JP2016518974A - リニアモーションミキサ - Google Patents
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Abstract
リニアモーションミキサは、スコッチヨーク式の往復駆動アセンブリを備え、その往復駆動アセンブリでは、第1と第2のコラムベアリングシャフト(Thomsonシャフト)上に、2つ以上の輪郭成形ベアリングシャフトローラによってヨークアセンブリが取り付けられている。ヨークアセンブリのウェイシャフトが、好ましくは、これらと駆動的に相互作用するクランクアセンブリのローラホイールのミスアライメントに適応するために、それらの長手軸の周りに回転するように、取り付けられている。シリンダロッド端アライメントカプラが、好ましくは、アンバランスなねじり力および剪断力がミキシングシャフトからヨークアセンブリに伝達されることを略阻止するように、駆動アセンブリのヨークアセンブリと下流の構成要素との間に相互接続されている。これらおよび他の改良は、それらを組み込んだ往復駆動アセンブリの生産コスト、エネルギー損失、過度の摩耗、および固着またはラッキングを、減少させるものである。【選択図】図3
Description
本発明は、流体を混合するためのリニアモーションミキサに関し、より具体的には、そのようなミキサに使用される往復駆動アセンブリにおける改良に関するものである。
本願の発明は、略継続的に工業および商業プロセスを実施する目的で、大型容器内で流体を混合するためのリニアモーションミキサの利用における先駆的なものである。そのような継続的プロセスの例として、鉱業分野におけるフロス分離および溶媒抽出電解採取、ならびに廃水処理分野における都市廃水消化槽での下水汚泥のバクテリア消化、が含まれる。これらの大規模な混合処理での使用に限定されないものの、これらの大規模処理において、先行技術による複数の回転式ミキサを単一のリニアモーションミキサで置き換えることにより達成される、混合特性の向上、運転エネルギーの節約、および保守コストの減少は、より重要であるとともに、自明のことである。
本発明の先行技術のリニアモーションミキサは、数ある中でも特に、特許文献1、特許文献2、および特許文献3に開示されており、これらの参考文献はすべて、参照により本明細書に組み込まれる。これらの先行技術文献のすべてに共通して開示されている往復駆動アセンブリは、所謂「スコッチヨーク機構」であり、この機構では、回転フライホイール上のクランクアセンブリが、ヨークアセンブリの水平レース内で往復動し、これにより、ヨーク部材を、1つ以上の垂直方向直線軌道スライド/ガイドレールに対して、上下にスライドさせる。垂直方向のミキシングシャフトは、その下端付近に堅固に取り付けられたミキシングヘッドを有し、その上端付近で、シャフト取付けアセンブリによってヨーク部材に接続されており、これにより、フライホイールの回転に伴ってヨーク部材の往復動を駆動シャフトに付与する。
特許文献1〜3は、フライホイールの回転動をミキシングシャフトおよび装着されたミキシングヘッドの往復動に変換するためにスコッチヨーク駆動アセンブリを用いることの利点を、実証し、開示し、教示しているが、一方、本発明者は、この技術をリニアモーションミキサに最初に適用した者として、その生産および現場設置を簡素化するとともにコストを削減するため、その動作信頼性を向上させるため、ならびにその保守効率を向上させるための、この技術におけるさらなる改善の必要性を認識するようになった。
そこで、本発明の目的は、精密公差で機械加工される複雑な部品の必要性を低減することにより、製造コストおよび複雑さの著しい低減を示す、リニアモーションミキサ用の改良された往復駆動アセンブリを提供することである。
本発明のさらなる目的は、リニアモーションミキサで使用するための改良された往復駆動アセンブリであって、本目的に適した先行技術によるスコッチヨーク機構で使用するために既に利用できるものよりも、製造公差および組立て公差の許容範囲がはるかに広いアセンブリを使用することによって、現場における設置、組み立て、および保守がより簡単な駆動アセンブリを提供することである。
本発明のさらなる目的は、本目的で使用される先行技術のスコッチヨーク機構につきものの摩擦損失を低減することにより、エネルギー消費を削減する、リニアモーションミキサ用の改良された往復駆動アセンブリを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、高信頼性かつエネルギー効率的な動作のための継続的な注油を必要としないことにより、保守要求を著しく軽減する、リニアモーションミキサ用の改良された往復駆動アセンブリを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、ヨークアセンブリがリニアベアリングスライドに沿って往復動するときに、ミキシングシャフトによるヨークアセンブリの横荷重がアンバランスであることによる、リニアベアリングスライドとヨークアセンブリとの間の固着および/または詰まりに起因するエネルギー損失および保守の問題が生じにくい、リニアモーションミキサ用の改良された往復駆動アセンブリを提供することである。
このため、本発明の一態様により、容器内の流体を混合するためのリニアモーションミキサを開示し、該ミキサは、上端部と下端部とを有してその間に延びる長手軸を規定するミキシングシャフトを備えるタイプのものである。ミキシングシャフトは、その下端部付近に、混合される流体中に浸漬するためのミキシングヘッドを支持している。改良された往復駆動アセンブリは、長手軸に平行な往復動をミキシングヘッドに付与するために、ミキシングシャフトに対してその上端部付近で、接続可能である。改良された駆動アセンブリは、長手軸に対して略垂直に延びる回転軸の周りに回転するように取り付けられたフライホイールと、回転軸に略平行な方向にフライホイールから突出しているクランクアセンブリと、長手軸に略平行な一対のガイド軸を規定するように互いに横方向に離間した関係で、長手軸に略平行にそれぞれ延びる第1と第2のコラムベアリングシャフトと、第1と第2のコラムベアリングシャフトの間に配置されたヨークアセンブリと、を備え、ヨークアセンブリは、これに、第1と第2のコラムベアリングシャフトの各々とそれぞれ転がり接触するように取り付けられた、2つ以上の輪郭成形ベアリングシャフトローラを有する。この構成により、2つのガイド軸に対して略平行に、コラムベアリングシャフトに沿って、ヨークアセンブリの転動を提供する。
ヨークアセンブリは、クランクアセンブリによる作動的接触を受けるように互いに対向して配置された上側ウェイシャフトの下面と下側ウェイシャフトの上面との間に画成された、直線レースをさらに有する。レースは、ヨークアセンブリ内に配置されており、上記の上面および下面はそれぞれ、回転軸と長手軸の両方に対して略垂直な向きに配置されている。ミキシングシャフトは、ヨークアセンブリと共に動くように、その上端付近で、ヨークアセンブリに接続されている。
この構成により、フライホイールを回転させると、クランクアセンブリは、レース内で行き来するように直線的に並進させられ、これにより、ヨークアセンブリを、第1と第2のコラムベアリングシャフトに沿って往復転動させることで、その往復動をミキシングヘッドに付与する。本発明の一実施形態によれば、往復駆動アセンブリは、4つの輪郭成形ベアリングシャフトローラを有し、これらは、ヨークアセンブリの両側付近にそれぞれ2つずつ、第1と第2のコラムベアリングシャフトのうちの対応する1つに転がり接触するように、作動的に取り付けられている。
輪郭成形ベアリングシャフトローラの各々は、好ましくは、ゼロメンテナンス・アンギュラコンタクト・ボールベアリングアセンブリを用いて、ヨークアセンブリ上で回転するように取り付けられている。
本発明の別の態様によれば、ウェイシャフトのうちの少なくとも一方、好ましくは両方は、クランクアセンブリによる作動的接触を受けると、その対応する対称軸の周りに回転するように、ヨークアセンブリ上に取り付けられている。必須ではないが好ましくは、ウェイシャフトの上面と下面はどちらも、熱硬化合金鋼材料で形成されている。
本発明のさらに別の態様によれば、上側および下側ウェイ面と転がり接触することで、それらとの上記作動的接触にクランクアセンブリによる作用を及ぼすためのローラホイールが、クランクアセンブリ上に回転可能に取り付けられている。このローラホイールは、好ましくは、上側および下側ウェイ面と転がり接触するための硬化鋼の外面を有し、さらに好ましくは、低摩擦・高荷重ベアリングハブによって、クランクアセンブリ上に回転可能に取り付けられている。コストを削減し、保守を軽減し、耐久性を向上させるためには、このベアリングハブは、最も好ましくは、市販のトラック車用ベアリングハブである。
本発明のさらに別の態様によれば、ミキシングシャフトのミスアライメント、およびその結果として、ヨークアセンブリがリニアベアリングスライドに沿って往復動する際のミキシングシャフトによるヨークアセンブリの横荷重のアンバランスを軽減するために、ミキシングシャフトは、好ましくは、ヨークアセンブリとシャフトの上端部との間に介在させたシリンダロッド端アライメントカプラによって、ヨークアセンブリに接続されている。
本発明のさらに別の態様によれば、長手軸、一対のガイド軸、上側および下側ウェイシャフトの対称軸は、いずれも、互いに略共通の垂直平面内に位置づけられることが、必須ではないものの、好ましい。この構成により、さもなければ、異なる垂直平面に位置する場合のこれらの構成要素のミスアライメントによって生じ得る曲げ荷重が、低減する。これによって、結果的に生じる摩耗がいずれも有意に最小限に抑えられることで、往復駆動アセンブリの機械効率および寿命は向上する。
本発明の上記および他の目的、効果、機能、および特徴、ならびに、部品の構造および組み合わせの関連要素の動作方法および機能、および製造の経済性は、以下の詳細な説明および添付の請求項を、以下で簡単に説明する添付の図面を参照して考察することで、より明らかになる。
本発明の特徴であると考えられる、その構造、構成、使用、および動作方法に関する新規な特徴は、そのさらなる目的および効果と共に、本発明の現下での好ましい実施形態を例として示す以下の図面から、より良く理解される。なお、それらの図面は、単に例示および説明を目的とするものであって、本発明の範囲を規定する目的のものではないことが明確に理解される。
特に図1を参照すると、リニアモーションミキサ20を示しており、容器21内の流体28を混合するために、容器21(この場合は都市下水消化槽であり、一部破断して示している)の頂部に設置されたところを示している。他の任意のタイプの容器を、その頂端を開状態または閉状態のいずれかで、ミキサ20と共に使用することができる。
リニアモーションミキサ20は、上端部84aと下端部84bとを有するミキシングシャフト84を備え、このミキシングシャフト84は、上端部と下端部との間に延びる長手軸“A”を規定している。ミキシングシャフト84は、その下端部84b付近に、混合される流体28中に浸漬するためのミキシングヘッド74を支持している。ミキシングシャフト84は、例えば特許文献3に記載されている目的で、その上端部84aの周りを、容器21の頂部に配置されたベースプレート25から下方に延出するドラフトチューブ200によって取り囲むことができるが、ただし、このような包囲は、具体的なミキサの用途に応じて、完全に任意選択的なものである。
全体を参照番号42で示す往復駆動アセンブリは、必須ではないが好ましくはロッドアイカップリング35によって解除可能に、ミキシングシャフト84に接続可能であり、そのロッドアイカップリング35は、その上端に閉ループを有し、往復駆動アセンブリ42に対して、これによって動くように取り付けられており、そして取り外し可能なクレビスピン36が、ロッドアイカップリング35の下側本体部とミキシングシャフト84の上端部84aに貫通している。
図2〜4に示すように、先行技術のリニアモーションミキサに対する改良として、クレビスピン36を、ロッドアイカップリング35の下側本体部と、シリンダロッド端アライメントカプラ32(以下、「CREAC」)の上端部34と、に貫通させることが好ましく、そのCREACは、その下端部33で、ミキシングシャフト84の上端部84aに装着されている。CREAC32は、好ましくは、その下端部33をスエージプラグ37によって堅固に保持されており、そのスエージプラグは、ミキシングシャフト84の上端部84aに挿入されるとともに堅固に保持されている。このような構成により、CREACの下端部33は、その上端部34に対して、軸“A”の周りに自由に回転することができ、その結果、リニアモーションミキサ20の動作中に流体28を通る軸“A”に沿ったミキシングヘッド74の往復動によって生じ得るCREACの下端部33のねじり荷重はいずれも、CREACの上端部34には伝達されず、従って、リニアモーションミキサ20の往復駆動アセンブリ42の上流側の構成部品に対して、そのような上流側の構成部品への損傷効果の可能性を伴って、伝達されることはない。
CREACは、図2〜4におけるクレビスブラケット35の直下に、断面で最も良く示されている。適切な形態のCREACは、米国ミシガン州 AlpinaのDouville Johnston Corporationの一部門であるMagnaloy Coupling Companyから入手可能である。モデルMシリーズは、前の段落で言及した回転自由度に加えて、ミキシングシャフト84の10度の球面方向ミスアライメント、および1/8インチの横方向ミスアライメントに適応する。モデルRシリーズは、7.5度の球面方向ミスアライメント、および1/8インチの横方向ミスアライメントに適応する。図8に部品29として示すCREACは、Magnaloy(登録商標)MO50−12412 シリンダロッド端アライメントカプラである。本明細書で開示される本発明の2つの実施形態に示すように、リニアモーションミキサ20のドライブラインに、往復駆動アセンブリ42とミキシングヘッドシャフト84の上端部との間の連結ジャンクションにおいて、CREACを挿入すると、これによって、ミキシングヘッド74が往復動する際の往復駆動アセンブリ42のヨークアセンブリのはるかに均等な荷重が可能となることから、先行技術に比して顕著な改善を示し、その結果、動作耐性が向上するとともに、寿命が長くなる。ミキシングシャフト84のこのようなミスアライメントは、往復駆動アセンブリ42を製造する業者とは異なる業者によってミキシングシャフト/ミキシングヘッド74サブアセンブリが製造されるというような、または長手軸“A”とこれらの構成要素の精密なアライメントを確保する意欲もしくは配慮のない請負業者によってこのサブアセンブリが取り付けられるというような、またはこのようなミスアライメントがリニアモーションミキサの配送もしくは組み立ての際の取り扱いミスに起因するというような、一般的な状況において、特に煩雑である。
往復駆動アセンブリ42は、好ましくは、ハウジング43内に取り付けられた所謂「スコッチヨーク」機構であり、そのハウジングは、分かりやすくするために図2〜7に示すような概ねオープンフレームのものとすることができ、またはより一般的には、往復駆動アセンブリ42を風雨および破壊行為から保護するために全閉形のものとすることができ、全閉形ハウジング43は、図1にのみ示している。「スコッチヨーク機構」と「往復駆動アセンブリ」という2つの用語は、本明細書および添付の請求項では、区別なく用いられる。記載のスコッチヨーク機構42は、特許文献3に記載されたものと構造的および機能的に類似したものであるが、ただし、これに比して、本明細書で開示される請求項に係る改善された実施形態は、顕著な改良および改善が組み込まれている。前述のように、往復駆動アセンブリ42を、ミキシングシャフト84にその上端部84a付近で接続することによって、駆動アセンブリ42は、その往復動を、それに装着されたミキシングシャフト84およびミキシングヘッド74に対して、図1に両矢印「s」で示すストローク長に沿った長手軸“A”に対して略平行に、付与することが可能である(ミキシングヘッド74は、そのストローク長の最下点には実線で、そのストローク長の最上点には仮想線で、示している)。
図1〜6に示すスコッチヨーク機構42は、歯車減速ユニット122のキー付き出力シャフト127上で回転軸“B”の周りに回転するように取り付けられたフライホイール126を備え、その回転軸“B”は、長手軸“A”に対して略垂直に延びている。キー付き出力シャフト127は、通常通りに、駆動モータ108により歯車減速ユニット122を介して回転駆動され、その駆動モータは、例えば定格で約4〜20馬力の電気駆動モータであって、好ましくは、ハウジング43の背後で歯車減速ユニット122の頂部に取り付けられている。
クランクアセンブリ110が、フライホイール126上に取り付けられて、そこから回転軸“B”に略平行な方向に突き出すことで、図2および4に示すように軸“C”を規定している。クランクアセンブリ110は、好ましくは、クランクアーム113(図面に示すようにフライホイール126と一体とすることができ、またはフライホイールの回転によって駆動されるようにフライホイール126に作動的に接続された別部材とすることができ、この後者の構成は、例えば、特許文献1、特許文献2、および特許文献3に例示されている)と、さらに低摩擦・高荷重ベアリングハブ110と、を有し、低摩擦・高荷重ベアリングハブは、より好ましくは自動車車輪用ベアリングハブ110、最も好ましくは市販のトラック車輪用ベアリングハブ110であって、図4に最も良く示されているように、クランクアーム113にボルト115で固定された内側アクスルスタブ部110bと、アクスルスタブ部110bの周りに回転するように高荷重・自動車車輪用ベアリング110cによって取り付けられた外側ハブ部110aと、を有する。本用途に有用であることを本出願人が確認した適切な低摩擦・高荷重の市販のトラック車輪用ベアリングハブは、Chevrolet2500シリーズ4×4トラック用の前端車輪用ベアリングハブであって、北米各地のChevrolet販売店から、さらにはカナダの至る所にあるPartSourceストアからMOOG製ステアリング・サスペンション部品#013−0513−0として、入手できる。目の前の特定の混合用途で予想される動的荷重に対処するために、他の高荷重・自動車車輪用ベアリングハブを、開示されたモデルの代用とすることが可能である。車輪用ベアリングハブ110は、好ましくは、保守を軽減するとともに、ハブベアリング110cの寿命を長くするために、高荷重用潤滑剤が予め封入されている。既存の自動車車輪用ベアリングハブ110を使用することは、そのようなハブは非常に堅牢であって、駆動アセンブリ42に容易に装着されるとともに、市場で妥当なコストで容易に入手可能であり、また、それらの性能仕様および荷重特性が既知であることで、リニアモーションミキサの新規モデルの試験時間および開発時間が削減されるので、非常に有益かつコスト効果的である。
硬化鋼の外周面114を少なくとも有するローラホイール112が、自動車車輪用ベアリングハブ110の外側ハブ部110a上に、ボルト116によって作動的に取り付けられており、それらのボルトは、ローラホイール112を、外側ハブ部110aに対して、これと共に軸“C”の周りに回転するように、締結している。鋼外周面114の硬化は、例えば、熱処理によるものとすることができる。
第1のコラムベアリングシャフト71および第2のコラムベアリングシャフト72が、互いに横方向に離間した関係でハウジング43内に取り付けられており、これらはそれぞれ、長手軸“A”に対して略平行に延在して、これにより、長手軸“A”に対して略平行な一対のガイド軸“D”および“E”を規定している。コラムベアリングシャフト71、72は、必須ではないが好ましくは、SAE4340のような高抗張力合金鋼の円柱棒材から形成される。コラムベアリングシャフト71、72は、何らかの機械加工の後に、ロックウェルC硬さで39〜41の心部硬さに熱処理することができる。
コラムベアリングシャフト71、72は、好ましくは、それらの有効長さに沿って障害物が略無いように、それらの頂端と底端の付近でハウジング43に取り付けられており、また、図示のように、略円形の断面のものであることが好ましい。この構成によって、駆動アセンブリ42のより高い設計自由度が確保されるだけではなく、本説明が進むにつれてさらに明らかとなるように、典型的な先行技術の構成よりも、往復駆動アセンブリ42の摩擦損失を低減することが可能となる。
オプションとして1つ以上のシャフト支持ボルト109が、それぞれのコラムベアリングシャフト71、72のガイド軸“D”および“E”にアライメントされて、ハウジング43の側面に取り付けられている。これらの支持ボルト109は長さを調整可能であり、これにより、隣接するコラムベアリングシャフト71、72に可変的に圧力をかけることで、それを、対応するガイド軸“D”または“E”から横曲げによってずれないように支持する。これにより、上記の軸“D”および“E”とコラムベアリングシャフト71、72のツルーイング・アライメントが可能となる。
往復駆動アセンブリ42は、第1のコラムベアリングシャフト71と第2のコラムベアリングシャフト72との間に配置されたヨークアセンブリ90をさらに有し、これは、本明細書においてさらに詳細に後述するように、長手軸“A”に対して略平行に、これらのベアリングシャフトを行き来するように往復動する。
ヨークアセンブリは、先行技術では、(特許文献1、特許文献2、および特許文献3に示されているように)単体モノブロック構造を有するヨーク本体で構成されていたが、このような構成は、精密公差で多くの機械加工を必要とし、その機械加工は、困難でコストがかかるだけではなく、動作中にミキシングシャフト84によって駆動アセンブリ42に取り込まれる偏心荷重(すなわち、軸“A”に対してスキューした荷重)をほとんど許容しない。これに対し、図1〜6に開示しているようなヨークアセンブリ90の本体92は、2つの平板92a、92bで構成することができ、それらの平板は、互いに平行に離間した関係に、4つの輪郭成形ベアリングシャフトローラ94によって保持されており、それらの輪郭成形ベアリングシャフトローラは、ヨークアセンブリ90の両側93aと93bの付近にそれぞれ2つずつ、その2つずつのローラ94が第1のコラムベアリングシャフト71および第2のコラムベアリングシャフト72のうちの対応する1つと転がり接触するように、作動的に取り付けられている。
4つの輪郭成形ベアリングシャフトローラ94の各々は、好ましくは、ハブ部材96によって、ヨークアセンブリ90上で中心軸“H”の周りに回転するように取り付けられており、そのハブ部材には、回転摩擦を低減するための1つ以上のボールベアリングアセンブリが組み込まれて、それらを介して、ハブ部材96に中心ボルト98が貫通しており、そのボルトは、その周りで対応するローラ94が回転し得るアクスルシャフトとして機能するだけではなく、ヨークアセンブリ90の各種構成要素を図示のような組み立てられた関係で1つにまとめて保持するためのファスナとしても機能する。ハブ部材96の中のボールベアリングアセンブリは、最も好ましくは、ゼロメンテナンス・アンギュラコンタクト・ボールベアリングアセンブリである。また、4つの輪郭成形ベアリングシャフトローラ94の各々は、好ましくは、それらが転動する第1のコラムベアリングシャフト71と第2のコラムベアリングシャフト72の円柱外周面との転がり接触の面積を最小化するように輪郭形成された凹状の外周面を呈する。
ベアリングシャフト71、72は、好ましくは、高抗張力合金鋼から製造されて、好ましくは、特別な耐久性のために熱処理される。同様に、ベアリングシャフトローラ94は、好ましくは、高抗張力合金鋼から形成されて、少なくとも外周接触面は、同じく熱処理されている。これらの明細はすべて、ヨークアセンブリ90がシャフト71、72に対して往復動する際のベアリングシャフトローラ94とシャフト71、72との間の転がり摩擦を最小限に抑えることにより、リニアモーションミキサ20のエネルギー消費を削減すること、保守間隔を長くすること、および駆動アセンブリ42の寿命を長くすること、を目的とするものである。この構成により、ベアリングシャフトローラ94は、前述のように、コラムベアリングシャフト71、72に沿って、ガイド軸“D”と“E”および長手軸“A”に対して略平行に、ヨークアセンブリ90の転動を提供する。
図2〜6に示すように、ヨークアセンブリ90は、互いに対向して配置された上側ウェイシャフト101の下面101aと下側ウェイシャフト102の上面102aとの間に画成される略水平な直線レース100をさらに有し、これは、クランクアセンブリ110のローラホイール112の硬化鋼の外周面114と作動的に転がり接触する。レース100は、ヨークアセンブリ90内で2つの板92a、92bの間に、2つの平板92a、92bの各々の中央に位置する細長い卵形輪郭の開口部と垂直方向に位置合わせされて、配置されている。上面102aおよび下面101aのそれぞれは、回転軸“B”と長手軸“A”の両方に略垂直な向きとなるように配置されている。必ずしも必要ではないが、理想的には、上面102aと下面101aはどちらも、略平面状であって、互いに略平行である。
本発明の往復駆動アセンブリ42の製造効率および運転効率および動作耐性をさらに向上させることにより、過度の摩耗または偏摩耗を軽減するとともに、ミキシングシャフト84と長手軸“A”とのミスアライメントを理由とする例えばスコッチヨーク機構の偏荷重による、またはローラホイール112の硬化外周面114とウェイシャフト101、102のそれぞれ上面102aまたは下面101aとの間の偏当たりによる、駆動アセンブリ42の詰まりの可能性を軽減するためには、上側ウェイシャフト101と下側ウェイシャフト102のうちの少なくともの一方を、クランクアセンブリ110による作動的接触を受けると、その対応する対称軸“F”の周りに回転するように、ヨークアセンブリ90上に取り付けることが好ましい。これによって、ウェイシャフト101、102とローラホイール112との間で、ある程度のセルフアライメントが可能となり、それらの間でより円滑な連動が構築される。
図示のウェイシャフト101、102は、好ましくは、SAE4340合金鋼のような高抗張力合金鋼の円柱棒材から機械加工される。図2〜6に最も良く示されているように、それぞれのウェイ面101a、102aは、棒材の一側面に平滑な平面として機械加工され、さらに、小径円柱ベアリングスタブ部103が、対称軸“F”上に中心を置いて、両端のそれぞれから突出するように機械加工される。機械加工の後に、ウェイシャフト101、102は、好ましくは、ロックウェルC硬さで39〜41の心部硬さに熱処理される。
図2〜6において、ベアリングスタブ部103の各々は、対応するベアリング取付ブロック105の密嵌軸穴内に、回転するように取り付けられて、支持されている。ベアリング取付ブロック105の各々は、横断取付ピン106の助けによって、ヨークアセンブリ90の板92a、92bの間で動かないように、それぞれ保持され、その取付ピン自体は、その各自由端付近で、ヨークアセンブリ90の対向板92a、92bのそれぞれに形成された位置整合取付開口107内に堅固に保持されている。
動作時には、駆動モータ108に通電することで、歯車減速ユニット122のキー付き出力シャフト127を回転させ、これによって次に、フライホイール126を回転軸“B”の周りに回転させる。フライホイール126のこの回転によって、これに回転可能に取り付けられたローラホイール112の硬化鋼の外周面114を、レース100内で行き来するように並進させ、この複合動作によって、第1のコラムベアリングシャフト71および第2のコラムベアリングシャフト72に転がり接触する輪郭成形ベアリングシャフトローラ94を用いて、ヨークアセンブリ90を第1のコラムベアリングシャフト71および第2のコラムベアリングシャフト72に沿って往復転動させることで、長手軸“A”に略平行な方向の、ヨークアセンブリ90の往復動を、ミキシングシャフトの上端部84a付近でヨークアセンブリ90に取り付けられているミキシングシャフト84に付与し、そして最終的に、ミキシングシャフト84の下端部84b付近に取り付けられているミキシングヘッドに付与し、これにより、容器21内の流体28を混合する。
図7〜14は、本発明に係るリニアモーションミキサで使用するための改良された往復駆動アセンブリ42の第2の実施形態に関するものである。図1〜6に示す第1の実施形態に使用された参照番号は、その大部分が、第2の実施形態の対応する部品およびアセンブリを示すために図7〜14に流用されている。また、図1〜6に示す様々な軸を表すために使用された同じ参照文字を、図7〜14においても使用している。必要に応じて、さらなる参照番号を追加して使用している。
図1〜6に示す第1の実施形態と図7〜14に示す第2の実施形態との違いは、主として、ヨークアセンブリ90の構成態様の違いに関し、その違いは、生産をより低コストにするとともに、使用時の組み立ておよび修理を容易とするために、往復駆動アセンブリ42を最適化するものである。平均的な当業者であれば容易に理解できるように、図1〜14に示す第1と第2の実施形態は、その他のすべての重要な点において実質的に同じである。よって、2つの実施形態の重要な相違点についてのみ、以下で説明する。
それらの相違点について、注目されるのは、第1の実施形態のヨークアセンブリ90の本体92を構成する2つの板92a、92bが、2つのヨークバルクヘッド溶接部材9および9で置き換えられていることである。上側ウェイシャフト101と下側ウェイシャフト102(これらは、第1の実施形態のウェイシャフト101および102と同じ材料で、同じ一般的な方法で構成される)の各々は、好ましくは、ウェイシャフト101、102の両端から突出する小径円柱ベアリングスタブ部103によって、それらの対応する対称軸“F”の周りで回転するように、バルクヘッド溶接部材9、9内に軸支されている。上側ウェイシャフト101の下面101aおよび下側ウェイシャフト102の上面102aは、平坦に機械加工され、好ましくはさらに、機械加工の後に、第1の実施形態のウェイシャフト101および102と同じ一般的な方法で、ロックウェルC硬さで39〜41の心部硬さに熱処理されている。
オプションとして、ウェイシャフト101、102の追加支持のために、4つのウェイシャフトカラー901を、上側ウェイシャフト101および下側ウェイシャフト102のそれぞれの端部の周りに装着することができ、これらのカラー901は、ウェイシャフト101、102がカラーの円筒中心穴内で回転することを依然として可能としつつ、任意選択的に、特別に堅固にするため、それらの横方向外側限界付近でバルクヘッド溶接部材9、9に溶接することができる。あるいは、ウェイシャフト(複数の場合もある)がその対応する対称軸“F”の周りに回転することを許可しないことが望ましい場合には、カラー901のうちの一方または両方を、任意選択的に、それらの横方向内縁付近でウェイシャフト101または102の表面に溶接することもできる。
ウェイシャフトカラー901は、バルクヘッド溶接部材9、9を構成するために使用されるものとは異なる金属材料から構成することができ、そして、それぞれ円筒エンドボス90aを有するように機械加工することができ、その円筒ボスは、ジャーナルベアリングとしてのバルクヘッド溶接部材9、9内で自ら位置決めすることができ、そのジャーナルベアリングに、ウェイシャフト101、102の前述の回転のために、小径円柱ベアリングスタブ部103の対応する1つを軸支し、この構成を図10に示している。
図7〜14に示す本発明の第2の実施形態では、ミキシングシャフト84は、CREAC 29を介して、その上端に閉ループを有するロッドアイ28によってヨークアセンブリ90に接続され、そのロッドアイは、下側直線状端部でCREACに固定されている。下側ウェイシャフト102の下面102bに堅固に固定されて、そこから下方に垂下する2つの吊りアイボルト12の間の、ロッドアイ28の閉ループに、駆動コネクタ(クレビス)ピン13を選択的に係合させる。
図7〜14に示す本発明の第2の実施形態では、ベアリングシャフトローラ19は、図1〜6の第1の実施形態とは異なる態様で、ヨークアセンブリ90上に取り付けられている。より具体的には、中心軸“H”を有する中心シャフト22(図13および14に最も良く示されている)が、それぞれ輪郭成形シャフトローラ19と関連付けられる。中心シャフト22は、シャフト22の中心軸に対して偏心するように機械加工された中央部22aと、軸“H”に対して同心に機械加工された2つの自由端部22b、22bと、を有するハブを構成している。中央部22aは、ベアリングシャフトローラ19を、アンギュラ・ボールベアリング20、20によって、アクスルシャフト22の周りに回転するように支持している。アクスルシャフト22の自由端部22b、22bは、ローラ支持部材15に形成された位置整合ラテラルソケット内に、回転しないように保持されており、そのローラ支持部材は、次に、ローラ支持部材を取り囲むUボルト16によって、バルクヘッド溶接部材9の対応する1つに固定されており、Uボルトのネジ状自由端部は、六角ナット18、18によってバルクヘッド溶接部材9に固定されている。この構成により、中心軸“H”と対応するガイド軸“D”または“E”との間の径方向距離は選択的に可変であり、これにより、ローラ19が転がり接触するそれぞれのコラムベアリングシャフト71、72に対して各ベアリングシャフトローラ19の調整可能な位置決めを提供する。このように、中央部22aの偏心加工によって、各ベアリングシャフトローラ19を、ベアリングシャフト71,72との適切な(すなわち、精密公差での)転がり接触を提供するために必要であれば、(Uボルトの締め付け前に)アクスルシャフト22を回転させることにより、調整可能に位置決めすることが可能となる。
各々の輪郭成形シャフトローラ19は、バルクヘッド溶接部材9の長手方向の各端部付近に配置された対応するU形カットアウトを通して作動的に突出しており、これにより、シャフトローラ19が、コラムベアリングシャフトに沿って、ガイド軸“D”および“E”に対して略平行に、ヨークアセンブリ90と共に転がり接触することを可能としている。バルクヘッド溶接部材9へのローラ支持部材15の配置を容易とし、さらにはその位置決めを安定させるために、各ローラ支持部材15のベースから突出するローラガイドピン27に、対向する六角ナット18、18の間でバルクヘッド溶接部材9に形成された対応する位置決め開口を係合させる。
図7〜14に示す本発明の第2の実施形態は、好ましくは、各コラムベアリングシャフト71、72に関連付けて、第1の実施形態に示すように1つのみではなく、2つのシャフト支持ボルト24を備える。これらは、それぞれの実施形態において、略同じ作用および効果を伴って略同じように機能する。
図7〜14に示す第2の実施形態に従って構築されたリニアモーションミキサの全体的な動作は、図1〜6に示す第1の実施形態と略同じである。
以上の説明から分かるように、本明細書で開示されるようなフリースタンディング型コラムベアリングシャフトを用いて構成されるリニアモーションミキサのさらなる利点は、非円形断面のリニアベアリングを使用する先行技術の設計に比して、より高い設計自由度が得られることであり、この場合、長手軸“A”、一対のガイド軸“D”と“E”、およびローラホイール112が沿って移動する上側ウェイシャフト101および下側ウェイシャフト102の対称軸“F”をすべて、略共通の垂直平面内に位置づけることができるようになる。これらの軸を共通平面内にアライメントすることで、さもなければ、これらの軸が同一垂直平面内にアライメントされない場合のスコッチヨーク設計において生じるであろう、ミキシングシャフト84および往復駆動アセンブリ42の他の駆動部品のミスアライメントに起因する曲げ荷重(すなわち、慣性モーメント)のアンバランスの程度が、軽減される。これにより、そのような曲げ荷重に起因する摩擦損失、偏摩耗、および各種構成要素の固着またはラッキングの可能性が、先行技術によるリニアモーションミキサに比して有意に最小限に抑えられ、その結果、本明細書で開示される請求項に係る往復駆動アセンブリは、リニアモーションミキサで使用するのに適した先行技術による往復駆動アセンブリに比して、エネルギー消費および保守が軽減され、寿命が長くなる。
また、先行技術によるリニアモーションミキサで使用される密嵌リニアスライドベアリングを、内部ボールベアリングアセンブリを有する輪郭成形ベアリングシャフトローラで置き換えることによっても、滑り摩擦が転がり摩擦で置き換えられることから、ミキシングヘッドを駆動する往復駆動アセンブリにおける熱としてのエネルギー損失量が顕著に減少する。さらに、開示された改良設計によって、(フライホイールの回転動からミキサシャフトの往復動への)エネルギー伝達効率が著しく向上し、保守間隔はより長くなる。その摩擦の軽減は、コラムベアリングシャフトへの継続的な注油がもはや必要ないほどに十分なものである。また、改良された機構は、ベアリングシャフトローラの開放型輪郭成形接触面を備えることで、先行技術で使用される密閉型シャフトベアリングに比して、ベアリングシャフトとローラの摩耗に対する耐性、および、例えば駆動シャフトのミスアライメント、往復駆動アセンブリ構成部品の不適切な組み立て、またはミキシングヘッドが往復動する際のミキシングシャフトの回転によって生じるようなヨークアセンブリの偏心荷重に起因する、ヨークアセンブリと垂直配置されたベアリングシャフトとの固着またはラッキングに対する耐性が、はるかに高い。
さらに、硬化合金鋼材料で形成された上側ウェイ面および下側ウェイ面と転がり接触する、硬化合金鋼材料で形成された外周面を備えたローラホイールを保持する低摩擦・高荷重ベアリングハブを用いることによっても、先行技術による往復駆動アセンブリに比して、往復駆動アセンブリにおける摩擦損失が大幅に低減するとともに、その摩耗が軽減し、いずれも、先行技術で必要なそれらの接触面界面への略継続的な注油を必要とすることはない。
また、ローラホイールによる接触を作動的に受けて自身の対称軸の周りに回転するようにヨークアセンブリ上に取り付けられた1つ以上のウェイシャフトを用いることによっても、往復駆動アセンブリにおいて製造公差および組立て公差の新たなレベルが提供され、そしてこれにより、そのエネルギー効率が向上するとともに、その現行の保守要求が軽減されることで、本出願人のリニアモーションミキサの往復駆動アセンブリは大幅に改善される。
クランクアセンブリの部品として自動車車輪用ベアリングハブを用いることによって、先行技術で使用されるカスタム機械加工されたベアリングハブに比して、本明細書に開示の往復駆動アセンブリのコストが大幅に削減されるだけではなく、そのような先行技術のベアリングハブに関連してクランクアセンブリの平均故障時間が著しく短縮されることによる保守の問題も、顕著に減少する。
本明細書において上述したように、リニアモーションミキサの往復駆動アセンブリの中にCREACを採用することによって、ヨークアセンブリのねじり荷重に対する耐性は、著しく向上する。それは、混合されるべき流体を通して、ミキシングディスクが上下に繰り返し動かされるときに、それが回転し得ることで、それと共にミキシングシャフトを垂直軸“A”の周り回転させることに起因するものである。記載のようなCREACを設けない場合には、そのようなねじり荷重に抵抗できるのは、ヨークアセンブリのみである。これによって、垂直配置されたベアリングシャフト上で動くベアリングシャフトローラに過度の荷重がかかり、この過度の荷重が往復動を抑制するように作用することで、少なくとも、相当なエネルギー損失と、影響を受ける構成部品の摩耗および整備の増加が発生する。先行技術における極端なケースでは、ベアリングシャフトに沿って垂直方向に往復動する際のヨークアセンブリの深刻な固着またはラッキングが生じる可能性がある。ヨーク部材の下流かつミキシングヘッドの上流で、本出願人の改良された往復駆動アセンブリにCREACを導入することによって、そのような過度のねじり荷重がミキシングヘッドからヨーク部材に伝達されることを阻止し、これにより、さもなければ生じ得る引用された動作上および保守の問題を大幅に減少させる。
同様に、本明細書において上述したように、リニアモーションミキサの往復駆動アセンブリの中にCREACを採用することによって、さらに、そのミキサの製造時、組み立て時、または動作時に生じ得るミキシングシャフトとその長手軸“A”とのミスアライメントに対する十分な適応が得られる。そのようなミスアライメントによって、ヨーク部材、および垂直配置されたベアリングシャフト上で動くベアリングシャフトローラに作用するアンバランスな剪断荷重が生じる可能性があり、そのアンバランスな剪断荷重が、前の段落で説明したヨーク部材のねじり荷重と同様にして、往復動を抑制するように作用することで、少なくとも、相当なエネルギー損失と、影響を受ける構成部品の摩耗および整備の増加が発生し、そして極端なケースでは、ベアリングシャフトに沿って垂直方向に往復動する際のヨークアセンブリの深刻な固着および/またはラッキングが発生する。ヨーク部材の下流かつミキシングシャフトの上流で、往復駆動アセンブリにCREACを導入することによって、そのようなアンバランスな剪断荷重がミキシングシャフトから往復駆動アセンブリのヨーク部材および上流の他の構成部品に伝達されることを阻止し、これにより、さもなければ生じるであろう動作上および保守の問題を大幅に減少させる。
上側および下側ウェイシャフトをヨークアセンブリ上に回転取り付けすることによって、ウェイシャフトは、それらのそれぞれの対称軸“F”の周りに回転することが可能となり(特に上側ウェイシャフト)、この回転によって、ウェイシャフトは、ローラホイールとウェイシャフトとのミスアライメントに適応することが可能であり、そのようなミスアライメントに起因するエネルギー損失または過度の摩耗または固着を伴うことなく、依然としてクランク部材の垂直動作をヨーク部材に効率的に伝える。
他の種々の変形が、本発明の趣旨の範囲内に含まれる。従って、本発明は、開示される請求項に係る発明の趣旨から逸脱することなく、種々の変更および代替構成が可能であるが、限られた数のその実施形態のみを、図面に示し、上記で詳細に説明している。しかしながら、理解されるべきことは、本発明は、開示された特定の形態またはいくつか形態に限定されるものではなく、むしろ、添付の請求項で規定される本発明の趣旨および範囲内に含まれるあらゆる変更、代替構成、および均等物を網羅するものであるということである。
本発明を説明する文脈で(特に以下の請求項の文脈で)使用される「a」および「an」および「the」という用語および同様の指示語は、本明細書において特に指定のない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を包含するものと解釈される。「備えている(comprising)」、「有している(having)」、「含んでいる(including)」、含有している(containing)」という用語は、特に断りがない限り、制限のない用語(すなわち、「含むが、それに限定されない(including,but not limited to)」を意味する)として解釈される。「接続されている(connected)」という用語は、部分的または全体的にその中に含まれている、装着されている、または介在するものがある場合であっても一つに結合されている、と解釈される。本明細書で記載される値の範囲は、本明細書において特に指定のない限り、単に、その範囲内にある別々の値をそれぞれ個々に挙げる場合の簡略化した表記法としての役割を果たすものにすぎず、別々の値はそれぞれ、それが本明細書に個々に記載されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書で提示されるあらゆる例、または例示に関連した表現(例えば,「などのような(such as)」または「例えば(for example)」)が使用されるのは、単に、本発明の実施形態をより分かりやすくするためであって、特に請求項に記載がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書における表現はいずれも、請求項に記載のない要素を本発明の実施に必須のものとして示すものと解釈されてはならない。
本発明の現下での好ましい実施形態について、本明細書で記載している。これらの好ましい実施形態の種々の変形例は、上記の説明を読解することで、当業者に明らかになる。本発明者は、当業者が適宜そのような変形を採用することを期待しており、また、本発明者は、本明細書で具体的に記載した以外の方法で本発明を実施する予定でいる。従って、本発明は、適用される法律で認められているように、本明細書に添付の請求項に記載の内容のあらゆる変更および均等物を含むものである。また、本明細書において特に指定のない限り、または特に文脈と明らかに矛盾しない限り、そのあらゆる可能な変形例における上記要素の組み合わせはいずれも、本発明に包含される。
Claims (15)
- 容器内の流体を混合するためのリニアモーションミキサであって、当該ミキサは、
上端部と下端部とを有して、その間に延びる長手軸を規定しているミキシングシャフトであって、その下端部付近に、前記流体中に浸漬するためのミキシングヘッドを支持している、ミキシングシャフトと、
前記長手軸に対して略平行な往復動を前記ミキシングヘッドに付与するために、前記ミキシングシャフトに対してその上端部付近で、接続可能な往復駆動アセンブリと、を備え、前記駆動アセンブリは、
前記長手軸に対して略垂直に延びる回転軸の周りに回転するように取り付けられたフライホイールと、
前記回転軸に略平行な方向に前記フライホイールから突出しているクランクアセンブリと、
前記長手軸に略平行な一対のガイド軸を規定するように、互いに横方向に離間した関係で、前記長手軸に略平行にそれぞれ延びる、第1と第2のコラムベアリングシャフトと、
前記第1と第2のコラムベアリングシャフトの間に配置されたヨークアセンブリであって、これに、前記第1と第2のコラムベアリングシャフトの各々とそれぞれ転がり接触するように取り付けられた2つ以上の輪郭成形ベアリングシャフトローラを有し、これにより、前記ガイド軸に対して略平行に、前記コラムベアリングシャフト沿って該ヨークアセンブリの転動を提供する、ヨークアセンブリと、を有し、
前記ヨークアセンブリは、前記クランクアセンブリによる作動的接触を受けるように、互いに対向して配置された上側ウェイシャフトの下面と下側ウェイシャフトの上面との間に画成された直線レースを有し、該レースは、前記上面および前記下面がそれぞれ前記回転軸と前記長手軸の両方に対して略垂直な向きとなるように、前記ヨークアセンブリ内に配置されており、
前記ミキシングシャフトは、前記ヨークアセンブリと共に動くように、その上端部付近で、前記ヨークアセンブリに接続されており、
前記フライホイールが回転すると、前記クランクアセンブリは、前記レース内で行き来するように直線的に並進させられ、これにより、前記ヨークアセンブリを、前記第1と第2のコラムベアリングシャフトに沿って往復転動させることで、該往復動を前記ミキシングヘッドに付与する
ことを特徴とするミキサ。 - 前記第1と第2のコラムベアリングシャフトのうちの対応する1つに転がり接触するように、前記ヨークアセンブリの両側付近にそれぞれ2つずつ作動的に取り付けられた、4つの輪郭成形ベアリングシャフトローラを有する
請求項1に記載のリニアモーションミキサ。 - 前記輪郭成形ベアリングシャフトローラの各々は、中心軸を有するハブ部材によって、前記ヨークアセンブリ上で回転するように取り付けられており、前記ハブ部材は、1つ以上のボールベアリングアセンブリが組み込まれている
請求項2に記載のリニアモーションミキサ。 - 前記ボールベアリングアセンブリの各々は、ゼロメンテナンス・アンギュラコンタクト・ボールベアリングアセンブリである
請求項3に記載のリニアモーションミキサ。 - 各ベアリングシャフトローラが転がり接触するそれぞれの前記コラムベアリングシャフトに対するベアリングシャフトローラの調整可能な位置決めを提供するために、前記中心軸と対応するガイド軸との間の径方向距離は、選択的に可変である
請求項1ないし4のいずれかに記載のリニアモーションミキサ。 - 前記ウェイシャフトのうちの少なくとも一方は、前記クランクアセンブリによる作動的接触を受けると、その対称軸の周りに回転するように、前記ヨークアセンブリ上に取り付けられている
請求項1ないし5のいずれかに記載のリニアモーションミキサ。 - 前記上側ウェイシャフトおよび前記下側ウェイシャフトの両方は、前記クランクアセンブリによる作動的接触を受けると、その対応する対称軸の周りに自由に回転するように、前記ヨークアセンブリ上に取り付けられている
請求項1ないし6のいずれかに記載のリニアモーションミキサ。 - 前記上面および前記下面のうちの少なくとも一方は、熱硬化合金鋼材料で形成されている
請求項1ないし7のいずれかに記載のリニアモーションミキサ。 - 前記上面および前記下面の両方は、熱硬化合金鋼材料で形成されている
請求項8に記載のリニアモーションミキサ。 - 前記クランクアセンブリは、低摩擦・高荷重ベアリングハブを含む
請求項1ないし9のいずれかに記載のリニアモーションミキサ。 - 前記低摩擦・高荷重ベアリングハブは、自動車車輪用ベアリングハブである
請求項10に記載のリニアモーションミキサ。 - 前記自動車車輪用ベアリングハブは、市販のトラック車輪用ベアリングハブである
請求項11に記載のリニアモーションミキサ。 - 硬化金属の外周面を有するローラホイールが、前記自動車車輪用ベアリングハブ上に作動的に取り付けられており、これにより、前記外周面を前記上側ウェイ面および前記下側ウェイ面に転がり接触させることで、これらとの前記作動的接触に前記クランクアセンブリによる作用を及ぼす
請求項11または12に記載のリニアモーションミキサ。 - 前記ミキシングシャフトは、前記ヨークアセンブリと前記ミキシングシャフトの前記上端部との間に介在させたシリンダロッド端アライメントカプラ(CREAC)によって、前記ヨークアセンブリに接続されている
請求項1ないし13のいずれかに記載のリニアモーションミキサ。 - 前記長手軸、前記一対のガイド軸、前記上側および下側ウェイシャフトの対称軸は、すべて共通の略垂直な平面内に位置づけられている
請求項1ないし13のいずれかに記載のリニアモーションミキサ。
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