JP2016523264A - Tosoに対する抗体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、Toso活性を調節するための、並びにTosoが関与する疾患及び障害を治療するための方法及び組成物を提供する。そのような方法及び組成物は、Tosoタンパク質またはTosoタンパク質のリガンドに結合する1つ以上の抗体の使用を含む。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許仮出願第61/842,766号、2013年7月3日出願の利益を主張し、その内容は全ての目的において全体が参照として本明細書に明確に組み込まれる。
TosoまたはFaim3(Fasアポトーシス誘発分子3)は、白血病T細胞系であるジャーカット細胞のレトロウイルス過剰発現選別を介して、Fas誘発性細胞死の媒介物質として元々特徴決定されている単一の膜貫通細胞表面受容体である(Hitoshi,Y.,etal.,Toso,a cell surface,specific regulator of Fas−induced apoptosis in T cells.Immunity,1998.8(4):p.461−71)。後の研究は、TosoがIgMにとって捕捉されにくい受容体であることを示唆している。Tosoの発現は、慢性リンパ性白血病またはCLLの特定の攻撃的な形態と相関するとも考えられる。Toso活性の調節は、免疫系の障害に影響を与えることもある。
Toso活性を調節することができる分子の必要性が存在する。
したがって、本発明は、Toso活性を調節するための、並びにTosoが関与する疾患及び障害を治療するための方法及び組成物を提供する。
1つの態様において、本発明は、TosoまたはTosoのリガンドに結合する抗体を提供する。
更なる態様において、本発明は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57のいずれか1つを含む重鎖可変領域を含む抗体を提供する。
更なる実施形態において、本発明は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57のいずれか1つに少なくとも約95%の配列同一性がある配列を有する重鎖可変領域を含む抗体を提供し、抗体はTosoに結合する。
更なる態様において、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58のいずれか1つを含む軽鎖可変領域を含む抗体を提供する。
更なる実施形態において、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58のいずれか1つに少なくとも約95%の配列同一性がある配列を有する軽鎖可変領域を含む抗体を提供し、抗体はTosoに結合する。
更なる態様において、本発明は、表1に列挙されたCDR1配列のいずれかを含む第1の重鎖CDR、表1に列挙されたCDR2配列のいずれかを含む第2の重鎖CDR、表1に列挙されたCDR3配列のいずれかを含む第3の重鎖CDR、表2に列挙されたCDR1配列のいずれかを含む第1の軽鎖CDR、表2に列挙されたCDR2配列のいずれかを含む第2の軽鎖CDR及び表2に列挙されたCDR3配列のいずれかを含む第3の軽鎖CDRを含む抗体を提供し、前記抗体はTosoに結合する。
なお更なる態様において、本明細書に記載されている抗体は、ヒト化抗体を包含する。
なお更なる態様において、本発明は、上記記載の抗体のいずれかの抗体をコードする核酸を提供する。
なお更なる態様において、本発明は、上記記載の抗体のいずれかの抗体をコードする発現ベクターを提供する。
なお更なる態様において、本発明は、上記記載の抗体のいずれかの抗体を作製する方法であって、抗体をコードする核酸を含む細胞を提供するステップを含み、細胞が、抗体の発現に適した条件下で培養される方法を提供する。
なお更なる態様において、本発明は、Toso関連疾患を治療する方法であって、上記記載の抗体のいずれかの抗体により、その必要性のある対象を治療することを含む方法を提供する。
Tosoに結合する抗体の配列を提供する。星印は、終止コドンを示し、幾つかの実施形態では、当該技術に既知のタンパク質操作法によって除去して、完全長配列の発現を可能にすることができる。 Tosoに結合する抗体の配列を提供する。星印は、終止コドンを示し、幾つかの実施形態では、当該技術に既知のタンパク質操作法によって除去して、完全長配列の発現を可能にすることができる。 Tosoに結合する抗体の配列を提供する。星印は、終止コドンを示し、幾つかの実施形態では、当該技術に既知のタンパク質操作法によって除去して、完全長配列の発現を可能にすることができる。 Tosoに結合する抗体の配列を提供する。星印は、終止コドンを示し、幾つかの実施形態では、当該技術に既知のタンパク質操作法によって除去して、完全長配列の発現を可能にすることができる。 Tosoに結合しない抗体の配列を提供する。星印は、終止コドンを示し、幾つかの実施形態では、当該技術に既知のタンパク質操作法によって除去して、完全長配列の発現を可能にすることができる。
本発明の実施は、特に示されない限り、有機化学、ポリマー技術、分子生物学(組み換え技術を含む)、細胞生物学、生化学及び免疫学の従来の技術及び記載を用いることができ、これらは当該技術の技能の範囲内である。そのような従来技術には、ポリマーアレイ合成、ハイブリッド形成、連結、ファージ提示及び標識の使用によるハイブリッド形成の検出が含まれる。適切な技術の特定の例示は、本明細書下記の実施例を参照することによって入手することができる。しかし、他の同等の慣用的な手順も、当然のことながら使用することができる。そのような従来の技術及び記載は、Genome Analysis:A Laboratory Manual Series(Vols.I−IV)、Using Antibodies:A Laboratory Manual、Cells:A Laboratory Manual、PCR Primer:A Laboratory Manual及びMolecular Cloning:A Laboratory Manual(全て、Cold Spring Harbor Laboratory Pressのもの)、Stryer,L.(1995)Biochemistry(4th Ed.)Freeman,New York、Gait,“Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach”1984,IRL Press,London、Nelson and Cox(2000),Lehninger,Principles of Biochemistry 3rd Ed.,W.H.Freeman Pub.,New York,N.Y.、並びにBerg et al.(2002)Biochemistry,5th Ed.,W.H.Freeman Pub.,New York,N.Y.のような標準的な実験マニュアルにおいて見出すことができ、これらは全て、全ての目的において全体が参照として本明細書に組み込まれる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、特に文脈により明確に指示されない限り、複数対象を含むことに留意すること。したがって、例えば、「ポリメラーゼ」への参照は、1つの作用物質またはそのような作用物質の混合物を指し、「方法」への参照は、当業者に既知の同等のステップ及び方法への参照を含む。
特に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術及び科学用語は、本発明が属する当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記述される全ての出版物は、出版物に記載されており、かつ本記載の方法と関連して使用されうる、装置、組成物、製剤及び方法を記載及び開示する目的において、参照として本明細書に組み込まれる。
ある範囲の値が提供される場合、その範囲の上下限と、その記述された範囲の他の任意の記述された、または中間にある値との、特に文脈により明確に指示されない限り下限の10分の1の単位までのそれぞれの中間値は、本発明の範囲内に包含されることが理解される。小さい範囲に独立して含まれうるこれらの小さい範囲の上下限も、本発明の範囲内に包含され、記述された範囲の任意の明確に除外された限界に制約される。記述された範囲が一方または両方の限界を含む場合、これらの両方の含まれた限界のいずれかを除外する範囲も、本発明に含まれる。
以下の記載では、多数の特定の詳細が本発明のさらに十分な理解を提供するために記載されている。しかし、本発明は、これらの特定の詳細の1つ、またはそれ以上を用いることなく実施できることが、当業者には明白である。他の場合において、当業者に周知である周知の特徴及び手順は、本発明を不明瞭にすることを避けるために記載されていない。
本出願がさらに完全に理解されるため、幾つかの定義が下記に記載される。そのような定義は、文法的な同等物を包含することが意図される。
本明細書で使用されるとき、用語「含む」は、組成物及び方法が、列挙された要素を含むが、他を除外しないことを意味することが意図される。「から実質的になる」は、組成物及び方法を定義するために使用されるとき、組成物または方法に対する任意の本質的な有意性のある他の要素を除外することを意味する。「からなる」は、特許請求される組成物の他の成分及び実質的な方法ステップにおける微量を超える要素を除外することを意味する。これらの移行用語のそれぞれにより定義される実施形態は、本発明の範囲内である。したがって、方法及び組成物は、追加のステップ及び構成要素を含むことができる(を含む(comprising))、あるいは有意性のないステップ及び組成物を含む(から実施的になる(consisting essentially of))、あるいは記述された方法ステップまたは組成物のみが意図される(からなる(consisting of))ことが意図される。
全ての数値指定、例えば範囲を含む、pH、温度、時間、濃度及び分子量は、0.1の増分により(+)または(−)に変動する近似値である。全ての数値指定には用語「約」が先行することが理解されるべきであるが、必ずしも明確に記述されているとは限らない。用語「約」は、「X+0.1」または「X−0.1」のような「X」の僅かな増分に加えて、正確な値「X」も含む。本明細書に記載されている試薬は、単に例示てきであること及びそのようなものの同等物は当該技術において知られていることも理解されるべきであるが、必ずしも明確に記述されているとは限らない。
「組成物」は、作用物質または化合物を含む任意の物質を含むことができ、作用物質または化合物と、担体、例えば、佐剤、希釈剤、結合剤、安定剤、緩衝剤、塩、親油性溶媒、防腐剤、佐剤などのような、不活性(例えば、検出可能な作用物質もしくは標識)または活性な化合物または組成物を含む他の物質との任意の組み合わせを包含することも意図される。担体には、薬学的賦形剤、並びに追加のタンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質及び炭水化物(例えば、単糖、二、三、四及びオリゴ糖を含む糖、アルジトール、アルドン酸、エステル化糖などのような誘導体化糖、多糖または糖ポリマー)も含まれ、これらは単独または組み合わせにより存在することができ、1〜99.99重量または体積%により単独または組み合わせで含まれる。例示的なタンパク質賦形剤には、ヒト血清アルブミン(HSA)、組み換えヒトアルブミン(rHA)のような血清アルブミン、ゼラチン、カゼインなどが含まれる。緩衝能力の機能も果たすことができる代表的なアミノ酸/抗体構成要素には、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リジン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテームなどが含まれる。炭水化物賦形剤も本発明の範囲内であることが意図され、その例には、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D−マンノース、ソルボースなどののような単糖、ラクトース、スクロース、トレハロース、セルビオースなどのような二糖、ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプンなどのような多糖、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール(グルシトール)及びミオイノシトールのようなアルジトールが含まれるが、これらに限定されない。
薬学的に許容される担体(または媒体)という用語は、生物学的に適合する担体または媒体という用語と交換可能に使用することができ、治療上投与されるべき細胞及び他の作用物質と適合性があるのみならず、健全な医学的判断の範囲内で、妥当な利益/危険比で釣り合っている過剰な毒性、刺激、アレルギー応答または他の合併症を伴うことなくヒト及び動物の組織との接触に使用することにも適している、試薬、細胞、化合物、材料、組成物及び/または剤形を指す。本発明の使用に適した薬学的に許容される担体には、液体、半固体(例えば、ゲル)及び固体材料(例えば、細胞足場及びマトリックス、チューブ、シート、並びに当該技術に既知であり、本明細書により詳細に記載されているような他の材料)が含まれる。これらの半固体及び固体材料は、体内で分解に抵抗するように設計されうる(非生分解性)、または体内で分解するように設計されうる(生分解性、生崩壊性)。生分解性材料は、更に、生体再吸収性または生体吸収性であってもよく、すなわち、体液に溶解及び吸収されうる(水溶性移植物が一例である)、または他の材料への変換もしくは分解及び天然の経路を介した排除によって、分解され、最終的に体外に排出されうる。
本明細書で使用されるとき、用語「患者」または「対象」には、動物、哺乳動物、更にはヒト患者が意図される。例示の目的のみにおいて、哺乳動物には、ヒト、サル、ネズミ、ウシ、ウマ、ブタまたはヒツジが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、用語「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドまたはこれらの任意の組み合わせから構成される短ポリマーを指す。オリゴヌクレオチドは、一般に、少なくとも約10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100個またはそれ以上のヌクレオチドの長さである。オリゴヌクレオチドは、プライマーまたはプローブとしても使用することができる。
用語「アミノ酸」は、天然に生じる及び合成のアミノ酸、並びに天然に生じるアミノ酸と同様に機能するアミノ酸類縁体及び模倣体を指す。天然に生じるアミノ酸は、遺伝子コードでコードされるもの、並びに後に修飾されるアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸及びO−ホスホセリンである。アミノ酸類縁体は、天然に生じるアミノ酸と同じ基本的な化学構造、すなわち、水素に結合しているα炭素、カルボキシル基、アミノ基及びR基、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを有する化合物を指す。そのような類縁体は、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド主鎖を有するが、天然に生じるアミノ酸と同じ基本的な化学構造を保持している。アミノ酸模倣体は、アミノ酸の一般的な化学構造と異なる構造を有するが、天然に生じるアミノ酸と同様に機能する化合物を指す。
用語「単離された」は、本明細書で使用されるとき、他の材料を実質的に、例えば、70%または80%または85%または90%または95%または98%を超えて含んでいない分子、または生物学的もしくは細胞材料を指す。1つの態様において、用語「単離された」は、天然源に存在し、かつ未変性または天然の状態で存在する場合に達成可能ではない結果を達成するために、材料の操作、例えば組み換え複製または突然変異による操作を可能にする、他のDNAもしくはRNAのような核酸、またはタンパク質もしくはポリペプチド、または細胞もしくは細胞オルガネラ、または組織もしくは臓器からそれぞれ分離されたDNAもしくはRNAのような核酸、またはタンパク質もしくはポリペプチド、または細胞もしくは細胞小器官、または組織もしくは臓器を指す。用語「単離された」は、組み換えDNA技術により産生されたときの、細胞材料、ウイルス材料または培養培地を実質的に含まない核酸またはペプチド、あるいは化学的に合成されたときの化学前駆体または他の化学物質も指す。更に、「単離された核酸」は、フラグメントとして天然に生じず、天然の状態で見出されない、核酸フラグメントを含むことが意図される。用語「単離された」は、本明細書で使用されるとき、他の細胞タンパク質から単離されるポリペプチドを指し、例えば70%または80%または85%または90%または95%、98%または99%を超える純度を有する、精製及び組み換えの両方のポリペプチドを包含することが意図される。用語「単離された」は、本明細書で使用されるとき、他の細胞または組織から単離される細胞または組織を指すためにも使用され、培養及び改変の両方の細胞または組織を包含することが意図される。
「組み換え」核酸は、通常は一緒に生じない2つ以上の配列を組み合わせることによって作り出される人工の核酸を指す。1つの実施形態において、関連するDNAを、プラスミドまたは細菌のような現存する生体DNAに導入して、抗生物質抵抗性のような特定の目的のためコードする、または形質を変更することによって作り出される。「組み換え」ポリペプチドは、組み換え核酸から誘導されるポリペプチドである。
本明細書で使用されるとき、用語「プロモーター」は、遺伝子の転写を指示するのに十分な核酸配列を指す。プロモーター依存性遺伝子発現を細胞型特異的、組織特異的に制御可能にする、または外部シグナルもしくは作用物質により誘発可能にするのに十分であるプロモーターエレメントも、本発明に含まれる。
幾つかの実施形態において、プロモーターは、誘発性プロモーターまたは分離型プロモーターである。誘発性プロモーターは、温度または光のような化学的または物理的条件により活性化されうる。化学プロモーターの例には、限定されることなく、アルコール調節、テトラサイクリン調節、ステロイド調節、金属調節及び病原関連プロモーターが含まれる。分離型プロモーターの例は、例えば、Wolfe et al.Molecular Endocrinology 16(3):435−49において見出すことができる。
本明細書で使用されるとき、用語「調節エレメント」は、遺伝子の転写を調節することができる核酸配列を指す。調節エレメントの非限定例には、プロモーター、エンハンサー、サイレンサー、ポリアデニル化シグナル、転写終結配列が含まれる。調節エレメントは、未変性遺伝シの5’もしくは3’領域、またはイントロン内に存在することができる。
また様々なタンパク質が、それらのヒトタンパク質及びコード配列のGenBank受託番号を伴って本明細書において開示されている。しかし、タンパク質は、開示されているGenBank受入番号により表されるアミノ酸配列を有するヒト由来タンパク質に限定されず、他の動物、特に温血動物(例えば、ラット、モルモット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)から誘導されるアミノ酸配列を有することができる。
本明細書で使用されるとき、用語「Toso」、「FAIM3」または「Fasアポトーシス阻害分子3」は、GenBank受入番号NP_001135945(ヒトアイソフォームb)、NP_001180267(ヒトアイソフォームc)、NP_005440(ヒトアイソフォームa)、NP_081252(マウス)またはNP_001014843(ラット)のあらゆる変型も含む、代表的なToso配列のいずれかと実質的に同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質を指す。適切なcDNAコードTosoは、GenBank受入番号NM_001142473、NM_001193338、NM_005449、NM_026976及びNM_001014843により提供される。
本明細書で使用されるとき、用語「Tosoの生物学的活性」または「Toso活性」は、完全長未変性Tosoタンパク質と関連する任意の生物学的活性を指す。幾つかの実施形態において、Tosoの生物学的活性は、IgM抗体への結合を指す。更なる実施形態において、Tosoの生物学的活性は、CD11bまたはCD18活性の阻害を指す。なお更なる実施形態において、Tosoの生物学的活性は、顆粒球の活性化閾値の増加を指す。活性化閾値は、骨髄における活性化顆粒球の数によって測定することができる。更なる実施形態において、Tosoの生物学的活性には、樹状細胞の活性化及びT細胞に対して抗原を提示するこれらの能力が含まれる。更なる実施形態において、Tosoの生物学的活性には、アポトーシスの阻害またはTNFシグナル伝達の増強が含まれる。幾つかの実施形態において、Tosoの生物学的活性は、GenBank受託番号NP_001135945、NP_001180267、NP_005440、NP_081252またはNP_001014843(これらの受託番号のあらゆる変型を含む)により表されるアミノ酸配列を有するタンパク質の活性と同等である。
本明細書で使用されるとき、用語「治療する」は、疾患または障害の有害作用または症状の少なくとも1つを低減する、緩和する、逆転する、または予防することによって、患者の状態を改善する目的で薬学的組成物を投与することを指す。
本明細書で使用されるとき、用語「予防する」は、疾患に対して増加した感受性を有するが、まだ疾患の症状を示していない対象(すなわち、患者)を特定すること及び本開示の原理に従って療法を投与することを指す。予防的療法は、感受性のある対象が後に症候性になる可能性を低減するように、または疾患が、予防的療法の不在下のときよりもゆっくりとした発症もしくは進行に遅延されるように設計される。対象は、例えば、疾患もしくは他の変性脳障害の家族歴を特定すること、または疾患もしくは疾患への感受性を示す1つ以上の診断マーカーを有することを含む任意の適切な方法により、疾患発生の可能性が増加したと特定されうる。
本明細書で使用されるとき、用語「試料」または「試験試料」は、核酸を含有する任意の液体または固体材料を指す。適切な実施形態において、試験試料は、培養中の細胞または動物、最も好ましくはヒトからの組織試料のような、生物学的供給源(すなわち、「生物学的試料」)から得られる。
本明細書で使用されるとき、用語「実質的に同一」は、タンパク質またはポリペプチドを参照するとき、参照アミノ酸配列に少なくとも80%、85%、90%、95%または99%の配列同一性を有するものを意味する。比較の長さは、好ましくは完全長のポリペプチドまたはタンパク質であるが、一般に、少なくとも10、15、20、25、30、40、50、60、80もしくは100個またはそれ以上の隣接アミノ酸である。「実質的に同一」の核酸は、参照核酸配列に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するものである。比較の長さは、好ましくは完全長の核酸であるが、一般に、少なくとも20個のヌクレオチド、30個のヌクレオチド、40個のヌクレオチド、50個のヌクレオチド、75個のヌクレオチド、100個のヌクレオチド、125個のヌクレオチドまたはそれ以上である。
本明細書で使用されるとき、「アミノ酸置換」または「置換」は、出発ポリペプチド配列の特定の位置におけるアミノ酸の、別のアミノ酸による交換を指す。例えば、置換M23Yは、23位のメチオニンがチロシンに代えられている変種ポリペプチドを指す。
タンパク質または核酸の「生物学的同等物」は、アミノ酸もしくは核酸配列がタンパク質もしくは核酸と実質的に同一である、または同等の生物学的活性を有する、タンパク質または核酸を指す。
本明細書で使用されるとき、用語「有効量」は、患者に医学的利益を提供するために十分な頻度で送達される化合物(例えば、抗体またはその生物学的に活性なフラグメント)の量を指す。1つの実施形態において、タンパク質の有効量は、疾患の症状を治療または寛解するのに十分な量である。
細胞の「集団」は、表現型及び/または遺伝子型が同一である(クローン)または非同一である1個を超える細胞の集合を指す。
「実質的に同種」は、約50%を超える、あるいは60%を超える、あるいは70%を超える、あるいは75%を超える、あるいは80%を超える、あるいは85%を超える、あるいは90%を超える、あるいは95%を超える細胞が同一または類似した表面型である細胞の集団を記載する。表現型は、予め選択された細胞表面マーカーまたは他のマーカーにより決定することができる。
自己移行、自己移植、自己移植片などの用語は、細胞供与者が細胞交換療法において受容者でもある治療を指す。同種異系移行、同種異系移植、同種異系移植片などの用語は、細胞供与者が細胞交換療法において受容者と同じ種であるが、同じ個体ではない治療を指す。供与者の細胞が受容者と組織適合的に適合している細胞移行は、時々、同系移行と呼ばれる。異種移行、異種移植、異種移植片などの用語は、細胞供与者が細胞交換療法において受容者と異なる種である治療を指す。
本明細書で使用されるとき、「抗体」には、抗体全体及びその任意の抗原結合フラグメントまたは単鎖が含まれる。したがって、用語「抗体」には、免疫グロブリン分子の少なくとも一部を含む分子を含有する任意のタンパク質またはペプチドが含まれる。そのようなものの例には、重もしくは軽鎖の相補性決定領域(CDR)またはそのリガンド結合部分、重鎖または軽鎖可変領域、重鎖または軽鎖定常領域、フレームワーク(FR)領域またはその任意の部分、あるいは結合タンパク質の少なくとも一部が含まれるが、これらに限定されない。一般に、用語「抗体」は、CH1、CH2、CH3及びCLが含まれるが、これらに限定されない少なくとも1つの定常ドメインを含む任意のポリペプチドを含む。本発明における使用が見出される抗体は、本明細書に記載されているように、伝統的な抗体、並びに抗体誘導体、フラグメント及び模倣体を含む、多数の様式をとることができる。
抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであり、任意の適切な生物学的供給源、例えば、ネズミ、ラット、ヒツジ及びイヌからの単離形態でありうる。
モノクローナル抗体は、細胞の単一のクローンまたはハイブリドーマから産生された抗体であり、したがって、単一の純粋な同種型の抗体である。
ハイブリドーマは、抗体産生リンパ球と、非抗体産生癌細胞、通常は骨髄腫またはリンパ腫との融合から実験室において産生される細胞である。ハイブリドーマは繁殖して、特定のモノクローナル抗体の連続的な供給を生じる。
用語「ヒト抗体」は、本明細書で使用されるとき、ヒト生殖系免疫グロブリン配列から誘導される可変及び定常領域を有する抗体を含むことが意図される。本発明のヒト抗体は、ヒト生殖系免疫グロブリン配列によりコードされていないアミノ酸残基(例えば、インビトロでの無作為もしくは部位特異的突然変異誘発により、またはインビトロでの体細胞突然変異により導入される突然変異)を含んでもよい。しかし、用語「ヒト抗体」は、本明細書で使用されるとき、マウスのような別の哺乳類の種の生殖系から誘導されたCDR配列が、ヒトフレームワーク配列に移植されている抗体を含むことが意図されていないしたがって、本明細書で使用されるとき、用語「ヒト抗体」は、タンパク質の実質的に全ての部分(例えば、CDR、フレームワーク、C、Cドメイン(例えば、CH1、CH2、CH3)、ヒンジ、(VL、VH))がヒトにおいて、僅かな配列変化または変異を伴って、実質的に非免疫原性である抗体を指す。同様に、霊長類(サル、ヒヒ、チンパンジーなど)、齧歯類(マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスターなど)及び他の哺乳動物に指定された抗体は、そのような種、亜属、属、亜科、科に特異的な抗体を指定する。更に、キメラ抗体には、上記の任意の組み合わせが含まれる。そのような変化または変異は、任意選択で、好ましくは、ヒトまたは他の種において、非修飾抗体と比べて免疫原性を保持または低減する。したがって、ヒト抗体は、キメラまたはヒト化抗体と区別される。ヒト抗体は、機能的に再編成されたヒト免疫グロブリン(例えば、重鎖及び/または軽鎖)遺伝子を発現することができる非ヒト動物または原核生物もしくは真核生物の細胞により産生されうることが、指摘される。更に、ヒト抗体が単鎖抗体である場合、未変性ヒト抗体において見出されないリンカーペプチドを含むことができる。例えば、Fvは、2〜約8個のグリシンまたは他のアミノ酸残基のようなリンカーペプチドを含むことができ、これは重鎖の可変領域と、軽鎖の可変領域とを接続する。そのようなリンカーペプチドは、ヒト由来であると考慮される。
本明細書で使用されるとき、ヒト抗体が、ヒト免疫グロブリン配列を使用する系から、例えば、ヒト免疫グロブリン遺伝子を有する遺伝子導入マウスを免疫化すること、またはヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリーをスクリーニングすことによって得られる場合、ヒト抗体は、特定の生殖系配列から「誘導」される。ヒト生殖系免疫グロブリン配列から「誘導」されるヒト抗体は、ヒト抗体のアミノ酸配列を、ヒト生殖系免疫グロブリンのアミノ酸配列と比較することによって特定することができる。選択されたヒト抗体は、典型的には、ヒト生殖系免疫グロブリン遺伝子によりコードされるアミノ酸配列に対して、アミノ酸配列に少なくとも90%の同一性があり、他の種の生殖系免疫グロブリンアミノ酸配列(例えば、ネズミ生殖系配列)と比較したとき、ヒト抗体をヒトとして特定するアミノ酸残基を含有する。特定の場合において、ヒト抗体は、生殖系免疫グロブリン遺伝子によりコードされるアミノ酸配列に対して、アミノ酸配列に少なくとも95%、さらに少なくとも96%、97%、98%または99%の同一性がありうる。典型的には、特定のヒト生殖系配列から誘導されるヒト抗体は、ヒト生殖系免疫グロブリン遺伝子によりコードされるアミノ酸配列と異なる、10個以下のアミノ酸を示す。特定の場合において、ヒト抗体は、生殖系免疫グロブリン遺伝子によりコードされるアミノ酸配列と異なる、5個以下、さらには4、3、2または1個以下のアミノ酸を示すことがある。
用語「組み換えヒト抗体」には、本明細書で使用されるとき、ヒト免疫グロブリン遺伝子が形質導入もしくは染色体導入(transchromosomal)されている動物(例えば、マウス)から、またはそれらから調製されたハイブリドーマから単離された抗体、抗体を発現するように形質転換された宿主細胞から、例えばトランスフェクトーマ(transfectoma)から単離された抗体、組み換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体のような、組み換え手段により調製、発現、作成または単離される全てのヒト抗体、及びヒト免疫グロブリン遺伝子配列を他のDNA配列にスプライシングすることを伴う任意の他の手段により調製、発現、作成または単離される抗体が含まれる。そのような組み換えヒト抗体は、ヒト生殖系免疫グロブリン配列から誘導される可変及び定常領域を有する。しかし特定の実施形態において、そのような組み換えヒト抗体は、インビトロにおいて突然変異誘発に付される可能性があり(またはヒトIg配列が遺伝子導入されている動物が使用される場合は、インビボにおいて体細胞突然変異誘発に付される可能性があり)、したがって、組み換え抗体のVH及びVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系VH及びVL配列から誘導され、これらに関連しているが、ヒト抗体生殖系レパートリーの範囲内でインビボにおいて天然に存在しないことがある配列である。これらの抗体を作製する方法は、本明細書に記載されている。
「アイソタイプ」は、本明細書で使用されるとき、定常領域の化学的及び抗原的特徴により定義される免疫グロブリンの任意のサブクラスを意味する。治療抗体は、アイソタイプ及び/またはサブクラスのハイブリッドを含むこともできることが、理解されるべきである。
用語「ポリクローナル抗体」または「ポリクローナル抗体組成物」は、本明細書で使用されるとき、異なるB細胞系から誘導される抗体の調製物を指す。これらは特定の抗原に対して分泌された免疫グロブリン分子の混合物であり、それぞれ異なるエピトープを認識する。
用語「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」は、本明細書で使用されるとき、単一の分子組成物の抗体分子の調製物を指す。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに単一の結合特異性及び親和性を示す。
本明細書で使用されるとき、用語「標識」には、検出される組成物と直接的または間接的に抱合している、直接的または間接的に検出可能な化合物または組成物、例えば、N−末端ヒスチジンタグ(N−His)、磁気活性アイソトープ、例えば115Sn、117Sn及び119Sn、13C及び15Nのような非放射性アイソトープ、「標識」組成物を生成する抗体のようなポリヌクレオチドまたはタンパク質が意図される。用語には、緑色蛍光タンパク質(GFP)などのような、挿入配列の発現によりシグナルを提供するポリヌクレオチドに抱合している配列も含まれる。標識は、それ自体検出可能(例えば、ラジオアイソトープ標識もしくは蛍光標識)でありうる、または酵素標識の場合では、検出される基質化合物もしくは組成物の化学変更を触媒することができる。標識は、小規模検出に適したものであり、ハイスループットスクリーニングにさらに適したものでありうる。このように、適切な標識には、磁気活性アイソトープ、非放射性アイソトープ、ラジオアイソトープ、蛍光色素、化学発光化合物、色素、及び酵素を含むタンパク質が含まれるが、これらに限定されない。標識は、簡単に検出されうる、または定量化されうる。簡単に検出される応答は、一般に、その存在が単に確認される応答を含み、一方、定量化される応答は、一般に、強度、極性及び/または他の特性のような定量化可能な(例えば、数値的に報告可能な)値を有する応答を含む。発光または蛍光アッセイにおいて、検出可能な応答は、結合に実際に関与するアッセイ構成要素と関連する発光団もしくは蛍光団を使用して直接的に、または別の(例えば、レポーターもしくは指示薬)構成要素と関連する発光団もしくは蛍光団を使用して間接的に生成することができる。
シグナルを生じる発光標識の例には、生物発光及び化学発光が含まれるが、これらに限定されない。検出可能な発光応答は、一般に、発光シグナルの変化または発生を含む。発光的に標識化するアッセイ構成要素に適した方法及び発光団は当該技術において知られており、例えば、Haugland,Richard P.(1996)Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(6th ed.)に記載されている。発光プローブの例には、エクオリン及びルシフェラーゼが含まれるが、これらに限定されない。
適切な蛍光標識の例には、フルオレセイン、ローダミン、テトラメチルローダミン、エオシン、エリスロシン、クマリン、メチル−クマリン、ピレン、マラカイトグリーン、スチルベン、ルシファーイエロー、Cascade Blue(商標)及びテキサスレッドが含まれるが、これらに限定されない。他の適切な光学色素は、Haugland,Richard P.(1996)Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(6th ed.)に記載されている。
別の態様において、蛍光標識は、細胞表面マーカーのように、細胞または組織の表面に存在する細胞構成要素への共有結合を促進するように官能化される。適切な官能基には、イソチオシアネート基、アミノ基、ハロアセチル基、マレイミド、スクシンイミジルエステル及びハロゲン化スルホニルが含まれるが、これらに限定されず、これらは、全て、蛍光標識を第2分子に結合するために使用することができる。蛍光標識の官能基の選択は、リンカー、作用物質、マーカーまたは第2標識化剤への結合部位によって左右される。
「ADCC」または「抗体依存性細胞媒介細胞障害」とは、本明細書で使用されるとき、細胞媒介反応を意味し、一方、FcγRを発現する非特異的細胞障害性細胞は、標的細胞に結合した抗体を認識し、続いて標的細胞の溶解を引き起こす。ADCCは、FcγRIIIaへの結合と相関し、FcγRIIIaへの結合を増加して、ADCC活性の増加をもたらす。
「ADCP」または抗体依存性細胞媒介食作用とは、本明細書で使用されるとき、細胞媒介反応を意味し、一方、FcγRを発現する非特異的細胞障害性細胞は、標的細胞に結合した抗体を認識し、続いて標的細胞の食作用を引き起こす。
本明細書において「修飾」とは、ポリペプチド配列におけるアミノ酸の置換、挿入及び/もしくは欠失、またはタンパク質に化学的に結合した部分の変更を意味する。例えば、修飾は、変更された炭水化物またはタンパク質に結合したPEG構造でありうる。本明細書において「アミノ酸修飾」とは、ポリペプチド配列におけるアミノ酸の置換、挿入及び/または欠失を意味する。明確にするため、特に示されない限り、アミノ酸修飾は、常に、DNAによりコードされたアミノ酸、例えばDNA及びRNAにコドンを有する20個のアミノ酸である。
本明細書において「アミノ酸置換」または「置換」とは、親ポリペプチド配列の特定の位置におけるアミノ酸の、別のアミノ酸による交換を意味する。特に、幾つかの実施形態において、置換は、生物体内または任意の生物体のいずれかにおいて天然に生じない、特定の位置で天然に生じないアミノ酸に対してである。例えば、置換E272Yは、272位のグルタミン酸がチロシンに代えられている変種ポリペプチドを指す。明確にするため、配列をコードする核酸を変えるが、出発アミノ酸を変えないように改変されているタンパク質(例えば、CGG(アルギニンをコードする)をCGA(依然としてアルギニンをコードする)に交換して、宿主生物発現レベルを増加する)は、「アミノ酸置換」ではなく、すなわち、同じタンパク質をコードする新たな遺伝子の作製であるが、タンパク質が、出発したときの特定の位置に同じアミノ酸を有する場合、アミノ酸置換ではない。
「アミノ酸挿入」または「挿入」とは、本明細書で使用されるとき、親ポリペプチド配列の特定の位置におけるアミノ酸配列の付加を意味する。例えば、−233Eまたは233Eは、233位の後ろ及び234位の前へのグルタミン酸の挿入を示している。加えて、−233ADEまたはA233ADEは、233位の後ろ及び234位の前へのALaAspGluの挿入を示している。
「アミノ酸欠失」または「欠失」とは、本明細書で使用されるとき、親ポリペプチド配列の特定の位置におけるアミノ酸配列の除去を意味する。例えば、E233−またはE233#は、233位のグルタミン酸の欠失を示す。加えて、EDA233−またはEDA233#は、233位から始まる配列GluAspAlaの欠失を示す。
「変種タンパク質」または「タンパク質変種」または「変種」は、本明細書で使用されるとき、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって親タンパク質と異なるタンパク質を意味する。タンパク質変種は、タンパク質それ自体、タンパク質を含む組成物またはそれをコードするアミノ酸配列を指すことができる。好ましくは、タンパク質変種は、親タンパク質と比較して少なくとも1個のアミノ酸修飾、例えば、親と比較して、約1〜約70個のアミノ酸修飾、好ましくは約1〜約5個のアミノ酸修飾を有する。幾つかの実施形態において、親ポリペプチド、例えばFc親ポリペプチドは、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4のFc領域のようなヒト野生型配列であるが、変種を有するヒト配列も、「親ポリペプチド」として機能することもできる。本明細書におけるタンパク質変種配列は、親タンパク質配列に、好ましくは少なくとも約80%の同一性、最も好ましくは少なくとも約90%の同一性、より好ましくはすくな約95〜98〜99%の同一性を有する。変種タンパク質は、変種タンパク質それ自体、タンパク質変種を含む組成物またはそれをコードするDNA配列を指すことができる。したがって、「抗体変種」または「変種抗体」とは、本明細書で使用されるとき、少なくとも1個のアミノ酸修飾によって親抗体と異なる抗体を意味し、「IgG変種」または「変種IgG]は、本明細書で使用されるとき、少なくとも1個のアミノ酸修飾によって親IgG(これも、多くの場合において、ヒトIgG配列からのものである)と異なる抗体を意味し、「免疫グロブリン変種」または「変種免疫グロブリン」は、明細書で使用されるとき、少なくとも1個のアミノ酸修飾によって親免疫グロブリ配列と異なる免疫グロブリン配列を意味する。「Fc変種」または「変種Fc」は、本明細書で使用されるとき、Fcドメインにアミノ酸修飾を含むタンパク質を意味する。本発明のFc変種は、構成されるアミノ酸修飾に従って定義される。したがって、例えば、N434Sまたは434Sは、親Fcポリペプチドと比べて、434位に置換セリンを有するFc変種であり、ここで番号付けはEU指標に従っている。同様に、M428L/N434Sは、親Fcポリペプチドと比べて、置換M428L及びN434Sを有するFc変種を定義する。WTアミノ酸の素性は非特異性であってもよく、この場合、前述の変種は428L/434Sと呼ばれる。置換が提供される順番は任意であり、換言すると、例えば428L/434Sは、M428L/N434Sと同じFc変種であることが留意される。抗体に関して本明細書において考察されている全ての位置について、特に示されない限り、アミノ酸位置の番号付けはEU指標に従っている。EU指標またはKabatにおけるEU指標またはEU番号付けスキームは、EU抗体の番号付けを指す(全体が参照として本明細書に組み込まれる、Edelman et al.,1969,Proc Natl Acad Sci USA 63:78−85)。修飾は、付加、欠失または置換でありうる。置換には、天然に生じるアミノ酸、幾つかの場合では合成アミノ酸が含まれうる。例は、米国特許第6,586,207号、WO98/48032、WO03/073238、US2004−0214988A1、WO05/35727A2、WO05/74524A2、J.W.Chin et al.,(2002),Journal of the American Chemical Society 124:9026−9027、J.W.Chin,& P.G.Schultz,(2002),ChemBioChem 11:1135−1137、J.W.Chin,et al.,(2002),PICAS United States of America 99:11020−11024及びL.Wang,& P.G.Schultz,(2002),Chem.1−10に含まれており、全て全体が参照として組み込まれる。
本明細書で使用されるとき、本明細書において「タンパク質」は、少なくとも2個の共有結合アミノ酸を意味し、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド及びペプチドが含まれる。ペプチジル基は、天然に生じるアミノ酸及びペプチド結合または合成ペプチド模倣構造、すなわち、ペプトイドのような「類縁体」を含むことができる(全体が参照として組み込まれる、Simon et al.,PNAS USA 89(20):9367(1992)を参照すること)。アミノ酸は、天然に生じても、または合成(DNAによりコードされたアミン酸ではない)であってもよく、当業者に理解されている。例えば、ホモ−フェニルアラニン、シトルリン、オルニチン及びノルロイシンが、本発明の目的において合成アミノ酸と考慮され、D−及びL−(RまたはS)立体配置アミノ酸の両方を利用することができる。本発明の変種は、例えば、全て全体が参照として組み込まれる、Cropp & Shultz,2004,Trends Genet.20(12):625−30、Anderson et al.,2004,Proc Natl Acad Sci USA 101(2):7566−71、Zhang et al.,2003,303(5656):371−3及びChin et al.,2003,Science 301(5635):964−7により記載されている方法が含まれるが、これらに限定されない、Shultz及び同僚によって開発された技術を使用して組み込まれた合成アミノ酸の使用によるものを含む修飾を、含むことができる。加えて、ポリペプチドは、1つ以上の側鎖または末端の合成誘導体化、グリコシル化、PEG化、円順列、環化、他の分子へのリンカー、タンパク質またはタンパク質ドメインへの融合及びペプチドタグまたは標識の付加を含むことができる。
「残基」とは、本明細書で使用されるとき、タンパク質の位置及びその関連するアミノ酸の素性を意味する。例えば、IgG1のアスパラギン297(Asn297またはN297とも呼ばれる)は、ヒト抗体IgG1の297位の残基である。
「Fab」または「Fab領域」は、本明細書で使用されるとき、VH、CH1、VL及びCL免疫グロブリンドメインを含むポリペプチドを意味する。Fabは、単離されているこの領域、または完全長の抗体、抗体フラグメントもしくはFab融合タンパク質の文脈におけるこの領域を指すことができる。「Fv」または「Fvフラグメント」または「Fv領域」とは、本明細書で使用されるとき、単一抗体のVL及びVHドメインを含むポリペプチドを意味する。
「非天然に生じる修飾」とは、本明細書で使用されるとき、アイソタイプ的ではないアミノ酸修飾を意味する。例えば、IgGのどれも434位にセリンを含まないので、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4(あるいは、これらのハイブリッド)における置換434Sは、非天然に生じる修飾と考慮される。
「エフェクター機能」とは、本明細書で使用されるとき、抗体Fc領域とFc受容体またはリガンドとの相互作用から生じる生化学的事象を意味する。エフェクター機能には、ADCC、ADCP及びCDCが含まれるが、これらに限定されない。
「親ポリペプチド」は、本明細書で使用されるとき、変種を生成するよう後に修飾される出発ポリペプチドを意味する。親ポリペプチドは、天然に生じるポリペプチドまたは天然に生じるポリペプチドの変種もしくは改変型でありうる。親ポリペプチドは、ポリペプチドそれ自体、親ポリペプチドを含む組成物またはそれをコードするアミノ酸配列を指すことができる。したがって、「親免疫グロブリン」とは、本明細書で使用されるとき、変種を生成するように修飾される非修飾免疫グロブリンポリペプチドを意味し、「親抗体」とは、本明細書で使用されるとき、変種抗体を生成するように修飾される非修飾抗体を意味する。「親抗体」には、既知の市販の組み換え産生抗体が含まれ、下記に概説される。
「位置」とは、本明細書で使用されるとき、タンパク質の配列における位置を意味する。位置は、順番に、または確立された様式、例えば抗体番号付けのEU指標に従って、番号付けされうる。
「標的抗原」とは、本明細書で使用されるとき、所定の抗体の可変領域によって特異的に結合している分子を意味する。標的抗原は、Tosoタンパク質、炭水化物、脂質または他の化合物のようなタンパク質でありうる。
「標的細胞」とは、本明細書で使用されるとき、標的抗原を発現する細胞を意味する。
「可変領域」とは、本明細書で使用されるとき、Vカッパ、Vラムダ、並びに/またはカッパ、ラムダ及び重鎖免疫グロブリン遺伝子座をそれぞれ構成するVH遺伝子のいずれかによって実質的にコードされている1つ以上のIgドメインを含む免疫グロブリンの領域を意味する。
「野生型またはWT」とは、本明細書で使用されるとき、対立遺伝子変異を含む、天然に見出されるアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を意味する。WTタンパク質は、意図的に修飾されていないアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を有する。
本発明は、主に特定の実施形態を参照して記載されているが、他の実施形態が、本開示を読むことによって当業者に明白になることも考慮されており、そのような実施形態は、本発明の方法の範囲内に含まれることが意図されている。
I.発明の概観
本発明は、Tosoタンパク質(これは、本明細書において「Toso」または「Toso受容体」または「Faim3」または「FCMR」と交換可能に呼ばれてもいる)の活性を調節する方法及び組成物を対象とする。本発明の方法及び組成物は、例えば、2013年3月14日に出願されたUSSN13/831,031(これは、全ての目的において、特にTosoタンパク質の活性を調節する方法及び組成物に関する任意の開示、特許請求の範囲、図または他の教示において、その全体が参照として本明細書に組み込まれる)に記載されているように、Tosoタンパク質の活性を調節する他の既知の方法に従って、幾つかの実施形態では、それと組み合わせて使用することができる。
幾つかの実施形態において、本発明の方法及び組成物は、Tosoタンパク質の活性を増加する。他の実施形態において、本発明の方法及び組成物は、Tosoタンパク質の活性を阻害する。
特定の態様において、Tosoタンパク質の活性を調節する組成物には、Tosoタンパク質またはTosoタンパク質のリガンドに結合する作用物質が含まれる。更なる実施形態において、本発明の組成物には、Tosoタンパク質またはTosoタンパク質のリガンドに結合する抗体が含まれる。
本発明は、更に、対象においてTosoの活性を調節する抗体を投与することによって、障害及び疾患を治療する方法を対象とする。本明細書に更に詳細に考察されるように、本発明の抗体は、限定されることなく、II型糖尿病、自己免疫性障害(限定されることなく、1型糖尿病、多発性硬化症もしくは関節リウマチを含む)、喘息、アレルギー、慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)、高IgM症候群、CLL、狼瘡または好中球増加症関連障害(限定されることなく、好中球減少症、重症先天性好中球減少症、周期性好中球減少症、抗体媒介性好中球減少症、細網異形成症、白血球接着不全症、家族性骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、家族制寒冷じん麻疹及び白血球増多症、並びに慢性肉芽腫性疾患を含む)に罹患している対象を治療するために使用できる。
II.Tosoに対する抗体
本発明の抗体は、Toso活性を調節する。幾つかの実施形態において、本発明の抗体は、Toso活性を増加する。他の実施形態において、本発明の抗体は、Toso活性を減少する。幾つかの実施形態において、本発明の抗体は、Tosoタンパク質に直接結合する。他の実施形態において、本発明の抗体は、Tosoタンパク質のリガンドに結合する。更なる実施形態において、本発明の抗体は、中間タンパク質または他の分子と結合して、そうでなければ相互作用して、中間タンパク質または他の分子との相互作用を介してToso活性に間接的に影響を与える。
抗体を調製する方法は、当該技術において一般に知られている。例えば、米国特許第6,727,350号は、Toso抗体及びその調製方法を考察し、全ての目的において、特にTosoタンパク質に向けられる抗体に関する全ての教示においてその全体が、参照として本明細書に組み込まれる。
幾つかの実施形態において、本発明の抗体は、当該技術に既知であり、かつ本明細書に更に詳細に記載される方法を使用して、ファージ提示スクリーニングによって特定される。そのような方法は、更なる実施形態において、ファージ提示スクリーニングの結果を、ヒトIgGの発現ベクターにクローン化することによって、完全ヒト抗体を産生することを含む。
本発明における使用が見出される抗体は、本明細書に記載されているように、伝統的な抗体、並びに抗体誘導体、フラグメント及び模倣体を含む、多数の様式をとることができ、下記に記載されている。一般に、用語「抗体」は、CH1、CH2、CH3及びCLが含まれるが、これらに限定されない、少なくとも1つの定常ドメインを含む任意のポリペプチドを含む。
伝統的な抗体構造単位は、典型的には、四量体を含む。四量体は、それぞれ典型的には、2つのポリペプチド鎖の同一対から構成され、各対は、1つの「軽」(典型的には約25kDaの分子量を有する)及び1つの「重」鎖(典型的には約50〜70kDaの分子量を有する)を有する。ヒト軽鎖は、カッパ及びラムダ軽鎖に分類される。本発明は、IgGクラスを対象とし、これは、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4が含まれるが、これらに限定されない幾つかのサブクラスを有する。したがって、「アイソタイプ」は、本明細書で使用されるとき、定常領域の化学的及び抗原的特徴により定義される免疫グロブリンの任意のサブクラスを意味する。治療抗体は、アイソタイプ及び/またはサブクラスのハイブリッドを含むこともできることが、理解されるべきである。
各鎖のアミノ末端部分は、主に抗原認識に関わる約100〜110個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含み、当該技術及び本明細書において、一般に「Fvドメイン」または「Fv領域」と呼ばれる。可変領域において、3つのループが、重鎖及び軽鎖のそれぞれのVドメインに集まって、抗原結合部位を形成する。ループは、それぞれ相補性決定領域と呼ばれ(本明細書以降、「CDR」と呼ばれる)、そこでのアミノ酸配列の変異は、最も顕著である。「可変」は、可変領域の特定のセグメントが、抗体の配列において広範囲に異なっているという事実を指す。可変領域内の可変性は、均一に分布していない。むしろV領域は、それぞれ9〜15個のアミノ酸の長さ、またはそれ以上の長さである「超可変領域」と呼ばれる高度に可変性のある短い領域によって隔てられている、15〜30個のアミノ酸のフレームワーク領域(FR)と呼ばれる比較的不変性の伸展から構成される。
VH及びVLは、それぞれ、アミノ末端からカルボキシ末端まで次の順番:FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4で配列されている、3つの超可変領域(「相補性決定領域」、「CDR」)及び4つのFRから構成されている。
超可変領域は、一般に、軽鎖可変領域における、約24〜34(LCDR1、「L」は軽鎖を示す)、50〜56(LCDR2)及び89〜97(LCDR3)、重鎖可変領域における、およそ約31〜35B(HCDR1、「H」は重鎖を示す)、50〜65(HCDR2)及び95〜102(HCDR3)のアミノ酸残基、Kabat et al.,SEQUENCES OF PROTEINS OF IMMUNOLOGICAL INTEREST,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)、並びに/または超可変ループを形成する残基(例えば、軽鎖可変領域における26〜32(LCDR1)、50〜52(LCDR2)及び91〜96(LCDR3)、重鎖可変領域における26〜32(HCDR1)、53〜55(HCDR2)及び96〜101(HCDR3)の残基、Chothia and Lesk(1987)J.Mol.Biol.196:901−917、からのアミノ酸残基を包含する。本発明の特定のCDRは、下記に記載されている。
本明細書に全体にわたって、Kabat番号付け系が、一般に可変ドメインにおける残基が参照されるときに使用される(およそ、軽鎖可変領域の残基1〜107及び重鎖可変領域の残基1〜113)(例えば、Kabat et al.,前掲(1991))。
CDRは、抗体の抗原結合、より具体的にはエピトープ結合部位の形成に寄与する。「エピトープ」は、パラトープとして知られている抗体分子の可変領域における特定の抗原結合部位と相互作用する、決定因子を指す。エピトープは、アミノ酸または糖側鎖のような分子群であり、通常、特定の構造的特徴、また、特定の電荷的特徴を有する。単一の抗原は、1個を超えるエピトープを有することができる。
エピトープは、結合に直接関与するアミノ酸残基(エピトープの免疫優性構成要素とも呼ばれる)及び特異的な抗原結合ペプチドにより有効の遮断されるアミノ酸残基のような、結合に直接関与しない他のアミノ酸残基を含むことができ、換言すると、アミノ酸残基は、特異的な抗原結合エピトープのフットプリントの範囲内にある。
エピトープは、立体配座または線状のいずれかでありうる。立体配座エピトープは、線状ポリペプチド鎖の異なるセグメントからの空間的に並列されたアミノ酸によって産生される。線状エピトープは、ポリペプチド鎖の隣接アミノ酸残基により産生されるものである。立体配座及び非立体配座エピトープは、後者ではなく前者への結合が変性溶媒の存在下で失われる点において区別されうる。
エピトープは、典型的には少なくとも3個、より一般的には少なくとも5または8〜10個のアミノ酸を特有の空間立体配座に含む。同じエピトープを認識する抗体は、標的抗原への別の抗体の結合を遮断する1つの抗体の能力を示す簡単なイムノアッセイ、例えば、「ビニング(binning)」において確認されうる。
幾つかの実施形態において、抗体は完全長である。本明細書において「完全長抗体」とは、本明細書に概説されている1個以上の修飾を含む可変及び定常領域を含む、抗体の天然の生物学的形態を構成する構造を意味する。
あるいは、抗体は、抗体フラグメント、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、ミニボディー(minibody)、ドメイン抗体、合成抗体(時々、本明細書において「抗体模倣体」と呼ばれる)、キメラ抗体、ヒト化抗体、抗体融合体(時々、「抗体抱合体」と呼ばれる)及びそれぞれの対応するフラグメントが含まれるが、これらに限定されない様々な構造でありうる。
抗体フラグメント
1つの実施形態において、抗体は、抗体フラグメントである。Fc領域、Fc融合体及び定常重領域融合体も含む重鎖の定常領域(CH1−ヒンジ−CH2−CH3)を含む抗体が、特に興味深いものである。
特定の抗体フラグメントには、(i)VL、VH、CL及びCH1ドメインからなるFabフラグメント、(ii)VH及びCH1ドメインからなるFdフラグメント、(iii)単一抗体のVL及びVHドメインからなるFvフラグメント、(iv)単一の可変領域からなるdAbフラグメント(全体が参照として組み込まれる、Ward et al.,1989,Nature 341:544−546)、(v)単離CDR領域、(vi)2つの結合Fabフラグメントを含む二価フラグメントであるF(ab’)2フラグメント、(vii)VHドメイン及びVLドメインが、2つのドメインを会合させて抗原結合部位を形成させるペプチドリンカーにより結合している、単鎖Fv分子(scFv)(全体が参照として組み込まれる、Bird et al.,1988,Science 242:423−426、Huston et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:5879−5883)、(viii)二重特異性単鎖Fv(参照として本明細書に組み込まれる、WO03/11161)、並びに(ix)遺伝子融合により構築される多価または多特異性フラグメントである、「二特異性抗体(diabody)」または「三特異性抗体(triabody)」(全て全体が参照として組み込まれる、Tomlinson et. al.,2000 Methods Enzymol.326:461−479、WO94/13804、 Holliger et al.,1993,Proc Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:6444−6448)が含まれるが、これらに限定されない。抗体フラグメントは、修飾されうる。例えば、分子は、VH及びVLドメインを連結するジスルフィド架橋を組み込むことによって安定化されうる(全体が参照として組み込まれる、Reiter et al.,1996,Nature Biotech.14:1239−1245)。
キメラ及びヒト化抗体
幾つかの実施形態において、足場構成要素は、異なる種の混合物でありうる。このように、タンパク質が抗体である場合、そのような抗体は、キメラ抗体及び/またはヒト化抗体でありうる。一般に、「キメラ抗体」及び「ヒト化抗体」は、両方とも、1つを超える種からの領域を組み合わせる抗体を指す。例えば「キメラ個体」は、伝統的に、マウス(幾つかの場合では、ラット)の可変領域及びヒトの定常領域を含む。「ヒト化抗体」は、一般に、可変ドメインフレームワーク領域をヒト抗体に見出された配列に交換した、非ヒト抗体を指す。一般に、ヒト化抗体では、CDRを除く抗体全体が、ヒト由来のポリヌクレオチドによりコードされる、またはCDR内を除いてそのような抗体と同一である。非ヒト生物由来の核酸でコードされている一部または全てのCDRは、ヒト抗体可変領域のベータシートフレームワークに移植されて、抗体を作り出し、その特異性は、移植されたCDRによって決まる。そのような抗体の作成は、例えば、WO92/11018、Jones,1986,Nature 321:522−525、Verhoeyen et al.,1988,Science 239:1534−1536に記載されており、全て全体が参照として組み込まれる。選択された受容体フレームワーク残基の、対応する供与体残基への「復帰突然変異」は、多くの場合、初期移植構築物において失われた親和性を回復する必要がある(全て全体が参照として組み込まれる、米国特許第5,530,101号、米国特許第5,585,089号、米国特許第5,693,761号、米国特許第5,693,762号、米国特許第6,180,370号、米国特許第5,859,205号、米国特許第5,821,337号、米国特許第6,054,297号、米国特許第6,407,213号)。またヒト化抗体は、最適には、免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのものを含み、したがって、典型的にはヒトFc領域を含む。ヒト化抗体は、遺伝子改変免疫系を用いてマウスの使用により生成することもできる。全体が参照として組み込まれる、Roque et al.,2004,Biotechnol.Prog.20:639−654。非ヒト抗体をヒト化する及び再形成する多様な技術及び方法は、当該技術において良く知られている(全て全体が参照として組み込まれる、Tsurushita & Vasquez,2004,Humanization of Monoclonal Antibodies,Molecular Biology of B Cells,533−545,Elsevier Science(USA)及び引用参考文献を参照すること)。ヒト化の方法には、全て全体が参照として組み込まれる、Jones et al.,1986,Nature321:522−525、Riechmann et al.,1988,Nature 332:323−329、Verhoeyen et al.,1988,Science,239:1534−1536、Queen et al.,1989,Proc Natl Acad Sci,USA 86:10029−33、He et al.,1998,J.Immunol.160:1029−1035、Carter et al.,1992,Proc Natl Acad Sci USA 89:4285−9、Presta et al.,1997,Cancer Res.57(20):4593−9、Gorman et al.,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:4181−4185、O’Connor et al.,1998,Protein Eng 11:321−8に記載された方法が含まれるが、これらに限定されない。非ヒト抗体可変領域の免疫原性を低減するヒト化または他の方法には、例えば、全体が参照として組み込まれる、Roguska et al.,1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:969−973に記載されている再表面化法が含まれうる。1つの実施形態において、親抗体は、親和性が成熟しており、当該技術において知られている。構造に基づいた方法を、例えば米国特許出願第11/004,590号に記載されているように、ヒト化及び親和性成熟に用いることができる。全て全体が参照として組み込まれる、Wu et al.,1999,J.Mol.Biol.294:151−162、Baca et al.,1997,J.Biol.Chem.272(16):10678−10684、Rosok et al.,1996,J.Biol.Chem.271(37):22611−22618、Rader et al.,1998,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:8910−8915、Krauss et al.,2003,Protein Engineering 16(10):753−759に記載されている方法が含まれるが、これらに限定されない、選択に基づいた方法を、抗体可変領域のヒト化及び/または親和性成熟のために用いることができる。全て全体が参照として組み込まれる、米国特許出願第09/810,510号、Tan et al.,2002,J.Immunol.169:1119−1125、De Pascalis et al.,2002,J.Immunol.169:3076−3084に記載されている方法が含まれるが、これらに限定されない、他のヒト化の方法は、CDRの一部分のみを移植することを伴うことがある。
1つの実施形態において、抗体は、ミニボディーである。ミニボディーは、CH3ドメインに結合したscFvを含む最小化抗体様タンパク質である。全体が参照として組み込まれる、Hu et al.,1996,Cancer Res.56:3055−3061。幾つかの場合において、scFvは、Fc領域に結合することができ、ヒンジ領域の一部または全体を含むことができる。
Toso抗体及び変種
本明細書で使用されるとき、用語「Toso抗体」は、本明細書に記載されている配列及びその変種のいずれかを含む抗体を含む、Tosoに結合する、またはTosoのリガンドに結合する任意の抗体を指す。
特定の態様において、本発明のToso抗体には、図1、並びに下記の表1及び2に提供されているCDR配列を含む抗体が含まれる。
Figure 2016523264

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更なる実施形態において、本発明のToso抗体は、図1に提供されているCDR配列の変種を含む。一般に、変種は、本明細書に記載されているように、タンパク質の機能が依然として存在する限り任意の数の修飾を含むことができる。すなわち、例えば図1に提供されている配列を含むいずれかの抗体のCDRにより生成されたアミノ酸変種の場合、抗体は、依然として、TosoまたはTosoのリガンドに特異的に結合するはずである。同様に、例えばアミノ酸変種がFc領域により生成される場合、変種抗体は、特定の用途または抗体の指定のために必要な受容体結合機能を維持するはずである。
しかし一般に、多くの場合に目的が最小数の修飾で機能を変更することであるので、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアミノ酸置換が一般に利用される。幾つかの場合において、1〜5個の修飾があり、1〜2個、1〜3個及び1〜4個も多くの実施形態において使用が見出されている。
幾つかの実施形態において、図1、並びに表1及び2に提供されているように、1個以上のアミノ酸修飾が、本発明のToso抗体の1つ以上のCDRにおいて行われる。一般に、僅か1、2または3個のアミノ酸が任意の単一CDRにおいて置換されており、一般に、4、5、6、7、8、9または10個以下の変化が一連のCDR内で行われる。しかし、特定の抗体の任意のCDRにおける置換なし、1個、2個または3個の置換の任意の組み合わせは、他の任意の置換と、独立して、任意選択で組み合わされうることが理解されるべきである。
幾つかの場合において、CDRのアミノ酸修飾は、「親和性成熟」と呼ばれる。「親和性成熟」抗体は、1つ以上のCDRに1個以上の変更を有して、これらの変更を有さない親抗体と比較して、抗原への抗体の親和性に改善をもたらすものである。幾つかの場合において、希ではあるが、抗原への抗体の親和性を減少させることが望ましいことがあり、しかしこのことは一般に好ましくない。
親和性成熟は、抗原への抗体の結合親和性を、「親」抗体と比較し、少なくとも約10%から50〜100〜150%もしくはそれ以上、または1〜5倍増加するために行うことができる。好ましい親和性成熟抗体は、標的抗原に対してナノモル、さらにはピコモル親和性を有する。親和性成熟抗体は、既知の手順によって産生される。例えば、可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)ドメインシャフリングによる親和性成熟を記載する、Marks et al.,1992,Biotechnology 10:779−783を参照すること。CDR及び/またはフレームワーク残基のランダム突然変異誘発は、例えば、Barbas, et al.1994,Proc.Nat.Acad.Sci,USA 91:3809−3813、Shier et al.,1995,Gene169:147−155、Yelton et al.,1995,J.Immunol.155:1994−2004、Jackson et al.,1995,J.Immunol.154(7):3310−9及びHawkins et al,1992,J.Mol.Biol.226:889−896に記載されている。
あるいは、アミノ酸修飾は、「サイレント」である、例えば抗原への抗体の親和性を有意に変更しない本発明の抗体の1つ以上のCDRにおいて行うことができる。これらは、発現の最適化(本発明の抗体をコードする核酸によって行うことができる)を含む多数の理由によって、行うことができる。
したがって、変種のCDR及び抗体が本発明のCDR及び抗体の定義の範囲内に含まれ、すなわち、本発明の抗体は、抗体3kr7、k−2−5、5/7k5、5/7k1、5/7k6、5/15kL24、5/15kL26、5/15kL30、k−4.15、k−4.16、k−4.18、k−4.20、k−4.17、L−1−13、1R2kr3、K3−22、k−2−48、K3−24、5/15L28、5/15kL19、k−5.10、k−2−42、1R2kr30、K1、L1、k−2−32、L−8.2、L−8.6、L−8.17の1つ以上のCDRにアミノ酸修飾を含むことができ、これらの重及び軽鎖の配列は、図1に提供されている。加えて、アミノ酸修飾は、フレームワーク及び定常領域を含むCDRの外側の任意の領域において、独立して、任意選択で行うこともできる。
幾つかの実施形態において、本発明のToso抗体(本明細書において、「抗Toso」または「抗Toso抗体」とも呼ばれる)は、変種Fcドメインから構成される。当該技術において知られているように、抗体のFc領域は、多数のFc受容体及びリガンドと相互作用して、エフェクター機能と呼ばれる一連の重要な機能的能力を付与する。これらのFc受容体には、アイソフォームFcγRIa、FcγRIb及びFcγRIcを含む、(ヒト)FcγRI(CD64);アイソフォームFcγRIIa(アロタイプH131及びR131を含む)、FcγRIIb(FcγRIIb−1及びFcγRIIb−2を含む)、並びにFcγRIIcを含む、FcγRII(CD32);アイソフォームFcγRIIIa(抗体依存性細胞障害(ADCC)と相関するアロタイプV158及びF158を含む)、並びにFcγRIIIb(アロタイプFcγRIIIb−NA1及びFcγRIIIb−NA2を含む)を含む、FcγRIII(CD16);FcRn(新生児受容体)、C1q(補体依存性細胞傷害(CDC)に関与する補体タンパク質)及びFcRn(血清半減期に関与する新生児受容体)が含まれるが、これらに限定されない。適切な修飾は、1つ以上の位置において行うことができ、例えば、US2004/013210、US2005/0054832、US2006/0024298、US2006/0121032、US2006/0235208、US2007/0148170、米国特許第6,737,056号、米国特許第7,670,600号、米国特許第6,086,875号に一般的に概説されており、こられは、全てその全体が、特に、Fc受容体への結合を増加する特定のアミノ酸置換について、参照として明確に組み込まれる。
更なる態様において、本発明のToso抗体は、図1に提供されている完全長重又は軽鎖のいずれかを含む。更なる実施形態において、本発明のToso抗体は、図1に提供されている完全長重または軽鎖配列のいずれかに約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%及び100%の同一性の配列同一性を有する配列を含む。
なお更なる実施形態において、本発明のToso抗体は、図1、並びに表1及び2に提供されているCDR配列を包含するコンセンサス配列を含む。そのようなコンセンサス配列は、CDR配列の整列によって及び公開データベースに利用可能なツールを使用して特定することができる。
例示的な実施形態において、本発明のToso抗体は、次のコンセンサス配列:G−X1−TFS−X2−Y−X3を含む重鎖CDR1を含み、ここで、X1はF、DまたはYであり、X2はN、DまたはSであり、X3はA、G、WまたはNである。
更なる実施形態において、本発明のToso抗体は、次のコンセンサス配列:I−X1−PSG−X2−T−X3を含む重鎖CDR2を含み、ここで、X1はS、DまたはYであり、X2はGまたはDであり、X3はTまたはPである。
なお更なる実施形態において、本発明のToso抗体は、次のコンセンサス配列:Q−S−X1−S−X2−Yを含む軽鎖CDR1を含み、ここで、X1はVまたはIであり、X2はS、DまたはNである。
なお更なる実施形態において、本発明のToso抗体は、次のコンセンサス配列:QQ−X1−Y−X2−TP−X3−Tを含む軽鎖CDR3を含み、ここで、X1はY、RまたはSであり、X2はN、G、T、SまたはIであり、X3はL、I、EまたはCである。
理解されるように、方法は特定のタンパク質に対する抗体を特定する当該技術に既知の方法であるが、そのような方法により特定された抗体の全てが、目的のタンパク質に結合するとは限らない。したがって、本発明の1つの態様は、Tosoに結合しない抗体と区別される、Toso結合する抗体の特定であり、例えば、Tosoに結合しない、図2の抗体の重及び軽鎖配列に対する、Tosoに結合する抗体である図1の抗体の重及び軽鎖配列を参照すること。
更なる態様において、本発明は、本明細書に記載されている配列のいずれか及び図1に提供されている配列のいずれかによる抗体またはタンパク質をコードする発現ベクターを提供する。
なお更なる態様において、本発明は、本明細書に記載されている配列いずれか及び図1に提供されている配列のいずれかによる抗体またはタンパク質を作成する方法であって、その抗体またはタンパク質をコードする核酸を含む細胞を提供することを含み、細胞が、抗体またはタンパク質の発現に適した条件下で培養される方法を提供する。
なお更なる態様において、本発明は、Toso関連疾患を治療する方法であって、本明細書に記載されている配列いずれか及び図1に提供される配列のいずれかによる抗体またはタンパク質を用いて、その必要性のある対象を治療することを含む方法を提供する。
なお更なる態様において、本発明の抗体は、Toso関連疾患の診断及びその治療を含む様々な用途における使用が見出される。
Toso抗体に対する追加的な修飾
上記に概説された修飾及び変種いずれかに加えて、他の修飾を行うことができる。例えば、分子は、VH及びVLドメインを連結するジスルフィド架橋を組み込むことによって安定化されうる(全ての目的において及び特に、抗体を含む分子の修飾に関する全ての教示において、全体が参照として組み込まれる、Reiter et al.,1996,Nature Biotech.14:1239−1245)。加えて、作製することができる抗体の多様な共有結合修飾があり、下記に概説される。
抗体の共有結合修飾は、本発明の範囲に含まれ、一般的に翻訳後に行われるが、常にそうとは限らない。例えば、抗体の共有結合修飾の幾つかの種類は、抗体の特定のアミノ酸残基を、選択された側鎖またはN−もしくはC−末端残基と反応することができる有機誘導体化剤と、反応させることによって分子に導入される。
システイニル残基は、最も一般的にはクロロ酢酸またはクロロアセトアミドのようなα−ハロアセテート(及び対応するアミン)と反応して、カルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を与える。システイニル残基は、また、ブロモトリフルオロアセトン、α−ブロモ−β−(5−イミドゾイル)プロピオン酸、クロロアセチルホスフェート、N−アルキルマレイド、3−ニトロ−2−ピリジルジスルフィド、メチル2−ピリジルジスルフィド、p−クロロメルクリベンゾエート、2−クロロメルクリ−4−ニトロフェノールまたはクロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾールなどとの反応により誘導体化されうる。
加えて、システインでの修飾は、抗体薬物複合体(ADC)用途において特に有用であり、下記に更に記載される。幾つかの実施形態において、抗体の定常領域を改変して、薬物部分のより特異的で制御された配置を可能にするように、特に「チオール反応性」である1個以上のシステインを含有させることができる。例えば、その全体が参照として本明細書に組み込まれる、米国特許第7,521,541号を参照すること。
ヒスチジル残基は、ジエチルピロカーボネートとのpH5.5〜7.0での反応により誘導体化され、それはこの作用物質がヒスチジル側鎖に比較的に特異的であるからである。パラ−ブロモフェナシルブロミドも有用であり、反応は、好ましくは0.1Mのカコジル酸ナトリウムにおいてpH6.0で実施される。
リシニル及びアミノ末端残基は、コハク酸または他のカルボン酸の無水物と反応する。これらの作用物質による誘導体化は、リジニル残基の電荷を逆転する効果を有する。アルファ−アミノ含有残基を誘導体化する他の適切な試薬には、メチルピコリンイミデートのようなイミドエステル、ピリドキサールホスフェート、ピリドキサール、クロロボロヒドリド、トリニトロベンゼンスルホン酸、O−メチルイソ尿素、2,4−ペンタンジオン及びグリコレートとのトランスアミナーゼ触媒反応が含まれる。
アルギニル残基は、1つ、または幾つかの従来の試薬、とりわけ、フェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−シクロヘキサンジオン及びニンヒドリンとの反応により修飾される。アルギニン残基の誘導体化は、グアニジン官能基の高いpKaのために、反応をアルカリ条件下で実施することが必要となる。更に、これらの試薬は、リジンの群、並びにアルギニンイプシロン−アミノ基と反応することができる。
チロシル残基への特異的修飾は、芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンとの反応によりチロシル残基にスペクトル標識を導入するという、特定の目的を持って行うことができる。最も一般的には、N−アセチルイミジゾール及びテトラニトロメタンが、それぞれ、O−アセチルチロシル種及び3−ニトロ誘導体を形成するために使用される。チロシル残基を、125Iまたは131Iの使用によりヨウ素化して、ラジオイムノアッセイに使用される標識タンパク質を調製し、これには上記に記載されたクロラミンTの方法が適している。
カルボキシル側鎖(アスパルチルまたはグルタミル)は、カルボジイミド(R’−N=C=N−R’)との反応により選択的に修飾され、ここで、R及びR’は、任意選択で、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミドまたは1−エチル−3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルペンチル)カルボジイミドのような異なるアルキル基である。更に、アスパルチル及びグルタミル残基は、アンモニウムイオンとの反応により、アスパラギニル及びグルタミニル残基に変換される。
二官能性作用物質の誘導体化は、抗体を、下記に記載される方法に加えて、様々な方法に使用するために、水不溶性支持マトリックスまたは表面と架橋するのに有用である。一般的に使用される架橋剤には、例えば、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば4−アジドサリチル酸とのエステル、3,3’−ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)のようなジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル及びビス−N−マレイミド−1,8−オクタンのような二官能性マレイミドが含まれる。メチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミデートのような誘導体化剤は、光の存在下で架橋を形成することができる光活性化中間体を生じる。あるいは、シノモルグソゲンブロミド(cynomolgusogen bromide)活性化炭水化物のような反応性水不溶性マトリックス、並びに全て全体が参照として組み込まれる、米国特許第3,969,287、同第3,691,016号、同第4,195,128号、同第4,247,642号、同第4,229,537号及び同第4,330,440号に記載されている反応性基質が、タンパク質固定化に用いられる。
グルタミニル及びアスパラギニル残基は、頻繁に脱アミド化されて、それぞれ対応するグルタミル及びアスパルチル残基になる。あるいは、これらの残基は、弱酸性条件下で脱アミド化される。これらの残基のいずれの形態も本発明の範囲内に入る。
他の修飾には、プロリン及びリジンのヒドロキシル化、セリルまたはトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン及びヒスチジン側鎖のα−アミノ酸のメチル化(全体が参照として組み込まれる、T.E.Creighton,Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,pp.79−86[1983])、N末端アミンのアセチル化、並びに任意のC末端カルボキシル基のアミド化が含まれる。
加えて、当業者に理解されるように、標識(蛍光、酵素、磁気、放射性などを含む)を抗体(並びに本発明の他の組成物)に全て付加することができる。
別の種類の共有結合修飾は、グリコシル化における変更である。別の実施形態において、本明細書に開示されている抗体を修飾して、1つ以上の改変グリコフォームを含めることができる。「改変グリコフォーム」とは、本明細書で使用されるとき、抗体に共有結合している炭水化物組成物を意味し、ここで前記炭水化物組成物は、親抗体のものと化学的に異なっている。改変グリコフォームは、エフェクター機能を増強または低減することが含まれるが、これらに限定されない様々な目的に有用でありうる。
改変グリコフォームは、当該技術に既知の様々な方法によって生成されうる(全て全体が参照として組み込まれる、Umana et al.,1999,Nat Biotechnol 17:176−180、Davies et al.,2001,Biotechnol Bioeng 74:288−294、Shields et al.,2002,J Biol Chem 277:26733−26740、Shinkawa et al.,2003,J Biol Chem 278:3466−3473、US6,602,684、USSN10/277,370、USSN10/113,929、PCT WO00/61739A1、PCT WO01/29246A1、PCT WO02/31140A1、PCT WO02/30954A1、(Potelligent(登録商標)technology[Biowa,Inc.,Princeton,NJ]、GlycoMAb(登録商標)glycosylation engineering technology[Glycart Biotechnology AG,Zurich,Switzerland])。これらの技術の多くは、例えば、改変された、またはそうではない様々な生物体もしくは細胞系(例えば、Lec−13CHO細胞もしくはラッドハイブリドーマYB2/0にIgGを発現させること、グルコシル化経路に関与する酵素(例えば、FUT8[α1,6−フコシルトランスフェラーゼ]及び/もしくはβ1−4−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII[GnTIII])を調節すること、またはIgGが発現した後に炭水化物を修飾することによって、Fc領域に共有結合している多糖のフコシル化及び/または二分化のレベルを制御することに基づいている。例えば、Seattle Geneticsの「糖改変抗体」または「SEA技術」は、フコシル化を阻害する修飾糖を、産生の際に加えることによって機能し、例えば、その全体が参照として本明細書に組み込まれる、20090317869を参照すること。改変グリコフォームは、典型的には異なる炭水化物または多層を指し、したがって、抗体は改変グリコフォームを含むことができる。
あるいは、改変グリコフォームは、異なる炭水化物または多糖を含むIgG変種を指すことができる。当該技術において知られているように、グリコシル化パターンは、タンパク質の配列(例えば、下記に考察される、特定のグリコシル化アミノ酸残基が存在する、もしくは不在である)、またはタンパク質が産生される宿主細胞もしくは生物体の両方に応じて左右されうる。特定の発現系が下記に考察される。
ポリペプチドのグリコシル化は、典型的にはN−連結またはO−連結のいずれかである。N−連結は、炭水化物部分の、アスパラギン残基の側鎖への結合を指す。Xがプロリン以外のアミノ酸であるトリ−ペプチド配列のアスパラギン−X−セリン及びアスパラギン−X−トレオニンは、炭水化物部分の、アスパラギン側鎖への酵素結合における認識配列である。したがって、ポリペプチドにおけるこれらのいずれかのトリ−ペプチド配列の存在は、潜在的なグリコシル化部位を作り出す。O−連結グリコシル化は、糖のN−アセチルガラクトサミン、ガラクトースまたはキシロースの1つの、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリンまたはトレオニンへの結合を指すが、5−ヒドロキシプロリンまたは5−ヒドロキシリジンを使用することもできる。
抗体へのグリコシル化部位の付加は、アミノ酸配列を、1つ以上の上記記載のトリ−ペプチド配列を含有するように変更することによって、都合良く達成される(N−連結グリコシル化部位)。変更は、出発配列に対して、1個以上のセリンまたはトレオニンへ残基を付加する、または置換することによって、行うこともできる(O−連結グリコシル化部位)。簡潔には、抗体アミノ酸配列は、好ましくはDNAレベルの変化を介して、特に、コドンが生成されて、所望のアミノ酸に変わるように予め選択された塩基において、標的ポリペプチドをコードするDNAを突然変異させることによって変更される。
抗体における炭水化物部分の数を増加する別の方法は、グリコシドの、タンパク質への化学または酵素カップリングによるものである。これらの手順は、N−及びO−連結グリコシル化のグリコシル化能力を有する宿主細胞においてタンパク質を産生する必要がないという点において、有利である。使用されるカップリング様式に応じて、糖は、(a)アルギニン及びヒスチジン、(b)遊離カルボキシル基、(c)システインのもののような遊離スルフヒドリル基、(d)セリン、トレオニンもしくはヒドロキシプロリンのもののような遊離ヒドロキシル基、(e)フェニルアラニン、チロシンもしくはトリプトファンのもののような芳香族残基、または(f)グルタミンのアミド基に結合することができる。これらの方法は、WO87/05330及びAplin and Wriston,1981,CRC Crit.Rev.Biochem.,pp.259−306に記載されており、両方とも全体が参照として組み込まれる。
出発抗体に存在する炭水化物部分の除去(例えば、翻訳後に)は、化学的または酵素的に達成することができる。化学的脱グリコシル化は、タンパク質を化合物のトリフルオロメタンスルホン酸または同等の化合物に曝露することを必要とする。この処理は、ポリペプチドを無傷なままに残しながら、連結糖(N−アセチルグリコサミンまたはN−アセチルガラクトサミン)を除いて、大部分または全ての糖の切断をもたらす。化学的脱グリコシル化は、Hakimuddin et al.,1987,Arch.Biochem.Biophys.259:52及びEdge et al.,1981,Anal.Biochem.118:131により記載されており、両方とも全体が参照として組み込まれる。ポリペプチドの炭水化物部分の酵素切断は、全体が参照として組み込まれる、Thotakura et al.,1987,Meth.Enzymol.138:350に記載されているような様々なエンド−及びエキソ−グリコシダーゼの使用により達成することができる。潜在的なグリコシル化部位におけるグリコシル化は、全体が参照として組み込まれる、Duskin et al.,1982,J.Biol.Chem.257:3105に記載されている化合物ツニカマイシンの使用により防止されうる。ツニカマイシンは、タンパク質−N−グリコシド連結の形成を遮断する。
抗体の別の種類の共有結合修飾は、抗体を、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリオキシアルキレンのような様々なポリオールが含まれるが、これらに限定されない様々な非タンパク質性ポリマーに、例えば、全て全体が参照として組み込まれる、Nektar Therapeuticsの2005〜2006年PEGカタログ(Nektar websiteにおいて入手可能)、米国特許第4,640,835号、同第4,496,689号、同第4,301,144号、同第4,670,417号、同第4,791,192号または同第4,179,337号に記載されているように連結させることを含む。加えて、当該技術において知られているように、アミノ酸置換を、抗体内の様々な位置において行って、PEGのようなポリマーの付加を促進することができる。例えば、全体が参照として組み込まれる、米国特許出願第2005/0114037A1号を参照すること。
III.Toso活性を修飾する方法
1つの態様において、本発明はToso活性を修飾する方法を対象とする。1つの実施形態において、Toso活性を修飾する方法は、Toso活性を阻害することを含む。他の実施形態において、Toso活性を修飾する方法は、Toso活性を増加することを含む。
幾つかの実施形態において、本発明の方法は、Toso活性を直接修飾することを伴う。例示的な実施形態において、そのような方法は、抗体のような、Tosoに結合する作用物質を適用することを含む。
更なる実施形態において、Toso活性は、機序の組み合わせによって、例えば、Tosoに結合する作用物質を含む組成物を、Tosoの同族リガンドに結合する作用物質を含む組成物と、またはTosoに結合する第二作用物質と組み合わせて投与することによって、修飾される。例示的な実施形態において、そのような組み合わせは、限定されることなく、Toso抗体及び可溶性Tosoタンパク質、例えば、その全体が、全ての目的において、特に、可溶性Tosoタンパク質に関する任意の開示、特許請求の範囲、図または他の教示において参照として本明細書に組み込まれる、2013年3月14日出願のUSSN13/831,031に記載されている可溶性Tosoタンパク質を含むことができる。
理解されるように、Toso活性を修飾する方法は、本明細書に記載されている組成物のいずれかを、配列番号1〜62のいずれかの1つ以上、ならびに本明細書に記載されているその任意の変種または修飾も含む抗体が含まれる任意の組み合わせで使用することを含むことができる。
V.障害を治療する方法
1つの態様において、上記のいずれかにしたがって、本発明は、Toso活性を調節する組成物により、その必要性のある対象を治療することによる、障害を治療する方法を提供し、好ましい実施形態において、その組成物は、1個以上のToso抗体を含む。
特定の実施形態において、上記のいずれかにしたがって、本発明は、Toso抗体を含む組成物により、その必要性のある対象を治療することによる、障害を治療する方法を提供する。理論に束縛されることなく、Toso抗体がこれらの障害にとって有効な治療である1つの潜在的な機序は、Toso活性の調節を介するものである。特定の実施形態において、本発明による障害の治療方法は、配列番号1〜62のいずれかの1つ以上またはその任意の変種を含む抗体が含まれる、本明細書に記載されているToso抗体のいずれかの治療有効量を投与することを含む。更なる実施形態において、糖尿病、多発性硬化症、喘息及び癌を含む障害の治療に使用される可溶性Tosoタンパク質には、配列番号1〜28のいずれか1つに約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の同一性を有する重鎖または軽鎖配列を含む抗体が含まれる。そのような抗体は、本明細書に記載されているいずれかの障害を治療するため、化学修飾を含む、本明細書に記載されている方法により更に修飾されうる。
更なる態様において、本発明は、Toso抗体またはその変種を対象に投与することにより、障害及び疾患を治療する方法を対象とする。本発明の抗体は、限定されることなく、自己免疫性障害(限定されることなく、1型糖尿病、多発性硬化症もしくは関節リウマチを含む)、2型糖尿病、喘息、アレルギー、慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)、高IgM症候群、狼瘡、癌または好中球増加症関連障害(限定されることなく、好中球減少症、重症先天性好中球減少症、周期性好中球減少症、抗体媒介性好中球減少症、細網異形成症、白血球接着不全症、家族性骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、家族制寒冷じん麻疹及び白血球増多症、並びに慢性肉芽腫性疾患を含む)に罹患している対象を治療するために使用できる。 理解されるように、本明細書に記載されているToso抗体のいずれも、単一で、または組み合わせて、これらの障害または疾患のいずれかを治療するために使用できる。
上記に考察されたように、幾つかの実施形態において、本発明の可溶性Tosoタンパク質は、癌の治療に使用される。更なる実施形態において、本発明の癌を治療する方法は、Tosoを調節することによって腫瘍浸潤及び/または転移を阻害する方法を含む。例示的な実施形態において、本発明の組成物は、腺癌、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫または奇形癌の群の任意の1つを、その必要性のある対象において治療するために使用される。更なる実施形態において、本発明の組成物は、副腎、膀胱、骨、骨髄、脳、乳房、子宮頸部、胆嚢、神経節、胃腸管、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺、甲状腺または子宮の1つ以上における癌に罹患している対象を治療するために使用される。
実施例1:ヒトナイーブファージscFvライブラリーの構築
末梢血単核球(PBMC)は、献血及び市販の血液試料から得た。PBMCを、Ficoll−paque(商標)PLUS(GE Healthcare)の使用により分離した。次に全RNAを、Trizolの使用により分離PBMCから単離し、次にmRNAを、Dynabeads(登録商標)mRNA Purification Kit for mRNA Purification from Total RNA Preps(Ambion)の使用により全RNAから精製した。
mRNAからの第一鎖cDNA合成を、SuperScript III First−Strand Synthesis System for RT−PCR(Invitrogen)の使用により実施した。cDNAライブラリーをプールし、濃度を測定した。
可変カッパ、ラムダ及びガンマ鎖遺伝子を、テンプレートとして60〜90ngのcDNA、それぞれ25μlの提供された定常及び可変領域DNAプラマーセット1(F2000,Progen)、25μlの2×terraPCR緩衝液、1μlのterraポリメラーゼミックスを50μlの総量で使用して、別々に増幅した。PCR条件:95℃で30秒間(変性)、55℃で1分間(アニーリング)、75℃で1分間(伸展)を合計30サイクル。第1サイクルの開始時に、反応混合物を95℃で3分間インキュベートし、最終サイクルの終了時に、75℃で5分間インキュベートした。
制限部位を導入するため、PCRを、1μlの、可変遺伝子のPCR産物(カッパ、ラムダ及びガンマ鎖遺伝子をそれぞれテンプレートとして使用した)、それぞれ2.5μlの提供された定常及び可変領域DNAプラマーセット2(F2000,Progen)、25μlの2×terraPCR緩衝液、1μlのterraポリメラーゼミックスを含有する合計50μlにおいて実施した。PCR条件:95℃で30秒間(変性)、57℃で1分間(アニーリング)、75℃で1分間(伸展)を合計14サイクル。第1サイクルの開始時には、95℃で3分間のインキュベーション、最終サイクルの終了時には、75℃で5分間のインキュベーション。PCR産物を、ゲルDNA抽出キット(Clontech)の使用により精製した。精製されたカッパ、ラムダ及びガンマDNAをそれぞれプールした。
10μgのファージミドベクターpSEX81(Progen)を、25μlの緩衝液H、6μlのNotl(40u/μl)及び0.5μlのRNアーゼA(10μg)を224μlの総量で加えて消化し、37℃で8分間インキュベートし、次に20μlのMlul(10u/μl)を加え、37℃で6分間インキュベートして、軽鎖DNAをファージミドベクターpSEX81にクローンした。その後に、アルカリホスファターゼ(CIP)を加え、インキュベーションを37℃で15分間続けた。次に、0.25μlの0.5M pH8.0 EDTAを加え、続いて65℃で20分間インキュベートした。混合物をゲルに通し、Mlul/Notl−pSEX81−フラグメントを含有するゲルバンドを切断し、ゲルDNA抽出キットを使用して抽出した。次に1.5μgのプールしたカッパ及びプールしたラムダ鎖PCR産物を、それぞれ7.5μlの緩衝液H、0.9μlのNotl(40u/μl)を加えて消化し、37℃で20分間インキュベートし、次に3μlのMlul(10u/μl)を加え、続いて37℃で40分間更にインキュベートした。1.5%のアガロースゲルを反応産物に用い、400bpのハンドを切断し、ゲルDNA抽出キットを使用して精製した。消費されたべくたー(pSEX81)及び挿入物(カッパまたはラムダ可変鎖遺伝子)を、1:1〜1:3のモル比を使用して連結した。反応混合物は、50ngのDNA、1UのT4リガーゼ、連結緩衝液及びHOを15μlの最終量で含んだ。16℃での一晩のインキュベーションの後に、1/10容量の3M酢酸ナトリウム、20μgのグリコーゲン、2.5×容量の無水エタノールの添加により、DNAを沈殿させた。−20℃での1.5時間のインキュベーションの後に、13,000rpmで30分間の遠心分離よって、沈殿物を沈降させた。ペレットを80%エタノールで少なくとも2回洗浄し、次にペレットを室温で乾燥した。乾燥したペレットを2〜5μlのH2Oに再懸濁した。
次に、10μgの軽鎖含有ベクター(カッパ−pSEX81及びラムダ−pSEX81)を、それぞれ、10μlのHindIII(10u/μl)、25μlの緩衝液H、0.5μlのRNアーゼA(10μg)の230μlの総量により消化し、37℃で20分間インキュベートし、次に10μlのNcol(10u/μl)を加え、次に37℃で90分間インキュベートすることによって、重鎖DNAを、軽鎖DNAを含有するpSEX81ベクターにクローンした。ベクターを消化する残りの手順は、上記に記載されたものと同じである。重鎖挿入物を消化するため、1μgのプールしたガンマ鎖PCR産物を、7.5ulの10×緩衝液H、2.7ulのHindIII(10u/μl)、4ulのNcol(10u/ul)の75μlの総量により消化し、続いて37℃で4時間インキュベートし、次に65℃で20分間インキュベートした。消化されたDNAを、ゲルDNA抽出キットの使用により精製した。DNAの連結及び沈殿を、上記に記載されたように完了した。
ライブラリー貯蔵物は、1.5μlの1つの連結反応を、40μlのエレクトロコンピテント(electrocompetent)E.coli XL−blue(Stratagene)の電気穿孔に使用して、作り出した。連結DNAライブラリーのそれぞれの形質転換物をSOB−GA寒天プレートで平板培養し、30℃で一晩インキュベートした。6mlの2×YT−GA培地を各プレートに加え、細菌を培地に削り落とした。細胞をプールして、グリセロール貯蔵物にした。
実施例2:ライブラリーのバイオバニング
インキュベートした培養物を、A600が0.1に達するまで、250rpmで振とうしながら37℃で増殖させた。M13K07ヘルパーファージを加え、次に培養物を、振とうすることなく37℃で15分間、次に250rpmで振とうしながら37℃で1時間インキュベートした。細胞を、1500gで10分間かけてペレット化し、次に400mlの2×YT−AK培地に再懸濁した。懸濁物を、250rpmで振とうしながら30℃で一晩増殖させた。培養物を回転させ、次にファージを、PEG溶液の使用により沈殿させた。ファージを滴定した。グリセロール貯蔵物を作製することができた、またはライブラリーをパニングに直接使用することができた。
ヌンク96ウエルの2つのウエルを、200μl/ウエルで100μg/mlのPBS中精製Toso−Fcで被覆し、2つのウエルを、200μlの100μg/ml rhlgG Fc(Sino Biological Inc.)で被覆し、200μlの5%ミルクPBS(MPBS)を別の2つのウエル(抗原なし)に加え、プレートを4℃で一晩インキュベートした。
0.6mLの1012pfu/mlファージをナイーブライブラリーから取り出して、1.5mlの管に入れ、タンパク質Gビーズを管に加え、次に管をロータリーにより4℃で一晩インキュベートした。
Toso−Fc被覆ウエルを翌朝空にして、PBSTで3回洗浄し、250ulの5%MPBSで遮断し、続いて室温で2時間インキュベートした。
rhlgG Fc(Sino Biological Inc.)被覆ウエルを空にした。ファージタンパク質Gビーズ溶液を遠心分離し、100μlの上澄みを、2つのrhlgG Fc被覆ウエルのそれぞれに移した。100ug/mlのrhlgG Fc(Sino Biological Inc.)を100μl/ウエルで加え、室温で1時間インキュベートした。
非タンパク質被覆ウエルを空にして、ファージ溶液を非タンパク質被覆ウエルに別々に移し、室温で1時間インキュベートした。
遮断緩衝液をToso−Fc−被覆ウエルから取り除き、次にPBSTで数回洗浄した。200μlのファージ溶液をToso−Fc−被覆ウエルに移し、室温で1.5時間インキュベートした。
Toso−Fc−被覆ウエルを空にして、PBSTで数回洗浄した。ファージを、200μlの100mMトリエチルアミンを2つのウエルのそれぞれに加えることによって溶出させ、続いて10分間インキュベートした。
溶出ファージを、800ulの1M Tris−HCl(pH7.5)を含有する2×1.5mlの管に移して、pHを中和した。
2×10ulの溶出ファージを滴定に使用した。残りの溶出ファージを使用して、10mlの新鮮なTG1細胞を感染させた(OD600=0.4)。200ulのこの試料を、100ul/mlのアンピシリン及び1%のグルコースを含有する2×YT寒天プレートに塗布し、32℃で一晩増殖させた。残りの感染細胞を、250rpmで振とうしながら、37℃で1時間インキュベートし、続いて容量を、100ug/mlのアンピシリンを含有する2×YT培地により110mlに増加し、続いて250rpmで振とうしながら、37℃でインキュベートした。
M13KO7ヘルパーファージ(100μlの1012pfu)を感染培養物に加え、同じく37℃で増殖させた。カナマイシンを培養物に、最終濃度の50μg/mlで加えた。この培養物を、次回のパニングのために、250rpmで振とうしながら、37℃で一晩インキュベートした。
本技術の様々な態様が、ある程度の特定性をもって、または1つ以上の独立した態様を参照しながら、上記に記載されてきたが、当業者は、本技術の精神または範囲から逸脱することなく開示されている態様に多数の変更を行うことができる。多くの態様を、本開示の技術の精神または範囲から逸脱することなく行うことができるので、適切な範囲は、本明細書以降に添付されている特許請求の範囲にある。したがって他の態様も考慮される。更に、任意の操作を、特に明確に主張されない限り、または特定の順番が請求項の語句により本質的に必要とならない限り、任意の順番で実施できることが理解されるべきである。上記の記載に含有され、添付の図面に示されている全ての事項は、特定の態様の例示のためのみであり、示されている実施形態を制限するものではないと解釈されることが意図される。文脈から明白ではない、または明確に記述されていない限り、本明細書に提供されている任意の濃度値は、一般に、混合物の特定の成分の添加によって、または添加後に生じる任意の変換を無視している混合物の値または百分率として提示されている。既に明白に本明細書に組み込まれていない程度に、本開示において参照されている全ての公開参考文献及び特許文献は、全ての目的においてそれらの全体が参照として本明細書に組み込まれる。詳細または構造における変更は、以下の特許請求の範囲に定義されている本技術の基本的要素から逸脱することなく行うことができる。

Claims (10)

  1. 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57のいずれか1つを含む重鎖可変領域を含む、抗体。
  2. 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57のいずれか1つに少なくとも約95%の配列同一性がある配列を有する重鎖可変領域を含み、Tosoに結合する、抗体。
  3. 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58のいずれか1つを含む軽鎖可変領域を含む、抗体。
  4. 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58のいずれか1つに少なくとも約95%の配列同一性がある配列を有する軽鎖可変領域を含み、Tosoに結合する、抗体。
  5. 表1に列挙されたCDR1配列のいずれかを含む第1の重鎖CDR、表1に列挙されたCDR2配列のいずれかを含む第2の重鎖CDR、表1に列挙されたCDR3配列のいずれかを含む第3の重鎖CDR、表2に列挙されたCDR1配列のいずれかを含む第1の軽鎖CDR、表2に列挙されたCDR2配列のいずれかを含む第2の軽鎖CDR及び表2に列挙されたCDR3配列のいずれかを含む第3の軽鎖CDRを含み、Tosoに結合する、抗体。
  6. 前記抗体がヒト化抗体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の抗体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の抗体をコードする、核酸。
  8. 請求項1〜5に記載の抗体をコードする、発現ベクター。
  9. 請求項1〜5に記載の抗体を作製する方法であって、前記抗体をコードする核酸を含む細胞を提供することを含み、前記細胞が、前記抗体の発現に適した条件下で培養される、前記方法。
  10. Toso関連疾患を治療する方法であって、請求項1〜5に記載の抗体で、その必要性のある対象を治療することを含む、前記方法。
JP2016522148A 2013-07-03 2014-07-02 Tosoに対する抗体 Pending JP2016523264A (ja)

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