JP2016531876A - ロジンエステルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

ロジンエステルの製造方法を提供する。本方法は、ロジンエステルと多孔質吸着剤とを接触させることを含むことができる。活性炭などの多孔質吸着剤との処理は、ロジンエステルの色を改善し(ロジンエステルのニートガードナーカラーを、少なくとも1ガードナーカラー単位下げる)、ロジンエステル中の硫黄濃度を減らす(たとえば、ロジンエステル中の硫黄濃度を少なくとも50ppmだけ減らす)、またはその組み合わせを達成することができる。本明細書に記載の方法により製造したロジンエステル、並びにその使用法も記載する。【選択図】なし

Description

本出願は、一般にロジンエステルの製造方法に関する。
多価アルコールから誘導されるロジンエステルなどのロジンエステルは、50年以上にもわたって公知であった。たとえば米国特許第1,820,265号明細書(Bentら)(特許文献1)を参照されたい。ロジンエステルは典型的には、ロジン酸として公知の主に異性体のC20三環式モノカルボン酸の混合物であるロジンと、グリセロールまたはペンタエリトリトールなどのアルコールとの反応により形成される。得られたロジンエステルは、ホットメルト及び感圧接着剤(pressure−sensitive adhesive)の粘着付与剤(tackifier)として、ゴム及び様々なプラスチック用の改質剤、合成ゴム用の乳化剤、チューインガム用のベース材料、交通標示塗料及びインクなどのコーティング組成物中の樹脂、並びに製紙用のサイズ剤としてなどの様々な用途において添加剤として働く。
現行の多くのロジンエステルは多くの用途に適しているが、特定の用途に関して好適な特性を持っていない。特に、多くの市販のロジンエステルは(たとえば黄色または黄褐色に)着色しているか、及び/または許容できないほど高い硫黄含有量である。従って、改善された色(たとえば無色または殆ど無色)を示し、硫黄含有量が減少したロジンエステルに対する需要が引き続いてある。
米国特許第1,820,265号明細書
ロジンエステルの製造方法を提供する。本方法は、ロジンエステルと活性炭などの微細孔の多孔質吸着剤とを接触させることを含むことができる。微細孔の多孔質吸着剤は、表面積500m/g〜2000m/gを有することができる。微細孔の多孔質吸着剤との処理は、ロジンエステルの色を改善し(ロジンエステルのニートガードナーカラー(neat Gardner color)を、少なくとも1ガードナーカラー単位だけ下げる)、ロジンエステル中の硫黄濃度を減らす(たとえば、ロジンエステル中の硫黄濃度を少なくとも50ppmだけ減らす)、またはその組み合わせを達成することができる。
態様によっては、ロジンエステルの製造方法は、(a)ロジンエステルを形成するためにロジンをアルコールでエステル化する工程;及び(b)500m/g〜2000m/gを有する微細孔の多孔質吸着剤の中に前記ロジンエステルを流す工程、を含む。本方法はさらに、水素化ロジンエステルを形成するために、前記ロジンエステルを水素化する工程、前記エステル化反応の前に前記ロジンを不均化する工程、またはその組み合わせを含むことができる。
エステル化工程(a)は、ロジンと、好適なアルコール、場合によりエステル化触媒とを接触させる工程、及び粗ロジンエステルを形成するのに好適な条件下で一定時間前記ロジンとアルコールとを反応させる工程、を含むことができる。ロジンは、トールオイルロジン、ガムロジン、ウッドロジン、またはその混合物を含むことができる。特定の態様では、ロジンはトールオイルロジンを含む。特定の態様では、アルコールは多価アルコールを含む。多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、マンニトール及びその組み合わせからなる群から選択することができる。
ロジンエステルは、続いて微細孔の多孔質吸着剤の中に流れることができる。微細孔の多孔質吸着剤は、活性炭、金属酸化物、たとえばアルミナ、ジルコニア及びシリカ、マクロレティキュラーイオン交換樹脂、ゼオライト、微細孔の多孔質クレー、またはその組み合わせを含むことができる。特定の場合において、微細孔の多孔質吸着剤は、0.05mL/g〜0.4mL/gの範囲のミクロ孔容積、0.1mL/g〜1.25mL/gの範囲のメソ孔容積、及び0.1mL/g〜0.7mL/gの範囲のマクロ孔容積、またはその組み合わせを含む。特定の態様では、微細孔の多孔質吸着剤は、活性炭、例えば粒状活性炭(granular activated carbon:GAC)を含む。
態様によっては、ロジンエステルは、微細孔の多孔質吸着剤を含む固定相の中に流れる。この固定相は、ロジンエステルと微細孔の多孔質吸着剤との処理をし易くするために、固定床反応器などの任意の好適な容器の中に配置することができる。ロジンエステルの流量、微細孔の多孔質吸着剤の容積、及び/または微細孔の多孔質吸着剤の組成は、特定の用途のための所望の物理的及び化学的特性を有するロジンエステルを提供するために選択することができる。たとえば、ロジンエステルは、ロジンエステルのニートガードナーカラーを少なくとも10%だけ下げるのに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤の中に流れることができる。態様によっては、ロジンエステルは、ASTM D1544−04(2010)に記載の方法に従って測定して、少なくとも1ガードナーカラー単位だけ下げる(たとえば、ロジンエステルのニートガードナーカラーを1〜2.5ガードナーカラー単位だけ下げる)のに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤の中に流れることができる。態様によっては、ロジンエステルは、ロジンエステル中の硫黄濃度を少なくとも10%だけ減らすのに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤の中に流れる。態様によっては、微細孔の多孔質吸着剤の容積及び、微細孔の多孔質吸着剤の中のロジンエステルの流量は、少なくとも1.5時間の空筒接触時間(empty bed contact time)を提供するように選択される。
(a)微細孔の多孔質吸着剤の中にロジンを流す工程;及び(b)ロジンエステルを形成するために前記ロジンをアルコールでエステル化する工程を含むことができる、ロジンエステルの製造方法も提供する。これらの方法は、水素化ロジンエステルを形成するために前記ロジンエステルを水素化する工程、ロジンを微細孔の多孔質吸着剤(たとえば活性炭)で処理する前に、即ち工程(a)の前に、前記ロジンを不均化する工程、またはその組み合わせをさらに含むことができる。
本明細書に記載の方法により製造したロジンエステル、並びにその使用法も記載する。
本明細書においてロジンエステルの製造方法を提供する。本方法は、ロジンエステルと、活性炭などの微細孔の多孔質吸着剤とを接触させることを含むことができる。微細孔の多孔質吸着剤は、500m/g〜2000m/gの範囲の表面積を有することができる。微細孔の多孔質吸着剤との処理は、ロジンエステルの色を薄くする(たとえば、ロジンエステルのニートガードナーカラーを少なくとも1ガードナーカラー単位だけ下げる)、ロジンエステル中の硫黄濃度を減らす(たとえば、ロジンエステル中の硫黄濃度を少なくとも50ppmだけ減らす)、またはその組み合わせを達成することができる。
ロジンエステルは、任意の好適な様式で微細孔の多孔質吸着剤と接触させることができる。たとえば、ロジンエステルと微細孔の多孔質吸着剤は、スラリーを形成するために混和することができる。微細孔の多孔質吸着剤は、スラリー中に存在するロジンエステルの重量を基準として、0.01重量%〜15重量%の範囲の量でスラリー中に存在することができる。特定の態様では、微細孔の多孔質吸着剤は、スラリー中に存在するロジンエステルの重量を基準として、0.1重量%〜5重量%の範囲の量でスラリー中に存在することができる。場合によっては、スラリーは、スラリーの全重量を基準として、少なくとも75重量%のロジンエステル(たとえば、少なくとも80重量%のロジンエステル、少なくとも85重量%のロジンエステル、または少なくとも90重量%のロジンエステル)を含むことができる。特定の態様では、スラリーは実質的に溶媒を含まない(すなわち、スラリーは、スラリーの全重量を基準として1重量%未満の溶媒を含む)。ロジンエステルと微細孔の多孔質吸着剤との接触は、以下詳細に記載するように、微細孔の多孔質吸着剤の中にロジンエステルを流すことを含むこともできる。ロジンエステルと微細孔の多孔質吸着剤は、ロジンエステルのガードナーカラーを薄くする(たとえば、ロジンエステルのニートガードナーカラーを少なくとも1ガードナーカラー単位だけ下げる)、ロジンエステル中の硫黄濃度を減らす(たとえば、ロジンエステル中の硫黄濃度を少なくとも50ppmだけ減らす)、またはその組み合わせを達成するのに有効な時間及び好適な条件(たとえば、高温)下で接触させる。
態様によっては、ロジンエステルの製造方法は、(a)ロジンエステルを形成するためにロジンをアルコールでエステル化する工程;及び(b)微細孔の多孔質吸着剤の中に前記ロジンエステルを流す工程を含むことができる。微細孔の多孔質吸着剤は、500m/g〜2000m/gの範囲の表面積を有することができる。方法はさらに、水素化ロジンエステルを形成するために前記ロジンエステルを水素化する工程、前記エステル化反応の前に前記ロジンを不均化する工程、またはその組み合わせを含むことができる。
エステル化工程(a)は、ロジンと好適なアルコールとを接触させる工程、及び粗ロジンエステルを形成するのに好適な条件下で一定時間、前記ロジンとアルコールとを処理する工程を含むことができる。ロジンをエステル化するための好適な反応条件は、当業界で公知である。たとえば、本明細書中、その全体が参照として含まれる米国特許第5,504,152号明細書(Douglasら)を参照されたい。好適な反応条件は、反応体の性質(たとえば、ロジンの化学的及び物理的特性、アルコールの同一性(identity)など)及び、得られたロジンエステルの所望の化学的及び物理的特性などの多くの因子を考慮して選択することができる。たとえば、ロジンは、ロジンとアルコールとの熱反応によりエステル化することができる。エステル化は、高温(たとえば30℃を超え250℃までの温度)でロジンとアルコールとを接触させることを含むことができる。態様によっては、エステル化工程(a)は、ロジンエステルを形成するのに好適な時間、ロジンとアルコールと、場合によりエステル化触媒とを接触させる工程を含むことができる。場合によっては、エステル化反応は、酸価15以下を有するロジンエステルを提供するのに有効な時間、ロジンとアルコールと、場合によりエステル化触媒とを接触させる工程を含む。
エステル化反応では、任意の好適なロジンを使用することができる。コロホニーまたはグリークピッチ
Figure 2016531876
とも呼ばれるロジンは、植物、典型的にはマツ(たとえばダイオウマツ(Pinus palustris及びPinus caribaea)などの針葉樹の固体炭化水素分泌物である。ロジンは、ロジン酸の混合物を含むことができ、ロジンの詳細な組成は、一部、植物種に依存して変動する。ロジン酸は、数及び位置が異なる二重結合を含む三つの縮合した六個の炭素の環の核を有するC20縮合環モノカルボン酸である。ロジン酸の例としては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、ピマール酸、レボピマール酸、サンダラコピマール酸、イソピマール酸及びパルストリン酸が挙げられる。天然のロジンは典型的には、少量の他の成分と一緒に、7または8種のロジン酸の混合物からなる。
ロジンは市販されており、オレオロジンの蒸留(ガムロジンは蒸留残渣である)、松の根(ウッドロジン)の抽出またはトールオイル(トールオイルロジン)の分留により松の木から得ることができる。トールオイルロジン、ガムロジン及びウッドロジン及びそれらの混合物を含む任意の種類のロジンをエステル化反応で使用することができる。特定の態様では、ロジンはトールオイルロジンを含む。ロジンは、市販の供給源または天然の供給源から得られたまま、ロジンエステルを形成するための供給原料として使用することができる。市販のロジンの例としては、Arizona Chemicalより市販のSYLVAROS(登録商標)90及びSYLVAROS(登録商標)NCYなどのトールオイルロジンが挙げられる。あるいはロジンは、ロジンエステルを形成するための供給原料として使用する前に、一つ以上の精製工程(たとえば減圧下での蒸留、抽出及び/または結晶化)にかけることができる。
任意の好適なアルコールとしては、モノアルコール、ジオール及び他のポリオールが挙げられ、これらをエステル化反応で使用することができる。好適なアルコールの例としては、グリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ソルビトール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、2−エチルヘキサノール、ジグリセロール、トリペンタエリトリトール、C−C11分枝または非分枝アルキルアルコール、及びC−C16分枝または非分枝アリールアルキルアルコールが挙げられる。特定の態様では、アルコールは、多価アルコールである。たとえば、多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、マンニトール及びその組み合わせからなる群から選択することができる。態様によっては、1を超えるアルコールをエステル化反応で使用する。特定の態様では、ペンタエリトリトールと、グリセロール、ジペンタエリトリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン及びその組み合わせから選択される一種以上の追加のアルコールをエステル化反応で使用する。
ロジンの量に対するエステル化反応で使用されるアルコール量は、アルコールの性質並びに、得られるロジンエステルの所望の化学的及び物理的特性に依存して変動しうる。態様によっては、低い水酸基価を有するロジンエステルを製造するために、ロジンは過剰量で提供される。たとえば、存在するロジン量に対してモル等量未満の水酸基が反応中に存在するような量でアルコールを提供することができる。他の態様では、アルコールは、低い酸価を有するロジンエステルを製造するために、アルコールは過剰量で提供する。
当業界で公知のように、触媒、溶媒、漂白剤、安定剤及び/または酸化防止剤をエステル化反応に添加することができる。好適な触媒、溶媒、漂白剤、安定剤、及び酸化防止剤は当業界で公知であり、たとえば米国特許第2,729,660号明細書、同第3,310,575号明細書、同第3,423,389号明細書、同第3,780,013号明細書、同第4,172,070号明細書、同第4,548,746号明細書、同第4,690,783号明細書、同第4,693,847号明細書、同第4,725,384号明細書、同第4,744,925号明細書、同第4,788,009号明細書、同第5,021,548号明細書、及び同第5,049,652号明細書に記載されている。態様によっては、エステル化反応は、エステル化触媒の存在下で、ロジンとアルコールとを接触させることを含む。好適なエステル化触媒は当業界で公知であり、ルイス酸及びブレンステッド・ローリー酸が挙げられる。好適なエステル化触媒の例としては、酸性触媒、たとえば酢酸、p−トルエンスルホン酸、及び硫酸;アルカリ金属の水酸化物、たとえば水酸化カルシウム;金属酸化物、たとえば酸化カルシウム、酸化マグネシウム、及び酸化アルミニウム;並びに他の金属塩、たとえば塩化鉄、蟻酸カルシウム、及びホスホン酸カルシウム(たとえば、カルシウムビス−モノエチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、Irganox(登録商標)1425)が挙げられる。
エステル化反応は、活性炭の存在下でロジンとアルコールとを接触させることを含むこともできる。態様によっては、エステル化反応は、活性炭の存在下で、且つ追加のエステル化触媒の非存在下で、ロジンとアルコールとを接触させることを含むことができる。好適な活性炭は、たとえば、Cabot Norit Americas,Inc.より商品名NORIT(登録商標)のもと市販もされている。エステル化反応を完了させるために、蒸留及び/または真空を適用するなどの標準的な方法を使用して反応器から水を除去することができる。
ロジンエステルは続いて、微細孔の多孔質吸着剤の中に流れることができる。ロジンエステルは場合により、微細孔の多孔質吸着剤の中に流れ易くするために、溶媒を含むことができる。態様によっては、ロジンエステルは殆どまたは実質的に全く溶媒を含まない。たとえば態様によっては、ロジンエステルは、ロジンエステルの全重量を基準として、25重量%未満(たとえば、20重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、または5重量%未満)の溶媒を含む。態様によっては、微細孔の多孔質吸着剤の中を流れるロジンエステル中のエステル化ロジン酸の濃度は、ロジンエステルの全重量を基準として、75重量%以上である(即ち、少なくとも80重量%のエステル化ロジン酸、少なくとも85重量%のエステル化ロジン酸、または少なくとも90重量%のエステル化ロジン酸)。態様によっては、微細孔の多孔質吸着剤の中を流れるロジンエステルは、実質的に溶媒を含まない(たとえば、ロジンエステルは、ロジンエステルの全重量を基準として1重量%未満の溶媒を含む)。特定の態様では、微細孔の多孔質吸着剤の中を流れるロジンエステルは、25℃で1,000cP以下の粘度である。
ロジンエステルは、高温で微細孔の多孔質吸着剤の中を流れることができる。態様によっては、ロジンエステルは、少なくとも150℃(たとえば少なくとも160℃、少なくとも170℃、少なくとも180℃、少なくとも190℃、少なくとも200℃、少なくとも210℃、少なくとも220℃、少なくとも230℃、少なくとも240℃、少なくとも250℃、少なくとも260℃、または少なくとも270℃)の温度で微細孔の多孔質吸着剤の中を流れることができる。態様によっては、ロジンエステルは、280℃以下(たとえば270℃以下、260℃以下、250℃以下、240℃以下、230℃以下、220℃以下、210℃以下、200℃以下、190℃以下、180℃以下、170℃以下、または160℃以下)の温度で微細孔の多孔質吸着剤の中を流れることができる。
ロジンエステルは、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲の温度で微細孔の多孔質吸着剤の中を流れることができる。たとえば、ロジンエステルは、150℃〜280℃(たとえば180℃〜240℃、または200℃〜220℃)の範囲の温度で微細孔の多孔質吸着剤の中を流れることができる。
特定の態様では、ロジンエステルは、240℃〜280℃の範囲の温度で、活性炭などの微細孔の多孔質吸着剤の中を流れることができる。これらの温度では、ロジンエステルは、微細孔の多孔質吸着剤の中を流れる間に不均化することができる。態様によっては、ロジンエステルは、ロジンエステルの全重量を基準として、5重量%〜20重量%の不均化(たとえば不均化6重量%〜15重量%、または不均化6重量%〜10重量%)を誘導するのに有効な流量で、240℃〜280℃の範囲の温度で微細孔の多孔質吸着剤(たとえば活性炭)の中を流れることができる。
微細孔の多孔質吸着剤は、吸着剤として機能しえる任意の好適な多孔質材料でありえ、これによってロジンエステルの色、ロジンエステル中の硫黄濃度、またはその組み合わせを薄くしたり減らすことができる。様々な多孔質吸着剤が当業界で公知であり、活性炭、金属酸化物、たとえばアルミナ、ジルコニア、及びシリカ、マクロレティキュラーイオン交換樹脂、ゼオライト、微細孔の多孔質クレーが挙げられる。
微細孔の多孔質吸着剤は高表面積を有することができる。たとえば、微細孔の多孔質吸着剤は、500m/gを超える(たとえば、600m/gを超える、700m/gを超える、800m/gを超える、900m/gを超える、1000m/gを超える、1100m/gを超える、1200m/gを超える、1300m/gを超える、1400m/gを超える、1500m/gを超える、1600m/gを超える、1700m/gを超える、1800m/gを超える、または1900m/gを超える)表面積を有する。態様によっては、微細孔の多孔質吸着剤は、2000m/g以下(たとえば、1900m/g以下、1850m/g以下、1800m/g以下、1750m/g以下、1700m/g以下、1650m/g以下、1600m/g以下、1550m/g以下、1500m/g以下、1450m/g以下、1400m/g以下、1350m/g以下、1300m/g以下、1250m/g以下、1200m/g以下、1150m/g以下、1100m/g以下、1050m/g以下、1000m/g以下、950m/g以下、900m/g以下、850m/g以下、800m/g以下、750m/g以下、700m/g以下、650m/g以下、600m/g以下、または550m/g以下)の表面積を有する。
微細孔の多孔質吸着剤は、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲の表面積を有することができる。たとえば、微細孔の多孔質吸着剤は、500m/g〜2000m/g(たとえば、750m/g〜2000m/g、1000m/g〜2000m/g、1000m/g〜1750m/g、または1000m/g〜1500m/g)の範囲の表面積を有することができる。
微細孔の多孔質吸着剤は、様々な多孔率を有することができる。微細孔の多孔質吸着剤は、ミクロ孔(micropore)(2nm未満の直径を有する細孔)、メソ孔(mesopore)(2〜50nmの直径を有する細孔)、マクロ孔(macropore)(50nmを超える直径を有する細孔)、またはその組み合わせを含むことができる。微細孔の多孔質吸着剤の多孔率は、材料に存在するミクロ孔、メソ孔、マクロ孔、またはその組み合わせの容積を特徴とする。
態様によっては、微細孔の多孔質吸着剤は、少なくとも0.05mL/gのミクロ孔(たとえば、少なくとも0.1mL/g、少なくとも0.15mL/g、少なくとも0.2mL/g、少なくとも0.25mL/g、少なくとも0.3mL/g、または少なくとも0.35mL/g)を含む。態様によっては、微細孔の多孔質吸着剤は、0.4mL/g以下のミクロ孔(たとえば、0.35mL/g以下、0.3mL/g以下、0.25mL/g以下、0.2mL/g以下、0.15mL/g以下、または0.1mL/g以下)を含む。微細孔の多孔質吸着剤は、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲の容積のミクロ孔を含むことができる。たとえば、微細孔の多孔質吸着剤は、0.05mL/g〜0.4mL/g(たとえば、0.1mL/g〜0.3mL/g)の範囲の容積のミクロ孔を含むことができる。
態様によっては、微細孔の多孔質吸着剤は、少なくとも0.1mL/gのメソ孔(たとえば、少なくとも0.15mL/g、少なくとも0.2mL/g、少なくとも0.25mL/g、少なくとも0.3mL/g、少なくとも0.35mL/g、少なくとも0.4mL/g、少なくとも0.45mL/g、少なくとも0.5mL/g、少なくとも0.55mL/g、少なくとも0.6mL/g、少なくとも0.65mL/g、少なくとも0.7mL/g、少なくとも0.75mL/g、少なくとも0.8mL/g、少なくとも0.85mL/g、少なくとも0.9mL/g、少なくとも0.95mL/g、少なくとも1.0mL/g、少なくとも1.05mL/g、少なくとも1.10mL/g、少なくとも1.15mL/g、または少なくとも1.20mL/g)を含む。態様によっては、多孔質吸着剤は、1.25mL/g以下のメソ孔(たとえば、1.20mL/g以下、1.15mL/g以下、1.10mL/g以下、1.05mL/g以下、1.0mL/g以下、0.95mL/g以下、0.9mL/g以下、0.85mL/g以下、0.8mL/g以下、0.75mL/g以下、0.7mL/g以下、0.65mL/g以下、0.6mL/g以下、0.55mL/g以下、0.5mL/g以下、0.45mL/g以下、0.4mL/g以下、0.35mL/g以下、0.3mL/g以下、0.25mL/g以下、0.2mL/g以下、または0.15mL/g以下)を含む。微細孔の多孔質吸着剤は、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲の容積のメソ孔を含むことができる。たとえば、微細孔の多孔質吸着剤は0.1mL/g〜1.25mL/g(たとえば、0.2mL/g〜1.25mL/g、0.75mL/g〜1.25mL/g、0.1mL/g〜1.0mL/g、または0.2mL/g〜0.9mL/g)の範囲の容積のメソ孔を含むことができる。
態様によっては、微細孔の多孔質吸着剤は、少なくとも0.1mL/gのマクロ孔(たとえば、少なくとも0.15mL/g、少なくとも0.2mL/g、少なくとも0.25mL/g、少なくとも0.3mL/g、少なくとも0.35mL/g、少なくとも0.4mL/g、少なくとも0.45mL/g、少なくとも0.5mL/g、少なくとも0.55mL/g、少なくとも0.6mL/g、または少なくとも0.65mL/g)を含む。態様によっては、微細孔の多孔質吸着剤は0.7mL/g以下のマクロ孔(たとえば、0.65mL/g以下、0.6mL/g以下、0.55mL/g以下、0.5mL/g以下、0.45mL/g以下、0.4mL/g以下、0.35mL/g以下、0.3mL/g以下、0.25mL/g以下、0.2mL/g以下、または0.15mL/g以下)を含む。微細孔の多孔質吸着剤は、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲の容積のマクロ孔を含むことができる。たとえば、微細孔の多孔質吸着剤は、0.1mL/g〜0.7mL/g(たとえば、0.2mL/g〜0.6mL/g、または0.25mL/g〜0.55mL/g)の範囲の容積のマクロ孔を含むことができる。
態様によっては、微細孔の多孔質吸着剤は、メソ孔の容積またはマクロ孔の容積よりも大きな容積のミクロ孔を含む。他の態様では、微細孔の多孔質吸着剤は、ミクロ孔の容積またはマクロ孔の容積よりも大きな容積のメソ孔を含む。他の態様では、微細孔の多孔質吸着剤は、ミクロ孔の容積またはメソ孔の容積よりも大きな容積のマクロ孔を含む。
場合によっては、微細孔の多孔質吸着剤の中のミクロ孔の容積対微細孔の多孔質吸着剤の中のメソ孔の容積の比は、1:7.5〜2:1の範囲の。たとえば、微細孔の多孔質吸着剤の中のミクロ孔の容積対微細孔の多孔質吸着剤の中のメソ孔の比は、1:5、1:3.6、1:2、または1.5:1でありえる。場合によっては、微細孔の多孔質吸着剤の中のメソ孔の容積対微細孔の多孔質吸着剤の中のマクロ孔の容積の比は、1:2〜1:0.25の範囲の。たとえば、微細孔の多孔質吸着剤の中のメソ孔の容積対微細孔の多孔質吸着剤の中のマクロ孔の容積の比は、1:1.25、1:0.6、または1:1でありえる。場合によっては、微細孔の多孔質吸着剤の中のミクロ孔の容積対微細孔の多孔質吸着剤の中のマクロ孔の比は、1:5〜1:0.7の範囲の。たとえば、微細孔の多孔質吸着剤の中のミクロ孔の容積対微細孔の多孔質吸着剤の中のメソ孔の容積の比は、1:3、1:2.2、1:2、または1:0.83でありえる。
特定の態様では、微細孔の多孔質吸着剤は活性炭を含む。活性炭は、大きな内部表面積及び細孔容積となるように処理した、炭素の微結晶質、非黒鉛形である。表面を化学的に反応性とする表面積及び官能基などの他の変数と共に、これらの特徴は、活性炭の吸着性に影響を与えるために、必要により選択することができる。
好適な活性炭は、そのそれぞれが得られた活性炭に特定の品質を与える、当業界で公知の方法を使用して、様々な炭素質原材料から製造することができる。たとえば、活性炭は、褐炭、石炭、骨、材木、泥炭、製紙工場廃棄物(リグニン)、及び果皮などの他の炭素質材料から製造することができる。活性炭は、物理的活性化(たとえば、酸化の後、炭素質原材料の炭化)及び化学的活性化などの当業界で公知の様々な方法を使用して、炭素質原材料から形成することができる。
粉末活性炭(PAC:1.0mm未満のサイズの活性炭の粉末または微粒子を含む活性炭の粒状形)、粒状活性炭(GAC)、押出し活性炭(EAC:バインダーと共に融解し、様々な形状に押し出した粉末活性炭)、ビーズ活性炭(BAC)、及び活性炭繊維などの様々な形状の活性炭を使用することができる。好適な形状の活性炭は、その所望のレベルの触媒活性並びにプロセス(たとえば、分離の容易性)を考慮して選択することができる。好適な活性炭は、いずれもCabot Norit Americas, Inc.より市販されている木材PAC、たとえばNORIT(登録商標)CA1、NORIT(登録商標)CA3、DARCO(登録商標)KB−G、及びDARCO(登録商標)KB−M;木材GAC、たとえばNORIT(登録商標)C GRAN;石炭PAC、たとえばNORIT(登録商標)PAC200;石炭GAC、たとえばNORIT(登録商標)GAC 300;及び他の炭素源から誘導した蒸気活性化PAC、たとえばDARCO(登録商標)G−60が挙げられる。
態様によっては、活性炭は粒状活性炭(GAC)を含む。GACは、合衆国標準篩シリーズ(United States Standard Siece Series)を基準として4メッシュ〜325メッシュの範囲の粒径を有することができる。たとえば、GACは、合衆国標準篩シリーズを基準として4メッシュ以下の粒径を有することができ、ここで活性炭の少なくとも99.5%はこの上限未満である(たとえば、5メッシュ以下の粒径、6メッシュ以下の粒径、7メッシュ以下の粒径、8メッシュ以下の粒径、10メッシュ以下の粒径、12メッシュ以下の粒径、14メッシュ以下の粒径、16メッシュ以下の粒径、18メッシュ以下の粒径、20メッシュ以下の粒径、25メッシュ以下の粒径、30メッシュ以下の粒径、35メッシュ以下の粒径、40メッシュ以下の粒径、45メッシュ以下の粒径、50メッシュ以下の粒径、60メッシュ以下の粒径、70メッシュ以下の粒径、80メッシュ以下の粒径、100メッシュ以下の粒径、120メッシュ以下の粒径、140メッシュ以下の粒径、170メッシュ以下の粒径、200メッシュ以下の粒径、230メッシュ以下の粒径、または270メッシュ以下の粒径)。態様によっては、GACは合衆国標準篩シリーズを基準として少なくとも325メッシュの最小粒径を有することができ、ここで、少なくとも99.5%の活性炭はこの下限を超える(たとえば、少なくとも270メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも230メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも200メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも170メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも140メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも120メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも100メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも80メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも70メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも60メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも50メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも45メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも40メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも35メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも30メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも25メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも20メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも18メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも16メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも14メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも12メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも10メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも8メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも7メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも6メッシュの最小粒径サイズ、少なくとも4メッシュの最小粒径サイズ)。
GACは、上記最小粒径のいずれか乃至上記最大粒径のいずれかの範囲の平均粒径を有することができ、ここで活性炭の少なくとも99.5%は最小粒径から最大粒径までの中の粒径を有する。態様によっては、GACは、公称メッシュサイズ4×325(たとえば公称メッシュサイズ10×20、12×20、12×40、40×80、80×325、または10×325メッシュ)を有することができる。
活性炭の中のミクロ孔の容積対活性炭の中のメソ孔の容積対活性炭の中のマクロ孔の容積の比は、1.5:1:1.25でありえる。一態様において、活性炭は、ミクロ孔0.3mL/g、メソ孔0.2mL/g、及びマクロ孔0.25mL/gの容積を有する水蒸気で活性化した瀝青活性炭を含む。
活性炭の中のミクロ孔の容積対活性炭の中のメソ孔の容積対活性炭の中のマクロ孔の容積の比は、1:5:3でありえる。一態様において、活性炭は、ミクロ孔0.1mL/g、メソ孔0.5mL/g、及びマクロ孔0.3mL/gの容積を有する水蒸気で活性化した褐炭活性炭を含む。
活性炭の中のミクロ孔の容積対活性炭の中のメソ孔の容積対活性炭の中のマクロ孔の比は、1:2:2でありえる。一態様において、活性炭は、ミクロ孔0.2mL/g、メソ孔0.4mL/g、及びマクロ孔0.4mL/gの容積を有する水蒸気で活性化した泥炭活性炭を含む。
活性炭の中のミクロ孔の容積対活性炭の中のメソ孔の容積対活性炭の中のマクロ孔の比は、1:3.6:2.2でありえる。一態様において、活性炭は、ミクロ孔0.25mL/g、メソ孔0.9mL/g、及びマクロ孔0.55mL/gの容積を有する水蒸気で活性化した木材活性炭を含む。
小サイズ及び中サイズの分子を吸着させる活性炭の能力は、活性炭のメチレンブルー吸着レベルを測定することにより定量的に評価することができる。態様によっては、活性炭は、g/100gで測定して、少なくとも20g/100g(たとえば、少なくとも21g/100g、少なくとも22g/100g、少なくとも23g/100g、少なくとも24g/100g、少なくとも25g/100g、少なくとも26g/100g、または少なくとも27g/100g)のメチレンブルー吸着を有する。態様によっては、活性炭は、28g/100g以下(たとえば、27g/100g以下、26g/100g以下、25g/100g以下、24g/100g以下、23g/100g以下、22g/100g以下、または21g/100g以下)のメチレンブルー吸着を有する。
活性炭は、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲のメチレンブルー吸着を有することができる。たとえば、活性炭は、20g/100g〜28g/100g(たとえば、20g/100g〜25g/100g)の範囲のメチレンブルー吸着を有することができる。
活性炭は様々な界面化学を示すことができる。活性炭を活性化するために使用される製造プロセスの結果として、活性炭はアルカリ性、中性または酸性でありえる。態様によっては、エステル化反応で触媒として使用される活性炭は酸性(すなわち、ASTM D3838−05に記載の方法を使用して測定して、活性炭の水抽出物のpHは7未満である)である。態様によっては、ASTM D3838−05に記載の方法に従って測定して、エステル化反応で触媒として使用される活性炭の水抽出物のpHは、8.0以下(たとえば、7.5以下、7.0以下、6.5以下、6.0以下、5.5以下、5.0以下、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、または2.0以下)である。態様によっては、ASTMD3838−05に記載の方法を使用して測定して、エステル化反応で触媒として使用される活性炭の水抽出物のpHは少なくとも1.5(たとえば、少なくとも2.0、少なくとも2.5、少なくとも3.0、少なくとも3.5、少なくとも4.0、少なくとも4.5、少なくとも5.0、少なくとも5.5、少なくとも6.0、少なくとも6.5、少なくとも7.0、または少なくとも7.5)である。
態様によっては、ロジンエステルは、微細孔の多孔質吸着剤(たとえば活性炭)を含む固定相の中を流れる。固定相は、ロジンエステルを微細孔の多孔質吸着剤で処理し易くするために、任意の好適な容器の中に配置することができる。場合により、固定相は固定床反応器に配置される。これらの態様では、ロジンエステルは、エステル化の後、固定床反応器の中に流れることができる。ロジンエステル組成物は、窒素雰囲気などの不活性雰囲気下で固定相の中に流れることができる。圧力を印加して固定相の中をロジンエステルが流れやすくすることができ、印加した圧力は、固定相の中のロジンエステルの流量を制御するために変動する。固定相は、単一の微細孔の多孔質吸着剤または二種以上の微細孔の多孔質吸着剤の混合物を含むことができる。特定の態様では、固定相は様々な平均孔径を有する二種以上の活性炭のブレンドを含む。態様によっては、固定相は、一種以上の追加の成分と組み合わせて活性炭を含む。たとえば、固定相はさらに、追加の炭素質材料(たとえば泥炭)、追加の非炭素質微細孔の多孔質吸着剤(たとえば、シリカ、ゼオライト、クレー、アルミナ、若しくはその組み合わせ)またはその組み合わせを含むことができる。
ロジンエステルと微細孔の多孔質吸着剤との接触時間は、空筒接触時間(empty bed contact time:EBCT)の計算により定義することができる。微細孔の多孔質吸着剤のEBCTは、以下の式:
Figure 2016531876
により定義される。式中、EBCTは、微細孔の多孔質吸着剤の空筒接触時間(分)であり、Vは微細孔の多孔質吸着剤の容積(立法フィート)であり、Qは微細孔の多孔質吸着剤の中を通るロジンエステルの流量(ガロン毎分)である。態様によっては、微細孔の多孔質吸着剤の容積と、微細孔の多孔質吸着剤の中を通るロジンエステルの流量は、1.5時間以上(たとえば、2時間以上、2.5時間以上、3時間以上、4時間以上、5時間以上、6時間以上、8時間以上、10時間以上、12時間以上、18時間以上または24時間以上)の空筒接触時間とするのに有効である。
ASTM D1544−04(2010)に記載の方法に従って測定して、ロジンエステルのニートガードナーカラーを下げるのに有効な流量で、ロジンエステルは微細孔の多孔質吸着剤の中に流れることができる。たとえば態様によっては、ロジンエステルのニートガードナーカラーを少なくとも10%だけ(たとえば少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%以上)下げるのに有効な流量でロジンエステルは微細孔の多孔質吸着剤の中に流れる。ロジンエステルは、ASTM D1544−04(2010)に記載の方法に従って測定して、ロジンエステルのニートガードナーカラーを少なくとも1ガードナーカラー単位だけ下げるのに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤の中に流れることができる。特定の態様では、ロジンエステルのニートガードナーカラーを少なくとも1〜2.5ガードナーカラー単位だけ下げるのに有効な流量でロジンエステルは微細孔の多孔質吸着剤の中に流れる。
ロジンエステルは、ロジンエステル中の硫黄及び/または硫黄含有化合物の濃度を減らすのに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤の中を流れることができる。ロジンエステルの硫黄含有量は、ASTM D5453−05に記載の標準方法を使用して、ANTEK(登録商標)9000硫黄分析器で測定することができる。たとえば、態様によっては、ロジンエステルは、ロジンエステル中の硫黄濃度を少なくとも10%だけ(たとえば少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%以上)減らすのに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤の中に流れる。ロジンエステルは、ロジンエステル中の硫黄濃度を少なくとも50ppmだけ(たとえば少なくとも100ppm、少なくとも150ppm、少なくとも200ppm、少なくとも250ppm、または少なくとも300ppm)減らすのに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤の中に流れることができる。
微細孔の多孔質吸着剤の中のロジンエステルの好適な流量は、得られたロジンエステルの所望の特性(たとえばロジンエステル中の硫黄及び/または硫黄含有化合物の所望の濃度、ロジンエステルの所望のガードナーカラー、またはその組み合わせ)、微細孔の多孔質吸着剤と接触させる前のロジンエステルの特性(たとえば、微細孔の多孔質吸着剤と接触させる前のロジンエステル中の硫黄及び/または硫黄含有化合物の濃度、微細孔の多孔質吸着剤と接触させる前のロジンエステルのガードナーカラーまたはその組み合わせ)、微細孔の多孔質吸着剤の所望の空筒接触時間、微細孔の多孔質吸着剤の容積、及びその組み合わせなどの多くの因子を考慮して選択することができる。態様によっては、方法は、微細孔の多孔質吸着剤と接触させる前のロジンエステル中の硫黄及び/または硫黄含有化合物の濃度及び/またはガードナーカラー及び/または微細孔の多孔質吸着剤と接触させた後のロジンエステル中の硫黄及び/または硫黄含有化合物の濃度及び/またはガードナーカラーを測定する、及びガードナーカラーの所望の低下、硫黄及び/または硫黄含有化合物の濃度の所望の低下、またはその組み合わせが達成されるまで、微細孔の多孔質吸着剤の中のロジンエステルの流量を調節する各工程を含むことができる。態様によっては、ロジンエステルの製造方法は、水素化ロジンエステルを形成するためにロジンエステルを水素化することをさらに含むことができる。水素化反応は、水素化ロジンエステルを形成するために好適な条件下及び一定の時間、ロジンエステルを水素化触媒と接触させることを含むことができる。ロジンエステルを水素化する方法は当業界で公知である。水素化反応は、水素化触媒、たとえば不均一水素化触媒(たとえばパラジウム触媒、たとえば炭素上に担持されたPd(Pd/C)、プラチナ触媒、たとえばPtO、ニッケル触媒、たとえばラネーニッケル(Ra−Ni)、ロジウム触媒、またはルテニウム触媒)を使用して実施することができる。場合によっては、水素化触媒は、粗ロジンエステルの全重量を基準として、0.25%〜5重量%の範囲の量で存在することができる。水素化のための水素供給源は、水素(H)または、蟻酸、イソプロパノール、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、ジイミドまたはヒドラジンなどの反応条件下で水素を発生しえる化合物でありえる。
水素化反応は、高温、高圧またはその組み合わせで実施することができる。たとえば、水素化反応は150℃〜300℃(たとえば180℃〜280℃、180℃〜240℃、200℃〜280℃、または220℃〜260℃)の範囲の温度で実施することができる。水素化反応は、250〜2000psi(たとえば、250〜1450psi、250〜650psi、または350〜550psi)の範囲の圧力で実施することができる。水素化は、ロジンエステルと微細孔の多孔質吸着剤との接触の前、その間及び/または接触後に実施することができる。特定の態様では、水素化は、ロジンエステルと微細孔の多孔質吸着剤とを接触させた後に実施することができる。
場合により溶媒は、水素化反応に存在することができる。特定の態様では、水素化反応で水素化されるロジンエステルは、25重量%未満の溶媒を含む。態様によっては、水素化反応で水素化されるロジンエステル中のエステル化ロジン酸濃度は、ロジンエステルの全重量を基準として、75重量%以上である。態様によっては、水素化反応で水素化されるロジンエステルは実質的に溶媒を含まない(たとえば、ロジンエステルは、ロジンエステルの全重量を基準として1重量%未満の溶媒を含む)。特定の態様では、水素化反応で水素化されるロジンエステルは、25℃で1,000cP以下の粘度を有する。
特定の用途のための所望の化学的及び物理的特性を有するロジンエステルを得るために、本明細書に記載のロジンエステルの製造法は場合により、エステル化反応と場合により水素化反応に加えて、一つ以上の追加の処理工程をさらに含むことができる。態様によっては、エステル化反応でエステル化すべきロジン、エステル化反応から得られるロジンエステル、及び/または水素化反応から得られた水素化ロジンエステルは、ロジン、ロジンエステル、及び/または水素化ロジンエステルのPAN数を下げるために;ロジン、ロジンエステル及び/または水素化ロジンエステルに存在する様々なロジン酸及び/またはロジン酸エステルの重量比に影響を与えるために;得られたロジンエステル及び/または水素化ロジンエステルの水酸基価に影響を与えるために;得られたロジンエステル及び/または水素化ロジンエステルの酸価に影響を与えるために;またはその組み合わせのためにさらに処理することができる。好適な追加の処理工程は当業界で公知であり、追加の水素化工程(たとえば、事前の水素化)、脱水素、不均化、二量化及び強化(fortification)を含むことができる。特定の態様において、得られたロジンエステルの化学的及び物理的特性を改善するために、エステル化反応の前にこれらの方法の一つ以上を使用してロジンを処理する。化学的に容認される場合には、そのような方法は、以下詳細に記載するように、所望の化学的及び物理的特性を有するロジンエステル及び/または水素化ロジンエステルを得るために、エステル化反応と組み合わせて、エステル化反応の後であるが、水素化反応の前に、水素化反応の後に、またはその組み合わせでも実施することができる。
特定の態様では、ロジンエステルの製造法はさらに、エステル化反応の前にロジンの不均化を含むことができる。ロジンの不均化により、アビエタジエン酸部分をデヒドロアビエチン酸及びジヒドロアビエチン酸部分に転換する。不均化の方法は当業界で公知であり、一種以上の不均化剤の存在下で、ロジンの加熱を含むことが多い。ロジンを不均化するための好適な方法は、本明細書中、その全体が参照として含まれる、米国特許第3,423,389号明細書、同第4,302,371号明細書、及び同第4,657,703号明細書に記載されている。
様々な好適な不均化剤を使用することができる。好適な不均化剤の例としては、2,2’−チオビスフェノール、3,3’−チオビスフェノール、4,4’−チオビス(レゾルシノール)及びt,t’−チオビス(ピロガロール)、4,4’−15チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)及び4/4’−チオビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)チオビスナフトールなどのチオビスナフトール類、2,2’−チオ−ビスフェノール、3,3’−チオ−ビスフェノール;パラジウム、ニッケル及びプラチナなどの金属;ヨウ素またはヨウ化物(たとえばヨウ化鉄);スルフィド(たとえば硫化鉄);及びその組み合わせが挙げられる。特定の態様では、ロジンは、フェノールスルフィドタイプの不均化剤を使用して不均化する。好適なフェノールスルフィドタイプの不均化剤の例としては、ポリ−t−ブチルフェノールジスルフィド(Arkema,Inc.から商品名ROSINOX(登録商標)で市販されている)、4,4’−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール(Chemturaより商品名LOWINOX(登録商標)TBM−6で市販されている)、ノニルフェノールジスルフィドオリゴマー(Albemarle Corp.より商品名ETHANOX(登録商標)TM323で市販されているものなど)、及びアミルフェノールジスルフィドポリマー(たとえば、Sovereign Chemical Co.より商品名VULTAC(登録商標)2で市販されているものなど)が挙げられる。
特定の態様では、ロジンはエステル化反応の前に不均化される。これらの態様では、不均化ロジンまたは一部不均化されたロジンは、エステル化反応用の供給材料として使用することができる。場合により、エステル化反応の間に、不均化またはさらなる不均化を実施することができる。たとえば、不均化ロジンまたは一部不均化されたロジンは、その場で生成され、その後ワンポット合成手順でエステル化してロジンエステルにすることができる。
場合により、ロジン、ロジンエステル、及び/または水素化ロジンエステルは、得られるロジンエステルの化学的及び物理的特性を改善するために、強化(fortify)することができる。態様によっては、ロジンは、得られたロジンエステルの化学的及び物理的特性を改善するために、エステル化反応の前に強化される。ロジンの強化は、強化の前にロジンよりも低いPAN値及び高い分子量を有するロジンを提供するために、ロジン中のロジン酸の共役二重結合系の化学的修飾を含む。多くの好適な化学修飾及び関連する化学的方法が当業界で公知である。たとえば、ロジンは、ロジン酸とジエノフィル(dienophile)、たとえばα,β−不飽和有機酸またはそのような酸の無水物とのディールス・アルダーまたはエン付加反応により強化することができる。好適なジエノフィルの例としては、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、これらの酸から誘導したエステル、及び無水マレイン酸が挙げられる。
場合により、方法は、得られるロジンエステルの水酸基価に影響を与えるために、得られるロジンエステルの酸価に影響を与えるために;またはこれらの組み合わせのために一つ以上のプロセス工程を含むことができる。所望により、ロジンエステルは、低い水酸基価を有するロジンエステルを提供するために、エステル化の後に(たとえば、エステル化反応の後であるが、任意の水素化反応の前、または水素化反応の後)、化学的に修飾することができる。このプロセスは、当業界で公知の合成法を使用して、エステル化の後、ロジンエステルまたは水素化ロジンエステル中の残存水酸基部分を化学的に修飾することを含むことができる。たとえば、ロジンエステルまたは水素化ロジンエステルは、アシル化剤(たとえば、カルボン酸またはその誘導体、たとえば酸無水物)と反応させることができる。たとえば、米国特許第4,380,513号明細書(Ruckel)を参照されたい。ロジンエステルまたは水素化ロジンエステル中の残存水酸基部分は、対応するカルバメート誘導体を提供するために、イソシアナートなどの求電子性試薬と反応することもできる。たとえば、米国特許第4,377,510号明細書(Ruckel)を参照されたい。残存水酸基部分と反応させるために使用しえる他の好適な求電子性試薬としては、アルキル化剤(たとえばジメチルサルフェートなどのメチル化剤)が挙げられる。所望により、エステル化後(たとえば、エステル化反応の後であるが、任意の水素化反応の前、または水素化反応の後)、未反応ロジン並びに他の揮発性成分は、蒸気散布、窒素ガスなどの不活性ガスによる散布、ワイプドフィルム蒸発(wiped film evaporation)、ショートパス蒸発(short path evaporation)、及び減圧蒸留により、ロジンエステルまたは水素化ロジンエステルから除去することができる。過剰量のロジン(即ち、ロジン酸)をロジンエステルまたは水素化ロジンエステルからストリッピングすることにより、得られたロジンエステルの酸価を下げることができる。
(a)微細孔の多孔質吸着剤(たとえば活性炭)の中にロジンを流す工程;及び(b)ロジンエステルを形成するために前記ロジンをアルコールでエステル化する工程を含むことができる、ロジンエステルの製造方法も提供する。微細孔の多孔質吸着剤は、500m/g〜2000m/gの範囲の表面積を有することができる。態様によっては、エステル化の前にロジンの不均化を誘導するために、240℃〜280℃の範囲の温度で、ロジンを微細孔の多孔質吸着剤(たとえば活性炭)の中に流すことができる。たとえば、ロジンは、ロジンの全重量を基準として5重量%〜20重量%の不均化(たとえば、6重量%〜15重量%の不均化、または6重量%〜10重量%の不均化)を生じるのに有効な流量で240℃〜280℃の範囲の温度で微細孔の多孔質吸着剤(たとえば活性炭)の中に流れることができる。これらの方法はさらに、水素化ロジンエステルを形成するために前記ロジンエステルを水素化する工程、前記ロジンを微細孔の多孔質吸着剤(たとえば活性炭)で処理する前に、即ち工程(a)の前にロジンを不均化する工程、またはこの組み合わせをさらに含むことができる。
低硫黄、非水素化トールオイルロジンエステルの製造方法も提供する。低硫黄、非水素化トールオイルロジンエステルの製造方法は、(a)微細孔の多孔質吸着剤(たとえば活性炭)の中にトールオイルロジンを流す工程;及び(b)トールオイルロジンエステルを形成するために前記トールオイルロジンをアルコールでエステル化する工程を含むことができる。これらの方法は、トールオイルロジンを微細孔の多孔質吸着剤で処理する前(即ち、工程(a)の前)に、前記トールオイルロジンを不均化する工程をさらに含むことができる。これらの方法では、トールオイルロジンは、ロジンエステル中の硫黄濃度を少なくとも50ppmだけ(たとえば少なくとも100ppm、少なくとも150ppm、少なくとも200ppm、少なくとも250ppm、または少なくとも300ppm)減らすのに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤(たとえば活性炭)の中に流れることができる。これらの方法は、500ppm以下の硫黄(たとえば450ppm以下の硫黄、400ppm以下の硫黄、350ppm以下の硫黄、300ppm以下の硫黄、250ppm以下の硫黄、または200ppm以下の硫黄)を含む非水素化トールオイルロジンエステルを製造するのに使用することができる。
本明細書に記載の方法は、改善された色(たとえば、ロジンエステルはニートガードナーカラー8.5以下を有することができる)、改善された酸化安定性(たとえば、ロジンエステルは130℃で少なくとも30分の酸化誘導時間を示すことができる)、改善された色安定性(たとえば、ロジンエステルは、160℃の温度に3時間加熱した時に、ニートガードナーカラーで少なくとも10%未満の変化を示す)、低下した硫黄含有量(たとえば、ロジンエステルは、硫黄400ppm未満を含むことができる)、またはその組み合わせを示すロジンエステルを製造するのに使用することができる。
ロジンエステルは低いPAN数を有することができる。ロジンエステルのPAN数は、ロジンエステルの全重量を基準として、ロジンエステル中に存在するアビエタジエン酸(特に、パルストリン酸、アビエチン酸及びネオアビエチン酸)の重量パーセントを指す。本明細書中で使用する「PAN数(PAN number)」は具体的には、ASTM D5974−00(2010)に記載の方法に従って測定して、ロジンエステル中のパルストリン酸、アビエチン酸及びネオアビエチン酸部分の重量パーセントの合計を指す。態様によっては、ロジンエステルは、ASTM D5974−00(2010)に記載の方法に従って測定して、15.0以下(たとえば14.5以下、14.0以下、13.5以下、13.0以下、12.5以下、12.0以下、11.5以下、11.0以下、10.5以下、10.0以下、9.5以下、9.0以下、8.5以下、8.0以下、7.5以下、7.0以下、6.5以下、6.0以下、5.5以下、5.0以下、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、または1.0以下)のPAN数を有することができる。
ロジンエステルは、ロジンエステルの全重量を基準として、少なくとも70重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸(たとえば少なくとも75重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸、少なくとも80重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸、少なくとも85重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸、少なくとも90重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸または少なくとも95重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸)を含むことができる。
特定の場合には、ロジンエステルはエステル化の後、水素化しなかった。態様によっては、ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1:0.25以下(たとえば1:0.30以下、1:0.35以下、1:0.40以下、1:0.45以下、1:0.50以下、1:0.55以下、1:0.60以下、1:0.65以下、1:0.70以下、または1:0.75以下)である。態様によっては、ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、少なくとも1:0.80(たとえば、少なくとも1:0.75、少なくとも1:0.70、少なくとも1:0.65、少なくとも1:0.60、少なくとも1:0.55、少なくとも1:0.50、少なくとも1:0.45、少なくとも1:0.40、少なくとも1:0.35、または少なくとも1:0.30)である。ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲とすることができる。たとえば、ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1:0.80〜1:0.25(たとえば1:0.70〜1:0.35、1:0.65〜1:0.40、または1:0.55〜1:0.40)の範囲とすることができる。
特定の場合には、ロジンエステルは水素化ロジンエステルである。態様によっては、ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.3:1以下(たとえば、1.25:1以下、1.2:1以下、1.15:1以下、1.1:1以下、1.05:1以下、1:1以下、1:1.05以下、1:1.1以下、1:1.15以下、1:1.2以下、1:1.25以下、1:1.3以下、1:1.35以下、1:1.4以下、1:1.45以下、1:1.5以下、1:1.55以下、1:1.6以下、1:1.65以下、1:1.7以下、1:1.75以下、1:1.8以下、1:1.85以下、1:1.9以下、1:1.95以下、1:2以下、1:2.05以下、1:2.1以下、1:2.15以下、1:2.2以下、1:2.25以下、1:2.3以下、1:2.35以下、1:2.4以下、1:2.45以下、1:2.5以下、または1:2.55以下)である。態様によっては、ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、少なくとも1:2.6(たとえば、少なくとも1:2.55、少なくとも1:2.5、少なくとも1:2.45、少なくとも1:2.4、少なくとも1:2.35、少なくとも1:2.3、少なくとも1:2.25、少なくとも1:2.2、少なくとも1:2.15、少なくとも1:2.1、少なくとも1:2.05、少なくとも1:2、少なくとも1:1.95、少なくとも1:1.9、少なくとも1:1.85、少なくとも1:1.8、少なくとも1:1.75、少なくとも1:1.7、少なくとも1:1.65、少なくとも1:1.6、少なくとも1:1.55、少なくとも1:1.5、少なくとも1:1.45、少なくとも1:1.4、少なくとも1:1.35、少なくとも1:1.3、少なくとも1:1.25、少なくとも1:1.2、少なくとも1:1.15、少なくとも1:1.少なくとも1:1.05、少なくとも1:1、少なくとも1.05:1、少なくとも1.1:1、少なくとも1.15:1、少なくとも1.2:1、または少なくとも1.25:1)である。
ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲のことができる。たとえば、ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.3:1〜1:2.6(たとえば、1.3:1〜1:2.5、1.3:1〜1:1.6、または1.2:1〜1:1.5)の範囲のことができる。
ロジンエステルは、任意の好適なアルコールから誘導することができ、その例としては、モノアルコール、ジオール及び他のポリオールが挙げられる。好適なアルコールの例としては、グリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ソルビトール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、2−エチルヘキサノール、ジグリセロール、トリペンタエリトリトール、C−C11分枝または非分枝アルキルアルコール、及びC−C16分枝または非分枝アリールアルキルアルコールが挙げられる。特定の態様では、ロジンエステルは、多価アルコールから誘導される。たとえば、多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、マンニトール及びその組み合わせからなる群から選択することができる。
ロジンエステルは、ASTM D5296−05に記載のように、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定して、少なくとも800g/mol(たとえば、少なくとも850g/mol、少なくとも900g/mol、少なくとも950g/mol、少なくとも1000g/mol、少なくとも1050g/mol、少なくとも1100g/mol、少なくとも1150g/mol、少なくとも1200g/mol、少なくとも1250g/mol、少なくとも1300g/mol、少なくとも1350g/mol、少なくとも1400g/mol、少なくとも1450g/mol、少なくとも1500g/mol、少なくとも1550g/mol、少なくとも1600g/mol、少なくとも1650g/mol、少なくとも1700g/mol、少なくとも1750g/mol、少なくとも1800g/mol、少なくとも1850g/mol、少なくとも1900g/mol、または少なくとも1950g/mol)の重量平均分子量を有することができる。ロジンエステルのブレンドは、2000g/mol以下(たとえば、1950g/mol以下、1900g/mol以下、1850g/mol以下、1800g/mol以下、1750g/mol以下、1700g/mol以下、1650g/mol以下、1600g/mol以下、1550g/mol以下、1500g/mol以下、1450g/mol以下、1400g/mol以下、1350g/mol以下、1300g/mol以下、1250g/mol以下、1200g/mol以下、1150g/mol以下、1100g/mol以下、1050g/mol以下、1000g/mol以下、950g/mol以下、900g/mol以下、または850g/mol以下)の重量平均分子量を有することができる。
ロジンエステルは、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲とする重量平均分子量を有することができる。たとえば、ロジンエステルは、800g/mol〜2000g/mol(たとえば、900g/mol〜1600g/mol、または1000g/mol〜1500g/mol)の重量平均分子量を有することができる。
ロジンエステルは改善されたガードナーカラーを有することができる。態様によっては、ロジンエステルは、ASTM D1544−04(2010)に記載の方法に従って測定して、8.5以下(たとえば、8.0以下、7.5以下、7.0以下、6.5以下、6.0以下、5.5以下、5.0以下、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、1.0以下、または0.5以下)のニートガードナーカラーを有する。態様によっては、ロジンエステルは水素化ロジンエステルであり、水素化ロジンエステルは、ASTM D1544−04(2010)に記載の方法に従って測定して、4.0以下(たとえば3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、1.0以下、または0.5以下)のニートガードナーカラーを有する。
ロジンエステルは改善された色安定性を示すことができる。態様によっては、ロジンエステルは、160℃の温度に3時間加熱したときに、ASTM D1544−04(2010)に記載の方法に従って測定して、ニートガードナーカラーで10%未満の変化(たとえばガードナーカラーで9.5%未満の変化、ガードナーカラーで9%未満の変化、ガードナーカラーで8.5%未満の変化、ガードナーカラーで8%未満の変化、ガードナーカラーで7.5%未満の変化、ガードナーカラーで7%未満の変化、ガードナーカラーで6.5%未満の変化、ガードナーカラーで6%未満の変化、ガードナーカラーで5.5%未満の変化、ガードナーカラーで5%未満の変化、ガードナーカラーで4.5%未満の変化、ガードナーカラーで4%未満の変化、ガードナーカラーで3.5%未満の変化、ガードナーカラーで3%未満の変化、ガードナーカラーで2.5%未満の変化、ガードナーカラーで2%の変化、ガードナーカラーで1.5%未満の変化、またはガードナーカラーで1%未満の変化を示すことができる。特定の態様では、ASTM D1544−04(2010)に記載の方法を使用して測定して、ロジンエステルのニートガードナーカラーは、ロジンエステルを160℃の温度に3時間加熱したときに、実質的に変化しないままである(すなわち、ニートガードナーカラーで0.5%未満の変化を示す)。
ロジンエステルは改善された酸化安定性も示すことができる。たとえば態様によっては、ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、ASTM D5483−05(2010)に記載の方法を使用して測定して、130℃において、少なくとも10分(たとえば、少なくとも15分、少なくとも20分、少なくとも25分、少なくとも30分、少なくとも35分、少なくとも40分、少なくとも45分、少なくとも50分、少なくとも55分、少なくとも60分、少なくとも65分、少なくとも70分、少なくとも75分、少なくとも80分、少なくとも85分、少なくとも90分、少なくとも95分、少なくとも100分、少なくとも105分、少なくとも110分、少なくとも115分、少なくとも120分、少なくとも125分、少なくとも130分、少なくとも135分、少なくとも140分、少なくとも145分、少なくとも150分、少なくとも155分、少なくとも160分、少なくとも165分、少なくとも170分、少なくとも175分、少なくとも180分、少なくとも185分、少なくとも190分、または少なくとも195分)の酸化誘導時間を示すことができる。特定の態様では、ロジンエステルは、水素化ロジンエステルであり、水素化ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、水素化ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に記載の方法を使用して測定して、130℃で少なくとも75分(たとえば、少なくとも80分、少なくとも85分、少なくとも90分、少なくとも95分、少なくとも100分、少なくとも105分、少なくとも110分、少なくとも115分、少なくとも120分、少なくとも125分、少なくとも130分、少なくとも135分、少なくとも140分、少なくとも145分、少なくとも150分、少なくとも155分、少なくとも160分、少なくとも165分、少なくとも170分、少なくとも175分、少なくとも180分、少なくとも185分、少なくとも190分、または少なくとも195分)の酸化誘導時間を示すことができる。場合により、ロジンエステルまたは水素化ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、ロジンエステルまたは水素化ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に記載の方法に従って測定して、130℃で250分以下(たとえば、200分以下)の酸化誘導時間を示すことができる。
態様によっては、ロジンエステルは、酸化防止剤1000ppm未満(たとえば、酸化防止剤950ppm未満、酸化防止剤900ppm未満、酸化防止剤850ppm未満、酸化防止剤800ppm未満、酸化防止剤750ppm未満、酸化防止剤700ppm未満、酸化防止剤650ppm未満、酸化防止剤600ppm未満、酸化防止剤550ppm未満、酸化防止剤500ppm未満、酸化防止剤450ppm未満、酸化防止剤400ppm未満、酸化防止剤350ppm未満、酸化防止剤300ppm、酸化防止剤250ppm未満、酸化防止剤200ppm未満、酸化防止剤150ppm未満、酸化防止剤100ppm未満、酸化防止剤50ppm未満、または酸化防止剤10ppm未満)を含む。
場合により、ロジンエステルは低い水酸基価(hydroxyl number)を有することができる。態様によっては、ロジンエステルは、DIN 53240−2に提供された標準方法の修正版(異なる溶媒のテトラヒドロフランを適用)を使用して測定して、5.0以下(たとえば、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、または1.0以下)の水酸基価を有する。この水酸基価は、ロジンエステル試料1グラム当たりのKOHのmgとして表される。
ロジンエステルは、場合により低い酸価を有することができる。態様によっては、ロジンエステルは、ASTM D465−05(2010)に記載の方法に従って測定して、10.0以下(たとえば、9.5以下、9.0以下、8.5以下、8.0以下、7.5以下、7.0以下、6.5以下、6.0以下、5.5以下、5.0以下、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、または1.0以下)の酸価を有する。この酸価は、ロジンエステルサンプル1g当たりのKOHのmgとして表される。
ロジンエステルは場合により低い硫黄含有量である。態様によっては、ロジンエステルは、ASTM D5453−05に記載の標準方法を使用して、400ppm未満の硫黄(たとえば、350ppm未満の硫黄、300ppm未満の硫黄、250ppm未満の硫黄、または200ppm未満の硫黄)を含む。
本明細書に記載の方法を使用して製造したロジンエステルは、様々な用途で使用することができる。たとえばロジンエステルは、ポリマー組成物中に、粘着付与剤として組み込むことができる。ポリマー組成物は、ロジンエステルと、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーとを含むことができる。これに関連して、エチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーは、少なくとも一部、エチレン性不飽和モノマーの重合から誘導したポリマーを含む。たとえば、エチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーは、エチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物のラジカル重合により得ることができる。エチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合(たとえばラジカル重合)により得られるモノマー単位を含むといえる。ポリマー組成物は、本明細書に記載のロジンエステルと、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導した二種以上のポリマーのブレンドも含むことができる。これらの場合において、二種以上のポリマーのブレンドは、たとえば様々な化学組成を有する二種以上のポリマーのブレンド(たとえばエチレン酢酸ビニル共重合体とポリ酢酸ビニルとのブレンド;またはエチレンと酢酸ビニルモノマーの様々な重量パーセントから誘導した二種のエチレン酢酸ビニル共重合体のブレンド)でありえる。
ポリマーは、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したホモポリマーまたはコポリマー(たとえば、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマー)でありえる。言い換えれば、ホモポリマーまたはコポリマーは、一種以上のエチレン性不飽和モノマーのモノマー単位を含むことができる。ポリマーは分枝ポリマーまたはコポリマーでありえる。たとえば、ポリマーは、ポリマー骨格と、このポリマー骨格にグラフトした複数のポリマー側鎖とを有するグラフトポリマーでありえる。場合によっては、ポリマーは、第一の化学組成の骨格と、前記ポリマー骨格にグラフトした(たとえばポリマー骨格と異なる化学組成を有する)ポリマー骨格と構造的に異なる複数のポリマー側鎖とを有するグラフトコポリマーでありえる。
好適なエチレン性不飽和モノマーの例としては、(メタ)アクリレートモノマー、芳香族ビニルモノマー(たとえば、スチレン)、カルボン酸のビニルエステル、(メタ)アクリロニトリル、ハロゲン化ビニル、ビニルエステル、(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリルアミド誘導体、エチレン性不飽和脂肪族モノマー(たとえば、エチレン、ブチレン、ブタジエン)及びその組み合わせが挙げられる。本明細書中で使用する、「(メタ)アクリレートモノマー」なる用語は、アクリレート、メタクリレート、ジアクリレート、及びジメタクリレートモノマーを包含する。同様に、「(メタ)アクリロニトリル」なる用語は、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどを包含し、「(メタ)アクリルアミド((meth)acrylamide)」なる用語は、アクリルアミド、メタクリルアミドなどを包含する。
好適な(メタ)アクリレートモノマーとしては、3〜6個の炭素原子を有するα,β−モノエチレン性不飽和モノカルボン酸及びジカルボン酸と、1〜20個の炭素原子を有するアルカノールとのエステル(たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸と、C−C20、C−C12、C−C、またはC−Cアルカノールとのエステル)が挙げられる。例示的な(メタ)アクリレートモノマーとしては、これらに限定されないが、メチルアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−メチルヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、クロトン酸アルキル、酢酸ビニル、ジ−n−ブチルマレエート、ジ−オクチルマレエート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシ(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2,3−ジ(アセトアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メチルポリグリコール(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4ブタンジオールジ(メタ)アクリレート及びその組み合わせが挙げられる。
好適なビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−及びp−メチルスチレン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレン、ビニルトルエン及びそれらの組み合わせが挙げられる。カルボン酸の好適なビニルエステルとしては、20個以下の炭素原子を含むカルボン酸のビニルエステル、たとえばラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸(versatic acid)ビニルエステル、及びそれらの組み合わせが挙げられる。好適なハロゲン化ビニルとしては、塩化ビニル及び塩化ビニリデンなどの、塩素、フッ素または臭素により置換されたエチレン性不飽和化合物を挙げることができる。好適なビニルエーテルとしては、たとえばビニルメチルエーテルまたはビニルイソブチルエーテルなどの、1〜4個の炭素原子を含むアルコールのビニルエーテルを挙げることができる。2〜8個の炭素原子と1個または2個の二重結合を有する脂肪族炭化水素としては、たとえばエチレンなどの2〜8個の炭素原子と1個のオレフィン性二重結合とを有する炭化水素、並びにブタジエン、イソプレン及びクロロプレンなどの、4〜8個の炭素原子と2個のオレフィン性二重結合とを有する炭化水素を挙げることができる。
態様によっては、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導されたポリマーは、エチレンとアクリル酸n−ブチルとのコポリマーを含む。態様によっては、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導されたポリマーは、スチレンと、イソプレン及びブタジエンの一種以上とのコポリマーを含む。特定の態様では、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導されたポリマーは、メタロセン触媒ポリオレフィンを含む。好適なメタロセン触媒ポリオレフィンの例としては、Exxon Mobil Corporation(商品名EXACT(登録商標))及びDow Chemical Company(商品名AFFINITY(登録商標))から市販のメタロセンポリエチレン及びメタロセンポリエチレンコポリマーが挙げられる。
特定の態様では、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーは、酢酸ビニルから誘導したポリマーを含む。酢酸ビニルから誘導したポリマーとしては、少なくとも一部、酢酸ビニルモノマーの重合から誘導したポリマーが挙げられる。たとえば、酢酸ビニルから誘導したポリマーは、酢酸ビニルのホモポリマー(即ち、ポリ酢酸ビニル:PVA)でありえる。また酢酸ビニルから誘導したポリマーは、酢酸ビニルと、一種以上の追加のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマー(たとえば、エチレン酢酸ビニル共重合体、EVA)でありえる。これらの態様において、酢酸ビニルから誘導したポリマーは、特定の用途に好適な化学的及び物理的特性を有するポリマーを提供するために、様々な量の酢酸ビニルから誘導することができる。
態様によっては、ロジンエステルは一を超える種類のロジンエステルを含む。たとえば、ロジンエステルは、同じ種類のロジンと二種の異なるアルコールから誘導される二種のロジンエステルの混合物(たとえばトールオイルロジンのペンタエリトリトールエステルとトールオイルロジンのグリセロールエステル)、同じアルコールと二種の異なる種類のロジンから誘導される二種のロジンエステルの混合物(たとえば、トールオイルロジンのペンタエリトリトールエステルとガムロジンのペンタエリトリトールエステル)、または二種の異なる種類のアルコールと二種の異なる種類のロジンから誘導される二種のロジンエステルの混合物(たとえば、トールオイルロジンのペンタエリトリトールエステルと、ガムロジンのグリセロールエステル)を含むことができる。
場合により、ポリマー組成物は、接着剤配合物(たとえば、ホットメルト接着剤配合物)、インク配合物、コーティング配合物、ゴム配合物、封止材配合物、アスファルト配合物、または路面標示配合物(たとえば、熱可塑性道路標示配合物)でありえる。
特定の態様では、組成物はホットメルト接着剤である。これらの態様において、ロジンエステルは、従来のホットメルト接着剤配合物において粘着剤付与成分の全てまたは一部として機能することができる。一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマー(たとえば、EVAなどの酢酸ビニルから誘導したポリマー)、ロジンエステル、及び一種以上の追加の成分は、特定の用途に必要な特性を有するホットメルト接着剤を提供するのに有効な量で存在することができる。たとえば、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマー(たとえば、EVAなどの酢酸ビニルから誘導したポリマー)は、ホットメルト接着剤組成物の10重量%〜60重量%(たとえば、ホットメルト接着剤組成物の20重量%〜60重量%、ホットメルト接着剤組成物の25重量%〜50重量%、またはホットメルト接着剤組成物の30重量%〜40重量%)でありえる。ロジンエステルは、ホットメルト接着剤組成物の20重量%〜50重量%(たとえば、ホットメルト接着剤組成物の25重量%〜45重量%、またはホットメルト接着剤組成物の30重量%〜40重量%)でありえる。
ホットメルト接着剤はさらに、一種以上の追加の成分、たとえば追加の粘着付与剤、蝋、安定剤(たとえば、酸化防止剤及びUV安定剤)、可塑剤(たとえば、ベンゾエート及びフタレート)、パラフィン油、核形成剤、蛍光増白剤、顔料、染料、グリッター、殺生物剤、難燃剤、帯電防止剤、滑り防止剤、ブロッキング防止剤(anti−blocking agent)、滑剤及び充填剤などを含むことができる。態様によっては、ホットメルト接着剤はさらに、蝋を含む。好適な蝋としては、パラフィンベースの蝋及び合成フィッシャー・トロプシュ蝋が挙げられる。蝋は、組成物の全重量を基準として、ホットメルト接着剤組成物の10重量%〜40重量%(たとえば、ホットメルト接着剤組成物の20重量%〜30重量%)でありえる。
特定の態様では、組成物はホットメルト接着剤であり、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーはEVAである。特定の態様では、EVAは、EVAを形成するために重合された全てのモノマーの全重量を基準として、酢酸ビニル10重量%〜40重量%(たとえば、酢酸ビニル17重量%〜34重量%)から誘導される。
特定の態様では、組成物は熱可塑性道路標示配合物である。熱可塑性道路標示配合物は、熱可塑性道路標示配合物の全重量を基準として、ロジンエステル5重量%〜25重量%(たとえば、熱可塑性道路標示配合物の10重量%〜20重量%)を含むことができる。熱可塑性道路標示配合物はさらに、たとえば熱可塑性道路標示配合物の0.1重量%〜1.5重量%でありえる、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマー(たとえば、EVAなどの酢酸ビニルから誘導したポリマー)を含むことができる。熱可塑性道路標示配合物は、顔料(たとえば、二酸化チタン1重量%〜10重量%)、ガラスビーズ(たとえば、30重量%〜40重量%)、及び充填剤(たとえば、最高100重量%まで組成物の残余を補うことができる炭酸カルシウム)を含むことができる。熱可塑性道路標示配合物はさらに、油(たとえば、鉱油1重量%〜5重量%)、蝋(たとえば、パラフィンベースの蝋または合成フィッシャー・トロプシュ蝋1重量%〜5重量%)、安定剤(たとえば、ステアリン酸0.1重量%〜0.5重量%)、及び場合により、本明細書に記載のロジンエステル以外の追加のポリマー及び/またはバインダーを含むことができる。
態様によっては、本明細書に記載のロジンエステルをポリマー組成物に配合することによって、ポリマー組成物は、高温でのエージング(熱エージング)した時に改善された粘度安定性、熱エージングの時に改善された色安定性、またはその組み合わせを含む改善された熱安定性を示すことができる。
態様によっては、本明細書で提供するポリマー組成物は、以下に記載の修正ASTM D4499−07法を使用して分析したときに、177℃で96時間定温放置する際に10%未満の粘度変化(たとえば、9%未満の粘度変化、8%未満の粘度変化、7.5%未満の粘度変化、7%未満の粘度変化、6%未満の粘度変化、5%未満の粘度変化、4%未満の粘度変化、3%未満の粘度変化、2.5%未満の粘度変化、2%未満の粘度変化、または1%未満の粘度変化)を示す。態様によっては、組成物は177℃で96時間の定温放置の際に、実質的に全く粘度変化を示さない(すなわち、0.5%未満の粘度変化)。
態様によっては、本明細書で提供するポリマー組成物は、熱エージングの際に色安定性を示す。特定の場合において、本明細書で提供するポリマー組成物は、177℃に96時間加熱した時に、ガードナーカラー単位で5以下の変化(たとえば、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、1.0以下、または0.5以下)を示す。
本明細書で提供するポリマー組成物は、接着剤(たとえばホットメルト接着剤)、インク、コーティング、ゴム、封止材、アスファルト並びに熱可塑性道路標示及び路面標示材料などの様々な用途で使用することができる。態様によっては、組成物は、紙及びパッケージングと組み合わせて(たとえば、組み立て及び/または包装の間に段ボール及び板紙カートンの表面を接着するために、自己粘着ラベルを製造するために、ラベルをパッケージに付けるために、または製本などの他の用途で)、不織材料と組み合わせて(たとえば、使い捨ておむつを組み立てる間に不織材料を裏打ちシートに付着させるために)、粘着テープで、アパレルで(たとえば、履物の組み立て、または多層スペシャリティハンドバッグ(specialty handbag)の組み立てで)、電気的及び電子的ボンディング(electrical and electronic bonding)(たとえば、電子デバイスの部品またはワイヤを付けるために)、一般的な木工組立品(たとえば、家具組立品で、またはドア及び造作材の組み立てで)、及び他の工業組立品(たとえば、電化製品の組み立てで)において使用されるホットメルト接着剤である。本明細書で記載されるロジンエステルは、チューインガムの軟化剤及び可塑剤として、飲料中の増量剤及び混濁剤として(たとえば柑橘類でフレーバーを付けた飲料)、界面活性剤、界面活性変性剤(surface activity modulator)または分散剤として、蝋及び蝋ベースの艶出し研磨剤中の添加剤として、化粧品配合物中の改質剤として(たとえばマスカラ)、並びにコンクリート中の硬化剤としてなど、様々な追加の用途でも使用することができる。
本明細書に記載のロジンエステルと油とを含む組成物も提供する。例示的な組成物は、本明細書に記載のロジンエステル25重量%〜55重量%(たとえば、30重量%〜50重量%)と、鉱油及びポリブテン油などの油45重量%〜75重量%(たとえば、50重量%〜70重量%)を含むことができる。
非限定的に例示することによって、以下に本開示の特定の態様の例を含める。
一般的な方法
他に記載しない限り、全ての材料は以下の方法を使用して特徴づけた。水酸基価は、本明細書中、その全体が参照として含まれる、「Determination of Hydroxyl Value-part 2:Method with Catalyst」なる表題のDIN 53240−2の修正法(異なる溶媒のテトラヒドロフランを適用した)に従って測定した。ロジンエステル(テトラヒドロフランに溶解)を4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)の存在下で無水酢酸と反応させた。残存する無水酢酸を加水分解し、得られた混合物を水酸化カリウムのアルコール性溶液(0.5M)で滴定した。水酸基価は、ロジンエステル試料1グラム当たりのKOHのmgとして表す。酸価は、本明細書中、その全体が参照として含まれる、「Standard Test Methods for Acid Number of Naval Stores Products Including Tall Oil and Other Related Products」なる表題のASTM D465−05(2010)に記載の方法に従って測定した。酸価は、ロジンエステル試料1グラム当たりのKOHのmgとして表す。軟化点は、本明細書中、その全体が参照として含まれる、「Standard Test Methods for Softening Point of Resins Derived from Naval Stores by Ring−and−Ball Apparatus」なる表題のASTM E28−99(2009)に記載の方法に従って測定した。全ての材料のガードナーカラーは、本明細書中、その全体が参照として含まれる「Standard Test Method for Color of Transparent Liquids (Gardner Color Scale)」なる表題のASTM D1544−04(2010)に記載の方法に従って測定した。ガードナーカラーは、Dr Lange LICO(登録商標)200測色計を使用して測定した。他に記載しない限り、全てのガードナーカラーは、ニート試料を使用して測定した。酸化誘導時間(oxidative−induction time)は、本明細書中、その全体が参照として含まれる、「Standard Test Method for Oxidation Induction Time of Lubricating Greases by Pressure Differential Scanning Calorimetry」なる表題のASTM D5483−05(2010)に規定の標準的な方法に従って測定した。他に記載しない限り、酸化誘導時間は、酸素550psiを使用して130℃で測定した。硫黄含有量は、本明細書中、その全体が参照として含まれる、「Standard Test Method for Determination of Total Sulfur in Light Hydrocarbons、Motor Fuels and Oils by Ultraviolet Fluorescence」なる表題のASTM D5453−05に記載される標準的な方法に従って測定した。硫黄含有量は、ANTEK(登録商標)9000硫黄分析器を使用して測定した。
PAN数及びエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の比などのロジンエステルの異性体組成は、本明細書中、その全体が参照として含まれる、「Standard Test Methods for Fatty and Rosin Acids in Tall Oil Fractionation Products by Capillary Gas Chromatography」なる表題のASTM D5974−00(2010)に記載の方法に従って測定した。具体的には、エタノール中のロジンエステル試料(1.00g)と10mLの2N水酸化カリウム(KOH)を、高圧マイクロ波反応容器に添加した。この反応容器を封止し、パーキンエルマーMULTIWAVE(登録商標)3000マイクロウェーブシステムのローターに設置した。試料を150℃で30分、マイクロ波中でけん化した。マイクロ波を使用したけん化が完了したら、反応混合物を分液漏斗にうつし、希塩酸を添加して、pHを4未満にした。これにより反応混合物中のロジン石鹸をロジン酸に転換した。得られたロジン酸をエチルエーテル抽出により単離した。エーテル溶媒を分離すると、ロジン酸が誘導体化して、ASTM D5974−00(2010)に従ってガスクロマトグラフィーを使用して分析した。
ロジンエステルの活性炭を用いる処理
ロジンエステル1(ガードナーカラー(ニート)5.1、酸化誘導時間2.6分、及び硫黄濃度384.4ppmを有するトールオイルジンとペンタエリトリトールから誘導したロジンエステル)を活性炭吸着剤で処理した。活性炭との処理は活性炭の固定相を通してロジンエステル1を流すことにより実施した。具体的には、ロジンエステル1をEBCT1.5時間、窒素雰囲気下でCALGON(登録商標)1240GACを充填した固定炭素床にわたって220℃で溶融したまま通した。得られた吸着済ロジンエステル1をさらに精製することなく分析すると、ガードナーカラー(ニート)6.2、酸化誘導時間2分及び硫黄濃度400ppmを示した。分析した吸着済ロジンエステル1のサンプルには微量の活性炭が存在していたため、これらの値はやや多い評価となっている。
次いで吸着済ロジンエステル1を水素化した。吸着済ロジンエステル1を435gフラスコに充填し、窒素雰囲気下で180℃に加熱した。5%Pd/C(乾燥重量基準で2.0%触媒)8.46gをフラスコに充填し、この時点でフラスコに窒素を散布して、水分を除去した。反応混合物をParr反応器に充填し、窒素雰囲気下で260℃に加熱した。この温度になったら、反応器を水素ガス650psiで加圧した。圧力は、水素化が完了するまで保持した(2.5時間)。Parr反応器で圧力650psiを保持するのに水素ガスの添加が必要なくなったときに反応が完了したと考えた。次いでParr反応器を190℃に冷却し、水素化吸着済ロジンエステル1を排出した。水素化吸着済ロジンエステル1は、ガードナーカラー(ニート)2.0、酸化誘導時間44分及び硫黄含有量184ppmを示した。
比較の目的のために、活性炭との介在処理を実施しなかった以外には、ロジンエステル1を上記水素化手順を使用して水素化した。この場合、水素化反応時間は6時間であった。水素化ロジンエステル1は、ガードナーカラー(ニート)2.5、酸化誘導時間46.9分、及び硫黄濃度182ppmであった。
ロジンエステル1、水素化ロジンエステル1、吸着済ロジンエステル1及び水素化吸着済ロジンエステル1の異性体組成を表1に含める。表1に示されているように、水素化前にロジンエステルを活性炭で処理すると、同様の特性を有するロジンエステルを与えると同時に水素化反応時間を大きく減少させた。
Figure 2016531876
三種類の異なるロジンエステル(ロジンエステル2、ガードナーカラー(ニート)10.4、及び硫黄濃度460.5ppmを有するトールオイルロジンとペンタエリトリトールから誘導したロジンエステル;ロジンエステル3、ガードナーカラー(ニート)6.6を有するトールオイルロジンとペンタエリトリトールから誘導したロジンエステル;及びロジンエステル4、ガードナーカラー(ニート)4.5を有するSYLVALITE(登録商標)RE 100Lを炭素吸着剤で処理した。活性炭との処理は、活性炭の固定相の中にロジンエステルを流すことにより実施した。具体的には、ロジンエステルをEBCT1.5時間、窒素雰囲気下で、活性炭A〜H(A=CALGON(登録商標)CAL 1240;B=NORIT(登録商標)GAC 400;C=NORIT(登録商標)C GRAN;D=DARCO(登録商標)1240;E=MEADWESTVACO(登録商標)WV−B30;F=CALGON(登録商標)CAL 1240−TR;G=CARBOCHEM(登録商標)DC−40;H=NORIT(登録商標)PK1−3)を充填した固定炭素床にわたって220℃で融解させたまま通した。
表2は、様々な活性炭で処理した後のロジンエステル2〜4のガードナーカラー(ニート)、並びに活性炭で処理した時のガードナーカラー(ニート)における変化を含む。表2に示されているように、活性炭での処理により、ロジンエステルのニートガードナーカラーを0.5〜1.7ガードナーカラー単位だけ下げる。活性炭での処理ではまた、ロジンエステル硫黄濃度を減少させた。
Figure 2016531876
様々な温度におけるロジンエステルの活性炭による処理
ロジンエステル5(ガードナーカラー(ニート)9.9を有するトールオイルロジンとペンタエリトリトールから誘導したロジンエステル)を、温度を160℃〜220℃に変動させた以外には上記のように様々な炭素吸着剤で処理した。
表3は、様々な活性炭での処理後のロジンエステル5のガードナーカラー(ニート)並びに活性炭での処理の際のガードナーカラー(ニート)における変化を含む。表3に示されているように、より高い温度での活性炭での処理により、ガードナーカラーが下がった。
Figure 2016531876
様々な接触時間を変えたロジンエステルの活性炭による処理
炭素吸着剤との接触時間を変動させた以外には、ロジンエステル1を上記方法を使用してCARGON(登録商標)1240 GACで処理した。
表4は、活性炭との処理が1.5時間及び4.5時間のロジンエステル1のガードナーカラー(ニート)における変化を含む。表4は、活性炭との処理前後のロジンエステル1の異性体組成も含む。表4に示されているように、接触時間を1.5時間から4.5時間に増やすと、ガードナーカラーの減少には有意な増加をもたらさない。
Figure 2016531876
活性炭を用いるロジンエステルの不均化
ロジンエステル6(ガードナーカラー(ニート)9.9、軟化点100.3℃及び硫黄濃度405ppmを有するトールオイルロジンエステル)を処理温度が240℃であった以外には、上記方法を使用してCALGON(登録商標)1240 GACで処理した。吸着済ロジンエステル6は、ガードナーカラー(ニート)7.4、軟化点94.1℃及び硫黄濃度350ppmを示した。
表5は、240℃で活性炭で処理する前後のロジンエステル6の異性体組成も含む。表5に示されているように、240℃におけるロジンエステルの活性炭処理は、デヒドロアビエチン酸及びジヒドロアビエチン酸の重量パーセントにおける増加と、ロジンエステル中のアビエチン型酸の重量パーセントの低下により示されているように、ロジンエステルの不均化を引き起こした。
Figure 2016531876
添付の請求項の組成物及び方法は、請求項の幾つかの態様の例示として意図されている本明細書に記載した具体的な組成物及び方法の範囲に限定されない。機能的に等価である組成物及び方法はいずれも、請求の範囲に含まれるものとする。本明細書に示し、記載したものに加えて組成物及び方法の様々な変形は、付記請求の範囲内に含まれるものとする。さらに本明細書中で開示した特定の代表的な組成物及び方法は具体的に記載されているが、たとえ特に詳細に説明されていなくても、組成物及び方法の工程の他の組み合わせも、付記請求の範囲に含まれるものとする。従って、工程、要素、成分または構成要素の組み合わせは、本明細書中で明白に記載されているが、明白に述べられていなくても、工程、要素、成分または構成要素の他の組み合わせも含まれる。
本明細書中で使用される「〜を含む(comprising)」なる用語及びその変形は、「〜を包含する(including)」及びその変形と同義として使用され、オープンの非限定的な用語である。「〜を含む」及び「〜を包含する」なる用語は様々な態様を説明するために本明細書中で使用されてきたが、本発明のより具体的な態様を提供するために「〜から本質的になる(consisting essentially of)」及び「〜からなる(consisting of)」なる用語も、「〜を含む」及び「〜を包含する」の代わりに使用することができ、開示される。特に示さない限り、本明細書及び請求の範囲で使用される配置、寸法などを表す全ての数字は一応の数字と理解すべきであり、均等論の適用を限定するものではなく、有効数字及び通常の丸め方を考慮して解釈すべきである。
他に記載しない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、開示された発明が属する当業者によって通常理解されるものと同一の意味を有する。本明細書中に引用した刊行物及び引用された資料は、明確に参照として含まれる。

Claims (76)

  1. (a)ロジンエステルを形成するためにロジンをアルコールでエステル化する工程;及び
    (b)表面積500m/g〜2000m/gを有する微細孔の多孔質吸着剤の中に前記ロジンエステルを流す工程、を含むロジンエステルの製造方法。
  2. 前記ロジンは、トールオイルロジン、ガムロジン、ウッドロジン、またはその組み合わせからなる群から選択されるロジンを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ロジンは、トールオイルロジンを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ロジンエステルは、ロジンエステルの全重量を基準として、少なくとも75重量%のエステル化ロジン酸を含む、請求項1〜3のいずれか1に記載の方法。
  5. 前記ロジンエステルは、実質的に溶媒を含まない、請求項1〜4のいずれか1に記載の方法。
  6. 前記ロジンエステルは、25℃で1,000cP以下の粘度である、請求項1〜5のいずれか1に記載の方法。
  7. 工程(b)が、微細孔の多孔質吸着剤を含む固定相の中に前記ロジンエステルを流す工程を含む、請求項1〜6のいずれか1に記載の方法。
  8. 前記微細孔の多孔質吸着剤は、0.05mL/g〜0.4mL/gの範囲のミクロ孔容積を含む、請求項1〜7のいずれか1に記載の方法。
  9. 前記微細孔の多孔質吸着剤は、0.1mL/g〜1.25mL/gの範囲のメソ孔容積を含む、請求項1〜8のいずれか1に記載の方法。
  10. 前記微細孔の多孔質吸着剤は、0.1mL/g〜0.7mL/gの範囲のマクロ孔容積を含む、請求項1〜9のいずれか1に記載の方法。
  11. 前記微細孔の多孔質吸着剤は、活性炭を含む、請求項1〜10のいずれか1に記載の方法。
  12. 工程(b)が、前記活性炭を含む固定相の中に前記ロジンエステルを流す工程を含み、ここで前記固定相は、さらに追加の炭素質材料を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 工程(b)が、前記活性炭を含む固定相の中に前記ロジンエステルを流す工程を含み、ここで前記固定相は、さらに追加の非炭素質吸着剤を含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記追加の非炭素質吸着剤は、シリカを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記活性炭は、粒状活性炭を含む、請求項11〜14のいずれか1に記載の方法。
  16. 前記活性炭は、異なる平均孔径を有する二種以上の活性炭のブレンドを含む、請求項11〜15のいずれか1に記載の方法。
  17. 前記ロジンエステルは、高温で微細孔の多孔質吸着剤の中を流れる、請求項1〜16のいずれか1に記載の方法。
  18. 前記高温は、150℃〜280℃の範囲の、請求項17に記載の方法。
  19. 前記高温は、180℃〜240℃の範囲の、請求項17または18に記載の方法。
  20. 前記高温が200℃〜220℃の範囲の、請求項17〜19のいずれか1に記載の方法。
  21. 前記ロジンエステルは、ロジンエステルのニートガードナーカラーを少なくとも10%だけ下げるのに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤の中を流れる、請求項1〜20のいずれか1に記載の方法。
  22. 前記ロジンエステルは、ロジンエステルのニートガードナーカラーを少なくとも1ガードナーカラー単位だけ下げるのに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤の中を流れる、請求項1〜21のいずれか1に記載の方法。
  23. 前記ロジンエステルは、ロジンエステルのニートガードナーカラーを少なくとも1〜2.5ガードナーカラー単位だけ下げるのに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤の中を流れる、請求項1〜22のいずれか1に記載の方法。
  24. 前記ロジンエステルは、硫黄を含み、ここで前記ロジンエステルは、ロジンエステル中の硫黄含有量を少なくとも50ppmだけ減らすのに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤の中を流れる、請求項1〜23のいずれか1に記載の方法。
  25. 前記ロジンエステルは、不活性雰囲気下で微細孔の多孔質吸着剤の中を流れる、請求項1〜24のいずれか1に記載の方法。
  26. 前記微細孔の多孔質吸着剤は、固定床反応器内に配置される、請求項1〜25のいずれか1に記載の方法。
  27. 前記微細孔の多孔質吸着剤は、ある容積をもち、前記ロジンエステルは、ある流量で微細孔の多孔質吸着剤の中を流れ、ここで前記容積及び流量は、1.5時間以上の空筒接触時間を生じるのに有効である、請求項1〜26のいずれか1に記載の方法。
  28. 前記アルコールは、多価アルコールを含む、請求項1〜27のいずれか1に記載の方法。
  29. 前記多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、マンニトール及びその組み合わせからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
  30. 水素化ロジンエステルを形成するために、前記ロジンエステルを水素化することをさらに含む、請求項1〜29のいずれか1に記載の方法。
  31. 前記水素化ロジンエステルは、少なくとも70重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸を含み、ここで前記エステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.3:1〜1:2.5の範囲の、請求項30に記載の方法。
  32. 前記水素化ロジンエステルは、少なくとも80重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸を含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記エステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.3:1〜1:1.6の範囲の、請求項31または32に記載の方法。
  34. 前記エステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.2:1〜1:1.5の範囲の、請求項31〜33のいずれか1に記載の方法。
  35. 前記水素化ロジンエステルは、4以下のガードナーカラーを有する、請求項30〜34のいずれか1に記載の方法。
  36. 前記水素化ロジンエステルは、1.5以下のガードナーカラーを有する、請求項30〜35のいずれか1に記載の方法。
  37. 前記水素化ロジンエステルは、160℃の温度に3時間加熱した時に、ガードナーカラー5以下を保持する、請求項30〜36のいずれか1に記載の方法。
  38. 前記水素化ロジンエステルは、400ppm未満の硫黄を含む、請求項30〜37のいずれか1に記載の方法。
  39. 前記エステル化工程(a)の前に前記ロジンを不均化する工程をさらに含む、請求項1〜38のいずれか1に記載の方法。
  40. (a)ロジンエステルを形成するためにロジンをアルコールでエステル化する工程;及び
    (b)前記ロジンエステルと、表面積500m/g〜2000m/g、0.05mL/g〜0.4mL/gの範囲のミクロ孔容積、0.1mL/g〜1.25mL/gの範囲のメソ孔容積、及び0.1mL/g〜0.7mL/gの範囲のマクロ孔容積を有する微細孔の多孔質吸着剤とを接触させる工程、を含むロジンエステルの製造方法。
  41. 前記微細孔の多孔質吸着剤は、活性炭を含む、請求項40に記載の方法。
  42. (a)ロジンエステルを形成するためにロジンをアルコールでエステル化する工程;及び
    (b)活性炭を含む固定相の中に前記ロジンエステルを流す工程、を含むロジンエステルの製造方法。
  43. (a)少なくとも70重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸を含むロジンエステル、ここで前記エステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.3:1〜1:2.5の範囲の;及び
    (b)500m/g〜2000m/gの表面積を有する微細孔の多孔質吸着剤を含む組成物。
  44. 前記微細孔の多孔質吸着剤が活性炭を含む、請求項42に記載の組成物。
  45. (a)ロジンエステルを形成するためにロジンをアルコールでエステル化する工程;
    (b)活性炭を含む固定相の中に前記ロジンエステルを流す工程;及び
    (c)水素化ロジンエステルを形成するために、前記ロジンエステルを水素化する工程、を含むプロセスにより製造された水素化ロジンエステル。
  46. 活性炭を含む固定相の中に前記ロジンエステルを流す工程を含む、ロジンエステルのガードナーカラーを下げる方法。
  47. (a)活性炭を含む固定相の中にロジンを流す工程;及び
    (b)ロジンエステルを形成するために前記ロジンをアルコールでエステル化する工程、を含むロジンエステルの製造方法。
  48. 水素化ロジンエステルを形成するために、前記ロジンエステルを水素化する工程をさらに含む、請求項47に記載の方法。
  49. 工程(a)の前に前記ロジンを不均化する工程をさらに含む、請求項47または48に記載の方法。
  50. 前記ロジンが、トールオイルロジン、ガムロジン、ウッドロジン、及びその組み合わせからなる群から選択されるロジンを含む、請求項47〜49のいずれか1に記載の方法。
  51. 前記ロジンがトールオイルロジンを含む、請求項47〜50のいずれか1に記載の方法。
  52. 工程(a)が、微細孔の多孔質吸着剤を含む固定相の中に前記ロジンを流す工程を含む、請求項47〜51のいずれか1に記載の方法。
  53. 前記微細孔の多孔質吸着剤がは、0.05mL/g〜0.4mL/gの範囲のミクロ孔容積を含む、請求項47〜52のいずれか1に記載の方法。
  54. 前記微細孔の多孔質吸着剤は、0.1mL/g〜1.25mL/gの範囲のメソ孔容積を含む、請求項47〜53のいずれか1に記載の方法。
  55. 前記微細孔の多孔質吸着剤は、0.1mL/g〜0.7mL/gの範囲のマクロ孔容積を含む、請求項47〜54のいずれか1に記載の方法。
  56. 前記微細孔の多孔質吸着剤は、活性炭を含む、請求項47〜55のいずれか1に記載の方法。
  57. 工程(a)は、活性炭を含む固定相の中に前記ロジンを流す工程を含み、ここで前記固定相は、追加の炭素質材料をさらに含む、請求項56に記載の方法。
  58. 工程(a)は、活性炭を含む固定相の中に前記ロジンを流す工程を含み、ここで前記固定相は、追加の非炭素質吸着剤をさらに含む、請求項56に記載の方法。
  59. 前記追加の非炭素質吸着剤は、シリカを含む、請求項58に記載の方法。
  60. 前記活性炭は、粒状活性炭を含む、請求項56〜59のいずれか1に記載の方法。
  61. 前記活性炭は、異なる平均孔径を有する二種以上の活性炭のブレンドを含む、請求項56〜60のいずれか1に記載の方法。
  62. 前記ロジンは、高温で前記微細孔の多孔質吸着剤の中に流れる、請求項47〜61のいずれか1に記載の方法。
  63. 前記高温は、150℃〜280℃の範囲の、請求項62に記載の方法。
  64. 前記高温は、180℃〜240℃の範囲の、請求項62または63に記載の方法。
  65. 前記高温は、200℃〜220℃の範囲の、請求項62〜64のいずれか1に記載の方法。
  66. 前記ロジンは、ロジンのニートガードナーカラーを少なくとも10%だけ下げるのに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤の中に流れる、請求項47〜65のいずれか1に記載の方法。
  67. 前記ロジンは、ロジンのニートガードナーカラーを少なくとも1ガードナーカラー単位だけ下げるのに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤の中に流れる、請求項47〜66のいずれか1に記載の方法。
  68. 前記ロジンは、ロジンのニートガードナーカラーを1〜2.5ガードナーカラー単位だけ下げるのに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤の中に流れる、請求項47〜67のいずれか1に記載の方法。。
  69. 前記ロジンは硫黄を含み、前記ロジンはロジン中の硫黄含有量を少なくとも50ppmだけ減らすのに有効な流量で微細孔の多孔質吸着剤の中に流れる、請求項47〜68のいずれか1に記載の方法。
  70. 前記ロジンは、不活性雰囲気下で微細孔の多孔質吸着剤の中を流れる、請求項47〜69のいずれか1に記載の方法。
  71. 前記微細孔の多孔質吸着剤は、固定床反応器に配置される、請求項47〜70のいずれか1に記載の方法。
  72. 前記微細孔の多孔質吸着剤は、ある容積をもち、前記ロジンエステルは、ある流量で微細孔の多孔質吸着剤の中を流れ、ここで前記容積及び流量は、1.5時間以上の空筒接触時間を生じるのに有効である、請求項47〜71のいずれか1に記載の方法。
  73. 前記アルコールは、多価アルコールを含む、請求項47〜72のいずれか1に記載の方法。
  74. 前記多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、マンニトール及びその組み合わせからなる群から選択される、請求項73に記載の方法。
  75. 500ppm以下の硫黄を含む非水素化トールオイルロジンエステル。
  76. 前記非水素化トールオイルロジンエステルが、400ppm以下の硫黄を含む、請求項50に記載の非水素化トールオイルロジンエステル。
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