JP2016521754A - クロストリジウム・ディフィシル(c.difficile)に対して免疫する組成物及び方法 - Google Patents

クロストリジウム・ディフィシル(c.difficile)に対して免疫する組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

本願は、成人ヒト対象において、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及びトキシンBに対する免疫応答を惹起する方法に関する。対象は、原発性・症候性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症にかかる危険性がある。いくつかの実施形態において、方法は、原発性・症候性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症にかかる危険性のある成人ヒト対象において、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及びトキシンBに対する免疫応答を惹起するためのものであり、対象にクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及びトキソイドBを含む組成物を、少なくとも3回、各投与を約7日あけて投与することを含む。

Description

関連出願の相互参照
本願は、本開示に全体として組み込まれる2013年6月14日に出願の米国特許出願第61/835,246号明細書に対する優先権を主張する。
本願は、成人ヒト対象(例えば、原発性・症候性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症にかかる危険性のある成人のヒト)において、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及びトキシンBに対する免疫応答を惹起する方法に関する。
クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)は、グラム陽性芽胞形成性嫌気性菌である。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の病理学的作用は、分泌されるトキシンA及びBにより媒介され、結腸粘膜の創傷及び炎症を起こす。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症(CDI)は、患者によっては無症候性であるが、CDIは急性の下痢及び大腸炎を起こすことがあり、重症の場合では、偽膜性大腸炎及び中毒性巨大結腸症を起こし得る。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)は、正常な腸内細菌叢を変化させる薬物を服用している入院患者における医原性の下痢及び大腸炎の臨床的に重要な原因であり、CDIは地域社会において報告数が増加している。症候性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の危険因子には、抗生剤治療、高齢、基礎疾患、及び入院又は長期介護施設における滞在がある。
前期臨床試験が実施され、数バージョンのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドワクチンの安全性及び免疫原性が評価された。健常な成人(18〜55歳)及び高齢(65歳以上)の志願者で、以前に評価されたトキソイドA及びBを含むクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンは安全であることが証明され、トキシンAとトキシンBの両方に対する免疫応答を惹起した(非特許文献1;非特許文献2)。そのような試験での最大投与量は50μgであり、トキシンAとトキシンBの比は3:1であった。候補ワクチンは、0日、28日、及び56日に投与された。健常な成人と高齢の志願者群のどちらでも、反復投与後に、トキシンAに対する血清変換(serotoconversion)はトキシンBよりも高く、より若い群に比べて高齢の対象では抗体応答の速い低下が観察された。高齢者は免疫低下状態(immunocomprised)であることが多いので、当業者はこれを重大な問題として認識する。症候性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症にかかる危険性のある成人に使用するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)ワクチンの必要性は、特に高齢者において続いている。
Greenberg,et al.Vaccine 30:2245−2249(2012) Foglia,et al.Vaccine,30:4307−4309(2012)
本開示は、成人ヒト対象(例えば、原発性・症候性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症にかかる危険性のある成人)において、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及びトキシンBに対する免疫応答を惹起する方法に関する。いくつかの実施形態において、方法は、対象に、有効なトキソイドA:B比(例えば、重量によるトキソイドAとトキソイドB、3:1、3:2、又は1:1のいずれかの概略値)及び充分な純度(例えば、約90〜100%(w/w)など少なくとも約50から約100%)の有効量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及びトキソイドB(例えば、約40から約500μg/投与量(w/w、組成物中のトキソイドAとBの総量))を含む組成物(例えば、ワクチン)を投与する工程、任意の好適な経路(例えば、筋肉内)により、本明細書に記載される通り当業者により決定され得る通りに反復投与(multiple dose administration)レジメンの各投与が互いから好適に分離されるように(例えば、約7日など約1日から10日からあけて)1回以上の投与(例えば、3回)を利用する工程を含み得る。一実施形態において、方法は、第二の投与が第一の投与の約7日後であり、第三の投与が第一及び/又は第二の投与の少なくとも約30日及び/又は少なくとも約180日後である第一、第二、及び第三の投与を含み得る。反復投与(multi−dose)レジメンの好ましい実施形態において、第二の投与は、第一の投与の約7日後に投与してよく、且つ/又は、第三の投与は第一の投与の約30日後(又は第二の投与の約20〜25日後)に投与される。いくつかの実施形態において、方法は、1種以上のアジュバント(例えば、アルミニウムアジュバント)を含み得る。特定の実施形態において、方法は、組成物を、感染症にかかる危険性があるヒトの対象に投与する工程を含み得る。いくつかの実施形態において、ヒト対象は、少なくとも40歳、50歳、65歳、又はそれ以上のいずれかの概略値でよい。いくつかの実施形態において、ヒト対象は、年齢が約40歳から約65歳でよい。いくつかの実施形態において、ヒト対象は、年齢が約65〜75歳又はそれ以上でよい。そのような特定の実施形態において、そのヒト対象は、第一の投与の前12か月の期間に、それぞれ少なくとも24時間、48時間、若しくは72時間以上のいずれかの概略値継続する少なくとも1回若しくは2回の入院をしたかもしれず、全身性(局所でない)抗生剤を服用したかもしれず;且つ/又は、第一の投与の60日以内に計画された外科手術のために入院するように手配されている。いくつかの実施形態において、手配された/切迫した入院(hospital stay)/入院(hospitalization)は72時間以上にわたると計画されることがあり、腎臓/膀胱/尿系、筋骨格系、呼吸器系、循環器系、及び/又は中枢神経系の少なくとも1つを含む手術のためであり得る。これらの方法により惹起された免疫応答が、症候性のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症を、予防し、且つ/又は治療し、且つ/又は軽減し、且つ/又はその危険性を低減させるのに充分であることが好ましい。当業者は、本明細書に提供される記載から他の実施形態を導くことができる。
本願は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)による症候性の感染症を治療し、軽減し、その危険性を低減させ、且つ/又は予防するために使用できる組成物及び方法に関する。上述の通り、当業者は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)により起こる感染症に対して効能のあるワクチンを設計する困難に遭遇した。効能のあるワクチンは、例えば、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)による症候性の感染症を、治療し、軽減し、その危険性を低減させ、且つ/又は予防するものであり得る。これらの問題は、驚くべきことに、本明細書に記載される組成物及び方法により解決された。これらの驚くほど有効な解決法の種々の実施形態は本明細書に記載される。典型的な組成物が提供される。例えば、有効量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及びトキソイドB(例えば、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、又は500μg/投与量のいずれかの概略値などの約40から約500μg/投与量、約50から約100μg/投与量など(w/w、組成物中のトキソイドA及びBの総量))を、有効なトキソイドA:B比で(例えば、重量によるトキソイドAとトキソイドB、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、3:1、3:2、又は1:1のいずれかの概略値)、充分な純度で(例えば、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は90〜100%(w/w)のいずれかの概略値など少なくとも約50から約100%)含む組成物が、反復投与レジメンの各投与が互いから好適に分離されるように(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10のいずれかの概略値など少なくとも約1日から約10日、約7日など)、任意の好適な経路による(例えば、筋肉内)一回以上の投与を利用して(例えば、3回の投与又は投与量)提供される。投与の間の時間の長さ(時間間隔)は、個体によりさまざまであると当業者により理解されるだろうが、その間隔は、先の投与両方からの免疫応答が生じる時間があるように(例えば、初回刺激があるように)、且つその後の投与(例えば、追加刺激投与)により決して阻害されないように、充分に長くなくてはならない(例えば、日で測定して)。例えば、ある特定の個体は、投与の間に少なくとも約7日(例えば、5〜8日)要することがある一方で、別の個体は少なくとも約4日(例えば、3〜5日)しか要さないことがある。いくつかの実施形態において、そのため、投薬間隔は、例えば、約10〜20%変動し得る。当業者ならば、投与間の時間が本明細書に記載される通り調整される必要があり得ることを理解するだろう。いくつかの実施形態において、第二の投与は、第一の投与(例えば、0日)の少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、又は10日後であり、第三の投与は、第一の投与の少なくとも約20〜200(例えば、約30又は約180日など、約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、又は200)日後である。例えば、方法は、第二の投与が第一の投与の少なくとも7日後であり、第三の投与が第一又は第二の投与の少なくとも約30日及び/又は少なくとも約180日後である、第一、第二、及び/又は第三の投与を含み得る。いくつかの実施形態において、第二の投与は第一の投与の約7日後であり、第三の投与は第一の投与の約30日後である。そのような方法を利用してそのような組成物を宿主/対象に投与すると、免疫応答が典型的には観察され、それは典型的には体液性免疫応答を含み、細胞性免疫応答を含み得る。特定の実施形態において、方法は、免疫原性組成物を、感染症にかかる危険性のあるヒト対象に投与する工程を含み得る。いくつかの実施形態において、ヒト対象は、少なくとも40歳、50歳、65歳、又はそれ以上のいずれかの概略値でよい。いくつかの実施形態において、ヒト対象は、年齢が約40歳から約65歳でよい。いくつかの実施形態において、ヒト対象は、年齢が65〜75歳でよい。このように、組成物を投与する方法も提供される。組成物を製造する方法は本明細書に記載され、当業者に利用可能である。他の実施形態は本明細書に提供される記載から明らかであろう。
本開示は、対象(例えばヒト)にクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の1種以上の抗原を含む組成物を投与する工程により、対象をクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に対して免疫する方法も記載する。例えば、好適な組成物は、合計で約50又は約100μg(又は約50〜100μg)のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイド(トキソイドA及びトキソイドB)を、約3:2のおよそのトキソイドAとトキソイドBの比で、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)と共に又はなしで含み得る。比較のために、抗原含有組成物を一群の対象に、プラセボ組成物(例えば、0.9%生理食塩水)を別の群に投与できる(例えば、同じスケジュールで)。免疫学的データ及び安全性データは、特定の日(例えば、最初の投与後0日、14日、30日、60日、180日、及び/又は210日、及び/又は1000日まで)に対象から得ることができる。組成物の投与は、例えば、0日(第一の投与)、約7日(第二の投与)、約30日(第三の投与)、及び/又は約180日(代替の第三の投与又は第四の投与)に起こり得る。
上述の通り、組成物は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及びトキソイドBを、有効なトキソイドA:B比(例えば、重量によるトキソイドAとトキソイドB、3:1、3:2、又は1:1のいずれかの概略値)で、充分な純度で(例えば、約90%以上の純度(w/w))含み得る。例えば、組成物は、約3:2のおよそのトキソイドAとトキソイドBの比のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及びBの高純度(例えば、90%超(w/w))の調合物を含み得る。そのような組成物は、利用可能な調製方法のいずれを利用しても調製できる(例えば、それぞれ全体として本開示に組み込まれる2013年3月15日に出願の米国仮特許出願第61/790,423号明細書、2014年3月14日に出願の同時係属中のPCT/US2014/029035号明細書、2013年3月15日に出願の第61/793,376号明細書、及び/又は2014年3月14日に出願の同時係属中のPCT/US2014/029070号明細書)に記載の通り)。本開示の実施例に記載される通り、トキシンA及びBは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の培養物から精製され、不活化され、目標とする3:2の比で混合され、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及びBに対する免疫応答を誘起及び/又は増大させるのに効能があることが示された。しかし、上述の通り、トキソイドAとBは、任意の有効量及び/又は有効比(例えば、効能のあるワクチンが提供されることを示すのに有効な)で組み合わせることができる。
用語「クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイド」は、部分的又は完全に不活化されたクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシン(トキシンA又はトキシンB)を指すように本明細書で使用される。トキシンは、例えば、インビトロ細胞傷害性アッセイ又は動物毒性により測定して、未処理のトキシンよりも低い毒性(例えば、100%、99%、98%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%以下の毒性、又はこれらの間の任意の値)を有する場合不活化されている。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)培養物からのトキシンの精製及び化学薬品(例えば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、過酸化物、又は酸素処理)によるトキシンの不活化により製造できる。或いは、毒性を欠くか又は毒性が低下した野生型又は変異体のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンを遺伝子組換え法を利用して製造できる。遺伝子的方法によりトキソイドを製造する方法は当技術分野に周知である。例えば、毒性低下を生み出す突然変異を作ることができる。特異的領域を欠いていて毒性が低下している野生型又は変異体のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンを作ることもできる。
組成物は、ワクチンであり得るが、臨床現場で希釈剤により再構成され、明示される場合アジュバント(例えば、リン酸アルミニウム又は水酸化アルミニウム)などのアルミニウムアジュバントか注射用水(WFI)のいずれかと混合され得る凍結乾燥製剤として提供され得る。希釈剤は、例えば、任意の薬学的に許容できる希釈剤でよい(例えば、20mMクエン酸ナトリウム、5%スクロース、及び0.016%ホルムアルデヒド;10mMクエン酸塩、4%スクロース、0.008%ホルムアルデヒド、0.57%塩化ナトリウム)。アジュバントは、例えば、好適な濃度の(例えば、800〜1600μg/mLのいずれかの概略値)アルミニウム(例えば、水酸化アルミニウム又はリン酸アルミニウム)を含むアジュバントなどのアジュバントをWFI中に含み得る。例えば、アジュバント(例えば、0.57%塩化ナトリウム中の800〜1600μg/mL水酸化アルミニウム)は、凍結乾燥製剤を再構成する希釈剤として使用できる。WFIを使用して、アジュバント不使用の製剤用の凍結乾燥ワクチンを希釈できる。最終投薬溶液は、例えば、組成物/ワクチン、希釈剤、及びアジュバントを含み得る。上述の通り、プラセボも液体製剤(例えば、0.9%生理食塩水)として与えることができる。被験薬(ワクチン又はプラセボ)の各送達される投与の体積は、約0.5mLであり得る。製剤は、任意の好適な経路(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮内、節内、鼻腔内、経口)により投与できる。
本明細書に記載される物質(例えば、組成物)及び/又は方法のいずれの有用性(例えば、免疫原性)も、当業者に公知である種々の方法のいずれかによりアッセイできる。本明細書に記載される1つ以上のアッセイ又は他の1つ以上の好適なアッセイを利用して、意図される目的のための本明細書に記載される物質(materials)のいずれの好適性も決定できる。これらの方法が典型的で非限定的であることを理解されたい。他のアッセイも好適になり得る。
例えば、本明細書に記載される組成物は、典型的には、対象への投与と同時にクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に対する抗体の産生を誘起及び/又は増大させる。そのような抗体は、当業者に利用可能な方法のいずれを利用しても対象中に検出できる。例えば、実施例の項に記載の通り、血清を対象から得て、ELISAにより試験して、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及び/又はトキシンBに対する免疫グロブリンタイプG(IgG)抗体を検出できる(例えば、「一次免疫原性データ」)。試験血清中に存在する抗体は、マイクロタイタープレートの個々のウェルに吸着されたトキシンA又はB抗原と反応し得る。抗原にコートされたウェルに結合した抗体の量は、二次抗IgG(例えば、抗ヒトIgG)抗体−酵素コンジュゲートの結合後に、比色定量基質反応を利用して決定できる。次いで、酵素の基質が典型的には加えられ、抗原に結合した抗体に正比例する比色定量変化を起こす。血清中の抗体の濃度は標準曲線からの外挿により得ることができるが、標準曲線は、定義されたIgG単位数(ELISA単位(EU)/mL))を有する参照標準血清の複数の希釈液から作成した。
トキシン中和アッセイ(TNA)を利用して、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンに対する中和抗体を定量することもできる。このアッセイにおいて、連続希釈された血清は、固定量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA又はBとインキュベートすることができる。次いで、試験細胞(例えば、ベロ細胞)を加えることができ、血清−トキシン−細胞混合物が、適切な条件下(例えば、37℃で6日間)インキュベートされる。血清がクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンの細胞傷害性作用を中和する能力は、細胞の生存率により決定され、細胞の生存率に相関し得る。アッセイは、正常な細胞の呼吸のしるしとして密閉された培養ウェル中の酸性代謝物の蓄積を利用する。トキシンに曝露された細胞では、代謝及びCO産生が低減する。したがって、細胞培地中でフェノールレッドpH指示薬により示される通りpHは上昇する(例えば、7.4以上に)。このpHで、培地は赤く見える。しかし、細胞対照、又は抗体により中和されたトキシンに曝露された細胞は代謝し、正常な量のCOを産生する。結果として、pHは維持され(例えば、7.0以下に)、このpHでは、培地は黄色く見える。したがって、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシン中和抗体は、特定のpH(例えば、7.0以下)を維持する能力により明示される通り、細胞に対するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンの代謝作用を血清が中和する能力と相関する。培地の色変化を、プレートリーダーを使用して(例えば、562nmから630nmで)測定して、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシン媒介性の細胞傷害性の50%阻害での抗トキシン中和抗体価をさらに計算できる。
特定の実施形態において、本明細書に記載される組成物が、対象への適切な投与の後に、免疫原性(例えば、検出可能な免疫応答及び/又は中和免疫応答及び/又は防御免疫応答を誘起する)を示すことが好ましい。中和免疫応答及び/又は防御免疫応答の存在は、上述の通り、及び/又は、病原体(例えば、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile))による感染が、本明細書に記載される物質が投与された個体(例えば、ヒト又は他の動物)において、物質が投与されなかった個体に比べて影響を受ける(例えば、減少する)ことを示すことにより示すことができる。例えば、1つ以上の被験対象(例えば、ヒト又は非ヒト)に、本明細書に記載される組成物を、任意の好適な経路及びスケジュールにより投与することができ、次いで、好適な量の時間(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10週)後、病原性生物に曝露させることができる。投与及び/又は曝露の後で、動物を免疫機能(例えば、抗体産生、T細胞活性)に関してモニターできる。血清を、総抗体応答に関しても、例えば抗体ELISA及び/又は病原体中和アッセイを利用して特定のサブタイプの発現に関しても分析できる。T細胞活性は、例えば、抗原による再刺激の後のIFN−γ産生を測定することにより測定できる。次いで、統計解析(例えば、フィッシャーの正確検定、ウィルコクソン検定、マン・ホイットニ検定)をデータに対して実施し、免疫応答に影響を与えることにおける物質の有効性を決定できる。
本明細書に記載されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及び/又はBを、1種以上の薬学的に許容できる担体と組み合わせて、宿主への投与の前に組成物を提供してもよい。薬学的に許容できる担体は、生物学的にも他の面でも望ましくないものでない物質であり、例えば、その物質は、望ましくない生物学的作用を全く起こさずに、それが含まれる医薬組成物の他の成分のいずれとも有害に相互作用もせずに、対象に投与することができる。担体は、当業者には周知であろう通り、有効成分の劣化を最低限にし、対象における有害な副作用を最低限にするように、当然選択されるだろう。好適な医薬担体及びその製剤は、例えば、Remington’s:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,David B.Troy,ed.,Lippicott Williams & Wilkins(2005)に記載されており、適切であり得る。典型的には、適切な量の薬学的に許容できる塩が製剤に使用されて、製剤を等張性にする。薬学的に許容できる担体の例には、滅菌水、食塩水、リンゲル液などの緩衝液、及びデキストロース液があるが、これらに限定されない。溶液のpHは、一般的に、約5から約8又は約7から約7.5である。他の担体には、ポリペプチド又はその断片を含む固体疎水性ポリマーの半透性のマトリックスなどの徐放性調合物がある。マトリックスは、付形された物品、例えば、フィルム、リポソーム、又は微粒子の形態でよい。特定の担体が、例えば、投与経路及び投与される組成物の濃度によってより好ましくなり得ることは、当業者には明らかであろう。担体は、ヒト又は他の対象への投与に好適なものである。
医薬組成物は、増粘剤、希釈剤、緩衝液、保存剤、界面活性剤、アジュバント、免疫刺激剤も含み得る。医薬組成物は、抗微生物剤、消炎剤、及び麻酔薬などの1種以上の有効成分も含み得る。アジュバント(例えば、本明細書に記載されるもの、又は他の方法で利用可能なもの)も、免疫応答を刺激又は増大させるために含まれてよい。
上述の通り、組成物は、1種以上のアジュバントも含んでよい。アジュバントは、免疫応答を刺激又は増大させるために含まれてよい。好適な種類のアジュバントの非限定的な例には、とりわけ、ゲルタイプのもの(すなわち水酸化アルミニウム/リン酸アルミニウム(「アラムアジュバント」)、リン酸カルシウム、微生物由来(ムラミルジペプチド(MDP))、細菌外毒素(コレラ毒素(CT)、天然コレラ毒素サブユニットB(CTB)、エシェリキア・コリ(E.Coli)不安定毒素(LT)、百日咳毒素(PT)、CpGオリゴヌクレオチド、BCG配列、破傷風トキソイド、例えば、エシェリキア・コリ(E.Coli)、サルモネラ・ミネソタ(Salmonella minnesota)、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、又はシゲラ・エキセリ(Shigella exseri)のモノホスホリルリピドA(MPLA))、粒状アジュバント(生分解性、ポリマー微小球)、免疫賦活性複合体(ISCOM))、油エマルション及び界面活性剤系アジュバント(フロイント不完全アジュバント(FIA)、微小流体化されたエマルション(microfluidized emulsions)(MF59、SAF)、サポニン(QS−21))、合成(ムラミルペプチド誘導体(ムラブチド、トレオニル−MDP)、非イオン性ブロックコポリマー(L121)、ポリホスファゼン(PCCP)、合成ポリヌクレオチド(ポリA:U、ポリI:C)、サリドマイド誘導体(CC−4407/ACTIMID))、RH3−リガンド、又はポリラクチドグリコリド(PLGA)微小球がある。これらの毒素のいずれの断片、ホモログ、誘導体、及び融合体も、それらがアジュバント活性を保持しているならば好適である。アジュバントの好適な変異体又は多様体は、例えば、国際公開第95/17211号(Arg−7−Lys CT変異体)、国際公開第96/6627号(Arg−192−Gly LT変異体)、及び国際公開第95/34323号(Arg−9−Lys及びGlu−129−Gly PT変異体)に記載されている。利用され得る追加のLT変異体には、例えば、Ser−63−Lys、Ala−69−Gly、Glu−110−Asp、及びGlu−112−Asp変異体がある。アラムアジュバントなどの金属塩アジュバントは、安全な賦形剤にアジュバント活性を与えるものとして当技術分野に周知である。これらのアジュバントの作用機序は、抗原が投与後3週までの間注射部位に留まることができるような抗原補給所の形成及び抗原提示細胞により容易に取り上げられる抗原/金属塩複合体の形成を含むものと考えられている。アルミニウムに加え、亜鉛、カルシウム、セリウム、クロム、鉄、及びベリリウム(berilium)の塩など、他の金属塩も抗原を吸着するのに使用されてきた。アルミニウムの水酸化物及びリン酸塩が最も一般的である。アルミニウム塩、抗原、及び追加の免疫刺激剤を含む製剤又は組成物は当技術分野に公知である。免疫刺激剤の例は、3−デ−O−アシル化モノホスホリルリピドA(3D−MPL)である。いくつかの実施形態において、1種以上のアジュバントは、アルミニウム塩、エマルション、リポソーム、ポリマー、及び/又はこれらの組合せの任意の1つ以上でよい。例えば、好適なアジュバントは、アニオン性ポリマー、リポソーム及びToll様受容体7/8アゴニストを含むアジュバント、エチルDOPCリポソーム、DC−chol、Toll様受容体7/8アゴニスト又はToll様受容体4アゴニストを含むスクアレンエマルション、Toll様受容体4アゴニストを含むアルミニウム塩の任意の1つ以上を含み得る。これらの組成物のいくつかは、免疫原性組成物及び/又はワクチン(例えば、治療的又は予防的な免疫原性組成物)に含められてよい。他のアジュバントも、当業者により理解されるだろう通り好適になり得る。そのようなアジュバントのいずれも、製造プロセスの前、その間、又はその後に組成物に導入できる。
上記で言及された通り、免疫学的組成物は、典型的には、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原を含み、宿主(例えば、動物)への投与と同時に、抗原(及び、例えば、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile))に対する免疫応答を誘起又は増大させるものである。そのような応答は、上述の通り、抗体の生成(例えば、B細胞の刺激により)又はT細胞系の応答(例えば、細胞溶解反応)を含み得るが、それらは防御性及び/又は中和性であり得る。防御免疫応答又は中和免疫応答は、その抗原に対応する(例えば、その抗原が由来する)感染性生物には有害であり、宿主には有益である(例えば、感染を低減又は予防することにより)ものであり得る。本明細書では、防御抗体若しくは中和抗体及び/又は細胞応答は特に、有効量及び/又は有効なスケジュールで投与されたときに、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原と反応性であり得る。これらの抗体及び/又は細胞応答は、動物で試験される場合、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の重症度、時間、及び/又は致死率を低減又は阻害し得る。実施例に示される通り、本明細書に記載される組成物を使用して、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に対する免疫応答を誘起できる。宿主に投与したときに、治療免疫応答(例えば、典型的には、活動性感染の間に投与される)及び/又は防御免疫応答(例えば、典型的には、活動性感染の前又は後に投与される)及び/又は中和免疫応答をもたらす免疫学的組成物は、ワクチンとみなすことができる。
いくつかの実施形態において、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)による感染症を予防し、軽減し、その危険性を低下させ、且つ/又は治療する(例えば、影響を与える)方法も提供される。対象に、少なくとも1つ以上の有効投与量の本明細書に記載される組成物(例えば、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原、例えば、トキソイドA、トキソイドBを含む)を投与する工程を含む、対象においてクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)により起こるか、又はクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)を含む1つ以上の病状を治療する方法。抗原は、約1から約300μg(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、及び/又は300μgのいずれかの概略値)の用量で投与できる。抗原は、同じ用量ででも、異なる用量ででも、2回以上投与できる。特定の実施形態において、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原は、対象に、同じ又は異なる好適な経路により、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、又はそれ以上の回数投与できる。反復投与が投与される場合、投与は、各投与に、およそ同じ若しくは異なる種類及び/又は量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原を含み得る。投与は、同じ又は異なる間隔により、互いから時間が離れていてもよい。例えば、投与は、6、12、24、36、48、60、72、84、若しくは96時間、7日、14日、21日、30日、40日、50日、60日、70日、80日、90日、100日、110日、120日、130日、140日、150日、160日、170日、180日、190日、200日、1週、2週、3週、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、1.5年、2年、3年、4年、5年のいずれかの概略値、又は任意の期間で、これらの期間のいずれかの前、後、及び/又はその間で分かれていてよい。いくつかの実施形態において、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原は、単独でも、他の薬剤(例えば、抗生剤)と組み合わせても投与できる。そのような他の薬剤は、同じ又は異なるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原と同時にも(又はほぼ同時に)、異なる時間及び/又は頻度でも投与できる。そのような方法の他の実施形態も、当業者により容易に決定できる通り、適切になり得る。
クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原を投与するためのキットも本明細書に提供される。一実施形態において、1種以上のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原は、対象への投与のためのキットの一部を形成し得るか、且つ/又はキットとして提供され得る。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原を投与するための説明書もキットにより提供され得る。本明細書に記載されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原を含む組成物はキット(例えば、ワクチンキット)に含まれ得る。例えば、キットは、乾燥された形態で本明細書に記載される組成物を収容する第一の容器及び組成物を再構成するための水溶液を収容する第二の容器を含み得る。キットは、任意選択で、再構成された液体形態の組成物の投与のための装置(例えば、皮下注射器、マイクロニードルアレイ)及び/又は使用のための説明書を含み得る。投与用の装置は、組成物の再構成のための水溶液があらかじめ充填された状態で供給できる。
したがって、本開示は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に対する治療免疫応答又は防御免疫応答を与える組成物であって、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及びトキソイドBを含む組成物を提供する。本開示は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)(例えば、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原)に対する免疫応答を誘起及び/又は増大させるように、そのような組成物を投与する方法も提供する。特定の実施形態において、組成物は、1種以上のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原、1種以上の薬学的に許容できる担体、及び/又は1種以上のアジュバント(例えば、アルミニウム塩、エマルション、カチオン性リポソーム、アニオン性ポリマー、Toll様受容体アゴニスト、及びこれらの組合せ)をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、組成物は、免疫原性組成物及び/又はワクチンである。対象(ヒトなど)に任意のそのような組成物を投与する工程による、対象を免疫する方法も提供される。いくつかの実施形態において、方法は、対象に、有効量(例えば、少なくとも約40から約500、約50から約100μg)のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及びトキソイドB(合わせたw/w)を、有効なトキソイドA:B比で(例えば、重量で(w/w)3:1、3:2、1:1)、充分な純度で(例えば、少なくとも90%(w/w))含む免疫原性組成物(例えば、ワクチン)を投与する工程、1回以上の投与を利用する工程(例えば、少なくとも3回、各投与は互いから好適に分かれている(例えば、少なくとも約7日))を含み得る。有効なトキソイドA:B比は、組成物に含まれることができ、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及び/又はトキシンBに対する有効な免疫応答を誘起し得る任意の比である。一実施形態において、方法は、第二の投与が第一の投与の少なくとも7日後であり、第三の投与が、第一及び/又は第二の投与の少なくとも約30日及び/又は少なくとも約180日後である、第一、第二、及び第三の投与を含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、第二の投与が第一の投与(0日)の約7日後であり、第三の投与が、第一の投与の約30日後である、第一、第二、及び第三の投与を含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、第二の投与が第一の投与の約7日後であり、第三の投与が第一の投与の約180日後である、第一、第二、及び第三の投与を含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、1種以上のアジュバント(例えば、アルミニウムアジュバント)を含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、以前にクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に曝露されたヒトにおける既存の免疫応答(例えば、血清陽性のヒト、既往の(anemnestic)免疫応答)を増大及び/又は誘起し得る。特定の実施形態において、ヒトは、第一の投与の前12か月の期間内に、それぞれ少なくとも約24、48、又は72時間以上継続する少なくとも1回又は2回の入院をしたかもしれず、且つ/又は、全身性(局所でない)抗生剤を服用したかもしれず;且つ/又は、第一の投与の約60日以内に計画された外科手術のための入院をするように手配されている。いくつかの実施形態において、手配された/切迫した入院/入院は、約24、48から72時間以上にわたると計画されることがあり、腎臓/膀胱/尿系、筋骨格系、呼吸器系、循環器系、及び中枢神経系の少なくとも1つを含む手術のためであり得る。これらの方法により惹起される免疫応答が、症候性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症を、予防し、且つ/又は軽減し、且つ/又はその危険性を低減させるのに充分であることが好ましい。特定の実施形態において、方法は、免疫原性組成物を、症候性の感染症にかかる危険性がある、少なくとも約40歳、50歳、又は65歳のヒト対象に投与する工程を含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、組成物を、約40から約65歳の群及び/又は約65から約75歳の群の各個体に投与する工程を含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、第一の投与前に血清陽性とみなされた個体の集団の80、85、90、95、又は100%のいずれかの概略値において、例えば、ELISA及び/又はTNAにより測定して、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及び/又はトキシンBに対する抗体系免疫応答の約2倍から4倍の増大を誘起し得る。いくつかの実施形態において、方法は、組成物の投与前に血清陰性とみなされた個体の集団の20、25、30、35、40、45、又は50%のいずれかの概略値において、例えば、ELISA及び/又はTNAにより第一の投与の14日後に測定して(例えば、0日、7日、及び30日での投与の後)、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及び/又はトキシンBに対する抗体系免疫応答の約2倍から4倍の増大を誘起し得る。いくつかの実施形態において、方法は、組成物の投与前に血清陰性とみなされた個体の集団の30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、又は80%のいずれかの概略値において、例えば、ELISA及び/又はTNAにより第一の投与の60日後に測定して(例えば、0日、7日、及び30日での投与の後)、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及び/又はトキシンBに対する抗体系免疫応答の約2倍から4倍の増大を誘起し得る。いくつかの実施形態において、そのような集団中の個体は、約40から約65歳である。いくつかの実施形態において、そのような集団中の個体は、約75から約65歳である。いくつかの実施形態において、この増大は、第一の投与(0日)の約30日後に観察され、典型的には7日の第二の投与に続き、典型的には第三の投与(例えば、約30日又は180日)の前に観察される。いくつかの実施形態において、免疫応答は、複数レジメン投与プロトコル(multiple regimen administration protocol)において、第一、第二、及び/又は第三の投与後に約30か月までの間(例えば、約1000日)、トキシンA及び/又はトキシンBに対して検出され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物のヒト対象への0日での投与(第一の投与)、約7日での投与(第二の投与)、及び約30日での投与(第三の投与)は、例えば、ELISA及び/又はTNAにより測定して、約30か月までの間、又は約1000日間、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及び/又はトキシンBに対する免疫応答を増大又は誘起する。いくつかの実施形態において、免疫応答のレベルは、例えば、ELISA及び/又はTNAにより測定して、3用量投与レジメンの第一の投与後約1000日で、第一の投与後約14日とほぼ少なくとも同じくらい高くなり得る。いくつかの実施形態において、免疫応答のレベルは、例えば、ELISA及び/又はTNAにより測定して、第一の投与後100、200、300、400、500、600、700、800、900、及び1000日のいずれかの概略値で、第一の投与後約14日とほぼ少なくとも同じくらい高くなり得る。いくつかの実施形態において、免疫応答は、例えば、ELISA及び/又はTNAにより測定して、ベースラインより(例えば、第一の投与前0日での抗トキシンA及び/又はトキシンB抗体レベル)約2倍から8倍になり得る。いくつかの実施形態において、免疫応答は、例えば、ELISA及び/又はTNAにより測定して、ベースラインの約2.5から約6.8倍になり得る。いくつかの実施形態において、血清陽性の個体(例えば、非ナイーブ)中の免疫応答は、ELISAによりトキシンA及び/又はBに関して(例えば、0日、7日、及び30日での投与後に)測定して、ベースラインから、約7日で約3倍;約14日で約10から約70倍;約30日で約30から約200倍;及び約60日で約100から約200倍に増加する。いくつかの実施形態において、血清陽性の個体(例えば、非ナイーブ)中の免疫応答は、TNAによりトキシンA及び/又はBに関して(例えば、0日、7日、及び30日での投与後に)測定して、ベースラインから、約7日で約3倍;約14日で約10から約100倍;約30日で約15から約130倍;及び約60日で約100から約130倍に増加する。いくつかの実施形態において、血清陰性の個体(例えば、ナイーブ)中の免疫応答は、ELISAによりトキシンA及び/又はBに関して(例えば、0日、7日、及び30日の投与後に)測定して、ベースラインから、約14日で約2倍;約30日で約5から約10倍;及び約60日で約25から約60倍に増加する。いくつかの実施形態において、血清陰性の個体(例えば、ナイーブ)中の免疫応答は、TNAによりトキシンA及び/又はBに関して(例えば、0日、7日、及び30日の投与後に)測定して、ベースラインから、約14日で約2から3倍;約30日で約2から約5倍;及び約60日で約5から約40倍に増加する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される免疫応答は、0日で(例えば、第一の投与の前)血清陽性と血清陰性とみなされるどちらの個体においても検出される。いくつかの実施形態において、そのような免疫応答は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAとトキシンBの両方に関して、例えば、ELISA及び/又はTNAにより測定して検出される。そのようなクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)抗原(例えば、トキソイドA及び/又はB)、及びそれを含む組成物を製造する方法(例えば、インビトロ又はインビボ)も提供される。そのような方法は、例えば、当業者に利用可能、且つ/又は当業者に公知であるもののいずれも、且つ/又は先に言及された、2013年3月15日に出願の同時係属中の米国仮特許出願第61/790,423号明細書、2014年3月14日に出願の同時係属中のPCT/US2014/029035号明細書、2013年3月15日に出願の61/793,376号、及び/又は2014年3月14日に出願の同時係属中のPCT/US2014/029070号明細書に記載されている方法を含み得る。当業者は、本明細書に提供される記載から他の実施形態を導くことができる。
当業者により理解される得るように、他の実施形態も提供される。
用語「約」、「およそ」などは、数値のリスト又は範囲に先立つ場合、リスト中の各個別の値又は範囲の直前にその用語があるようかのように、リスト中の各個別の値又は範囲を独立に指す。その用語は、それが指す値が、正確にその値であるか、その値に近いか、その値に類似であることを意味する。
本明細書では、対象又は宿主は、個体であるものとする。対象は、ネコ及びイヌなどの飼育動物、家畜(例えば、畜牛、ウマ、ブタ、ヒツジ、及びヤギ)、実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット)、及び鳥類を含み得る。一態様において、対象は、霊長類又はヒトなどの哺乳動物である。
任意選択の又は任意選択では、その後に記載される事象又は状況が起こることも起こらないこともあり、記載が、事象又は状況が起こる場合及びそれが起こらない場合を含むことを意味する。例えば、任意選択で組成物は組合せを含み得るという句は、記載が組合せと組合せの欠如の両方(すなわち組合せの個別の要素)を含むように、組成物が異なる分子の組合せを含むことも、組合せを含まないこともあることを意味する。
範囲は、およそある特定の値から、及び/又はおよそ別の特定の値までとして本明細書に表すことができる。そのような範囲が表される場合、別の態様は、そのある特定の値から、及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、先行詞約又はおよその使用により値が近似値として表される場合、その特定の値が別の態様を形成することが理解されるだろう。範囲のそれぞれの終点が、他の終点と関連する場合と、他の終点とは独立の場合の両方で、重要であることがさらに理解されるだろう。範囲(例えば、90〜100%)は、範囲自体並びに範囲内の各独立値を、各値が個別に列記されているかのように含むものとする。
予防する、予防すること、及び予防という用語が、本明細書において、所与の病態のための所与の治療(例えば、感染の予防)に関連して使用される場合、治療される対象が臨床的に観察可能なレベルの病態を全く生じさせないことか、彼/彼女が治療から遠ざかっていただろうよりも低頻度でそれを生じさせることのいずれかを伝えるものとする。これらの用語は、対象がどのような様態の病態も全く経験しない状況のみには限定されない。例えば、治療は、病態の所与の発現を生み出すと期待されただろう刺激への対象の曝露の間に与えられ、そうでない場合に期待されるより対象がより少ない及び/又はより軽度の病態の症状を経験する場合、病態を予防したと言われるだろう。治療は、対象に感染のほんの軽度の明白な症状を示させることにより、感染を「予防」できる。それは、感染性の微生物による細胞の侵入が全くなかったに違いないことを意味しない。同様に、本明細書での低減させる、低減させること、及び低減は、所与の治療と共に症候性の感染症にかかる危険性に関連して述べられ得る(例えば、症候性のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の危険性を低減させること)。例えば、低減させる、低減させること、及び低減は、典型的には、治療(例えば、開示される抗原又は組成物を使用した投与又はワクチン接種)が無い場合に感染症を生じる対照又は基礎レベルと比べて、よりゆっくりと、又はより低い程度に感染症を生じる対象を意味する。症候性の感染症にかかる危険性の低減は、対象に感染のほんの軽度の明白な症状又は感染の遅延した症状を示させることがある。それは、感染性の微生物による細胞の侵入が全くなかったに違いないことを意味しない。
本開示内で引用された全参照文献は、引用により本明細書に全体として組み込まれる。特定の実施形態は、以下の実施例でさらに説明される。これらの実施形態は、例としてのみ与えられ、請求項の範囲を決して限定するものではない。
実施例1
A.臨床設計
成人の第II相、無作為、プラセボ対照、改変された二重盲検(用量及び製剤で二重盲検;ワクチン接種スケジュールに関して非盲検)、用量範囲探索、多施設治験を実施した。(i)登録の60日以内の切迫した入院又は(2)登録の60日以内の長期介護施設又は機能回復施設への現在又は切迫した滞在のため、治験の間にクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症を生じる危険性のある40から75歳の成人対象を登録した。現在又は以前のCDIエピソードを有する対象は除外した。対象は年齢により層化した:40から65歳(対象の50%)及び65から75歳(対象の50%)。治験には、2段階あった。ステージIは、ワクチン候補の4種の異なる製剤を試験し、ステージIIはこれらの製剤の1つを使用して異なるワクチン接種スケジュールを調査した。ステージIにおいて、合計で455名の対象を登録し、以下の製剤の1つ又はプラセボを0日、7日、及び30日に受け取るように無作為に割り付けた:
第1群:低投与量(3:2のトキソイドAとトキソイドBの適切な比で、合計で50μgの抗原(トキソイドA、トキソイドB))、アジュバント(400μg水酸化アルミニウム(ALOH))あり;
第2群:低投与量(3:2のトキソイドAとトキソイドBの適切な比で、合計で50μgの抗原(トキソイドA、トキソイドB))、アジュバントなし;
第3群:高投与量(3:2のトキソイドAとトキソイドBの適切な比で、合計で100μgの抗原(トキソイドA、トキソイドB))、アジュバント(400μgALOH)あり;
第4群:高投与量(3:2のトキソイドAとトキソイドBの適切な比で、合計で100μgの抗原(トキソイドA、トキソイドB))アジュバントなし;及び
第5群:プラセボ(0.9%生理食塩水)。
血液試料の免疫学的結果及び0日、14日、30日、及び60日に採られた安全性データに基づき、1製剤をステージIIでの使用に選択した。ステージIIでは、206名の対象を、2つの追加スケジュールのいずれかで、選択された製剤の3投与量を受け取るように無作為に割り付けた:
第6群:0日、7日、及び180日
第7群:0日、30日、及び180日
ステージIIに登録した対象からの結果を、試験のステージIの間の0日、7日、及び30日に選択されたワクチン製剤を受け取った対象に関して得たデータと比較した。ステージIにおいて、対象は、血液試料を、製剤が選択されるまで180日及び210日を含めて、0日、7日、14日、30日、60日まで与えるよう依頼された。ステージIIにおいて、全対象は、血液試料を、0日、7日、14日、30日、60日、180日、及び210日に与えるように依頼された。
評価されたワクチンは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及びB(3:2のトキソイドAとトキソイドBの適切な比率で)の高度に精製された調合物であった。トキシンA及びBは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)培養物から精製され、不活化され、目標とする3:2の比に混合された。ワクチンは、凍結乾燥製剤として提供され、臨床現場で希釈剤により再構成され、明示された場合ALOHアジュバントか注射用水(WFI)のいずれかと混合された。希釈剤は、20mMのクエン酸ナトリウム、5%スクロース、及び0.016%ホルムアルデヒドからなっていた。アジュバントは、WFI中の1600μg/mLのALOHからなっていた。WFIは、アジュバント不使用の製剤用の凍結乾燥ワクチンの希釈にも使用された。最終ワクチン投薬溶液は、ワクチン及び希釈剤及びアジュバント(必要な場合)からなっていた。プラセボは、液体製剤(0.9%生理食塩水)として与えられた。被験薬(ワクチン又はプラセボ)の各送達された投与量の体積は0.5mLであった。ワクチン製剤は、筋肉内投与された。
血清を、ELISAにより、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及びトキシンBに対する免疫グロブリンタイプG(IgG)抗体に関して試験して、一次免疫原性データを生成した。試験血清中に存在する抗体を、マイクロタイタープレートの個々のウェルに吸着させたトキシンA又はB抗原と反応させた。抗原にコートされたウェルと結合した抗体の量を、二次抗ヒトIgG抗体−酵素コンジュゲートの結合後に、比色定量基質反応を利用して決定した。酵素の基質を加え、それが、抗原に結合した抗体に正比例する比色定量変化を起こした。血清中の抗体の濃度を、標準曲線からの外挿により得たが、標準曲線は、定義されたIgG単位数(ELISA単位(EU)/mL))を有する参照標準血清の複数の希釈液から作成した。
トキシン中和アッセイも、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンに対する中和抗体を定量するのに利用した。アッセイにおいて、連続希釈された血清を、固定量のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA又はBと共にインキュベートした。次いで、ベロ細胞を加え、血清−トキシン−細胞混合物を37℃で6日間インキュベートした。血清が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンの細胞傷害性作用を中和する能力を、ベロ細胞の生存率により決定し、ベロ細胞の生存率に相関させた。アッセイは、正常な細胞の呼吸のしるしとして密閉された培養ウェル中の酸性代謝物の蓄積を利用した。トキシンに曝露された細胞では、代謝及びCO産生が低下した。したがって、pHは、細胞培地中でフェノールレッドpH指示薬により示される通り7.4以上に上昇した。このpHでは、培地は赤く見えた。しかし、細胞対照又は抗体により中和されたトキシンに曝露された細胞は、代謝し正常な量でCOを産生した。結果として、pHは、7.0以下に維持された。このpHでは、培地は黄色く見えた。したがって、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシン中和抗体は、7.0以下のpHを維持するその能力により証明される通り、細胞に対するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンの代謝作用を血清が中和する能力と相関した。培地の色変化を、562nmから630nmでプレートリーダーにより測定して、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシン−媒介性細胞傷害性の50%阻害での抗トキシン中和抗体価をさらに計算できる。試験は、観察目的を含んでおり、すなわちCDI最初のエピソードの発生を記載した。
B.ステージI
安全性評価
どの治療群における対象にも関連するSAEも死亡も報告されず、特定又は非特定グレード3反応の数は全治療群の間で類似であり最低限であった。特定有害反応(AR)及び非特定AEは、全般的に強度がグレード1であり、持続時間が短く、試験中断には至らず、臨床的に重要であるとは考えられなかった。ワクチン治療群には、より多くの特定注射部位反応及び全身性反応があった。しかし、忍容性プロファイルは許容でき、他の認可されたワクチンの忍容性プロファイルに類似であるか、それより良好であった。具体的に非特定注射部位反応に関する、全身障害および投与部位の状態のSOCにおける非特定の非重篤なARは、アジュバントありの群において、アジュバントなしの群よりも多くの対象により報告された。しかし、忍容性プロファイルは許容でき、他の認可されたワクチンの忍容性プロファイルに類似であるか、それより良好であった。全体として、より高齢の群の対象(65〜75歳)は、増加した特定AR又は非特定AEを経験しなかった。安全性概要は、40〜64歳のより若い対象のものに類似であった。若い対象と同様に、アジュバントありの群において、わずかに多い対象がAE及びARを報告した。しかし、忍容性プロファイルは許容できた。安全性の問題は全く確認されなかった。
免疫原性評価
プラセボに比べて、全ワクチン群の間で治療効果が認められた。
ELISAの結果−幾何学的平均濃度(GMC)
全治療群における免疫応答は強固であり、60日で増加し続けた。トキシンAとトキシンBの両方に関して、各活性ワクチン群における最高GMC(EU/mL)は、第三のワクチン投与の30日後である、60日に見られた。0日から60日までの各採血日でGMCの一貫した上昇があった(表1)。トキシンA及びトキシンBに関するGMCは、0日から60日に、40から64歳の対象及び65から75歳の対象で増加した。GMCは、アジュバントのあるワクチンが投与された場合、65から75歳の対象で高い傾向があった。ベースラインで血清陽性であった(トキシンAで≧1.5EU/mL、トキシンBで≧0.8EU/mLと定義)対象の数は、トキシンBについての方がトキシンAについてより多く、これは以前の曝露及び/又はアッセイの感度を表し得る。ベースラインでの血清陽性は、60日でトキシンA及びBに関する免疫応答を増大させた。
ELISAの結果−血清変換
第3群対象は、60日で0日に比べて4倍の血清変換を示したプロトコル適合解析集団中の全対象のうち最高のパーセンテージ(トキシンAで97.3%及びトキシンBで91.8%)を有した。トキシンAとBのコンポジット(composite)(トキシンAとBの両方に関して血清変換した対象と定義)に関して、0日と60日の間でIgGの4倍以上の上昇と共に血清変換した第3群中の全対象の数及びパーセンテージは90.4%(66/73)であった。これは、第1群(85.7%;60/70)、第2群(82.4%;56/68)、及び第4群(86.1%;62/72)よりも高かった。トキシンAとBのコンポジットに関して、0日と60日の間でIgGの4倍以上の上昇と共に血清変換した第3群中の65から75歳の対象の数及びパーセンテージは89.1%(41/46)であった。これは、第1群(77.3%;34/44)、第2群(71.1%;32/45)、及び第4群(73.8%;31/42)よりも高かった。免疫原性のための最大の解析対象集団(FASI)において、トキシンAに関して、0日と60日の間でIgGの4倍以上の上昇と共に血清変換した各群における対象の数及びパーセンテージは以下の通りであった:第1群94.3%(82/87);第2群88.3%(83/94);第4群88.6%(78/88);第5群6.3%(3/48)。トキシンBに関して、0日と60日の間でIgGの4倍以上の上昇と共に血清変換した各群における対象の数及びパーセンテージは以下の通りであった:第1群87.5%(77/88);第2群77.7%(73/94);第4群91.1%(82/90);第5群12.5%(6/48)。トキシンAとBのコンポジットに関して、0日と60日、180日、及び210日の間でIgGの4倍以上の上昇と共に血清変換した各群における対象の数及びパーセンテージを、表2に説明する。
トキシン中和アッセイ(TNA)の結果−GMT
トキシンAとトキシンBの両方で、各活性ワクチン群における最高GMTは、第三のワクチン投与の30日後である、60日に見られた。0日から60日の各採血日で一貫したGMTの上昇があった。トキシンAに関して、GMTは、第1群及び第3群でより高かった。最高GMTは、第3群において60日に見られた。トキシンBに関して、GMTは第1群と第2群において類似であった。GMTは、高投与量ワクチンが投与された場合に、低投与量が投与された場合よりも高かった。最高GMTは、第4群において60日に見られた。
TNA結果−血清変換
トキシンAに関して、第3群対象は、0日に比べて60日で4倍の血清変換を示した対象の最高のパーセンテージ(97.3%)を有した。第4群対象は、トキシンB(66.2%)及びトキシンAとBのコンポジット(63.5%)に関して、0日に比べて60日で4倍の血清変換を示した対象の最高のパーセンテージを有した。トキシンAとBのコンポジットに関して、0日と60日、180日、及び210日の間で4倍以上のIgG上昇と共に血清変換したFASI中の各群における対象の数及びパーセンテージを表2に示す。
ステージI結論
安全性の問題は確認されず、そのため、安全性の理由に基づいてさらなる評価から除かれた治療群はなかった。ステージIの結果は、全治療群においてワクチンの安全性を支持した。
全体として、より高い投与量が、ELISAとトキシン中和アッセイ(TNA)の両方により測定して最良の免疫応答を誘起した。高投与量プラスアジュバントワクチンは、ELISAにより測定して、特に65から75歳の群において最良の免疫応答を誘起した。忍容性プロファイルが許容でき、全体的な免疫応答が特に65〜75歳の群において好ましいと考えられたため、高投与量プラスアジュバント(第3群)をステージIIに進行するように選択した。高齢の個体は、症候性のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症(CDI)に対するワクチンの投与のための標的集団の主要な部分になりそうであるので、この投与量は最大のワクチン防御を与えそうである。
ステージIの間に決定された通り60日までの安全性及び免疫原性の結果に基づき(ブートストラップ解析含む)、製剤100μg+ALOH(第3群)を、ステージIIに進展すべき好ましい製剤として選択した。この選択は、免疫原性のためのプロトコル適合解析集団(PPSI)における全対象のコンポジットELISAランキング解析により影響された。特に、免疫原性のための最大の解析対象集団(FASI)における65から75歳の対象には、第3群(高投与量ワクチンプラスアジュバント)が最良の製剤であると決定した。重要なことに、他の群よりも高投与量プラスアジュバント群において、より多くの対象(数及びパーセンテージ)が、0日と60日の間に4倍の血清変換を示した。
0日から210日の第3群のデータを、第6群及び第7群のデータと共に、「ステージ2」の見出しで表す。ステージII製剤の選択後、安全性データを、第1群から第5群で、60日と210日の間に継続して収集した。2つの追加の血液試料を、免疫原性試験のために180日及び210日に得た。第1群、第2群、及び第4群では、トキシンAとトキシンBの両方に関するGMC(ELISAにより測定)及びGMT(TNAにより測定)は、0日から60日に増加し、60日にピークに達し、次いで210日まで減少した。しかし、210日の値はベースラインに比べて高いままであった。210日では、トキシンAのGMCは30日のGMCにほぼ等しく、トキシンBのGMCは14日のGMCにほぼ等しかった。210日で、トキシンA及びトキシンBのGMTは、60日のGMTのおよそ半分であった。0日のGMTベースライン値を各群で測定した。第5群(プラセボ)で測定されたGMC又はGMTのベースラインからの変化は実質的に全くなかった。
トキシンA及びBのELISAコンポジットに関して血清変換の最高の4倍以上の上昇が、第1群、第2群、及び第4群のそれぞれで0日に対して60日に見られた。血清変換は60日の後減少したが、第1群の対象の68.9%(51/74)、第2群の対象の47.4%(36/76)、及び第4群の対象の64.9%(48/74)で、210日で高いままであった。トキシンAとBのTNAコンポジットに関して血清変換の最高の4倍以上の上昇が、第1群、第2群、及び第4群のそれぞれで0日に対して60日で見られた。血清変換は60日の後減少したが、第1群の対象の39.7%(29/73)、第2群の対象の40.8%(31/76)、及び第4群の対象の58.1%(43/74)で、210日で高いままであった。210日までの全てのステージIデータに基づき、60日の後に到達した全体的な結論は、選択された製剤が安全で免疫原性であることであった。アジュバントあり又はなしの低投与量(すなわち50μg/投与量、3:2の比のトキソイドA及びB、A:B)は、特により若い群(すなわち40〜64歳)で、良好な免疫応答を与えた。
C.ステージII
試験のステージIIの間に、高投与量プラスアジュバント製剤(100μg+ALOH)を、2つの追加スケジュール(0、7、180日;及び0、30、180日)を使用して評価した。データ(210日まで)を、第3群で得られたデータと比較した−すなわち、データを、ステージIのスケジュール(0、7、30日)を利用して同じ製剤を投与された対象群でステージIにおいて得られたデータと比較した。
1.安全性評価−概観
全体として、3つの異なるスケジュールで投与されたワクチン製剤(100μg+ALOH)は、許容できる安全性プロファイルを有し、安全性シグナルは全く確認されなかった。どの治療群の対象にも、関連するSAEは報告されなかった。特定又は非特定グレード3反応を報告した対象の数は治療群の間で類似であり最低限であった。特定AR及び非特定AEは、全般的に強度がグレード1であり、持続期間が短く、試験の中断につながらず、臨床的に重要であるとは考えられなかった。ワクチン注射後の特定反応は、3つの群で類似な数及びパーセンテージの対象により報告された。非特定非重篤なAR(注射部位及び全身性ARの両方を含む)は、各群において類似の数及びパーセンテージの対象により報告された。より高齢の群(65〜75歳)の対象は、増加した特定ARも非特定AEも経験しなかった。安全性概要は、40〜64歳のより若い対象のものに類似であった。全体として、安全性の問題は全く確認されなかった。
免疫原性評価
ELISAの結果
トキシンAとトキシンBの両方に関して、第3群及び第7群における最高GMC(EU/mL)は0日から60日に増加したが、第6群においては、最高GMCは30日に測定された。第3群においてGMCは210日に減少したが、第6群及び第7群においては、GMCは、180日の第三のワクチン接種の後で、210日に増加した。この同じパターンが、40から64歳の対象と65から75歳の対象で見られた。ベースラインで血清陽性だった(トキシンAで≧1.5EU/mL及びトキシンBで≧0.8EU/mLと定義)対象の数は、トキシンBについて、トキシンAよりも多かった。ベースラインでの血清陽性は、トキシンA及びBに関する免疫応答を、第3群及び第7群では60日で、又は第6群では30日で増大させた。
210日解析に含められるPPSI中の対象の第3群及び第7群では、トキシンAのGMC(ELISAにより測定)は0日から60日に増加し、その時点でそれぞれ96.44EU/mL及び80.37EU/mLであった。第6群では、210日より前の最高GMCには30日に(60日ではなく)到達し、その時点で23.33EU/mLであった。第3群では、GMCは210日に20.74EU/mLに減少したが、第6群及び第7群では、GMCは、180日の第三のワクチン接種の後で、210日にそれぞれ266.2EU/mL及び252.1EU/mLに増加した。第3群及び第7群では、210日解析に含められるPPSI中の対象では、トキシンBのGMC(ELISAにより測定)は0日から60日に増加し、その時点でそれぞれ142.1EU/mL及び87.65EU/mLであった。第6群では、210日の前の最高GMCには30日に(60日ではなく)到達し、その時点で93.59EU/mLであった。第3群において、GMCは210日に26.57EU/mLに減少したが、第6群及び第7群では、GMCは、180日の第三のワクチン接種の後で、210日にそれぞれ119.6EU/mL及び124.7EU/mLに増加した。
210日解析に含められる第3群、第6群、及び第7群におけるFASI中の40から64歳と65から75歳の対象によるELISA GMCには顕著な差が全くなかった。
ベースラインで血清陽性だった対象に関して、第3群、第6群、及び第7群の対象で、それぞれトキシンA(3.75EU/mL、3.55EU/mL、及び2.99EU/mL)とB(8.65EU/mL、5.65EU/mL、及び4.68EU/mL)の両方で0日でのベースラインGMCが低いが、GMCは、30日又は60日で、ベースラインで血清陰性だった対象のGMCよりも高いピーク値に達する傾向があった。
60日で、210日解析に含められるPPSI中の対象では、ブートストラップ解析は、第3群を、トキシンB(91.5%)及びトキシンAとBのコンポジット(84.7%)で一位になる確率が少なくとも80%であると特定した。60日で、トキシンAに関して、80%の確率には達しなかったが、第3群は72.1%で第6群又は第7群より高位に位置した。
トキシンA(ELISAにより測定)に関して、210日解析に含められるPPSI中の対象では、第3群において、GMFRは、0日に比べて60日で最高であった(57.0)。第6群において、GMFRは、0日に比べて30日で14.4であり、0日に比べて60日で11.3であったが、0日に比べて210日で158.8に達した。第7群において、GMFRは、0日に比べて60日で48.8であったが、0日に比べて210日で151.4に達した。トキシンB(ELISAにより測定)に関して、210日解析に含められるPPSI中の対象では、第3群において、GMFRは、0日に比べて60日で最高(64.2)であった。第6群において、GMFRは、0日に比べて30日で43.0であり、0日に比べて60日で34.5であったが、0日に比べて210日で52.5に達した。第7群において、GMFRは、0日に比べて30日で23.0であり、0日に比べて60日で40.1であり、0日に比べて210日で53.6に達した。
ELISAの結果−血清変換
60日で、トキシンAに関して、第3群の対象の97.0%(64/66)、第6群の対象の65.6%(40/61)、及び第7群の対象の91.2%(52/57)で、ELISAにより測定された血清変換の4倍以上の上昇があった(第3群及び第7群の対象は30日にワクチン接種を受けた;第6群の最後のワクチン接種は7日であった)。対照的に、60日で、トキシンBに関して、ELISAにより測定された血清変換の4倍以上の上昇は、治療群の間で類似であった:第3群の対象の92.4%(61/66)、第6群の対象の85.2%(52/61)、及び第7群の対象の89.5%(51/57)。60日で、トキシンAとBのコンポジットに関して、第3群の対象の90.9%(60/66)、第6群の対象の60.7%(37/61)、及び第7群の対象の84.2%(48/57)で、ELISAにより測定された血清変換の4倍以上の上昇があった。トキシンA及びB並びにトキシンAとBのコンポジットに関する4倍以上の血清変換率(ELISAにより測定)の概要を、表3で、210日解析に含められるPPSI中の対象に関して、60日/0日、180日/0日、及び210日/0日に関して表す。210日解析に含められる第3群、第6群、及び第7群中のFASI中の40から64歳の対象と65から75歳の対象で、ELISA血清変換率に顕著な差はなかった。
ベースラインでトキシンAに関して血清陽性であり0日に比べて60日で4倍以上の血清変換を有した、210日解析に含められるFASI中の対象のパーセンテージは、第3群の対象で100%、第6群の対象の92.3%(12/13)、及び第7群の対象の87.5%(7/8)であった。ベースラインでトキシンBに関して血清陽性であり0日に比べて60日で4倍以上の血清変換を有した、210日解析に含められるFASI中の対象のパーセンテージは、第3群の対象の94.6%(35/37)、第6群の対象の91.5%(43/47)、及び第7群の対象の94.1%(48/51)であった。
TNAの結果−GMT
第3群及び第7群では、トキシンA及びBに関するGMTは、0日から60日に増加した。第6群では、最高GMTには30日に達した。第3群では、GMTは210日で減少したが、第6群及び第7群では、GMTは、180日の第三のワクチン接種の後で、210日に増加した。この同じパターンが、40から64歳の対象と65から75歳の対象に見られた。ベースラインで血清陽性であった対象の数は、トキシンBに関して、トキシンAよりも高かった。ベースラインでの血清陽性は、第3群及び第7群で60日に、又は第6群で30日にトキシンA及びBに関する免疫応答を増大させた。
210日解析に含められるPPSI中の対象の第3群及び第7群では、トキシンAに関するGMT(TNAにより測定)は0日から60日で増加し、その時点で、それぞれ628.6 1/dil及び553.7 1/dilであった。第6群では、210日の前の最高GMTには30日に達し(60日ではなく)、その時点で158.6 1/dilであった。第3群では、GMTは210日に270.2 1/dilに減少したが、第6群及び第7群では、GMTは、180日の第三のワクチン接種の後で、210日に、それぞれ8939.4 1/dil及び9015.6 1/dilに顕著に増加した。第3群及び第7群では、トキシンBに関するGMT(TNAにより測定)は0日から60日で増加し、その時点で、それぞれ466.3 1/dil及び415.0 1/dilであった。第6群では、210日の前の最高GMTには30日に到達し(60日ではなく)、その時点で351.1 1/dilであった。第3群では、GMTは210日で164.4 1/dilに減少したが、第6群及び第7群では、GMTは、180日の第三のワクチン接種の後で、210日に、それぞれ1488.4 1/dil及び2070.3 1/dilに増加した。
210日解析に含められる第3群、第6群、及び第7群の40から64歳の対象と65から75歳の対象で、トキシンA又はBに関するTNA GMTに顕著な差は全くなかった。
ベースラインで血清陽性であった対象では、トキシンAに関する0日のベースラインGMTは、第3群、第6群、及び第7群の対象に関してそれぞれ72.07 1/dil、44.55 1/dil、及び59.94 1/dilであり、トキシンBに関しては、それぞれ161.8 1/dil、79.31 1/dil、及び76.35 1/dilであった。GMTは、ベースラインで血清陰性であった対象のGMTよりも、30日又は60日で何倍も高いピーク値に達する傾向があった。
TNAブートストラップランキング解析を、第3群、第6群、及び第7群で、210日解析に含められるPPSI中の対象に実施した(表4)。60日での第3群のトキシンA(66.9%)、トキシンB(58.7%)、及びトキシンAとBのコンポジット(63.0%)に関する確率は、第6群又は第7群よりも高位に位置した。
GMFR(TNAにより測定)の概要を、210日解析に含められるPPSI中の第3群、第6群、及び第7群中の対象に関して表5に表す。
210日解析中のPPSI中の対象のトキシンA(TNAにより測定)に関して、第3群では、GMFRは、0日に比べて60日で最高(31.6)であった。第6群では、GMFRは、0日に比べて30日で8.5であり、0日に比べて60日で6.1であったが、0日に比べて210日で419.8に達した。第7群では、GMFRは、0日に比べて60日で26.0であったが、0日に比べて210日に412.6に達した。210日解析中のPPSI中の対象のトキシンB(TNAにより測定)に関して、第3群では、GMFRは0日に比べて30日で14.6であり、0日に比べて60日で17.0であった。第6群において、GMFRは、0日に比べて30日で17.8であり、0日に比べて60日で13.3であったが、0日に比べて210日で60.2に達した。第7群では、GMFRは、0日に比べて30日で14.2であり、0日に比べて60日で16.7だったが、0日に比べて210日で70.2に達した。
TNAの結果−血清変換
60日で、トキシンAに関して、第3群の対象の97.0%(64/66)、第6群の対象の41.0%(25/61)、及び第7群の対象の82.5%(47/57)で、血清変換の4倍以上の上昇があった(第3群及び第7群の対象は30日にワクチン接種を受けた;第6群の第二のワクチン接種は7日であった)。対照的に、60日で、トキシンBに関して、血清変換の4倍以上の上昇は、治療群の間で類似であった:第3群の対象の63.6%(42/66)、第6群の対象の57.4%(35/61)、及び第7群の対象の63.2%(36/57)。60日に、トキシンAとBのコンポジットに関して、第3群の対象の62.1%(41/66)、第6群の対象の31.1%(19/61)、及び第7群の対象の56.1%(32/57)で血清変換の4倍以上の上昇があった。トキシンAとBのコンポジットに関する4倍以上の血清変換率(TNAにより測定)の概要を、表6に、210日解析に含められるPPSI中の対象に関して、60日/0日、180日/0日、及び210日/0日に関して表す。
210日解析に含まれる第3群、第6群、及び第7群中のFASI中の40から64歳の対象と65から75歳の対象で、TNA血清変換率に顕著な差は全くなかった(付録15、表15.56)。
ベースラインでトキシンAに関して血清陽性であり0日に比べて60日で4倍以上の血清変換を有した210日解析に含められるFASI中の対象のパーセンテージは、第3群の対象の100%、第6群の対象の96.0%(24/25)、及び第7群の対象の100%であった(付録15、表15.59)。ベースラインでトキシンBに関して血清陽性であり0日に比べて60日で4倍以上の血清変換を有した210日解析に含められるFASI中の対象のパーセンテージは、第3群の対象の96.2%(25/26)、第6群及び第7群の対象の100%であった。ベースラインでトキシンAに関して血清陰性であり0日に比べて60日で4倍以上の血清変換を有した210日解析に含められるFASI中の対象のパーセンテージは、第3群の対象の95.1%(78/82)、第6群の対象の25.0%(17/68)、及び第7群の対象の80.0%(60/75)であった。ベースラインでトキシンBに関して血清陰性であり0日に比べて60日で4倍以上の血清変換を有した210日解析に含められるFASI中の対象のパーセンテージは、第7群の45.6%(31/68)であった。
ステージII結論
ステージIと同様に、ステージIIの結果は、ワクチンの安全性を支持し続けた。安全性シグナルは全く確認されず、全体的な忍容性プロファイルは許容でき、ステージIと同等であった。具体的には、SAEを報告した対象の数は群全体にわたって同等であった。ワクチン接種に関連していると考えられるSAEは全くなかった。4名の対象が試験の間に死亡したが、死亡はワクチン接種と関連していると考えられなかった。試験中断につながるAEを報告した対象はほとんどいなかった。特定反応(具体的には、注射部位の疼痛及び筋痛の全身性反応)は、180日の最後のワクチン接種の後第6群及び第7群において幾分高かった。生物学的に重要な検査パラメーターは、ほとんどが基礎の病状と関連していた。
全3スケジュールでのワクチン製剤は、ELISA及びTNAによりトキシンA及びBに関して免疫原性であった。免疫応答は強固であり、第3群及び第7群では60日まで増加し続け、第6群では30日まで増加し続けた。第3群の免疫応答は、210日で高いままであった。ベースラインでトキシンBに関して血清陽性であった対象が、トキシンAに関して血清陽性であった対象よりも多かった。全体として、0、7、30日のスケジュール(第3群)は、対象がCDIの最高の危険性に曝され得る時期の間に、ELISAとTNAの両方により測定して最良の免疫応答を惹起した。
最後に、最適なワクチンスケジュールは、入院前の期間の間、入院の間及び後での急速な防御の開始並びにレジメンへの高度なコンプライアンスに一致しなくてはならない。試験により、CDIの最高の危険性が、病院の芽胞への曝露後3から5日付近で始まることが示された。さらに、CDI症例の70%が退院の1か月以内に起こり、残りの症例は退院の3か月後に起こることが示された(Premier Database)。世界的には、計画された手術の平均待ち時間は、2週間から5か月であると推定された(31)。60日での応答は最高のCDI危険性の期間の間に起こっているはずなので、スケジュール選択の間に、60日での免疫応答の決定ランキングを優先した。免疫学的防御の具体的な相関関係は未知であるが、60日での良好な免疫応答及び180日までの持続した応答の明示は、計画された入院の間及びその後で対象に防御を与えると期待できる好ましいワクチンレジメンの選択において重要な基準であった。
100μg+ALOHのワクチン製剤は、試験した3つのワクチン注射スケジュール(0、7、30日;0、7、180日;0、30、180日)で、全ての時点で、成人(40から64歳)と高齢(65から75歳)の両方の対象に関して、免疫原性であった。7日と14日の免疫応答は、3つの試験スケジュールで、成人及び高齢の対象において類似であった。ELISA GMC及びTNA GMTは、60日及び180日で、第3群の対象では、第6群又は第7群よりも高かった。予測通り、第6群及び第7群の対象は、210日に最高GMC及びGMTを有したが、その理由は、彼らが(第3群の対象とは異なり)30日前の180日にワクチン接種されたからである。血清変換(ELISAとTNAのいずれかにより測定)は、60日及び180日で、第3群の対象では、第6群又は第7群より高かった。主に最初の60日の期間にわたる免疫応答に焦点を置くブートストラップランキング解析に基づいて、第3群を最良のスケジュールに選んだ。重要なことに、定義されるCDIの危険期間に入ったばかりの患者に最大のワクチン防御が望まれる180日の期間(すなわち0日+180日=180日)にわたって考察される場合、30日、60日、及び180日にわたって測定された免疫応答を考慮すると、0、7、及び30日レジメン(第3群)での3投与による投与は、他の2つのレジメン(第6群又は第7群)と比べて全体として最良の免疫応答を与えた。この期間は、患者がCDIにかかる最大の危険性にありそうな期間を表す。全体として、0日、7日、及び30日のワクチンスケジュールの第3群は、30日、60日、及び180日に良好な免疫応答を生み出した。重要なことに、ステージIIの結果は第3群の対象のより良好なコンプライアンスも示唆するが、その理由は、第三のワクチンが180日である群に比べてこれらの対象のより多くが3つ全てのワクチン注射を受けたからである。特に高齢者又は慢性の基礎疾患を有するものを担当する総合診療医又は一次診療医によりワクチンが外来患者の状況で投与されるだろうことが企図される。個体は疾病発症に先立って0、7、及び30日ワクチンスケジュールを利用して免疫されるだろうから、防御免疫応答は、早くも第二のワクチン投与の1週間後(例えば、14日)に最良に得ることができる。このレジメンは、血清陰性の個体(例えば、ナイーブな個体)でも、トキシンAとBの両方に対する持続した中和抗体価を、少なくとも30か月(例えば、1000日)、14日までに得られる抗体価以上で惹起することも見出された。免疫応答は、両トキシンに関して30か月を過ぎても持続することが認められた。
試験は、ワクチン接種後に、血清陰性の個体(例えば、ナイーブな個体)よりも、0日で血清陽性の個体が血清変換の2倍超から4倍の増加を示したことも明らかにした。ワクチン後14日(0日及び7日投薬)で、血清陽性の個体は、血清陰性の個体の約2から3倍の頻度で血清変換した(ELISA又はTNAにより測定して2から4倍の増加)。ワクチン後30日で(第二の投与の約21日後、第三の投与の前)、血清陽性の個体は、血清陰性の個体より高頻度で血清変換した(ELISAにより測定して2から4倍の増加)が、差はそれほど大きくなかった。例えば、ELISAにより測定された血清変換(トキシンA及びトキシンB)は、30日で、血清陽性の個体において約20〜30%頻度が高かった。TNAにより測定すると、血清陽性の個体は、血清陰性の個体の2〜3倍の血清変換頻度を維持した。しかし、ベースライン血清陽性と血清陰性のどちらでも、抗体価の増加が各投与の後で示されたことが認められる。
このレジメンが、抗トキシンAと抗トキシンBの両方に関して、成人(40〜65歳)と高齢の(65〜75歳)対象において同等な血清変換率(例えば、ELISAにより測定して、0日から4倍の上昇を有する対象の%)を惹起することも見出された。
結論
結果は、評価された投与量レベルでのワクチンが、トキシンAとBの両方に対して完全な血清変換を惹起可能であることを示す。そのような応答は、トキシン−A陰性/トキシン−B陽性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)病原性株に対する有効性、及びより多量のトキシンA及びBを産生するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の流行株に対する有効性に有用である。そのような応答は、高齢の個体及び免疫機能が低下した対象を含む意図される標的集団にも有用である。以前のヒト臨床試験において、トキシンAに対して良好な応答が惹起されたが、トキシンBへの応答は期待したよりも低かった。結果は、100μg投与量の抗原が、50μg投与量で観察された率よりもトキシンBに対する血清変換率を増加させたことを示す。トキソイドAとBの両方のより高い投与量は、両トキシンに対する血清変換のより速い応答時間に関連した。60日免疫応答を優先したが、その理由は、これが、疫学データによると対象が病院環境に曝露された場合にCDIの最高の危険性の期間であるからである。CDI症例の70%が病院からの退院の30日以内に起こり、残りが退院後3か月までに起こることが確認された。ステージIの後に選択され3つの異なるスケジュール(0、7、30日;0、7、180日;0、30、180日)で評価されたワクチン製剤(100μg+ALOH)は、許容できる安全性プロファイルを有し、安全性シグナルは全く確認されなかった。ワクチンは、異なるスケジュールで投与された場合、成人及び高齢の対象において、IgG抗体のGM測定及び血清変換率並びにTNA結果により証明された通り、トキシンA及びBに対して強い免疫応答を誘起した。結果は、免疫応答が14日までに確立可能であったことを示す。210日での応答の持続性も持続した。全体として、0、7、30日のスケジュールが、60日までの対象とする期間の間の最大防御の所望のプロファイルに最も良く合致した。安全性と免疫原性の両面で、製剤(100μg+ALOH)と0、7、30日のスケジュールの組合せは最良の結果を生み出した。
特定の実施形態が好ましい実施形態の点で記載されてきたが、当業者が変形及び改善を思いつくだろうことが理解される。したがって、添付される特許請求の範囲が、以下の特許請求の範囲にあるそのような等価な変形の全てを網羅することが意図される。
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Claims (37)

  1. 原発性・症候性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症にかかる危険性のある成人ヒト対象において、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及びトキシンBに対する免疫応答を惹起する方法において、前記対象に、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及びトキソイドBを含む組成物を、各投与を約7日あけて少なくとも3回投与することを含む方法。
  2. 惹起される免疫応答が、前記成人ヒト対象における原発性・症候性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症を予防及び/又は低減させるのに充分である、請求項1記載の方法。
  3. 惹起される免疫応答が、前記成人ヒト対象における症候性のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の発症を予防するのに充分である、請求項1記載の方法。
  4. 第二の投与が第一の投与の約7日後であり、第三の投与が第一又は第二の投与の約30日後である、請求項1〜3いずれか1項記載の方法。
  5. 第三の投与が第一の投与の約30日後である、請求項4記載の方法。
  6. 第二の投与が第一の投与の約7日後であり、第三の投与が第一又は第二の投与の約180日後である、請求項1〜3いずれか1項記載の方法。
  7. 第三の投与が第一の投与の約180日後である、請求項6記載の方法。
  8. 前記組成物が、少なくとも約90%以上の純度を有するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAとトキソイドBのそれぞれを、約3:1〜約1:1の比で含む、請求項1〜7いずれか1項記載の方法。
  9. クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及びトキソイドBの比が約3:2である、請求項8記載の方法。
  10. 前記組成物が、合計約40〜500μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及びトキソイドBを含む、請求項1〜9いずれか1項記載の方法。
  11. 前記組成物がアジュバントを含む、請求項1〜10いずれか1項記載の方法。
  12. 前記組成物がアルミニウムアジュバントを含む、請求項11記載の方法。
  13. 前記危険性のある対象が少なくとも40歳であり:
    (i)第一の投与の前の12か月の期間に、それぞれ少なくとも約24又は72時間継続する少なくとも2回の入院を有し、全身性(局所でない)抗生剤を服用したか、又は
    (ii)第一の投与の60日以内に、予定された外科手術のために入院するように手配されている、請求項1〜12いずれか1項記載の方法。
  14. 前記手配された入院が、少なくとも約24又は72時間にわたると予定され、以下の系:
    (i)腎臓/膀胱/尿系;
    (ii)筋骨格系;
    (iii)呼吸器系;
    (iv)循環器系;及び
    (v)中枢神経系
    の少なくとも1つを含む手術のためのものである、請求項13記載の方法。
  15. 前記成人ヒト対象が少なくとも約65歳以上である、請求項1〜14いずれか1項記載の方法。
  16. クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及び/又はトキシンBに対する免疫応答が、少なくとも約60日間持続する、請求項1〜15いずれか1項記載の方法。
  17. クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及び/又はトキシンBに対する免疫応答が、少なくとも約210日間持続する、請求項16記載の方法。
  18. クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及び/又はトキシンBに対する免疫応答が、少なくとも約1000日間持続する、請求項17記載の方法。
  19. 原発性・症候性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症にかかる危険性のある成人ヒト対象において、少なくとも3回、各投与を約7日あけて投与することにより、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及びトキシンBに対する免疫応答を惹起するための医薬の製造における、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及びトキソイドBを含む組成物の使用。
  20. 前記惹起される免疫応答が、前記成人ヒト対象において、原発性・症候性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症を予防及び/又はその危険性を低減させるのに充分である、請求項19記載の使用。
  21. 前記惹起される免疫応答が、前記成人ヒト対象において、症候性のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の発症を予防するのに充分である、請求項19記載の使用。
  22. 第二の投与が第一の投与の約7日後であり、第三の投与が第一又は第二の投与の約30日後である、請求項19〜21いずれか1項記載の使用。
  23. 第三の投与が第一の投与の約30日後である、請求項22記載の使用。
  24. 第二の投与が第一の投与の約7日後であり、第三の投与が第一又は第二の投与の約180日後である、請求項19〜21いずれか1項記載の使用。
  25. 第三の投与が第一の投与の約180日後である、請求項24記載の使用。
  26. 前記組成物が、少なくとも約90%以上の純度を有するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドAとトキソイドBのそれぞれを、約3:1〜約1:1の比で含む、請求項19〜25いずれか1項記載の使用。
  27. クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及びトキソイドBの比が約3:2である、請求項26記載の使用。
  28. 前記組成物が、合計約40から500μgのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及びトキソイドBを含む、請求項19〜27いずれか1項記載の使用。
  29. 前記組成物がアジュバントを含む、請求項19〜28いずれか1項記載の使用。
  30. 前記組成物がアルミニウムアジュバントを含む、請求項29記載の使用。
  31. 危険性のある前記対象が少なくとも40歳であり:
    (i)第一の投与の前12か月の期間に、それぞれ少なくとも約24又は72時間継続する少なくとも2回の入院を有し、全身性(局所でない)抗生剤を服用したか、又は
    (ii)第一の投与の60日以内に、予定された外科手術のために入院するように手配されている、請求項19〜30いずれか1項記載の使用。
  32. 前記手配された入院が、少なくとも約24又は72時間にわたると予定され、以下の系:
    (i)腎臓/膀胱/尿系;(ii)筋骨格系;(iii)呼吸器系;(iv)循環器系;及び(v)中枢神経系の少なくとも1つを含む手術のためのものである、請求項31記載の使用。
  33. 前記成人ヒト対象が少なくとも約65歳以上である、請求項19〜32いずれか1項記載の使用。
  34. クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及び/又はトキシンBに対する免疫応答が、少なくとも約60日間持続する、請求項19〜33いずれか1項記載の使用。
  35. クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及び/又はトキシンBに対する免疫応答が、少なくとも約210日間持続する、請求項34記載の使用。
  36. クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及び/又はトキシンBに対する免疫応答が、少なくとも約1000日間持続する、請求項34記載の使用。
  37. クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキソイドA及びトキソイドBを含む、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA及びトキシンBに対する免疫応答をヒト対象において惹起する方法で使用するための組成物であって、前記方法が、前記対象に、該組成物を少なくとも3回、各投与を約7日あけて投与することを含む、組成物。
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