1.定義
「アナログ」および「誘導体」は、本明細書では互換的に使用され、親化合物と同じステロイド系ラクトンコアを有するが、結合次数、1個もしくは複数の原子および/または原子群の不在または存在、ならびにそれらの組み合わせの点で親化合物とは異なる、化合物を指す。誘導体は、親化合物とは、例えば、ステロイド系ラクトンコア上に存在している1つまたは複数の置換基の点で異なることができ、このラクトンコアは、1個もしくは複数の原子、官能基または部分構造を含み得る。誘導体はまた、ステロイド系ラクトンコア内の原子間の結合次数の点で親化合物とは異なり得る。一般に、誘導体は、化学的および/または物理的過程により、少なくとも理論的にその親化合物から形成が想像され得るものである。例えば、ウィザフェリンAの誘導体には、ステロイド系ラクトンコアに結合している1つまたは複数の置換基を有する化合物が含まれる。
「共投与」には、本明細書で使用する場合、同時および逐次投与が含まれる。逐次投与の適切な時間経過は、患者の病気の性質および患者の状態などの要因に従い、医師により選択することができる。
「薬学的に許容される」とは、本明細書で使用する場合、化合物、材料、組成物および/または剤形を指し、これらは、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、もしくは他の問題、または合併症なく、ヒトおよび動物の組織に接触させて使用するのに適しており、合理的な利益/リスク比と釣り合いのとれているものである。
「プロドラッグ」とは、本明細書で使用する場合、不活性(または、かなり活性に乏しい)形態で、被験体に投与される、薬理学的物質(薬物)を指す。プロドラッグは、一旦投与されると、体内(in vivo)で代謝されて、所望の薬理学的活性を有する化合物になる。
「アルキル」とは、本明細書で使用する場合、直鎖アルキル、アルケニルまたはアルキニル基、分岐鎖アルキル、アルケニルまたはアルキニル基、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル基、およびシクロアルキル置換アルキル、アルケニルまたはアルキニル基を含めた、飽和または不飽和の脂肪族基のラジカルを指す。特に示さない限り、直鎖または分枝鎖アルキルは、その骨格に、30個またはそれ未満の炭素原子(例えば、直鎖の場合、C1〜C30、分岐鎖の場合、C3〜C30)、より好ましくは20個またはそれ未満の炭素原子、より好ましくは12個またはそれ未満の炭素原子、および最も好ましくは8個またはそれ未満の炭素原子を有する。同様に、好ましいシクロアルキルは、その環構造中に、3〜10個の炭素原子を有しており、より好ましくは、その環構造中に、5個、6個または7個の炭素を有する。上で提示されている範囲は、最小値と最大値との間の値をすべて含む。
用語「アルキル」には、「無置換アルキル」および「置換アルキル」のどちらも含まれ、後者の置換アルキルは、炭化水素骨格の1個または複数の炭素上の水素を置き換える、1つまたは複数の置換基を有するアルキル部分を指す。こうした置換基には、以下に限定されないが、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシルなど)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメートなど)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフィドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分が含まれる。
炭素数が特に特定されていない限り、「低級アルキル」は、本明細書で使用する場合、上で定義されているアルキル基であるが、その骨格構造中に、1個から10個の炭素、より好ましくは1個から6個の炭素骨格原子を有するアルキル基を意味する。同様に、「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は、同様の鎖長を有する。好ましいアルキル基は、低級アルキルである。
アルキル基はまた、その炭素骨格内に1個または複数のヘテロ原子を含有してもよい。好ましくは、炭素骨格に組み込まれているヘテロ原子は、酸素、窒素、硫黄、およびそれらの組み合わせである。ある特定の実施形態では、アルキル基は1個から4個の間のヘテロ原子を含有する。
「アルケニル」および「アルキニル」は、本明細書で使用する場合、長さが類似(例えば、C2〜C30)している1つもしくは複数の二重結合または三重結合、および上記のアルキル基に可能な置換を含有する、不飽和脂肪族基を指す。
「アリール」とは、本明細書で使用する場合、5員、6員および7員の芳香族環を指す。この環は、ハロゲン、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基により任意選択で置換されている、炭素環式、複素環式、縮合炭素環式、縮合複素環式、二炭素環式または二複素環式環系とすることができる。幅広く定義される「Ar」は、本明細書で使用する場合、0〜4個のヘテロ原子を含み得る5員、6員および7員の単環芳香族基、例えば、ベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどを含む。環構造中にヘテロ原子を有するアリール基は、「ヘテロアリール」、「アリール複素環」または「ヘテロ芳香族」と呼ぶこともできる。この芳香族環は、上記のこうした置換基、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフィドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族またはヘテロ芳香族部分、−CF3、−CNなどで、環の1つまたは複数の位置において置換され得る。用語「Ar」にはまた、2つまたはそれより多い環式環を有する多環式環系が含まれ、2個またはそれより多い炭素が、隣接する2つの環に共通しており(これらの環は「縮合環」である)、この場合、これらの環の少なくとも1つは芳香族であり、例えば、他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/または複素環とすることができる。複素環式環の例は、以下に限定されないが、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリニル、カルバゾリル、4aHカルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3 b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシインドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニルおよびキサンテニルが含まれる。
「アルキルアリール」とは、本明細書で使用する場合、アリール基(例えば、芳香族またはヘテロ芳香族基)で置換されているアルキル基を指す。
「複素環」または「複素環式」とは、本明細書で使用する場合、炭素および1〜4個のヘテロ原子(それぞれ、非ペルオキシド酸素、硫黄およびN(Y)からなる群から選択され、Yは、存在しないか、またはH、O、(C1〜4)アルキル、フェニルあるいはベンジルである)からなる3〜10個の環原子、好ましくは5〜6個の環原子を含有する単環式または二環式環の環炭素または窒素を介して結合している環式ラジカルであって、1つもしくは複数の二重結合または三重結合を任意選択で含有しており、1つまたは複数の置換基で任意選択で置換されている、環式ラジカルを指す。用語「複素環」はまた、置換および無置換ヘテロアリール環も包含する。複素環式環の例は、以下に限定されないが、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシインドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニルおよびキサンテニルが含まれる。
「ヘテロアリール」とは、本明細書で使用する場合、炭素および1個、2個、3個または4個のヘテロ原子(それぞれ、非ペルオキシド酸素、硫黄およびN(Y)からなる群から選択され、Yは、存在しないか、またはH、O、(C1〜C8)アルキル、フェニルもしくはベンジルである)からなる5個または6個の環原子を含有する、単環式芳香族環を指す。ヘテロアリール基の非限定例には、フリル、イミダゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、オキサゾイル、イソオキサゾイル、チアゾリル、イソチアゾイル、ピラゾリル、ピロリル、ピラジニル、テトラゾリル、ピリジル(またはそのN−オキシド)、チエニル、ピリミジニル(またはそのN−オキシド)、インドリル、イソキノリル(またはそのN−オキシド)、キノリル(またはそのN−オキシド)などが含まれる。用語「ヘテロアリール」は、それから誘導される約8〜10個の環原子のオルト縮合二環式複素環のラジカル、特に、ベンゾ誘導体、またはそれにプロピレン、トリメチレンまたはテトラメチレンジラジカルが縮合することにより誘導されるものを含み得る。ヘテロアリールの例は、フリル、イミダゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、オキサゾイル、イソオキサゾイル、チアゾリル、イソチアゾイル、ピラキソリル、ピロリル、ピラジニル、テトラゾリル、ピリジル(またはそのN−オキシド)、チエンチル、ピリミジニル(またはそのN−オキシド)、インドリル、イソキノリル(またはそのN−オキシド)、キノリル(またはそのN−オキシド)などを挙げることができる。
「ハロゲン」とは、本明細書で使用する場合、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。
用語「置換されている」とは、本明細書で使用する場合、本明細書において記載されている化合物の容認されるすべての置換基を指す。最も広義では、容認される置換基には、有機化合物の、非環式および環式の分岐状および非分岐状の、炭素環式および複素環式、芳香族性および非芳香族性置換基が含まれる。例示的な置換基には、以下に限定されないが、ハロゲン、ヒドロキシル基、または任意の炭素原子数、好ましくは1〜14個の炭素原子を含有する、任意の他の有機基が含まれ、線状、分岐状または環式構造形式中に酸素、硫黄または窒素基などの1個または複数のヘテロ原子が任意選択で含まれる。代表的な置換基には、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、フェノキシ、置換フェノキシ、アロキシ、置換アロキシ、アルキルチオ、置換アルキルチオ、フェニルチオ、置換フェニルチオ、アリールチオ、置換アリールチオ、シアノ、イソシアノ、置換イソシアノ、カルボニル、置換カルボニル、カルボキシル、置換カルボキシル、アミノ、置換アミノ、アミド、置換アミド、スルホニル、置換スルホニル、スルホン酸、ホスホリル、置換ホスホリル、ホスホニル、置換ホスホニル、ポリアリール、置換ポリアリール、C3〜C20環式、置換C3〜C20環式、複素環式、置換複素環式、アミノ酸、ペプチドおよびポリペプチド基が含まれる。
窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、および/またはヘテロ原子の原子価を満足する、本明細書に記載されている有機化合物の容認される任意の置換基を有することができる。「置換」または「置換されている」には暗黙のものが含まれるが、但し、こうした置換は、置換原子および置換基の容認される原子価に従うこと、および置換は、安定な化合物、すなわち、転位、環化、脱離などにより変換を自発的に受けない化合物をもたらす条件であることが理解される。
「肥満の」とは、本明細書で使用する場合、30kg/m2を超えるボディマス指数を有する患者を指す。「過体重」および「やや肥満」とは、本明細書で使用する場合、25kg/m2を超えるボディマス指数を有する患者を指す。「病的に肥満の」とは、本明細書で使用する場合、40kg/m2を超えるボディマス指数、1つまたは複数の共存症と組み合わせて35kg/m2を超えるボディマス指数、制御できない糖尿病と組み合わせて30kg/m2を超えるボディマス指数、またはそれらの組み合わせを有する患者を指す。
「有効量」または「治療有効量」とは、本明細書で使用する場合、やや肥満、肥満もしくは病的肥満の患者における体重減少を誘発するため、やや肥満、肥満もしくは病的肥満の患者における体脂肪を低減するため、やや肥満、肥満もしくは病的肥満の患者における食物摂取量を低減するため、やや肥満、肥満もしくは病的肥満の患者におけるグルコースホメオスタシスを改善するため、正常、やや肥満、肥満もしくは病的肥満の患者における体重増加を防止するため、および/または上記の患者におけるボディマス指数の増加を防止するため、またはそれらの組み合わせのために有効な体重減少剤の量を指す。
本体重減少剤はまた、上記の化合物のいずれかの薬学的に許容される塩とすることもできる。一部の場合、安定性の向上または所望の溶解度もしくは溶解プロファイルなどの1つまたは複数の塩の有利な物理特性のために、上記の化合物の塩を調製することが望ましいことがある。
一般に、薬学的に許容される塩は、遊離酸または遊離塩基の形態の上記の化合物を化学量論量の適切な塩基または酸を水中、有機溶媒中、またはこれら2つの混合物中で反応させることにより調製することができる。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルを含む非水性媒体が好ましい。適切な塩の一覧は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第20版、Lippincott Williams & Wilkins、Baltimore、MD、2000年、704頁および「Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use」P. Heinrich StahlおよびCamille G. Wermuth(編)、Wiley−VCH、Weinheim、2002年において見いだされる。
好適な薬学的に許容される酸付加塩には、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、ホウ酸、フルオロホウ酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、炭酸、スルホン酸および硫酸などの無機酸、ならびに酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イセチオン酸(isothionic)、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、コハク酸、トルエンスルホン酸、酒石酸およびトリフルオロ酢酸などの有機酸から誘導されたものが含まれる。
好適な有機酸には、一般に、例えば、脂肪族、シクロ脂肪族、芳香族、アラリファティック(araliphatic)、複素環式、カルボン酸、およびスルホン酸のクラスの有機酸が含まれる。好適な有機酸の具体例には、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、二グルコン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、グルクロン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ピルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、アントラニル酸、メシル酸塩、ステアリン酸塩、サリチル酸塩、p−ヒドロキシ安息香酸塩、フェニル酢酸塩、マンデル酸塩、エンボン酸塩(パモ酸塩)、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パントテン酸塩、トルエンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、スルファニル酸塩、シクロヘキシルアミノスルホン酸塩、アルゲン酸(algenic acid)、β−ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸塩、ガラクツロン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、酪酸塩、カンフォレート、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、グリコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩が含まれる。
一部の場合、薬学的に許容される塩は、ナトリウムまたはカリウム塩を含めたアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩、および好適な有機配位子と形成される塩、例えば四級アンモニウム塩が含まれ得る。塩基の塩はまた、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、コリン、ジエチルアミン、ジオラミン、グリシン、リシン、メグルミン、オラミン、トロメタミンおよび亜鉛塩を含めた、非毒性塩を形成する塩基から形成することができる。
有機塩は、トロメタミン、ジエチルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)およびプロカインなどの二級、三級または四級アミン塩から作製することができる。塩基性窒素を含有する基はまた、ハロゲン化低級アルキル(C1〜C6)(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチル)、硫酸二アルキル(例えば、硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル(dibuytl)およびジアミル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル)、ハロゲン化アリールアルキル(例えば、臭化ベンジルおよびフェネチル)および他のものなどの作用物質により四級化することもできる。
本体重減少剤はまた、上記の化合物のいずれかの薬学的に許容されるプロドラッグとすることもできる。プロドラッグは、in vivoで代謝されると、所望の薬理学的活性を有する化合物へと変換を受ける化合物である。プロドラッグは、例えば、H. Bundgaar、Design of Prodrugs(1985年)において記載されている通り、上記の化合物中に存在している適切な官能基を「前駆部分(pro−moiety)」により置き換えることにより調製することができる。プロドラッグの例には、上記化合物のエステル、エーテルまたはアミド誘導体、上記化合物のポリエチレングリコール誘導体、生物学的に還元されて活性なアミンとなるN−アシルアミン誘導体、ジヒドロピリジンピリジン誘導体、ポリペプチドに結合体化されているアミノ含有誘導体、2−ヒドロキシベンズアミド誘導体、カルバメート誘導体、N−オキシド誘導体、およびN−マンニッヒ塩基誘導体が含まれる。プロドラッグのさらなる考察に関しては、例えば、Rautio, J.ら、Nature Reviews Drug Discovery.、7巻:255〜270頁(2008年)を参照されたい。
II.体重減少剤
体重減少を促進する、体脂肪を低減するため、食物摂取量を低減するため、グルコースホメオスタシスを改善するため、またはそれらの組み合わせのために投与することができる、四環式トリテルペンが本明細書において提供される。
ある特定の実施形態では、体重減少剤は、式Iにより定義される化合物:
(式中、R1〜R7は、独立して、水素、カルボン酸(−COOH)、ホルミル、アシル、一級アミド(例えば、−CONH2)、二級アミド(例えば、−CONHR8)、三級アミド(例えば、−CONR8R8)、二級カルバメート(例えば、−OCONHR8;−NHCOOR8)、三級カルバメート(例えば、−OCONR8R8;−NR8COOR7)、尿素(例えば、−NHCONHR8;−NR8CONHR8;−NHCONR8R8、−NR8CONR8R8)、カルビノール(例えば、−CH2OH;−CHR8OH、−CR8R8OH)、エーテル(例えば、−OR8)、エステル(例えば、−COOR8)、アルコール(−OH)、チオール(−SH)、一級アミン(−NH2)、二級アミン(例えば、−NHR8)、三級アミン(例えば、−NR8R8)、チオエーテル(例えば、−SR8)、スルフィニル基(例えば、−SOR8)、スルホニル基(例えば、−SOOR8)、スルフィノ基、ハロゲン、ニトリルもしくはCF3;またはアルキル、シクロプロピル、シクロブチルエーテル、アミン、ハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、ニトリル、CF3、エステル、アミド、尿素、カルバメート、チオエーテル、カルボン酸、およびアリールから個別に選択される1〜5個の間の置換基で任意選択で置換されている、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、アリール、もしくはヘテロアリール基であり、
R8は、存在する場合、出現毎に個別に、アルキル、シクロプロピル、シクロブチルエーテル、アミン、ハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、ニトリル、CF3、エステル、アミド、尿素、カルバメート、チオエーテル、カルボン酸およびアリールから個別に選択される1〜5個の間の置換基で任意選択で置換されている、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール基であり、
点線は、単結合または二重結合を表す)
または薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグ
である。
一部の実施形態では、本化合物は、ウィザフェリンAである。他の実施形態では、本化合物は、ウィザフェリンAのマイケル付加生成物である。マイケル付加反応は、環Aおよび/または環Eで起こり得る。さらに他の実施形態では、本化合物は、2,3−ジヒドロウィザフェリンA;2,3−ジヒドロ−27−デオキシウィザフェリンA;2,3,24,25−テトラヒドロ−27−デオキシウィザフェリンA、4−デヒドロウィザフェリンA1;ウィザフェリンA二酢酸塩;15β−ヒドロキシウィザフェリンA;12β−ヒドロキシウィザフェリンA1;UN−R1(Rの代謝産物、単一);UN−R2(Rの代謝産物、単一)から選択される。
本体重減少剤は、1個または複数のキラル中心を有することがあり、したがって、1つまたは複数の立体異性体として存在する。こうした立体異性体は、単一鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオマーの混合物、またはラセミ混合物として存在することができる。
本明細書で使用する場合、用語「立体異性体」とは、同じ結合次数を有する同一原子から構成されるが、互換可能ではない3次元の異なる原子配置を有する化合物を指す。3次元構造は、立体配置と呼ばれる。本明細書で使用する場合、用語「鏡像異性体」とは、互いに重なり合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を指す。本明細書で使用する場合、用語「光学異性体」は、用語「鏡像異性体」と等価である。本明細書で使用する場合、用語「ジアステレオマー」とは、鏡像ではないが、やはり重なり合わせることができない、2つの立体異性体を指す。用語「ラセミ体」、「ラセミ混合物」または「ラセミ修飾」とは、等量部の鏡像異性体の混合物を指す。用語「キラル中心」とは、4つの異なる基が結合している、炭素原子を指す。標準的な技法を使用する、一対の鏡像異性体の分離を行うのに必要な適切なキラルカラム、溶離液および条件の選択は、当業者に周知である(例えば、Jacques, J.ら、「Enantiomers, Racemates, and Resolutions」、John Wiley and Sons, Inc. 1981年を参照されたい)。
上記の種類の構造は、特定の立体化学を示す。しかし、1個または複数の立体中心周りの立体化学が異なる、他の鏡像異性体およびジアステレオマーは、本明細書に記載されている通りである。
本体重減少剤はまた、上記の化合物のいずれかの薬学的に許容される塩とすることもできる。一部の場合、安定性の向上または所望の溶解度もしくは溶解プロファイルなどの1つまたは複数の塩の有利な物理特性のために、上記の化合物の塩を調製することが望ましいことがある。
一般に、薬学的に許容される塩は、遊離酸または遊離塩基の形態の上記の化合物を化学量論量の適切な塩基または酸を水中、有機溶媒中、またはこれら2つの混合物中で反応させることにより調製することができる。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルを含む非水性媒体が好ましい。適切な塩の一覧は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第20版、Lippincott Williams & Wilkins、Baltimore、MD、2000年、704頁および「Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use」P. Heinrich StahlおよびCamille G. Wermuth(編)、Wiley−VCH、Weinheim、2002年において見いだされる。
好適な薬学的に許容される酸付加塩には、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、ホウ酸、フルオロホウ酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、炭酸、スルホン酸および硫酸などの無機酸、ならびに酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、コハク酸、トルエンスルホン酸、酒石酸およびトリフルオロ酢酸などの有機酸から誘導されたものが含まれる。
好適な有機酸には、一般に、例えば、脂肪族、シクロ脂肪族、芳香族、アラリファティック、複素環式、カルボン酸、およびスルホン酸のクラスの有機酸が含まれる。好適な有機酸の具体例には、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、二グルコン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、グルクロン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ピルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、アントラニル酸、メシル酸塩、ステアリン酸塩、サリチル酸塩、p−ヒドロキシ安息香酸塩、フェニル酢酸塩、マンデル酸塩、エンボン酸塩(パモ酸塩)、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パントテン酸塩、トルエンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、スルファニル酸塩、シクロヘキシルアミノスルホン酸塩、アルゲン酸、β−ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸塩、ガラクツロン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、酪酸塩、カンフォレート、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、グリコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペクチン酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩が含まれる。
一部の場合、薬学的に許容される塩は、ナトリウムまたはカリウム塩を含めたアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩、および好適な有機配位子と形成される塩(例えば、四級アンモニウム塩)が含まれ得る。塩基の塩はまた、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、コリン、ジエチルアミン、ジオラミン、グリシン、リシン、メグルミン、オラミン、トロメタミンおよび亜鉛塩を含めた、非毒性塩を形成する塩基から形成することができる。
有機塩は、トロメタミン、ジエチルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)およびプロカインなどの二級、三級または四級アミン塩から作製することができる。塩基性窒素を含有する基はまた、ハロゲン化低級アルキル(C1〜C6)(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチル)、硫酸二アルキル(例えば、硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル)、ハロゲン化アリールアルキル(例えば、臭化ベンジルおよびフェネチル)および他のものなどの作用物質により四級化することもできる。
本体重減少剤はまた、上記の化合物のいずれかの薬学的に許容されるプロドラッグとすることもできる。プロドラッグは、in vivoで代謝されると、所望の薬理学的活性を有する化合物へと変換を受ける化合物である。プロドラッグは、例えば、H. Bundgaar、Design of Prodrugs(1985年)において記載されている通り、上記の化合物中に存在している適切な官能基を「前駆部分」により置き換えることにより調製することができる。プロドラッグの例には、上記化合物のエステル、エーテルまたはアミド誘導体、上記化合物のポリエチレングリコール誘導体、生物学的に還元されて活性なアミンとなるN−アシルアミン誘導体、ジヒドロピリジンピリジン誘導体、ポリペプチドに結合体化されているアミノ含有誘導体、2−ヒドロキシベンズアミド誘導体、カルバメート誘導体、N−オキシド誘導体、およびN−マンニッヒ塩基誘導体が含まれる。プロドラッグのさらなる考察に関しては、例えば、Rautio, J.ら、Nature Reviews Drug Discovery.、7巻:255〜270頁(2008年)を参照されたい。
III.調製方法
上記の体重減少剤は、当分野で公知の方法を使用して調製することができる。ある種の活性剤を調製する代表的な方法が以下に記載されている。所与の体重減少剤の適切な合成経路は、官能基の適合性、保護基戦略および不安定な結合の存在に関連するので、全体として、化合物の構造を鑑みて選択することができる。
IV.医薬製剤
1種または複数の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせた、本明細書に記載されている治療有効量の体重減少剤、または薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグを含有する医薬製剤が提供される。代表的な賦形剤には、溶媒、希釈剤、pH調整剤、保存剤、抗酸化剤、懸濁化剤、湿潤剤、粘度調整剤、張度剤(tonicity agent)、安定化剤、およびそれらの組み合わせが含まれる。好適な薬学的に許容される賦形剤は、一般に安全と認められる(GRAS)材料から好ましくは選択され、望ましくない生物学的副作用も望まない相互作用も引き越すことなく、個体に投与することができるものである。
A.追加の治療剤
一部の場合、本医薬製剤は、1種または複数の追加の活性剤をさらに含有することができる。
ある特定の実施形態では、本医薬製剤はさらに、レプチン、レプチンアナログ、またはそれらの組み合わせをさらに含有する。
レプチンは、食物摂取量および体重をin vivoで調節するネガティブフィードバックループにおいて、求心性シグナルとして役立ち得る、ペプチドホルモンである。プロセシングされていないヒトレプチンが、167アミノ酸の16kDaのタンパク質のプロホルモンとしてin vivoで合成される。プロセシングされていないレプチンには、ポリペプチドの残部から開裂をして、成熟した循環レプチン(146個のアミノ酸を含有する)を生じる、N−末端の21−アミノ酸シグナル配列が含まれる。
用語「レプチン」および「レプチンアナログ」は、本明細書で使用する場合、天然に存在するヒトレプチン、マウスまたはラットなどの非ヒト種により産生される天然に存在するレプチン、メトレレプチン(すなわち、組換えメチオニルヒトレプチン、または146アミノ酸の成熟循環ヒトレプチンのN−末端アミノ酸に遺伝子工学的にメチオニンをN−末端付加することにより生じる147アミノ酸レプチンアナログであるr−metHuレプチン)などの組換えにより産生した成熟レプチン、およびレプチン断片、レプチン変異体、レプチン融合タンパク質、および生物活性を有する当分野で公知のそれらの他の誘導体を包含する。
例示的なレプチンアナログおよび誘導体には、国際特許公開番号WO96/05309、WO96/40912、WO97/06816、WO00/20872、WO97/18833、WO97/38014、WO98/08512、WO98/12224、WO98/28427、WO98/46257、WO98/55139、WO00/09165、WO00/47741、WO2004/039832、WO97/02004およびWO00/21574;国際特許出願番号PCT/US96/22308およびPCT/US96/01471;米国特許第5,521,283号、同第5,532,336号、同第5,552,524号、同第5,552,523号、同第5,552,522号、同第5,935,810号、同第6,001,968号、同第6,429,290号、同第6,350,730号、同第6,936,439号、同第6,420,339号、同第6,541,033号、同第7,112,659号、同第7,183,254号および同第7,208,577号、ならびに米国特許公開第2005/0176107号、同第2005/0163799号に記載されているものが含まれる。例示的なレプチンの変異体には、43位のアミノ酸がAspまたはGluで置換されている、48位がAlaで置換されている、49位がGluで置換されているか存在していない、75位がAlaで置換されている、89位がLeuで置換されている、93位がAspまたはGluで置換されている、98位がAlaで置換されている、117位がSerで置換されている、139位がLeuで置換されている、167位がSerで置換されている、またはそれらの任意の組み合わせのものが含まれる。
ある特定の実施形態では、本医薬製剤には、Amylin Pharmaceuticals(San Diego、Ca1if.)から入手可能なr−metHuレプチン(A−100、METRELEPTIN(登録商標))が含まれる。
医薬製剤はまた、タンパク質、炭水化物、アミノ酸、脂肪酸、抗酸化剤、および植物もしくは動物抽出物、またはそれらの組み合わせなどの、1種または複数のビタミン、無機質、栄養補助食品(dietary supplement)、栄養補助剤(nutraceutical agent)も含むことができる。好適なビタミン、無機質、栄養補助剤、および栄養補助食品は、当分野で公知であり、例えば、Robertsら(Nutriceuticals: The Complete Encyclopedia of Supplements, Herbs, Vitamins, and Healing Foods、American Nutriceutical Association、2001年)に開示されている。栄養補助剤および栄養補助食品はまた、The Physicians’ Desk Reference for Nutritional Supplements、第1版(2001年)およびThe Physicians’ Desk Reference for Herbal Medicines、第1版(2001年)にも開示されている。
一部の実施形態では、本製剤は、ステロイド系ラクトンと組み合わせて、5−HT6受容体親和性を有する化合物は含有しない。
B.経腸用製剤
好適な経口用剤形には、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびロゼンジ剤が含まれる。錠剤は、当分野で周知の圧縮または成形技法を使用して作製することができる。ゼラチンまたは非ゼラチンカプセル剤は、硬質または軟質カプセルシェルとして調製することがき、これらのシェルは、当分野で周知の技法を使用して、液体、固体および半固体充填用材料を封入することができる。
希釈剤、保存剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、膨潤剤、充填剤、安定剤、およびそれらの組み合わせを含めた、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を使用して製剤を調製することができる。
可塑剤、顔料、着色剤、安定化剤および流動促進剤(glidant)を含めた賦形剤を使用して、経腸投与向けのコーティングされた組成物を形成することもできる。遅延放出投与製剤が、「Pharmaceutical dosage form tablets」、Libermanら(編)(New York、Marcel Dekker, Inc.、1989年)、「Remington − The science and practice of pharmacy」、第20版、Lippincott Williams & Wilkins、Baltimore、MD、2000年、および「Pharmaceutical dosage forms and drug delivery systems」、第6版、Anselら、(Media、PA:WilliamsおよびWilkins、1995年)などの標準的な参照文献において記載されている通り調製することができる。これらの参照文献は、錠剤およびカプセル剤、ならびに錠剤、カプセル剤および顆粒剤の遅延放出剤形を調製するための賦形剤、材料、機器および方法に関する情報を提供している。
好適なコーティング用材料の例には、以下に限定されないが、酢酸セルロースフタレート、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートなどのセルロースポリマー、ポリビニルアセテートフタレート、アクリル酸ポリマーおよびコポリマー、ならびにEUDRAGIT(登録商標)という商標名で市販されているメタクリル酸樹脂(Roth Pharma、Westerstadt、ドイツ)、ゼイン、シェラックおよびポリサッカライドが含まれる。
「充填剤」とも呼ばれる希釈剤は、通常、固形剤形のかさを増加するのに必要であり、そうして、錠剤の圧縮またはビーズ剤および顆粒剤の形成について実用的なサイズがもたらされる。好適な希釈剤には、以下に限定されないが、リン酸二カルシウム二水和物、硫酸カルシウム、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、加水分解デンプン、アルファ化デンプン、二酸化ケイ素、酸化チタン、ケイ酸アルミニウムマグネシウムおよび粉末糖が含まれる。
結合剤を使用して、固形剤形製剤に粘着性質を付与し、こうして、錠剤またはビーズ剤または顆粒剤が、剤形の形成後にインタクトのまま存在するのを確実にする。好適な結合剤材料には、以下に限定されないが、デンプン、アルファ化デンプン、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、デキストロース、ラクトースおよびソルビトールを含む)、ポリエチレングリコール、ワックス、天然および合成ガム(アカシア、トラガカントなど)、アルギン酸ナトリウム、セルロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロースを含む)、およびビーガム、および合成ポリマー(アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチルコポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリアクリル酸/ポリメタクリル酸およびポリビニルピロリドンなど)が含まれる。
滑沢剤は、錠剤製造を容易にするために使用される。好適な滑沢剤の例には、以下に限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセロール、ポリエチレングリコール、タルク、および鉱油が含まれる。
崩壊剤は、投与後に剤形の崩壊または「破砕」を容易にするために使用され、一般に、以下に限定されないが、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルデンプンナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アルファ化デンプン、クレイ、セルロース、アルギニン、ガムまたは架橋ポリマー(架橋PVP(GAF Chemical CorpからのPolyplasdone(登録商標)XL)など)が含まれる。
安定剤は、例として、酸化反応を含む薬物の分解反応を阻害または遅延させるために使用される。好適な安定剤には、以下に限定されないが、抗酸化剤、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT);アスコルビン酸、その塩およびエステル;ビタミンE、トコフェロールおよびその塩;亜硝酸塩(メタ重亜硫酸ナトリウムなど);システインおよびその誘導体;クエン酸;没食子酸プロピル、およびブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)が含まれる。
1.制御放出製剤
カプセル剤、錠剤、液剤および懸濁剤などの経口用剤形は、制御放出向けに製剤化することができる。例えば、1つまたは複数の化合物および任意選択の1種または複数の追加の活性剤が、ナノ粒子、マイクロ粒子およびそれらの組み合わせに製剤化して、軟質もしくは硬質セラチン、または非ゼラチンカプセル中に封入するか、あるいは分散媒に分散させて、経口用懸濁剤またはシロップ剤を形成することができる。粒子は、薬物および制御放出ポリマーまたはマトリックスから形成され得る。あるいは、薬物粒子は、完成剤形に組み込む前に、1種または複数の制御放出コーティングによりコーティングすることができる。
別の実施形態では、1つまたは複数の化合物および任意選択の1種または複数の追加の活性剤は、マトリックス材料中に分散され、このマトリックス材料は、生理学的流体などの水性媒体に接触すると、ゲル化または乳化する。ゲル剤の場合、上記のマトリックスは、膨潤して活性剤を捕捉し、この活性剤は、マトリックス材料の拡散および/または分解により、時間をわたってゆっくりと放出される。こうしたマトリックスは、錠剤としてまたは硬質および軟質カプセル用の充填用材料として製剤化することができる。
さらに別の実施形態では、1つまたは複数の化合物および任意選択の1種または複数の追加の活性剤は、錠剤またはカプセル剤などの販売されている経口用剤形に製剤化され、この固形剤形は、遅延放出用コーティングまたは徐放用コーティングなどの、1種または複数の制御放出用コーティングによりコーティングされる。コーティング(単数または複数)は、本化合物および/または追加の活性剤も含有することができる。
徐放性製剤
徐放性製剤は、一般に、例えば、「Remington − The science and practice of pharmacy」(第20版、Lippincott Williams & Wilkins、Baltimore、MD、2000年)において記載されている通り、拡散系または浸透系として調製される。拡散系は、通常、2種のタイプの装置、すなわちレザーバーおよびマトリックスからなり、当分野で周知であり記載されている。マトリックス装置は、一般に、薬物とゆっくりと溶解するポリマー担体とを錠剤形態に圧縮することにより調製される。マトリックス装置の調製において使用される3つの主なタイプの材料は、不溶性プラスチック、親水性ポリマーおよび脂肪化合物である。プラスチック製マトリックスには、以下に限定されないが、アクリル酸メチル−メタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、およびポリエチレンが含まれる。親水性ポリマーには、以下に限定されないが、セルロースポリマー(メチルおよびエチルセルロースなど)、ヒドロキシアルキルセルロース(ヒドロキシプロピル−セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびCarbopol(登録商標)934、ポリエチレンオキシドおよびそれらの混合物が含まれる。脂肪化合物には、以下に限定されないが、様々なワックス(カルナウバワックスなど)および三ステアリン酸グリセリル、およびワックス型物質(水素化ヒマシ油または水素化植物油を含む)またはそれらの混合物が含まれる。
ある特定の実施形態では、プラスチック製材料は、以下に限定されないが、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸シアノエチル、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸)(無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸無水物)、およびメタクリル酸グリシジルコポリマーを含む、薬学的に許容されるアクリルポリマーである。ある特定の実施形態では、アクリルポリマーは、1種または複数のアンモニオメタクリレートコポリマーからなる。アンモニオメタクリレートコポリマーは、当分野で周知であり、四級アンモニウム基を低含有量で含む、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの完全重合コポリマーとして、NF XVIIに記載されている。
一実施形態では、アクリルポリマーは、EUDRAGIT(登録商標)という商標名でRohm Pharmaから市販されているものなどのアクリル樹脂ラッカーである。さらに好ましい実施形態では、アクリルポリマーは、それぞれ、EUDRAGIT(登録商標)RL30DおよびEUDRAGIT(登録商標)RS30Dという商標名でRohm Pharmaから市販されている2種のアクリル樹脂ラッカーの混合物を含む。EUDRAGIT(登録商標)RL30DおよびEUDRAGIT(登録商標)RS30Dは、四級アンモニウム基を低含有量で含む、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとのコポリマーであって、アンモニウム基と残りの中性な(メタ)アクリル酸エステルとのモル比が、EUDRAGIT(登録商標)RL30Dでは1:20、およびEUDRAGIT(登録商標)RS30Dでは1:40である、コポリマーである。平均分子量は、約150,000である。EUDRAGIT(登録商標)S−100およびEUDRAGIT(登録商標)L−100も好ましい。コード名称RL(高浸透性)およびRS(低浸透性)は、これらの作用物質の透過特性を指す。EUDRAGIT(登録商標)RL/RSの混合物は水および消化液に不溶である。しかし、上記を含むよう形成される多粒子系は膨潤性であり、水溶液および消化液に透過性である。
EUDRAGIT(登録商標)RL/RSなどの上記のポリマーは、所望の溶解プロファイルを有する持続放出製剤を最終的に得るために、任意の所望の比で一緒に混合することができる。例えば、100%EUDRAGIT(登録商標)RL、50%EUDRAGIT(登録商標)RLと50%EUDRAGIT(登録商標)RS、および10%EUDRAGIT(登録商標)RLと90%EUDRAGIT(登録商標)RSから、所望の持続放出性多粒子系を得ることができる。当業者は、例えば、EUDRAGIT(登録商標)Lなどの他のアクリルポリマーもまた使用することができることを認識するであろう。
あるいは、徐放性製剤は、浸透系を使用して、または半透過性コーティングを剤形に適用することにより、調製することができる。後者の場合、所望の薬物放出プロファイルは、低浸透性コーティング材料と高浸透性コーティング材料とを好適な割合で合わせることにより達成することができる。
上記の様々な薬物放出機構を有する装置を、単回単位または多回単位を含む最終剤形中に組み合わせることができる。多回単位の例には、以下に限定されないが、錠剤、ビーズ剤または顆粒剤を含有する多層錠剤およびカプセル剤が含まれる。コーティング法または圧縮法を使用して、徐放性コアの上部に即時放出層を適用することによるか、または徐放性および即時放出性ビーズ剤を含有するカプセル剤などの多回単位系においてのどちらかで、徐放系に即時放出部分を添加することができる。
親水性ポリマーを含有する徐放性錠剤は、直接圧縮、湿式造粒または乾式造粒などの当分野で一般に公知の技法により調製することができる。それらの製剤は、通常、ポリマー、希釈剤、結合剤および滑沢剤、ならびに活性医薬品成分を組み込む。通常の希釈剤には、デンプン、粉末セルロース、とりわけ結晶性および微結晶性セルロース、糖(フルクトース、マンニトールおよびスクロースなど)、穀物粉および類似の可食性粉末などの、不活性な粉末物質が含まれる。典型的な希釈剤には、例えば、様々なタイプのデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウムまたは硫酸カルシウム、無機塩(塩化ナトリウムなど)、および粉末糖が含まれる。粉末セルロース誘導体も有用である。典型的な錠剤用結合剤には、デンプン、ゼラチン、およびラクトース、フルクトースおよびグルコースなどの糖などの物質が含まれる。アカシア、アルギネート、メチルセルロース、およびポリビニルピロリドンを含む、天然および合成ガムも使用することができる。ポリエチレングリコール、親水性ポリマー、エチルセルロースおよびワックスも、結合剤として役立ち得る。滑沢剤は、ダイ中に錠剤および打錠器がひっつくのを防止するために、錠剤製剤中に必要なものである。滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウム、ステアリン酸および水素化植物油などのつるつるとした固体から選択される。
ワックス材料を含有する徐放錠剤は、一般に、直接ブレンド方法、凝結方法および水性分散方法などの当分野で公知の方法を使用して調製される。凝結方法では、薬物は、ワックス材料と混合し、スプレー凝結するか、または凝結してふるいにかけて加工されるかのいずれかである。
遅延放出製剤
遅延放出製剤は、ポリマーフィルムにより固形剤形をコーティングすることにより作製することができ、このポリマーフィルムは、胃の酸性環境では不溶であり、小腸の中性環境中では可溶である。
遅延放出投与単位は、例えば、薬物または薬物含有組成物を選択されたコーティング材料によりコーティングすることにより、調製することができる。薬物含有組成物は、例えば、カプセル剤に組み込むための錠剤、「コーティングコア」剤形中の内部コアとして使用するための錠剤、または錠剤もしくはカプセル剤のどちらかに組み込むための複数の薬物含有ビーズ、粒子または顆粒とすることができる。好ましいコーティング材料には、生体浸食性、徐々に加水分解され得る、徐々に水溶性になる、および/または酵素により分解し得るポリマーが含まれ、従来の「腸溶性」ポリマーであり得る。腸溶性ポリマーは、当業者により理解される通り、下部胃腸管のより高いpH環境において可溶になるか、または胃腸管を剤形が通過するにつれてゆっくりと浸食される一方、酵素により分解され得るポリマーは、下部胃腸管、特に結腸に存在する細菌の酵素により分解される。遅延放出を行うための好適なコーティング材料には、以下に限定されないが、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテートおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム;好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチルおよび/またはメタクリル酸エチルから形成されるアクリル酸ポリマーおよびコポリマー、ならびにEUDRAGIT(登録商標)(Rohm Pharma;Westerstadt、ドイツ)という商標名で市販されている他のメタクリル酸樹脂(EUDRAGIT(登録商標)L30D−55およびL100−55(pH5.5およびそれ超で可溶)、EUDRAGIT(登録商標)L−100(pH6.0およびそれ超で可溶)、EUDRAGIT(登録商標)S(より高度のエステル化の結果として、pH7.0およびそれ超で可溶)、およびEUDRAGIT(登録商標)NE、RLおよびRS(様々な程度の透過性および拡張性を有する水不溶性ポリマー)を含む);ビニルポリマーおよびコポリマー(ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ビニルアセテートフタレート、ビニルアセテートクロトン酸コポリマー、およびエチレン−酢酸ビニルコポリマーなど);酵素により分解可能なポリマー(アゾポリマー、ペクチン、キトサン、アミロースおよびグアーガムなど);ゼインおよびシェラックが含まれる。様々なコーティング材料の組み合わせを使用することもできる。異なるポリマーを使用する、多層コーティングも適用可能である。
特定のコーティング材料のための好ましいコーティングの重量は、異なる量の様々なコーティング材料で調製した錠剤、ビーズ剤および顆粒剤に関する個々の放出プロファイルを評価することにより、当業者により容易に決定することができる。それは、所望の放出特徴を生じる、適用の材料、方法および形態の組み合わせであり、これは、臨床研究からのみ決定することができる。
本コーティング組成物は、可塑剤、顔料、着色剤、安定化剤、流動促進剤などの従来の添加物を含み得る。可塑剤は、通常、コーティングの脆さを低下させるために存在しており、一般に、ポリマーの乾燥重量に対して、約10重量%〜50重量%となる。典型的な可塑剤の例には、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、ヒマシ油およびアセチル化モノグリセリドが含まれる。安定化剤は、好ましくは、分散物中の粒子を安定化するために使用される。典型的な安定化剤は、ソルビタンエステル、ポリソルベートおよびポリビニルピロリドンなどの非イオン性乳化剤である。流動促進剤は、フィルム形成および乾燥中のひっつき作用を低減するために推奨されるものであり、一般に、コーティング溶液中に、ポリマー重量の約25重量%〜100重量%となる。効果的な流動促進剤の1つはタルクである。ステアリン酸マグネシウムおよびモノステアリン酸グリセロールなどの他の流動促進剤も使用することができる。二酸化チタンなどの顔料も使用することができる。シリコーン(例えば、シメチコン)などの消泡剤も少量、コーティング用組成物に添加してもよい。
パルス放出
本製剤は、1つまたは複数の本明細書において開示されている化合物のパルス送達をもたらすことができる。「パルスの」とは、複数の薬物用量が、時間間隔を設けて放出されることを意味する。一般に、剤形の摂取時に、初期用量の放出は実質的に即時となる。すなわち、最初の薬物の放出「パルス」が摂取の約1時間以内に起こる。この初期パルスの後に、最初の時間間隔(遅れ時間)が続き、この間に、薬物は剤形からほとんどまたはまったく放出されず、その後に、第2の用量が次に放出される。同様に、第2と第3の薬物放出パルス間のほとんど薬物放出のない第2の時間間隔が設計され得る。ほとんど薬物放出のない時間間隔の期間は、剤形設計、例えば、1日2回の投与プロファイル、1日3回の投与プロファイルなどに応じて、様々となろう。1日2回の投与プロファイルをもたらす剤形の場合、ほとんど薬物放出のない時間間隔が、第1と第2の用量の間の約3時間〜14時間の期間を有する。1日3回のプロファイルをもたらす剤形の場合、ほとんど薬物放出のない時間間隔は、3回の用量の各間に約2時間〜8時間の期間を有する。
一実施形態では、パルス放出プロファイルは、少なくとも2種の薬物含有「投与量単位」を収容している密閉式、好ましくは封止式カプセル剤である剤形を用いて達成され、この場合、カプセル剤内の各投与量単位は、様々な薬物放出プロファイルを提供する。遅延放出投与量単位の制御は、投与量単位に対して制御放出ポリマーコーティングによって、または制御放出ポリマーマトリックス中に活性剤を組み込むことにより行われる。各投与量単位は、圧縮または成形錠剤を含むことができ、カプセル剤内の各錠剤は、異なる薬物放出プロファイルをもたらす。1日2回の投与プロファイルを模倣する剤形の場合、剤形の摂取後、最初の錠剤は、実質的に即時に薬物を放出する一方、第2の錠剤は、剤形の摂取後の約3時間〜14時間未満に薬物を放出する。1日3回の投与プロファイルを模倣する剤形の場合、剤形の摂取後、最初の錠剤は、実質的に即時に薬物を放出し、第2の錠剤は、剤形の摂取後の約3時間〜10時間未満に薬物を放出し、第3の錠剤は、剤形の摂取後、少なくとも5時間〜約18時間に薬物を放出する。剤形には、3錠を超える錠剤が含まれることが可能である。剤形は、一般に、第3の錠剤を超えて含有しないが、3錠を超える錠剤を収容する剤形を利用することができる。
あるいは、カプセル剤中の各投与量単位は、複数の薬物含有ビーズ剤、顆粒剤または粒子剤(particle)を含むことができる。当分野で公知の通り、薬物含有「ビーズ剤」とは、薬物、および1種または複数の賦形剤またはポリマーにより作製されたビーズ剤を指す。薬物含有ビーズ剤は、薬物を不活性支持体(例えば、薬物によりコーティングされた不活性糖ビーズ)に適用することにより、または薬物と1種または複数の賦形剤の両方を含む「コア」を作製することにより生成することができる。やはり公知の通り、薬物含有「顆粒剤」および「粒子剤」は、1種または複数の追加の賦形剤またはポリマーを含んでもよく、または含まなくてもよい薬物粒子を含む。薬物含有ビーズ剤とは対照的に、顆粒剤および粒子剤は、不活性支持体を含有しない。顆粒剤は、一般に、薬物粒子を含んでおり、さらなる加工が必要である。一般に、粒子剤は、顆粒剤よりも小さく、さらに加工されない。ビーズ剤、顆粒剤および粒子剤を製剤化して、即時放出が提供されるが、ビーズ剤および顆粒剤は一般に、遅延放出をもたらすために使用される。
C.非経口製剤
本化合物は、非経口投与向けに製剤化することができる。「非経口投与」とは、本明細書で使用する場合、消化管以外の任意の方法、または非侵襲的局所もしくは局所経路による投与を意味する。例えば、非経口投与には、患者の静脈内、皮内、腹腔内、胸膜内、気管内、筋肉内、皮下、注射により、および注入による投与が含まれ得る。
非経口製剤は、当分野で公知の技法を使用して、水性組成物として調製することができる。通常、こうした組成物は、注射可能な製剤、例えば、溶液または懸濁物;注射前に再構成用媒体を添加して溶液または懸濁物を調製するために使用するのに好適な固体形態;油中水(w/o)エマルション、水中油(o/w)エマルションおよびそれらのマイクロエマルション、リポソームまたはエマルソーム(emulsome)などのエマルションとして調製することができる。
担体は、例えば、水、エタノール、1種または複数のポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液状ポリエチレングリコール)、油(植物油(例えば、ピーナッツ油、トウモロコシ油、ゴマ油など)など)およびそれらの組み合わせを含有する溶媒または分散媒とすることができる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散物の場合、必要な粒子サイズを維持することにより、および/または界面活性剤を使用することにより、維持することができる。多くの場合、等張剤、例えば糖または塩化ナトリウムを含むのが好ましいであろう。
遊離酸もしくは遊離塩基、または薬学的に許容されるそれらの塩としての活性化合物の溶液および分散物は、以下に限定されないが、界面活性剤、分散剤、乳化剤、pH調整剤およびそれらの組み合わせを含めた、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤と好適に混合した、水または別の溶媒または分散媒中で調製することができる。
好適な界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、両性または非イオン性の表面活性剤とすることができる。好適な陰イオン性界面活性剤には、以下に限定されないが、カルボン酸イオン、スルホン酸イオンおよび硫酸イオンを含有するものが含まれる。陰イオン性界面活性剤の例には、長鎖アルキルスルホン酸およびアルキルアリールスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど);スルホコハク酸ジアルキルナトリウム(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど);スルホコハク酸ジアルキルナトリウム(ビス−(2−エチルチオキシル)−スルホコハク酸ナトリウムなど);および硫酸アルキル(ラウリル硫酸ナトリウム)が含まれる。陽イオン性界面活性剤には、以下に限定されないが、四級アンモニウム化合物(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化セトリモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ポリオキシエチレンおよびココナッツアミンなど)が含まれる。非イオン性界面活性剤の例には、モノステアリン酸エチレングリコール、ミリスチン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ポリグリセリル−4−オレート、ソルビタンアシレート(sorbitan acylate)、スクロースアシレート(sucrose acylate)、ラウリン酸PEG−150、モノラウリン酸PEG−400、モノラウリン酸ポリオキシエチレン、ポリソルベート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、PEG−1000セチルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリプロピレングリコールブチルエーテル、Poloxamer(登録商標)401、ステアロイルモノイソプロパノールアミド、およびポリオキシエチレン水素化獣脂アミド(polyoxyethylene hydrogenated tallow amide)が含まれる。両性界面活性剤の例には、N−ドデシル−β−アラニンナトリウム、N−ラウリル−β−イミノ二プロピオン酸ナトリウム、ミリストアンフォアセテート(myristoamphoacetate)、ラウリルベタインおよびラウリルスルホベタインが含まれる。
本製剤は、微生物の増殖を防止するための保存剤を含有することができる。好適な保存剤には、以下に限定されないが、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸およびチメロサールが含まれる。本製剤は、活性剤の分解を防止するために、抗酸化剤を含有することもできる。
本製剤は、通常、非経口投与の場合、再構成時にpH3〜8に緩衝化される。好適な緩衝液には、以下に限定されないが、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液およびクエン酸緩衝液が含まれる。
水溶性ポリマーは、非経口投与向けの製剤において使用されることが多い。好適な水溶性ポリマーには、以下に限定されないが、ポリビニルピロリドン、デキストラン、カルボキシメチルセルロースおよびポリエチレングリコールが含まれる。
滅菌注射溶液は、上で列挙されている1種または複数の賦形剤を含む、適切な溶媒または分散媒中、必要な量で活性化合物を組み込むことにより調製され、必要な場合、次いで、ろ過滅菌することができる。一般に、分散物は、基礎の分散媒および上に列挙されているものからの必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクルに、無菌化した様々な活性成分を組み込むことにより調製される。滅菌注射溶液を調製するための、滅菌散剤の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥技法であり、これらの技法は、先に滅菌ろ過したその溶液から活性成分の粉末および任意の追加の所望成分が生じる。本散剤は、粒子を、粒子の溶解を向上し得る多孔質の性質にするよう、調製することができる。多孔質粒子を作製する方法は当分野で周知である。
1.制御放出製剤
本明細書に記載されている非経口製剤は、即時放出、遅延放出、徐放、パルス放出およびそれらの組み合わせを含めた、制御放出向けに製剤化することができる。
ナノおよびマイクロ粒子
非経口投与の場合、本化合物、および任意選択で1種または複数の追加の活性剤が、制御放出をもたらすマイクロ粒子、ナノ粒子またはそれらの組み合わせに組み込むことができる。本製剤が、2種またはそれ超の薬物を含有する実施形態では、これらの薬物は、同じタイプの制御放出(例えば、遅延放出、徐放、即時放出またはパルス放出)するよう製剤化することができ、またはこれらの薬物は、異なるタイプの放出(例えば、即時放出と遅延放出、即時放出と徐放、遅延放出と徐放、即時放出とパルス放出など)をするよう独立して製剤化することができる。
例えば、本化合物および/または1種または複数の追加の活性剤を、薬物の制御放出をもたらすポリマーマイクロ粒子に組み込むことができる。薬物の放出は、マイクロ粒子からの薬物の拡散、および/または加水分解によるポリマー粒子の分解、および/または酵素による分解により制御される。好適なポリマーには、エチルセルロースおよび他の天然または合成セルロース誘導体が含まれる。
ゆっくりと溶解して、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはポリエチレンオキシドなどの水性環境においてゲルを形成するポリマーもまた、薬物含有マイクロ粒子に対する材料として好適となり得る。他のポリマーには、以下に限定されないが、ポリ無水物、ポリ(エステル無水物)、ポリヒドロキシ酸、例えば、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)、ポリ−3−ヒドロキシブチレート(PHB)およびそのコポリマー、ポリ−4−ヒドロキシブチレート(P4HB)およびそのコポリマー、ポリカプロラクトンおよびそのコポリマー、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
あるいは、本薬物は、水溶液に不溶な、または水溶液にゆっくりとした溶解性である材料から調製されるマイクロ粒子に組み込むことができるが、酵素による分解、胆汁酸の界面活性作用、および/または機械的浸食を含めた手段により、GI管内で分解することができる。本明細書で使用する場合、用語「ゆっくりとした水溶解性」とは、30分以内では水に溶解しない材料を指す。好ましい例には、脂肪、脂肪物質、ワックス、ワックス様物質、およびそれらの混合物が含まれる。好適な脂肪および脂肪物質には、脂肪アルコール(ラウリル、ミリスチル、ステアリル、セチルまたはセトステアリルアルコールなど)、脂肪酸および誘導体(以下に限定されないが、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド(モノ、ジおよびトリグリセリド)を含む)、および水素化脂肪が含まれる。具体例には、以下に限定されないが、水素化植物油、水素化綿実油、水素化ヒマシ油、Sterotex(登録商標)という商標名で入手可能な水素化油、ステアリン酸、カカオ脂およびステアリルアルコールが含まれる。好適なワックスおよびワックス様材料には、天然または合成ワックス、炭化水素およびノーマルワックス(normal wax)が含まれる。ワックスの具体例には、みつろう、グリコワックス(glycowax)、キャスターワックス(castor wax)、カルナウバワックス、パラフィンおよびカンデリラワックス(candelilla wax)が含まれる。本明細書で使用する場合、ワックス様材料は室温で、通常、固体であり、約30〜300℃の融点を有する、任意の材料として定義される。
一部の場合、マイクロ粒子への水の浸透速度を改変するのが望ましいことがある。このために、速度制御(ウィッキング)剤は、上で列挙した脂肪またはワックスと一緒に製剤化することができる。速度制御材料の例には、ある種のデンプン誘導体(例えば、ワックス状マルトデキストリンおよびドラム乾燥トウモロコシデンプン)、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースおよびカルボキシメチル−セルロース)、アルギン酸、ラクトースおよびタルクが含まれる。さらに、こうしたマイクロ粒子の分解を促進するために、薬学的に許容される界面活性剤(例えば、レシチン)を加えることができる。
ゼインなどの水不溶性タンパク質もまた、薬物含有マイクロ粒子を形成するための材料として使用することができる。さらに、水溶性のタンパク質、ポリサッカライドおよびそれらの組み合わせを、薬物と一緒にマイクロ粒子に製剤化し、続いて、架橋させて不溶性ネットワークを形成することができる。例えば、シクロデキストリンは、個々の薬物分子と複合体を形成させて、続いて架橋することができる。
薬物を担体材料に封入するかまたは組み込んで薬物含有マイクロ粒子を生成するのは、公知の医薬製剤技法により達成することができる。脂肪、ワックスまたはワックス様材料中の製剤の場合、担体材料は、通常、その融点超で加熱し、薬物を加えて、担体材料中に懸濁した薬物粒子、担体材料に溶解した薬物またはそれらの混合物を含む、混合物を形成する。マイクロ粒子は、続いて、以下に限定されないが、凝結、押出成形、スプレー冷却または水性分散を含めた、いくつかの方法により製剤化することができる。好ましい方法では、ワックスは、その融点超に加熱し、薬物を加え、溶融ワックス−薬物混合物を冷却しながら、一定の撹拌下で凝結させる。あるいは、溶融ワックス−薬物混合物を押出成形し、球状化してペレットまたはビーズを形成させる。これらの方法の詳細な説明は、「Remington− The science and practice of pharmacy」、第20版、Jennaroら、(Phila、Lippencott、WilliamsおよびWilkens、2000年)に見いだすことができる。
一部の担体材料の場合、溶媒蒸発技法を使用して薬物含有マイクロ粒子を生成させるのが望ましいことがある。この場合、薬物および担体材料は、相互溶媒(mutual solvent)中に共溶解し、次いで、以下に限定されないが、水または他の適切な媒体中でのエマルション形成、スプレー乾燥、またはバルク溶液からの溶媒の蒸発除去、得られた材料のミリングを含めたいくつかの技法によりマイクロ粒子を生成させることができる。
一部の実施形態では、粒子形態にある薬物は、水不溶性材料またはゆっくりとした水溶性材料に均一に分散する。組成物内の薬物粒子のサイズを最小化するため、薬物粉末自体をミリングして製剤化前に微細粒子を生成することができる。医薬品分野で公知のジェットミリングの方法をこの目的のために使用することができる。一部の実施形態では、粒子形態にある薬物は、ワックスまたはワックス様物質をその融点超で加熱して、この混合物を撹拌しながら薬物粒子を加えることにより、ワックスまたはワックス様物質中に均一に分散させる。この場合、薬学的に許容される界面活性剤が、この混合物に添加され、薬物粒子の分散を容易にすることができる。
粒子はまた、1種または複数の改変放出コーティングによりコーティングすることもできる。リパーゼにより加水分解される脂肪酸の固体エステルは、マイクロ粒子または薬物粒子上にスプレーコーティングすることができる。ゼインが、天然の水不溶性タンパク質の一例である。ゼインは、スプレーコーティング技法により、または湿式造粒技法により、薬物含有マイクロ粒子または薬物粒子上にコーティングすることができる。天然の水不溶性材料に加え、消化酵素の一部の基質が、架橋手順により処理されて、非可能性ネットワークが形成され得る。化学的および物理的手段の両方により開始されたタンパク質の架橋方法の多くが、報告されている。架橋を得るための最も一般的な方法の1つは、化学的架橋剤の使用である。化学的架橋剤の例には、アルデヒド(グルタルアルデヒドおよびホルムアルデヒド)、エポキシ化合物、カルボジイミドおよびゲニピンが含まれる。これらの架橋剤に加えて、酸化糖および天然の糖を使用してゼラチンを架橋している(Cortesi, R.ら、Biomaterials、19巻(1998年)1641〜1649頁)。架橋は酵素的手段を使用して行うこともできる。例えば、トランスグルタミナーゼが、海産物製品の架橋用にGRAS物質として承認されている。最後に、架橋は、熱処理、UV照射およびガンマ照射などの物理的手段により開始することができる。
薬物含有マイクロ粒子または薬物粒子を取り囲む架橋タンパク質のコーティング層を生成するため、水溶性タンパク質をマイクロ粒子上にスプレーコーティングし、続いて上記の方法の1つにより架橋することができる。あるいは、薬物含有マイクロ粒子は、コアセルベーション−相分離(例えば、塩の添加による)、続いて架橋することにより、タンパク質内部にマイクロ封入(microencapsulate)され得る。この目的の一部の好適なタンパク質には、ゼラチン、アルブミン、カゼインおよびグルテンが含まれる。
ポリサッカライドはまた、架橋させて水不溶性ネットワークを形成することができる。多くのポリサッカライドの場合、これは、主要なポリマー鎖を架橋するカルシウム塩または多価陽イオンとの反応により実施することができる。多価陽イオンの存在下で、ペクチン、アルギネート、デキストラン、アミロースおよびグアーガムが架橋に供される。反対の電荷を帯びているポリサッカライドとの間の複合体もまた、形成することができる。例えば、ペクチンおよびキトサンが静電的相互作用により複合体を形成することができる。
デポ製剤
活性剤はデポ注射向けに製剤化することができる。デポ注射では、活性剤は、注射後のある時間または日数をかけて、活性剤を徐々に放出するようもたらされる1種または複数の薬学的に許容される担体を用いて製剤化することができる。デポ製剤は、任意の好適な手段により投与することができる。しかし、デポ製剤は通常、皮下または筋肉内の注射により投与される。
活性剤の制御放出をもたらすよう、様々な担体をデポ製剤に組み込むことができる。一部の場合、デポ製剤は、1種または複数の生分解性ポリマーまたはオリゴマー担体を含有する。好適なポリマー担体には、以下に限定されないが、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、ポリ(乳酸)−ポリエチレングリコール(PLA−PEG)ブロックコポリマー、ポリ無水物、ポリ(エステル無水物)、ポリグリコリド(ppolyglycolide)(PGA)、ポリ−3−ヒドロキシブチレート(PHB)およびそのコポリマー、ポリ−4−ヒドロキシブチレート(P4HB)、ポリカプロラクトン、セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、およびブレンド、誘導体、コポリマー、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
ポリマーまたはオリゴマー担体を含有するデポ製剤では、担体および活性剤は、液剤、エマルション剤または懸濁剤として製剤化することができる。1種または複数の体重減少剤、および任意選択で1種または複数の追加の活性剤を、ポリマーまたはオリゴマーマイクロ粒子、ナノ粒子、またはそれらの組み合わせに組み込むこともできる。
一部の場合、本製剤は流体であり、注射時に、固化またはゲル化する(すなわち、ヒドロゲルまたはオルガノゲルを形成する)よう設計される。これは、注射時に、または例えば開始剤および/または架橋剤と混合したポリマー前駆体を注射することにより、組成物の溶解度の変化に起因し得る。ポリマーマトリックス、ポリマー溶液、またはポリマー粒子は、注射部位において活性剤を捕捉する。ポリマー担体が徐々に分解するにつれて、マトリックスから薬剤が拡散することにより、および/またはマトリックスが吸収されるにつれてマトリックスが消滅することのどちらかで活性剤が放出される。注射部位からの活性剤の放出速度は、例えば、ポリマー担体の化学組成、分子量、架橋密度および/または濃度を変えることにより、制御することができる。こうした系の例には、米国特許第4,938,763号、同第5,480,656号および同第6,113,943号に記載されているものが含まれる。
デポ製剤はまた、許容される油(例えば、ピーナッツ油、トウモロコシ油、ゴマ油、綿実油など)、およびリン脂質、イオン交換樹脂、およびわずかに可溶性の担体を含めた、疎水性材料を含む、他の速度制御賦形剤を使用することにより調製することができる。
デポ製剤は、例えば、水、エタノール、1種または複数のポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液状ポリエチレングリコール)、油(植物油(例えば、ピーナッツ油、トウモロコシ油、ゴマ油など)など)およびそれらの組み合わせを含有する溶媒または分散媒をさらに含有することができる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散物の場合、必要な粒子サイズを維持することにより、および/または界面活性剤を使用することにより、維持することができる。多くの場合、等張剤、例えば糖または塩化ナトリウムを含むのが好ましいであろう。
遊離酸もしくは遊離塩基、または薬学的に許容されるそれらの塩としての体重減少剤の溶液および分散物は、以下に限定されないが、界面活性剤、分散剤、乳化剤、pH調整剤およびそれらの組み合わせを含めた、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤と好適に混合した、水または別の溶媒または分散媒中で調製することができる。
好適な界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、両性または非イオン性の表面活性剤とすることができる。好適な陰イオン性界面活性剤には、以下に限定されないが、カルボン酸イオン、スルホン酸イオンおよび硫酸イオンを含有するものが含まれる。陰イオン性界面活性剤の例には、長鎖アルキルスルホン酸およびアルキルアリールスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど);スルホコハク酸ジアルキルナトリウム(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど);スルホコハク酸ジアルキルナトリウム(ビス−(2−エチルチオキシル)−スルホコハク酸ナトリウムなど);および硫酸アルキル(ラウリル硫酸ナトリウム)が含まれる。陽イオン性界面活性剤には、以下に限定されないが、四級アンモニウム化合物(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化セトリモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ポリオキシエチレンおよびココナッツアミンなど)が含まれる。非イオン性界面活性剤の例には、モノステアリン酸エチレングリコール、ミリスチン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ポリグリセリル−4−オレート、ソルビタンアシレート、スクロースアシレート、ラウリン酸PEG−150、モノラウリン酸PEG−400、モノラウリン酸ポリオキシエチレン、ポリソルベート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、PEG−1000セチルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリプロピレングリコールブチルエーテル、Poloxamer(登録商標)401、ステアロイルモノイソプロパノールアミド、およびポリオキシエチレン水素化獣脂アミドが含まれる。両性界面活性剤の例には、N−ドデシル−β−アラニンナトリウム、N−ラウリル−β−イミノ二プロピオン酸ナトリウム、ミリストアンフォアセテート、ラウリルベタインおよびラウリルスルホベタインが含まれる。
本製剤は、微生物の増殖を防止するための保存剤を含有することができる。好適な保存剤には、以下に限定されないが、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸およびチメロサールが含まれる。本製剤は、活性剤の分解を防止するために、抗酸化剤を含有することもできる。
本製剤は、通常、非経口投与の場合、再構成時にpH3〜8に緩衝化される。好適な緩衝液には、以下に限定されないが、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液およびクエン酸緩衝液が含まれる。
水溶性ポリマーは、非経口投与向けの製剤において使用されることが多い。好適な水溶性ポリマーには、以下に限定されないが、ポリビニルピロリドン、デキストラン、カルボキシメチルセルロースおよびポリエチレングリコールが含まれる。
滅菌注射溶液は、上で列挙されている1種または複数の賦形剤を含む、適切な溶媒または分散媒中、必要な量で活性化合物を組み込むことにより調製され、必要な場合、次いで、ろ過滅菌することができる。一般に、分散物は、基剤となる分散媒および上に列挙されているものからの必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクルに、無菌化した様々な活性成分を組み込むことにより調製される。滅菌注射溶液を調製するための、滅菌散剤の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥技法であり、これらの技法は、先に滅菌ろ過したその溶液から活性成分の粉末および任意の追加の所望成分が生じる。本散剤は、粒子を、粒子の溶解を向上し得る多孔質の性質にするよう、調製することができる。多孔質粒子を作製する方法は当分野で周知である。
インプラント
投与量の一定レベルを維持する、緩徐放出系または持続放出系の植込みもまた、本明細書において企図される。こうした場合、本明細書において提供されている活性剤は、外側の速度制御膜により任意選択でコーティングされている固体マトリックス中に分散することができる。化合物は、速度制御放出が持続される、固体マトリックス(および、任意選択で、外側膜を通って)から拡散する。固体マトリックスおよび膜は、以下に限定されないが、ポリマー、生体浸食性ポリマー、およびヒドロゲルを含めた、当分野で公知の任意の好適な材料からも形成することができる。
C.肺用製剤
本明細書に記載されている化合物は、非経口投与向けに製剤化することができる。肺投与向けの医薬製剤および方法は当分野において公知である。
気道は、大気と血流との間のガス交換に関与する構造である。気道は、口腔咽頭部および喉頭を含めた上気道、その後の下気道を包含し、この下気道は気管、次いで気管支および細気管支への分岐を含む。上および下気道は、誘導気道と呼ばれる。次に、終末細気管支は、呼吸細気管支に分かれ、次に、呼吸細気管支は、最終呼吸域、肺胞または肺深部に通じており、ここでガス交換が行われる。
肺胞表面積は呼吸系において最も広く、ここで、薬物の吸収が起こる。肺胞は、繊毛も粘液表層もない薄い上皮により覆われており、界面活性剤であるリン脂質を分泌する。肺経路を介して治療剤を有効に送達するには、活性剤が肺胞に到達するよう、製剤化することが必要とされる。
肺投与の場合、製剤は乾燥粉末製剤および液状製剤に分類される。乾燥粉末および液状製剤のどちらも使用されて、エアゾール製剤を形成することができる。本明細書で使用する場合、用語のエアゾールとは、微細霧状物の粒子の任意の調製物を指し、この粒子は、噴霧体を使用して生成させるか否かにかかわらず、溶液または懸濁物中に存在し得る。
化学療法薬を肺に送達するために有用な製剤、および製造方法は、Caryalhoらにより、J Aerosol Med Pulm Drug Deliv. 2011年4月、24巻(2号)61〜80頁、Epub 2011年3月16日に記載されている。
1.乾燥粉末製剤
乾燥粉末製剤は、肺投与に好適な1種または複数の活性剤を含有する、微細に分割された固体製剤である。乾燥粉末製剤では、1種または複数の活性剤は、結晶またはアモルファス形態に組み込むことができる。
乾燥粉末製剤は、空気または好適な噴霧体以外の任意の担体の利用なしに、肺吸入により患者に投与することができる。しかし、好ましくは、乾燥粉末製剤には、1種または複数の薬学的に許容される担体が含まれる。
医薬担体には、炭水化物(モノサッカライド、ポリサッカライドおよびシクロデキストリンを含む)、ポリペプチド、アミノ酸、およびそれらの組み合わせなどの増量剤(bulking agent)が含まれ得る。好適な増量剤には、フルクトース、ガラクトース、グルコース、ラクチトール、ラクトース、マルチトール、マルトース、マンニトール、メレジトース、ミオイノシトール、パラチナイト、ラフィノース、スタキオース、スクロース、トレハロース、キシリトール、それらの水和物、およびそれらの組み合わせが含まれ得る。
医薬担体には、脂質または界面活性剤が含まれ得る。ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)などの天然界面活性剤が最も好ましい。これは、未熟児における、呼吸窮迫症候群の処置向けに市販されている。合成および動物由来の肺用界面活性剤には、以下が含まれる:
合成肺用界面活性剤
Exosurf−展着剤(展着剤)として添加される、ヘキサデカノールとチロキサポールとのDPPCの混合物
Pumactant(人口肺拡張化合物(Artificial Lung Expanding Compound)またはALEC)−DPPCとPGとの混合物
SP−Bの構造的特徴を模倣した21アミノ酸合成ペプチドと合わせた、DPPC、パルミトイル−オレオイルホスファチジルグリセロールおよびパルミチン酸からなるKL−4
Venticute−DPPC、PG、パルミチン酸および組換えSP−C
動物由来の界面活性剤
Alveofact−ウシ肺洗浄液から抽出
Curosurf−すりつぶしたブタの肺に由来する材料から抽出
Infasurf−仔ウシ肺洗浄液から抽出
Survanta−追加のDPPC、パルミチン酸およびトリパルミチンを含むすりつぶしたウシの肺から抽出
Exosurf、Curosurf、InfasurfおよびSurvantaは、米国においてFDAが現在、使用を承認した界面活性剤である。
医薬担体はまた、1種または複数の安定化剤または分散化剤を含むことができる。医薬担体はまた、1種または複数のpH調整剤または緩衝剤を含むことができる。好適な緩衝剤には、クエン酸ナトリウムまたはアスコルビン酸ナトリウムなどの有機酸および塩基から調製される有機物の塩が含まれる。医薬担体はまた、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムなどの1種または複数の塩を含むことができる。
乾燥粉末製剤は、通常、1種または複数の活性剤と医薬担体とをブレンドすることにより調製される。任意選択で、追加の活性剤を混合物に組み込むことができる。次に、この混合物は、凍結乾燥、スプレー乾燥、凝集、スプレーコーティング、押出成形法、ホットメルト粒子形成、相分離粒子形成(自発的エマルション粒子形成、溶媒蒸発粒子形成、および溶媒除去粒子形成)、コアセルベーション、低温キャスティング、磨砕、ミリング(例えば、空気摩滅ミリング(air−attrition milling)(ジェットミリング)、ボールミリング)、高圧均質化および/または超臨界流体結晶化などの当分野で公知の技法を使用して肺投与に好適な粒子に形成される。
粒子形成の適切な方法は、所望の粒子サイズ、粒子サイズ分布、および粒子形態学に基づいて選択することができる。一部の場合、粒子形成の方法は、肺投与向けの所望の粒子サイズ、粒子サイズ分布を有する、粒子集団を生成するよう、選択することができる。あるいは、粒子形成の方法は、粒子集団を生成することができ、この集団から、肺投与向けの所望の粒子サイズ、粒子サイズ分布を有する粒子集団が、例えば、ふるい分けにより単離される。
粒子形態学は、肺への粒子の浸透深さ、および薬物粒子の摂取に影響を及ぼすことが当分野で公知である。上で議論した通り、薬物粒子は、肺胞に到達して治療的効力を最大化すべきである。したがって、乾燥粉末製剤は、適切な空気動力学的中央粒子径(MMAD)、タップ密度、および表面粗さを有する粒子に加工されて、1種または複数の活性剤の肺深部への送達が達成される。肺深部への送達に対する好ましい粒子形態学は、当分野で公知であり、例えば、Vanbeverらへの米国特許第7,052,678号において記載されている。
約5ミクロン超の空気動力学的中央粒子径(MMAD)を有する粒子は、一般に、肺に到達することはなく、代わりに、それらは、のどの後部に衝突する傾向があり、飲み込まれる。約3〜約5ミクロンの直径を有する粒子は、上部肺領域から中央肺領域(誘導気道)に到達するには十分に小さいが、肺胞に到達するにはあまりにも大きすぎる恐れがある。より小さな粒子(すなわち、約0.5〜約3ミクロン)は、肺胞領域に効果的に到達することができる。約0.5ミクロン未満の直径を有する粒子もまた、沈着により肺胞領域に堆積され得るが、非常に小さな粒子は呼出され得る。
肺胞領域への送達を達成するのに有効な正確な粒子サイズ範囲は、送達される粒子のタップ密度を含めた、いくつかの因子に依存することになろう。一般的に言えば、タップ密度が低下するにつれて、肺の肺胞領域に効率よく到達することができる粒子のMMADが増加する。したがって、低タップ密度を有する粒子の場合、約3〜約5ミクロン、約5〜約7ミクロン、または約7〜約9.5ミクロンの直径を有する粒子は、効率よく肺に送達され得る。肺内に最大堆積させるための好ましい空気動力学的直径を算出することができる。例えば、Vanbeverらへの米国特許第7,052,678号を参照されたい。
一部の実施形態では、乾燥粉末製剤は、空気動力学的中央粒子径が約0.5〜約10ミクロンの間、より好ましくは約0.5ミクロン〜約7ミクロンの間、最も好ましくは約0.5〜約5ミクロンの間を有する、複数の粒子からなる。一部の実施形態では、乾燥粉末製剤は、空気動力学的中央粒子径が約0.5〜約3ミクロンの間を有する、複数の粒子からなる。一部の実施形態では、乾燥粉末製剤は、空気動力学的中央粒子径が約3〜約5ミクロンの間を有する、複数の粒子からなる。一部の実施形態では、乾燥粉末製剤は、空気動力学的中央粒子径が約5〜約7ミクロンの間を有する、複数の粒子からなる。一部の実施形態では、乾燥粉末製剤は、空気動力学的中央粒子径が約7〜約9.5ミクロンの間を有する、複数の粒子からなる。
一部の場合、直径が約3ミクロンより大きい粒子を送達するのに利点があり得る。粒子直径が約3ミクロンを超えて大きくなるにつれて、肺胞のマクロファージによる粒子の食作用が急激に低下する。Kawaguchi, H.ら、Biomaterials 7巻:61〜66頁(1986年);およびRudt, S.およびMuller, R. H.、J. Contr. Rel、22巻:263〜272頁(1992年)。空気動力学的体積が3ミクロン超の粒子を投与することにより、肺胞のマクロファージによる食細胞貪食および肺からのクリアランスが最小限となり得る。
一部の実施形態では、乾燥粉末製剤中の粒子の少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%が、約10ミクロン未満、より好ましくは約7ミクロン未満、最も好ましくは約5ミクロンの空気動力学的直径を有する。一部の実施形態では、乾燥粉末製剤中の粒子の少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%が、約0.5ミクロン超の空気動力学的直径を有する。一部の実施形態では、乾燥粉末製剤中の粒子の少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%が、約0.1ミクロン超の空気動力学的直径を有する。
一部の実施形態では、乾燥粉末製剤中の粒子の少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%が、約0.5ミクロン超および約10ミクロン未満、より好ましくは約0.5ミクロン超および約7ミクロン未満、最も好ましくは約0.5ミクロン超および約5ミクロン未満の空気動力学的直径を有する。一部の実施形態では、乾燥粉末製剤中の粒子の少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%が、約0.5ミクロン超および約3ミクロン未満の空気動力学的直径を有する。一部の実施形態では、乾燥粉末製剤中の粒子の少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%が、約3ミクロン超および約5ミクロン未満の空気動力学的直径を有する。一部の実施形態では、乾燥粉末製剤中の粒子の少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%が、約5ミクロン超および約7ミクロン未満の空気動力学的直径を有する。一部の実施形態では、乾燥粉末製剤中の粒子の少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%が、約7ミクロン超および約9.5ミクロン未満の空気動力学的直径を有する。
一部の実施形態では、粒子は、約0.4g/cm3未満、より好ましくは約0.25g/cm3未満、最も好ましくは約0.1g/cm3未満のタップ密度を有する。低タップ密度に寄与し得る特徴には、不規則な表面質感および多孔性構造が含まれる。
一部の場合、粒子は球状であるか、または形状は卵形である。粒子は滑らかまたは粗い表面質感を有することができる。粒子はまた、ポリマー、または肺中に1種または複数の活性剤の放出を制御するのに好適な他の材料によりコーティングすることができる。
乾燥粉末製剤は、当分野で公知の好適な方法を使用して、乾燥粉末として投与することができる。あるいは、乾燥粉末製剤は、以下に記載されている液状製剤に懸濁することができ、液状製剤を送達するための分野において公知の方法を使用して、肺に投与することができる。
2.液状製剤
液状製剤は、液体医薬担体中に溶解または懸濁した1種または複数の体重減少剤を含有する。
好適な液体担体には、以下に限定されないが蒸留水、脱イオン水、純水または超純水、生理食塩水、ならびに塩および/または緩衝液を含有する他の生理学的に許容される水溶液、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム、または動物もしくはヒトに投与するのに許容される任意の他の水溶液が含まれる。
好ましくは、液状製剤は、ほぼ同じpHの生理学的流体、例えば、約pH4.0〜約pH7.4、より好ましくは約pH6.0〜pH7.0の範囲に等張性である。液体医薬担体には、リン酸緩衝液などの1種または複数の生理学的に適合可能な緩衝液が含まれ得る。当業者は、肺投与用の水溶液について、好適な塩類含有量およびpHを容易に決定することができる。
液状製剤には、セルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、またはレシチンなどの1種または複数の懸濁化剤が含まれ得る。液状製剤には、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピルなどの1種または複数の保存剤が含まれ得る。
一部の場合、本液状製剤は、低毒性有機物(すなわち、非水性)クラス3の残留溶媒(エタノール、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、エチルエーテルおよびプロパノールなど)である1種または複数の溶媒を含有してもよい。これらの溶媒は、製剤を容易にエアゾール化することができる能力に基づいて選択することができる。液状製剤中に含まれるこうした任意の溶媒は、液状製剤中に存在している1種または複数の活性剤と有害に反応すべきではない。溶媒は、溶液または懸濁物のエアゾールの形成を可能にするのに十分な揮発性を有するべきである。フレオン、アルコール、グリコール、ポリグリコールまたは脂肪酸などの追加的な溶媒またはエアゾール化剤はまた、所望に応じて、揮発性を高めるため、および/または溶液もしくは懸濁物のエアゾール化挙動を改変するために、液状製剤中に含ませることができる。
液状製剤はまた、ポリマー、界面活性剤、または当業者に周知の他の賦形剤を少量含有してもよい。この文脈において、「少量」は、肺中への1種または複数の活性剤の摂取に悪影響を及ぼす恐れがある賦形剤が存在しないことを意味する。
3.エアゾール製剤
上記の乾燥粉末および液状製剤を使用して、肺投与向けのエアゾール製剤を形成することができる。気道へ治療剤を送達するためのエアゾールは、当分野で公知である。本明細書で使用する場合、用語エアゾールとは、ガス中に懸濁している微細霧状物の固体または液体粒子の任意の調製物を指す。一部の場合、ガスは噴霧体であり得る。しかし、これは必須ではない。エアゾールは、超音波処理または高圧処理として含む、いくつかの標準技法を使用して生成することができる。
好ましくは、上記の乾燥粉末または液状製剤は、1種または複数の噴霧体を使用して、エアゾール製剤に製剤化される。好適な噴霧体には、空気、炭化水素(ペンタン、イソペンタン、ブタン、イソブタン、プロパンおよびエタンなど)、二酸化炭素、クロロフルオロカーボン、フルオロカーボン、およびそれらの組み合わせが含まれる。好適なフルオロカーボンには、1〜6個の水素を含有するフルオロカーボン(CHF2CHF2、CF3CH2F、CH2F2CH3およびCF3CHFCF3など)、およびフッ化エーテル(CF3−O−CF3、CF2H−O−CHF2およびCF3−CF2−O−CF2−CH3など)が含まれる。好適なフルオロカーボンはまた、パーフルオロカーボン(CF3CF3、CF3CF2CF3およびCF3CF2CF2CF3を含む、1〜4個の炭素のパーフルオロカーボンなど)を含む。
好ましくは、噴霧体には、以下に限定されないが、1種または複数のヒドロフルオロアルカン(HFA)が含まれる。好適なHFA噴霧体には、以下に限定されないが、1,1,1,2,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパン(HFA227)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA134)、1,1,1,2,25 3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(プロペラント227)、またはこれらの噴霧体の任意の混合物が含まれる。
好ましくは、1種または複数の噴霧体は、噴霧体としてそれらを有効なものにするために十分な蒸気圧を有する。好ましくは、1種または複数の噴霧体は、エアゾール製剤中の粒子の沈殿またはクリーム化を最小化するために、混合物の密度がエアゾール製剤中の粒子の密度に適合するよう選択される。
噴霧体は、好ましくは、エアゾールのキャニスターからエアゾール製剤の選択された複数の用量を噴射するのに十分な量で存在する。
4.肺投与用装置
一部の場合、装置を使用して肺に製剤を投与する。好適な装置には、以下に限定されないが、乾燥粉末吸入器、加圧式定量吸入器、ネブライザーおよび電気流体式エアゾール装置が含まれる。
吸入は、患者の鼻および/または口から行うことができる。投与は、吸入しながら製剤の自己投与により、またはレスピレータを介して、レスピレータを装着した患者に製剤を投与することにより、行うことができる。
乾燥粉末吸入器
上記の乾燥粉末製剤は、乾燥粉末吸入器(DPI)を使用して患者の肺に投与することができる。DPI装置は、通常、容器内部に乾燥粉末の雲を作製するためのガスのバーストなどのメカニズムを使用し、次に、これが患者により吸入され得る。
乾燥粉末吸入器では、投与される用量は、加圧されていない乾燥粉末の形態で保管され、吸入器の作動時に粉末の粒子が被験体により吸入される。一部の場合、圧縮ガス(すなわち、噴霧体)を使用して、加圧式定量吸入器(pMDI)と同様に粉末を分注することができる。一部の場合、DPIは呼吸により作動し、これは、エアゾールが吸息に正確に応答して作製されることを意味する。通常、乾燥粉末吸入器は、咳の誘発を回避するため、吸入あたり数十ミリグラム未満の用量を投与する。
DPIは、肺に製剤を投与するための様々な機械的手段により機能する。一部のDPIでは、レザーバー中に含有される乾燥粉末製剤を横切ってドクターブレードまたはシャッターがスライドし、製剤を流路に集め、これにより患者は、単回呼吸で粉末を吸入することができる。他のDPIでは、乾燥粉末製剤は、ブリスター、タブレ(tabule)、錠剤またはジェルキャップなどの予め形成された剤形中に包装され、これは、穿孔されるか、粉砕されるか、または他の方法により開封され、その後に吸入するために、乾燥粉末製剤が流路に放出される。さらに他のDPIは、チャンバーまたはカプセルに乾燥粉末製剤を放出し、患者が吸入するまで乾燥粉末製剤を空気中に懸濁させて維持するよう、機械的または電気的攪拌機を使用する。
乾燥粉末製剤は、DPIのレザーバーへ挿入するための緩い粉末、ケーキまたは圧縮された形状などの様々な形態で包装することができる。
上記の製剤を投与するための例示的な好適なDPIには、Turbohaler(登録商標)吸入器(Astrazeneca、Wilmington、Del.)、Clickhaler(登録商標)吸入器(Innovata、Ruddington、Nottingham、英国)、Diskus(登録商標)吸入器(Glaxo、Greenford、Middlesex、英国)、EasyHaler(登録商標)(Orion、Expoo、FI)、Exubera(登録商標)吸入器(Pfizer、New York、N.Y.)、Qdose(登録商標)吸入器(Microdose、Monmouth Junction、N.J.)、およびSpiros(登録商標)吸入器(Dura、San Diego、Calif.)が含まれる。
加圧式定量吸入器
上記の液状製剤は、加圧式定量噴霧式吸入(pMDI)を使用して患者の肺に投与することができる。
加圧式定量吸入器(pMDI)は、一般に、少なくとも2つの構成要素、すなわち1種または複数の噴霧体と組み合わせて液状製剤が加圧下で保持されているキャニスター、およびキャニスターを保持して作動させるために使用されるレセプタクルである。このキャニスターは、単回または多回用量の製剤を含有することができる。キャニスターは、弁、通常、定量弁を含むことができ、ここからキャニスターの内容物を送り出すことができる。エアゾール化薬物は、キャニスターに力を適用してレセプタクルに押し出すことによってpMDIから分注され、これにより、弁を開けて、薬物粒子がレセプタクルの出口を通ってこの弁から運ばれる。キャニスターから送り出される際に、液状製剤は噴霧化され、エアゾールが形成される。
pMDIは、通常、1種または複数の噴霧体を使用して、キャニスターの内容物を加圧し、レセプタクルの出口から液状製剤を噴射してエアゾールを形成する。上で議論したものを含む、任意の好適な噴霧体を利用することができる。噴霧体は、様々な形態をとることができる。例えば、噴霧体は、圧縮ガスまたは液化ガスとすることができる。クロロフルオロカーボン(CFC)は、かつては液体噴霧体として一般に使用されたが、今では禁止されている。それらは、現在は、幅広く容認されているヒドロフルオロアルカン(HFA)噴霧体により置き換えられた。
pMDIは、3M Corporation、Aventis、Boehringer Ingleheim、Forest Laboratories、Glaxo−Wellcome、Schering PloughおよびVecturaを含めた、いくつかの供給業者から入手可能である。一部の場合、患者は、吸息と協調してpMDIから手作業によりエアゾール化製剤を送り出すことにより、エアゾール化製剤を投与する。この方法では、エアゾール化製剤は、吸息の空気流内に取り込まれ、肺に運ばれる。
他の場合では、Tempo(登録商標)吸入器(MAP Pharmaceuticals、Mountain View、Calif.)に含まれるものなどの呼吸により作動するトリガーが使用され、吸入を感知すると、製剤の用量が同時に送り出される。使用者が吸入を開始すると、エアゾール製剤を送り出すこれらの装置は、呼吸作動式加圧式定量吸入器(baMDI)として公知である。
ネブライザー
上記の液状製剤はまた、ネブライザーを使用して投与することができる。ネブライザーは、上記の液状製剤、通常、水性ベースの組成物を、好ましくは5ミクロン未満の空気動力学的中央粒子径の直径を有する霧状物または小滴の雲(これらが下気道に吸入され得る)に変換する液体エアゾール生成器である。この方法は、噴霧化と呼ばれる。これらの液滴は、エアゾールの雲が吸入されると、1種または複数の活性剤を鼻、上気道または肺深部に運ばれる。以下に限定されないが、空気式(ジェット式)ネブライザーおよび電気機械式ネブライザーを含む、任意のタイプのネブライザーが使用されて患者に製剤が投与され得る。
空気式(ジェット式)ネブライザーは、液状製剤を噴霧化するための駆動力として加圧ガス供給を使用する。圧縮ガスはノズルまたはジェットにより送達されて低圧場を作り出し、この低圧場は、周囲の液状製剤を取り込み、薄いフィルムまたはフィラメントにせん断する。このフィルムまたはフィラメントは不安定なものであり、圧縮ガス流により吸息に運ばれる小滴に壊れる。液滴の噴煙に挿入されたバッフルにより大きな液滴が選別され、この液滴は、バルク液体レザーバーに戻される。空気式ネブライザーの例には、以下に限定されないが、PARI LC Plus(登録商標)、PARI LC Sprint(登録商標)、Devilbiss PulmoAide(登録商標)およびBoehringer Ingelheim Respima(登録商標)が含まれる。
電気機械式ネブライザーは、電気的に発生した機械の力を使用して液状製剤を噴霧化する。例えば、超音波周波数で液状製剤を振動させることにより、または薄いフィルム中の小さな穴にバルク液体を強制的に通すことにより、電気機械式駆動力を適用することができる。この力により、薄い液体フィルムまたはフィラメントのストリームが生じ、これらが小滴に壊れて、吸息の流れに取り込まれ得る、ゆっくりと動くエアゾールのストリームを形成する。
一部の場合、この電気機械式ネブライザーは、超音波式ネブライザーであり、この場合、液状製剤は、超音波範囲の周波数で振動している振動器に連結される。この連結は、液体と保持用カップ中のプレートまたはリングなどの振動器とを直接接触させることにより、または固体の振動式投射器(ホーン)に大きな液滴を入れることにより達成される。振動により、直立する円形フィルムが生じ、これは、その縁で液滴に壊れ、液状製剤を噴霧化する。超音波式ネブライザーの例には、DuroMist(登録商標)、Drive Medical Beetle Neb(登録商標)、Octive Tech Densylogic(登録商標)、およびJohn Bunn Nano−Sonic(登録商標)が含まれる。
一部の場合、電気機械式ネブライザーは、メッシュネブライザーであり、この場合、液状製剤は、直径が2〜8ミクロンの範囲の小さな穴を有するメッシュまたは膜を通され、小滴に壊れる薄いフィラメントが生じる。ある種の設計では、液状製剤は、ソレノイドピストン推進器(例えば、AERx(登録商標)ネブライザー)を用いて圧力をかけることにより、または圧電振動プレートとメッシュとの間に液体をはさむことにより、メッシュに強制的に通され、これにより、振動によるポンプ注入動作(例えば、EFlow(登録商標)、AerovectRx(登録商標)またはTouchSpray(登録商標)ネブライザー)が起こる。他の場合、このメッシュは、液体の直立カラムを通して前後に振動し、液体を穴にポンプ押出する。こうしたネブライザーの例には、AeroNeb Go(登録商標)、AeroNeb Pro(登録商標)、PARI EFlow(登録商標)、Omron 22UE(登録商標)およびAradigm AERx(登録商標)が含まれる。
電気流体力学的エアゾール装置
上記の液状製剤は、電気流体力学的(EHD)エアゾール装置を使用して投与することもできる。EHDエアゾール装置は、電気エネルギーを使用して液体薬物の溶液または懸濁物をエアゾール化する。EHDエアゾール装置の例は、当分野で公知である。例えば、Noakesらへの米国特許第4,765,539号およびCoffee,R.A.への米国特許第4,962,885号を参照されたい。
製剤の電気化学的特性は、EHDエアゾール装置を使用して肺に液状製剤を送達する場合に最適化するための重要なパラメータとなり得、こうした最適化は、当業者により慣例的に行われる。
V.処置方法
本明細書に記載されている、1種または複数の体重減少剤を含有する医学製剤は、やや肥満、肥満もしくは病的肥満の患者における体重減少を誘発するため、やや肥満、肥満もしくは病的肥満の患者における体脂肪を低減するため、やや肥満、肥満もしくは病的肥満の患者における食物摂取量を低減するため、やや肥満、肥満もしくは病的肥満の患者におけるグルコースホメオスタシスを改善するため、正常、やや肥満、肥満もしくは病的肥満の患者における体重増加および/もしくはボディマス指数の増加を防止するため、またはそれらの組み合わせのために投与され得る。
ある特定の実施形態では、本医薬製剤は、肥満(例えば、やや肥満、肥満または病的肥満の患者)、肥満関連疾患または障害、糖尿病、インスリン抵抗性症候群、リポジストロフィー、非アルコール性脂肪性肝炎、心血管疾患、多嚢胞性卵巣症候群、またはメタボリックシンドロームを患う患者に投与される。
医薬製剤が、血糖を正常化するために投与される場合、製剤は、約180mg/dL未満まで血中グルコースレベルを低下させるのに有効な量で、好ましくは投与される。本製剤は、必要な場合、他の抗糖尿病療法と共投与して、グルコースホメオスタシスを改善することができる。
医薬製剤はまた、バルデー−ビードル症候群、またはメラノコルチン受容体3(MC3R)タンパク質をコードする遺伝子における変異(すなわち、MC3R変異)などの、肥満を引き起こす疾患または障害を患う患者、または肥満になる素因を有する患者に投与することもできる。
高脂肪食(HFD)給餌マウスでは、ウィザフェリンAの投与により、体重(p<0.001)および食物摂取量(p<0.001、薬物投与の最初の1週間以内の3日間の平均)が有意に減少した。実験の21日目に、ウィザフェリンAにより、肥満マウスの血中グルコースが減少した。10週齢のやせたマウスに、3週間i.p.注射によりウィザフェリンAを2mg/kgの通常食で投与した。ウィザフェリンAは、やせたマウスにおいて体重減少の誘発も食物摂取量の抑制もせず、ウィザフェリンAの食欲減退効果は、肥満動物に限られることを示唆している。処置の3週間後、血中グルコースレベルは変わらなかった。
ウィザフェリンAの効果がレプチン依存的であるかどうかを探索するため、ウィザフェリンAを、肥満のレプチン受容体欠損(db/db)マウスモデルに投与した。db/dbマウスの体重は、ビヒクル処置群と同様に増加し続け、これらのマウスは、ウィザフェリンA投与時に、食物摂取量の低減を示さなかった。3週間の処置の終了時の血中グルコースレベルは、減少する傾向を示したが、統計的に有意なレベルには到達しなかった。ウィザフェリンAが、HFD給餌肥満マウスにおいて体重および食物摂取量を低減させたが、db/dbマウスではそうではなかったという事実は、ウィザフェリンAの食欲減退効果がレプチンのシグナル伝達により媒介されることを示唆している。HFD給餌肥満マウスでは、レプチンレベルが高いが、レプチン抵抗性を発現し、外因性レプチン投与に応答しない。したがって、ウィザフェリンAは、HFD給餌肥満マウスの脳におけるレプチン感受性の向上により、抗肥満効果を発揮する可能性がある。
レプチンをウィザフェリンAまたはビヒクル処置HFD給餌肥満動物に投与した。ウィザフェリンAは、やせたマウスの食物摂取量を変化させず、ビヒクル処置したやせたマウスへのレプチン投与により、予期される通り、食物摂取量が抑制された。やせたまたはHFDマウスのどちらかへのウィザフェリンA投与により、レプチンの食欲抑制作用が有意に増強された。ビヒクル処置した非レプチン群と比べて、ウィザフェリンA処置したやせたマウスはレプチン注射をすると約50%の、およびHFD給餌肥満マウスは75%という驚くほどの食物摂取量の低下が示された。さらに、HFD給餌肥満マウスは、ウィザフェリンAを受けない限り、レプチンの食物摂取量低減効果に対して抵抗性であった。恐らく、HFD給餌肥満マウスのレプチンレベルが既に向上しているために、外因性レプチン投与の非存在下で、ウィザフェリンA単独により、HFD給餌肥満マウスの食物摂取量が低減した。除脂肪体重は、2週間の慢性ウィザフェリンA投与後に変化しなかった。しかし、脂肪率は、ウィザフェリンA処置HFD給餌動物では有意に低下した。
A.投与量
患者に投与される正確な投与量は、患者の身体的特徴(例えば、体重)、処置される疾患または障害の重症度、および合併している他の疾患もしくは障害の存在または不在を含む、多くの因子に依存することになり、処方医により容易に決定され得る。
ある特定の実施形態では、体重減少剤は、1日あたりの体重1kgあたり約0.005mg〜約500mgの間、より好ましくは1日あたりの体重1kgあたり約0.05mg〜約100mgの間、最も好ましくは1日あたりの体重1kgあたり約0.1mg〜約10mgの間の経口投与量に等しい投与量で投与される。特定の実施形態では、体重減少剤は、1日あたりの体重1kgあたり約1.0mg〜15.0mgの間、好ましくは体重1kgあたり約5.0mg〜約15.0mgの経口投与量に等しい投与量で投与される。一部の実施形態では、投与量は体重1kgあたり約10mgである。
一部の場合、1種または複数の体重減少剤を含有する医薬製剤は、やや肥満、肥満または病的肥満の患者に、体重減少を誘発するために治療的に有効な量で投与される。ある特定の実施形態では、1種または複数の体重減少剤を含有する医薬製剤は、やや肥満、肥満または病的肥満の患者に、少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、最も好ましくは少なくとも20%、体重を減少させるために治療的に有効な量で投与される。
一部の場合、1種または複数の体重減少剤を含有する医薬製剤は、やや肥満、肥満または病的肥満の患者に、体脂肪を低減するために治療的に有効な量で投与される。ある特定の実施形態では、1種または複数の体重減少剤を含有する医薬製剤は、やや肥満、肥満または病的肥満の患者に、少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、最も好ましくは少なくとも20%、体脂肪を減少させるために治療的に有効な量で投与される。
一部の場合、1種または複数の体重減少剤を含有する医薬製剤は、やや肥満、肥満または病的肥満の患者に、食物摂取量、食欲またはそれらの組み合わせを低減するために治療的に有効な量で投与される。ある特定の実施形態では、1種または複数の体重減少剤を含有する医薬製剤は、やや肥満、肥満または病的肥満の患者に、少なくとも15%、より好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは少なくとも35%、(カロリーの観点から)平均毎日食物摂取量を低減するために治療的に有効な量で投与される。
一部の場合、1種または複数の体重減少剤を含有する医薬製剤は、やや肥満、肥満または病的肥満の患者に、グルコースホメオスタシスを改善するために治療的に有効な量で投与される。ある特定の実施形態では、1種または複数の体重減少剤を含有する医薬製剤は、やや肥満、肥満または病的肥満の患者に、少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、最も好ましくは少なくとも20%、平均絶食時血漿血中グルコースを低減するために治療的に有効な量で投与される。医薬製剤が、血糖を正常化するために投与される場合、製剤は、約180mg/dL、160mg/dL、140mg/dL、120mg/dLまたは100mg/dL未満まで終夜絶食時血漿中グルコースレベルを低下させるのに有効な量で好ましくは投与される。
B.治療的投与
医薬製剤は、例えば、単回投与量で、連続投与量として、毎日1回または複数の回数、または1週間に1回などのそれほど高くはない頻度で投与することができる。本医薬製剤は、1日1回、または1日2回、1日3回、1日4回またはそれ超などの1日1回超で投与することができる。ある特定の実施形態では、本製剤は、1日1回またはそれ未満で経口投与される。
本医薬製剤は、有効量で所望の治療的利益を発揮する有効な期間、投与される。ある特定の実施形態では、本医薬製剤は、少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、1年またはそれ超の期間にわたり、毎日、週2回、毎週、月2回または1か月毎に投与される。
本医薬製剤は、予防的に、例えば、糖尿病または肥満などの疾患または障害のリスクにある患者または被験体に投与することもできる。すなわち、方法は、製剤の投与前に糖尿病または肥満のリスクにある被験体を特定することも含む。
必要とされる製剤の正確な量は、被験体の種、年齢、性別、体重および一般的状態、被験体における疾患の程度、投与経路、別の薬物がレジメンに含まれるかどうかなどに応じて、被験体間で様々になろう。すなわち、製剤毎に正確な投与量を指定することは不可能である。しかし、適切な投与量は、慣例的な実験だけを使用して、当業者により決定することができる。例えば、組成物を投与するための有効な投与量およびスケジュールは、経験的に決定することができ、こうした決定を行うことは、当分野の技量の範囲内である。
投与量は変動し得、1日または数日間にわたり、1種または複数の用量の投与で毎日、実施され得る。指針は、医薬製品の所与のクラスに関する適切な投与量に関する文献において見いだすことができる。
1.活性剤との共投与
他の実施形態では、本明細書において開示されている化合物は、1種または複数の追加の治療剤、予防剤または診断剤と共投与することができる。共投与には、本明細書で使用する場合、同じ剤形内または異なる剤形内の投与が含まれる。本明細書に記載されている化合物、および1種または複数の追加の治療剤、予防剤または診断剤が異なる剤形で投与される実施形態の場合、剤形は、同時(例えば、同じ時間に、または本質的に同じ時間に)または逐次に投与することができる。「本質的に同じ時間」は、本明細書で使用する場合、一般に、10分以内、好ましくは5分以内、より好ましくは2分以内、最も好ましくは1分以内を意味する。逐次投与される剤形は、互いに数時間以内、例えば、10時間、9時間、8時間、7時間、6時間、5時間、4時間、3時間、2時間、1時間、30分間、20分間または15分間で投与され得る。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている体重減少剤は、レプチンまたはレプチンアナログと共投与される。これらの場合、レプチンまたはレプチンアナログは、処置期間の一部の間、または処置期間の全体の間に、本体重減少剤と共投与されてもよい。好ましい実施形態では、本体重減少剤は、Amylin Pharmaceuticals(San Diego、Ca1if.)により入手可能なr−metHuレプチン(A−100、METRELEPTIN(登録商標))と共投与される。
ある特定の実施形態では、患者は糖尿病を患っている。これらの場合、本明細書に記載されている体重減少剤は、1種または複数の糖尿病の療法と一緒に共投与される。
実施例1.肥満マウスへのウィザフェリンAの投与
レプチン感受性の向上および食欲の低下により、ウィザフェリンAが抗肥満薬として作用し得るかどうかを検討するため、C57Bl/6Jマウスを16週間、高脂肪食(HFD;研究用餌、D12451、45kcal%の脂肪)給餌においた。肥満およびレプチン抵抗性の確立後、マウスにウィザフェリンA(DMSO25μl中、2mg/kgで、1日1回)およびビヒクル(DMSO、25μl)を腹腔内(i.p.)注射で投与した。動物は、特に明記しない限り、餌および水を自由に摂取させた。すべての実験において、薬物投与の3日前に、動物に馴化期間を過ごさせ、ここで、動物にDMSO(25μl)が与えられて、i.p.注射により生じるストレスの影響を軽減した。
3日間の馴化後、マウスに、ビヒクルとしてDMSO25μl中、2mg/kgのi.p.注射でウィザフェリンAを、3週間、毎日投与した一方、対照群は、同じ体積のDMSOの投与を受けた。図1Aに示されている通り、ウィザフェリンAのi.p.投与により、HFD給餌肥満マウスの体重(図1A、p<0.001;図1B、p<0.001)および食物摂取量(図1C、p<0.001、薬物投与の最初の1週間以内の3日間の平均)が有意に低下した。実験の21日目に、マウスの6時間の絶食時血中グルコースを測定した。図1Dは、ウィザフェリンAは、肥満マウスの血中グルコースを減少させることを示している。
通常食の10週齢のやせたマウスに、3週間、i.p.注射によりウィザフェリンAを2mg/kgで投与した。図2Aおよび図2Bに示されている通り、ウィザフェリンAは、やせたマウスにおいて体重減少の誘発も食物摂取量の抑制もせず、ウィザフェリンAの食欲減退効果は、肥満動物に限られることを示唆している。図2Cで分かる通り、処置の3週間後、血中グルコースレベルは変わらなかった。これらの結果に基づくと、2mg/kgのウィザフェリンAは、DIOマウスにおいて体重減少を誘発するのに有効な用量であるが、やせたマウスではそうではないと結論付けられた。
ウィザフェリンAの効果がレプチン依存的であるかどうかを探索するため、ウィザフェリンA(2mg/kg、1日1回、DMSO25μl中)を、肥満のレプチン受容体欠損(db/db)マウスモデルに投与した。db/dbマウスの体重は、ビヒクル処置群と同様に増加し続け(図3A)、これらのマウスは、ウィザフェリンA投与時に、食物摂取量の低減を示さなかった(図3B)。3週間の処置の終了時の血中グルコースレベルは、減少する傾向を示したが、統計的に有意なレベルには到達しなかった(図3C)。
ウィザフェリンAが、HFD給餌肥満マウスにおいて体重および食物摂取量を低減させたが、db/dbマウスではそうではなかったという事実は、ウィザフェリンAの食欲減退効果がレプチンのシグナル伝達により媒介されることを示唆している。HFD給餌肥満マウスでは、レプチンレベルが高いが、これらマウスは、レプチン抵抗性を発現し、外因性レプチン投与に応答しない。したがって、ウィザフェリンAは、HFD給餌肥満マウスの脳におけるレプチン感受性の向上により、抗肥満効果を発揮する可能性がある。この仮説を試験するため、レプチンをウィザフェリンAまたはビヒクル処置HFD給餌肥満動物に投与した。ウィザフェリンA投与により生じる体重減少または食物摂取量の低下のあらゆる可能性のあるレプチン感作効果を防止するため、レプチン注射を急性ウィザフェリンA処置時に行った。やせたおよびHFD給餌肥満マウスを4つの群に分けた。1)DMSO+生理食塩水、2)DMSO+レプチン、3)ウィザフェリンA+生理食塩水、および4)ウィザフェリンA+レプチン(1群あたりn=6匹のマウス)。これらのマウスに、暗サイクルの1時間前に、1.5mg/kgウィザフェリンAまたはビヒクル(DMSO)を注射(i.p.)した(0日目)。24時間後、DMSOまたはウィザフェリンAの2回目および最後の注射を投与した。暗サイクルの30分前に、マウスはレプチン(HFDマウスの場合、1mg/kg、生理食塩水に溶解、やせたマウスの場合5mg/kg)、または生理食塩水を、単回でi.p.注射を受けた。終夜、食物摂取量を記録した(HFD、図4A;通常食、図4B)。ウィザフェリンAは、やせたマウスの食物摂取量を変化させず、ビヒクル処置したやせたマウスへのレプチン投与により、予期される通り、食物摂取量が抑制された。やせたまたはHFDマウスのどちらかへのウィザフェリンA投与により、レプチンの食欲抑制作用が有意に増強された。ビヒクル処置した非レプチン群と比べて、ウィザフェリンA処置したやせたマウスはレプチン注射をすると約50%の、およびHFD給餌肥満マウスは75%という驚くほどの食物摂取量の低下が示された。さらに、HFD給餌肥満マウスは、ウィザフェリンAを受けない限り、レプチンの食物摂取量低減効果に対して抵抗性であった(図4A)。注目すべきことに、恐らく、HFD給餌肥満マウスのレプチンレベルが既に向上しているために、外因性レプチン投与の非存在下で、ウィザフェリンA単独により、予期される通り、HFD給餌肥満マウスの食物摂取量が低減した。
ウィザフェリンA処置(i.p.2mg/kg)の間の体組成の変化を解析するため、二重発光X線吸収測定法(DEXA)を用いてマウスの除脂肪体重および脂肪質量を測定した。除脂肪体重は、2週間の慢性ウィザフェリンA投与後に変化しなかった(図5A)。しかし、脂肪率は、ウィザフェリンA処置HFD給餌動物では有意に低下した(図5B)。
上で言及した通り、ウィザフェリンAをi.p.投与すると、HFD給餌肥満マウスの血中グルコースレベルが確実に減少する。グルコースホメオスタシスに及ぼすウィザフェリンAの効果を解析するために、本発明者らは、ウィザフェリンAのi.pでの慢性処置(2mg/kg)の後に、グルコース負荷試験(GTT)およびインスリン負荷試験(ITT)を行った。GTTの場合、マウスは、1週間のウィザフェリンA処置の後に終夜、絶食させ、朝に、D−グルコース(1g/kg)のi.p.注射を受けた。ITTの場合、16日のウィザフェリンA処置後、マウスは、6時間絶食させ(8a.m.〜2p.m.)、組換えヒトインスリン(1IU/kg、Eli Lillyから)を腹腔内注射した。両方の手順において、注射の0、15、30、60、90および120分間後、尾部静脈血から血中グルコースを測定した。図6Aに示されている通り、1週間のウィザフェリンA処置後、グルコースホメオスタシスは、GTTの曲線下面積(AUC)の差異から明白な通り、ビヒクル処置マウスと比べると、ウィザフェリンA処置マウスではかなり改善されている(図6B、p<0.05)。16日目に、ITTを行い、HFD給餌肥満マウスは、同様に、インスリン感受性が改善されたことを示した(図6C〜D、p<0.01)。