JPH10157033A - ポリプロピレン系多層積層体 - Google Patents

ポリプロピレン系多層積層体

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JPH10157033A
JPH10157033A JP25539197A JP25539197A JPH10157033A JP H10157033 A JPH10157033 A JP H10157033A JP 25539197 A JP25539197 A JP 25539197A JP 25539197 A JP25539197 A JP 25539197A JP H10157033 A JPH10157033 A JP H10157033A
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Japan
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layers
laminate
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Application number
JP25539197A
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English (en)
Inventor
Ryoji Mori
亮 二 森
Akio Ishimoto
本 昭 夫 石
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性、硬度、透明性、耐油性などに優れると
ともに耐衝撃性にも優れたポリプロピレン系多層積層体
およびその成形体を提供する。 【解決手段】 (A)64℃デカン可溶成分を0.1〜
25重量%の量で含有し、メルトフローレートが0.0
1〜100g/10分であるポリプロピレンからなる層
と、(B)(B-1) 密度が0.855〜0.95g/cm3
あり、メルトフローレートが0.01〜50g/10分で
あるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体または
(B-2) 芳香族ビニル・共役ジエン系エラストマーからな
るゴム層とが積層されてなり、上記(A)層および
(B)層を合計で5層以上好ましくは20〜10000
0層有し、積層体表面の少なくとも片面好ましくは両面
が、ポリプロピレン層(A)である多層積層体。(B)
ゴム層の平均層厚みは5μm以下であることが望まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、剛性、硬度および耐油性
などに優れるとともに耐衝撃性にも優れたポリプロピレ
ン系多層積層体およびその成形体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリプロピレンは、剛性、硬度、
耐熱性および耐油性などに優れており、射出成形、カレ
ンダー成形、押出成形などの種々の成形法によって容易
に所望形状にすることができ、しかも安価であるので従
来より広範な用途たとえば、家電製品のハウジング、フ
ィルムまたはシート、容器、自動車内装用途、フェンダ
ー、バンパー、サイドモール、マッドガード、ミラーカ
バーなどの自動車外装用途、一般雑貨用途などに広く利
用されている。
【0003】また種々用途に応じて、ポリプロピレンを
改質する方法も研究されており、たとえばポリエチレン
あるいはゴム成分たとえばポリイソブチレン、ポリブタ
ジエン、非晶性あるいは低結晶性エチレン・プロピレン
共重合体(EPR)などを配合し、耐衝撃性の改善され
たポリプロピレン組成物を形成する方法が知られてい
る。このようなポリプロピレン組成物は、一般的にポリ
プロピレンにゴム成分を配合して混合(ブレンド)し、
押出機などで溶融混練することによりポリプロピレンと
ゴム成分との分散構造体として得られている。
【0004】しかしながら上記のようなポリプロピレン
組成物では、耐衝撃性を高めるためには多量のゴム成分
を配合する必要があり、これによって剛性、硬度、透明
性、耐油性などがポリプロピレンよりも低下するという
問題点があった。
【0005】本発明者は、このようなポリプロピレンの
改質について研究したところ、ポリプロピレンとゴム成
分とを薄層状で5層以上に積層すると、上記のような混
練物(分散構造体)に比較して耐衝撃性の改質効果が著
しく、したがってゴム成分量が少なくても優れた改質効
果を発現し、耐衝撃性に優れ、剛性、硬度、透明性、耐
油性などにも優れたポリプロピレン多層積層体が得られ
ることを見出して本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、剛性、硬度、透明性、耐油性
などに優れるとともに耐衝撃性にも優れたポリプロピレ
ン系多層積層体およびその成形体を提供することを目的
としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係るポリプロピレン系多層積層
体は、 (A)64℃デカン可溶成分を0.1〜25重量%の量
で含有し、メルトフローレート(MFR:ASTM D
1238;230℃、2.16kg荷重下で測定) が0.
01〜100g/10分であるポリプロピレンからなる層
と、 (B)(B-1) 密度が0.855〜0.95g/cm3 であ
り、メルトフローレート(MFR:ASTM D123
8;190℃、2.16kg荷重下で測定)が0.01〜5
0g/10分であるエチレン・α−オレフィンランダム共
重合体または(B-2) 芳香族ビニル・共役ジエン系エラス
トマーからなるゴム層とが積層されてなり、上記(A)
層および(B)層を合計で5層以上有し、積層体表面の
少なくとも片面が、ポリプロピレン層(A)であること
を特徴としている。
【0008】ポリプロピレン系多層積層体は、上記
(A)層および(B)層を合計で20〜100000層
有することが望ましい。これら(A)層および(B)層
は、通常交互に積層されており、積層体表面の両面がポ
リプロピレン層(A)であることが好ましい。
【0009】積層体を形成する層の平均層厚みは、通常
0.001〜500μmである。 (B)ゴム層の平均層厚みは5μm以下であることが望
ましい。本発明に係るフィルムまたはシートは、上記の
ようなポリプロピレン系多層積層体からなる。このポリ
プロピレン系多層積層体は、射出成形品として得ること
ができる。また本発明では、該ポリプロピレン系多層積
層体を成形して得られる回転成形体、中空成形体も提供
される。
【0010】
【発明の具体的説明】本発明に係る多層積層体は、
(A)ポリプロピレン層と(B)ゴム層とからなり、
(A)層および(B)層を合計で5層以上有し、かつ多
層積層体表面の少なくとも片面は(A)ポリプロピレン
層である。
【0011】(A)ポリプロピレン層 本発明では、上記のような多層積層体の(A)層を形成
するポリプロピレンとして、剛性、硬度、耐油性および
耐衝撃性のバランスの点から、64℃デカン可溶成分を
0.1〜25重量%好ましくは0.1〜20重量%特に好
ましくは0.1〜15重量%の量で含有するポリプロピ
レンが用いられる。
【0012】また多層積層体を製造しやすくするため
に、メルトフローレート(MFR:ASTM D123
8;230℃、2.16kg荷重下で測定)は、0.01〜
100g/10分好ましくは0.05〜100g/10分特
に好ましくは0.05〜80g/10分であるポリプロピ
レンが用いられる。
【0013】本発明では、(A)ポリプロピレン層を形
成する際には、64℃デカン可溶成分量およびメルトフ
ローレート値が上記のような値であれば公知の種々のポ
リプロピレンが特に限定されることなく用いられ、具体
的にはホモポリプロピレン、プロピレンと他のα−オレ
フィンとの共重合体が用いられる。この共重合体はブロ
ック共重合体であってもランダム共重合体であってもよ
い。またその製造方法も特に限定されない。
【0014】ポリプロピレンの64℃デカン可溶成分量
は、下記のように測定される。1リットルのフラスコ
に、3gの試料(ポリプロピレン)、20mgの2,6-ジ-t
ert-ブチル-4-メチルフェノール、500mlのn-デカン
を入れ、145℃で加熱して溶解させる。溶解後8時間
かけて64℃まで冷却し、64℃で8時間維持する。析
出した固体と、溶解した重合体を含むn-デカン溶液とを
グラスフィルターで濾過分離する。液相を減圧下150
℃で恒量になるまで乾燥し、その重量を測定する。得ら
れた重合体溶解量を、試料の重量に対する百分率として
算出し、ポリプロピレンの64℃デカン可溶成分量とす
る。
【0015】上記ポリプロピレンの64℃デカン可溶成
分は、実質的にポリプロピレン中の共重合ゴム成分およ
びアタクティック成分である。ポリプロピレンがブロッ
ク共重合体である場合には、この64℃デカン可溶成分
のエチレン単位含有量は、20〜45モル%好ましくは
20〜45モル%であることが望ましい。このエチレン
単位含有量は、64℃デカン可溶成分の13C−NMRか
ら常法により求めることができる。
【0016】また多層積層体が充分な剛性、硬度、耐油
性を発現しうるためにポリプロピレンは、64℃デカン
不溶成分でかつ沸騰ヘプタン不溶成分を50〜95重量
%好ましくは70〜93重量%の量で含有していること
が望ましく、さらにこの沸騰ヘプタン不溶成分の立体規
則性指標であるペンタッドアイソタクティシティ
[I 5]は、0.95〜0.99好ましくは0.97〜0.
99であることが望ましい。このペンタッドアイソタク
ティシティは、沸騰ヘプタン不溶成分の13C−NMRか
ら常法により求めることができる。
【0017】本発明では、上記のようなポリプロピレン
のうちでも、結晶性ポリプロピレンであることが望まし
く、具体的にホモポリプロピレンであることが望まし
い。ポリプロピレンのX線回折法で測定される結晶化度
は、通常60%以上好ましくは65%以上さらに好まし
くは65〜95%である。
【0018】なおポリプロピレン特にホモポリプロピレ
ンは、予備重合体として3-メチル-1-ペンテン重合体な
どを含有していると、結晶化速度が大きくなるため好ま
しい。
【0019】本発明では、上記のようなポリプロピレン
の2種以上の混合物から(A)ポリプロピレン層を形成
してもよい。また多層積層体は、互いに異なるポリプロ
ピレン層を2種以上有していてもよい。
【0020】(B-1) エチレン・α−オレフィンランダム
共重合体 本発明でゴム層(B)を形成する際に用いられるエチレ
ン・α−オレフィンランダム共重合体は、エチレンと炭
素数3〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体で
あって、エラストマー状物であることが望ましい。
【0021】エチレン・α−オレフィンランダム共重合
体(B-1) は、炭素数3〜20のから導かれる単位を2種
以上含有していてもよく、また他の重合性モノマーから
導かれる単位を2種以上含有していてもよい。
【0022】このエチレン・α−オレフィンランダム共
重合体(B-1) は、多層積層体の耐衝撃性、表面硬度の点
からエチレンから導かれる単位を60〜99.8モル%
の量で、炭素数3〜10のα−オレフィンから導かれる
単位を0.2〜40モル%の量で含有していることが望
ましい。
【0023】このようなα−オレフィンとしては、たと
えばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、
1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-ヘ
キサドデセン、4-メチル-1-ペンテンなどが挙げられ
る。
【0024】これらのうちでも、炭素数4〜10のα−
オレフィンが好ましい。エチレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体(B-1) は、2種以上の上記α−オレフィン
から導かれる単位を含有していてもよく、また本発明の
特性を損なわない範囲であれば、必要に応じて他の重合
性モノマーから導かれる単位を含有していてもよい。
【0025】このような他の重合性モノマーとしては、
たとえばスチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシク
ロヘキサン、ビニルノルボルナンなどのビニル化合物
類、酢酸ビニルなどのビニルエステル、無水マレイン酸
などの不飽和有機酸またはその誘導体、共役ジエン類、
1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-
ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-
1,6-オクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキ
サジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネ
ン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボル
ネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデ
ン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル
-2-ノルボルネン、2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボル
ネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネ
ン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエンなどの非共役
ポリエン類などが挙げられる。
【0026】エチレン・α−オレフィンランダム共重合
体(B-1) は、このような他の重合性モノマーから導かれ
る単位を、10モル%以下好ましくは5モル%以下より
好ましくは3モル%以下の量で含有していてもよい。
【0027】本発明では、上記のうちでも耐衝撃性の観
点から密度が0.855〜0.95g/cm3 好ましくは
0.86〜0.95g/cm3 さらに好ましくは0.86〜
0.945g/cm3 より好ましくは0.86〜0.91g
/cm3 特に好ましくは0.86〜0.90g/cm3 のエチ
レン・α−オレフィンランダム共重合体(B-1) が用いら
れる。
【0028】またこのエチレン・α−オレフィンランダ
ム共重合体(B-1) のメルトフローレート(MFR:AS
TM D1238;190℃、2.16kg荷重下)は、
得られる多層積層体および成形体の耐衝撃性、成形性、
外観の観点から0.01〜50g/10分であり、好まし
くは0.05〜50g/10分さらに好ましくは0.01〜
40g/10分である。
【0029】本発明では、エチレン・α−オレフィンラ
ンダム共重合体(B-1) としては、具体的には、エチレン
・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンラ
ンダム共重合体、エチレン・プロピレン・1-ブテンラン
ダム共重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノル
ボルネンランダム共重合体、エチレン・1-ヘキセンラン
ダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダム共重合体
などが挙げられ、これらのうちでも、エチレン・1-ブテ
ンランダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダム共
重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体などが
特に好ましく用いられる。これらを2種以上併用しても
よい。
【0030】上記のようなエチレン・α−オレフィンラ
ンダム共重合体(B-1) は、バナジウム系触媒、チタン系
触媒またはメタロセン系触媒などを用いる従来公知の方
法により製造することができるが、これらのうちでもバ
ナジウム系触媒、メタロセン系触媒で製造されたエチレ
ン・α−オレフィンランダム共重合体(B-1) が好まし
い。
【0031】(B-2)芳香族ビニル・共役ジエン系エラス
トマー 本発明で用いられる芳香族ビニル・共役ジエン系エラス
トマー(B-2) は、芳香族ビニルブロック単位と共役ジエ
ンゴムブロック単位(あるいはその水素添加ゴムブロッ
ク単位)とからなる熱可塑性エラストマーである。この
ようなブロック共重合体エラストマーでは、ハードセグ
メントである芳香族ビニルブロック単位がソフトセグメ
ントであるゴムブロック単位の橋かけ点として存在して
物理架橋(ドメイン)を形成している。
【0032】芳香族ビニルブロック単位は、具体的にス
チレン、α−メチルスチレン、p-メチルスチレンなどか
ら導かれ、共役ジエンブロック単位は、ブタジエン、イ
ソプレン、ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエンなど
から導かれる。
【0033】これらのうちでも、剛性および耐衝撃性の
バランスの点から密度が0.855〜0.95g/cm3
ましくは0.86〜0.95g/cm3 さらに好ましくは
0.86〜0.945g/cm3 特に好ましくは0.86〜
0.92g/cm3 の芳香族ビニル・共役ジエン系エラス
トマーが用いられる。
【0034】また成形性、多層積層体の外観、耐衝撃性
の点からメルトフローレート(MFR:ASTM D1
238;190℃、2.16kg荷重下)が、0.01〜5
0g/10分であり、好ましくは0.05〜50g/10分
さらに好ましくは0.01〜40g/10分である芳香族
ビニル・共役ジエン系エラストマーが用いられる。
【0035】さらに多層積層体の耐衝撃性、低温特性
(硬度など)の点から芳香族ビニル・共役ジエン系エラ
ストマーは、芳香族ビニルブロック重合単位を、5〜8
0重量%好ましくは7〜80重量%さらに好ましくは2
0〜65重量%の量で含有していることが望ましい。な
お芳香族ビニル単位の含有量は、赤外線分光法、NMR
分光法などの常法によって測定することができる。
【0036】このような芳香族ビニル・共役ジエンブロ
ック共重合体およびその水素添加物としては、具体的に
は、スチレン・ブタジエンブロック共重合体(SB)お
よびその水素添加物(SEB)、スチレン・ブタジエン
・スチレンブロック共重合体(SBS)およびその水素
添加物(SEBS;スチレン・エチレン/ブチレン・ス
チレンブロック共重合体)、スチレン・イソプレンブロ
ック共重合体(SI)およびその水素添加物(SE
P)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体(SIS)およびその水素添加物(SEPS;スチレ
ン・エチレン/プロピレン・スチレンブロック共重合
体)などが挙げられる。より具体的には、「クレイトン
(Kraton)」(シェル化学(株)製)、「キャリ
フレックスTR」(シェル化学(株)製)、「ソルプレ
ン」(フィリップスペトロリファム社製)、「ユーロプ
レンSOLT」(アニッチ社製)、「タフプレン」(旭
化成(株)製)、「ソルプレン−T」(日本エラストマ
ー社製)、「JSRTR」(日本合成ゴム社製)、「電
化STR」(電気化学社製)、「クインタック」(日本
ゼオン社製)、「クレイトンG」(シェル化学(株)
製)、「タフテック」(旭化成(株)製)(商品名)な
どを用いることができる。
【0037】これらのうちでも、SEBS(水添SB
S)、SEPS(水添SIS)が特に好ましく用いられ
る。上記の芳香族ビニル・共役ジエン系エラストマーは
2種以上組合わせて用いてもよい。
【0038】本発明では、ゴム層(B)は、エチレン・
α−オレフィンランダム共重合体(B-1) または芳香族ビ
ニル・共役ジエン系エラストマー(B-2)のいずれかで形
成されてもよく、またこれらの混合物で形成されてもよ
い。
【0039】また多層積層体は、(B-1) からなる層およ
び(B-2) からなる層を両方有していてもよい。多層積層体 本発明に係るポリプロピレン系多層積層体は、上記のよ
うな(A)ポリプロピレン(PP)層と(B)ゴム層と
が積層されてなり、この(A)PP層および(B)ゴム
層を、合計で5層以上、好ましくは20〜100000
層、さらに好ましくは50〜100000層より好まし
くは100〜100000層特に好ましくは1000〜
100000層より好ましくは2000〜100000
層有している。
【0040】このような多層積層体において、(A)P
P層および(B)ゴム層の平均層厚み(単層あたり)
は、通常0.001〜500μm好ましくは0.001〜
500μmより好ましくは0.001〜50μmである
が、(B)ゴム層の厚み(単層あたり)は、5μm以下
好ましくは1μm以下より好ましくは0.6μm以下特
に好ましくは0.2μm以下であることが望ましい。
【0041】また(A)PP層および(B)ゴム層の厚
みの比〔(A)/(B)〕は、通常10/90〜95/
5、好ましくは20/80〜90/10より好ましくは
50/50〜80/20である。
【0042】ポリプロピレン系多層積層体の全体の層の
厚みは、用途によっても異なるが、通常1μm〜50m
m程度、好ましくは10μm〜30mm程度である。ま
た本発明では、上記したように多層積層体は2種以上の
(A)層および/または2種以上の(B)層から形成さ
れていてもよい。この場合には、たとえば(B−1)層
/(A)層/(B−2)層/(B−1)層/(A)層・
・・あるいは(A−1)層/(B)層/(A−2)層/
(A−1)層/(B)層・・・のように異種のゴム層ど
うしあるいは異種のPP層どうしが接合しあってもよい
が、(A)層と(B)層とは交互に積層されてることが
好ましい。
【0043】本発明に係るポリプロピレン系多層積層体
表面の少なくとも片面はポリプロピレン層(A)である
が、硬度、耐油性、成形品の取り扱いやすさの点から両
面ともポリプロピレン層(A)であることがより好まし
い。
【0044】なお本発明では、上記のような各層は、本
発明の目的を損なわない範囲であれば、必要に応じて各
種添加剤、他の樹脂類、他のエラストマーなどを適宜含
有していてもよい。
【0045】添加材としては、フェノール系酸化防止
剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などの酸化防
止剤、塩酸吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、滑剤、芳香
族カルボン酸アルミニウム塩、芳香族リン酸エステル
塩、ジベンジリデンソルビトールなどの核剤、紫外線吸
収剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、分散剤、銅害
防止剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、気泡防止剤、架橋
剤、過酸化物などの流れ性改良剤、ウェルド強度改良剤
などが挙げられる。
【0046】フェノール系酸化防止剤としては、たとえ
ば2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ステアリル(3,3
-ジメチル-4-ヒドロキシベンジル)チオグリコレート、
ステアリル-β-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフ
ェノール)プロピオネート、ジステアリル-3,5-ジ-tert
-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、2,4,6-ト
リス(3',5'-ジ-tert-ブチル-4'-ヒドロキシベンジルチ
オ)-1,3,5-トリアジン、ジステアリル(4-ヒドロキシ-
3-メチル-5-tert-ブチルベンジル)マロネート、2,2'-
メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、
4,4'-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノー
ル)、2,2'-メチレンビス[6-(1-メチルシクロヘキシ
ル)p-クレゾール]、ビス[3,5-ビス[4-ヒドロキシ-3
-tert-ブチルフェニル)ブチリックアシド]グリコール
エステル、4,4'-ブチリデンビス(6-tert-ブチル-m-ク
レゾール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-
tert-ブチルフェニル)ブタン、ビス[2-tert-ブチル-4
-メチル-6-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルベ
ンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5-トリス(2,
6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-tert-ブチル)ベンジルイ
ソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4
-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、テ
トラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5-トリス
(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシ
アヌレート、1,3,5-トリス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソ
シアヌレート、2-オクチルチオ-4,6-ジ(4-ヒドロキシ-
3,5-ジ-tert-ブチル)フェノキシ-1,3,5-トリアジン、
4,4'-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)などの
フェノール類および4,4'-ブチリデンビス(2-tert-ブチ
ル-5-メチルフェノール)の炭酸オリゴエステル(例え
ば重合度2、3、4、5、6、7、8、9、10など)
などの多価フェノール炭酸オリゴエステル類が挙げられ
る。
【0047】硫黄系酸化防止剤としては、たとえばジラ
ウリル−、ジミリスチル−、ジステアリル−などのジア
ルキルチオジプロピオネートおよびブチル−、オクチル
−、ラウリル−、ステアリル−などのアルキルチオプロ
ピオン酸の多価アルコール(例えばグリセリン、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレー
ト)のエステル(例えばペンタエリスリトールテトララ
ウリルチオプロピオネート)が挙げられる。
【0048】リン系酸化防止剤としては、たとえばトリ
オクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ト
リデシルホスファイト、オクチル-ジフエニルホスファ
イト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファ
イト、トリフェニルホスファイト、トリス(ブトキシエ
チル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスフ
ァイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファ
イト、テトラ(トリデシル)-1,1,3-トリス(2-メチル-
5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ブタンジホスフ
ァイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)-4,4'-イソ
プロピリデンジフェニルジホスファイト、テトラ(トリ
デシル)-4,4'-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチ
ルフェノール)ジホスファイト、トリス(3,5-ジ-tert-
ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ホスファイト、トリス
(モノ・ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、水素化
-4,4'-イソプロピリデンジフェノールポリホスファイ
ト、ビス(オクチルフェニル)・ビス[4,4'-ブチリデ
ンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)]・1,6-
ヘキサンジオールジホスファイト、フェニル・4,4'-イ
ソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-ter
t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、トリス[4,4'-イソプロピリデンビス(2
-tert-ブチルフェノール)]ホスファイト、フェニル・
ジイソデシルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト)、トリス(1,3-ジ-
ステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、4,4'
-イソプロピリデンビス(2-tert-ブチルフェノール)・
ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、9,10-ジ-ヒドロ-9
-オキサ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキ
サイド、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-
4,4'-ビフェニレンジホスホナイトなどが挙げられる。
【0049】さらに他の酸化防止剤としては、6-ヒドロ
キシクロマン誘導体たとえばα、β、γ、δの各種トコ
フェロールあるいはこれらの混合物、2-(4-メチル-ペ
ンタ-3-エニル)-6-ヒドロキシクロマンの2,5-ジメチル
置換体、2,5,8-トリメチル置換体、2,5,7,8-テトラメチ
ル置換体、2,2,7-トリメチル-5-tert-ブチル-6-ヒドロ
キシクロマン、2,2,5-トリメチル-7-tert-ブチル-6-ヒド
ロキシクロマン、2,2,5-トリメチル-6-tert-ブチル-6-
ヒドロキシクロマン、2,2-ジメチル-5-tert-ブチル-6-
ヒドロキシクロマンなどが挙げられる。また一般式 MxAly(OH)2x+3y-2z(A)z・aH2O (ここでMはMg、CaまたはZn、Aは水酸基以外の
アニオン、x、yおよびzは正数、aは0または正数を
あらわす)で示される複化合物、たとえばMg6Al
2(OH)16CO3・4H2O、Mg10Al2(OH)
22(CO32・4H2O、Mg6Al2(OH)16HPO4
・4H2O、Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O、Z
6Al2(OH)16CO3・4H2O、Zn6Al2(O
H)16SO4・4H2O、Mg6Al2(OH)16SO3
4H2O、Mg6Al2(OH)16CO3・3H2Oなどを
たとえば塩酸吸収剤として添加することができる。
【0050】光安定剤としては、たとえば2-ヒドロキシ
-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクト
キシベンゾフェノン-2,2'-ジ-ヒドロキシ-4-メトキシベ
ンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンなどの
ヒドロキシベンゾフェノン類、2-(2'-ヒドロキシ-3'-t
ert-ブチル-5'-メチルフェニル)ー5ークロロベンゾトリ
アゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-tert-ブチルフ
ェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロ
キシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'
-ヒドロキシ-3',5'-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾト
リアゾールなどのベンゾトリアゾール類、フェニルサリ
シレート、p-tert-ブチルフェニルサリシレート、2,4-
ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロ
キシベンゾエート、ヘキサデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-
4-ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート類、2,2'
-チオビス(4-tert-オクチルフェノール)Ni塩、[2,
2'-チオビス(4-tert-オクチルフェノラート)]-n-ブ
チルアミンNi、(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ
ベンジル)ホスホン酸モノエチルエステルNi塩などの
ニッケル化合物類、α-シアノ-β-メチル-β-(p-メト
キシフェニル)アクリル酸メチルなどの置換アクリロニ
トリル類およびN'-2-エチルフェニル-N-エトキシ-5-ter
t-ブチルフェニルシュウ酸ジアミド、N-2-エチルフェニ
ル-N'-2-エトキシフェニルシュウ酸ジアミドなどのシュ
ウ酸ジアニリド類、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピ
ペリジン)セバシエート、ポリ[{(6-(1,1,3,3-テト
ラメチルブチル)イミノ}-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイ
ル{4-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)イミノ}ヘ
キサメチレン]、2-(4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメ
チル-1-ピペリジル)エタノールとコハク酸ジメチルと
の縮合物などのヒンダードアミン化合物が挙げられる。
【0051】滑剤としては、たとえばパラフィンワック
ス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスな
どの脂肪族炭化水素類、カプリン類、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン
酸、アラキジン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸類また
はこれらの金属塩類、すなわちリチウム塩、カルシウム
塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩など、
パルミチルアルコール、セチルアルコール、ステアリル
アルコールなどの脂肪族アルコール類、カプロン類アミ
ド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリル酸
アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ス
テアリン酸アミドなどの脂肪族アミド類、脂肪族とアル
コールとのエステル類、フルオロアルキルカルボン酸ま
たはその金属塩、フルオロアルキルスルホン酸金属塩な
どのフッ素化合物類が挙げられる。
【0052】また核剤を特にポリプロピレンに配合する
ことができる。核剤としては、従来知られている種々の
核剤が特に制限されることなく用いられるが、中でも下
記に挙げる核剤が好ましい。
【0053】
【化1】
【0054】(式中、R1は酸素、硫黄、もしくは炭素
数1〜10の炭化水素基であり、R2、R3は水素もしく
は炭素数1〜10の炭化水素基であり、R2、R3は同種
であっても異種であってもよく、R2同士、R3同士また
はR2とR3が結合して環状となっていてもよく、Mは、
1〜3価の金属原子であり、nは1〜3の整数であ
る。) 具体的には、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-
t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-
エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフ
ェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス-(4,6-ジ-t-ブ
チルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-エチリ
デン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェー
ト、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-i-プロピル-
6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-
メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォス
フェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-
t-ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム-ビス
[2,2'-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォ
スフェート] 、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス(4-エ
チル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、カルシ
ウム-ビス[2,2'-チオビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル) フォスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-チオ
ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、
マグネシウム-ビス[2,2'-チオビス-(4-t-オクチルフ
ェニル) フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-ブチリデ
ン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナ
トリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェ
ニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメ
チレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェー
ト、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-
ジ-t- ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム-
ビス-(2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル)フォスフェート) 、マグネシウム-ビス[2,2'-メチ
レン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェー
ト] 、バリウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-
ブチルフェニル) フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-
メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォス
フェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-
6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム(4,
4'-ジメチル-5,6'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル) フォ
スフェート、カルシウム-ビス[(4,4'-ジメチル-6,6'-
ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル) フォスフェート] 、ナ
トリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-m-ブチル-6-t-ブチ
ルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレ
ン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナ
トリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-エチルフェニ
ル) フォスフェート、カリウム-2,2'-エチリデン-ビス
(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、カルシ
ウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフ
ェニル) フオスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-
エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフ
ェート] 、バリウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6
-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、アルミニウ
ム-トリス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェ
ル)フォスフェート] およびアルミニウム-トリス[2,
2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォ
スフェート] およびこれらの組合せを例示することがで
きる。これらのうちではナトリウム-2,2'-メチレン-ビ
ス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェートが好ま
しい。
【0055】
【化2】
【0056】(式中、R4は水素もしくは炭素数1〜1
0の炭化水素基であり、Mは、1〜3価の金属原子であ
り、nは1〜3の整数である。) 具体的には、ナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)
フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-メチルフェニ
ル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-エチルフェ
ニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-i-プロピ
ルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-t-
オクチルフェニル)フォスフェート、カリウム-ビス(4
-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス
(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、マグネシウム
-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウ
ム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、アル
ミニウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート
およびこれらの組合せを例示することができる。これら
のうちではナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォ
スフェートが好ましい。
【0057】
【化3】
【0058】(式中、R5は水素もしくは炭素数1〜1
0の炭化水素基である。) 具体的には、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,
3-ベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトー
ル、1,3-ベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソル
ビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-ベンジリデ
ンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-ベン
ジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4
-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベ
ンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,
3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,
2,4-ジ(p-n-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,
3,2,4-ジ(p-i-プロピルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-n-ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-s-ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-t-ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(2',4'-ジメチルベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-メトキシベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-エトキシベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3-ベンジリデン-2-4-p-クロルベンジリデンソル
ビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-ベンジリデ
ンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メ
チルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリ
デン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-
メチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビ
トール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-クロルベン
ジリデンソルビトールおよび1,3,2,4-ジ(p-クロルベン
ジリデン)ソルビトールおよびこれらの組合せを例示す
ることができる。これらのうちでは、1,3,2,4-ジベンジ
リデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデ
ン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデ
ン)ソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-
メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-クロ
ルベンジリデン)ソルビトールおよびこれらの組合せが
好ましい。
【0059】その他の核剤としては、芳香族カルボン酸
や脂肪族カルボン酸の金属塩を用いることができ、具体
的には、安息香酸アルミニウム塩、p-t-ブチル安息香酸
アルミニウム塩やアジピン酸ナトリウム、チオフェネカ
ルボン酸ナトリウム、ピローレカルボン酸ナトリウムな
どが挙げられる。
【0060】またタルクのような無機化合物も支障のな
い限り核剤として用いることができる。上記のような多
層積層体において、(A)層と(B)層とは直接接合さ
れていてもよく、また必要に応じて接着剤を介して接合
されていてもよく、接合方法は特に限定されないが、熱
融着により圧着され積層一体化されていることが好まし
い。特に、圧延と積層との繰り返しによって、厚み減少
を伴いながら圧着加工されて接合(一体化)されている
ものが好ましい。このように積層一体化されてなる多層
積層体は、各層を形成する樹脂(またはゴム)の特性を
充分に発現することができる。またポリプロピレンとゴ
ム成分との分散構造体をフィルムに形成したとき不透明
になる厚みと同一厚みであっても、本発明の多層積層体
では透明を維持することができる。
【0061】上記のような多層積層体は、たとえば多層
Tダイ法、多層インフレーション法、押出ラミネーショ
ン法などの共押出成形法、ウエットまたはドライラミネ
ーション法、多層ブロー法、2色成形法、サンドイッチ
成形法、スタンピング成形法などの一般的な多層積層体
の成形法を採用して製造することができる。
【0062】本発明では、(1)少なくとも2層からな
る加熱状態の積層体を成形する工程、(2)加熱状態の
積層体を、その長手方向に平行であって、かつ積層界面
に垂直な面で複数に分割する工程、(3)得られた各分
割積層体を、その長手方向を回転軸として捻転させた
後、該分割積層体の平手面を互いに平行に維持する工
程、および(4)各分割積層体の平手面どうしを重ね合
わせて積層一体化して多層積層体を得る工程からなる多
層積層体の製造方法によって、上記のような多層積層体
を製造することができる。このような多層積層体の製造
方法を図面に基づいて具体的に説明する。図1に、本発
明の各工程を説明する概念図を示す。
【0063】なお各工程は、ダイの中に設けられた流路
を通過する加熱状態の多層樹脂流について説明される
が、この多層樹脂流は溶融状態であることが望ましい。工程(1) 工程(1)においては、A、B層からなる加熱状態の積
層体1を成形する。
【0064】工程(1)において、このようなA、B層
からなる積層体1は、フィルム、シート、ブロック状
に、加熱状態好ましくは溶融状態で長手方向に連続に成
形される。上記のような樹脂から溶融状態の積層体1を
形成するには、たとえば共押出しあるいは共射出などの
方法を利用することができる。
【0065】この工程(1)では、積層体1は、その平
手(幅)方向に広げられることが好ましい。このように
成形された積層体1は、通常、成形ダイの内部で長手方
向に連続的に工程(2)に供給される。
【0066】工程(1)において得られる積層体の厚さ
は、通常約100μmないし約50mm程度であり、各
層の厚さは、通常約50μmないし約20mm程度であ
ることが望ましい。
【0067】工程(2) 次いで工程(2)においては、上記工程(1)で得られ
た加熱状態の積層体1を、その長手方向に平行であっ
て、かつ積層界面に垂直な面で複数に分割する。分割本
数は、通常2〜6程度である。また積層体1は、一度で
目的本数に分割されてもよいが、多段階に分けて、好ま
しくは逐次2分割して、所望の本数にまで分割すること
が望ましい。
【0068】図1には、積層体1が、1a、1b、1
c、1dに4分割された例を示す。具体的には、工程
(1)から供給された積層体1は、ダイ内で4分割され
た流路に供給されることにより4分割される。
【0069】工程(2)においては、このように分割さ
れた各積層体1aないし1dを、平手方向において互い
に離隔して、各分割積層体1aないし1dを離間させる
ことが好ましい。
【0070】工程(3) 工程(3)においては、上記で得られた各分割積層体1
aないし1dを、その長手方向を回転軸として捻転した
後、該分割積層体の平手面を互いに平行に維持する。
【0071】分割積層体を捻転させる度合は、次工程
(4)において捻転後の分割積層体を再び積層一体化す
ることができるように、適宜決めることができる。この
捻転の角度が小さいと、各分割積層体の間隔が狭すぎ
て、ダイ内に各分割積層体の流路を確保することが困難
になる。一方捻転の角度が大きいと、各分割積層体の流
路間隔は十分確保できるが、積層一体化した後に捻転を
元に戻したり、平手方向を水平にする場合には長い流路
が必要になる。
【0072】本発明では、分割積層体例えば1aないし
1dは、通常10ないし90°捻転されることが望まし
い。なお捻転の向きは、積層体の長手方向を回転軸と
し、その軸のまわりのいずれの方向でもよい。また、分
割積層体1aないし1dを全部同じ向きにしてもよく、
隣りどうしを互いに逆向きに捻転させてもよい。隣どう
し互いにを逆向きに捻転させる場合は、たとえば分割積
層体1aおよび1cを90°捻転させ、分割積層体1b
および1dを−90°捻転させることにより分割積層体
1aないし1dを互いに平行にすることができる。
【0073】図1には、分割積層体1aないし1dがす
べて同じ向きに90°捻転した例を示す。このように捻
転させた分割積層体は、その平手面を互いに平行に維持
して、次工程(4)に供給される。
【0074】工程(4) 工程(4)においては、工程(3)より供給された各分
割積層体の平手面どうしを重ね合わせて積層一体化して
多層積層体を得る。具体的には、分割積層体を溶融状態
で密着一体化することにより多層積層体を得る。分割積
層体は一度で積層一体化されてもよく、多段階たとえば
2段階で積層一体化されてもよい。
【0075】またたとえば2本で2層(A層、B層)分
割積層体が積層一体化される場合には、A/B/A/B
で構成された4層の多層積層体あるいはA/(B・B)
/Aで構成された3層の多層積層体が得られる。
【0076】図1には、4本で2層(A層、B層)分割
積層体1aないし1dが積層一体化され、A/B/A/
B/A/B/A/Bで構成された8層の多層積層体2が
得られた場合を示す。
【0077】図2に示すように、この工程(4)におい
ては、積層一体化された多層積層体2は、次いでその平
手面の捻転をもとの角度まで好ましくは水平方向に戻す
ことが好ましい。
【0078】このように多層積層体2の平手面を水平方
向に戻すことにより、連続して得られる多層積層体2を
ロール上で移動させることができるので好ましい。また
工程(4)においては、多層積層体を、次いで積層一体
化直後よりもその厚みを減少させ、かつ幅方向に広げる
ことが好ましい。
【0079】このように積層一体化直後よりも薄く、か
つ幅広い多層積層体は、たとえば積層一体化により得ら
れた多層積層体を、進行方向にしたがって厚みが小さ
く、かつ幅が広くなるようなテーパを有する流路内を移
動させることにより得ることができ、また多層積層体
を、ロールで圧延することにより得ることもできる。
【0080】本発明では、上記のような最終工程で得ら
れた多層積層体を、工程(1)の積層体として用い、各
工程(2)ないし(4)を少なくとも1回以上繰り返す
ことができる。
【0081】このように最終工程で得られた多層積層体
に、再び工程(2)ないし(4)を繰り返す毎に順次層
数が増し、最終的には数百ないし千層にまで多層化され
た多層積層体を得ることができる。
【0082】たとえば図1において、多層積層体2を積
層体1として用いて、工程(2)ないし(4)を1回繰
り返すことにより32層、2回繰り返すことにより12
8層、4回繰り返すことにより2048層の多層積層体
を得ることができる。
【0083】このように2層の積層体を4分割する場合
には、工程(2)ないし(4)をn回実施することによ
って、最終層数が2×(4n )である多層積層体を得る
ことができる。
【0084】なおこの最終層数は、工程(3)において
分割積層体1aないし1dを全て同じ向きに捻転させ、
かつ工程(4)において一体化された多層積層体2の平
手面の捻転をもと(積層体1)の角度まで戻したときに
最終的に得られる多層積層体の層数であって、工程
(2)ないし(4)を繰り返したときに得られる多層積
層体の層数の最大値である。
【0085】またたとえば2層の積層体を2分割する場
合には、工程(2)ないし(4)を1ないし4回繰り返
すことによって最大8ないし64層の多層積層体を得る
ことができ、n回繰り返すことによって最終層数が最大
2×(2n+1 )である多層積層体を得ることができる。
【0086】本発明では、上記のようにして得られた多
層積層体を、必要に応じてさらに延伸、圧延などの二次
加工して、各層の厚さをさらに薄くすることができる。
本発明では、両面PP層の多層積層体は、たとえば片面
PP層の2以上の多層積層体を重ねてプレス成形して両
面PP層にすることができる。
【0087】また上記の製造方法において、たとえば成
形工程(1)において、3種共押出成形機により中間層
がゴム層(B)となるように2種3層の加熱積層体を形
成させ、これを工程(2)において2分割した後、工程
(3)において90°捻転し、工程(4)において重ね
合わせることにより5層の積層体を製造し、(2)〜
(4)の工程を繰り返すことにより、3+Σ2k (k=
1〜n)の層数の両面がPP層の積層体を得ることがで
きる。
【0088】上記のような多層積層体の製造方法では、
最終的に厚さ約1μm〜50mm程度、好ましくは10
μm〜30mm程度のフィルム状、シート状、ブロック
状多層積層体が得られる。より具体的にたとえば厚さ約
100μm〜3mm程度の多層フィルム、厚さ3〜10
mm程度の多層シート、厚さ10〜50mm程度のブロ
ック状多層構造を製造することができる。
【0089】上記のような多層積層体の製造方法の特に
好ましい態様を図3および図4に示す。なお各工程は、
図1と同様にダイ中の流路を通過する加熱状態の多層樹
脂流について説明され、図3はこの樹脂流の平面模式
図、図4は樹脂流の側面模式図を示す。
【0090】図3および図4において、 ダイ内の各流路ポイントからは、上記工程(1) ポイントからは、上記工程(2) ポイントからは、上記工程(3) ポイントからは、上記工程(4)に対応している。
【0091】工程(1)においては、得られた加熱状態
の積層体1は、ポイントから間で幅方向に拡張さ
れ、ポイントではポイントよりも積層体1は、薄く
かつ幅広くなっている。
【0092】次いで工程(2)においては、拡張された
積層体1は、ポイントから間で、幅方向に拡張され
ながら、ポイントにおいて2分割され、次いでポイン
トにおいて再び2分割され、最終的に分割積層体1a
ないし1dに4分割される。このように逐次分割される
ことにより、樹脂流は均等に分配されるので、樹脂流の
偏りが防止され、安定して成形を行なうことができる。
【0093】工程(3)においては、分割積層体1aな
いし1dは、90°捻転されるが、各分割積層体1aな
いし1dのポイントから間の距離が同じであるの
で、各分割積層体1aないし1d間でバラツキのない成
形を行なうことができる。
【0094】工程(4)においては、分割積層体1aな
いし1dは積層一体化されるが、ポイントで一旦分割
積層体を2本ずつ積層一体化した後、さらにポイント
で最終的に積層一体化している。
【0095】このように逐次積層一体化することによ
り、一度に積層一体化たものに比べてより層間密着が強
化され、均質性が高められ、多層積層体を得ることがで
き、このような多層積層体は機械的強度、目的の諸性能
を充分に発現することができる。
【0096】また上記のポイントから間の樹脂流路
は、進行方向に向かって厚みが小さくかつ幅広いテーパ
を有しており、ポイントではポイントよりも薄くか
つ幅広い積層体2が得られる。
【0097】なお上記には、本発明に係る多層積層体の
製造方法を、主に図1〜図4について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではない。このような製造方
法において、少なくとも各層の合計で5層形成すればよ
いが、上記のような成形工程(2)、分割工程(3)お
よび積層工程(4)を1回以上、好ましくは2回〜10
回繰り返してより多層を形成することが好ましい。
【0098】またこの際、積層工程で得られた積層層流
の厚さを減少させるように圧着加工することが好まし
い。最終的に積層体表面の少なくとも片面好ましくは両
面がポリプロピレン層(A)であるように積層一体化す
ることが望ましい。
【0099】本発明に係るフィルムまたはシートは、上
記のようなポリプロピレン系多層積層体からなる。この
フィルムまたはシートは、未延伸でも一軸または二軸延
伸されていてもよい。
【0100】本発明では、上記のような(1)〜(4)
からなる工程を押出成形で説明したが、これを射出成形
で行うことにより射出成形品としての多層積層体を得る
ことができる。
【0101】また本発明では、上記のようなポリプロピ
レン系多層積層体を、公知の熱成形材料として用いて加
熱成形した回転成形体、中空成形体も提供される。これ
ら成形体の形状については特に限定されず、各成形方法
に従った所望形状であればよい。
【0102】たとえばポリプロピレン系多層積層体から
パリソンを形成した後、空気を封入することにより多層
積層構造の中空成形体を得ることができる。
【0103】
【発明の効果】本発明に係るポリプロピレン系多層積層
体およびその成形体は、剛性、硬度、透明性、耐油性な
どに優れるとともに耐衝撃性にも優れている。
【0104】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0105】なお下記実施例において、各物性は以下の
ようにして測定した。 (1)メルトフローレート(MFR):ASTM C1
238に準拠して、2.16kg荷重下、ポリプロピレン
は230℃で、ゴム成分は190℃で測定した。 (2)曲げ弾性率(FM):ASTM C790に準拠
して、厚さ2mmの試験片を用いて、スパン間32mm、
曲げ速度5mm/分の条件下で測定した。 (3)アイゾット衝撃強度(IZ):ASTM D25
6に準拠して、厚さ2mmの試験片(後ノッチ)を用い
て、23℃で測定した。 (4)ヘイズ(Haze):厚さ2mmの試験片につい
て、日本電色工業(株)製のデジタル濁度計NDH−2
0Dを用いて測定した。 (5)ロックウェル硬度(HR):ASTM D785
に準拠して、厚さ2mmの試験片を用いてRスケールに
て測定した。 (6)鉛筆硬度:JIS K5401に準拠して、厚さ
2mmの試験片を用いて測定した。 (7)耐油性:厚さ2mmの多層積層体表面にワックス
リムーバー液を滴下し、48時間放置後表面を拭き取
り、表面状態の変化を以下の3段階で評価した。
【0106】 ○ … 膨潤は認められない △ … わずかに膨潤が認められる × … 膨潤が認められる 得られた多層積層体の層数および層平均厚みは電子顕微
鏡観察により求めた。
【0107】
【実施例1】押出機Aから230℃でPP(ホモポリプ
ロピレン;MFR=22g/10分、64℃デカン可溶成
分量0.8重量%、沸騰ヘプタン不溶成分の[I5]=
0.985)を、押出機Bから200℃でEBR(エチ
レン・1-ブテンランダム共重合体;密度d=0.868
g/cm3 、MFR=4g/10分、エチレン含量=87モ
ル%)を押出し、このとき押出機Aの吐出量(Qa )
と、押出機Bの吐出量(Qb )との比Qa /Qb が4/
1となるように調整し、PP層とEBR層の2層の加熱
状態の積層体を形成し(工程(1))、これを長手方向
に平行であってかつ積層界面に垂直な面で2分割した
(工程(2))。
【0108】得られた2分割積層体を、その長手方向を
回転軸として90°捻転させた後、該分割積層体の平手
方向を互いに平行に維持する工程(工程(3))と、各
分割積層体の平手面どうしを重ね合わせて積層一体化
(工程(4))し、加熱状態の4層積層体を製造し、工
程(2)〜(4)を繰り返すことにより合計で7回実施
し、層数が256層で、厚みが500μmであるTダイ
フィルムを得た。このフィルム5枚を最終的に両面がP
P層になるように重ねて、175℃でプレス成形するこ
とにより、厚み2mm、層数1279、PP層平均厚み
2.5μm、ゴム層平均厚み0.63μmの多層積層体を
得た。
【0109】得られたシートについて上記特性を評価し
た。結果を表1に示す。
【0110】
【実施例2】実施例1の方法において、工程(2)にお
いて4分割し、工程(2)〜(4)を合計で5回実施し
た以外は、実施例1と同様にして層数が2048層で、
厚みが200μmであるTダイフィルムを得た。このフ
ィルム13枚を最終的に両面がPP層になるように重ね
て、175℃でプレス成形することにより、厚み2m
m、層数26623、PP層平均厚み0.12μm、ゴ
ム層平均厚み0.03μmの多層積層体を得た。結果を
表1に示す。
【0111】
【実施例3】実施例1の方法に準じて、工程(2)〜
(4)を合計で8回実施し、層数が512層で、厚みが
500μmであるTダイフィルムを得た。このフィルム
5枚を最終的に両面がPP層になるように重ねて、17
5℃でプレス成形することにより、厚み2mm、層数2
559、PP層平均厚み1.2μm、ゴム層平均厚み0.
3μmの多層積層体を得た。結果を表1に示す。
【0112】
【実施例4】実施例1において、EBRに代えてSEB
S(スチレン・エチレン/ブテン・スチレンブロック共
重合体;密度d=0.89g/cm3 、MFR=2.1g/
10分、スチレン含量=20重量%)を用いた以外は、実
施例1と同様にして厚み2mm、層数2559、PP層
平均厚み1.2μm、ゴム層平均厚み0.3μmの多層積
層体を得た。結果を表1に示す。
【0113】
【比較例1〜2】実施例1と同様なPPとEBRとを表
1に示す重量比で配合し、230℃で溶融混練してペレ
タイズした。得られたペレットを200℃でプレス成形
して、厚み2mmの試験片を作成した。結果を表1に示
す。
【0114】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい多層積層体の製造工程を説明
する概念図を、ダイ中の流路を通過する加熱状態の多層
樹脂流について示す。
【図2】製造工程(4)の好ましい一態様を示す図であ
る。
【図3】図1に示す各工程の好ましい一態様を示す平面
概念図である。
【図4】図1に示す各工程の好ましい一態様を示す側面
概念図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)64℃デカン可溶成分を0.1〜2
    5重量%の量で含有し、メルトフローレート(MFR:
    ASTM D1238;230℃、2.16kg荷重下で
    測定) が0.01〜100g/10分であるポリプロピ
    レンからなる層と、(B)(B-1) 密度が0.855〜0.
    95g/cm3 であり、メルトフローレート(MFR:A
    STM D1238;190℃、2.16kg荷重下で測
    定)が0.01〜50g/10分であるエチレン・α−オ
    レフィンランダム共重合体または(B-2) 芳香族ビニル・
    共役ジエン系エラストマーからなるゴム層とが積層され
    てなり、上記(A)層および(B)層を合計で5層以上
    有し、 積層体表面の少なくとも片面が、ポリプロピレン層
    (A)であることを特徴とするポリプロピレン系多層積
    層体。
  2. 【請求項2】上記(A)層および(B)層を合計で20
    〜100000層有することを特徴とする請求項1に記
    載のポリプロピレン系多層積層体。
  3. 【請求項3】(A)層および(B)層が交互に積層され
    てなる請求項1または2に記載のポリプロピレン系多層
    積層体。
  4. 【請求項4】積層体表面の両面が、ポリプロピレン層
    (A)であることを特徴とする請求項3に記載のポリプ
    ロピレン系多層積層体。
  5. 【請求項5】積層体を形成する層の平均層厚みが0.0
    01〜500μmであることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載のポリプロピレン系多層積層体。
  6. 【請求項6】積層体を形成する(B)ゴム層の平均層厚
    みが5μm以下であることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載のポリプロピレン系多層積層体。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載のポリプロ
    ピレン系多層積層体からなるフィルムまたはシート。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれかに記載のポリプロ
    ピレン系多層積層体からなる射出成形品。
  9. 【請求項9】請求項1〜6のいずれかに記載のポリプロ
    ピレン系多層積層体を成形して得られる回転成形体。
  10. 【請求項10】請求項1〜6のいずれかに記載のポリプ
    ロピレン系多層積層体を成形して得られる中空成形体。
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