JP2016536387A - 耐高温性ポリエチレン及びその製造方法 - Google Patents

耐高温性ポリエチレン及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、管用途のポリエチレン組成物であって、952.0kg/m3を超え957.0kg/m3以下の密度を有するベース樹脂を含み、該組成物が、0.12〜0.21g/10分のMFR5を有し、且つ該組成物及び/又は該ベース樹脂が、3.5Pa−1以上4.9Pa−1以下の範囲の多分散性指数PIを有する、ポリエチレン組成物、並びに多段プロセスによって得られるポリエチレン組成物であって、該多段プロセスが、シリカ担持チーグラーナッタ触媒の存在下、ループ反応器中で、エチレンを重合することと、中間体を気相反応器に移送し、ベース樹脂を得るためにエチレン及びコモノマーを該気相反応器に供給し、最後に、該ベース樹脂を、安定剤及びカーボンブラックと共にポリエチレン組成物に押出すこととを含む、ポリエチレン組成物に関する。更に、本発明は、本発明のポリエチレン組成物で作られた物品、好ましくは管、及び物品の製造のための本発明のポリエチレン組成物の使用に関する。

Description

本発明は、ポリエチレン、特に管用途のポリエチレンに関する。本発明は、ポリエチレンの製造方法にも関する。
管の製造のための多数のポリエチレン組成物が知られている。管材料は、PE80又はPE100のように分類される。PE100の使用温度は20℃である。ISO 9080分類は、PE100材料が10MPaの内部応力を用いて20℃で少なくとも50年の寿命を有することを保証する。
Chevron Phillips Chemical Company名義の特許文献1は、947kg/m〜954kg/mのペレット密度と1〜30g/10分のMFR21(ASTM D1238、21.6kgの荷重)とを有し、管に好適なポリエチレンを開示している。例示された樹脂は、30.5〜35.1のMw/Mnで278〜346kg/molの重量平均分子量を示した。
UNIVATION TECH LLC(米国)名義の特許文献2は、0.940g/cc以上の密度を有する高強度二峰性ポリエチレン組成物であって、該組成物は、高重量平均分子量(MwHMW)を有する高分子量ポリエチレン成分と低重量平均分子量(MwLMW)を有する低分子量ポリエチレン成分とを含み、該高重量平均分子量と該低重量平均分子量との比(MwHMW:MwLMW)が30以上であり、該組成物は、ISO 1167に従って、該組成物から形成され内部管抵抗を受けた管が、該内部管抵抗曲線をISO 9080:2003に従って50又は100年に外挿したときに10MPa以上の外挿応力を有するようなPE100材料としての適格性を有するものに限定されないが、種々の組成物を開示している。
Ineosグループによる特許文献3は、0.15〜0.5g/10分のメルトフローレート(5kgの荷重)で935〜956kg/mまでの天然の密度を有する組成物であって、コモノマーが1−ヘキセンでありかつ100ラジアン/秒、190℃での動的粘度が2500Pa・s以下のものを開示している。
Borealis Technology Oy名義の特許文献4は、少なくとも953kg/mの粉末密度及び955〜965kg/mの範囲の組成物の最終密度、0.15〜0.40g/10分のMFRを有する組成物を開示している。該組成物から作製された管は、少なくとも9.0MPaの設計応力(PE112)を満たす。該組成物は、2つの成分から構成され、低分子量成分は、350〜1500g/10分のMFRを有するエチレンホモポリマーでありかつ42〜55重量%の量で存在する。
ISO 9080によれば、ポリエチレン管は、それらの最小要求強度、すなわち、破裂することなく20℃で50年間様々なフープ応力に耐える能力によって分類される。よって、8.0MPa(MRS8.0)のフープ応力に耐える管はPE80管として分類され、10.0MPa(MRS10.0)のフープ応力に耐える管はPE100管として分類される。ポリエチレン管開発の次の進化段階は、12.5MPa(MRS12.5)のフープ応力に耐えるPE125管である。従来のチーグラー−ナッタ触媒によって製造される多峰性樹脂でPE80の要件を満たすためには、密度は少なくとも940kg/mである必要があり、PE100の要件を満たすためには、密度は945kg/mを超える必要がある。しかし、ポリエチレン樹脂の密度はその結晶化度と直接関連がある。ポリエチレン樹脂の結晶化度が高いほど、耐低速亀裂成長性は低くなる。言い換えれば、管の耐圧性のためのポリエチレン材料は全て、結晶化度の依存性と密度及び低速亀裂成長性の程度に悩まされる。密度が増大すると、低速亀裂成長(SCG)の抵抗性が低下する。更に、高温でより長い管寿命を要求する種々の用途がある。これは、土壌温度が20℃を超える国に特に当てはまる。これらの国では、より高い使用温度を有するPE100等級が必要である。
欧州特許第1987097号 欧州特許第1781712号 欧州特許第1922342号 欧州特許第1146079号
改善された耐低速亀裂成長性を示すパイプを製造するための高密度のベース樹脂を有するポリエチレン組成物が依然として必要とされている。
本発明は、ISO 1183−1:2004に従って決定される952.0kg/mを超え957.0kg/m以下の密度と、0.45〜0.95重量%のヘキセン由来単位の含有量とを有するベース樹脂を含むポリエチレン組成物であって、該組成物が、ISO 1133に従って決定される0.12〜0.21g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、5kg)を有し、且つ該ベース樹脂が、3.5Pa−1以上4.9Pa−1以下の範囲の多分散性指数PIを有するポリエチレン組成物から管が作れられた場合に、20℃において10MPaの内部応力で50年を超える寿命を有する管が提供され得るということを驚くべきことに見出したことに基づくものである。
本発明は、ISO 1183−1:2004に従って決定される952.0kg/mを超え957.0kg/m以下の密度と、0.45〜0.95重量%のヘキセン由来単位の含有量とを有するベース樹脂を含むポリエチレン組成物であって、該組成物が、ISO 1133に従って決定される0.12〜0.21g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、5kg)を有し、且つ該ベース樹脂が、3.5Pa−1以上4.9Pa−1以下の範囲の多分散性指数PIを有するポリエチレン組成物を提供する。
本発明は、多段プロセスによって得られるポリエチレン組成物であって、該多段プロセスが、
a)シリカ1kg当たり1.30〜1.65mol、好ましくは1.33〜1.63mol、より好ましくは1.35〜1.60molのAlとシリカ1kg当たり1.25〜1.61mol、好ましくは1.26〜1.60mol、より好ましくは1.30〜1.55molのMgとシリカ1kg当たり0.70〜0.90mol、好ましくは0.71〜0.88mol、より好ましくは0.72〜0.85molのTiとを含む触媒のモル組成を有し且つ7〜15μm、好ましくは8〜12μm(D50)の平均粒径(D50)を有するシリカ担持チーグラーナッタ触媒の存在下、380〜600g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、2.16kg)を有する中間体を得るために、第一反応器中で、エチレンを重合することと、
b)該中間体を第二反応器に移送し、
(i)エチレン及びコモノマーを該第二反応器に供給し、
(ii)該中間体を更に重合して、ISO 1183−1:2004に従って決定される952.0kg/mを超え957.0kg/m以下の密度を有するベース樹脂を得ることと、
c)安定剤及びカーボンブラックの存在下、該ベース樹脂を、ISO 1133に従って決定される0.12〜0.21g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、5kg)を有するポリエチレン組成物と3.5Pa−1以上4.9Pa−1以下の範囲の多分散性指数PIを有するベース樹脂とに押出すこととを含む、ポリエチレン組成物を更に提供する。
更なる態様において、本発明は、本発明のポリエチレン組成物を含む物品、特に管を提供する。
更なる態様において、本発明は、物品、特に管の製造のための、本発明のポリエチレン組成物の使用に関する。
本発明は、20℃以上の温度で優れたMRS等級を有する管の製造のための管材料の提供を驚くべきことに可能にする。例えば25℃というような温度は、不可避である限りにおいて、一般に世界の多くの国々の土壌で一年のうちの数か月にわたって見られる。
本発明で用いる触媒は、好ましくは以下の方法:
(i)芳香族溶媒中で、式Mg(R)(式中、各Rは同じでも異なってもよい炭素原子数1〜10、好ましくは炭素原子数2〜10のアルキル基である)のジアルキルマグネシウム化合物、最も好ましくはブチルオクチルマグネシウムと、式R’OH(式中、R’は炭素原子数2〜16、好ましくは炭素原子数4〜10のアルキル基である)のアルコール、最も好ましくは2−エチルヘキサノールとを、1:1.70〜1:1.95、好ましくは1:1.75〜1:1.90のモル比で反応させることによってマグネシウム錯体を調製する工程、
(ii)7〜15μm、好ましくは8〜12μmの範囲の平均粒径(D50)を有する焼成シリカ及び脂肪族炭化水素溶媒(好適にはペンタン)を触媒調製反応器に充填する工程、
(iii)式AlR3−n(式中、RはC〜C10アルキル基、より好ましくはC〜Cアルキル基、最も好ましくはC〜Cアルキル基であり、Xはハロゲン、好ましくは塩素であり、nは1又は2、好ましくは1である)のアルキルアルミニウムクロリド化合物、好ましくはエチルアルミニウムジクロリドを添加し、10〜70℃、好ましくは20〜60℃、最も好ましくは40〜50℃の温度で混合する工程、
(iv)工程(i)で調製されたマグネシウム錯体を、20〜50℃、好ましくは30〜50℃、最も好ましくは40〜50℃で、シリカ1kg当たり2.40〜2.70molのMgの比、好ましくはシリカ1kg当たり2.45〜2.65molのMgの比で、添加する工程、
(v)追加の脂肪族炭化水素溶媒(好ましくはペンタン)を反応器に添加し、温度を40℃以上に保持する工程、
(vi)混合物を45〜55℃の温度で3〜5時間撹拌する工程、
(vii)少なくとも1時間でシリカ1kg当たり1.40〜1.65molの量のTiClを45〜55℃で反応器に添加する工程、
(viii)触媒混合物を、50〜60℃で少なくとも5時間混合する工程、並びに
(ix)触媒混合物を、真空及び/又は窒素流で乾燥する工程
によって調製される。
好ましくはAl、Mg及びTi化合物の添加は1〜3時間以内に行われ、更に好ましくは各添加工程の後に混合物は追加的に1〜6時間撹拌される。
[定義]
本発明によるポリエチレン組成物は、少なくとも50mol%のエチレンモノマー単位及び追加のコモノマー単位から誘導されるポリマーを意味する。
用語「ベース樹脂」は、カーボンブラックのような充填剤を除いた組成物のポリマー部分を意味する。ベース樹脂についての測定には安定剤の存在が必要であるということを当業者は理解できるであろう。
「多分散性指数」PIは、分子量分布曲線の広がりのレオロジー測定である。
全てのレオロジー測定は、ベース樹脂及びポリエチレン組成物で行うことができる。定義上、全てのレオロジー特性は組成物にも適用されるであろう。
用語「触媒系」は、触媒及び共触媒によって形成される組成物を意味するであろう。
[概要]
a.密度(ベース樹脂)
本発明によるベース樹脂は、ISO 1183−1:2004に従って決定される、952.0kg/mを超え957.0kg/m以下、好ましくは952.2kg/mを超え956.0kg/m以下、より好ましくは952.5kg/mを超え955.0kg/m以下、最も好ましくは953.0kg/mを超え954.0kg/m以下の密度を有する。
b.MFR
本発明による組成物は、ISO 1133に従って決定される、0.12〜0.21g/10分、好ましくは0.13〜0.20g/10分、より好ましくは0.14〜0.19g/10分、最も好ましくは0.15〜0.18g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、5kg)を有する。
ベース樹脂は、特定のレオロジー特性によって更に特徴付けられる。実験部で報告されている全てのレオロジー特性は、組成物について測定されている。
c.PI
ベース樹脂、好ましくは組成物は、3.5Pa−1以上4.9Pa−1以下の範囲、好ましくは3.6Pa−1以上4.0Pa−1以下の範囲の多分散性指数PIを有する。
d.SHI2.7/210
ベース樹脂、好ましくは組成物は、好ましくは85〜200の剪断減粘指数SHI2.7/210、より好ましくは90〜120の剪断減粘指数SHI2.7/210、最も好ましくは90〜115の剪断減粘指数SHI2.7/210、を有する。剪断減粘指数SHI2.7/210は、低分子量材料と高分子量材料との相対的な量を(反応器を分けることで)変えること並びに(例えば、連鎖移動剤の供給量の変化によって)低分子量材料及び高分子量材料それぞれの分子量を変えることによって、所定の触媒系のために変更することができる。また、触媒系毎に特定の固有剪断減粘指数をもたらす。
e.SHI1/100
ベース樹脂、好ましくは組成物は、31〜60、より好ましくは31〜58、最も好ましくは31〜55の外挿剪断減粘指数SHI1/100を有する。剪断減粘指数SHI1/100は、SHI2.7/210について上記で説明したように変更することができる。また、剪断減粘指数SHI1/100は、触媒系によって固有に提供される分子量分布に特に影響を受ける。
f.密度(組成物)
本発明による組成物は、ISO 1183−1:2004に従って決定される、963.0kg/mを超え971.0kg/m以下、好ましくは963.1kg/mを超え970.0kg/m以下、より好ましくは963.2kg/mを超え969.0kg/m以下、最も好ましくは963.5kg/mを超え968.0kg/m以下の密度を有する。
組成物の密度は、ベース樹脂の密度に影響され、更に、組成物中の充填剤(通常、カーボンブラック)の量によって調整することが可能である。
ベース樹脂の密度は、コモノマーの量及び種類に主に影響される。それに加えて、使用した触媒から主に生じるポリマーの性質並びにメルトフローレートが役割を果たす。それに加えて、コモノマーは単一のコモノマーである必要はないということが強調されるべきである。コモノマーの混合物も可能である。
g.C(含有量)
本発明によるベース樹脂は、好ましくは0.45〜0.95重量%、より好ましくは0.50〜0.90重量%、更により好ましくは0.60〜0.88重量%、最も好ましくは0.70〜0.88重量%の1−ヘキセン由来単位の含有量を有する。
h.G’(5kPa)
本発明によるベース樹脂、好ましくは組成物は、好ましくは2750Pa〜3300Pa、より好ましくは2800Pa〜3250Pa、更により好ましくは2850Pa〜3200Pa、最も好ましくは3000Pa〜3150Paの貯蔵弾性率G’(5kPa)を有する。
i.G’(2kPa)
本発明によるベース樹脂、好ましくは組成物は、好ましくは850Pa〜1100Pa、より好ましくは900Pa〜1050Pa、更により好ましくは925Pa〜1025Pa、最も好ましくは950Pa〜1000Paの貯蔵弾性率G’(2kPa)を有する。
貯蔵弾性率は、非常に高い分子量の材料の量に著しく影響される。貯蔵弾性率G’(2kPa)の値が低いほど、定性的及び一般的見地から分子量分布が狭いことを示す。
j.FRR21/5
本発明による組成物は、好ましくは40.0〜65.0、より好ましくは45.0〜60.0、更により好ましくは47.0〜57.0、最も好ましくは48.0〜56.0のフローレート比FRR21/5(MFR21とMFRとの比である)を有する。これらのFRR21/5の範囲は、好ましくは、本発明によるベース樹脂にも適用される。
k.複素粘度eta0.05ラジアン/秒
本発明によるベース樹脂、好ましくは組成物は、好ましくは220000Pa・s〜280000Pa・s、より好ましくは225000Pa・s〜270000Pa・s、更により好ましくは230000Pa・s〜260000Pa・s、最も好ましくは240000Pa・s〜255000Pa・sの0.05ラジアン/秒での複素粘度etaを有する。
l.複素粘度eta300ラジアン/秒
本発明によるベース樹脂、好ましくは組成物は、好ましくは1000Pa・s〜1250Pa・s、より好ましくは1025Pa・s〜1200Pa・s、最も好ましくは1075Pa・s〜1175Pa・sの300ラジアン/秒での複素粘度etaを有する。
本発明は、更に好ましくは、ポリエチレン組成物に関し、ベース樹脂は、重量平均分子量Mの異なる少なくとも2つのエチレンホモポリマー又はコポリマー画分(A)及び(B)を含み、好ましくは重量平均分子量Mの異なる少なくとも2つのエチレンホモポリマー又はコポリマー画分(A)及び(B)からなり、
画分(A)は、エチレンホモポリマーであり、且つ画分(B)は、エチレンと3〜12個の炭素原子を有する少なくとも1種のα−オレフィンコモノマー単位とのコポリマーであり、
画分(A)は、380〜600g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、2.16kg)を有し、画分(A)は、46.0〜54.0重量%、より好ましくは49.5〜53.0重量%、最も好ましくは50.5〜52.5重量%の量で存在する。
より好ましくは、本発明は、ポリエチレン組成物に関し、ベース樹脂は、重量平均分子量Mの異なる少なくとも2つのエチレンホモポリマー又はコポリマー画分(A)及び(B)を含み、好ましくは重量平均分子量Mの異なる少なくとも2つのエチレンホモポリマー又はコポリマー画分(A)及び(B)からなり、
画分(A)は、エチレンホモポリマーであり、且つ画分(B)は、エチレンと3〜12個の炭素原子を有する少なくとも1種のα−オレフィンコモノマー単位とのコポリマーであり、
画分(A)は、390〜500g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、2.16kg)を有し、画分(A)は、46.0〜54.0重量%、より好ましくは49.5〜53.0重量%、最も好ましくは50.5〜52.5重量%の量で存在する。
更なる態様において、本発明は、多段プロセスによって得られるポリエチレン組成物に関し、該多段プロセスは、
a)シリカ1kg当たり1.30〜1.65mol、好ましくは1.33〜1.63mol、より好ましくは1.35〜1.60molのAlとシリカ1kg当たり1.25〜1.61mol、好ましくは1.26〜1.60mol、より好ましくは1.30〜1.55molのMgとシリカ1kg当たり0.70〜0.90mol、好ましくは0.71〜0.88mol、より好ましくは0.72〜0.85molのTiとを含む触媒のモル組成を有し且つ7〜15μm、好ましくは8〜12μm(D50)の平均粒径(D50)を有するシリカ担持チーグラーナッタ触媒の存在下、380〜600g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、2.16kg)を有する中間体を得るために、連鎖移動剤及び共触媒としてのアルキルアルミニウム化合物の存在下、ループ反応器中で、エチレンを重合することと、
b)該中間体を気相反応器に移送し、(i)エチレン及びコモノマーを該気相反応器に供給し、(ii)該中間体を更に重合して、ISO 1183−1:2004に従って決定される951kg/mを超え957kg/m以下の密度を有するベース樹脂を得ることと、
安定剤及びカーボンブラックの存在下、該ベース樹脂を、ISO 1133に従って決定される0.12〜0.21g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、5kg)を有するポリエチレン組成物と3.5Pa−1以上4.9Pa−1以下の範囲の多分散性指数PIを有するベース樹脂とに押出すことと
を含む。
更なる態様において、本発明は、上記したようなポリエチレン組成物を含む物品に関する。
物品は、好ましくは管又は管継手である。そのような管は、920kPa(9.2bar)の圧力及び80℃でISO 13479に従って決定されたノッチ付き管試験において少なくとも2300時間、より好ましくは少なくとも2500時間、更により好ましくは少なくとも3000時間、最も好ましくは少なくとも3200時間の耐低速亀裂成長性を有する。
また、本発明の管は、好ましくは−19.0℃未満のS4温度、より好ましくは−20.0℃未満のS4温度、更により好ましくは−21.0℃未満のS4温度、最も好ましくは−22.0℃未満のS4温度を有する。通常、S4温度は−29.0℃未満ではないだろう。
上述した態様に加えて、本発明は、物品、優先的には管又は管継手の製造のための、本発明によるポリエチレン組成物の使用に関する。
[プロセス]
ポリエチレン圧力管を作製するための本発明の組成物は、少なくとも第1の反応器と第2の反応器とにより形成される反応器カスケード中でエチレンを各々重合し共重合することによって製造され、好ましくは第1の反応器がループ反応器であり、更に好ましくは第2の反応器が気相反応器である。
重合には、シリカ1kg当たり1.30〜1.65molのAlとシリカ1kg当たり1.26〜1.61molのMgとシリカ1kg当たり0.70〜0.90molのTiとを含む触媒のモル組成を有するシリカ担持触媒が用いられる。
当該分野で用いられる触媒の平均粒径は、一般的に10〜100μmである。しかし、本発明によれば、触媒が7〜15μm、好ましくは8〜12μm(D50)の平均粒径(D50)を有することが特に有利であることが判明した。
触媒の粒径は、支持材料、本発明の場合にはシリカ支持材料の粒径の影響を主に受ける。従って、本発明で用いられる触媒に好適な支持材料は、適当な小粒径を有するシリカ支持材料、すなわち15μm未満、好ましくは7〜15μm(D50)、8〜12μmのような平均粒径(D50)を有するシリカである。好適なシリカ支持体の例は、Graceによって製造及び販売されているSylopol2100である。
マグネシウム化合物は、マグネシウムジアルキルとアルコールとの反応生成物である。アルコールは、直鎖又は分岐状の脂肪族モノアルコールである。好ましくは、アルコールは6〜16個の炭素原子を有する。分岐状アルコールが特に好ましく、2−エチル−1−ヘキサノールが最も好ましいアルコールである。
マグネシウムジアルキルは、同一であっても異なってもよい2つのアルキル基が結合したマグネシウム化合物であってもよい。ブチル−オクチルマグネシウムは、好ましいマグネシウムジアルキルの一例である。
アルミニウム化合物は、塩素含有アルミニウムアルキルである。特に好ましい化合物は、アルミニウムアルキルジクロリド及びアルミニウムアルキルセスキクロリドである。
チタン化合物は、ハロゲン含有チタン化合物、好ましくは塩素含有チタン化合物である。特に好ましいチタン化合物は、四塩化チタンである。
触媒は、欧州特許出願公開第688794号に記載されているように、担体を上述した化合物と順次接触させることによって調製することができる。或いは、触媒は、国際公開第01/55230号に記載されているように、最初に成分から溶液を調製し、溶液を担体と接触させることによって調製することができる。好ましくは、触媒は、欧州特許出願公開第688794号に開示されかつ本出願に詳細に記載されるような一般的な調製概念に従って調製される。
上記したような触媒は、活性化剤とも呼ばれる共触媒とともに使用される。好適な共触媒は、金属アルキル化合物、特にアルミニウムアルキル化合物である。これらの化合物としては、例えば、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジメチルアルミニウムクロリド等が挙げられる。これらの化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム及びトリ−n−オクチルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウム化合物も挙げられる。特に好ましい共触媒は、トリアルキルアルミニウムであり、中でもトリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウムが特に使用され、最も好ましくはトリエチルアルミニウム(TEA)である。
上記したような触媒は、上記したような共触媒と接触させる。触媒と共触媒との接触は、触媒を重合反応器に導入する前に行うことができるか、2つの成分を別々に重合反応器に導入することによって行うことができるかのいずれかである。
本発明による触媒系、すなわち本発明による触媒と共触媒との組み合わせにおいて、共触媒中のアルミニウムと触媒中のチタンとのモル比は、好ましくは20:1〜5:1であり、より好ましくは15:1〜7:1であり、最も好ましくは12:1〜8:1である。
[管の製造]
ポリマー管は、押出し又は僅かであるが射出成形によって一般的に製造される。ポリマー管の押出しのための従来のプラントは、押出機、ダイヘッド、較正装置、冷却設備、延伸装置並びに管を切断及び/又は巻き取るための装置を備える。
圧力管に用いるポリエチレン材料の製造は、Scheirsらの論文の中で論じられている(Scheirs, Boehm, Boot and Leevers;PE100 Resins for Pipe Applications、TRIP Vol.4、No.12(1996)、408〜415ページ)。著者らは、製造技術及びPE100管材料の特性について論じている。彼らは、低速亀裂成長及び急速亀裂伝播を最適化するための、適切なコモノマー分布と分子量分布の重要性を指摘している。
[プロセスの詳細]
第1の反応器、好ましくはスラリー相反応器、より好ましくはループ反応器中の温度は、典型的には50〜115℃、好ましくは60〜110℃、特に70〜100℃である。圧力は、典型的には0.1〜15MPa(1〜150bar)、好ましくは0.1〜10MPa(1〜100bar)である。
原則として第1の反応器は任意の反応器であってよい。好ましくは、反応器はスラリー反応器である。そのような反応器としては、連続撹拌槽及びループ反応器が挙げられる。ループ反応器において重合を行うことが特に好ましい。そのような反応器において、スラリーは循環ポンプを用いることによって閉管に沿って高速で循環される。ループ反応器は、当該技術分野で一般に知られており、例としては、例えば、米国特許第4,582,816号、米国特許第3,405,109号、米国特許第3,324,093号、欧州特許出願公開第479186号及び米国特許第5,391,654号に挙げられている。
流体混合物の臨界温度及び圧力を超えるスラリー相重合を行うことが有利な場合もある。そのような操作は米国特許第5,391,654号に記載されている。そのような操作において、温度は、典型的には少なくとも85℃、好ましくは少なくとも90℃である。更に、温度は、典型的には110℃以下、好ましくは105℃以下である。これらの条件下での圧力は、典型的には少なくとも4MPa(40bar)、好ましくは少なくとも5MPa(50bar)である。更に、圧力は、典型的には15MPa(150bar)以下、好ましくは10MPa(100bar)以下である。好ましい実施形態において、スラリー相重合工程は、反応温度及び反応圧力が、炭化水素媒体、モノマー、水素及び任意のコモノマーによって形成される混合物の対応する臨界点を超え、かつ形成されるポリマーの溶融温度よりも重合温度が低い超臨界条件下で行われる。
スラリーは、連続的又は断続的にスラリー相反応器から取り出される。断続的な取り出しの好ましい方法は、濃縮スラリーのバッチを反応器から取り出す前にスラリーを濃縮できる沈降レッグ(settling leg)を使用することである。沈降レッグの使用は、とりわけ、米国特許第3,374,211号、米国特許第3,242,150号及び欧州特許出願公開第1310295号に開示されている。連続的な取り出しは、とりわけ、欧州特許出願公開第891990号、欧州特許出願公開第1415999号、欧州特許出願公開第1591460号及び国際公開第2007/025640号に開示されている。連続的な取り出しは、有利には、欧州特許出願公開第1415999号及び欧州特許出願公開第1591460号に開示されているような好適な濃縮方法と組み合わされる。
沈降レッグは、反応器から取り出されたスラリーを濃縮するために使用される。従って、取り出し流は、体積当たりのポリマーを反応器中のスラリーよりも平均して多く含んでいる。これには、反応器に戻して再循環される必要がある流体がより少なくなり、装置のコストが低くなるという利点がある。商業規模のプラントでは、ポリマーと共に取り出された流体はフラッシュ槽内で蒸発し、そこからそれは圧縮機で圧縮され、スラリー相反応器に再循環される。
しかし、沈降レッグはポリマーを断続的に取り出す。これにより、反応器内の圧力及び他の変数は、取り出しの期間によって変動する。また、取り出し容量は制限されかつ沈降レッグの大きさ及び数に依存する。これらの欠点を克服するために、多くの場合、連続的な取り出しが好ましい。
一方、連続的な取り出しは、反応器内に存在するのと同じ濃度のポリマーを一般に取り出すという問題がある。欧州特許出願公開第1415999号及び欧州特許出願公開第1591460号に開示されているように、圧縮される炭化水素の量を減少させるために、連続的な取り出し口は、有利には、液体サイクロン又は篩のような好適な濃縮装置と組み合わされる。次いで、ポリマーに富む流れはフラッシュに送られ、ポリマーが少ない流れは反応器に直接戻される。
スラリー相反応器で重合されるポリエチレン画分のMFRを調整するために、好ましくは、水素が反応器に導入される。スラリー相反応器中の水素とエチレンとの比が、好ましくは380〜600mol/kmol、より好ましくは400〜550mol/kmol、最も好ましくは450〜530mol/kmolを満たすように、水素供給量はエチレン供給量に応じて調整される。
スラリー相反応器中で生成されるポリエチレン画分は、エチレンホモポリマー画分である。
コポリマーを重合する場合、コモノマーは、好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン又はこれらの混合物を含む群から選択され、1特に好ましいのはヘキセンである。好ましい実施形態において、スラリー相反応器では、コモノマーがこの反応段階で供給されないようにエチレンホモポリマーが重合される。
スラリー相反応器中で生成されるポリマー画分は、好ましくは少なくとも1つの気相反応器に移送される。
第2の反応器、好ましくは少なくとも1つの流動床気相反応器中の温度は、典型的には50〜100℃、好ましくは65〜90℃である。圧力は、典型的には1〜4MPa(10〜40bar)、好ましくは1.5〜3MPa(15〜30bar)である。
流動床気相反応器において、オレフィンは上方に移動するガス流中の重合触媒の存在下で重合される。反応器は、典型的には、流動化グリッドの上方に位置する活性触媒を含有する成長ポリマー粒子を含む流動床を備える。
ポリマー床は、オレフィンモノマー、最終的にはコモノマー(複数可)、最終的には連鎖成長制御剤又は連鎖移動剤(例えば水素)及び最終的には不活性ガスを含む流動化ガスを用いて流動化される。それに関して、不活性ガスは、スラリー相反応器において使用される不活性ガスと同一であっても異なってもよい。流動化ガスは反応器の底部で入口チャンバ内に導入される。ガス流が入口チャンバの横断面領域で均一に分布することを確実にするために、入口管は、当該技術分野、例えば米国特許第4,933,149号及び欧州特許出願公開第684871号で知られているような分流要素を備えていてもよい。
入口チャンバからのガス流は、流動化グリッドを通って流動床へと上向きに通過する。流動化グリッドの目的は、床の断面領域を通って均等にガス流を分割することである。時には流動化グリッドは、国際公開第2005/087261号に開示されるように、反応器壁に沿って掃引するガス流を確立するように構成されてもよい。他の種類の流動化グリッドは、とりわけ、米国特許第4,578,879号、欧州特許第600414号及び欧州特許出願公開第721798号に開示されている。概要は、とりわけ、Geldart及びBayens:The Design of Distributors for Gas-fluidised Beds、Powder Technology、Vol.42、1985にある。
流動化ガスは、流動床を通過する。流動化ガスの空塔速度は、流動床に含まれる粒子の最小流動化速度よりも大きくなければならず、そうでなければ流動化が起こらない。一方、ガスの速度は、空気輸送の開始速度よりも小さくなければならず、そうでなければ床全体が流動化ガスに同伴される。一般的な技術的手法を使用することによって粒子特性が知られている場合、最小流動化速度及び空気輸送の開始速度を計算することができる。概要は、特に、Geldart:Gas Fluidisation Technology、J.Wiley & Sons、1996にある。
活性触媒を含有する床と流動化ガスを接触させた場合、ガスの反応性成分、例えばモノマー及び連鎖移動剤は、触媒の存在下で反応し、ポリマー生成物を生成する。同時に、ガスは反応熱によって加熱される。
次いで、未反応の流動化ガスは反応器の頂部から取り出され、圧縮され、反応器の入口チャンバ内に再循環される。反応器内に入る前に、新鮮な反応物が流動化ガス流に導入され、反応及び生成物取り出しによって生じる損失を補う。流動化ガスの組成を分析し、ガス成分を導入して、組成を一定に保つことは一般に知られている。実際の組成は、生成物の所望の特性及び重合に使用する触媒によって決定される。
その後、ガスは、熱交換器で冷却され、反応熱が除去される。ガスは、反応のために床が加熱されるのを防止するために床の温度よりも低い温度に冷却される。ガスは、その一部が凝縮する温度に冷却することが可能である。液滴は反応ゾーンに入る際にそれらは気化する。従って気化熱は反応熱の除去に寄与する。この種の操作は凝縮モードと呼ばれ、その変形例は、とりわけ、国際公開第2007/025640号、米国特許第4,543,399号、欧州特許出願公開第699213号及び国際公開第94/25495号に開示されている。また、欧州特許出願公開第696293に開示されているように、再循環ガス流に凝縮剤を添加することも可能である。凝縮剤は、非重合性成分、例えばプロパン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ブタン又はイソブタンであり、それらは冷却器中で少なくとも部分的に凝縮されている。
ポリマー生成物は、連続的又は断続的に気相反応器から取り出すことができる。これらの方法の組合せを用いてもよい。連続的な取り出しは、とりわけ、国際公開第00/29452号に開示されている。断続的な取り出しは、とりわけ、米国特許第4,621,952号、欧州特許出願公開第188125号、欧州特許出願公開第250169号及び欧州特許出願公開第579426号に開示されている。
少なくとも1つの気相反応器の上部には、いわゆる離脱ゾーンを備えていてもよい。そのようなゾーンでは、ガス速度を低下させ、流動化ガスとともに床から運ばれた粒子が床に戻って落ち着くことができるように、反応器の直径は増大される。
床高さは、当該技術分野で既知の異なる手法によって観察してよい。例えば、反応器の底部と床の特定の高さとの間の圧力差は、反応器の全長にわたって記録されてもよく、床高さは、圧力差の値に基づいて計算されてもよい。このような計算によって時間平均高さが得られる。また、超音波センサー又は放射性センサーを使用することも可能である。これらの方法で、瞬間的な高さを得ることができ、当然、次にそれを時間で平均化して時間平均床高さを得ることができる。
また、必要に応じて、帯電防止剤(複数可)を少なくとも1つの気相反応器中に導入してもよい。好適な帯電防止剤及びそれらを使用する方法は、とりわけ、米国特許第5,026,795号、米国特許第4,803,251号、米国特許第4,532,311号、米国特許第4,855,370号及び欧州特許出願公開第560035号に開示されている。それらは、通常、極性化合物であり、とりわけ、水、ケトン、アルデヒド及びアルコールを含む。
反応器は、流動床内の混合を更に促進するために、機械的撹拌機を備えてもよい。好適な撹拌機の設計の一例が欧州特許出願公開第707513号にある。
気相反応器中で重合されるポリエチレン画分のメルトフローレートを調整するために、水素が反応器に導入されてもよい。気相反応器中の水素とエチレンとの比が、好ましくは0.1〜20mol/kmol、より好ましくは0.5〜10mol/kmol、最も好ましくは1.5〜5.5mol/kmolを満たすように、水素供給量はエチレン供給量に応じて調整される。
更に、気相反応器から(任意に、プレポリマー画分とともに)出てくる最終的なポリエチレンベース樹脂は、好ましくは画分(A)及び(B)からなり、ISO 1183−1:2004に従って決定される好ましくは952kg/mを超え957.0kg/m以下、より好ましくは952.2〜956.0kg/m、最も好ましくは953.0kg/mを超え954.0kg/m以下の密度を有する。
本発明による触媒系、すなわち本発明による触媒及び共触媒が第1の重合反応器に供給される。この場合、予備重合工程が採用され、触媒が予備重合工程に供給される。
好ましくは予備重合工程は用いられない。
触媒は、当該技術分野で既知の任意の手段により重合ゾーンに移送してもよい。従って、希釈剤中で触媒を懸濁し、均質なスラリーとしてそれを維持することが可能である。特に好ましいのは、国際公開第2006/063771号に開示されているように、20〜1500mPa・sの粘度を有する油を希釈剤として使用することである。また、触媒をグリースと油との粘性混合物と混合し、得られたペーストを重合ゾーンに供給することも可能である。更に、例えば欧州特許出願公開第428054号に開示されるような方法で、触媒を沈降させて、これにより得られる触媒泥の部分を重合ゾーンに導入することが可能である。
本発明の一実施形態では、本発明の方法は重合工程の前に予備重合工程を更に含んでもよい。予備重合の目的は、低温及び/又は低モノマー濃度で、触媒上に少量のポリマーを重合することである。予備重合により、スラリー中の触媒の性能を改善する及び/又は最終的なポリマーの特性を改変することが可能である。予備重合工程は、スラリー又は気相中で行ってよい。好ましくは、予備重合はスラリー、優先的にはループ反応器中で行われる。従って、予備重合工程は、ループ反応器中で行ってよい。予備重合は、好ましくは、不活性希釈剤、典型的には炭化水素希釈剤、例えばメタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブテン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなど又はそれらの混合物中で行われる。好ましくは、希釈剤は、1〜4個の炭素原子を有する低沸点炭化水素又はこのような炭化水素の混合物である。最も好ましい希釈剤はプロパンである。
予備重合工程における温度は、典型的には0℃〜90℃、好ましくは20℃〜80℃、より好ましくは40℃〜70℃である。
圧力は重要ではなく、典型的には0.1MPa〜15MPa(1bar〜150bar)、好ましくは1MPa〜10MPa(10bar〜100bar)である。当該技術分野で知られているように、プレポリマーの分子量は、水素によって制御されてよい。更に、国際公開第96/19503号及び国際公開第96/32420号に開示されているように、帯電防止添加剤を使用して、粒子が、互いに又は反応器の壁に付着するのを防止してもよい。
触媒成分は、好ましくは、予備重合工程に全て導入される。しかし、固体触媒成分及び共触媒が別々に供給される場合には、共触媒の一部のみを予備重合段階に導入し、残りの部分を後続の重合段階に導入することが可能である。また、このような場合、十分な重合反応を得るのに必要な量だけ共触媒を予備重合段階に導入することが必要である。
予備重合工程を含む実施形態は好ましくない。従って、本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法は予備重合工程を含まない。
本発明のポリエチレン組成物は、好ましくは、典型的には反応器からベース樹脂粉末として得られるベース樹脂を押出機で押出し、次いで当該技術分野で既知の方法でポリマーペレットにペレット化して本発明のポリオレフィン組成物を形成する配合工程を更に含む多段プロセスで製造される。
任意で、配合工程の間に添加剤又は他のポリマー成分を上記したような量でベース樹脂に添加することができる。
更なるポリマー成分の添加は、本発明による全ポリエチレン組成物に対し、3重量%未満、好ましくは2重量%未満の量に限られることが好ましい。
好ましくは、反応器から得られる本発明のベース樹脂は、当該技術分野において既知の方法で添加剤とともに押出機中で配合される。
押出機は、例えば、従来用いられる任意の押出機であってもよい。本発明の配合工程のための押出機の一例として、日本製鋼所、神戸製鋼又はFarrel−Pominiによって供給されるもの、例えばJSW 460P又はJSW CIM90Pが挙げられる。
一実施形態において、押出工程は、100kg/時間〜500kg/時間、より好ましくは150kg/時間〜300kg/時間の供給速度を用いてパイロット生産規模で行われる。好ましくは、処理量は、典型的には商業生産で10〜50トン/時間である。
以下の条件は、パイロット生産規模及び商業生産の両方に適用される。押出機のスクリュー回転数は、好ましくは250rpm〜450rpm、より好ましくは300rpm〜400rpmである。
押出工程において、押出機のSEI(比入力エネルギー)は、好ましくは200kWh/トン〜300kWh/トン、より好ましくは220kWh/トン〜280kWh/トンであってもよい。ここで、SEIは、本質的に限られた有効性を無視した押出機の電気入力から直接計算される。
押出工程における溶融温度は、好ましくは200℃〜300℃、より好ましくは230℃〜270℃である。
好ましくは、4つのゾーン(ゾーン3の下流のゾーン4、ゾーン2の下流のゾーン3、ゾーン1の下流のゾーン2)を有する押出機の各ゾーンの温度は次のように設定される。ゾーン1は、好ましくは80〜120℃に設定される。ゾーン2は、好ましくは180〜220℃に設定される。ゾーン3は、好ましくは230〜270℃に設定される。ゾーン4は、好ましくは160〜200℃に設定される。より好ましくは、4つのゾーンは次:90〜110℃のゾーン1、190〜210℃のゾーン2、240〜260℃のゾーン3及び170〜190℃のゾーン4のように設定される。
更に、本発明は、上記又は上記の方法により得られるポリエチレン組成物を含む物品、好ましくは管又は管継手、及び物品、好ましくは管の製造のためのそのようなポリエチレン組成物の使用に関する。
1.定義
a)メルトフローレート
メルトフローレート(MFR)は、ISO 1133に従って決定され、g/10分で示される。MFRは、ポリマーの流動性、それゆえに加工性の指標である。メルトフローレートが高いほど、ポリマーの粘度は低い。ポリエチレンのMFRは温度190℃及び5kgの荷重、ポリエチレンのMFRは温度190℃及び2.16kgの荷重で測定され、ポリエチレンのMFR21は温度190℃及び21.6kgの荷重で測定される。FRR(フローレート比)という量は、異なる荷重でのフローレートの比を意味する。従って、FRR21/5は、MFR21/MFR比を意味する。
b)密度
ポリマーの密度は、EN ISO 1872−2(2007年2月)に従って調製した圧縮成形試験片を、ISO 1183−1:2004の方法Aに従って測定し、kg/mで得る。
c)コモノマー含有量
定量的核磁気共鳴(NMR)分光法を用いて、ポリマーのコモノマー含有量を定量化した。
H及び13Cのためにそれぞれ500.13及び125.76MHzで動作するBruker Advance III 500 NMR分光計を用いて、定量的13C{H}NMRスペクトルを溶融状態で記録した。13Cに最適化された7mmマジック角回転(MAS)プローブヘッドを使用し、全ての空気圧のために窒素ガスを用いて150℃で、全てのスペクトルを記録した。約200mgの材料を外径7mmのジルコニア製のMASローターに充填し、4kHzで回転させた。このセットアップは、主として、迅速な同定及び正確な定量のために必要な高い感度のために選択した{[1]、[2]、[6]}。3秒の短い待ち時間(recycle delay)での過渡的NOE{[1]、[3]}及びRSHEPTデカップリングスキーム{[4]、[5]}を利用して、標準単一パルス励起を用いた。1024(1k)過渡状態の合計をスペクトル毎に取得した。このセットアップは、低コモノマー含有量に対するその高い感度により選択した。
定量的13C{H}NMRスペクトルを処理、集積し、カスタムスペクトル分析自動化プログラムを用いて定量的特性を決定した。全ての化学シフトは、30.00ppmでのバルクメチレンシグナル(δ+)を内部的に基準にしている{[9]}。
1−ヘキセンの組み込みに対応する特性シグナルを観察し{[9]}、全ての含有量をポリマー中に存在する全ての他のモノマーに対して計算した。
H=I*B4
他のコモノマー配列を示す他のシグナル、すなわち連続したコモノマーの組み込みなしで、観察された全1−ヘキセンコモノマー含有量を単離された1−ヘキセン配列の量のみに基づいて計算した。
total=H
飽和末端基から得られた特性シグナルを観察した。そのような飽和末端基の含有量を、2秒及び3秒の部位にそれぞれ割り当てられた22.84及び32.23ppmでのシグナルの積分の平均値を使用して定量化した。
S=(1/2)(I2S+I3S
エチレンの相対的含有量は、30.00ppmでのバルクメチレン(δ+)シグナルの積分を用いて定量化した。
E=(1/2)δ+
全エチレンコモノマー含有量は、バルクメチレンシグナル及び他の観察されたコモノマー配列又は末端基に存在するエチレン単位の算定を基に計算した。
total=E+(5/2)B+(3/2)
ポリマー中の1−ヘキセンの全モル分率を次のように計算した。
fH=(Htotal/(Etotal+Htotal
モルパーセントでの1−ヘキセンの全コモノマー組み込みを通常の方法でモル分率から計算した。
H[mol%]=100fH
重量パーセントでの1−ヘキセンの全コモノマー組み込みは、標準的な方法でモル分率から計算した。
H[重量%]=100(fH84.16)/((fH84.16)+((1−fH)28.05))
文献:
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d)レオロジーパラメータ
動的剪断測定によるポリマー溶融物の特性決定は、ISO規格6721−1及び6721−10に準拠する。測定は、25mmの平行プレート形状を備えたAnton Paar MCR501応力制御回転式レオメーターで行った。測定は、窒素雰囲気を用い、線形粘弾性領域内の歪みを設定する、圧縮成形プレート上で行った。振動剪断試験は、0.01〜600ラジアン/秒の周波数範囲を適用し、1.3mmの隙間を設定して190℃で行った。
動的剪断実験では、正弦波的に変動する剪断歪み又は剪断応力(それぞれ、歪み及び応力制御モード)でプローブを均質変形に供する。制御された歪み実験では、プローブは、以下の式で表すことができる正弦波歪みに供される。
Figure 2016536387
加えられる歪みが線形粘弾性領域内であれば、結果として生ずる正弦波応力反応は、以下の式で得ることができる。
Figure 2016536387
式中、σ及びγはそれぞれ応力及び歪み振幅であり、ωは角周波数であり、δは位相シフト(加えられる歪みと応力応答との間の損失角)であり、tは時間である。
動的試験結果は、典型的には、いくつかの異なるレオロジー関数、すなわち、剪断貯蔵弾性率G’、剪断損失弾性率G”、複素剪断弾性率G*、複素剪断粘度η*、動的剪断粘度η’、複素剪断粘度の同相ではない成分η”及び損失正接tanηによって表され、これらは次のように表すことができる。
Figure 2016536387
いわゆる剪断減粘指数(MWDと互いに関係し、Mwから独立している)の決定は、式9に記載されるように行われる。
Figure 2016536387
例えば、SHI(2.7/210)は、2.7kPaに等しいGの値に関して求められる複素粘度の値(Pa・s)を、210kPaに等しいGの値に関して求められる複素粘度の値(Pa・s)で割ったもので定義される。
貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)、複素弾性率(G)及び複素粘度(η)の値を周波数(ω)の関数として得た。
これにより、例えば、η 300ラジアン/秒(eta 300ラジアン/秒)は、300ラジアン/秒の周波数での複素粘度の略語として使用され、η 0.05ラジアン/秒(eta 0.05ラジアン/秒)は、0.05ラジアン/秒の周波数での複素粘度の略語として使用される。
損失正接tan(delta)は、所定の周波数での損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)との比と定義される。これにより、例えば、tan0.05は、0.05ラジアン/秒での損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)との比の略語として使用され、tan300は、300ラジアン/秒での損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)との比の略語として使用される。
弾性バランスtan0.05/tan300は、損失正接tan0.05と損失正接tan300との比として定義される。
上述のレオロジー関数の他に、いわゆる弾性指数EI(x)のような他のレオロジーパラメータを求めることもできる。弾性指数EI(x)は、xkPaという損失弾性率G”の値に関して求まる貯蔵弾性率G’の値であり、式10によって記載することができる。
Figure 2016536387
例えば、EI(5kPa)は、5kPaに等しいG”の値に関して求められる貯蔵弾性率G’の値で定義される。
粘度eta747は、非常に低い747Paという一定の剪断応力で測定され、ポリエチレン組成物の重力流に逆比例する。すなわち、eta747が高いほど、ポリエチレン組成物の垂れ(sagging)は小さくなる。
多分散指数PIは、式11によって定義される。
Figure 2016536387
式中、ωcopはクロスオーバー角周波数であり、貯蔵弾性率G’が損失弾性率G”と等しい角周波数として決定される。
値は、Rheoplusソフトウェアによって定義される一点補間手順によって決定される。実験的に所定のG値に達していない状況において、値は前と同じ手順を用いて外挿によって決定される。どちらの場合も(補間又は外挿)、Rheoplusからのオプションの「Interpolate y−values to x−values from parameter」及び「logarithmic interpolation type」を適用した。
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e)分子量
分子量平均(Mz、Mw及びMn)、分子量分布(MWD)及び多分散指数PDI=Mw/Mn(ここで、Mnは数平均分子量であり、Mwは重量平均分子量である)によって記載されるその広がりは、ISO 16014−4:2003及びASTM D6474−99に従い、以下の式を用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定した。
Figure 2016536387
一定の溶出体積区間ΔVについて、式中、A及びMは、クロマトグラフピークのスライス領域及びポリオレフィン分子量(MW)である。
赤外線(IR)検出器を備えたPolymerCharのGPC機器は、Polymer Laboratoriesからの3×Olexis及び1×Olexisガードカラム並びに溶媒としての1,2,4−トリクロロベンゼン(250mg/Lの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル−フェノールで安定化したTCB)を160℃、1mL/分の一定流量で使用した。200μLの試料溶液を分析毎に注入した。カラムセットは、0.5kg/mol〜11500kg/molの範囲の少なくとも15のMWDが狭いポリスチレン(PS)標準物質を使用して、汎用較正(ISO 16014−2:2003に従って)を用いて較正した。PS、PE及びPPの使われたマークホーウィンク定数は、ASTM D 6474−99によって記載された通りである。全ての試料を、GPC機器のオートサンプラー中での連続した穏やかな振とう下で、160℃で、PPについては2.5時間、PEについては3時間、5.0〜9.0mgのポリマーを8mLの(160℃で)安定化されたTCB(移動相と同じ)に溶解することによって調製した。
f)ノッチ付き管の圧力試験(NPT)
耐低速亀裂成長性は、ISO 13479−2009に従って、管が欠陥を生じるまでに一定の温度で一定の圧力に耐える時間数によって決定される。圧力試験は、110mmの外径を有するノッチ付きSDR11管について行われる。920kPa(9.2bar)の圧力及び80℃の温度が使用されている。ノッチングは、(0.010±0.002(mm/rev)/歯の切削速度を有する、ISO 6108に準拠する刃先角60°のV−カッターを備えた下向き削りカッターで行われる。使用されるカッターは24の歯を有し、カッターの速度は680rpmである。残りのリガメントは、最小肉厚の0.82〜0.78倍である。ノッチの深さは、以下の式を用いて計算される。hは、mm単位のノッチ深さである。4つのノッチが均等に管外周に配置される。ノッチの長さは110±1mmである。
Figure 2016536387
式中、bはノッチの切削仕上げ面の幅(mm単位)であり、bemは管外径の測定平均値(mm単位)である。
g)Mg、Al及びTi含有量/ICP分析
質量Mの固体試料を取ることにより、触媒の元素分析を実施した。試料は、既知の体積Vまで、硝酸(HNO、65%、Vの5%)及び脱イオン(DI)したばかりの水(Vの5%)に溶解させることによって希釈した。溶液をフッ化水素酸(HF、40%、Vの3%)で更に処理し、DI水で最終体積Vまで希釈し、2時間放置して安定させた。
分析は、ブランク(5%のHNO及び3%のHFの水溶液)と、5%のHNO及び3%のHFの水溶液中に0.5ppm、1ppm、10ppm、50ppm、100ppm及び300ppmのAl、Mg及びTiという標準とで較正したThermo Elemental iCAP 6300誘導結合プラズマ発光分光器(ICP−OES)を使用して室温にて実行した。
分析の直前に、ブランク及び100ppmの標準を使用して較正を「再傾斜(reslope)」させ、品質管理試料(5%のHNO、3%のHFのDI水溶液中に20ppmのAl、Mg及びTi)を流して再傾斜を確認する。QC試料は、試料5個毎に、そして予定の分析セットの終了時にも流す。
Mgの含有量は285.213nmの線を使用し、Tiの含有量は336.121nmの線を使用してモニタした。アルミニウムの含有量は、ICP試料中のAl濃度が0〜10ppm(100ppmまでしか較正していない)の場合は167.079nmの線により、Al濃度が10ppmを超えた場合は396.152nmの線によりモニタした。
報告した値は、同じ試料から採取した3つの連続するアリコートの平均であり、試料の元の質量及び希釈体積をソフトウェアに入力することにより、元の触媒に関連づける。
h)触媒の粒径
粒径は、Coulter Counter LS 200により室温でn−ヘプタンを媒体として用いて測定する。
i)急速亀裂伝播
管の急速亀裂伝播(RCP)耐性は、インペリアル・カレッジ・ロンドンによって開発され、ISO 13477:2008に記載されているS4(小規模定常状態)試験と呼ばれる方法に従って測定することができる。管の外径は約110mm以上であり、その壁厚は約10mm以上である。本発明との関連において管のRCP特性を測定する際に、外径及び壁厚はそれぞれ、110mm及び10mmとなるように選択した。管の長さは785mmである。管の外部は雰囲気圧(大気圧)であるが、管には内側から圧力を加え、管の内圧を400kPa(4.0bar)の正圧に保って一定にする。ゲージの長さは590mmである。管とその周囲の装置は、所定の温度の状態に整える。幾つものディスクが管内のシャフトに装着されていて、試験の間中、減圧を防ぐようになっている。急速伝搬軸方向亀裂を開始させるために、いわゆる開始領域の、管の一端に近い部分に向けて、明確な形をしたナイフ発射体(質量1500g)を発射する。ナイフの速度は16±1m/分である。管が不必要に変形するのを避けるため、橋台によって開始領域を設定する。関係する材料で亀裂が開始するように、試験装置を調節し、様々な温度で幾つもの試験を実施する。直径の4.7倍の全長を有する測定領域における軸方向の亀裂長を、各試験で測定し、設定試験温度に対してプロットする。亀裂長が直径の4.7倍を超えた場合、亀裂が伝播すると評価される。管が所定の温度で試験に合格した場合、管が試験にもはや合格しない、すなわち、亀裂伝播が管径の4.7倍を超える温度に達するまで、温度を連続的に下げてゆく。臨界温度(Tcrit)、すなわちISO 13477:2008に従って測定される延性脆性遷移温度は、管が試験に合格する最低温度である。低い臨界温度は、管の応用範囲が広がることになる。
j)シャルピー衝撃強さ
シャルピー衝撃強さは、80×10×4mmのVノッチ付きの試料について、ISO179/1eA:2000に従って0℃(シャルピー衝撃強さ(0℃))及び−20℃(シャルピー衝撃強さ(−20℃))にて測定した。試料は、ISO 1872−2:2007の3.3章に定義されている条件を用いて、ISO 293:2004に従って圧縮成形で調製された厚さ4mmの小板から粉砕した。
k)引張弾性率
剛性の尺度として、ポリエチレン組成物の引張弾性率(E−弾性率)を、ISO 527−2:1993に従って、圧縮成形試験片について23℃にて測定した。試験片(1Bタイプ)は、ISO 1872−2:2007の3.3章に規定されている条件を用いて、ISO 293:2004に従って圧縮成形で調製された厚さ4mmの小板から粉砕した。弾性率は、1mm/分の速度で測定した。
2.触媒の調製
a)複合体の調製:
トルエン87kgを反応器内に加えた。次に、ヘプタン中45.5kgのBomag A(ブチルオクチルマグネシウム)も反応器内に加えた。次いで、161kgの99.8%の2−エチル−1−ヘキサノールを24〜40kg/時間の流量で反応器内に導入した。BOMAG−Aと2−エチル−1−ヘキサノールとのモル比は、1:1.83であった。
b)固体触媒成分の調製:
330kgのシリカ(か焼シリカ、Sylopol(商標)2100)及びペンタン(キャリア1kg当たり0.12kg)を触媒調製反応器に充填した。次に、EADC(エチルアルミニウムジクロリド)(シリカ1kg当たり2.66mol)を、2時間の間に40℃未満の温度で反応器に加え、1時間混合を継続した。混合の間の温度は40〜50℃であった。次に、上記したように調製されたMg複合体を、2時間の間に50℃で加え(シリカ1kg当たり2.56molのMg)、40〜50℃で1時間混合を継続した。シリカ1kg当たり0.84kgのペンタンを反応器に加え、スラリーを40〜50℃の温度で4時間撹拌した。最後に、TiCl(シリカ1kg当たり1.47mol)を、少なくとも1時間の間に55℃で反応器に加えた。スラリーを50〜60℃で5時間撹拌した。次いで触媒を窒素でパージすることにより乾燥させた。
用意した触媒成分のモル組成は、Al/Mg/Ti=1.5/1.4/0.8(シリカ1kg当たりのmol)である。
3.発明例IE1〜IE3のための多段重合
500dmの体積を有するループ反応器を95℃及び5.8MPa(58bar)の圧力で運転した。反応器中に、84kg/時間のプロパン希釈剤、エチレン及び窒素中25体積%の水素を含むガス混合物を、表に示すような供給速度で導入した。また、上記に従って調製した重合触媒を表に示すような速度で反応器に導入した。共触媒として用いられるTEAもループ反応器に供給した。反応器内の条件は、表1に示す通りである。
ポリマースラリーをループ反応器から取り出し、300kPa(3bar)の圧力及び70℃の温度で運転されるフラッシュ容器に移送し、ここでポリマーから炭化水素が実質的に除去された。次に、ポリマーを85℃の温度及び2.0MPa(20bar)の圧力で運転される第1の気相反応器に導入した。
表1に示す条件で重合を継続した。
得られたポリマーを、最終組成物に対して2200ppmのIrganox B225及び1500ppmのステアリン酸カルシウム及び2.3%のカーボンブラックで安定化した。カーボンブラックの添加には、39.5重量%のカーボンブラック(Cabotにより流通されているElftex TP)、0.1重量%のIrganox 1010(現在BASFの一部であるCiba製)及び60.4重量%のエチレン−ブチレンコポリマー(1.7重量%のコモノマー含有量、30g/10分のMFR(2.16kg、190℃、ISO 1133)及び959kg/mの密度を有する)を含有するマスターバッチが5.7重量%の量で用いられた。次に、異方向回転二軸押出機CIM90P(日本製鋼所製)でペレットに押出した。条件を表1に示す。
4.発明例IE5のための多段重合
上記されるような反応順序を繰り返したが、予備重合工程を追加した点が異なる。触媒及び共触媒TEAを予備重合容器に供給した。
5.比較例CE1〜CE5
BASFにより市販されている触媒Lynx200を用いて重合を繰り返した。その上、TEAを共触媒として用いた。表1のデータから分かるように、この触媒は、特性の著しく異なるバランスをもたらす。
6.長期等方強度測定
例IE5並びに比較例CE1及びCE4の材料から管(32×3mm)を作製し、(ISO1167−1 管端キャップタイプAに従う)圧力試験に供した。
ISO9080−2003によれば、最小要求強度(MRS)は、管が破損することなく50年間耐える周方向応力である。従って、11.0のMRSは、測定基準である11.0MPaのフープ応力に20℃で50年間管が耐えるということを意味する。例IE5は、20℃でのISO/TR 9080に従って測定した11.6のMRS及び40℃(より高い温度は適切ではない)で測定した10.4のMRSを有していた。比較例CE1及びCE4は、IE5で得られた値より少なくとも10%低いMRS値を示した。
Figure 2016536387
Figure 2016536387
Figure 2016536387
Figure 2016536387
Figure 2016536387
Figure 2016536387
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Claims (14)

  1. ISO 1183−1:2004に従って決定される952.0kg/mを超え957.0kg/m以下の密度と、0.45〜0.95重量%のヘキセン由来単位の含有量とを有するベース樹脂を含むポリエチレン組成物であって、
    前記組成物が、ISO 1133に従って決定される0.12〜0.21g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、5kg)を有し、且つ
    前記組成物及び/又は前記ベース樹脂が、3.5Pa−1以上4.9Pa−1以下の範囲の多分散性指数PIを有する、ポリエチレン組成物。
  2. 前記組成物及び/又は前記ベース樹脂が、85〜200の剪断減粘指数SHI2.7/210を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
  3. 前記組成物及び/又は前記ベース樹脂が、31〜60の外挿剪断減粘指数SHI1/100を有する、請求項1又は2に記載のポリエチレン組成物。
  4. ISO 1183−1:2004に従って決定される963.0kg/mを超え971.0kg/m以下の密度を有する、請求項1〜3の何れか一項に記載のポリエチレン組成物。
  5. 前記組成物及び/又は前記ベース樹脂が、850Pa〜1000Paの貯蔵弾性率G’(2kPa)を有する、請求項1〜4の何れか一項に記載のポリエチレン組成物。
  6. ISO 1133に従って決定される7.0〜0.13.0g/10分のメルトフローレートMFR21.6(190℃、21.6kg)を有する、請求項1〜5の何れか一項に記載のポリエチレン組成物。
  7. 前記組成物が、40〜65のフローレート比FRR21/5(MFR21とMFRとの比である)を有する、請求項1〜6の何れか一項に記載のポリエチレン組成物。
  8. 前記ベース樹脂が、重量平均分子量Mの異なる少なくとも2つのエチレンホモポリマー又はコポリマー画分(A)及び(B)を含み、
    画分(A)はエチレンホモポリマーであり、且つ画分(B)は、エチレンと3〜12個の炭素原子を有する少なくとも1種のα−オレフィンコモノマー単位とのコポリマーであり、
    画分(A)は380〜600g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、2.16kg)を有し、且つ
    画分(A)は46〜52重量%の量で前記ベース樹脂中に存在する、請求項1〜7の何れか一項に記載のポリエチレン組成物。
  9. 多段プロセスによって得られるポリエチレン組成物であって、前記多段プロセスが、
    a)(i)シリカ1kg当たり1.30〜1.65molのAlとシリカ1kg当たり1.25〜1.61molのMgとシリカ1kg当たり0.70〜0.90molのTiとを含む触媒のモル組成を有し且つ7〜15μmの平均粒径(D50)を有するシリカ担持チーグラーナッタ触媒の存在下、(ii)380〜600g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、2.16kg)を有する中間体を得るために、アルキルアルミニウム化合物及び連鎖移動剤の存在下、ループ反応器中で、エチレンを重合することと、
    b)前記中間体を気相反応器に移送し、(i)エチレン及びコモノマーを前記気相反応器に供給し、(ii)前記中間体を更に重合して、ISO 1183−1:2004に従って決定される951kg/mを超え957kg/m以下の密度を有するベース樹脂を得ることと、
    c)安定剤及びカーボンブラックの存在下、前記ベース樹脂を、ISO 1133に従って決定される0.12〜0.21g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、5kg)を有するポリエチレン組成物と3.5Pa−1以上4.9Pa−1以下の範囲の多分散性指数PIを有するベース樹脂とに押出すことと
    を含む、ポリエチレン組成物。
  10. 請求項1〜10の何れか一項に記載のポリエチレン組成物を含む、物品。
  11. 管又は管継手である、請求項11に記載の物品。
  12. 920kPa(9.2bar)の圧力及び80℃でISO 13479に従って決定されたノッチ付き管試験において少なくとも2300時間の耐低速亀裂成長性を有する、請求項12に記載の物品。
  13. −20.0℃以下のS4臨界温度を有する、請求項12又は13に記載の物品。
  14. 物品の製造のための、請求項1〜10の何れか一項に記載のポリエチレン組成物の使用。
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