JP2016520540A - 脳内におけるカロテノイドの神経保護作用 - Google Patents

脳内におけるカロテノイドの神経保護作用 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒトの食用として安全であり、特に、栄養および健康増進に貢献する栄養補助食品として有用な、神経変性障害予防のためのカロテノイドの分子分散物を含む組成物の使用を提供する。特に、本発明は、含まれる全キサントフィルが少なくとも80重量%であり(全キサントフィル中、トランスルテイン含有量が80〜95%w/wであり;(R,R)−ゼアキサンチンが14〜20%w/wであり;(R,S)−ゼアキサンチンが0.01〜1%である)w/w)、キサントフィル/キサントフィルエステルを含む植物抽出物/オレオレジン由来の微量の他のカロテノイドを含む、バイオアベイラビリティの向上した高水溶性組成物の使用に関する。本発明はまた、投与量を減らしたレボドパおよびカルビドパと共に同時投与する場合、神経変性障害の治療における前記組成物の使用も提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、神経変性障害の処置のためのカロテノイドの分子分散物を含む組成物の使用に関する。特に、本発明は、ヒトの食用として安全であり、特に、栄養および健康増進に貢献する栄養補助食品として有用なキサントフィル/キサントフィルエステルを含む植物抽出物/オレオレジン由来の、固体または液体親水性担体中にトランスルテインおよびゼアキサンチン異性体、すなわち、(R,R)−ゼアキサンチンおよび(R,S)−ゼアキサンチンの分子分散物を含む組成物の使用に関する。
哺乳類組織に対するフリーラジカル誘発損傷は、老化および複数の変性疾患の発症に寄与すると考えられている(Canfiel LMら、細胞抗酸化物質としてのカルテノイド(Carotenoids as cellular antioxidants.)Proc Soc Exp Biol Med 1992; 200: 260-265)。
反応性フリーラジカルは、膜脂質の多価不飽和脂肪酸(PUFA)と反応し、脂質過酸化を惹起する。フリーラジカルに起因する過剰な脂質過酸化は、酸化ストレスの状態を引き起し、マロンジアルデヒド(MDA)の蓄積をもたらす。酸化ストレスは、様々な病気につながる。
カロテノイドは、植物中の天然キサントフィルであり、一重項酸素誘発損傷に対する植物細胞小器官の保護および集光反応に関与する。食事性カロテノイドは、組織中において抗酸化剤としての機能を果たし(Thurnham DL. カロテノイド:機能および誤謬(Carotenoids: function and fallacies.)Proc Nutr Soc 1994; 53: 77-87)、酸化的損傷から身体を保護する。哺乳類種は、カロテノイドを合成しないため、果物および野菜などの食事供給源ならびに/または栄養補助食品から摂取しなければならない。多数の疫学調査が、カロテノイドの豊富な果物や野菜の摂取と変性疾患の発病との間の強い逆相関を裏付けている。(Coleman H, Chew E. 加齢黄班変性における栄養補給(Nutritional supplementation in age-related macular degeneration.)Curr Opin Ophthalmol 2007; 18(3): 220-223)
キサントフィルは、光学異性体(R−およびS−立体異性体)ならびに幾何異性体(トランス、E−およびシス、Z−)のいずれも示し得る。R−およびS−立体異性体の配座は、CDスペクトル研究およびキラルカラムHPLC研究に基づく一方で、シス−およびトランス−異性体の配座は、電子、赤外線、NMR、HPLC−MS、およびHPLC−NMRオンライン分光法研究に基づく。有機分子が、4種類の異なる原子または基が結合した炭素原子を有する場合、その炭素原子をキラル炭素原子と呼ぶことは周知である。キラル炭素原子が、光学異性体の形成をもたらす2つの異なる空間的配置の原因である一方で、トランス−およびシス−異性体の数は、ポリエン鎖の二重結合の数やメチル基の存在および立体障害の欠如により決定される。トランス−ゼアキサンチンの場合は、2個の末端環の3位および3’位の炭素原子が、いずれもキラル原子である。
したがって、トランス−ゼアキサンチンは、炭素原子C3およびC3’に結合した第二水酸基の位置に基づいて、炭素原子C3およびC3’に2個のキラル中心を有する。したがって、トランス−ゼアキサンチンには4つの立体異性体の存在が考えられ、すなわち、(3R−3’R)−異性体、(3S−3’S)−異性体および(3R−3’S)−または(3S−3’R)−異性体である。これらの異性体において(3R−3’S)−および(3S−3’R)−は同一である。したがって、トランス−ゼアキサンチンには3種類のキラル異性体が存在する。右回りに偏光を回転させる異性体は、R−立体異性体と呼ばれ、左回りに回転させる異性体は、S−立体異性体と呼ばれ、2つの正反対の効果を有する第3の異性体(R,S;光学的に不活性)は、メソ形のゼアキサンチンと呼ばれる。ルテイン、(R,R)−ゼアキサンチンおよび(R,S)−メソゼアキサンチンの構造式を下記図1に示す。
Figure 2016520540
ルテイン、(R,R)−ゼアキサンチンおよび(R,S)−ゼアキサンチンは、唯一の黄斑カロテノイドであり、それらの拡張共役構造により、顕著な抗酸化能を生み出すと共に、紫外線により生成された一重項酸素により誘発される酸化的損傷を防ぐことが示されている。ルテインおよびゼアキサンチンの豊富な食物の摂取は、血清中および黄斑中におけるこれらカロテノイドのレベルの上昇に関与している。ルテインおよび(R,R)−ゼアキサンチンは、果物および野菜に由来し得る一方で、(R,S)−ゼアキサンチンは、シーフード若しくは栄養補助食品または体内におけるルテインの生物変換に由来し得る。
ルテインおよびゼアキサンチンの共役二重結合は、色素それぞれの特有の色に寄与しており、また、一重項酸素を消去するそれらの能力にも影響を及ぼす。ゼアキサンチンは、もう一つの共役二重結合により、ルテインよりも強力な抗酸化物質となっていると考えられる。
細胞レベルでのキサントフィルの位置に関しては、キサントフィルは、キサントフィル結合タンパク質(XBP)と呼ばれる特異的なタンパク質に結合していることが報告されている。XBPは、血流からのルテインおよびゼアキサンチンの取り込み、ならびに網膜におけるルテインおよびゼアキサンチンの安定化に関与することが示唆されている。フェムト秒過渡吸収分光法によるキサントフィルおよびXBPの研究により、(3R,3’R)−ゼアキサンチンに比べ(3R,3’S)−ゼアキサンチン濃縮XBPがよりよい安定性を示した一方で、キサントフィルである(3R,3’R)−ゼアキサンチンおよび(3R,3’S、メソ)−ゼアキサンチンの光物理特性は通常同一である。メソ−ゼアキサンチンは、XBP(このタンパク質は、キサントフィルがフリーラジカルにより分解されるのを防ぐ)でよりよく結合される可能性がある。したがって、この複合体は、遊離キサントフィルよりも良好な抗酸化物質であり得、酸化的損傷からの眼組織の保護の向上を促す。(Billstenら、ヒト網膜由来カロチノタンパク質におけるキサントフィルの光物理特性(Photophysical Properties of Xanthophylls in Caroteno proteins from Human Retina)、 Photochemistry and Photobiology, 78, 138-145, 2003)
ルテインおよびゼアキサンチンは、果物、野菜、および花(マリーゴールド)においてトランス−異性体形態で天然に存在する。熱や光による処理条件により、わずかな割合のトランス−形態は、シス−異性体形態に変換される。したがって、ヒト血漿の幾何異性体組成分析のデータから証明されるように、好ましい生物学的に利用可能な形態はトランス異性体である(Khachikら、ヒト血漿の抽出物におけるルテイン、ゼアキサンチンの幾何異性体の単離および構造解析(Isolation and Structure Elucidation of Geometric Isomers of Lutein, Zeaxanthin in Extracts of Human Plasma), J. Chrom. 582, 153-156, 1992)。この点に鑑み、栄養補助食品において(R,R)−、(R,S)−として、ルテインおよびゼアキサンチンのトランス−異性体形態を使用することが望ましい。
神経変性障害は、神経細胞の構造または機能の進行性の喪失を伴い、最終的にはそれらの死につながる。パーキンソン病は、神経変性の最も一般的な形態である。パーキンソン病において、神経変性は、αシヌクレインのようなタンパク質残基の蓄積により生じる。この種の異常蓄積は、酸化ストレスおよび炎症反応を誘発し、アポトーシスを引き起こし、神経細胞死につながる。
パーキンソン病は、ドーパミン作動性ニューロン喪失の原因であり、硬直、振戦、無動、咬舌および認知機能の喪失、並びに、ある期間の後に生じる記憶喪失を特徴とする。米国におけるパーキンソン病ケースの数は、2005年に340,000であったが、2030年までには610,000まで増加すると予測されている。
パーキンソン病に有効な薬は、症状軽減のみをもたらすものであり、パーキンソン病の進行を逆行させたり止めたりるすことはできない。没食子酸エピガロカテキン(緑茶抗酸化物質)のような各種天然由来の抗酸化物質は、パーキンソン病の進行を止める有望な作用を示している。従って、パーキンソン病の予防治療を目的とした栄養補助食品として、天然由来の抗酸化物質の作用を調査することは興味深い。
脂溶性栄養素は、現在使用されている形態である油懸濁液またはビーズレットとして投与される場合、吸収されにくい。吸収されにくい主な理由は、それらが難水溶性であることである。脂溶性栄養素は、不溶性であることから、それらのバイオアベイラビリティは非常に低い。脂溶性栄養素は、消化管における溶解度が限られていることから、体内における吸収は限られている。一般に、当該栄養素のバイオアベイラビリティは、40%を下回る。このバイオアベイラビリティは、粒子径を小さくすることで、ミセル形成の効率を高めることにより高めることができる。一般に、粒子径を小さくする技術として、分子レベルで栄養製品を分散させることが考えられる。このような分子分散物は、水中での栄養素のミセル形成効率を高めることにより、バイオアベイラビリティを高める。
脂溶性栄養素の分子分散物は、脂溶性栄養素の溶液を、極性または非極性有機溶媒の一定の水溶性親水性固体または液体担体システム中に分散させることにより得られる。真空下での溶媒の除去により得られた分散物は、ソフトゲルカプセルまたはリキャップス(licaps)、錠剤、カプセルおよび他の固体もしくは液体経口剤への充填に適した均一な分散液または固体分散物となる。当該分散物により、脂溶性栄養素の吸収は、数倍促進され得る。当該技術は、インド特許第253078号のもと出願者により保護されている。
[先行技術]
現代の治療法は、主として、レボドパ、カルビドパおよびドーパミン作動薬の使用によりパーキンソン病の初期運動症状を処置する上では効果的である。この病が進行するにつれ、またドーパミン作動性ニューロンの喪失が続くにつれて、症状の治療においてこれらの薬の効果がなくなると共に、身もだえするような不随意運動を特徴とするジスキネジアと呼ばれる合併症を引き起こす時がいずれは訪れる。食事療法やある種のリハビリテーションは、症状緩和においていくらか有効性を示している。薬の効果がない重度の患者においては、運動症状を軽減するために最後の手段として手術や脳深部刺激療法が使用されている。研究の方向性としては、パーキンソン病の新たな動物モデルについての研究、ならびに遺伝子治療、幹細胞移植および神経保護剤の潜在的有用性の研究が挙げられる。睡眠障害および情緒障害などパーキンソン病の非運動関連症状を治療するための薬剤もある。
パーキンソン病においては、酸化ストレスおよびフリーラジカルが、脳組織の劣化を助長することが研究により明らかになっている。パーキンソン病により脳組織が重度に損傷した人々においては、グルタチオン濃度が低いことが分かっている。高濃度のグルタチオンは、脳組織損傷の進行を遅らせることができる。体内における高濃度のグルタチオンにより、アルツハイマー病に関連した記憶喪失を遅らせることが証明されている。アルツハイマー病は、脳神経細胞の劣化や脳組織の萎縮を特徴とする。酸化的損傷が、アルツハイマー病の原因であるのか単にその結果であるのかは不明であるが、グルタチオンが、アルツハイマー病の進行を遅らせることが証明されている。
ドーパミンを補充する薬剤は、最も効果的な治療法である。これらの薬剤は、レボドパ(体内で分解されドーパミンを形成する)と、レボドパが確実に脳に到達するようにする別の化学薬品とを組み合わせたものである。ドーパミン補充薬は、気分が悪くなったり疲労を感じたりするといった副作用はあるが、長期にわたり改善することができる。ドーパミン補充薬は、顔や四肢の不所望な運動(ジスキネジア)などの長期にわたる障害の原因にもなり得るとともに、症状が急激に変動する(これは、しばしば「オン・オフ症候群」と呼ばれる)ようになり、時間と共に信頼性が低くなる場合もある。薬剤の例としては、コベネルドーパ(co-beneldopa)およびコカレルドーパ(co-careldopa)が挙げられる。
ドーパミンの作用を模倣する薬剤(ドーパミン作動薬)は、一般に、単独またはレボドパと共に摂取する。例としては、プラミペキソール、ロピニロールおよびロチゴチンが挙げられる。これらには、気分が悪くなったり、突然眠くなったりといった副作用があるため、医師は、低用量で投与を開始するであろう。長期間パーキンソン病を患っており、且つ予測不可能な「オフ期間」がある場合には、アポモルヒネ(注射)を処方される場合もある。
アマンタジンは、ドーパミン補充薬のような働きをするが、脳内の異なる部位に作用する。副作用は殆どないが、パーキンソン病の初期に使用されるのみであり、効能が限られているため、第一選択薬ではない。
殆どの患者に対するパーキンソン病の治療は、抗コリン薬、レボドパ、アマンタジン、ドーパミン受容体作動薬、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害薬、セレギリン(デプレニル)およびクロザピンを含む多数の薬剤への長期暴露を伴う。パーキンソン病の患者は、病状の運動症状をコントロールするための薬剤、パーキンソン病関連の医学的症状または精神科的症状のための薬剤、および高血圧または心疾患など、同時疾患のための薬剤を必要とする。
これらの薬剤は全て、有害作用を引き起こす可能性がある。異なる抗パーキンソン病薬の間、および抗パーキンソン病薬剤と患者が服用しているかもしれない他の薬との間で薬物相互作用の可能性がある。パーキンソン病患者の治療にたずさわる臨床医は、この症状に対する、数が増加する多くの薬剤の潜在的有害作用や薬物相互作用に精通していなければならない。
神経変性疾患の予防/治療に使用されるカロテノイドを含む組成物を提供する多数の先行技術文献がある。
国際公開第95/00130号(特許文献1)は、酸素化機構を有する疾病治療用薬剤の製造へのヒドロキシカロテノイド(HCA)の使用を説明している。この薬剤は、脂質、リポタンパク質、タンパク質およびDNA上にフリーラジカル除去機構を有する。この発明の化合物は、心血管若しくは脳血管疾患、癌、糖尿病、関節リウマチ、パーキンソン病、ダウン症候群、アルツハイマー病または白内障あるいは他の加齢に伴う変化の予防または治療に特に有用であり、例えば、アスピリンと併用してもよい。薬剤の調製に使用されるヒドロキシカロテノイドは、溶解性およびバイオアベイラビリティが低いため、その作用は最低限のものである。
米国特許出願公開第2004/0022881号(特許文献2)は、アフリカンマリーゴールド種から抽出された混合ゼアキサンチンエステルの使用を説明している。その濃縮物は、約20パーセント以上の混合ゼアキサンチンエステルを含有する。その組成物は、フリーラジカルによる疾患を治療または予防するために経口投与される。
Kolterらの米国特許第5891907号(特許文献3)は、カロテノイドおよびビタミンまたはビタミン誘導体の非経口投与に適した安定水性ソリュビリゼート(カロテノイドおよび非水溶性ビタミンは、非イオン性乳化剤を用いて、ミセル溶液状になっている)について説明した。このカロテノイドは、βカロテン、リコピン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、シトラナキサンチン、ゼアキサンチン、アポカロテナールおよびアポカロテノイックエステルである。アテローム性動脈硬化症、パーキンソン病といった様々な疾病に対する影響の予防に使用されるカロテノイドの非経口投与は、毎日注射を受けるため痛みを伴う。
欧州特許出願公開第1957057号(特許文献4)のSamuel Lockwood Fらは、キサントフィルカロテノイドあるいはアスタキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、リコキサンチン、リコフィル若しくはリコピンの類似体または誘導体を含む、対象者における酸化ストレスの低下または予防に有効な組成物について説明した。この製剤は、アスタキサンチン、ルテインおよび/またはゼアキサンチンを含んでいてもよい。全身性または標的器官の酸化ストレスを抑制、軽減または改善することにより、例えば、心疾患(例えば、高血圧症、アテローム性動脈硬化症)および特定の神経変性疾患(例えば、パーキンソン病)など、全身性および/または標的器官の高まった酸化ストレスに関連する病理学的帰結の少なくともいくらかを軽減し得る。カロテノイド類似体またはカロテノイド誘導体は水溶性であるが、キサントフィルカロテノイドは非水溶性である。カロテノイド類似体またはカロテノイド誘導体は、医薬/合成プロセスにより精製される。
脳の特定部位に治療薬を送達する困難を克服することが、殆どの脳障害の治療に対する大きな課題となっている。血液脳関門(BBB)は、その神経保護の役割上、潜在的に重要な多数の診断薬および治療薬の脳への送達を妨げる働きをする。さもなければ診断および治療に有効であり得る治療用分子および治療用抗体は、十分な量がBBBを通過しない。
上記より、BBBを介して神経変性用の治療/予防薬を送達する困難を克服できる技術を提供する必要性、また投与量を減少させることによりこれらの治療薬により生じる有害作用を防ぐ必要性があることは明らかである。
国際公開第95/00130号パンフレット 米国特許出願公開第2004/0022881号明細書 米国特許第5891907号明細書 欧州特許出願公開第1957057号明細書
本発明の主要な目的は、神経変性疾患の処置に有用であり、且つ、ヒトの食用として安全で、栄養および健康増進に貢献する栄養補助食品として特に有用なカロテノイドの分子分散物を提供することである。
本発明の別の目的は、パーキンソン病などの神経変性障害の予防に有用な、キサントフィル/キサントフィルエステルを含む植物抽出物/オレオレジン由来の、固体または液体親水性担体中のトランスルテインおよびゼアキサンチン異性体、すなわち、(R,R)−ゼアキサンチンおよび(R,S)−ゼアキサンチンの分子分散物を提供することである。
本発明の更に別の目的は、含まれる全キサントフィルが少なくとも80重量%であり(全キサントフィル中、トランスルテイン含有量が80〜95%w/wであり;(R,R)−ゼアキサンチンが14〜20%w/wであり、(R,S)−ゼアキサンチンが0.01〜1%w/wである)、パーキンソン病などの神経変性障害の予防に有用なキサントフィル/キサントフィルエステルを含む植物抽出物/オレオレジン由来の微量の他のカロテノイドを含むキサントフィル組成物の分子分散物を提供することである。
本発明の更に別の目的は、固体または液体親水性担体中にトランスルテインおよびゼアキサンチン異性体、すなわち、(R,R)−ゼアキサンチンおよび(R,S)−ゼアキサンチンを含有するキサントフィル組成物の分子分散物であって、この複合体は、遊離キサントフィルよりも高い抗酸化能を有し、また、パーキンソン病などの神経変性障害の予防に有用である、分子分散物を提供することである。
本発明の更に別の目的は、ミセル形成効率のより高いカロテノイドの分子分散物であって、より高いミセル形成効率が、バイオアベイラビリティを向上させることにより血中カロテノイド濃度を上昇させ、これにより、これら分子分散物は、ルテインが低濃度であっても血液脳関門を通過し、パーキンソン病などの神経変性障害の予防に有用である、カロテノイドの分子分散物を提供することである。
本発明の更に別の目的は、投与量を減らしたレボドパおよびカルビドパと共に同時投与することにより、パーキンソン病の治療にカロテノイドの分子分散物を使用することである。
本発明の更に別の目的は、バイオアベイラビリティのより高い、固体または液体親水性担体中のカロテノイドの分子分散物を提供することである。
本発明の更に別の目的は、安全な溶媒(GRAS)を使用して調製され、溶媒残留物が最小限のヒトの食用に適したカロテノイドの分子分散物を提供することである。
本明細書において、前記生成物の有用性を以下説明するが、これは、実施例に示すように例示であり、いかなる形においても本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
多くの研究により、メソ−ゼアキサンチンが存在する場合、カロテノイドの抗酸化能が向上することが示されている。本発明は、カロテノイドを、水溶性親水性液体または固体担体中に分散させた場合、高い水溶性およびバイオアベイラビリティを実現できるという我々の研究結果に基づくものである。ミセル形成効率の高いバイオアベイラビリティが向上したこれらカロテノイドの高度水溶性分子分散物は、血中カロテノイド濃度の上昇をもたらすことにより、血液脳関門を通過し、フリーラジカルを効果的に除去する。これらカロテノイドの分子分散物は、投与量を減らしたレボドパおよびカルビドパと共に同時投与する場合、パーキンソン病の治療に使用できる。
従って、本発明は、神経変性障害の処置に有用であり、且つ、ヒトの食用として安全で、栄養および健康増進に貢献する栄養補助食品として特に有用なカロテノイドの分子分散物を提供する。
別の実施形態によると、本発明は、パーキンソン病、ダウン症候群、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、認知障害、認知症などの神経変性障害の予防のためのカロテノイドの分子分散物を含む組成物の使用を提供する。
更に別の実施形態によると、本発明は、投与量を減らしたレボドパおよびカルビドパと共に同時投与することによる、パーキンソン病の治療におけるカロテノイドの分子分散物を含む組成物の使用を提供する。
前記組成物は、1日当たり0.5mg〜100mgの範囲で投与する。
前記組成物と共に投与するレボドパおよびカルビドパは、それぞれ、1日当たり25mg〜75mgおよび1日当たり6.25mg〜25mgの範囲である。
当該組成物は、カロテノイド;安定剤;水溶性親水性担体および任意に界面活性物質を含む。
当該組成物は、含まれる全キサントフィルが少なくとも80重量%であり、(全キサントフィル中、トランスルテイン含有量が80〜95%w/wであり;(R,R)−ゼアキサンチンが14〜20%w/wであり;(R,S)−ゼアキサンチンが0.01〜1%w/wである)、キサントフィル/キサントフィルエステルを含む植物抽出物/オレオレジン由来の微量の他のカロテノイドを含む。
使用される安定剤は、アスコルビン酸、BHA、BHT、パルミチン酸アスコルビル、ローズマリー抽出物、混合天然トコフェロール、α−トコフェリルアセタート、アスコルビン酸ナトリウム、ヒマシ油誘導体、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物から選択される。
使用される担体は、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ブドウ糖果糖液糖、コーンスティープリカー、マンニトール、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール10000、ポリエチレングリコール20000、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ショ糖、グルコース、塩化ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、可溶性デンプン、加水分解デンプンおよびそれらの混合物から選択される。
前述の界面活性物質は、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル(glyceryl fatty acid esters)、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
前述の分散物は、粉末、錠剤、カプセル、小袋、ビーズレット、マイクロカプセル粉末、油懸濁液、液体分散物、ペレット、ソフトゲルカプセル、チュアブル錠または液体製剤の形態である。
本発明が、水溶性およびバイオアベイラビリティの向上(これは、血液脳関門を通り分子の効果的な送達を促進し、且つ、パーキンソン病などの神経変性障害の予防/治療における潜在力を示す)した、固体または液体親水性担体中のトランスルテインおよびゼアキサンチン異性体、すなわち、(R,R)−ゼアキサンチンおよび(R,S)−ゼアキサンチンの分子分散物の使用を新規特徴とすることを指摘し得る。パーキンソン病の予防/治療のための、バイオアベイラビリティの向上した、高水溶性の形で高抗酸化能を有するカロテノイドのこの組合せの使用は、先行技術文献において報告されていない。
神経変性障害は、神経細胞の構造または機能の進行性の喪失を伴い、最終的にはそれらの死につながる。パーキンソン病は、神経変性の最も一般的な形態である。抗酸化化合物は、加齢黄斑変性白内障および神経変性疾患などの多くの人間の病気の予防において高抗酸化能を有すると考えられている。没食子酸エピガロカテキン(緑茶抗酸化物質)のような、様々な天然由来の抗酸化物質が、疾病の進行を止める上で有望な作用を示している。
ルテインは、ホウレンソウのような緑の葉野菜に見られる天然由来の抗酸化物質である。ルテインはまた、目の中にもあり、主に黄斑に存在する。ルテインが、カロテノイドであり、強力な抗酸化物質であることは周知である。ルテインは、加齢性変性疾患である黄斑変性症および白内障に使用されている。ルテインはまた、ヒトHepG2細胞株において保護抗酸化作用を示している。
ゼアキサンチンは、自然界に見られる最も一般的なカロテノイドアルコールの一つである。ルテインおよびゼアキサンチンは、同一の化学式を持ち、異性体であるが、それらは立体異性体ではない。ルテインおよびゼアキサンチンの唯一の違いは、末端環の一つにおける二重結合の位置にある。この違いにより、ルテインは3つのキラル中心を持つが、ゼアキサンチンは2つのキラル中心を持つ。対称性により、ゼアキサンチンの(3R,3’S)立体異性体と(3S,3’R)立体異性体とは同一である。従って、ゼアキサンチンは、3つの立体異性体形態のみ有する。(3R,3’S)立体異性体は、メソ−ゼアキサンチンと呼ばれる。
ルテインおよびゼアキサンチンの共役二重結合は、色素それぞれの特有の色に寄与しており、また、一重項酸素を消去するそれらの能力にも影響を及ぼす。ゼアキサンチンは、更にもう一つの共役二重結合により、ルテインよりも強力な抗酸化物質となっていると考えられる。ルテインおよびゼアキサンチン異性体の複合体が、遊離キサントフィルよりも良好な抗酸化物質として作用し、酸化的損傷からの保護の向上を促すことが実証されている。
脂溶性栄養素は、現在用いられている形態である油懸濁液またはビーズレットとして投与される場合、吸収されにくい。吸収率が悪い主な理由は、脂溶性栄養素の難水溶性である。脂溶性栄養素は、不溶性であるため、バイオアベイラビリティが非常に低い。分子レベルでの栄養製品の分散物は、水中での栄養素のミセル形成の効率を高めることにより、バイオアベイラビリティを向上させる。
従って、本発明は、含まれる全キサントフィルが少なくとも80重量%であり(全キサントフィル中、トランスルテイン含有量が80〜95%w/wであり;(R,R)−ゼアキサンチンが14〜20%w/wであり、(R,S)−ゼアキサンチンが0.01〜1%w/wである)、パーキンソン病の症状緩和においてバイオアベイラビリティが向上した高水溶性形態でキサントフィル/キサントフィルエステルを含む植物抽出物/オレオレジン由来の微量の他のカロテノイドを含むカロテノイド組成物の使用を提供するものである。
ラットを用いた試験を行い、3つのサンプル、すなわち、トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体の水溶性組成物(商品名ウルトラゾール ルテマックス2020TM(UltraSol Lutemax2020TM)で販売されている);トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体を含有する濃縮物(商品名ルテマックス2020(登録商標)(Lutemax2020(登録商標))で販売されている、ならびに高含有量のトランスルテインおよび/またはゼアキサンチンを含む濃縮物(商品名ルテマックス(登録商標)(Lutemax(登録商標))で販売されている)の抗パーキンソン作用をテストした。
予備的試験から、2.5mgのルテインを含むトランスルテインおよびゼアキサンチン異性体の水溶性組成物が、より良好な抗パーキンソン作用を示すことが分かったため、この組成物を使用して、パーキンソン病の治療に使用される薬レボドパおよびカルビドパと同時投与した場合の当該組成物の作用を更にテストした。
以下の実施例は、本発明の一例として示すものであり、従って、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
ウィスターラットにおいて、ハロペリドールおよびロテノンによりパーキンソン病を誘発した。ラットにおいて、ハロペリドールはカタレプシーを誘発し、ロテノンはドーパミン作用の喪失を誘発する。
[パーキンソン病のハロペリドールモデルを用いたルテインの薬理評価]
動物:この試験にはハフキン研究所(Hafikines institute)から調達した雄ウィスターラットを使用した。雄ウィスターラットは、ボンベイ薬科大学(Bombay College of Pharmacy)の動物舎で気候順化させた。動物には、標準食を与え、12時間の明暗周期を維持した。
化学薬品:ハロペリドール(セレネース注5mg/ml、RPGライフサイエンス(RPG Life sciences))、カルボキシメチルセルロースナトリウム(トマス・ベイカー(Thomas Baker))。使用した全ての溶媒は、分析試薬(AR)グレードのものであり、SDファインケム(S.D. fine Chem)から入手した。
方法:
ラット(180〜220gm)を無作為に選択し、それぞれ動物6匹ずつを下記の群に分けた。
I群:陽性対照(PC)−罹患動物(ハロペリドール1.25mg/kg)
II群:正常対照(NC)−正常動物(溶媒)
A1群:トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体の水溶性組成物(50mg、2.5mgのルテイン含有)
A2群:トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体の水溶性組成物(100mg、5mgのルテイン含有)
B1群:トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体を含む濃縮物(50mg、33mgのルテイン含有)
B2群:トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体を含む濃縮物(100mg、66mgのルテイン含有)
C1群:高含有量のトランスルテインおよび/またはゼアキサンチンを含む濃縮物(50mg、35.5mgのルテイン含有)
C2群:高含有量のトランスルテインおよび/またはゼアキサンチンを含む濃縮物(100mg、71mgのルテイン含有)
D群:レボドパ75mg/kg+カルビドパ25mg/kg
E群:トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体の水溶性組成物(50mg/kg、2.5mgのルテイン含有、すなわち、5%ルテイン含有)
F1群:レボドパ75mg/kg+カルビドパ25mg/kg+5%ルテイン(50mg、2.5mgのルテイン含有)
F2群:レボドパ50mg/kg+カルビドパ12.5mg/kg+5%ルテイン(50mg、2.5mgのルテイン含有)
F3群:レボドパ25mg/kg+カルビドパ6.25mg/kg+5%ルテイン(50mg、2.5mgのルテイン含有)
投与量50mg/kgおよび100mg/kgは、試験化合物を0.5%水性カルボキシメチルセルロースナトリウムに懸濁させることにより調製した。
ハロペリドール誘発カタレプシー:上述の適量の被検薬を投与し、被検薬投与の1時間後、動物にハロペリドール1.25mg/kgで腹腔内チャレンジした。この投与計画を21日間継続し、7日間隔で、すなわち、第1日目、第7日目、第14日目および第21日目に行動評価を行った。第21日目に、行動学的研究後、動物を犠牲にした;脳を摘出し、モノアミンの定量に使用した。
以下の試験を行い、行動活性を評価した:
標準棒試験:
ラットの前肢を、背景白色(静的)雑音を有する防音エリアに位置する高さ12cmの水平棒上に配置した。カタレプシーは、3分間測定し、各テスト間に5〜10分間の中断をはさみ、各動物に関して3回連続して試験した。動物は、両前肢が少なくとも1分間棒上に留まった場合、カタレプシーであるとみなした。各動物のカタレプシースコア(不動時間(秒))は、平均スコアを算出することにより分析した(Mandhaneら、1997)。
アクトフォトメーター(Actophotometer):
アクトフォトメーターを用いて自発運動量を評価した。アクトフォトメーターは、プレキシガラスのケージ(30×23×22cm)から成る。ラットをこのケージに入れ、数分間、新しい環境に適応させた後、5分間運動量を記録した。配列された光電ビーム放射体対(photoelectric beam emitter pairs)(2.65cm間隔で配置)により、単一の運動軸に沿って動物の運動量を測定した;トータルフォトビームカウント/5分/動物を単位として、歩行運動を表した。(Mandhaneら、1997)
高架式十字迷路:
オープンアームからクローズドアームに侵入するための潜時である移動潜時を算出した。各動物に与えた最大時間は、90秒であった。これは、2つのオープンアームと2つのクローズドアームから成る高架式十字迷路において行った(Mandhaneら、1997)。
モノアミンの定量:
第21日目、行動学的研究後、動物を犠牲にし、脳を摘出した。モノアミンの定量に際しては、脳を秤量し、テフロン(Teflon)ホモジナイザーにおいて酸性化ブタノール中でホモジナイズし、遠心分離した。更に、上澄みを除去し、ヘプタンを用いて、ドーパミン(Dopamine)(Schmidt, 1958)、ノルエピネフリン(Norepinephrine)(Shoreら、1957)および5−ヒドロキシトリプタミン(5-Hydroxytryptamine)(Bogdanskiら、1955)を抽出した。
統計解析:平均および平均標準誤差を算出した。分散分析ANOVAを、データに適用した後、ポストテストとしてダネット検定(Dunnet's test)を行った。統計解析には、グラフパッドプリズムバージョン5.0を使用した。
行動学的研究:
カタレプシーに対する組合せ投与とルテインの作用を、標準棒試験により測定した。試験は10日間隔で行った。全数値は、カタレプシーの時間を秒で表している。棒試験の結果は以下の通りである:
Figure 2016520540
Figure 2016520540
Figure 2016520540
データは、平均値±標準誤差(n=10)を示す。一元配置分散分析後、ダネット検定(Dunnett's test)、(P<0.05)、*陽性対照群は、陰性対照群と有意に異なっている事が分かった。**投与群は、陽性対照群と有意に(P<0.05)異なっている事が分かった。
Figure 2016520540
データは、歩行運動カウントの平均値±標準誤差(n=10)を示す。一元配置分散分析後、ダネット検定、評価は、各5日間隔で行い、カウントは、動物それぞれに関して5分間測定した。*陽性対照群は、陰性対照群と有意に(P<0.05)異なっている事が分かった。**投与群は、陽性対照群と有意に(P<0.05)異なっている事が分かった。
Figure 2016520540
データは、移動潜時の平均値±標準誤差(n=10)を秒で示す。一元配置分散分析後、ダネット検定、*陽性対照群は、陰性対照群と有意に(P<0.05)異なっている事が分かった。**投与群は、陽性対照群と有意に(P<0.05)異なっている事が分かった。
[生化学評価]
脳内のモノアミン濃度に対する各種投与群の作用:
脳内のモノアミン濃度、すなわち、ドーパミン(Dopamine)、ノルエピネフリン(Norepinephrine)、5−ヒドロキシトリプタミン(5-Hydroxytryptamine)濃度を、試験の終わりに評価した。動物を犠牲にし、脳を摘出して神経伝達物質濃度を評価した。全数値は、脳重量μg/gで表す。
Figure 2016520540
データは、平均値±標準誤差(n=6)を示す。一元配置分散分析後、ダネット検定、P<0.05、*陽性対照群は、陰性対照群と有意に異なっている事が分かった。**投与群は、陽性対照群と有意に異なっている事が分かった。
[パーキンソン病のロテノンモデルを用いたルテインの薬理評価]
材料:
動物:この試験には、ハフキン研究所(Haffkines institute)から調達した雄ウィスターラットを使用した。雄ウィスターラットは、ボンベイ薬科大学(Bombay College of Pharmacy)の動物舎で気候順化させた。動物には、標準食を与え、12時間の明暗周期を維持した。
化学薬品: ロテノン(シグマ アルドリッチ(Sigma Aldrich))カルボキシメチルセルロースナトリウム(トマス・ベイカー)。使用した全ての溶媒は、分析試薬(AR)グレードのものであり、SDファインケムから入手した。
群:
ラット(180〜220gm)を無作為に選択し、それぞれ動物6匹ずつを下記の群に分けた。
I群:陽性対照(PC)(ロテノン、2mg/kg)
II群:正常対照(NC)(溶媒)
A1群:トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体の水溶性組成物(50mg、2.5mgのルテイン含有)
A2群:トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体の水溶性組成物(100mg、5mgのルテイン含有)
B1群:トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体を含む濃縮物(50mg、33mgのルテイン含有)
B2群:トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体を含む濃縮物(100mg、66mgのルテイン含有)
C1群:高含有量のトランスルテインおよび/またはゼアキサンチンを含む濃縮物(50mg、35.5mgのルテイン含有)
C2群:高含有量のトランスルテインおよび/またはゼアキサンチンを含む濃縮物(100mg、71mgのルテイン含有)
投与量50mg/kgおよび100mg/kgは、試験化合物を0.5%水性カルボキシメチルセルロースナトリウムに懸濁させることにより調製した。対照動物は、同量の適切な溶媒を与えられた。
ロテノン誘発パーキンソン病:上述の適量の被検薬を投与し、被検薬投与の1時間後、動物にロテノン2mg/kgで腹腔内チャレンジした。この投与計画を24日間継続し、10日間隔で、すなわち、第1日目、第10日目および第20日目にカタレプシーの行動評価を行った。自発運動量は、5日間隔で評価した。第24日目に、行動学的研究後、動物を犠牲にした;脳を摘出し脳内モノアミンの定量を行った。
以下の試験を行い、行動活性を評価した:
デジタルアクトフォトメーターを用いた自発運動量に対するルテインの作用:結果は、歩行運動カウントで示す。評価は、各5日間隔で行い、カウントは、動物それぞれに関して5分間測定した。
Figure 2016520540
データは、歩行運動カウントの平均値±標準誤差(n=8)を示す。一元配置分散分析後、ダネット検定、P<0.05、*陽性対照群は、陰性対照群と有意に異なる事が分かり、且つ、**投与群は、陽性対照群と有意に異なっている事が分かった。第20日目において、投与群A1とC1の間に有意な違いがあった。
記憶および認知機能に対するルテインの作用:この作用を、高架式十字迷路を用いて評価した。移動潜時、すなわち、クローズドアームに侵入するための潜時を測定し、記憶機能を評価した。結果は全て、秒で表す。
Figure 2016520540
データは、移動潜時の平均値±標準誤差(n=8)を秒で示す。一元配置分散分析後、ダネット検定、P<0.05、*陽性対照群は、陰性対照群と有意に異なる事が分かり、且つ、**投与群は、陽性対照群と有意に異なっている事が分かった。
標準棒試験によりカタレプシーに対するルテインの作用を測定した。試験は、10日間隔で行った。全数値は、カタレプシーの時間を秒で表している。
Figure 2016520540
データは、平均値±標準誤差(n=8)を示す。一元配置分散分析後、ダネット検定、P<0.05、*陽性対照群は、陰性対照群と有意に異なる事が分かり、且つ、**投与群は、陽性対照群と有意に異なっている事が分かった。
脳内モノアミンの定量
脳内のモノアミン濃度、すなわち、ドーパミン(Dopamine)、ノルエピネフリン(Norepinephrine)、5−ヒドロキシトリプタミン(5-Hydroxytryptamine)濃度を、試験の終わりに評価した。動物を犠牲にし、脳を摘出して神経伝達物質濃度を評価した。全数値は、脳重量μg/gで表す。
Figure 2016520540
データは、脳重量μg/gで表した平均値±標準誤差(n=8)を示す。一元配置分散分析後、ダネット検定、P<0.05、*陽性対照群は、陰性対照群と有意に異なる事が分かり、且つ、**投与群は、陽性対照群と有意に異なっている事が分かった。
考察:
パーキンソン病(P.D)の主な症状のいくつかとしては、カタレプシー(運動の硬直)、無動(運動の低下)、振戦および記憶喪失が挙げられる。従って、抗パーキンソン病薬の可能性を示すいかなる分子も、P.Dのこれらの症状を最小限にできるまたは抑制できるはずである。本試験では、3つの異なる濃度でルテインを含有する3つのサンプルのカタレプシーに対する作用を、棒試験を行うことにより評価した。棒試験は、動物において誘発されたカタレプシーの程度を示す。棒試験による評価は、試験の第1日目、第7日目、第14日目および第21日目に行った。罹患対照群は、陰性対照、すなわち、正常動物(P<0.05)の群と、評価した全ての時間間隔において有意に異なる事が分かった。ルテインを投与した全ての群は、陽性対照と比べ、有意な(P<0.05)抗カタレプシー作用を示した。ルテインは、いずれの投与量(50mg/kgおよび100mg/kg)においても、また供した全ての濃度においても、顕著な抗カタレプシー作用を示した。
本試験において、次に、トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体の水溶性組成物(50mg、2.5mgのルテイン含有、つまり、5%ルテイン含有)を、異なる投与量のレボドパおよびカルビドパと併用した。試したレボドパの異なる投与量は、75、50および25mg/kgであり、トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体の水溶性組成物(50mg、2.5mgのルテイン含有、つまり、5%ルテイン含有)と併用した。カタレプシーに関する当該投与量の試験において、全組合せの投与群は、陽性対照群と有意に異なることが分かった。これは、トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体の水溶性組成物(50mg、2.5mgのルテイン含有、つまり、5%ルテイン含有)を用いた処置が、レボドパおよびカルビドパの投与量を3分の1に減らした可能性があることを示す。
無動は、P.Dのほぼ全ての患者において見られるP.Dの顕著な特徴的症状である。アクトフォトメーターを用いて、ハロペリドール誘発の運動低下の自発運動量に対するルテインの作用を評価した。この試験は、本試験の第5日目、第10日目、第15日目および第20日目に行った。第5日目、第10日目、第15日目において、陽性対照は、陰性対照と有意に異なった(P<0.05)が、投与群と陽性対照群との間では自発運動量に有意な違いがなかったことは結果から明白である。第20日目において、全ての投与群が陽性対照群と有意に異なる(P<0.05)ことは結果から明らかである。従って、運動性変化に対するルテインの作用は、ルテインの規則的投与で向上すると結論づけられる。
レボドパおよびカルビドパを用いた全ての組合せの投与では、陽性対照群と比べ歩行運動カウントが著しく回復した一方で、レボドパ75mg/kg+カルビドパ25mg/kg+5%ルテインは、陰性対照群と比べ何ら有意な違いは示さなかったが、全体として、レボドパ50mg/kg+カルビドパ50mg/kg+5%ルテインおよびレボドパ25mg/kg+カルビドパ75mg/kg+5%ルテイン投与群とは、有意に異なっていた。
高架式十字迷路(EPM)を用いて移動潜時(TL)を測定することにより、学習および記憶に対するルテインの作用を評価した。潜時、すなわち、動物がEPMのクローズドアームに侵入するのにかかった時間を測定した。TLは、本試験の第21日目に測定した。陽性対照群の動物は、制限時間の90秒を超えた。一方で、陰性対照群の動物は、陽性対照に比べ比較的短時間で侵入した。従って、陽性対照は、陰性対照に比べて、有意に異なる(P<0.05)TLを示した。全ての投与群は、陽性対照に比べて、有意に異なる(P<0.05)TLを示した。組合せ試験群の場合、全ての投与群は、陽性対照群に比べて移動潜時が著しく回復した。
本試験の第21日目に、動物を犠牲にした後、脳内のモノアミン濃度に対するルテインの作用も評価した。P.Dにおいては、ドーパミン作動性ニューロンの死が起こり、脳内のドーパミン濃度の低下が見られる。ドーパミンは、身体運動に関して、重要な神経伝達物質である。従って、ドーパミンは、P.Dにおいて最も重要なバイオマーカーである。ドーパミン濃度の上昇または低下は、P.Dの程度を示唆する。更に、ノルアドレナリンは、記憶に関わるものであり、P.Dの後期において、ノルアドレナリンを分泌する青斑核が損傷するため、ノルアドレナリン濃度も測定した。この他、3つ全てのモノアミンの濃度は互いに依存しているため、モノアミンの定量を行った。
ドーパミン、ノルアドレナリンおよび5−ヒドロキシトリプタミンにおいて、陽性対照は陰性対照と有意に異なっていた(P<0.05)。投与群においては、陽性対照群と比べ、ドーパミン、ノルアドレナリンおよび5−ヒドロキシトリプタミン濃度は著しく高かった。従って、ルテインは、モノアミン濃度を著しく上昇させる可能性を有する。全ての組合せの投与群において、脳内のドーパミン濃度が著しく回復した。
ルテインは、試験した全濃度および全投与量において、抗パーキンソン病薬として作用し得る。トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体を含む水溶性組成物(50mg、2.5mgのルテイン含有、すなわち、5%ルテイン含有)は、高濃度のトランスルテインおよびゼアキサンチンを含む濃縮物に比べ、14.2倍高い作用を示し、トランスルテインおよびゼアキサンチン異性体を含む濃縮物に比べ、13.2倍高い作用を示す。上記データおよび結果から、高濃度のルテイン(すなわち、71%および66%ルテイン)を含む濃縮物と比べた場合、低濃度のルテイン、すなわち、5%ルテインを含むトランスルテインおよびゼアキサンチン異性体の水溶性組成物が、パーキンソン病の予防において同様のまたはより高い作用を示すことは明らかである。
異なる投与量でのレボドパおよびカルビドパとの組合せ試験により、レボドパ25mg/kgおよびカルビドパ6.25mg/kgと5%ルテイン50mg/kgとの組合せが、あらゆる面においてより優れており、レボドパおよびカルビドパの投与量を減らすと共に、パーキンソン病に抗する可能性を示すことが分かった。

Claims (13)

  1. ヒトの食用として安全であり、特に、栄養および健康増進に貢献する栄養補助食品として有用な、神経変性障害予防のためのカロテノイドの分子分散物を含む組成物の使用。
  2. 前記神経変性障害が、パーキンソン病、ダウン症候群、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、認知障害、認知症である、請求項1に記載の神経変性障害予防のためのカロテノイドの分子分散物を含む組成物の使用。
  3. 前記神経変性障害がパーキンソン病である、請求項1および2に記載の神経変性障害予防のためのカロテノイドの分子分散物を含む組成物の使用。
  4. 投与量を減らしたレボドパおよびカルビドパと共に同時投与することによる、パーキンソン病の治療におけるカロテノイドの分子分散物を含む組成物の使用。
  5. 前記組成物は、1日あたり0.5mg〜100mgの範囲で投与される、請求項1および4に記載のカロテノイドの分子分散物を含む組成物。
  6. 前記レボドパが、1日あたり25mg〜75mgの範囲で使用される、請求項4に記載の投与量を減らしたレボドパおよびカルビドパと共に同時投与することによる、パーキンソン病の治療におけるカロテノイドの分子分散物を含む組成物の使用。
  7. 前記カルビドパが、1日あたり6.25mg〜25mgの範囲で使用される、請求項4に記載の投与量を減らしたレボドパおよびカルビドパと共に同時投与することによる、パーキンソン病の治療におけるカロテノイドの分子分散物を含む組成物の使用。
  8. 前記組成物が、カロテノイド;安定剤;水溶性親水性担体および任意に界面活性物質を含む、請求項1〜7に記載のカロテノイドの分子分散物を含む組成物。
  9. 前記組成物は、含まれる全キサントフィルが少なくとも80重量%であり(全キサントフィル中、トランスルテイン含有量が80〜95%w/wであり;(R,R)−ゼアキサンチンが14〜20%w/wであり;(R,S)−ゼアキサンチンが0.01〜1%w/wである)、キサントフィル/キサントフィルエステルを含む植物抽出物/オレオレジン由来の微量の他のカロテノイドを含む、請求項1〜8に記載のカロテノイドの分子分散物を含む組成物。
  10. 前記安定剤が、アスコルビン酸、BHA、BHT、パルミチン酸アスコルビル、ローズマリー抽出物、混合天然トコフェロール、α−トコフェリルアセタート、アスコルビン酸ナトリウム、ヒマシ油誘導体、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物から選択される、請求項1〜9に記載のカロテノイドの分子分散物を含む組成物。
  11. 使用される前記担体が、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ブドウ糖果糖液糖、コーンスティープリカー、マンニトール、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール10000、ポリエチレングリコール20000、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ショ糖、グルコース、塩化ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、可溶性デンプン、加水分解デンプンおよびそれらの混合物から選択される、請求項1〜9に記載のカロテノイドの分子分散物を含む組成物。
  12. 前記界面活性物質が、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜9に記載のカロテノイドの分子分散物を含む組成物。
  13. 前記分散物が、粉末、錠剤、カプセル、小袋、ビーズレット、マイクロカプセル粉末、油懸濁液、液体分散物、ペレット、ソフトゲルカプセル、チュアブル錠または液体製剤の形態である、前記請求項に記載のカロテノイドの分子分散物を含む組成物。
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