JP2016531838A - Pvc装置の使用を可能にするセメント粉砕用添加剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、消泡剤が高度に希釈されている場合でも貯蔵安定性を維持しながらPVCに安全で強力な長持ちする消泡剤を幅広い濃度範囲に渡って均一に分散させることを可能にするセメント粉砕用添加剤組成物および方法を提供する。典型的なセメント粉砕用添加剤組成物は(i)エトキシル化プロポキシル化脂肪アルコールもしくはアルキルフェノール、(ii)ポリアルコキシル化ポリアルキレンポリアミンまたは(iii)これらの混合物から成る群より選択される空気吐出し剤および少なくとも1種のアミン系セメント粉砕用添加剤を含有して成る。

Description

本発明は、セメントを前駆体材料から粉砕製造する方法、より詳細には、粉砕工場で液状形態のセメント粉砕用添加剤をセメントに分散させる時にPVC装置を用いることを可能にする消泡剤と組み合わせたアルカノールアミンが基になったセメント粉砕用添加剤に関する。
トリ−イソブチルホスフェート(“TIBP”)を空気吐出し剤(air detraining agent)(または“消泡剤”)として1種以上のアルカノールアミン、例えばトリイソプロパノールアミンなどと組み合わせて用いてセメント添加剤製品中への均一な分散を得ることで苛酷な粉砕温度によって引き起こされる消泡剤の構造的劣化および機械的粉砕工程(前駆体材料を粉砕することによってセメントを製造)自身に耐えるようにすることが特許文献1に教示されている。
しかしながら、本発明者らは、水性のアミンが基になったセメント粉砕用添加剤をホスフェートが基になった消泡剤と一緒に用いるとポリ塩化ビニル(PVC)装置(パイプ、バルブ、タンクおよび他の取り付け具を包含)がセメント加工工場で用いられている場合に問題が生じる可能性があることを見いだした。ホスフェートが基になった消泡剤、例えばTIBPなどはポリ塩化ビニル(PVC)の製造で用いられている可塑剤、例えばポリカルボン酸エステル、燐酸エステル、フタル酸エステルなどを溶かすことでポリ塩化ビニル(PVC)を劣化させる可能性がある。TIBPはまた天然ゴムおよびゴムが基になった材料(例えばBUNA−N、VITONゴム)に入っている可塑剤も溶解させる可能性がある。
従って、本発明者らは、安定なアルカノールアミン系セメント添加剤組成物を与えると同時にセメント製造中にPVC装置の使用を可能にする代替消泡剤を選択する必要があると考えている。
米国特許公開番号2013/0180434 A1(本明細書の共通譲受人が所有)
本発明は、強力な消泡剤を液体組成物全体に渡って低濃度で均一に分散させるところのPVCに安全で貯蔵安定性を示すセメント添加剤組成物およびそのセメント添加剤組成物を用いてセメントに入っている空気を吐出させる方法を提供するものである。
本発明の典型的なセメント粉砕用添加剤組成物は、(a)トリイソプロパノールアミン、ジエタノールイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールエタノールアミン、テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラヒドロキシ−イソプロピルエチレンジアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジエタノールアミンまたはこれらの混合物を含有して成る少なくとも1種のアミン系セメント粉砕用添加剤、(b)(i)エトキシル化プロポキシル化脂肪アルコールもしくはアルキルフェノール、(ii)ポリアルコキシル化ポリアルキレンポリアミンまたは(iii)これらの混合物から成る群より選択した空気吐出し剤、(c)ジウタン(Diutan)、ウェラン(Welan)およびキサンタン(Xanthan)から成る群より選択した生体高分子多糖ゴム、および
(d)セメント粉砕用添加剤組成物の総重量を基準にして0.1から95.0パーセントの量の水を含有して成り、前記空気吐出し用添加剤は、セメント粉砕用添加剤組成物の全体に渡って均一に分配されている。
本発明の典型的なセメント製造方法は、水和性セメントを製造する目的でセメントクリンカーを粉砕する前または粉砕中に前記セメントクリンカーに上述したセメント添加剤組成物を導入することを含んで成る。好適な態様では、セメントを製造する粉砕操作中に本セメント添加剤組成物をセメントまたは前駆体材料の中に分散させる時にPVC装置、例えばパイプ、バルブ、(貯蔵)タンクおよび取り付け具などを用いる。
本発明の主な利点は、本セメント粉砕用添加剤組成物がセメント加工工場に通常見られるあらゆる構成材料と一緒に安全に用いられる点にある。その上、そのような消泡剤は苛酷なセメント粉砕製粉温度および機械的粉砕工程自身によって引き起こされる構造的劣化に耐える。典型的には、強力な消泡剤を用いるとセメント添加剤製品および結果としてもたらされるセメント全体に渡る均一な分散を得るのが困難、特に使用濃度が低い時に困難になる。
従って、本発明は、強力な消泡剤を水性セメント添加剤配合物の中にそれが搬送されたままの形態(例えば濃縮物として)および顧客がその添加剤をセメント粉砕製粉機で使用する目的でそれを水で8:1にまで希釈した時の形態の両方で均一に分散させる新規な組成物および方法を提供する。
その消泡剤は、トリイソブチルホスフェートとは異なり、消泡剤を必要とする一般的なセメント添加剤成分であるトリイソプロパノールアミンに部分的に溶解しない。トリイソブチルホスフェートは希釈された水性セメント添加剤配合物(水が20%以上入っている)中で追加的安定化を必要とするが、そのような消泡剤を用いる場合にはあらゆる水性配合物中で安定化を必要とする。
本発明のさらなる態様を本明細書の以下に更に詳細に説明する。
典型的な態様の詳細な説明
本発明のセメント添加剤組成物および方法は通常の粉砕製粉機、例えばボールミル(またはチューブミル)などと一緒にまたはそれらで使用可能である。本発明者らはまたそれらはローラー(例えば垂直ローラー、テーブル上のローラーなど)が用いられているミルにも適用可能であると考えている。例えばCheungの米国特許第6,213,415号を参照。本セメント粉砕用組成物は50から150℃の範囲になり得る粉砕温度に耐えると考えている。
本明細書で用いる如き用語“セメント”には水和性ポートランドセメントが含まれ、それの製造は、水硬性ケイ酸カルシウムおよび1種以上の形態の硫酸カルシウム(例えば石膏)から成るクリンカーを粉砕された添加剤として粉砕することによって行われる。本明細書で用いる如き用語“セメント質”はポートランドセメントを含有して成る材料またはさもなければ微細骨材(例えば砂)、粗い骨材(例えば破砕砂利)またはこれらの混合物を一緒に保持する結合剤として機能する材料を指す。
補助的セメント質材料もセメントおよびセメント質材料の定義の中に含め、それらをしばしばそのように呼ぶが、それらはフライアッシュ、顆粒状高炉スラグ、石灰石、天然ポゾランまたはこのような材料の混合物である。典型的には、ポートランドセメントを他の1種以上のセメント質材料、例えば上述した補助的セメント質材料などと組み合わせて、混合物として提供する。しかしながら、本発明のセメント添加剤組成物および方法を個別
にポートランドセメントの粉砕、または他のセメント質材料のいずれか、またはそれらの任意組み合わせを粉砕する目的で個別に用いることも可能である。
本明細書で用いる如き用語“水和性”は、セメントおよび/またはセメント質材料が水との化学的相互作用によって硬化することを指すことを意図する。ポートランドセメントクリンカーは主に水和性ケイ酸カルシウムで構成されているある程度融解した塊である。そのケイ酸カルシウムは本質的にケイ酸トリカルシウム(セメント化学者表記法で3CaO・SiO2“C3S”)およびケイ酸ジカルシウム(2CaO・SiO2“C2S”)[前者が主流形態である]に加えて少量のアルミン酸トリカルシウム(3CaO・Al23“C3A”)およびテトラカルシウムアルミノフェライト(4CaO・Al23・Fe23“C4AF”)の混合物である。例えばDodson,Vance H.,Concrete Admixtures(Van Nostrand Reinhold,New York NY 1990)の1頁を参照。
この上の要約部分に記述したように、本発明のセメント粉砕用添加剤組成物および方法は下記の成分の使用を伴う。
この上の要約部分で説明したように、本発明のセメント粉砕用添加剤組成物および方法は下記の成分の使用を伴う。
本発明の典型的なセメント粉砕用添加剤組成物および方法は少なくとも1種のアミン系セメント粉砕用添加剤を含有し、それはトリイソプロパノールアミン、ジエタノールイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールエタノールアミン、テトラヒドロキシ−エチルエチレンジアミン、テトラヒドロキシイソプロピルエチレンジアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジエタノールアミンまたはこれらの混合物を含有して成る。これらの中でトリイソプロパノールアミン(TIPA)が好適である。
TIPAの使用量をセメントクリンカーの重量を基準にして0.2パーセント以下の量にすべきであり、それを好適には本明細書の共通譲受人が所有するヨーロッパ特許第0415799 B1に記述されているようにトリエタノールアミン(TEA)と組み合わせて用いる。
別の好適な組み合わせは本明細書の共通譲受人がまた所有する米国特許第7,160,384号に開示されているようにテトラヒドロキシエチルエチレンジアミン(THEED)とTEAの組み合わせである。そのような1種以上のアミン系セメント粉砕用添加剤を本セメント粉砕用添加剤組成物の総重量を基準にして1.0から99.0パーセントの量で存在させてもよい。
本発明の典型的なセメント粉砕用添加剤組成物および方法はまた式(I)または(II):
Figure 2016531838
[式中、
“x”は、2−18の整数を表し、“n”および“m”は各々3から15の整数を表し、R1は炭素数が4から12のアルキル基を表し(好適にはR1は直鎖C919基を表し)そ
してR2はベンゼン環を表す]
で表される空気吐出し用エトキシル化プロポキシル化脂肪アルコールもしくはアルキルフェノールの使用も伴い、そのような少なくとも1種の空気連行セメント添加剤と前記エトキシル化プロポキシル化脂肪アルコールもしくはアルキルフェノール(両方とも本明細書では以降“EPFA”)を乾燥固体重量で表して19:1から1:1の比率(アルカノールアミン:EPFA)の範囲内の重量で存在させる。
本発明の典型的なセメント粉砕用添加剤組成物および方法はまた空気吐出し剤であるポリアルコキシル化ポリアルキレンポリアミン系消泡剤の使用も伴い、それはポリアルキレンポリアミンをエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドまたはこれらの混合物でアルコキシル化することによって生じるが、そのエチレンオキサイド基の量をポリエーテルの総重量を基準にして0−40パーセントの範囲にしそしてポリプロピレンオキサイド基の量をポリエーテルの総重量を基準にして60−100パーセントの範囲内にし、エチレンオキサイドに対するプロピレンオキサイドのモル比を1より大きくするが、そのようなポリアルコキシル化ポリアルキレンポリアミン系消泡剤もしくはこれの塩または当該消泡剤とこれの塩の組み合わせは式(1)
Figure 2016531838
[式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は各々独立して水素、C1−C4アルキル基、−CH2−OHまたは−(AO)x−R8を表し、かつAOはプロピレンオキサイド(“PO”)またはPOとエチレンオキサイド(“EO”)の混合物を表し、かつPOとEOのモル比は少なくとも100:0から100:90であり、“x”は0から100の整数を表し、そしてR8は水素またはアルキル基を表し、“n”は0から100の整数を表す]
で表される構造を有し、ここで、“n”が0の時にはEOの量がポリアルコキシル化ポリアルキレンポリアミン系消泡剤の総重量を基準にして10重量パーセント未満になるようにする。
好適には、そのような空気吐出し剤をセメント粉砕用添加剤組成物の総重量を基準にして0.05から5.0パーセント、より好適には0.4から3.0パーセントの範囲内の量で存在させる。本発明の最も好適なセメント粉砕用添加剤組成物および方法では、そのようなアミン系セメント粉砕用添加剤成分と空気吐出し剤成分の重量比を乾燥固体重量を基にして100:2から100:10にするが、最も好適な重量は100:5から100:10である。
本発明のさらなる典型的なセメント粉砕用添加剤組成物および方法では、空気吐出し剤1種または2種以上を場合によりグリコール系セメント粉砕用添加剤、例えばジエチレングリコール(DEG)およびモノエチレングリコール(MEG)などと一緒に用いてもよい。本発明者らは、DEGおよびMEGを空気吐出し剤と組み合わせて用いると強度がいくらか強化され得ると考えており、そのようなグリコールを当該技術分野で公知の如き通常の量で用いてもよい。従って、本発明のさらなる典型的なセメント粉砕用添加剤組成物および方法は更に少なくとも1種のグリコール系セメント粉砕用添加剤成分も含有して成る。
本発明の典型的なセメント粉砕用添加剤組成物および方法は更にジウタンゴム(S−6
57)、ウェランゴムおよびキサンタンゴムから成る群より選択した生体高分子多糖の使用も伴う。ジウタンおよびウェランがより好適であり、ジウタンが最も好適である。そのような生体高分子多糖を好適にはセメント粉砕用添加剤組成物の総重量を基準にして0.01から1.0パーセント、より好適には0.1パーセントから0.3パーセントの量で用いる。
最後に、本発明の典型的な組成物および方法は更に水の使用も伴い、それをセメント粉砕用添加剤組成物の総重量を基準にして0.10から95.0パーセント、より好適には20.0から60.0パーセントの量で存在させるべきである。このことは、そのようなゴムが溶解もしくは完全には溶解しないように本セメント粉砕用添加剤組成物にほとんど水が入っていない濃縮形態が本発明に含まれることを意味し、その結果として、そのようなセメント添加剤製品を低粘度でセメント製造業者である顧客に輸送することが可能になり、そしてその後、その顧客は“デイタンク(day tank)”内でその製品に水を加えて希釈することで当該安定剤(例えばゴム)を溶解させることができる。
好適には、本発明の典型的なセメント粉砕用添加剤組成物の粘度を20℃で測定(B型粘度計、スピンドル27、3rpm)して25−5000センチポイズ(“cp”)、より好適には100−3000cpの範囲内にすべきである。
本発明の好適なセメント粉砕用添加剤組成物は貯蔵安定性を有する、即ち言い換えると、成分の物理的分離に耐える能力を有するべきである。例えば、本発明の典型的なセメント粉砕用添加剤組成物を通常の容器、例えばガラス製ビーカー、ガラス製試験官、より好適には分液漏斗などに入れてそれを50℃で10日間貯蔵した時に当該組成物の体積全体内で空気吐出し剤が均質または均一な分散を示すべきであり、容器の上部および下部1/3の間の空気吐出し剤の平均濃度の差は20%以下であるべきであり、より好適には、その差は10%以下であるべきであり、最も好適には、その差は2%以下であるべきである。その空気吐出し剤および配合物全体が示す安定性は濁度計で実証可能であり、それを用いることで、経時的にいくらか起こる変化を監視することができる。
ある通常の粉砕用添加剤成分を本発明の典型的なセメント粉砕用添加剤組成物に混合することも可能であることを意図する。この上に述べたグリコールに加えて、本発明のさらなる典型的な組成物に酢酸もしくはアセテート、グリセロール、塩(例えば塩化ナトリウム、塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム)および糖(例えばコーンシロップ、糖液、クエン酸、スクロース)およびポリカルボキシレートポリマーを含有させることも可能であり、これらは全部通常の当業者に公知の如きパーセントで使用可能である。
この上で要約したように、本発明の典型的なセメント製造方法は、水和性セメントを製造する目的でセメントクリンカーを粉砕する前または粉砕している間に前記セメントクリンカーに上述した貯蔵安定性セメント添加剤組成物を導入することを含んで成り、ここで、前記セメント添加剤組成物は、(a)トリイソプロパノールアミン、ジエタノールイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールエタノールアミン、テトラヒドロキシエチル−エチレンジアミン、テトラヒドロキシイソプロピル−エチレンジアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジエタノールアミンまたはこれらの混合物を含有して成る少なくとも1種のアミン系セメント粉砕用添加剤、(b)(i)エトキシル化プロポキシル化脂肪アルコールもしくはアルキルフェノール、(ii)ポリアルコキシル化ポリアルキレンポリアミンまたは(iii)これらの混合物で構成させた空気吐出し剤、(c)ジウタン、ウェランおよびキサンタンから成る群より選択した生体高分子多糖ゴムおよび(d)水を含有して成り、その成分(a)から(b)を上述した範囲に従って存在させ、(i)エトキシル化プロポキシル化脂肪アルコールもしくはアルキルフェノール、(
ii)ポリアルコキシル化ポリアルキレンポリアミンまたは(iii)これらの混合物で構成させた空気吐出し剤をセメント粉砕用添加剤組成物全体に渡って均一に分配させる。
本発明の典型的な方法を用いて生じさせたセメントは、水を加えてセメントを水和させた時に、セメントクリンカーを同じ量で粉砕(同じ度合で)するが前記空気吐出し剤が存在しない以外は同じ量のアミン系粉砕用添加剤が入っているセメントクリンカーに比較して空気含有量が低いと期待される。
本発明の典型的な方法は、可溶化したセメント添加剤組成物の分散を可能にするものである。従って、典型的な方法は、セメントを粉砕、好適にはパイプ、バルブ、(貯蔵)タンクおよび取り付け具またはこれらの組み合わせから選択したポリ塩化ビニル装置を用いて、(a)トリイソプロパノールアミン、ジエタノールイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールエタノールアミン、テトラヒドロキシエチルエチレン−ジアミン、テトラヒドロキシ−イソプロピルエチレンジアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノール−アミン、ジエタノールアミンまたはこれらの混合物を含有して成る少なくとも1種のアミン系セメント粉砕用添加剤、(b)(i)エトキシル化プロポキシル化脂肪アルコールもしくはアルキルフェノール、(ii)ポリアルコキシル化ポリアルキレンポリアミンまたは(iii)これらの混合物から成る群より選択される空気吐出し剤、(c)ジウタン、ウェランおよびキサンタンから成る群より選択した生体高分子多糖ゴムおよび(d)セメント粉砕用添加剤組成物の総重量を基準にして0.10から95.0パーセントの量の水を含有して成るセメント粉砕用添加剤組成物をセメントの中に分散させてセメントを粉砕することで、前記空気吐出し剤を前記セメント粉砕用添加剤組成物の全体に渡って均一に分配させることを伴う。
本明細書では限られた数の態様を用いて本発明を説明してきたが、そのような具体的な態様は他の場所に記述しかつ本明細書で請求する如き本発明の範囲を限定することを意図したものでない。その記述した態様の修飾形および変形が存在する。より具体的には、請求する発明の態様の具体的例示として以下の実施例を示す。本発明を本実施例に挙げる具体的な詳細に限定するものでないと理解されるべきである。本実施例ばかりでなく本明細書の残りの部分に示す部およびパーセントは全部特に明記しない限り重量パーセントによるものである。
その上、本明細書または請求項に挙げる数字の範囲、例えば特定の組の特性、測定単位、条件、物理的状態またはパーセントなどを表す如き範囲はいずれもそのような範囲内に入る全ての数字(そのように挙げるいずれかの範囲内に入る全てのサブセットの数字を包含)を引用または他の様式で文字通りその中に明らかに組み入れられることを意図する。例えば、下限(RL)および上限(RU)を用いて数字の範囲を開示する場合にはいつでも、その範囲内に入る全ての数字Rを具体的に開示するものである。特に、下記の範囲内に入る数字Rを具体的に開示する:R=RL+k*(RU−RL)[ここで、kは1%の増分を伴う1%から100%までの範囲の変数であり、例えばkは1%、2%、3%、4%、5%.....50%、51%、52%.....95%、96%、97%、98%、99%または100%などである。その上、この上で計算したように、Rのいずれか2つの値で表される如何なる数字範囲も具体的に開示するものである。
以下に示すセメント粉砕用添加剤組成物を下記の配合に従って作成したが、全てのパーセントは当該組成物の総重量が基になっている。
組成物の配合を以下の表1に要約する。
Figure 2016531838
前記配合サンプル内の(C16-18)アルキルアルコールエトキシレートプロポキシレートの分離を促進させる試みで、これらのサンプルを分液漏斗に入れて100度Fで10日間貯蔵した。次に、そのサンプルを1/3ずつに分割し、その材料の底の1/3部分、中間の1/3部分および上部の1/3部分を分液漏斗に分離させて入れた。
これらのサンプルのいくつかをASTM C185に従って調製したセメントモルタルにおける空気連行に対する効果に関して評価した。この定量化では通常のポートランドセメントを用いた。ASTM C185試験の標準偏差は0.5%である。各添加剤をセメントの重量を基準にして0.04%添加した。安定化消泡剤を入れた全てのサンプルで空気量は消泡剤が入っていない19363−161Aを入れたモルタルに比べて1%以上低かった。19363−161Gを用いた場合、空気量は上部の方が下部よりも少なく、このことは、消泡剤が上部のサンプルと下部のサンプルの間でいくらか分離したことを示している。消泡剤を完全に安定化させるにはジウタンゴムを0.12%入れるのでは不充分であった。19363−163Fの場合には上部と下部の間に空気量の差はほとんど見られず、このことは、消泡剤を安定化させるのに0.17%のジウタンゴムで充分であったことを示している。
これらの結果を以下の表2に要約する。
Figure 2016531838
以下の配合に従って下記のセメント粉砕用添加剤組成物を作成したが、全てのパーセントは当該組成物の総重量が基になっている。
これらの成分を以下の表3に要約する。
Figure 2016531838
Turbiscan AGS濁度計を用いて濁度の変化を経時的に測定した。濁度が2%変化(デルタT)したことは配合物に重大な分離が生じたことを示すに有意であると見
なす。初期の読み取りを行ってから30日後に最終的な読み取りを行った。16393−165Bがあらゆる試験温度(23.8C、38Cおよび50C)で示した値は全て2%以上であり、このことは濁度が有意に変化、従って有意な分離が行ったことを示している。ジウタンゴムを配合物全体の0.12重量%用いて調製したサンプル19363−164Dの場合、2%以上の濁度の変化を示して分離が起こったのは50℃のサンプルの中間部と下部のみであった。ジウタンゴムを0.17%用いて調製したサンプル19363−164Eは濁度の有意な変化を全く示さず、このように分離を全く起こさなかった。この特別な配合の場合、完全な安定化にはジウタンゴムを0.17%用いる必要があった。
結果を以下の表4に要約する。
Figure 2016531838
以下の配合に従って下記のセメント粉砕用添加剤組成物を作成したが、全てのパーセントは当該組成物の総重量が基になっている。
これらの配合を以下の表5に要約する。
Figure 2016531838
Turbiscan AGS濁度計を用いて濁度の変化を経時的に測定した。濁度が2%変化(デルタT)したことは有意であると見なす。初期の読み取りを行ってから30日後に最終的な読み取りを行った。ジウタンゴムを配合物全体の0.12重量%用いて調製したサンプル19363−165Dの場合、2%以上の濁度の変化を示して分離が起こったのはあらゆる画分の中で38Cの画分のみであった。ジウタンゴムを0.17%用いて調製したサンプル19363−165Eは濁度の有意な変化を全く示さず、このように分離は全く起こらなかった。この特別な配合の場合、完全な安定化にはジウタンゴムを0.17%用いる必要があった。
結果を以下の表6に要約する。
Figure 2016531838
この上に示した好適な態様および実施例は例示の目的で示すものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものでない。

Claims (17)

  1. セメント粉砕用添加剤組成物であって、
    (a)トリイソプロパノールアミン、ジエタノールイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールエタノールアミン、テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラヒドロキシ−イソプロピルエチレンジアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジエタノールアミンまたはこれらの混合物を含有して成る少なくとも1種のアミン系セメント粉砕用添加剤、および
    (b)(i)エトキシル化プロポキシル化脂肪アルコールもしくはアルキルフェノール、(ii)ポリアルコキシル化ポリアルキレンポリアミンまたは(iii)これらの混合物から成る群より選択される空気吐出し剤、
    (c)ジウタン、ウェランおよびキサンタンから成る群より選択される生体高分子多糖ゴム、および
    (d)セメント粉砕用添加剤組成物の総重量を基準にして0.1から95.0パーセントの量の水、
    を含有して成っていて前記空気吐出し剤がセメント粉砕用添加剤組成物の全体に渡って均一に分配されているセメント粉砕用添加剤組成物。
  2. 前記アミン系セメント粉砕用添加剤がセメント粉砕用添加剤組成物の総重量を基準にして1.0から99.0パーセントの量で存在する請求項1記載のセメント粉砕用添加剤組成物。
  3. 前記空気吐出し剤がセメント粉砕用添加剤組成物の総重量を基準にして0.05から5.0パーセントの量で存在する請求項1記載のセメント粉砕用添加剤組成物。
  4. 前記生体高分子多糖ゴムがセメント粉砕用添加剤組成物の総重量を基準にして0.01から1.0パーセントの量で存在する請求項1記載のセメント粉砕用添加剤組成物。
  5. 前記生体高分子多糖ゴムがジウタン、ウェランまたはこれらの混合物である請求項4記載のセメント粉砕用添加剤組成物。
  6. 前記生体高分子多糖ゴムがジウタンである請求項4記載のセメント粉砕用添加剤組成物。
  7. 水がセメント粉砕用添加剤組成物の総重量を基準にして20.0から60.0パーセントの量で存在する請求項1記載のセメント粉砕用添加剤組成物。
  8. 前記アミン系セメント粉砕用添加剤が5.0から99.0パーセントの量で存在し、前記空気吐出し剤が0.1から5.0パーセントの量で存在しかつ前記生体高分子多糖が0.01から1.0パーセントの量で存在しかつ水が20から60パーセントの量で存在し、ここで、全てのパーセントがセメント粉砕用添加剤組成物の総重量を基準にしている請求項1記載のセメント粉砕用添加剤組成物。
  9. 更にジエチレングリコール、モノエチレングリコールまたはこれらの混合物も含有して成る請求項6記載のセメント粉砕用添加剤組成物。
  10. 更にグリコール、グリセロール、酢酸もしくはアセテート、塩、糖またはこれらの混合物から選択されるセメント粉砕用助剤も含有して成る請求項1記載のセメント粉砕用添加剤組成物。
  11. 式(I)または(II):
    Figure 2016531838
    [式中、
    “x”は、2−18の整数を表し、“n”および“m”は各々3から15の整数を表し、R1は炭素数が4から12のアルキル基を表し(好適にはR1は直鎖C919基を表し)そしてR2はベンゼン環を表す]
    で表される空気吐出し用エトキシル化プロポキシル化脂肪アルコールもしくはアルキルフェノールを含有して成っていて、前記少なくとも1種の空気連行アミン系セメント添加剤と前記エトキシル化プロポキシル化脂肪アルコールもしくはアルキルフェノール(両方とも以降“EPFA”)が乾燥固体重量で表して19:1から1:1の比率(アルカノールアミン:EPFA)の範囲内の重量で存在する請求項1記載のセメント粉砕用添加剤組成物。
  12. 式(1)
    Figure 2016531838
    [式中、
    1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は各々独立して水素、C1−C4アルキル基、−CH2−OHまたは−(AO)x−R8を表し、かつAOはプロピレンオキサイド(“PO”)またはPOとエチレンオキサイド(“EO”)の混合物を表し、かつPOとEOのモル比は少なくとも100:0から100:90であり、“x”は0から100の整数を表し、そしてR8は水素またはアルキル基を表し、“n”は0から100の整数を表す]
    で表される構造を有するポリアルコキシル化ポリアルキレンポリアミン系消泡剤もしくはこれの塩または前記消泡剤とこれの塩の組み合わせを含有して成るが、“n”が0の時にはEOの量がポリアルコキシル化ポリアルキレンポリアミン系消泡剤の総重量を基準にして10重量%未満である請求項1記載のセメント粉砕用添加剤組成物。
  13. 更にポリカルボキシレートポリマーも含有して成る請求項1記載のセメント粉砕用添加剤組成物。
  14. セメントの製造方法であって、水和性セメントを製造する目的でセメントクリンカーを粉砕する前または粉砕している間に前記セメントクリンカーに請求項1記載の組成物を導入することを含んで成るセメント製造方法。
  15. セメントの製造方法であって、水和性セメントを製造する目的でセメントクリンカーを粉砕する前または粉砕している間に前記セメントクリンカーに請求項8記載の組成物を導入することを含んで成るセメント製造方法。
  16. セメントの製造方法であって、水和性セメントを製造する目的でセメントクリンカーを粉砕する前または粉砕している間に前記セメントクリンカーに請求項11記載の組成物を導入することを含んで成るセメント製造方法。
  17. セメントの製造方法であって、水和性セメントを製造する目的でセメントクリンカーを
    粉砕する前または粉砕している間に前記セメントクリンカーに請求項12記載の組成物を導入することを含んで成るセメント製造方法。
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