかに記載の方法。
(項目46)
L 1 がC 4−8 アルキレンまたはフェニレンである、項目45に記載の方法。
(項目47)
L 1 がC 4 アルキレンである、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記抗原がB群連鎖球菌莢膜糖類であり、
前記第一の担体がCRM197であり、
前記第一の会合が前記リンカー−NHCH 2 −を含み、
前記第二の担体が血清アルブミンであり、
前記第二の会合が前記リンカー −C(O)NHNHC(O)(CH 2 ) 4 C(O)NHNHC(O)−を含み、L 1 がC 4 アルキレンである、項目30に記載の方法。
(項目49)
単離した抗体であって、(a)配列番号2内の可変領域または配列番号4の可変領域に対して少なくとも約95%の配列同一性を持つ、アミノ酸配列を含む、少なくとも一つの可変領域であるか、または(b)配列番号33で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖の第三のCDR(LC−CDR3)、および/または配列番号24で示されるアミノ酸配列を含む重鎖の第三のCDR(HC−CDR3)を含む、抗体。
(項目50)
配列番号2内の可変領域または配列番号4内の可変領域に対し約100%配列同一性を持つアミノ酸配列を含む、少なくとも一つの可変領域を含む、項目49に記載の単離した抗体。
(項目51)
配列番号2内の可変領域に対して少なくとも約95%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV L と、配列番号4内の可変領域に対して少なくとも約95%配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV H とを含む、項目49に記載の単離した抗体。
(項目52)
配列番号2内の可変領域に対して約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV L と、配列番号4内の可変領域に対して約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV H とを含む、項目51に記載の単離した抗体。
(項目53)
配列番号2内の前記可変領域が配列番号13で示されるアミノ酸配列である、項目49〜52のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
(項目54)
配列番号4内の前記可変領域が配列番号14で示されるアミノ酸配列である、項目49〜53のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
(項目55)
前記抗体が、≦5 nMのK D でGBSタイプIII莢膜糖類に結合する、項目49〜54のうちのいずれか1項に記載の単離した抗体。
(項目56)
単離した抗体であって、(a)配列番号6内の可変領域または配列番号8の可変領域に対して少なくとも約95%の配列同一性を持つ、アミノ酸配列を含む、少なくとも一つの可変領域であるか、または(b)配列番号27で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖の第三
のCDR(LC−CDR3)、および/または配列番号30で示されるアミノ酸配列を含む重鎖の第三のCDR(HC−CDR3)を含む、抗体。
(項目57)
配列番号6内の可変領域または配列番号8内の可変領域に対し約100%配列同一性を持つアミノ酸配列を含む、少なくとも一つの可変領域を含む、項目56に記載の単離した抗体。
(項目58)
配列番号6内の可変領域に対し少なくとも約95%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV L と、配列番号8内の可変領域に対し少なくとも約95%配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV H とを含む、項目56に記載の単離した抗体。
(項目59)
配列番号6内の可変領域に対し約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV L と、配列番号8内の可変領域に対して約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV H とを含む、項目58に記載の単離した抗体。
(項目60)
配列番号6内の前記可変領域が配列番号15で示されるアミノ酸配列である、項目56〜59のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
(項目61)
配列番号8内の前記可変領域が配列番号16で示されるアミノ酸配列である、項目56〜60のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
(項目62)
前記抗体が、≦0.5 nMのK D でGBSタイプIb莢膜糖類に結合する、項目56〜61のうちのいずれか1項に記載の単離した抗体。
(項目63)
単離した抗体であって、(a)配列番号10内の可変領域または配列番号12の可変領域に対し少なくとも約95%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含む、少なくとも一つの可変領域であるか、または(b)配列番号21で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖の第三のCDR(LC−CDR3)、および/または配列番号36で示されるアミノ酸配列を含む重鎖の第三のCDR(HC−CDR3)を含む、抗体。
(項目64)
配列番号10内の可変領域または配列番号12内の可変領域に対し約100%配列同一性を持つアミノ酸配列を含む少なくとも一つの可変領域を含む、項目63に記載の単離した抗体。
(項目65)
配列番号10内の可変領域に対し少なくとも約95%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV L と、配列番号12内の可変領域に対して少なくとも約95%配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV H とを含む、項目63に記載の単離した抗体。
(項目66)
配列番号10内の可変領域に対し約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV L と、配列番号12内の可変領域に対し約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むV H とを含む、項目65に記載の単離した抗体。
(項目67)
配列番号10内の前記可変領域が配列番号17で示されるアミノ酸配列である、項目63〜66のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
(項目68)
配列番号11内の前記可変領域が配列番号18で示されるアミノ酸配列である、項目63〜67のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
(項目69)
前記抗体が、≦2.5 nMのK D でGBSタイプIa莢膜糖類に結合する、項目63〜68のうちのいずれか1項に記載の単離した抗体。
Claims (69)
- 試料中の、第一の会合により第一の担体と会合する抗原の結合体に対する抗体の存在を検出するための方法であって、前記方法が以下の手順:
(i)前記抗体の前記抗原への結合を可能にする条件下で、第二の会合により第二の担体と会合する前記抗原の結合体を前記試料と接触させる手順、および
(ii)前記抗原に結合した前記抗体の存在を検出するための薬剤を導入する手順
を含み、
ここで、第一の会合および前記第二の会合は共有結合性会合であり、および前記第一の会合は前記第二の会合とは異なる、方法。 - 前記方法が前記試料における前記抗体の濃度を測定するためのものである、請求項1に記載の方法。
- 前記試料が全血、血清および血漿を含む群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記試料が血清である、請求項3に記載の方法。
- 前記試料が妊娠した哺乳動物からの試料である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記方法がさらに以下の手順:
(iii)前記濃度を、前記抗原に対する抗体保有率(例えば、出産の間の新生児の感染に対する)についての標準判定基準と比較する手順、
を含む、請求項2に記載の方法。 - 前記抗体が免疫グロブリンG抗体である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記第一の担体がタンパク質である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記第一の担体がジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、CRM197またはタンパク質Dである、請求項8に記載の方法。
- 前記第二の担体がタンパク質である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記第二の担体が血清アルブミンである、請求項10に記載の方法。
- 前記抗原が糖類である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記糖類が細菌性の抗原である、請求項12に記載の方法。
- 前記糖類がB群連鎖球菌莢膜糖類である、請求項12に記載の方法。
- 前記第二の担体に会合する前記抗原の前記結合体が表面上に固定化される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 第二の会合により前記第二の担体に会合する前記抗原の前記結合体がマルチウェルプレート上に固定化される、任意の請求項15に記載の方法。
- 前記抗体の存在を検出する前記薬剤が前記抗体に対する標識化された抗体である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記抗体の存在を検出する前記薬剤が前記抗体に対するアルカリフォスファターゼを結合体化した抗体である、請求項17に記載の方法。
- 前記第一の会合が第一の共有結合性会合であり、また前記第二の会合が前記第一の共有結合性会合とは異なるリンカー基を含む第二の共有結合性会合である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記第一の会合が前記リンカー−NHCH2−を含む、請求項1〜19のうちのいずれかに記載の方法。
- 前記第二の会合が前記リンカー−C(O)NHNHC(O)L1C(O)NHNHC(O)−を含み、L1がアルキレン、アルケニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、アリールアルキレン、アルカリレン、またはアルキレンアリールアルキレンを含む群から選択した二価のラジカルである、請求項1〜20のうちのいずれかに記載の方法。
- L1がC4−8アルキレンまたはフェニレンである、請求項21に記載の方法。
- L1がC4アルキレンである、請求項22に記載の方法。
- 前記抗原がB群連鎖球菌莢膜糖類であり、
前記第一の担体がCRM197であり、
前記第一の会合が前記リンカー−NHCH2−を含み、
前記第二の担体が血清アルブミンであり、
前記第二の会合が前記リンカー −C(O)NHNHC(O)(CH2)4C(O)NHNHC(O)−を含み、L1がC4アルキレンである、請求項1に記載の方法。 - 請求項1、8〜14および19〜24のうちのいずれかに記載の結合体。
- 請求項25に記載の結合体で被覆されたマルチウェルプレート。
- 第一の会合により第一の担体に会合する抗原の結合体に対する抗体を検出するためのキットであって、前記キットは第二の会合により第二の担体に会合する抗原の結合体を含み、ここで、前記第一の会合および前記第二の会合は共有結合性会合であり、前記第一の会合は前記第二の会合とは異なる、キット。
- 医師による使用のための、第一の会合により第一の担体に会合する抗原の結合体を含むワクチンを提供する方法であって、(a)前記ワクチンを複数の被験者に投与する手順と、(b)試料を前記被験者から回収する手順と、(c)請求項1〜24のうちのいずれかに記載の方法を使用して各試料中の前記結合体に対する抗体の濃度を測定する手順と、(d)前記抗原に対する抗体保有率についての標準判定基準と前記濃度とを比較する手順と、前記被験者について所定の比率で、手順(d)での前記比較が抗体保有率についての前記判定基準を上回る濃度を示す場合に、(e)医師による使用のための前記ワクチンを提供する手順とを含む、方法。
- 前記所定の数の被験者が、統計的に有意な被験者の試料の80%である、請求項28に記載の方法。
- 第一の会合により第一の担体に会合する抗原の結合体を含むワクチンのバッチを放出する方法であって、以下の手順:
(a)前記抗原に対する抗体の結合を可能にする条件下で第二の会合により第二の担体に会合する前記抗原の結合体を、前記ワクチンバッチの一部分の存在下で前記結合体に対する抗体と接触させる手順と、
(b)第二の会合により第二の担体と会合する前記抗原に結合された前記抗体の存在を検出するための薬剤を導入する手順と、
(c)前記結合された抗体の量を決定する手順と、
(d)参照ワクチンで置き換えた前記ワクチンバッチの前記部分で手順(a)〜(c)を実施する手順と、
(e)各手順(c)の結果を比較する手順と、手順(e)での前記比較が、前記ワクチンバッチが放出について予め定められた要件を満足することを示す場合に、
(f)前記ワクチンを放出する手順と
を含む、方法。 - 前記抗体が免疫グロブリンG抗体である、請求項30に記載の方法。
- 前記第一の担体がタンパク質である、請求項30または請求項31に記載の方法。
- 前記第一の担体がジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、CRM197またはタンパク質Dである、請求項32に記載の方法。
- 前記第二の担体がタンパク質である、請求項30〜33のうちのいずれかに記載の方法。
- 前記第二の担体が血清アルブミンである、請求項34に記載の方法。
- 前記抗原が糖類である、請求項30〜35のうちのいずれかに記載の方法。
- 前記糖類が細菌性の抗原である、請求項36に記載の方法。
- 前記糖類がB群連鎖球菌莢膜糖類である、請求項36に記載の方法。
- 前記第二の担体に会合する前記抗原の前記結合体が表面上に固定化される、請求項30〜38のうちのいずれかに記載の方法。
- 第二の会合により前記第二の担体に会合する前記抗原の前記結合体がマルチウェルプレート上に固定化される、任意の請求項39に記載の方法。
- 前記抗体の存在を検出する前記薬剤が前記抗体に対する標識化された抗体である、請求項30〜40のうちのいずれかに記載の方法。
- 前記抗体の存在を検出する前記薬剤が前記抗体に対するアルカリフォスファターゼを結合体化した抗体である、請求項41に記載の方法。
- 前記第一の会合が第一の共有結合性会合であり、また前記第二の会合が前記第一の共有結合性会合とは異なるリンカー基を含む第二の共有結合性会合である、請求項30〜42のうちのいずれかに記載の方法。
- 前記第一の会合が前記リンカー−NHCH2−を含む、請求項30〜43のうちのいずれかに記載の方法。
- 前記第二の会合が、前記リンカー−C(O)NHNHC(O)L1C(O)NHNHC(O)−を含み、L1がアルキレン、アルケニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、アリールアルキレン、アルカリレン、またはアルキレンアリールアルキレンを含む群から選択した二価のラジカルである、請求項30〜44のうちのいずれかに記載の方法。
- L1がC4−8アルキレンまたはフェニレンである、請求項45に記載の方法。
- L1がC4アルキレンである、請求項46に記載の方法。
- 前記抗原がB群連鎖球菌莢膜糖類であり、
前記第一の担体がCRM197であり、
前記第一の会合が前記リンカー−NHCH2−を含み、
前記第二の担体が血清アルブミンであり、
前記第二の会合が前記リンカー −C(O)NHNHC(O)(CH2)4C(O)NHNHC(O)−を含み、L1がC4アルキレンである、請求項30に記載の方法。 - 単離した抗体であって、(a)配列番号2内の可変領域または配列番号4の可変領域に対して少なくとも約95%の配列同一性を持つ、アミノ酸配列を含む、少なくとも一つの可変領域であるか、または(b)配列番号33で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖の第三のCDR(LC−CDR3)、および/または配列番号24で示されるアミノ酸配列を含む重鎖の第三のCDR(HC−CDR3)を含む、抗体。
- 配列番号2内の可変領域または配列番号4内の可変領域に対し約100%配列同一性を持つアミノ酸配列を含む、少なくとも一つの可変領域を含む、請求項49に記載の単離した抗体。
- 配列番号2内の可変領域に対して少なくとも約95%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むVLと、配列番号4内の可変領域に対して少なくとも約95%配列同一性を持つアミノ酸配列を含むVHとを含む、請求項49に記載の単離した抗体。
- 配列番号2内の可変領域に対して約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むVLと、配列番号4内の可変領域に対して約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むVHとを含む、請求項51に記載の単離した抗体。
- 配列番号2内の前記可変領域が配列番号13で示されるアミノ酸配列である、請求項49〜52のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
- 配列番号4内の前記可変領域が配列番号14で示されるアミノ酸配列である、請求項49〜53のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
- 前記抗体が、≦5 nMのKDでGBSタイプIII莢膜糖類に結合する、請求項49〜54のうちのいずれか1項に記載の単離した抗体。
- 単離した抗体であって、(a)配列番号6内の可変領域または配列番号8の可変領域に対して少なくとも約95%の配列同一性を持つ、アミノ酸配列を含む、少なくとも一つの可変領域であるか、または(b)配列番号27で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖の第三のCDR(LC−CDR3)、および/または配列番号30で示されるアミノ酸配列を含む重鎖の第三のCDR(HC−CDR3)を含む、抗体。
- 配列番号6内の可変領域または配列番号8内の可変領域に対し約100%配列同一性を持つアミノ酸配列を含む、少なくとも一つの可変領域を含む、請求項56に記載の単離した抗体。
- 配列番号6内の可変領域に対し少なくとも約95%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むVLと、配列番号8内の可変領域に対し少なくとも約95%配列同一性を持つアミノ酸配列を含むVHとを含む、請求項56に記載の単離した抗体。
- 配列番号6内の可変領域に対し約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むVLと、配列番号8内の可変領域に対して約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むVHとを含む、請求項58に記載の単離した抗体。
- 配列番号6内の前記可変領域が配列番号15で示されるアミノ酸配列である、請求項56〜59のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
- 配列番号8内の前記可変領域が配列番号16で示されるアミノ酸配列である、請求項56〜60のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
- 前記抗体が、≦0.5 nMのKDでGBSタイプIb莢膜糖類に結合する、請求項56〜61のうちのいずれか1項に記載の単離した抗体。
- 単離した抗体であって、(a)配列番号10内の可変領域または配列番号12の可変領域に対し少なくとも約95%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含む、少なくとも一つの可変領域であるか、または(b)配列番号21で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖の第三のCDR(LC−CDR3)、および/または配列番号36で示されるアミノ酸配列を含む重鎖の第三のCDR(HC−CDR3)を含む、抗体。
- 配列番号10内の可変領域または配列番号12内の可変領域に対し約100%配列同一性を持つアミノ酸配列を含む少なくとも一つの可変領域を含む、請求項63に記載の単離した抗体。
- 配列番号10内の可変領域に対し少なくとも約95%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むVLと、配列番号12内の可変領域に対して少なくとも約95%配列同一性を持つアミノ酸配列を含むVHとを含む、請求項63に記載の単離した抗体。
- 配列番号10内の可変領域に対し約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むVLと、配列番号12内の可変領域に対し約100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含むVHとを含む、請求項65に記載の単離した抗体。
- 配列番号10内の前記可変領域が配列番号17で示されるアミノ酸配列である、請求項63〜66のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
- 配列番号11内の前記可変領域が配列番号18で示されるアミノ酸配列である、請求項63〜67のうちのいずれかに記載の単離した抗体。
- 前記抗体が、≦2.5 nMのKDでGBSタイプIa莢膜糖類に結合する、請求項63〜68のうちのいずれか1項に記載の単離した抗体。
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