JP2016534546A - ホスフィンオキシドマトリックス及び金属塩を含む半導体材料 - Google Patents

ホスフィンオキシドマトリックス及び金属塩を含む半導体材料 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)に示される化合物と、式(II)を有する少なくとも1つのリチウム錯体とを含む半導体材料に関する:【化1】式(I)中、R1、R2及びR3は独立して、C1〜C30のアルキル、C3〜C30のシクロアルキル、C2〜C30のヘテロアルキル、C6〜C30のアリール、C2〜C30のヘテロアリール、C1〜C30のアルコキシ、C3〜C30のシクロアルキルオキシ、C6〜C30のアリールオキシ、及び、一般式E−A−を有する構造ユニットから選択され、Aは、フェニレンスペーサーユニットであり、Eは、O、S、P、Si及びBから独立して選択される6個以下のヘテロ原子を含むC10〜C60のアリール及びC6〜C60のヘテロアリールから選択され、かつ、少なくとも10個の非局在化原子の共役系を含み、かつ、R1、R2及びR3から選択される少なくとも1つの基は、一般式E−A−を有しており、式(II)中、A1は、芳香環内にO、S及びNから選択される少なくとも1つの原子を含むC6〜C30のアリーレン、又は、C2〜C30のヘテロアリーレンであり、A2及びA3の各々は、芳香環内にO、S及びNから、独立して選択される少なくとも1つの原子を含むC6〜C30のアリール、及び、C2〜C30のヘテロアリールから独立して選択される。また、カソードと、アノードと、当該カソードと当該アノードとの間の請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体材料を含む電子デバイス。さらに、化合物と電子デバイスを開示する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、改善された電気的特性を有する有機半導体材料と、有機半導体材料に適した化合物と、本発明の半導体材料による、改善された電気的特性を利用している電子デバイスとに関する。
〔I.本発明の背景〕
少なくとも一部分が有機化学によって提供される材料を含んでいる電子デバイスの間で、有機発光ダイオード(OLED)は卓越した位置にある。1987年のTang et al.(C. W. Tang et al., Appl. Phys. Lett. 51 (12), 913 (1987))による有効なOLEDの証明以後、OLEDは有望な候補から高級な市販用ディスプレイへと発展した。OLEDは、実質的には有機材料から形成された薄層の連続体を含む。当該層は一般に1nmから5μmの厚さを有する。当該層は通常、真空蒸着か、又は、例えばスピンコーティング又はジェットプリンティングによって、溶液から形成される。
OLEDは、カソードから電子の形で、かつ、アノードから正孔の形で、カソードとアノードとの間に配置された有機層の中に電荷担体を注入した後に発光する。電荷担体注入は外部電圧の印加によって行われ、続いて、発光領域内での励起子の形成、及びこれら励起子の放射性結合が起こる。電極の少なくとも1つは透明又は半透明であり、大多数の場合、インジウムスズ酸化物(ITO)、金属薄層等の透明な酸化物の形である。
本発明の目的は、従来技術の欠点を解消し、電子デバイスに使用される、電気的にドープされた半導体に上手く埋め込み可能な化合物を提供することにある。本発明の半導体材料は、優れた特性を備え、特に、低電圧かつ高性能で、より具体的には、より高い電力効率を持つOLEDを提供するであろう。
〔II.本発明の概要〕
本発明の目的は、i)式(I)に示される化合物、及び、ii)式(II)を有する少なくとも1つのリチウム錯体を含んでいる半導体材料によって達成される:
Figure 2016534546
式(I)中、R、R及びRは独立して、C〜C30のアルキル、C〜C30のシクロアルキル、C〜C30のヘテロアルキル、C〜C30のアリール、C〜C30のヘテロアリール、C〜C30のアルコキシ、C〜C30のシクロアルキルオキシ、C〜C30のアリールオキシ、及び、一般式E−A−を有している構造ユニットから選択され、
ここで、Aは、フェニレンスペーサーユニットであり、Eは、O、S、P、Si及びBから独立して選択される6個以下のヘテロ原子を含むC10〜C60のアリール及びC〜C60のヘテロアリールから選択され、かつ、少なくとも10個の非局在化電子の共役系を含む、電子輸送ユニットであり、
、R及びRから選択される少なくとも1つの基は、上記一般式E−A−を有しており、
Figure 2016534546
式(II)中、Aは、芳香環内にO、S及びNから選択される少なくとも1つの原子を含むC〜C30のアリーレン、又はC〜C30のヘテロアリーレンであり、A及びAの各々は独立して、芳香環内にO、S及びNから独立して選択される少なくとも1個の原子を含むC〜C30のアリール、又はC〜C30のヘテロアリールから選択される。
フェニレンスペーサーAは、オルト−フェニレン、メタ−フェニレン又はパラ−フェニレンから好ましくは選択される。立体構造上の理由より、m−フェニレン又はp−フェニレンが好ましい。
リチウム錯体(II)は、本発明の半導体材料において、電気的ドーパントとして作用し、その反対に、式(I)の化合物は、電荷輸送マトリックスの機能を有する。非局在化電子の共役系の例は、交互のpi結合及びシグマ結合の系であり、原子間にpi結合を有している1以上の2原子構造ユニットは、任意で、少なくとも1つの孤立電子対を有する原子、一般には、二価のO又はSで置換され得る。代わりに、又は、加えて、交互のpi結合及びシグマ結合の系は、わずか6個の価電子と1個の空軌道とを有する1以上の孤立ホウ素電子を組み込み得る。好ましくは、非局在化電子の共役系は、ヒュッケル則を満たす少なくとも1つの芳香環を含んでいる。より好ましくは、非局在化電子の共役系は、少なくとも10個の非局在化電子を含んでいる縮合芳香族骨格、例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ベンゾフラン又は、ベンゾチオフェン骨格を含んでいる。その上好ましくは、非局在化電子の共役系は、少なくとも2つの直接結合した芳香環からなり、そのような系の最も簡単な例は、ビフェニル、ビチエニル、フェニルチオフェン、フリルチオフェン等である。
化合物(I)の最低空軌道(LUMO)は、主としてその電子輸送ユニットEに局在化していることが好ましい。共役系における少なくとも10個の非局在化電子の存在は、主として電子輸送ユニットEに局在化した、式(I)の全化合物の最低空軌道を形成する。
より具体的には、分子内のLUMO等のフロンティア軌道の局在化は、当業者によって、最大共役pi電子系を含む分子の部分に帰属されてもよい。同程度の2以上のpi電子系(共役系のpi電子の数によって与えられる)が分子内に発生する場合には、最低エネルギーは、最も強い電子求引基、及び/又は、最も弱い電子供与基に関連した系に帰属されてもよい。様々な置換基の電子求引効果、及び/又は、電子供与効果は、多数の置換基に関してまとめられ、最も頻繁には芳香族化合物、又は複素環式芳香族化合物において見出されるハメット定数又はタフト定数等の実験上許容可能なパラメーターに対応している。大抵の場合、上述したパラメーターは、確実なLUMO局在化に関して十分である。なぜなら、同じ芳香族系に結合する複数の置換基の全体的な効果は付加的なものだからである。不確実な場合、分子内の正確なLUMO局在化の修正の決定的方法は、量子化学計算である。計算能力に対する要求が比較的低いにも関わらず確かな結果は、例えば、密度関数理論(DFT法)に基づく方法を提供する。
参照としてのテトラヒドロフラン(THF)中のフェロセニウム/フェロセン酸化還元対に対するサイクリックボルタンメトリー(CV)によって測定される化合物(I)のLUMOのレベルは、−1.8〜−3.1Vの範囲内であることが望ましい。このLUMOのエネルギーは、−2.0〜−2.9Vの範囲内であることが好ましく、より好ましくは−2.15〜−2.75Vの範囲内であり、さらにより好ましくは−2.25〜−2.6Vの範囲内である。現代量子化学法もまた、様々な分子に関する相対的なLUMOエネルギーの確実な評価を可能にする。同じ化合物についての計算値と測定値とを比較して、得られた差を他の化合物の計算値の補正として考慮しなければならない場合には、具体的なCV実験的設定において測定された電気化学的電位に対応している絶対的スケールに対する計算上の相対値を再計算してもよい。
好ましくは、式(I)及び(II)の化合物を含んでいる半導体材料は、電子輸送材料、又は電子注入材料として提供される。
基、又は構造ユニットが置換されていないことが明示的に述べられていなければ、与えられた原子の総数(例えば与えられた炭素原子の総数)は、可能な置換基も含む。
適切な電子輸送ユニットの例は、アリール及びヘテロアリール(少なくとも2つの縮合芳香環を含むアレーン又はヘテロアレーン)である。用語「ラジカル」は、形式的な水素引き抜きによる有機分子由来の有機残基を意味する。
さらに好ましくは、当該電子輸送ユニットEは、C14〜C50のアリール又はヘテロアリールを含む。より好ましくは、当該電子輸送ユニットEは、C14〜C44のアリールを含む。
好ましくは、電子輸送ユニットEは、2〜5の縮合芳香環を有している芳香族骨格又は複素環式芳香族骨格を含む。より具体的には、好ましい電子輸送ユニットの例は、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニルである。1,1’−ビフェニリルもまた好ましいが、その環は縮合していない。スペーサーAと電子輸送ユニットEとは同様に、置換されていなくてもよく、又は、分子のフロンティア軌道エネルギーレベルのさらなる同調を可能とする電子求引基又は電子供与基によって適切に置換されていてもよい。電子求引基の一般例は、フェニル基、ハロゲン基、カルボニル基、ニトリル基、ハロアルキル基、又はハロアリール基、及び、ピリジル、ジアジニル、又はトリアジニル等の六員環窒素含有複素環式ラジカルである。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味している;ハロアルキル基及びハロアリール基の具体例は、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロイソプロピル、ペルフルオロ−tert−ブチル、又はペンタフルオロフェニル等のペルハロアルキル及びペルハロアリール基である。電子供与基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヘテロアルキル基等のアルキル基であり、このとき、当該アルキル鎖における1又は複数の非隣接メチレンユニットは、ヘテロ原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、及び、N、O及びSから選択される、3つまでのヘテロ原子を含んでいる五員複素環によって置換されている。
ヘテロアルキルに含まれるヘテロ原子の典型的な例は、O、S及びSiであり、エーテル基、スルフィド基、又は、ジアルキルシリレン基によって表される。シクロアルキルは、芳香族ではない炭素環構造を少なくとも1つ含むヒドロカルビル置換基を意味する。用語「アルキル及びシクロアルキル」には、不飽和及び分枝のヒドロカルビル基も含まれることが理解される。
式(II)中のアリール、アリーレン、ヘテロアリール及び/又は、ヘテロアリーレンはいずれも独立して、アリール、ヘテロアリール、アリーレン又は、ヘテロアリーレン基に与えられたCの総数が、官能基中に存在するすべての置換基もまた含んでいることを条件として、アルコキシ、アリールオキシ、リチウムオキシ、及びCとHのみを含む炭化水素基から選択される官能基により置換されていても、置換されていなくてもよい。
好ましくは、式(II)中のAはフェニレンである。また好ましくは、A又はAの少なくとも1つはフェニルである。
本発明に係る半導体材料は、少なくとも一部が均一混合物の形態である、塩(II)と式(I)に示される化合物とを含んでおり、両構成因子は、互いに分子的に分散している。
本発明の他の目的は、本発明に係る半導体材料を含む電子デバイスによって達成され、好ましくは、本発明の半導体材料が、カソードとアノードとの間の少なくとも一層を形成する電子デバイスという形において達成される。
具体的には、本発明の第2の目的は、本発明に係る半導体材料を含むか、本発明に係る半導体材料からなる、少なくとも1つの半導体層を含む電子デバイスによって表される。より具体的には、本発明に係る半導体材料は、電子デバイスにおいて、電子輸送層として、電子注入層として、又は、電子輸送及び正孔阻止の二重の機能を有する層として使用される。
特定の場合において、励起子阻止機能も考慮することができる。
好ましくは、本発明のデバイスの構成は、本発明の半導体層の発光を許容しないことである。言い換えれば、好ましくは、電子だけが本発明の半導体層に入り、その一方で、正孔の接近は阻止され、これにより励起子形成が阻止される。
本発明の他の目的は、式(I)に示される構造を有する化合物によって達成される;
Figure 2016534546
式中、R、R及びRは独立して、C〜C30のアルキル、C〜C30のシクロアルキル、C〜C30のヘテロアルキル、C〜C30のアリール、C〜C30のヘテロアリール、C〜C30のアルコキシ、C〜C30のシクロアルキルオキシ、C〜C30のアリールオキシ、及び、一般式E−A−を有する構造ユニットから選択され、
、R及びRの少なくとも1つの基は、上記一般式E−A−を有しており、
式中、
Aはフェニレンであり、
各Eは、O、S、P、Si及びBから独立して選択される6個以下のヘテロ原子を含むC14〜C60のアリール及びC〜C60のヘテロアリールから独立して選択され、かつ、少なくとも10個の非局在化原子の共役系を含む、電子輸送ユニットであり、
但し、R及びRが、共にフェニルであり、Rにおいて、Aがp−フェニレンであり、Eが、C14〜C38のアンスリルである化合物(I)は除く。
好ましくは、電子輸送ユニット−Eが、C14〜C50のアリール及びC〜C50のヘテロアリールから選択され、より好ましくは、−EはC14〜C44のアリールである。さらにより好ましくは、−Eは、C16〜C44のピレニル及びC14〜C42のアンスリルから選択される。また好ましくは、電子輸送ユニット−E−Aの少なくとも1つは、
i)Aがm−フェニレン又はp−フェニレンであり、EがC16〜C44のピレニルであるか、
ii)Aがm−フェニレンであり、EがC14〜C38のアンスリルである。
さらにより好ましくは、上記アンスリルは、C14〜C36のアンスリルである。また好ましくは、R、R及びRの少なくとも1つ置換基は、フェニルである。さらにより好ましくは、上記アンスリルは、9−アンスリルである。
〔III.図面の簡単な説明〕
図1は、本発明を具体化可能なデバイスを示す模式図である。
図2は、本発明を具体化可能なデバイスを示す模式図である。
図3は、本発明の化合物A1のH NMRスペクトルである。
図4は、本発明の化合物A2のH NMRスペクトルである。
図5は、本発明の化合物A3のH NMRスペクトルである。
図6は、本発明の化合物A4のH NMRスペクトルである。
図7は、本発明の化合物B1のH NMRスペクトルである。
図8は、本発明の化合物B2のH NMRスペクトルである。
図9は、実施例1のボトムエミッションOLEDにおける本発明の半導体材料B2+D2(四角で示す)、比較材料C2+D2(丸で示す)、及び比較材料C2+D1(三角で示す)の電流密度対印加バイアスの比較である。
図10は、実施例1のボトムエミッションOLEDにおける本発明の半導体材料B2+D2(四角で示す)、比較材料C2+D2(丸で示す)、及び比較材料C2+D1(三角で示す)の量子効率対輝度の比較である。
図11は、実施例1のボトムエミッションOLEDにおける本発明の半導体材料A4+D2(四角で示す)、比較材料C3+D2(三角で示す)、及び比較材料C3+D1(丸で示す)の電流密度対印加バイアスの比較である。
図12は、実施例1のボトムエミッションOLEDにおける本発明の半導体材料A4+D2(四角で示す)、比較材料C3+D2(三角で示す)、及び比較材料C3+D1(丸で示す)の量子効率対輝度の比較である。
図13は、実施例2のトップエミッションOLEDにおける本発明の半導体材料A1+D2(四角で示す)、比較材料C1+D2(三角で示す)、及び比較材料C1+D1(丸で示す)の電流密度対印加バイアスの比較である。
図14は、実施例2のトップエミッションOLEDにおける本発明の半導体材料A1+D2(四角で示す)、比較材料C1+D2(三角で示す)、及び比較材料C1+D1(丸で示す)の電流効率対輝度の比較である。
図15は、図13又は14(四角:A1+D2、CIE y=0.050、丸:C1+D1、CIE y=0.045、三角:C1+D2、CIE y=0.049)に表されるデバイスに関する輝度のスペクトル分散の比較である。
〔IV.本発明の詳細な説明〕
(デバイス構造)
図1は、アノード(10)、発光層(EML)を含んでいる有機半導体層(11)、電子輸送層(ETL)(12)、及びカソード(13)の積層体を示す。ここで説明するように、これら示した層の間には、他の層が挿入されていてもよい。
図2は、アノード(20)、正孔注入及び輸送層(21)、電子阻止機能も統合可能な正孔輸送層(22)、EML(23)、ETL(24)、及びカソード(25)の積層体を示す。ここで説明するように、これら示した層の間には、他の層が挿入されていてもよい。
用語「デバイス」は、有機発光ダイオードを含む。
(材料特性−エネルギーレベル)
イオン化電位(IP)を決定する1つの方法が、紫外線光電子分光法(UPS)である。固体状態の材料について、イオン化電位を測定することは通常である;しかしながら、気体相でIPを測定することも可能である。両者の値はそれらの固体状態効果、例えば、光電子イオン化過程の間に生成される正孔の分極エネルギーによって区別される。分極エネルギーについての一般的な値は約1eVであるが、値の大幅な不一致が生じることもある。IPは、光電子の巨大運動エネルギー領域における光電子発光スペクトルの開始、すなわち最も弱く結合した電子のエネルギーに関係している。UPSに関連した方法である逆光電子分光(IPES)もまた、電子親和力(EA)を決定するのに使用することができる。しかしながら、この方法はあまり一般的ではない。溶液中での電気化学測定は、固体状態の酸化(Eox)及び還元(Ered)電位の決定に代わるものである。適した方法は、例えばサイクリックボルタンメトリーである。酸化/還元電位を電子親和力及びイオン化電位に変換するために、単純な法則が頻繁に使用される:それぞれ、IP=4.8eV+eox(対フェロセニウム/フェロセン(Fc/Fc))、及び、EA=4.8eV+ered(対Fc/Fc)である(B. W. D’ Andrade, Org. Electron. 6, 11−20 (2005))参照)。他の参照電極、又は、他の酸化還元対が使用される場合における、電気化学的電位の補正操作が知られている(A. J. Bard, L. R. Faulkner, 「電気化学的方法:基礎と応用」、Wiley, 2. 2000年版)。使用する溶液の影響についての情報は、N. G. Connelly et al., Chem. Rev. 96, 877 (1996)に見出すことができる。たとえ「HOMOエネルギー」E(HOMO)及び「LUMOエネルギー」E(LUMO)との用語の使用が正確には正しくなくても、それぞれ、イオン化エネルギー及び電子親和力(クープマンの定理)と同じ概念を表すことは通常である。イオン化電位、及び、電子親和力は、大きな値が、放出されたか又は個々の求引された強い結合を表すことを考慮しなければならない。フロンティア分子軌道(HOMO,LUMO)のエネルギースケールはこれに反する。それゆえ、概算では、IP=−E(HOMO)及びEA=E(LUMO)である。得られる電位は、固体状態の電位に一致する。
(基板)
基板は、柔軟、又は硬く、透明、不透明、反射的、又は半透明であってもよい。OLEDによって発生した光を基板に通さなければならない場合(ボトムエミッティング)、基板は透明又は半透明でなければならない。OLEDによって発生した光を基板と反対方向に発光しなければならない場合、いわゆるトップエミッティング型では、基板は不透明であってもよい。OLEDは透明であってもよい。基板は、カソード又はアノードのいずれかに隣接して配置されていてもよい。
(電極)
電極はアノード及びカソードであり、これらは一定の大きさの伝導性を示さなければならず、優先的に導体である。好ましくは、「第1の電極」はカソードである。電極の少なくとも1つは、デバイスの外側に光を透過できるように半透明、又は透明でなければならない。一般的な電極は、金属及び/又は透明の導電性酸化物を含んでいる層、又は層の積層体である。他の可能な電極は、薄いバスバー(例えば薄い金属グリッド)から形成され、バスバーとバスバーとの間の空間は、グラフェン、カーボンナノチューブ、ドープされた有機半導体等の一定の導電性を備えた透明材料で充填(コーティング)されている。
一形態において、アノードは基板に最も接近した電極であり、これは非逆転構造と言う。他の形態において、カソードは基板に最も接近した電極であり、これは逆転構造と言う。
アノードに対する代表的な材料は、ITO及びAgである。カソードに対する代表的な材料は、Mg:Ag(10体積%のMg)、Ag、ITO、Alである。混合物及び多層であってもよい。
好ましくは、カソードは、Ag、Al、Mg、Ba、Ca、Yb、In、Zn、Sn、Sm、Bi、Eu、Liから選択される一種の金属を含み、より好ましくは、Al、Mg、Ca、Baから選択され、さらにより好ましくは、Al又はMgから選択される。また、カソードは、Mg及びAgの合金を含んでいることも好ましい。
(正孔輸送層(HTL))
正孔輸送層は、アノードからの正孔、又は、CGLからの正孔を、EMLへと輸送する役割を果たすラージギャップ半導体を含んでいる。HTLは、アノードとEMLとの間、又は、CGLの正孔生成側とEMLとの間に含まれる。HTLは、他の材料、例えばp−ドーパントと混合されていてもよく、この場合、HTLは、p−ドープされていると言う。HTLは、何層かが集まって構成されていてもよく、それらの層は異なる成分であってもよい。HTLのp−ドーピングはHTLの抵抗率を低減し、ドープされていない半導体であれば高い抵抗率に起因して生じる電力損失を回避する。ドープされたHTLは、抵抗を著しく増大させることなく、最大で1000nm、又はそれ以上に非常に厚く形成できるため、光学スペーサーとして使用することができる。
適した正孔輸送材料(HTM)は、例えば、ジアミン類からのHTMであってもよく、この場合、共役系は、少なくとも2つのジアミン窒素の間に提供される。例は、N4,N4’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N4,N4’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(HTM1)、N4,N4、N4'',N4''−テトラ([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−[1,1’:4’,1''−ターフェニル]−4,4''−ジアミン(HTM2)又は、N4,N4''−ジ(ナフタレン−1−イル)−N4,N4''−ジフェニル[1,1’:4’,1''−ターフェニル]−4,4''−ジアミン(HTM3)である。ジアミンの合成は、文献に正確に記載されている:多くのジアミンHTMは既に市販されている。
(正孔注入層(HIL))
正孔注入層は、アノードから、又は、CGLの正孔生成側から、隣接するHTLへと正孔が注入されるのを促進させる層である。一般に、HILは非常に薄い層(<10nm)である。正孔注入層は、p−ドーパントの純粋な層であってもよく、厚さは約1nmであってもよい。HTLがドープされる場合には、HILは必ずしも必要ではない。なぜなら、注入機能は既にHTLによって与えられているからである。
(発光層(EML))
発光層は、少なくとも1種の発光材料を含んでいなければならず、任意で、付加的な層を含んでいてもよい。EMLが2種又はそれ以上の材料を含んでいる場合には、電荷担体注入は異なる材料、例えば、発光体ではない材料で生じてもよく、又は、電荷担体注入は、直接発光体に行われてもよい。多くの異なるエネルギー遷移過程が、EMLの内部又はEMLに隣接して生じてもよく、異なる発光の種類へと至る。例えば、主材料において励起子が形成されてもよく、次にそれらは一重又は三重の励起子として、一重又は三重の発光体であってもよい発光体材料へと送られ、それから発光する。発光体の混合により、効率は向上する。発光主及び発光ドーパントからの発光を使用することで、混合光を実現することができる。
阻止層を使用してEMLにおける電荷担体の制限を改善してもよく、これらの阻止層は、US7,074,500B2に詳細に説明されている。
(電子輸送層(ETL))
電子輸送層は、カソードからの電子、又はCGL又はEIL(以下を参照)からの電子を、EMLへと輸送する役割を果たしている。ETLは、カソードとEMLとの間、又は、CGLの電子生成側とEMLとの間に含まれる。ETLは、電気的にn−ドーパントと混合されていてもよく、この場合、ETLはn−ドープされていると言う。ETLは、何層かが集まって構成されていてもよく、それらの層は異なる成分であってもよい。ETLのn−ドーピングは、ETLの抵抗率及び/又はETLが隣接する層に電子を注入する能力を改善し、ドープされていない半導体であれば高い抵抗率(及び/又は不利な注入能力)に起因する電力損失を回避する。ドープされたETLは、抵抗を著しく増大させることなく、最大で1000nm、又はそれ以上に非常に厚く形成できるため、光学スペーサーとして使用することができる。
本発明は、ETLにおいて式(I)に係る化合物を採用してもよく、この化合物は、他の材料と組み合わせて、すべての層において又はETLの下の層で、使用してもよい。
通常通り、正孔阻止層及び電子阻止層を採用してもよい。
本発明の一形態において、ETLは、第1のETL(ETL1)及び第2のETL(ETL2)の2層を含み、ETL1はETL2よりもEMLに接近している。優先的に、ETL1は式(I)に係る化合物を含み、さらにより好ましくは、式(I)に係る材料のみからなる。また好ましくは、ETL1は、ETL2よりも基板に接近している。
あるいは、又はさらに、ETL2は、式(I)に係る化合物を含んでいる。好ましくは、ETL2は、電気的にドープされている。
任意で、ETL1及びETL2は、式(I)に係る同じ化合物を含んでいる。
異なる機能を有する他の層が含まれていてもよく、また、当業者によってデバイス構造が改造されてもよい。例えば、電子注入層(EIL)は、カソードとETLとの間に使用してもよい。また、EILは、この出願の本発明のマトリックス化合物を含んでいてもよい。
(電荷生成層(CGL))
OLEDは、逆接触、又は、接続ユニットとして、積層OLEDにおいて電極と共に使用できるCGLを含んでいてもよい。CGLは、最も独特な形及び名前を有していてもよく、例えば、pn接合、接続ユニット、トンネル接合等である。最も良い例は、US2009/0045728A1、US2010/0288362A1に開示されたpn接合である。金属層及び、又は、断熱層を使用することもできる。
(積層OLED)
OLEDが、CGLによって分離された2又はそれ以上のEMLを含む場合には、OLEDは積層OLEDと言うか、又は、単一ユニットOLEDと言う。接近した2層のCGLの間の層、又は、電極のうちの1つと最も接近したCGLとの間の層の群は、エレクトロルミネセンスユニット(ELU)と言う。それゆえに、積層OLEDは、アノード/ELU/{CGL/ELU1+X/カソードとして表すことができ、このとき、xは正の整数であり、CGLxの各々、又は、ELU1+Xの各々は、等しくても、又は、異なっていてもよい。CGLは、US2009/0009072A1に開示されているように、2つのELUの隣接した層によって形成されてもよい。さらなる積層OLEDは、例えば、US2009/0045728A1、US2010/0288362A1、及びこれらの中の参考に記載されている。
(有機層の蒸着)
本発明のディスプレイのどの有機半導体層も、真空熱蒸着(VTE)、有機気相成長、レーザー有機熱転写、スピンコーティング、ブレードコーティング、スロットダイコーティング、インクジェットプリンティング等の、周知の技術によって蒸着することができる。本発明に係るOLEDの好ましい作製方法は、真空熱蒸着である。
好ましくは、ETLは蒸着によって形成されている。ETLにおいて付加的な材料を使用する場合には、ETLは、電子輸送マトリックス(ETM)と、付加的な材料との同時蒸着によって形成されることが好ましい。付加的な材料は、ETL内に均一に混合していてもよい。本発明の一形態において、付加的な材料は、ETL内で濃度が異なっており、当該濃度は、積層の厚さ方向に変化する。ETLは下層において構成され、下層の何層か(しかしこれら下層のすべてではない)が付加的な材料を含むことも予知される。
(電気的ドーピング)
本発明は、追加して、又は有機半導体層の電気的ドーピングと組み合わせて使用することができる。
最も信頼性が高く、又、同時に有効なOLEDは、電気的にドープされた層を含むOLEDである。一般的に、電気的ドーピングは、電気的特性、特に、ドープされた層の導電性及び/又は注入能力が、均整のとれた電気輸送マトリックスと比較して改善されたことを意味する。狭義では、これは通常、酸化還元ドーピング、又は、電荷輸送ドーピングと言い、それぞれ、正孔輸送層は、適切なアクセプター材料(p−ドーピング)でドープされているか、又は、ドナー材料(n−ドーピング)を含む電子輸送層である。酸化還元ドーピングにより、有機固体中の電荷担体密度(及びそれゆえに導電性)は、実質増大してもよい。言い換えれば、酸化還元ドーピングは、ドープされていないマトリックスの電荷担体密度と比較して、半導体マトリックスの電荷担体密度が増大している。有機発光ダイオードにおけるドープされた電荷担体輸送層(アクセプター様分子の混合による正孔輸送層のp−ドーピング、ドナー様分子の混合による電子輸送層のn−ドーピング)の使用は、例えば、US2008/203406、及び、US5,093,698に記載されている。
US2008/227979には、無機ドーパント及び有機ドーパントを含む有機輸送材料の電荷輸送ドーピングが詳細に開示されている。基本的に、効果的な電子輸送は、ドーパントから、マトリックスのフェルミレベルが増大しているマトリックスへと起こる。p−ドーピングの場合の能率的な電子輸送に関して、ドーパントのLUMOエネルギーレベルは、好ましくは、マトリックスのHOMOエネルギーレベルよりもよりマイナスであるか、又は、少なくともわずかにプラスであるが、マトリックスのHOMOエネルギーレベルよりも0.5eVプラスではない。n−ドーピングの場合に関しては、ドーパントのHOMOエネルギーレベルは、好ましくは、マトリックスのLUMOエネルギーレベルよりもプラスであるか、又は、少なくともわずかにマイナスであるが、マトリックスのLUMOエネルギーレベルよりも0.5eVマイナスではない。ドーパントからマトリックスへのエネルギー遷移に関するエネルギーレベル差は、+0.3eVよりも小さいことが望ましい。
公知の酸化還元ドープされた正孔輸送材料の一般例は:LUMOレベルが約−5.2eVのテトラフルオロテトラシアノキノンジメタン(F4TCNQ)でドープされた、HOMOレベルが約−5.2eVの銅フタロシアニン(CuPc);F4TCNQでドープされた亜鉛フタロシアニン(ZnPc)(HOMO=−5.2eV);F4TCNQでドープされたa−NPD(N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン);2,2’−(ペルフルオロナフタレン−2,6−ジイリデン)ジマロノニトリル(PD1)でドープされたa−NPD; 2,2’,2''−(シクロプロパン−1,2,3−トリイリデン)トリス(2−(p−シアノテトラフルオロフェニル)アセトニトリル)(PD2)でドープされたa−NPDである。本出願のデバイス例におけるすべてのp−ドーピングは、8重量%のPD2で行った。
公知の酸化還元ドープされた電子輸送材料の一般例は:アクリジンオレンジベース(AOB)でドープされたフラーレンC60;ロイコクリスタルバイオレットでドープされたペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシル−3,4,9,10−ジアンヒドリド(PTCDA);テトラキス(1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジネート)ジタングステン(II)(W(hpp))でドープされた2,9−ジ(フェナントレン−9−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントリン;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−アクリジンでドープされたナフタレンテトラカルボン酸ジアンヒドリド(NTCDA);ビス(エチレン−ジチオ)テトラチアフルバレン(BEDT−TTF)でドープされたNTCDAである。
本発明において、THF対Fc/Fc標準におけるサイクリックボルタンメトリー(CV)によって測定される、極めて低い還元電位によって表される高い還元力を備えた古典的な酸化還元ドーパントは、著しい還元特性を有さない金属塩で上手く置き換えられる。ときには「電気的ドーピング添加物」とも呼ばれるこれらの化合物がどのように電子デバイスの電圧低下に寄与するかについて、正確なメカニズムは未だ分かっていない。
上述の金属塩の公知の一般例は、例えば、式D1で表されるリチウム8−ヒドロキシキノリノレート(LiQ)である。
Figure 2016534546
5員キレート環又は6員キレート環を含み、リチウムが酸素原子及び窒素原子に配位結合しているような、他の多くの類似のリチウム錯体が知られており、有機電子輸送半導体材料の電気的ドーパントとして利用又は提供されている。
上述の通り、本発明に係るドープされた半導体材料は一般式(II)を有するリチウム塩を含み、
Figure 2016534546
式中、Aは、芳香環内にO、S及びNから選択される少なくとも1個の原子を含むC〜C30のアリーレン、又はC〜C30のヘテロアリーレンであり、A及びAの各々は独立して、芳香環内にO、S及びNから選択される少なくとも1個の原子を含むC〜C30のアリール、及びC〜C30のヘテロアリールから選択され、アリール、アリーレン、ヘテロアリール及び/又はヘテロアリーレンはいずれも独立して、アリール、ヘテロアリール、アリーレン、又はヘテロアリーレン基に与えられたCの総数が、官能基に存在するすべての置換基もまた含んでいることを条件として、C及びHのみを含む炭化水素基、アルコキシ、アリールオキシ及びリチウムオキシから選択される官能基により、置換されていても、置換されていなくてもよい。
用語「置換された又は置換されていないアリーレン」は、置換された又は置換されていないアレーン由来の2価のラジカルを意味しており、隣接する構造的部分の両方(式(II)において、OLi基及びジアリールホスフィンオキシド基)は、アリーレン基の芳香環に直接結合している。同様に、用語「置換された又は置換されていないヘテロアリーレン」は、置換された又は置換されていないヘテロアレーン由来の2価のラジカルを意味しており、隣接する構造的部分の両方(式(II)において、OLi基及びジアリールホスフィンオキシド基)は、ヘテロアリーレン基の芳香環に直接結合している。本出願の実施例において、このドーパント類は化合物D2及びD3によって表され、
Figure 2016534546
化合物D2は、WO2013/079678A1として公開された出願PCT/EP2012/074127に開示されており、化合物D3は、出願EP13170862に開示されている。
本発明の好ましいETLマトリックス化合物は、
Figure 2016534546
Figure 2016534546
である。
〔V.本発明の有利な効果〕
本発明の電子輸送マトリックス材料の好適な効果を、比較デバイスと比較して示す。当該比較デバイスは、フェニレンスペーサーを有する電子輸送ユニットとホスフィンオキシド基との、本発明の組み合わせを有さない電子輸送マトリックスを、本発明の化合物の代わりに含んでいる。比較の化合物として、以下を参照する:
Figure 2016534546
表1は、ボトムエミッション型OLED(詳細については実施例1に示す)における本発明の化合物及び比較の化合物の電圧(U)及び量子効率(Qeff)に関する性能を示す。加えて、指数Qeff/U(電力効率)は、両値間のトレードオフ効果として考えられることから、適切な比較を可能にするための基準と見なす。LUMOエネルギーは、実験対象の化合物の可逆電子化学酸化還元ポテンシャルによって表され、Fc/Fc基準酸化還元系に対するTHF中のCVにより測定される。
Figure 2016534546
表2は、トップエミッション型OLED(詳細については実施例2に示す)における本発明の化合物A1及び比較の化合物C1の電圧(U)及び電流効率(Ceff)に関する性能を示す。加えて、指数Ceff/U(電力効率)は、両値間のトレードオフ効果として考えられることから、適切な比較を可能にするための基準と見なす。
Figure 2016534546
〔I.実施例〕
(合成に関する概論)
すべての反応は、オーブンで乾燥させたガラス容器を用いて、アルゴン雰囲気下で実施した。原材料は、購入したものをさらに精製することなく用いた。OLEDの構築に使用した材料は、高純度にするために、勾配昇華精製により昇華させた。
(基本手順A:トリフェニルホスフィンオキシド合成)
ハロゲン化合物をTHF中に溶解した。−80℃(溶液中において直接測定した温度)まで冷却した前記溶液に、2.5M n−BuLiヘキサン溶液をゆっくりと滴下した。1時間、撹拌を続けた。ジフェニル塩化ホスフィン又は、フェニルホスフィン二塩化物を、各々、−80℃においてゆっくりと添加した。反応混合物を室温(RT)になるように温め、一晩撹拌した。メタノールを加えて乾燥させた後、残渣をジクロロメタン(DCM)中に溶解した。有機相を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、乾燥状態にした。
残渣を、再度DCM中に溶解し、30重量%過酸化水素水溶液で酸化した。一晩撹拌した後、有機相を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、乾燥状態にした。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーを用いて精製した。
(基本手順B:スズキカップリング)
ハロゲン化合物、ボロン酸、Pd(Pt−Bu及び溶媒を混合した。脱泡した2M KCO水溶液を加えた。混合物を85℃(オイルバス温度)において18時間撹拌し、その後、冷却した。固体が沈殿したら、固体を濾過し、直接カラムクロマトグラフィーで精製した。その他の方法では、有機相を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、乾燥状態にし、その後、カラムクロマトグラフィーで精製した。
(分析)
質量分析法(MS)及びプロトン核磁気共鳴(H−NMR)によって、最終原料を同定した。他に言及しない限り、NMRサンプルは、CDCl中に溶解した。示差走査熱量測定(DSC)で融点(mp)を決定した。ピーク温度を示した。ガスクロマトグラフィー−質量分析(GC−MS)、又はエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)を用いた高性能液相クロマトグラフィー(HPLC)を、生成物同定に用いた場合、分子ピークの質量/電荷(m/z)比のみを示す。臭素化中間物のために、対応する同位体多重体を示す。
((4−ブロモフェニル)ジフェニルホスフィンオキシド)
Figure 2016534546
基本手順Aに従う
1,4−ジブロモベンゼン:10.00g(42.4mmol、1.0eq)
ヘキサン中の2.5M n−ブチルリチウム:17mL(42.4mmol、1.0eq)
クロロジフェニルホスフィン:9.35g(42.4mmol、1.0eq)
THF:50mL
DCM:50mL
水中の30重量% H:10mL
カラムクロマトグラフィー:SiO、エチル酢酸塩
収率:6.84g白色固体(45%理論値)
融点:166℃
GC−MS:m/z=356、358。
(ビス(4−ブロモフェニル)(フェニル)ホスフィンオキシド)
Figure 2016534546
基本手順Aに従う
1,4−ジブロモベンゼン:10.00g(42.4mmol、1.0eq)
ヘキサン中の2.5M n−ブチルリチウム:17mL(42.4mmol、1.0eq)
ジクロロフェニルホスフィン:3.79g(21.2mmol、0.5eq)、THF50mLに溶解
THF:100mL
DCM:50mL
水中の30重量% H:10mL
カラムクロマトグラフィー:SiO、エチル酢酸塩
収率:5.0g粘性油(54%)
融点:125℃
GC−MS:m/z=433、435、437。
((3−ブロモフェニル)ジフェニルホスフィンオキシド)
Figure 2016534546
基本手順Aに従う
1,3−ジブロモベンゼン:10.00g(42.4mmol、1.0eq)
ヘキサン中の2.5M n−ブチルリチウム:17mL(42.4mmol、1.0eq)
クロロジフェニルホスフィン:9.35g(42.4mmol、1.0eq)
THF:50mL
DCM:50mL
水中の30重量% H:10mL
カラムクロマトグラフィー:SiO、エチル酢酸塩、R=0.52
収率:9.6g白色固体(63%)
融点:95℃
GC−MS:m/z=356、358。
(ビス(3−ブロモフェニル)(フェニル)ホスフィンオキシド)
Figure 2016534546
基本手順Aに従う
1,3−ジブロモベンゼン:10.00g(42.4mmol、1.0eq)
ヘキサン中の2.5M n−ブチルリチウム:17mL(42.4mmol、1.0eq)
ジクロロフェニルホスフィン:3.58g(21.2mmol、0.5eq)、THF50mLに溶解
THF:100mL
DCM:50mL
水中の30重量% H:10mL
カラムクロマトグラフィー:SiO、エチル酢酸塩
収率:6.86g白色固体(74%)
融点:103℃
GC−MS:m/z=434、436、438。
(ジフェニル(4−(ピレン−1−イル)フェニル)ホスフィンオキシド(A1))
Figure 2016534546
基本手順Bに従う
(4−ブロモフェニル)ジフェニルホスフィンオキシド:4.8g(13.4mmol、1.0eq)
1−ピレンボロン酸:3.97g(16.1mmol、1.2eq)
Pd(PPh:466mg(0.40mmol、3mol%)
2M KCO:20mL
1,2−ジメトキシエタン(DME):60mL
カラムクロマトグラフィー:SiO、エチル酢酸塩
収率:4.45g薄黄色固体(69%)
融点:208℃
EI−MS:m/z=478
H−NMR:図3参照。
(ジフェニル(3−(ピレン−1−イル)フェニル)ホスフィンオキシド(A2))
Figure 2016534546
基本手順Bに従う
(3−ブロモフェニル)ジフェニルホスフィンオキシド:8.27g(23.2mmol、1.0eq)
1−ピレンボロン酸:6.84g(27.8mmol、1.2eq)
Pd(PPh:803mg(0.67mmol、3mol%)
2M KCO:35mL
DME:100mL
カラムクロマトグラフィー:SiO、エチル酢酸塩
収率:7.5g黄色固体(68%)
融点:198℃
EI−MS:m/z=478
H−NMR:図4参照。
(フェニルビス(4−(ピレン−1−イル)フェニル)ホスフィンオキシド(A3))
Figure 2016534546
基本手順Bに従う
ビス(4−ブロモフェニル)(フェニル)ホスフィンオキシド:2.5g(5.7mmol、1.0eq)
1−ピレンボロン酸:3.1g(12.6mmol、2.2eq)
Pd(PPh:265mg(0.23mmol、4mol%)
2M KCO:12mL
DME:30mL
カラムクロマトグラフィー:SiO、エチル酢酸塩
収率:3.2g黄色固体(82%)
融点:n.a.(ガラス状)
EI−MS:m/z=678
H−NMR:図5参照。
(フェニルビス(3−(ピレン−1−イル)フェニル)ホスフィンオキシド(A4))
Figure 2016534546
基本手順Bに従う
ビス(3−ブロモフェニル)(フェニル)ホスフィンオキシド:3.0g(6.9mmol、1.0eq)
1−ピレンボロン酸:3.7g(15.1mmol、2.2eq)
Pd(PPh:318mg(0.28mmol、4mol%)
2M KCO:14mL
DME:35mL
カラムクロマトグラフィー:SiO、エチル酢酸塩
収率:4.2g黄色固体(90%)
融点:n.a.(ガラス状)
EI−MS:m/z=678
H−NMR:図6参照。
((4−(9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−イル)フェニル)ジフェニルホスフィンオキシド(B1))
Figure 2016534546
WO2012/173370(LG、段落131)から知られている基本手順Bに従う
(4−ブロモフェニル)ジフェニルホスフィンオキシド:1.88g(5.3mmol、1.0eq)
(9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−イル)ボロン酸:3.0g(6.3mmol、1.2eq)
Pd(PPh:183mg(0.16mmol、3mol%)
2M KCO:8mL
DME:20mL
カラムクロマトグラフィー:SiO、エチル酢酸塩
収率:3.0g黄色固体(81%)
融点:n.a.(ガラス状)
EI−MS:m/z=706
H−NMR:図7参照。
((3−(9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−イル)フェニル)ジフェニルホスフィンオキシド(B2))
Figure 2016534546
基本手順Bに従う
(3−ブロモフェニル)ジフェニルホスフィンオキシド:1.9g(5.3mmol、1.0eq)
(9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−イル)ボロン酸:3.0g(6.3mmol、1.2eq)
Pd(PPh:183mg(0.16mmol、3mol%)
2M KCO:8mL
DME:20mL
カラムクロマトグラフィー:SiO、エチル酢酸塩
収率:3.1g黄色固体(83%)
融点:n.a.(ガラス状)
EI−MS:m/z=706
H−NMR:図8参照。
((9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−イル)ボロン酸)
Figure 2016534546
EP13170862に記載の手順に従って作成:
2−ブロモ−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(10.00g、1.0eq、19.63mmol)をTHF(140mL)中に溶解して、−78℃まで冷却した。この温度でn−BuLi(ヘキサン中2.5M、10.2mL、1.3eq、25.52mmol)を滴下して加えて、混合物を2時間撹拌した。その後、B(OMe)(6.12g、3.0eq、58.89mmol)を−78℃において加え、反応混合物を温めて室温にした。17時間撹拌した後、混合物をHClでクエンチし、黄色沈殿物を濾過し、水で洗浄した(2×30mL)。残渣を減圧下で乾燥させ、さらに精製することなく使用した;
収率:9.8g(100%)。
(ジフェニル(ピレン−1−イル)ホスフィンオキシド(C1))
Figure 2016534546
例えば、JP 4 876 333 B2のように旧来公知であり(CAS 110988−94−8)、市販物として得られる。
((9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−イル)ジフェニルホスフィンオキシド(C2))
Figure 2016534546
基本手順Aに従った合成
2−ブロモ−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン:5.00g(1.0eq、9.81mmol)
ヘキサン中の2.5M n−ブチルリチウム:4.7mL(1.2eq、11.77mmol)
THF:50mL
クロロジフェニルホスフィン:2.1mL(1.2eq、11.77mmol)
DCM:60mL
水中の30重量% H:15mL
カラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン:EE 1:1)
収率:3.20g(52%)
融点:なし(ガラス状化合物)
ESI−MS:m/z=631(M+H)。
(フェニルジ(ピレン−1−イル)ホスフィンオキシド(C3))
Figure 2016534546
旧来公知であり(CAS 721969−93−3)、例えば、ルミネッセンステクノロジーコープ(TW)より、市販物として得られる。
化合物A5〜A7及びB3〜B8は上述したのと同様の手順によって合成された。T/mp(℃/℃):B3 66/n.a.(ガラス状固体)、B4 80/260、B5 114/290.7、B6 107/249.1、A6 96/225.7。
(ドーパント)
(リチウムキノリン−8−オレート(D1))
Figure 2016534546
市販物として得られる。
(リチウム2−(ジフェニルホスフォリル)フェノレート(D2))
Figure 2016534546
特許出願WO2013/079678(化合物(1)、p.15−16)に従って合成した。
(リチウム2−(ジフェニルホスフォリル)ピリジン−3−オレート(D3))
Figure 2016534546
<特許出願EP13170862に従った合成>
1.1)ジフェニル(ピリジン−2−イル)ホスフィンオキシド
Figure 2016534546
Figure 2016534546
フルオロピリジンを乾燥THF中に溶解した。カリウムジフェニルホスフィド溶液を室温で1時間滴下して加えた。得られたオレンジ色溶液を室温で一晩撹拌した。減圧下で上記溶媒を除去し、残渣をジクロロメタンに溶解した。0℃において、過酸化水素水をゆっくりと加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をヘキサン処理した。得られた固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥させた。
収率:2.2g(31g)、HPLC−MS純度98.0%。
1.2)(3−ヒドロキシピリジン−2−イル)ジフェニルホスフィンオキシド
Figure 2016534546
Figure 2016534546
原材料を乾燥THF中に溶解し、−78℃にまで冷却した。ボロランを加え、混合物を20分間撹拌した。LDA溶液を滴下して加え、液温をゆっくりと室温まで上げた。反応物を、室温で3日間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をクロロホルムに溶解した。0℃において過酸化水素水をゆっくりと加え、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をクロロホルムとブライン(塩水)とで抽出した。有機相をマグネシウム硫酸塩で乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。残渣をDCM中に溶解し、ヘキサンで沈殿させた。固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥させた。
収率:1.4g(67%)、GC−MS純度100%、H−NMRにより構造決定、δ(ppm)=11.48(s、1H、OH)、8.25(dX ABXシステムより,J=4.5Hz、1H)、7.90(dd、J=12Hz及び7.5Hz、4H)、7.58(br t、J=7Hz、2H)、7.50(td、J=7.5Hz及び3Hz,4H)、7.30(ddd、B ABXシステムより、1H)、7.24(br dd、A ABXシステムより、1H)。
1.3)リチウム2−(ジフェニルホスフォリル)ピリジン−3−オレート D3
Figure 2016534546
Figure 2016534546
出発原料を乾燥アセトニトリル中に懸濁した。リチウムtert−ブトキシドを室温で加え、混合物を13時間還流で加熱した。固体を濾過し、アセトニトリルで洗浄し、減圧下で乾燥させた。
収率:0.865g(87%)、TGA−DSC:融点442℃
分析データ(昇華後):
TGA−DSC:融点445℃
元素分析:C含有率67.6%(理論値67.79%)、H含有率4.48%(理論値4.35%)、N含有率4.64%(理論値4.65%)。
(デバイス例)
以下で示すすべてのデータは、典型例である。表1中のデータは、以下の実施例に示す典型的な16以上の同一ダイオードの中央値である。
(実施例1)
厚さ90nmのITOガラス基板上に、2,2’,2''−(シクロプロパン−1,2,3−トリイリデン)トリス(2−(p−シアノテトラフルオロフェニル)アセトニトリル)がドープされたN4,N4''−ジ(ナフタレン−1−イル)−N4,N4''−ジフェニル−[1,1’:4’,1''−ターフェニル]−4,4''−ジアミン(HTM3)(PD2、マトリックス対ドーパントの重量比は92:8)の10nmの層を堆積し、次いで、ドープされていないHTM3の120nmの層を堆積して、ボトムエミッション型青色発光OLEDを作成した。続いて、NUBD370(サンファインケミカルズ)でドープされたABH113(サンファインケミカルズ)(マトリックス対ドーパントの重量比は97:3)の青色蛍光発光層を、厚さ20nmで堆積した。ETLとして、50重量%のD1又はD2と共に、試験する本発明の化合物又は比較の化合物の36nmの層を、発光層上に堆積した。続いて、厚さ100nmのアルミニウム層を堆積した。
表1に、電流密度10mA/cmにおいてみられた電圧及び量子効率を示す。
図9及び図10は、各々、電子輸送マトリックスとして化合物B2又はC2を含むデバイスのOLED性能曲線を示している。両化合物は、同じ9,10−ビス(2−ナフチル)−2−アンスリル電子輸送ユニットEを含む。B2及びC2は、アントラセンベースの電子輸送材料の代表例として試験した。本発明の化合物B2とドーパントD2との組み合わせは、表1に示すような2番目に高い電力効率で表される総合的な利点をもたらす、低電圧及び高効率を提供するので、D1又はD2のいずれかがドープされたC2よりも優れていることが理解できる。これは、化合物の予期せぬ効果を明らかに示しており、ドーパントD2との組み合わせにおいて、P=O基と電子輸送ユニットとの間に導入されるフェニレンスペーサーを有する。加えて、表1は、B1がC2よりも優れていることを示しており、本質を形成する本発明の化合物の一般性を示している。強調すべきは、本例において、メタ−フェニレンの性能(B2)がパラ−フェニレンの性能(B1)より優れていることである。
図11及び図12は、各々、A4又はC3の電子輸送マトリックス化合物を含むデバイスのOLEDの性能曲線を示している。両化合物は、2つの1−ピレニル電子輸送ユニットEを含む。本発明の化合物A4とドーパントD2との組み合わせは、電圧において小さな不利益を与えるのみで、効率に関して、D1又はD2のいずれかがドープされたC3よりも優れていることが理解できる。電力効率(表1)は、両値を相対化し、D2がドープされたA4が、上記の通り、最も性能が優れた組み合わせであることを明らかにする。
(実施例2)
ガラス基板上に堆積した、厚さ100nmのAgアノード上に、PD2がドープされたHTM3(マトリックス対ドーパントの重量比は92:8)の10nm層を堆積し、次いで、ドープされていないHTM3の120nm層を堆積して、トップエミッション型青色発光OLEDを作成した。続いて、NUBD370(サンファインケミカルズ)がドープされたABH113(サンファインケミカルズ)(マトリックス対ドーパントの重量比は97:3重量%)の青色蛍光発光層を厚さ20nmで堆積した。ETLとして、50重量%のD1又はD2と共に、試験する本発明の化合物又は比較の化合物の36nmの層を、発光層上に堆積した。続いて、銀をドープした厚さ12nmのマグネシウムの層(10体積%マグネシウム)を、透明カソード上部接触層として使用した。
観察された電圧は10mA/cmにおいて報告し、電流効率は例えば表1に示すように、1000Cd/mの輝度において決定した。
トップエミッション型デバイス構造を、OLED構造から本発明の化合物の性能の独立性を示すために選択した。A1及びC1は、モノ−ピレンベースの電子輸送材料の例として選択した。
図13及び図14は、各々、電子輸送マトリックス化合物B2又はC2を含む実施例2におけるトップエミッション型OLEDのOLED性能曲線を示す。両化合物は、同じ1−ピレニル電子輸送ユニットEを含む。本発明の化合物A1とドーパントD2の組み合わせは、効率の観点において、D1又はD2のいずれかがドープされたC1よりも優れていることが理解できる。電圧において全く不利益を与えず、また、顕著に高い電力効率を示すことは注目に値する。また、トップエミッション構造においても、P=O基と電子輸送ユニットとの間に導入されたフェニレンスペーサーを含む化合物の予期せぬ有益な効果が、D2がドープされた半導体材料において観察され得る。
図15は、上記議論したOLEDの発光スペクトルを示し、発光した光の色という観点において、試験した電子輸送材料を含むデバイスの、非常に優れた比較可能性を提供する。
表1中のすべてのデータを比較すると、P=O基と電子輸送ユニットとの間へのフェニレンスペーサーユニットの導入の利点は、D1をドープする場合よりもD2をドープする場合においてより断言され、式(II)で示される化合物との組み合わせにおいて、式(I)のマトリックス化合物を含む電子輸送材料の発明性を示していることが明らかになっている。
本発明の式(I)で示されるマトリックス化合物における、構造と活性との関係性を考慮すると、デバイスに含まれるパラ−化合物(A1、A3、B1)対メタ−化合物(A2、A4、B2)の電力効率の比較は、フェニレンスペーサーにおけるメタ−置換パターンが好ましいことを示す。それにもかかわらず、パラ−フェニレン化合物は、フェニレンスペーサーユニットを全く含まない化合物よりも、平均すると依然として優れている。
特に、化合物を含むスペーサーを、n−ドーパントとしての式(II)の化合物と共に利用する場合、フェニレンスペーサーユニットを公知のトリアリールホスフィンオキシド電子輸送材料に導入することの予期せぬ有利な効果が、すべてのデータによって強調される。
前述の説明、請求項及び添付する図面に記載した特徴は、単独及びいずれかの組み合わせの両方で、本発明の種々の形態を実現するための材料になり得る。
〔使用略語〕
CGL 電荷生成層
CV サイクリックボルタンメトリー
DCM ジクロロメタン
DSC 示差走査熱量測定
DFT 密度汎関数理論
DME 1,2−ジメトキシエタン
EA 電子親和力
EE エチルエステル(酢酸エチル)
EI 電子衝撃(直接導入質量分析)
EIL 電子注入層
ESI エレクトロスプレーイオン化(質量分析)
ETL 電子輸送層
ETM 電子輸送マトリックス
Fc/Fc フェロセニウム/フェロセン基準系
GC ガスクロマトグラフィー
HIL 正孔注入層
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HOMO 最高被占軌道
HTL 正孔輸送層
HTM 正孔輸送マトリックス
IP イオン化電位
IPES 逆光電子分光
ITO インジウムスズ酸化物
LDA リチウムジイソプロピルアミド
LUMO 最低空軌道
MS 質量分析
NMR 核磁気共鳴
OLED 有機発光ダイオード
RT 室温
SPS 溶媒精製システム
TGA 熱重量分析
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
UPS 紫外線光電子分光法
UV 発光スペクトルの紫外/可視範囲における分光
VTE 真空熱蒸着
eq 化学当量
mol% モルパーセント
vol% 体積パーセント
wt% 重量(質量)パーセント
mp 融点
n.a. 不適用。
本発明を具体化可能なデバイスを示す模式図である。 本発明を具体化可能なデバイスを示す模式図である。 本発明の化合物A1のH NMRスペクトルである。 本発明の化合物A2のH NMRスペクトルである。 本発明の化合物A3のH NMRスペクトルである。 本発明の化合物A4のH NMRスペクトルである。 本発明の化合物B1のH NMRスペクトルである。 本発明の化合物B2のH NMRスペクトルである。 実施例1のボトムエミッションOLEDにおける本発明の半導体材料B2+D2(四角で示す)、比較材料C2+D2(丸で示す)、及び比較材料C2+D1(三角で示す)の電流密度対印加バイアスの比較である。 実施例1のボトムエミッションOLEDにおける本発明の半導体材料B2+D2(四角で示す)、比較材料C2+D2(丸で示す)、及び比較材料C2+D1(三角で示す)の量子効率対輝度の比較である。 実施例1のボトムエミッションOLEDにおける本発明の半導体材料A4+D2(四角で示す)、比較材料C3+D2(三角で示す)、及び比較材料C3+D1(丸で示す)の電流密度対印加バイアスの比較である。 実施例1のボトムエミッションOLEDにおける本発明の半導体材料A4+D2(四角で示す)、比較材料C3+D2(三角で示す)、及び比較材料C3+D1(丸で示す)の量子効率対輝度の比較である。 実施例2のトップエミッションOLEDにおける本発明の半導体材料A1+D2(四角で示す)、比較材料C1+D2(三角で示す)、及び比較材料C1+D1(丸で示す)の電流密度対印加バイアスの比較である。 実施例2のトップエミッションOLEDにおける本発明の半導体材料A1+D2(四角で示す)、比較材料C1+D2(三角で示す)、及び比較材料C1+D1(丸で示す)の電流効率対輝度の比較である。 図13又は14(四角:A1+D2、CIE y=0.050、丸:C1+D1、CIE y=0.045、三角:C1+D2、CIE y=0.049)に表されるデバイスに関する輝度のスペクトル分散の比較である。

Claims (15)

  1. i)式(I)に示される化合物、及び、ii)式(II)を有する少なくとも1つのリチウム錯体、を含んでいる半導体材料;
    Figure 2016534546
    式(I)中、R、R及びRは独立して、C〜C30のアルキル、C〜C30のシクロアルキル、C〜C30のヘテロアルキル、C〜C30のアリール、C〜C30のヘテロアリール、C〜C30のアルコキシ、C〜C30のシクロアルキルオキシ、C〜C30のアリールオキシ、及び、一般式E−A−を有している構造ユニットから選択され、
    Aは、フェニレンスペーサーユニットであり、
    Eは、O、S、P、Si及びBから独立して選択される6個以下のヘテロ原子を含むC10〜C60のアリール及びC〜C60のヘテロアリールから選択され、かつ、少なくとも10個の非局在化電子の共役系を含む、電子輸送ユニットであり、
    、R及びRから選択される少なくとも1つの基は、上記一般式E−A−を有しており、
    Figure 2016534546
    式(II)中、Aは、芳香環内にO、S及びNから選択される少なくとも1つの原子を含むC〜C30のアリーレン、又はC〜C30のヘテロアリーレンであり、
    及びAの各々は独立して、芳香環内にO、S及びNから選択される少なくとも1つの原子を含むC〜C30のアリール、及びC〜C30のヘテロアリールから選択される。
  2. 化合物(I)中、スペーサーAが、m−フェニレン、及びp−フェニレンから選択される、請求項1に記載の半導体材料。
  3. 化合物(I)中、電子輸送ユニットEが、C14〜C50のアリール又はC〜C50のヘテロアリールである、請求項1又は2に記載の半導体材料。
  4. 化合物(I)中、電子輸送ユニットEが、C14〜C44のアリールである、請求項3に記載の半導体材料。
  5. 化合物(I)中、少なくとも1つのユニットEが、C16〜C44のピレニル、及びC14〜C38のアンスリルから選択される、請求項4に記載の半導体材料。
  6. 化合物(I)中、いずれかの電子輸送ユニットE−Aが、
    i)Aがm−フェニレン又は、p−フェニレンであり、EがC16〜C44のピレニルである、又は、
    ii)Aがm−フェニレンであり、EがC14〜C34のアンスリルである、
    請求項4に記載の半導体材料。
  7. 化合物(I)中、置換基R、R及びRの少なくとも1つがフェニルである、請求項1〜6の何れか1項に記載の半導体材料。
  8. 化合物(II)中、Aがフェニレンである、請求項1〜7の何れか1項に記載の半導体材料。
  9. 化合物(II)中、置換基A及びAの少なくとも1つがフェニルである、請求項1〜8の何れか1項に記載の半導体材料。
  10. カソードと、アノードと、当該カソードと当該アノードとの間の、請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体材料とを含んでいる、電子デバイス。
  11. 前記半導体材料は、電子輸送層又は電子注入層中に存在する、請求項10に記載の電子デバイス。
  12. 発光デバイスである、請求項11に記載の電子デバイス。
  13. 式(I)に示される構造を有する化合物;
    Figure 2016534546
    式(I)中、R、R及びRは独立して、C〜C30のアルキル、C〜C30のシクロアルキル、C〜C30のヘテロアルキル、C〜C30のアリール、C〜C30のヘテロアリール、C〜C30のアルコキシ、C〜C30のシクロアルキルオキシ、C〜C30のアリールオキシ、及び、一般式E−A−を有している構造ユニットから選択され、
    、R及びRから選択される少なくとも1つの基は、上記一般式E−A−を有しており、
    Aはフェニレンであり、
    各Eは、O、S、P、Si及びBから独立して選択される6個以下のヘテロ原子を含むC14〜C60のアリール及びC〜C60のヘテロアリールから独立して選択され、かつ、少なくとも10個の非局在化電子の共役系を含む電子輸送ユニットであり、
    但し、R及びRが、共にフェニルであり、Rにおいて、Aがp−フェニレンであり、Eが、C14〜C38のアンスリルである化合物(I)は除く。
  14. i)Aがm−フェニレン、又は、p−フェニレンであり、EがC16〜C44のピレニルである、又は、
    ii)Aがm−フェニレンであり、EがC14〜C38のアンスリルである、
    請求項13に記載の化合物。
  15. 少なくとも1つの置換基R、R及びRがフェニルである、請求項13又は14に記載の化合物。
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