JP2016525027A - プロピレン系ポリマーバリア層を有する共押出多層フィルム - Google Patents

プロピレン系ポリマーバリア層を有する共押出多層フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2016525027A
JP2016525027A JP2016523882A JP2016523882A JP2016525027A JP 2016525027 A JP2016525027 A JP 2016525027A JP 2016523882 A JP2016523882 A JP 2016523882A JP 2016523882 A JP2016523882 A JP 2016523882A JP 2016525027 A JP2016525027 A JP 2016525027A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
multilayer film
polymer
propylene
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016523882A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6469667B2 (ja
Inventor
スティーブン・アール・ジェンキンス
チャン・ドン・リー
ジョセフ・ドゥーリー
ドナルド・イー・カークパトリック
バーナード・イー・オビ
Original Assignee
ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー, ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー filed Critical ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
Publication of JP2016525027A publication Critical patent/JP2016525027A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6469667B2 publication Critical patent/JP6469667B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/06Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • B32B27/08Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/32Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyolefins
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/32Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyolefins
    • B32B27/325Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyolefins comprising polycycloolefins
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/36Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyesters
    • B32B27/365Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyesters comprising polycarbonates
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B7/00Layered products characterised by the relation between layers; Layered products characterised by the relative orientation of features between layers, or by the relative values of a measurable parameter between layers, i.e. products comprising layers having different physical, chemical or physicochemical properties; Layered products characterised by the interconnection of layers
    • B32B7/02Physical, chemical or physicochemical properties
    • B32B7/027Thermal properties
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2250/00Layers arrangement
    • B32B2250/055 or more layers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2250/00Layers arrangement
    • B32B2250/24All layers being polymeric
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2250/00Layers arrangement
    • B32B2250/42Alternating layers, e.g. ABAB(C), AABBAABB(C)
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/70Other properties
    • B32B2307/704Crystalline
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/70Other properties
    • B32B2307/724Permeability to gases, adsorption
    • B32B2307/7242Non-permeable
    • B32B2307/7246Water vapor barrier
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/70Other properties
    • B32B2307/726Permeability to liquids, absorption

Abstract

本開示は、共押出多層フィルムを提供する。共押出多層フィルムは、A層及びB層の15〜1000個の交互層を有するコア構成要素を含む。A層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、結晶化温度(T1c)を有するプロピレン系ポリマーを含む。B層は、T1c<T2gであるガラス遷移温度(T2g)を有する第2のポリマーを含む。A層は、0.40g−ミル/100インチ2/日未満の有効水分透過率を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、バリア特性を提供するナノ層構造を有する多層フィルムを対象とする。
改良されたバリア特性が有益であろうプラスチックフィルムまたはシートの多くの用途が存在する。例えば、所与のバリアを実現するためにより少ない体積を用いる、薄肉な全体的な厚さを有するフィルムは、ポリマーによって使用される「空き」体積によって改良された靱性及び他の特性を提供することができ、バリア以外の属性を提供する。
その結果として、改良されたバリア特性を有するフィルムの必要性が存在する。さらに、改良されたバリア特性を有する薄肉化された包装システムを可能にするフィルムの必要性が存在する。
本開示は、ナノ層構造であるコア構成要素を有する共押出多層フィルムを対象とする。ナノ層構造は、多層フィルムに改良されたバリア特性を提供する。特定のナノ層構造を形成するように材料を共押出することにより、改良された水分バリア及び改良されたガスバリア特性の予期せぬ組み合わせを有するフィルムまたはシートが提供される。
一実施形態において、共押出多層フィルムが提供される。共押出多層フィルムは、A層及びB層の15〜1000個の交互層を有するコア構成要素を含む。A層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、結晶化温度(Tc)を有するプロピレン系ポリマーを含む。B層は、Tc<Tgであるガラス遷移温度(Tg)を有する第2のポリマーを含む。A層は、0.40g−ミル/100インチ/日未満(6.2g−ミル/m/24時間(時間)未満)の有効水分透過率を有する。
一実施形態において、第2のポリマーは、ポリカーボネート及び環状オレフィンポリマーから選択される。
一実施形態において、多層フィルムは、1つ以上の追加のフィルム層を含んでもよい。
添付の図面は、以下の説明とともに、本開示及びその実施形態を例示し、さらなる理解を提供する役割を果たし、本明細書に組み込まれ、かつその一部を成す。
本開示の実施形態による多層フィルムまたはシート構造を作製する方法を例示する略図である。
定義
「ブレンド」、「ポリマーブレンド」等の用語は、2つ以上のポリマーの複合体を意味する。そのようなブレンドは、混和性であってもまたはそうでなくてもよい。そのようなブレンドは、相分離していてもまたはしていなくてもよい。そのようなブレンドは、透過型電子顕微鏡、光散乱、X線散乱、及び当該技術分野で既知の任意の他の方法から決定されるように、1つ以上のドメイン構成を含有していてもまたはしていなくてもよい。ブレンドは積層ではないが、積層の1つ以上の相がブレンドを含有してもよい。
「複合体」等の用語は、他のポリマーとブレンドされたポリマー、または添加剤、充填剤等を含有するポリマー等の、2つ以上の材料の混合物を意味する。複合体に含まれるのは、反応前混合物、反応混合物、及び反応後混合物であり、後者は、存在する場合、反応前混合物または反応混合物のうちの1つ以上の成分から形成される、反応生成物及び副生成物ならびに反応混合物の未反応成分及び分解生成物を含む。
「エチレン系ポリマー」は、(重合可能なモノマーの総重量に基づいて)50モルパーセントを超える重合エチレンモノマーを含有するポリマーであり、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含有してもよい。
本明細書において使用される場合、より厚みのある物品において「フィルム層」に言及する場合を含む「フィルム」という用語は、明示的に厚さが特定されていない限り、最大約0.254ミリメートル(10ミル)の一定かつ均一な厚さを有する、任意の薄い平坦な押出されたまたは鋳造された熱可塑性の物品を含む。フィルムの「層」は、後により詳細に論じられるナノ層の場合のように、非常に薄くてもよい。
本明細書において使用される場合、「シート」という用語は、明示的に厚さが特定されていない限り、一般に少なくとも0.254ミリメートルの厚さであり、かつ最大約7.5mm(295ミル)の厚さである、「フィルム」よりも厚い略一定かつ均一な厚さを有する、任意の薄い平坦な押出されたまたは鋳造された熱可塑性の物品を含む。いくつかの場合において、シートは、最大6.35mm(250ミル)の厚さを有するとみなされる。
フィルムまたはシートのいずれであっても、それらの用語が本明細書において使用される場合、必ずしも平面という意味での「平坦」である必要はないが、本開示によるA層及びB層を用い、かつ本開示によるフィルムまたはシートの厚さ内の比較的薄い断面を有する、異形、パリソン、管等の形状の形態であってもよい。「インターポリマー」は、少なくとも2つの異なるモノマーの重合によって調製されるポリマーを意味する。この一般名称は、通常、2つ以上の異なるモノマーから調製されるポリマーを指して用いられるコポリマーを含み、2つより多くの異なるモノマーから調製されるポリマー、例えば、ターポリマー、テトラポリマー等を含む。
「融点」(Tm)は、推定される融解開始点であり、「試験方法」の項に記載されるようにDSCによって決定される。
「結晶化温度」(Tc)は、推定される結晶化開始点であり、「試験方法」の項に記載されるようにDSCによって決定される。
「ガラス遷移温度」(Tg)は、「試験方法」の項に記載されるようにDSC加熱曲線によって決定される。
「ナノ層構造」は、本明細書において使用される場合、各層が1ナノメートル〜900ナノメートルの厚さである2つ以上の層を有する多層構造である。
「オレフィン系ポリマー」は、本明細書において使用される場合、(重合可能なモノマーの総重量に基づいて)50モルパーセントを超える重合オレフィンモノマーを含有するポリマーであり、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含有してもよい。オレフィン系ポリマーの非限定的な例として、エチレン系ポリマー及びプロピレン系ポリマーが挙げられる。
「ポリマー」は、同じ種類であろうと異なる種類であろうと、モノマーを重合することによって調製される化合物を意味し、重合形態において、ポリマーを構成する複数の及び/または反復する「単位」または「mer単位」を提供する。従って、ポリマーという一般名称は、通常、1種類のモノマーのみから調製されるポリマーを指すために用いられるホモポリマーという用語と、本明細書において後に定義されるインターポリマーという用語とを包含する。この用語はまた、例えば、ランダム、ブロック等の全ての形態のインターポリマーを包含する。「エチレン/α−オレフィンポリマー」及び「プロピレン/α−オレフィンポリマー」という用語は、エチレンまたはプロピレンのそれぞれを、1つ以上のさらなる重合可能なα−オレフィンモノマーと重合することによって調製される、後に記載されるようなインターポリマーを意味する。ポリマーは、しばしば、1つ以上の特定のモノマーから「作製される」、特定のモノマーまたはモノマー種に「基づく」、特定のモノマー含有量を「含む」等と称されるが、本発明の文脈において、「モノマー」という用語は、非重合種ではなく、特定のモノマーの重合残留物に言及しているということが明らかに理解されることに留意されたい。一般的に、本明細書に記載されるポリマーは、対応するモノマーの重合形態である「単位」に基づいていると称される。
「プロピレン系ポリマー」は、(重合可能なモノマーの総重量に基づいて)50モルパーセントを超える重合プロピレンモノマーを含有するポリマーであり、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含有してもよい。
本明細書における数の位及び範囲は近似値であり、したがって、別途指示されない限り、範囲外の値を含んでもよい。数の範囲(例えば、「XからY」または「X以上」または「Y以下」)は、下方値から上方値の全ての値を1単位の増分で含むが、但し、任意の下方値と任意の上方値との間に少なくとも2単位の開きが存在するものとする。一例として、組成特性、物理特性、または例えば温度等の他の特性が100〜1,000である場合、100、101、102等の全ての個々の値、及び例えば、100〜144、155〜170、197〜200等の部分範囲が明示的に列挙される。1未満の値を含む範囲、または1より大きな分数(例えば、1.1、1.5等)を含む範囲の場合、1単位は、必要に応じて0.0001、0.001、0.01、または0.1であるとみなされる。10未満の1桁の数を含む範囲(例えば、1〜5)の場合、1単位は典型的には0.1であるとみなされる。明示的な値を含む範囲(例えば、1もしくは2、または3〜5、または6もしくは7)の場合、任意の2つの明示的な値間の任意の部分範囲が含まれる(例えば、1〜2;2〜6;5〜7;3〜7;5〜6等)。これらは、具体的に意図されることの例であるに過ぎず、列挙される最も低い値と最も高い値の間の数値の考えられる全ての組み合わせが、本開示において明示的に記載されているものとみなされる。
1.固形拘束層−結晶性
本開示は、多層フィルムを提供する。一実施形態において、多層フィルムは、固形拘束性ポリマーを含む拘束層を含む。「固形拘束性ポリマー」は、本明細書において使用される場合、ガラス遷移温度Tgによって示されるときに溶融状態からガラス状態に凝固する(またはガラス化する)ポリマーである。
一実施形態において、共押出多層フィルムが提供され、それはコア構成要素を含む。コア構成要素は、A層及びB層の15〜1000個の交互層を含む。A層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、結晶化温度(Tc)を有するプロピレン系ポリマーを含む。B層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、Tc<Tgであるガラス遷移温度(Tg)を有する第2のポリマーを含む。A層は、0.40g−ミル/100インチ/日未満(6.2g−ミル/m/24時間未満)の有効水分透過率を有する。
一実施形態において、A層は、0.1〜、または0.2〜0.3以下、または0.40g−ミル/100インチ/日以下(1.55〜、または3.1〜4.65以下、または6.2g−ミル/m/24時間未満)の有効水分透過率を有する。
A.A層
本発明の多層フィルムのコア構成要素は、A層及びB層の15〜1000個の交互層を含む。A層は、プロピレン系ポリマーを含む。プロピレン系ポリマーは、プロピレンホモポリマーまたはプロピレン/α−オレフィンコポリマーであってもよい。
一実施形態において、プロピレン系ポリマーは、プロピレンホモポリマーである。プロピレンホモポリマーは、0.1g/10分〜、または0.5g/10分〜、または1.0g/10分〜、または1.5g/10分〜2.0g/10分、または〜2.5g/10分のMFRを有する。プロピレンホモポリマーは、0.85g/cc〜0.95g/ccの密度を有する。プロピレンホモポリマーは、125℃未満、または115℃〜、もしくは118℃〜、もしくは120℃〜、もしくは122℃〜125℃未満の結晶化温度(Tc)を有する。プロピレンホモポリマーは、155℃〜、または160℃〜165℃、または〜170℃の融解温度Tmを有する。プロピレンホモポリマーは、30%〜、または35%〜、または38%〜40%〜45%、または〜50%、または〜55%、または〜60%の結晶化度を有する。
一実施形態において、プロピレン系ポリマーは、プロピレン/α−オレフィンコポリマーである。α−オレフィンは、C−C20α−オレフィン、またはC−C10α−オレフィンである。別の実施形態において、α−オレフィンは、1−ブテン、1−ヘキサン、及び1−オクテンからなる群から選択される。さらなる実施形態において、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは10%〜40%の結晶化度を有する。
一実施形態において、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、プロピレン/エチレンコポリマーである。プロピレン/エチレンコポリマーは、0.1g/10分〜10g/10分のMFRを有し、プロピレン/エチレンコポリマーは、0.85g/cc〜0.93g/ccの密度を有する。
B.B層
本発明の多層フィルムのコア構成要素は、A層及びB層の15〜1000個の交互層を含む。B層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、ガラス遷移温度(Tg)を有する第2のポリマーを含む。第2のポリマーは、A層のプロピレン系ポリマーの結晶化温度TcがB層の第2のポリマーのガラス遷移温度(Tg)未満になるように選択される。
A層のプロピレン系ポリマーの結晶化温度TcとB層の第2のポリマーのガラス遷移温度Tgとの間の関係は、
c<Tgであり、
式中、Tc及びTgは、それぞれ摂氏(℃)である。
一実施形態において、Tg−Tcは、20℃超、または25℃超、または30℃超、または35℃超、または40℃超、または45℃超である。
一実施形態において、B層の第2のポリマーは、ポリカーボネート及び環状オレフィンポリマーから選択される。
i.ポリカーボネート
一実施形態において、B層の第2のポリマーは、ポリカーボネートを含む。「ポリカーボネート」は、本明細書において使用される場合、ジフェノール、ホスゲン、及び炭酸の線状ポリエステルから誘導される熱可塑性樹脂である。ポリカーボネートは、ホモポリカーボネート、コポリカーボネート、または芳香族ポリカーボネートであってもよい。
一実施形態において、ポリカーボネートは、芳香族ポリカーボネートである。芳香族ポリカーボネートの調製は、連鎖停止剤、例えばモノフェノールを任意選択的に使用し、かつ3個または3個を超える官能基を有する分岐剤、例えばトリフェノールまたはテトラフェノールを任意選択的に使用する界面過程に従って、例えば、ジフェノールと、炭酸ハロゲン化物、好ましくはホスゲンとの反応、及び/または芳香族ジカルボン酸ジハロゲン化物、好ましくはベンゼンジカルボン酸ジハロゲン化物との反応によって行われ得る。ジフェノールと、例えば炭酸ジフェニルとの反応による溶融重合過程による調製も可能である。
芳香族ポリカーボネートは、典型的には、10,000〜20,000g/モル、または15,000〜80,000g/モル、または24,000〜32,000g/モルの平均重量平均分子量(例えば、GPC、超遠心分離法、または散乱光測定によって測定される、M)を有する。
芳香族ポリカーボネートは、3個の官能基または3個を超えるフェノール基を有する化合物を、使用されるジフェノールの合計に基づいて0.05〜2.0モル%組み込むことによって分岐され得る。
一実施形態において、芳香族ポリカーボネートは、1.0g/cc〜2.0g/ccの密度、及び15g/10分〜20g/10分のMFRを有する。
一実施形態において、ポリカーボネートは、コポリカーボネートである。
コポリカーボネートは、ジフェノール、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンのモル合計に基づいて、最大15モル%を有するビスフェノールAから形成され得る。ヒドロキシアリールオキシ末端基を有するポリジオルガノシロキサンを、使用されるジフェノールの合計量に基づいて、1〜25重量%、好ましくは2.5〜25重量%使用することも可能である。
一実施形態において、ポリカーボネートは、ホモポリカーボネートである。ジフェノールはビスフェノールAである。
一実施形態において、多層フィルムは、125℃未満のTcを有するプロピレンホモポリマーを有するA層を含む。プロピレンホモポリマーは、1.5g/10分〜2.5g/10分のMFRを有する。プロピレン系ポリマーは、35%〜60%の結晶化度を有する。B層は、125℃超、または130℃超、または135℃超、または140℃超、または145℃超、または150℃超、または155℃超、または160℃超、または170℃超のTgを有するポリカーボネートを含む。さらなる実施形態において、(ポリカーボネート)Tg−Tc(プロピレンホモポリマー)は、40℃超、または50℃超である。
ii.環状オレフィンポリマー
本発明の多層フィルムのコア構成要素は、A層及びB層の15〜1000個の交互層を含む。一実施形態において、B層の第2のポリマーは、環状オレフィンポリマーを含む。「環状オレフィンポリマー(または「COP」)は、飽和炭化水素環を含むオレフィン系ポリマーである。好適なCOPは、少なくとも25重量%の環単位を含み、この重量百分率は、重合してCOPになる環状部分(「MCCM」)を含有する(含有するように官能化されるものを含む)オレフィンモノマー単位の重量百分率に基づいて、重合して最終的なCOPを形成するモノマーの総重量の百分率として計算される。
「環状オレフィンポリマー(または「COP」)は、飽和炭化水素環を含むオレフィン系ポリマーである。好適なCOPは、少なくとも25重量%の環単位を含み、この重量百分率は、重合してCOPになる環状部分(「MCCM」)を含有する(含有するように官能化されるものを含む)オレフィンモノマー単位の重量百分率に基づいて、重合して最終的なCOPを形成するモノマーの総重量の百分率として計算される。
一実施形態において、COPは、少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも75重量%のMCCMを含む。環状部分は、ポリマー鎖の骨格に(例えばノルボルネンの開環タイプの重合から)組み込まれ、かつ/またはポリマー骨格から(例えばスチレン(これは最終的に水素添加されて環状オレフィンとなる)または他のビニル含有環状モノマーを重合することにより)ペンダント状であってよい。COPは、単一の種類の環単位に基づくホモポリマー;1つより多くの種類の環単位を含むコポリマー;または、1つ以上の種類の環単位、及び環状ではない他の組み込まれるモノマー単位、例えばエチレンモノマーによって提供されるか、もしくはそれに基づく単位などを含むコポリマーであってもよい。コポリマー内で、環単位及び他の単位は、ランダム、交互、ブロック、またはこれらの何らかの組み合わせを含む、任意の様式で分布され得る。COPの環状部分は、それ自体は環状部分を含むモノマーの重合から得られる必要はないが、環状部分単位を提供するため、もしくは環状部分前駆体から環状部分を形成するための、ポリマーの環状官能化または他の反応から得られる場合がある。一例として、スチレン(これは環状部分前駆体であるが、本開示の目的のための環単位ではない)は、重合してスチレンポリマー(環状オレフィンポリマーではない)となり、次いで後に完全または部分的に水素添加されてCOPをもたらすことができる。
重合過程で使用されてCOPの環単位を提供することができるMCCMとして、ノルボルネン及び置換ノルボルネンが挙げられるが、これらに限定されない。上述のように、環状ヘキサン環単位が、スチレンポリマーのスチレン芳香環に水素添加することによって提供され得る。環単位は、オレフィンポリマー骨格に対してペンダント状であるか、もしくはその中に組み込まれるかのいずれかである、単環状または多環状部分であってよい。そのような環状部分/構造として、シクロブタン、シクロヘキサン、またはシクロペンタン、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせが挙げられる。例えば、シクロヘキサンまたはシクロペンタン部分を含有する環状オレフィンポリマーは、3−シクロヘキシル−1−プロペン(アリルシクロヘキサン)及びビニルシクロヘキサンのα−オレフィンポリマーである。
一実施形態において、COPは、ブタジエンとスチレンとのブロックコポリマーを生成し、次いでこれに水素添加して、好ましくは完全に水素添加して環状オレフィンブロックコポリマー(または「CBC」)とすることによって調製されるCBCである。好適なCBCの非限定的な例として、完全に水素添加されたジブロック(SB)ポリマー、トリブロック(SBS)ポリマー、及びペンタブロック(SBSBS)ポリマーであるCBCが挙げられる。そのようなトリブロック及びペンタブロックコポリマーでは、1種類の単位の各ブロックは同じ長さである;すなわち、各Sブロックは同じ長さであり、各Bブロックは同じ長さである。水素添加前の総分子量(M)は、約25,000〜約1,000,000g/モルである。組み込まれるスチレンの割合は、10〜99重量%、または50〜95重量%、または80〜90重量%であり、その残りはブタジエンである。例えば、参照により本明細書に組み込まれるWO2000/056783(A1)は、そのようなペンタブロックタイプのCOPの調製を開示する。
他のCOPは、Yamazaki,Journal of Molecular Catalysis A:Chemical,213(2004)81−87、及びShin et al.,Pure Appl.Chem.,Vol.77,No.5,(2005)801−814に記載される。(Zeon Chemicalの)Yamazakiによる刊行物では、COPの重合は、ノルボルネンを介する開環複分解経路に基づくものとして記載される。Zeon Chemicalから市販されているCOP製品は、主モノマーとしてジシクロペンタジエンに基づき、水素添加によってノルボルネン開環複分解における二重結合を置換基(R)で飽和する、主鎖内に巨大な環構造を有する非晶質ポリオレフィンとして説明される。好適なであるCOPの非限定的な例は、Zeon Chemicalから販売されているZeonor 1420である。
COPの別の例は、Topas Advanced Polymers GmbHから市販されているTopasブランドの環状オレフィンコポリマーであり、これは、環状オレフィン(すなわちノルボルネン)及び線形オレフィン(例えばエチレン)に基づき、より高い環状オレフィン含有量とともに熱特性が増加する、非晶質の透明なコポリマーである。好ましくは、そのようなCOPは以下の式によって表され、x及びyの値は、好適な熱可塑性ポリマーを提供するように選択される。
COPを含む層は、COPから作製されるか、または2つ以上のCOPの物理的ブレンド、及び1つ以上のCOPとCOPではないポリマーとの物理的ブレンドも含んでもよいが、但し、いかなるCOPブレンドまたは組成物も、ブレンドまたは組成物全体に少なくとも25重量%の環状オレフィン単位含有量を含むものとする。
一実施形態において、B層は、環状ブロックコポリマーを含む。
一実施形態において、B層は、ペンタブロック水素添加スチレンである環状ブロックコポリマーを含む。
一実施形態において、多層フィルムは、125℃未満のTcを有するプロピレンホモポリマーを有するA層を含む。プロピレンホモポリマーは、1.5g/10分〜2.5g/10分のMFRを有する。プロピレン系ポリマーは、35%〜45%の結晶化度を有する。B層は、125℃超、または130℃超、または135℃超、または140℃超のTgを有するCOPを含む。さらなる実施形態において、(COP)Tg−Tc(プロピレンホモポリマー)は、10℃超、または20℃超である。
C.コア構成要素
本発明の多層フィルムのコア構成要素は、A層及びB層の15〜1000個の交互層を含む。
一実施形態において、コア構成要素は、A層及びB層の15、または30、または33、または50、または60、または65、または70、または100、または129、または145、または150、または200〜250、または257、または300、または400、または450、または500、または1000個の交互層を含む。
A層及びB層の厚さは、同じであってもまたは異なってもよい。一実施形態において、A層の厚さは、B層の厚さと同じか、または実質的に同じである。A層は、10nm〜、または20nm〜、または30nm〜、または50nm〜、または70nm〜、または80nm〜、または100nm〜、または145nm〜、または150nm〜、または198nm〜、または200nm〜、または250nm〜、または290nm〜、または300nm〜、または350nm〜、または396nm〜、または400nm〜、または450nm〜500nm、または〜600nm、または〜700nm、または〜792nm、または〜800nm、または〜900nm、または〜1000nmの厚さを有する。B層は、10nm〜、または20nm〜、または30nm〜、または50nm〜、または70nm〜、または80nm〜、または100nm〜、または145nm〜、または150nm〜、または198nm〜、または200nm〜、または250nm〜、または290nm〜、または300nm〜、または350nm〜、または396nm〜、または400nm〜、または450nm〜500nm、または〜600nm、または〜700nm、または〜792nm、または〜800nm、または〜900nm、または〜1000nmの厚さを有する。
コア構成要素に存在するA層及びB層の数は、同じであってもまたは異なってもよい。一実施形態において、A層:B層の比(B層の数に対するA層の数)は、1:1〜、または3:1〜9:1である。
一実施形態において、コア構成要素は、A層及びB層の60〜70、または65個の交互層を含み、コア構成要素は、50:50〜、または75:25〜90:10のA層:B層の比を有する。A層は、30nm〜、または100nm〜、または200nm〜400nm、または〜500nmの厚さを有する。
コア構成要素は、図1に概ね図示されるような多層共押出装置を用いて生成されてもよい。複数成分多層系用のフィードブロックは、通常、異なる成分材料の層構造中にポリマー成分を組み合わせる。出発層厚(それらの相対的体積百分率)は、最終フィルムにおけるA及びB層の所望の相対的な厚さを提供するために用いられる。
本発明のコア構成要素は、ポリマー材料「A」(生成物層A)及びポリマー材料「B」(生成物層B)からなる2成分構造であり、最初に出発時の「AB」または「ABA」層状供給流構成に共押出される(「A」はA層を意味し、「B」はB層を意味する)。次いで、既知のレイヤーマルチプライヤー技術を適用して、供給流から得られた層を多層化及び薄肉化することができる。多層化は、通常、初期供給流を2つ以上のチャネルに分割し、そのチャネルを「積み重ねる」ことによって行われる。フィードブロック及び反復する同一のレイヤーマルチプライヤーを使用した多層構造内の層の総数を計算するための一般式は、N=(N)(F)であり、式中、Nは、最終構造内の層の総数であり、Nは、フィードブロックによって生成される層の初期数であり、Fは、通常は2つ以上のチャネルの「積み重ね」である単一のレイヤーマルチプライヤーにおける多層化の回数であり;nは、用いられる同一の多層化の回数である。
2成分材料A及びBの多層構造の場合、多層化ステップ(複数可)の後にフィルムまたはシートの両側で外側の層が同じである最終フィルムまたはシートをもたらすために、3層のABA初期構造が頻繁に用いられる。最終フィルムまたはシートのA層及びB層が略等しい厚さ及び等しい体積百分率であることが意図される場合、出発ABA層構造の2つのA層はB層の厚さの半分であるが、多層化において一緒に組み合わせる場合、同じ層厚(2つのより薄い外側の層は除く)を提供し、体積百分率に関しては半分を構成する。見て取れるように、多層化プロセスは、出発構造を複数回分割して積み重ねるため、2つの外側のA層は、供給流が「積み重ねられる」たびに常に組み合わされ、その後、結局はB層の厚さと等しくなる。一般に、出発時のA層及びB層の厚さ(相対的体積百分率)は、最終フィルムにおけるA及びB層の所望の相対的な厚さを提供するために用いられる。層を数える目的のために、2つの隣接する同様の層の組み合せは単一の個別層のみを生成すると考えられるため、「ABA」フィードブロック及び反復する同一のレイヤーマルチプライヤーを使用した多層構造内の「個別の」層の総数を計算するために、一般式N=(2)(n+1)+1が使用される:式中、Nは、最終構造内の層の総数であり;3つの初期層は、フィードブロックによって生成され;多層化は、2つのチャネルへの分割及び積み重ねであり;nは、用いられる同一の多層化の回数である。
好適な2成分共押出システム(例えば、「AB」または「ABA」の反復)は、溶融ポンプによって共押出フィードブロックに接続された2つの3/4インチ(19.05mm)単軸スクリュー押出機を有する。溶融ポンプは、多層供給流における2つまたは3つの平行な層としてフィードブロック内で組み合わされる2つの溶融流を制御する。溶融ポンプの速度を調節することによって相対的な層体積(厚さ)が変化し、したがってA層のB層に対する厚さの比が変化する。フィードブロックから、供給流の溶融物が一連の多層化要素を通過する。本開示の構造の製造において溶融流をフィードブロックにポンプで送るために使用される押出機の数は、異なる成分の数と略等しいということを理解されたい。したがって、多層構造中の3成分反復セグメント(ABC...)は、3つの押出機を必要とする。
既知のフィードブロックプロセス及び技術の例は、WO 2008/008875、米国特許第3,565,985号、米国特許第3,557,265号、及び米国特許第3,884,606号に例示され、その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。多層化プロセスのステップは、例えば、米国特許第5,094,788号及び同第5,094,793号(参照により本明細書に組み込まれる)に示されており、熱可塑性の樹脂状物質を含有する多層フロー流を第1、第2、及び任意選択的に他の副流に分割し、複数の副流を積み重ねた様式で組み合わせ、圧縮し、それによって多層フロー流を形成することによる、多層フロー流の形成を教示している。フィルムまたはシートの生成に用いられる材料、及び所望のフィルムまたはシート構造に応じて必要な場合があるように、多層フロー流の2つ以上の層を含むフィルムもしくはシートは、コアの周囲に積み重ねられた1つ以上の略円形もしくは長方形の封入層を用いて封入する米国特許第4,842,791号によって示されるような;略円形の不均一な封入層を有する米国特許第6,685,872号によって示されるような;及び/または封入された多層化フィルムもしくはシートが環状ダイプロセスにおいて生成されるWO 2010/096608A2によって示されるような、封入技術によって提供され得る。米国特許第4,842,791号及び同第6,685,872号ならびにWO 2010/096608A2は、参照により本明細書に組み込まれる。
一実施形態において、コア構成要素は、A層及びB層の15〜1000個の交互層を含む。A層は、30nm〜、または100nm〜500nmの厚さを有し、かつ上に開示されたようなTcを有するプロピレン系ポリマーを含む。B層は、上に開示されたようなTgを有する、ポリカーボネートまたはCOPのいずれかである第2のポリマーを含む。A層は、0.1〜0.40g−ミル/100インチ/日未満(1.55〜6.2g−ミル/m/24時間未満)の有効水分透過率を有する。
一実施形態において、コア構成要素のA層は、125℃未満のTcを有するプロピレンホモポリマーを含む。さらなる実施形態において、プロピレンホモポリマーは、1.5g/10分〜2.5g/10分のメルトフローレートを有する。なおもさらなる実施形態において、プロピレンホモポリマーは、35%〜60%の結晶化度を有する。
一実施形態において、コア構成要素の第2のポリマーは、ポリカーボネート及び環状オレフィンポリマーから選択される。
一実施形態において、コア構成要素のA層は、125℃未満のTc及び1.5g/10分〜2.5g/10分のメルトフローレートを有するプロピレンホモポリマーを含む。B層は、125℃を超えるTgを有するポリカーボネートを含む。さらなる実施形態において、Tg(ポリカーボネート)−Tc(プロピレンホモポリマー)は、20℃を超える。
一実施形態において、A層は、200nm〜400nmの厚さを有し、またA層は、上に開示されたような125℃未満のTcを有するプロピレンホモポリマーを含む。B層は、上に開示されたような125℃を超えるTgを有するポリカーボネートを含む。A層は、0.2〜0.3g−ミル/100インチ/日以下(3.1〜4.65g−ミル/m/24時間以下)の有効水分透過率を有する。
一実施形態において、コア構成要素は、上に開示されたような125℃未満のTcを有するプロピレンホモポリマーを含むA層を有する。B層は、125℃を超えるTgを有する環状オレフィンポリマーを含む。さらなる実施形態において、Tg(COP)−Tc(プロピレンホモポリマー)は、20℃を超える。なおもさらなる実施形態において、環状オレフィンポリマーは、環状ブロックコポリマーである。
一実施形態において、A層は、200nm〜400nmの厚さを有し、またA層は、上に開示されたような125℃未満のTcを有するプロピレンホモポリマーを含む。B層は、上に開示されたような125℃を超えるTgを有する環状ブロックコポリマーを含む。A層は、0.2〜0.3g−ミル/100インチ/日以下(3.1〜4.65g−ミル/m/24時間以下)の有効水分透過率を有する。
一実施形態において、コア構成要素は、0.1ミル(2.54マイクロメートル)〜10.0ミル(254マイクロメートル)の総厚さを有する。さらなる実施形態において、コア構成要素は、0.1ミル〜、または0.2ミル〜、または0.3ミル〜、または0.4ミル〜、または0.5ミル〜0.8ミル、または〜1.0ミル、または〜1.5ミル、または〜2.0ミル、または〜3.0ミル、または〜5.0ミル、または〜7.7ミル、または〜10.0ミルの厚さを有する。
コア構成要素は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含んでもよい。
D.スキン層
一実施形態において、多層フィルムは、少なくとも1つのスキン層を含む。さらなる実施形態において、多層フィルムは、2つのスキン層を含む。スキン層は、最も外側の層であり、コア構成要素の各側に1つのスキン層がある。スキン層は、互いに対向し、コア構成要素を挟む。各個々のスキン層の組成は、他のスキン層と同じであってもまたは異なってもよい。スキン層として使用することができる好適なポリマーの非限定的な例として、ポリプロピレン、ポリエチレンオキシド、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリエステル、ポリふっ化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、エチレン−co−アクリル酸コポリマー、ポリオキシメチレン、及びこれらのうちの2つ以上のブレンド;ならびにこれらのうちの1つ以上を含む他のポリマーとのブレンドが挙げられる。
一実施形態において、スキン層は、プロピレン系ポリマー、エチレン系ポリマーポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレン、プロピレンコポリマー、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、及びポリエチレン−co−アクリル酸コポリマーを含む。
各スキン層の厚さは、同じであってもまたは異なってもよい。2つのスキン層は、多層フィルムの総体積の5%〜、または10%〜、または15%〜20%、または〜30%、または〜35%の厚さを有する。
一実施形態において、スキン層の厚さは同じである。同じ厚さの2つのスキン層は、上に記載した体積百分率で多層フィルム内に存在する。例えば、35%のスキン層を有する多層フィルムは、各スキン層が多層フィルムの総体積の17.5%で存在することを意味する。
一実施形態において、各スキン層の組成は同じであり、プロピレン系ポリマーである。さらなる実施形態において、各スキン層は、A層に存在するプロピレン系ポリマーと同じプロピレン系ポリマーである。
一実施形態において、各スキン層は、プロピレンホモポリマーを含む。各スキン層のプロピレンホモポリマーは、0.1g/10分〜、または0.5g/10分〜、または1.0g/10分〜、または1.5g/10分〜2.0g/10分、または〜2.5g/10分のMFRを有する。プロピレンホモポリマーは、0.85g/cc〜0.95g/ccの密度を有する。プロピレンホモポリマーは、125℃未満、または115℃〜、もしくは118℃〜、もしくは120℃〜、もしくは122℃〜125℃未満の結晶化温度(Tc)を有する。プロピレンホモポリマーは、155℃〜、または160℃〜165℃、または〜170℃の融解温度Tmを有する。プロピレンホモポリマーは、30%〜、または35%〜、または38%〜40%〜45%、または〜50%、または〜55%、または〜60%の結晶化度を有する。
E.任意選択的な他の層
スキン層は、コア構成要素と直接接触していてもよい(介在層が存在しない)。代替として、多層フィルムは、各スキン層とコア構成要素との間に1つ以上の介在層を含んでもよい。本発明の多層フィルムは、任意選択的なさらなる層を含んでもよい。任意選択的な層(複数可)は、コア構成要素とスキン層(複数可)との間に位置する介在層(または中間層)であってもよい。そのような介在層(または中間層)は、単一の層、反復する層、または規則的に反復する層(複数可)であってもよい。そのような任意選択的な層は、十分な接着性を有し(または提供し)、フィルムまたはシートに所望の特性を提供する材料、例えば、タイ層、バリア層、スキン層等を含んでもよい。
タイ層または接着層として用いることができる好適なポリマーの非限定的な例として、オレフィンブロックコポリマー、例えば、INTUNE(商標)(The Dow Chemical Company)の商標名で販売されるプロピレン系ブロックコポリマー、及びINFUSE(商標)(The Dow Chemical Company)の商標名で販売されるエチレン系ブロックコポリマー;極性エチレンコポリマー、例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸メチル、及びアクリル酸エチルを含むコポリマー;アイオノマー;無水マレイン酸グラフトエチレンポリマー及びコポリマー;これらのうちの2つ以上のブレンド;ならびにこれらのうちの1つ以上を含む他のポリマーとのブレンドが挙げられる。
バリア層として用いることができる好適なポリマーの非限定的な例として、ポリエチレンテレフタレート、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデンコポリマー、ポリアミド、ポリケトン、MXD6ナイロン、これらのうちの2つ以上のブレンド;及びこれらのうちの1つ以上を含む他のポリマーとのブレンドが挙げられる。
上述のように、本開示による多層フィルムは、最終物品において構造または他の特性を提供する他の内部層を有するより厚みのある構造における構成要素として有利に用いることができる。例えば、スキン層は、水分バリア特性、ガスバリア特性、物理特性、及び低コストの組み合わせが適切である包装及び多くの他の用途に適したフィルムを提供するために、コア構成要素のいずれかの側に有利に用いられる靱性、印刷適性等のさらなる望ましい特性を有するように選択されてもよい。本開示の別の態様において、タイ層は、本開示による多層フィルムまたはシート構造とともに使用することができる。
F.多層フィルム
本開示の多層フィルムは、独立型フィルムであってもよいか、または別のフィルム、積層、シート、もしくは物品の構成要素であってもよい。
本発明の多層フィルムは、種々の既知のフィルムもしくはシート用途のためのフィルムもしくはシートとして、またはより厚さのある構造における層として、かつ軽量及び低コストを維持するために使用されてもよい。
外側の表面層またはスキン層及び任意選択的な他の内部層を有する積層構造または物品においてこのように用いられる場合、本発明の多層フィルムは、異形、管、パリソン、または他の積層物品の形態を含む望ましいフィルムまたはシートの少なくとも5体積%を提供するように使用されてもよく、その残りは、最大95体積%のさらなる外側の表面層もしくはスキン層及び/または内部層によって構成される。
一実施形態において、本発明の多層フィルムは、積層物品の少なくとも10体積%、または少なくとも15体積%、または少なくとも20体積%、または少なくとも25体積%、または少なくとも30体積%を提供する。
一実施形態において、本発明の多層フィルムは、最大100体積%、または80体積%未満、または70体積%未満、または60体積%未満、または50体積%未満を提供する。
ナノ層構造の場合、バリア特性に影響を及ぼす2つの関係が存在する:(i)結晶ラメラの配向及び(ii)結晶化度%。ナノ層がより薄くなるほど、その形態は、全体的にランダムなラメラの配向を有するがエッジオン配向にあるいくつかのラメラを含む球晶から、面内ラメラに移行することが分かっている。しかしながら、配向は結晶化度と反比例するため、閉じ込めが増大するにつれて(バリアがより薄くなると)、バリアポリマーの結晶化度の程度が減少し、バリア能が低減する。さらに、多くのバリア樹脂は、閉じ込められた時に「面内」ラメラ結晶を形成せず、結晶化度%が減少するのみであるため、バリア特性が低下する。したがって、多くのバリア材料の場合、全体的な結晶化度%をできるだけ高く維持し、球晶状結晶中の「エッジオン」ラメラを減少させることが必要である。
特定の理論に束縛されるものではないが、出願者は、ナノ層構造における切断された球晶の形成がバリア能を予想外に最適化することを発見した。(1)層厚の制御ならびに(2)バリア及び拘束性構成要素の選択により、水分透過率における予想外の改良を示す切断された球晶形態を有するナノ層を得ることができる。
「球晶」は、多くの半結晶性ポリマーに観察される上部構造であり、中央の核形成点から放射状に広がる分岐結晶ラメラからなる。球晶の成長が制約されない場合、球晶は、他の球晶と衝突するまで、球として半径方向に対称的に成長する。球晶におけるラメラの方向は、平均してランダムである。「切断された球晶」は、球晶が成長するフィルムの厚さによって少なくとも一次元で制約された球晶である。フィルムを水平面で成長させた場合、成長は上部及び下部で(水平面に対して垂直に)停止する一方で、フィルムに対してより平行な成長は、別の球晶(同様に拘束層によって切断されている)に出会うまで、閉じ込められてない例におけるように継続する。切断された球晶は対称的ではなく、ラメラ配向は、平均して、もはやランダムではない。切断された球晶は、反対側の拘束層を用いて球晶の上の部分及び下の部分を排除することによって形成される。切断された球晶は、フィルムの水平面と比較して、その方向に対してより垂直な構成要素を有するラメラを有する。
特定の理論に束縛されるものではないが、出願者は、ナノ層構造における切断された球晶の形成がバリア能を予想外に最適化することを発見した。(1)層厚の制御ならびに(2)バリア及び拘束性構成要素の選択により、有効水分透過率及び有効酸素透過率の両方における予想外の改良を示す切断された球晶の配向を有するナノ層を得ることができる。
ベンチマークとして、ポリエチレンオキシド(PEO)バリアは、面内結晶ラメラに起因して最も薄い層による低い透過速度から始まり、次いで、層厚が増加するにつれてバルクポリマーの透過速度まで上昇するという関係を示す。
対照的に、ポリエチレンの場合、ナノ層フィルムにおける小さい層厚では、バルクの透過速度を上回る透過速度の減少を引き起こさないエッジオン結晶ラメラが存在することが分かっている。例えば、Pan et al,J.Polym.Sci.,Polym.Phys.,28 1105(1990)を参照されたい。
出願者は予想外に、プロピレン系ポリマー(そして特にプロピレンホモポリマー)が30nm〜1000nm、そして特に100nm〜500nmの層厚で最適な透過速度を示すナノ層構成を発見し、作製した。
プロピレン系ポリマー(バリアポリマーA層)は、プロピレン系ポリマーがポリカーボネートまたはCOP(B層)によって拘束されると、活性な表面(界面)核形成に起因して「エッジオン」ラメラ構造を形成する。出願者は、最適な層厚(100nm〜500nm)では、ラメラ構造のエッジオン部分が球晶から除去され(または切断され)、球晶構造の残りの部分の結晶化度が減少しない状態になることを発見した。出願者の切断された球晶構造は、非拘束系におけるランダムに配向されたラメラ構造(雪の結晶)と比較して、「エッジオン」ラメラ(バリアとして不向き)に対する「面内」ラメラ(バリアに向いている)の比を増加させる。この切断された球晶構造は、配向と結晶化度の間で予想外にバランスを見出し、有効水分透過率及び有効酸素透過率の両方における相乗的な改良を示す。
G.物品
本開示は、物品を提供する。一実施形態において、本発明の多層フィルムは、物品の構成要素である。好適な物品の非限定的な例として、積層構造、ダイ成形物品、熱成形物品、真空成形物品、または圧力成形物品が挙げられる。他の物品として、管、パリソン、及びビンまたは他の容器等の中空成形物品が挙げられる。
試験方法
結晶化度パーセント、融解温度、Tm、結晶化温度(Tc)、及びガラス遷移温度(Tg)のそれぞれを、以下に記載する示差走査熱量測定(DSC)の様式によって測定する。
DSC
示差走査熱量測定(DSC)は、広い温度範囲にわたってポリマーの溶融、結晶化、及びガラス遷移挙動を測定するために使用することができる。例えば、RCS(冷蔵冷却システム)及びオートサンプラーを備えたTA InstrumentsのQ1000 DSCを使用してこの分析が行われる。試験中、50ml/分の窒素パージガス流が使用される。各サンプルを約175℃で溶融プレスして薄いフィルムにし、次いで、溶融したサンプルを室温(約25℃)まで空冷する。冷却したポリマーから3〜10mg、直径6mmの試料を抽出し、重量を量り、軽量のアルミニウムパン(ca 50mg)に入れ、圧着して閉じる。次いで、分析を行ってその熱特性を決定する。
サンプルの温度を上下させて熱流対温度プロファイルを作成することによりサンプルの熱挙動を決定する。最初に、サンプルを180℃まで急速に加熱し、その熱履歴を除去するために3分間等温に保持する。次いで、サンプルを10℃/分の冷却速度で−40℃まで冷却し、3分間−40℃に保持する。次いで、サンプルを10℃/分の加熱速度で180℃まで加熱する(これは「第2の加熱」ランプである)。冷却曲線及び第2の加熱曲線を記録する。結晶化の最初から−20℃までベースラインの終点を設定することにより冷却曲線を分析する。−20℃から溶融の終了までベースラインの終点を設定することにより加熱曲線を分析する。決定される値は、推定される融解開始点Tm、及び推定される結晶化開始点Tc、融解熱(H)(ジュール/グラム)、及び下の方程式を使用してポリエチレンサンプルについて計算される結晶化度%である:
結晶化度%=((H)/292J/g)×100
融解熱(H)及びピーク融解温度は、第2の加熱曲線から報告される。ピーク結晶化温度は、冷却曲線から決定される。
融点Tmは、最初に融解転移の開始と終了の間にベースラインを引くことによってDSC加熱曲線から決定される。次いで、融解ピークの低温側のデータに対する接線を引く。この線がベースラインと交差する場所が、推定される融解開始点(Tm)である。これは、B.Wunderlich in Thermal Characterization of Polymeric Materials,2nd edition,Academic Press,1997,E.Turi ed.,pgs 277 and 278に記載される通りである。
結晶化温度Tcは、上記のようにDSC冷却曲線から決定されるが、但し、接線は結晶化ピークの高温側に引かれる。この接線がベースラインと交差する場所が、推定される結晶化開始点(Tc)である。
ガラス遷移温度Tgは、DSC加熱曲線によって決定され、サンプルの半分が、B.Wunderlich in Thermal Characterization of Polymeric Materials,2nd edition,Academic Press,1997,E.Turi ed.,pg 278 and 279に記載されるように液体熱容量を得た。ガラス遷移領域の下側及び上側からベースラインを引き、Tg領域を通して推定する。サンプルの熱容量がこれらのベースラインの間の途中にある温度がTgである。
密度は、ASTM D 792に従って測定する。
有効透過率(Peff)以下の方程式(I)を使用して、個々のバリア層について有効透過率(水分及び酸素)を計算する:
式中、Pは、ナノ層構成要素の透過率であり、V及びVは、それぞれバリア及び閉じ込めポリマーの体積分率であり、P及びPは、それぞれバリア及び閉じ込めポリマーの透過率である。有効水分透過率は、g−ミル/100インチ(in)/日及びg−ミル/メートル(m)/24時間(時間)として測定する。
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D 1238、条件280℃/2.16kg(g/10分)に従って測定する。
メルトインデックス(MI)は、ASTM D 1238、条件190℃/2.16kg(g/10分)に従って測定する。
水分透過率は、最初に、所与のフィルムの厚さについて水蒸気透過速度(WVTR)を測定することによって実行される正規化された計算である。WVTRは38℃で測定し、100%相対湿度及び1atmの圧力はMOCON Permatran−W 3/31を用いて測定する。National Institute of Standards and Technologyが認可する、既知の水蒸気輸送特性の厚さ25μmのポリエステルフィルムを用いて機器を較正する。試料を調製し、ASTM F1249に従ってWVTRを行う。
酸素透過率は、最初に、所与のフィルムの厚さについて酸素透過速度(OTR)を測定することによって実行される正規化された計算である。OTRは23℃で測定し、0%相対湿度及び1atmの圧力はMOCON OX−TRAN 2/20を用いて測定する。National Institute of Standards and Technologyが認可する、既知のO輸送特性のMylarフィルムを用いて機器を較正する。試料を調製し、ASTM D 3985に従ってOTRを行う。次に、以下の実施例において、本開示のいくつかの実施形態を詳細に説明する。
本発明の実施例において、ポリカーボネートまたは環状オレフィンポリマー拘束層とともに共押出されたプロピレン系ポリマーバリア層(すなわち、プロピレンホモポリマー)から、(「対照」であるという記載のない限り)本開示による実験フィルムを調製した。
表1は、プロピレン系ポリマー材料について要約しており、商標名、密度、Tc、Tm、及びMFRを提供する。プロピレン系ポリマー材料PP1572は、ExxonMobilから市販されている。
表2は、ポリカーボネートを要約している。ポリカーボネートはAPEC 1745であり、これはBayerから市販されている。
表3は、COP材料について要約しており、商標名、密度、環単位、環単位の重量百分率、対照フィルムを提供する。COP材料HP030は、Taiwan Rubber Companyから市販されている。
PP1(バリア層)及びPC1またはCBC1(拘束層)のいずれかが交互になった33個、65個、129個、及び257個の薄層を有する実験フィルムを調製する:得られる最終的な層厚は、フィルムをドローダウンした最終的な厚さによって提供される。公称フィルム厚さ(「公称フィルム厚さ」)、公称PP1層厚、公称拘束層厚、及び総スキン層体積百分率(両方のスキン層を含む)を、下の表4A〜4C及び5A〜5Bに提供する。以前に説明したように、また図1に示すように、本発明の多層フィルムは、フィードブロックプロセスによって作製される。
コア構成要素は、ポリマーA(PP1)及びポリマーB(拘束層PC1またはCBC1)から作製され、溶融ポンプによって(上に記載したような)BABフィードブロック構成を有する共押出フィードブロックに接続された2つの3/4インチ(19.05mm)単軸スクリュー押出機によって押出される。溶融ポンプは、フィードブロック内で組み合わされる2つの溶融流を制御する:溶融ポンプの速度を調節することによって、相対的な層厚、すなわち、A対Bの比を変化させることができる。フィードブロックは、表に示すA:Bの総体積比でBがA層のどちらかの側で等しい厚さのB層に分割したBAB構成における3つの平行な層として供給流をレイヤーマルチプライヤーに供給する。次いで、7回の多層化が用いられ、それぞれが、流れを2つのチャネルに分割して積み重ね、33個、65個、129個、または257個の交互になった個別のミクロ層を有する最終フィルムを提供する。さらなる押出機によって、最終フィルムの約34または50体積パーセントであるPP1のスキン層が各表面に提供される(フィルムの各側に17または25体積%)。
2つのポリマー溶融物の粘度を確実に合わせるために、マルチプライヤー生成物の全ての流れ及び層について、押出機、マルチプライヤー、及びダイの温度を240℃に設定する。マルチプライヤー押出成形物は、80℃の温度を有する冷却ロールまで20ミルのダイ間隔を有する平坦な14インチ(35.5cm)のダイから押出されるが、ダイと冷却ロールとの間にほとんどエアギャップがなく、比較的迅速なフィルムの冷却を提供する。全体的な流速は約3lb/時間(1.36kg/時間)である。
クライオウルトラミクロトーム(RMCのMT6000−XL)を用いて、包埋されたフィルムを−75℃で厚さを通して薄切し、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて断面を調べ、層及び層内の形態を可視化する。Nanoscope IIIa MultiMode走査プローブ(Digital Instruments)のタッピングモードを用いて、位相及び高さの画像または断面を空気中、周囲温度で同時に記録する。いくらかの不均一性が認められるものの、平均層厚は、フィルムの厚さ、組成比、及び層の総数から計算される公称層厚に極めて近いことが観察される。
対照フィルム(1ミル、25ミクロン)をPP1、樹脂から押出し、有効水分透過率の対照値について以下に記載するように検査する。
PP1層厚が290nmであるとき、計算されるPP1層は、PP1対照と比較して水分透過率の〜2倍の改良を示す。
PP層厚が290nmであるとき、正規化されたPP層の水分透過率は、押出されたPP対照と比較して〜2倍の改良を示した。
水分透過率のPeffの計算(g−ミル/100インチ/日):
この方程式は、以下のように3材料系(バリアポリマー、拘束性ポリマー、スキン材料)に拡張することができる:
水分透過率の計算:
この方程式は、3材料系にも拡張することができる:
水分透過率
A.表5A中の厚さ290nmのPP1(バリア)及びCBC1(拘束性)の例に関する計算(PP1/CBC1の場合)
(1)測定された水分透過率=0.35
(2)Peffの計算:Peff、PP1=0.375(1/0.35−0.125/1.1−0.5/0.5)^−1=0.22(入力値:ミクロ層コア内のPP1の体積=0.375(37.5%)、全体的なフィルムの水分透過率(測定値)=0.35、CBC1の体積=0.125、CBC1の透過率=1.1、PP1スキンの体積=0.5、及びスキンPP1の透過率=0.5)
B.表4B中の厚さ290nmのPP1(バリア)及びPC1(拘束性)の例に関する計算(PP1/PC1の場合)
(1)測定された水分透過率=0.40
(2)Peffの計算:Peff、PP1=0.375(1/0.40−0.125/16.5−0.5/0.5)^−1=0.26(入力値:ミクロ層コア内のPP1の体積=0.375(37.5%)、全体的なフィルムの水分透過率(測定値)=0.40、PC1の体積=0.125、PC1の透過率=16.5、PP1スキンの体積=0.5、及びスキンPP1の透過率=0.5)
必要なだけ多くの構成要素に対応するように、シリーズモデルを以下に示すように拡張することができる:
式中、P=多層フィルムの測定された透過率であり、
Φ=ポリマーiの体積分率であり、
=ポリマーiの透過率である。
出願者は、切断された球晶構造を有する100nm〜500nmのPP1バリアが有効水分透過率の予想外の低下(すなわち、改良されたバリア特性)を示すことを発見した。有効水分透過率は、ミクロ層によって〜2倍、延伸後に〜4倍、対照よりも改善された。
本開示は、本明細書に含まれる実施形態及び例に限定されるのではなく、実施形態の一部及び異なる実施形態の要素の組み合わせを含むこれらの実施形態の改変された形態を、以下の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとして含むことを特に意図する。

Claims (17)

  1. A層及びB層の15〜1000個の交互層を含むコア構成要素を含み、
    A層は、100nm〜500nmの厚さを有し、結晶化温度(Tc)を有するプロピレン系ポリマーを含み、
    B層は、Tc<Tgであるガラス遷移温度(Tg)を有する第2のポリマーを含み、
    A層は、1.55g−ミル/m/24時間〜4.65g−ミル/m/24時間以下の有効水分透過率を有する、共押出多層フィルム。
  2. A層は、200nm〜400nmの厚さを有する、請求項1に記載の前記多層フィルム。
  3. A層は、125℃未満のTcを有するプロピレンホモポリマーを含む、請求項1または2のいずれかに記載の前記多層フィルム。
  4. 前記プロピレンホモポリマーは、1.5g/10分〜2.5g/10分のメルトフローレートを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の前記多層フィルム。
  5. 前記プロピレンホモポリマーは、35%〜60%の結晶化度を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の前記多層フィルム。
  6. 前記第2のポリマーは、ポリカーボネート及び環状オレフィンポリマーからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の前記多層フィルム。
  7. A層は、125℃未満のTc及び1.5g/10分〜2.5g/10分のメルトフローレートを有するプロピレンホモポリマーを含み、
    B層は、125℃を超えるTgを有するポリカーボネートを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の前記多層フィルム。
  8. g−Tcは、20℃を超える、請求項1〜7のいずれかに記載の前記多層フィルム。
  9. A層は、200nm〜400nmの厚さを有し、またA層は、3.1g−ミル/m/24時間〜4.65g−ミル/m/24時間以下の有効水分透過率を有する、請求項1〜8の請求項いずれかに記載の前記多層フィルム。
  10. A層は、125℃未満のTcを有するプロピレンホモポリマーを含み、
    B層は、125℃を超えるTgを有する環状オレフィンポリマーを含む、請求項1〜6の請求項いずれかに記載の前記多層フィルム。
  11. g−Tcは、20℃を超える、請求項10に記載の前記多層フィルム。
  12. 前記環状オレフィンポリマーは、環状ブロックコポリマーである、請求項10に記載の前記多層フィルム。
  13. 前記環状ブロックコポリマーは、ペンタブロック水素添加スチレンを含む、請求項12に記載の前記多層フィルム。
  14. A層は、200nm〜400nmの厚さを有し、またA層は、3.1g−ミル/m/24時間〜4.65g−ミル/m/24時間以下の有効水分透過率を有する、請求項10に記載の前記多層フィルム。
  15. 前記コア構成要素は、0.1ミル〜10.0ミルの厚さを有する、請求項1〜14のいずれかに記載の前記多層フィルム。
  16. 少なくとも1つのスキン層を含む、請求項1〜15のいずれかに記載の前記多層フィルム。
  17. 前記スキン層は、プロピレン系ポリマーを含む、請求項16に記載の前記多層フィルム。
JP2016523882A 2013-06-28 2014-06-25 プロピレン系ポリマーバリア層を有する共押出多層フィルム Expired - Fee Related JP6469667B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361840585P 2013-06-28 2013-06-28
US61/840,585 2013-06-28
PCT/US2014/044070 WO2015012996A2 (en) 2013-06-28 2014-06-25 Coextruded multilayer film with propylene-based polymer barrier layer

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016525027A true JP2016525027A (ja) 2016-08-22
JP6469667B2 JP6469667B2 (ja) 2019-02-13

Family

ID=51900961

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016523882A Expired - Fee Related JP6469667B2 (ja) 2013-06-28 2014-06-25 プロピレン系ポリマーバリア層を有する共押出多層フィルム

Country Status (9)

Country Link
US (1) US10583637B2 (ja)
EP (1) EP3013577B1 (ja)
JP (1) JP6469667B2 (ja)
CN (1) CN105339165B (ja)
AR (1) AR096744A1 (ja)
BR (1) BR112015031554B1 (ja)
ES (1) ES2727719T3 (ja)
MX (1) MX363535B (ja)
WO (1) WO2015012996A2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11945196B2 (en) 2021-07-29 2024-04-02 Peak Nano Films, LLC Films and sheets having microlayers and nanolayers including recycled content

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10157033A (ja) * 1996-10-04 1998-06-16 Mitsui Chem Inc ポリプロピレン系多層積層体
JP2000334890A (ja) * 1999-03-24 2000-12-05 Nippon Zeon Co Ltd 包装フィルム
US20100143709A1 (en) * 2008-12-05 2010-06-10 Eric Baer Confined crystallization multilayer films
WO2010096608A2 (en) * 2009-02-21 2010-08-26 Dow Global Technologies Inc. Multilayer structures having annular profiles and methods and apparatus of making the same
JP2010540300A (ja) * 2007-10-02 2010-12-24 バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド マイクロレイヤー構造を含むフィルム
JP2013111822A (ja) * 2011-11-28 2013-06-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 多層フィルムおよび包装体

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3557265A (en) 1967-12-29 1971-01-19 Dow Chemical Co Method of extruding laminates
US3565985A (en) 1969-04-10 1971-02-23 Dow Chemical Co Method of preparing multilayer plastic articles
US3884606A (en) 1971-10-01 1975-05-20 Dow Chemical Co Apparatus for multilayer coextrusion of sheet or film
US4842791A (en) 1987-06-30 1989-06-27 The Dow Chemical Company Extrusion apparatus and process for production of multilayer film containing an inner barrier layer
US5094793A (en) 1990-12-21 1992-03-10 The Dow Chemical Company Methods and apparatus for generating interfacial surfaces
US5094788A (en) 1990-12-21 1992-03-10 The Dow Chemical Company Interfacial surface generator
DE60020947T2 (de) 1999-03-19 2006-05-11 The Dow Chemical Company, Midland Hydrogenierte block-copolymere
US6632890B1 (en) * 1999-03-19 2003-10-14 Dow Global Technologies Inc. Hydrogenated block copolymer compositions
FR2794682B1 (fr) 1999-06-11 2002-06-21 Cebal Materiau barriere a micro-couches extrudees
WO2002006047A2 (en) 2000-07-13 2002-01-24 Dow Global Technologies Inc. Tubular multilayer films, method and apparatus for preparing the same
CN101044011A (zh) * 2004-10-22 2007-09-26 陶氏环球技术公司 制造成型塑料加强合成制品的装置和方法
US7451554B2 (en) 2005-10-19 2008-11-18 Nike, Inc. Fluid system having an expandable pump chamber
MX2008015361A (es) * 2006-06-01 2008-12-16 Sunoco Inc R&M Polipropileno de alta cristalinidad de indice de flujo de fusion alto.
CN104589712A (zh) 2006-07-14 2015-05-06 陶氏环球技术有限责任公司 各向异性泡沫-薄膜复合结构
WO2009086393A1 (en) 2007-12-27 2009-07-09 Baxter International Inc. Barrier films containing microlayer structures
US8778245B2 (en) * 2008-12-05 2014-07-15 Case Western Reserve University Axially oriented confined crystallization multilayer films
CN101992888B (zh) 2009-08-21 2014-01-15 翁文桂 一种用于阻隔性包装的无金属箔的叠层材料
EP2697061A1 (en) 2011-04-13 2014-02-19 Dow Global Technologies LLC Microlayer barrier films

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10157033A (ja) * 1996-10-04 1998-06-16 Mitsui Chem Inc ポリプロピレン系多層積層体
JP2000334890A (ja) * 1999-03-24 2000-12-05 Nippon Zeon Co Ltd 包装フィルム
JP2010540300A (ja) * 2007-10-02 2010-12-24 バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド マイクロレイヤー構造を含むフィルム
US20100143709A1 (en) * 2008-12-05 2010-06-10 Eric Baer Confined crystallization multilayer films
WO2010096608A2 (en) * 2009-02-21 2010-08-26 Dow Global Technologies Inc. Multilayer structures having annular profiles and methods and apparatus of making the same
JP2013111822A (ja) * 2011-11-28 2013-06-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 多層フィルムおよび包装体

Also Published As

Publication number Publication date
US20160152009A1 (en) 2016-06-02
EP3013577A2 (en) 2016-05-04
WO2015012996A2 (en) 2015-01-29
WO2015012996A3 (en) 2015-04-30
WO2015012996A9 (en) 2015-03-12
WO2015012996A4 (en) 2015-06-18
BR112015031554B1 (pt) 2021-11-16
CN105339165A (zh) 2016-02-17
MX363535B (es) 2019-03-27
MX2015017803A (es) 2016-04-13
ES2727719T3 (es) 2019-10-18
CN105339165B (zh) 2018-11-02
JP6469667B2 (ja) 2019-02-13
BR112015031554A2 (pt) 2017-07-25
US10583637B2 (en) 2020-03-10
EP3013577B1 (en) 2019-03-27
AR096744A1 (es) 2016-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6133325B2 (ja) 改良された水蒸気遮断層を有する共押出多層環状オレフィンポリマーフィルムまたはシート
JP6506750B2 (ja) プロピレン系ポリマー及びエチレン系ポリマーを含む共押出多層フィルム
TW202146225A (zh) 複合薄膜及使用其之積層薄膜與積層體
JP6469667B2 (ja) プロピレン系ポリマーバリア層を有する共押出多層フィルム
US10259154B2 (en) Coextruded multilayer film with beta-propylene-based barrier layer
JP2016525026A (ja) バリア特性を有する共押出多層フィルム
AU2015267122B2 (en) Process for producing multilayer film
TW201244936A (en) Multilayered film having excellent barrier and thermal adhesion properties
JPWO2022102706A5 (ja)
JP2018153943A (ja) ポリオレフィン系樹脂積層フィルム、該積層フィルムを用いた医療用具及び医療用包装体

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160726

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170613

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6469667

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S802 Written request for registration of partial abandonment of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311802

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees