JP2016536338A - 抗微生物化合物ならびにそれの製造方法および使用方法 - Google Patents

抗微生物化合物ならびにそれの製造方法および使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016536338A
JP2016536338A JP2016540938A JP2016540938A JP2016536338A JP 2016536338 A JP2016536338 A JP 2016536338A JP 2016540938 A JP2016540938 A JP 2016540938A JP 2016540938 A JP2016540938 A JP 2016540938A JP 2016536338 A JP2016536338 A JP 2016536338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
tautomer
alkyl
pharmaceutically acceptable
ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016540938A
Other languages
English (en)
Inventor
カンヨー,ゾルタン・エフ
バッタチャヤ,アショケ
ダッフィー,エリン
マーラ,アンドレア
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Melinta Therapeutics Inc
Original Assignee
Melinta Therapeutics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Melinta Therapeutics Inc filed Critical Melinta Therapeutics Inc
Publication of JP2016536338A publication Critical patent/JP2016536338A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D487/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00
    • C07D487/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D487/04Ortho-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/41Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
    • A61K31/41641,3-Diazoles
    • A61K31/41881,3-Diazoles condensed with other heterocyclic ring systems, e.g. biotin, sorbinil
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • A61K31/519Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim ortho- or peri-condensed with heterocyclic rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D239/00Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings
    • C07D239/02Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings
    • C07D239/24Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings having three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D239/28Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings having three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D239/46Two or more oxygen, sulphur or nitrogen atoms
    • C07D239/47One nitrogen atom and one oxygen or sulfur atom, e.g. cytosine
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D519/00Heterocyclic compounds containing more than one system of two or more relevant hetero rings condensed among themselves or condensed with a common carbocyclic ring system not provided for in groups C07D453/00 or C07D455/00

Abstract

本発明は、抗微生物化合物の分野ならびにそれの製造方法および使用方法に関するものである。これらの化合物は、ヒトおよび動物での微生物感染の治療、予防、リスク低下および発症遅延において有用である。

Description

関連出願
本願は、2013年9月9日出願の米国仮特許出願第61/875,643号に対する優先権およびそれの恩恵を主張するものであり、当該出願の全内容は参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
1920年代のペニシリンおよび1940年代のストレプトマイシンの発見以来、多くの新たな化合物が発見されるか、抗生剤として使用するために具体的に設計されてきた。いったんは、そのような治療薬の使用によって感染症を完全に制御または根絶することができると考えられた。しかし、そのような考えには、現在有効な治療薬に耐性がある細胞株または微生物株が進化し続けていることから異議が唱えられた。臨床用に開発されたほぼすべての抗生物質が、最終的に耐性菌の出現による問題に遭遇した。例えば、メチシリン耐性ブドウ球菌(staphylococci)、ペニシリン耐性連鎖球菌(streptococci)およびバンコマイシン耐性腸球菌(enterococci)などのグラム陽性菌の耐性株が発生した。耐性菌は感染患者において重大な、さらには致死的な結果を引き起こしうる。例えばLowry,F.D.”Antimicrobial Resistance:The Example of Staphylococcus aureus,”J.Clin.Invest.,vol.111,no.9,pp.1265−1273(2003);およびGold,H.S.and Moellering,R.C.,Jr.,”Antimicrobial−Drug Resistance,”N.Engl.J.Med.,vol.335,pp.1445−53(1996)を参照されたい。
Lowry,F.D."Antimicrobial Resistance:The Example of Staphylococcus aureus,"J.Clin.Invest.,vol.111,no.9,pp.1265−1273(2003) Gold,H.S.and Moellering,R.C.,Jr.,"Antimicrobial−Drug Resistance,"N.Engl.J.Med.,vol.335,pp.1445−53(1996)
新規な抗細菌薬の発見および開発は、多くの製薬企業の数十年にわたる主要な重点課題であった。にもかかわらず、近年、この研究および薬物開発分野からの撤退が生じており、結果的に、市場に出回る新規抗生物質の数が非常に少なくなっている。新規抗生物質のこの欠如は、特に現行の治療法に対する細菌耐性が院内環境および市中環境の両方において増大しているなかで特に憂慮すべきものである。
新たな抗微生物化合物開発の一つの手法は、細菌リボソーム機能の調節剤、例えば阻害剤を設計するというものである。細菌リボソーム機能を調節または阻害することで、抗微生物菌化合物は、RNA翻訳およびタンパク質合成などの必須プロセスを妨害することで、抗微生物効果を示すことができると考えられる。実際、エリスロマイシン、クリンダマイシンおよびリネゾリドなどのいくつかの抗生物質化合物はリボソームに結合することが知られている。
本発明は、抗微生物化合物の分野ならびにそれらの製造方法および使用方法に関するものである。これら化合物およびそれの互変異体は、ヒトおよび動物での微生物感染の治療、予防、リスク低下もしくは発症遅延に有用である。本発明は、これら化合物および互変異体の医薬として許容される塩、エステル、およびプロドラッグも提供する。
1態様において、本発明は、下記の式(I)から(V)のいずれかを一つを有する化合物または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルに関する。
Figure 2016536338
Figure 2016536338
式中、
はHまたはFであり、RがHである場合、RはCF、OCF、SCF、SOCFまたはハロであり、RはHであり;RがFである場合、(i)RはClまたはOCFであり、RはHであり;または(ii)RはHであり、RはC−Cアルキルであり;または(iii)Rは1以上のハロで置換されていても良いC−Cアルキルであり、Rはハロであり;
はH、OH、NHもしくはC−Cアルコキシルであり、またはXがOもしくはCHR17である場合、RおよびRはそれらが結合している2個の原子および前記2個の原子を連結している原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;またはXが結合である場合、RおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;
はH、CHOHもしくはCHOC−Cアルキルであり、またはXがOまたはCHR17である場合、RおよびRはそれらが結合している2個の原子および前記2個の原子を連結している原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;
は、ハロ、OH、アジド、アミノ、C−Cアルコキシル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルケニル、OCOR、CHOCORおよび−OP(O)(ORからなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキルであり、RはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルであり、RはCOOH、COOC−Cアルキル、OCOC−Cアルキル、フェニル、またはC−C12アリールアルキルで置換されていても良く;またはRおよびRは、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;またはRおよびR17は、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;またはXが結合である場合、RおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;
は、H、C(=NH)NHもしくはCORであり、RはC−Cアルコキシルもしくはアミノで置換されていても良いC−Cアルキルであり;またはRおよびRは、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
、R10およびR11のそれぞれは独立に−Q−Tであり、Qは結合または1以上のハロもしくはヒドロキシルで置換されていても良いC−Cアルキル連結基であり、TはH、ハロ、OH、COOH、シアノ、アジド、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシル、C−Cハロアルケニル、C−Cアルキルチオ、COOC−Cアルキル、−NHC(O)CHNH、NHS(O)C−Cアルキル、SO−CアルキルもしくはRであり、Rはアミノ、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、4から12員の複素環アルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、−O−ヘテロアリール、−NH−ヘテロアリール、−S−ヘテロアリールまたはC(O)NRであり、RおよびRのそれぞれが独立にHもしくはC−Cアルキルであり、またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子とともに0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;Rは−Q−Tで置換されていても良く、Qは結合もしくはC−Cアルキルであり、TはH、ハロ、C−Cアルキル、アミノ、5員もしくは6員のヘテロアリールまたはC−C10アリールであり、前記アリールおよびヘテロアリールはC−CアルコキシルもしくはC−Cアミノアルキルで置換されていても良く;またはRおよびR10はそれらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結するZ原子とともに、独立にC−Cアルキルもしくは−C(=N)NHから選択される1以上の置換基で置換されていても良い0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
、はHであり;またはR、とRはそれらが結合している炭素とともに、C−CアルキルまたはC(=NH)NHで置換されていても良い1から2個のヘテロ原子を有するC−C複素環アルキルを形成しており;またはRとR8、が一体となって=Oまたは=NHを形成しており;
12はHもしくはC−Cアルキルであり、またはR12およびR11はそれらが結合している炭素原子とともに、C(=NH)NHで置換されていても良い1から2個のヘテロ原子を有する4から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;またはR12およびR10はそれらが結合している2個の炭素原子およびその2個の炭素原子を連結する原子が存在する場合はその原子とともに、C−Cシクロアルキル環を形成しており;
およびR13のそれぞれは独立に、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニルもしくは−C(O)Hであり、またはZがNRである場合、RおよびR13はそれらが結合している2個の窒素原子および前記2個の窒素原子を連結する炭素原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する7から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており、またはZがNRである場合、RおよびRはそれらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;またはZがNRであり、AがNR14である場合、RおよびAはそれらが結合している2個の原子および前記2個の原子を連結する原子とともに、オキソもしくはイミノ基で置換されていても良い2から3個のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;
AがNR13NR14である場合、R11およびR13はそれらが結合している原子とともに、オキソで置換されていても良い0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;
14は、H、C(O)C−Cアルキル、C(O)NH、C(CH=NO)NHCH、C(=NH)H、C(=NH)C−Cアルキル、1から3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリール、1から3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の複素環アルキル、独立に1から3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリール、C−Cシクロアルキル、および1から3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の複素環アルキルから選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキル、またはC(=NR16)NH(R16はH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキルもしくは1から2個のヘテロ原子を有する4から12員の飽和複素環アルキル環である。)であり、またはR16およびR11はそれらが結合している2個の原子および前記2個の炭素原子を連結する原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
14およびR13はそれらが結合している窒素原子とともに、オキソで置換されていても良い1から3個の追加のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリールを形成しており;またはR14およびR13はそれらが結合している窒素原子とともに、オキソで置換されていても良い1から3個の追加のヘテロ原子を有する5員もしくは6員の複素環アルキルを形成しており;
15はHまたはハロであり;
Aは、C(O)NH、NR1314、NR14、C(O)NHC−Cアルキル、C(O)OH、OH、CN、C−Cシクロアルキル、−OP(O)(OR(RはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルである。)、オキソで置換されていても良い1から3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の複素環アルキル、またはC−Cアルキル、C−Cアルキレニル−アリール、NOもしくはアミノで置換されていても良い1から4個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリールであり、前記アルキル、アルキレニルおよびアリールは、独立にC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシもしくはハロから選択される1以上の置換基で置換されていても良く;またはZがNRであり、AがNR14である場合、RおよびAはそれらが結合している2個の炭素原子および前記炭素原子を連結する原子とともに、オキソもしくはイミノ基で置換されていても良い2から3個のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;
WはCHもしくはCであり;またはWがCである場合、WおよびYはそれらが結合している原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
Xは、結合、OもしくはCHR17であり、R17はHであり、またはR17およびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;またはXが結合である場合、RおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;
YはNHであり;またはYおよびWはそれらが結合している原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
Zは、結合、O、NR、NH、CHもしくはCHであり;またはZがNHもしくはCHである場合、R11およびZは、それらが結合している原子および前記2個の原子を連結する原子とともに、0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;
各mおよびoは独立に0または1であり;
pは0、1または2であり;
18はHまたはC(=NH)NHであり;
ただし、式(I)の化合物において、
(a)R14がC(=NR16)NHであり、XがCHであり、Rがメチルであり、RがH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、シクロプロピル、CHCHOH、COOH、COOCH、CHCOOH、CHCOOCHもしくは4−メトキシフェニルである場合、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外であり;
(b)R14がC(=NR16)NHであり、XがCHであり、RがCHOHであり、RがH、メチルもしくはエチルである場合、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外であり;
(c)R14がC(=NR16)NHであり、XがCHであり、RがCHOCHである場合、R、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外であり;
(d)R14がC(=NR16)NHであり、Xが結合であり、Rがメチルであり、RがHもしくはメチルである場合、R、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外であり;
(e)R14がC(=NR16)NHであり、XがOであり、RがHもしくはメチルであり、Rがメチルであり、RがHもしくはメチルである場合、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外であり;
(f)R14がC(=NR16)NHであり、XがCHであり、Rがメチルであり、RがHもしくはメチルであり、RがC(=NH)NHである場合、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外であり;または
(g)R14がC(=O)CHであり、XがCHであり、Rがメチルであり、RがHである場合、R、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外である。
別の態様において、本発明は、下記式(VIII)もしくは(IX)の化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルを特徴とする。
Figure 2016536338
式中、
mは0または1であり;
nは1または2であり;
101はHまたはFであり、R101がHである場合、(i)R102はCF、OCF、SCFもしくはSOCFであり、R103はHであり、R104は(CHCH(CH)NHであり;または(ii)R102およびR104のそれぞれはHであり、R103はCH(R)NHRであり、Rは1以上のハロで置換されていても良いC−Cアルキルであり、RはC(=NH)NHで置換されていても良い1から2個のヘテロ原子を有する4から12員の飽和複素環アルキル環であり;R101がFである場合、R102はClもしくはOCFであり、R103はHであり、R104は(CHCH(CH)NHであり;
105は、CH(R)NHR、CH=CHR、CH=NO(CHNHC(=NH)NHまたはCONHCHであり、Rは1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環で置換されていても良い5員もしくは6員のヘテロアリールであり、
106およびR107のそれぞれはHもしくはC−Cアルキルであり、またはR106およびR107はそれらが結合している2個の窒素原子および前記2個の窒素原子を連結する炭素原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する6から12員の飽和複素環アルキル環を形成している。
さらに別の態様において、本発明は、下記式(X)の化合物もしくはそれの互変異体または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルも提供する。
Figure 2016536338
式中、
201はHまたはFであり、R201がHである場合、R202はCF、OCF、SCF、SOCFもしくはハロであり、R203はHであり;R201がFである場合、(i)R202はClもしくはOCFであり、RはHであり;または(ii)R202はHであり、R203はC−Cアルキルであり;または(iii)R202は1以上のハロで置換されていても良いC−Cアルキルであり、R203はハロであり;
206は、ハロ、OH、アミノ、C−CアルコキシルおよびC−Cアルキルチオからなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキル、C−CアルケニルまたはCHOCORaaであり、RaaはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルであり、RaaはCOOH、COOC−Cアルキル、OCOC−CアルキルもしくはC−C12アリールアルキルで置換されていても良く;
207はH、C(=NH)NHもしくはCORであり、Rはアミノで置換されていても良いC−Cアルキル、C−Cアルコキシルもしくはアミノであり;またはR206およびR207は、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
208はH、C−CアルキルまたはC−Cアルケニルであり;
214はHまたはC(=NH)NHである。
さらに本発明は、下記式(XIa)、(XIb)、(XIc)もしくは(XId)の化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルに関するものである。
Figure 2016536338
Figure 2016536338
式中、
301はHもしくはFであり、R301がHである場合、R302はCF、OCF、SCFもしくはSOCFであり;R301がFである場合、R302はClもしくはOCFであり;
303およびR304のそれぞれは独立に、フェニルもしくは5員もしくは6員のヘテロアリールであり、そのそれぞれは独立にハロ、OH、アミノ、C−CアルコキシルおよびC−Cアルキルチオから選択される1以上の置換基で置換されていても良く;またはR303およびR304のうちの一方がアミノであり、他方がCHCHNRであり、RはH、C−Cアルキル、COC−CアルキルもしくはCOC−C10アリールであり、Rは5員もしくは6員のヘテロアリールであり;
305およびR307のそれぞれは独立に、シアノ、COOH、COC−Cアルコキシル、C(=NH)C−Cアルコキシル、C(=NH)NH、アミノ、CHCOOH、CHCOC−Cアルコキシル、CHNH、CHNHC−Cアルキル、または独立にハロ、OH、アミノ、C−Cアルコキシル、C−CアルキルチオおよびC−C12アリールアルキル(これは独立にハロ、OH、アミノ、C−CアルコキシルおよびC−Cアルキルチオから選択される1以上の置換基でさらに置換されていても良い。)から選択される1以上の置換基で置換されていても良い5員もしくは6員のヘテロアリールであり;
306は、ハロ、OH、アミノ、C−CアルコキシルおよびC−Cアルキルチオ、C−CアルケニルもしくはCHOCORaaaからなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキルであり、RaaaはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルであり、RaaaはCOOH、COOC−Cアルキル、OCOC−CアルキルもしくはC−C12アリールアルキルで置換されていても良い。
別の態様において、本発明は、医薬として許容される担体および本発明の化合物もしくはそれの互変異体または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルを含む医薬組成物に関する。
別の態様において、本発明は、処置を必要とする対象者に有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルを投与することを含む微生物感染を治療する方法に関するものである。
別の態様において、本発明は、処置を必要とする対象者に有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルを投与することを含む微生物感染を予防する方法に関するものである。
さらに別の態様において、本発明は、処置を必要とする対象者に有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルを投与することを含む微生物感染のリスクを低減する方法に関するものである。
別の態様において、本発明は、処置を必要とする対象者に有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルを投与することを含む微生物感染の発症を遅延させる方法に関するものである。
さらに別の態様において、本発明は、対象者における微生物感染を治療するための医薬品製造において使用される化合物であって、当該化合物が本発明の化合物もしくはそれの互変異体または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルから選択される化合物に関するものである。
別の態様において、本発明は、対象者における微生物感染を予防するための医薬品製造において使用される化合物であって、当該化合物が本発明の化合物もしくはそれの互変異体または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルから選択される化合物に関するものである。
さらに別の態様において、本発明は、対象者における微生物感染のリスクを低減するための医薬品製造において使用される化合物であって、当該化合物が本発明の化合物もしくはそれの互変異体または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルから選択される化合物に関するものである。
別の態様において、本発明は、対象者における微生物感染の発症を遅延させるための医薬品製造において使用される化合物であって、当該化合物が本発明の化合物もしくはそれの互変異体または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルから選択される化合物に関するものである。
さらに別の態様において、本発明は、対象者における微生物感染の治療、予防、リスク低減および/または発症遅延方法で使用される化合物であって、当該化合物が本発明の化合物もしくはそれの互変異体または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルから選択される化合物に関するものである。
さらに、本発明は、前記化合物およびそれの互変異体、ならびに前記化合物および互変異体の医薬として許容される塩、エステルおよびプロドラッグの合成方法を提供する。合成後に、有効量の1以上の当該化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを、抗微生物剤として、特に抗細菌剤として使用するためにヒトもしくは動物に投与するために、医薬として許容される担体と製剤することができる。ある種の実施形態において、本発明の化合物は、微生物感染の治療、予防、リスク低下もしくは発症遅延に、または微生物感染の治療、予防、リスク低下もしくは発症遅延のための医薬品製造に有用である。
従って、当該化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグまたはそれらの製剤を、例えば経口、非経口、静脈、耳、目、鼻もしくは局所経路で投与して、有効量の当該化合物もしくはそれの互変異体または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグをヒトもしくは動物に提供することができる。
本発明の前記および他の態様および実施形態については、下記の詳細な説明および特許請求の範囲を参照することで、さらに理解を深めることができる。
本発明は、新たな抗微生物剤の発見および開発のための構造に基づく薬剤設計手法を利用するものである。この手法は、リボソームの高分解能X線結晶から出発して、特定の化学構造、リボソーム結合特性および抗微生物活性を有する新たな種類の抗微生物化合物を設計するものである。この構造に基づく薬剤開発手法は、次の刊行物:Franceschi,F.and Duffy,E.M.,”Structure−based drug design meets the ribosome”,Biochemical Pharmacology,vol.71,pp.1016−1025(2006)に記載されている。
この構造に基づく薬剤開発手法に基づくと、本発明は、ヒトおよび動物における細菌感染を治療するのに有用な新たな化学的種類の抗微生物化合物について述べるものである。理論による拘束を受けるものではないが、これらの化合物は、リボソームに結合することで細菌のリボソーム機能を阻害すると考えられている。これらのリボソーム結合部位を利用することで、本発明の抗微生物化合物は、現在利用可能な抗生物質化合物と比較して、特に抵抗性細菌株に対して良好な活性を提供することができる。
従って本発明は、新たな抗微生物剤への常にある重要なニーズ、特には抵抗性の病原性細菌生物に対する活性を有する抗微生物剤へのニーズを満たすものである。
本発明は、抗微生物剤として、詳細には抗細菌剤として使用可能な化合物のファミリーまたはそれの互変異体を提供する。
本発明はまた、前記化合物および互変異体の医薬として許容される塩、エステル、およびプロドラッグも含むものである。
本明細書に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグは、不斉中心を有することができる。
不斉置換原子を含む、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグは、光学活性体またはラセミ体として単離することができる。光学活性体を例えばラセミ体の分割または光学活性出発原料からの合成によってどのように製造するかは当技術分野において周知である。オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体も、本明細書に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに存在することがあり、全てのそのような安定な異性体が本発明では想定される。本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグのシスおよびトランス幾何異性体は記載の通りであり、異性体混合物または別々の異性体として単離することができる。特定の立体化学配置または異性体が特に示されない限り、ある構造の全てのキラル異性体、ジアステレオマー異性体、ラセミ体および幾何異性体が意図される。本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを製造するために使用される全ての方法、および本発明で製造される全ての中間体は、本発明の一部であるとみなされる。図示または記載される化合物の全ての互変異体も本発明の一部であるとみなされる。さらに、本発明はまた、本明細書に記載の化合物の代謝産物を含む。
本発明はまた、自然界に最も一般的に見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子による1以上の原子の置き換えがある以外は、本発明の式で列挙されるものと同一である、同位体標識化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを包含する。本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに組み込むことが可能な同位体の例としては、水素、炭素、窒素、フッ素の同位体、例えばH、11C、14Cおよび18Fなどがある。
上述の同位体および/または他の原子の同位体を含む、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグは、本発明の範囲内である。本発明の、同位体標識化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグ、例えばH、14Cなどの放射性同位体が組み込まれたものは、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム標識同位体、すなわちHおよび炭素14同位体、すなわち14Cは、製造の容易さおよび検出性のゆえに特に好ましい。11Cおよび18F同位体はPET(陽電子放出断層撮影)において特に有用である。PETは脳画像診断において有用である。さらに、重水素、すなわちHなどのより重い同位体による置換は、代謝安定性の増大により得られる特定の治療上の利点、例えばイン・ビボ半減期の増大または必要用量低減をもたらすことができることから、状況によっては好ましいことがある。概して、本発明の式を有する同位体標識化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグは、非同位体標識試薬に代えて容易に入手可能な同位体標識試薬を用いることで下記に開示の手順、図式および/または実施例に記載の方法に従って製造することができる。1実施形態では、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグは、同位体標識されていない。
本発明の任意の構成要素または式中で任意の可変要素(例えばR)が複数ある場合、各場合でのその定義は他の各場合でのそれの定義とは無関係である。従って、例えば、ある基が1以上のR部分で置換されていると示される場合、各場合でのRはRの定義から独立に選択される。また、置換基および/または可変要素の組み合わせが許容されるが、ただしそのような組み合わせによって所定の原子の通常の原子価の範囲内の安定な化合物が得られる場合に限定される。
化学結合について点線の表示を示す化学構造は、その結合が存在しても良いということを示す。例えば、実線の単結合の隣に描かれる点線は、その結合が単結合または二重結合であり得ることを示す。
置換基への結合が環中の2個の原子を接続する結合を横切ると示される場合、そのような置換基は環上のどの原子に結合していてもよい。ある置換基がそれを経由して所与の式の化合物の残りの部分に結合する原子を示すことなく、そのような置換基が列挙される場合、そのような置換基はそのような置換基中のどの原子を経由して結合していてもよい。置換基および/または可変要素の組み合わせが許容されるが、ただしそのような組み合わせによって安定な化合物が得られる場合に限定される。
本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグが窒素原子を含む場合、適宜これらを酸化剤(例えば、メタクロロ過安息香酸(mCPBA)および/または過酸化水素)による処理によってN−オキシドに変換することができる。従って、図示および特許請求される窒素原子は、適宜に、図示される窒素およびそのN−オキシド(N→O)誘導体の両方を包含するものと見なされる。一部の実施形態において、本発明は、本明細書に開示の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグのN−オキシドに関する。
改善された抗増殖薬および抗感染症薬を開発する一つの手法は、リボソーム機能の調節剤(例えば阻害剤)を提供することである。
リボソームは、原核生物および真核生物の両方に存在するリボ核タンパク質である。リボソームは、タンパク質合成を担う細胞小器官である。遺伝子発現の間、リボソームは、メッセンジャーRNA内でコードされる遺伝情報をタンパク質に翻訳する(Garrett et al.(2000)”The Ribosome:Structure,Function,Antibiotics and Cellular Interactions,”American Society for Microbiology,Washington,D.C.)。
リボソームは2つの非等価なリボ核タンパク質サブユニットを含む。大きい方のサブユニット(「大リボソームサブユニット」とも称される)は、小さい方のサブユニット(「小リボソームサブユニット」とも称される)の大きさの約2倍である。小リボソームサブユニットは、メッセンジャーRNA(mRNA)に結合し、mRNAと翻訳の忠実度を決定する転移RNA(tRNA)アンチコドンとの間の相互作用に介在する。大リボソームサブユニットは、ペプチド結合形成、すなわち、タンパク質合成のペプチジルトランスフェラーゼ反応を触媒し、アミノアシル部位、ペプチジル部位および出口部位として知られる3つの異なるtRNA結合部位を少なくとも含む。アミノアシル部位すなわちA部位は、入ってくるアミノアシル−tRNAを収容し、tRNAはそのアミノ酸を成長するペプチド鎖に提供する。また、A部位のA空間も重要である。ペプチジル部位すなわちP部位は、ペプチジル−tRNA複合体、すなわち、成長するペプチド鎖の一部であるアミノ酸を有するtRNAを収容する。出口部位すなわちE部位は、脱アシル化tRNAがそのアミノ酸を成長するポリペプチド鎖に供与した後にそれを収容する。
1.定義
「異性化」とは、同一の分子式を有するが原子の性質もしくは結合順序または原子の空間配置が異なる化合物を意味する。原子の空間配置が異なる異性体を「立体異性体」と呼ぶ。互いの鏡像ではない立体異性体を「ジアステレオマー異性体」と呼び、重ね合わせ不可能な鏡像である立体異性体を「鏡像異性体」、または時として光学異性体と呼ぶ。4個の同一ではない置換基に結合している炭素原子を「キラル中心」と呼ぶ。
「キラル異性体」とは、少なくとも1個のキラル中心を有する化合物を意味する。1個のキラル中心を有する化合物は、キラリティーが反対である二つの鏡像異性体を有するものであり、個々の鏡像異性体、または鏡像異性体の混合物として存在し得る。キラリティーが反対である等量の個々の鏡像異性体を含有する混合物を「ラセミ混合物」と呼ぶ。2以上のキラル中心を有する化合物は2n−1個の鏡像異性体の対を有し、ここでnはキラル中心の数である。2以上のキラル中心を有する化合物は個々のジアステレオマー、または「ジアステレオマー混合物」と呼ばれるジアステレオマーの混合物として存在し得る。1個のキラル中心が存在する場合、立体異性体はそのキラル中心の絶対配置(RまたはS)によって特徴付けることができる。絶対配置とは、キラル中心に結合する置換基の空間配置を意味する。考慮されるキラル中心に結合する置換基はカーン・インゴルド・プレローグ順位則に従って順位づけられる(Cahn et al,Angew.Chem.Inter.Edit.1966,5,385;errata 511;Cahn et al.,Angew.Chem.1966,78,413;Cahn and Ingold,J.Chem.Soc.1951(London),612;Cahn et al.,Experientia 1956,12,81;Cahn,J.,Chem.Educ.1964,41,116)。
「幾何異性体」とは、二重結合の周囲の回転障害に起因して存在するジアステレオマーを意味する。これらの配置はシスおよびトランスまたはZおよびEという接頭辞により名称が区別され、これら接頭辞は、カーン・インゴルド・プレローグ則に従って複数の基が分子中の二重結合の同一側または反対側に存在することを示す。
さらに、本出願において論じる化合物は全てのそのアトロプ異性体を含む。「アトロプ異性体」とは、二つの異性体の原子が異なって空間配置される立体異性体の一種のことである。アトロプ異性体は、中心結合の周りの大きな基の回転障害により引き起こされる回転制限に起因して存在する。そのようなアトロプ異性体は通常、混合物として存在するが、クロマトグラフィー技術の最近の進歩の結果として、限定的な場合に2つのアトロプ異性体の混合物を分離することが可能になった。
本発明の一部の化合物は、互変異型で存在し得るものであり、それも本発明の範囲内に包含されるものである。「互変異体」とは、その構造が原子の配置において著しく異なるが、容易かつ速やかに平衡状態で存在する化合物を意味する。本発明の化合物を異なる互変異体として示すことができると理解すべきである。また、化合物が互変異体を有する場合、全ての互変異体が本発明の範囲内であるものとされ、化合物の命名が任意の互変異体を排除するものではないと理解すべきである。
本発明の化合物、医薬として許容される塩、エステルおよびプロドラッグは、エノールおよびイミン型、ならびにケトおよびエナミン型を含む1以上の互変異型、ならびに幾何異性体、ならびにそれらの混合物として存在し得る。全てのそのような互変異体は本発明の範囲内に含まれる。互変異体は溶液では一組の互変異体の混合物として存在する。固体では、通常は一つの互変異体が優勢である。1種類の互変異体が記述されることがあるが、本発明は本化合物の全ての互変異体を含む。
互変異体は、平衡状態で存在しかつ一つの異性体から別の異性体に容易に変換される、2以上の構造異性体のうちの一つである。この反応により、水素原子のホルマール移動と、それに伴う隣接する共役二重結合の移動とが生じる。互変異化が可能な溶液中で、互変異体の化学平衡に到達することができる。互変異体の正確な比率は、温度、溶媒およびpHを含むいくつかの要素によって決まる。互変異化により相互変換可能な互変異体の概念を互変異性と呼ぶ。
可能な各種互変異性のうち二つが一般的に観察される。ケト−エノール互変異性では電子および水素原子の同時移動が生じる。グルコースおよび他の糖類により示される環鎖互変異性は、糖鎖分子中のアルデヒド基(−CHO)が同一分子中の1個のヒドロキシ基(−OH)と反応することで該分子が環状(環形)形態になる結果として生じる。
互変異性化は、次のもの:塩基:1.脱プロトン化;2.非局在化アニオン(例えばエノラート)の形成;3.該アニオンとは異なる位置でのプロトン化;酸:1.プロトン化;2.非局在化カチオンの形成;3.該カチオンに隣接する異なる位置での脱プロトン化によって触媒される。
一般的な互変異体の対には、複素環中(例えば核酸塩基グアニン、チミンおよびシトシン中)のケトン−エノール、アミド−ニトリル、ラクタム−ラクチム、アミド−イミド酸互変異性、アミン−エナミンならびにエナミン−エナミンなどがある。下記の例は、例示を目的として含まれるものであり、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
Figure 2016536338
「結晶多形」または「多形」または「結晶形」という用語は、化合物(またはその塩もしくは溶媒和物)が異なる結晶充填配置で結晶化しうる結晶構造であって、いずれも同一の元素組成を有する結晶構造を意味する。通常、異なる結晶形は異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光学的および電気的性質、安定性、ならびに溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶化速度、貯蔵温度および他の要因によって1つの結晶形が別の結晶形より優勢になりうる。化合物の結晶多形は異なる条件下の結晶化によって得ることができる。
本明細書において使用される「置換された」という用語は、所定の原子、通常は炭素原子、酸素原子または窒素原子上の任意の1以上の水素が、所定の原子が通常の原子価を超過せず、また置換により安定な化合物が得られるという条件で、指示された群からの選択により置き換えられることを意味する。置換基がケトもしくはオキソ(すなわち、=O)である場合、原子上の2個の水素が置き換えられる。本明細書において使用される環二重結合とは、2個の隣接する環原子(例えばC=C、C=N、N=Nなど)の間に形成される二重結合のことである。
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、指定数の炭素原子を有する直鎖および分岐の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むものである。例えば、C1−4はC、C、CおよびCを含むものであり、C1−6アルキルはC、C、C、C、CおよびCアルキル基を含むものであり、C1−8はC、C、C、C、C、C、CおよびCを含むものである。アルキルの例をいくつか挙げると、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチルおよびn−オクチルなどがあるが、それらに限定されるものではない。
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、直鎖配置または分岐配置と鎖に沿った任意の安定な箇所で出現し得る1以上の不飽和炭素−炭素結合とを有する炭化水素鎖、例えばエテニルおよびプロペニルを含むものである。例えば、C2−6アルケニルはC、C、C、CおよびCアルケニル基を含むものであり、C2−8アルケニルはC、C、C、C、C、CおよびCを含むものである。
本明細書で使用される場合、「アルキニル」は、直鎖配置または分岐配置と鎖に沿った任意の安定な箇所で出現し得る1以上の三重炭素−炭素結合とを有する炭化水素鎖、例えばエチニルおよびプロピニルを含むものである。例えば、C2−6アルキニルはC、C、C、CおよびCアルキニル基を含むものであり、C2−8アルキニルはC、C、C、C、C、CおよびCを含むものである。
さらに、「アルキル」、「アルケニル」および「アルキニル」は、ジラジカルである、すなわち2個の結合点を有する部分を含むものである。ジラジカルであるそのようなアルキル部分の非限定的な一例は−CHCH−、すなわち、各末端炭素原子を介して分子の残りの部分に共有結合しているCアルキル基である。アルキルジラジカルは「アルキレニル」基としても知られる。アルケニルジラジカルは「アルケニレニル」基としても知られる。アルキニルジラジカルは「アルキニレニル」基としても知られる。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチルまたはシクロペンチルなどの飽和環基を含むものである。C3−8シクロアルキルはC、C、C、C、CおよびCシクロアルキル基を含むものである。「複素環アルキル」という用語は、別段の断りがない限り1以上のヘテロ原子(O、N、SまたはSeなど)を有する飽和もしくは不飽和の非芳香族3から8員単環式、7から12員二環式(縮合、架橋またはスピロ環)、または11から14員三環式環系(縮合、架橋またはスピロ環)を指す。複素環アルキル基の例には、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、イソインドリニル、インドリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、トリアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ピラニル、モルホリニル、1,4−ジアゼパニル、1,4−オキサゼパニル、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
「置換されていても良いアルキル」という用語は、置換されていないアルキルまたは炭化水素骨格の1以上の炭素上の1以上の水素に置き換わっている指定の置換基を有するアルキルを指す。そのような置換基には、例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノなど)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドなど)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート類、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、複素環、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分などがあり得る。
「アリールアルキル」または「アラルキル」部分は、アリールで置換されたアルキルである(例えば、フェニルメチル(ベンジル))。「アルキルアリール」部分は、アルキルで置換されたアリールである(例えば、メチルフェニル)。
本明細書で使用される場合、「アミン」または「アミノ」は、別段の断りがない限り、置換されていない−NHを指す。
本明細書で使用される場合、「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード置換基を意味する。
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」は、指定数の炭素原子を有し、1以上のハロゲンで置換された、直鎖および分岐鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基(例えば−C2v−w+1、ここでv=1から3、w=1から(2v+1))を含むものである。ハロアルキルの例にはトリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチルおよびペンタクロロエチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で使用される場合、「ハロアルケニル」は、1以上のハロゲンで置換された指定数の炭素原子を有する分岐および直鎖の両方の不飽和炭化水素基を含むものである。ハロアルキルの例には、−CH=CHF、−CH=CHCl、−CH=CF、−CH=CCl、CHCH=CHF、CHCH=CHCl、CHCH=CF、およびCHCH=CClなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で使用される場合、「アルコキシル」とは、指定数の炭素原子を有し、酸素架橋を介して結合している、上記定義のアルキル基を意味する。C1−6アルコキシはC、C、C、C、CおよびCアルコキシ基を含むものである。C1−8アルコキシはC、C、C、C、C、C、CおよびCアルコキシ基を含むものである。アルコキシの例としてはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、s−ペントキシ、n−ヘプトキシおよびn−オクトキシなどがあるが、それらに限定されるものではない。
本明細書で使用される場合、「アルキルチオ」とは、指示される数の炭素原子を有し、硫黄橋を通じて結合している、上記定義のアルキル基を意味する。C1−6アルキルチオはC、C、C、C、CおよびCアルキルチオ基を含むものである。C1−8アルキルチオはC、C、C、C、C、C、CおよびCアルキルチオ基を含むものである。
本明細書で使用される場合、「炭素環(carbocycle)」または「炭素環(carbocyclic ring)」は、別途指定されない限り、任意の安定な3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12員単環式環、二環式環または三環式環であって、いずれも飽和、不飽和(部分不飽和および完全不飽和を含む)または芳香族でありうる環であって、コア環構造において炭素原子からなる環を意味するものである。そのような炭素環(carbocycles)または炭素環(carbocyclic rings)の例としてはシクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチルおよびテトラヒドロナフチルなどがあるが、それらに限定されるものではない。上記に示すように、架橋環も炭素環の定義に含まれる(例えば[2.2.2]ビシクロオクタン)。1以上の炭素原子が2個の隣接しない炭素原子を連結する際に架橋環が生じる。好ましい架橋は1個もしくは2個の炭素原子である。留意すべき点として、架橋が常に単環式環を三環式環に変換する。環が架橋している場合、環について列挙される置換基は架橋上に存在していてもよい。縮合環(例えばナフチルおよびテトラヒドロナフチル)ならびにスピロ環も含まれる。
本明細書で使用される場合、「複素環」または「複素環式環」という用語は、別段の記載がない限り、安定な3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12員単環式環、二環式環または三環式環であって、飽和、不飽和(部分不飽和および完全不飽和を含む)または芳香族である環であって、コア環構造において炭素原子と窒素、酸素および硫黄より独立に選択される1以上のヘテロ原子、例えば1個または1から2個または1から3個または1から4個または1から5個または1から6個のヘテロ原子とからなる環であって、上記定義の複素環のいずれかが第2の環(例えばベンゼン環)に縮合または結合した任意の二環式基または三環式基を含む環を意味する。窒素および硫黄ヘテロ原子は酸化されていてもよい(すなわち、N→OおよびS(O)、ここでp=1または2)。窒素原子が環に含まれる場合、環中の二重結合に結合しているか否かに応じてNまたはNHとなる(すなわち、窒素原子の三価性を維持する必要がある場合には水素が存在する)。窒素原子は置換されていても置換されていなくてもよい(すなわちNまたはNRであり、ここでRはHまたは定義される別の置換基である)。複素環または複素環式環は、安定な構造を生じさせる任意のヘテロ原子または炭素原子においてそのペンダント基に結合し得る。得られる化合物が安定である場合に、本明細書に記載の複素環または複素環式環は炭素または窒素原子上で置換されていてもよい。複素環または複素環式環中の窒素は四級化されていてもよい。架橋環も複素環または複素環式環の定義に含まれる。1以上の原子(すなわちC、O、NまたはS)が2個の隣接しない炭素または窒素原子を連結する際に架橋環が生じる。好ましい架橋としては1個の炭素原子、2個の炭素原子、1個の窒素原子、2個の窒素原子、および炭素−窒素基などがあるが、それらに限定されるものではない。環が架橋している場合、環について列挙される置換基は架橋上に存在していてもよい。スピロ環および縮合環も含まれる。
「アリール」には、少なくとも一つの芳香環を有する「共役」系もしくは多環系などの芳香族性を有する基などがあり、環構造中にはヘテロ原子を全く含まない。例としては、フェニル、ベンジル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルなどがある。
本明細書で使用される場合、「芳香族複素環」、「芳香族複素環式環」または「ヘテロアリール環」という用語は、安定な5、6、7、8、9、10、11もしくは12員単環式芳香環または二環式芳香環であって、炭素原子と窒素、酸素および硫黄から独立に選択される1以上のヘテロ原子、例えば1個または1から2個または1から3個または1から4個または1から5個または1から6個のヘテロ原子からなる環を意味するものである。二環式の芳香族複素環式環もしくは複素環またはヘテロアリール環の場合、2つの環のうち一方しか芳香族である必要はないが(例えば2,3−ジヒドロインドール)、両方が芳香族であってもよい(例えばキノリン)。第2の環は、複素環について上記で定義のように縮合または架橋していてもよい。窒素原子は置換されていても置換されていなくてもよい(すなわちNまたはNRであり、ここでRはHまたは定義される別の置換基である)。窒素および硫黄ヘテロ原子は酸化されていてもよい(すなわち、N→OおよびS(O)、ここでp=1または2)。ある種の化合物では、芳香族複素環中のSおよびO原子の総数は1を超えない。
芳香族複素環、芳香族複素環式またはヘテロアリールの例としてはアクリジニル、アザビシクロオクタノニル、アゼパニル、アゼチジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサジアゾリル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、シクロヘプチル、デカヒドロキノリニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリジニルイミン、イミダゾリニル、イミダゾリル、イミダゾロニル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イサチノイル(isatinoyl)、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、メチルベンゾトリアゾリル、メチルフラニル、メチルイミダゾリル、メチルチアゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノニル、オキサゾリル、オキシインドリル(oxindolyl)、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル(phenoxathinyl)、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペラジノニル、ピペリジニル、ピペリデニル(piperidenyl)、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾリル、ピリドイミダゾリル、ピリドチアゾリル、ピリジニル、ピリジノニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリドニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、チオモルホリニルジオキシジル(thiomorpholinyldioxidyl)、トリアジニル、トリアゾロピリミジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリルおよびキサンテニルなどがあるが、それらに限定されるものではない。
本明細書で使用される場合、「医薬として許容される」という語句は、妥当な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答その他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用する上で好適であり、妥当な利益/リスク比を有する、化合物もしくはそれの互変異体、またはそれらの塩、エステルもしくはプロドラッグ、材料、組成物、および/あるいは製剤を意味する。
本明細書で使用される場合、「医薬として許容される塩」とは、開示化合物またはそれの互変異体の誘導体であって、親化合物またはその互変異体が、その親化合物もしくはそれの互変異体の酸塩または塩基塩を作ることで修飾された誘導体を意味する。医薬として許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などがあるが、それらに限定されるものではない。医薬として許容される塩としては、例えば無毒の無機酸または有機酸から形成される親化合物またはそれの互変異体の従来の無毒の塩または四級アンモニウム塩などがある。例えば、そのような従来の無毒の塩としては、2−アセトキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリルアルサニル酸、ヘキシルレゾルシン酸、ヒドラバミン酸(hydrabamic)、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸(napsylic)、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、塩基性酢酸(subacetic)、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸およびトルエンスルホン酸から選択される無機酸および有機酸に由来する塩などがあるが、それらに限定されるものではない。
本発明の医薬として許容される塩は、塩基性部分または酸性部分を含有する親化合物またはその互変異体から従来の化学的方法により合成することができる。概して、そのような医薬として許容される塩は、これらの化合物またはその互変異体の遊離酸形態または遊離塩基形態と化学量論量の適切な塩基または酸とを水もしくは有機溶媒または両者の混合物中で反応させることで製造することができ、概して、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。好適な塩のリストが、Remington、s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing Company,Easton,PA,USA,p.1445(1990)にある。
プロドラッグが医薬品の数多くの望ましい特性(例えば溶解度、生物学的利用能、製造性など)を強化することが知られていることから、本発明の化合物またはその互変異体をプロドラッグ形態で送達することができる。従って、本発明は、本明細書で特許請求される化合物またはそれの互変異体のプロドラッグ、それを送達する方法、およびそれを含有する組成物を包含するものである。「プロドラッグ」は、そのようなプロドラッグを哺乳動物対象に投与する際に本発明の活性親薬物をイン・ビボで放出する任意の共有結合担体を含むものである。本発明のプロドラッグは、修飾された官能基が通常の操作でまたはイン・ビボで開裂されて、親化合物またはそれの互変異体を放出、形成もしくは産生するように、化合物またはそれの互変異体に存在する官能基を修飾することで製造される。プロドラッグとしては、ヒドロキシ基、アミノ基もしくはスルフヒドリル基がいずれかの基に結合して、本発明のプロドラッグを哺乳動物対象者に投与した場合に開裂して遊離ヒドロキシル基、遊離アミノ基または遊離スルフヒドリル基をそれぞれ形成する化合物もしくはそれの互変異体のプロドラッグを生じる、本発明の化合物またはそれの互変異体などがある。プロドラッグの例としては、本発明の化合物中のアルコールおよびアミン官能基の酢酸、ギ酸ならびに安息香酸誘導体などがあるが、それらに限定されるものではない。
本明細書で使用される場合、「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物からの有用な純度での単離、および有効な治療薬への製剤に耐えるだけの堅牢性を有する化合物を示すものである。
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、外科処置または侵襲的医療処置を受けるヒト対象者または動物(動物の場合、より代表的には哺乳動物)対象者を意味する。そのような患者または対象者は、外科処置または侵襲的医療処置による感染症を治療し、その危険性を低減させ、またはそれを予防する方法を必要とすると見なされることがあり得る。そのような患者または対象者は手術前後の予防が必要と見なされることもあり得る。
本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、感染症を治癒するまたは寛解させる治療的介入を行うことを意味する。
本明細書で使用される場合、「予防」という用語は、例えば患者または対象者が感染症に罹患しやすいかまたは感染症に罹患する危険性がある場合に感染症の発生を完全にまたはほぼ完全に停止させることを意味する。予防は、感染症を阻害すること、すなわちその発生を停止させることも含みうる。
本明細書で使用される場合、「危険性低減」という用語は、例えば患者または対象者が感染症に罹患しやすいかまたは感染症に罹患する危険性がある場合に感染症が発生する可能性または確率を低下させることを意味する。
本明細書で使用される場合、「不飽和」は、少なくとも1不飽和度(例えば少なくとも一つの多重結合)を有する化合物を意味し、部分不飽和および完全不飽和化合物を含む。
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、抗菌薬として単独または組み合わせで投与される際に有効な、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグ(化合物および/もしくはその互変異体、ならびに/または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの組み合わせを含む)の量を意味する。例えば、有効量とは、生理活性、例えば抗感染症活性、例えば抗菌活性、抗細菌活性、抗真菌活性、抗ウイルス活性または抗寄生虫活性を誘発する上で十分な、投与を受ける患者または対象者に与えられる組成物中、製剤中または医療機器上に存在する、化合物もしくはその互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの量を意味する。
「予防上有効量」という用語は、抗菌薬として単独または組み合わせで投与される際に予防的に有効な、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグ(化合物および/もしくはその互変異体、ならびに/または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの組み合わせを含む)の量を意味する。例えば、予防上有効量とは、外科処置または侵襲的医療処置による感染症を予防しまたはその危険性を低減させる上で十分な、投与を受ける患者または対象者に与えられる組成物中、製剤中または医療機器上に存在する、化合物もしくはその互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの量を意味する。
本明細書では、文脈上別の意味が明瞭に示されていない限り、単数形は複数も含む。別途定義がない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が通常理解するものと同一の意味を有する。矛盾がある場合は本明細書が優先する。本明細書において使用される「哺乳動物」とはヒトおよび非ヒト患者を意味する。
本明細書で使用される場合、「治療上有効量」という用語は、抗菌薬として単独または組み合わせで投与される際に有効な、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグ(化合物および/もしくはその互変異体、ならびに/または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの組み合わせも含む)の量を意味する。例えば、治療上有効量とは、生理活性、例えば抗菌活性、抗真菌活性、抗ウイルス活性、抗寄生虫活性、抗下痢活性および/または抗増殖活性を誘発する上で十分な、投与を受ける患者または対象者に与えられる組成物中、製剤中または医療機器上に存在する、化合物もしくはその互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの量を意味する。1態様において、化合物および/もしくはその互変異体、ならびに/または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの組み合わせは、相乗的組み合わせである。例えばChou and Talalay,Adv.Enzyme Regul.vol.22,pp.27−55(1984)に記載の相乗作用は、組み合わせで投与される場合の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの効果が、単剤として単独で投与される場合の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの相加効果を上回る際に生じる。概して、相乗効果は、化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの最適以下の濃度において最も明瞭に示される。相乗作用は、個々の成分に比べての、組み合わせの細胞傷害性の低下、抗増殖効果および/または抗感染効果の増大、または何らかの他の有益な効果に関するものであることができる。
本明細書で使用される場合、ESBLという用語は基質特異性拡張型β−ラクタマーゼのことである。KPCという用語は肺炎桿菌(Klebsiella pneumonia)カルバペネマーゼのことである。
本明細書で使用される場合、急性細菌性皮膚・皮膚組織感染症(ABSSSI)という用語は複雑性皮膚・皮膚組織感染症(cSSSI)ならびに複雑性皮膚・軟部組織感染症(cSSTI)を包含し、これらは互換的に使用されている。非複雑性皮膚・皮膚組織感染症(uCSSSI)ならびに非複雑性皮膚・軟部組織感染症(uCSSTI)という用語は互換的に使用されている。
本明細書で使用される場合、「spp.」という用語は属種の略称である。
本明細書で使用される場合、「本発明の式」という用語は、1以上の次の式:I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ii、Ij、Ik、Il、Im、In、Io、Ip、Iq、Ir、Is、It、Iu、Iv、Iw、Ix、Iy、Iz、IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、IK、IM、IN、IL、II、IIA、IIa、III、IIIA、IIIa、IV、IVA、IVa、V、VA、Va、VIII、IX、X、XIa、XIb、XIcおよびXIdを含む。
本明細書で使用される場合、「本発明の化合物」という用語は、1以上の本発明の式の化合物、または本明細書に明確に開示されている化合物を含む。
本明細書において使用される全ての百分率および比率は、別段の断りがない限り重量比である。
本明細書を通じて、組成物が特定の成分を有する、包含するまたは含むものと記載されている場合、あるいは、方法が特定の段階を有する、包含するまたは含むと記載されている場合、本発明の組成物が、挙げられている成分から本質的になるかそれらからなることもあり、本発明の方法が、挙げられている段階から本質的になるかそれらからなることもあると想定される。さらに、理解すべき点として、本発明が実行可能である限りにおいて、段階の順序または特定の作業を行う上での順序は重要でない。さらに、2以上の段階または作業を同時に行ってもよい。
2.本発明の化合物
一部の実施形態において本発明は、下記の式(IA)から(VA)のいずれか一つを有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルに関するものである。
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
式中、
1”はHもしくはFであり、R1”がHである場合、R2”はCF、OCF、SCF、SOCFもしくはハロであり、R3”はHであり;R1”がFである場合、(i)R2”はClもしくはOCFであり、R3”はHであり;または(ii)R2”はHであり、R3”はC−Cアルキルであり;または(iii)R2”は1以上のハロで置換されていても良いC−Cアルキルであり、R3”はハロであり;
4”はH、OHまたはC−Cアルコキシルであり;
5”はH、CHOHまたはCHOC−Cアルキルであり;
6”は、ハロ、OH、アミノ、C−CアルコキシルおよびC−Cアルキルチオ、C−CアルケニルまたはCHOCORa”からなる群から選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキルであり、Ra”はC−Cアルキル、アミノまたはフェニルであり、Ra”はCOOH、COOC−Cアルキル、OCOC−CアルキルまたはC−C12アリールアルキルで置換されていても良く;
7”は、H、C(=NH)NHまたはCORb”であり、Rb”はC−Cアルコキシルもしくはアミノで置換されていても良いC−Cアルキルであり;またはR6”およびR7”は、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
8”、R10”およびR11”のそれぞれは独立に、−Q1”−T1”であり、Q1”は結合または1以上のハロもしくはヒドロキシルで置換されていても良いC−Cアルキル連結基であり、T1”はH、ハロ、OH、COOH、シアノ、アジド、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシル、C−Cアルキルチオ、COOC−Cアルキル、SO−CアルキルもしくはRc”であり、Rc”はアミノ、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、4から12員の複素環アルキル、5員もしくは6員のヘテロアリールもしくはC(O)NRd”e”であり、Rd”およびRe”のそれぞれは独立にHもしくはC−Cアルキルであり、またはRd”およびRe”はそれらが結合している窒素原子とともに0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;Rc”は−Q2”−T2”で置換されていても良く、Q2”は結合もしくはC−Cアルキルであり、T2”はH、ハロ、アミノ、5員もしくは6員のヘテロアリールもしくはC−Cアルコキシルで置換されていても良いC−C10アリールであり;またはR8”およびR10”はそれらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する窒素原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
12”はHもしくはC−Cアルキルであり、またはR12”およびR11”はそれらが結合している炭素原子とともに、C(=NH)NHで置換されていても良い1から2個のヘテロ原子を有する4から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;
9”およびR13”のそれぞれは独立に、H、C−CアルキルもしくはC−Cアルケニルであり、またはR9”およびR13”はそれらが結合している2個の窒素原子および前記2個の窒素原子を連結する炭素原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する7から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており、またはR9”およびR8”はそれらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
14”はHまたはC(=NR16”)NHであり、R16”はH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキルまたは1から2個のヘテロ原子を有する4から12員の飽和複素環アルキル環であり、またはR16”およびR11”はそれらが結合している2個の原子および前記2個の炭素原子を連結する原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する環を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
15”はHまたはハロであり;
X”は、結合、OもしくはCHR17”であり、R17”はHであり、またはR17”およびR6”は、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており、X”が結合である場合、R4”およびR6”は、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;
18”はHまたはC(=NH)NHであり;
ただし、式(I)の化合物について、
(a)R14”がC(=NR16”)NHであり、X”がCHであり、R6”がメチルであり、R8”がH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、シクロプロピル、CHCHOH、COOH、COOCH、CHCOOH、CHCOOCHもしくは4−メトキシフェニルである場合、R4”、R5”、R7”、R10”、R11”、R12”またはR15”のうちの少なくとも一つがH以外であり;
(b)R14”がC(=NR16”)NHであり、X”がCHであり、R6”がCHOHであり、R8”がH、メチルもしくはエチルである場合、R4”、R5”、R7”、R10”、R11”、R12”またはR15”のうちの少なくとも一つがH以外であり;または
(c)R14”がC(=NR16”)NHであり、X”がCHであり、R6”がCHOCHである場合、R4”、R5”、R7”、R8”、R10”、R11”、R12”またはR15”のうちの少なくとも一つはH以外である。
一部の実施形態において、本発明は、下記式(Ia)を有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関するものである。
Figure 2016536338
式中、
はHもしくはFであり、RがHである場合、RはCF、OCF、SCF、SOCFもしくはハロであり、RはHであり;RがFである場合、(i)RはClもしくはOCFであり、RはHであり;または(ii)RはHであり、RはC−Cアルキルであり;または(iii)Rは1以上のハロで置換されていても良いC−Cアルキルであり、Rはハロであり;
はH、OH、NHもしくはC−Cアルコキシルであり、またはXがOもしくはCHR17である場合、RおよびRはそれらが結合している2個の原子および前記2個の原子を連結している原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;またはXが結合である場合、RおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;
はH、CHOHもしくはCHOC−Cアルキルであり、またはXがOもしくはCHR17である場合、RおよびRはそれらが結合している2個の原子および前記2個の原子を連結している原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;
は、ハロ、OH、アジド、アミノ、C−Cアルコキシル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルケニル、OCORCHOCORおよび−OP(O)(ORからなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキルであり、RはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルであり、RはCOOH、COOC−Cアルキル、OCOC−Cアルキル、フェニルもしくはC−C12アリールアルキルで置換されていても良く;またはRおよびRは、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;またはRおよびR17は、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;またはXが結合である場合、RおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;
は、H、C(=NH)NHもしくはCORであり、RはC−Cアルコキシルもしくはアミノで置換されていても良いC−Cアルキルであり;またはRおよびRは、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
、R10およびR11のそれぞれは独立に−Q−Tであり、Qは結合または1以上のハロもしくはヒドロキシルで置換されていても良いC−Cアルキル連結基であり、TはH、ハロ、OH、COOH、シアノ、アジド、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシル、C−Cハロアルケニル、C−Cアルキルチオ、COOC−Cアルキル、−NHC(O)CHNH、NHS(O)C−Cアルキル、SO−CアルキルもしくはRであり、Rはアミノ、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、4から12員の複素環アルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、−O−ヘテロアリール、−NH−ヘテロアリール、−S−ヘテロアリールもしくはC(O)NRであり、RおよびRのそれぞれは独立にHもしくはC−Cアルキルであり、またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子とともに0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;Rは−Q−Tで置換されていても良く、Qは結合もしくはC−Cアルキルであり、TはH、ハロ、C−Cアルキル、アミノ、5員もしくは6員のヘテロアリールまたはC−C10アリールであり、前記アリールおよびヘテロアリールはC−CアルコキシルもしくはC−Cアミノアルキルで置換されていても良く;またはRおよびR10はそれらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結するZ原子とともに、独立にC−Cアルキルもしくは−C(=N)NHから選択される1以上の置換基で置換されていても良い0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
12はHもしくはC−Cアルキルであり、またはR12およびR11はそれらが結合している炭素原子とともに、C(=NH)NHで置換されていても良い1から2個のヘテロ原子を有する4から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;またはR12およびR10は、それらが結合している2個の炭素原子および存在する場合には前記2個の炭素原子を連結する原子とともに、C−Cシクロアルキル環を形成しており;
およびR13のそれぞれが独立に、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニルもしくは−C(O)Hであり、またはRおよびR13は、それらが結合している2個の窒素原子および前記2個の窒素原子を連結する炭素原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する7から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており、またはRおよびRはそれらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
11およびR13は、それらが結合している原子とともに、オキソで置換されていても良い0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;
15はHまたはハロであり;
Xは、結合、OもしくはCHR17であり、R17はHであり、またはR17およびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;またはXが結合である場合、RおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;
ただし、式(I)の化合物について
(a)XがCHであり、Rがメチルであり、RがH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、シクロプロピル、CHCHOH、COOH、COOCH、CHCOOH、CHCOOCHもしくは4−メトキシフェニルであり、そしてR、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つがH以外であり;
(b)XがCHであり、RがCHOHであり、RがH、メチルもしくはエチルである場合、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つがH以外であり;
(c)XがCHであり、RがCHOCHである場合、R、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つがH以外であり;
(d)Xが結合であり、Rがメチルであり、RがHもしくはメチルである場合、R、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外であり;
(e)XがOであり、RがHもしくはメチルであり、Rがメチルであり、RがHもしくはメチルである場合、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つがH以外であり;
(f)XがCHであり、Rがメチルであり、RがHもしくはメチルであり、RがC(=NH)NHである場合、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つがH以外であり;または
(g)XがCHであり、Rがメチルであり、RがHである場合、R、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つがH以外である。
一部の実施形態において、本発明は、下記式(Ib)の化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関するものである。
Figure 2016536338
式中、
はHもしくはFであり、RがHである場合、RはCF、OCF、SCF、SOCFもしくはハロであり、RはHであり;RがFである場合、(i)RはClもしくはOCFであり、RはHであり;または(ii)RはHであり、RはC−Cアルキルであり;または(iii)Rは1以上のハロで置換されていても良いC−Cアルキルであり、Rはハロであり;
は、H、OH、NHもしくはC−Cアルコキシルであり、またはXがOもしくはCHR17である場合、RおよびRはそれらが結合している2個の原子および前記2個の原子を連結している原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;またはXが結合である場合、RおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;
はH、CHOHもしくはCHOC−Cアルキルであり、またはXがOもしくはCHR17である場合、RおよびRはそれらが結合している2個の原子および前記2個の原子を連結している原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;
はハロ、OH、アジド、アミノ、C−Cアルコキシル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルケニル、OCOR、CHOCORおよび−OP(O)(ORからなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキルであり、RはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルであり、RはCOOH、COOC−Cアルキル、OCOC−Cアルキル、フェニルもしくはC−C12アリールアルキルで置換されていても良く;またはRおよびRは、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;またはRおよびR17は、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;またはXが結合である場合、RおよびRはそれらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;
は、H、C(=NH)NHもしくはCORであり、RはC−Cアルコキシルもしくはアミノで置換されていても良いC−Cアルキルであり;またはRおよびRは、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
、R10およびR11のそれぞれは独立に−Q−Tであり、Qは結合または1以上のハロもしくはヒドロキシルで置換されていても良いC−Cアルキル連結基であり、TはH、ハロ、OH、COOH、シアノ、アジド、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシル、C−Cハロアルケニル、C−Cアルキルチオ、COOC−Cアルキル、−NHC(O)CHNH、NHS(O)C−Cアルキル、SO−CアルキルもしくはRであり、Rはアミノ、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、4から12員の複素環アルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、−O−ヘテロアリール、−NH−ヘテロアリール、−S−ヘテロアリールもしくはC(O)NRであり、RおよびRのそれぞれは独立にHもしくはC−Cアルキルであり、またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子とともに0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;Rは−Q−Tで置換されていても良く、Qは結合もしくはC−Cアルキルであり、TはH、ハロ、C−Cアルキル、アミノ、5員もしくは6員のヘテロアリールもしくはC−C10アリールであり、前記アリールおよびヘテロアリールはC−CアルコキシルもしくはC−Cアミノアルキルで置換されていても良く;またはRおよびR10はそれらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結するZ原子とともに、独立にC−Cアルキルもしくは−C(=N)NHから選択される1以上の置換基で置換されていても良い0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
12はHもしくはC−Cアルキルであり、またはR12およびR11はそれらが結合している炭素原子とともに、C(=NH)NHで置換されていても良い1から2個のヘテロ原子を有する4から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;またはR12およびR10は、それらが結合している2個の炭素原子および存在する場合には前記2個の炭素原子を連結する原子とともに、C−Cシクロアルキル環を形成しており;
およびR13のそれぞれは独立に、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニルもしくは−C(O)Hであり、またはRおよびR13は、それらが結合している2個の窒素原子および前記2個の窒素原子を連結する炭素原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する7から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており、またはRおよびRはそれらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
11およびR13は、それらが結合している原子とともに、オキソで置換されていても良い0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;
15はHまたはハロであり;
Xは結合、OもしくはCHR17であり、R17はHであり、またはR17およびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;またはXが結合である場合、RおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成している。
一部の実施形態において、本発明は、下記式(Ic)から(If)のいずれかを有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関するものである。
Figure 2016536338
Figure 2016536338
式中、XおよびRからR15は式(I)について本明細書で定義の通りである。
一部の実施形態において本発明は、下記式(Ig)を有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関するものである。
Figure 2016536338
式中、
はFであり;
はClまたはOCFであり;
は、ハロ、OH、アジド、アミノ、C−Cアルコキシル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルケニル、OCOR、CHOCORおよび−OP(O)(ORからなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキルであり、RはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルであり、RはCOOH、COOC−Cアルキル、OCOC−CアルキルもしくはC−C12アリールアルキルで置換されていても良く;またはRおよびRは、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
は、H、C(=NH)NHもしくはCORであり、RはC−Cアルコキシルもしくはアミノで置換されていても良いC−Cアルキルであり;またはRおよびRは、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
は−Q−Tであり、Qは結合もしくは1以上のハロもしくはヒドロキシルで置換されていても良いC−Cアルキル連結基であり、TはH、ハロ、OH、COOH、シアノ、アジド、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシル、C−Cハロアルケニル、C−Cアルキルチオ、COOC−Cアルキル、−NHC(O)CHNH、NHS(O)C−Cアルキル、SO−CアルキルもしくはRであり、Rはアミノ、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、4から12員の複素環アルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、−O−ヘテロアリール、−NH−ヘテロアリール、−S−ヘテロアリールもしくはC(O)NRであり、RおよびRのそれぞれは独立にHもしくはC−Cアルキルであり、またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子とともに0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;Rは−Q−Tで置換されていても良く、Qは結合もしくはC−Cアルキルであり、TはH、ハロ、C−Cアルキル、アミノ、5員もしくは6員のヘテロアリールまたはC−C10アリールであり、前記アリールおよびヘテロアリールは、C−CアルコキシルもしくはC−Cアミノアルキルで置換されていても良く;
は、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニルもしくは−C(O)Hであり;
10は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル−C(=O)OH、−C(=O)OC−Cアルキルもしくは−C(=O)NHであり、前記アルキルおよびアルケニルは、独立にC−Cアルコキシ、OH、アミノ、−NHS(O)−Cアルキル、−NH−ヘテロアリール、−O−ヘテロアリールおよび5から6員ヘテロアリールから選択される1以上の置換基で置換されていても良く、前記ヘテロアリールは、独立にC−Cアルキル、アミノおよびCHNHから選択される1以上の置換基で置換されていても良く、
11は、H、C−CアルキルもしくはC−Cアルケニルであり、前記アルキルおよびアルケニルは独立にC−Cアルコキシ、OH、アミノ、CN、ハロ、−C(=O)NH,−NHC(=O)CHNH、4から7員複素環アルキル、5から6員ヘテロアリール、およびS−ヘテロアリールから選択される1以上の置換基で置換されていても良く、前記ヘテロアリールは、独立にC−Cアルキル、アミノおよび−CHNHから選択される1以上の置換基で置換されていても良く;
12はHまたはC−Cアルキルであり;
13は独立に、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニルもしくは−C(O)Hであり;またはR13およびR14はそれらが結合している窒素原子とともに、オキソまたはニトロで置換されていても良い1から3個の追加のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリールを形成しており;R13およびR14はそれらが結合している窒素原子とともに、オキソで置換されていても良い1から3個の追加のヘテロ原子を有する5員もしくは6員の複素環アルキルを形成しており;
14は、H、C(O)C−Cアルキル、C(O)NH、C(CH=NO)NHCH、C(=NH)H、C(=NH)C−Cアルキル、1から3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリール、1から3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の複素環アルキル、独立に1から3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリール、C−Cシクロアルキルおよび1から3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の複素環アルキルから選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキル、またはC(=NR16)NHであり、R16はH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキルもしくは1から2個のヘテロ原子を有する4から12員の飽和複素環アルキル環であり;またはR14およびR13はそれらが結合している窒素原子とともに、オキソで置換されていても良い1から3個の追加のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリールを形成しており;またはR14およびR13はそれらが結合している窒素原子とともに、オキソで置換されていても良い1から3個の追加のヘテロ原子を有する5員もしくは6員の複素環アルキルを形成しており;
Aは、C(O)NH、NR1314、C(O)NHC−Cアルキル、C(O)OH、OH、CN、C−Cシクロアルキル、−OP(O)(OR(RはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルである。)、オキソで置換されていても良い1から3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の複素環アルキル、またはC−Cアルキル、C−Cアルキル、C−Cアルキレニル−アリール、NOもしくはアミノで置換されていても良い1から4個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリールであり、前記アルキル、アルキレニルおよびアリールは独立にC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシもしくはハロから選択される1以上の置換基で置換されていても良い。
一部の実施形態において、本発明は、下記式(Ih)から(Ii)および(Ik)から(Iw)のいずれかを有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関するものである。
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
式中、
Jは、NR20、OまたはCHであり;
FはOまたはCHであり;
はHまたはFであり;
は、CF、ClまたはOCFであり;
は、ハロ、OH、アジド、アミノ、C−Cアルコキシル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルケニル、OCOR、CHOCORおよび−OP(O)(ORからなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキルであり、RはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルであり、RはCOOH、COOC−Cアルキル、OCOC−CアルキルもしくはC−C12アリールアルキルで置換されていても良く;またはRおよびRは、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
はH、C(=NH)NHもしくはCORであり、Rは、アミノで置換されていても良いC−Cアルキル、C−Cアルコキシルもしくはアミノであり;またはRおよび
は、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
は−Q−Tであり、Qは結合または1以上のハロもしくはヒドロキシルで置換されていても良いC−Cアルキル連結基であり、TはH、ハロ、OH、COOH、シアノ、アジド、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシル、C−Cハロアルケニル、C−Cアルキルチオ、COOC−Cアルキル、−NHC(O)CHNH、NHS(O)C−Cアルキル、SO−CアルキルもしくはRであり、Rはアミノ、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、4から12員の複素環アルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、−O−ヘテロアリール、−NH−ヘテロアリール、−S−ヘテロアリールもしくはC(O)NRであり、RおよびRのそれぞれが独立にHもしくはC−Cアルキルであり、またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子とともに0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;Rは−Q−Tで置換されていても良く、Qは結合もしくはC−Cアルキルであり、TはH、ハロ、C−Cアルキル、アミノ、5員もしくは6員のヘテロアリールもしくはC−C10アリールであり、前記アリールおよびヘテロアリールはC−CアルコキシルまたはC−Cアミノアルキルで置換されていても良く;
は、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニルもしくは−C(O)Hであり;またはRおよびAが1以上のC−Cアルキルで置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から6員の複素環アルキル環を形成しており;
10は−Q−Tであり、Qは結合または1以上のハロもしくはヒドロキシルで置換されていても良いC−Cアルキル連結基であり、TはH、ハロ、OH、COOH、シアノ、アジド、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシル、C−Cハロアルケニル、C−Cアルキルチオ、COOC−Cアルキル、−NHC(O)CHNH、NHS(O)C−Cアルキル、SO−CアルキルもしくはRであり、Rはアミノ、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、4から12員の複素環アルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、−O−ヘテロアリール、−NH−ヘテロアリール、−S−ヘテロアリールもしくはC(O)NRであり、RおよびRのそれぞれが独立にHもしくはC−Cアルキルであり、またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子とともに0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;Rは−Q−Tで置換されていても良く、Qは結合もしくはC−Cアルキルであり、TはH、ハロ、C−Cアルキル、アミノ、5員もしくは6員のヘテロアリールもしくはC−C10アリールであり、前記アリールおよびヘテロアリールはC−CアルコキシルもしくはC−Cアミノアルキルで置換されていても良く;
11は、H、C−CアルキルまたはC−Cアルケニルであり、前記アルキルおよびアルケニルは独立にC−Cアルコキシ、OH、アミノ、CN、ハロ、−C(=O)NH、−NHC(=O)CHNH、4から7員の複素環アルキル、5から6員のヘテロアリールおよびS−ヘテロアリールから選択される1以上の置換基で置換されていても良く、前記ヘテロアリールは独立にC−Cアルキル、アミノおよび−CHNHから選択される1以上の置換基で置換されていても良く;
12はHもしくはC−Cアルキルであり;
13は独立に、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニルまたは−C(O)Hであり;またはR13およびR14はそれらが結合している窒素原子とともに、オキソで置換されていても良い1から3個の追加のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリールを形成しており;またはR14およびR13はそれらが結合している窒素原子とともに、オキソで置換されていても良い1から3個の追加のヘテロ原子を有する5員もしくは6員の複素環アルキルを形成しており;
14は、H、C(O)C−Cアルキル、C(O)NH、C(CH=NO)NHCH、C(=NH)H、C(=NH)C−Cアルキル、1から3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリール、1から3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の複素環アルキル、C−Cアルキル(独立に1から3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリール、C−Cシクロアルキルおよび1から3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の複素環アルキルから選択される1以上の置換基で置換されていても良い)またはC(=NR16)NHであり、R16はH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキル、または1から2個のヘテロ原子を有する4から12員の飽和複素環アルキル環であり;またはR14およびR13はそれらが結合している窒素原子とともに、オキソで置換されていても良い1から3個の追加のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリールを形成しており;またはR14およびR13はそれらが結合している窒素原子とともに、オキソで置換されていても良い1から3個の追加のヘテロ原子を有する5員もしくは6員の複素環アルキルを形成しており;
20はH、C−Cアルキル、−C(=O)C−Cアルキル、または−C(=O)NHC−Cアルキルであり;
21はNHまたはOであり;
22はHまたはC−Cアルキルであり;
pは0または1であり;
Aは、C(O)NH、NR1314、C(O)NHC−Cアルキル、C(O)OH、OH、CN、C−Cシクロアルキル、−OP(O)(OR(RはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルである。)、オキソで置換されていても良い1から3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の複素環アルキル、または1から4個のヘテロ原子で置換されていても良いC−Cアルキル、C−Cアルキレニル−アリール、NOもしくはアミノを有する5員もしくは6員のヘテロアリールであり、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシ、またはハロから選択され;またはRおよびAが1以上のC−Cアルキルで置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から6員の複素環アルキル環を形成している場合、AはNであり;
EはCHOHまたはC−Cアルキル、C−Cアルキレニル−アリールもしくはアミノで置換されていても良い1から4個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリールであり、前記アルキル、アルキレニルおよびアリールは独立にC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシもしくはハロから選択される1以上の置換基で置換されていても良く;
Mは−NH−C−Cアルキレニル−ヘテロアリール、NHもしくは−NH−C−Cシクロアルキルであり;
GはCHOH、OHもしくはNHである。
一部の実施形態において、本発明は、式(Ix)から(Iz)および(IB)から(ID)のいずれかを有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関するものである。
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
式中、R、R、R、R、R、R11、R12、pおよびAは式(I)について本明細書で定義の通りであり、R20は式(Ih)から(Ii)および(Ik)から(Iw)について定義の通りである。
一部の実施形態において、本発明は、下記式(IE)もしくは(IF)を有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関するものである。
Figure 2016536338
式中、R、R、R、R、R11、R12およびAは式(I)について本明細書で定義の通りである。
一部の実施形態において、本発明は、式(IG)もしくは(IH)を有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関するものである。
Figure 2016536338
式中、RはHまたはC−Cアルキル、C(O)OHもしくはC(O)OC−Cアルキルで置換されていても良いS(O)N−複素環アルキルであり、R、R、R11、R12、p、ZおよびAは式(I)で定義の通りであり、MおよびJは式(Ih)から(Ii)および(Ik)から(Iw)について本明細書で上記で定義の通りである。
一部の実施形態において、本発明は、下記式(IJ)もしくは(IK)を有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関するものである。
Figure 2016536338
式中、
、R10およびR11のそれぞれは独立に−Q−Tであり、Qは結合または1以上のハロもしくはヒドロキシルで置換されていても良いC−Cアルキル連結基であり、TはH、ハロ、OH、COOH、シアノ、アジド、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシル、C−Cハロアルケニル、C−Cアルキルチオ、COOC−Cアルキル、−NHC(O)CHNH、NHS(O)C−Cアルキル、SO−CアルキルもしくはRであり、Rはアミノ、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、4から12員の複素環アルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、−O−ヘテロアリール、−NH−ヘテロアリール、−S−ヘテロアリールもしくはC(O)NRであり、RおよびRのそれぞれが独立にHもしくはC−Cアルキルであり、またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子とともに0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;Rは−Q−Tで置換されていても良く、Qは結合もしくはC−Cアルキルであり、TはH、ハロ、C−Cアルキル、アミノ、5員もしくは6員のヘテロアリールもしくはC−C10アリールであり、前記アリールおよびヘテロアリールはC−CアルコキシルもしくはC−Cアミノアルキルで置換されていても良く;
はH、C−Cアルキル、C−Cアルケニルまたは−C(O)Hであり;
各qおよびrは独立に1または2であり;
、R、R、RおよびAは式(I)について本明細書で定義の通りである。
一部の実施形態において、本発明は、下記式(IL)もしくは(IM)を有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関するものである。
Figure 2016536338
式中、
各R23およびR23’は独立に、H、C−CアルキルもしくはC−Cアルケニルであり;またはR23およびR23’が一緒にオキソもしくはイミノを形成しており;
各R24は独立に、H、C−CアルキルもしくはC−Cアルケニルであり;
25はH、C−CアルキルもしくはC−Cアルケニルであり;
各R27およびR28は独立に、H、C−CアルキルもしくはC(=NH)NHであり;
TはCHまたはOであり;
sは0、1または2であり;
tは1または2であり;
、R8’、R10、R11、R12、AおよびZは式(I)について本明細書で定義の通りであり、R21およびMは式(Ih)から(Ii)および(Ik)から(Iw)について上記で本明細書で定義の通りである。
一部の実施形態において、本発明は、下記式(IN)を有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関するものである。
Figure 2016536338
式中、
28はH、1以上のハロもしくはヒドロキシルで置換されていても良いC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、またはC−Cアルコキシルであり;
、R、RおよびRは式(I)について定義の通りである。
一部の実施形態において、本発明は、下記式(IIa)を有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関するものである。
Figure 2016536338
式中、R、R、R、R、RおよびR14は本明細書で式(I)について定義の通りである。
一部の実施形態において、本発明は、下記式(IIIa)を有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関するものである。
Figure 2016536338
式中、R、R、R、R、R、R14およびR18は、式(I)について本明細書で定義の通りである。
一部の実施形態において、本発明は、下記式(IVa)を有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関するものである。
Figure 2016536338
式中、R、R、R、R、RおよびR14は式(I)について本明細書で定義の通りである。
一部の実施形態において、本発明は、下記式(Va)を有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関するものである。
Figure 2016536338
式中、R、R、R、R、RおよびR14は、式(I)について本明細書で定義の通りである。
式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ih、Ig、Ii、Ij、Ik、Il、Im、In、Io、Ip、Iq、Ir、Is、It、Iu、Iv、Iw、Ix、Iy、Iz、IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、IK、IM、IL、IN、II、IIA、IIa、III、IIIA、IIIa、IV、IVA、IVa、V、VAおよびVaのいずれかの化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグは、適用可能な場合、下記の特徴のうちの1以上を含むことができる。
例えば、RおよびRはHであり、RはCF、OCF、SCF、SOCFまたはClである。
例えば、RおよびRのそれぞれがHであり、RはCF、OCF、SCF、SOCFまたはClである。
例えば、RはFであり、RはHであり、RはOCFまたはClである。
例えば、RおよびRのそれぞれがFであり、RはCFまたはエチルである。
例えば、RはFであり、RはHであり、Rはメチルである。
例えば、RはHまたはアミノである。
例えば、RはHである。
例えば、RおよびRはそれらが結合している炭素原子とともに、5員複素環アルキル環を形成している。
例えば、XはCHまたはOである。
例えば、Rはメチル、エチル、エテニル、CHOH、CHCHOH、CHF、CHOCH、CHSCH、CH(OH)CHOH、CHNH、CH、CHOCOCH、CHOCOC、CHOCONHCH、CHOCOCHCHCOOH、CHOCOCOCOCH、CHOCOCH、CHOP(O)(OH)、またはCHOP(O)(OPh)である。
例えば、Rはエテニル、CHCHOH、CHF、CHSCH、CH(OH)CHOH、CHNH、CHOCOCH、CHOCOC、CHOCONHCH、CHOCOCHCHCOOH、CHOCOCOCOCH、CHOCOCH、CHOP(O)(OH)、またはCHOP(O)(OPh)である。
例えば、RはH、C(=NH)NH、COOCHCH、COCHNHまたはCOCHである。
例えば、RおよびRはそれらが結合している原子とともに、
Figure 2016536338
を形成している。
例えば、Xは結合であり、およびRおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、
Figure 2016536338
を形成しており、例えば表1中の化合物35もしくは36でのように、炭素1はフェニルに連結されており、炭素2はNHRに連結されている。
例えば、RおよびRのそれぞれはHであり、XはCHR17であり、R17およびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、
Figure 2016536338
を形成しており、例えば表1中の化合物37もしくは38でのように、炭素1はフェニルに連結されており、炭素2はNHRに連結されている。
例えば、XはOである。
例えば、RはHであり、Rはメチル、エチル、エテニル、CHOH、CHCHOH、CHF、CHOCH、CHSCH、CH(OH)CHOH、CHNH、CHOCOCH、CHOCOC、CHOCONHCH、CHOCOCHCHCOOHまたはCHOCOCOCOCHである。
例えば、RはHであり、RはCHOHである。
例えば、R、RおよびR17のうちの一つがHではなく、他のものはHである。
例えば、R、RおよびR17のそれぞれがHである。
例えば、R、R10、R11およびR12のうちの二つがHではなく、他のものはHである。
例えば、R、R10、R11およびR12のうちの一つがHではなく、他のものはHである。
例えば、R、R10、R11およびR12のそれぞれがHである。
例えば、Aが−NH、−C(O)NH、−NHC(=NH)H、−NHC(=N)CH、−NHC(O)NHCH、−NHC(=O)H、−NHC(=O)NH、−NHC(CH=NO)NHCH、−C(=O)NHCH、−NHC(=O)NHCH、−C(O)OH、OH、CN、シクロプロピル、シクロブチルまたはシクロペンチルである場合、RはH、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、エチレニル、プロピレニルシクロプロピル、CHCOCH、CHCOH、COH、COCH、CHCHOHまたは4−CHである。
例えば、Aが−NHC(=NH)NHである場合、RはH、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、エチレニル、プロピレニル、シクロプロピル、CHCOCH、CHCOH、COH、COCH、CHCHOH、または4−CHではない。
例えば、Aが−NHC(=NH)NHである場合、RはCF、CHF、CHFおよびFではない。
例えば、Aが−NHC(=NH)NHである場合、RおよびR8’が一緒になってオキソではない。
例えば、Aが−NHC(=NH)NHである場合、R10はH、メチル、CHF、FおよびCFではない。
例えば、Aが−NHC(=NH)NHである場合、R11はH、メチル、CHFおよびCFではない。
例えば、Aが−NHC(=NH)NHである場合、R19はOではない。
例えば、R10はH、メチル、CHOHまたはCHCHOHである。
例えば、RおよびR11のうちの一方がHもしくはCHであり、他方が−Q−Tである。
例えば、Aは−NHC(=NH)NHまたはNHである。
例えば、Aはオキソで置換されていても良い1から3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の複素環アルキルまたはC−Cアルキル、C−Cアルキレニル−アリールもしくはアミノで置換されていても良い1から4個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリールであり、前記アルキル、アルキレニルおよびアリールは独立にC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシもしくはハロから選択される1以上の置換基で置換されていても良い。
例えば、RおよびR8’はそれらが結合している炭素原子とともに、
Figure 2016536338
を形成している。
例えば、R11およびR12のそれぞれがHもしくはCHであり、またはR11およびR12はそれらが結合している炭素原子とともに、
Figure 2016536338
を形成している。
例えば、R15はHである。
例えば、R15はClまたはBrである。
例えば、XがOである場合、RおよびRはそれらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結しているX原子とともに、
Figure 2016536338
を形成しており、炭素1はフェニルに連結されており、炭素2は−CH(R)YRに連結されている。
例えば、式(Ip)において、RはHである。
例えば、式(Ip)において、RはHであり、Aは−NHC(=NH)NHである。
例えば、式(Ip)において、RはHであり、RはCFである。
例えば、式(It)において、MはNH、−NH−シクロプロピル、−NH−シクロブチルもしくは−NH−シクロペンチルである。
例えば、式(It)において、Mは−NH−CH−ヘテロアリール−NH−CHCH−ヘテロアリールもしくは−NH−CHCHCH−ヘテロアリールである。
一部の実施形態において、本発明は、下記式(VIII)もしくは(IX)の化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルに関するものである。
Figure 2016536338
式中、
mは0または1であり;
nは1または2であり;
101はHもしくはFであり、R101がHである場合、(i)R102はCF、OCF、SCFもしくはSOCFであり、R103はHであり、R104は(CHCH(CH)NHであり;または(ii)R102およびR104のそれぞれがHであり、R103はCH(R)NHRであり、Rは1以上のハロで置換されていても良いC−Cアルキルであり、RはC(=NH)NHで置換されていても良い1から2個のヘテロ原子を有する4から12員の飽和複素環アルキル環であり;R101がFである場合、R102はClもしくはOCFであり、R103はHであり、R104は(CHCH(CH)NHであり;
105はCH(R)NHR、CH=CHR、CH=NO(CHNHC(=NH)NHもしくはCONHCHであり、Rは1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環で置換されていても良い5員もしくは6員のヘテロアリールであり、
106およびR107のそれぞれがHもしくはC−Cアルキルであり、またはR106およびR107はそれらが結合している2個の窒素原子および前記2個の窒素原子を連結する炭素原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する6から12員の飽和複素環アルキル環を形成している。
上記式(VIII)もしくは(IX)の化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグは、適用可能な場合は、下記の特徴のうちの1以上を含むことができる。
例えば、R
Figure 2016536338
である。
例えば、RはCFである。
例えば、mは1であり、R106およびR107のそれぞれはHである。
例えば、mは0であり、R106およびR107はそれらが結合している2個の窒素原子および前記2個の窒素原子を連結する炭素原子とともに、0個の別のヘテロ原子を有する6員飽和複素環アルキル環を形成している。
一部の実施形態において、本発明は、下記式(X)を有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルに関するものである。
Figure 2016536338
式中、
201はHもしくはFであり、R201がHである場合、R202はCF、OCF、SCF、SOCFもしくはハロであり、R203はHであり;R201がFである場合、(i)R202はClもしくはOCFであり、RはHであり;または(ii)R202はHであり、R203はC−Cアルキルであり;または(iii)R202は1以上のハロで置換されていても良いC−Cアルキルであり、R203はハロであり;
206は、ハロ、OH、アミノ、C−CアルコキシルおよびC−Cアルキルチオからなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキル、C−Cアルケニル、またはCHOCORaaであり、RaaはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルであり、RaaはCOOH、COOC−Cアルキル、OCOC−CアルキルもしくはC−C12アリールアルキルで置換されていても良く;
207は、H、C(=NH)NHもしくはCORであり、Rはアミノで置換されていても良いC−Cアルキル、C−Cアルコキシルもしくはアミノであり;またはR206およびR207は、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
208は、H、C−CアルキルもしくはC−Cアルケニルであり;
214は、HもしくはC(=NH)NHである。
上記式(X)の化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグは、適用可能な場合は、下記の特徴のうちの1以上を含むことができる。
例えば、R201およびR203はHであり、R202はCF、OCF、SCF、SOCFもしくはClである。
例えば、R201およびR203のそれぞれがHであり、R202はCF、OCF、SCF、SOCFもしくはClである。
例えば、R201はFであり、R203はHであり、R202はOCFもしくはClである。
例えば、R201およびR203のそれぞれはFであり、R202はCFもしくはエチルである。
例えば、R201はFであり、R202はHであり、R203はメチルである。
例えば、R208はメチルである。
例えば、R214はC(=NH)NHである。
例えば、R206はメチル、エチル、エテニル、CHOH、CHCHOH、CHF、CHOCH、CHSCH、CH(OH)CHOH、CHNH、CHOCOCH、CHOCOC、CHOCONHCH、CHOCOCHCHCOOHもしくはCHOCOCOCOCHである。
例えば、R206はエテニル、CHCHOH、CHF、CHSCH、CH(OH)CHOH、CHNH、CHOCOCH、CHOCOC、CHOCONHCH、CHOCOCHCHCOOHもしくはCHOCOCOCOCHである。
例えば、R207はH、C(=NH)NH、COOCHCH、COCHNHもしくはCOCHである。
例えば、R207およびR206はそれらが結合している原子とともに、
Figure 2016536338
を形成している。
一部の実施形態において、本発明は、式(XIa)、(XIb)、(XIc)もしくは(XId)の化合物を有する化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルに関するものである。
Figure 2016536338
式中、
301はHもしくはFであり、R301がHである場合、R302はCF、OCF、SCFもしくはSOCFであり;R301がFである場合、R302はClもしくはOCFであり;
303およびR304のそれぞれは独立に、フェニルもしくは5員もしくは6員のヘテロアリールであり、それらのそれぞれは独立にハロ、OH、アミノ、C−CアルコキシルおよびC−Cアルキルチオから選択される1以上の置換基で置換されていても良く;またはR303およびR304のうちの一方がアミノであり、他方がCHCHNRであり、RはH、C−Cアルキル、COC−CアルキルもしくはCOC−C10アリールであり、Rは5員もしくは6員のヘテロアリールであり;
305およびR307のそれぞれは独立に、シアノ、COOH、COC−Cアルコキシル、C(=NH)C−Cアルコキシル、C(=NH)NH、アミノ、CHCOOH、CHCOC−Cアルコキシル、CHNH、CHNHC−Cアルキル、または独立にハロ、OH、アミノ、C−Cアルコキシル、C−CアルキルチオおよびC−C12アリールアルキル(独立にハロ、OH、アミノ、C−CアルコキシルおよびC−Cアルキルチオから選択される1以上の置換基でさらに置換されていても良い)から選択される1以上の置換基で置換されていても良い5員もしくは6員のヘテロアリールであり;
306は、ハロ、OH、アミノ、C−CアルコキシルおよびC−Cアルキルチオからなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキル、C−CアルケニルもしくはCHOCORaaaであり、RaaaはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルであり、RaaaはCOOH、COOC−Cアルキル、OCOC−CアルキルもしくはC−C12アリールアルキルで置換されていても良い。
上記の式(XIa)、(XIb)、(XIc)もしくは(XId)の化合物もしくはそれの互変異体、または前記化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグは、適用可能な場合は、下記の特徴のうちの1以上を含むことができる。
例えば、R301はHであり、R302はSCFである。
例えば、R301はFであり、R302はClである。
例えば、R303は、SCHもしくはOCHで置換されたフェニルである。
例えば、R304は、SCHもしくはOCHで置換されたフェニルである。
例えば、R303はアミノであり、R304はCHCHNH(2−チアゾール)である。
例えば、R303はアミノであり、R304はCHCHN(COC)(2−チアゾール)である。
例えば、R305は、1個のC−C12アリールアルキル(例えば、ベンジル)(1個のOHもしくはC−Cアルコキシル(例えば、メトキシル)でさらに置換されていても良い)で置換されていても良い5員もしくは6員のヘテロアリール(例えば、ピリジル、テトラゾリルまたはチアゾリル)である。
例えば、R306は、メチル、エチル、エテニル、CHOH、CHCHOH、CHF、CHOCH、CHSCH、CH(OH)CHOH、CHNH、CHOCOCH、CHOCOC、CHOCONHCH、CHOCOCHCHCOOHもしくはCHOCOCOCOCHである。
例えば、R307はCHNHC−Cアルキル、例えばCHNHCHである。
一部の実施形態では、本発明は、表1の化合物のいずれか一つによる、化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関する。
一部の実施形態では、本発明は、リボソームに結合する化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関する。一部の実施形態では、リボソームは細菌リボソームである。
一部の実施形態では、本発明は、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグと医薬として許容される担体とを含む医薬組成物に関する。一部の実施形態では、本発明は、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグ、および送達手段に関する。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における疾患状態を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させる方法であって、処置を必要とする該ヒトまたは動物に、有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与する段階を含む方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における微生物感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させる方法であって、該ヒトまたは動物に、有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与する段階を含む方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における微生物感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させるための医薬の製造における、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの使用に関する。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における微生物感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させる上で使用される、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグに関する。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における1以上の次の微生物:アシネトバクター属種(Acinetobacter spp.)(アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumanni))、バクテロイデス・ディスタソニス(Bacteroides distasonis)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・オバタス(Bacteroides ovatus)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス・ユニフォルミス(Bacteroides uniformis)、バクテロイデス・ブルガタス(Bacteroides vulgatus)、シトロバクター・フロインディイ(Citrobacter freundii)、シトロバクター・コセリ(Citrobacter koser)、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ(Clostridium clostridioforme)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバククー・クロアカ(Enterobacter cloacae)、フェカリス菌(Enterococcus faecalis)、腸球菌属種(バンコマイシン感受性および耐性分離株)、大腸菌(Escherichia coli)(ESBLおよびKPC産生分離株を含む)、ユーバクテリウム・レンタム(Eubacterium lentum)、フソバクテリウム属種(Fusobacterium spp.)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)(β−ラクタマーゼ陽性分離株を含む)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)(ESBLおよびKPC産生分離株を含む)、クレブシェラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)(ESBLおよびKPC産生分離株を含む)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophilia)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、モルガネラ・モーガニイ(Morganella morganii)、マイコプラズマ属種(Mycoplasma spp.)、ペプトストレプトコッカス属種(Peptostreptococcus spp.)、ポルフィロモナス・アサッカロリティカ(Porphyromonas asaccharolytica)、プレボテラ・ビビア(Prevotella bivia)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、プロビデンシア・レットゲリ(Providenciar ettgeri)、プロビデンシア・スチュアルティイ(Providencia stuartii)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、セラチア菌(Serratia marcescens)、ストレプトコッカス・アンギノサス(Streptococcusanginosus)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(メチシリン感受性および耐性分離株)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)(メチシリン感受性および耐性分離株)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、ストレプトコッカス・コンステラータス(Streptococcus constellatus)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)(ペニシリン感受性および耐性分離株)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)または化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)により引き起こされる微生物感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させる方法であって、該ヒトまたは動物に、有効量の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与する段階を含む方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における以下より選択される1以上の微生物:アシネトバクター属種(Acinetobacter spp.)(アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumanni))、バクテロイデス・ディスタソニス(Bacteroides distasonis)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・オバタス(Bacteroides ovatus)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス・ユニフォルミス(Bacteroides uniformis)、バクテロイデス・ブルガタス(Bacteroides vulgatus)、シトロバクター・フロインディイ(Citrobacter freundii)、シトロバクター・コセリ(Citrobacter koser)、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ(Clostridium clostridioforme)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバククー・クロアカ(Enterobacter cloacae)、フェカリス菌(Enterococcus faecalis)、腸球菌属種、大腸菌(Escherichia coli)、ユーバクテリウム・レンタム(Eubacterium lentum)、フソバクテリウム属種(Fusobacterium spp.)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、クレブシェラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophilia)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、モルガネラ・モーガニイ(Morganella morganii)、マイコプラズマ属種(Mycoplasma spp.)、ペプトストレプトコッカス属種(Peptostreptococcus spp.)、ポルフィロモナス・アサッカロリティカ(Porphyromonas asaccharolytica)、プレボテラ・ビビア(Prevotella bivia)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、プロビデンシア・レットゲリ(Providenciar ettgeri)、プロビデンシア・スチュアルティイ(Providencia stuartii)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、セラチア菌(Serratia marcescens)、ストレプトコッカス・アンギノサス(Streptococcusanginosus)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、ストレプトコッカス・コンステラータス(Streptococcus constellatus)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)および化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)により引き起こされるかまたはそれを包含する微生物感染症を治療するか、予防するか、それの危険性を低減させるか、発症を遅延させるw方法であって、該ヒトまたは動物に、有効量の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与する段階を含む方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、感染症が、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、腸球菌属種(Enterococcus spp.)、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)および表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)より選択される1以上の好気性および通性のグラム陽性微生物により引き起こされるかまたはそれを包含する方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、感染症が、大腸菌(Escherichia coli)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、シトロバクター・フロインディイ(Citrobacter freundii)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、モルガネラ・モーガニイ(Morganella morganii)、セラチア菌(Serratia marcescens)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumanni)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、シトロバクター・コセリ(Citrobacter koseri)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、クレブシェラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、プロビデンシア・レットゲリ(Providencia rettgeri)およびプロビデンシア・スチュアルティイ(Providencia stuartii)より選択される1以上の好気性および通性のグラム陰性微生物により引き起こされるかまたはそれを包含する方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、感染症が、1以上の嫌気性微生物バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ディスタソニス(Bacteroides distasonis)、バクテロイデス・オバタス(Bacteroides ovatus)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス・ユニフォルミス(Bacteroides uniformis)、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ(Clostridium clostridioforme)、ユーバクテリウム・レンタム(Eubacterium lentum)、ペプトストレプトコッカス属種(Peptostreptococcus spp.)、ポルフィロモナス・アサッカロリティカ(Porphyromonas asaccharolytica)、プレボテラ・ビビア(Prevotella bivia)、バクテロイデス・ブルガタス(Bacteroides vulgatus)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)およびフソバクテリウム属種(Fusobacterium spp.)により引き起こされるかまたはそれを包含する方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、微生物腸球菌属種(Enterococcus spp.)がバンコマイシン感受性分離株およびバンコマイシン耐性分離株より選択される方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、微生物大腸菌(Escherichia Coli)が基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生分離株および肺炎桿菌(Klebsiella Pneumoniae)カルバペネマーゼ(KPC)産生分離株より選択される方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、微生物インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)がβ−ラクタマーゼ陽性分離株である方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、微生物肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)が基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生分離株および肺炎桿菌(Klebsiella Pneumoniae)カルバペネマーゼ(KPC)産生分離株より選択される方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、微生物クレブシェラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)が基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生分離株および肺炎桿菌(Klebsiella Pneumoniae)カルバペネマーゼ(KPC)産生分離株より選択される方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、微生物黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)がメチシリン感受性分離株およびメチシリン耐性分離株より選択される方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、微生物表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)がメチシリン感受性分離株およびメチシリン耐性分離株より選択される方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、微生物肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)がペニシリン感受性分離株およびペニシリン耐性分離株より選択される方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における以下からなる群より選択される微生物感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させる方法であって、該ヒトまたは動物に、有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与する段階を含む方法、あるいは、ヒトまたは動物における次のもの:皮膚感染症、グラム陽性感染症、グラム陰性感染症、院内肺炎、市中肺炎、ウィルス感染後肺炎、院内肺炎/人工呼吸器関連肺炎、慢性気道感染症(CRTI)などの気道感染症、急性骨盤内感染症、複雑性皮膚・皮膚組織感染症、非複雑性皮膚・軟部組織感染症(uSSTI)および複雑性皮膚・軟部組織感染症を含む皮膚・軟部組織感染症(SSTI)、腹部感染症、複雑性腹腔内感染症、尿路感染症、菌血症、敗血症、心内膜炎、房室シャント感染症、血管アクセス感染症、髄膜炎、外科的予防、腹膜感染症、骨感染症、関節感染症、メチシリン耐性黄色ブドウ球微生物感染症、バンコマイシン耐性腸球菌感染症、リネゾリド耐性生物感染症および結核からなる群より選択される微生物感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させるための医薬の製造における、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの使用に関する。
本発明の化合物は、示された微生物の感受性分離株により引き起こされうる中等度ないし重度の感染症の患者の治療に例えば使用することができる。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における複雑性腹腔内感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させる方法であって、該ヒトまたは動物に、有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与する段階を含む方法、あるいは、ヒトまたは動物における複雑性腹腔内感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させるための医薬の製造における、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの使用に関する。
一部の実施形態では、複雑性腹腔内感染症は、大腸菌(Escherichia coli)、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ(Clostridium clostridioforme)、ユーバクテリウム・レンタム(Eubacterium lentum)、ペプトストレプトコッカス属種(Peptostreptococcus spp.)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ディスタソニス(Bacteroides distasonis)、バクテロイデス・オバタス(Bacteroides ovatus)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス・ユニフォルミス(Bacteroides uniformis)、ストレプトコッカス・アンギノサス(Streptococcus anginosus)、ストレプトコッカス・コンステラータス(Streptococcus constellatus)、フェカリス菌(Enterococcus faecalis)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)またはクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)による膿瘍などの複数微生物感染症より選択される。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における複雑性皮膚・皮膚組織感染症(cSSSI、急性細菌性皮膚・皮膚組織感染症またはABSSSIとしても知られる)を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させる方法であって、該ヒトまたは動物に、有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与する段階を含む方法、あるいは、複雑性皮膚・皮膚組織感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させるための医薬の製造における、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの使用に関する。
一部の実施形態では、複雑性皮膚・皮膚組織感染症は、黄色ブドウ球菌(メチシリン感受性および耐性分離株)、ストレプトコッカス・アガラクチア、化膿性連鎖球菌、大腸菌、肺炎桿菌、プロテウス・ミラビリス、バクテロイデス・フラジリス、ペプトストレプトコッカス属、ポルフィロモナス・アサッカロリティカまたはプレボテラ・ビビアによる骨髄炎なしの糖尿病性足感染症より選択される。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における市中肺炎(CAP)を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させる方法であって、該ヒトまたは動物に、有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与する段階を含む方法、あるいは、市中肺炎を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させるための医薬の製造における、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの使用に関する。
一部の実施形態では、市中肺炎は、同時菌血症を伴う場合を含む肺炎連鎖球菌(ペニシリン感受性および耐性分離株)、インフルエンザ菌(β−ラクタマーゼ陽性分離株を含む)、モラクセラ・カタラーリス、またはマイコプラズマ属のような非定型菌による。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における複雑性尿路感染症(cUTI)を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させる方法であって、該ヒトまたは動物に、有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与する段階を含む方法、あるいは、複雑性尿路感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させるための医薬の製造における、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの使用に関する。
一部の実施形態では、複雑性尿路感染症は、大腸菌、同時菌血症または肺炎桿菌による腎盂腎炎より選択される。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における急性骨盤内感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させる方法であって、該ヒトまたは動物に、有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与する段階を含む方法、あるいは、急性骨盤内感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させるための医薬の製造における、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの使用に関する。
一部の実施形態では、急性骨盤内感染症は分娩後子宮内膜筋層炎、敗血性流産および術後婦人科感染症より選択され、該感染症は、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、大腸菌(Escherichia coli)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、ポルフィロモナス・アサッカロリティカ(Porphyromonas asaccharolytica)、ペプトストレプトコッカス属種(Peptostreptococcus spp.)およびプレボテラ・ビビア(Prevotella bivia)より選択される微生物による。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における院内肺炎(IIAP)/人工呼吸器関連肺炎(VAP)を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させる方法であって、該ヒトまたは動物に、有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与する段階を含む方法、あるいは、院内肺炎/人工呼吸器関連肺炎を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させるための医薬の製造における、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの使用に関する。
一部の実施形態では、院内肺炎/人工呼吸器関連肺炎は、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)(ペニシリン感受性および耐性分離株)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(メチシリン感受性および耐性分離株)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター属種(Acinetobacter spp.)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)(β−ラクタマーゼ陽性分離株を含む)、ならびにレジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophilia)より選択される微生物による。
本発明の化合物もしくは互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグは、手術部位感染症の防止、予防または低減にも有用でありうる。一部の実施形態では、本発明の化合物もしくは互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグは、待機的結腸直腸手術後に有用である。
原因生物を単離および同定するために、かつ本発明の化合物に対するそれらの感受性を決定するために、細菌学的検査に適した試料が得られるはずである。本発明の化合物もしくは互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグによる治療は、これらの試験の結果が判明する前に経験的に開始することがあり、結果が入手可能になった時点でそれに合わせて抗菌治療を調整すべきである。
薬物耐性菌の発生を減少させ、かつ本発明の化合物もしくは互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグ、および他の抗細菌薬の有効性を維持するには、当該化合物もしくは互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを、感受性菌により引き起こされることが証明されるまたは強く疑われる感染症を治療または予防するためにのみ使用すべきである。培養情報および感受性情報が入手可能である場合、抗細菌治療を選択または修正する上で考慮すべきである。そのようなデータの非存在下では、局在的な疫学および感受性のパターンが治療法の経験的選択に寄与することがある。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における好気性もしくは通性のグラム陽性微生物による微生物感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させる方法であって、該ヒトまたは動物に、有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与する段階を含む方法、あるいは、好気性もしくは通性のグラム陽性微生物による微生物感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させるための医薬の製造における、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの使用に関する。
一部の実施形態では、好気性もしくは通性のグラム陽性微生物は、次のもの:黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(メチシリン感受性および耐性分離株)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)(ペニシリン感受性および耐性分離株)、腸球菌属種(Enterococcus spp.)(バンコマイシン感受性および耐性分離株)、ストレプトコツカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)ならびに表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)(メチシリン感受性および耐性分離株)より選択される。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における好気性および通性のグラム陰性微生物による微生物感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させる方法であって、該ヒトまたは動物に、有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与する段階を含む方法、あるいは、好気性もしくは通性のグラム陽性微生物による微生物感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させるための医薬の製造における、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの使用に関する。
一部の実施形態では、好気性および通性のグラム陰性微生物は以下より選択される:大腸菌(Escherichia coli)[基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)および肺炎桿菌(Klebsiella pneumonia)(KPC)産生分離株を含む)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)(β−ラクタマーゼ陽性分離株を含む)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)(ESBLおよびKPC産生分離株を含む)、シトロバクター・フロインディイ(Citrobacter freundii)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、モルガネラ・モーガニイ(Morganella morganii)、セラチア菌(Serratia marcescens)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumanni)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、シトロバクター・コセリ(Citrobacter koseri)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)(ESBLおよびKPC産生分離株を含む)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、プロビデンシア・レットゲリ(Providencia rettgeri)、ならびにプロビデンシア・スチュアルティイ(Providencia stuartii)。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における嫌気性微生物による微生物感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させる方法であって、該ヒトまたは動物に、有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与する段階を含む方法、あるいは、嫌気性微生物による微生物感染症を治療するか、予防するか、それのリスクを低下させるか、発症を遅延させるための医薬の製造における、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの使用に関する。
一部の実施形態では、嫌気性微生物は、次のもの:バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ディスタソニス(Bacteroides distasonis)、バクテロイデス・オバタス(Bacteroides ovatus)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス・ユニフォルミス(Bacteroides uniformis)、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ(Clostridium clostridioforme)、ユーバクテリウム・レンタム(Eubacterium lentum)、ペプトストレプトコッカス属種(Peptostreptococcus species)、ポルフィロモナス・アサッカロリティカ(Porphyromonas asaccharolytica)、プレボテラ・ビビア(Prevotella bivia)、バクテロイデス・ブルガタス(Bacteroides vulgates)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)およびフソバクテリウム属種(Fusobacterium spp.)より選択される。
一部の実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物における微生物感染症を治療するか、それのリスクを低下させる方法であって、該ヒトまたは動物に、有効量の本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを投与する段階を含む方法、あるいは、微生物感染症を治療するか、予防するか、それらのリスクを低下させるか、発症を遅延させるための医薬の製造における、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの使用に関する。
一部の実施形態では、微生物はレジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophilia)である。
一部の実施形態では、微生物腸球菌属種(Enterococcus spp.)はバンコマイシン感受性分離株およびバンコマイシン耐性分離株より選択される。一部の実施形態では、微生物大腸菌(Escherichia coli)は基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生分離株および肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)カルバペネマーゼ(KPC)産生分離株より選択される。一部の実施形態では、微生物インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)はβ−ラククマーゼ陽性分離株である。一部の実施形態では、微生物肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)は基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生分離株および肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)カルバペネマーゼ(KPC)産生分離株より選択される。一部の実施形態では、微生物クレブシェラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)は基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生分離株および肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)カルバペネマーゼ(KPC)産生分離株より選択される。一部の実施形態では、微生物黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)はメチシリン感受性分離株およびメチシリン耐性分離株より選択される。一部の実施形態では、微生物表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)はメチシリン感受性分離株およびメチシリン耐性分離株より選択される。一部の実施形態では、微生物肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)はペニシリン感受性分離株およびペニシリン耐性分離株より選択される。
一部の実施形態では、本発明は、化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの量が0.1mgから1500mgを構成する、本発明の方法、使用または化合物に関する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグの量が約25mg、または約50mg、または約75mg、または約100mg、または約125mg、または約150mg、または約175mg、または約200mg、または約225mg、または約250mg、または約275mg、または約300mg、または約325、または約350mg、または約375mg、または約400mg、または約425mg、または約450mg、または約475mg、または約500mg、または約525mg、または約550mg、または約575mg、または約600mg、または約625mg、または約650mg、または約675mg、または約700mg、または約725mg、または約750mg、または約775mg、または約800mg、または約825mg、または約850mg、または約875mg、または約900mg、または約925mg、または約950mg、または約975mg、または約1000mg、または約1025mg、または約1050mg、または約1075mg、または約1100mg、または約1125mg、または約1150mg、または約1175mg、または約1200mg、または約1225mg、または約1250mg、または約1275mg、または約1300mg、または約1325mg、または約1350mg、または約1375mg、または約1400mg、または約1425mg、または約1450mg、または約1475mg、または約1500mgを含む、本発明の方法、使用または化合物に関する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグが経耳、眼球、経鼻、経口、非経口、局所もしくは静脈投与される、本発明の方法、使用または化合物に関する。
一部の実施形態では、本発明は、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを合成する方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグを含む医療機器に関する。一部の実施形態では、その機器はステントである。
3.本発明の化合物の合成
本発明の化合物は、US2012−0220566またはWO2012/173689(これらの内容はそれぞれ、参照によって全体が本明細書に組み込まれる。)に記載のものなどの当業界で認識されている技術を用いることで合成することができる。そうして得られた化合物は、例えばフラッシュカラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、結晶化、またはいずれか公知の精製方法によってさらに精製することができる。
1実施形態において、本発明の化合物は、下記の合成図式1から10に従って合成することができる。
Figure 2016536338
パラ−トルエンスルホン酸ピリジンおよび硫酸マグネシウムを、(R)−(+)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミドおよび4−ブロモベンズアルデヒドの例えばジクロロメタン中溶液に加える。得られた混合物を例えば環境温度で終夜撹拌する。混合物を濾過し、濃縮し、例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ジクロロエタン)によって精製して、化合物Iaを得る。化合物Iaのテトラヒドロフラン(THF)中溶液を例えば−75℃で3−ブテニルマグネシウムブロマイドで処理する。得られた混合物をゆっくり昇温させて例えば環境温度とし、例えば終夜撹拌する。反応液を飽和塩化アンモニウム溶液で反応停止し、有機溶媒、例えば酢酸エチルで抽出する。合わせた有機層を脱水し(例えば、無水硫酸ナトリウムで)、濃縮し、精製して、2aおよび3aを得る。次に、メタノール中の化合物3aを、酸、例えば5から6N HCl/例えばイソプロパノール(IPA)および/またはメタノール(MeOH)で処理して、アミン4aを塩酸塩として得る。次に、化合物4aを、WO2012/173689に記載のものと同様の方法を用い、図式1に示した方法に従って、化合物81(ESI、m/z607.1[M+H])にさらに変換する。
Figure 2016536338
図式1で化合物6aを合成するのに用いた方法と同様の方法を用いて、化合物31aを合成する。次に、例えば四酸化オスミウムおよび過ヨウ素酸ナトリウム−シリカゲル(OsO/SiO)による酸化により、化合物31aをアルデヒド32aに変換する。アルデヒド32aの2−アミノチアゾールによる還元的アミノ化、次に保護によって33aを得る。次に、WO2012/173689に記載のものと同様の方法を用い、中間体33aを化合物85(ESI、m/z340.1[M+H]+2)に変換する。
Figure 2016536338
上記の図式3に示したように、化合物2aをイソプロパノール中のHClで処理して相当するアミンを得て、それを保護されたアミン18aとして単離する。次に、9−BBNを18aのTHF中溶液に加え、得られた混合物を環境温度で終夜撹拌する。次に、溶液を過酸化水素(H)で反応停止し、後処理して19aを得る。次に、アルコール19aを、図式3に示した標準的な合成プロトコールを用いて20aに変換することができる。次に、WO2012/173689に記載のものと同様の方法を用い、化合物20aを化合物92(ESI、m/z567.1[M+H])に変換する。
Figure 2016536338
図式4に示したように、WO2012/173689に記載のものと同様の方法を用い中間体24a(WO2012/173689に記載の合成)を化合物135(ESI、m/z585.1[M+H])に変換する。下記の図式5に示した手順を用い、アルキン誘導体25aを製造することができる。
Figure 2016536338
27aの例えばトルエンおよびTHF中溶液に9−BBNを加え、得られた混合物を例えば環境温度で終夜撹拌する。次に、混合物を濃縮し、例えばトルエンおよび1N NaOH中の15aを加え、次にPd(PPhを加え、得られた混合物を加熱して、例えば60℃として24時間経過させる。標準的な後処理および精製手順後に、28aが得られる。次に、この中間体を例えば6N HClで処理して、相当するアミノアルコールを生成し、それを次に無水トリフルオロメチルスルホン酸およびアジ化ナトリウムで処理して、相当するアジドを得る。次に、アジドをジエチルアミノ硫黄・三フッ化物(DAST)、次にトリフェニルホスフィンおよびクロルギ酸ベンジル(CbzCl)で処理して、29aを得る。その多ハロゲン化誘導体29aを上記で示した方法に従って30aとカップリングさせて、25aを得る。
Figure 2016536338
37の溶媒、例えばDMF中溶液を撹拌しながら、それに0℃でCHIを加え、次にNaHを加える。次に、得られた混合物を昇温させて室温とし、その後、冷水およびブラインでゆっくり反応停止する。溶液をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、脱水し、濃縮し、例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、38を得る。38、ビス(ピナコラト)ジボラン9a、Pd(dppf)Cl・CHClおよび酢酸カリウム(KOAc)の例えばDMF中混合物を脱気し、次にアルゴン雰囲気下に加熱して例えば85℃として、終夜経過させる。次に、混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄し、例えばMgSOで脱水し、濾過し、濃縮する。粗生成物を例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、39を得る。39、4−アミノ−5−ヨード−1H−ピリミジン−2−オン9aの溶媒、例えばMeOHおよびHO中混合物にCu(OAc)を加え、次にN,N,N’,N’−テトラメチル−エタン−1,2−ジアミンを加える。次に、混合物を空気下に室温で例えば48時間撹拌してから、濃縮して体積を約130mLとする。残留物をEtOAcと20%NHOH/飽和NHCl溶液との間で分配する。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、脱水し、濃縮する。この取得物を例えばEtOAcに溶かし、無水安息香酸、EtNで処理し、例えば24時間撹拌する。次に、反応混合物をEtOAcと飽和NaCO溶液との間で分配する。有機層を分離し、脱水し、濃縮し、例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、40を得る。化合物40および化合物11aを例えば脱水DMFに溶かし、得られた溶液をアルゴンでパージする。次に、CuI、Pd(PPhおよびEtNを加え、得られた混合物を例えば80から85℃で終夜撹拌する。次に、混合物を冷却して室温とし、CHOHおよびEtNを加え、得られた混合物を例えば80℃で6時間撹拌する。冷却して環境温度とした後、混合物をEtOAcと20%NHOH/飽和NHCl溶液との間で分配する。有機層を分離し、脱水し、濃縮し、例えば分取薄層クロマトグラフィーによって精製して、41を得る。
中間体41を例えばCHOHおよびHClに溶かし、加熱してとして例えば40℃として5時間経過させる。次に、反応混合物を濃縮して乾燥させ、CHOHに再溶解させ、ヒューニッヒ塩基を加え、次に13aを加える。得られた混合物を、例えば室温で24時間撹拌する。次に、混合物をEtOAcとブラインとの間で分配し、有機層を分離し、水で洗浄し、脱水し、濃縮し、例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。こうして得られたこの取得物をチオアニソールおよびTFAで処理し、加熱して例えば50℃として、原料が消失するまで経過させる。次に、反応混合物を濃縮し、例えば、8ミクロン不定形C−18コートシリカを充填したVarian L4002カラム(50mm(内径)×300mm)を用いるShimadzu 10A−VP HPLC装置によって精製する。純粋な分画(LCMSおよび/またはHPLCアッセイによる)を回収し、減圧下に濃縮する。次に、残留物をHCl/HOで処理し、濃縮してほぼ乾固させる。後者の段階を繰り返し、残留物をHOに溶かす。MeCNを加え、混合物を終夜凍結乾燥して、所望の化合物340を塩酸塩(3HCl)として得る。(ESI、m/z597.8[M+H])。
下記の図式7に描いた方法に従って、化合物349および352を製造した。
Figure 2016536338
(R)−(+)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミドおよび4−ブロモベンズアルデヒドの例えばジクロロメタン中溶液に、ピリジン/パラ−トルエンスルホネートおよび硫酸マグネシウムを加え、得られた混合物を例えば環境温度で終夜撹拌する。混合物を濾過し、濃縮し、例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、化合物46を得る。化合物46のテトラヒドロフラン中溶液を、例えば−75℃にて3−ブテニルマグネシウムブロマイドで処理する。得られた混合物をゆっくり昇温させて環境温度とし、終夜撹拌する。飽和塩化アンモニウム溶液で反応停止し、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を脱水し(例えば、無水硫酸ナトリウムで)、濃縮し、例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、47および48を得る。
メタノール中の化合物48を5から6N HCl/イソプロパノールで処理して中間体アミンを得て、次にそれを飽和KCO溶液およびジ−tert−ブチルジカーボネート((Boc)O)で処理し、例えば72時間撹拌する。得られた溶液を濃縮し、EtOAcで抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、脱水し、濃縮し、例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して49を得る。
49およびN−メチルモルホリンオキサイド(NMO)の混合物に、アセトンと次に四酸化オスミウム(OsO)を加え、得られた混合物を環境温度で終夜撹拌する。反応混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液で反応停止し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、脱水し、濃縮し、例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、50を定量的に得る。50および過ヨウ素酸ナトリウム−シリカゲル(NaIO−SiO)のCHCl中混合物を例えば5時間撹拌し、濾過し、濃縮して51を得る。51およびウィティッヒ塩52の混合物をCHCNとともに封管に入れ、例えば72時間加熱還流する。溶液を濃縮し、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、脱水し、例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して53を得る。
−60℃のアセトン−ドライアイス浴で冷却した53の例えばTHF中溶液に、カリウムtert−ブトキシド(KOtBu)を1回で加え、得られた混合物を例えば−60℃で撹拌する。アセトン−ドライアイス浴温度を上昇させて例えば約−20℃とし、それを必要に応じてドライアイスを加えることで約−20℃に維持する。その温度で2時間撹拌後、水を加えることで反応停止し、得られた溶液を昇温させて室温とする。次に、反応混合物を例えばエーテルで希釈し、層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機層を例えば無水NaSOで脱水し、濾過し、濃縮して、淡黄色粗粘稠液体を得て、それを例えばCombiflashクロマトグラフィーを用いて精製して、54および55を得る。
氷浴で冷却した55のTHF中溶液に、LiBHを1回で加え、得られた溶液を昇温させて室温とし、アルゴン雰囲気下に撹拌する。LC/MS(液体クロマトグラフィー/質量分析)によって反応が完結していない場合、追加のLiBHを加えて、反応を完了させることができる。反応完了したら、反応液を氷浴で冷却し、氷およびHCl溶液をゆっくり加えることでゆっくり反応停止する(注意:激しい発泡を伴う発熱反応があることから、HClの添加は非常にゆっくり行う。)。反応混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、濃縮して淡黄色粘稠液体(アルコール)を得て、それはそれ以上精製せずに次の段階で用いることができる。
得られた1級アルコールを例えばCHClに溶かし、EtNを加える。混合物を氷浴(例えば、0℃)で冷却し、MsClを加える。得られた溶液を昇温させて室温とし、撹拌し、例えばアルゴン下に24時間撹拌する(必要に応じて、追加当量のMsClおよびEtNを加えて、反応を促進させて完了させる。反応はLC/MSおよびTLCによってモニタリングする。)。冷水で反応停止し、層を分離し、水層をCHClで抽出する。合わせた有機層を、例えば無水NaSOで脱水し、濃縮してメシレートを得て、それはそれ以上精製せずに次の段階で用いることができる。
前の段階で得られたメシレートおよびNaNのDMF中溶液を、アルゴン雰囲気下に油浴で加熱してとして、例えば70から75℃とする。LC/MSによって原料が完全に変換されたことが示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、水で希釈し、EtOAcで抽出する。合わせた有機層を脱水し(例えば、NaSO)、濃縮して、粘稠液体(アジド)を得て、それはそれ以上精製せずに次の段階で用いることができる。
粗アジドのTHFおよび水中溶液に室温でトリフェニルホスフィンを加え、得られた混合物を油浴で加熱して、例えば60から65℃として、例えば16時間経過させる(原料の変換についてはLC/MSによってモニタリング)。反応が完了したら、加熱を停止し、反応混合物を冷却して室温とする。飽和NaHCO溶液およびEtNPrを加え、次にジ−tert−ブチルジカーボネート((Boc)O)を加え、得られた混合物を油浴で加熱して例えば45から50℃として、例えば46時間経過させる。反応混合物を冷却して室温とし、水およびEtOAcで希釈し、層を分離する。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を脱水し(例えば、NaSO)、濃縮して粘稠液体を得て、それを、例えばCombiflashクロマトグラフィーを用いて精製して、56を得る。
56のDMSO中溶液にアルゴン雰囲気下に、ビスピナコラト(bispinacalato)ジボラン7aおよび酢酸カリウム(KOAc)を加え、次にPdCl(dppf)・CHClを加える。得られた混合物をアルゴン雰囲気下に撹拌しながら加熱して、例えば80から85℃として、例えば20時間経過させる。LC/MSによって反応完結が示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、水および60%から70%EtOAc/ヘプタンで希釈する。層を分離し、水層を60%EtOAc/ヘプタンで抽出する。合わせた有機層を脱水し(例えば、NaSO)、濃縮して暗褐色粘稠液体を得て、それを例えばCombiflashクロマトグラフィーを用いて精製して、58を得る。
58の例えばMeOH:HO中溶液に、ヨードシトシン、9a、次にCu(OAc)、HOおよびTMEDAを加える。得られた溶液を室温で撹拌し、反応混合物に空気を非常にゆっくり吹き込む。例えば室温で19時間撹拌した後、反応混合物を濃縮してMeOHを除去し、水で希釈する。CHCl層を分離し、水層をCHClでさらに2回抽出する。合わせた有機層を脱水し(例えば、無水NaSO)、濃縮してカップリング生成物を得て、それをそれ以上精製せずに次の段階で用いることができる。
EtOAc中溶液にBzOを加え、得られた溶液をアルゴン雰囲気下に油浴で加熱して、例えば70から75℃として、例えば3時間経過させる。LC/MSによって完了が示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、飽和NaHCO溶液で希釈する。
層を分離し、水層をEtOAcで抽出する。合わせた有機層を脱水し(例えば、NaSO)、濃縮して粘稠液体を得て、それを、例えばCombiflashクロマトグラフィーを用いて精製して、60を得る。
60のDMF中溶液をアルゴン雰囲気下に脱気し、それにアルキン11aおよびEtNPrと、次にPd(PPhおよびCuIを加える。得られた溶液にアルゴンを流し、アルゴン雰囲気下に撹拌しながら加熱して例えば70から75℃として、例えば16時間経過させる。LC/MSによって60の完全な変換が示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、MeOHを加える。得られた溶液をアルゴン下に加熱して、例えば75から80℃として、例えば9時間経過させる(中間体の変換完了についてはLC/MSによってチェックを行う。)。反応混合物を冷却して室温とし、濃縮してMeOHを除去し、水で希釈する。EtOAc層を分離し、有機層をEtOAcで1回抽出する。合わせた有機層をNHOH、水およびブラインで洗浄し、脱水し(例えば、NaSO)、濃縮して暗褐色粘稠液体を得て、それを、例えば分取TLCを用いることによって精製して、保護された中間体62を得る。
62のCHCl中溶液に、酸、例えば4N HClのジオキサン中溶液を加え、得られた溶液を室温で例えば2時間撹拌する。LC/MSによって原料の変換完了が示されたら、反応混合物を濃縮し、真空乾燥して、脱保護されたアミン中間体を泡状物として得て、それはそれ以上精製せずに次の段階で用いることができる。
脱保護されたアミン中間体のMeOH中溶液に室温で、EtNPrおよびビス−boc−グアニルピラゾール13aを加え、得られた反応混合物を室温で撹拌する。LC/MSによって反応完結が示されたら、反応混合物を濃縮して粘稠液体を得て、それはそれ以上精製せずに次の段階で用いることができる。
上記化合物のトリフルオロ酢酸中溶液に、チオアニソールを加え、得られた混合物を、例えば油浴で加熱しながら撹拌して45℃として、例えば3時間経過させる。LC/MSによって反応完了が示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、濃縮し、例えばVarian分取HPLCを用いて精製する。HPLC分画を回収し、濃縮し、得られたTFA塩を、例えば6N HClで処理することで(2回)、HCl塩に変換する。得られた固体を凍結乾燥して、349を得る。
Figure 2016536338
(1−メチル−ブタ−3−エンイル)−カルバミン酸ベンジルエステル64のDMF中溶液に、例えば0℃でNaHを加え、得られた混合物を例えば30分間撹拌する。次に、その溶液をゆっくり昇温させて環境温度とし、その後、4−ブロモベンジルブロマイドを加え、混合物を不活性雰囲気下に終夜撹拌する。次に、混合物をEtOAcとブラインとの間で分配し、有機層を分離する。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、減圧下に濃縮し、例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、(4−ブロモ−ベンジル)−(1−メチル−ブタ−3−エンイル)−カルバミン酸ベンジルエステル65を得る。次に、65のアセトン中溶液をOsOと次にN−メチルモルホリンN−オキサイドで処理し、環境温度で終夜撹拌する。飽和Na水溶液で反応停止し、EtOAcで抽出する。合わせた有機層を水で洗浄し、例えば無水NaSOで脱水し、溶媒留去して乾固させ、例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。この取得物をCHClに溶かし、NaIO−シリカゲル試薬で処理する。原料が消費されたら(例えば、2時間)、得られた溶液を濾過し、濃縮して66、すなわち(4−ブロモ−ベンジル)−(1−メチル−3−オキソ−プロピル)−カルバミン酸ベンジルエステルを得て、それはそれ以上精製せずに次の段階で用いることができる。
66、(R)−(+)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド、ピリジン/パラ−トルエンスルホネートおよびMgSOの混合物を環境温度で終夜にわたりCHCl中で高撹拌する。次に、反応混合物をCHClと水との間で分配し、有機層を分離する。次に、水層をCHClで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、例えば無水NaSOで脱水し、溶媒留去して、68、すなわち(4−ブロモベンジル)−[1−メチル−3−(2−メチル−プロパン−2−スルフィニルイミノ)−プロピル]−カルバミン酸ベンジルエステルを得る。
68の例えばTHF中溶液に、例えば−78℃で、ビニルマグネシウムブロマイドを加え、原料が消失するまで、その温度で撹拌する。次に、溶液を昇温させて0℃とし、NHCl溶液で反応停止する。得られた混合物をEtOAcで抽出し、例えば無水NaSOで脱水し、減圧下に濃縮し、例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、69、すなわち(4−ブロモベンジル)−[1−メチル−3−(2−メチル−プロパン−2−スルフィニルイミノ)−ペンタ−4−エンイル]−カルバミン酸ベンジルエステルおよび異性体である70を得る。異性体70をCHOHに溶かし、環境温度で5から6N HCl(例えば、2−プロパノール中溶液)とともに撹拌する(例えば、4時間)。次に、その溶液を濃縮し、THFおよび水に再溶解させる。この溶液に、KCOおよびジ−tert−ブチルジカーボネート((Boc)O)を加え、得られた混合物を環境温度で終夜撹拌する。反応混合物を濃縮し、EtOAcと水との間で分配する。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、脱水し、濃縮して71を得る。71、ビス(ピナコラト)ジボラン7a、Pd(dppf)Cl.CHCl、酢酸カリウム(KOAc)のDMSO中混合物を脱気し、アルゴン雰囲気下に加熱して例えば85℃として、終夜経過させる。混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄し、例えばMgSOで脱水し、濾過し、濃縮する。次に、粗生成物を例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、72を得る。
Cu(OAc)を、72、4−アミノ−5−ヨード−1H−ピリミジン−2−オン9a、CHOHおよびHOの混合物に加え、次にN,N,N’,N’−テトラメチル−エタン−1,2−ジアミンを加え、得られた混合物を空気下に室温で、例えば48時間撹拌し、それからそれを濃縮して、体積を約130mLとする。次に、残留物をEtOAcと20%NHOH/飽和NHCl溶液との間で分配し、有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出する。全ての有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、脱水し、濃縮する。この取得物をDMFに溶かし、無水安息香酸で処理し、例えば室温で72時間撹拌する。次に、反応混合物をEtOAcと飽和NaCO溶液との間で分配する。有機層を分離し、脱水し、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して73を得る。化合物73および化合物11aを脱水DMFに溶かす。溶液をアルゴンでパージし、次にCuI、Pd(PPhおよびEtNを加え、得られた混合物を例えば80から85℃で終夜撹拌する。次に、その溶液を冷却して室温とし、CHOHを加え、混合物を再度、例えば85℃で3時間撹拌する。冷却して環境温度とした後、混合物をEtOAcと20%NHOH/飽和NHCl溶液との間で分配する。有機層を分離し、脱水し、濃縮し、例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、74を得る。
74をエタノールおよび6N HClに溶かし、加熱して例えば65℃として、例えば1時間経過させる。次に、反応混合物を濃縮して乾燥させ、CHOHおよびヒューニッヒ塩基に再溶解させ、その後に13aを加え、得られた混合物を例えば室温で96時間撹拌する。次に、その溶液をEtOAcとブラインとの間で分配する。有機層を分離し、水で洗浄し、脱水し、濃縮し、例えばシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。そうして得られたこの取得物を、チオアニソールおよびTFAで処理し、加熱して50℃として、原料が消失するまで経過させる。反応混合物を濃縮し、精製する。純粋な分画を回収し、減圧下に濃縮し、得られた残留物を1.0N HCl/HOで処理し、濃縮してほぼ乾固させる。後者の段階を繰り返す。次に、残留物をHOに溶かし、CHCNを加え、得られた混合物を終夜凍結乾燥して、所望の化合物336・3HCl塩を得る。
化合物353および357を、下記の図式9および10に示した方法に従って製造した。
Figure 2016536338
2−アミノ−2−(4−ブロモ−フェニル)−エタノールの例えばTHF中溶液に、飽和重炭酸ナトリウム溶液、次にクロルギ酸ベンジル(CbzCl)を加える。反応混合物を室温で例えば14時間撹拌する。次に、酢酸エチルを加え、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、濃縮して76を得る。
例えばアルゴン雰囲気下に0℃で、[1−(4−ブロモ−フェニル)−2−ヒドロキシ−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(76)の例えば脱水DMF中溶液を撹拌しながら、それに臭化アリルを加え、得られた混合物を、例えば15分間撹拌する。ナトリウムtert−ブトキシド(NaOBu)を、例えば5分間隔で5回に分けて加える。次に、混合物を例えば0℃で2時間撹拌する。氷を反応混合物に加える。冷却浴を外し、混合物を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、例えば、NaSOで脱水し、濃縮し、例えばフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製する。分画を回収し、合わせ、濃縮して、77を得る。
アルゴン雰囲気下、4−[2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(4−ブロモ−フェニル)−エトキシ]−ブタ−2−エン酸エチルエステル(77)の例えば脱水ジクロロメタン中溶液を撹拌しながら、それにアクリル酸エチルを加え、得られた混合物を例えば15分間撹拌する。ホベイダ−グラブス−II触媒(H−G−II)を加え、混合物を例えば45℃で3時間撹拌する。追加量のホベイダ−グラブス−II触媒を加え、反応液を例えば45℃で2時間撹拌する。例えばLCMSで原料77の完全な消費および78の生成が示されたら、混合物を冷却し、溶媒を留去し、生成物を例えばフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。分画を合わせ、濃縮して、78を得る。
例えば−78℃でアルゴン雰囲気下に、4−[2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(4−ブロモ−フェニル)−エトキシ]−ブタ−2−エン酸エチルエステル(78)の脱水THF中溶液に、カリウムtert−ブトキシド(KOBu)を加え、得られた混合物を30分間撹拌する。次に、冷却浴を外し、反応混合物を昇温させて、例えば−20℃とする(例えば30分かけて)。例えばLCMSによって78の完全な消費および生成物79の生成が示されたら、氷を加え、次に水を加える。水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、例えばフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、79を得る。
3−(4−ブロモ−フェニル)−5−エトキシカルボニルメチル−モルホリン−4−カルボン酸(79)の脱水THF中溶液に、例えば0℃でアルゴン雰囲気下にLiBHを加え、得られた混合物を例えば0℃で例えば2時間撹拌する。冷却浴を外し、反応混合物を終夜(例えば、約14時間)撹拌する。例えばLCMSによってエステルの完全な消失が示されたら、混合物を冷却して0℃とし、水20mLをゆっくり加える。例えば30分後、冷却浴を外し、反応液を、例えばさらに4時間撹拌する。水を加え、生成物を酢酸エチルで抽出し.合わせた有機相を水およびブラインで洗浄し、例えば硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、例えばフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、81および80を得る。
4−(4−ブロモ−フェニル)−ヘキサヒドロ−[1,4]オキサジノ[4,3−c][1,3]オキサジン−6−オン(80)の例えばメタノール中溶液に、水酸化ナトリウム水溶液を加え、得られた混合物を、例えば36時間にわたり、例えば加熱還流する。例えばLCMSでカーバメート80の加水分解が完了していることが示されたら、混合物を濃縮し、水を加える。水相を例えばジクロロメタンで抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、例えば硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して82を得る。
2−[5−(4−ブロモ−フェニル)−モルホリン−3−イル]−エタノール(82)の例えば脱水トルエン中溶液を、例えば0℃で撹拌しながら、それにジフェニルホスホリルアジド(DPPA)と次に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)を加え、得られた混合物を、アルゴン雰囲気下に例えば10分間撹拌する。冷却浴を外し、10分後に、混合物を80℃油浴に入れ、アルゴン下に、例えば14時間撹拌する。例えばLCMSによってアルコールのアジドへの変換が完了していることが示されたら、酢酸エチルおよび水を加える。有機相を分離し、水相を追加の酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を飽和重炭酸ナトリウム、水およびブラインで洗浄し、例えば硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、例えばフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、83を得る。
3−(2−アジド−エチル)−5−(4−ブロモ−フェニル)−モルホリン(83)のTHFおよび水中溶液に、トリフェニルホスフィンを加え、得られた混合物を例えば60℃で例えば4時間撹拌する。例えばLCMSによって、アジドのアミンへの還元が完了していることが示されたら、溶媒を留去し、残留物を、例えば3時間にわたって高真空下に乾燥させる。次に、粗生成物を、例えば脱水THFに溶かし、EtNを加え、得られた混合物を冷却して、例えば0℃とする。この冷溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート((Boc)O)を加え、反応混合物を例えば10分間撹拌する。冷却浴を外し、溶液を、例えば55℃でアルゴン雰囲気下に、例えば5時間撹拌する。例えばLCMSによって、両方のアミンの保護が完了していることが示されたら、反応混合物を冷却し、酢酸エチルおよび水を加える。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、例えば硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、例えばフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、84を得る。
3−(4−ブロモ−フェニル)−5−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(84)の例えばDMSO中溶液に、B(Pin)(7a)、酢酸カリウム(KOAc)、およびPdCl(dppf)・CHClを加え、得られた混合物を、高真空を用いて脱気し、アルゴンで2回パージし、例えば80℃でアルゴン雰囲気下に、例えば12時間撹拌する。例えばLCMSによって、84が完全に消費されたことが示されたら、溶液を冷却し、水を加え、水相をEtOAcで抽出する。合わせた有機相を水、水酸化アンモニウム、水およびブラインで洗浄し、例えば硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、例えばフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、純粋な85を得る。
3−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−5−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(85)のメタノール中溶液に、水、5−ヨードシトシンおよびCu(OAc)・HOと、次にTMEDAを加え、混合物を開放系で、例えば14時間撹拌する。例えば、LCMSによって85が完全に消費されたことが示されたら、混合物を濃縮し、水を加え、水相を酢酸エチルで抽出する。次に、合わせた有機相を水酸化アンモニウム、水およびブラインで洗浄し、例えば硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して粗生成物を得る。この粗生成物を酢酸エチルに溶かし、無水安息香酸を加え、混合物を、例えば80℃で、例えば3時間30分間撹拌する。例えばLCMSにより、中間体アミンのベンゾイル化が完了していることが示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、飽和重炭酸ナトリウム、水、およびブラインで洗浄し、例えば硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、例えばフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、86を得る。
3−[4−(4−ベンゾイルアミノ−5−ヨード−2−オキソ−2H−ピリミジン−1−イル)−フェニル]−5−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(86)およびアルキン11aの例えば脱水DMF中溶液を、高真空下に脱気し、アルゴンでパージする。この溶液に、DIPEAと、次にPd(PPhおよびCuIを加える。次に、混合物を、例えば70℃で、例えば12時間撹拌する。例えばLCMSによって86の消費が完了していることが示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、メタノールを加え、混合物を、例えば80℃で、例えば4時間撹拌する。例えばLCMSによってソノガシラカップリング中間体が完全に消費されたことおよび脱ベンゾイル化環化生成物87の生成が示されたら、混合物を冷却して室温とし、濃縮する。水を加え、水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を水、水酸化アンモニウム、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、例えばフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、87を得る。
3−(4−{6−[5−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−ペンチル)−3−クロロ−2−フルオロ−フェニル]−2−オキソ−2,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−3−イル}−フェニル)−5−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(87)のジクロロメタン中溶液を撹拌しながら、それに4N HClの1,4−ジオキサン中溶液を加え、得られた混合物を例えば50分間撹拌する。例えばLCMSによって、tert−ブチルカルボニル(Boc)基の脱保護が完了していることが示されたら、混合物を濃縮して乾燥させ、得られた残留物を脱水メタノールに溶かす。この溶液に、N,N’−ジ−Boc−1H−ピラゾール−1−カルボキシアミジンおよびi−PrNEtを加え、得られた混合物を室温で、例えば14時間撹拌する。例えばLCMSによって、中間体アミンが完全に消費されたことが示されたら、混合物を濃縮し、得られた残留物をトリフルオロ酢酸に溶かす。次に、チオアニソールを、その溶液に加え、得られた混合物を室温で、例えば24時間撹拌する。例えばLCMSによって、Cbz基およびBoc基の脱保護が完了していることが示されたら、混合物を濃縮し、生成物を、例えばHPLCクロマトグラフィーによって精製する。生成物分画を回収し、濃縮して乾燥させ、エタノールに懸濁させ、濃縮して乾固させる。次に、TFA生成物をHClで処理することで、生成物のTFA塩を、HCl塩に変換し、反応混合物を濃縮し、凍結乾燥して、化合物353を得る。
Figure 2016536338
アルゴン雰囲気下に、3−(4−ブロモ−フェニル)−5−(2−ヒドロキシ−エチル)−モルホリン−4−カルボン酸ベンジルエステル(81)の例えば脱水ジクロロメタン中溶液を冷却して、例えば0℃とし、EtNを加え、次にメタンスルホニルクロライド(MsCl)を加える。得られた混合物を、氷浴で、例えば7時間撹拌する。81が完全に消費されたら、混合物を濃縮する。次に、残留物を酢酸エチルに溶かし、水およびブラインで洗浄し、例えば硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、粗メシル化生成物を得る。その粗メシル化生成物を脱水DMFに溶かし、アジ化ナトリウムを加え、得られた混合物を、例えば80℃でアルゴン雰囲気下に、例えば7時間撹拌する。例えばLCMSによって、メシレートが完全に消費されたことが示されたら、混合物を冷却して室温とする。水を加え、水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を水およびブラインで洗浄し、例えば硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、例えばフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、88を得る。
3−(2−アジド−エチル)−5−(4−ブロモ−フェニル)−モルホリン−4−カルボン酸ベンジルエステル(88)のTHF(9mL)中溶液を撹拌しながら、それにPPhおよび水を加え、得られた混合物を加熱して、例えば55℃として、例えば4時間経過させる。例えば、LCMSによってアジド88が完全に消費されたことが示されたら、溶媒を留去し、得られた粗生成物を高真空下に乾燥する。次に、粗生成物を、例えば脱水THFに溶かし、EtN(0.79g、7.9mmol)を加え、混合物を冷却して、例えば0℃とする。この冷混合物に、ジ−tert−ブチルジカーボネート((Boc)O)を加え、得られた混合物を、例えば10分間撹拌する。冷却浴を外し、混合物を、例えば3時間撹拌する。例えば、LCMSによって、アミンが完全に消費されたことが示されたら、水を加え、生成物を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を水およびブラインで洗浄し、例えば硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮する。次に、生成物を、例えばフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、89aを得る。
3−(4−ブロモ−フェニル)−5−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(89)の例えばDMSO中溶液に、B(Pin)(11a)、酢酸カリウム(KOAc)およびPdCl(dppf)・CHClを加え、得られた混合物を、高真空を用いて脱気し、アルゴンでパージし、例えば80℃でアルゴン雰囲気下に、例えば12時間撹拌する。例えばLCMSによって、89が完全に消費されたことが示されたら、反応溶液を冷却し、水を加え、水相をEtOAcで抽出する。合わせた有機相を水、水酸化アンモニウム、水およびブラインで洗浄し、例えば硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、例えばフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、90を得る。
3−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−5−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(90)のメタノール中溶液に、水、5−ヨードシトシンおよびCu(OAc)・HOと、次にTMEDAを加え、混合物を開放系で、例えば14時間撹拌する。例えば、LCMSによって90が完全に消費されたことが示されたら、混合物を濃縮し、水を加え、水相を酢酸エチルで抽出する。次に、合わせた有機相を水酸化アンモニウム、水およびブラインで洗浄し、例えば硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して粗生成物を得る。この粗生成物を酢酸エチルに溶かし、無水安息香酸を加え、混合物を、例えば80℃で、例えば3時間30分撹拌する。例えばLCMSにより、中間体アミンのベンゾイル化が完了していることが示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、飽和重炭酸ナトリウム、水、およびブラインで洗浄し、例えば硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、例えばフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、91を得る。
3−[4−(4−ベンゾイルアミノ−5−ヨード−2−オキソ−2H−ピリミジン−1−イル)−フェニル]−5−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(91)およびアルキン93の脱水DMF中溶液を、高真空下に脱気し、アルゴンで2回パージする。この溶液に、DIPEAと、次にPd(PPhおよびCuIを加える。次に、混合物を、例えば70℃で、例えば12時間撹拌する。例えばLCMSによって91の消費が完了していることが示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、メタノールを加え、混合物を、例えば80℃で、例えば4時間撹拌する。例えばLCMSによってソノガシラカップリング中間体が完全に消費されたことおよび脱ベンゾイル化環化生成物92の生成が示されたら、混合物を冷却して室温とし、濃縮する。水を加え、水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を水、水酸化アンモニウム、水およびブラインで洗浄し、例えば硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、92を得る。
92の例えばジクロロメタン中溶液を撹拌しながら、それに4N HClの1,4−ジオキサン中溶液を加え、得られた混合物を例えば50分間撹拌する。例えばLCMSによって、Boc基の脱保護が完了していることが示されたら、混合物を濃縮して乾燥させ、得られた残留物を脱水メタノールに溶かす。この溶液に、N,N’−ジ−Boc−1H−ピラゾール−1−カルボキシアミジンおよびi−PrNEtを加え、得られた混合物を室温で、例えば14時間撹拌する。例えばLCMSによって、中間体アミンが完全に消費されたことが示されたら、混合物を濃縮し、得られた残留物をトリフルオロ酢酸に溶かす。次に、チオアニソールを、その溶液に加え、得られた混合物を室温で、例えば24時間撹拌する。例えばLCMSによって、Cbz基およびBoc基の脱保護が完了していることが示されたら、混合物を濃縮し、生成物を、例えばHPLCクロマトグラフィーによって精製する。生成物分画を濃縮して乾燥させ、エタノールに懸濁させ、濃縮して乾固させる。HClを用いることで生成物のTFA塩を生成物のHCl塩に変換する。次に、反応混合物を濃縮し、凍結乾燥して、化合物357を得る。
4.本発明の化合物の特性決定
製造されたら、上記方法によって設計、選択および/または至適化された化合物を、当業者に公知である種々のアッセイを使用して特定決定することで、該化合物が生理活性を有するか否かを決定することができる。例えば、以下に記載のアッセイ(それに限定されるものではない)などの従来のアッセイによって分子を特性決定することで、それらが予測された活性、結合活性および/または結合特異性を有するか否かを決定することができる。
さらに、ハイスループットスクリーニングを使用することで、そのようなアッセイを使用する分析の速度を上げることができる。結果的に、本明細書に記載の分子を例えば抗癌剤、抗細菌薬、抗真菌薬、抗寄生虫薬または抗ウィルス薬としての活性について速やかにスクリーニングすることが可能になり得る。また、その化合物がどのようにしてリボソームもしくはリボソームサブユニットと相互作用するか、および/またはタンパク質合成の調節剤(例えば阻害剤)として有効であるかを、当分野において公知の技術を用いてアッセイすることも可能になり得る。ハイスループットスクリーニングを行うための一般的方法は、例えばDevlin(1998) High Throughput Screening,Marcel Dekker;および米国特許第5,763,263号に記載されている。ハイスループットアッセイでは、以下に記載の技術など(これらに限定されるものではない)の1以上の異なるアッセイ技術を使用することができる。
(1)表面結合試験。新規分子をそれらの結合活性についてスクリーニングする上で、種々の結合アッセイが有用であることができる。一つのアプローチには、対象分子のリボソーム、リボソームサブユニットまたはその断片に対する結合特性を評価するために使用可能な表面プラズモン共鳴法(SPR)などがある。
SPR法では、2個以上の巨大分子間の相互作用を量子力学的表面プラズモンの発生により、リアルタイムで測定する。一つの装置(BIAcore Biosensor RTM,Pharmacia Biosensor、Piscataway、N.J.)は、金フィルム(使い捨てバイオセンサ「チップ」として提供)とユーザーが調節可能な緩衝区画との間の界面に多色光の集束ビームを与える。対象分析物の共有結合的固定化用の基質を提供するカルボキシル化デキストランから構成される厚さ100nmの「ヒドロゲル」を、金フィルムに取り付ける。収束光が金フィルムの自由電子雲と相互作用する際にプラズモン共鳴が強化される。得られる反射光は、共鳴が至適に生じる波長においてスペクトル的に枯渇する。反射多色光をその成分波長に分離すること(プリズムによって)、および枯渇した周波数を決定することで、BIAcoreは、発生した表面プラズモン共鳴の挙動を正確に報告する光インターフェースを確立する。上記のように設計すると、プラズモン共鳴(従って枯渇スペクトル)はエバネセント場における質量(ヒドロゲルの厚さにほぼ対応する)に対して感受性を示す。相互作用ペアの一方の成分がヒドロゲルに固定化されて、相互作用相手が緩衝区画から提供される場合、エバネセント場における質量の蓄積、およびそれに対応する、枯渇スペクトルにより測定されるプラズモン共鳴の効果に基づいて、二つの成分間の相互作用をリアルタイムで測定することができる。このシステムは、いずれかの成分を標識する必要なく、分子相互作用の迅速かつ高感度でのリアルタイム測定を可能にするものである。
(2)蛍光偏光法。蛍光偏光法(FP)は、二つの分子間の会合反応のIC50およびKdを誘導するためにタンパク質−タンパク質、タンパク質−リガンドまたはRNA−リガンド相互作用に容易に適用可能な測定技術である。この技術では、対象分子の一方をフルオロフォアと結合させる。これは、系中の相対的に小さい分子(この場合は、対象化合物)である。リカンド−プローブ複合体とリボソーム、リボソームサブユニットもしくはそれの断片との両方を含有する試料混合物を垂直偏光で励起させる。光をプローブフルオロフォアに吸収させ、その後すぐに再発光させる。発光した光の偏光度を測定する。発光した光の偏光はいくつかの要因によって決まるが、最も重要な要因として、溶液の粘度およびフルオロフォアの見かけの分子量によって決まる。適切に制御することで、発光した光の偏光度の変化はフルオロフォアの見かけの分子量の変化にのみによって決まり、この分子量の変化はプローブ−リガンド複合体が溶液中で遊離しているかまたは受容体に結合しているかによって決まる。FPに基づく結合アッセイは、真の均一な平衡条件下でのIC50およびKdの測定、分析の速度および自動化の快適性、ならびに濁った懸濁液および着色溶液でスクリーニングする能力などのいくつかの重要な利点を有する。
(3)タンパク質合成。前述の生化学アッセイによる特性決定に加えて、対象化合物をリボソームまたはリボソームサブユニットの機能活性の調節剤(例えばタンパク質合成の阻害剤)として特性決定することもできると想定される。
さらに、化合物を生物全体、組織、器官、小器官、細胞、細胞抽出物もしくは細胞内抽出物、または精製リボソーム標本に投与し、例えばタンパク質合成阻害についてのそれの阻害定数(IC50)を測定することによってそれの薬理特性および阻害特性を観察することによって、より特異的なタンパク質合成阻害アッセイを行うことができる。Hロイシンもしくは35Sメチオニンの取り込みまたは同様の実験を行って、タンパク質合成活性を調べることができる。対象分子の存在下での細胞中のタンパク質合成の量または速度の変化は、その分子がタンパク質合成の調節剤であることを示す。タンパク質合成の速度低下または量の減少は、その分子がタンパク質合成の阻害剤であることを示す。
(4)抗微生物アッセイおよび他の評価。さらに、化合物を細胞レベルでの抗増殖特性または抗感染特性についてアッセイすることができる。例えば、標的生物が微生物である場合、対象化合物の活性を、その化合物を含有するかまたは欠く培地中で対象微生物を増殖させることでアッセイすることができる。成長の阻害は、分子がタンパク質合成阻害剤として作用することができることを示すことができる。より具体的には、病原菌に対する対象化合物の活性を、所定のヒト病原体系統の増殖を阻害する当該化合物の能力によって示すことができる。これに関しては、各種の標的病原種を含むように、細菌系統集団を集めることができ、その病原種の一部は特性決定済みの抵抗性機序を含むようにする。そのような生物パネルの使用は、効力およびスペクトルに関しての構造−活性相関だけでなく、抵抗性機序の除去を目的とした構造−活性相関の決定をも可能にする。
本発明の化合物のイン・ビトロ活性を求めることができる。代表的には、抗微生物試験を行うことで、最小阻害濃度(MIC)を求める。最小阻害濃度(MIC)は、The Clinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)が示しているプロトコールに従って最終容量100μLでの微量希釈法によって決定する。基準系統の成績標準を同一実験設計内で評価することで品質管理を維持する。例えば、Clinical Laboratory Standards Institute:Methods for dilution antimicrobial susceptibility tests for bacteria that grow aerobically M7−A8.Approved Standard−Eighth Edition.Wayne,PA:CLSI;December 2008;およびClinical Laboratory Standards Institute:Performance Standards for Antimicrobial Susceptibility Testing M100−S20;Approved Standard−Twentieth Edition.Wayne,PA:CLSI;J une 2010を参照する。
本化合物の抗微生物特性および他の薬剤特性を、マウスもしくはラット腹膜炎感染モデル、皮膚・軟組織モデル(大腿モデルと称される場合が多い)、またはマウス肺炎モデルなどの各種イン・ビボ哺乳動物アッセイでさらに評価することができる。敗血症モデルまたは器官感染モデルが当業者に公知である。これらの効力モデルは評価プロセスの一環として使用することができ、ヒトでの潜在的効力の指針として使用することができる。エンドポイントは細菌負荷の減少から致死まで変わり得るものである。後者のエンドポイントにおいては、結果はPD50値、すなわち動物の50%を死亡から保護する薬剤の用量として表されることが多い。
化合物の薬剤様特性をさらに評価するために、チトクロムP450酵素およびII相代謝酵素活性の阻害を、組換えヒト酵素系、またはヒト肝ミクロソームのようなより複雑な系を使用して測定することもできる。さらに、化合物をこれらの代謝酵素活性の基質として同様に評価することができる。これらの活性は、薬剤−薬剤相互作用を引き起こす化合物の潜在能力、または有用な抗微生物活性を保持もしくは保有しない代謝産物を発生させる化合物の潜在能力を決定する上で有用である。
経口的に生体利用可能な本化合物の潜在能力の推定を行うために、溶解度およびCaco−2アッセイを行うこともできる。後者は、ヒト上皮由来の細胞系であり、それによって、Caco−2細胞単層を通じた薬剤の取り込みおよび通過の測定を行うことができ、1ミクロン膜を備えた24ウェルマイクロタイタープレートのウェル内で増殖させることが多い。遊離薬剤濃度を単層の基底外側で測定して、腸単層を通過可能な薬剤の量を評価することができる。単層の完全性およびギャップ結合の堅固さを確実にするための適切な制御が必要である。この同じ系を使用してP−糖タンパク質介在流出を推定することができる。P−糖タンパク質は、細胞の頂端膜に局在することで分極単層を形成するポンプである。このポンプは、Caco−2細胞膜を横断する能動的もしくは受動的取り込みを抑制することで、腸上皮層を通過する薬剤を少なくすることができる。これらの結果は溶解度測定と併せて得られることが多く、これらの因子は両方とも哺乳動物における経ロ生体利用度に寄与することが知られている。従来の薬物動態実験を用いる動物での、最終的にはヒトでの経ロ生体利用度の測定により、絶対経口生体利用度が求められる。
実験結果は、薬剤様特性に寄与する物理化学的パラメータを予測する上で役立つモデルを構築するのに使用することもできる。そのようなモデルが立証された場合、モデルへの信頼性が高くなり、実験方法を減らすことができる。
(5)動物の薬理および毒性。本発明の化合物について、既知の動物モデルでの効力を評価することができる。以下の表は、各種感染適応症についての代表的な動物モデルを提供するものである。
Figure 2016536338
複雑性皮膚・皮膚組織感染(cSSSI)についての動物モデル:好中球減少症雌CD−1マウスの大腿での肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)1705966のマウス皮膚・軟組織感染モデル
このモデルは、雌ICR(CD−1)マウスを使用して肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)1705966好中球減少症マウス大腿感染モデルにおける本発明の化合物の効力を評価するのに有用である。
試験設計:
動物種:雌ICR(CD−1)マウス、8から9週齢、体重25から29g
接種物:肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)17059663を凍結ストックから血液寒天(トリプシン大豆寒天+5%ヒツジ血液、BD、#221261)上に画線し、35℃で終夜インキュベートした。終夜インキュベーション後、OD625=0.990を測定する上で十分な細菌(約1完全ループ)をプレートから移し、10mLの予熱したMueller−Hintonブロスで希釈した。この培養液を、予熱したMHブロスでさらに1:1000希釈し、35℃で約2時間振盪しながら増殖させた。各マウスの両尾大腿筋に1:1000希釈培養液0.1mLをイソフルラン吸入麻酔下で注射した。
希釈度 初期O.D. 最終O.D.(約2時間インキュベーション後)
1:10 0.135 0.424
1:100 0.014 0.215
1:1000 0.001 0.035
第−4日(150mg/kg)および第−1日(100mg/kg)にシクロホスファミド・1水和物の腹腔内(I.P.)投与によって、好中球減少症を誘発する。
媒体:0.9%塩化ナトリウム
投薬:細菌接種の2時間後および8時間後に、処置群における各マウスに容量0.2mL中の適切な用量の被験化合物を投与した。
時間点:
対照:0、2、6および24時間
処置動物:24時間。
サンプリング:時間点当たりマウス2匹または3匹をCO経由で屠殺し、尾大腿筋を切除および均質化した。大腿筋をStomacherフィルターバッグ中の滅菌PBS 5mLに入れ、MicroBiomaster80(Brinkmann)によって通常設定で60秒間均質化し、96ウェルプレート中で標準プロトコールに従って1:10希釈液を作った。各希釈液について小分け液25μLおよびホモジネートを血液寒天プレートに蒔き、35℃でインキュベートすることで、経時的にCFU/mLを求めた。終夜インキュベーション後、コロニーをカウントした。
敗血症の動物モデル:
マウス腹膜炎モデル(大腸菌(E.coli)、肺炎桿菌(K. pneumoniae)、フェカリス菌(E. Faecalis)、MRSA)
このモデルを用いて、雌スイスウェブスターマウスを使用してマウス腹膜炎モデルにおける大腸菌(Escherichia coli)ATCC25922の増殖に対する本発明の化合物による皮下(SC)処置の効果を評価する。
対照:
陰性:接種物のみ
腹腔内接種物媒体
陽性:シプロフロキサシン
試験設計:
生物種:雌スイスウェブスターマウス
接種:(4/6/07)ストック1mLを0.25%ビール酵母9mLに加えて(1:10)にし、次にその(1:10)1mLを0.25%ビール酵母9mLに加えて(1:100)とし、次にその(1:100)1mLを0.25%ビール酵母9mLに加えて(1:1000)とし、次にその(1:1000)2.5mLを0.25%ビール酵母122.5mLに加えて(1:50000)とし、マウス当たり1mLを腹腔内(IP)接種することで、大腸菌(Escherichia coli)ATCC25922を作る。
投与経路:SC
投与:本発明の化合物用の媒体:生理食塩水、または10%キャプティソル水溶液中の50mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH=7.2
用量投与:細菌接種から30分後に開始してQ3H×3
試験期間:24時間0.25%ビール酵母抽出物(BYE):11/12/09に調製した希釈液2%(ロット2158K、MP Biomedicals)25mL 2%+1×PBS 175mL
結果尺度:腹膜洗浄液および脾ホモジネートからのコロニー形成単位、ならびに洗浄液、脾ホモジネートおよび血漿からの薬剤レベル
マウスをCO昏睡下としながら、心臓穿刺によって採血を行う。全血サンプルをヘパリン処理エッペンドルフ管に入れ、遠心するまで氷水上で保持する(14000rpmで4分)。血漿をドライアイス上の96深型ウェルブロックに移し、−20℃で保管する。採血直後に、滅菌PBS(リン酸緩衝生理食塩水)2mLを25G針で腹腔に注射した。腹部を優しくマッサージし、小さい切開を行って腹腔に到達できるようにした。腹腔洗浄液を滅菌技術を用いて採取し、1:10で連続希釈し、血液寒天プレート上に蒔き、35℃で終夜インキュベートした。
脾臓を収集し、Stomacherバッグ中の滅菌PBS 1mLに入れ、McroBiomaster80(Brinkmann)によって通常設定で60秒間均質化し、1:10希釈液を作った。各希釈液25μL、およびホモジネートを血液寒天プレート上に蒔き、35℃でインキュベートすることで、経時的にCFU/mLを求めた。終夜インキュベーション後、コロニーをカウントした。
他の動物モデル
同様に、他の動物感染モデルを院内肺炎(HAP)/人工呼吸器関連肺炎(VAP)、複雑性尿路感染(cUTI)および発熱性好中球減少症に使用することができる。
5.製剤および投与
本発明の組成物および方法は、送達手段、例えばいずれか好適な担体を使用して本発明の化合物を送達することで実施することができる。活性化合物の用量、投与様式、および好適な担体の使用は、所期の患者もしくは対象者および標的微生物、例えば標的微生物によって決まる。代表的には、本発明の化合物のヒト医療用製剤および獣医用製剤はいずれも、医薬として許容される担体と組み合わせたそのような化合物を含む。
担体は、本発明の化合物と適合性があって被投与者に有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。この点で、医薬として許容される担体は、医薬投与に適合するあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、吸収遅延剤などを含むようにする。医薬活性物質用のそのような媒体および薬剤の使用は当技術分野において公知である。従来の媒体もしくは薬剤が活性化合物と適合しない場合を除いて、組成物中でのそれの使用が想定される。補足の活性化合物(本発明に従って同定もしくは設計され、かつ/または当技術分野において公知)も組成物に組み入れてもよい。製剤は、単位製剤で良好に提供することができ、薬学/微生物学分野において周知の方法のいずれかによって調製することができる。一部の製剤は、化合物と液体担体もしくは微粉砕固体担体またはその両方とを組み合わせた後、必要であれば生成物を所望の製剤に成形することで調製される。
本発明の医薬組成物は、その所期の投与経路に適合するように製剤すべきである。液剤または懸濁液は次の成分:水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールその他の合成溶媒などの滅菌希釈剤;ベンジルアルコールもしくはメチルパラベンなどの抗細菌剤;アスコルビン酸もしくは重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミンテトラ酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩などの緩衝剤、および塩化ナトリウムもしくはデキストロースなどの浸透圧の調節のための薬剤を含むことができる。pHは塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基で調節可能である。
例えば静脈製剤および投与方法などの非常に多様な製剤および投与方法はS.K.Niazi,ed.,Handbook of Pharmaceutical Formulations,Vols.1−6[Vol.1 Compressed Solid Products,Vol.2 Uncompressed Drug Products,Vol.3 Liquid Products,Vol.4 Semi−Solid Products,Vol.5 Over the Counter Products、およびVol.6 Sterile Products],CRC Press,April 27,2004にある。
経口投与または非経口投与に有用な液剤は、例えばRemington、s Pharmaceutical Sciences,18th ed.(Mack Publishing Company,1990)に記載の医薬分野において周知である方法のいずれかによって調製することができる。非経口投与用製剤は口腔投与用グリココレート、直腸内投与用メトキシサリチレート、または経膣投与用クエン酸も含むことができる。非経口製剤は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器または多用量バイアルに封入することができる。また、直腸内投与用坐薬は、薬剤と、室温では固体であり体温では液体であるカカオバター、他のグリセリドまたは他の組成物などの非刺激性賦形剤とを混合することで調製することができる。製剤はまた、例えばポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、植物起源の油、および硬化ナフタレンを含むことができる。直接投与用製剤はグリセリンおよび他の高粘度組成物を含むことができる。これらの薬剤に有用であり得る他の非経口担体には、エチレン−酢酸ビニル共重合体粒子、浸透圧ポンプ、埋め込み式注入システム、およびリポソームなどがある。吸入投与用製剤は、賦形剤として、例えば乳糖を含有することができ、例えばポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココレートおよびデオキシコレートを含む水溶液、または点鼻剤の形態でのまたは鼻腔内に投与されるゲルとしての投与用の油系液剤であることができる。留置浣腸を直腸送達に使用してもよい。
経口投与に好適な本発明の製剤は、それぞれ所定量の薬剤を含有するカプセル剤、ゼラチンカプセル剤、サシェ剤、錠剤、トローチ剤もしくはロゼンジ剤などの分離単位;粉末もしくは顆粒組成物;水系液体もしくは非水系液体中の液剤もしくは懸濁液;または水中油型乳濁剤もしくは油中水型乳濁液の形態であることができる。薬剤はボラス剤、舐剤もしくはペーストの形態で投与することもできる。錠剤は、薬剤を適宜に1以上の補助成分と共に圧縮または成形することで作ることができる。圧縮錠は、適宜に結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤または分散剤と混合した粉剤または粒剤などの自由流動形態の薬剤を好適な機械で圧縮することで製造することができる。成形錠剤は、粉末薬剤と不活性液体希釈剤で湿らせた好適な担体との混合物を好適な機械で成形することで製造することができる。
概して、経口組成物は、不活性希釈剤または食用担体を含む。経口治療投与に関して、活性化合物を賦形剤と共に組み入れることができる。洗口液として使用される流体担体を用いて調製される経口組成物は、流体担体中の化合物を含むものであり、経口投与され、洗いに使われ、吐き出されるかまたは飲み込まれる。医薬として適合性の結合剤および/または補助材料を組成物の一部として含むことができる。錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチ剤などは、次の成分または同様の性質の化合物:結晶セルロース、トラガントガムもしくはゼラチンなどの結合剤;デンプンもしくはラクトースなどの賦形剤;アルギン酸、Primogelもしくはコーンスターチなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムもしくはSterotesなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤;ショ糖もしくはサッカリンなどの甘味料;またはペパーミント、サリチル酸メチルもしくはオレンジ香味料などの香味料のいずれかを含有することができる。
注射用に好適な医薬組成物としては、滅菌水溶液(水溶性の場合)もしくは分散液および滅菌注射用液剤もしくは分散液の即時調製用の無菌粉剤などがある。静脈投与の場合、好適な担体には、生理食塩水、静菌水、Cremophor ELTM(BASF,Parsippany,NJ)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)などがある。それは製造条件下および貯蔵条件下で安定であるべきであり、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されるべきである。担体は、例えば、水、エタノール、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、ならびにそれらの好適な混合物を含む溶媒もしくは分散媒であることができる。例えば、レシチンなどのコーティングの使用、分散液の場合に必要な粒径の維持、および界面活性剤の使用により、適当な流動性を維持することができる。多くの場合、等張剤、例えば糖、マンニトールなどの多価アルコール、ソルビトール、および塩化ナトリウムを本組成物中に含むことが好ましい。吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物中に含むことで、注射用組成物の長期吸収をもたらすことができる。
必要量の活性化合物を適切な溶媒中に、上記で列挙した成分の一つもしくは組み合わせを必要に応じて組み入れた後、濾過滅菌を行うことで、滅菌注射用液剤を調製することができる。概して、塩基性分散媒および上記で列挙した必要な他の成分を含有する滅菌媒体に活性化合物を組み入れることで、分散液は調製される。滅菌注射用液剤の調製用の滅菌粉剤の場合、調製方法としては、有効成分と何らかのさらなる所望の成分との粉末を、すでに滅菌濾過したその溶液から得る真空乾燥および凍結乾燥などがある。
関節内投与に好適な製剤は、微結晶形態であることができる薬剤の滅菌水系製剤の形態、例えば、水系微結晶懸濁液の形態であることができる。また、リポソーム製剤または生体分解性ポリマーシステムを使用して、関節内投与および眼内投与の両方のための薬剤を提供することもできる。
点眼処置などの局所投与に好適な製剤には、リニメント剤、ローション剤、ゲル剤、塗布剤;クリーム剤、軟膏もしくはペーストなどの水中油型もしくは油中水型乳濁液;または滴剤などの液剤もしくは懸濁液などの、液体または半液体製剤などがある。ローション、クリーム、軟膏もしくは石鹸剤などの皮膚表面への局所投与用の製剤は、薬剤を皮膚科学的に許容される担体で分散させることで調製することができる。皮膚上に薄膜もしくは層を形成することで塗布を局在させ、除去を防止することができる担体が有用である。内部組織表面への局所投与では、組織表面への吸着を促進することが知られている液体組織接着剤その他の物質に薬剤を分散させることができる。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースもしくはフィブリノゲン/トロンビン溶液を有利に使用することができる。あるいは、ペクチン含有製剤などの組織コーティング溶液を使用することができる。
吸入処置では、スプレー缶、ネブライザーまたは噴霧器によって投薬する粉剤(自己推進製剤または噴霧製剤)の吸入を使用することができる。そのような製剤は、粉末吸入装置からの肺投与用の微粉剤、または自己推進粉末投薬製剤の形態であることができる。自己推進溶液および噴霧製剤の場合、所望のスプレー特性を有するバルブ(すなわち、所望の粒径を有するスプレーを作ることができる)の選択によって、または制御された粒径での懸濁粉末として有効成分を組み入れることによって、効果を達成することができる。吸入による投与では、好適な推進剤、例えば二酸化炭素などのガスを入れた加圧容器もしくはディスペンサー、またはネブライザーからエアロゾルスプレーの形態で化合物を送達することもできる。
全身投与は経粘膜手段または経皮手段によるものであることもできる。経粘膜または経皮投与では、透過すべき障壁に適した浸透剤を製剤で使用する。そのような浸透剤は一般に当業界において公知であり、例えば経粘膜投与には、界面活性剤および胆汁酸塩などがある。経粘膜投与は、経鼻噴霧剤または坐薬の使用によって達成することができる。経皮投与では、活性化合物は代表的には、当業界において一般に公知の軟膏、塗擦剤、ゲルまたはクリームに製剤される。
移植片およびマイクロカプセル化送達系などの制御放出製剤のように、活性化合物は、身体からの急速な排出に対してその化合物を保護する担体を用いて製造することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸などの生体分解性、生体適合性ポリマーを使用することができる。そのような製剤の調製方法は当業者には明らかであろう。リポソーム懸濁液を、医薬として許容される担体として使用することもできる。これらは、例えば米国特許第4,522,811号に記載のような当業者に公知の方法に従って調製することができる。
経口または非経口組成物は、投与の容易さおよび用量の均一性のために、単位製剤で製剤することができる。単位製剤とは、処置される対象者用の単位投与量として適した物理的に分離された単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と組み合わせて、所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含む。本発明の単位製剤の規格は、活性化合物の特有の特性、および達成すべき治療効果、ならびに個体の処置用にそのような活性化合物を調合する分野に固有の制限により規定され、直接それによって決まる。さらに、投与は、ボラス剤の周期的注射によるものであることができ、または外部貯留物(例えば静脈バッグ)からの静脈投与、筋肉投与または腹腔内投与によって、より連続的なものとすることができる。
組織表面への接着が望まれる場合、組成物は、フィブリノゲン−トロンビン組成物その他の生体接着剤中に分散した薬剤を含むことができる。次に、化合物を所望の組織表面に塗布、噴霧または他の手法で塗ることができる。あるいは、薬剤をヒトその他の哺乳動物への非経口もしくは経口投与用に、例えば有効量で、例えば所望の効果を誘発するだけの時間にわたって適切な濃度の薬剤を標的組織に提供する量で製剤することができる。
活性化合物を移植術の一部として使用する必要がある場合、ドナーからの組織または臓器の摘出前に、移植されるべき生組織または臓器にその化合物を与えることができる。その化合物をドナー宿主に与えることができる。あるいはまたはさらに、ドナーから摘出された時点で、臓器または生組織を、活性化合物を含む保存液に入れることができる。いずれの場合でも、活性化合物は、所望の組織に直接、例えば組織への注射によって投与することができるか、本明細書に記載のおよび/または当技術分野において公知の方法および製剤のいずれかを用いて、経口投与または非経口投与によって全身的に与えることができる。薬剤が組織または臓器保存液の一部を含む場合、市販の保存液を有利に使用することができる。例えば、当技術分野において公知の有用な溶液としては、コリンズ液、ウィスコンシン液、ベルツァー液、ユーロコリンズ液および乳酸添加リンゲル液などがある。
本発明の方法との関連で、薬理ゲノム学(すなわち、個体の遺伝子型と外来の化合物もしくは薬剤に対するその個体の応答との間の関係に関する研究)を考慮することができる。治療薬の代謝における違いにより、薬理活性薬剤の用量と血中濃度との間の関係を変えることで重度の毒性や治療不首尾に至る可能性がある。そこで、医師または臨床医は、薬剤を投与するか否かを決定する上で、ならびに用量および/または薬剤による処置の治療計画を作り上げるのに、関連する薬理ゲノム学研究において得られた知見を用いることを検討することができる。
概して、活性化合物の有効な投薬量は約0.1から約100mg/kg/日、より好ましくは約1.0から約50mg/kg/日の範囲である。また、投与される量は、手術または侵襲的医療処置の種類、患者の全身の健康状態、送達される化合物の相対的生体利用度、薬剤の製剤、製剤中の賦形剤の存在および種類、ならびに投与経路などの可変要素によって決まる可能性が高い。さらに、理解すべき点として、投与される初期用量を、所望の血中レベルまたは組織中レベルを速やかに実現するために上記の上限レベルを超えて増大させることがあり得ること、または初期用量が至適量よりも少ない場合があり得る。
活性化合物の用量は、用量当たり約0.1から約1500mgであるが、これに限定されるものではない。患者に簡便に投与するため単位用量として製剤可能な用量の例としては、次のもの:約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、約500mg、約525mg、約550mg、約575mg、約600mg、約625mg、約650mg、約675mg、約700mg、約725mg、約750mg、約775mg、約800mg、約825mg、約850mg、約875mg、約900mg、約925mg、約950mg、約975mg、約1000mg、約1025mg、約1050mg、約1075mg、約1100mg、約1125mg、約1150mg、約1175mg、約1200mg、約1225mg、約1250mg、約1275mg、約1300mg、約1325mg、約1350mg、約1375mg、約1400mg、約1425mg、約1450mg、約1475mgおよび約1500mgなどがあるが、これらに限定されるものではない。上述の用量は、本発明の方法に従って本発明の化合物を投与するのに有用である。
当業者であれば理解するように、一般に、医薬有効成分について用量が記載される場合、その用量は親部分または活性部分に基づいて提供されるものである。従って、親部分もしくは活性部分の塩、水和物または別の形態を使用する場合、化合物の重量における相当する調節を行うが、用量はなおも、送達される親部分もしくは活性部分に基づいて言及される。1例を挙げると、対象の親部分もしくは活性部分が分子量250を有するモノカルボン酸である場合、そしてその酸のモノナトリウム塩を同じ用量で送達することが望まれる場合、そのモノナトリウム塩が分子量約272を有するものと考えて調節を行う(すなわち、1Hもしくは1.008原子質量単位を引き、1Naもしくは22.99原子質量単位を足す)。従って、親化合物もしくは活性化合物の用量250mgは、モノナトリウム塩約272mgに相当するものと考えられ、それは親化合物もしくは活性化合物250mgを送達するものとも考えられる。言い換えれば、モノナトリウム塩約272mgは、親化合物もしくは活性化合物の用量250mgと等価であると考えられる。
製剤例
I.静脈内投与用製剤

成分 量

本発明の抗微生物化合物 合計0.1から1500mg
ブドウ糖、USP 50mg/ml
クエン酸ナトリウム、USP 1.60から1.75mg/ml
クエン酸、USP 0.80から0.90mg/ml
水、USP q.s.
この静脈投与用製剤は、注射用水を約60℃に加熱することで製剤される。次に、クエン酸ナトリウム、クエン酸およびブドウ糖を加え、溶解するまで攪拌する。前述の混合物に抗微生物化合物の溶液もしくは水系スラリーを加え、溶解するまで攪拌する。混合物を攪拌下に冷却して25℃とする。pHを測定し、必要に応じて調節する。最後に、混合物を、必要に応じて、注射用水で所望の体積とする。混合物を濾過し、所望の容器(バイアル、注射器、注入容器など)に充填し、包装し、端部を湿式加熱滅菌する。
この製剤は、感染を治療するか、予防するか、リスクを低下させるか、発症を遅延させるための患者へのボラスまたは注入による静脈投与に有用である。
II.再生用凍結乾燥物
あるいは、抗微生物化合物を凍結乾燥物として与えることができ、それは静脈投与または筋肉投与に先だって再生することができる。

成分 注入バイアル当たりmg

本発明の抗微生物化合物 0.1から1500
シクロデキストリン 1500
投与される体積50mLのための再生溶液(注入):5%グルコース水溶液。
投与される体積15mLのための再生溶液(ボラス):3.3%グルコース水溶液。
上述の凍結乾燥物は、再生し、感染を治療するか、予防するか、リスクを低下させるか、発症を遅延させるために患者にボラスまたは注入で静脈投与するのに有用である。
III.再生用凍結乾燥物

成分 注入バイアル当たりmg

本発明の抗微生物化合物 0.1から1500
大豆レシチン 2250
コール酸ナトリウム 1500
投与される体積50mLのための再生溶液(注入):4%グルコース水溶液。
投与される体積15mLのための再生溶液(ボラス):2%グルコース水溶液。
上述の凍結乾燥物は、再生し、感染を治療するか、予防するか、リスクを低下させるか、発症を遅延させるために患者にボラスまたは注入で静脈投与するのに有用である。
IV.再生用凍結乾燥物

成分 注入バイアル当たりmg

本発明の抗微生物化合物 0.1から1500
大豆レシチン 900
グリココール酸ナトリウム 540
投与される体積15mLのための再生溶液(ボラス):3.3%グルコース水溶液。
上述の凍結乾燥物は、再生し、感染を治療するか、予防するか、リスクを低下させるか、発症を遅延させるために患者にボラスまたは注入で静脈投与するのに有用である。
V.経口投与用錠剤

成分 錠剤当たり 錠剤4000個当たり

本発明の抗微生物化合物 0.1から1500mg 0.4から6000g
無水乳酸,NF 110.45mg 441.8g
微結晶セルロースNF 80.0 mg 320.0g
ステアリン酸マグネシウム 微粉NF 1.00mg 4.0g
クロスカルメロースナトリウムNF A型 2.00mg 8.0g

抗微生物化合物(所望の送達強度、例えば錠剤1個当たり50から1500mgに等価な化合物のいずれか)を微結晶セルロースNFの1/3および無水ラクトースNFの1/2とリボンブレンダー中、20RPMで5分間前混合する。得られたプレミックスに結晶セルロースNFの残り2/3および無水ラクトースNFの残り1/2を加える。これを20RPMで10分間混合する。混合粉末にクロスカルメロースナトリウムを加え、20RPMで5分間混和する。最後に、ステアリン酸マグネシウムを90メッシュスクリーンに通すことで混合物に加え、20RPMでさらに5分間混合する。潤滑した混合物を圧縮して、有効成分500mgの錠剤を得る。
これらの錠剤は、感染を治療するか、予防するか、そのリスクを低下させるか、発症を遅延させるために患者に経口投与するのに有用である。
6.実施例
核磁気共鳴(NMR)スペクトルをBruker Avance 300もしくはAvance 500分光計、または場合により、GE−Nicolet 300分光計で得た。別段の断りがない限り、一般的な反応溶媒は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)用または米国化学会(ACS)級であり、製造者から得た時には脱水品であった。別段の断りがない限り、「クロマトグラフィー」または「シリカゲルにより精製」とは、シリカゲル(EM Merck、シリカゲル60、230から400メッシュ)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーを指す。
本発明の化合物もしくはそれの互変異体、または当該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩、エステルもしくはプロドラッグは、手近な特定の状況に適応した公知の化学的変換を使用して製造することができる。
実施例の合成の下記の実験的詳細において使用される略語の一部は以下に定義の通りである。すなわちhまたはhr=時間;min=分;mol=モル;mmol=ミリモル;M=モル;μM=ミクロモル;g=グラム;μg=ミクログラム;rt=室温;L=リットル;mL=ミリリットル;EtO=ジエチルエーテル;THF=テトラヒドロフラン;DMSO=ジメチルスルホキシド;EtOAc=酢酸エチル;EtN=トリエチルアミン;i−PrNEtもしくはDIPEA=ジイソプロピルエチルアミン;CHCl=塩化メチレン;CHCl=クロロホルム;CDCl=重水素化クロロホルム;CCl=四塩化炭素;MeOH=メタノール;CDOD=重メタノール;EtOH=エタノール;DMF=ジメチルホルムアミド;BOC=t−ブトキシカルボニル;CBZ=ベンジルオキシカルボニル;TBS=t−ブチルジメチルシリル;TBSCl=t−ブチルジメチルシリルクロリド;TFA=トリフルオロ酢酸;DBU=ジアザビシクロウンデセン;TBDPSCl=t−ブチルジフェニルクロロシラン;ヒューニッヒ塩基=N,N−ジイソプロピルエチルアミン;DMAP=4−ジメチルアミノピリジン;CuI=ヨウ化銅(I);MsCl=塩化メタンスルホニル;NaN=アジ化ナトリウム;NaSO=硫酸ナトリウム;NaHCO=炭酸水素ナトリウム;NaOH=水酸化ナトリウム;MgSO=硫酸マグネシウム;KCO=炭酸カリウム;KOH=水酸化カリウム;NHOH=水酸化アンモニウム;NHCl=塩化アンモニウム;SiO=シリカ;Pd−C=パラジウム炭素;Pd(dppf)Cl=ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)。
本発明に従って合成される例示的化合物を、表1に挙げてある。太線または破線の結合はキラル中心での特定の立体化学を示すために示され、一方、波線の結合は、置換基がいずれの配向であってもよいこと、または化合物がその混合物であることを示す。
本発明の化合物は、塩、エステルおよびプロドラッグとして製造、製剤および送達することができる。便宜上、当該化合物は概して、特定の塩、エステルまたはプロドラッグの形態を示すことなく図示される。
本発明の化合物を、下記の表1に示す。入手可能な場合、ESI−LCMS(エレクトロスプレーイオン化−液体クロマトグラフィー質量分析)データが提供される。データが入手可能でない場合、これを「NA」によって示す。別段の断りがある場合を除き、LCMSデータは、書式[M+H]におけるm/zの慣行を用いて提供される。
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
本発明の化合物は、当業者に公知の合成化学技術を用いて製造することができる。
実施例1:化合物1から582の合成
化合物1から582を、WO2012/173689および図式1から10に記載の方法に従って合成した。化合物81、85、92、135、336、340、349、353および357は、下記に記載の方法に従って合成した。
化合物81の合成図式
Figure 2016536338
ピリジンパラ−トルエンスルホネート(2.6g)および硫酸マグネシウム(124g)を、(R)−(+)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド(25g)および4−ブロモベンズアルデヒド(42g)のジクロロメタン(300mL)中溶液に加えた。得られた混合物を、環境温度で終夜撹拌した。次に、得られた溶液を濾過し、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ジクロロメタン)によって精製して、化合物1a 48.8gを得た。化合物1a(10.1g)のテトラヒドロフラン(THF、100mL)中溶液を、−75℃で3−ブテニルマグネシウムブロマイド(200mL、0.5M THF中溶液)で処理した。混合物をゆっくり昇温させて環境温度とし、終夜撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液で反応停止し、酢酸エチルで抽出した(100mLで3回)。合わせた有機層を脱水し(無水硫酸ナトリウムで)、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(40%酢酸エチル/ヘプタン)によって精製して、2aおよび3aを得た。メタノール(15mL)中の化合物3a(2g)を5から6N HCl/イソプロパノール(5mL)で処理して、アミン4a(1.2g)を塩酸塩として得た。WO2012173689に記載のものと同様の方法を用い、上記図式に示した方法に従って、化合物4aを化合物81(ESI、m/z607.1[M+H])に変換した。化合物11aの合成については、WO2012173689に記載されている。
化合物85の合成図式
Figure 2016536338
上記の化合物81についての合成図式に示した方法に従って、化合物6aに関するものと同様の方法を用いて、化合物31aを合成した。四酸化オスミウムおよび過ヨウ素酸ナトリウム−シリカゲル組み合わせを用いる酸化によって、それをアルデヒド32aに変換した。次に、アルデヒド32aについて、2−アミノチアゾールによる還元的アミノ化、次に保護を行って、33aを得た。WO2012173689に記載のものと同様の方法を用いて、この中間体を、化合物85(ESI、m/z340.1[M+H]+2)に変換した。
化合物92の合成図式
Figure 2016536338
化合物2aを、5から6N HCl/イソプロパノールで処理して、相当するアミンを得て、それを保護されたアミン18aとして単離した。18a(2.27g)のTHF中溶液に、9−BBN(24.2mL、0.5M THF中溶液)を加え、環境温度で終夜撹拌した。溶液を過酸化水素で反応停止し、後処理して、19a(2.3g)を得た。そのアルコール19aを、上記図式に示した標準的な合成プロトコールを用いて20a(0.9g)に変換した。WO2012173689に記載のものと同様の方法を用い、上記の図式に示した方法に従って、化合物20aを化合物92(ESI、m/z567.1[M+H])に変換した。
化合物135の合成図式
Figure 2016536338
WO2012173689に記載のものと同様の方法を用い、上記の図式に示した方法に従って、中間体24a(合成については、WO2012173689に記載)を化合物135(EST、m/z585.1[M+H])に変換した。下記の図式に示した手順を用いて、アルキン誘導体25aを製造した。
Figure 2016536338
9−BBN(2.1g)を、27a(4g)のトルエン(15mL)およびTHF(15mL)中溶液に加え、得られた混合物を環境温度で終夜撹拌した。得られた溶液を濃縮し、トルエン(40mL)および1N NaOH(30mL)中の15aを加え、次にPd(PPhを加えた。得られた混合物を60℃で24時間加熱した。標準的な後処理および精製手順後、28a 4.7gを得た。その中間体を6N HClで処理して相当するアミノアルコール(2.4g)を生成させ、それを無水トリフルオロメチルスルホン酸およびアジ化ナトリウムで処理して、相当するアジド(2.4g)を得た。このアジド(1.7g)をDASTと、次にトリフェニルホスフィンおよびクロルギ酸ベンジル(CbzCl)で処理して、29a(0.8g)を、クロマトグラフィー後に純粋品として得た。その多ハロゲン化誘導体29aを、上記で示した30aとカップリングさせて、後処理および精製後に純粋な25a(0.5g)を得た。
化合物340の合成図式
Figure 2016536338
37(2.5g、5.3mmol)のDMF(20mL)中溶液に、0℃でCHI(0.37mL、5.8mmol)と、次にNaH(鉱油中60%懸濁物、0.53g、13.2mmol)を加え、その温度で1.5時間撹拌した。次に、混合物を昇温させて室温とし(1時間)、その後に冷水(50mL)およびブライン(50mL)でゆっくり反応停止した。溶液をEtOAcで抽出し(50mLで3回)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(50mLで3回)、脱水し、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(25%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、38(2.3g)を得た。38(2.3g、4.7mmol)、ビス(ピナコラト)ジボラン9a(1.5g、5.7mmol)、Pd(dppf)Cl・CHCl(0.207g、0.3mmol)、および酢酸カリウム(KOAc)(1.4g、14.1mmol)のDMF(25mL)中混合物を脱気し、アルゴン雰囲気下に85℃で終夜加熱した。その混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、水で洗浄し(50mLで3回)、MgSOで脱水し、濾過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(25%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、39(2.2g)を得た。Cu(OAc)(0.906g、4.9mmol)を、39(2.2g、4.1.mmol)、4−アミノ−5−ヨード−1H−ピリミジン−2−オン9a(1.07g、4.5mmol)、MeOH(40mL)およびHO(10mL)の混合物に加え、次にN,N,N’,N’−テトラメチル−エタン−1,2−ジアミン(2.3mL、10.2mmol)を加えた。次に、その混合物を空気下に室温で48時間撹拌してから、濃縮して体積を約130mLとした。残留物をEtOAc(100mL)と20%NHOH/飽和NHCl溶液(100mL)との間で分配した。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出し(25mLで3回)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(100mLで3回)、脱水し、濃縮した。この取得物(2.5g、3.9mmol)をEtOAc(20mL)に溶かし、無水安息香酸(1.43g、6.2mmol)、EtN(1.6mL、9.7mmol)で処理し、24時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)と飽和NaCO溶液(100mL)との間で分配した。有機層を分離し、脱水し、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(20%から40%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、40(1.55g)を得た。化合物40(0.5g、0.7mmol)および化合物11a(0.275g、0.73mmol)を脱水DMF(6mL)に溶かした。その溶液をアルゴンでパージし、Cu(0.018g、0.09mmol)、Pd(PPh(0.05g、0.04mmol)およびEtN(0.27mL、2.6mmol)を加え、80℃から85℃で終夜撹拌した。次に、溶液を冷却して室温とし、CHOH(10mL)およびEtN(1mL)を加え、得られた混合物を80℃で6時間撹拌した。冷却して環境温度とした後、混合物をEtOAc(50mL)と20%NHOH/飽和NHCl溶液(50mL)との間で分配した。有機層を分離し、脱水し、濃縮し、分取薄層クロマトグラフィー(90%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、41(0.62g)を得た。
中間体41をCHOH(20mL)および6N HCl{12mL)に溶かし、加熱して40℃として5時間経過させた。それを濃縮して乾燥させ、CHOH(15mL)に再溶解させ、ヒューニッヒ塩基(0.5mL、3.0mmol)を加え、次に13a(0.208g、0.66mmol)を加え、得られた混合物を室温で24時間撹拌した。その溶液をEtOAc(75mL)とブライン(100mL)との間で分配し、有機層を分離し、水で洗浄し(25mLで2回)、脱水し、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)によって精製した。そうして得られたこの取得物をチオアニソール(0.1mL)およびTFA(10mL)で処理し、加熱して50℃として、原料が消失するまで経過させた。反応混合物を濃縮し、8ミクロン不定形C−18コーティングされたシリカを充填したVarian L4002カラム(50mm(内径)×300mm)を用いるShimadzu 10A−VP HPLC装置によって精製した。移動相(A、水)および(B、メタノール)は、緩衝剤として0.15体積(vol)%のTFAを含んでいた(流量:58mL/分;40分間での20%から100%MeOH/水の勾配を行い、次に5分間定組成100%MeOHとした。)。検出は220nmで行った。生成物は、R=約40から45分で溶出した。純粋な分画(LCMSおよび/またはHPLCアッセイによる)を減圧下に濃縮した。残留物を1.0N HCl/HO(5mL)で処理し、濃縮してほぼ乾固させた。後者の段階を繰り返し、残留物をHO(3mL)に溶かした。MeCN(1mL)を加え、混合物を終夜凍結乾燥させて(真空:2から5Pa)、所望の化合物340を塩酸塩として得た(3HCl)(240mg、ESI、m/z597.8[M+H])。
化合物349の合成図式
Figure 2016536338
(R)−(+)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド(25g)および4−ブロモベンズアルデヒド(42g)のジクロロメタン(300mL)中溶液に、ピリジンパラ−トルエンスルホネート(2.6g)および硫酸マグネシウム(124g)を加え、得られた混合物を環境温度で終夜撹拌した。次に、混合物を濾過し、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ジクロロエタン)によって精製して、化合物46 48.8gを得た。次に、化合物46(10.1g)のテトラヒドロフラン(THF、100mL)中溶液を−75℃で3−ブテニルマグネシウムブロマイド(200mL、0.5M THF中溶液)によって処理した。混合物をゆっくり昇温させて環境温度とし、終夜撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液で反応停止し、酢酸エチルで抽出し(100mLで3回)、合わせた有機層を脱水し(無水硫酸ナトリウムで)、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(40%酢酸エチル/ヘプタン)によって精製して、47(4.1g)および48(5.6g)を得た。H NMR(300MHz、CDCl):δ7.47(d、J=9Hz、2H)、7.19(d、J=9Hz、2H)、5.75(m、1H)、4.97(dd、2H)、4.32(m、1H)、3.36(d、J=3Hz、1H)、2.07(m、1H)、1.94(m、2H)、1.81(m、1H)、1.22(s、9H)。
メタノール(30mL)中の化合物48(5.6g)を5から6N HCl/イソプロパノール(15mL)で処理して中間体アミンを得て、次にそれを飽和KCO溶液(100mL)およびジ−tert−ブチルジカーボネート((Boc)O、6g)で処理し、72時間撹拌した。得られた溶液を濃縮し、EtOAcで抽出した(100mLで2回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(100mLで2回)、脱水し、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(CHCl)によって精製して、49(7.3g)を得た。H NMR(300MHz、CDCl):δ7.45(d、J=8.3Hz、2H)、7.14(d、J=8.3Hz、2H)、5.78(m、1H)、5.00(dd、2H)、4.77(brd、1H)、4.57(brd、1H)、2.04(m、2H)、1.78(m、2H)、1.35(s、9H)。
49(7.3g、21.5mmol)およびNMO(5.8g、43.0mmol)の混合物に、アセトン(100mL)と、次に四酸化オスミウム(OsO)(5から6mL、1%水溶液、0.215mmol)を加え、得られた混合物を環境温度で終夜撹拌した。反応混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(100mL)で反応停止し、酢酸エチルで抽出し(75mLで3回)、ブラインで洗浄し(100mLで1回)、脱水し、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(MeOH:CHCl、1:9)によって精製して、50を定量的に得た。50およびNaIO−シリカゲル(43g、1.02mmolg)のCHCl(150mL)中混合物を5時間撹拌し、濾過し、濃縮して51を得て、それをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。51およびウィティッヒ塩52(10g、43mmol)の混合物を、CHCN(70mL)とともに封管中に入れ、72時間加熱還流した。次に、溶液を濃縮し、EtOAcで抽出し(75mLで3回)、ブラインで洗浄し(75mLで3回)、脱水し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー.(30%ヘプタン/EtOAc)によって精製して、53 4.3gを得た。H NMR(300MHz、CDCl):δ7.46(d、J=8.3Hz、2H)、7.14(d、J=8.3Hz、2H)、6.90(dt、J=15.6、6.8、1H)、5.79(d、J=15.6、2H)、4.8(d、J=7.8、1H)、4.58(brs、1H)、4.15(q、2H)、2.19(m、2H)、1.87(m、2H)、1.40(s、9H)、1.28(t、3H)。
アセトン−ドライアイス浴(−60℃)で冷却した53(2.04g、4.95mmol)のTHF(25.0mL)中溶液に、カリウムtert−ブトキシド(0.433g、3.96mmol、0.8当量)を1回で加え、得られた混合物を例えば−60℃で撹拌した。アセトン−ドライアイス浴温を上昇させて約−20℃とし、必要に応じてドライアイスを加えることで、それを約−20℃に維持した。その温度で2時間撹拌後、水(10.0mL)を加えることで反応停止し、得られた溶液を昇温させて室温とした。反応混合物をエーテルで希釈し、層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、濃縮して、淡黄色粗粘稠液体約2.13gを得て、それを、Combiflashクロマトグラフィー(80g silicycleカラム、溶離液として0%から20%から40%EtOAc/ヘプタン)を用いて精製して、54(0.378g、19%、少量成分、シス異性体)および55(0.593g、29%、主要成分、トランス異性体)を得た。
氷浴で冷却した55(1.30g、3、16mmol)のTHF(15.0mL)中溶液に、LiBHを1回で加え、得られた溶液を昇温させて室温とし、アルゴン雰囲気下に撹拌した。室温で終夜(17時間)撹拌した後、LC/MSでなお原料が存在していることが示されたことから、追加のLiBH約0.5g(22.7mmol)を加えて、反応が完了するように促進させた。室温で21時間撹拌後、反応液を氷浴で冷却し、氷および1N HCl溶液をゆっくり加えることでゆっくり反応停止した(注意:激しい発泡を伴って発熱反応があることから、HClを非常にゆっくり加える。)。次に、反応混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、濃縮して、淡黄色粘稠液体1.17g(アルコール}を得て、それをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
1級アルコール1.17g(約3.16mmol)をCHClに溶かし、EtN(0.66mL、4.74mmol、1.5当量)を加えた。混合物を氷浴(0℃)で冷却し、MsCl(0.27mL、3.5mmol、1.1当量)を加えた。得られた溶液を昇温させて室温とし、アルゴン下に24時間撹拌した(さらなる当量のMsClおよびEtNを必要に応じて加えて、反応完了に向けて推進させ、LC/MSおよびTLCによってモノタリングした。)。次に、冷水で反応停止し、層を分離し、水層をCHClで抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濃縮して、粘稠油状メシレート(約1.51g)を得て、それをそれ以上精製せずに次の段階に用いた。
前の段階で得られたメシレート(粗、3.16mmol)およびNaN(0.62g、9.48mmol、3当量)のDMF(10.0mL)中溶液を、アルゴン雰囲気下に油浴にて加熱して70℃から75℃とした。15時間後、LC/MSにより、原料が完全に変換されたことが示され、反応混合物を冷却して室温とし、水(20.0mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を脱水し(NaSO)、濃縮して、粘稠液体(アジド)を得て、それをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
粗アジド(3.16mmol)のTHF(10.0mL)および水(2.0mL)中溶液に室温で、トリフェニルホスフィン(1.66、6.32mmol、2当量)を加え、得られた混合物を油浴で加熱して60から65℃として16時間経過させた(原料の変換についてLC/MSによってモニタリング)。16時間後、加熱を停止し、反応混合物を冷却して室温とした。飽和NaHCO溶液(10.0mL)およびEtNPr(約1.0mL、2当量)を加え、次にジ−tert−ブチルジカーボネート((BocO、1.1g、5.06mmol、1.6当量)を加え、得られた混合物を油浴で加熱して45から50℃として46時間経過させた。反応混合物を冷却して室温とし、水およびEtOAcで希釈し、層を分離した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を脱水し(NaSO)、濃縮して粘稠液体を得て、それをCombiflashクロマトグラフィー(40gカラム、勾配−溶離液として0%から40%から60%EtOAc/ヘプタン)を用いて精製して、56 0.521gを得た(5段階で収率35%)。
56(0.55g、1.2mmol)のDMSO(6.0mL)中溶液にアルゴン雰囲気下、ビスピナコラトジボラン7a(0.36g、1.4mmol、1.2当量)および酢酸カリウム(0.35g、3.6mmol、3.0当量)を加え、次にPdCl(dppf)CHCl(0.05g、0.06mmol、5モル%)を加えた。得られた混合物を、撹拌下にアルゴン雰囲気下で80から85℃にて20時間加熱した。LC/MSによって反応完結が示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、水(15.0mL)および60%から70%EtOAc/ヘプタンで希釈した。層を分離し、水層を60%EtOAc/ヘプタンで抽出した。合わせた有機層を脱水し、濃縮して、暗褐色粘稠液体を得て、それを、Combiflashクロマトグラフィー(40gカラム、溶離液として0%から40%EtOAc/ヘプタン)を用いて精製して、58 0.497g(80%)を得た。
58(0.497g、0.96mmol)のMeOH:HO(4:1、25.0mL)中溶液に、ヨードシトシン9a(0.251g、1.06mmol、1.1当量)と、次にCu(OAc)・HO(0.18g、0.96mmol、1.0当量)およびTMEDA(0.3mL、1.92mmol、2.0当量)を加えた。得られた溶液を室温で撹拌し、反応混合物に空気を非常にゆっくり吹き込んだ。室温で19時間撹拌後、反応混合物を濃縮してMeOHを除去し、水で希釈した。CHCl層を分離し、水層をCHClでさらに2回抽出した。合わせた有機層を脱水し(無水NaSO)、濃縮して、カップリング生成物を得て、それをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
EtOAc(1.0mL)中溶液に、BzO(0.26g、1.15mmol.12当量)を加え、得られた溶液をアルゴン雰囲気下に油浴で加熱して70から75℃として3時間経過させた。LC/MSによって反応完結が示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、飽和NaHCO溶液で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を脱水し(NaSO)、濃縮して粘稠液体を得て、それをCombiflashクロマトグラフィー(40gカラム、溶離液として0%から40%から60%EtOAc/ヘプタン)を用いて精製して、60 0.45g(2段階で64%)を白色固体として得た。
60(0.252g、0.35mmol)のDMF(6.0mL)中溶液を脱気し、それにアルゴン雰囲気下に、アルキン11a(0.131g、0.35mmol、1.0当量)およびEtNPr(0.18mL、1.05mmol、3.0当量)と、次にPd(PPh(0.2g、0.08mmol、5モル%)およびCuI(0.007g、0.036mmol、10モル%)を加えた。得られた溶液にアルゴンを流し、アルゴン雰囲気下に撹拌しながら加熱撹拌して70から75℃として16時間経過させた。LC/MSによって60が完全に変換されたことを示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、MeOH(約8.0mL)を加えた。得られた溶液をアルゴン下に加熱して75℃から80℃として9時間経過させた(中間体の完全な変換について、LC/MSによってチェック)。反応混合物を冷却して室温とし、濃縮してMeOHを除去し、水(15.0mL)で希釈した。EtOAc(20mL)層を分離し、有機層をEtOAcで1回抽出した。合わせた有機層をNHOH、水およびブラインで洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮して暗褐色粘稠液体を得て、それを分取TLC(溶離液として100%EtOAc)を用いることで精製して、保護された中間体62(0.274g、90%)を粘稠液体として得た。
62(0.27g、0.31mmol)のCHCl(6.0mL)中溶液に、4N HClのジオキサン中溶液(1.5mL)を加え、得られた溶液を室温で2時間撹拌した。LC/MSによって原料の変換が完了していることが示されたら、反応混合物を濃縮し、真空乾燥して、脱保護アミン中間体を泡状物として得て、それをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
前記脱保護されたアミン中間体のMeOH(6.0mL)中溶液に室温で、EtNPr(0.54mL、3.1mmol、10.0当量)およびビス−boc−グアニルピラゾール13a(0.12g、0.37mmol、1.32当量)を加え、得られた反応混合物を室温で撹拌した。終夜(16時間)撹拌後、LC/MSにより、原料が完全に変換されたことが示された。反応混合物を濃縮して粘稠液体を得て、それをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
上記化合物(0.31mmol)のトリフルオロ酢酸(6.0mL)中溶液に、チオアニソール(3から4滴)を加え、得られた混合物を、油浴にて加熱しながら撹拌して45℃として、3時間経過させた。LC/MSによって反応完結が示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、濃縮し、Varian分取HPLC(方法35−65%B 50分)を用いて精製した。HPLC分画を濃縮し、得られたTFA塩を6N HClで処理することで(2回)、HCl塩に変換した。得られた固体を凍結乾燥して、349 0.102gを明黄色固体として得た。
化合物336の合成図式
Figure 2016536338
(1−メチル−ブタ−3−エンイル)−カルバミン酸ベンジルエステル64(6.0g、27.4mmol)のDMF(75mL)中溶液に、0℃でNaH(1.64g、41.1mmol、鉱油中60%分散品)を加え、得られた混合物を30分間撹拌した。溶液をゆっくり昇温させて環境温度とし、その後に4−ブロモベンジルブロマイド(7.53g、30.1mmol)を加え、混合物を不活性雰囲気下に終夜撹拌した。混合物をEtOAc(1.00mL)とブライン(1.00mL)との間で分配し、有機層を分離した。水層をEtOAcで抽出し(20mLで3回)、合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、減圧下に濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から50%エチルEtOAc/ヘプタン)によって精製して、(4−ブロモ−ベンジル)−(1−メチル−ブタ−3−エンイル)−カルバミン酸ベンジルエステル65(ESI、m/z388.6[M+H]) 7.2gを得た。65(7.2g、18.5mmol)のアセトン(50mL)中溶液を、OsO(1%水溶液、14.2mL、0.6mmol)と、次にN−メチルモルホリンN−オキサイド(5.1g、37.1mmol)で処理し、環境温度で終夜撹拌した。飽和Na水溶液で反応停止し、EtOAcで抽出した(50mLで3回)。合わせた有機層を水で洗浄し(50mLで2回)、無水NaSOで脱水し、溶媒留去して乾固させ、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:CHOH、14:1)によって精製した。この取得物をCHCl(100mL)に溶かし、NaIO−シリカゲル試薬(36.4g、1.0mmol/g)で処理した。2時間後、得られた溶液を濾過し、濃縮して透明油状物66、すなわち(4−ブロモ−ベンジル)−(1−メチル−3−オキソ−プロピル)−カルバミン酸ベンジルエステル(6.58g、EST、m/z390.5[M+H])を得て、それをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
66(6.58g、16.7mmol)、(R)−(+)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド(67、2.24g、18.6mmol)、ピリジンパラ−トルエンスルホネート(0.424g、1.7mmol)およびMgSO(2.23g、18.6mmol)の混合物を、CHCl(100mL)中、環境温度で終夜高撹拌した。反応混合物をCHCl(50mL)と水(50mL)との間で分配し、有機層を分離した。水層をCHClで抽出し(50mLで2回)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(100mLで2回)、無水NaSOで脱水し、溶媒留去して、68、すなわち(4−ブロモベンジル)−[1−メチル−3−(2−メチル−プロパン−2−スルフィニルイミノ)−プロピル]−カルバミン酸ベンジルエステル(9.43g)を透明油状物として得た。ESI、m/z、495.6[M+H]
ビニルマグネシウムブロマイド(38.2mL、1M THF中溶液)を68(9.43g、19.1mmol)のTHF(100mL)中溶液に−78℃で滴下し、原料が消失するまで、その温度で撹拌した。溶液を昇温させて0℃とし、NHCl溶液で反応停止した。得られた混合物をEtOAcで抽出し(50mLで3回)、無水NaSOで脱水し、減圧下に濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(20%から35%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、69、すなわち(4−ブロモベンジル)−[1−メチル−3−(2−メチル−プロパン−2−スルフィニルイミノ)−ペンタ−4−エンイル]−カルバミン酸ベンジルエステル(3.4g、ESI、m/z、521.6[M+H])および異性体70(3.8g)を得た。異性体70(3.83g、7.9mmol)をCHOH(50mL)に溶かし、5から6N HCl(2−プロパノール中、20mL)とともに環境温度で撹拌した。4時間後、溶液を濃縮し、THF(50mL)および水(30mL)に再溶解させた。この溶液にKCO(3.3g、23.6mmol)およびジ−tert−ブチルジカーボネート((Boc)O、2.6g、11.8mmol)を加え、得られた混合物を環境温度で終夜撹拌した。反応混合物を濃縮し、EtOAc(100mL)と水(100mL)との間で分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し(100mLで3回)、脱水し、濃縮して、71(5.32g)を黄色油状物として得た。71(5.32g、10.3mmol)、ビス(ピナコラト)ジボラン7a(3.13g、12.3mmol)、Pd(dppf)Cl・CHCl(0.42g、0.5mmol)、酢酸カリウム(KOAc)(3.03g、30.8mmol)のDMSO(25mL)中混合物を脱気し、アルゴン雰囲気下に加熱して85℃として終夜経過させた。混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、水で洗浄し(100mLで3回)、MgSOで脱水し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から50%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、72(3.28g、ESI、m/z、465.7[M+H])を得た。
Cu(OAc)(1.74g、8.7mmol)を、72(3.28g、5.8mmol)、4−アミノ−5−ヨード−1H−ピリミジン−2−オン9a(1.38g、5.8mmol)、CHOH(100mL)およびHO(25mL)の混合物に加え、次にN,N,N’,N’−テトラメチル−エタン−1,2−ジアミン(1.05mL、7.0mmol)を加え、得られた混合物を大気下に室温で48時間撹拌してから、それを濃縮して体積を約130mLとした。次に、残留物をEtOAc(100mL)と20%NHOH/飽和NHCl溶液(100mL)との間で分配し、有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(25mLで3回)。全ての有機層を合わせ、ブラインで洗浄し(100mLで3回)、脱水し、濃縮した。この取得物(3.4g、5.1mmol)をDMF(30mL)に溶かし、無水安息香酸(1.7g、7.6mmol)で処理し、室温で72時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)と飽和NHCl溶液(100mL)との間で分配した。有機層を分離し、脱水し、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から50%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、73(2.29g、ESI、m/z、778.8[M+H])を所望の生成物を得た。化合物73(0.8g、1.0mmol)および化合物11a(0.385g、1.0mmol)を脱水DMF(10mL)に溶かした。溶液をアルゴンでパージし、CuI(0.049g、0.3mmol)、Pd(PPh(0.119g、0.1mmol)およびEtN(1.15mL、8.2mmol)を加え、得られた混合物を80℃から85℃で終夜撹拌した。次に、その溶液を冷却して室温とし、CHOH(10mL)を加え、混合物を再度85℃で3時間撹拌した。冷却して環境温度とした後、混合物をEtOAc(50mL)と20%NHOH/飽和NHCl溶液(50mL)との間で分配した。有機層を分離し、脱水し、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(2N NH−CHOH/CHCl)によって精製して、74(0.69g、ESI、m/z919.9[M+H])を得た。
74を、エタノール(30mL)および6N HCl(10mL)に溶かし、加熱して65℃として1時間経過させた。反応混合物を濃縮して乾燥させ、CHOH(30mL)およびヒューニッヒ塩基(1.05mL、6.0mmol)に再溶解させてから、13a(0.256g、0.8mmol)を加え、得られた混合物を室温で96時間撹拌した。次に、その溶液をEtOAc(75mL)とブライン(100mL)との間で分配した。有機層を分離し、水で洗浄し(25mLで2回)、脱水し、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(2N NH−CHOH/CHCl)によって精製した。そうして得られたこの取得物をチオアニソール(0.1mL)およびTFA(10mL)で処理し、原料が消失するまで50℃で加熱した。反応混合物を濃縮し、8ミクロン不定形C−18コーティングシリカを充填したVarian L4002カラム(50mm(内径)×300mm)を用いるShimadzu 10A−VP HPLC装置によって精製した。移動相(A、水)および(B、メタノール)は、0.15体積%のTFAを緩衝剤として含んでいた。流量:58mL/分;40分間にわたり20%から100%のCHOH/水の勾配とし、次に定組成100%CHOHで5分間とした。検出は220nmで行った。生成物はR=約40から45分で溶出した。純粋な分画(LCMSおよび/またはHPLCアッセイ)を減圧下に濃縮し、残留物を1.0N HCl/HO(5mL)で処理し、濃縮してほぼ乾固させた。後者の段階を繰り返した。残留物をHO(3mL)に溶かし、CHCN(1mL)を加え、混合物を終夜凍結乾燥させて(真空:2から5Pa)、所望の化合物336×3HCl塩を得た(177mg、ESI、m/z593.8[M+H])。
化合物353の合成図式
Figure 2016536338
2−アミノ−2−(4−ブロモ−フェニル)−エタノール(5.17g、23.92mmol)のTHF(150mL)中溶液に、飽和重炭酸ナトリウム溶液100mLと、次にクロルギ酸ベンジル(CbzCl)(3.47mL、23.92mmol)を加えた。反応混合物を室温で14時間撹拌した。酢酸エチル200mLを加え、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、濃縮して、76 7.5g(収率=89%)を白色固体として得た。H NMR(300MHz、CDCl):δ7.49(d、J=9Hz、2H)、7.35−7.30(m、5H)、7.16(d、J=6Hz、2H)5.21(4J=6Hz、1H)、5.04(m、2H)、4.79(s、br、1H)、3.88−3.82(m、2H)、1.91(sbr、1H)。
[1−(4−ブロモ−フェニル)−2−ヒドロキシ−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(76)(2.59g、7.4mmol)の脱水DMF中溶液をアルゴン雰囲気下に0℃で撹拌しながら、それに臭化アリル(3.58g、29.6mmol)を加え、得られた混合物を15分間撹拌した。ナトリウムtert−ブトキシド(0.91g、8.14mmol)を、2分間隔で5回に分けて加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した。氷100gを反応混合物に加えた。冷却浴を外し、混合物を酢酸エチルで抽出した(100mLで2回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(80gシリカカラム、1.6カラム体積で0%から60%の酢酸エチル/ヘプタン勾配溶離;生成物は30%から31%EtOAcで溶出した。)によって精製した。分画を合わせ、濃縮して、77 1.7g(収率=41%)を白色固体として得た。H NMR(300MHz、CDCl):δ7.43(d、J=9Hz、2H)、7.33(s、br、5H)、7.19(d、J=9Hz、2H)5.88−5.77(m、1H)、5.56(s、br、1H)、5.23−5.01(m、3H)、4.82(s、br、1H)、3.99−3.90(m、2H)、3.70−3.54(m、2H)。
4−[2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(4−ブロモ−フェニル)−エトキシ]−ブタ−2−エン酸エチルエステル(77)(1.17g、3mmol)の脱水ジクロロメタン(10mL)中溶液をアルゴン雰囲気下に撹拌しながら、それに酢酸エチル(0.9g、9mmol)を加え、得られた混合物を15分間撹拌した。ホベイダ−グラブス−II触媒(0.025g、0.06mmol)を加え、混合物を45℃で3時間撹拌した。追加量のホベイダ−グラブス−II触媒(0.025g、0.06mmol)を加え、反応液を45℃でさらに2時間撹拌した。LCMSで原料77の完全な消費および78の生成が示されたら、混合物を冷却し、溶媒を留去し、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(80gシリカカラム、14カラム体積で0%から60%の酢酸エチル/ヘプタンの勾配;生成物は40%勾配で溶出した。)によって精製した。分画を合わせ、濃縮して、78 1.02g(収率=73%)を無色粘稠固体として得た。H NMR(300MHz、CDCl):δ7.44(d、J=9Hz、2H)、7.34(s、br、5H)、7.19(d、J=9Hz、2H)、6.90−6.81(m、1H)、5.89(d、J=21Hz、1H)、5.52(s、br、1H)、5.14−5.07(m、2H)、4.85(s、br、1H)、4.23−4.16(q、J=21Hz、2H)、4.12−4.08(m、2H)、3.75−3.64(m、2H)。
4−[2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(4−ブロモ−フェニル)−エトキシ]−ブタ−2−エン酸エチルエステル(78)(3.37g、7.3mmol)の脱水THF(185mL)中溶液に−78℃でアルゴン雰囲気下に、カリウムtert−ブトキシド(KOBu)(0.65g、5.84mmol)を加え、得られた混合物を30分間撹拌した。冷却浴を外し、反応混合物を昇温させて−20℃とした(30分かけて)。LCMSによって78の完全な消費および生成物79の生成が示されたら、氷100gを加え、次に水100mLを加えた。水相を酢酸エチルで抽出し(100mLで2回)、合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(80gシリカカラム;14カラム体積での0%から60%の酢酸エチル勾配/ヘプタン;生成物は、30%の勾配で溶出した。)によって精製した。分画を濃縮したら、黄色様粘稠液体としての79 1.98g(収率=66%)が得られた。H NMR(300MHz、CDCl):δ7.44−7.34(m、11H)、7.29−7.28(m、3H)7.11−7.05(m、4H)、5.25−4.90(m、5H)、4.89−4.53(m、4H)、4.14−3.48(m、10H)、3.45−2.89(m、1H)、2.97−2.89(m、1H)、2.48−2.39(m、2H)、2.12−2.03(dd、1H)、1.55−1.14(m、7H)。
3−(4−ブロモ−フェニル)−5−エトキシカルボニルメチル−モルホリン−4−カルボン酸(79)(1.94g、4.2mmol)の脱水THF(42mL)中溶液に、0℃でアルゴン雰囲気下にLiBH(95%)(0.183g、8.4mmol)を加え、得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。冷却浴を外し、反応混合物を終夜(約14時間)撹拌した。LCMSにより、エステルの部分的還元のみが示されたことから、混合物を室温でさらに24時間撹拌した。LCMSによってエステルの完全な消失が示されたら、混合物を冷却して0℃とし、水20mLをゆっくり加えた。30分後、冷却浴を外し、反応液を、さらに4時間撹拌した。追加の水20mLを加え、生成物を酢酸エチルで抽出した(50mLで2回)。合わせた有機相を水(40mL)およびブライン(40mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(80gシリカカラム、0%から100%の酢酸エチル勾配/ヘプタン;81は30%勾配で溶出し、環状生成物(80)は70%勾配で溶出した。)によって精製した。分画を濃縮して、81 0.49gおよび80 0.70gを得た。合わせた収率:84%;81:80=1:1.8。81のH NMR(300MHz、CDCl):δ7.43−7.32(m、9H)、5.38(d、J=12Hz、1H)、5.22−5.14(m、1H)、4.51(d、J=21Hz、1H)、4.24−4.22(m、1H)、3.88−3.79(m、3H)、3.23−3.15(m、1H)、2.99−2.92(m、1H)、1.52−1.44(m、1H)。化合物80は、LCMSにより非常に高純度であった。MS(ESI)m/z[M+H];C1315BrNOの計算値;312.0;実測値:312.5。
4−(4−ブロモ−フェニル)−ヘキサヒドロ−[1,4]オキサジノ[4,3−c][1,3]オキサジン−6−オン(80)(0.70g、2.25mmol)のメタノール(20mL)中溶液に、4N水溶液としての水酸化ナトリウム(0.36g、9mmol)を加え、得られた混合物を、36時間にわたり加熱還流した。LCMSでカーバメート80のアルコール82への加水分解が完了していることが示されたら、混合物を濃縮し、水20mLを加えた。水相をジクロロメタンで抽出し(20mLで2回)、合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して82 0.59g(収率=92%)を無色粘稠固体として得た。H NMR(300MHz、CDCl):δ7.48(d、J=9Hz、2H)、7.31(d、J=Hz、2H)、4.11(d、J=3Hz、1H)、3.93−3.58(m、6H)、3.15−3.10(m、1H)、2.10−2.05(m、1H)、1.67−1.60(m、1H)。
2−[5−(4−ブロモ−フェニル)−モルホリン−3−イル]−エタノール(82)(0.57g、2mmol)の脱水トルエン(13.5mL)中溶液を、0℃で撹拌しながら、それにジフェニルホスホリルアジド(DPPA)(0.66g、2.4mmol)と次に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)(0.36g、2.4mmol)を加え、得られた混合物を、アルゴン雰囲気下に10分間撹拌した。冷却浴を外し、10分後に、混合物を80℃油浴に入れ、アルゴン下に、14時間撹拌した。LCMSによってアルコールのアジドへの変換が完了していることが示されたら、酢酸エチル20mLおよび水20mLを加えた。有機相を分離し、水相を追加の酢酸エチル20mLで抽出した。合わせた有機相を飽和重炭酸ナトリウム(20mL)、水(920mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(40gシリカカラム、溶媒A:ジクロロメタン、溶媒B:ジクロロメタン+メタノール+水酸化アンモニウム(28%水溶液)(90:10:0.2);B/Aの勾配:15カラム体積(cv)かけて0%から100%および5cvかけて100%、生成物は100%勾配で溶出した。)によって精製した。分画を合わせ、濃縮して、83 0.56gを無色粘稠固体として得た(収率=87%)。H NMR(300MHz、CDCl):δ7.60(d、J=36Hz、2H)、7.45(d、J=15Hz、2H)、4.08(d、J=9Hz、1H)、3.85−3.79(m、2H)、3.64−3.39(m、4H)、3.09−3.05(m、1H)、2.06−1.58(m、2H)。
3−(2−アジド−エチル)−5−(4−ブロモ−フェニル)−モルホリン(83)(0.56g、1.8mmol)の92%THF+8%水(合計18mL)中溶液に、トリフェニルホスフィンを加え、得られた混合物を60℃で4時間撹拌した。LCMSによって、アジドのアミンへの還元が完了していることが示されたら、溶媒を留去し、残留物を、3時間にわたって高真空下に乾燥させた。次に、粗生成物を、脱水THF 20mLに溶かし、EtN(3.27g、32.4mmol)を加え、得られた混合物を冷却して0℃とした。この冷溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート((Boc)O、1.96g、9mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌した。冷却浴を外し、溶液を、55℃でアルゴン雰囲気下に、5時間撹拌した。LCMSによって、両方のアミンの保護が完了していることが示されたら、反応混合物を冷却し、酢酸エチル(25mL)および水(25mL)を加えた。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(25mL)で抽出した。合わせた有機層を水(50mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(40gシリカカラム、15cvかけて0%から50%の酢酸エチル/ヘプタンの勾配;生成物は、30%の勾配で溶出した。)によって精製した。分画を合わせ、濃縮して、84 0.77g(収率=88%)を無色粘稠固体として得た。それはLCMSにより非常に高純度であった。MS(ESI)m/z[M+Na];C2233BrNNaOの計算値;509.15、実測値:509.6。
3−(4−ブロモ−フェニル)−5−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(84)(0.77g、1.6mmol)のDMSO(10mL)中溶液に、B(Pin)(7a、0.49g、1.92mmol)、酢酸カリウム(KOAc)(0.47g、4.8mmol)、およびPdCl(dppf)・CHCl(0.065g、0.08mmol)を加え、得られた混合物を、高真空を用いて脱気し、アルゴンで2回パージし、80℃でアルゴン雰囲気下に12時間撹拌した。LCMSによって、84が完全に消費されたことが示されたら、溶液を冷却し、水20mLを加え、水相をEtOAcで抽出した(25mLで2回)。この抽出時に、乳濁液が生じたが、セライト約3gを加えることで乳濁をなくした。合わせた有機相を水(25mL)、14%水酸化アンモニウム(25mL)、水(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、例えばフラッシュクロマトグラフィー(40gシリカカラム、15cvでの0%から50%の酢酸エチル/ヘプタンの勾配、生成物は、約30%勾配で溶出した。)によって精製した。分画を合わせ、濃縮して、純粋な85 0.60g(収率=70%)を無色粘稠固体として得た。MS(ESI)m/z[M+Na];C2845BNNaOの計算値:555.3、実測値:555.8。
3−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−5−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(85)(0.58g、1.1mmol)のメタノール(16mL)中溶液に、水(4mL)、5−ヨードシトシン(0.29g、1.21mmol)およびCu(OAc)・HO(0.22g、LImmol)と、次にTMEDA(0.26g、2.2mmol)を加え、混合物を開放系で14時間撹拌した。LCMSによって85が完全に消費されたことが示されたら、混合物を濃縮し、水20mLを加え、水相を酢酸エチルで抽出した(20mLで2回)。次に、合わせた有機相を14%水酸化アンモニウム(20mL)、水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して粗生成物0.8gを得た。この粗生成物を酢酸エチル(20mL)に溶かし、無水安息香酸(0.30g、1.32mmol)を加え、混合物を、80℃で3時間30分間撹拌した。LCMSにより、中間体アミンのベンゾイル化が完了していることが示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、飽和重炭酸ナトリウム(10mL)、水(10mL)、およびブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(40gシリカカラム、酢酸エチル/ヘプタン0%から100%の勾配、生成物は勾配70%で溶出した。)によって精製して、86 0.52g(2段階での収率63%)を白色の脆い固体として得た。H NMR(300MHz、CDCl):δ13.45(s、br、1H)、8.41(d、J=6Hz、2H)、7.91(s、1H)、7.59−7.31(m、8H)、4.98(s、br、1H)、4.55−4.50(m、1H)、4.08(s、br、1H)、3.97−3.77(m、3H)、3.40−3.33(m、2H)、3.10−3.05(m、1H)、2.09−2.05(m、1H)、1.92−1.87(m、1H)、1.45(S、9H)、1.24(s、9H)。MS(ESI)m/z[M+H];C3341INの計算値:746.2、実測値:746.7。
3−[4−(4−ベンゾイルアミノ−5−ヨード−2−オキソ−2H−ピリミジン−1−イル)−フェニル]−5−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(86)(0.52g、0.7mmol)およびアルキン11a(0.264g、0.7mmol)の脱水DMF(7mL)中溶液を、高真空下に脱気し、アルゴンで2回パージした。この溶液に、DIPEA(0.27g、2.1mmol)と、次にPd(PPh(0.04g、0.035mmol)およびCuI(0.013g、0.07mmol)を加えた。次に、混合物を、70℃で12時間撹拌した。LCMSによって86の消費が完了していることが示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、メタノール(7mL)を加え、混合物を、80℃で4時間撹拌した。LCMSによってソノガシラカップリング中間体が完全に消費されたことおよび脱ベンゾイル化環化生成物87の生成が示されたら、混合物を冷却して室温とし、濃縮した。水(20mL)を加え、水相を酢酸エチルで抽出した(20mLで2回)。合わせた有機相を水(20mL)、14%水酸化アンモニウム(20mL)、水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(12gシリカカラム、溶媒A=CHCl、B=CHC1:MeOH:28%水酸化アンモニウム(90:10:0.2)、B/Aの勾配0%から80%、生成物はB60%で溶出した。)によって精製して、87 0.45g(収率=2段階で72%)を純粋な黄色固体として得た。MS(ESI)m/z[M+H];C4757ClFNの計算値:887.3、実測値:887.8。
3−(4−{6−[5−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−ペンチル)−3−クロロ−2−フルオロ−フェニル]−2−オキソ−2,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−3−イル}−フェニル)−5−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(87)(0.31g、0.35mmol)のジクロロメタン(12mL)中溶液を撹拌しながら、それに4N HClの1,4−ジオキサン中溶液(4.3mL、17.5mmol)を加え、得られた混合物を例えば50分間撹拌した。LCMSによって、Boc基の脱保護が完了していることが示されたら、混合物を濃縮して乾燥させ、得られた残留物を脱水メタノールに溶かした。この溶液に、N,N’−ジ−Boc−1H−ピラゾール−1−カルボキシアミジン(0.132g、0.42mmol)およびi−PrNEt(0.45g、3.5mmol)を加え、得られた混合物を室温で14時間撹拌した。LCMSによって、中間体アミンが完全に消費されたことが示されたら、混合物を濃縮し、得られた残留物をトリフルオロ酢酸(12mL)に溶かした。次に、チオアニソール(0.12mL)を、その溶液に加え、得られた混合物を室温で24時間撹拌した。LCMSによって、Cbz基およびBoc基の脱保護が完了していることが示されたら、混合物を濃縮し、生成物を、HPLCクロマトグラフィー(Varian、8μm不定形C−18コーティングシリカゲルを充填した41.4mm×150mm Dynamaxカラム;溶媒A:水+0.15%TFA、溶媒B:メタノール+0.15%TFA;勾配:55分かけて20から100、生成物は約32分で溶出した。)によって精製した。生成物分画を濃縮して乾燥させ、エタノール10mLに懸濁させ、濃縮して乾固させた。生成物のTFA塩を6N HClで処理することで(各回15分の期間で10mLで2回)、HClに変換した。反応混合物を濃縮し、凍結乾燥して、化合物353 0.089g(収率=4段階で36%)を黄色粉末として得た。H NMR(300MHz、DO):δ8.34(s、1H)、7.69(d、J=9Hz、2H)、7.50(d、J=7Hz、2H)、7.33(d、J=6Hz、1H)、7.25(d、J=6Hz、1H)、6.73(s、1H)、4.80−4.63(m、1H)、4.14−4.01(m、4H)、3.69−3.61(m、1H)、3.31−3.22(m、3H)、2.56−2.53(m、2H)、2.30−2.26(m、1H)、2.01−1.97(m、1H)、1.60−1.47(m、4H)、1.17(d、J=9Hz、3H)。MS(ESI)m/z[M+H];C3037ClFNの計算値:595.2、実測値:595.7。
化合物357の合成図式
Figure 2016536338
アルゴン雰囲気下に、3−(4−ブロモ−フェニル)−5−(2−ヒドロキシ−エチル)−モルホリン−4−カルボン酸ベンジルエステル(81)(0.50g、1.2mmol)の脱水ジクロロメタン(5mL)中溶液を冷却して、0℃とし、EtN(0.127g、1.26mmol)を加え、次にメタンスルホニルクロライド(MsCl)(0.144g、1.26mmol)を加えた。得られた混合物を、氷浴で7時間撹拌した。TLCによって81が完全に消費されたことが示されたら、混合物を濃縮した。次に、残留物を酢酸エチル(15mL)に溶かし、水(15mLで2回)およびブライン(15mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、粗メシル化生成物0.59gを得て、それはLCMSにより純粋であった。その粗メシル化生成物を脱水DMF(6mL)に溶かし、アジ化ナトリウム(0.78g、32mmol)を加え、得られた混合物を、80℃でアルゴン雰囲気下に7時間撹拌した。LCMSによって、メシレートが完全に消費されたことが示されたら、混合物を冷却して室温とした。水10mLを加え、水相を酢酸エチルで抽出した(20mLで2回)。合わせた有機相を水(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(40gシリカカラム、15カラム体積で0%から50%酢酸エチル/ヘプタンの勾配;生成物は、29%から31%勾配で溶出した。)によって精製した。分画を濃縮して、88 0.39gを純粋な無色粘稠固体として得た(収率=2段階で73%)。LCMSによって純粋。MS(ESI)m/z[M+Na];C2021BrNNaOの計算値:467.07、実測値:467.5。
3−(2−アジド−エチル)−5−(4−ブロモ−フェニル)−モルホリン−4−カルボン酸ベンジルエステル(88)(0.38g、0.88mmol)のTHF(9mL)中溶液を撹拌しながら、それにPPh(0.57g、2.2mmol)および水(1.2mL)を加え、得られた混合物を加熱して55℃として、4時間経過させた。LCMSによってアジド88が完全に消費されたことが示されたら、溶媒を留去し、得られた粗生成物を高真空下に3時間乾燥した。次に、粗生成物を、脱水THF 10mLに溶かし、EtN(0.79g、7.9mmol)を加え、混合物を冷却して0℃とした。この冷混合物に、ジ−tert−ブチルジカーボネート((Boc)O、0.57g、2.6mmol)を加え、得られた混合物を、10分間撹拌した。冷却浴を外し、混合物を3時間撹拌した。LCMSによって、アミンが完全に消費されたことが示されたら、水25mLを加え、生成物を酢酸エチルで抽出した(25mLで2回)。合わせた有機相を水(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(40gシリカカラム;15カラム体積で0%から60%の酢酸エチル勾配/ヘプタン;生成物は、28%勾配で溶出した)によって精製した。分画を濃縮して、89 0.41gを無色粘稠固体として得た(収率=98%)。H NMR(300MHz、CDCl):δ7.44−7.36(m、9H)、5.32−5.17(m、3H)4.51(d、J=12Hz、1H)、4.13−4.08(m、1H)、3.84−3.71(m、3H)、2.98−2.91(m、1H)、2.45−2.50(m、1H)、1.39(s、9H)、1.30−1.23(m、1H)。
3−(4−ブロモ−フェニル)−5−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(89)(0.77g、1.6mmol)のDMSO(10mL)中溶液に、B(Pin)(11a、0.49g、1.92mmol)、酢酸カリウム(KOAc)(0.47g、4.8mmol)およびPdCl(dppf)・CHCl(0.065g、0.08mmol)を加え、得られた混合物を、高真空を用いて脱気し、アルゴンで2回パージし、80℃でアルゴン雰囲気下に12時間撹拌した。LCMSによって、89が完全に消費されたことが示されたら、反応溶液を冷却し、水20mLを加え、水相をEtOAcで抽出した(25mLで2回)。この抽出の際に、乳濁液形成が生じたが、それはセライト約3gを加えることで破壊した。合わせた有機相を水(25mL)、14%水酸化アンモニウム(25mL)、水(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(40gシリカカラム、15cvで0%から50%の酢酸エチル/ヘプタンの勾配;生成物は約30%勾配で溶出した。)によって精製した。分画を合わせ、濃縮して、90(収率=84%)を純粋な無色粘稠固体として得た。MS(ESI)m/z[M+Na];C3143BNNaOの計算値:589.3、実測値:589.7。
3−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−5−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(90)(0.58g、1.1mmol)のメタノール(16mL)中溶液に、水(4mL)、5−ヨードシトシン(0.29g、1.21mmol)およびCu(OAc)・HO(0.22g、1.1mmol)と、次にTMEDA(0.26g、2.2mmol)を加え、混合物を開放系で14時間撹拌した。LCMSによって90が完全に消費されたことが示されたら、混合物を濃縮し、水20mLを加え、水相を酢酸エチルで抽出した(20mLで2回)。次に、合わせた有機相を14%水酸化アンモニウム(20mL)、水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して粗生成物0.8gを得た。この粗生成物を酢酸エチル(20mL)に溶かし、無水安息香酸(0.30g、1.32mmol)を加え、混合物を80℃で3時間30分撹拌した。LCMSにより、中間体アミンのベンゾイル化が完了していることが示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、飽和重炭酸ナトリウム(10mL)、水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(40gシリカカラム、0%から100%の酢酸エチル/ヘプタンの勾配、生成物は70%の勾配で溶出した。)によって精製して、91(2段階で収率76%)を白色の脆い固体として得た。H NMR(300MHz、CDCl):δ13.34(s、br、1H)、8.41(d、J=6Hz、2H)、7.92(s、1H)、7.75(d、J=9Hz、2H)、7.60−7.30(m、10H)、5.33−5.19(m、3H)、4.77(s、br、1H)、4.56(d、J=12Hz、2H)、4.12−4.09(m、1H)、3.87−3.70(m、3H)、2.86−2.83(m、1H)、2.59−2.55(m、IH)、1.48−1.40(m、11H)。MS(ESI)m/z[M+Na];C3639INの計算値:780.2、実測値:780.7。
3−[4−(4−ベンゾイルアミノ−5−ヨード−2−オキソ−2H−ピリミジン−1−イル)−フェニル]−5−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(91)(0.52g、0.7mmol)およびアルキン93(0.264g、0.7mmol)の脱水DMF(7mL)中溶液を、高真空下に脱気し、アルゴンで2回パージした。この溶液に、DIPEA(0.27g、2.1mmol)と、次にPd(PPh(0.04g、0.035mmol)およびCuI(0.013g、0.07mmol)を加えた。次に、混合物を、70℃で12時間撹拌した。LCMSによって91の消費が完了していることが示されたら、反応混合物を冷却して室温とし、メタノール(7mL)を加え、混合物を80℃で4時間撹拌した。LCMSによってソノガシラカップリング中間体が完全に消費されたことおよび脱ベンゾイル化環化生成物92の生成が示されたら、混合物を冷却して室温とし、濃縮した。水(20mL)を加え、水相を酢酸エチルで抽出した(20mLで2回)。合わせた有機相を水(20mL)、14%水酸化アンモニウム(20mL)、水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(12gシリカカラム、溶媒A=CHCl、B=CHCl:MeOH:28%水酸化アンモニウム(90:10:0.2)、B/Aの勾配0%から80%、生成物は60%Bで溶出した。)によって精製して、92(収率=2段階で68%)を純粋な黄色固体として得た。MS(ESI)m/z[M+H];C5155の計算値:971.4、実測値:971.8。
92(0.31g、0.35mmol)のジクロロメタン(12mL)中溶液を撹拌しながら、それに4N HClの1,4−ジオキサン中溶液(4.3mL、17.5mmol)を加え、得られた混合物を50分間撹拌した。LCMSによって、Boc基の脱保護が完了していることが示されたら、混合物を濃縮して乾燥させ、得られた残留物を脱水メタノールに溶かした。この溶液に、N,N’−ジ−Boc−1H−ピラゾール−1−カルボキシアミジン(0.132g、0.42mmol)およびi−PrNEt(0.45g、3.5mmol)を加え、得られた混合物を室温で14時間撹拌した。LCMSによって、中間体アミンが完全に消費されたことが示されたら、混合物を濃縮し、得られた残留物をトリフルオロ酢酸(12mL)に溶かした。次に、チオアニソールを、その溶液に加え、得られた混合物を室温で24時間撹拌した。LCMSによって、Cbz基およびBoc基の脱保護が完了していることが示されたら、混合物を濃縮し、生成物を、HPLCクロマトグラフィー(Varian、8μm不定形C−18コーティングシリカゲルを充填した41.4mm×150mm Dynamaxカラム:溶媒A=水+0.15%TFA、溶媒B:メタノール+0.15%TFA;55分かけて勾配20から100、生成物は約32分で溶出した。)によって精製した。生成物のTFA塩を、6N HClを用いることで(各回、15分の期間で10mLで2回)、HCl塩に変換した。反応混合物を濃縮し、凍結乾燥して、化合物357(収率=4段階で43%)を黄色粉末として得た。H NMR(300MHz、DO):δ8.32(s、1H)、7.58(d、J=9Hz、2H)、7.44(d、J=9Hz、2H)、7.37(d、J=6Hz、1H)、7.20(d、J=6Hz、1H)、6.71(s、1H)、4.55−4.50(m、1H)、4.14−4.07(m、2H)、3.95(t、J=24、1H)、3.67−3.61(m、2H)、3.26−3.21(m、3H)、2.56−2.53(m、2H)、1.86−1.85(m、2H)、1.59−1.40(m、4H)、1.13(d、J=9Hz、3H)。MS(ESI)m/z[M+H];C3137の計算値:645.3、実測値:645.7。
実施例2−抗微生物活性
本発明の化合物について、抗微生物活性を調べた。これらのデータを表2に提示している。標準的な微量希釈アッセイを用いて、化合物1から582は、大腸菌(Eschericia coli)(E. coli)株ATCC25922に対して実施し、化合物320から582は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(S. aureus)11540株に対して実施することで、最小阻害濃度(MIC)を求めた。データの表示については、「+」は、化合物が16μg/mL以下のMIC値を有することを示し、「−」は、化合物が16μg/mLより大きいMIC値を有することを示している。化合物を他の細菌生物に対して評価できること、そして、大腸菌(Eschericia coli)および黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)に対する活性についてのデータ提供が例示的なものであって、決して本発明の範囲を限定することを意図しないことは、当業者には明らかであろう。収集することが望まれる性能活性に応じて、本発明の化合物について、ある範囲の他の微生物に対するアッセイを行うことができる。さらに、「+」および「−」という表示、ならびに16μg/mLというカットオフ値の選択も例示的なものであって、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。例えば、「−」は、本化合物が必ず活性や有用性を持たないことを示す意味ではなく、示された微生物に対するそれのMIC値が16μg/mLを超えることを示す意味である。
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
Figure 2016536338
参考文献による組み込み
本明細書において言及される各特許文献および科学論文の開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
均等物
本発明の精神および本質的特徴から逸脱しない限りにおいて、本発明は、他の特定の形態で具象化され得る。従って、前記の実施形態は、本明細書に記載の発明に対して限定を行うものではなく、あらゆる点において例示的であると見なすべきである。従って、本発明の範囲は、前述の記述ではなく添付の特許請求の範囲により示されるものであり、特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内にある変更はいずれも、その特許請求の範囲に包含されるものである。

Claims (47)

  1. 下記式(I)、(II)、(III)、(IV)もしくは(V)のいずれかの化合物または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
    Figure 2016536338
    Figure 2016536338
    [式中、
    はHまたはFであり、RがHである場合、RはCF、OCF、SCF、SOCFまたはハロであり、RはHであり;RがFである場合、(i)RはClまたはOCFであり、RはHであり;または(ii)RはHであり、RはC−Cアルキルであり;または(iii)Rは1以上のハロで置換されていても良いC−Cアルキルであり、Rはハロであり;
    はH、OH、NHもしくはC−Cアルコキシルであり、またはXがOもしくはCHR17である場合、RおよびRはそれらが結合している2個の原子および前記2個の原子を連結している原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;またはXが結合である場合、RおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;
    はH、CHOHもしくはCHOC−Cアルキルであり、またはXがOまたはCHR17である場合、RおよびRはそれらが結合している2個の原子および前記2個の原子を連結している原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;
    は、ハロ、OH、アジド、アミノ、C−Cアルコキシル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルケニル、OCOR、CHOCORおよび−OP(O)(ORからなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキルであり、RはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルであり、RはCOOH、COOC−Cアルキル、OCOC−Cアルキル、フェニル、またはC−C12アリールアルキルで置換されていても良く;またはRおよびRは、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;またはRおよびR17は、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;またはXが結合である場合、RおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;
    は、H、C(=NH)NHもしくはCORであり、RはC−Cアルコキシルもしくはアミノで置換されていても良いC−Cアルキルであり;またはRおよびRは、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
    、R10およびR11のそれぞれは独立に−Q−Tであり、Qは結合または1以上のハロもしくはヒドロキシルで置換されていても良いC−Cアルキル連結基であり、TはH、ハロ、OH、COOH、シアノ、アジド、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシル、C−Cハロアルケニル、C−Cアルキルチオ、COOC−Cアルキル、−NHC(O)CHNH、NHS(O)C−Cアルキル、SO−CアルキルもしくはRであり、Rはアミノ、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、4から12員の複素環アルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、−O−ヘテロアリール、−NH−ヘテロアリール、−S−ヘテロアリールまたはC(O)NRであり、RおよびRのそれぞれが独立にHもしくはC−Cアルキルであり、またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子とともに0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;Rは−Q−Tで置換されていても良く、Qは結合もしくはC−Cアルキルであり、TはH、ハロ、C−Cアルキル、アミノ、5員もしくは6員のヘテロアリールまたはC−C10アリールであり、前記アリールおよびヘテロアリールはC−CアルコキシルもしくはC−Cアミノアルキルで置換されていても良く;またはRおよびR10はそれらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結するZ原子とともに、独立にC−Cアルキルもしくは−C(=N)NHから選択される1以上の置換基で置換されていても良い0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
    8’はHであり;またはR8’とRはそれらが結合している炭素原子とともに、C−CアルキルまたはC(=NH)NHで置換されていても良い1から2個のヘテロ原子を有するC−C複素環アルキルを形成しており;またはRとR8’が一体となって=Oまたは=NHを形成しており;
    12はHもしくはC−Cアルキルであり、またはR12およびR11はそれらが結合している炭素原子とともに、C(=NH)NHで置換されていても良い1から2個のヘテロ原子を有する4から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;またはR12およびR10はそれらが結合している2個の炭素原子およびその2個の炭素原子を連結する原子が存在する場合はその原子とともに、C−Cシクロアルキル環を形成しており;
    およびR13のそれぞれは独立に、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニルもしくは−C(O)Hであり、またはZがNRである場合、RおよびR13はそれらが結合している2個の窒素原子および前記2個の窒素原子を連結する炭素原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する7から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており、またはZがNRである場合、RおよびRはそれらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;またはZがNRであり、AがNR14である場合、RおよびAはそれらが結合している2個の原子および前記原子を連結する原子とともに、オキソもしくはイミノ基で置換されていても良い2から3個のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;
    AがNR13NR14である場合、R11およびR13はそれらが結合している原子とともに、オキソで置換されていても良い0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;
    14は、H、C(O)C−Cアルキル、C(O)NH、C(CH=NO)NHCH、C(=NH)H、C(=NH)C−Cアルキル、1から3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリール、1から3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の複素環アルキル、独立に1から3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリール、C−Cシクロアルキル、および1から3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の複素環アルキルから選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキル、またはC(=NR16)NH(R16はH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキルもしくは1から2個のヘテロ原子を有する4から12員の飽和複素環アルキル環である。)であり、またはR16およびR11はそれらが結合している2個の原子および前記2個の炭素原子を連結する原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
    14およびR13はそれらが結合している窒素原子とともに、オキソで置換されていても良い1から3個の追加のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリールを形成しており;またはR14およびR13はそれらが結合している窒素原子とともに、オキソで置換されていても良い1から3個の追加のヘテロ原子を有する5員もしくは6員の複素環アルキルを形成しており;
    15はHまたはハロであり;
    Aは、C(O)NH、NR1314、NR14、C(O)NHC−Cアルキル、C(O)OH、OH、CN、C−Cシクロアルキル、−OP(O)(OR(RはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルである。)、オキソで置換されていても良い1から3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の複素環アルキル、またはC−Cアルキル、C−Cアルキレニル−アリール、NOもしくはアミノで置換されていても良い1から4個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリールであり、前記アルキル、アルキレニルおよびアリールは、独立にC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシもしくはハロから選択される1以上の置換基で置換されていても良く;またはZがNRであり、AがNR14である場合、RおよびAはそれらが結合している2個の炭素原子および前記炭素原子を連結する原子とともに、オキソもしくはイミノ基で置換されていても良い2から3個のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;
    WはCHもしくはCであり;またはWがCである場合、WおよびYはそれらが結合している原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
    Xは、結合、OもしくはCHR17であり、R17はHであり、またはR17およびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;またはXが結合である場合、RおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環を形成しており;
    YはNHであり;またはYおよびWはそれらが結合している原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
    Zは、結合、O、NR、NH、CHもしくはCHであり;またはZがNHもしくはCHである場合、R11およびZ、はそれらが結合している原子および前記2個の原子を連結する原子とともに、0から2個の追加のヘテロ原子を有する5から8員の複素環アルキル環を形成しており;
    各mおよびoは独立に0または1であり;
    pは0、1または2であり;
    18はHまたはC(=NH)NHであり;
    ただし、式(I)の化合物において、
    (a)R14がC(=NR16)NHであり、XがCHであり、Rがメチルであり、RがH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、シクロプロピル、CHCHOH、COOH、COOCH、CHCOOH、CHCOOCHもしくは4−メトキシフェニルである場合、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外であり;
    (b)R14がC(=NR16)NHであり、XがCHであり、RがCHOHであり、RがH、メチルもしくはエチルである場合、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外であり;
    (c)R14がC(=NR16)NHであり、XがCHであり、RがCHOCHである場合、R、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外であり;
    (d)R14がC(=NR16)NHであり、Xが結合であり、Rがメチルであり、RがHもしくはメチルである場合、R、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外であり;
    (e)R14がC(=NR16)NHであり、XがOであり、RがHもしくはメチルであり、Rがメチルであり、RがHもしくはメチルである場合、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外であり;
    (f)R14がC(=NR16)NHであり、XがCHであり、Rがメチルであり、RがHもしくはメチルであり、RがC(=NH)NHである場合、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外であり;または
    (g)R14がC(=O)CHであり、XがCHであり、Rがメチルであり、RがHである場合、R、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外である。]
  2. 下記式(Ia)を有する請求項1に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
    Figure 2016536338
    [ただし
    (a)XがCHであり、Rがメチルであり、RがH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、シクロプロピル、CHCHOH、COOH、COOCH、CHCOOH、CHCOOCHもしくは4−メトキシフェニルである場合、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つがH以外であり;
    (b)XがCHであり、RがCHOHであり、RがH、メチルもしくはエチルである場合、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つがH以外であり;
    (c)XがCHであり、RがCHOCHである場合、R、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つがH以外であり;
    (d)R14がC(=NR16)NHであり、Xが結合であり、Rがメチルであり、RがHもしくはメチルである場合、R、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つはH以外であり;
    (e)R14がC(=NR16)NHであり、XがOであり、RがHもしくはメチルであり、Rがメチルであり、RがHもしくはメチルである場合、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つがH以外であり;
    (f)R14がC(=NR16)NHであり、XがCHであり、Rがメチルであり、RがHもしくはメチルであり、RがC(=NH)NHである場合、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つがH以外であり;または
    (g)R14がC(=O)CHであり、XがCHであり、Rがメチルであり、RがHである場合、R、R、R、R、R10、R11、R12またはR15のうちの少なくとも一つがH以外である。]
  3. 下記式(Ib)を有する請求項1に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
    Figure 2016536338
  4. 下記式(Ic)から(If)のいずれかを有する請求項1に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
    Figure 2016536338
    Figure 2016536338
  5. 下記式(IIa)を有する請求項1に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
    Figure 2016536338
  6. 下記式(IIIa)を有する請求項1に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
    Figure 2016536338
  7. 下記式(IVa)を有する請求項1に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
    Figure 2016536338
  8. 下記式(Va)を有する請求項1に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
    Figure 2016536338
  9. およびRのそれぞれがHであり、RがCF、OCF、SCF、SOCFまたはClである請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  10. およびRのそれぞれがHであり、RがCF、OCF、SCF、SOCFまたはClである請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  11. がFであり、RがHであり、RがOCFまたはClである請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  12. およびRのそれぞれがFであり、RがCFまたはエチルである請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  13. がFであり、RがHであり、Rがメチルである請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  14. がメチル、エチル、エテニル、CHOH、CHCHOH、CHF、CHOCH、CHSCH、CH(OH)CHOH、CHNH、CHOCOCH、CHOCOC、CHOCONHCH、CHOCOCHCHCOOH、CHOCOCOCOCH、CHOCOCH、CHOP(O)(OH)、またはCHOP(O)(OPh)である請求項1から13のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  15. がエテニル、CHCHOH、CHF、CHSCH、CH(OH)CHOH、CHNH、CHOCOCH、CHOCOC、CHOCONHCH、CHOCOCHCHCOOH、CHOCOCOCOCH、CHOCOCH、CHOP(O)(OH)、またはCHOP(O)(OPh)である請求項1から13のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  16. がH、C(=NH)NH、COOCHCH、COCHNHまたはCOCHである請求項1から15のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  17. およびRはそれらが結合している原子とともに、
    Figure 2016536338
    を形成している請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  18. Xが結合であり、RおよびRはそれらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、
    Figure 2016536338
    を形成しており、炭素1がフェニルに連結されており、炭素2がNHRに連結されている請求項1から4および9から13のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  19. およびRのそれぞれがHであり、XがCHR17であり、R17およびRはそれらが結合している2個の炭素原子および前記2個の炭素原子を連結する炭素原子とともに、
    Figure 2016536338
    を形成しており、炭素1がフェニルに連結されており、炭素2がNHRに連結されている請求項1から4および9から13のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  20. XがOである、請求項1から4および9から17のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  21. がHであり、Rがメチル、エチル、エテニル、CHOH、CHCHOH、CHF、CHOCH、CHSCH、CH(OH)CHOH、CHNH、CHOCOCH、CHOCOC、CHOCONHCH、CHOCOCHCHCOOH、CHOCOCOCOCH、CHOCOCH、CHOP(O)(OH)またはCHOP(O)(OPh)である請求項20に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  22. がHであり、RがCHOHである請求項20に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  23. 、RおよびR17のうちの0個もしくは1個がH以外であり、他のものがHである請求項1から4および9から17のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  24. 、R10、R11およびR12のうちの0個、1個もしくは2個がH以外であり、他のものがHである請求項1から4および9から23のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  25. 10がH、メチル、CHOHまたはCHCHOHである請求項1から4および9から24のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  26. およびR11のうちの一方がHもしくはCHであり、他方が−Q−Tである請求項1から4および9から25のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  27. 11およびR12のそれぞれがHもしくはCHであり、またはR11およびR12はそれらが結合している炭素原子とともに、
    Figure 2016536338
    を形成している請求項1から4および9から25のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  28. 15はHである請求項1から4および9から27のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  29. 15がClまたはBrである請求項1から4および9から27のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  30. 下記式(VIII)もしくは(IX)の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
    Figure 2016536338
    [式中、
    mは0または1であり;
    nは1または2であり;
    101はHもしくはFであり、R101がHである場合、(i)R102はCF、OCF、SCFもしくはSOCFであり、R103はHであり、R104は(CHCH(CH)NHであり;または(ii)R102およびR104のそれぞれがHであり、R103はCH(R)NHRであり、Rは1以上のハロで置換されていても良いC−Cアルキルであり、RはC(=NH)NHで置換されていても良い1から2個のヘテロ原子を有する4から12員の飽和複素環アルキル環であり;R101がFである場合、R102はClもしくはOCFであり、R103はHであり、R104は(CHCH(CH)NHであり;
    105はCH(R)NHR、CH=CHR、CH=NO(CHNHC(=NH)NHもしくはCONHCHであり、Rは1から2個のヘテロ原子を有する5から12員の飽和複素環アルキル環で置換されていても良い5員もしくは6員のヘテロアリールであり、
    106およびR107のそれぞれがHもしくはC−Cアルキルであり、またはR106およびR107はそれらが結合している2個の窒素原子および前記2個の窒素原子を連結する炭素原子とともに、0から1個の追加のヘテロ原子を有する6から12員の飽和複素環アルキル環を形成している。]

  31. Figure 2016536338
    である請求項30に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  32. がCFである請求項30または31に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  33. mが1であり、R106およびR107のそれぞれがHである請求項30に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  34. mが0であり、R106およびR107はそれらが結合している2個の窒素原子および前記2個の窒素原子を連結する炭素原子とともに、0個の別のヘテロ原子を有する6員飽和複素環アルキル環を形成している請求項30に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  35. 下記式(X)の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
    Figure 2016536338
    [式中、
    201はHもしくはFであり、R201がHである場合、R202はCF、OCF、SCF、SOCFもしくはハロであり、R203はHであり;R201がFである場合、(i)R202はClもしくはOCFであり、RはHであり;または(ii)R202はHであり、R203はC−Cアルキルであり;または(iii)R202は1以上のハロで置換されていても良いC−Cアルキルであり、R203はハロであり;
    206は、ハロ、OH、アミノ、C−CアルコキシルおよびC−Cアルキルチオからなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキル、C−Cアルケニル、またはCHOCORaaであり、RaaはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルであり、RaaはCOOH、COOC−Cアルキル、OCOC−CアルキルもしくはC−C12アリールアルキルで置換されていても良く;
    207は、H、C(=NH)NHもしくはCORであり、Rはアミノで置換されていても良いC−Cアルキル、C−Cアルコキシルもしくはアミノであり;またはR206およびR207は、それらが結合している2個の原子とともに、オキソ基で置換されていても良い0から1個の追加のヘテロ原子を有する5から12員の複素環アルキル環を形成しており;
    208は、H、C−CアルキルもしくはC−Cアルケニルであり;
    214は、HもしくはC(=NH)NHである。]
  36. 下記式(XIa)、(XIb)、(XIc)もしくは(XId)の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
    Figure 2016536338
    [式中、
    301はHもしくはFであり、R301がHである場合、R302はCF、OCF、SCFもしくはSOCFであり;R301がFである場合、R302はClもしくはOCFであり;
    303およびR304のそれぞれは独立に、フェニルもしくは5員もしくは6員のヘテロアリールであり、それらのそれぞれは独立にハロ、OH、アミノ、C−CアルコキシルおよびC−Cアルキルチオから選択される1以上の置換基で置換されていても良く;またはR303およびR304のうちの一方がアミノであり、他方がCHCHNRであり、RはH、C−Cアルキル、COC−CアルキルもしくはCOC−C10アリールであり、Rは5員もしくは6員のヘテロアリールであり;
    305およびR307のそれぞれは独立に、シアノ、COOH、COC−Cアルコキシル、C(=NH)C−Cアルコキシル、C(=NH)NH、アミノ、CHCOOH、CHCOC−Cアルコキシル、CHNH、CHNHC−Cアルキル、または独立にハロ、OH、アミノ、C−Cアルコキシル、C−CアルキルチオおよびC−C12アリールアルキル(独立にハロ、OH、アミノ、C−CアルコキシルおよびC−Cアルキルチオから選択される1以上の置換基でさらに置換されていても良い)から選択される1以上の置換基で置換されていても良い5員もしくは6員のヘテロアリールであり;
    306は、ハロ、OH、アミノ、C−CアルコキシルおよびC−Cアルキルチオからなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されていても良いC−Cアルキル、C−CアルケニルもしくはCHOCORaaaであり、RaaaはC−Cアルキル、アミノもしくはフェニルであり、RaaaはCOOH、COOC−Cアルキル、OCOC−CアルキルもしくはC−C12アリールアルキルで置換されていても良い。]
  37. 表1から選択される化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステル。
  38. 医薬として許容される担体および請求項1から37のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルを含む医薬組成物。
  39. 処置を必要とする対象者に対して、有効量の請求項1から37のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルを投与することを含む、微生物感染の治療方法。
  40. 処置を必要とする対象者に対して、有効量の請求項1から37のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルを投与することを含む、微生物感染の予防方法。
  41. 処置を必要とする対象者に対して、有効量の請求項1から37のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルを投与することを含む、微生物感染のリスクを低下させる方法。
  42. 処置を必要とする対象者に対して、有効量の請求項1から37のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルを投与することを含む、微生物感染の発症を遅延させる方法。
  43. 対象者における微生物感染を治療するための医薬の製造において使用するための化合物であって、該化合物が、請求項1から37のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルから選択される、化合物。
  44. 対象者における微生物感染を予防するための医薬の製造において使用するための化合物であって、該化合物が、請求項1から37のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルから選択される、化合物。
  45. 対象者における微生物感染のリスクを低下させるための医薬の製造において使用するための化合物であって、該化合物が、請求項1から37のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルから選択される、化合物。
  46. 対象者における微生物感染の発症を遅延させるための医薬の製造において使用するための化合物であって、該化合物が、請求項1から37のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルから選択される、化合物。
  47. 対象者における微生物感染を治療、予防、リスク低下、および/または発症遅延する方法において使用するための化合物であって、該化合物が、請求項1から37のいずれか1項に記載の化合物もしくはそれの互変異体、または該化合物もしくは互変異体の医薬として許容される塩もしくはエステルから選択される、化合物。
JP2016540938A 2013-09-09 2014-09-09 抗微生物化合物ならびにそれの製造方法および使用方法 Pending JP2016536338A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361875643P 2013-09-09 2013-09-09
US61/875,643 2013-09-09
PCT/US2014/054869 WO2015035426A1 (en) 2013-09-09 2014-09-09 Antimicrobial compunds and methods of making and using the same

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016536338A true JP2016536338A (ja) 2016-11-24

Family

ID=52629046

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016540938A Pending JP2016536338A (ja) 2013-09-09 2014-09-09 抗微生物化合物ならびにそれの製造方法および使用方法

Country Status (12)

Country Link
US (2) US10106543B2 (ja)
EP (1) EP3039025A4 (ja)
JP (1) JP2016536338A (ja)
KR (1) KR20160070066A (ja)
CN (1) CN106103442A (ja)
AU (1) AU2014315050A1 (ja)
CA (1) CA2923214A1 (ja)
IL (1) IL244416A0 (ja)
MX (1) MX2016002975A (ja)
PH (1) PH12016500453A1 (ja)
SG (2) SG11201601654TA (ja)
WO (1) WO2015035426A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MX359743B (es) 2009-10-16 2018-10-08 Melinta Therapeutics Inc Compuestos antimicrobianos y métodos para fabricar y utilizar los mismos.
CN102725274A (zh) 2009-10-16 2012-10-10 Rib-X制药公司 抗微生物化合物和其制备和使用方法
JO3078B1 (ar) 2009-11-27 2017-03-15 Janssen Pharmaceutica Nv مورفولينوثيازولات بصفتها منظمات الوستيرية نوع الفا 7 موجبة
KR20160070066A (ko) 2013-09-09 2016-06-17 멜린타 테라퓨틱스, 인크. 항균 화합물, 및 이의 제조 방법 및 이용 방법
MX2016003046A (es) 2013-09-09 2016-09-08 Melinta Therapeutics Inc Compuestos antimicrobianos y métodos de fabricación y utilización de los mismos.
BR112017019349A2 (pt) * 2015-03-11 2018-06-05 Melinta Therapeutics Inc compostos antimicrobianos e métodos de fabricação e uso dos mesmos
WO2017193017A1 (en) * 2016-05-06 2017-11-09 Melinta Therapeutics, Inc. Antimicrobials and methods of making and using same
WO2017193023A1 (en) * 2016-05-06 2017-11-09 Melinta Therapeutics, Inc. Antimicrobials and methods of making and using same
CN110312722A (zh) * 2016-05-06 2019-10-08 生物验证系统股份公司 抗微生物剂及其制备和使用方法
WO2019164880A1 (en) * 2018-02-21 2019-08-29 Duffy Erin M Antimicrobials and methods of making and using same
US20210253577A1 (en) 2018-06-06 2021-08-19 BioVersys AG Biodefense agents
WO2019234509A2 (en) * 2018-06-06 2019-12-12 BioVersys AG Aminomethylamidine and methylamidine antimicrobial compounds
WO2020115547A2 (en) * 2018-12-07 2020-06-11 BioVersys AG Pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-2-one antimicrobial compounds
JP2023501575A (ja) * 2019-11-13 2023-01-18 カーザ グローバル, エルエルシー 抗菌化合物及び方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011047319A2 (en) * 2009-10-16 2011-04-21 Rib-X Pharmaceuticals, Inc. Antimicrobial compounds and methods of making and using the same
WO2012173689A2 (en) * 2011-04-15 2012-12-20 Rib-X Pharmaceuticals, Inc. Antimicrobial compounds and methods of making and using the same
JP2016540936A (ja) * 2013-12-09 2016-12-28 シャシー ブレークス インターナショナル ベー フェ− ブレーキセグメントを保持するための部材を備えたドラムブレーキ

Family Cites Families (81)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2624731A (en) 1953-01-06 S-phenylpyrimidkn e x derivativesx
US3980781A (en) 1966-03-31 1976-09-14 Imperial Chemical Industries Limited Fungicidal composition and method containing 2-amino-pyrimidines
US3673184A (en) 1970-09-02 1972-06-27 Dainippon Pharmaceutical Co Certain 2-substituted-5,8-dihydro-5-oxopyrido{8 2,3-d{9 pyrimidine-6-carboxylic acid derivatives
US4361557A (en) 1980-01-28 1982-11-30 Schering Corporation 1-Aryl-2-acylamido-3-fluoro-1-propanol acylates, methods for their use as anti-bacterial agents and compositions useful therefor
EP0067610A1 (en) 1981-06-16 1982-12-22 Beecham Group Plc Penicillins, a process for their preparation and compositions containing them
US4522811A (en) 1982-07-08 1985-06-11 Syntex (U.S.A.) Inc. Serial injection of muramyldipeptides and liposomes enhances the anti-infective activity of muramyldipeptides
US5332835A (en) 1984-02-03 1994-07-26 Zambon S.P.A. Process for fluorinating 1-phenyl-2-amino-1,3-propanediol compounds and new oxazoline compounds useful in this process
JPS6191184A (ja) 1984-10-08 1986-05-09 Morishita Seiyaku Kk 2−アニリノ−5−(1h−テトラゾ−ル−5−イル)ピリミジン−4(3h)−オン誘導体
JP2873340B2 (ja) 1988-04-29 1999-03-24 武田薬品工業株式会社 抗生物質tan―1057,その製造法および用途
JP2991382B2 (ja) 1990-07-18 1999-12-20 大日本製薬株式会社 縮合三環式化合物およびその塩
US5208141A (en) 1990-10-09 1993-05-04 Konica Corporation Silver halide color photographic light-sensitive material
US5958930A (en) 1991-04-08 1999-09-28 Duquesne University Of The Holy Ghost Pyrrolo pyrimidine and furo pyrimidine derivatives
US5766855A (en) 1991-05-24 1998-06-16 Buchardt, Deceased; Ole Peptide nucleic acids having enhanced binding affinity and sequence specificity
US6451968B1 (en) 1991-05-24 2002-09-17 Isis Pharmaceuticals, Inc. Peptide nucleic acids
US5434257A (en) 1992-06-01 1995-07-18 Gilead Sciences, Inc. Binding compentent oligomers containing unsaturated 3',5' and 2',5' linkages
US5646163A (en) 1992-10-30 1997-07-08 The Procter & Gamble Company Quinolone 5-(N-heterosubstituted amino) antimicrobials
RU2139862C1 (ru) 1993-05-12 1999-10-20 Е.И. Дю Пон де Немурс энд Компани Замещенные 4(3н)-хиназолиноны, обладающие фунгицидными свойствами, композиции на их основе и способы борьбы с мучнистой росой
US5502177A (en) 1993-09-17 1996-03-26 Gilead Sciences, Inc. Pyrimidine derivatives for labeled binding partners
US5567884A (en) 1994-03-09 1996-10-22 International Business Machines Corporation Circuit board assembly torsion tester and method
US5668127A (en) 1995-06-26 1997-09-16 Pathogenesis Corporation Nitroimidazole antibacterial compounds and methods of use thereof
TW424090B (en) 1995-08-18 2001-03-01 Nat Science Council Pyrimidines as folate antimetabolites with selective activity against human brain cancer
US5763263A (en) 1995-11-27 1998-06-09 Dehlinger; Peter J. Method and apparatus for producing position addressable combinatorial libraries
US7282327B2 (en) 1996-01-23 2007-10-16 Affymetrix, Inc. Nucleic acid labeling compounds
GB9708611D0 (en) 1997-04-28 1997-06-18 Univ Cardiff Chemical compounds
US6110925A (en) 1997-08-07 2000-08-29 Research Corporation Technologies, Inc. Antibiotic for methicillin resistant bacteria
WO1999024452A2 (en) 1997-11-07 1999-05-20 Isis Pharmaceuticals, Inc. Pyrimidine derivatives for labeled binding partners
US6028183A (en) 1997-11-07 2000-02-22 Gilead Sciences, Inc. Pyrimidine derivatives and oligonucleotides containing same
DE19838998A1 (de) 1998-08-27 2000-03-09 Bayer Ag Neue Naturstoffderivate
SE9903894D0 (sv) 1999-10-28 1999-10-28 New Pharma Research Ab Novel compounds
EP1113008A1 (en) 1999-12-29 2001-07-04 Pfizer Products Inc. 4-oxo-2-ureido-1,4,5,6-tetrahydro-pyrimidine derivatives useful as antibacterial and antiprotozoal agents
KR100358083B1 (ko) 2000-02-17 2002-10-25 에스케이케미칼주식회사 피롤로피리미디논 유도체와 이의 제조방법, 그리고 이의용도
BR0114837A (pt) 2000-10-18 2006-05-09 Pharmasset Ltd nucleosìdeos modificados para tratamento de infecções viróticas e proliferação celular anormal
DE10061542A1 (de) 2000-12-11 2002-06-13 Bayer Ag Alkanoylamino-pyrimidine
DE10061541A1 (de) 2000-12-11 2002-06-20 Bayer Ag Arylamino-Dihydropyrimidinone
DE10061538A1 (de) 2000-12-11 2002-06-20 Bayer Ag Ureido-Dihydropyrimidinone
DE10061537A1 (de) 2000-12-11 2002-06-20 Bayer Ag beta-Alanin-Derivate
WO2002048138A1 (en) 2000-12-14 2002-06-20 The Procter & Gamble Company Antimicrobial quinolones
US6900215B2 (en) 2000-12-15 2005-05-31 Merck Sharp & Dohme Ltd. Imidazo-pyrimidine derivatives as ligands for gaba receptors
AU2002230058B2 (en) 2001-01-29 2005-11-17 Bio-Rad Laboratories, Inc. Nucleic acid derivatives
TWI248936B (en) 2001-03-21 2006-02-11 Merck Sharp & Dohme Imidazo-pyrimidine derivatives as ligands for GABA receptors
US20030207804A1 (en) 2001-05-25 2003-11-06 Muthiah Manoharan Modified peptide nucleic acids
US20030158403A1 (en) 2001-07-03 2003-08-21 Isis Pharmaceuticals, Inc. Nuclease resistant chimeric oligonucleotides
CA2452458A1 (en) 2001-07-03 2003-01-16 Isis Pharmaceuticals, Inc. Nuclease resistant chimeric oligonucleotides
DE10133277A1 (de) 2001-07-09 2003-01-23 Bayer Ag ß-Alanin-Derivate
DE10141271A1 (de) 2001-08-23 2003-03-06 Bayer Ag Neue Tetrahydro-1,3,5-triazin-2-on-Derivate und ihre Verwendung
DE10208256A1 (de) 2002-02-26 2003-09-04 Bayer Ag Piperidinouracile
BR0308289A (pt) 2002-03-08 2005-01-11 Schering Plough Ltd Antibióticos do tipo florfenicol
AU2003225705A1 (en) 2003-03-07 2004-09-30 Ribapharm Inc. Cytidine analogs and methods of use
NZ545157A (en) 2003-08-12 2009-03-31 Achillion Pharmaceuticals Inc Isothiazoloquinolones and related compounds as anti-infective agents
EP1661897B1 (en) 2003-08-26 2013-12-04 Teijin Pharma Limited Pyrrolopyrimidinone derivative
TW200524880A (en) 2003-10-21 2005-08-01 Sankyo Co Pyrimidine compounds
EP1781788A2 (en) 2004-06-30 2007-05-09 ZGene A/S Chicken deoxycytidine and deoxyadenosine kinase enzymes and their use
WO2007014308A1 (en) 2005-07-27 2007-02-01 Achillion Pharmaceuticals, Inc. 8-methoxy-9h-isothiazolo[5,4-b]quinoline-3,4-diones and related compounds as anti-infective agents
CN101360720A (zh) 2005-11-15 2009-02-04 阿斯利康(瑞典)有限公司 新颖的2-氨基嘧啶酮衍生物及其用途
NZ544187A (en) 2005-12-15 2008-07-31 Ind Res Ltd Deazapurine analogs of 1'-aza-l-nucleosides
JO2660B1 (en) 2006-01-20 2012-06-17 نوفارتيس ايه جي Pi-3 inhibitors and methods of use
JP2007270087A (ja) 2006-03-31 2007-10-18 Fujifilm Corp 硬化性組成物、インク組成物、インクジェット記録方法、印刷物、平版印刷版の製造方法、及び平版印刷版
DE602007012161D1 (de) 2006-03-03 2011-03-10 Fujifilm Corp Härtbare Zusammensetzung, Tintenzusammensetzung, Tintenstrahlaufzeichnungsverfahren und Flachdruckplatte
KR20080003599A (ko) 2006-07-03 2008-01-08 에스케이케미칼주식회사 피롤로피리미디논 유도체의 겐티세이트 염 및 이의제조방법
MX2009000102A (es) 2006-07-03 2009-03-02 Sk Chemicals Co Ltd Sales de derivados de pirrolopirimidinona y proceso para prepararlas.
US20100112561A1 (en) 2006-08-25 2010-05-06 Stefan Lutz Fluorescent nucleoside analogues
PL2057165T3 (pl) 2006-09-07 2011-08-31 Victoria Link Ltd Acykliczne inhibitory aminowe fosforylaz i hydrolaz nukleozydowych
WO2008106224A1 (en) 2007-02-28 2008-09-04 Rib-X Pharmaceuticals, Inc. Macrolide compounds and methods of making and using the same
EP1964841A1 (en) 2007-02-28 2008-09-03 sanofi-aventis Imidazo[1,2-a]azine and their use as pharmaceuticals
EP2125816A2 (en) 2007-03-07 2009-12-02 Alantos Pharmaceuticals Holding, Inc. Metalloprotease inhibitors containing a heterocyclic moiety
JP2008222557A (ja) 2007-03-08 2008-09-25 Kotobuki Seiyaku Kk ピロロ[3,2−d]ピリミジン誘導体及びこれを有効成分とする医薬組成物
US20080319200A1 (en) 2007-05-30 2008-12-25 Schering-Plough Animal Health Corp. Process for preparing oxazoline-protected aminodiol compounds useful as intermediates to florfenicol
CN101765585B (zh) 2007-06-12 2017-03-15 尔察祯有限公司 抗菌剂
CA2687217A1 (en) 2007-06-13 2008-12-24 Northeastern University Antibiotic compounds
GB0724342D0 (en) 2007-12-13 2008-01-30 Prolysis Ltd Anitbacterial compositions
KR20090098710A (ko) 2008-03-14 2009-09-17 주식회사 씨티아이바이오 세포투과성과 핵산 결합력이 좋은 펩타이드 핵산 유도체
UY32395A (es) 2009-01-27 2010-08-31 Takeda Pharmaceutical Compuesto con anillo fusionado y su uso
WO2011017319A1 (en) 2009-08-03 2011-02-10 University Of Pittsburgh - Of The Commonwealth System Of Higher Education Methods of treating disorders associated with protein polymerization
US20120263646A1 (en) 2009-10-15 2012-10-18 Guerbet Imaging agents and their use for the diagnostic in vivo of neurodegenerative diseases, notably alzheimer's disease and derivative diseases
CN104628729B (zh) 2009-10-16 2018-11-06 梅琳塔治疗公司 抗微生物化合物和其制备和使用方法
CN102725274A (zh) 2009-10-16 2012-10-10 Rib-X制药公司 抗微生物化合物和其制备和使用方法
MX359743B (es) 2009-10-16 2018-10-08 Melinta Therapeutics Inc Compuestos antimicrobianos y métodos para fabricar y utilizar los mismos.
WO2012125832A2 (en) 2011-03-15 2012-09-20 Rib-X Pharmaceuticals, Inc. Antimicrobial agents
MX2016003046A (es) 2013-09-09 2016-09-08 Melinta Therapeutics Inc Compuestos antimicrobianos y métodos de fabricación y utilización de los mismos.
KR20160070066A (ko) 2013-09-09 2016-06-17 멜린타 테라퓨틱스, 인크. 항균 화합물, 및 이의 제조 방법 및 이용 방법
BR112017019349A2 (pt) 2015-03-11 2018-06-05 Melinta Therapeutics Inc compostos antimicrobianos e métodos de fabricação e uso dos mesmos

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011047319A2 (en) * 2009-10-16 2011-04-21 Rib-X Pharmaceuticals, Inc. Antimicrobial compounds and methods of making and using the same
WO2012173689A2 (en) * 2011-04-15 2012-12-20 Rib-X Pharmaceuticals, Inc. Antimicrobial compounds and methods of making and using the same
JP2016540936A (ja) * 2013-12-09 2016-12-28 シャシー ブレークス インターナショナル ベー フェ− ブレーキセグメントを保持するための部材を備えたドラムブレーキ

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ANTIMICROBIAL AGENTS AND CHEMOTHERAPY, vol. 56(3), JPN6018022373, 2012, pages 1646 - 1649 *

Also Published As

Publication number Publication date
CN106103442A (zh) 2016-11-09
PH12016500453A1 (en) 2016-05-16
CA2923214A1 (en) 2015-03-12
AU2014315050A1 (en) 2016-03-24
WO2015035426A1 (en) 2015-03-12
SG11201601654TA (en) 2016-04-28
US20160214988A1 (en) 2016-07-28
EP3039025A4 (en) 2017-05-31
EP3039025A1 (en) 2016-07-06
US20190284190A1 (en) 2019-09-19
US10106543B2 (en) 2018-10-23
SG10201801956SA (en) 2018-04-27
MX2016002975A (es) 2016-10-21
IL244416A0 (en) 2016-04-21
KR20160070066A (ko) 2016-06-17
US10815238B2 (en) 2020-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10815238B2 (en) Antimicrobial compounds and methods of making and using the same
US10947237B2 (en) Antimicrobial compounds and methods of making and using the same
JP6317669B2 (ja) 抗菌化合物ならびにそれを作製および使用する方法
US10815237B2 (en) Antimicrobials and methods of making and using same
KR20180069098A (ko) 항미생물성 화합물 및 이의 제조 방법 및 사용 방법
US20220112197A1 (en) Antimicrobials methods of making and using the same
JP2019038808A (ja) 抗微生物性化合物および抗微生物性化合物の製造方法および使用方法
KR20180051676A (ko) 항미생물성 화합물 및 이의 제조 방법 및 사용 방법
US10934295B2 (en) Antimicrobials and methods of making and using same
WO2019234508A1 (en) Biodefense agents
NZ715818A (en) Antimicrobial compounds and methods of making and using the same
NZ715818B2 (en) Antimicrobial Compounds And Methods Of Making And Using The Same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170904

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180619

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180918

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190212

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190507

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20191015