JP2016535670A - 卵殻残留物を処理する方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、卵割りユニット（１）から出る、卵殻部分とともに膜部分を含む卵殻残留物を処理する方法に関する。方法は、卵殻残留物を、８５℃よりも低い温度を有するプロセスガスによって駆動されるサイクロン（５）中に供給することを含む。サイクロン（５）中で卵殻残留物を渦巻処理することは、卵殻部分が膜部分から分離されるように、卵殻部分から膜部分を剥離することにつながる。サイクロン（５）の一番上のアウトレット（６）を通して、プロセスガスと蒸気と小水滴との混合を主に放出し、サイクロン（５）の一番下のアウトレット（７）を通して、分離された卵殻部分と膜部分との混合物を主に放出する。最後に、分類デバイス（８）中で、放出された混合物を、卵殻部分パーツと膜部分パーツとに分類することが実行される。【選択図】 図１

Description

本発明は、卵割りユニットから出る、卵殻部分とともに膜部分を含む卵殻残留物を処理する方法に関する。

先行技術

卵割りユニットから出る卵殻残留物は、卵殻部分からのミネラル（大部分はカルシウム）と、膜部分からのタンパク質との両方の価値のある源を形成する。しかしながら、その源を使用するために、まず卵殻部分と膜部分とを厳密に分離しなければならず、これは、タンパク質含有量が低下しないように、慎重な方法で行わなければならない。

ＵＳ６６４９２０３Ｂ１から、外の卵殻部分と膜部分との分離を含む、卵殻を処理する方法が知られている。既知の方法にしたがうと、新鮮な卵殻残留物を、まず遠心分離して、付着している液卵を除去する。そして、卵殻残留物を水中で洗浄して、残留の液卵を除去する。既知の方法の次のステップは、もう一度遠心分離して、その後、９０℃よりもほんのわずかに低い温度で、低い含水量まで乾燥させることを含む。次に、遊離した膜部分を除去する目的の振動スクリーニングが来る。残りは、その後、粗く製粉して、空気圧で処理して、いくらかの付加的な外れた膜部分を除去し、その後、パッケージングの前に細かく製粉する。

既知の方法が、洗浄するステップを含んでいる事実は、多量の水の使用のみならず、余分な遠心分離するステップと乾燥させるステップをも要求する。それゆえ、既知の方法は、特に経済的でも環境的に優しいものでもなく、上記の、９０℃よりもほんのわずかに低い、むしろ高い乾燥温度は、膜部分のタンパク質の品質を低下させる傾向にある。

発明の目的

上記のことを考えて、先行技術の解決法の欠点を緩和して、経済的に環境的に、より実行可能で、そしてさらに、含まれるタンパク質に対してさらに余り有害でない、卵殻残留物を処理する方法を提供することが、本発明の目的である。

発明の簡単な概要

発明にしたがうと、このことは、卵割りユニットから出る、卵殻部分とともに膜部分を含む卵殻残留物を処理する方法によって達成され、方法は、以下の、０．５ｍｍから４０ｍｍの小片サイズと、３％から４０％の湿量基準含水量とを有する卵殻残留物を、８５℃よりも低く、好ましくは６０℃よりも低い温度を有するプロセスガスによって、卵割りユニットから、６０ｍ／秒を超え、好ましくは７０ｍ／秒から３４０ｍ／秒の間のスピードで駆動されるサイクロン中に供給するステップと、
サイクロン中で、卵殻部分が膜部分から分離されるように、小片のサイズを低減させ、卵殻部分から膜部分を剥離するために、卵殻残留物を渦巻処理するステップと、
サイクロンの一番上のアウトレットを通して、プロセスガスと蒸気と小水滴との混合を主に放出するステップと、
サイクロンの一番下のアウトレットを通して、分離された卵殻部分と膜部分との混合物を主に放出するステップと、
分類デバイス中で、放出された混合物を、卵殻部分パーツと膜部分パーツとに分類するステップとにより特徴付けられる。

発明にしたがった方法は、何らかの洗浄するステップを含んでいない。このことは環境的に有益であり、機器および動作のコストをセーブする。さらに、発明にしたがった方法は、洗浄液を振り切るための何らかの遠心分離するステップを含んでおらず、これは、洗浄するステップがないのと同じ理由のために有利である。そして最後に、わずかに９０℃を下回る温度で動作し、したがって、タンパク質の品質を低下させる傾向にあるエネルギーを消費する乾燥させるステップを、発明にしたがった方法は含んでいない。

発明にしたがった方法は、総プロセスガス供給レートに関して、卵殻残留物供給レートを調節することによって、卵殻残留物をサイクロン中に供給することと、混合物をサイクロンの外に放出することとの間の時間を制御するさらなるステップを含み、時間を、０．５秒から２０秒の間隔中に、好ましくは、１秒から５秒の間隔中に制限することが好ましい。言い換えれば、容易に制御できる２つのファクタ、卵殻残留物供給レートおよびプロセスガス供給レートを、適切に使用して最適な結果に到達する一方で、エネルギー消費を低く保ち、プロセス時間をきわめて短時間に減少させる。

液卵をできるだけ大切にするために、発明にしたがった方法は、前述のサイクロン中に卵殻残留物を供給する前に、卵殻残留物を遠心分離するさらなるステップを含むことが好ましい。これは、続くサイクロンステップを、乾燥機のもとで、したがって、より良い条件で実行できる、付加的な利点につながる。

好ましい実施形態にしたがうと、発明にしたがった方法は、サイクロン中に卵殻残留物を連続的に供給するステップを含んでいる。連続的に供給することは、対象とする機器の最大限の使用につながり、使用するサイクロンに対して安定した動作条件を達成するのを助ける。

分類するステップの間、プロセスガスを吹きつけて、前述の膜部分パーツを、分類スクリーンから、分類デバイスの外に空気圧で排出することは、最も効果的であることが判明した。しかしながら、これは、アスピレータのような、すべての異なる分類デバイスを使用する可能性を除外しない。

発明にしたがって、前述の卵殻部分パーツと膜部分パーツとの両方を、分類した後に乾燥させることが好ましい。さらに、前述のパーツは、オプション的に、分類された後に、同様に製粉される。任意のケースにおいて、これらの手段のゴールは、パッケージングおよび輸送のために、均一で高品質で適切な最終製品に到達することである。

図面上で、図１は、発明の好ましい実施形態にしたがった方法のステップを図示しているフローチャートを示している。

好ましい実施形態の詳細な説明

何十万トンの卵殻残留物が、世界中の卵割り設備で生成されている。卵殻は、高い潜在的な経済価値を有する物質を含んでいるが、卵殻残留物は、廃棄物として処理されることが多い。一方、純粋で清潔な、天然のミネラルおよびタンパク質の原料に対する需要は、化粧品や薬用化粧品や栄養補助食品や医薬品や機能性食品や動物飼料等を含む多数の産業において成長している。この背景に対して、本発明の目的は、卵殻由来の原料を生成させるために、卵殻残留物を処理する方法を提供することである。

卵殻残留物は、タンパク質の豊富な膜小片と、ミネラルの豊富な殻小片とを含んでいる。これらは絡まっているので、さらなる処理および商用的な応用を可能にするために、２つの別々のマテリアル流に分離しなければならない。小片の絡みによって引き起こされる問題の他に、この状況において遭遇する別の問題は、タンパク質が温度に対して敏感であり、製品劣化を防ぐために５５℃を下回る温度に保たなければならないことである。

このことは、発明者に、既知の解決法よりもさらに優しい方法を探させて、最終的に、低い温度の高速のサイクロンの使用を含む方法に発明者を到達させた。これは、８５℃より低い温度と６０ｍ／秒を超えるスピードとを保っているプロセスガスによって駆動されるサイクロンを意味している。

このようなサイクロンは、数秒内で、または、１秒のうちのわずかの内でさえ、卵殻小片から膜小片を剥離できることが判明しており、したがって、含まれている小片の温度を十分に低く保って、劣化を防ぐことが保証される。サイクロン内で、分離プロセスは、（主にミネラルを含んでいる）卵殻小片と、（主にタンパク質を含んでいる）膜部分との間の、脆性および弾性における差異を使用して、絡まった（複合の）小片を、純粋なミネラル小片とタンパク質小片とに分離する。

以下において、同封の図面を参照して、発明にしたがった方法の好ましい実施形態の詳細な説明によって、上記のことを示す。

図面において、ボックス１は、卵割りユニット中で卵を割るステップを図示している。このユニットは、卵白と卵黄（ボックス２参照）および卵殻残留物を産出する。これらは卵殻部分と膜部分とともに、いくらかの液卵を含み、遠心分離機中に供給される（ボックス３参照）。

遠心分離機中で、液卵のほとんどは、卵殻部分と膜部分から振り切られ、出口に導かれる（ボックス４参照）一方、０．５ｍｍから３０ｍｍのサイズと、３％から４０％の湿量基準含水量とを有する残りの卵殻残留物小片は、高速サイクロン中に供給される（ボックス５参照）。

サイクロンは、好ましくは６０℃よりも低い温度と好ましくは７０ｍ／秒から３４０ｍ／秒の間隔内のスピードとを保つプロセスガスによって駆動される。サイクロン内で、プロセスガスは、渦巻の流れを引き起こし、渦巻の流れは、卵殻残留物を絡ませ、卵殻残留物を互いに衝突させ、サイクロン壁と衝突させる。これは、すべて、好ましくは１秒から５秒の間のサイクロン内部の滞在時間内で、脆い卵殻部分を、より小さな片に割る一方、弾力のある膜部分は剥離させる。

サイクロンの一番上のアウトレットを通して、主にガスと蒸気と小水滴との混合が放出されて（ボックス６参照）、そして、サイクロンの一番下のアウトレットを通して、分離された卵殻部分と膜部分とを主に含んでいる混合物が放出される（ボックス７参照）。

前述の卵殻部分と膜部分との混合物は、その後、分類デバイス中に供給され（ボックス８参照）、その中で、例えば、スクリーンおよび／またはアスピレータを振動させること、すなわち、当業者によく知られている手段により、卵殻部分パーツと膜部分パーツとに分類することを実行する。

卵殻部分パーツは、分類デバイスから、オプション的に乾燥機中に供給され（ボックス９参照）、その中で、含水量は、例えば、パッケージングおよび保管のために十分なレベルまで低くされる。膜部分パーツに対しても、同じことが行われ、劣化することがないパッケージングと輸送と保管のために、適切な含水量レベルに到達するように、膜部分パーツが乾燥機中に供給される（ボックス１０参照）。

乾燥機からの卵殻部分パーツは、その後、オプションのミル中に導かれ（ボックス１１参照）、その中で、小片が最終のパッケージングステージ（ボックス１３参照）に到達する前に、小片サイズが所望の均一レベルまでに低減される。

膜部分パーツは、オプション的に、乾燥機からミル中に導かれ（ボックス１２参照）、その中で、パッケージング（ボックス１４参照）の前に粉砕される。

当業者にとって、添付された特許請求の範囲によって設定された枠組み内で、上述した方法を変更するいくつかの方法があることは明らかである。しかしながら、どのように方法を変更しようと、膜部分のタンパク質含有量を常に慎重に取り扱って、劣化を引き起こす温度にさらさないことが重要である。

Claims (10)

1. 卵割りユニット（１）から出る、卵殻部分とともに膜部分を含む卵殻残留物を処理する方法において、前記方法は、以下の、
   ０．５ｍｍから４０ｍｍの小片サイズと、３％から４０％の湿量基準含水量とを有する卵殻残留物を、８５℃よりも低く、好ましくは６０℃よりも低い温度を有するプロセスガスによって、前記卵割りユニット（１）から、６０ｍ／秒を超え、好ましくは７０ｍ／秒から３４０ｍ／秒の間のスピードで駆動されるサイクロン（５）中に供給するステップと、
   前記サイクロン（５）中で、前記卵殻部分が前記膜部分から分離されるように、小片のサイズを低減させ、前記卵殻部分から前記膜部分を剥離するために、前記卵殻残留物を渦巻処理するステップと、
   前記サイクロン（５）の一番上のアウトレット（６）を通して、プロセスガスと蒸気と小水滴との混合を主に放出するステップと、
   前記サイクロン（５）の一番下のアウトレット（７）を通して、分離された卵殻部分と膜部分との混合物を主に放出するステップと、
   分類デバイス（８）中で、前記放出された混合物を、卵殻部分パーツと膜部分パーツとに分類するステップとにより特徴付けられる方法。
2. 総プロセスガス供給レートに関して、卵殻残留物供給レートを調節することによって、卵殻残留物を前記サイクロン（５）中に供給することと、前記混合物を前記サイクロン（５）の外に放出することとの間の時間を制御するさらなるステップを含む請求項１記載の方法。
3. 前記時間を、０．５秒から２０秒の間隔中に、好ましくは、１秒から５秒の間隔中に制限する請求項２記載の方法。
4. 前記サイクロン（５）中に前記卵殻残留物を供給する前に、前記卵殻残留物を遠心分離するさらなるステップ（３）を含む請求項１ないし３のいずれか１項記載の方法。
5. 前記供給するステップは、前記サイクロン（５）中に卵殻残留物を連続的に供給することを含む請求項１ないし４のいずれか１項記載の方法。
6. 前記分類するステップは、空気を吹きつけて、前記膜部分パーツを、分類スクリーンから、前記分類デバイス（８）の外に空気圧で排出することを含む請求項１ないし５のいずれか１項記載の方法。
7. 前記卵殻部分パーツを乾燥させるさらなるステップ（９）を含む請求項１ないし６のいずれか１項記載の方法。
8. 前記膜部分パーツを乾燥させるさらなるステップ（１０）を含む請求項１ないし７のいずれか１項記載の方法。
9. 前記卵殻部分パーツを製粉するさらなるステップ（１１）を含む請求項１ないし８のいずれか１項記載の方法。
10. 前記膜部分パーツを製粉するさらなるステップ（１２）を含む請求項１ないし９のいずれか１項記載の方法。

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