JP2016539216A - リグニンを処理するためおよび結合剤組成物を生成するための方法 - Google Patents

リグニンを処理するためおよび結合剤組成物を生成するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、リグニンを処理するための方法であって、a)水性組成物の温度を40〜85℃に維持しながら、リグニンを水性組成物に溶解するステップであって、水性組成物はフェノール類から選択される化合物およびアルカリを含有し、アルカリはアルカリ金属の水酸化物を含む、ステップと、b)組成物のpHを6〜14のpH値に維持しながら、組成物の温度が100℃を超えないという条件で、ステップa)における組成物の温度より高い温度で組成物を加熱するステップとを含む方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、リグニンを処理するための方法および結合剤組成物を生成するためのその使用ならびにその異なる用途に関する。
リグニンは、例えば木材から抽出され得る、天然のポリマーである。リグニンは天然のバイオポリマーであるのでより環境に優しい粘着性組成物を見つけ出すために合成材料の代わりに接着剤中の成分としてのその使用が研究されてきた。特に、フェノールホルムアルデヒド樹脂などの、フェノール樹脂中の合成フェノールに置き換わる能力は、先行技術の対象とされてきた。リグニンは、樹脂組成物中の合成フェノールの量を減少する目的のために用いられ得る。リグニンは、リグニン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂の製造時にフェノールを置き換えるためにこれまで使用されてきた。
現在知られているリグニン系樹脂は、しかしながら、伝統的なフェノール樹脂が用いられている全ての用途に適するわけではない。例えば、現在知られているリグニン系樹脂は、高圧積層物には適さない。プラスチック積層物の別名でも知られる、高圧積層物(HPL)は、熱硬化性樹脂を結合剤として用いることで多層の紙、生地、または他の芯材料を加熱および圧力の影響下で一緒に融合することによって生成され得る。発明者は、樹脂中のフェノールより高い置換を生じさせしたがって高圧積層物などの異なる用途において使用するために適した特性を有するより環境に優しい結合剤組成物をもたらすであろう、方法の必要性を認識してきた。
本発明の目的は、リグニンを処理するための新しい種類の方法を提供することおよび異なる用途のための結合剤組成物を生成する方法を提供することである。本発明の目的は、新しい結合剤組成物および粘着性組成物ならびにその使用を提供することである。
本発明によるリグニンを処理するための方法は、請求項1に提示される事柄によって特徴付けられる。
本発明による結合剤組成物を生成するための方法は、請求項10に提示される事柄によって特徴付けられる。
本発明による方法によって得られる結合剤組成物は、請求項21に提示される事柄によって特徴付けられる。
本発明による粘着性組成物は、請求項22に提示される事柄によって特徴付けられる。
本発明による使用は、請求項20、23、24および25に提示される事柄によって特徴付けられる。
本発明のさらなる理解を提供しかつ本明細書の一部分を成す添付の図面は、本発明の実施形態を例示して説明と共に本発明の原理を説明することを助ける。
本発明の一実施形態によるリグニンを処理するための方法のフローチャート図である。 本発明の一実施形態による結合剤組成物を生成するための方法のフローチャート図である。
本発明は、リグニンを処理するための方法であって、
a)水性組成物の温度を40〜85℃に維持しながら、リグニンを水性組成物に溶解するステップであって、水性組成物はフェノール類から選択される化合物およびアルカリを含有し、アルカリはアルカリ金属の水酸化物を含む、ステップと、
b)組成物のpHを6〜14のpH値に維持しながら、組成物の温度が100℃を超えないという条件で、ステップa)における組成物の温度より高い温度で組成物を加熱するステップと
を含む方法に関する。
本発明は、結合剤組成物を生成するための方法であって、
a)水性組成物の温度を40〜85℃に維持しながら、リグニンを水性組成物に溶解するステップであって、水性組成物はフェノール類から選択される化合物およびアルカリを含有し、アルカリはアルカリ金属の水酸化物を含む、ステップと、
b)組成物のpHを6〜14のpH値に維持しながら、組成物の温度が100℃を超えないという条件で、ステップa)における組成物の温度より高い温度で組成物を加熱するステップと、
c)ステップb)において形成された組成物を架橋剤と混合し、組成物のpHを6〜14のpH値に維持しながら組成物を60〜100℃の温度で加熱するステップと
を含む方法にさらに関する。
本発明の一実施形態においてフェノール類から選択される化合物は、フェノール、クレゾール、レゾルシノールおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。本発明の一実施形態においてフェノール類から選択される化合物は、フェノールである。
本発明の一実施形態においてリグニンは、ステップa)において、水、フェノール類から選択される少なくとも1種の化合物、およびアルカリからなる、組成物に溶解される。本発明の一実施形態においてリグニンは、フェノール類から選択される化合物およびアルカリの水性組成物に溶解される。
本発明の一実施形態において組成物の温度は、ステップa)において、65〜80の温度、および好ましくは70〜75℃の温度に維持される。
本発明の一実施形態においてステップb)は、ステップa)における組成物の温度より少なくとも5℃、好ましくは少なくとも10℃、およびより好ましくは少なくとも20℃高い温度で組成物を加熱することを含む。
本発明の一実施形態において組成物は、ステップb)において、60〜100℃の温度で、好ましくは70〜95℃の温度で、およびより好ましくは75〜90℃の温度で加熱される。
本発明の一実施形態においてステップb)は、リグニンをフェノール類から選択される化合物およびアルカリと反応させるために行われる。
本発明の一実施形態においてさらなるアルカリが、ステップb)において組成物に追加される。本発明の一実施形態においてアルカリは、ステップa)およびステップb)において組成物に追加される。
本発明の発明者は、驚いたことに用いた特有の温度で、リグニンを、例えばフェノール、アルカリおよび水の組成物に溶解することが、リグニンを組成物に溶解するために必要な時間に有利に影響することを発見した。本発明の発明者は、ステップa)およびステップb)に従ってリグニンを処理することが、所望される場合に低pH値での結合剤組成物の製造を可能にすることを発見した。本発明の発明者は、本発明の方法によって例えば構造用木製パネル製品、および含浸上張り材料の製造に適したリグニン系結合剤組成物の生成が可能であったことを発見した。発明者は、通常溶解することが困難かつ時間が掛かる乾燥または濃縮リグニンなどの、異なる種類のリグニンが、本発明による方法によってより容易に溶解し得たことも発見した。さらに、発明者は、リグニンを活性化するために用いたアルカリは、リグニンを溶解するステップの間に消費されず、それによってより少ない化学物質が必要とされしたがって全体的な薬品費を下げることに注目した。
本発明の一実施形態においてステップb)は、リグニンをアルカリ化する(alkalating)ために行われる。アルカリ化(alkalation)ステップは、活性化されているリグニンをもたらす。本発明を何故リグニンのアルカリ化が非アルカリ化(non−alkalated)リグニンと比較してより活性化されたまたはより反応性のリグニンの形成をもたらすかに関するいかなる特定の理論にも限定しないが、アルカリ化がリグニンの巨大分子構造を開きそれによって通常リグニン構造内の反応基を無能にする立体障害が除去されることは、考慮されるべきである。アルカリ化は、リグニン巨大分子に荷電基も追加し得る。本発明の一実施形態において本発明による方法でリグニンを処理することは、リグニンを活性化する。例えば結合剤組成物を生成するためにアルカリ化リグニンを用いることの利益は、製造工程の蒸解または重合段階において非処理リグニンが用いられている、通常のケースにおけるよりも共溶性および反応挙動がはるかに良好であることである。
本明細書において、特に明記しない限り、語句「リグニン」は、任意の適したリグニン原料源由来のリグニンとして理解されるべきである。
用いられるリグニンは、本質的に純リグニンであってよい。語句「本質的に純リグニン」は、少なくとも90%純リグニン、好ましくは少なくとも95%純リグニンとして理解されるべきである。本発明の一実施形態において本質的に純リグニンは、最大でも10%、好ましくは最大でも5%の、他の成分を含む。ヘミセルロースなどのエキスおよび炭水化物は、こうした他の成分の例として言及され得る。本発明の一実施形態においてリグニンは、10重量%未満、好ましくは6重量%未満、およびより好ましくは4重量%未満の炭水化物を含有する。リグニン中に存在する炭水化物の量は、標準SCAN−CM 71に従ってパルスアンペロメトリック検出器(HPAE−PAD)を備えた高速陰イオン交換クロマトグラフィーによって測定され得る。
本発明の一実施形態においてリグニンの灰分は、7.5重量%未満、好ましくは5重量%未満、およびより好ましくは3重量%未満である。灰含有量は、有機物が燃焼する前にアルカリ塩が融解しないように(例えば20〜200℃で30分間、その後温度を200〜600℃に1時間調節し、その後温度を600〜700℃に1時間調節する)リグニン試料を炭素化すること(carbonifying)および素早く燃焼させることよって測定してよく、かつ最終的にリグニン試料は700℃で1時間強熱される。リグニン試料の灰含有量は、燃焼および強熱後の試料の残留する質量を指し、かつ試料の乾燥含有量の百分率として表される。
本発明の一実施形態においてリグニンの重量平均分子量(Mw)は、1000〜15000g/mol、好ましくは2000〜10000g/mol、およびより好ましくは3000〜8000g/molである。リグニンの分子量は、以下の方法で高速サイズ排除クロマトグラフィーを用いて決定され得る:2つの平行測定が行われる。0.1M NaOHが溶離剤として用いられる。校正は、1100〜73900g/molの分子量を有するNa−ポリスチレンスルホン酸塩標準を用いて行われる。品質管理のために、標準品質クラフトリグニンおよびPSS分子量標準が用いられる。用いられるカラムは、PSS MCXプレカラム、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーマトリクスで満たされた1000Åおよび100000Å分離カラムである。アイソクラティック法(Isocratic run program)を用いる。実行時間は、45分である。注入量は、50μlである。流速は、0.5ml毎分である。温度は、25℃である。クロマトグラフィーの結果として、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピーク分子量(Mp)および多分散指数(PDI)値が報告され得る。
本発明の一実施形態においてリグニンの数平均分子量(Mn)は、700〜4000、好ましくは800〜3000、およびより好ましくは1000〜2500である。
本発明の一実施形態においてリグニンの多分散性は、1.0〜7、好ましくは1.2〜6、およびより好ましくは1.4〜4.5である。
本発明の一実施形態において正規化されたリグニンの遊離基捕捉剤指数(NRSI)は、0.01〜20、好ましくは0.05〜10、およびより好ましくは0.1〜6である。抽出物の酸化防止剤活性は、メタノール抽出物においてDPPH法を用いて評価され得る。
ラジカル捕捉法の基本原理は、Malterudら(Pharmacol.Toxicol.1996、78:111〜116)に記載されている。方法は、DPPHがそのラジカルの性質を失う時に1,1,−ジフェニルピクリル−2−ヒドラジルラジカル(DPPH・)分子と反応する抽出物および純粋成分の能力に基づく。ラジカル形態の減少は、紫色から黄色の分解色(solution color)の変化として分光光度計で観察され得る(吸光度は、波長515nmで測定される)。RSI(ラジカル捕捉指数)は、515nmでのDPPH吸光度において50%阻害が生じた濃度の逆数として定義される。結果は、次いで試料RSIをブチルヒドロキシトルエン(BHT)対照のRSI値で割ることにより「正規化」(NRSI)してよい。
本発明の一実施形態においてリグニンの乾燥固体含有量は、98%未満、好ましくは40〜80%、およびより好ましくは50〜70%である。乾燥固体含有量は、1〜5gのリグニン試料を真空オーブン内で60℃以上の温度で4時間乾燥することにより測定してよい。
本発明の一実施形態においてリグニンは、乾燥リグニン1g当り0.1〜6mmol、好ましくは0.3〜3.5mmolの量の脂肪族ヒドロキシル基を有する。
本発明の一実施形態においてリグニンは、乾燥リグニン1g当り0.1〜5mmol、好ましくは1.5〜4.5mmolの量のフェノール性水酸基を有する。脂肪族およびフェノール性水酸基は、ホスフィチル化後にリグニン試料を31P NMR分光法で特性決定することにより判定してよくかつその後脂肪族ヒドロキシル基が定量的に判定され得る。31P NMR分析のために40mgのリグニンを、秤量して300μlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解してよい。合計200μlのピリジン溶解後、400μl(0.05M)のピリジン/CDCl中のエンド−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミドの内部標準溶液(ISTD)および100μlのピリジン/CDCl中のCr(acac)溶液が加えられる。次いで200μlのホスフィチル化試薬2−クロロ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホホランが滴下で加えられる。最後に600μlのCDClが溶液に加えられて澄んだ茶色から黒色の溶液が得られる。新しく調製された試料を、次いで31P NMRで室温で測定してよい。Bruker 500MHz NMR分光計を測定のために用いてよい。31P NMR測定は、Grannata and Argyropoulos(Grannata A.and Argyropoulos D.S.、2−クロロ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン、リグニン中の無濃縮および濃縮フェノール性部分の精密定量のための試薬。J.Agric.Food Chem、1995、43:1538〜1544)によって開発された方法に基づく。結果は、mmol/gリグニンとして計算される。
本発明の一実施形態においてリグニンは、クラフトリグニン、蒸気爆発リグニン、バイオリファイナリーリグニン、超臨界分離リグニン、加水分解リグニン、フラッシュ沈殿リグニン、バイオマス由来リグニン、アルカリパルプ化法からのリグニン、ソーダ法からのリグニン、オルガノソルブパルプ化からのリグニンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。本発明の一実施形態においてリグニンは、木材系リグニンである。リグニンは、軟木、硬木、一年生植物からまたはそれらの組み合わせから由来してよい。
異なるリグニン成分は、異なる特性、例えば分子量、モル質量、多分散性、ヘミセルロースおよびエキス含有量ならびに組成物を有し得る。
「クラフトリグニン」は、本明細書において、特に明記しない限り、クラフト黒液由来のリグニンと理解すべきである。黒液は、リグニン残留物、ヘミセルロース、およびクラフトパルプ化法において用いられる無機化学物質のアルカリ性水溶液である。パルプ化法からの黒液は、様々な割合の異なる軟木および硬木種由来の成分を含む。リグニンは、例えば沈殿およびろ過を含めた異なる技術によって黒液から分離され得る。リグニンは、通常11〜12未満のpH値で沈殿し始める。異なるpH値を、異なる特性を備えたリグニン画分を沈殿するために用いてよい。これらのリグニン画分は、分子量分布、例えばMwおよびMn、多分散性、ヘミセルロースおよびエキス含有量によって相互に異なる。より高いpH値で沈殿したリグニンのモル質量は、より低いpH値で沈殿するしたリグニンのモル質量よりも大きい。さらには、より低いpH値で沈殿したリグニン画分の分子量分布は、より高いpH値で沈殿したリグニン画分よりも広い。
沈殿したリグニンは、酸性の洗浄ステップを用いて無機不純物、ヘミセルロースおよび木材エキスから精製してよい。さらなる精製は、ろ過によって達成してよい。
本発明の一実施形態においてリグニンは、フラッシュ沈殿リグニンである。「フラッシュ沈殿リグニン」と言う語は、本明細書では200〜1000kPaの超過圧力の影響下で、二酸化炭素系酸性化剤、好ましくは二酸化炭素を用いてリグニンの沈殿レベルまで黒液流のpHを低下させること、および沈殿しているリグニンの圧力を突然解放することによって連続的なプロセスにおいて黒液から沈殿したリグニンとして理解すべきである。フラッシュ沈殿リグニンを生成するための方法は、フィンランド特許出願第20106073号に開示されている。上記方法の滞留時間は、300秒未満である。2μm未満の粒径を有する、フラッシュ沈殿したリグニン粒子は、凝集塊を形成し、これは例えばろ過を用いて黒液から分離され得る。フラッシュ沈殿リグニンの利点は、通常のクラフトリグニンと比較してそのより高い反応性である。フラッシュ沈殿リグニンは、さらなる加工のために必要な場合は精製および/または活性化してよい。
本発明の一実施形態においてリグニンは、純粋バイオマスから分離される。分離プロセスは、バイオマスを強アルカリまたは強酸で液化することで開始して中和プロセスが後に続く。アルカリ処理後リグニンを、上記に示したのと同様の方法で沈殿させてよい。本発明の一実施形態においてバイオマスからのリグニンの分離は、酵素処理のステップを含む。酵素処理は、リグニンをバイオマスから抽出されるように改質する。純粋バイオマスから分離されたリグニンは、硫黄を含まずかつしたがってさらなる加工において有用である。
本発明の一実施形態においてリグニンは、蒸気爆発リグニンである。蒸気爆発は、木材および他の繊維質有機材料に適用され得るパルプ化および抽出技術である。
「バイオリファイナリーリグニン」は、特に明記しない限り、本明細書においてバイオマスが燃料、化学物質および他の材料に変換される精製施設またはプロセスから回収され得るリグニンとして理解すべきである。
「超臨界分離リグニン」は、特に明記しない限り、本明細書において、超臨界流体分離または抽出技術を用いてバイオマスから回収され得るリグニンとして理解すべきである。超臨界状態は、所与の物質の臨界点を上回る温度および圧力に相当する。超臨界状態では、明確な液相および気相が存在しない。超臨界水または液体抽出は、超臨界状態下で水または液体を用いることによりバイオマスをセルロースの糖に分解および変換する方法である。水または液体は、溶媒として働いて、セルロース植物物質から糖を抽出しかつリグニンは固体粒子として残留する。
本発明の一実施形態においてリグニンは、加水分解リグニンである。加水分解されたリグニンは、紙パルプまたは木材化学的プロセスから回収され得る。
本発明の一実施形態においてリグニンは、オルガノソルブ法由来である。オルガノソルブは、有機溶媒を使用してリグニンおよびヘミセルロースを可溶化するパルプ化技術である。
ステップa)およびステップb)における組成物のpH値は、生成される結合剤組成物の最終用途に応じて選択してよい。
本発明の一実施形態において、組成物のpHは、ステップa)において、4〜10のpH値に、好ましくは4.5〜9.5のpH値に、より好ましくは5〜9のpH値に、およびさらにより好ましくは5.5〜8.5のpH値に維持される。本発明の一実施形態において組成物のpHは、ステップb)において、好ましくは6〜10のpH値に、より好ましくは6.5〜9.5のpH値に、およびさらにより好ましくは7〜9のpH値に維持される。これらのpH範囲の種類は、高圧積層物のための結合剤組成物を生成する場合にステップa)およびステップb)において用いられ得る。
本発明の一実施形態において、組成物のpHは、ステップa)において、4〜14のpH値に、好ましくは7〜13.5のpH値に、およびより好ましくは8.5〜13のpH値に維持される。本発明の一実施形態において組成物のpHは、ステップb)において、好ましくは7〜14のpH値に、より好ましくは9〜13.5のpH値に、およびさらにより好ましくは10〜13のpH値に維持される。これらのpH範囲の種類は、ベニヤ板のための結合剤組成物を生成する場合にステップa)およびステップb)において用いられ得る。
本発明の一実施形態においてステップb)は、10分〜2時間、好ましくは1時間〜1.5時間実行される。
本発明の一実施形態においてアルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはそれらの組み合わせである。
本発明の一実施形態においてアルカリの濃度は、ステップb)における組成物の総重量に基づいて0.1〜11重量%、および好ましくは0.5〜9重量%である。本発明の一実施形態においてアルカリの濃度は、ステップb)における組成物の総重量に基づいて0.1〜5重量%、および好ましくは0.5〜2重量%である。本発明の一実施形態においてアルカリの濃度は、ステップb)における組成物の総重量に基づいて3〜15重量%、好ましくは5〜12、およびより好ましくは6〜10重量%である。
本発明の一実施形態においてステップa)におけるリグニン濃度は、ステップa)における組成物の総重量に基づいて10〜40重量%、および好ましくは20〜30重量%である。
本発明の一実施形態においてステップa)におけるフェノール類から選択される化合物の濃度は、ステップa)における組成物の総重量に基づいて10〜50重量%、好ましくは20〜50重量%、およびより好ましくは20〜45重量%である。
ステップc)において形成された組成物を加熱するステップは、結合剤組成物の粘性が増加するように、反応物成分、すなわちリグニン、フェノール類から選択される化合物、および架橋剤を重合するために行われる。加熱は、所定の粘性値が生じるまで継続してよい。最終結合剤組成物の所定の粘性値は、結合剤組成物が用いられる特定の用途に応じて多様であってよい。
本発明の一実施形態において最終結合剤組成物の所定の粘性値は、少なくとも40cP、好ましくは少なくとも50cP、およびより好ましくは少なくとも80cPである。本発明の一実施形態において最終結合剤組成物の所定の粘性値は、少なくとも40であるが250cP以下、好ましくは少なくとも50cPであるが150cP以下、およびより好ましくは少なくとも80であるが120cP以下である。
本発明の一実施形態において最終結合剤組成物の所定の粘性値は、少なくとも250cP、好ましくは少なくとも300cP、およびより好ましくは少なくとも500cPである。本発明の一実施形態において最終結合剤組成物の所定の粘性値は、少なくとも250cPであるが1500cP以下、好ましくは少なくとも300cPであるが1200cP以下、およびより好ましくは少なくとも500であるが1000cP以下である。
粘性は、回転粘度計を用いて25℃で測定される。
本発明の一実施形態において、ステップc)は、好ましくは65〜95℃の温度で、より好ましくは70〜90℃の温度で、およびさらにより好ましくは75〜85℃の温度で組成物を加熱することを含む。
本発明の一実施形態において架橋剤は、アルデヒド、アルデヒドの誘導体、アルデヒド形成化合物およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。本発明の一実施形態においてアルデヒドの誘導体は、ヘキサメチレンテトラミン、パラホルムアルデヒドまたはトリオキサンである。本発明の一実施形態において架橋剤は、芳香族アルデヒド、グリオキサール、フルフリルアルコール、カプロラクタムおよびグリコール化合物からなる群から選択される。アルデヒドは、ホルムアルデヒドであってよい。芳香族アルデヒドは、フルフリルアルデヒドであってよい。本発明の一実施形態において架橋剤は、アルデヒド、および好ましくはホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドまたはそれらの組み合わせである。
本発明の一実施形態においてステップc)は、触媒の存在下で実行される。本発明の一実施形態において触媒は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびその任意の混合物からなる群から選択される。
本発明の一実施形態において組成物のpHは、ステップc)において、好ましくは6〜10のpH値に、より好ましくは6.5〜9.5のpH値に、およびさらにより好ましくは7〜9のpH値に維持される。
本発明の一実施形態において組成物のpHは、ステップc)において、好ましくは7〜14のpH値に、より好ましくは9〜13.5のpH値に、およびさらにより好ましくは10〜13のpH値に維持される。
本発明は、結合剤組成物の製造のための本発明による方法によって処理されたリグニンの使用にさらに関する。
本発明は、本発明による方法によって得られる結合剤組成物にさらに関する。
本発明は、本発明による結合剤組成物を含む粘着性組成物にさらに関する。粘着性組成物は、他の結合剤、増量剤、添加剤、触媒および充填剤からなる群から選択される1種または複数の粘着性成分をさらに含んでいてよい。
本発明は、積層物、および好ましくは高圧積層物を生成するために、組成物のpHが、ステップa)において4〜10の値に維持されかつステップb)において6〜10の値に維持される、本発明による方法によって得られる結合剤組成物の使用にさらに関する。
本発明は、積層物、および好ましくは高圧積層物を生成するために組成物のpHがステップc)において6〜10の値に維持される、本発明による方法によって得られる結合剤組成物の使用にさらに関する。
本発明は、鋳造材料、保護コーティング、摩擦材料、研磨材料、グラスウール、岩綿、プリプレグ、シャッターフィルム(shuttering film)、上張り、成形成分または繊維強化合成物を生成するために、組成物のpHがステップa)において4〜10の値に維持されかつステップb)において6〜10の値に維持される、本発明による方法によって得られる結合剤組成物の使用にさらに関する。
本発明は、鋳造材料、保護コーティング、摩擦材料、研磨材料、グラスウール、岩綿、プリプレグ、シャッターフィルム、上張り、成形成分または繊維強化合成物を生成するために、組成物のpHが、ステップc)において6〜10の値に維持される、本発明による方法によって得られる結合剤組成物の使用にさらに関する。
本発明は、パーティクルボード、配向性ストランドボード、合板、イントレルラム(intrallam)、接着合板(gluelam)、ハードボード、ウェハーボード、ファイバーボード、ベニヤ板、または木材粘着剤を生成するために、組成物のpHがステップa)において4〜14の値に維持されかつステップb)において7〜14の値に維持される、本発明による方法によって得られる結合剤組成物の使用にさらに関する。
本発明は、パーティクルボード、配向性ストランドボード、合板、イントレルラム、接着合板、ハードボード、ウェハーボード、ファイバーボード、ベニヤ板、または木材粘着剤を生成するために、組成物のpHが、ステップc)において、好ましくは7〜14のpH値に維持される、本発明による方法によって得られる結合剤組成物の使用にさらに関する。
上に述べた本発明の実施形態は、相互の任意の組み合わせで用いてもよい。実施形態の幾つかは、共に組み合わせられて本発明のさらなる実施形態の形を取り得る。本発明が関係する方法、組成物または使用は、上に述べた本発明の実施形態の少なくとも1つを含んでいてよい。
本発明による方法の利点は、リグニンを水性組成物に溶解するために必要とされる時間が、特定の温度を用いる場合に短縮されることである。
本発明による方法の利点は、低pH結合剤組成物、すなわち中性または酸性のpH範囲を有する結合剤組成物の製造を可能にする方法でリグニンを処理することが可能であることである。本発明による方法で処理されたリグニンは、リグニンをより反応性にする開放構造を有しそれによって低pH結合剤組成物の製造がリグニンで可能である。
本発明の利点は、高圧積層物の製造に用いられるために適したバイオ系結合剤組成物が、本発明による方法によって生成され得ることである。本発明の利点は、高圧積層物のためのより環境に優しい結合剤組成物が生成され得ることである。
ここで本発明の実施形態が詳細に参照され、その実施例が添付の図面において例示される。
下記の記述は、当業者が本開示に基づいて本発明を利用できるように本発明の幾つかの実施形態を詳細に開示する。ステップの多くは本明細書に基づいて当業者に明らかになるが、実施形態の全てのステップが詳細に説明されているというわけではない。
図1は、リグニンを処理するための本発明の一実施形態による方法を例示する。
リグニンの処理を開始する前に、リグニンの原料源を選択する。本発明による方法において用いられる他の成分およびそれらの量も選択する。必要とされる場合、図1の方法において用いられる成分は、リグニン処理プロセスに適するように前処理してよい。
種々の調製および前処理に続いて、図1に示す本発明の実施形態のうちの1つにおいて、ステップa)を実行する。ステップa)は、リグニンをフェノール類から選択される化合物およびアルカリを含有する水性組成物に溶解することを含む。アルカリは、アルカリ金属の水酸化物である。組成物の温度は、40〜85℃に維持する。
リグニンを溶解するステップの後、ステップa)において形成された組成物を、組成物のpHを6〜14のpH値に維持しながら、組成物の温度が100℃を超えないという条件で、ステップa)における組成物の温度より高い温度で加熱する。ステップb)の間にリグニンを、フェノール類から選択される化合物およびアルカリと反応させる。
ステップa)およびステップb)は、さらなる製造ステップに適しかつ例えばホルムアルデヒドと共有結合することに適しているリグニンを生じさせる。
図2は、結合剤組成物を生成するための本発明の一実施形態による方法を例示する。
図2において例示される方法は、図1に関して上述した方法に従ってステップa)およびステップb)においてリグニンを処理することから開始する。
ステップb)の後にステップb)において形成された組成物を、ステップc)において架橋剤と混合する。形成された組成物を、60〜100℃の温度で加熱して組成物中の反応物成分、すなわちリグニン、フェノール類から選択される化合物および架橋剤と、結合剤組成物を形成するために相互に反応させる。組成物のpHは、ステップc)において、6〜14のpH値に維持する。組成物の加熱は、所望される、所定の、結合剤組成物の粘性値に到達するまで継続する。
ステップc)の結果として所望の特性を有しかつ特にバイオ系成分の高比率を有する結合剤組成物が生成される。この結合剤組成物は、それ自体を接着用途に用いてよくまたは粘着性組成物を生成するために他の粘着性成分とさらに加工してよい。
実施例1−リグニンの活性化および結合剤組成物の製造のための活性化されたリグニンの使用
本実施例ではリグニンを、最初にフェノールおよび水酸化ナトリウムで処理した。次の成分およびそれらの量を用いた。
Figure 2016539216
最初にリグニンを水と混合し次いで形成された組成物に水酸化ナトリウムを加えた。pHは、約13.8の値まで上昇した。この組成物に、フェノールを加えた。組成物の温度を、リグニンを組成物に溶解している間約45℃に維持した。
次いで温度を約75℃に上昇させて約1時間加熱を継続した。組成物のpHを、組成物の加熱の間10〜11の値に維持した。
上述のように処理したリグニンを、それ以降結合剤組成物を生成するために用いた。490gのホルムアルデヒドを、上記で形成された組成物に段階的なやり方で加えた。形成された組成物を、約83〜85℃の温度でかつ回転粘度計を用いて25℃で測定されるような粘性が315cPに増加するまで加熱した。
形成された結合剤組成物を、その後分析した。分析の結果は、表1において見られる。
Figure 2016539216
表1においてMRは、分子比、すなわちmol(ホルムアルデヒド)/mol(フェノール+リグニン)の比率を表わす。
ゲル化時間を、ロッドを備えた試験管において0.5mlの試料を加えることによって測定した。試料は、撹拌してはならなかった。試験管を、グリセリンまたは油浴中で混合せずに100℃に加熱した。試料がペースト状(融解した固体)になるまでの時間を測定しその後測定が完了した。
表1に示された結果から固体含有量は、ベニヤ板または配向性ストランドボードなどの木製パネル製品のために用いられる結合剤組成物に適したレベルにあることが分かる。
実施例2−リグニンの活性化および結合剤組成物の製造のための活性化されたリグニンの使用
本実施例ではリグニンを、最初にフェノールおよび水酸化ナトリウムで処理した。次の成分およびそれらの量を用いた。
Figure 2016539216
最初に水性組成物を、水、フェノールおよび水酸化ナトリウムを混合することによって形成した。この水性組成物に、リグニンを加えた。組成物の温度を、リグニンを組成物に溶解している間約70〜75℃に維持した。
次いで温度を約90℃に上昇させて約10分間加熱を継続した。組成物のpHを、組成物の加熱の間8〜8.3の値に維持した。
上述のように処理したリグニンを、それ以降結合剤組成物を生成するために用いた。568gのパラホルムアルデヒドを、上記で形成された組成物に段階的なやり方で加えた。形成された組成物を、約78〜90℃の温度でかつ回転粘度計を用いて25℃で測定されるような粘性が約94cPになるまで加熱した。
形成された結合剤組成物を、その後分析した。分析の結果は、表2において見られる。
Figure 2016539216
表2においてMRは、分子比、すなわちmol(パラホルムアルデヒド)/mol(フェノール+リグニン)の比率を表わす。
ゲル化時間を、ロッドを備えた試験管において0.5mlの試料を加えることによって測定した。試料は、撹拌してはならなかった。試験管を、グリセリンまたは油浴中で混合せずに100℃に加熱した。試料がペースト状(融解した固体)になるまでの時間を測定しその後測定が完了した。
表2に示された結果から固体含有量は、高圧積層物などの積層物および上張りのために用いられる結合剤組成物に適したレベルにあることが分かる。水分許容性は、高圧積層物などの積層物およびシャッターフィルムのために使用される伝統的に用いられるフェノール−ホルムアルデヒド結合剤組成物よりも良好である。
実施例3−ベニヤ板の生成
実施例1において生成された結合剤組成物を、粘着性組成物の製造のために用いた。結合剤組成物を、その例として例えばデンプン、木粉および硬化剤(例えばタンニンまたは炭酸塩)が言及され得る、したがって粘着性組成物を形成する、増量剤、充填剤、触媒、添加剤と混合した。その後、1.5mm未満の厚さを有する単板を、9−ベニヤ板を生成するために生成した粘着性組成物と合わせて接着した。8分後、冷間プレスパネルを、130℃で熱プレスした。結果は、接着効果が、単板を接着するために十分に良好であったことを示した。
実施例4−シャッターフィルムの生成
実施例2において生成された結合剤組成物を、シャッターフィルムの製造のために用いた。42g/mの重量を有するクラフト紙を、結合剤組成物を含浸させて130℃で乾燥させた。含浸した紙を、ベニヤ板の片側上で145℃で6分間加圧した。結果は、シャッターフィルムが、十分に良好に機能したことを示し、表面上の膨れまたは剥離は観察されなかった。
実施例5−リグニンの活性化および結合剤組成物の製造のための活性化されたリグニンの使用
本実施例ではリグニンを、最初にフェノールおよび水酸化ナトリウムで処理した。次の成分およびそれらの量を用いた。
Figure 2016539216
最初に水性組成物を、水、フェノールおよび水酸化ナトリウムを混合することによって形成した。この水性組成物に、リグニンを加えた。組成物の温度を、リグニンを組成物に溶解している間約70〜75℃に維持した。
次いで温度を約90℃に上昇させて約10分間加熱を継続した。組成物のpHを、組成物の加熱の間8〜8.3の値に維持した。
上述のように処理したリグニンを、それ以降結合剤組成物を生成するために用いた。568gのパラホルムアルデヒドを、上記で形成された組成物に段階的なやり方で加えた。形成された組成物を、約76℃の温度で回転粘度計を用いて25℃で測定されるような粘性が約930cPになるまで加熱した。
形成された結合剤組成物を、その後分析した。分析の結果は、表3において見られる。
Figure 2016539216
表3においてMRは、分子比、すなわちmol(パラホルムアルデヒド)/mol(フェノール+リグニン)の比率を表わす。
ゲル化時間を、ロッドを備えた試験管において0.5mlの試料を加えることによって測定した。試料は、撹拌してはならなかった。試験管を、グリセリンまたは油浴中で混合せずに130℃に加熱した。試料がペースト状(融解した固体)になるまでの時間を測定しその後測定が完了した。
形成された結合剤組成物を、最初に結合剤組成物の重量に基づいて、約2重量%のジエチレングリコール(DEG)および次いで結合剤組成物の重量に基づいて、1重量%未満のグリコール酸を、冷却した結合剤組成物に加えることによってプリプレグを生成するために用いた。
実施例6−岩綿の形成
本実施例では岩綿を形成した。最初にリグニンを、フェノールおよび水酸化ナトリウムで処理した。次の成分およびそれらの量を用いた。
Figure 2016539216
最初にリグニンを、水、フェノールおよび水酸化ナトリウムの組成物に加えた。この組成物に45.4gのホウ砂を段階的なやり方で加えた。ホウ砂は、耐火性を向上させるためおよび抗カビ剤(anti−moulding agent)として機能させるために岩綿において一般的に使用される製品である。ホウ砂は、リグニンが溶解してフェノールおよびNaOHとの反応が可能になる反応に参加しない。ホウ砂は、ポリマーマトリクスにおける均一な分散を確実にするためにプロセスの始めに組成物に加えてよいが結合剤組成物形成後にのみ加えることも可能であった。
リグニンを溶解させている間組成物の温度を約42℃におよび組成物のpHを約9〜10に維持した。
その後組成物の温度を、50℃に上昇させてリグニンを組成物中のフェノールおよび水酸化ナトリウムと約1時間反応させた。組成物のpHは、約9.3であった。
上記手順によってリグニンが活性化された後、1093.5gのホルムアルデヒドを組成物に加えて組成物を65℃で約2.5時間加熱した。pHを、約8.8に維持した。次いで組成物を、40℃の温度に冷却し、組成物の重量に基づいて、約1重量%のホウ酸を加え続いて組成物の重量に基づいて、約4〜5重量%の尿素を加えた。
技術の進歩のために本発明の基本的着想が種々の方法において実践され得ることは当業者に明らかである。本発明およびその実施形態はしたがって、上記の実施例に限定されず、むしろこれらは特許請求の範囲内で異なり得る。

Claims (25)

  1. a)水性組成物の温度を40〜85℃に維持しながら、リグニンを前記水性組成物に溶解するステップであって、前記水性組成物はフェノール類から選択される化合物およびアルカリを含有し、前記アルカリはアルカリ金属の水酸化物を含む、ステップと、
    b)前記組成物のpHを6〜14のpH値に維持しながら、前記組成物の温度が100℃を超えないという条件で、ステップa)における前記組成物の温度より高い温度で、前記組成物を加熱するステップと
    を含むことを特徴とする、リグニンを処理するための方法。
  2. フェノール類から選択される前記化合物が、フェノール、クレゾール、レゾルシノールおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. ステップa)において、前記組成物の温度が、65〜80℃の温度、好ましくは70〜75℃の温度に維持される、請求項1〜2のいずれか一項に記載の方法。
  4. ステップb)が、ステップa)における前記組成物の温度より少なくとも5℃、好ましくは少なくとも10℃、より好ましくは少なくとも20℃高い温度で前記組成物を加熱することを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ステップa)において、前記組成物のpHが、4〜10のpH値、好ましくは4.5〜9.5のpH値、より好ましくは5〜9のpH値、さらにより好ましくは5.5〜8.5のpH値に維持される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ステップb)において、前記組成物のpHが、好ましくは6〜10のpH値、より好ましくは6.5〜9.5のpH値、さらにより好ましくは7〜9のpH値に維持される、請求項5に記載の方法。
  7. ステップa)において、前記組成物のpHが、4〜14のpH値、好ましくは7〜13.5のpH値、より好ましくは8.5〜13のpH値に維持される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  8. ステップb)において、前記組成物のpHが、好ましくは7〜14のpH値、より好ましくは9〜13.5のpH値、さらにより好ましくは10〜13のpH値に維持される、請求項7に記載の方法。
  9. ステップb)において、前記組成物が、60〜100℃の温度で、好ましくは70〜95℃の温度で、より好ましくは75〜90℃の温度で加熱される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. a)水性組成物の温度を40〜85℃に維持しながら、リグニンを前記水性組成物に溶解するステップであって、前記水性組成物はフェノール類から選択される化合物およびアルカリを含有し、前記アルカリはアルカリ金属の水酸化物を含む、ステップと、
    b)前記組成物のpHを6〜14のpH値に維持しながら、前記組成物の温度が100℃を超えないという条件で、ステップa)における前記組成物の温度より高い温度で、前記組成物を加熱するステップと、
    c)ステップb)において形成された前記組成物を架橋剤と混合し、前記組成物のpHを6〜14のpH値に維持しながら前記組成物を60〜100℃の温度で加熱するステップと
    を含むことを特徴とする結合剤組成物を生成するための方法。
  11. ステップb)が、ステップa)における前記組成物の前記温度より少なくとも5℃、好ましくは少なくとも10℃、より好ましくは少なくとも20℃高い、温度で前記組成物を加熱することを含む、請求項10に記載の方法。
  12. ステップc)が、好ましくは65〜95℃の温度で、より好ましくは70〜90℃の温度で、さらにより好ましくは75〜85℃の温度で前記組成物を加熱することを含む、請求項10〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. ステップa)において、前記組成物のpHが、4〜10のpH値、好ましくは4.5〜9.5のpH値、より好ましくは5〜9のpH値、さらにより好ましくは5.5〜8.5のpH値に維持される、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. ステップb)において、前記組成物のpHが、好ましくは6〜10のpH値、より好ましくは6.5〜9.5のpH値、さらにより好ましくは7〜9のpH値に維持される、請求項13に記載の方法。
  15. ステップa)において、前記組成物のpHが、4〜14のpH値、好ましくは7〜13.5のpH値、より好ましくは8.5〜13のpH値に維持される、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
  16. ステップb)において、前記組成物のpHが、好ましくは7〜14のpH値、より好ましくは9〜13.5のpH値、さらにより好ましくは10〜13のpH値に維持される、請求項15に記載の方法。
  17. ステップc)において、前記組成物のpHが、6〜10のpH値、好ましくは6.5〜9.5のpH値、より好ましくは7〜9のpH値に維持される、請求項10〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. ステップc)において、前記組成物のpHが、7〜14のpH値、より好ましくは9〜13.5のpH値、さらにより好ましくは10〜13のpH値に維持される、請求項10〜16のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記架橋剤が、アルデヒド、好ましくはホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドまたはそれらの組み合わせである、請求項10〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 結合剤組成物の製造のための請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法によって処理されたリグニンの使用。
  21. 請求項10〜19のいずれか一項に記載の方法によって取得可能な結合剤組成物。
  22. 請求項21に記載の結合剤組成物を含む粘着性組成物。
  23. 積層物、好ましくは高圧積層物の生成のための請求項14または請求項17に記載の方法によって取得可能な結合剤組成物の使用。
  24. 鋳造材料、保護コーティング、摩擦材料、研磨材料、グラスウール、岩綿、プリプレグ、シャッターフィルム、上張り、成形成分または繊維強化合成物を生成するための請求項14または請求項17に記載の方法によって取得可能な結合剤組成物の使用。
  25. パーティクルボード、配向性ストランドボード、合板、イントレルラム、接着合板、ハードボード、ウェハーボード、ファイバーボード、ベニヤ板、または木材粘着剤を生成するための請求項16または請求項18に記載の方法によって取得可能な結合剤組成物の使用。

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