JP2016523820A - 抗菌薬耐性菌に対処するための組成物及び方法 - Google Patents

抗菌薬耐性菌に対処するための組成物及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016523820A
JP2016523820A JP2016508242A JP2016508242A JP2016523820A JP 2016523820 A JP2016523820 A JP 2016523820A JP 2016508242 A JP2016508242 A JP 2016508242A JP 2016508242 A JP2016508242 A JP 2016508242A JP 2016523820 A JP2016523820 A JP 2016523820A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
agent
antimicrobial
inhibits
bacteria
antimicrobial resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016508242A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6312806B2 (ja
Inventor
ジョン リデン
ジョン リデン
リアム グッド
リアム グッド
Original Assignee
ブルーベリー セラピューティクス リミテッド
ブルーベリー セラピューティクス リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ブルーベリー セラピューティクス リミテッド, ブルーベリー セラピューティクス リミテッド filed Critical ブルーベリー セラピューティクス リミテッド
Publication of JP2016523820A publication Critical patent/JP2016523820A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6312806B2 publication Critical patent/JP6312806B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/74Synthetic polymeric materials
    • A61K31/785Polymers containing nitrogen
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/13Amines
    • A61K31/155Amidines (), e.g. guanidine (H2N—C(=NH)—NH2), isourea (N=C(OH)—NH2), isothiourea (—N=C(SH)—NH2)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/41Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
    • A61K31/42Oxazoles
    • A61K31/424Oxazoles condensed with heterocyclic ring systems, e.g. clavulanic acid
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/41Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
    • A61K31/425Thiazoles
    • A61K31/429Thiazoles condensed with heterocyclic ring systems
    • A61K31/43Compounds containing 4-thia-1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula, e.g. penicillins, penems
    • A61K31/431Compounds containing 4-thia-1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula, e.g. penicillins, penems containing further heterocyclic rings, e.g. ticarcillin, azlocillin, oxacillin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K45/00Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • A61K45/06Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

本発明は、細菌を抗菌薬に対して感作させるための組成物及び方法を提供する。この方法は、細菌を、侵入促進剤の存在下で、抗菌薬耐性を阻害する薬剤に暴露するステップを含む。細菌を、侵入促進剤の存在下で、抗菌薬耐性を阻害する薬剤に暴露し、細菌を抗菌薬に暴露するステップを含む抗菌薬耐性菌を死滅させる方法も提供する。方法は、細菌及び細菌の抗菌薬耐性プロファイルを特定し、それに合わせて方法を調節するステップを含むこともできる。提供する例示的な侵入促進剤は、ポリヘキサメチレンビグアナイド(PHMB)及びポリヘキサメチレングアナイド(PHMG)である。抗菌薬耐性を阻害する例示的な薬剤は、ベータラクタマーゼ、PBP2a、NDM−1、Vim2などの抗菌薬耐性決定因子に結合し、該抗菌薬耐性決定因子を阻害する薬剤である。組成物、薬剤組成物/製剤及びその医学的使用も本発明によって提供される。【選択図】図2

Description

本発明は、抗菌薬耐性菌に対処するための組成物及び方法に関する。特に、細菌を死滅させるために、細菌を抗菌薬に対して感作させ、感作させた抗菌薬に細菌を暴露する方法に関する。
細菌は、最も重篤なヒト及び動物の感染症の幾つかを引き起こし、依然として世界中の死亡率の主原因である。抗菌薬耐性の発生は、病院及び地域社会における細菌感染症の治療において主要な問題である。所与のクラスの抗菌物質とは必ずしも関連がない一般的適応プロセスの結果である内因性耐性など、抗菌物質に対する耐性の機序は様々である。かかる耐性の一例をシュードモナス エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)に見ることができ、その低い膜透過性は、恐らく多数の抗菌薬に対するその固有の耐性の主な理由であろう。獲得された耐性は、活性な抗菌物質耐性の主要な機序であり、抗菌物質に対して感受性であった細菌が耐性になる特定の進化的圧力の結果である。かかる耐性としては、例えば酵素修飾による、排出ポンプの過剰発現を含めた透過障壁の変化、抗菌薬の標的の変化、及び抗菌薬の不活性化が挙げられる。細菌における抗菌物質耐性は、非特許文献1に概説されている。
細菌感染に対処する更なる方法が依然として必要であり、本発明は、抗菌薬の作用に対して抗菌薬耐性菌を感作させ、それによって抗菌薬耐性の克服を助ける方法を対象とする。抗菌薬耐性決定因子を阻害する薬剤は公知であるが、抗菌薬耐性菌に進入し、標的部位に到達することができないために、すべてが細菌を抗菌薬に対して感作させるのに有用であると証明されているわけではない。本発明は、これらの難点の一部を克服することを目的にする。
ボックスタエル(Bockstael)&ファン アエルショット(Van Aerschot)(2009)ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・メディスン(Eur.J.Med.)4(2),141−155
本発明の第1の態様は、細菌侵入促進剤と抗菌薬耐性を阻害する薬剤とを含む組成物を提供する。
組成物は、さらに、抗菌薬を含むことができる。
本発明の別の一態様は、細菌を抗菌薬に対して感作させる方法であって、細菌を、侵入促進剤の存在下で、抗菌薬耐性を阻害する薬剤に暴露するステップを含む方法を提供する。
本発明の追加の一態様は、抗菌薬耐性菌を死滅させる方法であって、細菌を、侵入促進剤の存在下で、抗菌薬耐性を阻害する薬剤に暴露し、細菌を抗菌薬に暴露するステップを含む方法を提供する。
本発明の任意の態様又は実施形態における侵入促進剤は、好ましくは、参照により本明細書に援用する2012年10月11日に出願されたPCT/GB2012/052526に記載の侵入促進剤である。
「侵入促進剤」という用語は、細菌のきょう膜及び/又は細胞壁への侵入を可能にする化合物又は組成物を意味するものとする。好ましくは、この薬剤は、さらに、抗菌薬耐性を阻害する薬剤が細菌の細胞膜も通過することを可能にする。
侵入促進剤
本発明の任意の態様又は実施形態の侵入促進剤は、一般に、ポリマーであり、このポリマーは、例えば以下の式1a又は式1bに係る、線状及び/又は分枝ポリモノグアナイド/ポリグアニジン、ポリビグアナイド、それらの類似体又は誘導体を含む。例を下の表1及び2に示す。
式中、
「n」は、ポリマー中の繰り返し単位の数を指し、nは2から1000まで、例えば、2又は5から10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800又は900までとすることができ、
及びGは、独立に、ビグアナイド又はグアニジンを含むカチオン基であり、
及びLは、グアナイドの窒素原子に直接結合する。したがって、ビグアナイド又はグアニジン基は、ポリマー骨格に不可欠である。ビグアナイド又はグアニジン基は、式1aの側鎖部分ではない。
本発明においては、L及びLは、ポリマーにおけるGカチオン基とGカチオン基の連結基である。L及びLは、独立に、C〜C140炭素原子を含む脂肪族基、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、C、C、C、C、C、C若しくはC10;C〜C10、〜C20、〜C30、〜C40、〜C50 〜C60、〜C70、〜C80、〜C90、〜C100、〜C110、〜C120、〜C130若しくは〜C140、アルキルなどのアルキル基とすることができ、又はL及びLは(独立に)、C〜C140(例えば、C、C、C、C、C、C、C、C、C若しくはC10;C〜C10、〜C20、〜C30、〜C40、〜C50 〜C60、〜C70、〜C80、〜C90、〜C100、〜C110、〜C120、〜C130若しくは〜C140)、脂環式、複素環式、芳香族、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、オキシアルキレン基とすることができ、又はL及びLは(独立に)、場合によっては1個以上の、好ましくは1個の、酸素、窒素若しくは硫黄原子、官能基及び飽和若しくは不飽和環状部分によって分断された、ポリアルキレン基とすることができる。適切なL及びLの例は、表1に列挙した基である。
、L、G及びGは、脂肪族、脂環式、複素環式、アリール、アルカリール及びオキシアルキレン基を用いて改変されていてもよい。
N及びGは、好ましくは、末端基である。一般に、本発明に使用されるポリマーは、末端のアミノ(N)及びシアノグアニジン(G)又はグアニジン(G)末端基を有する。かかる末端基は、(例えば、1,6−ジアミノヘキサン、1,6−ジ(シアノグアニジノ)ヘキサン、1,6−ジグアニジノヘキサン、4−グアニジノ酪酸を用いて)脂肪族、脂環式、複素環式、複素環式、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、オキシアルキレン基との結合によって改変することができる。さらに、末端基は、受容体リガンド、デキストラン、シクロデキストリン、脂肪酸若しくは脂肪酸誘導体、コレステロール若しくはコレステロール誘導体、又はポリエチレングリコール(PEG:polyethylene glycol)との結合によって改変することができる。場合によっては、ポリマーは、N及びG位置がグアニジン若しくはビグアナイド若しくはシアノアミン若しくはアミン若しくはシアノグアニジンで終端することができ、又はNがシアノアミン、G位置がシアノグアニジンで終端することができ、又はNがグアニジン、G位置がシアノグアニジンで終端することができ、又はGがL1アミン、Nがシアノグアニジンで終端することができる。Gは、L−アミン、L−シアノグアニジン又はL−グアニジンとすることができる。重合数(n)又はポリマー鎖切断及び合成中の副反応に応じて、末端基の不均一混合物が、例として上述したように、生じ得る。したがって、N基とG3基は、上述したように、不均一混合物として交換/存在することができる。あるいは、N及びGが存在せず、ポリマーが環式でもよい。その場合、それぞれの末端L基と末端G基が直接結合する。
式1bにおいては、Xが存在してもしなくてもよい。L、L及びXは、「L又はL」について上述したのと同様である。したがって、L及びL及びXは、ポリマーにおけるGカチオン基とGカチオン基の連結基である。L及びL及びXは、独立に、C〜C140炭素原子を含む脂肪族基、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、C、C、C、C、C、C若しくはC10;C〜C10、〜C20、〜C30、〜C40、〜C50 〜C60、〜C70、〜C80、〜C90、〜C100、〜C110、〜C120、〜C130若しくは〜C140、アルキルなどのアルキル基とすることができ、又はL及びL及びXは、独立に、C〜C140(例えば、C、C、C、C、C、C、C、C、C若しくはC10;C〜C10、〜C20、〜C30、〜C40、〜C50 〜C60、〜C70、〜C80、〜C90、〜C100、〜C110、〜C120、〜C130若しくは〜C140)、脂環式、複素環式、芳香族、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、オキシアルキレン基とすることができ、又はL及びL及びXは、独立に、場合によっては1個以上の、好ましくは1個の、酸素、窒素若しくは硫黄原子、官能基及び飽和若しくは不飽和環状部分によって分断された、ポリアルキレン基とすることができる。適切なL及びL及びXの例は、表2に列挙した基である。
「G」及び「G」は、カチオン部分であり、同じでも異なってもよい。その少なくとも一方は、ビグアニジン部分又はカルバモイルグアニジンであり、他方の部分は、上記(ビグアニジン又はカルバモイルグアニジン)又はアミンとすることができる。不確かにならないように、式1bにおいては、カチオン部分G及びGは、単一のグアニジン基のみを含まない。例えば、G及びGは、一般に、単一のグアニジン基を含まない。かかる化合物の例は、表2に列挙した、ポリアリルビグアナイド、ポリ(アリルビグアニジノ(allylbiguanidnio)−コ−アリルアミン)、ポリ(アリルカルバモイルグアニジノ−コ−アリルアミン)、ポリビニルビグアナイドである。
ポリアリルビグアナイドの例は、以下に示す通りである。
ポリアリルビグニジン(polyallylbigunidine)の場合、LとLは同一であり、GとGは類似しており、したがってポリアリルビグアナイドは、以下のように単純化することができる。
ポリ(アリルカルバモイルグアニジノ−コ−アリルアミン)の例は、以下に示す通りである。
本発明に使用されるポリマーは、一般に、それに付随する対イオンを有する。適切な対イオンとしては、以下が挙げられるが、それだけに限定されない:ハロゲン化物(例えば、塩化物)、リン酸、乳酸、ホスホン酸、スルホン酸、アミノカルボン酸、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、有機リン酸、有機ホスホン酸、有機スルホン酸及び有機硫酸。
本発明に使用されるポリマーは、異なる「n」数のポリマーの不均一混合物、又は標準精製法によって精製された特定「n」数を含む均一画分とすることができる。上述したように、ポリマーは環式とすることもでき、さらに分枝とすることができる。
「n」の好ましい数としては、2〜250、2〜100、2〜80及び2〜50が挙げられる。
本発明の方法、組成物、製剤、使用及びキットに使用される侵入促進剤は、線状、分枝又は樹状分子を含むことができる。侵入促進剤は、線状、分枝又は樹状分子の組合せを含むことができる。侵入促進剤は、例えば上述したように、式1a又は式1bの分子の1種又は任意の組合せを含むことができる。
例えば、侵入促進剤は、ポリヘキサメチレンビグアナイド(PHMB:polyhexamethylene biguanide)、ポリヘキサメチレンモノグアナイド(PHMG:polyhexamethylene monoguanide)、ポリエチレンビグアナイド(PEB:polyethylene biguanide)、ポリテトラメチレンビグアナイド(PTMB:polytetramethylene biguanide)又はポリエチレンヘキサメチレンビグアナイド(PEHMB:polyethylene hexamethylene biguanide)の1種以上を含むことができる。幾つかの例を表1及び2に列挙する。本発明の任意の態様の侵入促進剤は、好ましくは、PHMB若しくはPHMG、又はその類似体若しくは誘導体である。
すなわち、侵入促進剤は、ポリヘキサメチレンビグアナイド(PHMB)、ポリヘキサメチレンモノグアナイド(PHMG)、ポリエチレンビグアナイド(PEB)、ポリテトラメチレンビグアナイド(PTMB)、ポリエチレンヘキサメチレンビグアナイド(PEHMB)、ポリメチレンビグアナイド(PMB:polymethylene biguanide)、ポリ(アリルビグアニジノ−コ−アリルアミン)、ポリ(N−ビニルビグアナイド)、ポリアリルビグアナイドの1種以上の均一又は不均一混合物を含むことができる。
これらの化合物は、当業者に周知のように、実験室で標準手順によって合成することができ、又は供給業者から入手することができる。
PHMBは、例えば、同義語としてポリ(ヘキサメチレン)ビグアナイド塩酸塩、重合ビグアナイド塩酸塩、ポリヘキサニド、ビグアナイド、CAS番号27083−27−8、32289−58−0、IUPAC名ポリ(イミノイミドカルボニル)イミノヘキサメチレン塩酸塩を有することもできる。PHMBは、実験室で標準手順によって合成することができ、又は供給業者、例えば、Arch(http://www.archchemicals.com/Fed/BIO/Products/phmb.htm)から入手することができる。一般に、n=2から40、平均n:11、平均分子量:3025。PHMBは、例えば、衛生用品、水泳プール水処理及び創傷被覆材に使用される殺生物剤として販売されている。
ポリヘキサメチレンモノグアナイド(PHMG)は、実験室で標準手順によって合成することができ、又は供給業者、例えば、Shanghai Scunder Industry Co.,Ltd、http://scunder.en.busytrade.com/products/info/683633/PHMG.htmlから入手することができる。
当業者には理解されるように、侵入促進ポリマーはコポリマー又はヘテロポリマーとすることができ、すなわちモノマーは、同一であることが意図されなくてもよい。しかし、一般に、モノマー単位は、同一であるように意図することができる。
抗菌薬耐性を阻害する薬剤と侵入促進剤は、共有結合することができる。あるいは、抗菌薬耐性を阻害する薬剤と侵入促進剤は、製剤として、例えば、非共有結合複合体として提供することができる。製剤は、侵入促進剤と抗菌薬耐性を阻害する薬剤を適切な比で、例えばpH及び塩濃度の、適切な条件下で混合することによって調製することができる。方法は、例えば、侵入促進剤よりも最高100倍モル過剰の抗菌薬耐性を阻害する薬剤から、等モル濃度の担体及びカーゴ分子を用いて、抗菌薬耐性を阻害する薬剤よりも最高1000倍モル過剰の侵入促進剤まで、実施することができる。例えば、抗菌薬耐性を阻害する薬剤と侵入促進剤の適切なモル比は、1:0.1から1:50、又は1:0.5から1:1000の範囲、例えば1:1から1:10又は1:5、例えば約1:1.5とすることができる。抗菌薬耐性を阻害する薬剤と侵入促進剤の適切な重量:重量比は、1:0.1から1:50、又は1:0.5から1:1000の範囲、例えば1:1から1:10又は1:5、例えば約1:1.5とすることができる。複合体の形成については、後で更に考察する。
侵入促進剤と抗菌薬耐性を阻害する薬剤を混合/インキュベートするpHは、後で更に考察するように、高pH、例えば10〜13.5とすることができる。抗菌薬耐性を阻害する薬剤が核酸であるときには、薬剤を高pHで混合/インキュベートすることが特に好ましい。
あるいは、侵入促進剤と抗菌薬耐性を阻害する薬剤を混合/インキュベートするpHは、中性pH、例えば6.5から8.6とすることができる。抗菌薬耐性を阻害する薬剤がペプチドであるときには、薬剤を中性pHで混合することが特に好ましい。適切なインキュベーション条件は、当業者が確認し、利用する薬剤の正確な性質に応じて最適化することができる。細菌細胞への送達が最も効率的な条件を選択する。適切な状況においては、pHは低pH、すなわち6未満とすることができる。
一実施形態においては、侵入促進剤と抗菌薬耐性を阻害する薬剤は、高pHの緩衝剤中で一緒に提供することができる。すなわち、細菌細胞への抗菌薬耐性を阻害する薬剤の侵入を促進する方法は、(すべて上述したように)抗菌薬耐性を阻害する薬剤に侵入促進剤の存在下で細菌細胞を暴露するステップを含むことができ、抗菌薬耐性を阻害する薬剤と侵入促進剤を高pHで、例えば、高pHの緩衝剤中で混合又はインキュベートする。「高pH」という用語は、当業者に周知であり、一般に、9を超える、例えば、9.5を超える、又は10を超える、例えば、10から13.5のpHを指す。一般に、抗菌薬耐性を阻害する薬剤に侵入促進剤の存在下で細菌細胞を暴露する前に、抗菌薬耐性を阻害する薬剤と侵入促進剤を高pHで混合してナノ粒子を形成する。
別の一実施形態においては、侵入促進剤と抗菌薬耐性を阻害する薬剤は、中性pHの緩衝剤中で一緒に提供することができる。すなわち、細菌細胞への抗菌薬耐性を阻害する薬剤の侵入を促進する方法は、(すべて上述したように)抗菌薬耐性を阻害する薬剤に侵入促進剤の存在下で細菌細胞を暴露するステップを含むことができ、抗菌薬耐性を阻害する薬剤と侵入促進剤を中性pHで、例えば、中性pHの緩衝剤中で混合又はインキュベートする。「中性pH」という用語は、当業者に周知であり、一般に、約7、例えば、6を超える又は9未満、例えば、6.5から8.6のpHを指す。抗菌薬耐性を阻害する薬剤に侵入促進剤の存在下で細菌細胞を暴露する前に、抗菌薬耐性を阻害する薬剤と侵入促進剤を中性pHで混合してナノ粒子を形成することができる。
具体的には、pH6〜13.5の範囲の緩衝剤(付加塩を含む又は含まない、例えば、分子生物学緩衝剤に一般に使用される、例えば、PBS、NaCl又は多数の他の緩衝剤)は、当業者によって理解されるように、送達効率が改善された製剤を与えると考えられ、pHは、送達する薬剤の性質に応じて変更される。得られる複合体は、適切な増殖媒体で1:1から1:1000に希釈することができ、複合体を幾つかの時点で細胞に添加して(繰り返しの複数の移入)、より効率的にすることさえ可能である。手順は、中性pHから高pHの緩衝剤中の侵入促進剤と抗菌薬耐性を阻害する薬剤の両方の別々の希釈、及びそれらを混合してナノ粒子を形成することを含む。侵入促進剤と抗菌薬耐性を阻害する薬剤の比及び濃度は、製剤及び非共有結合複合体の調製に関連して、並びに部品のキットに関連して、上述した通りとすることができる。
当業者は、例えば、NaOH又はKOHを使用して、高pH緩衝剤を容易に調製できることを理解されたい。これらの緩衝条件は、一般的な複合体形成時間、例えば30分間としたときに、移入効率を改善する。したがって、高pH緩衝剤(及び本明細書に記載の侵入促進剤)は、研究者によって現在利用されているプロトコルに容易に組み込むことができる。
当業者は、同様に、任意の適切な緩衝剤をHCl及び/又はNaOH若しくはKOHで調節することによって中性pH緩衝剤を容易に調製できることを理解されたい。これらの緩衝条件は、一般的な複合体形成時間、例えば30分間としたときに、移入効率を改善する。したがって、中性pH緩衝剤(及び本明細書に記載の侵入促進剤)は、研究者によって現在利用されているプロトコルに容易に組み込むことができる。
本発明の別の一態様は、侵入促進剤(例えば、PHMB又はPHMG)と抗菌薬耐性を阻害する薬剤とを含む複合体を調製する方法であって、侵入促進剤及び抗菌薬耐性を阻害する薬剤を複合体形成緩衝剤中でインキュベートすることを含む方法を提供する。複合体形成緩衝剤は、例えば、薬剤に応じて中性(neural)pH又は高pHとすることができる。例えば、緩衝剤は、抗菌薬耐性を阻害する薬剤がペプチドである場合は中性pH、薬剤がヌクレオチドであるときには高pHとすることができる。適切なpH緩衝剤を上で考察したが、最適な緩衝剤は、各薬剤に対して当業者によって決定されるであろう。侵入促進剤(例えば、PHMB又はPHMG)と抗菌薬耐性を阻害する薬剤、例えば、ペプチド、核酸若しくは他のポリマー又は小分子とを含むナノ粒子が形成されると考えられる。抗菌薬耐性を阻害する薬剤は、酵素阻害剤とすることができる。具体的には、ナノ粒子は、細胞と一緒に使用する前に、PHMB及び上述した類似分子をペプチド、核酸若しくは他のポリマー又は小分子と一緒に適切な緩衝剤中でインキュベートすることによって形成することができる。適切なインキュベーション緩衝剤としては、水、PBS、及び研究室で一般に使用される他の緩衝剤を挙げることができる。高pH緩衝剤については上述した。最適な緩衝剤は、当業者には明らかなように、侵入促進剤と抗菌薬耐性を阻害する薬剤の両方の具体的素性に依存し得る。ナノ粒子形成及び細菌細胞送達は、一般に、2成分を混合する前に両方のパートナー分子を複合体形成緩衝剤で希釈することによって成される。さらに、2成分の混合は、一般に、他の賦形剤又は活性成分と組み合わせる前、及び生体内での使用を含めて、細菌細胞に適用する前に、実施される。効率的ナノ粒子形成は、数秒又は数分内に生じると考えられるが、手順は数時間にわたって実施することができる。効率的ナノ粒子形成の適切な比は、パートナーの組合せに応じて変わる。例えば、PHMB:プラスミドDNAの場合1〜20:1(wt:wt)が、効率的ナノ粒子形成をもたらす。さらに、PHMB:MecAペプチドの場合0.1:1(wt:wt)から100:1までが、効率的ナノ粒子形成をもたらす(等量又は過剰の担体が好ましく、良好に作用する)。当業者は、異なるパートナー分子比を用いるとナノ粒子形成及び送達効率を評価することができるはずである。ナノ粒子形成は、幾つかの方法で評価することができる。例えば、個々の当業者は、動的光散乱(DLS)及び顕微鏡法を用いてナノ粒子形成を評価することができるであろう。
本発明の別の一態様は、本明細書に定義された侵入促進剤(例えば、PHMB又はPHMG)と抗菌薬耐性を阻害する薬剤とを含む複合体であって、侵入促進剤及び導入薬剤を複合体形成緩衝剤中で、例えば、高又は中性pH、例えば、pH10〜13.5又はpH6.5から8.6で、インキュベートするステップを含む方法によって得ることができる(又は得られた)複合体を提供する。
侵入促進剤がナノ粒子に含まれると好ましい。ナノ粒子の寸法は、ナノメートル範囲などのマイクロメートル以下の範囲である。
抗菌薬耐性を阻害する薬剤
抗菌薬耐性を阻害する薬剤は、抗菌薬の作用に対して抗菌薬耐性菌を感作させる任意の薬剤とすることができる。例えば、阻害剤は、抗菌薬又はあるクラスの抗菌薬に対する耐性の原因である、細菌内の分子又は細菌によって生成される分子に結合し、それを不活性化することができる。細菌中の標的分子は、例えば、細菌細胞の内部、細胞周囲腔中、又は細菌細胞壁の内部に存在し得る。好ましくは、抗菌薬耐性を阻害する薬剤は、ペプチド、核酸、他のポリマー又は小分子である。薬剤は酵素阻害剤とすることができる。不確かにならないように、酵素阻害剤は、ペプチド又は核酸とすることができる。一般に、酵素阻害剤は、分子量40,000ダルトン未満の分子などの分子である。
抗菌薬耐性を阻害する薬剤は、ペプチドアプタマー又はRNAアプタマーとすることができる。ペプチドアプタマーは、アンキリンリピートタンパク質に基づくDARPin骨格(カレント・オピニオン・イン・ドラッグ・ディスカバリ&ディベロップメント(Curr Opin Drug Discov Devel.)2007年3月;10(2):153−9.、ジャーナル・オブ・モレキュラ・バイオロジー(J Mol Biol.)2003年9月12;332(2):489−503)、ヒトStefin A三重変異体に基づくアフィマー(Affimer)(ウッドマン(Woodman),R.、イエ(Yeh),J.T−H.、ローレンソン(Laurenson),S.及びコ フェリーニョ(Ko Ferrigno),P.「ペプチドアプタマーの提示に対する中性骨格の設計及び検証(Design and validation of a neutral scaffold for the presentation of peptide aptamers.)」ジャーナル・オブ・モレキュラ・バイオロジー(J Mol Biol)352:1118−1133(2005))、化学的に束縛されたペプチドに基づく二環式(bicycle)ペプチド(ネイチャー・ケミカル・バイオロジー(Nature Chemical Biology)5,502−507(2009))など、その構造安定性、pH変化に対する耐性、プロテアーゼ切断及び温度変化に対する耐性を増強する骨格構造を有することができる。
抗菌薬耐性を阻害するペプチド薬剤は、その抗体、抗体断片又は誘導体とすることができる。すなわち、抗体、抗体断片又はその誘導体は、抗菌薬耐性の原因である、又はその機序に関与する、細菌細胞若しくは細胞壁中に存在する、又はそれに付随する(タンパク質などの)標的分子に特異的に結合し、それを阻害し、又は隔離し、したがって抗菌薬に対して細菌細胞を感作させることができる。「抗体」とは、実質的に完全な抗体分子、並びにキメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体(少なくとも1個のアミノ酸は、天然ヒト抗体に比べて変異している)、単鎖抗体、二重特異性抗体、抗体重鎖、抗体軽鎖、抗体重鎖及び/又は軽鎖のホモ二量体及びヘテロ二量体、抗原結合性断片及びその誘導体を含む。抗体及びその抗原結合性断片の変異体、融合体及び誘導体も「抗体」及び「その抗原結合性断片」という用語の意味に含まれる。「抗体」という用語は、IgG、IgA、IgM、IgD及びIgEを含めて、すべてのクラスの抗体も含む。したがって、抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4分子などのIgG分子とすることができる。好ましくは、本発明の抗体は、IgG分子、又は抗原結合性断片、又はその変異体、融合体若しくは誘導体である。より好ましくは、抗体は、IgG2分子である。抗体又はその断片は、Fv断片、Fab断片及びFab様断片からなる群から選択される抗原結合性断片を含むことができ、又はそれからなることができる。別の一実施形態においては、Fv断片は、単鎖Fv断片又はジスルフィド結合Fv断片とすることができる。Fab様断片は、Fab’断片又はF(ab)断片とすることができる。抗体又はその断片は、モノクローナル抗体であること、又はモノクローナル抗体に由来することが想定される。モノクローナル抗体を生成する方法は、当該技術分野で周知であり、ハイブリドーマ産生、又は組換え技術の使用を含む。
小分子薬剤は、抗菌薬耐性の細菌的機序の原因である、又はそれに関与する、細菌細胞中の標的分子を阻害する任意の適切な有機分子とすることができる。すなわち、小分子薬剤は、その機序を破壊し、当該抗菌薬に対して細菌細胞を感作させる。
多様な細菌が、抗菌薬による死滅に抵抗する幾つかの異なる機序を利用している。異なる機序は、当該細菌及び抗菌薬に応じて、細菌細胞中の異なるタンパク質又は他の標的を含む。様々なクラスの抗菌薬に対する耐性の機序の例を、以下の表3から5に示す。表は、これらの様々なクラスの薬物に対して耐性である細菌の例も示す。抗菌薬耐性を阻害する薬剤は、これらの表中の抗菌薬耐性決定因子を参照して選択することができる。非特許文献1も抗菌薬耐性決定因子を146及び147ページの表2に記載しており、論文全体、特に表2を参照により本明細書に援用する。
例えば、阻害剤は、mecA遺伝子産物、ペニシリン結合タンパク質2A(PBP2A:Penicillin Binding Protein 2A)、ベータラクタムに対する耐性を付与する改変ペニシリン結合タンパク質に結合し、その抗菌薬耐性作用を阻害するペプチドとすることができる。ペニシリン結合タンパク質などの抗菌薬耐性決定因子に結合し、それを阻害するペプチドは、標的に結合するその能力によってペプチドを選択する方法によって特定することができる。かかる方法としては、ファージディスプレイシステムの使用が挙げられる(その両方を参照により本明細書に援用する、ウィラツ(Willats)(2002)プラント・モレキュラ・バイオロジー(Plant Mol.Biol.)(2002)50,837−854及びモレク(Molek)ら(2011)モレキュルズ(Molecules)16,857−887参照)(実施例1も参照されたい)。市販ファージディスプレイライブラリー及びシステムは、例えば、New England Biolabsから入手可能である。実施例1は、PBP2aタンパク質の調製と、それに続くPBP2aに結合し、それを阻害する結合部分の特定のためのプロトコルを提供する。これらの例示方法によって生成されるかかる結合タンパク質を本発明の方法に使用することができる。
適切なペプチドの特定に使用することができる更なるシステムは、参照により本明細書に援用するオデグリップ(Odegrip)ら(2004)米国科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)(2004)101,2806−2810に記載のCISディスプレイシステムである。
抗菌薬耐性を阻害するペプチド薬剤は線状であり得ることが想定される。一般に、ペプチドは、50から400個のアミノ酸を有する。ペプチドは、一般に、分子量範囲が5.5kDaから40kDaである。ペプチドが35kDa未満のサイズであれば特に好ましい。
更なる例として、阻害剤は、(blaNDM−1としても知られる)クレブシエラ ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)NDM−1由来の金属ベータラクタマーゼに結合し、それを阻害する、一本鎖DNA又はRNAなどの核酸とすることができる(参照により本明細書に援用するシュレジンジャ(Schlesinger)ら(2011)ファーマシューティカルズ(Pharmaceuticals)4,419−428参照)。ペプチド及びペプチドアプタマーによるターゲティングに適切な同じ標的は、RNA又は改変RNAアプタマーによるターゲティングにも適切であると予想される。参照により本明細書に援用するシュレジンジャ(Schlesinger)ら(2011)ファーマシューティカルズ(Pharmaceuticals)4,419−428に記載の試験管内進化法(SELEX:systematic evolution of ligands by exponential enrichment)技術を用いて特定することができる核酸など、抗菌薬耐性決定因子に結合し、それを阻害する一本鎖DNA及びRNAなどの核酸。SELEX手法は、参照により本明細書に援用するツエルク(Tuerk)&ゴールド(Gold)(1990)サイエンス(Science)249,505−510に、より詳細に記述されている。参照により本明細書に援用する、特異的リガンドに結合するRNA分子のインビトロ選択を記述したエリントン(Ellington)&スゾスタック(Szostak)(1990)ネイチャー(Nature)346,818−822も参照されたい。一般に、核酸は、一本鎖であり、100から5000個の塩基を有する。
ペプチドは、配列番号1から4の1つ若しくは組合せ、又はその類似の相同性を有する任意のペプチド配列を含むことが好ましい。ペプチドは、これらの配列IDと少なくとも80%相同、より好ましくは少なくとも90%相同、最も好ましくは少なくとも95%相同であることが好ましい。
これらの機序のいずれかを本発明の方法によって標的にすることができる。
本発明は、上記酵素又は遺伝子産物のいずれかのターゲティングを含み得ることが想定される。
更なる例として、阻害剤は、表5に示すベータラクタマーゼ阻害剤、排出ポンプ阻害剤、アミノグリコシドキナーゼ阻害剤などの酵素阻害剤とすることができる。クラブラン酸又はその塩は、ある種のベータラクタマーゼの活性部位に不可逆的に結合する適切な酵素阻害剤である。
表5に列挙した阻害剤のどれでも本発明の方法、組成物、キット及び使用に利用できると予想される。
ペプチド又は核酸が、PBP2a、blaNDM−1又はVim2からなる群から選択される抗菌薬耐性決定因子に結合し、それを阻害すれば特に好ましい。
本発明の侵入促進剤がポリヘキサメチレンビグアナイド(PHMB)若しくはポリヘキサメチレングアナイド(PHMG)又はその類似体若しくは誘導体であれば好ましい。
抗菌薬に対して感作させ、続いて抗菌薬によって死滅させ得る本発明の任意の態様における細菌は、グラム陰性、グラム陽性とすることができ、又はマイコバクテリウムとすることができる。細菌は、腸内細菌科に由来することができ、又はスタフィロコッカス(Staphylococcus)若しくはストレプトコッカス(Steptococcus)とすることができ、又はエンテロバクター(Enterobacter)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、ノカルジア(Nocardia)属、マイコバクテリウム(Mycobacterium)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、バクテロイデス(Bacteroides)属、エシェリキア(Escherichia)属、カンピロバクター(Campylobacter)属に由来することができる。細菌は、一般に、クレブシエラ ニューモニエ、シュードモナス エルジノーサ、ノカルジア オチチディスカビアルム(Nocardia otitidiscaviarum)、マイコバクテリウム ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、エンテロコッカス フェシウム(Enterococcus faecium)、ストレプトコッカス ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、ヘモフィルス インフルエンザ(Haemophilus unfluenzae)、バクテロイデス フラギリス(Bacteroides fragilis)、エシェリキア コリ(Escherichia coli)、カンピロバクター ジェジュニ(Campylobacter jejuni)の1種である。
本発明の任意の態様における細菌は、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、トロレアンドマイシン、ロキシスロマイシン、スピラマイシン、アズトレオナム、イミペネム/シラスタチン、メロペネム、エルタペネム、ドリペネム、パニペネム/ベタミプロン、ビアペネム、PZ−601、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェピム、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン及びトロバフロキサシンからなる群から選択される1種以上の抗菌薬に対して耐性があり得る。
本発明の任意の態様の一実施形態においては、細菌は、シプロフロキサシン、メロペネム、セフタジジム、アズトレオナム、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、スピラマイシン、オキシテトラサイクリン及びイミペネム/シラスタチンからなる群から選択される1種以上の抗菌薬に対して耐性があるシュードモナス エルジノーサ、クレブシエラ ニューモニエ、ブルクホルデリア セパシア(Burkholderia cepacia)、プロビデンシア スチュアルティ(Providencia stuartii)又はアシネトバクター バウマニ(Acinetobacter baumannii)からなる群から選択される多剤耐性(MDR:multiple drug resistant)株である。別の一実施形態においては、細菌は、オキサシリンに対して耐性があるスタフィロコッカス アウレウス(Staphylococcus aureus)である。
細菌は臨床株又は臨床分離株であり得ることが想定される。
本発明の方法は、細菌がヒト又は動物中に存在する状況に適しており、この方法を使用して、ヒト又は動物の細菌感染に対処する。したがって、本発明は、抗菌薬耐性菌に感染したヒト又は動物を治療する方法であって、ヒト又は動物に有効量の抗菌薬耐性を阻害する薬剤を侵入促進剤及び抗菌薬と組み合わせて投与する方法を含む。
したがって、本発明は、抗菌薬耐性菌に感染したヒト又は動物の治療に使用される侵入促進剤及び抗菌薬と組み合わせた有効量の抗菌薬耐性を阻害する薬剤も含む。
本発明は、抗菌薬耐性菌に感染したヒト又は動物の治療用医薬品の製造における、侵入促進剤及び抗菌薬と組み合わせた有効量の抗菌薬耐性を阻害する薬剤の使用も含む。
医薬品は、以下で更に説明するように、さらに、薬学的に許容される賦形剤、アジュバント、希釈剤又は担体を含むことができる。
抗菌薬耐性を阻害する薬剤は、適宜、医師によって決定される様式で、投与用とすることができ、又は侵入促進剤と同時に若しくは逐次的に、さらに抗菌薬と同時に若しくは逐次的に投与できると予想される。抗菌薬耐性を阻害する薬剤、侵入促進剤及び抗菌薬は、適宜、一緒に又は別々に処方することができる。
一般に、細菌感染症は、口腔、生殖器系、尿路、気道、消化管、腹膜、中耳、前立腺、血管内膜、結膜若しくは角膜組織を含めた眼、肺組織、心臓弁、皮膚、頭皮、爪の表面、副腎、肝臓、腎臓、すい臓、下垂体、甲状腺、免疫、卵巣、精巣、前立腺、子宮内膜、眼球、乳房、脂肪、上皮、内皮、神経、筋肉、肺、真皮、表皮若しくは骨組織の創傷内部若しくは表面からなる群から選択される内部若しくは外部の体表、又は血液、血しょう、血清、脳脊髄液、消化管内容物、痰、肺分泌物及び精液から選択される体液中、又は副腎、肝臓、腎臓、すい臓、脳、心臓、下垂体、甲状腺、免疫、卵巣、精巣、前立腺、子宮内膜、眼球、乳房、脂肪、上皮、内皮、神経、筋肉、肺、表皮及び骨組織から選択される体組織の中若しくは上である。
本発明の方法、組成物/製剤及び使用による治療を受ける患者は、単一又は複数の薬物に対する耐性菌に感染した、感染した疑いがある、又は感染リスクがある患者であることが予想される。
本発明の方法、組成物/製剤及び使用による治療を受けるヒト又は動物患者は、既に感染している恐れがあり、免疫無防備状態の患者、集中治療若しくは重症治療を受けている患者、外傷のある患者、熱傷のある患者、急性及び/又は慢性創傷のある患者、新生児患者、高齢患者、癌患者、自己免疫疾患の患者、上皮若しくは内皮分泌及び/又は分泌排出能の少ない若しくはない患者、又は医療機器を装着された患者であり得ることが想定される。言うまでもなく、方法及び組成物/製剤は、抗菌薬耐性菌に感染した任意の患者の治療に使用することができる。
感染を引き起こす細菌のタイプを特定することが望ましい場合もあり、細菌の抗菌薬耐性の性質を特定することが望ましい場合もあることを理解されたい。したがって、本発明は、上述したヒト又は動物の抗菌薬耐性細菌感染に対処する方法を含み、本方法は、さらに、(a)細菌のタイプ及び細菌の少なくとも1種の抗菌薬耐性決定因子の性質を特定するステップと、(b)決定された抗菌薬耐性を阻害する薬剤を選択するステップと、(c)特定された抗菌薬耐性決定因子によって細菌が耐性である抗菌薬を選択するステップと、(c)ヒト又は動物に、侵入促進剤の存在下で、特定された抗菌薬耐性を阻害する薬剤と抗菌薬を投与するステップを含む。
病原性微生物の性質の特定は、細菌培養技術、系統学などの任意の適切な方法によって決定することができる。DNAマイクロアレイの使用など、分子技術を採用して、病原性微生物を特徴づけることが好ましい。血流感染を引き起こす病原性微生物のDNAマイクロアレイによる特定及び特性分析の一例が、参照により本明細書に援用する、クレベン(Cleven)ら(2006)ジャーナル・オブ・クリニカル・マイクロバイオロジー(J.Clin.Microbiol.)44(7),2389−2397に記載されている。この論文は、抗菌薬耐性の測定についても記述している。抗菌薬耐性菌の抗菌薬耐性決定因子の性質は、表現型的には感受性試験によって決定することができるが、マイクロアレイ検出などの分子技術を採用すれば好ましい。グラム陽性菌の90個の抗菌薬耐性遺伝子のマイクロアレイ検出が、参照により本明細書に援用する、ペレテン(Perreten)ら(2005)ジャーナル・オブ・クリニカル・マイクロバイオロジー43,2291−2302に記載されている。
1つを超えるタイプの細菌を特定することができ、1つを超えるタイプの抗菌薬耐性を特定することができることを理解されたい。1つを超えるタイプの細菌を感作させ、続いて死滅させることが望ましい場合があることも理解されたい。したがって、本発明の方法は、1つを超えるタイプの細菌を特定し、抗菌薬に対して感作させ、適切な抗菌薬で死滅させる可能性を含む。
本発明の第1及び第2の態様においては、細菌を、侵入促進剤の存在下で、抗菌薬耐性を阻害する薬剤に暴露するステップと細菌を抗菌薬に暴露するステップを同時に行えば好ましい。好都合には、例えば、侵入促進剤、抗菌薬耐性を阻害する薬剤、及び抗菌薬は、同じ組成物中に存在する。同様に好都合には、侵入促進剤、抗菌薬耐性を阻害する薬剤、及び抗菌薬は、細菌が接するナノ粒子中に存在する。好都合には、細菌に感染したヒト又は動物にナノ粒子を投与して、感染に対処する。ナノ粒子は、希釈剤若しくは担体に包含することができ、又は他の医薬品賦形剤と一緒に存在することができる。
本発明の方法は、ヒト又は動物の体の中又は上に存在する細菌に限定されない。したがって、一実施形態においては、細菌は、無生物材料の中又は上、無生物表面などのヒト又は動物の体の外側に存在し、本方法を使用して、病棟などにおける消毒管理体制の一部として、細菌を感作させ、死滅させることができる。すなわち、本発明の薬剤を消毒薬として使用するために適切な液体(すなわち、水性溶媒又は他の溶媒)、ガス又は固体形態で提供することができる。かかる調製物は、当業者によって理解されるように、液体、ミスト、エアロゾル、蒸気、粉末、結晶形、任意の他の適切な形態などの任意の適切な様式で投与することができる。したがって、本発明はかかる調製物を含む。
更に別の一態様においては、本発明は、侵入促進剤と抗菌薬耐性を阻害する薬剤とを含む組成物/製剤を提供する。適切な薬剤は、上記態様に関連して上に示した薬剤である。
更に別の一態様においては、本発明は、ヒト又は動物における細菌感染に対処するのに使用される侵入促進剤と抗菌薬耐性を阻害する薬剤とを含む組成物/製剤を提供する。さらに、適切な薬剤は、上記態様に関連して上に示した薬剤である。
前述の態様の一実施形態においては、ヒト又は動物に抗菌薬を投与することができる。実際、組成物/製剤は、さらに、抗菌薬を含むことができる。抗菌薬は、上記任意の抗菌薬とすることができる。
本発明の前述の態様の組成物は、さらに、薬学的に許容される賦形剤、アジュバント、希釈剤又は担体を含むことができる。
「薬学的に許容される」とは、製剤が無菌であり、発熱物質を含まないことを含む。適切な薬剤担体は、薬学の当該技術分野で周知である。担体(単数又は複数)は、本発明の薬剤に適合し、そのレシピエントに対して有害でないという意味で、「許容される」必要がある。一般に、担体は、無菌であり発熱物質を含まない水又は食塩水であるが、他の許容される担体を使用することができる。
本発明の薬剤組成物/製剤は、ヒト又は動物患者に静脈内、筋肉内、皮下、経口、直腸、膣、経鼻、眼球又は局所送達するために処方することができる。投与経路及び製剤は、当業者によって理解されるように、対処するべき細菌感染の場所及び重症度に基づいて選択される。
好ましくは、本発明の薬剤組成物/製剤は、活性成分(単数又は複数)の1日量若しくは単位、1日量未満、又はその適切な一部を含む単位投与量である。
本発明の薬剤組成物/製剤は、通常、経口的に、又は任意の非経口経路によって、活性成分(単数又は複数)を含む医薬製剤の形で、場合によっては無毒の有機、又は無機、酸、又は塩基、付加塩の形で、薬学的に許容される剤形で、投与される。治療する感染症及び患者、並びに投与経路に応じて、組成物を異なる用量で投与することができる。
ヒトの治療においては、本発明の薬剤組成物/製剤は、単独で投与することができるが、一般には、意図された投与経路及び標準薬務に関して選択された適切な医薬品賦形剤希釈剤又は担体との混合物として投与される。
例えば、本発明の薬剤組成物/製剤は、経口、頬側又は舌下に、香味剤又は着色剤を含むことができる錠剤、カプセル剤、卵形剤(ovules)、エリキシル剤、液剤又は懸濁液剤の形で、即時、遅延又は制御放出適用のために投与することができる。発明の薬剤組成物/製剤は、陰茎海綿体内注射によって投与することもできる。
かかる錠剤は、微結晶セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、グリシンなどの賦形剤、デンプン(好ましくは、トウモロコシ、ジャガイモ又はタピオカデンプン)、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、ある種の複合体シリカートなどの崩壊剤、及びポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC:hydroxypropylmethylcellulose)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC:hydroxy−propylcellulose)、スクロース、ゼラチン、アラビアゴムなどの顆粒化結合剤を含むことができる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリン、タルクなどの潤滑剤を含むことができる。
類似タイプの固体組成物をゼラチンカプセル剤中の充填剤として採用することもできる。この点で好ましい賦形剤としては、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖又は高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。水系懸濁液剤及び/又はエリキシル剤の場合、本発明の化合物は、種々の甘味剤又は香味剤、着色剤又は色素、乳化剤及び/又は懸濁化剤、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンなどの希釈剤、並びにその組合せと組み合わせることができる。
本発明の薬剤組成物/製剤は、非経口的に、例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内若しくは皮下に投与することもでき、又は注入技術によって投与することができる。本発明の薬剤組成物/製剤は、他の物質、例えば、溶液を血液と等張にするのに十分な塩又はグルコースを含むことができる無菌水溶液の形で最適に使用される。水溶液は、必要に応じて、適切に緩衝されなくてはならない(好ましくは、pH3から9)。適切な非経口製剤の無菌条件下での調製は、当業者に周知の標準製薬技術によって容易に実施される。
非経口投与に適切な製剤としては、抗酸化剤と、緩衝剤と、静菌剤と、製剤を対象レシピエントの血液と等張にする溶質とを含むことができる水系及び非水系無菌注射液、並びに懸濁化剤と増粘剤を含むことができる水系及び非水系無菌懸濁液が挙げられる。製剤は、単位用量又は複数用量の容器、例えば密封アンプル及びバイアル中で提供することができ、使用直前に無菌液状担体、例えば注射用水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵することができる。即時注射液及び懸濁液は、上記種類の無菌散剤、顆粒剤及び錠剤から調製することができる。
本発明の薬剤組成物/製剤は、鼻腔内に、又は吸入によって、投与することもでき、好都合には、ドライパウダー吸入器の形で、又は適切な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA134A3、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA227EA3)などのヒドロフルオロアルカン、二酸化炭素若しくは他の適切なガスを使用した、加圧容器、ポンプ、噴霧器若しくはネブライザからのエアロゾル噴霧(spray presentation)の形で送達される。加圧エアロゾルの場合には、単位用量は、計量された量を送達するための弁を備えることによって、決定することができる。加圧容器、ポンプ、噴霧器又はネブライザは、例えばエタノールと噴霧剤の混合物を溶媒として用いて、さらに潤滑剤、例えばトリオレイン酸ソルビタンを含むことができる、活性化合物の溶液又は懸濁液を含むことができる。吸入器又は注入器用の(例えば、ゼラチン製)カプセル及びカートリッジは、本発明の薬剤組成物/製剤とラクトース、デンプンなどの適切な粉末基剤との混合粉末を含むように処方することができる。
エアロゾル又は乾燥粉末製剤は、好ましくは、各計量用量又は「一吹き(puff)」が、患者に送達される少なくとも1mgの本発明の薬剤組成物/製剤を含むように設計される。エアロゾルの全1日量は、患者ごとに異なり、単一用量で投与することができ、より一般的には、1日を通して分割用量で投与できることを理解されたい。
あるいは、本発明の薬剤組成物/製剤は、坐剤若しくは膣坐剤の形で投与することができ、又はローション剤、溶液剤、クリーム剤、軟膏剤若しくは散布粉剤の形で局所的に適用することができる。本発明の化合物は、例えば、皮膚貼付薬を使用して、経皮投与することもできる。本発明の化合物は、特に眼の疾患を治療するために、眼球経路によって投与することもできる。
眼に使用する場合、本発明の薬剤組成物/製剤は、等張性のpH調節された無菌食塩水中の微粉懸濁液として、又は、好ましくは、等張性のpH調節された無菌食塩水中の溶液として、場合によっては塩化ベンジルアルコニウム(benzylalkonium)などの防腐剤と組み合わせて、処方することができる。あるいは、本発明の薬剤組成物/製剤は、ワセリンなどの軟膏剤中に処方することができる。
皮膚に局所的に適用する場合、本発明の薬剤組成物/製剤は、例えば、以下、すなわち鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ロウ及び水の1種以上との混合物中に懸濁又は溶解した活性化合物を含む適切な軟膏剤として処方することができる。あるいは、本発明の薬剤組成物/製剤は、例えば、以下、すなわち鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール及び水の1種以上の混合物中に懸濁又は溶解した適切なローション剤又はクリーム剤として処方することができる。
口内局所投与に適切な製剤としては、風味付けされた基剤、通常はスクロースとアラビアゴム又はトラガカント中に活性成分を含むロゼンジ、ゼラチンとグリセリン、スクロースとアラビアゴムなどの不活性基剤中に活性成分を含むトローチ剤、及び適切な液状担体中に活性成分を含む洗口剤が挙げられる。
一般に、ヒトにおいては、本発明の薬剤組成物/製剤の経口又は局所投与が好ましい経路であり、最も好都合である。レシピエントが、経口投与後に、えん下障害又は薬物吸収障害がある状況では、薬物を非経口的に、例えば、舌下又は頬側に投与することができる。
獣医用途の場合、本発明の薬剤組成物/製剤は、通常の獣医学実務に従って適切に許容される製剤として投与され、獣医は、個々の動物に最も適切である投与計画及び投与経路を決定する。
患者はヒトであることが好ましいが、患者は、治療の恩恵を受けることができる任意の他のほ乳動物とすることができる。例えば、患者は、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヤギ、ヒツジ、サル又は類人猿とすることができる。
本明細書では「治療有効量」又は「有効量」又は「治療上有効な」とは、所与の症状及び投与計画に対して治療効果をもたらす量を指す。これは、必要な添加剤及び希釈剤、すなわち担体又は投与ビヒクルと共に所望の治療効果を生じるように計算された活性材料の所定量である。さらに、宿主の活性、機能及び反応における臨床的に重大な欠陥を抑制又は予防するのに十分な量を意味するものとする。あるいは、治療有効量は、宿主、例えば、ほ乳動物における臨床的に重大な症状を改善するのに十分である。
本発明は、さらに、抗菌薬耐性を阻害する複数の薬剤を含む部品のキットを提供する。部品のキットは、さらに、細菌を特定する手段、及び/又は細菌中の抗菌薬耐性決定因子を特定する手段を含むことができる。かかる手段は、上記態様に関連して上で説明した手段とすることができる。
部品のキットは、さらに、1種以上の抗菌薬を含むことができる。適切な抗菌薬は、上記態様に関連して上で列挙した抗菌薬とすることができる。
本発明の部品のキットは、さらに、好ましくは抗菌薬耐性を阻害する薬剤と組み合わせて、侵入促進剤を含むことができる。適切な薬剤は、上記態様に関連して上に列挙されている。
以下、本発明を以下の図及び非限定的実施例を参照してより詳細に記述する。
オキサシリンの異なる濃度におけるPHMB及びMecAペプチドのFIC指数。 発明の実施の長期戦略的展望。
実施例1
組換えPBP2aの産生、及びPBP2aを阻害するのに適切な結合剤の選択
PBP2a産生
切断型mecA遺伝子のクローニング。MRSA(ATCC3300)の染色体DNAをPCR用テンプレートとして使用した。国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)から公表されたmecA配列に基づいてプライマーを設計した。プライマーは、順方向プライマー5_−PBP2a−EcoRI,BamHI(5_−GGATCCGAATTCCTGGAAGTTCTGTTCCAGGGGCCCATGGCTTCAAAAGATAAA−3_)(配列番号7)及び逆方向プライマー3_−PBP2a−XhoI,HindIII(5_−AAGCTTCTCGAGTTATTCATCTATATCGTA−3_)(配列番号8)であった。N末端の最初の23アミノ酸が欠失するようにプライマーを設計した。ゲル精製キット(Invitrogen)を使用して、製造者の手順に従って、生成したDNA断片(_2kb)をゲル精製し、次いで抽出した。遺伝子をT4リガーゼを用いてpGEM−Tベクター(Promega、Madison、WI)に連結し、コンピテントなXL1−Blue細胞に転換した。pGEM−Tベクター中のmecA遺伝子の配列をT7及びSP6プロモータープライマーを用いて決定した。検証済み挿入DNAとpGEX−4T1ベクター(GE Healthcare、Piscataway、NJ)の両方を同じ制限酵素(EcoRI及びXhoI)で消化し、次いで連結して、発現ベクターpGEX−PBP2aを得た。
PBP2a発現。組換えベクターpGEX−PBP2aをタンパク質発現のためにエシェリキア コリBL21(DE3)細胞(Invitrogen)に転換した。培養物の600nmにおける光学濃度が0.6に達するまで、アンピシリン100_g/mlを含むLuria−Bertaniブロス中で細胞を37℃で増殖させた。培養物を氷浴で10分間冷却し、次いで振とう機に18℃で置き、0.5mM IPTG(イソプロピル−_−D−チオガラクトピラノシド)を添加してタンパク質発現を誘発した。次いで、細胞を振とうしながら18℃で終夜(16h)増殖させ、次いで遠心分離によって4℃で収集した。大規模生産では、各々培養物350mlを含む3個の1リットルフラスコを使用した。
GST−PBP2a精製。すべての精製ステップを4℃で実施した。細菌細胞ペレットを冷たい溶解緩衝剤(40mM Na2HPO4、10mM KH2PO4、300mM NaCl[pH7.4])60mlに再懸濁させた。細菌細胞をマイクロフルイダイザー(モデルM100L;Microfluidics、Newton、MA)を用いて溶解させた。細菌抽出物を30,000_gで30分間遠心分離し、上清を収集し、さらに20分間遠心分離し、上清を再度収集し、_80℃で凍結貯蔵した。GST−PBP2a融合タンパク質をGST樹脂(GenScriptカタログ番号L00206)上で製造者の指示に従って精製した。
GSTタグの切断。トロンビン(GE Healthcare、カタログ番号27−0846−01)をリン酸緩衝食塩水(PBS:phosphate−buffered saline)を用いて液状に戻して、1U/_lの最終溶液を得た。少量の一定分量を−80℃で貯蔵した。グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST:glutathione S−transferase)タグを精製GST−PBP2aから切断するために、GST−PBP2a 5mgをトロンビン70Uを用いて4℃で終夜処理した。SDS−PAGEを使用して、切断を確認した。上述したようにGST樹脂上を通過させて、遊離GSTタグ及び未切断GST−PBP2aを切断生成物PBP2aから除去した。精製されたタグなしPBP2aは、フロースルー時にカラムを通過したが、GST及びGST−PBP2aは保持された。画分を収集し、純度をSDS−PAGEによって、タンパク質濃度をBradfordアッセイによって分析し、次いで濃縮した。
あるいは、PBP2aタンパク質をSunny labsカタログ番号P555から購入することができる。
PBP2aの阻害の特性分析。阻害剤スクリーニングのために、組換え発現され、精製されたPBP2aを、親和性タグを用いてマイクロタイタープレートのウェルの表面に固定する。次いで、ウェルをペプチドアプタマー又は実際にBIO−AMP(ボバ(Bobba)ら、2011)などの任意の可能なPBP2a阻害剤プラスPBP2a基質の段階希釈溶液と一緒にPBS中の固定濃度でインキュベートする。約15分後、結合反応を停止し、プレートを記載されたように展開した(ボバら、2011)。対照反応の蛍光のバックグラウンドレベルを差し引き、次いで阻害剤結合データを計算し、プロットして、結合のKiappを求める。
参考文献−スドヒール ボバ(Sudheer Bobba)、V.K.チャイタンヤ ポナルリ(Chaithanya Ponnaluri)、ムリヅル ムクヘルジ(Mridul Mukherji)及びウィリアム(William)G.グトハイル(Gutheil)「メチシリン耐性スタフィロコッカス アウレウス由来のペニシリン結合タンパク質2aの阻害剤のマイクロタイタープレートアッセイ(Microtiter Plate−Based Assay for Inhibitors of Penicillin−Binding Protein 2a from Methicillin−Resistant Staphylococcus aureus)」アンチマイクロバイアル・エージェンツ・アンド・ケモセラピー(Antimicrob.Agents Chemother.)2011年6月55巻6号2783−2787
標的分子(例えば、PBP2a)結合パートナーをスクリーニングするための適切なファージディスプレイプロトコル。
材料
・EZ−Link(登録商標)(Thermo Scientific Pierce、カタログ番号21441)
・ジメチルスルホキシド(DMSO)(Sigma−Aldrich、カタログ番号D8418)
・リン酸緩衝食塩水(PBS)(137mM NaCl;10mMリン酸;2.7mM KCl;pH7.4)
・PBST(PBS+0.1%Tween−20)
・スピン脱塩カラム、7K MWCO(Thermo Scientific Pierce、カタログ番号89882/89883)
・Nunc−Immuno(商標)MaxiSorp(商標)ストリップ(Thermo Scientific、カタログ番号469949)
・10xブロッキング緩衝剤(Sigma、カタログ番号B6429)
・高感度ストレプトアビジン−HRP(Thermo Scientific Pierce、カタログ番号21130)
・TMB(Seramun、カタログ番号S−001−TMB)
・ER2738 E.コリ細胞
・2TY培地(1リットル当たり:酵母エキス10g;トリプトン16g;NaCl5g)
・テトラサイクリン塩酸塩(70%エタノール中12mg/ml)
・ストレプトアビジン被覆(HBC)8ウェルストリップ(Thermo Scientific Pierce、カタログ番号15501)
・0.2Mグリシン、pH2.2
・1M Tris−HCl、pH9.1
・トリエチルアミン(Sigma−Aldrich、カタログ番号T0886)
・1M Tris−HCl、pH7
・100μg/mlカルベニシリンを含むLB寒天板
・カルベニシリン(500x原液:ddHO中50mg/ml)
・M13K07ヘルパーファージ
・カナマイシン(500x原液:ddHO中25mg/ml)
・PEG−NaCl沈殿溶液(20%(w/v)PEG8000、2.5M NaCl)
・TE(10mM Tris;1mM EDTA;pH8.0)
・グリセロール(Sigma−Aldrich、カタログ番号G6279)
・エッペンドルフ管(Eppendorf、カタログ番号0030 108.116)
・ストレプトアビジンビーズ(Dynabeads(登録商標)MyOne(商標)ストレプトアビジンT1、10mg/ml)(Invitrogenカタログ番号656.01/656.02)
・深いウェル96プレート(Thermo Scientific、カタログ番号95040450)
・KingFisher(200ul)96プレート(Thermo Scientific、カタログ番号97002540)
・ニュートラアビジン被覆(HBC)8ウェルストリップ(Thermo Scientific Pierce、カタログ番号15508)
・ジチオトレイトール(DTT)
方法
パニング1回目
ステップ1:標的タンパク質をビオチンに架橋
1.EZ−Link(登録商標)NHS−SS−ビオチン(Thermo Scientific Pierce、カタログ番号21441)のバイアルを開口前に室温に平衡にする。使用直前に、DMSO中のNHS−SS−ビオチンの5mg/ml溶液(例えば、DMSO100μl中NHS−SS−ビオチン0.5mg)を調製する。
2.適切な体積のNHS−SS−ビオチン溶液をタンパク質に添加する。例えば、12KDaタンパク質の場合、1mg/ml溶液5μlを、PBS(又は疎水性タンパク質の場合はPBST)総体積50μl中のNHS−SS−ビオチン0.4μlに添加する。添加するタンパク質の体積をその分子量(MW)に応じて調節する。すなわち、MWが低いタンパク質を少なく、MWが高いタンパク質を多く添加する。
3.室温で1時間インキュベートする。
4.残留ビオチンをZebaスピン脱塩カラム7K MWCO(Thermo Scientific Pierce、カタログ番号89882/89883)を用いて製造者の指示に従って脱塩、除去する。
5.等分し、4℃で貯蔵。
ステップ2:ビオチン化をチェックするためのELISA
1.PBS50μl/ウェルをNunc−Immuno(商標)MaxiSorp(商標)ストリップ(Thermo Scientific、カタログ番号469949)に分注する。
2.ビオチン化タンパク質1、0.1及び0.01μlを添加する。すなわち、0.1μlの場合1:10希釈物1μlを添加し、0.01μlの場合1:100希釈物1μlを添加する。
3.4℃で終夜インキュベートする。
4.プレート洗浄機によりPBST300μl/ウェルで3回洗浄する。
5.10xブロッキング緩衝剤(Sigma、カタログ番号B6429)250μl/ウェルを分注し、37℃で3時間インキュベートする。
6.プレート洗浄機によりPBST300μl/ウェルで3回洗浄する。
7.高感度ストレプトアビジン−HRP(Thermo Scientific Pierce、カタログ番号21130)を2xブロッキング緩衝剤(PBSTで希釈されたSigma10xブロッキング緩衝剤)で1:1000希釈し、50μl/ウェルを分注する。
8.振動しているプラットフォーム振とう機(Heidolph VIBRAMAX100;速度設定3)上で室温で1時間インキュベートする。
9.プレート洗浄機によりPBST300μl/ウェルで6回洗浄する。
10.TMB50μl/ウェル(SeramunBlau(登録商標)fast TMB/基質溶液、Seramun、カタログ番号S−001−TMB)を分注し、展開する。(プレートを展開する時間を記録する。)
11.620nmにおける吸光度を測定する。
ステップ3:ストレプトアビジンプレート及びER2738E.コリ細胞を準備し、ファージディスプレイを実施する。
1.ER2738E.コリ細胞のコロニーを12μg/mlテトラサイクリンを含む2TY培地5mlに採取し、軌道恒温器(orbital incubator)中で37℃、225rpmで終夜インキュベートする。
2.2xブロッキング緩衝剤300μl/ウェルをストレプトアビジン被覆(HBC)8ウェルストリップ(Thermo Scientific Pierce、カタログ番号15501)に分注し、(撹拌せずに)37℃で終夜インキュベートする。各標的タンパク質に対して合計4ウェルを準備する(ファージをプレパニング(pre−panning)するために3ウェル、及び標的タンパク質と結合し、ファージを用いてパニングするために1ウェル)。
3.プレート洗浄機によりPBST300μl/ウェルで3回洗浄する。
4.2xブロッキング緩衝剤100μl/ウェルを分注し、ビオチン化タンパク質2.5μlをウェルに添加して、パニングに使用する。
5.振動しているプラットフォーム振とう機(Heidolph VIBRAMAX100;速度設定3)機上で室温で2時間インキュベートする。その間に、ファージのプレパニングを開始する。
6.緩衝剤を第1のプレパニングウェルから除去し、2xブロッキング緩衝剤100μlを添加する。これに、最適な骨格ペプチドを発現する好ましいペプチドディスプレイファージライブラリー、すなわちDARPIn、アフィマー、線状5μlを添加する。振動しているプラットフォーム振とう機(Heidolph VIBRAMAX100;速度設定3)上で40分間混合し、インキュベートする。
7.第2のプレパニングウェルから緩衝剤を除去し、ファージを含む緩衝剤を第1のプレパニングウェルから第2のプレパニングウェルに移す。40分間インキュベートし、次いで第3のプレパニングウェルに対して繰り返す。
8.標的タンパク質を含むウェルを多チャネルピペットを用いてPBST200μl/ウェルで6回洗浄する。
9.ファージをプレパニングウェルから標的タンパク質を含むウェルに移し、振動しているプラットフォーム振とう機(Heidolph VIBRAMAX100;速度設定3)上で室温で2時間インキュベートする。
10.その間に、終夜培養物を約1:15希釈し、37℃、225rpmで約1時間インキュベートして0.6のA600を与えることによって、ER2738細胞の新しい培養物を準備する。
11.パニングウェルをプレート洗浄機によりPBST300μl/ウェルで6回洗浄する。
12.0.2Mグリシン、pH2.2を100μl添加し、室温で10分間インキュベートして、ファージを溶出させる。
13.1M Tris−HCl、pH9.1を15μl添加して中和する。混合し、50mlファルコンチューブ中の8ml一定分量のER2738細胞にすぐに添加する。
14.トリエチルアミン(Sigma−Aldrich、カタログ番号T0886)14μlをPBS986μlで希釈する。
15.希釈トリエチルアミン100μlを添加し、室温で6分間インキュベートして、残留ファージを溶出させる。
16.1M Tris−HCl、pH7を50μl添加して中和する。混合し、ER2738細胞にすぐに添加する。
17.細胞を37℃で1時間インキュベートする(振とうなし、又は低速振とう、最高90rpm)。
18.ファージ感染E.コリK12ER2738細胞1μlを、100μg/mlカルベニシリンを含むLB寒天板に蒔き、37℃で終夜インキュベートする。
19.残りの細胞を3,000xgで5分間遠心分離して、より小さい体積で再懸濁させ、100μg/mlカルベニシリンを含むLB寒天板上に蒔き、室温で終夜インキュベートする。
20.翌日、細胞1μlを含むプレート上のコロニーを数え、8,000を掛けて、細胞8ml当たりの総数を求める(0.5〜2×10である必要がある)。
21.残りのプレートから細胞をこすり落す。これをするために、2TY培地5ml+100μg/mlカルベニシリンをプレートに添加し、使い捨てプラスチック延展器を用いてこすり落し、50mlファルコンチューブに移し、混合する。さらに2TY培地2ml+100μg/mlカルベニシリンを添加して、残留細胞をこすり落す。
22.1:10希釈物の600nmにおける吸光度を測定して、A600=0.2において培養物25mlに必要な希釈を決定する。
23.細胞を125mlガラスフラスコ中で2TY培地+100μg/mlカルベニシリンで希釈する。
24.37℃、230rpmで1時間インキュベートする。
25.M13K07ヘルパーファージ(力価約1014/ml)1μlを添加し、37℃、90rpmで30分間インキュベートする。
26.カナマイシン(25mg/ml)50μlを添加し、軌道恒温器中で25℃、170rpmで終夜インキュベートする。
27.ファージ感染培養物を50mlファルコンチューブに移し、3,500xgで10分間遠心分離する。
28.2回目のパニングのためにファージ含有上清500μlを取り出す。
29.残りの上清を新しい管に移し、PEG−NaCl沈殿溶液(20%(w/v)PEG8000、2.5M NaCl)6mlを添加する。4℃で2時間インキュベートする。
30.5,000xgで20分間遠心分離して、ファージをペレット化する。
31.上清を捨て(管をティッシュペーパーで拭き、上清すべてを除去する)、ペレットをTE1mlに再懸濁させる。
32.微量遠心管に移し、16,000xgで10分間遠心分離する。上清はファージを含む。4℃で貯蔵する。または、長期貯蔵のために、40〜50%グリセロールで希釈し、−80℃で貯蔵する。
パニング2回目
1.ER2738E.コリ細胞のコロニーを12μg/mlテトラサイクリンを含む2TY培地5mlに採取し、37℃、225rpmで終夜インキュベートする。
2.標的タンパク質1種当たり20μlのストレプトアビジンビーズ(Dynabeads(登録商標)MyOne(商標)ストレプトアビジンT1、10mg/ml、Invitrogenカタログ番号656.01/656.02)を磁石を用いて2xブロッキング緩衝剤500μlで3回洗浄する。
3.ストレプトアビジンビーズ20μl当たり100μlの2xブロッキング緩衝剤に再懸濁させ(又は200μl最小体積)、Stuart SB2固定速度回転装置(20rpm)上で室温で終夜インキュベートする。
4.1,000xgで1分間遠心分離し、ストレプトアビジンビーズを磁石で固定し、ブロッキング緩衝剤を除去する。
5.新しい2xブロッキング緩衝剤で置換し、ストレプトアビジンビーズ20μl当たり100μlに再懸濁させる。
6.ファージのプレパニング:1回目のパニングからのファージ含有上清125μlを2xブロッキング緩衝剤125μlと混合し、あらかじめブロックされたストレプトアビジンビーズ50μlを添加する。エッペンドルフタンパク質LoBind管(Eppendorf、カタログ番号0030 108.116)を使用する。回転装置上で室温で4時間インキュベートする。
7.同時に、標的をストレプトアビジンビーズに結合させる:ビオチン化標的タンパク質2.5μlを2xブロッキング緩衝剤200μl及びあらかじめブロックされたストレプトアビジンビーズ50μlに添加する。Stuart SB2回転装置上で室温で4時間インキュベートする。
8.その間に、プレートをKingFisher Flex(Thermo Scientific)用にあらかじめブロックする:
a.深いウェル96プレート(Thermo Scientific、カタログ番号95040450)の十分なウェルを2xブロッキング緩衝剤1ml/ウェルであらかじめブロックする。これをパニングに使用する。
b.2個のKingFisher(200ul)96プレート(Thermo Scientific、カタログ番号97002540)の十分なウェルを2xブロッキング緩衝剤300μl/ウェルであらかじめブロックする。一方をグリシンによる溶出に使用し、他方をトリエチルアミンによる溶出に使用する。37℃で4時間ブロックする。
9.2xブロッキング緩衝剤950μl/ウェルを用いて4枚の深いウェル96プレート中に十分なウェルを用意する。これらをKingFisherプロトコルの洗浄ステップに使用する。あらかじめブロックされた溶出プレートから緩衝剤を除去する。100μl/ウェルの0.2Mグリシン、pH2.2を1枚のプレートに分注する。トリエチルアミン14μlをPBS986μlで希釈し、100μl/ウェルをその他のプレートに分注する。あらかじめブロックされた深いウェル96プレートから緩衝剤を除去する。
10.プレパニングされたファージ及びビオチン化標的を含む管を1,000xgで1分間遠心分離し、磁石の上に置く。
11.ビオチン化標的タンパク質を含むビーズを2xブロッキング緩衝剤500μlで3回洗浄する。
12.ファージを含む上清をビオチン化標的タンパク質を含むビーズに移し、再懸濁させる。あらかじめブロックされた深いウェル96プレートに移す。
13.その間に、終夜培養物を約1:15希釈し、37℃、225rpmで約1時間インキュベートして、ER2738細胞の新しい培養物を準備する。
14.プロトコルは、グリシン中で10分間溶出する。終了後すぐに1M Tris−HCl、pH9.1を15μl添加して中和する。混合し、8ml一定分量のER2738細胞に添加する。
15.次いで、プロトコルは、トリエチルアミン中で6分間溶出する。終了後すぐに1M Tris−HCl、pH7を50μl添加して中和する。混合し、ER2738細胞に添加する。
16.細胞を37℃で1時間インキュベートする(振とうなし、又は低速振とう、最高90rpm)。パニング1回目のステップ17〜31に記述したようにファージを蒔き、調製する。
パニング3回目
1.ER2738E.コリ細胞のコロニーを12μg/mlテトラサイクリンを含む2TY培地5mlに採取し、37℃、225rpmで終夜インキュベートする。
2.2xブロッキング緩衝剤300μl/ウェルをニュートラアビジン被覆(HBC)8ウェルストリップ(Thermo Scientific Pierce、カタログ番号15508)に分注し、37℃で終夜インキュベートする。各標的タンパク質に対して合計6ウェルを準備する(ファージをプレパニングするために4ウェル、標的タンパク質に対してパニングするために1ウェル、及びブランクウェルに対してパニングするための負の対照)。
3.プレート洗浄機によりPBST300μl/ウェルで3回洗浄する。
4.2xブロッキング緩衝剤100μl/ウェルを、パニングに使用するウェルに分注する(標的タンパク質に対してパニングするために1ウェル、及びブランクウェルに対してパニングするための負の対照)。ビオチン化タンパク質2.5μlを、標的タンパク質に対するパニングに用いるウェルに添加する。振動しているプラットフォーム振とう機(Heidolph VIBRAMAX100;速度設定3)上で室温で4時間インキュベートする。
5.同時に、ファージのプレパニングを開始:10xブロッキング緩衝剤20μlを第1のプレパニングウェルに分注し、2回目のパニングからのファージ含有上清200μlを添加する。振動しているプラットフォーム振とう機(Heidolph VIBRAMAX100;速度設定3)上で室温で1時間インキュベートする。残りのプレパニングウェルに2xブロッキング緩衝剤200μl/ウェルを充填する。
6.第2のプレパニングウェルから緩衝剤を除去し、第1のプレパニングウェルの内容物を第2のプレパニングウェルに移す。さらに1時間インキュベートし、第3及び第4のプレパニングウェルに対して繰り返す。
7.その間に、終夜培養物を約1:15希釈し、37℃、225rpmで約1時間インキュベートして、ER2738細胞の新しい培養物を準備する。
8.標的タンパク質を含むウェル及び負の対照ブランクウェルをPBSTで3回(手で)洗浄する。
9.プレパニングウェルからのファージ100μl/ウェルを、標的タンパク質を含むウェル及び負の対照ブランクウェルに移す。振動しているプラットフォーム振とう機(Heidolph VIBRAMAX100;最高速度設定3)上で室温で30〜45分間インキュベートする。
10.プレート洗浄機によりPBST300μl/ウェルで6回洗浄する。
11.100mM DTT100μlを添加し、室温で20分間インキュベートして、ファージを溶出させる。
12.8ml一定分量のER2738細胞に添加する。
13.37℃で1時間インキュベートする(振とうなし、又は低速振とう、最高90rpm)。パニング1回目のステップ17〜31に記述したようにファージを蒔き、調製する。
実施例2
MecA阻害ペプチド及びPHMBを用いたオキサシリンに対するMRSAの感作
mecAは、タンパク質ペニシリン結合タンパク質2A(PBP2A)をコードし、メチシリン、ペニシリン、オキサシリン、エリスロマイシン、テトラサイクリンなどのβラクタム抗菌薬に対する菌耐性の原因である。ペニシリン結合タンパク質(PBP)は、細菌細胞壁合成に不可欠である。PBPは、架橋ペプチドグリカンを脂質中間体から合成し、ペプチドグリカン前駆体からのD−アラニンの除去を媒介するプロセスに関与する幾つかの反応を触媒することが示された。PBPは、ペプチドグリカンを形成するモジュール部分に化学構造が類似しているので、βラクタム抗菌薬に結合する。PBPがペニシリンに結合すると、βラクタムアミド結合が開裂して、PBP活性部位において触媒作用性セリン残基と共有結合を形成する。これは不可逆反応であり、酵素を不活性化する。βラクタム抗菌薬に対する耐性は、上で説明したように、PBPの過剰産生、及びβラクタム抗菌薬に対する親和性が低いPBPの形成によって生じる。PBP2Aはβラクタム抗菌薬に対して低親和性である。したがって、mecAの発現は、βラクタム抗菌薬の有効性を低下させ、細菌が細胞壁成分を妨げられなくすることができる。
mecAの最も一般的に知られる担体は、メチシリン耐性スタフィロコッカス アウレウス(MRSA)である。mecAは、ストレプトコッカス ニューモニエ株などの幾つかの別の細菌種にも見られる。スタフィロコッカス種においては、mecAは、SCCmec遺伝因子上に広がっている。
以下の実験は、本発明の方法を例証するものである。抗菌薬耐性を阻害する薬剤及び抗菌薬(オキサシリン)と組み合わせて本発明の例示的侵入促進剤を用いてMRSA株をオキサシリンに対して感作させる。例示的侵入促進剤はPHMBである。抗菌薬耐性を阻害する例示的薬剤は、MecA(すなわち、PBP2A結合ペプチド)結合ペプチドMecA3136、MecA3140、HIW及びE1である。これらのペプチドは、Stefin A骨格に基づくアフィマーであり(ウッドマンら(2005)「ペプチドアプタマーの提示に対する中性骨格の設計及び検証」ジャーナル・オブ・モレキュラ・バイオロジー352:1118−1133参照)、以下のアミノ酸配列を有する。
MecA結合ペプチドMecA3136、MecA3140、HIW及びE1は、MecAに結合し、インビトロでオキサシリン(oxycillin)がMecAに結合するのを阻止する。
この実施例に記載の実験の目的は、(1)MRSA株におけるPHMB及びMecAペプチドの最小阻止濃度(MIC)を求めること、並びに(2)PHMB及びペプチドを用いてオキサシリンの増強を試験することであった。
HO5096 0412(EMRSA−15)は、英国の病院に特有のMRSA株である。EMRSA−15ゲノムは、2,832,299bpの単一環状染色体及び2473bpのプラスミドからなる。十分な注釈の付いた染色体がEMBL/GenBankデータベースから受託番号HE681097で入手可能である。プラスミドの予備的遺伝子予測をArtemis形式でダウンロードすることができる。
MRSA252は、英国の病院に特有の流行性EMRSA−16系列の代表である。この系統は、MLSTによって配列タイプ(ST:sequence type)36として分類された。MRSA252ゲノムは、2,902,619bpの単一環状染色体で構成される。十分な注釈の付いたゲノムがEMBL/GenBankデータベースから受託番号BX571856で入手可能である。
方法
薬物及びペプチドの最小阻止濃度(MIC)
EMRSA−15の抗菌薬感受性試験を、ブロスミクロブロス希釈のNCCLS指針に修正を加えて実施した。EMRSA−15を、−70℃グリセロール原液から、5%ウマ血液(Oxoid)及び6μg/mlオキサシリン(Sigma)を補充したコロンビア基礎寒天(Oxoid)に画線し、33℃で18〜20時間インキュベートした。2から4個の細菌コロニーを、6μg/mlオキサシリン(Sigma)を補充した3mlミュラーヒントンブロス(MHB:Mueller Hinton broth、Oxoid)に接種し、180rpmで振とうしながら33℃で18〜20時間インキュベートした。培養物をMHBを用いてOD6250.08〜0.1(0.5Mcfarland又は1〜2×10cfu/mlに相当)に調節し、更に1/50希釈して、最終濃度5×10cfu/ウェルにした。オキサシリン、PHMB又はペプチドに対する感受性を、オキサシリン(MHB中0〜1024μg/ml)、PHMB(1xPBS中0〜512μg/ml)又はペプチド(1xPBS中0〜512μg/ml)を培養物75μlに最終体積150μl/ウェルで添加することによって試験した。プレートを33℃で24時間インキュベートし、増殖を目視で点数化した。
PHMBとMecAペプチドの相乗作用
PHMBとペプチド(MecA3136、MecA3140)の相乗作用を2倍希釈物の標準チェッカーボード法によって試験した。PHMBとペプチドを適切な濃度で混合して、96ウェルプレートの各ウェルの最終体積を30μlにし、培養物及びオキサシリンを添加して最終体積を150μlにする前に混合物を20〜22℃で30分間インキュベートした。プレートをインキュベートし、上述したように点数化した。増殖せず、PHMBとペプチドの最低の組合せを含むウェルのFIC指数を以下のように計算した:(A/MIC)+(B/MIC)=FIC+FIC=FIC指数。ここで、Aは、組合せのPHMBの濃度であり、MICは、PHMB単独のMICであり、Bは組合せのペプチドの濃度であり、MICはペプチド単独のMICである。オキサシリンを含まない対照プレート、及びオキサシリン(oxcaillin)が増加するがPHMBもペプチドも含まない培養物の対照ウェルを含んだ。
結果
指標:
・PHMB及びMecAペプチドのMICは、オキサシリンの存在下で変化しなかった。
・PHMBについては、MecAペプチドの送達に対して1/2MIC(例えば、0.25μg/ml)で試験することになる(オキサシリン感作アッセイ)。
・MecAペプチドは、MRSAの増殖を阻害しない。増殖阻害は、試験濃度よりも高い濃度で起こり得るが、これについては試験しなかった。
・MecAペプチドはMICを持たないので、PHMBを用いて任意の濃度で試験することになる(オキサシリン感作アッセイ)。
指標:
・PHMB単独では、オキサシリンを増強しなかった(MICの低下なし)
・ペプチド単独では、オキサシリンを増強しなかった(MICの低下なし)
・PHMBは、オキサシリンに対するMRSA−15のMICを2倍にしたが、これは有意とはみなされず、予想外の結果である。
・しかし、これは、ある濃度において、PHMBがオキサシリンをナノ粒子中に捕捉し、細菌がそれらを利用できないようにする、又はPHMBがmecAの発現を上方制御し、オキサシリンに対する耐性を増加させることを示しているのかもしれない。
・PHMBがオキサシリンと一緒にナノ粒子を形成し、もしかするとそれを細菌細胞に送達している場合、ペプチド、PHMB及びオキサシリンを含む3次元アッセイは、明瞭な結果を示さないかもしれない。
−この実験セットにおけるオキサシリンのMICは、256μg/mlであった。
−MecAペプチドは増殖を阻害しないので、FIC指数の計算では、ペプチドのMICを、以前に試験して増殖抑制作用を示さなかった最大濃度である22μM(又は512μg/ml)に設定した。
指標:
・ある濃度におけるPHMB及びMecA3136は、オキサシリンのMICを256μg/mlから≦16μg/mlに増強した(MICの1/16の減少、図1も参照されたい)。
・FIC<0.5は、相乗作用を示す。PHMBとMecAペプチドは相乗作用を示さなかったが、オキサシリン濃度の増加に伴うFICの減少は、PHMB及びMecA3136を使用したときの感作、並びにMecAに対するペプチドの特異性を示す。
・これらの結果は、MecA3136が2つのうちでより有望であり得ることを示唆している。
この実験は、0.25μg/mlのPHMBデータセットを最も情報価値のあるデータセットとして着目した。というのは、より高い濃度においては、PHMB自体が感受性に対して効果を有する可能性があり、0.5μg/mlでは単独で殺菌し得るからである。ただし、これは1μg/mlでは不明である。
表9においては、1は増殖であり、0は増殖なしである(nd=実施せず(not done))。MecA3136によるオキサシリン活性の明白な増強が見られる。表は、明白な用量反応を示している。8μM MecA3136及び32μg/mオキサシリンにおける増殖は異常かもしれないが、これ以外は、MecA3136がオキサシリンに対する感受性をどのように復活させるかを見ることができる。このPHMB濃度においては、オキサシリンへの感受性に対するMecA3136の明らかな相乗効果を見ることができる。
HIW及びE1によるオキサシリン活性の明白な増強は、MecA3136及びMecA3140と同様のアッセイをこれらの別のアプタマーに対して実施したときにも見られた。
表10の配列HIWは、アッセイ中に良好な効果を示す。
配列E1は、MecA3136及びMecA3140とは異なる骨格であるが、表11においては、アッセイ中に適度の効果を示す。

Claims (32)

  1. 細菌侵入促進剤と抗菌薬耐性を阻害する薬剤とを含む組成物。
  2. 前記組成物がさらに抗菌薬を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記侵入促進剤が、以下の式1a又は式1bに係る線状及び/又は分枝又は環式ポリモノグアナイド/ポリグアニジン、ポリビグアナイド、それらの類似体又は誘導体を含み、又はそれらからなり、
    式中、
    「n」は、ポリマー中の繰り返し単位の数を指し、nは2から1000まで、例えば、2又は5から10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800又は900までとすることができ、
    及びGは、独立に、ビグアナイド又はグアニジンを含むカチオン基であり、
    及びLは、前記グアナイドの窒素原子に直接結合し、
    及びLは、前記ポリマーにおけるGカチオン基とGカチオン基の連結基であり、独立に、C〜C140炭素原子を含む脂肪族基、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、C、C、C、C、C、C若しくはC10;C〜C10、〜C20、〜C30、〜C40、〜C50 〜C60、〜C70、〜C80、〜C90、〜C100、〜C110、〜C120、〜C130若しくは〜C140、アルキルなどのアルキル基、又はC〜C140(例えば、C、C、C、C、C、C、C、C、C若しくはC10;C〜C10、〜C20、〜C30、〜C40、〜C50 〜C60、〜C70、〜C80、〜C90、〜C100、〜C110、〜C120、〜C130若しくは〜C140)、脂環式、複素環式、芳香族、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル若しくはオキシアルキレン基、又は場合によっては1個以上の、好ましくは1個の、酸素、窒素若しくは硫黄原子、官能基又は飽和若しくは不飽和環状部分によって分断された、ポリアルキレン基であり、
    N及びGは任意に選択できる末端基であり、
    Xは存在してもしなくてもよく、
    、L及びXは、前記ポリマーにおけるGカチオン基とGカチオン基の連結基であり、独立に、C〜C140炭素原子を含む脂肪族基、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、C、C、C、C、C、C若しくはC10;C〜C10、〜C20、〜C30、〜C40、〜C50 〜C60、〜C70、〜C80、〜C90、〜C100、〜C110、〜C120、〜C130若しくは〜C140、アルキルなどのアルキル基であり、又はL及びL及びXは、独立に、C〜C140(例えば、C、C、C、C、C、C、C、C、C若しくはC10;C〜C10、〜C20、〜C30、〜C40、〜C50 〜C60、〜C70、〜C80、〜C90、〜C100、〜C110、〜C120、〜C130若しくは〜C140)、脂環式、複素環式、芳香族、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、オキシアルキレン基とすることができ、又は場合によっては1個以上の、好ましくは1個の、酸素、窒素若しくは硫黄原子、官能基及び飽和若しくは不飽和環状部分によって分断された、ポリアルキレン基とすることができ、
    「G」及び「G」は、カチオン部分であり、同じでも異なってもよく、その少なくとも一方は、ビグアニジン部分又はカルバモイルグアニジンであり、他方の部分は、ビグアニジン又はカルバモイルグアニジン又はアミンとすることができ、
    カチオン部分G及びGは、単一のグアニジン基を含まない、
    請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 式1aに係る前記侵入促進剤が以下の1種以上を含む、若しくはそれらからなる、
    又は式1bに係る前記侵入促進剤が、ポリ(アリルビグアニジノ−コ−アリルアミン)、ポリ(N−ビニルビグアナイド)、ポリ(アリルカルバモイルグアニジノ−コ−アリルアミン)若しくはポリアリルビグアナイドを含む、若しくはそれらからなる、
    請求項3に記載の組成物。
  5. 前記侵入促進剤がナノ粒子中に含まれる、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記抗菌薬耐性を阻害する薬剤が、ペプチド、核酸又は小分子である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記抗菌薬耐性を阻害する薬剤が酵素阻害剤である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記ペプチド又は核酸が、PBP2a、NDM−1又はVim2からなる群から選択される抗菌薬耐性決定因子に結合し、該抗菌薬耐性決定因子を阻害することができる、請求項6に記載の組成物。
  9. 前記ペプチドがPBP2a(mecAの遺伝子産物)に結合し、該PBP2a(mecAの遺伝子産物)を阻害する、請求項6に記載の組成物。
  10. 前記ペプチドが、配列番号1から4の1つ若しくは組合せ、又はその少なくとも90%相同である任意のペプチド配列を含む、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記核酸がNDM−1に結合する、請求項6に記載の組成物。
  12. 前記酵素阻害剤がクラブラン酸又はその塩である、請求項7に記載の組成物。
  13. 前記侵入促進剤が、ポリヘキサメチレンビグアナイド(PHMB)又はその類似体若しくは誘導体である、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 前記侵入促進剤が、ポリヘキサメチレングアナイド(PHMG)又はその類似体若しくは誘導体である、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 細菌がグラム陰性、グラム陽性である、又はマイコバクテリウムである、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 細菌が、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、トロレアンドマイシン、ロキシスロマイシン、スピラマイシン、アズトレオナム、イミペネム、メロペネム、エルタペネム、ドリペネム、パニペネム/ベタミプロン、ビアペネム、PZ−601、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェピム、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン及びトロバフロキサシンからなる群から選択される1種以上の抗菌薬に対して耐性がある、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 細菌が、シプロフロキサシン、メロペネム、セフタジジム、アズトレオナム、アジスロマイシン、メチシリン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、スピラマイシン、オキシテトラサイクリン及びイミペネム/シラスタチンからなる群から選択される1種以上の抗菌薬に対して耐性があるシュードモナス エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、クレブシエラ ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、ブルクホルデリア セパシア(Burkholderia cepacia)、スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococcus aureus)、プロビデンシア スチュアルティ(Providencia stuartii)又はアシネトバクター バウマニ(Acinetobacter baumannii)からなる群から選択される多剤耐性(MDR)株である、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
  18. ヒト又は動物における細菌感染症の治療又は予防に使用される、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 前記細菌感染症が、口腔、生殖器系、尿路、気道、消化管、腹膜、中耳、前立腺、血管内膜、結膜若しくは角膜組織を含めた眼、肺組織、心臓弁、皮膚、頭皮、爪の表面、副腎、肝臓、腎臓、すい臓、下垂体、甲状腺、免疫、卵巣、精巣、前立腺、子宮内膜、眼球、乳房、脂肪、上皮、内皮、神経、筋肉、肺、真皮、表皮若しくは骨組織の創傷内部若しくは表面からなる群から選択される内部若しくは外部の体表、又は血液、血しょう、血清、脳脊髄液、消化管内容物、痰、肺分泌物及び精液から選択される体液中、又は副腎、肝臓、腎臓、すい臓、脳、心臓、下垂体、甲状腺、免疫、卵巣、精巣、前立腺、子宮内膜、眼球、乳房、脂肪、上皮、内皮、神経、筋肉、肺、表皮及び骨組織から選択される体組織の中若しくは上である、請求項18に記載の組成物。
  20. ヒト又は動物の抗菌薬耐性細菌感染に対処する方法であって、
    (a)細菌のタイプ及び前記細菌の少なくとも1種の抗菌薬耐性決定因子の性質を特定するステップと、
    (b)決定された抗菌薬耐性を阻害する薬剤を選択するステップと、
    (c)特定された抗菌薬耐性決定因子によって前記細菌が耐性である抗菌薬を選択するステップと、
    (d)前記ヒト又は動物に、侵入促進剤の存在下で、特定された抗菌薬耐性を阻害する薬剤と前記抗菌薬を投与するステップと
    を含む、方法。
  21. 前記侵入促進剤及び特定された抗菌薬耐性を阻害する薬剤を前記抗菌薬と同時に又は逐次的に投与する、請求項20に記載の方法。
  22. 複数の異なるタイプの細菌が特定される、請求項20又は21に記載の方法。
  23. 細菌を抗菌薬に対して感作させる方法であって、前記細菌を、侵入促進剤の存在下で、抗菌薬耐性を阻害する薬剤に暴露するステップを含む方法。
  24. 抗菌薬耐性菌を死滅させる方法であって、細菌を、侵入促進剤の存在下で、抗菌薬耐性を阻害する薬剤に暴露し、前記細菌を抗菌薬に暴露するステップを含む方法。
  25. 前記細菌を、侵入促進剤の存在下で、前記抗菌薬耐性を阻害する薬剤に暴露するステップと、前記細菌を前記抗菌薬に暴露するステップが同時に又は逐次的に行われる、請求項24に記載の方法。
  26. 複数の異なるタイプの細菌を死滅させる、請求項24に記載の方法。
  27. 前記侵入促進剤及び抗菌薬耐性を阻害する薬剤が請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物で形成される、請求項23から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記細菌が、無生物材料の中又は上、無生物表面上などのヒト又は動物の体の外側に存在する、請求項23から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 抗菌薬耐性を阻害する複数の薬剤を含む部品のキット。
  30. 細菌を特定する手段、及び/又は細菌中の抗菌薬耐性決定因子を特定する手段をさらに含む、請求項29に記載の部品のキット。
  31. 1種以上の抗菌薬をさらに含む、請求項29又は30に記載の部品のキット。
  32. 好ましくは抗菌薬耐性を阻害する薬剤と組み合わせて、侵入促進剤をさらに含む、請求項29から31のいずれか一項に記載の部品のキット。

JP2016508242A 2013-04-17 2014-04-17 抗菌薬耐性菌に対処するための組成物及び方法 Active JP6312806B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB1306980.2A GB201306980D0 (en) 2013-04-17 2013-04-17 Methods
GB1306980.2 2013-04-17
PCT/GB2014/051206 WO2014170683A1 (en) 2013-04-17 2014-04-17 Compositions and methods for combating antibacterial resistant bacteria

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017236029A Division JP2018076338A (ja) 2013-04-17 2017-12-08 抗菌薬耐性菌に対処するための組成物及び方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016523820A true JP2016523820A (ja) 2016-08-12
JP6312806B2 JP6312806B2 (ja) 2018-04-18

Family

ID=48537394

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016508242A Active JP6312806B2 (ja) 2013-04-17 2014-04-17 抗菌薬耐性菌に対処するための組成物及び方法
JP2017236029A Ceased JP2018076338A (ja) 2013-04-17 2017-12-08 抗菌薬耐性菌に対処するための組成物及び方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017236029A Ceased JP2018076338A (ja) 2013-04-17 2017-12-08 抗菌薬耐性菌に対処するための組成物及び方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20160089393A1 (ja)
EP (1) EP2986285A1 (ja)
JP (2) JP6312806B2 (ja)
CN (1) CN105377250B (ja)
GB (1) GB201306980D0 (ja)
WO (1) WO2014170683A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB201306980D0 (en) * 2013-04-17 2013-05-29 Blueberry Therapeutics Ltd Methods
DK3319609T3 (da) 2015-07-09 2022-08-22 Univ Washington Sammensætninger og fremgangsmåder til anvendelse af antibakterielle lægemiddelkombinationer
GB201515655D0 (en) * 2015-09-03 2015-10-21 Royal Veterinary College The Methods
AU2017362500A1 (en) * 2016-11-17 2019-06-13 Renovion, Inc. Treatment of Respiratory Tract Diseases and Infections with Ascorbic Acid Compositions
CA3066851A1 (en) * 2017-06-13 2018-12-20 Pulmopharma Ivs Antibiotic composition for the treatment of infections with resistent microorganism
CN109988816A (zh) * 2019-04-12 2019-07-09 浙江夸克生物科技有限公司 一种腺苷脱氨酶测定试剂盒
CN110123832B (zh) * 2019-05-13 2022-06-03 东南大学 一种含无抗药性杀菌剂的眼用组合物
CN110065695A (zh) * 2019-05-31 2019-07-30 广州豪赋医学科技有限公司 一种盛装眼用制品的容器
WO2021035144A1 (en) * 2019-08-21 2021-02-25 University Of Houston System Optical based methods for determining antimicrobial dosing regimens

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005505529A (ja) * 2001-08-14 2005-02-24 テルアビブ・ユニバーシティ・フューチャー・テクノロジー・デベロップメント・エルピー 脂質化グリコサミノグリカン粒子ならびに診断及び処置のための薬物及び遺伝子送達におけるその使用
JP2007532490A (ja) * 2004-04-08 2007-11-15 ダームケア−ヴェット ピーティーワイ リミテッド 抗微生物組成物およびそれらの使用方法
JP2008540544A (ja) * 2005-05-10 2008-11-20 バラバン,ナオミ Rnaiii阻害ペプチドを投与するための組成物
WO2012035283A1 (en) * 2010-09-13 2012-03-22 Cipla Limited Pharmaceutical composition

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0521225B1 (en) * 1991-07-04 1994-10-12 Hawe Neos Dental Dr. H. v. Weissenfluh SA Pharmaceutical preparation for treatment of periodontitis, containing clavulanic acid
WO2003028762A1 (en) * 2001-09-28 2003-04-10 Ethicon, Inc. Novel antimicrobial resistance blocking compositions
AU2003291565A1 (en) * 2002-11-19 2004-06-15 Genzyme Corporation Polyionenes for treating infections associated with cystic fibrosis
WO2007086012A1 (en) * 2006-01-25 2007-08-02 Jegannathan Srinivas Formulation of cefpodoxime, clavulanic acid and linezolid
EP2242495A2 (en) * 2008-01-16 2010-10-27 Technion Research and Development Foundation, Ltd. Use of antimicrobial polymers for re-sensitization of microorganisms upon emergence of resistance to anti-microbial agents
WO2009137677A2 (en) * 2008-05-07 2009-11-12 Innovative Biosensors, Inc. Reagents, methods, and systems for detecting methicillin-resistant staphylococcus
WO2011156589A2 (en) * 2010-06-09 2011-12-15 Semprus Biosciences Corp. Non-fouling, anti-microbial, anti-thrombogenic graft-from compositions
GB201117538D0 (en) * 2011-10-11 2011-11-23 Royal Veterinary College The Methods
CN102379898A (zh) * 2011-10-18 2012-03-21 中国人民解放军疾病预防控制所 纳米复合皮肤消毒乳液及其制备方法
GB201306980D0 (en) * 2013-04-17 2013-05-29 Blueberry Therapeutics Ltd Methods

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005505529A (ja) * 2001-08-14 2005-02-24 テルアビブ・ユニバーシティ・フューチャー・テクノロジー・デベロップメント・エルピー 脂質化グリコサミノグリカン粒子ならびに診断及び処置のための薬物及び遺伝子送達におけるその使用
JP2007532490A (ja) * 2004-04-08 2007-11-15 ダームケア−ヴェット ピーティーワイ リミテッド 抗微生物組成物およびそれらの使用方法
JP2008540544A (ja) * 2005-05-10 2008-11-20 バラバン,ナオミ Rnaiii阻害ペプチドを投与するための組成物
WO2012035283A1 (en) * 2010-09-13 2012-03-22 Cipla Limited Pharmaceutical composition

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JOURNAL OF MICROBIOLOGICAL METHODS, vol. 54, JPN6016043438, 2003, pages 111 - 115, ISSN: 0003437892 *
呼吸, vol. 6, no. 6, JPN6016043440, 1987, pages 632 - 636, ISSN: 0003437894 *
臨床と微生物, vol. 36, JPN6016043439, 2009, pages 610 - 102, ISSN: 0003437893 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018076338A (ja) 2018-05-17
JP6312806B2 (ja) 2018-04-18
US20160089393A1 (en) 2016-03-31
EP2986285A1 (en) 2016-02-24
WO2014170683A1 (en) 2014-10-23
GB201306980D0 (en) 2013-05-29
CN105377250A (zh) 2016-03-02
CN105377250B (zh) 2020-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6312806B2 (ja) 抗菌薬耐性菌に対処するための組成物及び方法
Dhanda et al. Battle against vancomycin-resistant bacteria: recent developments in chemical strategies
AU2004258797B2 (en) Methods and compositions for the treatment and prevention of Staphylococcus and other bacterial infections
JP7303110B2 (ja) 抗体分子-薬物コンジュゲートおよびその使用
US20210155934A1 (en) Antisense antibacterial compounds and methods
US11293024B2 (en) Antisense antibacterial compounds and methods
EP2691542A1 (en) Screening methods for identifying specific staphylococcus aureus inhibitors
US20220135973A1 (en) Antisense antibacterial compounds and methods
JP6480870B2 (ja) 細菌感染を処置するための組成物および方法
JP2003530357A (ja) 抗hsp抗体と組み合わせたポリエンまたはβグルカンシンターゼインヒビター抗真菌薬での真菌感染症の治療
JP2021529180A (ja) Epsを媒介するための組成物および方法
AU759639B2 (en) Application of enzyme prodrugs as anti-infective agents
JP2022522197A (ja) 抗菌ペプチド及び使用方法
Haupenthal et al. Evaluation of bacterial RNA polymerase inhibitors in a Staphylococcus aureus-based wound infection model in SKH1 mice
US20200283768A1 (en) Antisense antibacterial compounds and methods
US8796323B2 (en) Defensin-like molecules as novel antimicrobial agents
CN110121349B (zh) 铋(iii)化合物及其方法
JP2021518426A (ja) 感染症及び関連炎症プロセスの処置のための細菌結合ペプチド
US9796679B2 (en) Type 4 prepilin peptidase inhibitors and methods of use
US20130129695A1 (en) Methods for treating or inhibiting infection by clostridium difficile
WO2013050590A1 (en) Spra1 antimicrobial peptides and uses thereof
US9393250B2 (en) Phthalocyanine compounds useful as RecA inhibitors and methods of using same
WO2009045434A2 (en) Inhibitors of staphylococcus aureus sdrd protein attachment to cells and uses therefor
Wang et al. Intracellular invasion by Streptococcus pyogenes: Invasins, host receptors, and relevance to human disease
US20180280321A1 (en) Compositions and methods that inhibit quorum sensing

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161115

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170213

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170414

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170502

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170808

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171208

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20171215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180313

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180320

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6312806

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150